
こうは見えてもこのnoisy、かなり昔から地ビールは扱っていた経験が有って、少量でも酒造免許が取得できるようになってからは、日本各地で地ビールのブルワリーが出来たことも有り、一時期、飲んでみたり扱ったりしていたものです。
まあ、やはり地ビールで難しいのは原料の入手・扱いとコスト、そしてヴィジョンでしょうかね。後は望んだ姿になったら、それを平均的に造ること・・は難しいです。何せ大手ビールメーカーさんとは桁外れに小さな造りですから、小回りは効くんですが、平均的な味わいには中々ならないんですよね。
今回ご紹介させていただくことになった、ウッドミルブルワリー・京都さんも、小型の免許は取得されたとしても、お国の厳しい管理と指導の下、理想を追求して行くのは中々に難しいでしょうね。・・頑張ってくださいね~。
で、何とこちらのウッドミルブルワリーさん、ピュアに麦芽とホップと水だけ・・と言うスタイルを、最初からほっぽリ投げてるが・・いいですよね~。
「・・はぁ?・・どこが!」
と思われるかもしれませんけどね。細かいことをそれなりには知っている noisy としては、「なるほど~・・」と言う気も有るんですよ。

麦芽は乾燥麦芽です。・・まぁ、地ビールだと一般的です。麦ですからね・・穀物をお酒にするのは、特に輸入の穀物をそうするのは、本当に大変です。お国に管理されちゃってますからね。まぁ、価格だけでは無くて自由度は非常に低いです。
そして・・命の水。これもね・・もう・・ある意味京都と言ったら、「京都の軟水」「何とかの井」みたいな、湧き水とか清水のイメージがつよいと思いますが・・、
「水道水以外はまかりならん!」
てなもんですね。
まぁ、そうやって酒造業は国税を担保するために、酷な扱いをされて来たんですね・・。また、それを良しとする明治頃からの風潮がずっと続いているんですね~・・。小売の酒屋も、実は同じだったんですよ。そんなことはどうでも良いですけどね。
なので、大きく制限された中で、自由な尺度を持って、どんなものを造って行くか・・。ある意味「自由」ってのは「制限」されない限り生まれない訳ですから、そこんとこを noisy としては見ているんですね~。

気付けば、noisy のお客さんたちもいつの間にか、ワイナリーを造っちゃったり、販売していたはずなのに、いつの間にか販売される方に行かれたり・・まぁ・・時が経つと立場も状況も大きく変化しています。
なので、
「小さいことを言ってても始まらん!」
「とにかく一歩踏み出す!」
ってことなのかもしれませんね~。
写真は上から「はっさくホワイト」「ゴールデンエール」「ペールエール」と、色合いも順に濃くなって行きます。その色に伴うかのように、味わいの濃度も変化します。はっさくホワイトが軽めで淡い味わい、ペールエールが重めで濃い味わいですが、日本人的感性には合いやすい・・と言うか、ベクトルが激しく振れるようなものでは有りません。
「はっさくホワイト」は果実の「はっさく」とスパイスのコリアンダーも使用しているようですね。華やかで軽量級、あっさりと飲みやすいです。泡立ちは注いだ当初は結構に立ちます。ですが他のアイテムよりは消えやすいかもしれません。でも、そうは言いながらも、個体差も有るでしょうし、製造の時期でも変わってくると思いますので、あくまで目安と言うことでお願いします。
「ゴールデンエール」は苦みや渋み、甘みのバランスが良い、通常のエールタイプのビールのド真ん中な感じです。色合いもやや濃い目で泡もきめ細かく持続、葛粉を使用しているようで、相対的にやや軽めに仕上げているんでしょうか。京都的にかどうかわかりませんが、葛湯の文化を思い起こさせるものでもあるかもしれません。
「ペールエール」は本格的なエールビール・・・と言いたいんですが、味わいはまさに本格的ながら、何と「清酒」も使用しているそうで、どのように使っているか、その意思はどこから生まれたか?・・など、尋ねてみたい部分は多く有ります。ビールに清涼感を持たせる苦みや渋みですが、麦芽だけだと平板になりがちな味わいに膨らみを持たせる意味が有るのかも・・などと考えています。中々に五味、六味のベクトルが触れながらも、相対的に丸く仕上がっているのが良いと思います。
この暑い・・正に殺人的な暑さを乗り切るには、水分補給、ミネラル補給は欠かせません。このアイテムではミネラル補給は無理でも、とりあえずの一杯で水分補給をするのも、何となくやや涼し気に穏やかな風の吹く「鴨川の河原」を連想させてくれるんじゃないかな・・と思います。ご検討くださいませ。