フランス■□ Maison deux Montille □■ブルゴーニュ
メゾン ドゥー モンティーユ |
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● 凄いワインを見つけました..。やっぱり血筋は争えないのでしょうか..。旧ドメーヌ・ユベール・ド・モンティーユ は、当主の引退後、ドメーヌ・ド・モンティーユ
と名称変更しました。そして極少々のみ造っている、2002 Puligny Montrachet Cailleret 白 は、IWC で 95点
というハイポイントを獲得しています。
その ド・モンティーユ家が始めたもう一つのワイン事業が Maison Deux Montille
メゾン・ドゥー・モンティーユです。この Deux は 「2つの」という意味です。
そして、初めてのヴィンテージである 2003年を飲んだ
noisy は..ぶっ飛んでしまいました...、こう言っておきましょう..
「シャルドネ・ファンなら必ず手に入れるべきである」 と。
全ての葡萄を優れた畑と栽培技術を持つビオディナミの生産者からのみ購入していますが、ハーヴェスト(収穫)は
ベストのタイミングを 自身で指導しています。しかも、生まれるワインが凄いバラエティ!今回は3アイテムのみで
しかも極少量ですが、是非ともご予算に合わせてご購入ください。ボーヌのシャルドネが持つエレガンス、フィネス、テロワールを余すところ無く感じることが出来ます。後悔は..しないと思いますよ。
と、2003年ファーストリリースの時は書いていました。いや、なかなかに面白いことが有りましたのでちょっと触りだけ..
2003年の時にそれなりに取り扱った性でしょうか、エージェントさんが2004年のサンプル数アイテムをくれると言うので、仲間と一緒にテイスティングしました。もっとも全部戴いたのではなく、何アイテムかは購入させていただいての話です。
そもそもドゥー・モンティーユを扱うことになったのは、ヴァンパッシオンというエージェントさんの立ち上げの時のテイスティング会で、ドゥー・モンティーユの幾つかのキュヴェがとても気に入ったのが始まりです。それが昨年の暑い時期だったと思います。そのときに気に入って購入したのが3アイテムでした。
で、仲間と昨年の3アイテムに加え、エージェントさんの方でチョイスした3アイテム、合計6アイテムをテイスティングしたのですが...何と、結局は2003年と同じアイテムのみを扱うことになったんですね。ん?どこが面白いのか全然判らないって??
いや、ね、ヴィンテージは違えど、結局最終的に選んだキュヴェが同じ、ということは、最初の2003年の時、とても短い時間の中で選択した眼も間違ってはいなかったんだな?と再認識したところが面白いと..ん?..それって、ただちんまいところを何気なく自慢したいだけなんじゃないのって??..かもしれん..(T.T
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●2004Auxey-Duresses la Canee |
オーセ=デュレッス・ラ・カネ |
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【ドゥー・モンティーユのアイテム中、最もリーズナブル且つ特徴的なシャルドネです!】
最初にはっきり言っておきましょう。この「ラ・カネ」と下記の2アイテムの間には、大きな差が有ります。とんでもなく大きな差です。価格はある意味、とても正直です。じゃあ、何でオーセ=デュレッスを紹介するのか..それは、ドゥー・モンティーユのワインを特徴的に良く現し、しかもリーズナブルでソフトな味わいだからです。
オーセ=デュレッスは北からヴォルネイ - モンテリー - オーセ=デュレッスと続いており、ムルソーに比較近い位置に有ります。このラ・カネ は村名のリューディで、味わい的には(単純に言うと)コルトン=シャルルマーニュ 30% に 樽が強くないムルソー を 70%足して、ややフィネスと濃度をマイナスしたような感じです。..判らんよね、これじゃ..
余りローストしていない僅かな樽香、ソフトなミネラル、白桃、黄色い花。ムルソー的なややファットなボディに柔らかな接触感。果実味と酸の絶妙のバランスにピュアなアロマが香ります。何も決して強すぎず不足せず。中心はしっかりしているものの、とても滑らかで頑なな部分は無い。外向的で温かみのある味わい。
とても美しい仕上がりです。とてもドライなんですが、ギスギスしていないし、しっかり膨らみもある。
「あと少し内向的な複雑さが欲しいんだよね」
という不満は残りますが、やっぱりそれを言うなら上級のキュヴェを飲むべきでしょう。ドゥー・モンティーユのスタイリッシュな造りを知るにはとても良いワインだと思います。お奨めします。 |
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●2004Meursault Clos des Rougeots |
ムルソー・クロ・デ・ルージョ |
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【素晴らしい!コシュ=デュリのルージョの真上のクロです!】
グラスから放たれるミネラルのフィネスと、ひとすすり含んだ一瞬の間の後の、口内・鼻腔を駆け巡る何かに身を任せてください。素晴らしいワインです。村名のリューディとは思えぬほどの深遠さを持っています。
そもそも、ムルソー・レ・ルージョは村名畑に過ぎませんが、これは「肉付き」が1級畑に適わない、という理由から来ているようです。しかしながら、秀逸なレ・ナルヴォー、レ・ティエ、ル・テッソンなども含め、複雑さを秘めた深い味わいを持つ村名のリューディは、シャルドネを愛する者にとっては、これ以上無い対象となっている訳です。またそうでない方も、コシュ=デュリの本当に素晴らしいレ・ルージョに触れることが出来れば、その素晴らしさに気が付かれるでしょう。
こんな分け方が正しいかどうかは判りませんが、コシュ=デュリの場合は比較早い段階での収穫を目指していますから、コント・ラフォンらの遅摘みを良しとするタイプとは、酸の出方や構成が違い、味わいも大きく違います。ドゥー・モンティーユの場合は、その中間的な収穫時期、もしくはコシュ=デュリにより近いんじゃないのかな?と踏んでいます。(あくまで味わいからの想像です)
思い切り冷たさが漂い、クールな状態に置かれた柑橘系フルーツや木の実が感じられます。もっとも完熟状態には程遠いのですが、果実味と酸味の絶妙なバランスを持っていますし、エキスの旨みと、その中に含まれる沢山の要素が複雑性を感じさせてくれますので、現状でもものすごく良い感じです。巨大さ、大きさから言えば、やっぱり下記のコルトン=シャルルマーニュには適わないですね。
また、価格も手ごろですので..なんてったってコシュ=デュリを考えれば滅茶苦茶安いです。(素直に比べられないですが..)
そんな訳ですので、少し良い価格のシャルドネですが、これが一押しです。飲んでみてください!
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●2004Corton-Charlemagne Grand Cru |
コルトン=シャルルマーニュ |
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【滅茶苦茶旨い!】
ドゥー・モンティーユのトップ・キュヴェです。ネゴシアン新時代を感じさせてくれるのは、ドゥー・モンティーユも同じ..フィリップ・パカレにせよ、自己所有畑を欲しいに違いは無いのでしょうが、畑に縛られることなく、良質な葡萄を得られるのであれば、そして、収穫した葡萄をすぐに醸造に移せるような環境が整えられるのであれば、ネゴスの方が良いのかもしれないと..noisy
も考え始めています。
このコルトン=シャルルマーニュですが、すでに完成された美味しさを持っています。おそらく、ワイン好きの方であれば、誰もが美味しいというに違いないレベルです。とても判りやすいんですね。
と、書いてしまうと、
「あ、単純なのかな?」
と、思われてしまいますが、そうにあらず..とてつもない大きさと、その空間を埋め尽くせる良い要素を大量に保有しているからです。誰にでも判る美味しさは、実はとても凄いワインである、ということの証明でも有ります。特に若い高級シャルドネは、肉付きの良いピュリニータイプであれば、
「美味しいね」
と高い確率で言って頂けると思います。しかし、コルトン=シャルルマーニュのような硬い性質のアペラシオンで、リリース直後から美味しい!と言えるものは、ほとんど有りません。
「グレートなワインはリリース直後から美味しい」
それは良く言われることではありますが、そんなに多く経験できることではありません。硬く絞まった味わいながらも、僅かな隙間からの微量の放出で多くの人を満足させてしまう力が有ります。noisy的には
ポテンシャルで 95点以上付けるに間違いないでしょう。もし余裕がございましたら、挑戦してみて欲しいグレートなシャルドネです。 |
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フランス■□ Elise Brignot □■ロワール
エリーズ ブリニョ |
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● ビオロジック(有機農法)で造られた素直なワインをご紹介します。リアルワインガイドの第14号でも取り上げられていますので、是非ご覧下さい。
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2004年に起ち上げた、できたてホヤホヤのドメーヌ。エリーズ・ブリニョの名は、ピエール・ブルトン(シノン)での研修時代からすでに注目されていた。自然派ワインのスーパールーキー。 |
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●N.V.(2003)Beau Mont de VenusV.d.T.F. |
ボー・モン・ド・ヴェニュス |
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今飲んで 86
ポテンシャル 88
2008 〜 2016 |
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【なかなかに凝縮感ある造りです!暑さの峠が越えたころからが飲み頃か..カシスが美しいです!】
後になってからおそらく販売することになるんだろうな?という、予感は有ったんですが、何しろ全く情報が無い中でのリアルのテイスティングでした。おまけにこのワインのレヴュー担当になるとも思ってはいなかったし、造っているのが女性だということも判りませんで、本当に何もかもがブラインド状態でした。細かな部分はリアルの第14号を読んでいただくと、その時の印象などがご理解いただけるでしょう。
抜栓直後はやや還元的でナーバス..輸入直後の悪い面が出ていたんだと思います。しかし、収まって来ると、美しいドライなカシスのニュアンスが漂い、華やかなミネラル、スパイスとともにかなり良い印象を持ちました。中盤もそこそこ膨らんでなかなかのもの..問題は余韻に感じる渋み..やや収斂味を持っていたために、印象をマイナスさせる方向に向かいます。
ところで、このワインは シノン やブルグイユで使われる カベルネ・フラン
です。青いピーマン香..に代表され、ちょっと敬遠される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、このワインには、そんなハービーなものは全く感じず、スパイス類に昇華していました。
で、さらなる問題はその後でして..テイスティング終了後に結局持って帰りまして、改めて飲ませていただいたんですが..これがかなり良いんですね。後口の収斂味はボディの膨らみと美しい収束へと変化していたんですね。これはポテンシャルの高いワインに良く見ることですが、質が悪いものなら、「あっ」と言う間にギスギス凸凹した後口になってしまいます。リアルの最終ポイントは
88 で止まってしまいましたが、あと1〜2点の加点は考えても良さそうです。
テイスティングは5月ですから現在の時点での状態は、かなり良くなってきていると想像されます。一番気になっていた「後口」の問題がクリアにされましたので、大いにお奨めいたします。
なお、もし還元的な香りが感じられましたら、若干時間を置いていただくか、(30分くらい)、もしくはデキャンタをご使用下さい。裏にあるカシスの美しい香りが一層華やかになることでしょうし、後口のキレと中盤の膨らみが出てくると思います。
デキャンタが無いようでしたら、グラスを複数個使用して、交互に何度か入れ替え、空気を触れ合わせてください。きっと気に入っていただけると思います。お奨めいたします!
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●N.V.Petillant Naturel Blanc Cuvee Chhhh... |
ペティアン・ナチュレル・シュー・・・・・ |
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今飲んで 88
ポテンシャル 88
2008 〜 2016 |
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【今なお成長しているペティアンです!たまごっちペティアンと名付けよう..♪】
何しろ、シャンパン風の立派な瓶に入っていながら、グラスに注ぐと泡がほとんど立たず..
「ありゃりゃりゃりゃ..」
と、シュュュュュュ...どころの話じゃなかった訳ですね。ん?何の話か判らん?
そうそう、リアルでのテイスティングの話です。まっこと質の良い、美しい甘みを感じるのに、ペティアンに必要なガスがほんの僅かしか感じられなかったんです。まあ、聞いたところ、二次発酵の途中で持ってきた、とのことでした。
まったくに穏やかな美しい甘みを持ったペティアンです。しかも現在進行形で二次発酵を続けていますから、こんなことが可能です。
1.絶妙の甘みをしっかり楽しみたい方
冷蔵庫に入れて発酵を抑えると良いです。ガスは微量ずつ増えて行きます。
2.清涼感を楽しみたい方
セラーに入れておいてください。徐々に発酵が進みガスが強くなり甘みが無くなってゆきます。
3.ブリュット(辛口)になるまで育てたい方
セラーに突っ込んで、しばらく忘れてしまってください。10年でも持つはずです..が、澱も出てくるかもしれませんが..
味わい的には、リンゴやグレープフルーツのほのかな香りと、それをほおばっているようなリアルなイメージです。しかし、上記に書きましたように、どんどん変化して行くと思います。このままの状態で止めたければ冷蔵庫へ、発酵を続けるのであればセラーへ..たまごっち(ふ、ふるっ)のようにあなたの手で育ててあげてください。ん?たまごっちは大きくなっても食べたりしないぞって??..ぁんまり細かいところを突っ込まぬよう..お願いします.. |
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フランス■□ Domaine Didier Dagueneau □■ロワール
ドメーヌ ディディエ ダグノー |
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● シャンパーニュのアンセロム・セロスと並び称されるロワールの鬼才、ディディエ・ダグノーの秀逸なワインが届いています。今回は2アイテムを飲ませていただきましたが..やっぱり「凄い!」ワインでした!
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●2004Blanc Fume de Pouilly |
ブラン・フュメ・ド・プイィ |
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●2004Blanc Fume de Pouilly Silex |
ブラン・フュメ・ド・プイィ シレックス |
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●2004Blanc Fume de Pouilly Pur Sang |
ブラン・フュメ・ド・プイィ ピュール・サン |
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●2004Blanc Fume de Pouilly Buisson Renard |
ブラン・フュメ・ド・プイィ ビュイッソン・ルナール |
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【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3〜5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね〜♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2〜4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3〜5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。 |
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フランス■□ Nicolas Joly □■ロワール
ニコラ ジョリー |
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● ロワール上流の稀有な造り手、ディディエ・ダグノーの後は、中流の奇跡の畑を持つ元祖ヴィオディナミ、ニコラ・ジョリーのご紹介です。
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●2001Savennieres Clos de la Coulee de Serrant |
サヴニエール クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン |
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【 個人的にはかなり気に入ったヴィンテージです..】
クーレ・ド・セラン という畑はサヴニエールAOCの、というよりもロワール全体のグラン・クリュみたいな位置づけになっています。リアルワインガイド第14号の巻頭の特集には、川沿い南向きの素晴らしい畑が掲載されていますのでご覧くださいね。
もう時効でしょうから..やっぱ、やめとくか..まあ、いいか..。リアル10号ではクーレ・ド・セランの2001年と2002年が出て、当然のようにブラインドでテイスティングしました。掲載された評価は2002年が2001年を上回っていましたが、noisy
的な評価は逆でした。ソフトで遅摘み、貴腐のニュアンスが入るやや甘い2002年に対し、硬く閉ざしていながらも、奥に光明を持つストイックで思いっきりドライな2001年にポテンシャル点を高く付けたのです。単に、noisy
的 好みだった..と言うよりも、どこかルフレイヴ的な凝縮感を持つ2001年に惹かれたのかもしれません。
もっとも、このワインが持つ全ての要素が開放に向かうのかを判断することは、難しいところです。しかし、収穫時期を無理にいじらず、冷たい果実味を完全に閉じ込めたクロ・ド・ラ・クーレ・ド・セランの最後のヴィンテージでは無いかと考えます。その意味合いにおいて、とても貴重なワインじゃないのかな?と思います。
さらには、上記の文章の意味が全く判らない方がほとんどだと思いますが、これを説明するのは至難の業..ある程度、クーレ・ド・セランを飲まれた方じゃ無いと理解不能でしょう。ですので、2001年のこのワインは、
1.とても冷涼な風味、果実味、酸をバランス良く配置。
2.過熟気味の葡萄は使用していないが貴腐のニュアンスは持つ。(最終的なブレンドによるものでしょう)
3.酒躯はスタイリッシュだが完熟時はかなり膨らむはず。
そんな味わいです。
しかし、(今のところ)2002年以降は収穫時期を遅くしたらしく、それ以前とは大きく印象が違います。表面上の果実味がたっぷり乗り、ソフトで貴腐がかなり香ります。どっちが良いかは好みなのかな?最低でも2001年まではブルゴーニュチックでは有ります。
という訳で、不調の時代?も含め、ニコラ・ジョリーが大きく舵を切り始めた狭間で、光り輝くただひとつのヴィンテージ..それが2001年クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セランです。偉そうにそんなことを吹聴するのはおそらく..noisy
だけでしょう。セランに1本!..もとい、セラーに1本..隠しておいてください。
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フランス■□ Jacques Selosse □■シャンパーニュ
ジャック セロス |
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● うわお..です。エチケットを見てそう雄たけびを上げ、価格をみて再度トーンの下がった
うわお です..。最高のヴィンテージになった1996年、(もう10年ですよ!)
こんなに高いとは思いませんでしたが、何としても手に入れたかったので..はい、購入いたしました。
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●1996Champagne Grand Cru Extra Brut Blanc de Blanc |
シャンパーニュ・グラン・クリュ・エクストラ・ブリュ・ブラン・ド・ブラン |
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【..】
希少なジャック・セロスのミレジメです。状態はとても良いように思います。2005年2月3日のデゴルジュです。シャンパーニュが目を疑うくらいに高価になっている中で、誰もが最高の造り手、最高のシャンパーニュと信じているわけですから、この位は仕方が無いことなのかもしれません。新着で売れなかったら、自分の為に当分引っ込めます!(一口飲ませてくれるなら考えよぅ..)..92年のヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズって、このくらいの価格だったんですが..なんか虚しいですね。 |
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フランス■□ Philippe Pacalet □■ブルゴーニュ他
フィリップ パカレ |
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● フィリップ・パカレの正規輸入品が入荷しましたのでご紹介します。まあ、大体のんびりしているのが普通の
noisy ですので、気の早い方は、
「なんだぁ..もう買っちゃったよ..遅すぎ!」
という方が多いかもしれません。また、それに加えて、
「パカレ、パカレと騒いでるけど何となく高いし、美味しいかどうかも判らないし、アイテムが多すぎて何を選んだらいいのかさえ判らないから、もうお手上げ!」
というのが普通の方の印象でしょう。
それに加え、ワイン屋仲間の情報を聞くと、今ひとつ販売の方も芳しくは無いようです。特定のアイテムはすぐに完売するものの、それ以外は足が重いらしいですね。まあね..ワイン屋とすれば、入ったそばから売れてしまえば資金も楽だし苦労もしないでしょう。でも、それで何が楽しいのかな..と思っちゃいますね。自身で旨いかどうかを判断して売りたいかどうか、誰が喜んでくれそうか、とか、を決めるのでは無いとすれば、楽しくないでしょうね。まして販売側が現在のパカレをどのように評価するのかにさえ興味を持たないのであれば、売れないと嘆く方がおかしい..
でも noisy だって、ただのんびり大工をやってた訳じゃあありませんよ..ん?大工..?いや、セラーの構成を変えていましたので、この1〜2カ月というものは、ワイン屋なのかライターなのか大工なのか電気技師なのかエアコン屋なのかデザイナーなのか..という状況でした。(ただのナマケモノ..という声も聞こえるが..)
リアルでも次号は自然派特集(リアル自身は自然派という言葉が気に入ってないらしい..)で、ちょうどタイミング良くフィリップ・パカレを飲ませてくれると言うことで、
「これは自分(たち)で空ける手間とコストが省けた!」
ということになりますので、役得役得!まあ、ほとんどのワイン屋さんにしても購入も難しいし、飲むことさえ出来ない現実を考えれば、とてもありがたいことです。
そんな訳で、noisy としては出来るだけ自分自身の感覚をお伝えしよう..と努力しています。無駄だと思いながらも、2004年のパカレを、どのようにワイン屋自身が評価しているのか、ネットを調べてみましたら..残念ながら、ほとんどの方が飲んではいませんね。エージェント資料の丸写しで終始していますので、まるで参考にはなりませんでした。あ、猪俣さんのところはさすが、頑張っていますね。
で、お客様の知りたいことはおそらく..
「パカレって本当に美味しいの?凄いの?買いなの?」
ということでしょう。ショップさんによっては、パカレのどこが良いのか全く判らない云々..との記載さえある現実ですから余計でしょう。ですので、この際ハッキリと申し上げておきましょう。これを書いている段階で2004年のパカレを13アイテムテイスティング終了ですが、
「フィリップ・パカレ2004年は(も?)素晴らしい」
「決して高くは無いし、何を購入されても損をしたとは思わないでしょう」
自分で販売しているわけですから売れたほうが良いのは間違い有りませんので、
「自画自賛で終始してしまうんじゃないの?」
というお客様の疑問は有ると思います。それが自然なことですよね。でも、おそらく長くお付き合いしてくださっている noisy のお客様は、
「お、noisyさんはどうやら本当に素晴らしいと感じたらしい..本気だね..」
と受け取って戴けた事でしょう。パカレ2004を飲まずに何のブルを買うか。白も赤も素晴らしいクオリティです。ご予算に合わせて、是非1本、ご検討下さい。 |
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●フィリップ・パカレ 2004年白について
現段階で飲めているのは次のとおり
2004 ピュリニー=モンラッシェ
2004 ムルソー
2004 コルトン=シャルルマーニュ
2004 シャブリ・ボーロワ
どのワインも本当に素晴らしかったです。ブルゴーニュに長く親しんでいるファンなら、たとえブラインドテイスティングでも一口グラスに鼻を近づけすすっただけで、
「ん、これはモロにムルソーっぽいし、このデリシャスな果実感はピュリニー、そしてこのエレガンスたっぷりにスタイリッシュな石灰のニュアンスはシャルルマーニュに違いない!」
と、予想は付くはずです。そして、紛れも無くその通りのアイテムです。それが何を表しているのか..それこそが「テロワール」であり、畑の個性を最大限に引き出した結果です。そこにパカレらしいソフトさとピュアさ、自然さが備わっていますから、不味いわけが無い。今から飲めるし良さも充分に伝わってきます。まあ、もっともコルトン=シャルルマーニュは早すぎます。3〜5年以上待つとベストでしょうね。
また、飲めるかどうか判りませんが、パカレ自身の畑のアリゴテは、実はレアですし、最も注目されるのがシャブリ・ボーロワです。極一部のワインファンの間では、
「滅茶苦茶旨いらしい!」
という噂が飛び交っており、リアルで飲めることを期待していましたが外れていました。ちょっと残念..。それに高いコストパフォーマンスを見せるサン=トーバンの両1級も注目ですね。シュヴァリエに連なるアン・ルミイィと、その北側に拡がるミュルジュはピュリニーのシャン・ガンに連なって、かの禿山を取り囲んでいます。
..ということは..2004年パカレ白は全部お奨めっていうことじゃん!..ということらしいです!はい。 |
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●2004Saint-Aubin 1er Cru les Murgers des Dents de Chien |
サン=トーバン・プルミエ・クリュ レ・ミュルジュ・デ・ダン・ド・シアン |
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【実はここが要注目!】
もう皆さんはサン=トーバンのリーズナブルさを重々承知されていることと思います。シュヴァリエ=モンラッシェに連なるアン=ルミイィ(シャサーニュのアン・ルミイィをはさみます)と、その北側に接するレ・ミュルジュ・デ・ダン・ド・シアンで、さらにピュリニーのレ・シャンガン、ガレンヌと接し偉大なる山(丘?)の西側を構成しています。村のほとんどが秀逸な1級畑で占められ、シャルドネが約3/5に植えられています。
アン・ルミイィはもう散々ご紹介していますから、もうお判りでしょう。ミュルジュは、これも隠れた名品のひとつで、ダン・ド・シアン(犬の歯)と形容されたリューディです。
一般にはピュリニーほどのボディの厚みが出ず、香りも弱いとされますが、良い年であれば遜色ないレベルにまで高められます。しかも価格はリーズナブルです。この先飲める様なら、加筆したいと思います。 |
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●2004Puligny-Montrachet |
ピュリニー=モンラッシェ |
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【ムルソーよりやや軽快であか抜けています。これも素晴らしい!】
樽が掛かったムルソーよりもピュアな果実味を強く感じるピュリニーでした。上記コラムでも書きましたが、おそらく皆さんが「ピュリニー=モンラッシェ」に抱くイメージが、全くそのまま描かれた素晴らしいピュリニーです。
個人的には 0.5ポイントほど ムルソーより高い評価をしたはずですが、この辺りは好みで変わってくるはずです。より繊細な襞を感じたのでそのようになっただけですが、現時点でのポイントは同じでした。
果実味がストレートに描かれていますので、誰が飲んでも素直に美味しい、と感じるはずです。コルトン=シャルルマーニュのような「がちんこに硬い」ことは有りえず、ソフトな舌触りと口内で立体を形づくる大きさはさすがですね。
「美味しいシャルドネが飲みたい!」
とイメージしたままの味わいだと思います。お奨めします。 |
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●フィリップ・パカレ 2004年赤について
現段階で飲めているのは次のとおり
2004 ニュイ・サン=ジョルジュ
2004 シャンボール=ミュジニー・プルミエ・クリュ
2004 シャンボール=ミュジニー
2004 ジュヴレ=シャンベルタン・ラ・ペリエール
2004 ジュヴレ=シャンベルタン
2004 リュショット=シャンベルタン
2004 ポマール
2004 ポマール・レ・シャンラン
2004 ボーヌ・レ・シュアシュー
もう手放しで誉めたいワインでした。DRCが何故パカレを欲しがったのかが理解できます。細かくはリュショットのコラムに書きますが、DRC風の葡萄の粒を完全にエキスに昇華した作風で、
「DRCがシャンベルタンを造ったらこんな感じかな?」
と思わせるだけの偉大さが備わっていました。そして、全てのテイスティングしたピノが、抜栓直後はシャンボール=ミュジニーのようなミネラルのフィネスと、花畑にいるような香しさを持ち、長い時間を掛け、そのテロワールを「つやつやに」表現してきました。はじめちょろちょろ、なかパッパみたいな感じで、最初はやや硬く、30分以上掛けて少し開く、という流れです。まあ、リアルでの30分では、想像力を全開にしないととても時間が足りません。もって帰ったリュショットの旨かったことったら、ちょっと言葉にはなりません。
飲んでいないアイテムが有りますからその辺はごめんなさい。でも、おそらく外すことは無いでしょう。綺麗にテロワールを描き、それをミネラルでコーティングしていますから、早く飲みたいのであればデキャンターを使用したり、抜栓を早めたりと工夫なさってください。2004年を飲むまではこれほどにナチュラルで深いピノに仕上がっているとは思えませんでした。是非ご検討くださいね。 |
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●2004Pernand-Vergelesses |
ペルナン=ヴェルジュレス |
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【一番安価で一番フィネスが出るワインです!】
これは飲んでいないんですが、なんとなく想像できるんですよね..。2003を飲んでる性もあるんですが、決して太くは無い、痩身のエレガンスを上手に表現しているはずなんです。言ってしまえば、
「そぎ落とされたバランスと旨さ」
を感じると思います。緊張感が漲っていて欠落感を感じさせない..そんなニュアンスです。クラスは一番下だがこれで充分!と思わせるのは、ジャック・セロスとかのごく一部のワインです。是非ご検討下さい。 |
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【大御所ティエリー・アルマンの2002コルナスと比較も楽しい?】
2004年が最後のヴィンテージになりそうです。コルナスの自然派、Domaine du
Coulet(ドメーヌ・デュ・クーレ)のマチュー・バレ氏から分けてもらった葡萄で仕込んでいます。
エージェント情報
場所はコルナス村からつながる南東向きの急斜面の段々畑。花崗岩が砂状に砕けた土壌、樹齢35年のシラー100%。ある意味シラーの常識を覆す驚くべき味わい。スパイシーな印象よりも、繊細でクリアーな果実味、自然なブドウの甘みを実感します。
(発酵温度がやや低いような印象???・・・当然機械的に温度コントロールはしていませんが。) |
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●2004Beaune 1er Cru les Chouacheux |
ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・シュアシュー |
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【こちらは飲みました!】
ルイ・ジャドが本家?のレ・シュアシューです。スグリとベリーのニュアンス、そこに石灰系ミネラルが粒と粒を繋ぐように存在しますから、香りにも味わいにも滑らかさが溢れます。やや早いのか、若干の凸凹感がありますので、飲み頃は2006年の秋からでしょう。(今飲むならジュヴレ=シャンベルタンが滅茶苦茶良いですよ)それに加え2〜3年の年月が、ボーヌ村南部のテロワールを大きく引き出し、クロ・デ・ムーシュのような力強さと強いブケを生むものと思います。 |
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●2004Chambolle-Musigny 1er Cru |
シャンボール=ミュジニー・プルミエ・クリュ |
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【素晴らしいです!】
テイスティング後、このワインを誰が持って帰ったのかは忘れましたが、シャンブレ状態になったらおそらく物凄かったはずです。(是非とも聞いてみたいですよね〜)個人的にはリュショットとほぼ同じくらいの評価をしましたが、このワインを今から飲めるか、それともしばらく先からが飲み頃と判断するかで、大きく評価ポイントが変わってしまうと思います。
なにせ、ミネラル分に長けたパカレのワインですから、2004年のピノの全てが抜栓直後はシャンボール的です。それにこれはシャンボールの1級ですから、ミネラルの二乗でガチガチなんです。その硬い質をどのように見極めるか..で変わってしまうということなんです。ですので、比較的低いポイントをつけるとすれば、早い飲み頃で凝縮感不足、という判断になり、高いポイントをつけるとすれば、凝縮した果実味(の要素)が膨大なミネラルの裏側に存在することを確認、もしくは想像しなければなりません。
noisy の場合、持ち時間の最後の最後で、その裏側に有る「かぐわしい」果実味の着物のすそを何とか引っ張り出しましたので高いポイントを付けた、ということになりますが、おそらく短い時間で、マスキングされた着物にたどりつけないとすれば、プラスポイントが付かない、という結果になります。
まあ、そうなっちゃうと誰を信じるのか、という、ある種、宗教的な話になっちゃいますが、事は簡単!空けて時間を掛けて飲んでみりゃ簡単に判りますよね。そんなモンで誰が持ち帰ったかが気になって仕方が無い..!次号のリアルが楽しみです。
結局白黒付けなきゃどうにもならないこの世界ですから、noisy は、
「凄いよ!」
と判断したわけです。重量感のあるタイプではなく、あくまでエレガンスを積み上げたシャンボールですが、細かな粒ではなく、ややロッシュ(岩)を感じましたので、もしかすると将来力強さをも持つようになるかもしれません。シャンボールの中央から北西のリューディは、けっこうパワフルさも有りますからね。誰から葡萄を購入しているのかは判りませんが、ボンヌ=マールにはルロワやルーミエなどのビオ系生産者が多いですから、その関係も有ってその周りはビオの畑が拡がりつつあるのかもしれませんし..ま、そのあたりはあくまで想像の域を出ません。(一説にはレ・シャルム北のレ・シャトロだというのがありますが、2004年は定かではありません)
noisy 的には 93点以上のポテンシャル点が付けられる凄いワインです。信じるも無視するもあなた次第!..ん?何々?..財布が軽くて買えないから結局は信じても救われないって..??
..それは実に悲しい現実..それが広まらないことを祈ります。
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2004Charmes-Chambertin Grand Cru |
シャルム=シャンベルタン グラン・クリュ |
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【飲むチャンスを逸しました..】
昨年まではパカレのトップワインとして君臨したシャルム=シャンベルタンです。畑はマゾワイエールよりのリューディ・シャルムに有ると言われています。
エージェント資料によりますと、
「マゾワイエール」に近い場所。「シャルム・シャンベルタン」の中でも中心部分の小丘の頂きにあり、日照など最高の位置にある。グラン・クリュの特徴として表土の赤土の深さが特に浅い。地中に砂利がたくさん混ざった粘土石灰質土壌。粘土質と砂利の比率が高く、ワインのボディーとなって表れる。この比率や、傾斜の向きなどがグラン・クリュの品質と構成、そして繊細さを生み出す。
とのことです。
2003年ものをリアルでテイスティングし、第10号でレヴュー担当になっていますので、もしご興味が有れば読んでみて下さい。実際、凄いワインでした。パカレの実力のほどを堪能させていただきました。パカレの秀逸なシャルムを飲んだことが有る人は、この日本でも数えられるほどしかいないと想像されますが、飲んじゃったもんね..飲まなきゃ判らないのがこの世界!DRCのエシェゾーやプルミエクリュを購入するよりも満足度が高いかもしれませんし、この先多くの人が飲むようになれば、さらに価格も高騰してしまうかもしれません。今まで何度もそんな場面を見てきたnoisy
とすれば、
「買って置けばいいのに..」
とか、
「だから言ったじゃん..」
とかを、もう言わなくてすむように、もし可能なら購入してください!と言っておきましょう。飲んだ感じでは2003年よりもより絞まって凝縮している美しい2004年だと思います。ちなみにリアルの10号は、2003年シャルム=シャンベルタンに92-94ポイントつけています。選果を厳しくしなくてはならない2004年のような年は、小回りのきくネゴスのワインがドメーヌを凌駕します。より良い葡萄を得る可能性がある訳です。ドメーヌは自分の畑しか有りませんので、樹齢を一気に上げたり、畑の場所を途中で変更できません。
シャソルネイも素晴らしいと思いました。「てっかてか」のワインでした。パカレは「つっやつや」!もうブルゴーニュの車の両輪..になりつつあると思います。(シャソルネイはドメーヌという存在の分だけ若干損をしているようにも思います)
noisy は飲んではいませんが、お奨めして間違いの無いワインでしょう。飲めるはずだったのですが時間が無く、今のところ静観です。いずれ飲めることを祈っています。 |
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●2004Nuit-Saint-Georges (les Argillas) |
ニュイ=サン=ジョルジュ (レ・ザルジラ) |
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【とてもヴォーヌ=ロマネ的なワインでした!】
ニュイ・サン=ジョルジュと聞けば一歩引く..何となく我々ワイン屋はブルゴーニュファンをそのように見てしまいます。実際、飲めるようになるのに時間が掛かるものも多く、
「ゴツゴツした接触感があたくしの感性にそぐわないの..」
と言う方もいらっしゃるでしょう。でもね、ちょっと忘れちゃいませんか?ニュイのアペラシオンはヴォーヌ=ロマネの南に位置し、
「え?ここはニュイ・サン=ジョルジュじゃないの?」
と位置的にはどうみてもニュイ・サンの一部みたいなヴォーヌ=ロマネの畑が拡がっているわけです。
実際、エチケットにはリューディが書かれていませんが、届いた梱包箱にはしっかりと、
Nuits Saint-Georges les Argillas
と書かれていました。となると皆さんはご存知ですよね。そう..ヴァン・ディヴァンを思い出してください。あの実にエレガントなタッチのザルジラ2001を..
ですが、何度か飲んだパカレとヴァン・ディヴァンを比べると、明らかに違いが有ります。ヴァン・ディヴァンは透明感が有って軽量級、フィネスが前面に出たタイプ。一方パカレの方は、仮に同じ畑からのものと仮定すると、明らかにボリューム感と果実味を前面に出したタイプになっています。要素は違いものが有っても、全体の印象はかなり違ったものになりました。
まあ、隣同士に置いて平行テイスティングを同時期にした訳ではありませんので、あくまでイメージ上の話になっていまいますが、収穫折半契約でキュヴェ選択する場合の傾向として、パカレはそのようにしているとも推測できます。
で、テイスティングした印象は、やや強い性格のヴォーヌ=ロマネ..といった趣でした。マンモスなミネラルにコーティングされた紫の小粒のベリーと動物的香り。徐々になめした皮っぽく変化してゆきそうでした。
また、お奨めするのにぴったりで重要なポイントとしましては、
「今から飲んで美味しい!どんどん良くなる法華の太鼓!」
的な性格ですので、ヴァン・ヴィヴァンのレ・ザルジラに思いっきり癒された方のみならず、noisy
に騙されてみよう という、新着メンバー様がいらっしゃいましたら是非是非ご検討いただきたいと思います。おそらくリアルのポイントは同じところまでは来ないでしょうが、noisy
的にはポマール・レ・シャンランに次ぐ評価でした。評価の基準は個人差が有りますし平均されてしまいますので、パカレとすれば並みの評価に収まりそうです。ですが、ヴォーヌ=ロマネ的ニュアンスの強いこのニュイ、お奨めです!
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2004Pommard 1er Cru les Chanlins |
ポマール・プルミエ・クリュ レ・シャンラン |
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【やっぱり旨い!毎年のように安定感が有ります!】
パカレのポマールは、村名、レ・シャンランのどちらも安定感が有りますね。どちらも今から飲んでも美味しいので、セラーで熟成させるも飲んでしまうもお好み次第の出来栄えです。
どの2004年パカレに共通するのは、やっぱり艶やかなマンモス・ミネラルです。正直なところ、口径が小さく縁を強化されたISOグラスでは、一巡目は全くどのワインも似たようなニュアンスです。色合いの違いが顕著に出るくらい..あとは、足の長さ位でしょう。全てのピノがシャンボール=ミュジニーのような、香水を思わせるミネラル香です。そこに潜む僅かな手がかりが、鉄分だったり土だったり毛皮だったりするわけで、noisy
の場合は二巡目にどのような変化をして行くかを見極め、想像を膨らませながらポイントを付けてゆきます。良いワインはやはり熱量を沢山持っています。しかし、仮にそうだとしても、フィネスを損ねていたり、単純であったり、はたまたはワインの基本的な構成に問題があったりするとマイナスせざるを得ません。パカレの2004年平行テイスティングでは、マイナスのポイントを付けたものがほぼ無く、プラスの一方になりましたので、ポイントが高くなりました。まあ、あくまでnoisy
の場合..です。
複雑性に現れる精緻さは、やはりプルミエのレ・シャンランに分があります。ものの見事に磨かれた要素が光っています。ポマールらしい紫の小さなベリーに僅かな鉄分やスパイスのフレーヴァーが乗ります。中盤のボディの太さから余韻へと減衰してゆく様が見事に緩やかなカーブを描きますので、実際は早いのでしょうが美味しく飲めると判断しています。もっとも開くには時間が必要で、村名ポマールで最低30分、レ・シャンランで約1時間はみないといけないでしょう。
2003年までは、
「高いなあ!」
でワインの選択基準に入らなかった方も、村名ポマールのこの価格は納得いただけるんじゃないかと思います。それに、精緻さを加えたレ・シャンランは申し分ありませんから、こちらも同様です。是非ともご検討下さい。お奨めします!
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フランス■□ Maison Nerthus □■ブルゴーニュ
メゾン ネルテュス |
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● ドメーヌ・ロブレ・モノ がネゴスを始めました。日本発登場です。
ロブレ・モノ と聞いて、「ピン」と来る方や、前回までの noisy の新着で、鼻を効かせてしっかり、
「2002年 ヴォルネイ・タイユピエ」をGETされた方なら、
「ロブレ・モノのネゴスものなら飲んでみたい!」
と感じていただけるものと思います。
まして、あのシルクのテクスチュアとベリーベリーナチュラルな風味を経験してしまうと、これからのブルゴーニュはこうあるべき、いや、もともとはこうだったはず..など、様々な想いが交錯し、
「ロブレ・モノのシャルドネって気になるよね」
ということに必ず落ち着くはずです。
まあ、はっきり言って、それは noisy 自身のことですから、それほどまでに熱を上げているとは思ってもいない
メンバーの方には寝耳に水かもしれません。しかし、ここで申し上げておきましょう。
「パカレも凄いけどネルテュスも素晴らしい!」
と! |
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●2004Chardonnay du Bourgogne |
シャルドネ・デュ・ブルゴーニュ |
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【ネゴシアン新時代!ロブレ・モノの時代がやってきた!】
何とナチュラルなシャルドネでしょう..本当に素晴らしいです。ネルテュスのシャルドネを飲むと、コント・ラフォンが何を目指していたのか、判った様な気がします。
今回ご紹介するネルテュスの2つのシャルドネは、まるで肩に力が入らず、余計なものを身につけず、テロワールのなすがままに育った健康な葡萄そのものを、ワインという物体に転化させるためだけの努力を正当な手段で行った、ということを強く感じさせてくれます。その結果として、畑の味わいそのものがワインになっただけなのです。
2004年のシャルドネ・デュ・ブルゴーニュ は、単なるブルゴーニュというアペラシオンの枠組みの中でのトップ・レベルの品質を見せます。どっしりと構えていながらも軽やかで奇をてらわず、滑らかさと爽やかさを演出しています。とてもドライでピュア、自然が生んだ飲み物であると感じさせてくれます。醸造に使う樽などの存在を忘れて、まったりとした熟した黄色やオレンジのフルーツと、やや若い青みのある新鮮なフルーツの両方が存在します。現時点で僅かに早いが、1〜2ケ月の間にベストな状態になるでしょう。ポテンシャルで90点付けることを許されると思います。
2004年のオーセ=デュレッス・ル・ヴァレは南斜面に位置する1級畑。これも実にナチュラルな味わいで、良く熟した質の良い葡萄から造られています。とてもクリーミーで、ナッツの香りも樽のニュアンスというよりは、自然発生的に生まれたもの、と感じてしまいそうなほど繊細なもの。ムルソーの上級キュヴェを飲んでいるような錯覚を覚える。とんでも無く安い買い物と思います。ポテンシャルで92点以上を望める品質。
到着して間もないテイスティングながら、余りの美しさにほれぼれしてしまいました。ボーヌの、何物にも代えがたいミネラルのフィネス..本当はもの凄いのに、それをただそのままに、ごく普通に表現しているので、余りにも「あっけらかん」としています。しかし、そのことが胸にしんしんと響いてくるのです。重くて軽い、饒舌で無口、派手で地味..全く正反対の要素を持ち、それをひとつのバランスに纏め上げている訳です。何も無くてバランスしているのではなく、全てがそこに存在していながら小宇宙を形成しバランスしているんです。
しかも瓶にもこだわっています。首の直線部分が長く内側の口径が細い、また胴回りが太い特注瓶を使用。熟成の不安を解消しています。
パカレにせよロブレ・モノもネゴスですから、新しい時代が来つつあることを感じます。ちょっと力技過ぎるかもしれませんがワインを肉・魚に例えれば、今までのものは冷凍ものだったんじゃないか、とさえ思えるナチュラルさ、ピュアさです。いかに冷凍技術が発達したとは言っても、凍ったものは上手に解凍したとしても前と同じ状態には戻りません。
そこで、ワイナート誌に出ていたフィリップ・パカレの言葉を思い出しました。
「ワインはブドウジュースのエネルギー転換に過ぎない」
この言葉にある大きな意味を、今回の新着、このページのワインから、受け取っていただけるに違いないと思います。美味しいもの、いやとても美味しいモノ..(判るかなぁ..)です。ぶっ飛んでいただけたら幸いです。超お奨め!
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フランス■□ Domaine de la Romanee-Conti □■ブルゴーニュ
ドメーヌ ド ラ ロマネ=コンティ |
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● ワインを愛する者なら誰でも一度は飲んで見たいワイン..それはきっとド・ラ・ロマネ=コンティのワインでしょう。
99年もので半世紀ぶり以上のプルミエ・クリュのリリースになった訳ですが、本当にそれだけの価値があるかどうか、または価格が高すぎるんじゃないか、とか喧々諤々の論議になりました。まあ、旨けりゃ言い訳ですが、思いっきり長熟なDRCのワインですから、結論はかなり先になりそうですね。 |
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2002Vosnee-Romanee 1er Cru Cuvee Duvault-Blochet |
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ キュヴェ・デュヴォー=ブロシェ |
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【!】
テイスティングコメントが掲載できれば素晴らしいのですが、さすがにね..。2002年のデュヴォー=ブロシェには、どうやらロマネ=コンティの葡萄も混ざっていると言われています。もっとも、良い部分は当然ながらロマネ=コンティに使われる訳ですから、その辺りはお間違いの無いよう..
あ、ちなみに2002年のDRCは、アドヴォケイトはロヴァーニさんが、
ロマネ=コンティ 90点
ヴォーヌ=ロマネ1級 88点
と、とても興味深いポイントを付けてくれたので笑っちゃ..もとい、ほっぺたがヒクヒクしちゃいました。
もっとも、おそらく売れないだろうなぁ..とは思っています。出し忘れていたんじゃないか、ということでの掲載です。もし、前にも出ていたらすみません..。
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