
凄いですね。買い葡萄とは言え、本当に造っちゃうんだから、彼女の底知れぬパワーには本当に驚かされます。まあ、彼女を良く知る方なら、小柄ながらもそのエネルギッシュな活動には、
「・・・きっと彼女には、一日が36時間在るんだろう」
と、皆、思っているに違いありません。
茨城で日本酒も造っちゃいましたし、2016年の参院選にも出馬・・・今度は何がしたいんだ?・・と思う一面も有りますが、まぁ・・バイタリティが服を着て歩いている・・いや、ダッシュしているような彼女では有ります。
彼女に育まれることによって彼女のヌーヴォーにも反映されますから、我々もこのヌーヴォーをいただく事によって、その大きなパワーの分け前をいただけるんじゃないかと・・・・思っています。noisyとはほとんど年齢は変らないはずなんですが・・・、とても適いません。仕上がりをとても楽しみにしています!是非応援してあげてくださいね。

Beaujolais Nouveau 2020 report No.1
2020年7月22日
今年は非常に暑く、また雨も少ないので葡萄の管理がやり易い年です。現時点で葡萄の房も大きく、また量も去年より多いと見込まれます。一番早く熟れる標高の低いVillageの畑の葡萄が丁度色が変わり始めました。これは例年よりも早い状況ですので、恐らく収穫開始が8月下旬から始まると思われます。
有難いのは白も収量が見込まれ、去年のようにハラハラしなくて済みます。樹齢も一つお兄様になり、若いbioの生産者シモンの畑も見違えるほど良くなってきたので、良いシャルドネを仕込めそうです。ボジョレーでこれだけのシャルドネの畑は見つけたくても見つけられません。ここのシャルドネが厚みや香りをぐっと加えるのです。勿論6年前に植樹したジョベールさんの自社畑のシャルドネも十分な葡萄に育ち、逞しくなりました。そこはブルイィの一番上の山に位置し、標高300~400m、車で行くのも大変。収穫は本当に大変な畑です。このブドウがエレガントな酸味と華やかな香りを加えます。その子達が大きくなり、今年は大活躍すると思いますので、是非楽しみにしていて下さい。
畑の状況はとても良いのですが、問題は今年世界を驚かせたコロナウイルスです。ご存じフランスは6月末迄、日本からの入国は特別な許可以外は不可能でした。やっと7月1日から解禁になり、畑の状況と今年の醸造打ち合わせでボジョレーに行って来ました。私はヌーボを仕込むのに最低3回はボジョレーに入ります。
1.収穫時
2.デキュベとプレス時
3.瓶詰め時
この3つの仕事はとても大切な作業です。ヌーヴォーを作り始めて12年目のヴィンテージになりますが、毎年欠かさず行ってまいりました。しかし今年はコロナの関係で、その時期にボジョレーに行けるかどうか全く読める状況ではありません。
今年は葡萄の状況は良いので、今から楽しみなのにとても歯がゆいです。万一、私が渡仏出来ない状況を想定して、カリーヌと細かい打ち合わせをして来ました。今後は遠隔会議でも進められる準備をしましたし、赤のヌーヴォーはもう12年目なので、万一私が行けなくても問題はありません。
しかし白とロゼは今年スタイルを変えます。これまではペティアンのガス圧が高すぎたので、今年はペティアンというよりスティルワインに少々ガスが多めに感じるスタイルにします。その為、マセラシオンの期間、温度管理、瓶詰めの決定タイミングが心配です。数値で色々打ち合わせしたので、現地点でもレシピは出来上がりました。が、ワイン造りはレシピではありません。試飲して味の関係・感覚で急に方法を変えるのは日常茶飯事、だからこういうミレジムのワイン造りは必ず私が行いたいのです。
万一、収穫に行けなくても大丈夫です。その後が大切です。それにはどんな事があっても渡仏したいと思っております。私のレシピを私の手で自ら行いたいのです。それでは次回のレポートは秋になりますのでどうぞお楽しみにしていて下さい。
新井順子