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ドメーヌ・ドニ・ベルトー・エ・ベルトー=ジェルベ
ドニ・ベルトー・エ・ベルトー=ジェルベ
フランス Domaine Denis Berthaut et Berthaut-Gerbet ブルゴーニュ
● お待ちかね、日本のワインファンの多くも注目している話題の「ドメーヌ・ベルトー=ジェルベ」の2018年ものが入荷しました。
ドメーヌ・ドニ・ベルトーを継ぎ、ドメーヌ・フランソワ・ジェルベからヴォーヌ=ロマネを中心とする稀有な畑を継承し、かつまた、ジャン=ルイ・シャーヴ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティ、プリューレ=ロックで研鑽を積み、自身の畑を開き目まぐるしい活躍をしている夫、ニコラ・フォールを栽培長に迎えたアメリー・ベルトーです。
また、2017年もの以前までは海外メディアもさして注目していなかったようですが、その所有している畑が多彩であることや、元々の親父さんの「ベルトー」と母方の「ジェルベ」を継いだことも有ってか、2018年ものはメディアで今まで以上にテイスティングされ、評点が出てくるようになってきました。
結果として、昨年の2017年ものクロ=ヴージョは皆さん、思いっきり「スルー」でしたが、2018年ものクロ=ヴージョは何と、ジャスパー・モリス氏96ポイント、スティーン・オーマン氏95ポイント、ニール・マーティン氏94ポイントと、グレートワインの仲間入りを果たしています。
まぁ・・昨年の2017年ものクロ=ヴージョは即完売かと思いきや、全く売れませんでしたので・・悔しいので、
「他のアイテムは飛ばしてでも2018年ものは絶対飲んでやろう!」
と思ってたんですね。まぁ、飲んでから海外メディアの評点を調べたので後の祭り・・(^^;; 超美味しかったので良いんですが、他のアイテムで飲めない分が増えてしまったのが残念です。
2018年のアメリー・ベルトーの各アイテムを飲んで、ようやっと彼女のワインに対するアプローチの仕方を理解出来たと思っています。
2018年ものは、相当に素晴らしいです。文句の出ない見事な味わいです。絶対に購入すべきだとお勧めしたいと思います!
ですが、
「ベルトー=ジェルベのワインは超エレガント系!女性っぽい味わい・・そこが魅力!」
と思われているなら・・それが好きで、そうでなければいらない・・と思っている方は、誠に残念ながら「ボツ」です。・・・申し訳ありません。
ですが、時にアンリ・ジャイエを、時にフィサンやジュヴレなのにシャンボールのニュアンスをも感じさせてくれる、中域のしっかりしたボリューム有る味わいは大好き・・と言うのでしたら、モノの見事にはまります。
もう、クロ=ヴージョなんて・・いや、フィサンじゃ在りませんが、これ以上のクロ=ヴージョを見つけるのは相当難しい・・と思えるほどに素晴らしく、しかもシルキーなタッチで赤い果実が見事な・・それでいてクロ=ヴージョらしい大きさと、ココア的な黒っぽさ、茶色っぽさを高質に感じさせてくれちゃってます。
細かい部分は各コラムに書かせていただきますが、アメリー・ベルトーさんのワインは、結局のところ・・
「ヴィンテージの背景と畑の風景、葡萄の出来・不出来に関わらず、ベストな状態へ導くワインで有る」
と言うことなのだと実感しています。
だから結局はそれこそが「テロワールの表現」に繋がっている訳です。だから、2013年の彼女のワインは「非常に淡く」、2016年のワインは「混迷感も同時に伝え」、2017年のワインは「凄いものとまぁまぁのものが混在し」、2018年ものの熟度の高い健康な葡萄を得たヴィンテージは「剛健で全方位にベクトルが出た見事な味わい」になったと言えます。
このリーズナブルで滅茶苦茶素晴らしいA.C.ブルを飲んでみて下さい。フィサンの畑ですが、まるで「ジュヴレとシャンボールのブレンド」のようです。フィサンの村名を飲んでみて下さい。その素晴らしいA.C.ブルをさらに高質に、さらに真ん丸に、さらに赤く高級エステルの見事なアロマとミネラリティ由来の質感が伝わって来ます。
村名に過ぎないフィサン・アン・コンブ・ロワは、どこかジャイエ同様のミルランダージュのような・・・花ぶるいに掛ったかのようなパラパラと実が付いた小さな粒が連想できるような仕上がりですよ。そこに赤い果実が来て、時間を置いて黒い果実が隙間を埋めて行く・・
でも、A.C.ブルで満足出来てしまうと思いますし、でも、是非素晴らしい仕上がりのフィサン村名も飲んでいただきたい・・この2品で、きっと2018年もののアメリー・ベルトーを理解できると思いますし、以前からベルトーのワインを続けて飲まれていらっしゃるお客様でしたら、アメリー・ベルトーと言う人がどんな意識で造っているのか・・みたいなものも頭の中や感覚に構成されてくると思います。
素晴らしい仕上がりになった2018年ものです。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!
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ヴォーヌ・ロマネ、シャンボール・ミュジニー…人気のアペラシオンは必ずキラ星のような造り手を擁しています。
傑出した造り手を持たないがゆえに、やや知名度に乏しかったフィサン村にアペラシオンを牽引するスターが誕生しました。
ドメーヌ・ベルトーはマルサネ村とジュヴレ・シャンベルタン村に挟まれたフィサン村を本拠地に7世代続くドメーヌです。
その歴史は19世紀の終わり、数ヘクタールのフィサンから始まりました。1974年、ヴァンサンとドゥニ兄弟がベルトーを相続し、フィサン、フィサン1級の畑を拡大していきました。
2013年、ヴォーヌ・ロマネ村のドメーヌ・フランソワ・ジェルベを母に持つアメリー・ベルトーがボルドー、ニュージーランドでの研修を終え、7代目当主に就任しました。
母方のドメーヌ・ジェルベから一部の畑を相続しベルトー・ジェルベ(Berthaut-Gerbet)名義としてドメーヌ・ベルトーのラインナップに加えました。
今日ではフィサンを中心にジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネなど全て合わせて13ヘクタールの畑を所有しています。生産するワインの90%は赤ワインですが、フィサンの一部の区画にシャルドネを植樹しています。
栽培:ブドウは、ビオロジックの考えに基づいた理性的な方法で栽培します。
テロワールを尊重した安定した土壌のもとで栽培されています。
殺虫剤の使用は制限を設け、土には、化学薬品を使っていません。除葉、グリーンハーヴェストによりブドウの成熟が最適になるように風通しを良くしています。
醸造:厳しい選果の後、最小限の手数でコンクリートタンクで発酵させます。
約5日間の低温マセラシオン。天然酵母で発酵。
1日2回のルモンタージュ、発酵の最終段階でピジャージュして優しく抽出。
約5日間のポスト・マセラシオン(発酵後浸漬)
ほぼ全てのワインは1.500~3.000リットルの大樽(フードル)でマロラクティック発酵。春に樽に移します。
新樽はほとんど使用せず、最大で24か月と比較的長い熟成期間を要します。
【メディア情報】
アメリーは私が訪れた昨年7月以降、いくつかの変更を決断しました。
『2015年は私の祖母から新しい畑、シャンボール1級、クロ・ド・ヴージョ、そしてヴォーヌのスショを引き継ぎました。それに伴ってこの2015年から私たちのワインは祖父母の名前を残したベルトー=ジェルベ名義へと変更することにしました。』
2015年について
『とても素晴らしい経験になりました。収穫は長期にわたり、9月7日に始まり、10月21日に終えました。
最後の収穫となったブルゴーニュ オート=コート・ド・ニュイは雨が降り終わるのを待ちました。この年は雨の後のブドウの方がより良かったかもしれません。フィサンのレ・クレイは収穫を雨の前と後の二回に分けました。これがどのような違いとなるかとても楽しみにしています。
これらの赤ちゃんのようなワイン達は、早い段階から高い糖度だったにも関わらず、バランスが優れています。リンゴ酸が低いですが、バランスの良さが崩れることがありません。
私たちはルモンタージュやいくつかの全房発酵の比率を減らし、過剰な抽出を避けました。
残念ながら2015年は収穫量がとても少なく、畑によっては50%も収穫を減らしてしまいました。しかし、不幸中の幸いとして、葡萄は極めて健全だったために選果の必要がほとんどなかったのです。私たちは新しい選果台を準備していましたが、いらぬ心配でした。』
(ビル・ナンソン著Burgundy Report EXTRA! 2015-11より翻訳・加筆:オルヴォー村岡)
読者の皆様は、かつて私が著書の中で“ドメーヌ・ベルトーはフィサンのジャック・フレデリック・ミュニュエである”と熱烈に賛辞を贈ったことをご記憶いただいているだろう。牧歌的なエチケットのイメージとは程遠い、豪快で大胆な本質を持っている。このドメーヌは驚くようなスピードで変化しているのです。
ドゥニ・ベルトーの娘であるアメリが彼のドメーヌに加わった。ドゥニが畑を耕すため、伝統にのっとり、アメリに彼のトラクターを使用することを薦めたが、彼女はこれを拒否しました。アメリは自信の持つ自由な発想の元、蔵でワイン造りをすることを決めたのです。
一方でドゥニの妻は、ヴォーニュ・ロマネにドメーヌを持つジェルベ姉妹の一人である。経営と醸造とで担当を分けていたが、両者とも引退し、現在はアメリと、彼女の2人の従妹がその後を引き継ぐことになった。
現在、アメリはHautes Côtes de Nuits に1.5ヘクタール、ヴォーニュ・ロマネに1ヘクタールの畑を所有している。ヴォーニュ・ロマネの区画の中には、Vosne Romanée Petits Montsと、エシェゾーも1バレル(=1樽分)が含まれている。
私はアメリに、2013年の雹がどのくらいドメーヌに影響を及ぼしたのか聞いた。彼女は、「フィサンは収穫量の約25%を失ったわ。でもCôte de Beauneの被害に比べれば大した被害ではなかったもの。」
(ビル・ナンソン著Burgundy Report EXTRA! 2014-7より翻訳・抜粋)
ブルゴーニュの未来を担う10人のライジング・スター
ドメーヌ ドゥニ・ベルトーとして理解している読者もいるかと思います。2015年よりアメリー・ベルトーは父方のフィサンに加え、ヴォーヌ・ロマネの母方の畑もすべて継承することになりました。7代目ヴィニュロンとなるアメリーはボルドーやナパ・ヴァレーで研鑽を積み、堅牢なアペラシオンとして認知されていたフィサンに、寛容な柔らかさをもたらしたのです。例えば彼女の区画名入り村名となるフィサン レ・クロは冷涼感がありながらも新鮮な果実味がたっぷりとあります。(ヴォーヌ・ロマネには陰影があり、湿った土を思わせる一面もあり、このアペラシオンとして十分な表現を備えています。)
(PUNCH June 8.2016 Jon Bonné著 より 翻訳・加筆オルヴォー村岡)
Berthaut-Gerbet
ベルトー・ジェルベ 2016
アメリーちゃんがひと皮むけた。進化した。次のステージに上がった。15年以上前に比べ明らかに中身がより詰まり、コア感が大充実してきた。スタイルもエレガンスと力を融合させた、とても魅力的なもの。毎日全力で畑仕事に取り組んでいる彼女は、RWGが訪問する時いつも決まってグッタリしている。畑仕事を抜け出しで対応してくれるのだ。申し訳ない気持ちで一杯になる(なのでRWGは、「いつも畑に全力!」という人が対応してくれる場合はアポイントをその日の最後か早朝に取る)。当日も18時のアポだったが、日の長い6月なので彼女は試飲後に畑に戻るのだ。
その努力が年々確実に実を結んでいる。そして、16年に素晴らしいワインを造り上げた。ベルトー・ジェルベは現在畑を17haも持ち、20キュヴェも造っている。彼女が満足する畑仕事に対してスタッフは足りない。本当に大変な思いをしながらワインを造っているが、ボトルの中にその頑張りと情熱が美味しさとともに詰まっている。17年からはあのニコラ・フォールが栽培長として加わった。これからもどんどん進化していくだろう。アメリー曰く、
「生産量はドメーヌ全体で5割減。所有している区画が広範囲に渡っていることが幸いして半減ですんだ。果実がよく完熟していたのでいつもより全房発酵を多くでき、糖度、酸のバランスも申し分なし。凝縮感は15年よりやや欠けるものの、典型的なピノ・ノワールらしいワインとなった。出来上がったものに満足しているけれど精神的には辛く、まるで悪夢のようだった。作れなかったキュヴェはジュヴレ・1er・カズティエとジュヴレ・クロ・デ・シェゾー(8割減だったのでジュヴレ村名に入れた)。1er・ラヴォー・サン・ジャックは200本のみ、フィサン・1erザルヴレも壊滅的」。
リアルワインガイド63号より抜粋
リアルワインガイド63号の掲載は例年以上に反響がありました。点数の高さよりも、造り手の姿勢にフォーカスして書いていただいたことがとても嬉しかったです。(どうしても美人ヴィニュロン的な記事ばかりで本質的なことを語られにくい)
2013年、代替わりした際の衝撃的なデビュー。>当初来日したアメリーと都内のアポイントすら、ひと苦労だったことを思い出します。決して前評判の高い年では無かった2013年は、酒販店様のお力添えもあり舌の肥えたブルゴーニュ愛好家の方々からも有難い反響をいただきました。
その後、国内外含めたメディアの高い評価もあり、露出が高まるにつれ、都合の良い時代のスター的な存在として語られてしまい名前が売れる代償として、彼女のヴィニュロンとしての才能と成長を丁寧に掬い取って伝えることが難しくなってきておりました。輸入元としての自戒を伴うジレンマを吹き飛ばしてくれる良い記事だったと思います。RWG誌でも掲載されていますが2017年からは、彼氏であるニコラ・フォール氏が栽培担当として参画しています。
ニコラ・フォール氏の経歴についてはここでは触れませんが、彼女からも、ニコラ氏の才能の高さは聞いていましたので、更なる成長は間違いありません。ヴィンテージの個性を越えて、年々、造り手の成長を一緒に追って行けるのは輸入元冥利に尽きます。来日時、その愛らしいルックスを褒められても、全く関係ないと言わんばかりにニコリともせずワインの話を続けるアメリーの顔を思い出しました。
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2019 Fixin
フィサン
【昨夏ご案内のこの2019年フィサン村名、仕上がって来ました!自身の身体に素晴らしくマッチした香水のアロマ・・滅茶素晴らしいです!これは飲むっきゃない!・・超お勧めです!】

素晴らしいです!ほぼ半年経過して、ほぼ完全に仕上がりました!・・もうべらぼうに旨いです!
昨夏のレヴューでは「やや濃い目」のようなニュアンスでお伝えしたと思うんですが、いや・・それがもう、滅茶「おしとやか」に溶け込んでいるんですね~。
まず一体感が素晴らしい!・・赤い果実と、少し紫の果実が半々ほどです。真っ赤なチェリーと紫&黒のカシスがドライに、ピュアに、そしてナチュール的に一体となって咽喉を通り抜けて行きます。
その通り抜ける様が・・また滅茶心地良いんですよ。品温が下がり気味のこの時期、それでも全く苦にせず、自然派的に柔らかだけれど絶対に瓦解はしない、凛とした姿も感じられます。
感覚的には、とても美しいスタイルの均整の取れたジュヴレ=シャンベルタン・・に近いでしょうか。もしくはフィサン的なニュアンスで、ジュヴレ=シャンベルタンの鉄っぽさをそれなりに省いた感じ・・でしょうか。
それに加え、2019年もののアメリー・ベルトーのワインに共通している・・
「良く香るシャンボール=ミュジニーのような高域に伸びる香水のようなアロマがほんのりトッピングされている」
ことが、このワインを見事に美味しく感じさせてくれるんじゃないかと思います。
是非、昨夏のレヴューもご覧くださり、もしこのワインをまだお持ちだったら飲んでみるのも良し、でも無ければ是非ご購入いただき、飲んでみて下さい。
「アメリー・ベルトーが目指しているもの」
が、このタイミングで良く理解できると思います。超お勧めです!
以下は2021年7月に書いた、このワインのレヴューです。
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【ふんわり柔らかで優しい、女性っぽいワイン・・ナチュラルさが勝った見事な仕上がりです!】
今回、フィサンのワインは上級キュヴェが届かず、この区画名無しの村名のみの入荷です。
親父さんから受け継いだ畑だと思われますし、A.C.ブルと同様に醸造的には親父さん譲りの方法で仕込まれているはずなんですが、何故か・・ジェルヴェ系のナチュラルな味わいが勝っています。
ふんわりと優しく、しかしエキスも綺麗に出ていて・・しかし、押し出しはさほど強く無く、全体として優しい女性を思わせるような感じなんですね。ジュヴレ系は、言ってみれば、
「芯の強い滅茶美しい女性!」
と言う感じなんですが、こちらは笑顔で包み込んでくれるような優しさを感じます。香りのスピードは速く、ジュヴレのような鉄っぽさよりも美しく軽やかに抽出された果皮のエキスを感じるかと思います。
色合いは結構にしっかりしていますよね?・・でも、写真で見て想像できるような押しの強い「濃さ」は全く感じないんですよ。果皮の濃度が有るので、先行き非常に素晴らしいワインに育って行くはずです・・滅茶美味しいので是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【飲めば絶対に判ります・・海外メディアの間違いを!・・相当素晴らしいです!是非このフィサン村名、飲んでみて下さい。】
海外メディアの評価を見て・・
「・・あ・・やっぱりね~。そんなもんだよね~・・」
と、一人納得してしまいました。
この辺りの安いクラスのテイスティングは、おそらく適当なんでしょう。もしくは相当に力を抜いているか、メモするにしても1~2行で忘れてしまうのかな?
この村名フィサンの美味しさは普遍的なブルゴーニュの美味しさの基本が詰め込まれていると思います。その上でバランスが素晴らしいです。
2017年もののフィサンも凄く美味しかったんですが、2018年ものは・・アロマが素晴らしいです。まるでシャンボール的な、高域にまで伸びて行く香水的アロマを持ち、赤いドライな果実で迎えられ、質感高い黒果実で見送ってくれます。
中域の出方もしっかりしていますがデコボコでは無く、非常にスムーズです。鈍重にならず、伸びて行く果実感にしっかり浸れる訳ですね。で、そこが安っぽいと一気に萎えてしまうんですが、気高さまで有るんですよ・・。
海外メディアの評点は間違ってます。是非それをお確かめください・・って、そんなの、ちょっと楽しいでしょう?・・上値は88 ~89 でも、下値で86 とか 87 って・・まるで判ってね~な!・・と、(自分の部屋で・・)言ってやりましょう。超お勧めです!最高に旨いので、是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【白みを多く持ったエレガント系ジュヴレ?・・と思ってください。滅茶安いを思います!しかも薫り高い!】
2016年ものは4500円でのご案内でしたので、150円も値下げです。それだけでもリーズナブルですが、元々安いですので・・。
ニュアンス的には2016年と同様、今飲んでも充分に旨いです。白い石灰が多めのジュヴレ=シャンベルタン的な味わいですね。鉄っぽさが少ない分、素直に「すっ」と口内を通り抜けて喉の奥を目指して行くような感覚です。
しかしながら2017年ものはそこから・・「喉の奥を目指した液体が行う仕草」がちょっと違う・・んですよ。2017年ものは香気成分が非常に多いエキスなので、喉の奥に達したところから、鼻腔を通して感じられるアロマが凄い・・んですね。これは、実はnoisy がテイスティングしたキュヴェ、全部に言えることなんですが、グラスから立ち昇るアロマだけでは無く、
「鼻腔を通しても官能的な多量のアロマが感じられる。」
んですね。
そして、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュもそうなんですが、白い石灰が創り出す余白が重要で、そこをこのフィサンが持つ鉄っぽさとかパフューム的なアロマが帰ってくる・・またそれが果実感として感じられる・・と言うことなんだろうと思います。
まぁ、アメリー・ベルトー2017年、アイテム数が多く同時に何本か開けているパターンが多いので、抜栓すると美しいアロマがとたんに漂い、また次のボトルを抜栓すると、それまでのアロマに重なるように、少し異なったニュアンスのアロマが漂い、室内は香りの多重奏的空間に変身してしまいます。
ジュヴレ=シャンベルタンを鉄分を少し除きやや軽くして、赤い果実のノリを良くし、すこしスタイリッシュにした感じと言って良いと思います。
それでも2017年ものは「重厚」かと思いますよ。本格派と言って良いでしょう。これはお勧めです!早めに楽しみたいかたは是非このフィサン村名、お試しくださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【女性らしい優しさに満ちた味わい・・が洗練されています!】
新樽を使わない、ある意味、何の化粧もしないストレートな美味しさだけで勝負に出ている・・素晴らしいキュヴェです。
2015年ものは有り得ないほど無くて・・マグナムなんか造っちゃってましたから・・12本しか入らず、結局テイスティングを諦めた経緯が有ります。非常に少ないとされる2016年ものは、フィサン村名に関しましてはある程度、確保できました。
確保できたから売りたい・・訳では有りません。美味しく無ければ買わなきゃ良い訳ですし、美味しく無いものをお客様に押し付けたところで、次が無い訳ですから・・そんなことはしません。
で、2年ぶりに飲めたアメリー・ベルトーのフィサンは・・やはり旨いですね・・。これからのフィサン、マルサネと言った、ニュイ北部のアペラシオンの優位性は、温暖化とされる世の中でさらに高まって行くでしょう。
グラスの写真も・・今回の2016年のベルトーの写真につきましては、
「色味の調整は一切していない」
です。撮ったまんまを切り取ってサイズ調整だけして掲載しています。なので、ほとんど無加工です。
味わいの系統は2016年のアメリー・ベルトー、そのまんまです。おそらくほぼ全房発酵、重くならず、しかしエレガントでキッチリ抽出出来ていますのでエキス味が旨いです。
アロマのスピードも速く、そして柔らかで、トップ・ノーズを嗅ぎ、グラスを置くまで・・しなやかな流れの中で物語を見せてくれます。
果実感もしっかり有るのに、それを言いたくない気持ちです。「フィサン」と言うアペラシオンをキッチリ伝えて来てくれているように感じるからですね。
そして、この先のドメーヌの行く末が、かなりの期待を持って感じられます。・・・ホントに美味しいと思えるからです。
アメリー・ベルトーと言えば、やはりこのテイストじゃないかな・・と思いますよ。リアルワインガイド第63号は今飲んで 90+ ポテンシャル 91+ 飲み頃予想 今~2038 と・・ビックリの評価です。でもnoisy も
「まったく(ほぼ)同評価」
です。
ただのフィサン村名に 91+ なんて、以前はまず考えられなかったと思います。是非飲んでみてください。超・・お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2015年はマグナムも有りますが・・ブティーユがたったの12本・・。エレガントさ満載のワインですが飲めずにすみません・・】「フィサン村名がたったの12本って・・」
ショックです。売れ線なんですがこれだけしかないんです。マグナムを6本いただきましたが・・滅茶旨そうですよ・・。
「蝋封に紙巻」
で届いています。ドメーヌ・ベルトー=ジェルベの上級キュヴェの扱いですので、
「よっぽどしっかり仕上がったはず!」
と予想しています。
まぁ、ブティーユとマグナムの味わいが大きく違うことが多いのは周知の事実では有りますが、多くのワインファンはマグナムをちゃんと保存できる環境を持っていませんよね。
ですが、人間が5人以上集まってワインを飲む機会が有るのでしたら、
「マグナムは非常に有効!」
と言うことが出来ます。
ブティーユはやはり4~5人分ですから・・一杯ずつ取ると残りは本当に少ないです。
ましてやマグナムを造ったと言うことは、それに値するキューヴが有ったと言うことです。そうじゃなきゃ元々取れ高が多く無い2015年に造るはずがないんですね。
で、今までの自身のレヴューを見返してみましたが・・2015年のフィサン、やはり飲んでみたいと思ってしまいました。2015年のベルトー=ジェルベは、ヴォーヌ=ロマネのジェルベが持っていた畑の影響を大きく見せていますから、その「差」が出ないはずの「村名フィサン」は教えてくれるはずなんですね。
でもまぁ、フィサン・レ・クロは開けましたんで、何とか想像は出来るところには居る訳です。
何しろとてもリーズナブルでどこか優しく、ベルトーらしい味わいのするフィサンも気になるでしょう。是非飲んでみてください。マグナムも是非ご検討くださいね。
以下は以前のレヴューです。
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【2013年を大きく超越!ポテンシャル高い素晴らしい味わいです!超お勧め!】
エレガントでフィネスたっぷりのやや軽量級フィサンだった2013年です。2016年の夏の現在、表情がさらに出てきて非常に美味しいです。
ジュヴレ=シャンベルタンの北にあるフィサンはブロションの村を挟む関係でしょうか、ジュヴレに似てはいますが、鉄っぽい鉱物系のニュアンスは少なくなり、やや大人しく優しい感じになります。それが特徴でも有りますが、どこに目線を持って行くか・・どうしても有名なジュヴレとの比較になってしまうのか、欠点として捉えられる可能性を持っています。
2014年のアメリー・ベルトーのフィサンは、そんな2013年の柔らかく優しくエキシーな味わいを大きく上回り、ジュヴレ的な鉱物系ミネラリティも多く備えていると言え、よりダイナミックな仕上がりになっています。
色合いも良いですね・・。輝いてますね~!・・比較すると良く判ります。より赤が強く、透明感の強いミネラリティの成分も非常に多く感じられます。とてもドライで、普通ならちょっと男勝りな辛さの強い味わいになってしまうところ、酸の構成バランスが良く、またジュヴレ的な旨みも備わり、かなり旨いです。
2014年のA.C.ブルゴーニュやA.C.オート=コート同様、輸入のタイミングで1~2カ月早く到着していますので、そんな部分の強さ・硬さも同様に持ってはいるんですが、アペラシオン的な部分でフィサンのソフトさも有るので、そこでも現在でも非常に良いバランスと言えます。また下のクラスからフィサンに移ると、クラスが上がったことが確実に判るほどで、
「おっ!・・さすが村名!」
とテンションも上がることでしょう。
期待されたアメリーの2014年ですが、テイスティング出来た4アイテムを飲む限り、非常に良い出来です。是非ご検討くださいませ!超お勧めです!
以下は2013年のフィサンのレヴューです。
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・・これも目茶旨いです。透明感のある非常に美しい赤紫の色調です。この色合いの味わいをイメージしてみてください・・そのまんまの味わいです。
暗い色で、何となく「どよ~~ん」とした照りのワインが多いフィサンのワインに有って・・
もしくは、重量感は有るけれど過熟から来る弱さの目立つワインが多いフィサンのワインに有って・・
このアメリーのフィサンは、全く健全、ピチピチと活き活きした酸(酸っぱくはない)と、軽やかさと、快活さとフィネス、ディテールの表情の美しさに満ち溢れています。
まさに「プティ・ジュヴレ」的な「フィサン」ですが、重さを回避してフィネスを表現できているという、非常に有り得ないワインになっています。
例えば、今も一緒にご案内させていただいている、メオ=カミュゼのフィサン2013年・・余り売れていませんが、実はかなり美味しいんですよ。
でも、これはメオのフィサンとも大きく違います。充実した酒格をしっかり表現したメオのフィサンに対し、同質な酒質とは言えますが、アメリーのフィサンは、
「全く重くない・・エレガンスを重視したフィサン」
に仕上がっています。
ブルゴーニュ・プリエールと比較すると色調が全然違いますが、それはおそらく、テロワールと畑の格の違いなんですね。
ジュヴレほどでは重いものでは無いにせよ、フィサンも金属的、鉄っぽさが有り、やはりそれは色合いに影響してきます。ブルゴーニュはまったくフィサンやジュヴレを感じさせない・・どちらかと言うと、ヴォーヌ=ロマネ、シャンボール辺りのエレガントなニュアンスです。
その延長上にこのフィサンも有り、非常にエレガントで軽やかな「ふんわりワイン」に仕上がっています。そして、中域の膨らみと清冽な水の余韻、エキスの「桃」のニュアンスは同じ・・!・・これも非常に旨いです!
リアルの徳丸さんは88 89と言う、フィサンにしては高い評価をしています・・が、noisyなら間違い無く「今飲んで」 も 「ポテンシャル」も90点オーバーです。「フィサンの個性を残しつつ、ひたすら優しくてエレガント」と表現されていますが、全く同感・・です。
フランソワ・ジェルベの個性を持ってきたようだ・・のようなおっしゃり方もしています。ジェルベもね・・やりたい部分もあるんですが、問題有りなので今のところ手を出していません。でも、ベルトーがこれだけ素晴らしいと色々考えさせられます。
一方、ワイナート誌の78号では、「フィサンは軽すぎると思ったが・・」と記載されていました。まぁ、見解の相違、もしくはテイスティング時期の違い(おそらく半年以上前)ですので、仕上がり切ってない状況での見通し不良じゃないかと思います。軽いことは軽いんですが、軽快さはエレガントさと言う良いベクトルを持っていますし、軽過ぎてスカスカじゃぁ無いんですね。しっかりした中身のある要素を持ちつつの軽快さとご理解ください。反対に言えば、もしこのフィサンをより重量感のある方に力技で持って行ってしまったとしたら、外殻と低周波が反応する部分だけの、中域の無い、腑抜けた味わいになってしまったでしょう。それはフィサンの1級でさえ良くあるパターンで、大柄なワインにしたいという造り手のエゴが露出した結果です。こちらはむしろ、アッサリと抽出しフリーランのみで仕上げたグラン・クリュワインのようなエレガンスを持っているとさえ思います。近いのは、まぁ・・ずいぶんと飲んではいませんが、ロベール・シリュグのグラン=ゼシェゾーのような軽い抽出がなされた高級ワインのタッチだと思います。
この・・完全エキスに昇華したフィサン・・是非飲んでいただきたいですね・・本数は限定です。お早めにどうぞ!
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2019 Fixin les Clos
フィサン・レ・クロ
【フィサン村名の区画で有りながら、最も複雑なミネラル組成を持っていると思われるのがこれ、レ・クロです!】

このところ双子のレ・クロとレ・クラがまともに入らず、飲めない年もありましたが、素晴らしい出来になった2019年ものは、どちらも何とかテイスティングできました!・・良かったです。
このレ・クロを飲むと・・7年目ですから、7年間のドメーヌの進歩が凄く良く伝わって来ます。ある意味、とても凄いワインだと・・感じます。しかし同時に、
「どれだけの方が理解可能なんだろう・・」
とも思います。
このレ・クロに関しては、物凄く判りやすい表情を、すぐに出してくれる・・訳では無いんですね。ですが確実に村名よりも素晴らしいのは判るし、でももし今、今ですよ、レ・クラと一緒に飲んだら、ほとんどの方がレ・クラが美味しい・・と言うはずなんです。
スタイルとしますと、村名フィサンに似た穏やかで優しい・・さほどは強いアピールをしてこない内向的なタイプだと思います。しかしながら2019年と言うヴィンテージの良さから、しっかりした赤と紫・・珍しくこのキュヴェは赤がしっかりしています・・の果実がたっぷり有ります。

ですが、実は相当・・複雑性が高いんですよ。でもそれはまだ決して実を結実させてはおらず、時間の経過を待っている段階です。
そして・・あ、色合いを見てください。もう、2017年の写真・・とは、比較のしようがないほど・・ですよね。相当に濃いです。
でもそんなに「濃い!」って味わいはしないんですね・・。充実はしているけれど、決して濃いなんて思わないと思います。アン・コンブ・ロワはしっかり濃い・・でもあっさりと流れて行くような果実の美味しさが有ります。
なので、このワインは1~2年、待った方が良いでしょう。今、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュとフィサンが滅茶美味しいので、このレ・クロはしばらく忘れて置くことをお薦めします。それだけ待ちますと・・
「フィサン村名の美しい美味しさに加え、さらにボリューミーさと、滅茶複雑な表情を得た・・フィサンの村名格だとは思えないような味わい!」
に成長しているはずです。
昨今は入荷の少ないレ・クロです。ニール・マーティンさんは・・ちびっちゃったかな?・・92点止まりでした。今飲んで点は下げ、ポテンシャルは上げるべきかな・・とは思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【区画名付きのレ・クロ、レ・クレは数も時間も無くて飲めませんでした。すみません・・。以前のレヴューと村名フィサン2018のコラムを参考にされてください。】【レ・クレは飲めませんでした・・レ・クロを飲みました。やはりフィサンを頭一つ、確実に超えて来ています!】
以前はあれほど有ったレ・クレとレ・クロですが、このところは何故か余り有りませんで、12本ずつの入荷です。しかし、
「価格は¥5050-->¥4750 へ値下げ!」
ですから300円も下がってます。・・下がると売上も下がるので困るんですが・・本数も減ってますし・・どうしてくれるんだろ・・。
なので、どちらか1アイテム・・と思ったんですが、2016年ものも飲ませていただいたレ・クロを選択しました。
非常に凝縮しており、葡萄の質の良さが感じられます。もっと「間延びのするふんわかした液体」かと想像していたんですが、さにあらず・・。良い意味で「余分な空間を造らない密な表情」をしています。
要素がとても多く、それが複雑に絡み合い、今の味わいを造っていますが、もう少し置きますと、より判りやすく分別されて感じられると思います。まぁ、いつもより入荷が3カ月も早いですから、「育ち」もまだ少し若いと言うことですね。
2016年もののレ・クレ(レ・クロではない)の評価に、リアルワインガイドで徳丸さんは、
「父親をリスペクトした構造に、母親から受け継いだエレガンス」
と書いてポテンシャル92ポイント、付けていますが、
「言い得て妙!」
ですね。
まぁ、今ですと・・noisy は、そこに、
「夫(ニコラ・フォール)の栽培における助力」
を入れたいですが・・長く仲睦まじく、健康に暮らして欲しい・・と思ってます。
いや、そこはどうでも良いんですが、徳丸さんがそのように評した「父親譲りの構造、母親から受け継いだエレガンス」は、まさにそのまんま・・感じられます。
しかし・・一体、このワインに何点付けるのか・・noisy 的には興味深々です。少なくともポテンシャル点に「+」は付くでしょう。
昨年の2016年ものにも「今までで最高を・・さらに超え・・」と書いてしまいましたが、「さらにさらに超え・・」と書かなくてはならなくなってしまいました。素晴らしい出来だと思います。
また双子のような「レ・クレ(レ・クレイ)」ですが、読んで字のごとし、「クレイ」=「粘土」です。粘土が強いと言うことですね。こちらは飲めてはいませんが、レ・クロの印象からは、万全に仕上がっているはずです。是非ご検討くださいませ。いつもより全然少ないし、追加も見込めません。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【素晴らしい出来です!・・今までで最高を・・さらに超えて来ました!!】
2015年もので、
「今までで最高!」
などと言ってしまったために、2016年もののプレゼンをどうしたら良いかと、ちょっと悩み気味だったのですが、しっかり上塗りしてしまいました。今までで最高のフィサン・レ・クロです。
色合いも密度の高い素晴らしいものですよね。是非2013年からの連続写真を・・ご覧ください。
濃く見えるでしょう?・・でも、サラッとしているんですよ。そして旨味の元がちゃんと備わっている。アロマの表現も多彩でスピードも速いし、細やかな表情が、実は大きな構造からストレスなく出てくるんですね。
リアルワインガイドは・・残念ながら、レ・クレの評価は有ってもレ・クロを回避しています。それだけ「少ない」と言うことなんですね。
しかし、その少ない中で仕上がったキュヴェはどれも秀逸ですが、
「noisy が飲めた中では、今、これが一番の表情を持っていて、今、一番美味しい!」
と言えるでしょう。
村名ジュヴレ=シャンベルタンは、ポテンシャルでこのフィサン・レ・クロを凌ぎますが、「今飲んで」と言う観点からはフィサン・レ・クロに劣ります。3年ほど経過するとその座は奪われるかな?・・と言う感じですが、それでもこのレ・クロの存在感は普遍でしょう。
リアルワインガイド第63号は、フィサン・レ・クレ2016年に91~92ポイント付けています。noisy的には、このフィサン・レ・クロにも同様な評価をしたいと思っています。
この密度、しなやかさ、軽やかだけれど充実している酒躯・・フィネス、エレガンス。もう充分でしょう!ジュヴレに似ている・・と言って来ましたが、これはもう、フィサン1級レ・クロです。ジャンプアップした2016年のアメリー・ベルトーを理解するのには最高のアイテムかと感じました。こちらも余り数は有りませんが、やはり飲んでいただきたい!是非お早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【今までで最高の出来!素晴らしいです!】
非常に美味しいですね~・・素晴らしいです。色合いもACブルやオート=コート、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュとは少し傾向が違いますね。
2015年のレ・クロは、2014年までのレ・クロと同様にやや赤紫色の色合いを継承しています。ACブルあたりはやや褐色が混じったようなイメージですが、その色は見て取れません。
2014年ものと比較すると・・歴然としています。濃密な色合いです。美しいですね・・そしてファットな舌触りには極上のタンニン分を含んでいるのが判ります。
noisy はブルゴーニュワインの評価には、滅多に「タンニン」を言いません。言う必要が無いと言うか、タンニンをタンニンとして捉えられるブルゴーニュワインってどうなのよ・・と言う思いもどこかに有るからです。
このレ・クロは、そんな自身の「禁」を犯しても伝えておくべきかな・・と思うので敢えて書きました。極上のタンニン・・と言いましたが、それは「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールにおける好ましいタンニン」と言うことになります。
もし気にしないでいたら・・もしくは、タンニン分を捕えようと思っていなければ、それは中々判らないでしょう。全くベルベッティで有り、深みと柔らかさが有り、全体に溶け込んでいるので判り辛いんですね。ブルゴーニュワインはそれで良いと思います。まぁ、タンニンをしっかり出してくる生産者さんもいらっしゃいますが、余り好ましいとは思っていません。目立たないのに実は存在している・・それでよい訳です。下手をすればエレガンス、フィネスを大きく損なうことになりかねないと思います。
しかし、目立たない・・判り辛いのにしっかり存在し、ワインを大きくしているのがこの素晴らしいレ・クロのタンニンです。
そしてそれは香りの厚みにも・・現れています。ま~・・素晴らしいこと、複雑でゴージャスですし、存在感は凄いです。
敢えて言うなら・・樽も有りますよ。実に高級感のあるものです。敢えて取り上げることも無いのですが念のため・・。
リアルワインガイド第59号はこのレ・クロに「89+ 90+ 2018~2038」と言う高評価を与えています。noisy 的にはもう少し上げたいところですが・・まぁ・・仕方ないでしょうか。香りの密度感・・みたいなことも述べられていますが、このクラスになると下のクラスとは全然違う・・とも言及されています。
noisy 的にもこの春頃から飲んで良いと思います。しかし・・このワインの本当の飲み頃は10年経ってから・・でしょう。ポテンシャルを開花させるにはその位は必要です。素晴らしいワインでした!
また、例年ですとレ・クロとレ・クラの比較をするところなんですが、リアルワインガイド第59号でもレ・クラの評価をしていないのと同じ意味でしょうか、レ・クラの入荷は12本だけです。レ・クロは24本でしたので何とか飲めましたが・・すみません。
因みに「造り手紹介欄」の写真に某雑誌の評価がそれとなく出ていますが、そこには何とこの「レ・クラ2015年」が、
「18.5」
と評価されています。
20点満点で18.5点は・・物凄い評価ですよ?・・まぁ、1級ザルヴレは19点ですけどね!
写真も詳細では無いですし部分しか映ってないので良く判りませんが、それにしてもこの評価は高いですね。レ・クロを飲んでも良く判りますし、アン・コンブ・ロワを飲めば・・
「うお~!」
と思わず声を上げてしまうでしょう。
希少な畑名付フィサンです。是非飲んでみてください。お早めにどうぞ!
━━━━━
【値下げでも2013年よりもポテンシャルアップ!出来の良いジュヴレ村名と比べても遜色ありません!】
待ちに待ったアメリー・ベルトーのフィサン・レ・クロです。面白いものでこのレ・クロは非常にジュヴレっぽいです。レ・クレの方は・・同じような名前では有るものの、これまた全然違って、ものの見事にシャンボール的です。これは比較して飲んでもらえば物凄く判り易いです。ベリー系のがっしりした大き目な体格でやや鉄っぽいレ・クロ、チェリーリキュール的で細やかなチョークっぽいミネラリティのレ・クレです。
リアルワインガイド第55号は 90~91 今~2038 と高評価でした。2013年ものは非常にエレガントでしたが、2014年はそこにダイナミズムを感じます。とても大きく、男っぽいです。
4千円台のジュヴレは、安けりゃ良いで済ませられるものを除きほぼ絶滅状態・・リーズナブルなものでも5千円は下りません。
「・・でもフィサンじゃジュヴレ的なクリマの特徴の違いが楽しめないんじゃない?」
とおっしゃるかもしれませんが、村名クリマと言うことで話をするなら、ラ・ジュスティスとかプレソニエールなどの名の有る畑位で出来るくらいですから、
「明確に違う個性を楽しめる!」
と言うことでは、レ・クロ、レ・クレはその良い機会になると思いますよ。
それに、1級のザルヴレ!・・これがまた素晴らしい!・・ジュヴレの著名な1級群の中に入ってもその個性を見せつけるでしょう。
ですので、このまさにちょっと男っぽい感じが優しい笑顔のアメリーと似つかわしくないかも・・と思うかもしれませんが、ワインの味わいはとても良いです。是非飲んでみてください。比較して楽しい・・しかもポテンシャルも充分でとても安い村名フィサン・レ・クロです。お勧めします!
以下は2013年フィサン・レ・クロのレヴューです。
━━━━━
【女性が持つ男っぽい部分を具現??・・優しさの有るソフトなジュヴレ=シャンベルタン風!ビターな旨さが満開です!】
村の北側、隣村のクーシェに程近い位置にある「レ・クロ」です。比較的軽い「フィサン」より、わずかに重厚で、タンニンもわずかに多く出ているように思います。
しかしながらそのタンニンの質が非常に細やかでベルベッティ・・。鉄火面のようにドライで甘みもへったくれも限り無くゼロなんですが、そのやや厚みのあるしなやかなタンニンが甘みを感じさせてくれるんですね。
エキスの抽出もストレスを感じない、非常にスムースなものです。
一般的にはタンニンは目立たないので言及すべきでは無いのかもしれませんが、非常にしなやかで質の良さを感じましたので、敢えて書いてみました。
色合いもやや淡目で透明感に満ちています。何しろドライなので、最初少し戸惑うかもしれませんが、一口、二口と飲み進めるに連れ、肯定感が増してくる感じです。
細かいことを言うと、フィサン村名よりも「乾いた土地のニュアンス」を感じさせるミネラリティで、よりミネラル分が多いと感じます。複雑性もより有りますが、まだ若いので際立った個性として感じるのは難しいかもしれません。
しかし、ベリー的な果実と少し乾いた感じのジュヴレ的鉱物的ミネラリティがバランス良くパレットを描きます。今飲んで・・充分に旨いです。現実には昨日・・美味しくてついつい・・飲んでしまいました!やっぱりアメリー・ベルトーの感性は素晴らしいですね~。なんか贔屓したくなっちゃいますよ。
同じ価格の村の南・・ブロションに近い区画の「レ・クレ」も有りますので、是非比較してみてください。
因みにこのワインはリアルワインガイド第51号にも掲載されていませんでした。エキス系のドライ&ビターながらもビシッと焦点の定まった見事な味わいです。美しい女性を感じさせるジュヴレ村名・・って、何かアメリーそのもののようなイメージです。今飲んで美味しいとしても、気温が上がるこの春には一皮向けそうですよ・・本数は限定です。お早めにどうぞ!
●
2019 Fixin les Crais
フィサン・レ・クレ
【レ・クロ同様、複雑性も高いが、こちらは判りやすい美味しさ!・・早めに手を付けるならレ・クラをお薦めします!】

レ・クロはヴィノス、ニール・マーティンさんが92ポイント、こちらのレ・クラはR.V.F.(ラ・ルヴェ・デュ・ヴァン・ド・フランス)で92ポイント・・と
「同じ評価です!どうぞ飲んでみて下さい!」
・・とは行かないのがツラいところでも有り、面白いところでも有るのでしょう。
ましてや2018年ものは少な過ぎてどうにも飲めなかったので尚更ですし・・今更では有りますが、
「双子のように見えても全く別人格」
なのがワインなんですね。
(今のことろ)内向性な性格を見せるレ・クロに対し、同じような色合いに見えるとしても、外向的で判りやすい美味しさ、表情を見せてくれるのが、今のところのレ・クラなんです。
やはり2017年ものとは比較にならないほど濃密な色合いをしています。ですが、決して「濃い味」では無く、果実の生のままに絞ったジュースのようなニュアンスが、飲み終えた後に還って来るような・・見事な美味しさが有り、とても分かりやすい面が前面に出ていると思います。
ですので、今の段階ですと、ついつい手が出てしまうのがこちら・・レ・クラです。

で、どうでしょう・・もし3年後に美味しさを比べてみたら?・・
「おそらく逆転しているはず・・」
か、
「甲乙つけ難い!」
となるか・・じゃないかと推測しています。
2017年の写真は・・比較してしまうと子供と大人程、差があるように見えてしまいますよね。2017年ものはとても綺麗では有りますが、全然完成はしていないなぁ・・みたいな見え方がします。
赤い果実が美しいレ・クロに対し、赤と紫がほぼ拮抗している果実感で、やや熟した果実のニュアンスが有ります。大らかで優しくピュアでほんのりナチュラルです。たぶんそれなりに大柄な骨格をしていると感じられると思いますが、その周りをしっかりうめている肉がちゃんと有ります。アン・コンブ・ロワほどでは有りませんがゴージャスで、飲んでいて非常に楽しいワインです。
早く飲むならこちらを、少し熟すのを待てるのなら・・どちらも一緒に比較しみるのも楽しいと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【こちらもすみません・・同様に飲めませんでした。】 あれほど沢山有ったレ・クレ、レ・クロですが、このところは12本いただけるのがようやっとです。海外からのオーダーが増えているんでしょうか・・。
確かに、村名フィサンに低い評価をした方々も、このレ・クレには上値の最高値で93ポイント、付いています。ようやっとこのクラスから「やる気」が出てくるんでしょうか。そしたらザルヴレとかアン・コンブ・ロワを飲んだら・・ぶっ飛んじゃうはずなんですが・・それに、評点のヒエラルキーが崩れてへんてこなものになってしまう可能性大じゃないかと思うんですが・・。まぁ、こちらは飲んでいないので、フィサンとするなら、今まででは有り得ない高評価だとも言えます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【レ・クレは飲めませんでした・・レ・クロを飲みました。やはりフィサンを頭一つ、確実に超えて来ています!】
以前はあれほど有ったレ・クレとレ・クロですが、このところは何故か余り有りませんで、12本ずつの入荷です。しかし、
「価格は¥5050-->¥4750 へ値下げ!」
ですから300円も下がってます。・・下がると売上も下がるので困るんですが・・本数も減ってますし・・どうしてくれるんだろ・・。
なので、どちらか1アイテム・・と思ったんですが、2016年ものも飲ませていただいたレ・クロを選択しました。
非常に凝縮しており、葡萄の質の良さが感じられます。もっと「間延びのするふんわかした液体」かと想像していたんですが、さにあらず・・。良い意味で「余分な空間を造らない密な表情」をしています。
要素がとても多く、それが複雑に絡み合い、今の味わいを造っていますが、もう少し置きますと、より判りやすく分別されて感じられると思います。まぁ、いつもより入荷が3カ月も早いですから、「育ち」もまだ少し若いと言うことですね。
2016年もののレ・クレ(レ・クロではない)の評価に、リアルワインガイドで徳丸さんは、
「父親をリスペクトした構造に、母親から受け継いだエレガンス」
と書いてポテンシャル92ポイント、付けていますが、
「言い得て妙!」
ですね。
まぁ、今ですと・・noisy は、そこに、
「夫(ニコラ・フォール)の栽培における助力」
を入れたいですが・・長く仲睦まじく、健康に暮らして欲しい・・と思ってます。
いや、そこはどうでも良いんですが、徳丸さんがそのように評した「父親譲りの構造、母親から受け継いだエレガンス」は、まさにそのまんま・・感じられます。
しかし・・一体、このワインに何点付けるのか・・noisy 的には興味深々です。少なくともポテンシャル点に「+」は付くでしょう。
昨年の2016年ものにも「今までで最高を・・さらに超え・・」と書いてしまいましたが、「さらにさらに超え・・」と書かなくてはならなくなってしまいました。素晴らしい出来だと思います。
また双子のような「レ・クレ(レ・クレイ)」ですが、読んで字のごとし、「クレイ」=「粘土」です。粘土が強いと言うことですね。こちらは飲めてはいませんが、レ・クロの印象からは、万全に仕上がっているはずです。是非ご検討くださいませ。いつもより全然少ないし、追加も見込めません。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【素晴らしい出来です!・・今までで最高を・・さらに超えて来ました!!】
2015年もので、
「今までで最高!」
などと言ってしまったために、2016年もののプレゼンをどうしたら良いかと、ちょっと悩み気味だったのですが、しっかり上塗りしてしまいました。今までで最高のフィサン・レ・クロです。
色合いも密度の高い素晴らしいものですよね。是非2013年からの連続写真を・・ご覧ください。
濃く見えるでしょう?・・でも、サラッとしているんですよ。そして旨味の元がちゃんと備わっている。アロマの表現も多彩でスピードも速いし、細やかな表情が、実は大きな構造からストレスなく出てくるんですね。
リアルワインガイドは・・残念ながら、レ・クレの評価は有ってもレ・クロを回避しています。それだけ「少ない」と言うことなんですね。
しかし、その少ない中で仕上がったキュヴェはどれも秀逸ですが、
「noisy が飲めた中では、今、これが一番の表情を持っていて、今、一番美味しい!」
と言えるでしょう。
村名ジュヴレ=シャンベルタンは、ポテンシャルでこのフィサン・レ・クロを凌ぎますが、「今飲んで」と言う観点からはフィサン・レ・クロに劣ります。3年ほど経過するとその座は奪われるかな?・・と言う感じですが、それでもこのレ・クロの存在感は普遍でしょう。
リアルワインガイド第63号は、フィサン・レ・クレ2016年に91~92ポイント付けています。noisy的には、このフィサン・レ・クロにも同様な評価をしたいと思っています。
この密度、しなやかさ、軽やかだけれど充実している酒躯・・フィネス、エレガンス。もう充分でしょう!ジュヴレに似ている・・と言って来ましたが、これはもう、フィサン1級レ・クロです。ジャンプアップした2016年のアメリー・ベルトーを理解するのには最高のアイテムかと感じました。こちらも余り数は有りませんが、やはり飲んでいただきたい!是非お早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【今までで最高の出来!素晴らしいです!】
非常に美味しいですね~・・素晴らしいです。色合いもACブルやオート=コート、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュとは少し傾向が違いますね。
2015年のレ・クロは、2014年までのレ・クロと同様にやや赤紫色の色合いを継承しています。ACブルあたりはやや褐色が混じったようなイメージですが、その色は見て取れません。
2014年ものと比較すると・・歴然としています。濃密な色合いです。美しいですね・・そしてファットな舌触りには極上のタンニン分を含んでいるのが判ります。
noisy はブルゴーニュワインの評価には、滅多に「タンニン」を言いません。言う必要が無いと言うか、タンニンをタンニンとして捉えられるブルゴーニュワインってどうなのよ・・と言う思いもどこかに有るからです。
このレ・クロは、そんな自身の「禁」を犯しても伝えておくべきかな・・と思うので敢えて書きました。極上のタンニン・・と言いましたが、それは「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールにおける好ましいタンニン」と言うことになります。
もし気にしないでいたら・・もしくは、タンニン分を捕えようと思っていなければ、それは中々判らないでしょう。全くベルベッティで有り、深みと柔らかさが有り、全体に溶け込んでいるので判り辛いんですね。ブルゴーニュワインはそれで良いと思います。まぁ、タンニンをしっかり出してくる生産者さんもいらっしゃいますが、余り好ましいとは思っていません。目立たないのに実は存在している・・それでよい訳です。下手をすればエレガンス、フィネスを大きく損なうことになりかねないと思います。
しかし、目立たない・・判り辛いのにしっかり存在し、ワインを大きくしているのがこの素晴らしいレ・クロのタンニンです。
そしてそれは香りの厚みにも・・現れています。ま~・・素晴らしいこと、複雑でゴージャスですし、存在感は凄いです。
敢えて言うなら・・樽も有りますよ。実に高級感のあるものです。敢えて取り上げることも無いのですが念のため・・。
リアルワインガイド第59号はこのレ・クロに「89+ 90+ 2018~2038」と言う高評価を与えています。noisy 的にはもう少し上げたいところですが・・まぁ・・仕方ないでしょうか。香りの密度感・・みたいなことも述べられていますが、このクラスになると下のクラスとは全然違う・・とも言及されています。
noisy 的にもこの春頃から飲んで良いと思います。しかし・・このワインの本当の飲み頃は10年経ってから・・でしょう。ポテンシャルを開花させるにはその位は必要です。素晴らしいワインでした!
また、例年ですとレ・クロとレ・クラの比較をするところなんですが、リアルワインガイド第59号でもレ・クラの評価をしていないのと同じ意味でしょうか、レ・クラの入荷は12本だけです。レ・クロは24本でしたので何とか飲めましたが・・すみません。
因みに「造り手紹介欄」の写真に某雑誌の評価がそれとなく出ていますが、そこには何とこの「レ・クラ2015年」が、
「18.5」
と評価されています。
20点満点で18.5点は・・物凄い評価ですよ?・・まぁ、1級ザルヴレは19点ですけどね!
写真も詳細では無いですし部分しか映ってないので良く判りませんが、それにしてもこの評価は高いですね。レ・クロを飲んでも良く判りますし、アン・コンブ・ロワを飲めば・・
「うお~!」
と思わず声を上げてしまうでしょう。
希少な畑名付フィサンです。是非飲んでみてください。お早めにどうぞ!
━━━━━
【値下げでも2013年よりもポテンシャルアップ!出来の良いジュヴレ村名と比べても遜色ありません!】
待ちに待ったアメリー・ベルトーのフィサン・レ・クロです。面白いものでこのレ・クロは非常にジュヴレっぽいです。レ・クレの方は・・同じような名前では有るものの、これまた全然違って、ものの見事にシャンボール的です。これは比較して飲んでもらえば物凄く判り易いです。ベリー系のがっしりした大き目な体格でやや鉄っぽいレ・クロ、チェリーリキュール的で細やかなチョークっぽいミネラリティのレ・クレです。
リアルワインガイド第55号は 90~91 今~2038 と高評価でした。2013年ものは非常にエレガントでしたが、2014年はそこにダイナミズムを感じます。とても大きく、男っぽいです。
4千円台のジュヴレは、安けりゃ良いで済ませられるものを除きほぼ絶滅状態・・リーズナブルなものでも5千円は下りません。
「・・でもフィサンじゃジュヴレ的なクリマの特徴の違いが楽しめないんじゃない?」
とおっしゃるかもしれませんが、村名クリマと言うことで話をするなら、ラ・ジュスティスとかプレソニエールなどの名の有る畑位で出来るくらいですから、
「明確に違う個性を楽しめる!」
と言うことでは、レ・クロ、レ・クレはその良い機会になると思いますよ。
それに、1級のザルヴレ!・・これがまた素晴らしい!・・ジュヴレの著名な1級群の中に入ってもその個性を見せつけるでしょう。
ですので、このまさにちょっと男っぽい感じが優しい笑顔のアメリーと似つかわしくないかも・・と思うかもしれませんが、ワインの味わいはとても良いです。是非飲んでみてください。比較して楽しい・・しかもポテンシャルも充分でとても安い村名フィサン・レ・クロです。お勧めします!
以下は2013年フィサン・レ・クロのレヴューです。
━━━━━
【女性が持つ男っぽい部分を具現??・・優しさの有るソフトなジュヴレ=シャンベルタン風!ビターな旨さが満開です!】
村の北側、隣村のクーシェに程近い位置にある「レ・クロ」です。比較的軽い「フィサン」より、わずかに重厚で、タンニンもわずかに多く出ているように思います。
しかしながらそのタンニンの質が非常に細やかでベルベッティ・・。鉄火面のようにドライで甘みもへったくれも限り無くゼロなんですが、そのやや厚みのあるしなやかなタンニンが甘みを感じさせてくれるんですね。
エキスの抽出もストレスを感じない、非常にスムースなものです。
一般的にはタンニンは目立たないので言及すべきでは無いのかもしれませんが、非常にしなやかで質の良さを感じましたので、敢えて書いてみました。
色合いもやや淡目で透明感に満ちています。何しろドライなので、最初少し戸惑うかもしれませんが、一口、二口と飲み進めるに連れ、肯定感が増してくる感じです。
細かいことを言うと、フィサン村名よりも「乾いた土地のニュアンス」を感じさせるミネラリティで、よりミネラル分が多いと感じます。複雑性もより有りますが、まだ若いので際立った個性として感じるのは難しいかもしれません。
しかし、ベリー的な果実と少し乾いた感じのジュヴレ的鉱物的ミネラリティがバランス良くパレットを描きます。今飲んで・・充分に旨いです。現実には昨日・・美味しくてついつい・・飲んでしまいました!やっぱりアメリー・ベルトーの感性は素晴らしいですね~。なんか贔屓したくなっちゃいますよ。
同じ価格の村の南・・ブロションに近い区画の「レ・クレ」も有りますので、是非比較してみてください。
因みにこのワインはリアルワインガイド第51号にも掲載されていませんでした。エキス系のドライ&ビターながらもビシッと焦点の定まった見事な味わいです。美しい女性を感じさせるジュヴレ村名・・って、何かアメリーそのもののようなイメージです。今飲んで美味しいとしても、気温が上がるこの春には一皮向けそうですよ・・本数は限定です。お早めにどうぞ!
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2018 Fixin les Crais
フィサン・レ・クレ
【こちらもすみません・・同様に飲めませんでした。】
あれほど沢山有ったレ・クレ、レ・クロですが、このところは12本いただけるのがようやっとです。海外からのオーダーが増えているんでしょうか・・。
確かに、村名フィサンに低い評価をした方々も、このレ・クレには上値の最高値で93ポイント、付いています。ようやっとこのクラスから「やる気」が出てくるんでしょうか。そしたらザルヴレとかアン・コンブ・ロワを飲んだら・・ぶっ飛んじゃうはずなんですが・・それに、評点のヒエラルキーが崩れてへんてこなものになってしまう可能性大じゃないかと思うんですが・・。まぁ、こちらは飲んでいないので、フィサンとするなら、今まででは有り得ない高評価だとも言えます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【レ・クレは飲めませんでした・・レ・クロを飲みました。やはりフィサンを頭一つ、確実に超えて来ています!】
以前はあれほど有ったレ・クレとレ・クロですが、このところは何故か余り有りませんで、12本ずつの入荷です。しかし、
「価格は¥5050-->¥4750 へ値下げ!」
ですから300円も下がってます。・・下がると売上も下がるので困るんですが・・本数も減ってますし・・どうしてくれるんだろ・・。
なので、どちらか1アイテム・・と思ったんですが、2016年ものも飲ませていただいたレ・クロを選択しました。
非常に凝縮しており、葡萄の質の良さが感じられます。もっと「間延びのするふんわかした液体」かと想像していたんですが、さにあらず・・。良い意味で「余分な空間を造らない密な表情」をしています。
要素がとても多く、それが複雑に絡み合い、今の味わいを造っていますが、もう少し置きますと、より判りやすく分別されて感じられると思います。まぁ、いつもより入荷が3カ月も早いですから、「育ち」もまだ少し若いと言うことですね。
2016年もののレ・クレ(レ・クロではない)の評価に、リアルワインガイドで徳丸さんは、
「父親をリスペクトした構造に、母親から受け継いだエレガンス」
と書いてポテンシャル92ポイント、付けていますが、
「言い得て妙!」
ですね。
まぁ、今ですと・・noisy は、そこに、
「夫(ニコラ・フォール)の栽培における助力」
を入れたいですが・・長く仲睦まじく、健康に暮らして欲しい・・と思ってます。
いや、そこはどうでも良いんですが、徳丸さんがそのように評した「父親譲りの構造、母親から受け継いだエレガンス」は、まさにそのまんま・・感じられます。
しかし・・一体、このワインに何点付けるのか・・noisy 的には興味深々です。少なくともポテンシャル点に「+」は付くでしょう。
昨年の2016年ものにも「今までで最高を・・さらに超え・・」と書いてしまいましたが、「さらにさらに超え・・」と書かなくてはならなくなってしまいました。素晴らしい出来だと思います。
また双子のような「レ・クレ(レ・クレイ)」ですが、読んで字のごとし、「クレイ」=「粘土」です。粘土が強いと言うことですね。こちらは飲めてはいませんが、レ・クロの印象からは、万全に仕上がっているはずです。是非ご検討くださいませ。いつもより全然少ないし、追加も見込めません。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【素晴らしい出来です!・・今までで最高を・・さらに超えて来ました!!】
2015年もので、
「今までで最高!」
などと言ってしまったために、2016年もののプレゼンをどうしたら良いかと、ちょっと悩み気味だったのですが、しっかり上塗りしてしまいました。今までで最高のフィサン・レ・クロです。
色合いも密度の高い素晴らしいものですよね。是非2013年からの連続写真を・・ご覧ください。
濃く見えるでしょう?・・でも、サラッとしているんですよ。そして旨味の元がちゃんと備わっている。アロマの表現も多彩でスピードも速いし、細やかな表情が、実は大きな構造からストレスなく出てくるんですね。
リアルワインガイドは・・残念ながら、レ・クレの評価は有ってもレ・クロを回避しています。それだけ「少ない」と言うことなんですね。
しかし、その少ない中で仕上がったキュヴェはどれも秀逸ですが、
「noisy が飲めた中では、今、これが一番の表情を持っていて、今、一番美味しい!」
と言えるでしょう。
村名ジュヴレ=シャンベルタンは、ポテンシャルでこのフィサン・レ・クロを凌ぎますが、「今飲んで」と言う観点からはフィサン・レ・クロに劣ります。3年ほど経過するとその座は奪われるかな?・・と言う感じですが、それでもこのレ・クロの存在感は普遍でしょう。
リアルワインガイド第63号は、フィサン・レ・クレ2016年に91~92ポイント付けています。noisy的には、このフィサン・レ・クロにも同様な評価をしたいと思っています。
この密度、しなやかさ、軽やかだけれど充実している酒躯・・フィネス、エレガンス。もう充分でしょう!ジュヴレに似ている・・と言って来ましたが、これはもう、フィサン1級レ・クロです。ジャンプアップした2016年のアメリー・ベルトーを理解するのには最高のアイテムかと感じました。こちらも余り数は有りませんが、やはり飲んでいただきたい!是非お早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【今までで最高の出来!素晴らしいです!】
非常に美味しいですね~・・素晴らしいです。色合いもACブルやオート=コート、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュとは少し傾向が違いますね。
2015年のレ・クロは、2014年までのレ・クロと同様にやや赤紫色の色合いを継承しています。ACブルあたりはやや褐色が混じったようなイメージですが、その色は見て取れません。
2014年ものと比較すると・・歴然としています。濃密な色合いです。美しいですね・・そしてファットな舌触りには極上のタンニン分を含んでいるのが判ります。
noisy はブルゴーニュワインの評価には、滅多に「タンニン」を言いません。言う必要が無いと言うか、タンニンをタンニンとして捉えられるブルゴーニュワインってどうなのよ・・と言う思いもどこかに有るからです。
このレ・クロは、そんな自身の「禁」を犯しても伝えておくべきかな・・と思うので敢えて書きました。極上のタンニン・・と言いましたが、それは「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールにおける好ましいタンニン」と言うことになります。
もし気にしないでいたら・・もしくは、タンニン分を捕えようと思っていなければ、それは中々判らないでしょう。全くベルベッティで有り、深みと柔らかさが有り、全体に溶け込んでいるので判り辛いんですね。ブルゴーニュワインはそれで良いと思います。まぁ、タンニンをしっかり出してくる生産者さんもいらっしゃいますが、余り好ましいとは思っていません。目立たないのに実は存在している・・それでよい訳です。下手をすればエレガンス、フィネスを大きく損なうことになりかねないと思います。
しかし、目立たない・・判り辛いのにしっかり存在し、ワインを大きくしているのがこの素晴らしいレ・クロのタンニンです。
そしてそれは香りの厚みにも・・現れています。ま~・・素晴らしいこと、複雑でゴージャスですし、存在感は凄いです。
敢えて言うなら・・樽も有りますよ。実に高級感のあるものです。敢えて取り上げることも無いのですが念のため・・。
リアルワインガイド第59号はこのレ・クロに「89+ 90+ 2018~2038」と言う高評価を与えています。noisy 的にはもう少し上げたいところですが・・まぁ・・仕方ないでしょうか。香りの密度感・・みたいなことも述べられていますが、このクラスになると下のクラスとは全然違う・・とも言及されています。
noisy 的にもこの春頃から飲んで良いと思います。しかし・・このワインの本当の飲み頃は10年経ってから・・でしょう。ポテンシャルを開花させるにはその位は必要です。素晴らしいワインでした!
また、例年ですとレ・クロとレ・クラの比較をするところなんですが、リアルワインガイド第59号でもレ・クラの評価をしていないのと同じ意味でしょうか、レ・クラの入荷は12本だけです。レ・クロは24本でしたので何とか飲めましたが・・すみません。
因みに「造り手紹介欄」の写真に某雑誌の評価がそれとなく出ていますが、そこには何とこの「レ・クラ2015年」が、
「18.5」
と評価されています。
20点満点で18.5点は・・物凄い評価ですよ?・・まぁ、1級ザルヴレは19点ですけどね!
写真も詳細では無いですし部分しか映ってないので良く判りませんが、それにしてもこの評価は高いですね。レ・クロを飲んでも良く判りますし、アン・コンブ・ロワを飲めば・・
「うお~!」
と思わず声を上げてしまうでしょう。
希少な畑名付フィサンです。是非飲んでみてください。お早めにどうぞ!
━━━━━
【値下げでも2013年よりもポテンシャルアップ!出来の良いジュヴレ村名と比べても遜色ありません!】
待ちに待ったアメリー・ベルトーのフィサン・レ・クロです。面白いものでこのレ・クロは非常にジュヴレっぽいです。レ・クレの方は・・同じような名前では有るものの、これまた全然違って、ものの見事にシャンボール的です。これは比較して飲んでもらえば物凄く判り易いです。ベリー系のがっしりした大き目な体格でやや鉄っぽいレ・クロ、チェリーリキュール的で細やかなチョークっぽいミネラリティのレ・クレです。
リアルワインガイド第55号は 90~91 今~2038 と高評価でした。2013年ものは非常にエレガントでしたが、2014年はそこにダイナミズムを感じます。とても大きく、男っぽいです。
4千円台のジュヴレは、安けりゃ良いで済ませられるものを除きほぼ絶滅状態・・リーズナブルなものでも5千円は下りません。
「・・でもフィサンじゃジュヴレ的なクリマの特徴の違いが楽しめないんじゃない?」
とおっしゃるかもしれませんが、村名クリマと言うことで話をするなら、ラ・ジュスティスとかプレソニエールなどの名の有る畑位で出来るくらいですから、
「明確に違う個性を楽しめる!」
と言うことでは、レ・クロ、レ・クレはその良い機会になると思いますよ。
それに、1級のザルヴレ!・・これがまた素晴らしい!・・ジュヴレの著名な1級群の中に入ってもその個性を見せつけるでしょう。
ですので、このまさにちょっと男っぽい感じが優しい笑顔のアメリーと似つかわしくないかも・・と思うかもしれませんが、ワインの味わいはとても良いです。是非飲んでみてください。比較して楽しい・・しかもポテンシャルも充分でとても安い村名フィサン・レ・クロです。お勧めします!
以下は2013年フィサン・レ・クロのレヴューです。
━━━━━
【女性が持つ男っぽい部分を具現??・・優しさの有るソフトなジュヴレ=シャンベルタン風!ビターな旨さが満開です!】
村の北側、隣村のクーシェに程近い位置にある「レ・クロ」です。比較的軽い「フィサン」より、わずかに重厚で、タンニンもわずかに多く出ているように思います。
しかしながらそのタンニンの質が非常に細やかでベルベッティ・・。鉄火面のようにドライで甘みもへったくれも限り無くゼロなんですが、そのやや厚みのあるしなやかなタンニンが甘みを感じさせてくれるんですね。
エキスの抽出もストレスを感じない、非常にスムースなものです。
一般的にはタンニンは目立たないので言及すべきでは無いのかもしれませんが、非常にしなやかで質の良さを感じましたので、敢えて書いてみました。
色合いもやや淡目で透明感に満ちています。何しろドライなので、最初少し戸惑うかもしれませんが、一口、二口と飲み進めるに連れ、肯定感が増してくる感じです。
細かいことを言うと、フィサン村名よりも「乾いた土地のニュアンス」を感じさせるミネラリティで、よりミネラル分が多いと感じます。複雑性もより有りますが、まだ若いので際立った個性として感じるのは難しいかもしれません。
しかし、ベリー的な果実と少し乾いた感じのジュヴレ的鉱物的ミネラリティがバランス良くパレットを描きます。今飲んで・・充分に旨いです。現実には昨日・・美味しくてついつい・・飲んでしまいました!やっぱりアメリー・ベルトーの感性は素晴らしいですね~。なんか贔屓したくなっちゃいますよ。
同じ価格の村の南・・ブロションに近い区画の「レ・クレ」も有りますので、是非比較してみてください。
因みにこのワインはリアルワインガイド第51号にも掲載されていませんでした。エキス系のドライ&ビターながらもビシッと焦点の定まった見事な味わいです。美しい女性を感じさせるジュヴレ村名・・って、何かアメリーそのもののようなイメージです。今飲んで美味しいとしても、気温が上がるこの春には一皮向けそうですよ・・本数は限定です。お早めにどうぞ!
●
2017 Gevrey-Chambertin
ジュヴレ=シャンベルタン
【複雑で大柄、ややクラシックに仕上がった、クロ・デ・シェゾーまで混ぜ込んだ村名ジュヴレです!】(こちらは2016年もの以前のレヴューです。)

2016年のフィサン、ジュヴレは非常に厳しかったようです。特にジュヴレでは、
「ラヴォー・サン=ジャックは生産量200本と極少量、レ・カズティエはエージェントさんにバラで3本」
と言う状況で、あれだけ沢山有った村名ジュヴレ=シャンベルタン・クロ・デ・シェゾーは壊滅的、ワインに出来た分はこの村名に混ぜたと伝わっています。
なるほど・・となるとどうなんだろ?・・と思いますよね。因みにリアルワインガイド第63号は、
「今飲んで 91+ ポテンシャル 92+ 飲み頃予想 2020~2043」
と、かなり高い評価です。
noisy的な感覚から言いますと、
「テイスティング出来た数アイテムの中で、このワインだけが異色。」
で有って、むしろ、今までの・・と言いますか、2014~2015年までのアメリー・ベルトーの味わいの系統に引き継いでいます。
グラスの色合いを比べますと、随分違いますよね。・・そりゃそうです。クロ・デ・シェゾーも混ざってますから・・。なので、急遽クロ・デ・シェゾーの写真を探したところ・・2013年ものしか見当たりませんでした・・すみません。でも、左の写真は2013年ものクロ・デ・シェゾーです。

遅熟させざるを得なかった2016年ですので、何となく重厚さがミネラリティを覆っているように見えるかな・・と思います。
で、2016年のアメリー・ベルトーのワインには基本、出来るだけ全房発酵を心がけているようで、その名残りが感じられます。しかし、このジュヴレ=シャンベルタン村名には余り無いんですね。全房発酵に持って行くことが出来なかった、もしくは回避した、全房発酵のキュヴェの割合が少なかった・・と言うことが挙げられると思うんですね。
なので、非常に複雑で重量感が有り、しっかりした味わい・・・クロ・デ・シェゾーが正にそうなんですが、そっち系統の味わいで有り、あまりニコラ・フォールの影を感じない味わいに仕上がっています。
それは結果として好き嫌いは有っても良い、悪いでは有りません。その分、ややタイトに仕上がっていますから、少し熟成待ちを強いられるかな?・・と感じる訳です。
リアルワインガイドもこのキュヴェについては「2020年から・・」と言っています。noisy的には、この冬、一旦ある程度は落ち着くにしても2019年にはまた締まると感じられますから、やはり同様に2020年から・・と言う評価になります。ポテンシャル点もほぼ同様、今飲んで・・の評点は下げるかもしれません。
いずれにしましても出来は非常に良く、しかし2016年のアメリー・ベルトーの中ではタイトな仕上がりでした。少し休養させてからお楽しみくださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【数が無くて飲めませんでしたが、クロ・デ・シェゾーの出来を考えるとこの村名で充分と想像できます。】

左の写真は村名ジュヴレでは無く、ジュヴレのクロ・デ・シェゾーです。お間違い無く。
何せ非常に少ない2015年のベルトー=ジェルベですので、村名ジュヴレでも12本のみ・・。クロ・デ・シェゾーとどっちを飲むか、クロ・デ・シェゾーも飲まないで販売数を優先するか・・普通はそうなんでしょうが、やはり2015年のベルトー=ジェルベの仕上がりをある程度見極めるには、ドメーヌ・ベルトーから引き継いだ畑ものとドメーヌ・ジェルベからのものの両方をテイスティングしないと叶わないと思ったんですね。
実際、飲んでみて良かったです。2014年ものは力強い仕上がりでポテンシャルは2013年を上回るとしても、やや硬めに仕上がったため、リリース直後のバランスとしては、メアリーのワインが持つ美しさを削っていたんじゃないか・・とも思えた部分も有ります。
2015年のクロ・デ・シェゾーはコラムにも書きましたが、非常に饒舌です。エキスが非常に充実していて、旨みもたっぷり有り、2013年ものを美しさはそのまま「濃密」にしたような味わいでした。
それを考えると、やや内向的な性格を持つ村名ジュヴレは、むしろその性格が良い方に出るかもしれませんで、
「丁度良い」
「エレガンスが前面に出ている」
と言うような感じじゃないかと想像しています。
リアルワインガイドもこのワインは飲めなかったようですから、クロ・デ・シェゾーの評価から評点をマイナス1点~0.5点するならば、今飲んで 89~89+ ポテンシャル90~90+ と言うような感じになるでしょう。まぁ、クロ・デ・シェゾーの90~91Pointsをそのまま信じれば・・と言う限定では有ります。
数の無い2015年、貴重な村名ジュヴレです。是非ご検討くださいませ。
以下は2014年以前のこのワインのレヴューです。
━━━━━
【旨い!!ジュヴレの個性とアメリーの個性の融合度が素晴らしい!!】
素晴らしい仕上がりになった2014年ジュヴレ=シャンベルタンです。
リューディ・レ・クラとラ・ブリをブレンドしている・・とテクニカルに書いてありますが、レ・クラは村の北の端に近く、ラ・ジュスティスと接しています。ラ・ブリはプレソニエールの北で、村のほぼ中央付近、どちたの畑もディジョンからボーヌに向かう国道の東に有ります。プレソニエールは村名の区画とACブルの区画の両方が有りますが、ご存知のようにジョセフ・ロティの畑はA.C.ブルです。
レ・クラはどんな畑か良く判りませんが、接しているラ・ジュスティスは豊かでやや鉄分の少ない感じの豊満なキャラクターと理解しています。ロティさんのプレソニエールはやや硬く、早飲みには適しませんが、1~3年の熟で激変しますんで、接しているラ・ブリですからその辺りも参考になるかと思います。
2013年のジュヴレ=シャンベルタンは・・まぁ・・めっちゃ旨かったです!フィサンにやや不足感を持つのであれば、2013年ジュヴレは全く欠落感のない、そして中盤から終盤にかけて、しっかり押してくる旨みが幸せなワインでした。何しろ数が無く、すぐに完売してしまったので、どうしようも無かったんですね。
まぁ、エージェントさんも
「・・えっ?・・こんなに・・受けるの?」
と、アメリーがドメーヌ・ベルトーを継いでからのお客さんの反応に驚いていました。
実は今回の2014年のお披露目でエージェントさんで「A.C.ブルゴーニュ」「A.C.フィサン」を飲ませていただいた時、エージェントの社長さんと少しお話しをしたんですが、
「アメリーのワインを現地で飲んだ時、やった~!と思ったんですが、これほどまで受けるとは思わなかった」
とおっしゃってました。
彼は昔から旧知の仲なんですが、
「そろそろお互いに引退せんと・・次が出辛いよ」
などと言ってました。
まぁ、そりゃぁそれは良いんですが、次が育ってない・・と言うか、育つ気が無い?・・と、どうにもならんとも・・。
それについては彼も同感のようで、
「それはうちも同じ。今の人(ワイン屋さん、ワイン関係者)はやる気があってもワインを飲む機会が少ないし、自分で創れないし、ワインも高いからうちらの時のように高級ワインが気軽に飲めないしね・・」
そんな会話をしてきました。エージェントさんも何かと大変です。ブルゴーニュワインは値上がり続けているし、良い造り手と取引するのは至難の業ですし、取引を長く続けることも重要ですしね。
でもそんな中での「ベルトー=ジェルベ」ですからね。A.C.ブルで2千円台、フィサン4千円、ジュヴレ5.5千円と言うのは、まともなドメーヌものの中では「最安値」と言えます。
で、やはり2014年の出来が気になりますよね?・・悪い訳が無いじゃ無いですか・・素晴らしいですよ。もっともやはり、昨年のような9月のご案内では無いので、少し時間が不足している感じが有ります。
基本的には2013年とほとんど一緒で、エキスがキッチリでた味わいの中にポツポツとジュヴレ的な濃い赤のベリーやチェリーが浮かんで来て、やや重厚な鉄っぽいニュアンスを受け取りつつ、フィネスの有るしなやかな舌触りを受けつつ、鼻に抜けて行くやや重量感を含む石灰系のミネラリティを楽しみつつ、長めの時間、減衰感の素晴らしさも堪能できる・・そんな感じです。
出来れば2013年ものと同様に9月以降の抜栓をお勧めしますが、今飲んでも非常に美味しいので、飲んじゃっても良いかと思います。ただし2013年よりも確実に大きくポテンシャルが上の分、また、輸入から時間が経過していない分、やや強さを感じるかと思います。その分が優しさに変わるのがそれ以降・・と言うことだと思います。
非常に良い仕上がりでした。美味しいです。是非ご検討くださいませ。こちらは再入荷はほぼ期待できません。
以下は2013年ジュヴレ=シャンベルタンのレヴューです。
━━━━━

今一度・・集合写真です。左からブルゴーニュ・レ・プリエール、フィサン、ジュヴレ=シャンベルタン、ヴォーヌ=ロマネ・・です。
左から順に色合いは濃くなっているように感じられるかと思います。でも良く見るとやはりジュヴレは「黒」っぽい色合いがより強いですよね。ヴォーヌ=ロマネは濃いですが、むしろ「赤」が強い感じです。
で・・申し訳ないが、このワインも・・絶品です。味わいのトーンは他のアイテムと同様・・。
「軽やか」「ドライ」「ソフト」「エキスがピーチ」「(最後の最後の・・)余韻が清冽な水」
これはアメリーのワインに共通するものです。
しかし、皆さんもなじみの多いジュヴレのワインですから、ジュヴレ的な特徴もしっかり感じられるでしょう・・。
と言うよりも、ジュヴレのテロワールがそれだけにしっかり現れている・・もしくは、畑がそのようなパワーを強く持っている・・ということなのかもしれません。
やはりジュヴレの鉄っぽさ、スパイスはノーズ、中盤、余韻に掛けて、上記のアメリーのワインの特徴部分に入り込んでいます。それだけポテンシャルが高くなっている・・ということなのでしょう。
ピュアでソフトなんですが、ややソリッドな鉄っぽさが食い込んで来ている訳です。なので、より幅の有る味わいであり、縦構造の伸びも大きくなります。 フィサンが非常にエレガントに感じるかもしれません・・しかし、このジュヴレも、ジュヴレの厳しい構造を見せつつも、非常にソフトでしなやかな、アメリーのワインの味わいがします。
1本飲んじゃいましたので11本しかないです。エージェントさんにも無いそうです。この機会に是非・・お試しください。「ブルゴーニュを飲んでから決めよう・・」などと言ってると無くなっちゃうでしょう・・(^^;; 旨いです。お早めにどうぞ。
●
2016 Gevrey-Chambertin
ジュヴレ=シャンベルタン
【複雑で大柄、ややクラシックに仕上がった、クロ・デ・シェゾーまで混ぜ込んだ村名ジュヴレです!】

2016年のフィサン、ジュヴレは非常に厳しかったようです。特にジュヴレでは、
「ラヴォー・サン=ジャックは生産量200本と極少量、レ・カズティエはエージェントさんにバラで3本」
と言う状況で、あれだけ沢山有った村名ジュヴレ=シャンベルタン・クロ・デ・シェゾーは壊滅的、ワインに出来た分はこの村名に混ぜたと伝わっています。
なるほど・・となるとどうなんだろ?・・と思いますよね。因みにリアルワインガイド第63号は、
「今飲んで 91+ ポテンシャル 92+ 飲み頃予想 2020~2043」
と、かなり高い評価です。
noisy的な感覚から言いますと、
「テイスティング出来た数アイテムの中で、このワインだけが異色。」
で有って、むしろ、今までの・・と言いますか、2014~2015年までのアメリー・ベルトーの味わいの系統に引き継いでいます。
グラスの色合いを比べますと、随分違いますよね。・・そりゃそうです。クロ・デ・シェゾーも混ざってますから・・。なので、急遽クロ・デ・シェゾーの写真を探したところ・・2013年ものしか見当たりませんでした・・すみません。でも、左の写真は2013年ものクロ・デ・シェゾーです。

遅熟させざるを得なかった2016年ですので、何となく重厚さがミネラリティを覆っているように見えるかな・・と思います。
で、2016年のアメリー・ベルトーのワインには基本、出来るだけ全房発酵を心がけているようで、その名残りが感じられます。しかし、このジュヴレ=シャンベルタン村名には余り無いんですね。全房発酵に持って行くことが出来なかった、もしくは回避した、全房発酵のキュヴェの割合が少なかった・・と言うことが挙げられると思うんですね。
なので、非常に複雑で重量感が有り、しっかりした味わい・・・クロ・デ・シェゾーが正にそうなんですが、そっち系統の味わいで有り、あまりニコラ・フォールの影を感じない味わいに仕上がっています。
それは結果として好き嫌いは有っても良い、悪いでは有りません。その分、ややタイトに仕上がっていますから、少し熟成待ちを強いられるかな?・・と感じる訳です。
リアルワインガイドもこのキュヴェについては「2020年から・・」と言っています。noisy的には、この冬、一旦ある程度は落ち着くにしても2019年にはまた締まると感じられますから、やはり同様に2020年から・・と言う評価になります。ポテンシャル点もほぼ同様、今飲んで・・の評点は下げるかもしれません。
いずれにしましても出来は非常に良く、しかし2016年のアメリー・ベルトーの中ではタイトな仕上がりでした。少し休養させてからお楽しみくださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【数が無くて飲めませんでしたが、クロ・デ・シェゾーの出来を考えるとこの村名で充分と想像できます。】

左の写真は村名ジュヴレでは無く、ジュヴレのクロ・デ・シェゾーです。お間違い無く。
何せ非常に少ない2015年のベルトー=ジェルベですので、村名ジュヴレでも12本のみ・・。クロ・デ・シェゾーとどっちを飲むか、クロ・デ・シェゾーも飲まないで販売数を優先するか・・普通はそうなんでしょうが、やはり2015年のベルトー=ジェルベの仕上がりをある程度見極めるには、ドメーヌ・ベルトーから引き継いだ畑ものとドメーヌ・ジェルベからのものの両方をテイスティングしないと叶わないと思ったんですね。
実際、飲んでみて良かったです。2014年ものは力強い仕上がりでポテンシャルは2013年を上回るとしても、やや硬めに仕上がったため、リリース直後のバランスとしては、メアリーのワインが持つ美しさを削っていたんじゃないか・・とも思えた部分も有ります。
2015年のクロ・デ・シェゾーはコラムにも書きましたが、非常に饒舌です。エキスが非常に充実していて、旨みもたっぷり有り、2013年ものを美しさはそのまま「濃密」にしたような味わいでした。
それを考えると、やや内向的な性格を持つ村名ジュヴレは、むしろその性格が良い方に出るかもしれませんで、
「丁度良い」
「エレガンスが前面に出ている」
と言うような感じじゃないかと想像しています。
リアルワインガイドもこのワインは飲めなかったようですから、クロ・デ・シェゾーの評価から評点をマイナス1点~0.5点するならば、今飲んで 89~89+ ポテンシャル90~90+ と言うような感じになるでしょう。まぁ、クロ・デ・シェゾーの90~91Pointsをそのまま信じれば・・と言う限定では有ります。
数の無い2015年、貴重な村名ジュヴレです。是非ご検討くださいませ。
以下は2014年以前のこのワインのレヴューです。
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【旨い!!ジュヴレの個性とアメリーの個性の融合度が素晴らしい!!】
素晴らしい仕上がりになった2014年ジュヴレ=シャンベルタンです。
リューディ・レ・クラとラ・ブリをブレンドしている・・とテクニカルに書いてありますが、レ・クラは村の北の端に近く、ラ・ジュスティスと接しています。ラ・ブリはプレソニエールの北で、村のほぼ中央付近、どちたの畑もディジョンからボーヌに向かう国道の東に有ります。プレソニエールは村名の区画とACブルの区画の両方が有りますが、ご存知のようにジョセフ・ロティの畑はA.C.ブルです。
レ・クラはどんな畑か良く判りませんが、接しているラ・ジュスティスは豊かでやや鉄分の少ない感じの豊満なキャラクターと理解しています。ロティさんのプレソニエールはやや硬く、早飲みには適しませんが、1~3年の熟で激変しますんで、接しているラ・ブリですからその辺りも参考になるかと思います。
2013年のジュヴレ=シャンベルタンは・・まぁ・・めっちゃ旨かったです!フィサンにやや不足感を持つのであれば、2013年ジュヴレは全く欠落感のない、そして中盤から終盤にかけて、しっかり押してくる旨みが幸せなワインでした。何しろ数が無く、すぐに完売してしまったので、どうしようも無かったんですね。
まぁ、エージェントさんも
「・・えっ?・・こんなに・・受けるの?」
と、アメリーがドメーヌ・ベルトーを継いでからのお客さんの反応に驚いていました。
実は今回の2014年のお披露目でエージェントさんで「A.C.ブルゴーニュ」「A.C.フィサン」を飲ませていただいた時、エージェントの社長さんと少しお話しをしたんですが、
「アメリーのワインを現地で飲んだ時、やった~!と思ったんですが、これほどまで受けるとは思わなかった」
とおっしゃってました。
彼は昔から旧知の仲なんですが、
「そろそろお互いに引退せんと・・次が出辛いよ」
などと言ってました。
まぁ、そりゃぁそれは良いんですが、次が育ってない・・と言うか、育つ気が無い?・・と、どうにもならんとも・・。
それについては彼も同感のようで、
「それはうちも同じ。今の人(ワイン屋さん、ワイン関係者)はやる気があってもワインを飲む機会が少ないし、自分で創れないし、ワインも高いからうちらの時のように高級ワインが気軽に飲めないしね・・」
そんな会話をしてきました。エージェントさんも何かと大変です。ブルゴーニュワインは値上がり続けているし、良い造り手と取引するのは至難の業ですし、取引を長く続けることも重要ですしね。
でもそんな中での「ベルトー=ジェルベ」ですからね。A.C.ブルで2千円台、フィサン4千円、ジュヴレ5.5千円と言うのは、まともなドメーヌものの中では「最安値」と言えます。
で、やはり2014年の出来が気になりますよね?・・悪い訳が無いじゃ無いですか・・素晴らしいですよ。もっともやはり、昨年のような9月のご案内では無いので、少し時間が不足している感じが有ります。
基本的には2013年とほとんど一緒で、エキスがキッチリでた味わいの中にポツポツとジュヴレ的な濃い赤のベリーやチェリーが浮かんで来て、やや重厚な鉄っぽいニュアンスを受け取りつつ、フィネスの有るしなやかな舌触りを受けつつ、鼻に抜けて行くやや重量感を含む石灰系のミネラリティを楽しみつつ、長めの時間、減衰感の素晴らしさも堪能できる・・そんな感じです。
出来れば2013年ものと同様に9月以降の抜栓をお勧めしますが、今飲んでも非常に美味しいので、飲んじゃっても良いかと思います。ただし2013年よりも確実に大きくポテンシャルが上の分、また、輸入から時間が経過していない分、やや強さを感じるかと思います。その分が優しさに変わるのがそれ以降・・と言うことだと思います。
非常に良い仕上がりでした。美味しいです。是非ご検討くださいませ。こちらは再入荷はほぼ期待できません。
以下は2013年ジュヴレ=シャンベルタンのレヴューです。
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今一度・・集合写真です。左からブルゴーニュ・レ・プリエール、フィサン、ジュヴレ=シャンベルタン、ヴォーヌ=ロマネ・・です。
左から順に色合いは濃くなっているように感じられるかと思います。でも良く見るとやはりジュヴレは「黒」っぽい色合いがより強いですよね。ヴォーヌ=ロマネは濃いですが、むしろ「赤」が強い感じです。
で・・申し訳ないが、このワインも・・絶品です。味わいのトーンは他のアイテムと同様・・。
「軽やか」「ドライ」「ソフト」「エキスがピーチ」「(最後の最後の・・)余韻が清冽な水」
これはアメリーのワインに共通するものです。
しかし、皆さんもなじみの多いジュヴレのワインですから、ジュヴレ的な特徴もしっかり感じられるでしょう・・。
と言うよりも、ジュヴレのテロワールがそれだけにしっかり現れている・・もしくは、畑がそのようなパワーを強く持っている・・ということなのかもしれません。
やはりジュヴレの鉄っぽさ、スパイスはノーズ、中盤、余韻に掛けて、上記のアメリーのワインの特徴部分に入り込んでいます。それだけポテンシャルが高くなっている・・ということなのでしょう。
ピュアでソフトなんですが、ややソリッドな鉄っぽさが食い込んで来ている訳です。なので、より幅の有る味わいであり、縦構造の伸びも大きくなります。 フィサンが非常にエレガントに感じるかもしれません・・しかし、このジュヴレも、ジュヴレの厳しい構造を見せつつも、非常にソフトでしなやかな、アメリーのワインの味わいがします。
1本飲んじゃいましたので11本しかないです。エージェントさんにも無いそうです。この機会に是非・・お試しください。「ブルゴーニュを飲んでから決めよう・・」などと言ってると無くなっちゃうでしょう・・(^^;; 旨いです。お早めにどうぞ。
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2018 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【何と、あのブルゴーニュ専門家にしてブルゴーニュワインに超厳しいアレン・メドゥズさんが、「アウトスタンディング/トップ・ヴァリュー」評価です!】

そうなんですね・・。ちょっと厳しいかな~・・この先が・・。少し思いやられますが、メドゥズさんが「アウトスタンディング!」と言うほどですから・・良いのは判ると思います。
2017年ものは数が無くて飲まなかったら・・お客様にはどうも手を抜いたと思われたのか、ま~動きが遅くてですね・・
「・・あれ?・・何で動かないの?」
と・・不思議に思ってました。
なので、2018年ものは飲まないと・・と思ってしっかりテイスティングさせていただきました。
「ラズベリー、スグリを持っての全方位外交!」
の素晴らしいヴォーヌ=ロマネです。バランスはど真ん中が重心で、腰高でも無く、ベタに重くも在りません。やや黒みを持った赤い果実が中心で、ノーズにはフィサン村名やA.C.ブルに顕著なシャンボール的な魅惑のアロマが漂います。
美味しく無い訳が無い・・ですよね。これ、是非飲んでみてください。数が無いので・・買えなかったらすみません。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイド第63号は 今飲んで 91 ポテンシャル92 飲み頃予想2020~2043 ! ・・そして珍しいことも起きています!】(こちらは2016年もののレヴューです。) フランソワ・ジェルベから伝えられたヴォーヌ=ロマネ村名です。2015年ものは少ない入荷数の中から、忍び難きを忍び・・テイスティングさせていただきまして、その素晴らしさにビックリしてしまった noisy です。なので、エージェントさんの入荷数がそこそこな数字だったことに気付き、何とかネジ込んで・・少しだけ増やしていただきました。・・何でも言ってみるもんですね。
しかしながら増やしてもらったとは言いつつ、全体の数量は昨年の2015年には遠く及ばず、全部綺麗さっぱり販売したとしても減益は免れないと言う寂しい状況です。
なので、結構・・テイスティングで開けてしまいましたので、今回はヴォーヌ=ロマネのテイスティングを諦めざるを得ない状況でした。
で、ネットを徘徊して情報集めをしたところ、面白いことに気付きました。余り無いこと・・です。
大体、「このドメーヌは伸び盛りだ・・これから来るぞ!」と言う部分においては、大方のワインメディアは見えてないと思います。もしくは、見えていたとしても、「今はそのタイミングではない・・早すぎる」と言うような感覚なのかな・・と思います。なので、
「かなり良くなって来たな・・」
と感じたとしても、良いとこ、+0.5Points 位なんですね。しかも、ボトルコンディションやテイスティング時の固有のコンディション差などはあまり考えてないのでしょう。
「褒めたいが、結局褒めたことになってない」
ようになってしまいます。
あ、思い出しました。アメリーファンのために、ベッキー・ワッサーマンさんのページをご紹介しましょう。デカデカと出て来ますよ。・・ベッキーさんについては・・是非ご自身でお調べください。
http://www.beckywasserman.com/domaines/berthaut-gerbet/#.W9q2YuIyWUk
(勝手にリンクは不味いと思うので、コピー&ペーストでご覧ください。)
で、結局ですね・・あの、ブルゴーニュワインに評価の厳しいアラン・メドーさんよりも、比較的評価の緩いアドヴォケイトのニール・マーティンさんの評価が逆転しちゃってるんですね・・。
アラン・メドー 89~91Points
ニール・マーティン 88~90Points
まぁ、評価をするのはその個人や団体ですから、結果はどうでも良いんですが、余り一貫性が無かったり、自身の好みだけでしてしまうと信用を失うことにもなりかねない訳です。
リアルワインガイドはその辺も実に面白い立ち位置で、
リアルワインガイド第63号 91-->92 Points
と、今飲んでポイントは何と、アドヴォケイトよりも3Points も上回ってしまっています。元々ニール・マーティンさんは、2016年フィサン1級レ・ザルヴレに91~93Pointsを奢っておりますんで、レ・ザルヴレの方がヴォーヌ=ロマネよりもかなり良い・・と言う評価結果になっています。
言ったことも言わなかったことも、やってしまったこともやらなかったことも、結局自分に全て還ってくるのが人生ですから、自分で責任を取れば良いだけです。きっと美味しいと思いますよ・・飲んでなくてすみません!頑張って分捕った分、ぜひ皆さんで板のシミくださいませ。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【このヴォーヌ=ロマネ村名はまるで小柄なミュジニー!・・有り得ないです!ミシェル・グロもビックリするはず!】
「うわ~お!」です。これは買うっきゃないなぁ・・。申し訳ないけどお一人様1本限定です。元から無いものを飲んじゃいましたが、良かったのか悪かったのか・・。しかしこの素晴らしさは半端ないです。
抜栓直後、やや硬めな石灰の穏やかなアロマが飛び出しますが、発散的な香りは穏やかな部類です。
「ん~・・香りはクロ・デ・シェゾーだなぁ・・。硬くなっちゃってるかぁ?」
と思いつつ、少量を口にすると・・まぁ、ビックリしすぎて言葉まで飲み込んじゃいました。
そうなんですよ・・比較、発散的な香りが少なかったので、予想を裏切られた形でのこの表情が凄かった!まるでミュジニーのような赤系果実・花の香水のような、ほんのりスパイシーなアロマが鼻に抜けて行くんですよ。
「(えっ?・・畑、どこだっけ?)」
と記憶を手繰ってみても思い出せず、後日確かめることになりましたが、クロ・デ・レアの南に接するオ・レアとリヴィエールなんですね。ミュジニーやクロ・ヴージョの近くかとも思いましたが、そんなところに村名の区画は無いし、ミュジニーやその辺と近い組成の土壌まで、葡萄の根が張ってるんじゃないか?・・などと想像してしまう位でした。
この高質でエキスの濃い味わいこそ、確かにあのミュジニーに共通するものです。しかしながらそうは言っても、ミュジニーと同等だなんては言ってませんので・・特にミュジニーの場合、熟していないと特に・・では有りますが、香りはめっちゃ香るものの、味わいは結構平板で硬く閉ざしている場合が多いです。
このヴォーヌ=ロマネは全く逆で、香りはやや抑え気味ながら、口に含んだ後の味わいやノーズに抜けて行く香りが素晴らしい・・し、似ている・・と思えるんですね。
いや~・・2013年も飲んでいるんですが、こんなに凝縮はしていませんでした。リアルワインガイド第59号で徳丸さんは、「やや青っぽい香りが有るがいずれ溶け込み、魅惑的なものに絶対なる」と書かれています。noisy 的には青っぽさは感じられず、すでに魅惑的過ぎる位、魅惑的でした。
因みにリアルは「今飲んで 90 ポテンシャル 91+ 2020~2040」と、クロ・デ・シェゾー2015とほぼ同様の評価です。
いや~・・これは皆さんに飲んで欲しいなぁ!・・もっと欲しいが・・残念です・・追加は見込めません!さっさとゲットすべき素晴らしいワインです。お早めにどうぞ!
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい!目茶美味しい!!(2013年のコメントですが・・)】 すみません・・こちらも数量的な関係でノー・テイスティングです。2013年のコメントと2014年の他のワインのコメントを参考にされてください。
以下は2013年の村名ヴォーヌ=ロマネのコメントです。
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・・まぁ・・こんなに美しい色合いを見せつけられたらね・・誰でも飲みたくなっちゃいますよね~。そして実際・・目茶旨いです!
こちらのヴォーヌ=ロマネもアメリーのワインは一貫しています。非常にソフトでピュア、軽やか、エキスがフルーティー・・です。
しかしながら、ヴォーヌ=ロマネの個性が半端無く、アメリーの個性に食い込んでいます。・・いや、食い込むと言うか侵食していると言うか・・いや、これは凄く評価している表現ですよ。
なので、偉大なヴォーヌ=ロマネの個性がそっくり、そのアメリー味に乗っかっています。
ソフトでピュア、そして軽やかさの上のヴォーヌ=ロマネの充実した緻密さが乗っかっていますし、エキスのフルーティーさは、ダークチェリーやベリーの色合いを強く持っています。エキセントリックで精緻なスパイスのアロマと、充実した品格の高いミネラリティからのアロマが絡み、素晴らしい風味になっています。
88 89をを付けたリアルの徳丸さんのレヴューを見ると、
「やや厳し目のタンニンが有りこれがもう少し熟して円いものだと文句なし」
とおっしゃってました。
・・・安心してください。しっかり良い方向に向いちゃってますんで。今飲んでもそのタンニンはしなやかで優しく、むしろ構造を豊かに感じさせる方向になっちゃってます。
それにね・・いまどき、こんなプライスのヴォーヌ=ロマネが有るかと?目茶お買い得でしょう?・・下手すりゃACブルしか買えないようなプライスでしょう?ここの区画はフランソワ・ジェルベ姉妹からのプレゼントですね。
2014年もしっかり購入したいと・・noisy の仕入れ方針にも大きな影響を与えてくれた困ったちゃんなヴォーヌ=ロマネです。あと11本・・お早めにどうぞ!
レ・リベール・テール
レ・リベール・テール
フランス les Liberr Terres ボージョレ
● すでにご案内済ですが、リヨンの南でドメーヌを営んでいるバティスト・ナイランのミクロ・ネゴスものをご案内させていただきます。
官能的で膨らみのある美味しいボージョレ(赤)と、やや揮発酸値が検出できる白です。
ですが、赤は揮発酸を気にする必要はまったく有りませんから・・と言うより、ビオ好きも嫌いも・・こぞって飲むべき、見事な仕上がりです。特に「ランヴォレ」の出来は素晴らしく、今飲んでも最高に旨いです。ファランドールも美味しいですが、現時点の完成度の高さはランヴォレに一歩譲ります。
白の方は揮発酸が簡単に検出できますので、苦手な方は止められた方が良いですが・・いや、実は白も結構に凄いです。
シャルドネのフュナンブルは、非常に複雑で濃密な味わいです。揮発酸については一口目を我慢すると気にならなくなってしまうレベルです。数年の熟成で全く検知できなくなるでしょう。
そして驚きはヴィオニエの「フロラリ」です。南ボージョレのヴィオニエで有りながら・・と言う点でも驚きですが、それを・・
「フロラリの名のようにフロールな味わい」
に仕上げている点です。
すなわち、
「産膜酵母が動いた表情がしっかり有る!」
ので、ジュラやアルヴォワのサヴァニャン的な複雑怪奇な美味しさを見事に完成させているんですね。これは是非とも飲んでい見ていただきたい・・のですが、嫌いな方は嫌いでしょう・・そもそもシャトー・シャロンやフロールなサヴァニャンが苦手でしたら、無理をしない方が良いです。
ですが、滅茶自由な・・「不作為に近い関与」を自身の感性で行い、素晴らしいワインに仕上げていると読んでいます。ぜひ飲んでみていただきたい造り手です。どうぞよろしくお願いします。

リヨン近郊で、感性を刺激してくれるナチュラルワインを造るバティスト・ナイランが新たな挑戦に乗り出しました。「レ・リベール・テール」と名付けられたミクロネゴスのプロジェクトです。温暖化による気候変動によって、近年多くのドメーヌが雹や霜、豪雨などで大きな被害を受け、収穫量が大幅に減少し、ドメーヌとしての持続可能性が脅かされています。このプロジェクトは、そのような危機感の中から、
「献身的に自然を尊重しながらブドウを育むヴィニュロンに対して敬意を表しながら、気候災害による制約から自身を解放したい。」
との強い想いから誕生しました。これはヴィニュロン達のワイン造りへの情熱を未来に存続させるための大きな挑戦なのです。
レ・リベール・テールの目標は、ブドウのエッセンスとテロワールの独自性、そして仲間のヴィニュロンの丹念な努力をボトル1本1本にしっかりと封じ込め、ブドウが育まれたテロワールの潜在能力を最大限に引き出すことです。
●
2023 Funambule Blanc V.d.F.
フュナンビュル・ブラン V.d.F.
【けっこうに香る揮発酸由来のアロマ!・・それをかき分け飲み始めると・・すぐに精緻な美しい、ぷっくりとした果実の世界に連れていかれてます!・・ビオ大好きな方には堪らないシャルドネでしょう!!・・ある意味、ダニエル・バローをモロビオにしたような感じの味わいです!】

仲間からはさんざんマシン扱いされた noisy ですから・・そう、
「揮発酸検知器」
とあだ名並みに言われました。
ただし揮発酸が出たワインを全て否定する立場にはおらず、その香りが有ってもポジティブな出来であるなら良しとするのが判断基準です。でも、
「キツメの揮発酸由来の表情が有る場合は、飲む方にそれをお伝えする」
と言う立場でも有ります。
ですのでこのシャルドネ、当初は結構に臭いです。それを少し我慢しながら・・(noisy的には)・・、かき分けるように要素、表情を取りに行くと、
「酢酸は香りほどキツく無く、二杯目からは慣れて判らなくなってしまうレベル」
であることが判ります。
そして余韻まで喰ってしまうようなキツイ酢酸生成まで行っておらず、ワインとしての美しさを汚しているものでは無いと判断したんですね。
なので・・二杯目からは滅茶美味しいです。柑橘の深い味わい・・単純なものでは無く、非常に複雑に感じられます。フレッシュでも有り、その果皮に近い部分がジャムになったようにも感じられますし、果皮を折った時のような鮮烈さも有りますし、ドライなのに甘みさえ感じさせるんですね。

バティスト・ナイラン本人は、シャルドネは難しいと言っているようですが、
「モロビオ系で醸造開始直後~発酵中にSo2を使用せず、ボトル詰め時にほんの少々使用するのみでこの超バランスの良いふくよかな味わいを造り出すのは非常に難しいはず!」
と・・同意しています。
まるではち切れんばかりにも膨らんでくれますし、ワインとしての美味しさは全く欠損していないビオワインでも有る訳です。
ここの畑は、サン=ヴェランから20キロほどでしょうか。リヨンが比較的近いと思いますので・・。あ、ご存じないかもしれませんので一応書かせていただきますと、
「プイィ=フュイッセ(マコン=ヴィラージュ)、ボージョレ=ヴィラージュはほとんど同じ地域」
です。
なので重なりはしませんがもちろんマコンも近いです。まぁ・・ブルゴーニュなんで当然ではありますが、
「あのダニエル=バローをモロビオの仕込みをするとこうなるのかも!」
と思ったらどうでしょう?・・そうですね・・感覚からすると、
「サン=ヴェラン・アン・クレシェのモロビオタイプ!」
と思ってください。
もちろん、ビオ嫌いの方は手を出さないように・・赤の方は大丈夫かと思います。美味しいです。どうぞよろしくお願いします。
●
2023 Floralie Blanc V.d.F.
フロラリ・ブラン V.d.F.
【「うわっ・・何だこれは!」ときっと声が上がるでしょう!・・ブルゴーニュ(ボージョレ)でヴィオニエ?・・フロール?!・・って、シャトー・グリエとシャトー・シャロンをブルゴーニュ風で展開したってこと?】

末恐ろしいワインです。・・いや、このナチュラリスト、バティスト・ナイランの感性と技術が・・
「既存の思考と方法論に当てはまらない」
と言うことなのかと・・思ってしまいます。
まず・・
1.ビオがダメな方は手を出さない。
2.フロールがダメな方は手を出さない。
3.上記1~2に当てはまらない方のみ、この下にお進み下さい・・(^^;;
こんなワイン、ちゃんと説明しないと・・返品の嵐に遭遇してしまうと憂慮していますが・・飲まないでご案内するショップさんは大丈夫なんですかね・・。
因みに noisy は、
「めっちゃ美味しい!!」
「めっちゃ凄い!」
と思っていますので・・褒めちぎりたい・・いや、褒め殺しでは有りませんで、心の底から素晴らしいと思っています。お間違えの無きよう・・。
そもそも「フロール」の意味が解らないといけない訳ですが、エージェントさんの情報を読んでも良く判らないですよね。
つまりフロールの香り・・は、
「産膜酵母が動いた結果生まれる」
ものがほとんどですから、サヴァニャンによるシャトーシャロンとか・・の方向性です。
そしてそれを・・
「(南)ブルゴーニュのアリゴテで実現している!」
んですね。

まぁ・・もはや産膜酵母が動いた香りは、お客様もご理解されていると思いますが、
「バティスト・ナイランは何せモロビオ系なので」
その産膜酵母が動いた香りも生々しくエキセントリックで非常に薫り高いです。
そこに僅かでは有りますが・・活き活きとした揮発酸が出たアロマが混じっています。
なので、
「ぶっとく、柔らかで、ふわふわっとして、スピードの速い産膜由来のフロールに揮発酸由来のアロマが乗り・・ズ太いセメダインに近い香りがする!」
んですね。
ですから嫌いな方は、このファーストノーズでノックアウトされてしまうはずですから・・ご注意ください。
ただし!・・その第一関門をクリアした方には、トンデモ無いほどゴージャスなフロール由来の超複雑でコクが有り、超活き活きとした素晴らしい表情に出会えます。
そして・・一口、二口と飲み込んだ後には、
「ファーストノーズのド太いセメダイン香が・・繊細な花の香りのようになって感じられるご褒美が与えられる!」
訳ですね。
そしてまるでシャトー・シャロンのように、例えばキツイ香り、強い味わいのチーズなどをトッピングしたお料理、もしくはチーズそのものに、とんでもなくマリアージュする世界が待っていますし、
「ワイン単体で飲んでもトンデモ無く旨い!・・ビオで仕込んだ上出来のサヴァニャン!」
じゃないかと・・まぁ・・シャトー・シャロンは言い過ぎだと思うのでそうなりますが、
「今まで出会ったことの無い世界に行く」
のは間違いありません。
いや・・ビックリです。北ローヌもほど近いから・・ヴィオニエなんでしょうが、そうなるとシャトー・グリエ?・・などと思ってしまいますが、
「シャトー・グリエとシャトー・シャロンのあいの子」
は言い過ぎだとしても、それをモロビオで仕込んで薫り高くふんわりと仕上げた凄いワインだと言うのは、まったくその通りだと感じました。
ですが、合わない方には徹頭徹尾合わないですから、決してそのような方は手を出さないでくださいね。どうぞよろしくお願いします。凄い白ワインです!
●
2023 Farandole Rouge V.d.F.
ファランドール・ルージュ V.d.F.
【レ・リベール・テールの赤は、白と違って揮発酸由来の表情が全く目立たないので・艶が有って非常に美味しいです!細やかで複雑!・・ボージョレもこうなれば良いのに・・と思ってしまいました。】

何とも自由なワインです。こう考えてみてください。
「ボージョレのガメは熟すと美味しいけれど、リリース仕立ては硬くて平板」
ですよね。
ですがレ・リベール・テールのガメ、このファランドールは・・
「最初から美味しい!・・・しかも白に感じる揮発酸の発露は全く感じられない!」
ようになっているんです。
おそらくこの辺は、赤と白の醸造方法の違いから生まれるかと思います。白の方が揮発酸が出易く、一般的なワインではオフフレーヴァーとなります。
しかし赤の場合は抗酸化しやすいので・・あ、因みにアルコールをお酢に変えるのが酢酸菌ですから、アルコールが無いと酢酸菌は動きようが無い・・そして、
「むしろ僅かな酢酸菌の動きが有った方が pH 値を下げ、他の微生物による汚染を防げる」
んですね。

そんな効果のおかげなのか、このファランドールは活き活きとしており、ふっくらとして見事に艶やかなボディ感を感じさせてくれますから、
「先に書かせていただいたように、リリース仕立てのボージョレに有りがちな・・つまらない平板な味わい」
には陥らない訳です。
ベリーやチェリーが丸々と感じられ、ジューシーさも有るものの完全にエキス化された味わいです。
もちろんですがボージョレにもビオの生産者さんは数多く存在します。マルセル・ラピエールのガメは非常に端正な味わいで・・クリーンです。
それとは対照的にフィリップ・ジャンボンは・・結構に揮発酸を発露を感じさせますし、時に・・何を飲んでいるか良く判らないほどになることもありました。
こちらはその中間・・と言いますか、マルセル・ラピエールに少し寄った立ち位置でしょうか。
ですので、表情が豊かで官能さもあり、ふっくらとしていて欠損した部分を感じることはありません。この辺りは・・
「バティスト・ナイランならでは!」
と感じさせます。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!
●
2023 l’Envolee Rouge V.d.F.
ランヴォレ・ルージュ V.d.F.
【激旨!・・自由な世界観を見事にガメで表した凄いワインです!・・ビオ好きも嫌いも・・ぜひ一度、この世界観を覗いてみてください!・・一推し!】

これは滅茶旨いです!ファランドールも旨いですが、このランヴォレの出来には適わないです。
画像をご覧いただいてもその世界観が映り込んでいるかのようじゃないかと・・思っていますがいかがでしょうか?
照りが有り、適度な濃度が有り、グラデュエーションもしっかり感じるものの一体感が有る・・。
そして清冽精緻なガメと言うよりも・・少し妖艶なピノ・ノワール感。リリース直後から2~3年のボージョレのガメに有りがちな、
「綺麗だけれど硬く、やや平板」
と言うスタイルがまったく当てはまらないゴージャスささえ感じる味わいです。
まぁ・・ボージョレが好き・・とおっしゃる方は余りおらず、クリュ・ボージョレなら飲んでも良いかな・・もしくは、ヌーボーなら毎年飲んでるから・・と言う感じでしょう?
ですが、
「この2023年ランヴォレならいつでも飲みたい!」
と思わせられるような、
「いわゆる美味しい赤ワイン!」
としての表情を沢山持っていると言えます。

ですから、やや閉じ気味のブルゴーニュ・ピノ・ノワールを飲むよりも、このランヴォレの方が断然旨いです。良く香り、良く伸びて・・このエチケットの「青い鳥」のように羽ばたいてくれます。
もちろん、マルセル・ラピエールのモルゴンなどは、もっと「しっとり感」が有って「精緻さ」も有り・・お客様の好みにより、評価は様々かとは思います。
しかし、バティスト・ナイランの感性から生まれたこのランヴォレは、彼のドメーヌワインにもつながる・・同一性を感じます。
どちらかと言いますと、
「限りない不関与の感性が生む味わい」
でしょうか。
その意味では、ここまで成功しているビオ系の造り手さんは少ない・・そのように感じます。
不関与のガメが生む見事な表情と飲み心地の良さ、感じてみてください。超お薦めします!もちろん、ビオ好きもビオ大嫌いでも・・OKの味わいです。
ドメーヌ・トラペ・アルザス
トラペ・アルザス
フランス Domaine Trapet Alsace アルザス
● 今やブルゴーニュはジュヴレの大スターとして、また長くビオディナミを実践し続けている先達者として大成功を収めているドメーヌ・トラペですが、奥さんのご実家を継いだドメーヌ・トラペ・ダルザスとして・・
「ついに大きな結果を生み始めた!」
と言って良い2019年~2020年ものが到着です。
驚くほどのバイタリティーだと思いますが、まるでジュラの高貴種サヴァニャンによるワインを想起させる「マセレ・ジョーヌ」や、話題でもあるオレンジワインは、元は「ジョージアワイン」だと思いますが、本家を凌ぐ仕上がりを見せるようになって来た「マセレ・アンブル(・シリーズ)」などを、
「アルザス品種で挑戦!」
しているんですね。
しかも、以前はまだ畑のポテンシャル自体を発揮できなかった・・おそらく樹齢が低いとか、ビオに転換して日が浅いとか・・の事情も有ったのでしょうが、今回ご紹介させていただく2019年~2020年ものは、
「始めた頃とは全く比較にならない、素晴らしい出来!」
です。
まぁ・・誰も至高のグラン・クリュの葡萄で新しいトライをしよう・・なんて、そうは考えないでしょう?・・しかも「ジョーヌ」なんて言葉を使用することだけでもね・・以前のアルザスだったら考えられない訳です。マルセル・ダイスが反骨精神で切り開いた・・と言いますか、開けた穴は小さかったのかもしれませんが、今やアルザスもビオ系の生産者が沢山育ってきているのは目の当たりにされるでしょう。
そんな中で、このトラペの新しいアプローチ、トライの結果が、非常に素晴らしいので、お客様にも是非ご自身でご確認いただきたい・・そう思っています。勿論、レギュラーラインも、以前とは大きく変わり、すでにトップクラスの仕上がりになっています。その辺りはグラスの写真でもご確認いただけますが、飲んでみていただけますと幸いです。ご検討くださいませ。
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ジュヴレのビオ生産者、ドメーヌ・トラペがアルザスで展開するドメ ーヌ・トラペ・アルザスをご紹介します。優しい眼差しですね・・・ワインの味わいも、そんな夫婦を想像させてくれるものです。


ジャン ルイ トラペ氏の妻であるアンドレ トラペ女史がアルザスのワイン生産者の娘だった為、2002年からアルザスでのワイン生産も引き継いでおり、現在約6haの畑を所有しています。ブルゴーニュと同じく、こちらもビオディナミを採用しており、手摘みで収穫、選別して空圧式圧搾機でプレスした後、果汁を冷やして不純物を沈殿させて取り除き、タンクに移してアルコール醗酵を行います。その後、アルザス地方独特の楕円形の樽で10~12ヵ月熟成させます。
RIESLING、 BEBLENHEIM (AC ALSACE)
リースリング種100%。特級のゾンネングランツの下のベブレンハイムに畑があり、面積は約0.5haになります。畑の土壌は粘土が少なく、堆積岩が砂に変わった砂質土壌で熱を吸収しやすく、畑が暑いので成熟しやすい特徴があります。僅か2キロしか離れていないショーネンブールの区画より8~10日も早く収穫が行われます。果実味豊かでリースリング特有の酸が素晴らしく、オイリーで濃厚な味わいに引き締まりを与えています。トラペのリースリングは繊細な魚料理や熟したフルーツ、リースリングのワインを使ったコッコオー ヴァンなどと相性が良いです。
●
2022 Gewurztraminer Macere Ambre Orange
ゲヴュルツトラミネール・マセレ・アンブル・オレンジ
【杏、ピーチ、ライチ、花とハーブと穏やかなスパイス!トラペのオレンジはフルーツとミネラリティのエレガンスを放っています!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 確かにnoisyの言う、「フィネスを感じさせるオレンジワインに出会ったことがない」というのは分かる気がします。
長期のシュール・リーで得られる果皮成分はミネラリティの不足による味わいの欠損感を埋めるための手立てでもあるわけで、同時に抽出される「味わいのモヤ」や「えぐみ成分」はもとから含まれるミネラリティの発展によるエレガンスを覆ってしまうケースも多いと感じています。
しかし何事も塩梅、そして特にセンスがモノを言うのがワイン造りのようで、トラペの手にかかればこうも美しいオレンジワインになるのか・・・と驚いております。
というよりもワインの色を見るとオレンジワインとしても余り見たことのない色合いで、オレンジに赤みが射したような色合いでまさに琥珀色。「アンブル・ワイン」と区分けしたほうがいいのでは・・・とすら思ってしまいます。
まあ開けたてから、香ること、香ること!
杏、ピーチ、ライチ、花とハーブと穏やかなスパイス・・!
ピュアなフルーツが、煌めくミネラリティと結合してアロマを放っています。過去のコラムと比較すると、香りのバラエティは2021年ものより多いそうです。
アルザスワインに表記が義務付けられた裏面の甘辛度ではもっとも辛口の「SEC」を示していますが、実際に味わった感覚ではドライな味スジをベースに、極僅かに甘く、それが果実のコクを押し上げるように作用しています。
ア・ミニマと共通して果実は温かみがありながらも冷たく、この感覚的な温度差のせいか冒頭の香りは増幅されながら余韻に抜けていきます・・・
随分味付きが良いな、と思ったらアルコール度数は14.5度。ヴァンダンジュ・タルティブの流れから少し収穫を遅くしているのかもしれませんが、しかしアルコールの高さがくどさに繋がることはなく、やはり質の良い酸が味わいを引き締めているのを感じます。
テクニカルには少し発泡していると書いてありましたが、oisyが開けたボトルは全く発泡しておりませんでした。ボトル差もあるかもしれません。
めちゃピュア、ド安定、エレガンスと多彩なアロマを放つトラペのオレンジゲヴェルツ。素晴らしいです!ぜひご検討ください!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【2021年、ついに花開いたトラペ・ダルザス!この素晴らしい色彩のオレンジは、単なる「オレンジワイン」と一緒にしたくないと・・思っていただけるでしょう!】
オレンジワインって・・noisy は未だに良く判っていません。まぁ・・ピノ・グリ系のマセレーションしたもので・・オレンジ色に近い色が出ているもの?・・もしくは、
「色がオレンジ色に近ければ何でもオレンジワイン?」
なのか・・
そして何より、そんなに美味しいオレンジワインには出会っていない訳ですよ。今までご紹介させていただいたオレンジワインは良いものも有りましたよ。でも、
「高貴さ、フィネスを感じさせるオレンジ色のワイン」
は・・無かったなぁ・・。今までも・・です。このトラペの前年のもの位です。
しかしながら・・これを言って良いのかどうか悩みましたが・・言ってしまいましょう。
「2020年ものも美味しかったが、2021年ものと比較すると・・子供レベル?」

そう・・高貴さが感じられるんですね・・2021年のトラペのマセレ・シリーズには、その「高貴さ」故の美味しさが必ず感じられます。
ほんの僅かに甘みが有り、古から伝わるアルザスの高貴種たるゲヴュルツトラミネールの高級酒としての存在を感じさせてくれます。アルザスの高級酒と言いますと、ヴァンダンジュ・タルディヴですね。収穫を遅くして糖度を上げ、ほんのり甘くしてゲヴェのスパイシーな果実の美味しさを引き立てるワインです。
ゲヴェはドライに持って行くと、例え良い畑で古木でも、ちょっとえげつないほどの表情を出す場合が有りますが、ほんのりとした甘みが有るとその表情の出っ張りと凹みを上手くなだらかにしてくれるんですね。
ですがこのワイン、そんなことさえも感じさせないほど、非常にナチュラルなゲヴェの表情をしています。ほんのりとしたスパイシーさを持った果実、果実の甘みの表現を、最低限度の甘みで実現していると感じます。非常に完成度が高いと思わせてくれます。
この・・まるで番茶の色に近い色彩をしているように見えますから、
「ん?・・番茶、飲んでるの?」
と奥さんに思われるかもしれませんが、素晴らしい「照り」でバレちゃうでしょうね。
この色彩で、この美味しさは・・まず、マセレーションした白葡萄のワインでは、中々出会えないと思います。素晴らしい出来でした。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【こちらのオレンジも過去最高の仕上がり!果実感がしっかり感じられるオレンジワイン・・そんなのは激少数派です!】
noisy がマルセル・ダイスのワインを初めて飲んだ頃は、ま~・・たまげるような非常に大きなワインでした。巨大な構造を埋め尽くすとんでも無い複雑さと表情、そしてその卵たち。
「アルザスにこんなに凄い生産者がいるんだ・・」
と知って驚いた訳です。まだまだ情報が乏しい時代ですから、素晴らしいワインを造っているのは知っていても、
「アルザスの反逆児!」
と言うことは、ワイナート誌が創刊されてしばらくしての特集を見るまで、全く知らなかったんですね。
彼の造るゲヴュルツトラミネールのグラン・クリュの遅積みワインなど、つたない経験と知識の無かった noisy には、
「・・どうだ!・・凄いワインだろう??・・これ以上のものが有るか?」
と言っているかのように思えました。
ところがです。それからしばらくすると・・今までの栽培方法をスパッとやめて、ビオディナミに転向しちゃった訳ですよ。
そうしますと、それまでのダイスのワイン・・外向的でパワフルな凄みが半端無いヴァンダンジュタルディヴ系のワインが、急に大人しくなったんですね。表が裏に、裏が表になったような感覚でした。
ハードに磨き上げられた表面はふわふわ感に満ち、ハデ目だった表情は奥ゆかしいが実は芯が物凄い・・そう感じた訳です。アルザスのいじめられっ子だったダイスは、最高のアルザスワインを造っていたに違い無いのですが、まだ変わって行くことを諦めていなかったんですね。

そして・・それまで物凄い評価をしていた海外メディアは、踵を返すように数ポイント評価を下げました。売れ行きも鈍りました。
今はもう、完全に戻っていますが、やはりまだその頃は理解されていなかったんだと判ります。反逆児は、混植、そしてブルゴーニュにならっての自称1級畑・・そしてそれに対しての生産者たちの反発・・凄い世界です。
だいぶ話しが逸れてしまったので戻しますが、そこから20年も時が経過しますと、
「グリ(灰色)の色が出たワイン」
が生まれました。それがオレンジワインの・・おそらく始まりです。今はグリじゃなくても果実を漬け込むことで、オレンジ色になる種が結構にあります。このゲヴェもそうです。
ですが、通常のオレンジワインは、その果実をマセラシオンすることで、反対に果実のニュアンスが少なくなってしまうことが多いように思います。酷い場合は、やはり果実がほぼ感じられず、「お茶やウーロン茶」に終始してしまう・・そうするとちょっとどうなんだろう?・・と感じてしまうんですね。
トラペのこのオレンジ系のマセレは、そこまでは行かずに最初から果実をちゃんと感じさせてくれるワインでした。ですが今、この2020年のマセレのゲヴェは、豊かさと複雑なアロマ、複雑な味わいをしっかりと得た、非常に好感を持てるオレンジワインになったと感じます。
ウーロン茶じゃなくてまさに果実、花梨やビワ、チェリーを、僅かに残した甘みが現実の果実感として感じられます。美味しいです・・。場合によってはややガスが有るかもしれませんが、ボトル差も有るかもしれません。
昨今のトラペは目が離せないですね。どんどん新しいことに挑戦しています。流石に「シャンベルタン」には安易に手を出せなくなってしまいましたが、飽くことなき挑戦に拍手を送りたい・・そう思っています。飲んでみてください。冷やし目でも行けます!
以下は以前のレヴューです。
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【市民権を得つつある「オレンジワイン」も、トラペが造ると優しくもシミジミ深い味わい!・・だけじゃなくなって来たから面白い!】
少し前までは・・
「トラペのワインはどれも優しくて柔らかくてふんわり・・じっくりと美味しさが伝わって来るんだよね・・」
と言っていれば済んだんですが、もうそれは通りません。通り過ぎた過去のお話しです。
「じゃぁ、一体何が違うの?」
と言いますと・・一言で言ってしまえば・・「ミネラリティ」でしょう。
昔のトラペさんのワインは、実はミネラリティも豊富に有ったんですが、例えば硬質さと照りを与える透明系のガラス、クリスタルを思わせる系統と、岩や石などの白い、もしくは黒白混じった硬い系統のミネラリティは、そんなには表立って出てこなかったんですね。
良く判るのは、ディディエ・ダグノーでしょうか・・シレックスなんて、良い比較対象でしょう。むしろ、そんなシレックスのような硬質さのある、滑らかなミネラリティが表面に出て来ているんですね。
なので、この美しい色合い・・酸化を程好く許容した結果として、また、果皮浸漬をしっかりやった結果として、そんな色合いが有るんですが、そんな「オレンジ/アンバー」でさえ、そんなマンモスなミネラリティをトラペさんのヴァン・ダルザスは感じさせてくれるようになったんです。
思い起こせばあのアルザスの巨人、マルセル・ダイスもそうでした。「アルザスの反逆者」と呼ばれ、孤高の存在ながら、どんなアルザスの生産者よりも高い評価を得続けましたが、それでもそんなことはどうでも良いとばかりに、「ビオ」に没頭して行ったんですね。
noisy も1990年代の、呆れるような凄みを持ったダイスのゲヴェG.C.を飲んでいます。
「・・アルザスでこんなワインが造れるのか!」
と驚嘆したものです。しかも混醸じゃなくて混植も有りで・・。
そして、ビオになってからは海外メディアもハッキリ、ノーだと言っていました。評価が下がったんですね。そんな時期がしばらく続きましたが、今や海外メディアも認めざるを得ない立ち位置にまでちゃんと戻っています。
「今の方が絶対に良い!」
と、noisy も言い切れます。確かに、1990年頃のダイスは神掛かっていましたが、今は本当に優しい・・そして逞しい・・何より美味しい!
トラペのアルザスは、その逆方向から入って行ったのかもしれません。1990年頃にドメーヌを分け、ビオに傾倒して柔らかで優しいワインを造って行ったけれど、神々しい透明・白色な凄いミネラリティを身に纏うのには、かなりの時間を費やしたと言うことなのかもしれません。
アンバーな照りの素晴らしいこのアンブルを飲めば、「自然」と言う言葉を考えさせられます。何が自然なのか?・・何より、何がワインにとって良いのか?・・です。是非飲んでみて欲しいと思います。優しくも輝く味わいです。
以下は以前のレヴューです。
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【お~・・・トラペのオレンジ!?・・完成度、非常に高いです!】
フランス語で「Ambre(アンブレ)」は英語で「Amber(アンバー)」なのでしょうから、「Orange(仏オラーンジュ・英オレンジ)」とは異なる意識で造られたのでしょう。
しかしながら卵型のコンクリートタンクで仕込んだという手の凝りよう・・大分費用も掛かったでしょうから・・本気なんでしょうね。
まず・・色を見てください。非常に美しいです。輝いています!そして瑞々しさが伝わって来るかのような透明度!
味わいは・・これを言うと勘違いされるかもしれませんが・・
「滅茶苦茶美味しい、果実感までしっかり備わった超高級ウーロン茶!」
です・・。いや、これ、最高の誉め言葉のつもりですよ。
お客様にお茶の好きな方がいらして、時折、超高級なものや、中々入手できないものなどもいただいたりして飲ませていただいてました。
お茶なのにフルーティで繊細・・香りが滅茶複雑だったりしたんですよね。
なので、それに匹敵するような見事なバランスでした。
飲み口としますと、「少し甘みを感じる」もので、ドゥミ・セック位かな?・・と思います。ただしその甘味も、酸としっかり結びついているものと、黒蜜のようなニュアンスでノーズで感じられるもので有って、非常に秀逸でした。
見た感じだけですと、
「酸化を許容した白ワイン」
とか、
「So2を使いたくないのね?」
と思いたくなってしまうかもしれないんですが・・
「そのようなビオ系白ワインとは全く異なる!」
と言って良いでしょう。
そのような系統はほとんど、ドライでは有ってもお茶やウーロン茶以外には果実はほぼ感じませんしね。
また、トラペさんの言葉には、
「他のワインでマリアージュしにくい食事に滅茶合う可能性が有る」
とのことです。これは・・判りますね・・伝わって来ました。ほんのり甘いリースリングとおでん・・なんてマリアージュ、大好きですし、そこに精緻なウーロン茶の風味が入ったら最高でしょう。
今までに無かった「アンバー」な「ゲヴェ」です!是非飲んでみて下さい。お勧めです!
ドメーヌ・ユドロ=バイエ
ユドロ=バイエ
フランス Domaine Hudelot-Baillet ブルゴーニュ
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2022年のドメーヌ・ユドロ=バイエ、上級キュヴェをご案内させていただきます。
この何年かの間に大きく成長したユドロ=バイエ、ドミニク・グエンです。比較的甘みを残したパワフルな果実味・・でしたが、2020年もののような非常に糖度が上がった年はともかく、
「精緻で美しいエキス!・・充分な果実の風味をドライな味わいで実現している!」
と感じます。
特に2022年ものの上級キュヴェは・・半端無い出来です。海外メディアもようやっと重い腰を上げ、高い評価を付けるようになって来ました。
マシュー・ヘミングMVは、ボンヌ=マールに96ポイント、1級ボルニックにも96ポイント、1級レ・クラと1級レ・シャルムに95ポイントと・・
「まるでリアルワインガイドを見るかのよう!」
と感じてしまいましたが、noisy も実に秀逸なレ・シャルムをテイスティングしていまして、
「それは充分に理解できる!」
と思っています。
シャンボール村名V.V.は精緻でエレガント、充分な果実のニュアンスを冷ややかに表現していますが、海外メディアは「ド近眼」なので、92ポイント止まりです。noisy 的にはポテンシャル点で、もっと付けます・・是非コラムをお読みくださいませ。
素晴らしいヴィンテージになったと思います。ようやく海外メディアにも常に取り上げられるようになって・・とにかく良かった!・・ご検討くださいませ。
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2021年のユドロ=バイエの上級キュヴェをご案内させていただきます。
春の下級キュヴェの到着時にも申し上げましたが、ユドロ=バイエも大きく変わって来ています。ナチュール感が目に見えて上がって来ています。でも危険性を含んだナチュール度では無く、有機的なアプローチによるものと、栽培とは異なりますがSo2の添加量の減少によるものが多いと感じます。
ですので、エキス感がしっかりある・・でも果実感は以前よりも抑え目で、エレガントでドライ、何とも心地良い味わいです。少なくとも4年前までのユドロ=バイエしか飲んだことが無ければ、この心地良さは感じていらっしゃらないんじゃないかと思います。
2020年ものは濃密さは有りましたが、しっかりエレガンスも感じられました。2021年ものはさらにそのエキス系の味わいとエレガンス、ナチュール感を増しています。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
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満を持して2020年もののユドロ=バイエ、上級キュヴェをご紹介させていただきます。ご存じの通り今やブルゴーニュワインは全世界で大人気・・になっていますから、価格も上昇、日本へのアロケーションは減って来ています。それに加えて生産は減っていまして、
「ワイン屋泣かせの割り当て減」
は、もはや常識の範囲を超えて来ています。
それでもユドロ=バイエだけは毎年沢山仕入れさせていただいていた実績を見ていただいているようで、減ってはいますがそれでも何とか・・価格上昇も有って、
「全て販売出来れば昨年同様位の売上は期待できる・・かも・・」
と言う状態です。
出来としましては、2020年ものの多くのピノ・ノワールが、
「滅茶高質だが複雑性が高く、リリース直後では仕上がり切っていない感じ」
を受けます。一方・・シャルドネの方は、
「2018、2019と続いて素晴らしかったが、2020年もそれ以上の可能性有り!」
と言う印象を受けていますが、このバイエの2020年のシャルドネが実に旨いです!オート=コートのシャルドネなど、「完璧!」と思えるような・・シャルドネの見本と言いたくなる仕上がりで、今飲んでも相当に旨いです。
今回、上級キュヴェのテイスティングで飲めたのは、
・シャンボール=ミュジニー・ヴィエイユ・ヴィーニュ
・シャンボール=ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・クラ
の2点です。流石にこの入荷数ではボンヌ=マールには手を付けられず、ボルニックは無理・・レ・シャルムまでを開けると利益率が爆下がり・・なので、レ・クラまでに止めさせていただきました。
しかしバイエのレ・クラ...圧巻に旨いです!・・濃度もしっかり有るんですが質感が・・もの凄いんですね。イメージ的にはルーミエさんのレ・クラにかなり近いものを感じます。以前のバイエは結構に紫が入ったと思うんですが、今は赤黒が中心。そこに僅かに紫が入る感じでして、
「ユドロ=バイエもパワーよりも質感!」
を相当意識して来ていると感じました。是非トライしてみて下さい。未だに1万円台で購入できる高質なシャンボール=ミュジニー1級群はとてもお得だと思います。
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ユドロ=バイエの下級クラスが2020年ものブルゴーニュの先陣を切って入荷してきました。新型コロナウイルス、そしてロシアによるウクライナ侵攻、東北の地震による電力不安、原油価格の上昇と円安・・の流れの中で、お客様にも・・
「きっと何かしらの光を見せてくれるワインだったら嬉しい・・」
と期待を込めてのテイスティングをさせていただきました。
やはり、ワインとはそのような「感性」とか「知性」「記憶」に直接訴えかけてくるような側面を持った飲み物ですから、
「あ・・こんな風に変わったんだ!」
のような変化や、
「・・・あれ?・・いつもより・・美味しいかも・・」
と言うような感覚から、様々な想像を掻き立ててくれる訳ですね。
いつもの味・・それもまた嬉しいものですが、いつもより美味しいと思える感覚・・それはまた格別なものになります。ユドロ=バイエのワインは Noisy wine でも非常に長く扱わせていただいていますから、皆さんもまた・・少なくとも一度は飲まれたことの有る生産者でしょう。
グレートな2019年ものの後の2020年ですから、ある種の期待、そして不安が混じったテイスティングになりましたが、
「想像力を掻き立ててくれる素晴らしい味わいになった2020年!」
と判断させていただきました。
赤のA.C.ブルとオート=コートは、美しい酸と・・「小粒の葡萄による果皮濃度」・・そして低めに出たアルコール分が特徴で、
「ビターな・・全く甘くない、果皮味中心のとても複雑性の高いピュア味!」
に仕上がっています。
ですので、
「ユドロ=バイエは・・ちょっと甘いかも・・」
などと思われていた方にも2020年ものはお勧めです。相当・・良い出来かと思っています。
A.C.ブルのシャルドネは、ユドロ=バイエお得意の高質なバリック由来のトースティなアロマに柑橘が混じる・・
「・・そう、これがバイエのシャルドネ!」
みたいないつも通りの味わいなんですが、酸が非常に美しく伸びやかで、ピュアさを一段と増したかのように思われます。勿論、非常にドライですがエキスがバッチリです。
そしてどのワインもアルコール分13度と、非常に嬉しい仕上がりです。
ですので、
「・・あれ?・・ユドロ=バイエ..相当変わったなぁ・・」
と思われる方が多いんじゃないかと想像しています。
noisy も、太鼓判を押すのは間違い無いのですが、
「この変化がグエンさんの意識の変化によるものか、ヴィンテージ要素が強いのか」
につきましては判断がついておりませんので、少し先に・・上級キュヴェのテイスティング時に延ばさせていただきます。
ですが、
「非常にドライ!」
な果皮味中心のピノ・ノワールの味わいに、「クラっ」と来てしまう方は多いはず!・・とも踏んでいます。
これ・・数年寝かせても面白いはずですよ。シャンボール的なワインの濃い果皮エキスがどのように変化して行くのか・・気になりませんか?・・このご時世にも、
「価格アップはほんの少し!」
と言うのも有難いです。是非飲んでみて下さい。超お薦めします!
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ユドロ=バイエの2019年もの上級キュヴェのご案内です。下級キュヴェから物凄いバランスの良い、健康的な美味しさで魅了してくれましたが、上級キュヴェも素晴らしいですね。
とても健康的で豊かです。でも、以前のユドロ=バイエのような「パワフルさ」は「精緻さ」にしっかり上書きされている感じです。エレガント系・・と言いたくなってしまうくらいですが、この3年ほどの間に「マッチョ感」が無くなり、非常に美しくなった・・しかし、熟成能力、複雑性は確実にアップしていて、本当のシャンボール=ミュジニーの美味しさをピュアに、真ん丸に伝えてくれる素晴らしい出来だと言えます。
そして気付かなかったんですが、バイエのA.C.ヴォーヌ=ロマネ・・・畑名は「バロット」では無く、「レ・バロー」といつの間にかエージェントさんのHPで修正されていました。バロットじゃ判らないですよね・・で、レ・バローと言う村名畑は、実は、
「あのクロパラの真上!」
なんですね・・。その上、リシュブールとオ・ブリュレの真上でも有るんですよ・・。そもそも余りヴォーヌ=ロマネっぽさが少ない味わいで、「シャンボール..混ざって無い?」みたいな冷ややかで石灰的ミネラルが強い味わいですよね?
あのワイン、しっかり熟成させたら相当美味しいんじゃないかと思います・・今回も有りますので是非ご検討ください。
そしてボルニックも入っています。ミュジニーとレ・ザムルーズの間にある小さな畑で、0.01haと言う持ち分ですから本当に少ないです。人気の性か、その見事な味わいの性か、価格は「上昇」しています。
勿論トップ・キュヴェの「ボンヌ=マール」も入荷しています。15%ほどの値上げです・・もう、ブルゴーニュのグラン・クリュの値上げは仕方が無いと思いますよ。特に秀逸とされているドメーヌのものは、徐々にすべからく10万円以上になってしまうでしょう。日本の経済力が戻ってお給金が増えないと買えなくなってしまいますね。
今回はシャンボールV.V.とレ・シャルムをテイスティングさせていただきました。美しくも包容力、表現力たっぷりの見事な味わいでした。是非ご検討くださいませ。お勧めいたします。
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ユドロ=バイエの新ヴィンテージ2018年の上級キュヴェが入ってきました。昨今は新型コロナウイルス感染症や、毎年の恒例のようになってしまった雨や風の被害など、中々にシビアな状況が続いています。ましてや超大国同士のにらみ合い、そして、量のないブルゴーニュワインまでをも爆買いしたり、東南アジアや日本の領土にまで手を出そう、実際に現状を変更してしまうと言うような中華主義の専横で、資本主義経済も先行きが不透明になってしまっています。
そんな中でのユドロ=バイエの上級キュヴェが入荷して来ましたので、
「・・しばらく飲めなかったボンヌ=マール・・開けちゃうか・・」
と、悪魔のささやきが・・(^^;;
いや・・本来ならリアルワインガイド第70号には掲載されていたはずのユドロ=バイエ2018年では有りますが、現況はとても現地試飲などは出来ないと言うことで、noisy も駄文を寄稿する羽目になって紙面を汚したくらいですから、バイエのテイスティング記事など掲載もされていない訳で・・。
それに、いつもなら片手に余るくらいしか入荷しないボンヌ=マールでは有りますが、バイエの入港アイテム全てに12本と書いて発注したところ、
「ボルニック以外は全て12本!」
で受注されたんですね。
なので、2018年ものはnoisy の新着にボンヌ=マール2018年もテイスティングコメントが載る・・と言う、素晴らしいことになったんですね。
その分、申し訳ないのですが、いつもどれかは飲んでいる「シャンボール1級」のテイスティングは回避させていただきました。
ですが・・2018年のユドロ=バイエ、やはり素晴らしいです。グエンさんのワインも確実に変化しています。美味しいのは間違いないし、なによりも・・
「甘く無い」
「強過ぎない」
「ポテンシャル高い」
のがハッキリ判る仕上がりです。
詳細は各コラムをご覧いただきたいと思いますが、以前にご紹介させていただき好評を得ました、あの「ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2018」でさえ、デカンター誌の MW
ティム・アトキン氏は90ポイント、付けていました。
そして、ボンヌ=マール・・やっぱり良いですわ・・。数年前までは安過ぎるくらいでしたが、この位は仕方が無いと思える美しさと香しさを見せてくれました。
シャンボールV.V.2018 も言うこと無しです。2年前までは、少し濃いとか、強いとか、甘めだとか・・そのようなニュアンスは有ったんですが、今はバランスが凄く良くて、飲み進めて行くうちにどんどん綺麗さが前面に出て来ます。村名とすれば、ポテンシャルと合わせて考えると、とてもリーズナブルかな・・と思われます。
1級の3アイテムは飲めていませんが、メディア評価を覗いた限りにおいては、ポテンシャルはほぼ拮抗、それぞれの個性をしっかり出せているように思います。
ユドロ=バイエ2018年は、昨年頃よりその「程好く甘くて濃い目」と言うスタイルから、「ドライで美しい」と言うものへ変わっています。ボンヌ=マールでさえ・・無理すれば飲めちゃう外向性を持っています。是非トライしてみてください。
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先日、下級クラスのワインがかなりエレガント系に移行していることをお伝えしましたが、どうやらその方向性は上級キュヴェも同様のようですよ。
ユドロ=バイエと言えば紫の小果実が滅茶凝縮していて、樽は強く無いもののしっかり掛かり、時には葡萄果実の熟度の高さ由来の甘みと力強さが、
「美味しいけど少し疲れるかも・・」
とか、
「熟したら凄いバランスになるのは判るし、早くから美味しいんだけど・・自分にはちょっとトゥー・マッチかな・・」
とおっしゃるワインファンの方もいらしたと思います。・・まぁ、どこよりも素晴らしく、そしてリーズナブルなボンヌ=マールは別にして・・余り知られてませんが、アドヴォケイトも2012年のボンヌ=マールに97ポイント付けてましたしね。(^^;;
しかしながら2017年ものは、ヴィンテージ由来なのか、それともスタイルを変更しつつあるのかの判断はまだ時期尚早だとしても、
「以前のスタイルよりもエレガント系になってきているのは間違いない」
と言えるでしょう。noisy も、上級キュヴェを・・沢山は開けられませんでしたが、しっかり確認させていただきました。
そして2017年ものは、なんと凄い新キュヴェがリリースされているんですよ。樹齢90歳にも及ぶ超ヴィエイユ・ヴィーニュであり、しかも、
「リューディ・レ・ミュジニーG.C.の北(下部)にモロに接し、リューディ・レ・ザムルーズ1er.Cの西(上部)に接する」 と言う、ブルゴーニュワインファンの心をくすぐる凄いワインです。
しかも、それまでは余りに少ないので村名V.V.に混ぜられていたと言うんですから!
こりゃぁもう、何とかして入手するしかないですよね。さらに目の離せなくなってきたユドロ=バイエ・・是非飲んでみてください。
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どうしたんでしょう・・滅茶エレガント系なんですよ・・。ちょっとビックリです。スタイル変更なのか、それともヴィンテージ背景をそのまま切り取ったからなのか・・2018年ものまでそれは判断できないかもしれません。noisy的には非常に好ましいですが、逞しく、濃い目の味わいがお好きな方には残念な結果になったのでしょうか?

1981年の創業以降ずっとネゴシアンへの販売がほとんどだったこのドメ ーヌが、本格的に自社ビン詰めを開始したのは1998年。フランス空軍のメカニックだったドミニク・ル・グエンが娘婿としてドメ ーヌに参画してからです。醸造学校を修了した後、義父からワイン造りの実際を徹底的に仕込まれながら毎年試行錯誤を繰り返し、2004年に完全に独り立ちしました。
私たちは2001年ヴィンテージから彼と付き合っているのですが、彼は毎年、ヴィンテージの特徴の差を明らかに上回るペースでワインの品質を向上させてきました。義父の代から10年以上リュット・レゾネ栽培を実践し続けている実質ビオの古樹だらけの畑、ル・グエン自身のセンスと強い意志、上達したワイン造りの腕がすべて一体となり、2004年ヴィンテージ以降、彼のワインはひとつ突き抜けたように思われます。
いつもニコニコと笑顔を絶やさないドミニクですが、畑で彼と対峙する時、ゾッとするほど真剣な「ヴィニュロンの顔」が表れます。それは、畑仕事の重要性を示すものであることはもちろん、まだまだ改善することが山ほどあるという、己への厳しさの表れでもあります。
所在村:Chambolle-Musigny
醸造家:Dominique le Guen
所有畑面積:8.53ha
ドメーヌ継承年:1998年
栽培における特記事項:厳格なリュット・レゾネ。除草剤、殺虫剤等は一切使用しない
醸造における特記事項:除梗100%。天然酵母のみで発酵、澱引きはビン詰め前に1回のみ
販売先:フランス国内80%(個人のワイン愛好家1500人以上、カーヴ・ド・ラ・トランザント、ル・グ・デ・ヴィーニュ、レピキュリアンといったフランスの名門ワインショップ、パリやブルゴーニュ、南仏のレストラン(ニースの松嶋啓介シェフの店「ケイズ・パッション」にもオンリスト))、輸出20%(イギリス、ドイツ、アメリカ、カナダ、スイス、オランダ、ベルギー、日本)
掲載実績のある海外メディア:「Guide Hachette」、「Guide Fleurus」、「Bourgogne Aujourd'hui」
参照できる日本のメディア:「リアルワインガイド ブルゴーニュ」(堀晶代著)P19、「リアルワインガイド」第16号P20)
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2023 Bourgogne Pinot Noir
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
【紫色が消えた2023年のバイエA.C.ブルはなんと激エレガント!・・そしてちょっとヴォーヌ=ロマネ風のエレガンス!・・これを飲んで「はい、ユドロ=バイエ!」と言える人は多分いない・・と思います。めちゃ旨!】

いや、驚きました・・。
「何がどうしてこうなった?」
と、一時的にまったく理解が追い付かないので困ってしまいました。
何故って・・いや、確かにこの何年かで昔の・・
「やや濃くて強い性格のピノ・ノワール」
と言う、ある意味判り易いユドロ=バイエの作風と言いますか・・個性でしょうか、変わって来ていて、
「シャンボールで非常にエレガントな味わいである」
ので、
「やや濃い目でしたらルーミエさん風?」
とも思えたのですが、ルーミエさんは紫のニュアンスが無く、赤がしっかりなので・・ちょっと違うかと思っていた訳です。
でも2022年ものは精緻な仕上がりで適度な濃度はあるものの、どんどんとエレガントなピノ・ノワールへと進化はしていた訳ですが、
「ついに紫色のやや強さのある味わいは消えた!」
ものですから、
「・・あれ?・・これって・・ユドロ=バイエだよなぁ?」
と、エチケットや裏を散々見渡すことになってしまった訳です。

思い起こせば・・ドミニク・グエンさんには息子さんがいらっしゃいまして、長男の方はラグビーで事故り、車椅子での移動になった訳ですが、おそらく次男の方なのかな?・・「タンギーさん」とおっしゃる方が2019年から働いているのが判りまして、
「・・なるほど・・そう言う事かも?」
とようやく合点が行った訳なんですね。
味わいは非常にエレガントです。前々年にご紹介させていただいた真っ裸に近い2021年ものよりもエレガントです。
酸の組成がヴォーヌ=ロマネ風のやや温かみを感じる強くないもので、そこにほんのりと熱を感じる果実が載っていますから、
「シャンボールと言うよりも・・ヴォーヌ=ロマネっぽいか?」
と思えるような風情をかもしだしています。
チェリーやベリーにほんのりと官能感、中盤以降の表情も穏やかながら微妙な起伏に富み、流れるようなニュアンスで美しく消えて行くワインです。
ここは本来、シャンボールの国道西のA.C.ブルの畑と国道東側のジリ=レ=シトーの畑からなりますのでシャンボールと言って良いはずなんですが、イメージ的には酸が柔らかく優しいヴォーヌ=ロマネ風です。これはお好きな方は相当に多いんじゃないかと思うんですが?
また、価格は2022年ものよりも上がっていますが、
「忍び難きを忍び・・」
「2022年ものと同じ、据え置きで」
ご案内させていただきます。滅茶美味しいのでぜひ・・ご検討くださいませ。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【どうやらユドロ=バイエも「エキス系の超ドライな味わいからの繊細な表情のブルゴーニュワインへ大きく舵を切ったnoisy説」は正しかったようです!】

面白いですね~・・生きている間に、これほどまでに変わって行く生産者のワインの味わいに出会えるとは思いませんでした。
言ってしまえばアンリ・ジャイエの直弟子である甥っ子のエマニュエル・ルジェにしても、
「アンリ・ジャイエを継ぐ者ではあるが、アンリ・ジャイエの味わいをそのまま継いだ訳では無い」
と、知っている人ならばそのように理解している方が多いと思うんですよね。
そしてエマニュエル・ルジェ自身もまた、神様が元気だった頃、そして神様がまだご健在の頃、神様が天に帰ってから・・の3パターンでは・・もうまったく・・
「・・同じ人が造ったのかさえ・・疑問」
に思えるほどに、noisy はそれぞれ全然違うと感じます。
すでにエマニュエル・ルジェは自身のワインの姿を毎年のように再現できる力を身に着け、子供たちに教え込んだと思います。
あの、神様譲りの新樽使用はそのままですが、その使用方法はまさに「ルジェ・マジック」と言いたいほどに素晴らしい官能さを生み出しています。皆さんも、
「パスグラでさえ・・あんなに素晴らしいの?」
との声を2018~2019年ものでは特に多く聞きました。
で、ユドロ=バイエもまた、2000年前後の、新樽を多く使いたいがため?の、パワーのある葡萄の収穫を目指し、力強いピノ・ノワールを造っていた訳ですね。

で、それも非常に受けました。一時のユドロ=バイエのワインは某ショッピングモールで席巻しましたから・・お陰で noisy は、
「A.C.ブル3本」
と言う割り当てをされ、頭に来て以後、3年ほど何も仕入れなかった時が有りました。ご存じですよね・・何度も書いてますから。
ですが、濃い目のピノ・ノワールをお好きな方も結構それなりにいらっしゃるんですね。それは確かです。
でも、そんな方々も徐々にお歳を召される訳でして・・(^^;; だんだんエレガントで繊細なワインが好きになってくるんですね。
言ってしまえばドミニク・グエン本人だって・・同じじゃないですか?・・きっと。
今のドミニク・グエンさんが好きなスタイル、そしてこれからの彼が描いているブルゴーニュ・ピノ・ノワールが、今ここに有る訳です。地球温暖化の中、
「ブルゴーニュのエレガンスをどのように表現したらよいのか?」
と自問自答した、この2021年~2022年ものだったと思います。
エレガントでピュア、So2 も多く無く繊細な表情です。ピュアなだけに変化には時間が掛かるように思えるかもしれませんが、瑞々しさがやがて丸さを感じさせ、エレガンスから妖艶さに徐々に変化してゆく・・そんなブルゴーニュ・ピノ・ノワールです。
タイミング的には少しだけ早いようですが、日に日に・・成長して行くので、問題無いでしょう!・・飲んでみてください。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【・・さぁ・・この色彩の異様なほどの違い・・あなたはどう思われるでしょうか。2021年もののユドロ=バイエは、まさに・・「丸裸のユドロ=バイエ」だと言えます。激エレガント!・・旨いです!】

惚れ直しちゃいますね・・ユドロ=バイエのワインとは、本当に長いお付き合いですが、
「2020年ものと2021年ものの、これほどまでの・・異様に思えるほどの色彩の違い!」
を見比べずとも、
「・・去年と全然違うじゃん!!」
と言うことは誰にでもお判りいただけると思いますし、noisy 自身も・・
「そう!・・これよ!・・これが真の素っ裸のユドロ=バイエ!」
だと・・久しぶりに出会った旧友のような懐かしさと込み上げてくる嬉しさ・・みたいなものを感じました。
2020年ものは・・こう見てしまうと「濃い」と言うべきでしょうね。ですが飲まれた方はご存じかと思いますが、昔のような「甘さ」は無く、とことん果皮の厚みを感じる美味しさが追及されているA.C.ブルとして、果実主体の凄く美味しいワインだったと思います。
ですが2021年もの!・・全く違います!・・激エレガント系・・薄旨系一歩手前!・・(^^;; ですよ。いや、面白いですね~・・こうなってくると色々と言いたくなってしまうのが「僕の悪い癖」。
2021年ものはまったくの丸裸だと書かせていただきましたが、その通りだと思っています。ユドロ=バイエの「ナチュール的な一面」もしっかり出て来ています。おそらく年を追う毎にバイエのワインはSo2の添加量が減らされていて・・いや、正確に言いますと瓶詰時の添加量ですね。
ですから香りの柔らかさ、スピードが昔と大きく変わって来ています。そして、2020年ものの濃密な出来だったこのA.C.ブルもまた・・
「その意味ではまったく同じ!」
だったんですね。・・昨年そのように書いたかどうか忘れてますが・・。

その上で、極端なマロラクティックはせず、赤い果実のイメージを鮮烈に残すことに成功しています。なので、非常にエレガントで飲みやすいが、完全エキスの滑らかな液体で、将来的にもそのエキスの昇華からの果実のイメージが育って行くはず・・と想像される訳です。
そして、これは海外のサイトをサーフしていて見つけたんですが、この2021年もののA.C.ブルにニール・マーティンさんは89ポイント、付けていました。もっと言ってしまえばこの下でご紹介させていただいているオート=コートの赤には90~92ポイントも・・?・・付けていました。
まぁ・・noisy 的には彼とは意見はほぼ一致しないんですが、彼としますと中々の評価ポイントだったんじゃないかと思います。ただし、1級レ・シャルムにも90~92ポイント、1級レ・クラに91~93ポイント、そして村名シャンボールV.V.には1級を上回る92~94ポイントとしているようでして、きっと正直な方なんだろうと想像しますが、やっぱり相性は悪そうで・・良く判りません。たしかに村名V.V.は1級並みでは有りますけどね。
ですので、2020年ものと2021年ものの、余りに違い過ぎる違い・・は目に見えて判りますが・・
「実はよりナチュールっぽさを増して行く通過点で、ヴィンテージの違いの表現が出ただけ・・ユドロ=バイエのワインの本質はほぼ変わっていない!」
と感じました。
良いですよ~・・2021年のバイエ!・・今のところはまだ下級クラスのみのご案内になりますが、この辺りは是非・・お好みも含めて、飲んでみていただきたく思います。2020年ものの方が自分に合うと思われましたら、まだボンヌ=マール等も有りますから・・ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【シンプルになったエチケットの2020年ものは果皮が濃いのが一目瞭然!・・でも単純に濃いのとは大違いです!甘さは無し!・・複雑な味わい構成、そして中高域に伸びる果実系のアロマが素晴らしいです!】
「こう・・来たか!」
2020年もののブルゴーニュワインの先陣を切ってユドロ=バイエの下級キュヴェが到着したので、喜び勇んで飲んでみました。
何せ2019年ものは・・いつもの年なら少なくとも10ケースは販売出来ているのに、生産数量の少なさから数ケースまで減ってしまいましたから・・滅茶美味しかったですよね。す~っと入って来て、シャンボール的な硬質で滑らかなテクスチュアを見せつつ・・上質で格上な果実の美味しさを感じさせてくれるユドロ=バイエのA.C.ブルでした。
2020年は、
「異例のヴィンテージ!」
と言われていました。
どう言う事かと言いますと、押し並べて・・平たく言って・・平均的に・・言いますが、
・3月から9月まで好天に恵まれた。
・雨が少なかった。だが場所によりにわか雨が降って、畑毎に個性が生まれた。結果として病害が出なかった。
と言うことになります。
なので、テイスティングを行った際は関係者を狂喜させた・・と言われています。
勿論ですが南に向いた畑では、焼けた葡萄を除く必要が有ったでしょうし、様々なタイミング・・一番は収穫のタイミングになりますが、ここを乗り切れた造り手は、
「今までに無いようなポテンシャルの高い葡萄を得た!」
と言えます。

グラスの写真を見て見ましょう。活き活きとした赤い色がやや濃い目に出ています。ですが、焼けたようなニュアンスや、過熟したような色・・黒っぽくも無く、シャンボールらしい美しい色合いを見せています。
一口飲んでみますと・・
「・・あれ?・・」
と・・。
「・・なるほど・・そう来た・・か!」
と納得していただけますよ。
2019年までのユドロ=バイエのA.C.ブルですと、
「シャンボールらしく、飲み易い・・」
ニュアンスで飲めたと思うんですね。
ところが2020年ものは、
「滅茶苦茶複雑!」
なんです。
水分が少ない・・果皮の割合が多い感触で、果皮の味がしっかり伝わって来ます。アロマはもう・・素晴らしいです!・・伸びやかでシャンボールらしい穏やかなスパイスが有り、そこに石灰系のミネラリティが入り込んで香りを立たせています。
ただし・・今までのようにスイスイ飲むタイプか?・・と言いますと、その複雑性から・・その味わいを自然に迎えに行くんですね。そしてそれを味わう・・その時間がいつもより長くなる・・ので、結果的にいつもよりペースダウンするかな?・・と思います。
これは熟成させても面白いと思いますよ。明らかに・・
「今までとは違う!」
個性を見せてくれます。
しかも、人によっては2017~2018年頃までのユドロ=バイエは少し甘い・・などと思われている方もいらしたと思うんですね。
ですが2019年ものもそうでしたが、2020年ものは程好くビター・・甘みはほぼ有りません。そして、大昔のような焦げた樽のニュアンスも無い・・です。
そして、グエンさんの息子さんが参画しているようで、確証は有りませんがSo2の使用量も減り始めたようなニュアンスを感じています。最近の若い人は農薬やSo2の使用には敏感ですから、その辺の事情も有るのかもしれません。
これは相当格上に感じていただけるんじゃないかと思います。美味しいので是非!・・また、10年位忘れてしまうボトルを仕舞っておくと・・
「・・おっ・・2020年のA.C.ブル!・・どうなっているかな?」
と、お楽しみも増えると思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【激美味しいです!すでに店頭では帰り注文がでご購入いただいてます・・ティム・アトキン氏の目に触れましたのでこの先の評価アップも確実でしょう!】
滅茶美味しいです!・・凄く健康的で美しく、エキスにしっかり昇華されたスレンダーな美味しさを感じさせてくれます。ダルさは全く無し!・・ピノ・ノワールの果皮の健康な美味しさをたっぷり感じさせてくれます。
ティム・アトキン氏はこの2018年ものに、「90ポイント」と非常に高い評価をしています。まぁ・・noisy ならもう少し盛りますけどね。彼の中では精いっぱいの反抗なのかとも思います。
このエキスたっぷりのドライな美味しさ・・果皮の集中感もしっかり有るんですが、「濃すぎる」と感じさせない見事な「酸の美味しさ」を持っていますので、少しも飽きずに美味しくいただけちゃう訳です。
ですので・・
「A.C.ブルとして・・満点!」
を付けたいと思います・・が、全く減点が無いのか?・・と言われますと・・この時代ですからね。noisy も「A.C.ブルとして・・満点から1点マイナス」します。
その理由は・・
「まだもう少しSo2、減らせるでしょ?」
と言う部分です。
味わいは完璧ですので、おそらくですが流通を考えてのことでしょう。暖かい店が多いですから・・はい・・是非そこらへんは排除していただいて、グッドコンディションのお店だけにさらにSo2を減らしたキュヴェを納品してください!・・グエンさん、それがベストですよ。是非お願いします。そしてお客様もこの実に美しい、見事なA.C.ブルを飲んでみて下さい。4~5年前とは大違い!持っていた印象を大きく変えてくれると思います。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【一瞬ルーミエ!?・・(^^ それからグエン!!・・それが素晴らしいです!・・エキス系でエレガントながら適度に集中した味わいです。】
2017年ものがとてもエレガントで、それまでの新樽の強さと影響を微塵も感じない見事な味わいに、実は2017年のA.C.ブルは、結構な本数を販売させていただきました。余り目立たなかったと思いますが、最後はエージェントさんの隠し在庫(おそらく業販用に隠し持っていた分)までいただいた位です。
なので、結構な量を買って飲まれた方もいらっしゃる位、隠れた人気になっていました。切れてしばらく経つので、
「早く届かないかなぁ・・」
と首を長くして待っていました。
で、ようやく届いた訳ですが、2017年ものにも増して旨くなっていました!
単にエレガントになった・・と言う、単純なものでは無いんですね。集中しているのにエレガント!・・なんです。
なので、グラスをノーズに近付け、一口すすった直後は、まるで赤のルーミエさんソックリ!・・最もその後はエレガントになったユドロ=バイエの紫なパフォーマンスです。
やはり思いました。ワイン造りはセンスだと・・。濃くも淡くも・・自身のイメージに沿って自由自在・・なんだと。
それが出来る人は・・天才ですよね。冷涼で有り、酸バランスも素晴らしいです。2016年までと大きく異なるのは「甘み」です。これが全くと言って良いほど無いですが、「旨味」はちゃんと存在しているんです。是非飲んでみて下さい!一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【今までで最もエレガントで冷涼感たっぷりなユドロ=バイエのACブルゴーニュ・ピノ・ノワールです!】
どうでしょう?2016年ものの写真とそれ以前の写真を是非比べてみてください。
確かに照度が違ったりホワイトバランスも様々ですから、単純な比較は出来ないとしても、このところ「濃密系」だったユドロ=バイエのワインが、
「伸びやかで冷涼な酸の有るエレガント系に寄って来た」
感じが見て取れるでしょうか。
コトー・ブルギニヨンのコラムでも書きましたが、ブルゴーニュワインらしい美しい酸がキッチリ存在します。それが果実のリアルな姿を感じさせてくれます。2015年ものも酸不足とは思いませんが、やや暖かな酸で有り、果実味がバッチリ乗っかっていて、それはそれでとても美味しいワインでした。
しかしながら2016年の涼し気なニュアンス、そしてまた2017年もののエレガント系の味わい・・
「お~い、ユドロ=バイエは、エレガント系にハンドルを回したのか~?」
と聞いてみたくなります。
何せ、僅かにトッピングされていたロースト香さえ、ほとんど感じないほどのレベルなんですね。2015年にはジャミ―な果実だったものが、2017年ものは、その粒一粒一粒を確認出来るようなニュアンスなんです。
そしてやはりシャンボールの造り手が造ったからこそ・・と言えるような、絹ごしのテクスチュアとややカッチリした味わいが、シャンボールの味わいを表現してくれているように感じます。
とても美しく、今までになく綺麗なACブルでした。是非飲んでみてください!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【化粧を落としたスッピン美人!・・noisy的には2016年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールの方が好みです!】
いや~・・ワインって本当に面白いですよね。あれだけ心配していた2016年ものが続々と登場していますが、
「・・誰だ?・・2016年ものはワインにならなかったヴィンテージだなんて言ったのは!」
と言いたくなるほど、このブルゴーニュ・ピノ・ノワールはちゃんとしています。
色合いをぜひ、2015年のものと比較してみてください。2015年ものはユドロ=バイエ最大のヴィンテージだったと思っていますが、
「・・どこが違う?」
もう判らない位、そっくりですよね。でもよくよく見てください。そっくりに見えるんですが結構違うんですよ。
2015年ものに有る「照り」・・もう素晴らしいですね。輝いています。キラキラしていますね・・まぁ、写真の撮り方にもよるんでしょうけれど、やはりちょっと違います。
2015年ものの「透明感」・・これも素晴らしいですね~・・ゾクゾク来ちゃいますね。これも良く良く見ると、2016年ものは少し削れてますでしょうか。
少し見辛いですが「濃度」と「グラデュエーションの出方」・・ここは上記の「照り」「透明感」にも関わってますんで微妙では有りますが、2015年は連続的なグラデュエーションで濃度が判るでしょうか。中心の濃さが判りやすいです。2016年ものはやや一面的ですね。
2015年ものの「官能感」・・これも上記のすべてに関りが有りますが、もう・・素晴らしいとしか言いようのない美しい官能さですね。「ここまで香ってきそう」です。
そっくりに見えて実は結構違う・・ここがポイントになりますでしょうか。
で、2016年もののピノ・ノワールは、さすがに凄い仕上がりだった2015年ものを超えることは出来ませんでした。
しかしながら官能検査の結果となりますと・・これまた微妙でして、noisy的には2015年ものより2016年ものの方が、
「好き!」
なんですね。
勿論ですが、評価のポイントとしては2016年ものを下にしますよ。でも好き嫌いはポイントは関係無いじゃないですか。
2015年ものが持つ「濃度」・・濃さですね。ユドロ=バイエのワインは旨味成分がしっかり有る酸の構成の上、かなりの濃度が有ります。2015年ものはそれが見事に昇華されていますので、
「凄い仕上がり!」
に違いは無いんです・・が、ちょっとキツイんですよね。樽もしっかり掛かっているし、紫の小果実がてんこ盛り、しかも超健康優良児です。何も欠点が見当たらない・・何の苦労もしていない美味しさなんですね。
でも、2016年ものは明らかに違いますよ。苦労して造られた、シミジミ伝わってくるイメージが有ります。決して強過ぎることのないアタックと滑らかながら非常に複雑な構成、2015年には感じることの無かったタンニンの構成が見えてきます。
そのタンニンにはしっかりと・・石灰的ミネラリティが引っ付いているように感じられます。とても人間的な人懐っこさと優しさ、そして芯の強さを感じる・・人間味の有る味わいなんですね。
それでいてユドロ=バイエ的な果実のしっかりさも無くしていないんです。なので、
「・・ん~・・個人的には2016年推し!」
になっちゃうんですね。こんな紫の果実の綺麗なニュアンスを出せるシャンボールの造り手って、他にいらっしゃるでしょうかね?
シミジミと美味しい側面と、それでも「俺はユドロ=バイエだ!」と声を大にして語りかけてくるややアグレッシヴな側面が見事に調和した2016年ブルゴーニュ・ピノ・ノワールだと感じました。美味しいですね。ぜひ飲んでいただきたいと思います。ご検討くださいませ!
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【今までで最高の仕上がりです!感激!必飲です!】
感動的な味わいでした!・・これってただのACブルゴーニュなんですよね・・。本当に・・呆れました。素晴らしいです。
色合いも・・実に美しいです。・・これ・・ですよ。iphone のカメラで適当に撮っただけです。でもいつも不思議なのは、
「滅茶美味しいワインの写真は、カメラの技術の無いnoisyでもいつも美しく撮れる」
ですね~・・。
2015年のACブルゴーニュは、全体的な印象は2014年以前とほぼ同様です。でも・・明らかに違う部分が有ります。それは、
「コアと一体感」
です。
2014年以前も、同様なコメントが有るかもしれませんが、ヴィンテージによってはやはりどこか、
「ん~・・難しい年だったんだな~・・」
とか、
「実に上手く処理してる!」
のように、人為的な作業を思わせるような表情を見つけていました。
また、2014年ものも非常に美味しかったんですが、
「ん・・やや濃いめの仕上がりだね」
と思わせるような部分も有った訳です。
ところが2015年ものは、そんなマンパワー的な印象は全く感じず、ただそこには素晴らしい味わいの美しいワインが存在している・・ただそれだけの印象なんですよ。
それは特に村名とか1級とかの区別をする訳でも無く、例えそのようにしたとしても、そのままに認めてしまうような・・「一人前になった子供」を見るかのような・・もしくは、「コアが有って一体感が有り、浮いた部分は全くない」と感じさせてくれるような、ある種の完璧さが存在しています。
全く・・濃くないですが、全然薄くない・・パワフルかと言えばそうかもしれないが非常にエレガント・・のように、反対語とおもえるものが同居しているんですよ。コアが有って一体感が凄い・・と言うのは、コアだらけと言うようにも伝わってしまうでしょ?
「・・まさにその通りと思っていただいて結構!」
です。
チェリッシュでラズベリッシュな果実がてんこ盛りでは有るんですが、それを「てんこ盛り」だと思わせないエレガンスと美しさが有ります。凄い出来です!是非とも飲んでみてください!高くはなったんですが、それを解消するような素晴らしさでした!お勧めします!
以下は2014年以前のレヴューーです。
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このワインを定点観測にしていらっしゃる方も多いかと思います。2014年もユドロ=バイエのACブルゴーニュ・ピノ・ノワールは万全でした。素晴らしい美味しさです!
ドライですがエキスがキッチリ出ており、チェリーな果実をたっぷり感じさせてくれます。コトー・ブルギニヨンの項でも書いたんですが、非常に健康的、しかもより濃密さが有り、ミネラリティもたっぷりです。
2013年ものは、非常に難しかったヴィンテージ背景を持つ中で、
「・・良くぞここまで仕上げた!」
と思えるような素晴らしい仕上がりでしたが、おそらく、ドミニク・ル・グエンは、毎年ほぼ同じに仕上がるような感覚を得ているのでしょう。感性ですね・・
色合いも、このように見てしまえば2013年は淡く、エレガントでは有っても濃密さは無かったのかもしれません。
より充実したワインに仕上がった2014年です。素晴らしいと思います。
香りや味わいは毎年通り。シャンボールの造り手としますと、
「ルイ・ユエランのようなエレガンス、しっとり感では無く、果実感がよりクッキリ、濃密に存在する」
タイプで、赤というよりはより紫色を感じさせてくれます。立ち位置はよりルーミエさんに近いです。
是非以前のコメントもお読みいただき、この素晴らしいACブルゴーニュを飲んでみてください。超お奨めします!さすがユドロ=バイエと言える味わいでした!
【難しかったはずの2013年・・・さすがユドロ=バイエ!センスが光ります!】 
・・・もう、ずいぶん前から
「・・・この間までブルゴーニュに行ってましたが今年の作柄はどうにもならないようです・・・悲惨です・・」
などと脅されていましたものですから、・・あ、今年と言うのは2013年のことですが、
「・・そうか・・・やっぱり2013年のブルゴーニュは慎重に仕入れをしないといかんな・・・。でもうちも大打撃だな・・・どうしよ・・」
と頭を抱えていました。なので今回のユドロ=バイエでさえ、最小ロットの仕入れで、しかもテイスティングを万全に行って・・という流れです。もうほんと、おっかなびっくり・・でのテイスティングでした。
しかし、グラスに注いでみて、香りをかいで、口に含んだ瞬間に思ったことは・・・
「やっぱりワイン造りはセンスだよな!」
と言うことでした。
だって・・とても旨いんだもんね~!マイナスと言えるポイントが見当たらないんですよ。
素晴らしい仕上がりだったこの3年間のこのワインに引けを取らない仕上がりなんですよ。
勿論ですが、ユドロ=バイエ的な非常に良いバランスの味わいはそのままとしても、わずかに色合いが淡かったり、強い凝縮感は無かったりするんですが、シャンボール的なカルシウム系のミネラリティと、赤・赤紫の果実が美しく表現され、適度な中域の膨らみと、自然な減衰カーブを持った長い余韻・・美しい酸はそのまんまなんですね。
造り手的には非常に色々と仕事が多かったと思います。気も使って大変なヴィンテージだったとも思います。そこでここまで仕上げてくるとは・・さすがユドロ=バイエだと思いました。noisy的にも一安心です!是非沢山飲んでください!お奨めします!旨いです!
■■oisyテイスティングコメント
2013 Bourgogne Pinot Noir Domaine Hudelot-Baillet ソフトタッチでエレガントさも持ち十分な深さも持ち合わせた許容範囲の広い秀逸な造り手であるユドロ・バイエ。
ブルゴーニュ・ファンには価格も安めながら、クオリティある造り手としてお馴染みであるかと思います。
今回の2013ヴィンテージも非常にバランス感覚に優れた造りでなおかつ2012年の物とも価格は変わっていません。
フィリップ・パカレの値上がりを見た時から、2013年は非常に値上がり激しくなると思っていたので、そういった部分でやはり顧客目線の良い造り手だなと思いを再認識したところであります。
2013ヴィンテージをテイスティングした感想は、前置きとしてクラス越えの超掘り出し物!とまでは言えないと思います。
が、ブルゴーニュ・ルージュとしては密度、エレガンス等は納得の出来です。
前述したように滑らかでエレガントもあり、十分な深さがあります。
リリースしたてで、クローズ期に入る前のテイスティングだったこともあるかとは思いますが、若くから飲んでも固さの感じにくいエキス系モダンブルゴーニュの王道を行くような造りだと思います。
ブルゴーニュのフィネスを手の届く価格で味わいたい、という方にはやっぱりマストな造り手だと思います。
応援したくなりますね。
納得の美味しさです!
以下は以前のコメントです!
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【「クラスを越えてべらぼうに凄い!」とまでは言えないが、目茶美味しいです・・・】 やはり「センス」ですね。しっかりとピノノワールらしい果実味が有り、中域が膨らんで、余韻が確実にたなびく・・・そしてバランス・・それでACブルとしては充分な所に、ちゃんとシャンボールらしいテロワールをベリー、ラズベリーの細やかな風味と石灰のミネラリティが感じさせてくれるんですから・・。
他のページでも書きましたが、ちゃんとやってる造り手のワインは、厳しい年でもしっかりと仕上げて来ます。
「今年は不良だから上手く造れませんでした・・ごめんなさい」
も良いと思うけれど、何も言わず・・でもしっかり仕上げてくるグエンさん、しかも価格はとてもリーズナブル・・涙が出ます。有難う!是非飲んでみてください。2012年も上々の仕上がりでした!収穫を厳しく、選果も厳しくしたのが見えるようです!
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【2009年ものを「べらぼうに旨い!」と書いたのですが2010年は「べらぼうに凄い!」です・・・】 2009年、ドミニク・グエンは素晴らしいシャンボールワインを生み出しましたが・・・どうやら2010年、凄い事になりそうな予感です。半端無いです・・・試飲の時点、3月中旬には少々早い感じが有りましたが、だいぶ暖かくなってきましたので4月からはOKです!タイトに締まっているのにウェットに濡れ、ピュアな凝縮した構造を持っています。まさにシャンボールそのもの!超お奨めです!是非ご購入ください!
【もう・・これが有ったら何も他にいらない??べらぼうに旨い!】 いや~、ユドロ=バイエのACブル2009に「ぞっこん」です。今でも滅茶苦茶旨いです。ルーミエさんのACブルよりもドライなのに、みごとな赤い小果実を「くしゃっ」と詰め込み、しかも、どこにも「破綻」した部分を見せないです。
まあ、これだけ凝縮感がしっかり有ると、どこかに「無理した形跡」が残るものなんですが、その凝縮感は、
「結果としてそうなっただけ」
なのでしょう。つまり、何も無理せず、普通に今までどおりに造っただけなんですね。だから、凝縮し、素晴らしい果実のニュアンスと、シャンボールらしいスタイルを見せながらも、全く破綻した部分が見当たらないという結果になるのでしょうね。
ルーミエさんの、わずかに甘みを感じさせるような凝縮した果実を感じさせるACブルも美味しいですが、あんなに高く、しかも入手難と来れば、ユドロ=バイエのACブルを2~3本購入した方がお徳だし、下手をすれば、より美味しい・・と思うかもしれません。(・・・noisyもこのところはルーミエさんのブルゴーニュなどお目にかかっていませんしね)
このACブル2009だけは必ずご購入いただきたいアイテムです。是非ご検討ください。
オート=コートの赤は、ACブルより、さらに深く、凝縮感強く、冷涼感もしっかり有ります。より素晴らしいワインだと言えます。
しかしながら、今現在のことだけ言えば、やや硬さが見られるので、ACブルの方が美味しいと思われる方が多いのでは?と思っています。出来る事でしたら5月の連休くらいまで待っていただいて飲まれると、
「お~!まさに噛める様なラズベリーのニュアンスにしなやかベルべッティーなテクスチュア!」
に出会えるでしょう。間違い無く、ACブルよりも格上です。飲み頃だけの問題ですよ。
ですので、ACブルは直近用、オート=コートは1~2ケ月休養させてから・・とお考え下さい。どちらもお奨め!ご検討くださいね。
以下は2007年もののコメントです。ご参考に・・
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【普通に旨い!シャンボル好きなら是非!】 酒を飲むに当たって、甘いとか辛いとか・・・まあ、普通はその二つの表現が有れば何とかなっちゃいますよね。特に日本酒の世界は、基本的顧客対応はホントそれだけで済む・・・(T.Tと言っても実際は過言では無いでしょう。
ワインでも、
「甘い感じが有ると駄目なんだよね。」
という人が多いです。また、それに加えるとすれば、「渋み」でしょうか。
「ん、別に渋くても大丈夫!結構好き!」
みたいに軽~く使われています。
さらに加えるとすると、「酸っぱい」でしょうか・・・。まあ、これは余り良い意味合いで使われることは無く、
「うん、酸っぱいのが好き!」
はほぼ絶滅じょうたいで、
「うにゃ~、酸っぱいのは駄目なんだよね・・」
みたいに使うのが普通・・・です。
じゃあ、「苦い」はどうでしょうか。
「苦いって・・・それって美味しくないんじゃないの?」
と思われるかもしれませんね。勿論、言葉の使い方の話で有りますから、
「このワインって苦くって美味しいんだよね!」
などと言うシュチュエーションは・・・おそらく、全く存在しないでしょう。あはははは・・・
ですが、実を言うと・・・全てのワインに苦味は有ります。目立って無いだけ・・です。そして、実は若いワインにはかなりの量?の苦味が存在するんです。
で、その苦味こそ・・・将来の甘みに繋がっていますし、若いワインのボディを造り出しているものでも有るんです。誤解を恐れずに言っちゃえば、苦味と渋みは甘みに近い・・でしょう。
まあ、近いか遠いかは置いても、ワインに苦味がしっかり有って、必要とされているんですね。甘いだけのワインなんぞ、何の美味しさも有りません。しかし、その残糖感たっぷりのワインに苦味をプラスするとあら不思議・・・。しっかりした味幅を構成しつつあるはずです。・・・まあ、ここもあんまり膨らましたくない話しなので・・・さらっと飛ばします。
で、このユドロ=バイエのブルゴーニュ・ラインです。色合いは濃く無く、とてもドライでカッチリながらもしっかりとした味幅を持っています。・・・そう・・・、僅かな苦味の成分が、たっぷりのシャンボール的ミネラルと一緒になって、そんな味わいの幅をもたらしていると感じさせてくれます。
まだ幾分若いかと思いますが、今でも美味しく飲めます。時間を置けば、ややジャミーなニュアンスが出てくるでしょうし、シルキーなテクスチュアにもなるでしょう。現在はそのちょっと手前・・です。
赤と黒の果実とシャンボル的ミネラル感。とても伸びやかな感覚。とてもドライで甘みはまだ出てこないが、厳しい感じは無い。硬質な旨さを持ったピノ・ノアールです。
ACブルの方はやや薄めの色合いからフランボワーズと石灰系ミネラルが心地良いです。テクスチュアも滑らかでシャンボルっぽい。好きな方が多いタイプですね。
オート=コートはACブルより逞しく、果実味が強く、色合いもしっかりしています。赤と黒以外にもやや紫がかった果実が混じるのも特徴でしょうか。カッチリしていて、より大きさを感じます。2007年と言うと、マイナスのイメージが膨らんでいると思いますが、決してそのようなことは無く、とても綺麗でピノらしい良さを生かしたワインが多いように思いますがいかがでしょうか。是非とも飲んでみてください。オート=コートは極少量です。お奨めします!
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2023 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
【紫の色彩を捨て、赤く柔らかな輝きを得た2023年のユドロ=バイエのオート=コート!・・冷ややかさと柔らかさ、ドライなエキスの美味しさをたっぷり感じられます!】

非常に珍しい・・シャンボール=ミュジニー村にあるオート=コートの畑ですが、ルーミエ家とユドロ=バイエしか持っていない「レ・トープ」と言う畑のようです。ただしnoisy の記憶が正しければ、ローラン・ルーミエさんちのオート=コートは、
「レ・ポワルロット」
だったと思うのでお隣なのかな?などと思っています。
それに加え、「レ・トープ」と言うオート=コート・ド・ニュイの畑ですが、名前が「もぐら」です。
「なんでだろ?・・モグラに穴だらけにされるのかな?」
と思って場所を探してみますと、ミュジニーの西の近辺に「ラ・トープ」と言う村名の畑が有り、また1級ボルニックの上部にもあるんですね。
で、さらにそのミュジニーの西にあるヴェルジー通りを西に行くと、そこもどうやら「ラ・トープ」と言う地名。
ところがですね・・そこを通る時に細い道なので・・両端の樹々が道をトンネルのようにしているんですね・・で、その途中に脇に入って行くさらに細い道があるので、そこに畑があるのかと思っていますが、noisy もGoogle Map で通っていて・・判ったことがありまして、
「ん?・・樹々のトンネル?・・あ、なるほど!」
そうなんですよ・・「モ・グ・ラ」状態で樹々によってトンネル状態になったその道をくぐって行くので、アチコチに「ラ・トープ(レ・トープ)」なのかな・・などと勝手に想像しています。因みにシャンボール=ミュジニー村は西に広く、北はモレ、東はヴージョ、南はフラジェ=エシェゾーで、全く西以外には開けていません。ある意味、個性的な凄い村ですね。

で、バイエの2023年のオート=コートは、A.C.ブル同様にタンギー君?の志向で激エレガントです。紫の痺れは全く無くなり、赤とほんのり黒が占めています。
その上でやはり上部の畑で風通しが良いのか気温が夜に下がるのか、
「冷ややかさ」
がA.C.ブルよりも上で、A.C.ブルが持つ柔らかく温かみのある酸のヴォーヌ=ロマネっぽさを幾分薄めています。
そしてミネラリティはシャンボール並みに感じられ、芯の太いミネラル感をより感じさせてくれます。
また、2023年ものとしましては、まださほどはテイスティングしていないのでハッキリしませんが、
「2023年は、2022年を上回るかも?」
と思えるような精緻さが有ります。
これは、
「2022年ものって・・非常に美味しいけれど、造り手が頑張った性・・なのかも?」
と思えるような、ある種の健全さを感じているんですね。
ですので、今飲んでも美味しく飲めてしまうが、ポテンシャルはより有るんじゃないか?・・と考え始めている訳です。
今回、2023年のエチェンヌ・ドラルシェ(マリウス・ドラルシェ)のコルトン=シャルルマーニュをテイスティングさせていただいたんですが、2022年も激旨でしたのに・・2023年も超絶に美味しいんですね・・。
そもそもボーヌの偉大なグラン・クリュ白なのに、今・・コルクを抜いてすぐに飲み始めても、
「めっちゃくちゃ美味しい!」
訳ですよ。
そしてその前述の「超健全さ」が漂うんですね。
エシェンヌ・ドラルシェも、そしてタンジー君も次世代の方で、ナチュール志向が感じられます。So2は少なくなっているのは痛いほど判りますし、何より液体が柔らかい・・。それがヴィンテージの恩恵なのか、ナチュールな仕事をしている性なのかは、この先何年か見ないと判断しきれないですが、非常に良い傾向だと思います。
今飲んでエレガントですぐ美味しい・・のはこのオート=コートもA.C.ブル同様ですが、ほんの幾分、A.C.ブルよりボトルでの成熟が不足、もしくは輸入疲れが出ているだけかもしれませんが、少し休め気味で飲まれるのが良いかと思います。
バイエのA.C.ブル2023ともども、お薦めいたします。2023年、凄く期待できます。ぜひ飲んでみてください!
以下は以前のレヴューです。
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【涼やかに仕上がったシャンボール村名・・超ドライで超エキス系・・そんなイメージの仕上がりです!】
2021年ものはこのオート=コートの赤と村名シャンボールが、海外メディアで同ポイントで評価もされていて・・noisy も・・
「・・そんな評価の仕方も有るんだ・・」
とビックリしたものです。
もし noisy がそのようなことをするのであれば、その理由と思しきものをレヴューに必ず書くと思うんですが・・そうでも無く・・ただ同じ評点だったので・・。
まぁ、どちらかのワインに問題が有ったか、どちらかのワインが良すぎたか?・・・と言うことなのでしょうが、やはりワインは自分で飲まなきゃ、その意味さえも探れないと言うことなんでしょうね。
話は飛びますが、ちょうど先週、クリストフ・ルーミエさん、ジャン=ニコラ・メオさん、シャーヴご夫妻・・など、そうそうたるメンツが東京を闊歩されていらしたんですね。
フィネスさんの主催で大ドメーヌの当主たちが他にもいらしていた訳です。noisy も行きたかったんですが・・
「その日は新着発行の翌日、めちゃくちゃに忙しいのでどうにもならない」
ので、愚息を行かせたんですね。しっかり・・写真の一枚も撮って来てもくれませんでした・・流石です・・いや、褒めていませんが・・。
ですが担当のK君がフェイスブックに動画を上げていてくれて、それを「ポカ~ン」と・・あんぐりと口を開けつつ・・眺めさせていただきました。
もしK君の許可をいただけましたら、そのリンクなどをアップさせていただきます・・許可が下りればですが。

で、面白いんですよ・・・クリストフ・ルーミエさんが・・
「質問の有る方はいらっしゃいますか?」
と尋ねると・・なんと!・・ジャン=ニコラ・メオさんが手を上げる訳ですよ・・。
「(うぉ~・・!)」
でしょう?
で、メオさん、何を尋ねるのかと思えば・・ですよ・・
「あなたの2013年のボンヌ=マールは素晴らしい。どうやったらあんなワインが出来るんだい?」
ってな訳です。
「(メオさんが・・そんなことを聞きたいのかぁ?・・それともよいしょ・・いや、そんな風には見えないぞ・・)」
と思っていると、
「選別が命なんですよ~・・云々」
と、超マジメに・・クリストフさんがお答えになるんですね・・いや~楽しい!・・行きたかったなぁ・・。
で、なんでそんな話しをするかと言いますと、やはり、
「シャンボール」
なんですね。
このシャンボール何とかと言うワインは、noisy にとっても特別なワインです。noisy 的には、シャンボールは超長命で、テクスチュアが滑らかで、むしろ余り金属系のミネラリティは強く感じず、石灰が織りなす素晴らしい芳香と味わいを楽しむワイン・・なんですね。
ですから、ルーミエさんのワインも大好きですし、このバイエの・・
「涼やかなシャンボール!」
と言いたくなる、とてもリーズナブルなオート=コートを愛でているんですね。
今や・・ルーミエさんの村名シャンボールは、海外では10万円スタートです。日本はまだまだリーズナブル・・だけれど、普通のサラリーでは厳しい・・
でも美味しいシャンボールが飲みたいぞ!・・と思ったら、冷涼感あふれるこのワインをご選択いただくのも有りか?・・そんな出来になっています。むしろ現在はA.C.ブルよりも仕上がっています。ぜひ飲んでみてください。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ヴィノスのニール・マーティンさんがシャンボール1級レ・シャルム2021と同一レベルに評価しているオート=コート2021です!・・素晴らしい出来!】
このオート=コート2021もまた・・2020年ものとは全く異なる色彩を感じさせてくれますが、2020年ものが持つ赤さを積み重ねたような凄みが一転、ピノ・ノワールのエレガントさを強調しているようにも見える2021年ものになっています。
実際に味わいも素晴らしく、現状ですでに非常にバランスが良いです。A.C.ブルも滅茶美味しいんですがやはりこのオート=コートの出来には及びません。
ヴィノスのニール・マーティンさんは、何とこのオート=コートと1級レ・シャルムが同ポイントの評価点のようで・・noisy 的には・・
「ちょっと目が点なんですけど・・」
と、やはり相性の悪さを感じてしまいます。この評価だと、オート=コートが信じられないほど美味しくて、1級レ・シャルムが信じられないほどだらしない出来・・と思わざるを得ませんが、noisy 的にはこのオート=コート、確かに滅茶美味しい・・エキス感が集中しているし、現状の表情もいい・・先行きも約束された見事な味わいですが、
「このオート=コートと同レベルならシャンボール1級と一緒とまでは絶対に言わない」
ですから・・はい。
グラスを振ると、ちょっとフローラルで、口に含むとそれが果実に・・中域も適度な膨らみを見せてくれ、しなやかなテクスチュアがシャンボール的ですし、余韻がまた・・良い果実のニュアンスと花っぽさを感じさせつつ長いんですね。

そして最後に感じる「瑞々しさ!」が本当に素晴らしい!・・ユドロ=バイエの濃い目の年には、完全に覆い隠されてしまう部分なんですが、
「2021年もののユドロ=バイエはまったくの丸裸!」
ですからね・・
活き活きとしたピュアなニュアンスと、この数年徐々に上がって来たナチュラルさを、とても判りやすく表現できている佳作と言えるでしょう。
ですが・・今、2020年ものの写真を見ても・・もの凄いですよね~~・・。伝説に残りそうな、「赤い色」です。この色で・・口にすると、すっごい濃いとは感じなかったですから・・。
その点もまた、
「基本的にユドロ=バイエの本質は変わってない!」
「2020年ものはヴィンテージの表現が彼のワインの本質を少しの期間、隠していただけ!」
「2020年ものはユドロ=バイエのワインの本質そのものが味わえる貴重なヴィンテージ!」
と言えます。是非飲んでみてください。めっちゃ美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【果皮濃度由来の複雑さと、少雨で少ない水分を一生懸命に地中から吸い上げたミネラリティを、標高の高いオート=コートならではの涼やかさが包む、2020年ものならではの見事な味わいです!】
これは素晴らしいです!・・少しA.C.ブルとも異なるニュアンスは、畑の標高由来でしょうか・・涼やかなんですね・・。A.C.ブルの方が暖かみが有る感じ。
そして果皮の豊かで複雑性の高い味わいはA.C.ブル同様..色合いは濃い目ですが、その・・
「濃さを感じさせないスムーズな飲み口!」
はA.C.ブルには無い個性です。
そして精緻さが素晴らしいですね・・。その分、シャンボール村名により近い感じが強いです。
このオート=コート(レ・トープ)はシャンボールの村内の上部の平地に近い部分に在り、ローラン・ルーミエとユロド=バイエのみの所有らしいですので、以前はジョルジュ・ルーミエ所有だったのかもしれません。(ただし、ローラン・ルーミエがリリースしているオート=コートはラ・ポワルロットと言う名前です。)google マップで見ると、「ラ・トプ」と記載が有りますが・・畑の写真も見えますんで探してみて下さい。林に囲まれた、穏やかな風が通り抜けて行くような畑のように見えました。

色合いは濃い目ですが、先のように「濃さ」をさほど感じないのはミネラリティと酸バランスなのでしょう。
2020年は少雨が特徴・・しかも収穫前に恵みのにわか雨が降ったと言われています。
葡萄も適度な水分を得られないとなりますと、酷い時は「枯れてしまう」ことになってしまいますが、そうならないように一生懸命に根が水分を求めて地表、地中に延ばして行きます。なので、普段から地表に伸びないように根切りをし、根が地中に向かうようにしている畑ですと・・さらに根を伸ばすと思います。
シャンボールは石灰が強いですから・・水分を吸い上げる時にミネラルを同時に吸収する・・そう考えますと、
「2020年は2019年もの以上に全てが上手く行った!」
のかもしれません。
関係者が2020年もののテイスティングで狂喜した・・と言われていますが、勿論・・すべての生産者でそうなった訳では無いでしょう。しかしユドロ=バイエはきっと、狂喜乱舞したのかもしれませんね・・(^^;;
いや~・・まだ2020年もののご紹介は僅かですから、どうなっているのか判断は出来ませんが、
「あれだけ美味しかった2019年を上回る出来なのか?」
と言う視点もまた、楽しみに加わりました!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【村名格に近い風格、構造の深さを感じさせる銘酒です!】
価格差はA.C.ブルとそんなにある訳では無いんですが、構造の深さは確実に在り、その深さ、大きさゆえの格差感は結構あるかと思うんですね。
ティム・アトキンさんはA.C.ブル2018年に90ポイント、付けましたので、もしそこから行くとなりますと・・91+ポイントほどじゃないかと思います。
「えっ?・・たったの1.5ポイント?」
と思われるかもしれませんが、90~95ポイントクラスの0.5ポイントは、テイスター的にはその理由さえハッキリ言えるほどの確実な、大きな差なんですね。その0.5点を上げるのか、下げるのかで、相当に無い頭も悩ませる訳で・・だんだん髪が肉体を離れて行くんじゃないかと考えています。
他のユドロ=バイエのキュヴェ同様に非常に健康的です。味筋はシャンボール的でA.C.ブルと同様では有りますが、構造の深さから格上であることは誰の目にも明らかです。とても冷ややかで充実していて、全ての液体分がアルコール分を含んだエキスに昇華した感覚です。ダルいピノは、そこがちょっと分離しちゃうんですよね・・判りますよね?
なので、これは相当にリーズナブルなオート=コートと言えるでしょう。赤と紫がほとんどを占め、ほんの少し黒い果実が差し込んでいる感じです。透明と言うよりも少し白っぽい・・石灰的なミネラリティが多く含まれているように感じます。すごく美味しいです!是非のんでみてください!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【明らかに赤い色が占めているのが判る、冷涼で集中した・・しかしエレガント系の味わいです!】
A.C.ブルの項でもお伝えしましたが、2018年もののユドロ=バイエは見事な出来、しかも、
「一瞬ルーミエ」
は、こちらのオート=コートが若干上です。
面白いのは、このオート=コートのクリマ、レ・トープは、クリストフの兄弟のローランも栽培しており、ユロド=バイエとローラン・ルーミエの2人のみの所有だと言うことですね。
ローラン・ルーミエは2018年もののリリースがまだですので、単純な並行比較はできませんが、2017年ものを比較してみると、
「ローラン・ルーミエは実直、冷涼でワビサビ、超ドライ」
「ユドロ=バイエはニュートラル、冷涼で集中、果実しっかりでドライ」
で、どちらもエレガント系・・と言えるかな?・・と思います。
味付きの良さはやはりクラス上だけ有ってA.C.ブルを凌駕していますし、ミネラリティのしっかりさも上。果実のしっとりさは、以前の紫系統が強い感じから赤果実がコアをもってどっしりとしつつ、上質なものとして感じられます。
いや~・・美味しいです。以前の派手さは毛頭無いものの、以前より増して好きになってしまいました!・・とてもリーズナブルですし、もうシャンボール村名クラスと言っても過言では無いほどのポテンシャルだと感じます。
まぁ、リアルワインガイドでは常に90点行かない位の評価かと思いますが、noisy的には充分付けられる出来と感じますよ。是非飲んでみて下さい。新生ユドロ=バイエの2018年!・・旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【2017年のオート=コートはややカッチリ目!スタイリッシュな仕上がりですが、徐々に柔らかく伸びやかになって行くでしょう。】
2017年のユドロ=バイエは、2015年以前の濃密な味わい・・どちらかと言えば濃い目のスタイルから離れつつあるように感じます。それは2016年ものにも少し感じた部分です。
特にこのオート=コートは、元々涼し気なロケーションも有るのでしょうが、むしろ僅かな残糖分を残して濃厚に仕上げると言うよりも、完全発酵出来るタイミングでの収穫により、よりドライに、よりエキス化されたブルゴーニュらしい味わいに持って行こうとした節を感じます。
まあ、それが造り手の意思だけによるものなのか、2017年的な要素がそうさせたのか・・、まだはっきりはしません。しかし、ドライでエキスたっぷりなオート=コートに仕上がったということは、僅かな甘みが生む絶妙な果実の風味・・・そこがユドロ=バイエ的でも有った訳ですが、そのスタイルを捨てるということにもなりますし、何より、
「今まではオブラートで包まれていた真の姿をさらす」
と言うことにもなる訳でして、
「涼し気でややカッチリとスタイリッシュなオート=コート。複雑性たっぷり。」
に感じさせてくれます。
濃厚な時は、その果実の風味に加え、やや焼いた樽の風味がトッピングとして感じられたものですが、2017年ものはほぼ感じませんで、よりピュアなスタイルになっています。
熟の進む2019年の年末~2010年春頃までは徐々に美味しく、柔らかく成っていくものと思われます。その後は一旦、閉じるかな。1~2年でまた一枚、皮を剥いだ姿を見せてくれると思います。ポテンシャル的には今までとほとんど変わりませんが、甘みが無い分、ややハードに感じられるかもしれません。
新たなスタイルに向けて歩み始めたような気がするユドロ=バイエです。是非ご検討くださいませ。
【2016年のオート=コートは滅茶ナチュラル!・・ユドロ=バイエのワインは年々その自然派的要素を増しているのが判ります!】

「・・なるほど~!」
と思わせてくれる2016年のオート=コートです。これは自然派ファンには嬉しい仕上がりです。でもこのナチュラルなニュアンスはコトー・ブルギニヨン、ACブル、シャンボールVVには無い表情です。
官能的なアロマが加わり、絶妙なバランスを見せています。また、ドミニク・グエンさんの感性の豊かさでしょうかね。
例えば、まるでやったことが無いことでも、
「・・こうすればできるんじゃないか?」
「・・こんな道も有るか?・・どっちが良いかな?」
みたいなことを考えるかどうかは別にしても、そつなくこなしてさらに上出来な仕上がりに持って行けてしまうんですね。
なので、2016年ものオート=コートは今飲んでも絶妙の旨さです。最も、自然派嫌いの方にはその超自然なナチュラル感(・・変な言葉ですが)が逆に「?」を生むかもしれませんのでもろ刃の剣とも言えるかもしれません。
noisy的には、これは素晴らしい!・・と感じました。非常に美味いです!・・コトー・ブルギニヨンもACブルも美味いですが、こちらは精緻な旨さです・・
と、ここはコラム違いですが・・
2016年のACブルを、おそらくロット違いのもので再度テイスティングしたところ、当初の「濃密」なニュアンスが無く、適度な・・本当に適度な密度のしなやかな仕上がりになっていて驚きました。
これもおそらくですが、ACブルなどのある程度量を造るものに関して、樽寄せをして全てを均一には出来ないことに由来するかな・・と思います。
なので、ロットによるそのような「密度」の違いもまた・・面白いですよ。・・と言うことは、このオート=コートもロットにより違うのかな?・・などと迷路に入ってしまいそうですが、とても良い出来ですので是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【シャンボール村名並みの仕上がり!白いミネラリティが豊富!冷ややかな赤紫の果実が誘惑してきます!】
素晴らしい仕上がりでした。赤に紫のイメージが入るユドロ=バイエのピノ・ノワールですが、エージェントさんに寄れば、ローラン・ルーミエと同じ畑だそうです。余りにも違う仕上がりに少しビックリしています。
まぁ、それでも毎年テイスティングしていて、昨年書いた前の年のワインの文章を読まずに書いても、まず同じことを書き始めていますので、造り手さんのイメージも一貫していますし、ある意味、noisy も一定の感覚を持っていることの現れかなと。
その上で2015年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールについては、今のところは、
「物凄く良い。健康的。良く熟している。糖度が上がったようでアルコール分は前年と同じ~やや高い傾向。」
と感じています。
このオート=コートも非常に良い出来です。僅かに焦がした樽のアロマのトッピング、紫、赤の果実のほとばしるアロマ、中域から高域に掛けての滑らかな石灰系ミネラリティの伸び、シャンボールに良く似たミネラル組成ながら、やや鉄っぽいミネラリティも混じって来ます。
非常にタイトながらも健康な果実が隙間を見つけて飛び出してきますので、今飲んでもとても楽しめる状況かと思います。素晴らしいですね・・。
オート=コート・ド・ニュイは準村名格(準々村名?)ですから、村名とほぼ同様な感覚で付き合うと良いと思います。頭に「ブルゴーニュ」と付きますから、
「ACブルゴーニュの同類かな?・・それにしちゃちょっと高い?」
と思われるかもしれません。
オート=コート・ド・ニュイの畑は、下手をすればグラン・クリュやプルミエ・クリュのすぐ脇だったりします。それだけに侮れないんですね。
素晴らしいヴィンテージになった2015年です。今飲むなら美味しいのはACブル、そしてコトー・ブルギニヨンですが、やはりポテンシャルそのものはこちらが上。チビチビと口に含みつつ、長い時間を掛けてポテンシャルとともに飲まれる方には向いているでしょう。お勧めします!
以下は2014年以前のレヴューです。
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【実に美味しいです!】
何か・・毎年同じようなことを書いているような気がします。そして、毎年同じようにテイスティングして感動して・・やっぱりユドロ=バイエは旨いと。そしてオート=コートがほぼ村名並の仕上がりで、縦に伸びてくしラズベリーが香り・・などとね・・。
でもそれでも毎年開けちゃうんですよね・・。2014年も素晴らしい味わいでした。
このワインのファンは実に多くいらっしゃって、毎年かなりの人気を集めていますが、
「日陰になりやすいオート=コートは・・・厳しいかな?」
と思いきや、2009年、2010年、2011年、2012年と続きながら、2013年はさすがに2012年を超えることは無かったとしても、2014年はそれ以前を確実に越える仕上がりで!・・いや、ビックリです。
なので、以前のコメントをそのまんま使用させていただきます。
「シャンボール村名だと思っていただいても結構です!」
美味しいです!ラズベリー風味満載!味わいも複雑!言うこと無いです!超お奨めします! 素晴らしいピノ・ノワールです
以下は以前のコメントです。
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【これは全くのシャンボール=ミュジニー村名と思っちゃうでしょう!】 素晴らしいピノ・ノワールです。ルーミエさんとは色合いの出方が違いますが・・・やっぱりいずれ、ルーミエさんの立ち位置まで上がって行くドメーヌでしょう。そしてもし、ビオに上手く転換することが出来たのなら・・フーリエに並ぶ事が可能でしょう。現在リュット・レゾネのシャンボールで最高の造り手だと思います。
紫+わずかに黒の果実を感じさせてくれる締まった味わいです。余韻も実に長く、コンプレッション・ベリーのニュアンスを残像されます。少し早いですので、初夏からでしょうか・・。そして長く持つワインです!是非ともご購入ください!超お奨めです!
【もう・・これが有ったら何も他にいらない??べらぼうに旨い!】 いや~、ユドロ=バイエのACブル2009に「ぞっこん」です。今でも滅茶苦茶旨いです。ルーミエさんのACブルよりもドライなのに、みごとな赤い小果実を「くしゃっ」と詰め込み、しかも、どこにも「破綻」した部分を見せないです。
まあ、これだけ凝縮感がしっかり有ると、どこかに「無理した形跡」が残るものなんですが、その凝縮感は、
「結果としてそうなっただけ」
なのでしょう。つまり、何も無理せず、普通に今までどおりに造っただけなんですね。だから、凝縮し、素晴らしい果実のニュアンスと、シャンボールらしいスタイルを見せながらも、全く破綻した部分が見当たらないという結果になるのでしょうね。
ルーミエさんの、わずかに甘みを感じさせるような凝縮した果実を感じさせるACブルも美味しいですが、あんなに高く、しかも入手難と来れば、ユドロ=バイエのACブルを2~3本購入した方がお徳だし、下手をすれば、より美味しい・・と思うかもしれません。(・・・noisyもこのところはルーミエさんのブルゴーニュなどお目にかかっていませんしね)
このACブル2009だけは必ずご購入いただきたいアイテムです。是非ご検討ください。
オート=コートの赤は、ACブルより、さらに深く、凝縮感強く、冷涼感もしっかり有ります。より素晴らしいワインだと言えます。
しかしながら、今現在のことだけ言えば、やや硬さが見られるので、ACブルの方が美味しいと思われる方が多いのでは?と思っています。出来る事でしたら5月の連休くらいまで待っていただいて飲まれると、
「お~!まさに噛める様なラズベリーのニュアンスにしなやかベルべッティーなテクスチュア!」
に出会えるでしょう。間違い無く、ACブルよりも格上です。飲み頃だけの問題ですよ。
ですので、ACブルは直近用、オート=コートは1~2ケ月休養させてから・・とお考え下さい。どちらもお奨め!ご検討くださいね。
以下は2007年もののコメントです。ご参考に・・
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【普通に旨い!シャンボル好きなら是非!】 酒を飲むに当たって、甘いとか辛いとか・・・まあ、普通はその二つの表現が有れば何とかなっちゃいますよね。特に日本酒の世界は、基本的顧客対応はホントそれだけで済む・・・(T.Tと言っても実際は過言では無いでしょう。
ワインでも、
「甘い感じが有ると駄目なんだよね。」
という人が多いです。また、それに加えるとすれば、「渋み」でしょうか。
「ん、別に渋くても大丈夫!結構好き!」
みたいに軽~く使われています。
さらに加えるとすると、「酸っぱい」でしょうか・・・。まあ、これは余り良い意味合いで使われることは無く、
「うん、酸っぱいのが好き!」
はほぼ絶滅じょうたいで、
「うにゃ~、酸っぱいのは駄目なんだよね・・」
みたいに使うのが普通・・・です。
じゃあ、「苦い」はどうでしょうか。
「苦いって・・・それって美味しくないんじゃないの?」
と思われるかもしれませんね。勿論、言葉の使い方の話で有りますから、
「このワインって苦くって美味しいんだよね!」
などと言うシュチュエーションは・・・おそらく、全く存在しないでしょう。あはははは・・・
ですが、実を言うと・・・全てのワインに苦味は有ります。目立って無いだけ・・です。そして、実は若いワインにはかなりの量?の苦味が存在するんです。
で、その苦味こそ・・・将来の甘みに繋がっていますし、若いワインのボディを造り出しているものでも有るんです。誤解を恐れずに言っちゃえば、苦味と渋みは甘みに近い・・でしょう。
まあ、近いか遠いかは置いても、ワインに苦味がしっかり有って、必要とされているんですね。甘いだけのワインなんぞ、何の美味しさも有りません。しかし、その残糖感たっぷりのワインに苦味をプラスするとあら不思議・・・。しっかりした味幅を構成しつつあるはずです。・・・まあ、ここもあんまり膨らましたくない話しなので・・・さらっと飛ばします。
で、このユドロ=バイエのブルゴーニュ・ラインです。色合いは濃く無く、とてもドライでカッチリながらもしっかりとした味幅を持っています。・・・そう・・・、僅かな苦味の成分が、たっぷりのシャンボール的ミネラルと一緒になって、そんな味わいの幅をもたらしていると感じさせてくれます。
まだ幾分若いかと思いますが、今でも美味しく飲めます。時間を置けば、ややジャミーなニュアンスが出てくるでしょうし、シルキーなテクスチュアにもなるでしょう。現在はそのちょっと手前・・です。
赤と黒の果実とシャンボル的ミネラル感。とても伸びやかな感覚。とてもドライで甘みはまだ出てこないが、厳しい感じは無い。硬質な旨さを持ったピノ・ノアールです。
ACブルの方はやや薄めの色合いからフランボワーズと石灰系ミネラルが心地良いです。テクスチュアも滑らかでシャンボルっぽい。好きな方が多いタイプですね。
オート=コートはACブルより逞しく、果実味が強く、色合いもしっかりしています。赤と黒以外にもやや紫がかった果実が混じるのも特徴でしょうか。カッチリしていて、より大きさを感じます。2007年と言うと、マイナスのイメージが膨らんでいると思いますが、決してそのようなことは無く、とても綺麗でピノらしい良さを生かしたワインが多いように思いますがいかがでしょうか。是非とも飲んでみてください。オート=コートは極少量です。お奨めします!
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2022 Chambolle-Musigny 1er Cru les Charmes
シャンボール=ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム
【マシュー・ヘミングMWは・・何と上値95ポイント!!・・それも充分に理解できる緻密な旨さ!・・驚異の1級です!】

ん~~・・1級レ・シャルム2022年を飲んだら・・余りの美味しさにレ・クラ1級も飲みたくなってしまいましたが、数が無いので自重しました。レ・クラは人気なので減らすのもどうかと・・難しいところなんですね。
そういえば、このところはずっと175円ほどまで急騰していたユーロも、160円ほどに下がっていまして・・
「これからは円高がトレンド!?」
じゃないかと思っています。
まぁ・・遅過ぎたきらいもある訳ですが、政府筋が中々ゼロ金利・マイナス金利を止めなかったのが原因なのは間違い無い訳です。ようやくマイナス金利では無くなった訳で、普通預金にお金が入っていれば、少しでも金利が付くようになりましたし、
「これからはユーロ高にイライラしないで済むし、ワインもいずれ安くなる・・もしくは(一部を除き)これ以上上がらない」
ようやっとそんな状況になったんじゃないかと・・思っています。
このグエンさんのシャンボール1級レ・シャルムも、以前は1万円ちょっとで購入出来た訳です。それが今やこの価格ですから、まぁ・・仕方が無いと諦めていた訳ですが、
「その高い価格も納得の素晴らしい質感!」
を感じさせてくれる2022年なんですね。

まるでクロ・ド・タールを思わせるような、ちょっと茶とか黒が多めに入った色彩です。果皮が果汁のバランスで果皮が多い感じで、クロ・ド・タールのようなワイルドさと言うよりは、精緻なニュアンスなので・・ボンヌ=マールの方がニュアンス的には近いような気がします。
おそらくですが完全除梗系かな?・・と思いますが、非常にゴージャス・・それでいて、ケバい感じでは無く精緻さを感じさせます。シルキーなタッチで繊細です。甘さは超控えめでほぼドライ、今飲んでも滅茶美味しい!・・こりゃぁ・・飲んじゃいますね。
マシュー・ヘミングMWは、95ポイントと物凄い評価をしています。リアルワインガイドでも94+ほどが最高じゃないかと思いますので、
「過去最高の評価!」
だと思います。
ヴィノスは以前、ニール・マーティンさんでは無くガローニさんが94ポイント付けたように記憶していますが、ニール・マーティンさんも1ポイント上げで応えています。noisy もこのレ・シャルムに関してはかなり開けていますので、充分理解できる評価です。
まぁ・・この「果皮の割合感覚」はおそらく完全除梗によるものでしょう。その分、質感が物凄く向上していると感じますから、
「いつもよりもだいぶ格上の質感」
を感じました!
もちろんですが、今が飲み頃と言う訳ではありませんで、この先40年は平気で持ってしまうでしょうが、15年ほど経た頃からピークを迎えるでしょう。飲んでみてください。めっちゃ美味しい!・・素晴らしい出来です!
以下は以前のレヴューです。
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【膨大な石灰の中に秘めた細やかなミネラリティからの要素!瑞々しくも凛々しい・・素晴らしい1級レ・シャルムです!】
昨日、機会を得させていただきまして、かのショパン・グロフィエの1993年のクロ=ヴージョを飲ませていただきました。他にも凄いワインを沢山・・有難うございました。帰って仕事に入りましたが・・流石に・・自分の身体が全く使い物にならず・・(^^;;
例えば1993~1994年のブルゴーニュワインについては、海外メディア..その頃はアドヴォケイト(PKさん)かインターナショナル・ワイン・セラー(タンザーさん)が幅を利かせていたように思いますが、
「1993、1994年は出来が良く無いから・・」
と、「スルーするように」までは言わなかったものの、散々なヴィンテージ評価でした。反対に1995~1996年は良い、もしくは非常に良いと言う評価で、1997年はまた・・青いのでさっさと飲むか云々・・みたいな感じの言葉だったと思います。
でも・・どうなんでしょう?・・少なくともショパン・グロフィエのクロ・ヴージョ..素晴らしいワインでしたよ・・。香りも素晴らしい・・構成は大きく無いと言いますか、すでにまとまっているからそう感じるのかもしれませんが、
「流石!・・ショパン・グロフィエ!」
と思わされた時間でした。・・因みにロベール・グロフィエでは有りませんので悪しからず。やはり、メディアの評価は参考にはしても、全く信じ込んでしまうのは危険かな・・と思っています。誰もが100%信じてしまっていたら、
「ダニエル=ショパン・グロフィエの銘品には出会えなかった!」
でしょうから。
この2021年レ・シャルムは、近年、ますますエレガントに、ナチュラルに、美しいブルゴーニュワインへと変貌して来ているユドロ・バイエですから・・やはり非常に旨い・・です。
もう・・すっと入って来て・・レ・シャルムらしい細やかな石灰と赤、紫の果実を沢山感じさせてくれます。横にも縦にも拡がりを見せるパレットは、ややタイトさのある1級レ・クラとはスタイルを異にしており、縦横にふくよかなレ・シャルム、縦構造のレ・クラと思うに違いありません。

そして・・その細やかな石灰に埋もれているカプセルには、未だに全く開放していない複雑な要素を多く持っていると感じます。
この畑はミュジニーにも、レザムルーズにもほど近く・・じゃぁ・・そっち系なのかな?・・と思うとそうではなく、むしろ奥ににはボンヌ=マール的な濃ゆい芯を持っていると感じます。
今飲んでも充分旨いんですが、10~20年ほど寝かせますと・・ある意味、ショパン・グロフィエのクロ・ヴージョのような素晴らしい表情を見せ始めると感じます。
因みにショパン・グロフィエのクロ・ヴージョの地所は、クロ・ヴージョの中央から下がった部分にある、いわゆる「下部」で、ミシェル・グロやメオ=カミュゼ等が持つ上部の畑とは比べ物にならない・・とされています。
まぁ・・ワイン造りはセンスですから・・それは間違い無いと思うんですね。因みにリアルワインガイド第82号では・・こんな風に言っています。
「息子のタンギー君が入った性か、それともグエンさんが何かを掴んだのか判らないが・・<中略>・・中身のしっかり詰まったエレガントなブルゴーニュワインをつくった」
数年前までは濃い目の押しの強い感じのブルゴーニュワインでした。それはそれで美味しかった!・・でも今はナチュラル感に満ちたエレガントさを必ず感じる滑らかなワインになっています。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【プティ・ボンヌ=マール的?・・2019年レ・シャルムを飲んで、昨年の2018年ボンヌ=マールを思い起こしました!・・相当素晴らしいです!】---総数の関係でテイスティング出来ず、2019年もののレヴューを使用しています。

直情的で力強く、やや樽香が入り果実がてんこ盛り・・みたいな感じの有った2000年代のユドロ=バイエ、レ・シャルムですが、今やそんなニュアンスは有りません。
エレガントさと適度な太さが拮抗していて、果実も充分、ミネラリティはワインにしっかり溶け込んで、柔らかなアロマを放出してくれます。中域もちゃんと適度な膨らみを持っていて節度が有り、今は決して横にだらしなく拡がってしまうことは有りません。冷ややかですが包容力に長け、充実した中盤から美しい減衰を長く感じさせ、何とも言えぬ高質感をいつまでも漂わせてくれます。
これ、やはり素晴らしいワインの特徴なんですよね・・。口内に有る時、味わいがアチコチに跳ね上がる、飛び散るんじゃなくて、しっとりと穏やかなんだけれど複雑感、高貴さが伝わって来て・・綺麗に減衰し無くなるんだけれど、心地良さがいつまでも続いている感じ・・なんですね。
思い起こせば2018年のボンヌ=マールがこんな感じだったんですね。確かに2018ボンヌ=マールは「圧巻さ」も持っていて、明らかに今は早過ぎると思わせるものでした。2019年のレ・シャルムは、「圧巻」な部分を「精緻さ」が抑え込んでいる感じが有り、2019年もののユドロ=バイエはどのキュヴェにもそんなイメージが有ります。
今おそらくドミニク・ル・グエンさんは脂の乗り切った醸造家人生の真っただ中・・だと感じます。グラスの色合いも、
「物凄く精緻だけれど、色々と伝えてくれそうな色」
をしているように見えないでしょうか?・・あっ、コルクカスの粒が浮いているのはご愛敬・・。noisy が抜栓したのなら滅多にはこうならないと思うんですけどね。(滅多には・・と言うことは、たまにはやってしまうと言う意味ですよ。)
何とも官能的に香りそうな色っぽい色合いです。2015年のレ・シャルムとは相当にイメージが違うでしょう?2014年ともちょっと違うし、むしろ2019年の方が濃いようにも見えるかもしれません。しかし味わいは決して濃くはなく・・しなやかでテクスチュアは絹漉し、バッチリです。
今飲んでも飲めちゃいますね・・2019年ものの海外メディアレヴューは見当たりませんでしたが、通常は「飲み頃は4年後から・・」みたいな感じに書いています。でも今飲んでも美味しいですし満足感もたっぷり得られます。そして50年は最低・・持つでしょう!・・凄いポテンシャルです。是非飲んでみて下さい。一番リーズナブルな1級畑、レ・シャルムです!
以下は以前のレヴューです。
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【海外メディアはほぼ94~93Points ほどの評価のようです!ドライで綺麗になったレ・シャルム、是非ご検討くださいませ。】 ユドロ=バイエの2018年上級もののテイスティングは、ボンヌ=マールに予算を取られてしまったので、1級3アイテムのテイスティングは自重、いや、自粛しています。確かに飲食や観光業、運輸業は新型コロナウイルスの跋扈で大変な状況なのは理解できますが、政府の言う「GO TO キャンペーン」を「今」何が何でも行うというような姿勢には、素直には賛同できないです。状況によっては、noisy の店も実店舗の営業は自粛せざるを得ない状況になるかもしれないと思っています。何しろ90歳手前の二親を抱えていますし、意外にも高齢者さんのうち、何割かの人たちの意識は低く、平気でマスク無しで店に飛び込んで来ます。
なので、マスク無しではお断りしています・・とか、知った顔なら、マスクして来てね・・とか、他のお客様がいらっしゃるときには入店しないでね・・と声を掛けていますが、感染者が増えてしまうと・・いや、様々な事象が有るのは理解していますが、そこは深くは掘り下げずに単純に・・ですが、それでは済まないようになってしまうかもしれない訳ですね。
元々ご来客の方の非常に少ない店ですから、そこまでは心配してはいなかったものの、対応を迫られてしまう・・と言うか、自己防衛せざるを得ないように追い込まれてしまっていると感じます。皆さまもウイルスにかからないよう、また感染させないように充分にお気をつけください。noisy も何とか乗り越えて行きたいと考えています。
2018年もののユドロ=バイエは、今まででないほどに「ドライ」でキュッと締まった密度のある味わいが特徴ですので、このレ・シャルムも評価が高いです。94~93ポイント位ですね。シャンボールの造り手のワインとしますと決して高く無く・・まぁ、安くはないですが、ポテンシャルは充分以上に見合うものと感じます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイド第66号は、今飲んで92 ポテンシャル93 飲み頃予想 今~2038 と大健闘です!】 2017年ものは「レ・クラ」を飲ませていただきましたので、「レ・シャルム」のテイスティングは遠慮させていただきました。申し訳ありません。
リアルワインガイド第66号の評価とは結構に異なってしまいますが、noisy 的にはユドロ=バイエは「濃厚系」から「エレガント系」に変化していると感じています。
力強く、濃く、時に果実そのものの甘みを残した造りは、パワフルで有り、寿命そのものも長いと感じられる構造をしっかりもっていましたが、2017年ものの評価としてはエレガント系で、表情が見えやすい、リキを入れ過ぎない穏やかな感情のようなものが伝わって来ます。
新樽の使用率もどうでしょうか・・少し下がっているように思います。変わってないと言うとは思いますが・・。これで収穫が少し早く出来るような環境になるか、全房系の発酵を多めに取り入れれば、よりピュアで新鮮なアロマのワインになってきますが、そうなってしまうと逆にユドロ=バイエでは無くなってしまうような感覚も有ります。
なので、ユドロ=バイエは今位の仕上がりが非常に良いんじゃないかと感じるんですね。2017年ものの到着としますと早い方ですから、これが10~11月位になって、落ち着きをしっかり得た時には、
「滅茶苦茶美味しいじゃん・・!」
となるんですね・・。
今回の2017年、レ・クラも、レ・ボルニックを抜いた初のヴィンテージになったシャンボールV.V.も素晴らしかったです。最も肉厚でパワフルで有るレ・シャルムは飲めていませんが、上記の流れで言えば、より表情を汲み取りやすくなっていると感じます。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【
リアルワインガイドも今までの最高評価だった2013年ものに届こうか・・と言う評価です!】 2016年も万全の仕上がり、今までのピュアなスタイルに少しずつナチュラルさを積み上げている感じに思えるユドロ=バイエの至宝、1級の2アイテムです。
リアルワインガイドはレ・クラ、レ・シャルムとも、2015年もののポテンシャル92+と言う評価を、2016年ものにはレ・シャルム 93、レ・クラ 93+ と上げて来ました。飲み頃は2020年からと評価しており、早いうちからの美味しさにも言及しています。
2016年ものは流石に1級クラスは少しですが減らされており、さらにテイスティング用に手をつけ辛くなっていますので、ここはリアルワインガイド頼みですが、
「単にリュット・レゾネ(減農薬栽培)と言うには情報の更新が遅いのでは?」
と・・テイスティングの結果から考え始めています。
香りのスピードも速く、しなやかで柔らかな土を想像させてくれ、その上で危険度は非常に少なく、ピュアさを損なうことの無い優れたワインになったと思います。
トップ・キュヴェのボンヌ=マールばかりでは無く、この1級2アイテム、レ・クラ、レ・シャルムも是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【とても豊かなまん丸いパレット!芳醇な小果実が凝縮しています!ビッグヴィンテージ!】
非常に豊かな味わいになった2015年のユドロ=バイエです。ACブルゴーニュの出来も素晴らしく、しかし果実の強靭さから、まだ少し早いか・・と感じるので、むしろコトー・ブルギニヨンの、ガメが混じった感じが、今絶好調に旨いと思わせてくれます。
2015年ものの上級キュヴェが届き、早速シャンボール=ミュジニーV.V.を飲んでみました。いや・・やっぱりユドロ=バイエらしいシャンボールでした。果実が満載でエキスもキッチリ、酸のバランスもまん丸で、健康的な・・と言うか、それこそ昔は「健康優良児」って言われたんですが・・知らないかな?・・良く小学校の時に健康優良児が表彰されてたんですけどね・・ちょっとだけ太目だけど運動神経も頭も良い感じの子がね・・。いや、noisy はダメでしたよ。太ってはいませんでしたしね・・おっ。。と。
非常に良く出来ていると思います。「すでに完成しているのか?」と問われるとするなら、「完成にはもう少し掛かるかも・・」と答えますが、今の状態で非常に旨いです。ムンムン系・・ですね。良く香るしほんのりジャミーだしポテンシャルも伝わってくるし・・。シャンボールV.V.は1級レ・シャルムに良く似たニュアンスが有ると感じています。
でも幾つかの畑をブレンドしているんですが、レ・シャルムにも近い「レ・ボルニック」と言う1級のヴィエイユ・ヴィーニュのリューディの葡萄も入ってまして、この畑は何と、ミュジニーとレザムルーズに接しているんですね。大盤振る舞い・・と言うか、たった0.1ヘクタールだったとしても、
「単独で出して欲しい・・」
とも思っちゃいます。まぁ、そうはできない理由が有るんでしょうけどね。
リアルワインガイド的には、ユドロ=バイエの2015年は、ボンヌ=マールを除き酸がやや不足気味、果実はたっぷりだがミネラリティが後退している・・との分析ですが、noisy 的には決してそのようにネガティヴなイメージは無く、むしろ「豊かな2015年のシャンボールを見事に表現している」と感じました。
そもそもシャンボールのワインは、石灰系のカチンと硬いミネラリティが豊富ですから、果実が少ないとかなり硬く感じます。
まぁ、ルイ・ユエランなどのシミジミ系エキスのワインを皆さんは飲まれていらっしゃるでしょうから判ると思うんですが、基礎的にはやはり「硬質」なミネラリティなんですね。それがタップリ有るので、発酵のコントロールが非常に難しい・・。日本酒でも硬い水の蔵は、「ほっとくと早く湧いてしまう」、つまり発酵温度が高くなり過ぎて(酵母の活動が旺盛で)発酵期間が短くなってしまうので苦労する・・などと言われるように、湧き過ぎないようにしないと荒々しい味わいになってしまいます。
そんなタップリ存在する硬質なミネラリティを覆うように果実が存在するのがシャンボール=ミュジニーのワインなんですね。ルーミエさんしかり、グロフィエさんも、ユドロ=バイエさんも・・同様です。要は、
「豊かなヴィンテージ故に瓶熟期間がまだ足りていない」
と言えます。なので、時が来れば一体となり、キッチリしたエキスへと変貌し、その辺りの違和感は無くなると判断しています。
少なくとも1999年の時のような、やや酸の少ないヴィンテージとは同じでは無いと感じています。それにリキュールのようには成って無いのは、さすがと・・エレガンスも決して欠損していないと思います。
非常にクリーミーで、滑らか、豊かな味わいでした。このようなヴィンテージですと、ほぼ・・いつ飲んでもガッカリすることは少ないと思いますよ。
また、今回は上級キュヴェの到着と言うことで、1級レ・クラ、1級レ・シャルム、特級ボンヌ=マールも届いています。毎年出来るだけ1級も飲んでいるんですが、現状、このシャンボールV.V.を飲んでみて安心できたこと、また、余りにテイスティングしなくてはならないアイテムが後ろに沢山控えていることから、1級のテイスティングは留めています。
ユドロ=バイエらしく、しかも健康で優良なヴィンテージを見事に反映している出来映えです。
それに、実はほとんどがフランス国内で消費されてしまいますので、ユドロ=バイエのワインは海外には余り出回らないんですね。事実海外からのオファーなどを見ても、リストにユドロ=バイエが掲載されていることはまず・・有りません。
評価の方も、海外の評価機関になされることは非常に珍しいです。因みに2012年のボンヌ=マールは、アドヴォケイトが95~97Points と「おったまげ~」な評価をしていました。ご検討いただけますと幸いです。
以下は以前のコメントです。
━━━━━
【激旨です!2014年は果皮の濃度がもの凄いです!】
こう見ると、そんなに濃くは見えないんですけどね・・。実際に飲んでみると、
「果皮がめちゃ濃い!」
ことに気付かれるでしょう。
さすがに1級のレ・シャルムとレ・クラは、2014年に関しては間違えて持って帰らなかったので・・飲んではいないんですが、コトー・ブルギニヨンからして果皮の濃度の凄さが有りました。勿論ですが、ACブルもオート=コートもその傾向にあり、今回、村名シャンボールV.V.をテイスティングして、2014年のユドロ=バイエの味わいの傾向が読めた・・と思っています。
とにかく果皮の濃度が凄いので、これ、熟したらとんでも無いことになるんじゃないかと思うんですよ。2013年のユドロ=バイエは史上最高の仕上がりで、リアルワインガイドもぶっ飛んだ評価になっていました。
で、先ほどリアルの2014年の評価を見てみると・・なるほどね・・ほとんど同じように感じてたんじゃないかな・・と推測出来ました。何故って・・
リアルの評価は、2013年ものについては早くから美味しい、そして現在のポイントが高い、またポテンシャル点も高い・・というものです。2014年については、現在のポイントは0.5点~1点ほど2013年より低く、ポテンシャル点は2013年とほぼ同様か、わずかに低い・・と言うものです。ただしこのシャンボールV.V.に関しては、2013年ものよりも2014年が0.5点、ポテンシャル点も凌駕しています。
つまり、
「現在の点はわずかに低く、ポテンシャル点はほぼ同様・・もしくは0.5点ほど低い」
と表している訳で、これは、
「現在はやや硬めだけれど熟したら平年以上の味わい」
と判断しているのでしょう。
もしそうだとするなら全く同感です。2013年はリリース時からとてもバランスに優れ、美味しかったです。2014年は下級クラスになればなるほど、その果皮の濃度の高さが見やすいので、下は今でも美味しいけれど、上のクラスは「まだ仕上がりきらない」と言うことなんですね。
なので、ユドロ=バイエ的「プチ・ヴァン・ド・ガルド」な2014年・・と言えるかな・・と思います。
基本的にはいつも美味しい果実感たっぷりのユドロ=バイエと同様です。果皮の濃度が凄いので、今飲むと勿体無い感が出てしまうんですね。素晴らしい仕上がりになっていると思われます。
1級のレ・シャルム、レ・クラ、グラン・クリュのボンヌ=マールは飲めませんで、是非、リアルワインガイド第54号も仕入れていただいて・・お読みくださると有り難いです。
また、今回はボンヌ=マールを6本も!・・いただけましたので、お祝いで・・できるだけやりたくないアソートメント・セットを組んでいません。組んではいないが、
「村名以上を1本以上ご購入ください」
と、緩やかなアソートになっています。
まぁ、やはりボンヌ=マールだけの販売・・と言うのは厳しいんですね・・すみません。それでも、
「生産量は2樽、600本」
ですから、1パーセントもいただいて?いる訳で、他のワインも頑張って売らないと申し訳が立たない・・と妙な義理を感じています。
素晴らしいヴィンテージになったユドロ=バイエです。是非ともご検討くださいませ。
以下は昨年のコラムより転載しています。
━━━━━

いや~・・美しい色ですね~!凛とした赤が強めの紫の色合いに、ググググッと心を引き寄せられてしまいました。
何せ・・1級レ・クラですから・・。あれ?・・もしかして冒頭の文章を読まれてない?・・実はそうなんですよ。寄る年波には勝てず、村名V.V.を掴んで自宅に向かったはずが、コルクを抜くまで、それが貴重な「1級レ・クラ」だと言うことに全く気付きもせずに、開けてしまったんですね~。
ん~、さすがドミニク・ル・グレン!・・村名にも良いコルク使ってるじゃん!・・と思いきや、「PremierCru les Cras」の文字を見た時は、
「・・・やっちまったな!」
と思ったのですが、まぁ・・
「男は黙って」
「全部飲む!」
と決め、カミさんと二人で「ペロッ」と飲んでしまいました。
「いや~・・メッチャ美味しい!」
そりゃぁそうです。1級レ・クラですから・・本当は村名V.V.の予定だったんすから・・。
しかし、それにしても旨い。それにちゃんと飲めてしまうんですね~!。リアル50号はこの2013年レ・クラにポテンシャル94点付けてますが、理解出来る評価です。
香ばしい樽のニュアンスから、根底にシャンボールの滑らかな絹ごしテクスチュアと白く細やかな石灰がマンモス状に有り、むしろジュヴレ的な鉄っぽいミネラリティがその上に基礎を造っています。そこからワイルドベリーやらブラックベリー、チェリーなどのフルーツのニュアンスを、少し厚みのあるボディで表現してくれます。厚いと言ってもブルゴーニュに有って全く違和感の無いもので、エレガンス、質感が伴い、素晴らしく美味しく感じてしまいます。
「・・・素晴らしいな~・・」
と思いつつも、余りにスルスル飲めてしまうので・・
「あ・・明日の分が無い・・」
と思ったのですが・・男は黙って・・を思い出し、結局全部飲んでしまいました!
まぁ~・・素晴らしいワインでした。この先30年はしっかり持つでしょう。そしてグラン・クリュ・ミュジニーのように、「香りは良いけど味わい・テクスチュアが硬くて・・20年経ってもまだでした!」と言うことは少ないと思います。
レ・シャルムの方は飲んでいません・・(飲めないですよ~・・少ないんで!)が、リアル50号ではレ・クラに一歩及ばないような評価になっています。レ・クラよりも石灰系ミネラリティや透明度の強いガラスのようなミネラリティがより多い・・つまり硬い質なレ・シャルムは、どうしてもそのような評価になりますが、ある意味・・よりミュジニー的であるとも言えます。香りが強く、硬いワインですね。なので、スタイリッシュな味わいがお好きでしたらレ・シャルム、ふくよかな、やや柔らかみのある味わいが好きならレ・クラと言う様な選択で良いと思います。
まだまだリーズナブルです!このようなプライスで購入できるシャンボール1級は他にはそうそう見当たらないでしょう!素晴らしい2013年!是非ご検討くださいませ。
以下は2012年の時のコメントです。
━━━━━
【高くなりましたが・・それでも1級でこのプライス!!ユドロ=バイエのポテンシャルを想像すると信じられない!】 まぁ、この円安ドル高ユーロ高ですから、さらには、収穫量の少ない年にはほぼ値上がりするブルゴーニュに有って、「有り得ない価格」だと思うユドロ=バイエのシャンボール1級です。
すでにユドロ=バイエは15年前のルーミエさんの立ち位置には到達し、さらに一歩ずつ前進しているように思いますから、近い将来、気付いた時には入手できないワインになっていることでしょう。長熟ながら、おそらく今すぐ飲むことは問題無いでしょう。夏の間に飲むのが最短で、それ以降は少なくとも2年以上置いてください。ルーミエさんの赤い果実も良いですが、ユドロ=バイエの紫掛かった果実も心を揺さぶります。超お奨めの生産者です!お早めにどうぞ。
以下は以前のコメントです。
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【レ・シャルム飲みました・・・!素晴らしいです!】 今回は1級レ・シャルムを飲んでみました。村の中央部にある、比較的力強いと言われる1級です。紫・赤の果実が凝縮していて、しかもとても締まっています。余分な・・とか、太めな・・という表現は全く似つかわしくなく、とても筋肉質なのにたっぷりしているんです。エレガンスが有る・・と云うことなのでしょう。酸味も複雑性を持ち、余韻の減衰はとてもリニア!・・長く果実とミネラルのニュアンスを残してくれます。そして、それが実に心地良い!
時間を経ると、まさに香しい香りを出してきます。艶っぽい、少しエロい感じにも取れます。淑女が熟女か・・その辺りの受け取り方は人それぞれでしょうか。いずれにしても構造もしっかり、コアがバッチリ、膨らみも節度を持ちつつしっかりで、言う事無いです。
一方のレ・クラはまだ飲んでいません。レ・シャルムより、よりエレガンスに振った味わいになると思います。少し赤い感じが増えるかな?とも想像していますが、こちらもまず間違いの無い選択になるでしょう。リアルではレ・シャルム、レ・クラとも91~92という評価でした。
どちらも(一方はおそらく・・)嬉しい事ですが、今飲んでもとっても美味しい(はず)です。今はまだ、レ・シャルムを開けた残りを店に置いてありますので、時折香りをチェックしたりしていますが、実に素晴らしいです。2009年、グエンさんは最高のワインを造ったと・・思います。お奨めします!是非ご購入ください!一推しです!
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2022 Bonnes-Mares Grand Cru
ボンヌ=マール・グラン・クリュ
【マシュー・ヘミングMWは上値96ポイント!ヴィノス・ニール・マーティン氏は95ポイント、バーガウンド・アラン・メドウズ氏は94ポイントと、かなりの評価が付くようになって来ました!!】
まぁ・・価格も上昇しましたので、1級レ・ボルニックに人気が移るのも判りますが、やはりそこは流石のグラン・クリュ・ボンヌ=マール、半世紀以上にも渡る熟成の可能性を秘めたポテンシャルの高いワインですから・・2022年と言う見事なヴィンテージを考えても、何とか入手しておく手は有ると思います。たった2樽ですから・・
そして、余りに2022年シャンボール=ミュジニー1級レ・シャルムが素晴らしいので、海外メディアの評価を楽しみに検索してみたんですが、マシュー・ヘミングMWが、
「94~96 Points」
と、ようやくリアルワインガイド並みの評価を出して来ましたので、
「日本人風の感性が海外に受け入れ始めた」
とも感じます。
noisy はもはや余り出歩きはしないので、都内に行くのも稀ですが、それでも出かけると・・
「兎に角、外人さんが多い!」
ですし、彼らが向かう先は、美味しい日本食だったり、日本的な文化を感じられる神社仏閣や公園、そしてコンパクトながら海外には余り存在しない四季の自然を味わうのでしょう。
そんな彼らが日本にいらして日本文化に触れ、かなりのショックを受けて・・もう帰りたくないとか日本に住みたいとか、日本人になりたい・・方までいらっしゃる訳ですから、
「日本人的感性も輸出されている!」
と確信しています。
そしてユドロ=バイエも以前とは異なり、
「全く甘く無いエレガントで、でも美しく集中したブルゴーニュ・ワイン!」
になっています。ご検討くださいませ。
【この質感!・・どんどん美しく繊細になって行く見事な姿!・・ミュジニーにも似ているしクロ・デ・ランブレ―にも・・クロ・ド・タールは僅かかも!】--以前のレヴューです。

「あれ?・・ボンヌ=マール、開けちゃったの?」
「・・いや、A.C.ブルじゃないの?・・文字は B からで似てるし・・」
いやいや・・ボンヌ=マール2018年 ユドロ=バイエですよ。間違いありません。今回は12本、いただけましたし、リアルワインガイド70号には掲載されなかったですし、この際、
「ん~・・偉そうに言ってても、飲んでないでしょ?・・なんて言われたらな~・・」
と言うようなネガティヴな感覚も有り、開けてしまったんですね。
でも開けて良かったですよ。飲めても「一口」「グラス一杯」が良いところで、時間の経過も見られないし、じっくりと向き合う機会が有ると全然違うんですね。
そもそもボンヌ=マールは、モレ=サン=ドニの南端からシャンボール=ミュジニーの北端に掛けて存在する1級畑です。モレ=サン=ドニ側は「クロ・ド・タール」と接しています。クロ・ド・タールの北側が「クロ・デ・ランブレイ」です。そしてモレ側のボンヌ=マールは今はルイ・ジャドが持っているはずなので、他の造り手さんはシャンボールの村の畑だと思います。
しかしながら中々にボンヌ=マールとはどんなワインか・・は言うのは難しいです。理由は・・
「それぞれ結構に違うから」
と言うのも有りますが、
「長命だとの話しに持ち主が怯え、手を出さないパターンが多い」
と言うのが一番かと・・(^^;;
でも、時には若くして飲んでみるのも、実に楽しいものですよ。最初から全てを期待して臨むのではなく、相手がどう出てくるかを見ながら、
「・・あ、そう来るのね・・じゃぁ・・」
みたいな・・(^^
ボクサーなら、次は右フックが来ると判っているのなら、ただ単に左に避けちゃ・・パンチを喰らっちゃいますが、ワインファンは逆ですよ。右フックが来そうだと思ったら、左の頬を出してあげないと。
だけど、人間は時に「自然な反射」で危なくない方へ逃げてしまう場合も有りますし、反対に左ストレートを打ち込んじゃったりして。

ボンヌ=マールは、たいていの場合は3種類で分けられます。「土っぽい感じが多いタイプ」と「香りが結構にしっかり有るミュジニーに似たタイプ」、そして「その混合タイプ」です。どちらの場合もミュジニーより重厚でタンニンもそれなりに有り、しっかりと造れれば呆れる位の寿命を持っていると思われます。ミュジニーかボンヌ=マールか・・どっちが寿命が長いかは微妙ですが、むしろミュジニーの方が早めに本性を見せてくれるかもしれません。
ユドロ=バイエの場合は「香りが結構にしっかりあるミュジニーに似たタイプ」に分類したいですね。ミュジニーよりは線の太い感じでは有りますが、底の方から湧き上がってくるかのような感じで凄みが有ります。ハツラツとしてピュアですが、発散の度合いはミュジニーに叶わないかな・・と思います。しかし、ワイン単体のバランスとしてみますと、むしろミュジニーよりも優れているかとも思います。
あ、ちゃんとボンヌ=マール2018年ですよ。ブルゴーニュ・ピノ・ノワールでは有りません。見た感じでも凄みが有るでしょう?
ユドロ=バイエらしく「紫の果実」が「紫を何層にも塗り重ねたようなやや黒っぽい色」に見えます。抜栓直後は、そんな群生した小果実がてんこ盛りで感じられます。
しかし・・しかしです。30分も経過しますと・・素晴らしいですね~・・こんどは超繊細なテクスチュアとアロマが湧き上がって来ます。「一瞬ルーミエ」ならぬ、「一瞬ヴォギュエ」ならぬ、「一瞬ミュジニー」です。香りの上りの細やかな部分も、それ以前の「ぶっとい感じ」とは異なってるんですね。
ここまで来ますと・・「激旨」です。
なにしろ・・滅茶密度が高い液体ですから、口内でその液体を「すり潰す」ようにして味わうことが可能です。滅茶充実しているのにエレガント・・綺麗なんだけれど腰の低いところから凄みみたいなものがフツフツと上がって来ます。
これは上質なお料理と合わせたいなぁ・・と感じます。結構に懐が深いのがボンヌ=マールと言うワインです。
でも・・黙ったままウンともスンとも言わない・・だけれどいつかきっと開いてくれるに違い無いボンヌ=マールにも出会っていますし、コルクが石化して、外界とツーカーになっているのに、相当美味しい状態の70年もののボンヌ=マールにも出会っています。
この2018年もの、ヴィノスでは96ポイントと言う評価でした。noisy 的には、今飲んで 94ポイント、ポテンシャル 97+ポイント 飲み頃予想(寿命 13度保存で) 飲みたい時~2080年 とさせていただきます。ご検討くださいませ。
━━━━━
【2017年も万全!・・頑張って価格も出しましたし、前年よりも値下げ!是非ご検討ください。】 年々上昇する価格に比べ、我々のサラリーはたいして増えず・・欲しいブルゴーニュワインの数を減らすか、頑張ってもっと稼ぐか・・(^^;; いや、中々そうは行かないですよね。
ただしブルゴーニュの生産者さんにとっても状況は同じで、増えない地所からさらに少ない収量で上質なワインを造りつつ、毎年少しずつでも収入を上げないと生活が困難になるのは確かです。
なので、今までのブルゴーニュワインは品質や人気、需要と供給バランスに比較すると安かったんだと・・言うことなのでしょう。ある程度の生産本数が見込めるボルドーの格付けものとは、全く比較できない訳ですから。
なのでこのグエンさんのトップ・キュヴェたるボンヌ=マールも、この位は仕方が無いのかと思うんですね。
とはいえ・・上記のように我々も厳しい・・でもお客様にも何とか購入していただきたい・・ので、販売条件は緩くさせていただきました。また価格も何とか大台を超えないように・・頑張りましたので、何か1本でもお付き合いくださいませ。
2016年ものボンヌ=マールはリアルワインガイド第66号もポテンシャル96ポイントとと、グレートワインの仲間入りをキープしています。偉大な2015年ものもポテンシャル96ポイント、素晴らしかった2014年ものも95+ポイントですから、トップレベルのキープと言うことでしょう。
希少なワインです。お早めにご建都くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【とても豊かなまん丸いパレット!芳醇な小果実が凝縮しています!ビッグヴィンテージ!】
非常に豊かな味わいになった2015年のユドロ=バイエです。ACブルゴーニュの出来も素晴らしく、しかし果実の強靭さから、まだ少し早いか・・と感じるので、むしろコトー・ブルギニヨンの、ガメが混じった感じが、今絶好調に旨いと思わせてくれます。
2015年ものの上級キュヴェが届き、早速シャンボール=ミュジニーV.V.を飲んでみました。いや・・やっぱりユドロ=バイエらしいシャンボールでした。果実が満載でエキスもキッチリ、酸のバランスもまん丸で、健康的な・・と言うか、それこそ昔は「健康優良児」って言われたんですが・・知らないかな?・・良く小学校の時に健康優良児が表彰されてたんですけどね・・ちょっとだけ太目だけど運動神経も頭も良い感じの子がね・・。いや、noisy はダメでしたよ。太ってはいませんでしたしね・・おっ。。と。
非常に良く出来ていると思います。「すでに完成しているのか?」と問われるとするなら、「完成にはもう少し掛かるかも・・」と答えますが、今の状態で非常に旨いです。ムンムン系・・ですね。良く香るしほんのりジャミーだしポテンシャルも伝わってくるし・・。シャンボールV.V.は1級レ・シャルムに良く似たニュアンスが有ると感じています。
でも幾つかの畑をブレンドしているんですが、レ・シャルムにも近い「レ・ボルニック」と言う1級のヴィエイユ・ヴィーニュのリューディの葡萄も入ってまして、この畑は何と、ミュジニーとレザムルーズに接しているんですね。大盤振る舞い・・と言うか、たった0.1ヘクタールだったとしても、
「単独で出して欲しい・・」
とも思っちゃいます。まぁ、そうはできない理由が有るんでしょうけどね。
リアルワインガイド的には、ユドロ=バイエの2015年は、ボンヌ=マールを除き酸がやや不足気味、果実はたっぷりだがミネラリティが後退している・・との分析ですが、noisy 的には決してそのようにネガティヴなイメージは無く、むしろ「豊かな2015年のシャンボールを見事に表現している」と感じました。
そもそもシャンボールのワインは、石灰系のカチンと硬いミネラリティが豊富ですから、果実が少ないとかなり硬く感じます。
まぁ、ルイ・ユエランなどのシミジミ系エキスのワインを皆さんは飲まれていらっしゃるでしょうから判ると思うんですが、基礎的にはやはり「硬質」なミネラリティなんですね。それがタップリ有るので、発酵のコントロールが非常に難しい・・。日本酒でも硬い水の蔵は、「ほっとくと早く湧いてしまう」、つまり発酵温度が高くなり過ぎて(酵母の活動が旺盛で)発酵期間が短くなってしまうので苦労する・・などと言われるように、湧き過ぎないようにしないと荒々しい味わいになってしまいます。
そんなタップリ存在する硬質なミネラリティを覆うように果実が存在するのがシャンボール=ミュジニーのワインなんですね。ルーミエさんしかり、グロフィエさんも、ユドロ=バイエさんも・・同様です。要は、
「豊かなヴィンテージ故に瓶熟期間がまだ足りていない」
と言えます。なので、時が来れば一体となり、キッチリしたエキスへと変貌し、その辺りの違和感は無くなると判断しています。
少なくとも1999年の時のような、やや酸の少ないヴィンテージとは同じでは無いと感じています。それにリキュールのようには成って無いのは、さすがと・・エレガンスも決して欠損していないと思います。
非常にクリーミーで、滑らか、豊かな味わいでした。このようなヴィンテージですと、ほぼ・・いつ飲んでもガッカリすることは少ないと思いますよ。
また、今回は上級キュヴェの到着と言うことで、1級レ・クラ、1級レ・シャルム、特級ボンヌ=マールも届いています。毎年出来るだけ1級も飲んでいるんですが、現状、このシャンボールV.V.を飲んでみて安心できたこと、また、余りにテイスティングしなくてはならないアイテムが後ろに沢山控えていることから、1級のテイスティングは留めています。
ユドロ=バイエらしく、しかも健康で優良なヴィンテージを見事に反映している出来映えです。
それに、実はほとんどがフランス国内で消費されてしまいますので、ユドロ=バイエのワインは海外には余り出回らないんですね。事実海外からのオファーなどを見ても、リストにユドロ=バイエが掲載されていることはまず・・有りません。
評価の方も、海外の評価機関になされることは非常に珍しいです。因みに2012年のボンヌ=マールは、アドヴォケイトが95~97Points と「おったまげ~」な評価をしていました。ご検討いただけますと幸いです。
以下は以前のコメントです。
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【激旨です!2014年は果皮の濃度がもの凄いです!】
こう見ると、そんなに濃くは見えないんですけどね・・。実際に飲んでみると、
「果皮がめちゃ濃い!」
ことに気付かれるでしょう。
さすがに1級のレ・シャルムとレ・クラは、2014年に関しては間違えて持って帰らなかったので・・飲んではいないんですが、コトー・ブルギニヨンからして果皮の濃度の凄さが有りました。勿論ですが、ACブルもオート=コートもその傾向にあり、今回、村名シャンボールV.V.をテイスティングして、2014年のユドロ=バイエの味わいの傾向が読めた・・と思っています。
とにかく果皮の濃度が凄いので、これ、熟したらとんでも無いことになるんじゃないかと思うんですよ。2013年のユドロ=バイエは史上最高の仕上がりで、リアルワインガイドもぶっ飛んだ評価になっていました。
で、先ほどリアルの2014年の評価を見てみると・・なるほどね・・ほとんど同じように感じてたんじゃないかな・・と推測出来ました。何故って・・
リアルの評価は、2013年ものについては早くから美味しい、そして現在のポイントが高い、またポテンシャル点も高い・・というものです。2014年については、現在のポイントは0.5点~1点ほど2013年より低く、ポテンシャル点は2013年とほぼ同様か、わずかに低い・・と言うものです。ただしこのシャンボールV.V.に関しては、2013年ものよりも2014年が0.5点、ポテンシャル点も凌駕しています。
つまり、
「現在の点はわずかに低く、ポテンシャル点はほぼ同様・・もしくは0.5点ほど低い」
と表している訳で、これは、
「現在はやや硬めだけれど熟したら平年以上の味わい」
と判断しているのでしょう。
もしそうだとするなら全く同感です。2013年はリリース時からとてもバランスに優れ、美味しかったです。2014年は下級クラスになればなるほど、その果皮の濃度の高さが見やすいので、下は今でも美味しいけれど、上のクラスは「まだ仕上がりきらない」と言うことなんですね。
なので、ユドロ=バイエ的「プチ・ヴァン・ド・ガルド」な2014年・・と言えるかな・・と思います。
基本的にはいつも美味しい果実感たっぷりのユドロ=バイエと同様です。果皮の濃度が凄いので、今飲むと勿体無い感が出てしまうんですね。素晴らしい仕上がりになっていると思われます。
1級のレ・シャルム、レ・クラ、グラン・クリュのボンヌ=マールは飲めませんで、是非、リアルワインガイド第54号も仕入れていただいて・・お読みくださると有り難いです。
また、今回はボンヌ=マールを6本も!・・いただけましたので、お祝いで・・できるだけやりたくないアソートメント・セットを組んでいません。組んではいないが、
「村名以上を1本以上ご購入ください」
と、緩やかなアソートになっています。
まぁ、やはりボンヌ=マールだけの販売・・と言うのは厳しいんですね・・すみません。それでも、
「生産量は2樽、600本」
ですから、1パーセントもいただいて?いる訳で、他のワインも頑張って売らないと申し訳が立たない・・と妙な義理を感じています。
素晴らしいヴィンテージになったユドロ=バイエです。是非ともご検討くださいませ。
以下は昨年のコラムより転載しています。
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いや~・・美しい色ですね~!凛とした赤が強めの紫の色合いに、ググググッと心を引き寄せられてしまいました。
何せ・・1級レ・クラですから・・。あれ?・・もしかして冒頭の文章を読まれてない?・・実はそうなんですよ。寄る年波には勝てず、村名V.V.を掴んで自宅に向かったはずが、コルクを抜くまで、それが貴重な「1級レ・クラ」だと言うことに全く気付きもせずに、開けてしまったんですね~。
ん~、さすがドミニク・ル・グレン!・・村名にも良いコルク使ってるじゃん!・・と思いきや、「PremierCru les Cras」の文字を見た時は、
「・・・やっちまったな!」
と思ったのですが、まぁ・・
「男は黙って」
「全部飲む!」
と決め、カミさんと二人で「ペロッ」と飲んでしまいました。
「いや~・・メッチャ美味しい!」
そりゃぁそうです。1級レ・クラですから・・本当は村名V.V.の予定だったんすから・・。
しかし、それにしても旨い。それにちゃんと飲めてしまうんですね~!。リアル50号はこの2013年レ・クラにポテンシャル94点付けてますが、理解出来る評価です。
香ばしい樽のニュアンスから、根底にシャンボールの滑らかな絹ごしテクスチュアと白く細やかな石灰がマンモス状に有り、むしろジュヴレ的な鉄っぽいミネラリティがその上に基礎を造っています。そこからワイルドベリーやらブラックベリー、チェリーなどのフルーツのニュアンスを、少し厚みのあるボディで表現してくれます。厚いと言ってもブルゴーニュに有って全く違和感の無いもので、エレガンス、質感が伴い、素晴らしく美味しく感じてしまいます。
「・・・素晴らしいな~・・」
と思いつつも、余りにスルスル飲めてしまうので・・
「あ・・明日の分が無い・・」
と思ったのですが・・男は黙って・・を思い出し、結局全部飲んでしまいました!
まぁ~・・素晴らしいワインでした。この先30年はしっかり持つでしょう。そしてグラン・クリュ・ミュジニーのように、「香りは良いけど味わい・テクスチュアが硬くて・・20年経ってもまだでした!」と言うことは少ないと思います。
レ・シャルムの方は飲んでいません・・(飲めないですよ~・・少ないんで!)が、リアル50号ではレ・クラに一歩及ばないような評価になっています。レ・クラよりも石灰系ミネラリティや透明度の強いガラスのようなミネラリティがより多い・・つまり硬い質なレ・シャルムは、どうしてもそのような評価になりますが、ある意味・・よりミュジニー的であるとも言えます。香りが強く、硬いワインですね。なので、スタイリッシュな味わいがお好きでしたらレ・シャルム、ふくよかな、やや柔らかみのある味わいが好きならレ・クラと言う様な選択で良いと思います。
まだまだリーズナブルです!このようなプライスで購入できるシャンボール1級は他にはそうそう見当たらないでしょう!素晴らしい2013年!是非ご検討くださいませ。
以下は2012年の時のコメントです。
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【高くなりましたが・・それでも1級でこのプライス!!ユドロ=バイエのポテンシャルを想像すると信じられない!】 まぁ、この円安ドル高ユーロ高ですから、さらには、収穫量の少ない年にはほぼ値上がりするブルゴーニュに有って、「有り得ない価格」だと思うユドロ=バイエのシャンボール1級です。
すでにユドロ=バイエは15年前のルーミエさんの立ち位置には到達し、さらに一歩ずつ前進しているように思いますから、近い将来、気付いた時には入手できないワインになっていることでしょう。長熟ながら、おそらく今すぐ飲むことは問題無いでしょう。夏の間に飲むのが最短で、それ以降は少なくとも2年以上置いてください。ルーミエさんの赤い果実も良いですが、ユドロ=バイエの紫掛かった果実も心を揺さぶります。超お奨めの生産者です!お早めにどうぞ。
以下は以前のコメントです。
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【レ・シャルム飲みました・・・!素晴らしいです!】 今回は1級レ・シャルムを飲んでみました。村の中央部にある、比較的力強いと言われる1級です。紫・赤の果実が凝縮していて、しかもとても締まっています。余分な・・とか、太めな・・という表現は全く似つかわしくなく、とても筋肉質なのにたっぷりしているんです。エレガンスが有る・・と云うことなのでしょう。酸味も複雑性を持ち、余韻の減衰はとてもリニア!・・長く果実とミネラルのニュアンスを残してくれます。そして、それが実に心地良い!
時間を経ると、まさに香しい香りを出してきます。艶っぽい、少しエロい感じにも取れます。淑女が熟女か・・その辺りの受け取り方は人それぞれでしょうか。いずれにしても構造もしっかり、コアがバッチリ、膨らみも節度を持ちつつしっかりで、言う事無いです。
一方のレ・クラはまだ飲んでいません。レ・シャルムより、よりエレガンスに振った味わいになると思います。少し赤い感じが増えるかな?とも想像していますが、こちらもまず間違いの無い選択になるでしょう。リアルではレ・シャルム、レ・クラとも91~92という評価でした。
どちらも(一方はおそらく・・)嬉しい事ですが、今飲んでもとっても美味しい(はず)です。今はまだ、レ・シャルムを開けた残りを店に置いてありますので、時折香りをチェックしたりしていますが、実に素晴らしいです。2009年、グエンさんは最高のワインを造ったと・・思います。お奨めします!是非ご購入ください!一推しです!
ブリューノ・デゾネイ=ビセイ
ブリューノ・デゾネイ=ビセイ
フランス Bruno Desaunay-Bissey ブルゴーニュ

● 一体・・どうやったらこんなに変われるのか・・と驚かされた2022年のデゾネイ=ビセイの村名をご紹介させていただきます。
すでにA.C.ブル2アイテムと1級以上のキュヴェはご案内させていただきました。非常なポテンシャルを感じるワインでしたが、何せ主力とも言える村名を飲めていなかったので、今一つ「推し・押しの強さ」に欠けるご案内になっていたかもしれません。
しかしながら、コート・ド・ニュイの顔とも言える「ジュヴレ=シャンベルタン」、「シャンボール=ミュジニー」、「ヴォーヌ=ロマネ」、「ニュイ=サン=ジョルジュ」と言う綺羅星のごとくの村名の畑たちを持つデゾネイ=ビセイですから、
「素晴らしい仕上がりになったが、遅霜などの対応が難しいヴィンテージでも有ったはずの2022年」
と言うことを考えると、
「これだけ広域に渡っての醸造だと、もしかしたら今一つのアイテムが有るかも・・」
と言う不安も有ったんですね。
なので入荷数は少ないのですが、全アイテムのテイスティングをさせていただいたデゾネイ=ビセイの2022と言うことになります。
結果は、
「心配は無用だった・・どころでは無く、どうしてこれほどまでにエレガントにふっくら、そして微細なテロワールを美しく描き出せたのか・・」
と思えるほど、素晴らしい出来でした。デゾネイ=ビセイからのメッセージをご覧ください。
2022年は1年中暑く乾燥していて畑仕事は非常にやりやすかった。適当な雨量もあって水不足に苦しむこともなく、葡萄の健康状態は良好で収穫量も比較的多かった。2020年のようにエネルギッシュでパワフルな味わいのヴィンテージだが、同時に柔らかい口当たりとエレガントさも兼ね備えており、バランスの取れた素晴らしいヴィンテージになっている。2022年ヴィンテージからラベルデザインを変える予定。
どうやらドメーヌとしますと何も苦が無かったヴィンテージと言う位ですから、そこからも「良いヴィンテージだった」ことが伺えます。飲んでいても非常に心地良く、この何年かのデゾネイ=ビセイのSo2の少ない・・ふんわりとしたエキスの飲み心地良く酔い覚めさえも心地良いワインに仕上がっています。
今飲んでも美味しく、10年以上に渡って熟成してくれるポテンシャルが有ります。ぜひご検討くださいませ。
素晴らしい仕上がりになった2022年のデゾネイ=ビセイをご紹介させていただきます。
美しくエレガントで、ある意味「何も衣服を着ていない状態」だった・・リリース直後からめっちゃ美味しい状態だった2021年ものとは異なり、特に上級キュヴェの仕上がりは「成熟中」で・・
「より多くの要素を詰め込むことが出来、その溶け込みを待っている状態」
が今の状況です。
今回は全部のアイテムを書き切れませんので、
「美味しくのめる下級キュヴェと、少し待って欲しいトップキュヴェたち」
をご紹介させていただきます。
価格の方も、
「世の中で一番リーズナブルでポテンシャルの高いヴォーヌ=ロマネ」
と言えるでしょう。グラン=ゼシェゾーでも5万円切り・・セシルの存在で一躍有名になった1級レ・ルージュに至っては1万円台というリーズナブルさです。実は Noisy wine も身を切る厳しさで利幅を抑え、何とか実現していますので・・ぜひお早めにご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。
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2021年のデゾネイ=ビセイをご紹介させていただきます。
2021年ものはご存じの通り、遅霜の影響が大で・・初夏から夏の天候も今一つで、その後回復したものの収量は少なく・・と言う流れでした。ビセイさんちのコメントをご覧ください。
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2021年は4月に霜が降りて場所によっては大きな被害が出てしまった。開花期の天候も雨が多くて冷涼だったので葡萄の成熟がとても遅く、さらに局所的ではあるが雹も降ってしまった。
7月になっても気温が低くて雨も毎日のように降っていたので葡萄はなかなか成長しなかったが、8月に入ると気温が上がって葡萄畑も乾燥してきたので徐々に葡萄は色付いていった。収穫は9月下旬に行って、霜などの影響で全体的に40%減の収穫量だったが、素晴らしい酸味とバランス良い糖度の葡萄を収穫することが出来た。2021年のワインはチャーミングな果実味とフレッシュさがあってとてもバランスが取れており、ピノノワールらしい飲みやすい味わいになっている。また、「Chambolle-MusignyCombed`Orveaux」について、2021年から「Combed`Orveaux」以外の畑も混ぜるようになったため、ラベルから「Combe d`Orveaux」の表記を外している。
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2020年ものが超濃厚で、しかし冷ややかで甘く無い酒質のデゾネイ=ビセイのワインは、リリース直後からとても美味しく飲めました。
2021年ものは・・まさに2020年ものとは正反対の、
「激~超エレガント型!」
でして、ほぼ素っ裸のブルゴーニュ・ピノ・ノワールの真の姿を見せてくれます。
その分、仕上がりは遅く、ようやっとA.C.ブルが滅茶美味しくなって来たところで・・ベースの村名(ジュヴレとニュイ=サン)、上の村名(シャンボールとヴォーヌ=ロマネ)、1級(レ・ルージュとレ・ボーモン)、グラン・クリュ(グラン=ゼシェゾーとエシェゾー)の順に飲み頃がやってくると確信しています。
非常にエレガントで、今は少しシミジミとした純な・・めちゃピュアな味わいですが、徐々にコア感がはっきりし、押し出しも出て来る・・素晴らしい出来です。ぜひご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
このところ毎年、大きな話題の種を振りまいてくれるドメーヌ・デゾネイ=ビセイの2020年が到着です。2019年ものでは2015年以前のビセイの姿を払拭するような、素晴らしいブルゴーニュワインを造ってくれましたので、皆さんも大いに楽しんでいただけたんじゃないかと思います。それにご案内から1年経過していた2018年ものの海外メディアの高い評価が見当たりましたので、
「あ・・noisyさん、嘘は言って無かったんだ・・」
と・・ご理解いただけたと思うんですね。昨今のデゾネイ=ビセイ..ま~・・美味しいです。勿論ですが好き嫌いは人それぞれですからね・・。noisy が・・これは薄くて辛いと感じてたとしても、その方にとっては濃くて甘い・・も有り得ますし、
「そもそも保存、臨み方、飲み方で大きく変わる」
訳ですから、なかなかに難しい問題でも有ります。そう・・どうも話しが噛み合わな過ぎるので、もう少し突っ込んで聞いてみると・・何と、
「冷蔵庫でガンガンに冷やしてビールみたいに冷たい状態で飲んでいた」
と言うことが判明しまして・・いや、ご自身の好きにしていただいて良いんですよ。でも美味しく飲むにはちょっと・・ねぇ・・。それにその方はそれが正当な飲み方で皆同じなんだ・・と言う前提になっていらしたってことがちょっとショックでした。なので、
「少なくとも冷蔵庫で冷やすのは止めてくださいね。ワインにトリートメントが掛かっちゃいますから・・」
とは申し上げておきました。・・あら、すみません・・大きく脱線しました。
で、2020年のデゾネイ=ビセイですが・・ま~・・本当に話題を振りまいてくれます・・驚くほど「濃密」で色が濃いです。・・それでもエマニュエル・ルジェさんの2020パスグラほどじゃないかな・・とは思います。
そして、アルコール分もしっかり出ています。ほぼ14.5%~15.5%の間です。ですが・・驚くほど甘く無い・・ほぼ完全発酵しています。そして、
「驚くほどその濃密な色彩が美しい!」
んですね・・。
まあ・・皆さんもご存じかと思いますが、noisy の場合・・味が濃いとか、アルコール分が強いとか・・は余り好きなタイプでは無いと・・広言していますから、
「・・はは~ん・・さては嫌いなタイプだから、何か複線でも仕込んでいるか~・・?」
とお思いの方もいらっしゃるに違い無いでしょう。まぁ・・半分は当たってますが半分は不正解・・です。
果実が濃密でエキスがしっかり濃くて・・しかし超絶に精緻でピュアでドライ、質感が物凄く良いんですね。・・今飲むと果実爆弾的・・と言いたいところ、甘く無いので・・2019年ものにも有った「ミルランダージュ的な心地良い質感」に近く、
「溢れんばかりの膨張力を閉じ込めたタイムカプセル的ポテンシャルを果皮の魅力的な味わいで楽しめる」
のが現状の味わいでして・・普通ですとこれだけ濃いと、テロワールも何もかもの要素をも判別できないような味わい・・としか感じられないと思うじゃないですか?・・
しかしながら・・そうじゃなかったんですね・・。やはりこの2020年ヴィンテージと言うのは、一言でくくれない・・凄く魅力のある年だと感じました。
濃くて強いが・・抜栓後2~3日、もしくは数日置いて再度飲むと・・
「・・あれ?・・しっとりした見事な味わいで、果実の出方からテロワールの違いさえ取れるような繊細な表情をしている」
ことに気付くはずです。
言ってしまえば、ヴォーヌ=ロマネ1級レ・ルージュの真っ赤な果実を凝縮させた繊細なテクスチュアと味わい・・に対し、ヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモンの、レ・ルージュに比較するとやや黒く凝縮したやや太めの糸を撚り合わせたような逞しい果実のパワフルさ・・のように、
「普段では気付き辛い細やかな部分をズームアップして、しかも精緻なまま感じさせてくれる!」
ことに気付くはずです。
飲めたのは1級までで・・流石にグラン・クリュには手を付けませんでしたが、同様な印象を受けると思います。
noisy も・・今までの濃いワインに対する印象を、少し転換する必要が有るなぁ・・と感じさせてくれた2020年のデゾネイ=ビセイでした。まぁ・・2003年の・・あの暑い年、アドヴォケイトは当初、「グレートイヤー」と言ってましたが・・noisy 的には「2002年の方が全然いいじゃん・・2003年はグレートだと言うには酸不足!」と感じていました・・が、
「2020年もののデゾネイ=ビセイは、美しい酸も超絶に美しいタンニンも真円のようなバランスのエキスも大量に閉じ込めた凄いワインを造った!」
と申し上げたいと思います。
今すぐ飲んでも良いです・・が、ドメーヌが言うように、やはり少し待った方が良いでしょう。ジャン=ニコラ・メオも言ってましたね・・2020年ものはさっさと飲まないでね・・と。
ですので、もしすぐ開けたいのであれば、決して1日で飲み切らず・・4~5日置いてみると良いと思います。
そして・・言い忘れましたが・・
「デゾネイ=ビセイはとにかくSo2感が少ない!」
ですから、そのテクスチュアの優しさにも驚かれるでしょう。是非飲んでみてください。よろしくお願いいたします。
■ドメーヌからの2020年ヴィンテージに対するコメント
2020年は非常に暑かった年で葡萄の成熟も早かった。特に病気の被害などはなかったが乾燥によって水分が少なかったので若干収穫量が減少した。気候的には2003年に近いが収穫時期を早める等の対策をしたので当時よりは収穫量は多い。ワインとしては色調が濃くとても凝縮したパワフルなヴィンテージで、近年では2015年や2018年に似ているが、2015年のほうがよりタニックだったし、2018年はもっと色調が淡かった。いずれにしても長熟タイプのヴィンテージと言えるだろう。
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「一体・・何が起きたんだ?」
と、2015年もの以来は毎年、テイスティングで驚きが続きました。
まるでルーミエさん風の赤果実を表現していたり、メオさん風の荘厳なディテールを見せたり・・その年によって違う姿を見せつつも、新たなヴィンテージを迎えるたびに「ジャンプアップ」を続けていました。その集大成とも思えたのが昨年の2018年ものだったんですね。
ですが海外メディアはまったく、そのデゾネイ=ビセイ2018に注目することなく、評価をする・・つまりテイスティングに臨むことすら無かったように思われました。
ですので、noisyも2018年ものは看板ワインのひとつである「エシェゾー」まで開け、デゾネイ=ビセイの実力をしっかり確かめ、お客様にご案内させていただきましたところ、モノの見事に「即完売!」をさせていただき、しかも・・
「デゾネイ=ビセイって、何か在庫有りませんか?」
とまで訊ねられるようになったんですね。もう・・隔世の感があり、noisy も大変に嬉しい思いをさせていただきました。
ところがです。2019年もの・・入荷が非常に少ないんですよ・・。売れてくれるのは有難いんですが、数が全然入って来ない訳です。3本とか、6本・・アイテム毎はそんな数字なんです。なので、2019年ものはピンポイントで2アイテムをテイスティングし、noisy なりの結論を出させていただきました。
が・・その前に・・!
「余りに飲めないので、何か情報は無いかとネット上を散々探しましたら何と!」 いや~・・びっくりしました!・・全く注目されていないし、誰も評価していないと思われた、あの凄い出来だった2018年ものを、南アフリカワインの輸入販売、そして評価にも定評のある、「ワイン・サファリのMW.グレッグ・シャーウッド」さんが、2018年ものデゾネイ=ビセイに凄い評価をしていたんですよ。いや・・驚きました。ちょっと、箇条書きですみませんが上げさせていただきますね。
Domaine Bruno Desaunay-Bissey
2018 Grands-Echezeaux Grand Cru
96 Points Greg Sherwood MW Wine Safari
2018 Echezeaux Grand Cru
95 Points Greg Sherwood MW Wine Safari
2018 Vosne Romanee 1er Cru Les Beaux-Monts
95+ Points Greg Sherwood MW Wine Safari
2018 Vosne Romanee Vieilles Vignes
94 Points
2018 Chambolle-Musigny Combe d’Orveaux Vieilles Vignes 2018
93+ Points Greg Sherwood MW Wine Safari
2018 Gevrey-Chambertin
93 Points Greg Sherwood MW Wine Safari
2018 Bourgogne Vieilles Vignes
91 Points Greg Sherwood MW Wine Safari
どうでしょう?・・気鋭のMW、グレッグ・シャーウッドさんのポイント付けのクセまではまだ分析できませんが、
「A.C.ブルでさえ91ポイント!」
って凄いですよね・・。それに、看板のレ・ボーモンはグラン・クリュ並みの95+ポイントです。noisy もテイスティングしてその品質をしっかり確かめたエシェゾーが95ポイント・・はちょっと疑問ですが・・
そして、凄かった2018年ものを比較するために、ちょっと似た赤果実表現もあるルーミエさんのアイテムを引き出してみました。こちらはシャーウッドさんのは見当たらなかったので定番のお二方を基本に拾い出してみますと・・
Domaine Georges & Christophe Roumier
2018 Bonnes-Mares Grand Cru 96~100 Points Jasper Morris - Inside Burgundy / 97 Points Tim Atkin / 95~97 Points The Wine Advocate
2018 Chambolle-MusignyLes Cras 92~95 Points Jasper Morris - Inside Burgundy / 93 Points Tim Atkin
2018 Morey-Saint-Denis Clos de la Bussiere 91~93 Points Jasper Morris - Inside Burgundy / 93 Points Tim Atkin
2018 Chambolle-Musigny 91~93 Points Jasper Morris - Inside Burgundy / 92 Points Tim Atkin
2018 Bourgogne Rouge 88~90 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
まぁ・・グランクリュはルーミエさんの勝ちかなぁ・・でもネームバリューが有りますから・・。でも1級以下は、デゾネイ=ビセイさんちがうっちゃり食わしてますよね?・・
そうは言っても評価者により基準は様々ですから、安易に「どっちがどうのこうの」とは言えませんが、少なくとも、
「ルーミエさんと張り合える実力を得た!・・もしくはそれに近いものが有る!」
と証明できるんじゃないでしょうか。
ですので、2018年のデゾネイ=ビセイをご紹介した文章には、
「今まで飲んだエシェゾーの中で一番旨い!」
「とにかくA.C.ブルでも、ヴォーヌ=ロマネでも、シャンボールでも飲んでみて下さい。必ずや脳裏に刻まれる味わいだと確信しています。」
と書いちゃってますね。でもこれ・・全てシャーウッドさんによれば、
「最低点でも91ポイント!」
ですよね・・。村名ヴォーヌ=ロマネなんて、ほぼグラン・クリュ並みの94ポイントですから・・。
で、ここからが・・短いですが、2019年ものデゾネイ=ビセイをテイスティングして引き出したnoisyのコメントです。
少なくとも2018年を超える見事な出来であることを確認しました。どこまでも延々と美しい出来の2018年ものの姿に加え、2019年ものは果実の充実度が見事に加えられています。赤い果実が集中していて、非常にドライだけれど美しく膨らんでくれます・・が、一番言いたいことは、
「そのテロワールをものの見事に表現している・・その光景が目に浮かぶように・・」
です。
もはやデゾネイ=ビセイは・・凄い生産者になったと思います。2019年もので完全テイスティングできなかったことは残念では有りますが、
「2019A.C.ブルを飲むだけできっと判るはず!」
です。
他のアイテムは取り合えず・・良いです。まぁ、非常に希少ですし、これだけ評価が付いて来てしまうと、反対に暴騰してしまうかもしれません。94ポイントも付いてしまうヴォーヌ=ロマネなんて・・飲んでみたいですよね?レ・ボーモンだって異常な高評価です。
でも、A.C.ブルが兎に角美味しい・・。美しさを極限に表現していた2018年・・・それだけの枠にとらわれず、充実した美味しさを加え、目の前にテロワールさえ描いて見せてくれる2019年です。是非ご堪能いただきたいと思います。超お勧めです!
■エージェント情報
2019年はいくつかの不安要素があった年で、冬の間はいい天気が続いていたのだが、4月に気温が下がって霜が降りた。その後は多少の気温の変化はあったものの特に大きな問題にはならなかった。夏になると強烈な暑さが続いて水不足に悩まされた。葡萄の成長も加速的に早くなったので、周囲の生産者は早めに収穫を始めたが、我々はいつも通りのスタンスで収穫を行った。なぜなら開花から100日後に収穫というのは道理にかなっていると考えており、実際に収穫の1週間前に雨が降り、それによって酷暑に苦しんでいた葡萄が凝縮したジュースを得ることができた。収穫自体は順調に進んで葡萄の状態も理想的だった。2019年のワインはとてもフルーティで口当たりがよく、余韻も心地良くてとても長いことが今後素晴らしい熟成をするであろうことを予感させている。若いワインが好きな人にはすでにとても飲みやすい味わいになっていて、熟成したワインを好む人には期待を抱かせるヴィンテージと言える。10~20年は寝かせても非常に面白いだろう。
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素晴らしい質感を身に着けた2018年のドメーヌ・ブリューノ・デゾネイ=ビセイをご紹介させていただきます。
この4年間のデゾネイ=ビセイのワインはそれ以前のものとは雲泥の差を感じますが、特に今回ご紹介させていただく2018年ものは、圧巻の素晴らしさを感じさせてくれました。質感はまるで・・「ジョルジュ・ルーミエ並み」です。ドライな黒赤果実を上品さを失わないように包み込んだかのような透明~半透明のミネラリティが、ワイン全体をコーティングしているかのようなテクスチュアに感じさせてくれます。
そして実に質の良いタンニン・・・これは意識しないとタンニンとは判らないようなニュアンスなんですが、これがこれまたバランスの良い酸と共に中心点に居座っていまして、およそ「コア」を形成している感じなんですね。
ですので、要素を包み込んだミネラリティから少しずつ漏れてくる黒~赤果実や様々な複雑なニュアンスを、とても感触良く味わうことが出来ます。・・そう、まるでルーミエさんのワインみたいな感じなんですね。
もっともルーミエさんの場合には、ほとんど「赤~黒果実」か「赤果実中心」と言うような形容の仕方をすると思うんですが、そこが「黒~赤」と「黒果実中心の赤」とかに置き換わった感じでしょうか。もしくはアペラシオンの中心がシャンボールになるルーミエさんと、ヴォーヌ=ロマネ近辺を中心にジュヴレまで足を延ばしているデゾネイ=ビセイの違いとも言えるかもしれません。もっと判りやすく比較してみるとしましたら、
「ルーミエさんを2/3、ギイヤールを1/3の割合にした感じ」
と言えるかもしれません。・・それって、かなり魅力的でしょう?
ヴィンテージ的には、エレガント系の味わいだった2017年に対し、果実・各要素の集中度を増した2018年と言え、非常に大柄です。しかも・・今回は「エシェゾー」もテイスティングさせていただきました・・。いや~・・滅茶素晴らしいです!圧巻の美しさ・密度を持っています。今飲んでも美味しく飲めてしまいますが、相当長い寿命をも持っていると思います。
そしてこの特徴は、下位のクラスから上級まで一貫しています・・このレベルはかなりビックリです。A.C.ブルからグラン・クリュまで・・そのスタイルをしっかり持っているんですね。
加えて、海外メディアもまだ全く注目していません。注目してしまったら・・・いきなりエシェゾーに96点は付けるでしょう。そうなってしまうと今度は入手が非常に難しくなってしまう可能性がある・・と言えます。
エシェゾー2018・・・飲んでみて下さいよ。下手をしますと、
「今まで飲んだエシェゾーの中で一番旨い!」
とおっしゃる方が沢山いらっしゃるんじゃないかと思いますよ。
もしくは、とにかくA.C.ブルでも、ヴォーヌ=ロマネでも、シャンボールでも飲んでみて下さい。必ずや脳裏に刻まれる味わいだと確信しています。ご検討くださいませ。
■ドメーヌによる2018年ものの印象他
2018年は冬から春にかけては寒かったが、それ以降は暖かくなり、5~6月に掛けて雨が降って少し湿度が高くなったものの病気の被害もそれほどなかった。夏は気温が高くとても乾燥したので葡萄は良く成熟した。アルコール度数が低めで軽やかで飲みやすかった2017年と違い、2018年はアルコール度数が高めで果実味や酸味、タンニンも豊かな肉厚で飲みごたえのあるヴィンテージになっている。
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2017年のデゾネイ=ビセイです。2015年で激変してから3年目ですね。余りの変身ぶりに嬉しい気持ちでは有りますが、それでも昨年の2016年ものも、今回の2017年ものについても・・
「・・大丈夫だよな?・・進むべき道を踏み外してはいないよな・・?」
と言うような、孫を持つ爺さんのような気持ちなのかどうかは別として、心配で仕方が無い訳です・・(いや、まだ孫はいませんよ・・流石に・・)。
なので、数の無い上級キュヴェは別として、まぁ、ヴォーヌ=ロマネなども数が有る訳では無いですが、テイスティングをさせていただきました。
いや~・・A.C.ブル!・・旨いですね~!・・有るだけ欲しい!・・です。けっして出しゃばり過ぎず、しかしちゃんと有って、柔らかくて・・とても丸い。しかも「薄い」訳では無いので比較に引っ張り出すのは勘違いされるかもしれませんが、あのシャンボールのシミジミ沁みてくるルイ・ユエランとか、色合いも味筋も全然違いますが劇的なデビューを飾った2013年のアメリー・ベルトーのA.C.ブルとかの存在にニュアンスがとても似ていると思ってしまいました。
ジュヴレ村名もめっちゃ美味しい・・。デュガさんに教えてあげて欲しい位です(・・いや、2017年のデュガさんのA.C.ジュヴレは滅茶美味しいですが・・)。ヴォーヌ=ロマネはもう、絶対買っていただきたいほどエレガントで旨いですし、村名に過ぎないのにエシェゾーとそっくりのシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーの構造の大きさにも驚かされました。
まぁ、1級レ・ボーモン、エシェゾー、グラン=ゼシェゾーは飲んではいませんが、
「こりゃぁ間違い無い!」
と思わせるには充分の中級~下級クラスでした。
2015年からの上昇機運は2017年も健在です。しっかり・・ミネラリティが大量に存在しています。しかし、そのミネラリティも凍り付くようなパキッとした硬いものでは無く、どこかしなやかさの在るものなんですね。その結果も証拠の一つになるかとは思いますが、So2はとても少なく感じるほどのしなやかなテクスチュアです。
グラン=ゼシェゾー、エシェゾーの近辺に多くの畑を有す著名な生産者では有りますが、それでもまだ世界的には注目されていないようですので、ある意味、我々にとってはとても有難い状況では有ります。おそらくデゾネイ=ビセイにとっては我慢の時なんでしょう。
素晴らしい2017年でした!2016年を超えて来たと感じています。と同時に、テロワールの表現もクッキリしてきましたし、2017年ヴィンテージの柔らかで早くから飲める特徴も併せ持っています。
「デゾネイ=ビセイ?・・いや~・・別にいいよ・・」
と思われるのでしたら、取りあえずA.C.ブル、飲んでみて下さい。きっと一気にファンになっちゃいますよ。
「・・気の強い女性はどうも・・」
と常日頃から思っているnoisy がそう言うのですから、
「柔らかな物腰でふんわりと包んでくれるのに実はちゃんとしてて五月蠅く無いエキシーなブルゴーニュワイン!」
です。是非ともご検討くださいませ。
■エージェント情報
2017年は比較的安定した天候で葡萄の成長も安定していたが、一部の畑で霜や雹の被害が少し出た。夏はとても乾燥して葡萄の色付きも早くから始まったが、乾燥によるストレスから区画や株によって葡萄の成熟スピードに明確に差が出てしまい、ベト病が発生した畑もあった。8月末に雨が降ったことで僅かだが腐敗してしまった葡萄もあったが、全体的に見れば葡萄の健康状態は良好。色調は淡く、甘酸っぱいチャーミングな果実味が前面に出ており、タンニンも柔らかくて例年よりも早めにバランスが取れており、アペラシオンによってはすでに飲めるほど味わいが開いている。
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2015年もので大ブレークしたデゾネイ=ビセイの2016年ものをご紹介します。
いや~・・2015年ものは本当にビックリでした。2013年ものまでは、
「リリース直後は決して売らないだろうなぁ・・クラシックなスタイルにも程が有るからなぁ・・」
と思っていた訳です。2014年ものには見るべきものは有った・・しかし、扱うには不安の方が大きかったんですね。
で、2015年ものを飲んでしまったら、
「これは是非扱いたい!」
に変わってしまう訳ですから・・変わり身が早い!・・と言われても仕方が無いですよね。
で、今回ご紹介させていただく2016年ものは、不安と期待とか入り混じる、何とも切ないような・・楽しみのような・・複雑な感情を持ってのテイスティングになりました。
2016年の自然の猛威は、デゾネイ=ビセイにも襲い掛かりました。あの稀有な・・いや、以前でもこれだけならやりたいと思っていた・・(^^;; グラン=ゼシェゾーが生産されず、他のキュヴェに混ぜられてしまっています。ルーミエさんと似た様な状況・・。
ところがです!・・ルーミエさんも激少なくなってしまったシャンボール=ミュジニー村名2016年でさえ、デゾネイ=ビセイは、
「めっちゃ美味しい!!」
と感じさせてくれる愛想の良さと美しさでした!・・他のキュヴェも言うに及ばず・・でも一応言っておきましょうか。ACブルは実にエレガントです!大きくは無いがブルゴーニュ・ピノ・ノワールが持つエレガンスを、実に良い感じで表現して来ます。ACジュヴレは・・これも実に良い!・・アメリー・ベルトーはジュヴレだけは、やや硬く・・と言うか、全房発酵に持ち込むことさえできずに、他のキュヴェとの統一感を失いましたが、ツヤツヤでテカテカ、ジュヴレの金属的な複雑性をしっかり柔らかな表情に仕上げていました。
村名ヴォーヌ=ロマネも良かったですよ。ただし、ミネラリティが膨大で、その分、現状はややカッチリ目です。しかし、以前のようなハードでエッジが立つようなニュアンスは無く、びちっと濡れたテクスチュアからのピュアな美味しさが光っていました。カプセルの中にまだ要素を沢山隠し持っているような感じでした。
上級キュヴェは数本ずつですので、下級キュヴェがこの仕上がりなら、何の問題も無いだろう・・と踏んでいます。トップキュヴェのグラン=ゼシェゾーは単独で仕上げられる量が出来ず、他のキュヴェに混ぜた様です。
2015年に続き、2016年も万全でした。非常にドライ・・まるっきり甘みを残さない、しっかりした仕上がりです。ピュアですし、アロマもソフトで柔らかくスピードの有るものです。この辺りは年々、増しているような感じがします。また、テイスティングしたキュヴェ全てに共通していて、例外は有りませんでした。是非2016年ものも飲んでみていただきたいと思います。
■エージェント情報
2016年は4月26日夜から27日朝にかけて発生した霜や偏った降雨によるベト病の発生などで葡萄の成熟がバラバラで畑仕事がとても難しかった。夏以降天気が安定したので健康的な葡萄が収穫できたが収穫量は少なく、特にエシェゾーとシャンボールミュジニーが少ない。グランエシェゾーも1945年以来の霜害を受け、収穫量があまりにも少なすぎて造ることが出来なかった。色調濃く魅力的な香り、フレッシュで優しく厚みのある口当たり。酸とタンニンのバランスも素晴らしく5年ほど寝かせればビロードのような滑らかなワインになるだろう。
━━━━━
● 随分と前にご紹介したっきりで、まだその頃に仕入れたワインがどこかに残っているはずと・・セラーを探してみたんですが見つかりませんでした。
「noisyも何でまた今頃デゾネイ=ビセイを・・?」
と、いぶかし気に思われていらっしゃるお客様も多いんじゃないかと想像します。
そうなんですね。フィネスさんとお取引が復活して何年か経過しましたが、それでもこのデゾネイ=ビセイだけは復活しませんでした・・。・・だって・・
「クラシカル過ぎてボソボソしてテクスチュアも良く無くて、綺麗じゃないし・・」
と、余り好みのスタイルではないことと、何より価格も決して安い訳でも無いのに面白くない味わいなので、決して首を縦にはしなかったんですね。
ところがです・・
「2015年のブリューノ・デゾネイ=ビセイは激変!!物凄~~く、良くなった!唖然とするような変貌ぶり!」
だったんですね。
余りの美味しさに、取り敢えずは出来るだけアイテムを飲んでみようと、テイスティングをさせていただきました。そしてそれは確信に変わったんですね・・。
「デゾネイ=ビセイ2015年は是非とも noisy のお客様にもご紹介すべき!」 そうなんですよ・・まるでジョルジュ・ルーミエか、はたまたシルヴァン・パタイユが乗り移ったか・・のような、ツヤツヤして透明で美しいミネラリティが「テンコ盛り」状態になって、しかも、今までは「茶色や黒」が主体の老いぼれた風な果実が主体だったのが、「非常に美しい赤が主体」のものに大変貌しているんです!
いや、驚きました。マジでパタイユがアドヴァイザーに付いたんじゃないのかと・・思ってます。そうじゃなきゃこんなには変われないと思うんですが、実はそのイメージは2014年に少し感じていたんですね。
フィネスさんの担当のK君も一生懸命な人でして、何かと頑張ってくれまして、忙しくて中々インポーターさんのテイスティングには出かけられない noisy のために、何とかテイスティング出来るようにしてくれてます。
そんな中で noisy も、しばらく離れていた造り手さんや新しい生産者さんのアイテムを、チョコチョコとテイスティングしていまして、その中にこのデゾネイ=ビセイのワインも有った訳です。
最初の頃は、noisy が昔から思っていた通りの、素朴でゴツゴツした外交さの無い味わいだったんですね。ところが昨年の2014年ものに、美しいミネラリティが付き始めて、
「・・おや?」
と思った訳です。
しかしそれでも、
「・・ん・・でも・・できない・・」
と言う判断でした。
それがこの2015年もののテイスティングで、激変したのが判ったものですから、こりゃぁ頑張って販売しないといかん・・と思ったんですね。
皆さんも、余り芳しくは無いイメージしかないかもしれませんが、いやいや・・noisy は嘘付かないですんで・・非常に素晴らしい・・まずはACブルで結構ですから、飲んでみてください。どうぞよろしくお願いいたします。

■エージェント情報
現当主であるブリューノ デゾネイ氏は、1975年に彼の妻の祖母が所有していたフラジェ エシェゾーの2haの畑で分益小作による開墾から始めました。1994年の義祖父母の引退時に引き継いだ畑と個人で購入した畑を合わせて5つの村に約6haを所有し、実直で真面目な性格のデゾネイ氏は伝統的な手法でクラッシックなワインを造っています。 畑の土壌は主に粘土石灰質で、仕立ては片翼式ギュイヨ方式で1株につき8房に制限しています。樹齢の古い木がとても多く、凝縮した葡萄が収穫されます。また、ブリューノ デゾネイ氏は植物保護の地方局と連携しながら、畑の手入れをリュット レゾネで行っています。 葡萄の収穫は手摘みで100%除梗し、アルコール醗酵は合成樹脂タンクで自然酵母によって15~21日間行われます。その後、空圧式圧搾機でプレスされ、樫樽で18か月熟成されます。33%が新樽で残りは1~20年樽になります。フィルター、コラージュは行わず、ロウソクを使ってスーチラージュします。
●
2022 Gevrey-Chambertin
ジュヴレ=シャンベルタン
【ふんわりとして透明なミネラリティにつつまれた美しいドライなエキスから冷涼でしなやか、「ちょっと半分・・最近のデュガさん、入ってます?」と言いたくなるような完成度の高い味わいがします!】

最近のクロード・デュガさんのワインも、息子さんがやっていらっしゃるのでしょうが・・物凄く良くなったんですよね。少し迷っていた感が滲んだ2020年以前と今とは・・
「同じドメーヌのワインとはちょっと思えない」
と思ってしまうんじゃないでしょうか。
古くから親しまれていらっしゃる方なら、「デュガさんのワインは濃い」と思いこまれていると思うんですが、
「クロード・デュガさんのワインは激エレガント!・・そこにしっかり目の果実が備わっている」
ので、飲んでいただけたらきっとファンになっていただけるはずです・・がだいぶ高くはなってしまいました。
この2022年の村名ジュヴレ=シャンベルタンを飲んだ時、
「・・あら?・・デュガさん?」
と・・(^^;;
まぁ・・少し飲み進めて行く内に、
「ん・・デュガさんがいたとしても半分かな・・」
と思い留まりましたが。
しかしそう感じてしまうほどに、美しいエキスのドライで冷ややかな「たなびき」が感じられ、昨今は超絶に美味しい村名になって来たデュガさんですから、
「デゾネイ=ビセイのジュヴレも段違いに美味しくなった!」

と確認した訳です。
まぁ・・デュガさんは国道に西の畑ばかりでより上質かと・・デゾネイ=ビセイさんの畑は、西側もありますが、東側が半分以上なのでしょう。その差が若干出ているかな・・とは思いますが、
「A.C.ジュヴレ=シャンベルタンとするとかなり上位の出来だと思われる」
んですね。
まぁ・・2021年ものも繊細でかなり美味しかったですが、2022年ものの仕上がりには適わないかなぁ・・と言うのが正直なところです。実際、ビセイさんちのニュイ=サン=ジョルジュと一緒にテイスティングしていますが甲乙つけがたい出来栄えでして・・やはり、ジュヴレはジュヴレらしい男前な感じ、ニュイ=サン=ジョルジュは少し女性っぽいエレガンスに降った感じがします。
因みにデゾネイ=ビセイのジュヴレの国道西の畑は「シルヴィ」です。ビュルゲさんのパンス・ヴァン(A.C.ブルでリリース)の真上です。男前のビターな味わいはビュルゲさんも同様で、このビセイさんのジュヴレも甘みは全く無く、しかしながら・・
「微妙な酸のバランスで旨味はしっかり目」
に生成されているんですね。
色彩を見ましても、2021年の比較シンプルなグラデュエーションとは大きく異なり、深淵な見え方をしていますし、グラス縁の太めの涙が少なくとも3本、確認できるように、エキスの濃度の高さを感じさせてくれると思います。
非常に素晴らしい仕上がりでした!・・是非飲んでみてください。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【濃密ながら涼やかな2020年ものに対し、どこまでも繊細で瑞々しく美しい2021年もの・・です!】
いや~・・淡いですね~・・横から近付いて撮った写真はまだしっかりしてっ見えますが、
「上から撮ると・・淡さが良く判る!」
んじゃないでしょうか。これ、
「・・同じ畑のワインなの?」
と疑問にさえ思われるかもしれません。
2021年は春先の遅霜で芽がやられ、開花期も気温が上がらずに中々成長が進まなかったんですね。
その後、だいぶ盛り返したものの、
「収量は大幅減・・エレガント系のブルゴーニュの味わい」
になったようです。
この2021年もののA.C.ジュヴレ=シャンベルタンですが、激繊細でアロマもエレガントで美しいです。中域は静かに膨らみを見せ、一瞬少し酸がキュッと締まるような仕草を見せますが、10分もしますとバランスがとても良くなり、中心点もハッキリ判るような・・上首尾な仕上がりだと感じます。

何せアルコール分は12.5パーセントですから・・
「超繊細なめちゃ美しい出来!」
です。
反対に言えば、
「このような激繊細なヴィンテージはほぼ無い・・」
んですね。
もっと言ってしまえば・・
「味わい・・ポテンシャルはアケスケに判る」
訳ですが、濃いヴィンテージのようなパワフルさは無いので、濃いヴィンテージのピノ・ノワールに慣れた方は一瞬・・
「・・あれ・・?」
と思われるかもしれません。
しかしながら飲み進めるうちに・・何とも心地良い飲み口と繊細で実は深い表情に・・愛着を感じていただけるんじゃないかと思います。
まぁ・・2枚目の写真などは・・本当に違いますからね・・2020年ものはその濃さで飲めてしまうでしょう・・甘く無かったですしね・・でも、2021年ものはそうは行かない。グラスを振りつつ・・そのエレガントな表情をたっぷり楽しめるヴィンテージです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【このジュヴレ=シャンベルタンにもヴィエイユ・ヴィーニュ表記が付いて、全てのラインナップがV.V.に!・・2020年ものの濃密ながらも精緻なジュヴレ、是非お楽しみください!】

もはや2019年以前のこのワインの面影は非常に薄く・・(^^;; まったく別物になったように感じます。
またフィネスさんのテクニカルも、まだ、
「唯一のヴィエイユ・ヴィーニュでは無いキュヴェ」
のままでして、以前通りの畑構成かどうかもハッキリはしません。
言えることは、まずは・・
「最初から濃度がちょうど良い・・と言うか、濃過ぎない」
感じなんですね。
アルコール分は14.5%ですから、ブルゴーニュ的には高い方だとはしても、トップの高さでは有りません。15.5%ほどあるキュヴェも散見される2020年です。
因みに・・あの、エマニュエル・ルジェもネゴスのS.A.S.ルジェ・ペール・エ・フィスでジュヴレ=シャンベルタンを2020年はリリースしていまして、なんとそのワインが15.5%と非常に高いアルコール度を見せています。ただし色彩はそこまで濃く無く、飲んでも・・エチケットで確認しない限り、
「そんなに高いとは思えないから気付かない」
でスルーしてしまうかもしれません。

2019年もののこのワインは、エレガントな色彩ですね・・。2020年ものは・・どう見えますか?
濃いには濃いが、滅茶濃い・・最高に濃いとは言えない位でしょう?
むしろ、ジュヴレ的な鉄分に加えての果実の濃度が適度にしっかり有る・・位でしょうか。ですから、飲んでいても非常に心地良く、このワインに関しては、比較早めから飲み出しても
問題無いんじゃないかと思うんですね。
やはり今までと違う・・と言えば、
「この村名ジュヴレにようやくヴィエイユ・ヴィーニュの文字が記載された」
訳です。
まぁ、30年ほど過ぎればV.V.表記は出来るはずですが、やはり造り手の意識としてそれを記載できるだけの・・
「それまでとの違いの認識をしていること」
が重要だと思うんですね。
非常にバランス良く、今飲んでも充実しており、この先も20年ほどは間違えの無いワインだと思います。あ、勿論ですが、その期間内にもサイン波のような波が有りますので、タイミングを計ることは重要ですよ。是非飲んでみてください・・あ、ルジェさんのジュヴレの写真も上げておきましょうか・・。そのうちに出せると思います。ご検討くださいませ。

以下は以前のレヴューです。
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【ピュアだからこそ見える?・・美しくも力強いジュヴレ=シャンベルタンの一つの完全なひな形を見ているような素晴らしい味わいです!】
「ジュヴレ=シャンベルタンは鉄っぽい」
これはもう・・非常に良く使われる定番のフレーズです。noisy もしょっちゅう・・使ってます。味わいも全体の風貌も似ているけれどその鉄っぽさの少ないポマールは、仲間内のブラインドテイスティングだと「お釜っぽい・・からこれはポマール」などと言ったりもします・・。
ですが、その「鉄っぽい」と言う感覚は、人によりそれぞれ異なっているに違い無い・・と思うんですね。ジュヴレの南に近い部分、クロ・ド・ベズやシャンベルタン、シャルムあたりのふくよかな赤さ、そしてその低域のニュアンスを鉄っぽいとおっしゃっている場合も有りそうですし、地域は同様に重なるとしても本当に「酸化鉄的」な部分を取って「鉄っぽい」と表現している場合もあるかと思います。本来は後者だろうと・・思いますが、両方が混じっている可能性も有るかなと思います。
この素晴らしい出来のデゾネイ=ビセイ2019年ジュヴレ=シャンベルタンですが、そう言う本来の意味では、さほど鉄っぽくはないです。無い訳では無いが・・以前のデゾネイ=ビセイのジュヴレ=シャンベルタンよりも非常に少ないし、酸化鉄っぽい感じは余りしないんですね。もっとずっとピュアです。
ですが非常に金属的です。どちらかと言いますと、「銀ギラ銀」な、とても光っている感じの金属な感じのミネラリティですね。これがやはり全体の重心を下げ、どっしりとした味わいになっていると感じさせているかのようです。
その上で、赤い果実と黒っぽい果実が半々くらいでしょうか。以前はもっと黒っぽい果実の割合が多かったと思います。

1枚目の寄った写真の色合い・・美しいですよね。決して濃すぎず、薄くないですが単調では無く、アチコチに起伏が有るかのように見えます。
二枚目になりますと少し引いてますが、全体のトーンが見て取れます。抽出を強くしているんじゃなくてむしろ逆・・それでこの赤が多い色合いになっているのかな・・とも感じます。
で、2019年のジュヴレ=シャンベルタン村名は、北のブロションに近い部分の区画と、国道下の東の区画のブレンド・・と言うことなんですが、先にも申し上げました通り、さほどは鉄っぽく無く、でも金属っぽいニュアンスで重心が低い・・んですね。
そもそもジュヴレのミネラリティは酸化鉄が含まれると言われていますが、これ・・結局は村の南部のシャンベルタン近辺の話しで、少し離れた北側、西側はさほどでもない・・と思っているんですね。
なので、そのジュヴレ村名のひとつのひな形そのものなんじゃないか?・・ワインがピュアで、それが見事にその姿を見せているんじゃないか?・・と思ってしまいました。
今飲んでも男らしくめちゃドライで、とことんピュアなジュヴレを見せてくれると思います。勿論10年間は全く問題無く、成長し熟して行くポテンシャルが有ります。2018年もので93ポイントですから・・2019年ものの評価を是非とも見てみたいものです。飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【拡がろうとする各要素をスレンダーなまでに締め上げるミネラリティ!まるで noisy 愛用のコルセットのようなミネラリティが素晴らしいです!】
ジュヴレ=シャンベルタンって・・やはり横方向への拡がりが素晴らしいですよね。でも基本、縦伸び系では無いと思うんですね。帯域として上から下まで、そこそこは持っているとしても、高域から低域までバランスが良い・・と言うより低域中心で有り、上級キュヴェ(1級以上?)になってくると高域~超高域の表現が豊かな横方向への拡がりを見せる・・そんな感じに思っています。
ですが、そこに思いもよらぬ凄いミネラリティが入ったとします。そしてそれは、コア(中心)方向には向かわず、元々有った要素を分厚くコーティングし、重力を無視して締め上げた・・と想像してみてください。
まるで細いロープで縛った軟式テニスボールを立てたような感じになると思います。ですので、腰痛でアチコチ痛い noisy が愛用している「バンテリン腰痛コルセット(だったかな?)」のような存在が・・この2018年のデゾネイ=ビセイの透明+半透明なミネラリティなんですね。・・もっと言ってしまえば、noisy の場合はそのコルセットを NiziU ・・いや、二重に巻いて締め上げていますので、デゾネイ=ビセイのミネラリティより仕事しているかもしれませんが。
A.C.ブル同様、2017年ものとは全く異なる外観です。同じワインだとは思えない・・(^^;; ものの見事に密度の高い色合いをしています。これは、非常に良く熟していることと、果皮の健康さをもアピールした色だと言えます。2017年ものまでのデゾネイ=ビセイのラインナップの中では、やや弱いと言いますか、エレガントな方向性を多く持っているアイテムだった訳ですが・・是非2017年もののコラムもお読みいただきたいですが・・全く異なる!・・んですが、全然違うと言い切りたくない側面も、実は有るんですね。
それはやはり、要素は複雑でしっかり持っており、ミネラリティのコーティングもたっぷりで素晴らしいんですが、しっかり有るのにスルスルっと入って来て、フィネスたっぷりにドライに優しく弾けてくれるので、
「やはりどこか はんなり としている」
のは2017年ものと共通なんですね。
美味しいと思います。しかも価格もリーズナブルです。デュガさんのジュヴレは2本以上買えちゃいます。濃密感もあるのにスルスルです!・・淡い美味しさも良いんですが、濃い目でたっぷりなのに甘く無く、しっとり、はんなりしているのも実に旨いですよ。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【この「はんなり」としたジュヴレ=シャンベルタンの姿を、どう伝えたら判っていただけるか・・超悩み中です!】
一度貼られたレッテルを剥がし、再度貼りかえるのことは、中々に難しいことでは有ります。昨今はネット時代ですから、目立つ人間は総監視状態の中で生きねばならず、ちょっと浮気しちゃった・・とか、ずっとしてるとか・・自分より他人さんがより詳しかったりして・・(^^;; まぁ、noisy の場合は毎日、翌日になるまでPCに向かってるか、ノコギリとか電動工具を使っているかのどっちかですから、全く女性には無縁ですので・・そんなご心配は・・まぁ、誰もしてないか・・はい。
しかし、ワインの場合はそうもいきません。そりゃぁ・・
「飲まなきゃ判らん」
からです。
しかし、飲んだ人は判っても、飲んだことの無い人に飲んだ人がどう伝えるか?・・が重要で、しかもそこには齟齬が入りやすいし、「誘導」にもなりやすい訳です。
言ってしまえば noisy が一生懸命になってやっていることはある種の「誘導」に他ならず、それが本人には悪意の無いものだとしても、ある人には「単なる誘導」になってしまう場合も少なからず在ると判っている訳です。
だからこそ、信用を失ったら、
「あっ・・」
という間に地に落ちる部分は、かの著名な目立つ方々と同様とも言え、だからこそ、嘘をつかないことと自身のテイスティング能力に磨きを掛けることを胸に刻んでワインを販売してきました。
まぁ、やはりご理解いただけない方もいらっしゃったでしょう。でも、超アングラなサイトで何とかやってこれているのは、ご理解いただけた方々、有っての現在で有ると理解しています。
それでも、やはり・・レッテル剥がしはムズイですよ。こんなに美味しいのに・・細かなニュアンスを何とか伝えなきゃ判っていただけない訳ですから。
「赤果実と黒果実が素敵なミネラルたっぷりのピュア&ナチュラルなジュヴレ村名です!」
だけじゃぁ・・ねぇ。
ある意味、色合いを見ていただければそれなりに濃い感じですよね。やはりジュヴレの酸化鉄由来のミネラリティがそうさせると思います。でも、
「全然濃いなんて思わないはず」
なんです。ドライでしっかりした冷涼な酸が有るんですが、
「飛び出した部分、へっこんだ部分が無い」
丸~い感じなんですね。そして、とても「しっとり」とおしとやかなんですが、柔らかでふっくらなミネラリティが前半で、細やかな表情はしっかり後半で見せてくれます。
ものすごく良く出来てます・・この価格帯ではピカイチです。1万円を軽く超えてくる村名クラスも喰っちゃいますし、何より、
「ワインは結局は、それが好きか嫌いか?」
ですから、
「おそらく・・こんなタイプはお好きな方が非常に多いはず!」
とnoisy は思っているんですね。
特にnoisy のお客様は、その辺がそれなりにマッチする方が多いのかと・・思ってますんで、
「きっとお好きなタイプのジュヴレです!」
と言ってしまうのが一番良いのか?・・などと悩んでいるんですね。
まぁ、四半世紀もそんなことをやっていて、未だにこれですからどうしようも無いですが・・是非飲んでみて下さい。超お勧め!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【かなり旨いです!・・美しく濡れたテクスチュア、ふわっと立ち昇るアロマ、ドライな極上ジュヴレです!】
2015年もの以上に仕上がった可能性の高い2016年村名ジュヴレ=シャンベルタンです。まぁ、そうは言いつつも個人的な好みは人それぞれに有りますから、どっちが良いとは一概に言えない部分では有ります。
2015年ものはもっと・・エレガント系で赤い果実がふんわりと、充実したエキスから立ち昇る感じでした。2016年ものも、確かにその延長上には有るんですが、例えばいきなり「ヴィエイウ・ヴィーニュ」になったような感じ・・と言葉にすると判りやすいかもしれません。内容が充実した感じなんですね。複雑性も高いしジュヴレらしい押し出しも有る・・しかし、濡れてフワッとした実に良い感じが有りつつ、滅茶ドライでふんわりしつつ、構造の深さを埋め尽くすだけの要素を持ち合わせている・・そんな感じです。勿論今飲んでも美しいスタイルで旨いです。
2015年ものはルイ・ユエランがジュヴレを造ったような感じ・・とお伝えしましたが、2016年はギイヤールのジュヴレに透明感と立体感を付け加えたような仕上がり・・と言えば判りやすいかもしれません。
2015年と2016年は、似たスタイル、同じ軸上に有るのは確かですが、受ける印象は結構に違い、よりポテンシャルは高い・・と感じました。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【エレガントな村名ジュヴレ=シャンベルタン・・って、飲んだこと有りますか?・・意外に存在しないと思いますよ。ルイ・ユエランがジュヴレを造ったようなイメージです!】
何度も書くようで申し訳ないですが、デゾネイ=ビセイのワインが本当にこんなに美しい色合いを見せつけて来るとは思いもしなかったので・・ある意味、その反動が出ちゃってるかもしれません。とても美しく、そしてエレガントで有り、ドライなのにちゃんと旨みが存在し、たっぷりある透明なミネラリティとそれを支える白い石灰的なミネラリティが、ピュアな味わいを生み出しています。
下の写真を見ればお分かりかと思うんですが、一番濃い色合いをしているのはシャンボールです。ジュヴレはヴォーヌ=ロマネとどっこいな感じで、決して濃くは無いですよね?
そして、重い感じの色合いも無いでしょう?・・普通ならもっと「どしっ」とした重量を見せるような色合いのものが多いかと思うんですが、そんなニュアンスは見受けられません。
味わいも実際に、鈍重さの無いバランスに優れた味わいで、鉄っぽさとか、ワイルドさなどは「さらり」とした表現をしてくれます。その分、果実の表情が細やかで、まるで小粒のチェリーを脚付きの透明なパフェグラスに載せ、甘く無いガムシロップでコーティングしたかのような味わいです。
で、ジュヴレっぽく無いか・・と言うと、全くそうでは無く、むしろちゃんとジュヴレの個性が際立って感じられるのが不思議です。骨格はちゃんと備わっている・・と言うことなんでしょう。

このジュヴレだけはヴィエイユ・ヴィーニュの表記の無いワインなんですが、
「エレガントだからそう思えてしまうけれど、決して軽量級のワインでは無い。」
「これほどまでにミネラリティのしっかり有るACジュヴレは、まず見当たらない。」
と言えると思います。
ACブルのコラムでも書きましたが、まるでこのミネラリティ感は、
「シルヴァン・パタイユも真っ青・・。そっくり・・」
で有り、安易に真似しようとしたとしても出来ることでは無い・・と思うんですね。
また、ルーミエさんのワインにも似ていますが、果実の出方がちょっと違うかな?・・と思います。むしろルーミエさんの方が果実酸の構成が豊かというか、やや甘さが有ると言うか、そんな感じで、デゾネイ=ビセイのジュヴレはもっとドライ・・まるで甘味が無いのに旨みが有る・・と言うようなニュアンスです。
ピノ・ノワール好きなら、やはり試してみたくなる味わいかと思います。大変身を遂げたデゾネイ=ビセイの2015年ジュヴレ=シャンベルタン。是非飲んでみてください。お勧めします!
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2022 Nuits-Saint-Georges les Belles Croix
ニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ベル・クロワ
【ふんわりと香る質感高いアロマとベルベッティなテクスチュアの素晴らしいエキス!・・短期間にこれほどまでに成長したとは驚きです!・・エレガンスと濃度の完全バランス!】

2021年の繊細な美しさには驚かされましたが・・信用していただけなかったのか、余り売れずに非常に残念でした。一切の「汚れた滲み」を感じさせないエレガントな味わいにグッと来た訳です。
ですが2022年・・その美しさに膨らみがしっかり出て、エレガンスと相反するかもしれない濃度とのバランスが・・
「ほぼ完全だ」
と思ってしまうような・・実に美しい仕上がりになっています。
アロマはふんわり、自然に上がって来ます。パレットもほぼ真円に近く、中央付近が少し膨らんでいます・・土星みたいな感じ?・・(^^;; そしてテクスチュアがビロード・・ツヤツヤっとして幅も有り、丸みのある味わいです。
ここレ・ベル・クロワはニュイ1級のレ・プリュリエの真下にありますが、
「ほとんどレ・プリュリエ!・・少し欠けるかもしれないが、若いレ・プリュリエを何とか起こして飲むより旨いかもしれない!」
と感じます。

そもそもニュイ=サン=ジョルジュのワインは、
「土むさい・・」
と言われ、口の悪い方なら、
「果実より土が出っ張るアペラシオン」
みたいな言われ方をされてしまいます。
非常にドライで甘みが全く無い中で、エッジを感じさせず、タンニンをタンニンとして見せず、チェリーな味わいと高目のミネラリティ、そして充実した大きなパレットを描けるニュイ村名ピノ・ノワールです。
この話は以前にも書かせていただきましたが、今から・・そう、30年近く前、一人のお婆さんが Noisy wine にいらっしゃいました。お歳の頃なら70歳を過ぎて少し腰も曲がっているように見えた方でした。
「赤ワインが欲しいんだけど・・」
とおっしゃるので、あぁ・・またテレビの特集でアントシアニンが身体に良いと喧伝したんだろうと思ったので、
「有難うございます。どんなワインがお好みですか?」
と・・きっとチリワインのリーズナブルなやつ・・みたいなご返答を予想しながら待っていると・・なんと!・・
「ニュイサンジョルジョ!」
いや~・・ビックリしました。内心・・(ニュイサンジョルジョって・・知ってるのか~~い)と・・。
まさかブルゴーニュの村名を言われるとは思って無く、しかもサン=ジョルジュじゃなくてサンジョルジョって・・なまってますがな・・
なのでしっかりレシュノーの区画名付きをお渡ししたように記憶しています。
因みにですがデゾネイ=ビセイの2022年ものは、
「以前はほとんどのキュヴェに記載されていた Vieilles Vignes の表記が無くなっている」
ので、巷のショップさんの表記は「ヴィエイユ・ヴィーニュ付き」です。実際には、表記は無くなったが実質は相当なヴィエイユ・ヴィーニュ」です。こちらはすでに樹齢70年を過ぎています。
濃密ですがそれを感じさせない、ただただ集中しているドライなエキスからの表情が最高に素晴らしいと思えます。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【このどこまでも超繊細な2021年ニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ベル・クロワこそ、真のニュイ=サン=ジョルジュの姿を現しているのかもしれません!】
気付けばユーロは170円に達していて、その影響を国民は大いに受けている訳ですが、どうなんでしょうね・・そりゃぁサラリーがすぐにでも上がれば良いのかもしれませんが、物価が為替の弱さを反映してどんどん上がって行くのには追い付きはしません。この5月のゴールデンウィークも海外脱出組はかなり少なく、国内旅行で何とか・・それでも、インバウンド向け価格の飲食店さんにもお世話にならなくてはならず、何だかなぁ・・と思っていらっしゃる方も多いのかなぁと感じています。言いたいことは多くありますが、言っても仕方が無いので止めておきます。
この2021年のニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ベル・クロワですが・・いや~・・美しい色彩ですね・・淡くも純粋さが見て取れるような・・感じです。
もう2020年ものと比較するのが馬鹿馬鹿しいほどに・・淡く美しいですよね。まさにその通りで、
「超繊細!・・赤い色彩が淡さの中にも見え、ニュイ=サン=ジョルジュ1級プリュリエ風のエレガンスを、少しさらっとした滑らかさを感じさせてくれる」
みごとな味わいをしています。
2020年ものは濃かったですが、それでも最初から美味しく・・しかもキツさやパワーに頼るところが無く、実に深く美味しかったです。
しかし2021年ものはそんな部分が全くなく、冷ややかで少し柔らかな酸バランス、全体の味わいもシミジミとした美味しさをたっぷり感じさせてくれます。

飲み頃としましては、A.C.ブルの2021年ものがようやっと良いバランスになって来ていますが、上級ワインの村名ニュイ=サン=ジョルジュとしますと、
「日を追う毎に焦点が合って来るので、さっさと開けてそのエレガンスを楽しみたいのも分かるが、少し待った方が良い」
と言えます。
言ってみれば激繊細なこの2021年もの、とても良く出来ているものの、「押し出し」が成長中なんですね・・。現状その押してくる部分がまだ完成していないので、
「夏以降が良い」
と感じます。
これは2021年のデゾネイ=ビセイのA.C.ブルを除く全てのキュヴェに言えることで、確かに飲んでいく内にどんどん深みが出て来て、ついつい・・飲み過ぎてしまう傾向・・と言う成長具合では有るんですが、
「冷ややかでエレガントなだけにニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ベル・クロワの繊細な美味しさをおしとやかに見せてくれる」
としても、もう少し押してくる部分が欲しいかも・・と思われると思います。
このように繊細で美しい味わいのヴィンテージは2010年代には2013年ものだけだったと思いますが、あの2013年もののみずみずしい美味しさも・・少し置いた方が全然良かったはずです。ぜひ少し休ませ気味で飲んでみてください。お薦めします!リーズナブルだと思います。
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【Noisy wine 初登場!1級レ・プリュリエの真下!・・濃密ですが凄く精緻!‥旨いです。】
ん~・・ニュイ=サンが見せる色彩じゃないなぁ~・・などと思いながらテイスティングさせていただきましたが、他のデゾネイ=ビセイの2020年ものと同様、
「デゾネイ=ビセイの2020年は濃いが、なぜかしっとりと瑞々しく、しなやか」
なんですね。
特に数日置いたあと・・あ、これは、
「いつ頃からが飲み頃でしょう?」
と尋ねていらっしゃる方がおられるので、その辺りをしっかり得るためにそうするんですが、
「そこからの姿が特に・・超絶に美しい!」
んですよ。
そもそも「濃い」のは自分的にはイマイチなんです。だから見ているだけでも・・「濃いは・・濃い~~」なんて言ってる訳です。あ、これ、電話で某インポーターの某女史に歌ってあげたら、涙を流して大笑いされてました~~・・年代が近いんですね~~きっと。
で、このレ・プリュリエ直下の「レ・ベル・クロワ」は、アンリ・グージュもドメーヌの村名に使用しています(混ぜています)が、しなやかさはこちらが上、パワフルさはグージュが上・・かな・・と言う感じ。

これだけ濃くてもしなやかでしっとり、甘く無く、瑞々しさとテクスチュアの滑らかさに驚きました。そもそも昔はデゾネイ=ビセイのワインに、テクスチュアが滑らか・・なんて書くはずが無いとさえ思ってました。
しかも村名ニュイ=サン=ジョルジュですから・・1級ですと言って出しても通ってしまいそうな位のポテンシャルが有ると思いますよ。味わいはレ・プリュリエに似て、非常にバランスが良いです。1級レ・ヴォークラン的な果実のしっかりさも有るんですが、レ・ヴォークランの粗野さが無くてしっとりしていますから、やはりバランスに長けたレ・プリュリエですね。レ・サンジョルジュほどのエレガンスは無いにせよ、濃密なバランスの良さが有りますし、
「熟成を遂げた時にどうなっているか?」
を考えますと、
「2020年ものは、ものによってはグレートイヤー!?」
と言えるんじゃないかと思うんですね。
So2 の少なさも関係しているかもしれませんが、濃密なだけじゃない・・しなやかさとしっとりさ、瑞々しさを感じるレ・ベル・クロワです。ご検討くださいませ。
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2022 Echezeaux Grand Cru
エシェゾー・グラン・クリュ
【「完熟させて飲んでみたい~~!」・・と思わされる、やや乾いた超高域に伸びて行くアロマ!・・エシェゾーと言うG.C.の魅力を余すところなく内包した見事な出来です!】

この手の超高級ブルゴーニュワインでも、結構早めに消費される時代です。古い人間の noisy ですから、
「ワインには飲み頃が有る。それを察するスキルを持たねばならぬ。」
みたいな・・どこかの首相さんのお言葉みたいですが、そんな時代にお小遣いを何とかやりくりして、また・・近くのワイン好きなお客様のご厚意に甘えさせてもらって、そのスキルに近いものを積み上げて来ました。
なので、昨今のメディアの超短い飲み頃予想には・・まったく同意できませんで・・お客様も、
「・・まただよ~~・・もういい加減にしてほしいんですけど・・」
と思いつつもお付き合いしてくださっているんだろうと感謝している次第です。
2022年のこのエシェゾーも、非常に大きな出来になったと言えると思います。幸か不幸か・・メディアはどこを探しても評価していません。
ですが、過去最高の出来、もしくはそれに近いほど・・の仕上がりだと確信しているところでも有ります。

ミュジニー的に・・でも香水とまでは行かない・・超高域に伸びて行こうとするハイトーンなアロマが見え隠れし、周りのグラン・クリュよりもやや乾いた畑のイメージが伝わって来ます。
エシェゾーと言うワインは、まぁ・・昨今はだいぶ見直されてきていますが、その昔は・・
「クロ=ヴージョかエシェゾーか」
と言うほどに下に見られていましたので、今や出したとたんに消えて行くミュヌレ=ジブールのエシェゾーさえ・・売れずに延々と残っていたほどです。今を時めくあのビゾ―のエシェゾーも、高い価格も有ったとは思いますが・・残り気味でした。
それが今や・・ね・・あれほどに販売に苦労したアイテムが、入荷難になったり・・したとたんに「価格が爆上げ」でさらに販売難にもつながるような状況ですが、
「メディアがさほど注目していないのがむしろ有難い」
と言う造り手さんがこのブリュノ・デゾネイ=ビセイなんですね。
とろんとろんに溶け込んだこのエシェゾーを飲んでみたい・・そう思わせるほど、要素は充実しています。ただしすぐ開けると・・開けた直後は良いにせよ、後は少し厳しくなって行くでしょう。良い出来なだけに少し時間が掛かると思わせます。
やはり最低3年、出来れば5年以上・・完全にOKと言えるのは10年かな?・・と思います。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【2021年ものはグラン=ゼシェゾーを開けてしまいましたのでエシェゾーは・・すみません。】 激エレガントなヴィンテージの、デゾネイ=ビセイのラインナップの中では比較的集中した味わいをみせるエシェゾーです。
グラン=ゼシェゾー、ミュジニーにも接するアン・オルヴォー、G.C.レ・ルージュに接する上部のレ・シャン=トラヴェルサン、グラン=ゼシェゾーに接するレ・トルーと言う・・エレガント系のビセイのグラン=ゼシェゾーよりも押し出しは強いと思います。
まぁ・・D.R.C.等を除き、エシェゾーの生産者さんはそのパワフルさを出そうと躍起になっている一面が有るように感じますが、やはり・・
「さくっ」
と軽く絞って、上下の畑をブレンドしたエシェゾーが、もっとも素晴らしいと思っています。
アン・オルヴォーは上下(西東)に拡がる畑、レ・シャン=トラヴェルサンは上部、レ・トルーは下部で、まさに理想的ですよね・・2018年ものは濃密で旨かったですが、2021年ものはグラン=ゼシェゾー寄りの味わいでしょう。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【・・2018年もの、飲んでおいて良かった・・!・・なに?・・95ポイント?・・んな訳なかろ・・】-----以下は以前のレヴューです。 え~・・重複してしまいますので、2018年もののレヴューに書いてあることは書きませんので、是非この下の方までお読みいただけましたら幸いです。
滅茶美味しかった2018年のエシェゾーを、2019年ものがどのように超えたか・・を書きたかった訳ですが、残念では有りますが収穫減の影響で入荷自体が厳しく、テイスティングは回避することになってしまいました。お詫び申し上げます。
でもその2018年ものがようやく海外メディアで取り上げられ、凄いポイントの「オンパレード」で有りながらも、何かちょっと残念なのがこの「エシェゾー」です。
2018村名ヴォーヌ=ロマネを94ポイント、2018村名シャンボールを93+ポイントとされていながら、2018年エシェゾーが95ポイント・・です。ヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモンが95+ポイント。
「・・えっ?」
ハッキリ言ってしまえば、評点に一元的なもの、連続性が感じられないんですね。グラン=ゼシェゾーの96ポイントもそうなんですけどね。村名ヴォーヌ=ロマネが94ポイント・・それを基準としますと・・何だかな・・ちょっと日和ったのかな?・・と感じてしまいます。でもまぁ・・突っ込み切れないのはテイスティングしていないアイテムが有るからですので、それも受け入れなければなりませんね。
ですが、2018年エシェゾー95ポイントはオカシイです。低過ぎです。それだけはお伝えしたいと思います。
また、2019年もののエシェゾーはどこのメディアも未評価ですが、
「超お宝になる可能性!」
が有ると思っています。
確かにグラン=ゼシェゾーほどの甘美さには届かないのは間違い無いですが、優秀な造り手によるならば、1級や、ましてや村名のワインと同じになる訳がないんですね。それは、各アペラシオンで定められた収穫規制があるから・・です。一部の優秀なグラン・クリュは30hl/ha以上は収穫したらいけないし、良いワインを造ろうと思ったら、たとえ50hl/haが許されていてもそうはしないものだから・・です。
それは素晴らしいグラン・クリュを飲めばだれでもその質の高さを理解出来ますし、村名や1級との違いも判るんですね。
希少なワインだと思います。飲めなくて残念では有りますが、非常にリーズナブルです。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【すっごいです~!・・世界で全く注目を浴びていない・・寂しい反面、嬉しいことでは有ります!】
え~・・96点は確定です。それ以上有ると思ってます。またこの後、自宅に帰ってから飲みますよ・・。素晴らしいです。
この凄い色彩・・是非ご覧ください!・・エッジから僅かに透けて見えるくらいの濃度です。ミネラリティが目にも鮮やかに、しかも莫大な量・・見えているかのようです。このエシェゾーに関しては、他の2018年デゾネイ=ビセイのキュヴェと異なりまして、結構に・・
「赤いニュアンスがしっかり!」
です。黒系と半々くらいかな?・・と思います。
そして・・
「ほとんど圧を掛けないプレス」
をしたのが判りますよ。滅茶苦茶上質です。
その上で、アロマの「むっちり」とした肉厚さ、土壌の美しさ由来の土台としての「土のニュアンス」は、赤い果実が香水的な部分をも内包したものと一緒になっています。つまり、一体感が凄くて・・分析しきれない・・今の段階では!・・と言うことになります。なので、96点は確定と言えても、何点だとはハッキリ言えないんですね・・何せ、昨日ですから・・開けたのが・・で、今日の新着向けに記事を書いているんですね。
できたらレ・ボーモンも、グラン=ゼシェゾーも開けたかったんですが、それをやりますと・・ほぼ赤字になっちゃうんですね。でも、デゾネイ=ビセイは今、noisy 的には大注目も要注意生産者になりましたので、
「3年計画で上位キュヴェを全部飲む計画!」
を実行しています。
これだけ2018年ものが凄いと成りますと、フランスで大騒ぎになっている2019年ものブルゴーニュの凄い出来が有りますんで・・何とかして2019年ものの上級キュヴェを飲んでやろうと。そのためにはあと2~3年は掛かる・・とするなら、2018年ものエシェゾーは何としてでも飲まないといけないと・・思って実行した訳です。・・だって、どこのワイン屋さんも飲まない、開けないですからね・・。判らないまま売ってってどうすんの?・・と言う気持ちが有ったままのお勧めじゃ気持ち悪いじゃないですか。
今飲んでも、この凄いポテンシャルは・・おそらく誰にでも判ると思います。言ってしまえば・・「まだ判らない」とは言いましたが、今飲んで96点で良いと思ってます。ポテンシャル点の伸びしろがどこまで有るかだけ・・今言うのはちょっと不安なんですね。なのでそこは内緒にさせていただきます。
中心が濃~い赤紫、そこからエッジに向かって緩やかなグラデュエーションを描き、光の入り込むエッジに透明度の高いやや淡い赤が美しいです。全然・・土っぽいだけのエシェゾーでは無い・・レ・ルージュが持つ軽やかな荘厳さも有り、レ・ボーモン的な黒っぽい、少しブリュレされたようなニュアンスもかすかに有り、オルヴォー的な乾いた感じの美しい大地のニュアンスが有り、そこに果実てんこ盛り、ミネラリティがそれを分厚く包み込む・・そんな味わいです!
注目されていないがこんなに凄いワインが有る!・・そう思ってください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【村名ラ・コンブ・ドルヴォーでさえエシェゾー格の構成を感じてしまうのに、ほんまもんのエシェゾーは一体どうなってしまうのでしょう?】 グラン・クリュ・エシェゾーを構成する「アン・オルヴォー」は、ミュジニーに接するリューディです。乾いていて香り高い感じと深い構成を持っている・・と感じています。まさにシャンボール村名ラ・コンブ・ドルヴォー的でも・・有ります・・流石にアン・オルヴォーほどの肉は持っていませんが。
そして、エシェゾーの中のエシェゾーとも言うべき存在の「エシェゾー・デュ・ドスュ」を上下斜めに挟み込むように、「レ・シャン・トラヴェルサン」と「レ・トルー」のリューディが有り、この3つの畑でこの、
「エシェゾー・グラン・クリュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」
が造られる訳ですね。
2015年より大きく変化し、素晴らしいワインを造るようになる前から、このワインはしっかりしていました。それでもやはり「乾いた」感じが有って、今のデゾネイ=ビセイのように「濡れてふっくら」したニュアンスにはなって無かったと思うんですね。
エシェゾーと言うワインは、余り当たらないグラン・クリュと言うようなイメージが有るかもしれません。でも、決してそうでは無いんですよ。あのミュヌレ=ジブールのエシェゾーなんて滅茶苦茶美味しかったのに・・、どんなに頑張って説明しても誰も見向きもしてくれなかったですから・・いや、ミュヌレ=ジブールはクロ=ヴージョもしこたま旨くて、それでも全然売れないので仕方なく、そう・・赤字覚悟でテイスティングまでして販売していた位ですから。それに、ビゾも良い年は非常に素晴らしかったです。時折、サンズ・ナチュラルにこだわり過ぎでは?・・と思うことは有りましたが。
樹齢は110年にも及ぶそうです。希代稀な仕上がりになっている可能性さえ・・有るかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【非常に少ないです!】 2016年のデゾネイ=ビセイはトップ・キュヴェであるグラン=ゼシェゾーを生産できず、このエシェゾーがトップ・キュヴェとしてリリースされました。3つのリューディをブレンドして造り上げる伝統の味わいです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【こうなってくるとこの2つのグラン・クリュが大化けしているに違いない・・と踏んでいます!! 】
これだけデゾネイ=ビセイのワインが向上し非常に美しいスタイルになって来たことが判るとなると、このドメーヌが持つ二枚看板の「エシェゾー」と「グラン=ゼシェゾー」が非常に気になってしまいます。
ちょっと調べてみると、グラン=ゼシェゾーの所有者は21~22人ほど、ちょうど左の画像、上が北で下が南、左が東ですが、「Grands-Echezeaux」の文字の辺り、ど真ん中ですね・・ほぼ1/3~1/4強をDRCが所有していまして、それ以外を20軒ほどで分け合って所有しています。
一番北の端に濃い青で点を付けた辺りがデゾネイ=ビセイの所有地と見られますから・・
「物凄い場所!」
に畑が有ることが判ります。
ヴージョ城の所には「Clos de Vougeot」のポールが立っていますが、ここはメオ=カミュゼがその周りと下部(東側)を持っていまして「ガレンヌ」と言う区画です。
そのヴージョ城の北側が「グロ・フレール」が所有する「ミュジニ(Musigni)」で、その上はもう「ミュジニー(プティ・ミュジニー)です。
そして、そのデゾネイ=ビセイのグラン=ゼシェゾーの上(西側)はエシェゾー(レ・ポウレイエール)です。
つまり、
「クロ=ヴージョ最高の場所とエシェゾーに接したグラン=ゼシェゾー!」
で有って、
「ミュジニーとクロ=ヴージョとエシェゾーとグラン=ゼシェゾーの狂宴!」
と言う、ちょっと化け物じみた場所に有る畑のワイン・・と言うことになるんですね。
まぁ、2014年から確実に進化しはじめたのを見ている noisy としましては、2015年の下級クラスのワインの素晴らしさを見れは、看板の2アイテムは是非とも飲んでみたいものです。
何より、2014年以前でもこの2アイテムに限っては、結構良かったのも事実なんです。余りにクラシックで、若い内はボソボソっとしたテクスチュアでミネラリティが奥に引っ込んだ感じの下級クラスに比較し、やはりそこはさすがのグラン・クリュと言うような部分では有るかと思いますが、それでも評価をされる方も少なく無かったんですね。
また、エシェゾーの方も魅力的です。「リューディ・アン・オルヴォー」は、グラン=ゼシェゾーで説明させていただいた「レ・ポウレイエール」のさらに北に有る畑でして、
「このリューディはシャンボール=ミュジニー側にはみ出したような形で、シャンボール=ミュジニー村の畑とフラジェ=エシェゾー村の畑の両方が有る」
んですよ。
しかも、シャンボール側のアン・オルヴォーは、グラン・クリュ・ミュジニー、1級、村名の3クラスにも細分されていますし、フラジェ=エシェゾーも、グラン・クリュ・エシェゾーと1級の両方が有る・・と言う、非常にややこしい畑なんですね。
すなわち、ヴォーヌ=ロマネのニュアンスも持ちつつ、シャンボールの・・と言うか、ミュジニーっぽいニュアンスも持ち合わせていると言うスタイルで、グラン=ゼシェゾーの強い果実の風味の出やすい味わいとも、かなり違った印象を受けるはず・・と思うんですね。それに「レ・シャン・トラヴェルサン」は、このアン・オルヴォーの南に接しています。
グラン=ゼシェゾーの南に接する「レ・トルー」は、上記の2つのリューディの高い高度は持っておらず、しかも北部では無く南部と言うロケーションでして、
「良いエシェゾーを造るには、上部と下部をセパージュする」
と言う鉄則にも当てはまっています。
なので、このエシェゾーも非常に楽しみな2015年・・と言うことになりまして・・
「・・飲んじゃおうかな・・」
などと思っています。売れなかったら飲んでしまう魂胆でおりますんで・・はい。
もし、デゾネイ=ビセイの他のアイテムのレヴューを見て、
「・・これは期待できそうかな?」
と・・アンテナがビンビン来た方は、是非ともトライしていただきたいと思います。下があれだけ旨いんですから上が悪い訳が無いとは思いますが、何せ十数年も扱ってなかった造り手ですので、さすがの noisy も断言はし辛いところです。是非ともご検討くださいませ。
ヴァンサン・ロワイエ
ヴァンサン・ロワイエ
フランス Vincent Royet ブルゴーニュ
[ oisy wrote ]● ブルゴーニュ・コート・デュ・クーショワより、コスパの素晴らしいワインを造るヴァンサン・ロワイエのご紹介です。
コート・デュ・クーショワ?どこ?というのが大方の反応かと思いますが、オイジーも初めて認識したアペラシオンだったので調べてました。
場所はコート・シャロネーズの北限、コート・ド・ボーヌとの境目にあり、町の中心部から西、少し山間部に入った方に位置しています。ブルゴーニュの中では変わったロケーションですね。
現当主のヴァンサン氏の父、ジャン・クロード氏のインタビューによると、
「地域の造り手はこのアペラシオンを得るために20年以上も活動をしてきました。1955年にはブルゴーニュ・オート=コート・ド・ボーヌのアペラシオンの獲得を目指しましたが、パリ=ロピタルが承認された一方で、クーショワは取り残されました。1980年代後半にもう一度申請したものの、オート=コートの生産者に拒否され、またしても実現しませんでした。そこでINAOがブルゴーニュ・コート・デュ・クーショワを提案し、2000年に日の目を見ました。ある意味、ブルゴーニュ・コート・デュ・クーショワは偶然生まれたアペラシオンなのです。」
とのことで、アペラシオンを獲得するために世代を超えて並々ならぬ努力をしてきたことが伺えます。
またジャン・クロード氏によると、コート・デュ・クーショワは「マルチカラー・テロワール」で、
「少なくとも青、黄、赤、グレー、白のカラフルな粘土が混在している」
そうです。そして、
「赤い粘土はフルーティーなワインを生み出します。黄色の粘土は軽いワインを、青い粘土はより力強く、頑丈なワインを生み出す。」
とのこと。

現当主はヴァンサン・ロワイエ氏です。2020年ビンテージより「ドメーヌ・ロワイエ」から「ヴァンサン・ロワイエ」へ名称変更しました。
写真やインタビューを拝見すると、お父様もまだドメーヌには関わっておられるようで、世代交代の真っ最中という感じでしょうか。新当主のヴァンサン氏とともに、これからどのように成長していくのか楽しみな造り手です。
ブルゴーニュが高騰を続ける中、リーズナブルなワインを提供してくれる貴重なドメーヌです。ぜひご検討くださいませ。
■エージェント情報
コート・シャロネーズの最北端、コート・ド・ボーヌとの境界であるコート・デュ・クーショワ(Cotes du Couchois) に位置する当ドメーヌ。ボーヌの町から車で1時間近くかかり、葡萄畑よりも牧草地帯のほうが多い山間の村にひっそりと佇んでいます。今まではフランスの個人客のみに販売しており、弊社が初の海外取引となりました。 所有する畑は12haで約7割がピノ・ノワールで残りがシャルドネとアリゴテになります。畑の土壌は粘土泥灰質で標高250~350mほどの丘の東~南東向きの斜面に位置します。
現当主のジャン・クロード氏の祖父が3haの畑を開墾したことから始まり、1966年に両親がワイン造りを始め、1980年までにピノ・ノワールの畑を増やすなどして6haまで畑を広げ、この時代はすべてネゴシアン売りをしていました。1984年になって現当主がドメーヌに加入、アリゴテとシャルドネの区画を増やす努力をして現在では12haの畑となり、その内訳はシャルドネが2ha、アリゴテが1.9ha、ピノ・ノワールが7ha、ガメイが1haになります。 収穫はすべて手摘みで行ない、ピノ・ノワールは100%除梗した後に18日間マセラシオンを行い、圧搾後に樫樽で6ヵ月間熟成、澱引きとフィルターをしたあとに瓶詰されます。シャルドネは18度に設定したステンレスタンクで約3週間醗酵させ、澱引きした後に6ヵ月間ステンレスタンクで熟成。フィルターにかけた後に瓶詰されます。
●
2022 Bourgogne Chardonnay
ブルゴーニュ・シャルドネ
【黄色のフルーツがアロマティックによく香る!果実のコクとミネラルの充実感のあるシャルドネのご紹介です!】 [ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] シャルドネはやはりニュートラルな品種ですね。良くも悪くも品種自体の特性が薄く、土地や気候の味わいをその身に宿しやすい。ヴァンサン・ロワイエのシャルドネを飲むと、コート・デュ・クーショワという土地のテロワールに俄然興味が湧いてきます。
香りは思わず「おおっ」と反応してしまうほど「アロマティック」に香ります。りんご、洋梨など黄色と白果実のニュアンスに、若干ハーブの緑の要素、同時にミネラルも立ち上がります。
「熟れたなあ」と感じるほどによく熟した果実の凝縮感。若干オイリー感もあり、よく冷やしても「果実のコク」を感じるほどにぶどうが持つパワーも感じます。
それでいて酸に冷やかさもあり、ミネラルの下支えもあるので味わいにバランスが取れているように感じます。一方でインポーター資料にあるスレンダーさはあまり感じないかな。
低温での発酵だから果実のニュアンスが失われず、ステンレスタンクでの熟成だからかえって余計な要素がつかず、表現したいフルーツのアロマとシンプルながら充足感のあるミネラルが表現できているのかもしれません。
そういった意味では造り手には、明確に「造りたいワインのイメージ」があって、
「イメージ通り」に、
いやこのアロマティックさはもしかしたら
「イメージ以上の」
ワインができたのかもしれません。
よく熟すけど標高が高い分、酸も残り、ミネラルはそこまで複雑ではないけど充足感がある、ピノもそうでしたが、フローラルにアロマティックによく香るのがこのアペラシオンの特徴なのかな・・・
この価格帯ではかなり満足感の高いシャルドネだと思います。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
ドメーヌ・ド・クロヴァロン
ド・クロヴァロン
フランス Domaine de Clovallon ラングドック・ルーション
● ドメーヌ・クロヴァロン(カトリーヌ・ロック)をご紹介します。とても評判が良いと聞きつけまして飲んでみることにしました。結果・・中々に良いです。

■エージェント情報
ドメーヌ・クロヴァロンは、カトリーヌ・ロックによって南仏に創設された小さなドメーヌです。ドメーヌの畑は標高250~400メートルの高地にあり、ラングドックでも冷涼なミクロクリマに位置しています。クロヴァロンでは全ての畑でビオディナミによるブドウ栽培を行い、全てのワインが厳格なデメテールの認証を受けています。醸造においてもビオディナミの哲学を貫き、全房発酵と野生酵母のみによるナチュラルな醸造を行い、南仏のワインでありながらフィネスと冷涼感、エレガントさを備えたブルゴーニュワインのスタイルで造られています。
■ナチュラルな栽培と醸造、そしてさらなる進化

ドメーヌでは2000年にビオロジックから完全なビオディナミへと移行し、全てのワインが厳格なデメテールの認証を受けています。栽培では、ブドウ木に過剰な負荷を掛けないようグリーン・ハーヴェストも摘芯も除葉も行いません。また、醸造においては、ブドウに付着している野性酵母以外にいかなる添加物も加えずに醸造を行っています。
これまで母と娘の二人三脚で運営されてきましたが、2016年からは、ステファノ・ルビアナ、マリー=テレーズ・シャパーズ、アンジェロ・ガヤなどで修行した娘のアリックスがドメーヌの全権を任され、新たな取り組みを始めています。
■ワインの多様性と可能性を広げる新たなキュヴェのリリース
ドメーヌでは野性酵母で発酵させ、 醸造中は亜硫酸を添加せず、ろ過・清澄なしで瓶詰めし、可能な限り介入を排した醸造を行っています。2016ヴィンテージからは、約200年前に植樹された15種以上の地場品種が栽培されるクロから、フィールド・ブレンドで醸造したキュヴェや、中世のブルゴーニュの慣行を逆転させた手法よるシラーとピノ・ノワールのブレンドキュヴェ、そしてリースリング種主体のオレンジワインなど、既成概念に囚われない、ワインの多様性と可能性を広げる新たなキュヴェのリリースも始めています。また2017 年からはナチュラル・ワインのイベント「Raw Wine Fair」に参加しています。
●
2023 les Aires Blanc I.G.P. Pay d'Oc
レ・ゼール・ブラン I.G.P. ペイ・ドック
【いろんな香りが、膨張しながらアロマとなって、広がっていきます!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] そうだよな、クロヴァロンって南仏の生産者だったよな・・・
あまりに綺麗なピノを造るのですっかり忘れていました。
あれだけのエキスに富んだワインを造るんですから、地場の品種での作りが悪いわけないじゃいか・・・! このレゼールの香りを嗅いですっかりそう思わされてしまいました。
あえて言いましょう。「賑やかな」ワインです・・!
ミカン、グレープフルーツ、レモン、セージなどのハーブ、蜂蜜、黄色い花。かなりアロマティックに、拡がるように香ります。「香りがたっぷり」なんです。
ヴィオニエは元からアロマが出やすい品種だと思っていますが・・・ここまで「表情が多彩」なものに出会ったことはあったかな・・・
その香りは時間とともに膨張していき、どんどん「ふくらみ」を得てきます。「ぶわ~」っというより「プク~ッ」と風船に空気を入れたときのような膨張感。口に含んでもこのアロマは漂い続けます。常に口内を満たしてくれるアロマが、「賑やか」で「楽しい」・・!
そして「厚み」のある岩盤のようなミネラリティが行き渡っており、それが果実の密度感と合わさり「オイリーさ」を形成しています。
ヴィオニエは果実感が出やすい品種ですが、それが故に「果実のみ」が突出しているワインの多いこと・・・やはりワインとしてのクオリティを求めるならミネラルとの絡みがなければ、液体としての上質さは産まれないと実感します。
これはあのラロック・ダンタンにも共通していましたが「熟していながら、冷涼」です。なので飲み心地よく、もたれず、これだけのフルーツの香りを携えながら、トロピカルには振れない素晴らしさがあるのが、やはりクロヴァロンのワインです。
酸が活き活きしているので、ピュア感も高く、ひとつひとつの味わいを明瞭にしてくれます。
この価格帯にして、ここまでの複雑なアロマと厚みのあるヴィオニエは他にあるでしょうか・・?むしろ「ヴィオニエってここまでできるのよ?」とアリックスさんは伝えたいのかもしれません。やっぱりクロヴァロンは地場の品種も素晴らしかった・・ご検討くださいませ!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【しなやかで気品ある優れたヴィオニエです!・・すでにあのジェローム・ジュレを超えたか!カトリーヌ・ロックさん・・素晴らしいです!】
ラングドックのデイリーワインも
「ついにここまで来たか!」
と思わせるような見事な出来でした。
リアルワインガイドでも、その昔は全然売れなかったジェローム・ジュレが取り上げられ、noisy も散々レヴューを書かせていただきました。
質感も有り、価格もリーズナブル!・・だったのですが、徐々に売れ始めるのと前後して、販売価格は3千円コースになってしまいました。
・・そうなってしまうと、この価格帯はさらに激戦区になり、上級ワインとも選択肢がダブりますから、ちょっと難しくなってしまうんですよね。
ちょうど同じクラスとしては、やはり大人気の「レ・ヴィニョー」が有ります。価格帯はほぼ同様、品種の多彩さではレ・ヴィニョーが勝ります。
しかしながら、ピノ・ノワールと言う・・みんな大好きな品種をエレガントに仕上げているのは、このカトリーヌ・ロック女史の方に有利さが有るかと思います。飲まれたお客様なら、
「カトリーヌ・ロック・・好きかも!」
と思われたことでしょう。柔らかくもエレガンスが有り、高質なピノ・ノワールですよね。
同じような柔らかなテクスチュアで高質さを感じさせてくれる「ヴィオニエ」がこの「レ・ゼール・ブラン」です。2016年はネガティヴイメージが付きまといますが、全くそんなものは・・
「感じられませんでした。」
さらには、「尖がったイメージ」「スパイシー過ぎるアロマ」「ざらつくテクスチュア」「ある種の欠損感」のどれか、もしくは複数が出がちなヴィオニエにおいて、そのどれもがほぼ当たらない・・つまり、それはより高級感を感じさせてくれることに繋がってるんですね。
はんなりと放出されるスパイシーなアロマは拡がりとミネラリティを同時に感じさせてくれます。パレットはかなり円形、もしくは球形で、しなやかなテクスチュアと黄色味の有る果実感をドギツク無く感じさせてくれます。甘みは無く、ドライですがエキスの美味しさがバッチリ乗っています。余韻も実に綺麗に長く、おしとやかに感じさせてくれます。密度感も見事!・・これ以上、単に濃いだけだと疲れるし、薄いとシャバシャバ感が漂ってしまう、その微妙なラインを攻めています。しかもえくたーる当たり20ヘクトリットルと言う、ブルゴーニュの筆頭グラン・クリュ並みの収量ですよ。筆頭格で無いグラン・クリュは量的にもっと沢山造ってます。
しかもカトリーヌ・ロックさん・・美人さんですよね~・・あ、これハラスメントになるのかな?・・いや、あくまで褒めたんです。だからどうしようとかってことでは無いので・・最近はどうにもやり辛い・・
しかし、カトリーヌ・ロックさんの感性は素晴らしいと思うんですね。2種のピノ・ノワールも美味いし、懸念していた2016年の、それも白の「ヴィオニエ」も、
「南部の白ワインらしからぬ冷涼感」
さえ漂わせています。
おそらくカトリーヌ・ロックさんは、自分が好きな味わいに持って行ってるんだと思うんですね。もしくは、
「そうあるべき」
味わいを、身体に染み付けていらっしゃるのでしょう。
日本ではどうなのか判りませんが、世界中で話題になり、引く手あまたの状態のようです。このような優れた自然派ワイン・・しかも、揮発酸による浸食の無い見事なナチュラルさは、日本でももっと認められるべきかと思います。素晴らしいヴィオニエです!是非とも飲んでいただきたい!旨いです!
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2023 Pinot Noir I.G.P. Pay d'Oc
ピノ・ノワール I.G.P. ペイ・ドック
【2023年のラングドックはとんでもない暑さだった!・・がその暑さをうまくいなして新たな「柔らかさ」を獲得した手腕の光るデイリーピノです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 昨年は幸運にも2001年と2022のレ・ポマレードをテイスティングすることができ、ラングドックのピノがこれだけ冷ややかで、エレガントな姿を見せることに驚愕しました。
また製造から20年後の姿を見ることができ、熟成のポテンシャルもあり、これほど美しい姿を見せるのかと驚愕しました。
そのエントリーラインにあたろうかというのが、こちらの無印ピノ・ノワールです。
2023ヴィンテージはある種の「熱」を感じます。あ、もちろん熱劣化しているとか、そういう話ではありません。念の為。「あたたかみ」と言い換えた方が良いかもしれません。
過去のNoisyのレビューから察するに例年はもう少し「赤が強い」気がします。しかし今回はより「黒が強い」果実だと思われます。そしてその「あたたかみ」と「黒い赤」が連れてくるのは・・・恐らく例年よりも強い「柔らかさ」なんですね。
酸も丸みを帯び、より優しくジューシー。しかし残糖分はほぼ無いと言って良いほどドライに発酵しきっています。
ブルゴーニュっぽいというよりは、ラルコやキアラのような、イタリアの果実の柔らかいワインにキャラクターがにていると思います。oisy的には「癒しを連れてくる柔らかさ」が共通しており・・かなり推したいポイント・・!であります。
果実の中に、若干「煙」のようなスパイシーさもあり、そこもまた上質なイタリアワイン的に感じる要素の一つです。
恐らくブドウがよく熟したヴィンテージなのではないかと思い、ググってみると海外の情報誌ではラングドックの2023年はかなり熱く、「8月20日、ラングドック全域で熱波が発生し、気温が43℃まで急上昇。この異常気象は4日間続き、さらに夜間の気温が30℃を下回ることがなかった」というとんでもない年だったようです・・
確かに熱さを感じるけど、こんな年だったと言われれば、むしろこの熱を上手くコントールし、「癒し系やわらかさ」という新たな要素を獲得しているクロヴァロンって凄くない・・!?と思うわけであります。
まだ要素の暴れ感が強く、仕上がりきっていない感があります。もう半年ほど経つと、より落ち着きを得てまとまりが出てくると思います。
しかしこれほど純粋で、表情が豊かなワインが、このお値段というのは・・・普段ブルゴーニュの価格を見ている者としては驚きです・・!デイリーワインのリストに加えるには充分すぎる酒質です。ぜひご検討くださいませ!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【3千円以下のピノ・ノワールで、ここまで純粋で美しく均整が取れ、ポテンシャルを感じるものはブルゴーニュを含めて・・「唯一の存在」でしょう!滅茶旨いです!】
2022年と言うこともあるのでしょうか。いや・・素晴らしいピノ・ノワールです!南部のピノとはとてもじゃないが想像しえないエレガンスと、良く熟してはいるものの鈍重にはならず、冷ややかでピノらしい酸の美味しさと、赤果実の表現・・そして何と言っても・・
「So2の少なさと確かな栽培&醸造技術によるバランスの良さと自然な味わい!」
が、飲む者の心を惹きつけると思うんですね・・。
思えば、クロヴァロンの2021年のピノ・ノワールはリリースされていないように思います。販売した記憶が無い・・(^^;;
つまり厳しかった2021年ものは格下げしたか使わなかったか・・もしくは収穫を諦めたか・・と言うことになります。そもそもこのラングドックの地には・・
「ピノ・ノワールは植えられなかった」
訳ですね。
それを「試験栽培」と言う非常手段でInaoを納得させ、育ててワインを造って・・その出来たピノ・ノワールの素晴らしさでINAOもピノ・ノワールを認定せざるを得ない状況にした訳です。

まぁ・・その辺は母親であるカトリーヌさんの尽力によるものなのでしょうが、
「ラングドックのピノ・ノワールがこれほどまでに美味しいか?!」
と、飲む者にさえ自問自答させられるように・・アレックスさんが頑張ったんですね。
まさに女性の時代でも有りますが、自己中心的、自己満足的なビオワインが多い中、ここまで精緻で・・ピノ・ノワールの名産地であるブルゴーニュワインでさえ凌駕してしまう出来にまでなっていることに、嬉しさを感じます。
勿論、そこには「ポテンシャル/価格」と言うスケールだけでは無く、「テロワール表現」さえ・・有ると思いました。このド・クロヴァロンの畑は、名前の由来の通り、
「山に囲まれた窪地」
です。
まぁ・・そんなところが葡萄の生産地として素晴らしい訳では無く、あくまで・・
「醸造所が有る場所」
として良い訳です。涼しいでしょうし・・。
そしてその山の傾斜こそ、さらにはその土壌にこそ・・素晴らしさが眠っていたんですね。
是非飲んでみてください。めっちゃ美味しい!・・これは飲まなきゃ損です。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【最もリーズナブルなビオのピノ・ノワールで、伸び伸びとした美しいディテールを楽しめるピュア&ナチュラル、クールでドライな見事な出来です!】
もう散々ご紹介させていただいてますからご存じの方も多いクロヴァロン、アリックスさんの「愛らしくも滅茶美しいピノ・ノワール」です。
南仏のピノ・ノワールで有りながらもブルゴーニュ的にタンニンが前に出ず、美しい酸の伸びやかさとバランスを感じさせてくれます。このところの対ユーロ安・・と言いますか、ほぼ主要通貨に対して全面安で20%以上ほども円は値下がりしていますから、若干の値上がりは致し方無いかと・・。まぁ、このご時世ですから、輸出で兵器産業が盛り上がっていたり、エネルギーや資源が豊かな国が有利なのは当然では有りますが、脅しと暴力、兵器で言うことをきかせることで為替が有利になってしまう・・そんな西側の経済システムも・・何だかなぁ・・と思ってはしまいます。
そんな中でド・クロヴァロンのベースのピノ・ノワール2020年は、いつもと同じように「可憐」で愛らしく、伸び伸びとしたアロマに赤果実とミネラリティ、優しい味わいを感じさせてくれました。
色合いは以前よりも赤々しくも酸っぱいバランスでは無く滑らかで、
「タンニン?・・どこに?」
と言いたくなるほど奥に潜んだタンニンのただずまいが、まるでブルゴーニュのピノ・ノワールのようにも感じさせてくれます。

もう、2千円台のまともなピノ・ノワールは希少になってきてしまいまして、今度・・定番で扱っていた「ロッシュ・ド・ベレーヌ」のA.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2017年もご案内させていただきますが、以前のようにほぼ2千円ではご提供は出来ません。上代は3800円だそうで・・「どっひゃ~・・」です。
おそらくですが2700~2800円位にはなると思われますので、明らかにこのド・クロヴァロンの価格が目立つようになるんじゃないかと思うんですね。
お母さんのカトリーヌさんがやっておられる時は、もう少し「より大きい構造のやや太目の味わい」だったように思いますが、娘さんのアリックスさんが指揮を執るようになってからは、より可憐に、伸びやかに、より赤くピュアに・・変化して来ているように感じます。
なので、ボリューム感を求められるのであれば「2019 レ・ポマレード」の方をお薦めしますが、エキス系の愛らしいピノ・ノワールをゆっくり味わいたいのであれば、この2020 ピノ・ノワールをお薦めします。旨いですよ・・冷ややかで美しい!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】
巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
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2021 les Aurieges I.G.P. Pay d'Oc Blanc
レ・ゾリエージュ I.G.P. ペイ・ドック・ブラン
【果実が活き活きとした・・いわゆるオレンジワイン!・・ですが、只者じゃぁありません。3年ぶりにリリースになったゾリエージュです!】

美味しいです・・まぁ、このような色を見てしまうと拒否反応を持ってしまわれる方もいらっしゃるんじゃないかと思います・・そのような方には無理強いは致しませんが、おそらくほとんどの方が大丈夫、行けるんじゃないかと感じる程良い出来だと思います。
だって・・まずこの「照り」を見てください。非常に輝いて見えると思うんですね。これが果実が生きている証拠でも有るんじゃ無いかと思います。・・いや、これを言うとちょっとヤバイかもしれませんが、果皮を漬け込んで造った白ワインの多くは、果実味が失せてしまって・・お茶の風味しかしない・・ものが結構に存在します。noisy 的にはそれらは余りお勧めできません。
そして黒み・・ですね。こちらは黒と言うよりも赤いですよね。そして何より明るいです。なので果実の風味がバッチリじゃないか?と予想できる可能性が高くなります。
実際、とても良い感じのバランスです。フィールドブレンドと言うことで、畑が区分けされているか、ごっちゃに植わっているかは判りませんが、相当に多くの品種を使用して地中のアンフォラに入れられてエルヴァージュされます。
なので、しっかりベクトル変換出来ているんじゃないかと思うんですね。内向的では無く、しかもトゲトゲしく無くて柔らかなタッチで外向的です。僅かに感じられるタンニンが赤ワインのようなボディの厚みを感じさせてくれます。甘く無く、ドライ過ぎないで柑橘のニュアンスさえ・・感じさせてくれました。
入荷してからそろそろ3カ月ですから、だいぶ落ち着いて来ていると思います。そんなに荒れてはいませんでしたけどね。
「美味しいオレンジワイン、下さい~!」
そんな方もそれなりにはいらっしゃいます。でも・・
「すみません・・美味しいオレンジワインはすぐ無くなっちゃうんですよ・・」
と言わざるを得ない場合が多いんですね。でもこのワインが在庫で残っていたらラッキーです。是非飲んでみて下さい。美味しいオレンジワイン、いかがでしょうか!
以下は以前のレヴューです。
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【・・やられた~・・!参りました!・・こう来たか~!】
カトリーヌ・ロックのピノ・ノワールの、柔らかくて暑苦しく無い、美しい味わいにいつも癒されていましたが、このところはすでに娘さんの「アリックスさん」が造っているとか・・
「・・えっ?・・そうなんだ~・・」
と、テクニカルはたまにしか読まないので、全く知りませんでした。
お母さんも美人さんですが、娘さんも可愛らしいですよね・・「惚れてまうやろ~・・」と・・♪♪。
で、今回はインポーターさんからお話しが有り・・いや、このところは随分とnoisy に対する風当たりが・・いや、対応が・・(^^;; 優しくなられてきて、少しは数をいただけるようになって来たのと、新入荷のお話しをいただけるのが早い・・(これは結構に重要)ので、noisy自身が、
「これは行ける!」
と踏んだワインを何とかモノにできる可能性が増えて来たんですね。
で、担当さんが言うには、
「クロヴァロンでオレンジワイン、造ったんですよ。これがかなり評判で・・数は無いんですけど・・」
と言うことだったんですが、本心は、
「(・・オレンジワイン?・・オレンジ色してりゃ良いだけのオレンジワインの範疇にクロヴァロンを入れたくないなぁ・・)」
と思っており、
「(まぁ、ロックさんは美人だからオレンジワインだと言っても美人に仕上がっているかもなぁ・・)」
と、スケベ根性丸出しで、
「じゃぁ・・3ケース」
と言ってみたところ、結局は少し減らされましたが、常日頃
「テイスティング出来る数量、ちょうだいね!!」
と強く言っているのが効いたのか、思った以上に数は有ったのかは判りませんが、初めてのキュヴェにしてはまぁまぁ戴くことが出来たんですね。
で、到着したのは良いんですが、消費増税絡みのゴタゴタや仕入れたのは良いが、まだテイスティングが出来ないからと仕舞い込んでいるワインの順番を飛び越えては、中々にテイスティングが出来ず、でも、
「いい加減に・・クロヴァロンも出さんといかん・・」
と言うことで、何と、
「新着発行の日(定休で休日です・・)にテイスティングしながらのレヴュー書き」
と言うような暴挙に出ている訳です。なので、
「いつもと背景が違う」
のにお気付きかと思いますが・・申し訳ありません、何とか伝わる写真になったかと思います。
ソムリエナイフでコルクを抜くと・・滅茶早いです!・・アロマの上がりが!
「(・・おわっ!)」
と、その柔らかくも鋭角で入射してくるアロマと、鈍角入射の帯域の広い・・鼻の孔を押し広げつつ入ってくるようなアロマが交錯しつつ、なので非常に複雑です。
しかも、非常にアロマティックでフルーツの種類に富み、何とも心地良い世界に誘われます。
「これ、マジで南仏かい・・アルザスじゃないの?」
と一瞬思いましたが、
「・・いや、待てよ・・この感じじゃアルザスの方が暑苦しいだろ・・」
と思い直しました。
その心地良さを感じつつ口に含むと、ま~・・やられちゃいましたね。凄いポテンシャルです。
「・・そもそも・・オレンジじゃないじゃん!」
何やら高質なリースリングが持つソリッドさ、香りの複雑さが来て、しかしボリューム感はしっかり有って・・でも「えげつなさ」とか、これ見よがしな感覚も無く、
「・・これ、どこまで膨らんで行くのか・・この先かなり見ないと図り切れないぞ・・」
とさえ感じてしまいました。
もう、この段階で・・マンモスポテンシャルワイン、決定です。しかも質感が非常に高いです。ジェラール・シュレールのG.C.リースリングにクリスタルを溶け込ませたらこのニュアンスに近くなるか?・・いやいや、リースリングだけのニュアンスじゃないから、それはダメ・・・だとすると・・。
などと、かなりの頭を使わされます。
で、残糖感はゼロ・・(^^;; 超絶にドライです。後口が似ているのはディディエ・ダグノー・・でしょうか。そこにもっと自然派的ナチュラルさを加えた様な感じです。
いやはや・・これはもう・・参ったとしか言いようが有りません。アレックスさん・・娘さんも結構過ぎる実力だったんですね~・・これ、任されて1年目のキュヴェでしょう?・・凄いな!
とは言え、まだ若いですよ。ここまでポテンシャルが有ると、全開になるのにかなりの時間を必要とするでしょう。オレンジ色をしてるからオレンジワイン・・などと言う範疇でくくるワインでは有りません。相当なポテンシャルを持つ凄い白ワインだと言う認識が必要です。
冷ややかでソリッドだけれど、しっかり膨らむし・・でも膨らみ切らない。果実はてんこ盛りなのに、まだ底など見えない。ミネラリティだけ見ていると・・とてもじゃないが南仏のワインには思えない・・と言うような、今までに経験の無い味わいでした!
こりゃぁ・・経験してみないといけません。まぁ、好きか嫌いか・・は誰にも有るかと思いますが、少なくとも、
「3千円のワインじゃない!」
と思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
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2022 les Indigenes Rouge V.d.F.
レ・ザンディジェーヌ・ルージュ V.d.F.
【樹齢200年の滋味深いエレガンスとグラデーション豊かな積層感のあるエキスが染み入る素晴らしいワインです!】 [ oisy wrote]
[ oisy wrote ] なんとも不思議なご縁で最近は樹齢100年越えのワインをポツポツと試飲させていただく機会がありまして、樹齢100年越えのブドウには独特のアロマがあるな、と感じております。ましてやこのブドウは樹齢200年ですからね・・!これほどの樹齢は初めて出会いました。フィロキセラも発見されたのは1863年なわけで、貴重な自根のプレ・フィロキセラでもあるわけです。
繊細なのに力強く、単純な赤い果実ではなく、うっすらと気品があり、少し梅っぽい和のニュアンスを含んだエレガンスがあると感じています。やはり根は樹齢とともに伸びますから、正しく育てばその根は深く様々な地層のミネラルを吸い上げ、複雑性は増していくのかな、なんて考えています。
なのでシンプルさは皆無なんですよね。特にこのワインは15種類以上の品種が混植されてブレンドされていますから。しかしバラバラ感は全くなく不思議と一体感のあるワインに仕上がっています。
スグリ、野苺などのたくさんの小さい赤い果実に、バラ、なめし革、清涼感のあるハーブ、梅。落ち着きのある、しかし多様なエレガンスが結構な元気さを持ちアロマティックに香ります。
味わいはドライですが、ちょっとしんみりとするようなエキス感があり、体に染み込むような滋味深さと、ピュア感があります。この樹齢にして少し若々しさも感じます。いやはやとても良いエキス感です。200年も生きてれば、酸いも甘いも嫌というほど経験しているでしょうから、懐の深い、包み込むような優しさのようなものも感じます。
ミネラルも非常に充満していて、少し鉄っぽさを含んでいて、これが滋味深さを高めているようにも感じます。微妙に違う色の果実が何層にも重なったようなグラデーションのある積層感もまたとても表情が豊かです。冷ややかさを備えたエキスが果実で雑に上書きさせることなく、表情の多彩さを表現しています。ですので重なったエキスをぺらっ、ぺらっとめくりながら、
あ、これはこのブドウの要素かな?と想像するようなちょっとマニアックな楽しみ方もできます。
この滋味深さ、なんというか出汁っぽい感じもあるんですよね。ですので和食にも合うと思います。シミジミと・・・美味しいんです。この難しいブドウ達を、これだけうまくまとめ上げるんだからクロヴァロンの実力たるや恐るべしです。
それと念の為お伝えしなければならないのが、現状還元しているということです。半年から一年で無くなると予想されますが、今飲まれる場合は抜栓から時間を置いてから飲まれることをお勧めします。前日抜栓でも還元香は少し残りましたので、その場合はグラスに注いでからよく空気に触れさせて、少し待ってあげてください。そうすると深いエレガンスが顔を出してくれると思います。還元香さえうまく対処できれば、現時点でもかなり開いていると感じます。
樹齢200年の滋味深いエレガンスとグラデーション豊かな積層感のあるエキスが染みる逸品です!ご検討くださいませ。
[ noisy wrote ]以下は以前のレビューです。
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【15種類以上の品種を「混植」で一緒くたに植えてのワイン!・・豊かな複雑性をほんのりと隠しつつ、時間で異なるアロマへと変化・・濃く無くエキス系で涼やか!お勧めです!】---すみません、価格と数量を考慮してテイスティングは控えました。以前のレヴューをご参考にお願いいたします。
昔は・・ですね・・noisy としましては、この南仏のワインが余り好ましくなく・・と言いますが、
「敢えて手をださなくて良い感じ」
にしか思えなかったんですね・・。そう、もう四半世紀以上も前の話しです。ピノ・ノワールなんてこの地域ではまずお目に掛かることは無かったですしね。
なにせ・・濃いけれど暑苦しいわ、酸は無いわ、2年もすると酷いバランスになってしまうわで・・随分と勉強させていただいたものです・・残るので・・はい。毎日のように自身で・・処分させていただきました。
ですがやはり2000年過ぎからがエポックでしたか。「自然派」と呼ばれる生産者さんのワインが日本に入ってくるようになり、南仏の自然派赤ワインが、
「ル・パンを超えた!」
とか・・大騒ぎになった頃ですね。まぁ、濃いのは滅茶濃いんですがちゃんと酸が有り、滑らかで豊か、誰もが飛びつきました。まぁ、そんなに長くは続かなかったんですが・・。
しかしその頃からビオディナミ、ビオロジックの生産者が増え、力を付けて来て今に至っていまして、
「香りの上りのスピードが速く、タイトに締まっていない柔らかなアロマが心地良いワイン」
が出て来ました。このクロヴァロンもその走りであったようです。昔の評価では有りますが、2001年のレ・ポマレードが92ポイント・・・などと言うのがネットで出て来ます。

しかもこの「ザンディジェーヌ」は「フィールド・ブレンド」です。日本語で言えば「混植」。15種以上の葡萄を一つの畑に植えることで普通は早熟や晩熟の品種も、発芽や開花、収穫のタイミングが一緒になると言う・・ただし、これをいきなりやろうと思っても、良く考えればそう簡単には出来ないですよね?・・ましてやブルゴーニュでは全く無理ですし、ロワールでも他地域の葡萄などは持ち込めない・・まぁ、それをやってしまった順子さんは、せっかく植えたピノ・ノワールを引き抜かれ、焼却処分にされてしまっています。他にもペナルティは在ったようですし。
なので、noisy が「暑苦しくて酸が無くて持たないワイン」で人気薄だった南仏だからこそ、きっと思い切った手を打てたわけですよね。
今は「15種類以上の複雑性を隠しつつエレガンスを導くワイン!」みたいに言ってますが、これ・・もし50年後になったら・・どうなるんでしょうね?凄いことになっているかもしれません。
また毎年エチケットのデザインが変わって届くのも楽しいですね。アリックスさんの趣味でしょうか。しかもワインの出来が良い・・。ボルドーみたいに暖かい味では無い、冷涼感さえ漂う冷ややかさにピュアさ、ナチュラルさ、が伸びて来ます。
赤果実中心で僅かに黒が混じり、スパイスもほんのりと僅かに・・でも結構に複雑性が高いです。
これ、ちょっと寝かせても面白いんじゃないかと思いますよ。これだけちゃんとミネラリティと酸が有って、しつこくないクールな果実がちゃんとある訳ですから、ちょっとやそっとじゃ終わりはしないと・・思います。10年後とか、可能なら20年後?・・どんなになっちゃってるか・・楽しみは後に取っておく・・でも取り合えず今の味わいを見て置く・・みたいな楽しみ方も良いと思います。ワインは一期一会ですから、もし気になったら飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!・・このバランスの取れた複雑味、果実感たっぷりでも非常にスムース、冷涼感とミネラル感!今飲んで最高に旨いです!】
旨いです!・・訳が判らない位の多品種がごっちゃり一緒に植わっている訳です。
でもそれがそう有るからこそ・・この繊細かつ超複雑なのに、まるでピノ・ノワール単一かのような一体感を持って感じられるんですね~・・。
まぁ、一つの畑に一品種なんて、人間が勝手にそうしているだけ・・管理がしやすい=手を抜きやすい=説明しやすい..etc. な訳でして、そんな勝手さもまた時には良いにせよ、世の摂理や倫理からは遠く離れたところにあるんじゃないかと・・。
少し前・・我々がまだ若かった頃は、子供の頃は男女一緒に扱われ、小学生になってちょっと毛が生えてくる頃になると、何故か男女ば別々にされ、高校にもなるとnoisy は男子校でしたから・・ま~・・むさ苦しいったら無い・・そして汚い・・悪い奴がトイレットペーパーを持ち出して窓から適当に投げたもんだから窓からアチコチに引っ掛かってヒラヒラと・・すぐに先生にバレて大変なことに・・いや、そうやって男女別じゃなくて成績別に強制的に分ける試験をされ・・のように、人間は「仕分け」したがる性質なんですね。
確かに・・そうすれば、より判りやすくはなるのかもしれませんが、
「こんなに美味しいワインは生まれないぞ!」
と言ってやりたいですね。それに・・可愛いし・・いや・・なんでもないです。
まぁ、あくまでフィールドブレンドと言うことなので、ゲミシュターサッツとか混植とかとは異なるのかもしれませんが、もし別々に区分けしていたとしても、それらを一緒に収穫できるような何らかの努力はされているはずなんですね。素晴らしいワインだと思います。
複雑味、果実感たっぷりでも非常にスムース、冷涼感とミネラル感!クロヴァロンの真の姿を感じさせてくれます。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【激旨です!オーストリアで言えば「ゲミシュターサッツ」!何と判っているだけで15種類以上の品種が混植されているそうです!味わいも全方位外交+柔らかで集中したアロマです!】
いや~・・2018年ものは完璧ですね。全くの球体、見事な集中力です。色合いもレ・ポマレードとは全く違って濃い目の美しいガーネットです。
それでいて全然甘く無いんですね・・ドライです。ナチュラル感を漂わせている柔らかでスピードの速いアロマには、もはや「貫禄」みたいなものさえ感じられます。
味わいも見事でして、接ぎ木無しの樹も植わっているそうですから、そんな「一体感」もこのワインに生きているはずですが、「伸びやかさ」にも影響しているかもしれません。
このワインもレ・ポマレード同様、2020年10月後半のテイスティングでしたが、超繊細なレ・ポマレードが、
「・・すみません、ちょっと船酔いしちゃって・・」
と言っているのに対し・・(^^;; レ・ザンディジェーヌの方は、
「・・さぁ、いつでも行けるわよ~」
みたいな・・準備万端整っている、容姿の麗しさが見事でした。
なので、レ・ザンディジェーヌを先に案内させていただくかな・・などとは思っていたんですが、余りの忙しさに文章を書いていられず、結局レ・ポマレードと一緒になってしまいました。
このワインは是非!・・飲んでみて欲しいと思います。めっちゃ美味しいですよ・・。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【超絶な混植由来なのにこの一体感!ピュアで冷ややかなアロマに美しいエキス味、涼し気な余韻は瑞々しさを感じさせます。少し熟させても面白いはず!】
このワインが混植なんだ!・・とテイスティングして判る方はかなりの感性の持ち主でいらっしゃると思います。
「・・ピノかなぁ?・・でもなぁ・・」
noisy の場合は、自分で仕入れたとしても来た時にはほとんど忘れちゃってますから、知らないワインのテイスティング時には、
テクニカルがほとんど判っていないんですね。なので、むしろ第一印象は結構に重要、あとから、
「・・なるほど・・そう言うことか・・」
と再確認するようなことも多く有ります。
まぁ、言ってしまえば、「ゲミシュターサッツ」であり、マルセル・ダイスなら「混植」なんですね。しかも、
「200年前に植樹した地場品種のオンパレードで、その品種の名前すら判らない・・」
と言うことなんですね。
しかも200年前に植樹って・・もしかして、フラン・ド・ピエ(接ぎ木無し)か?・・だからこその「この一体感なのか?」・・と言う部分に行きつく訳です。
まぁ、エージェントさんのテクニカル資料を100%信用はしていないものの確かめようもないので、どうにもクリアにできず悶絶する訳ですが、確かにこの「一体感」「シームレス感」はその辺りを感じさせます。
しかもこの南部の葡萄を使用しつつも、「・・ピノか?」と一瞬感じるほどの冷ややかさをも持ち合わせており、中盤以降にはほんのりと「黒い果実」をノーズに運んできますから、
「・・一体、どんな葡萄なんだ?」
とまた悶絶する訳です。
それでいて完成度は非常に高く、クリアでピュアな味わいには、基本、赤果実が支配しており、非常にドライで完全エキスのワインに仕上がっていることに、驚きを感じます。
「やっぱり・・センスなんだよなぁ・・」
と思ってしまいました。
しかし、実際のポテンシャルを拾いますと、現在の状況で100%の力を発揮している訳では無いことも判ります。それでも美しいバランスで美味しくは飲めてしまうんですけどね。
現状で飲むことを考えますと、赤果実中心の美しい味わいの一体感の高いワインです。しかしながら、2~3年の熟を経ますと、
「多品種による混植」
の特徴が出てくるはずなんですね。・・ね?・・実に楽しいワインでしょう?・・アンディジェーヌとの名付けと言えば、あのフィリップ・パカレの2005年のコルトン=シャルルマーニュになるはずだったワインを思い出されますが、
「(現状に対する)反逆者」
と言うようなロック女史の強い意志と感性を感じます。
しかも価格も嬉しいです。こんなに楽しめて・・こんなんですから・・。是非とも他のアイテムも飲んでみたいと思っていただけると思います。ご検討くださいませ。お勧めです!
ドメーヌ・ユベール・ラミー
ユベール・ラミー
フランス Domaine Hubert Lamy ブルゴーニュ

● 遅れに遅れた2022年のユベール・ラミーをご紹介させていただきます。
どうやらラミーの超密植のワインもついに限度を超え、我々の計り知れない領域へと踏み出し始めたようです。人間、経験の無いことは判らない・・ですから、触れてみて初めて・・
「・・あぁ・・こういうものか・・」
と少し理解し、そこからスキルを重ねて得て、ようやっと判断できるようになる訳です。
noisy も、今回は余りに時間が無く、短い時間の中での判断となりました。しかし1回目のご案内後に飲み残しているワインと対峙してはじめて、自身の言葉に完全な自信を持ってお話しできるようになった・・今回の2022年ものに関しましてはそのような流れなんですね。
ですので、比較的判り易く、しかも凄かったのがサントーバン系です。特にデリエール・シェ・エドゥワールは白も赤も半端無い仕上がりで、しかもポテンシャルが取り易かったと思います。
物凄い仕上がりなのに、テイスティング時はまったく開かなかったのがシャサーニュやピュリニーの村名以上の白です。トランブロのオート・デンシテの評価が93ポイント止まりなのは、また、デンシテでないトランブロもロベンバーグ以外が低かったのは、
「単に密度が半端無く、テイスティング時に完全に表情を閉じ込めていたから」
だと言えます。
そして素晴らしいのが赤です。デリエール・シェ・エドゥワール・ルージュの素晴らしい「揺らぎある味わい」には驚かされました。そしてトップ・キュヴェのクロ・デ・グラヴィエールの豊かな果実の風味はジャイエを彷彿させてくれました。
ユベール・ラミーの2022年、半端な仕上がりだったと・・後年言われるヴィンテージになったと確信しました。ぜひご検討いただけましたら幸いです。
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ユベール・ラミー2021年、第二弾として赤ワインを中心にお届けいたします。
2021年のラミーの赤は、現時点の成長具合が白ほどの成熟には届いていませんし、2020年ものが持っていた甘みさえ感じさせる集中した「豊満な果実」が大幅に無く、反対に果実酸を豊富に含み、それをエレガントなブルゴーニュ・ピノ・ノワールのアルコール分13度ほどの中に展開させるという、ある意味これもまた、「化け物」的な仕上がりになっています。
甘みを含む果実味と言うことであれば、それは飲む者にとっては「早い段階から仕上がっている」と感じさせますが、きらびやかな果実酸が種類・量とも豊富である・・と言うことは、
「仕上がり・成熟により時間が掛かる」
のは当然です。
2021年もののラミーの赤は、noisy にとっても非常に興味深く・・本来は1本か2本のテイスティングで留めるところを3本まで開けてしまいました・・。その甲斐も有って、
「2021年のラミーの赤の解体新書上梓まであと一歩」
のところまで迫れたかな・・と自信過剰気味に・・思っています。
面白いのは、
「シャサーニュ=モンラッシェ・レ・グージョンヌV.V.は普通に美味しいが・・それは狸か狐に騙されている状態」
「デリエール・シェ・エドゥワールは思いの他・・仕上がって来ている・・素晴らしさが良く判る」
「サントネ村名はだいぶ仕上がりが遅い」
と、それぞれに全く仕上がり方が違うんですね。
まぁ・・畑も全然違いますし、超密植化をしているのか、していないのか、進んでいるのかも余り判りませんから、
「ワインとじっくり向き合うことでしか情報が無い」
とも言えます。
今回はアドヴォケイトの評価が間に合いましたので掲載させていただきましたが、noisy 的には相当な疑問符が付きます。もしアドヴォケイトを信用される場合でも、評点はあくまで、
「今(すぐ)飲んで点」
だと考えられるのが良いと思います。
トップ・キュヴェのラ・グラヴィエールだけは少なくて飲めませんでした。残念ですが・・仕方ありません。
優れたピノ・ノワールであることをしっかり確認させていただきました。ぜひご検討くださいませ。お勧めします!
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今や時代の寵児、名実ともにブルゴーニュのトップドメーヌとなったドメーヌ・ユベール・ラミーの2021年をご紹介させていただきます。
このラミーの2021年ものですが、海外メディアの評価が揃っていないので彼らの動向は不明ながら、
「アドヴォケイトは2021年ものを2020年、2019年ものと比較して同じか 1~3ポイント下げで評価した。」
のは明白です。クリオ=バタール=モンラッシェの3年連続満点獲得はなりませんでした。
しかしながら noisy 的には、それは間違いだろうと踏んでいます。明らかに前年をも凌ぐ出来であると・・少なくとも noisy がテイスティング出来たアイテムの状況と、そこから推測可能な事象を考慮に入れると、そうとしか思えない訳です。
それは、2021年と言う特殊なヴィンテージと、ラミー特有の「超密植」をどう捉えるか、また新型コロナウイルスの影響による情報不足の中で、その超密植の実現状況をも推測しての答えです。
お客様には、ぜひとも・・少ないですが、
「圧巻の出来のA.C.ブルゴーニュ・シャタイネールを飲んでいただき、その凄まじさを感じていただきたい!」
と思っています。
この「化け物」みたいなA.C.ブルを、誰もが本当にA.C.ブルだと感じるか?・・と言うことですね。
そしてこのA.C.ブルは、Noisy wine も意を決して、非常にリーズナブルに提供しています。
「・・えっ?・・1万円で・・リーズナブルなの?」
と感じられるかもしれません。ですが、上代は11500円税別ですから・・数が沢山あればそれでも可能かもしれませんが、2020年ほどでは無いにせよ、非常に少ないです。
そして2021年のラミーのワインが特別だと・・言うその根拠には、
「このA.C.ブルには、かなり上級のキュヴェのセカンド・プレスが半分ほど使用されている」
とのことなんですね。
はっきり言って、noisy もぶっ飛びました。久々にFacebookで呟いてしまいました・・あ、呟くのは「X」でしたっけ?
他にも・・あのクロ・デュ・メが大変身して、物凄いワインになったとか・・コンシ・デュ・シャンがおそらく3段式ロケットだとか・・テイスティング出来たキュヴェは、コラムを一生懸命に書かせていただきました。
2021年のユベール・ラミーは、彼の記念碑と言える出来じゃないかと考えています。noisy は今もまだラミーをテイスティング中です。次回もご紹介する予定でいますのでどうぞよろしくお願いいたします。
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2020年のユベール・ラミーをご紹介させていただきます。
昨年ご紹介させていただきました2019年のユベール・ラミーですが、アドヴォケイトではラミーの2019年クリオ=バタール=モンラッシェに対し、当初は97~99ポイントとしていたところ、後に満点の100ポイントに修正した上、2019年のブルゴーニュワインの白ワイン唯1本だけであるトップに選択しました。
因みにD.R.C.の2019年モンラッシェは、アドヴォケイトは96ポイント、ジャスパー・モリス氏は98ポイントですから..ドメーヌ・ユベール・ラミーの白のトップワインがブルゴーニュ・シャルドネのトップに躍り出たことを明らかにした..そう考えるのが妥当なようです。
そしてその影響は途轍も無く大きかった・・訳です。世の中の市場からラミーのワインがほぼ消えたのは間違い無いですし、既存リリース品の価格も暴騰(・・2020年ものが出回っていない今はまだ可愛いものだと思えます)、そして今回以降にご紹介させていただく2020年もののユベール・ラミーのワインは、
・クリオ=バタール=モンラッシェ 上代40万円
・その他のオート=デンシテ 上代6万円
・その他 20~40% の値上げ
と言う、古くよりラミーのワインに親しんでいたお客様におかれましてはちょっと残念な結果になってしまいました。
まぁ、「・・ラミーのワインは旨い!凄い!」「将来性抜群!」だからこそ、Noisy wine でラミーのワインをお買い上げ下さっていただいていたはずですから、喜びもまた有るはずですが、ここまで高価になってしまいますと今までのように安易には手は出て行かないかもしれませんね。
2020年ものと言うことで入荷数は多く無く、noisy もできうる限りのテイスティングと、その分析にほぼ1カ月近くの時間を費やしました。残念ながらテイスティング出来なかったアイテムも有ります。高くなった価格の性も有ります・・。でも数が無いのが一番です。
で、海外メディアの評価をさらってみたのですが、ものの見事に見当たらないんですね。見つけたと思っても信頼性に欠けるものだったり、評価対象のヴィンテージが2020年かどうかあやふやだったり・・している訳です。
・・noisy はなんでそんなことをしているのか?・・と疑問に思われるかもしれません。それに新着のラミーのご案内ですが、1回目は赤だけ・・です。白は次回以降にご案内予定です。・・何でか?・・なぜそんなことするかと申しますと・・
「2019年ものでユベール・ラミーはブルゴーニュのトップ生産者の頂点に立った!」「・・・が2020年ものでもラミーは、革新を続けていた!」「結果、2020年ものは2019年ものまでのラミーのワインと若干ニュアンスが異なる!(特に早い段階で飲む場合は・・)」 ここからはあくまで noisy 的な想像の世界の話しになりますので、間違いも含まれるかと思いますがご了承くださいませ。
ブルゴーニュのトップ生産者の元で修行していたオリヴィエさん。メオ=カミュゼでも修行していましたから時代的にアンリ・ジャイエにも教わったはず・・で、赤ワインにはそのルーツが潜んでいると感じます。
また、現在はルロワの真横でクリオ=バタール=モンラッシェを育んでいる訳ですが、やはりその影響も大きく受けていると思います。実は2019年ものには、今回の2020年ものに似たニュアンスが潜んでいて、もしかしたら noisy もラミーのどこかのコラムで、そんな部分を書いていたかもしれません。
そう・・自然派・・と言いますか、ナチュールっぽいニュアンスが入って来ているんですね。勿論、アヴァンギャルドなものではありませんので危険性は有りません。ですが、
「2019年までの、ゴリゴリっと口内を押し拡げながら巨大なミネラリティを感じさせつつ・・入ってくる感じ」
が無くなり、
「2020年ものは、そのテクスチュア・接点に非常に細かな産毛のようなものを口内や舌先で感じているかのような、より柔らかでふんわりしたニュアンス・・から始まり、アイテムによって異なるが徐々に巨大化し始め、表情をしなやかに感じさせつつ溶け込んだ膨大なミネラリティを美しく見せる」
なんですね。
つまり、栽培も徐々にナチュール寄りになっているのかもしれませんし、少なくとも発酵前、瓶詰め時のSo2添加量が減っている・・と考えられ、その影響が味わい、アロマ、テクスチュアに顕著に出ている・・と思われます。
言ってみれば、ワインのイメージがドヴネやルロワのワインに似た方に寄って行っている・・そう感じるんですよね。白もそうですが、赤も・・。以前から noisy も、
「ラミーのワインは化け物・・」
と思っていましたが、自身が信じた道を全く歩みを緩めることなく突き進んでいる・・2019年もののクリオ=バタールの物凄い評価は、たまたま出会った障害物・・的なものなのかもしれません。

このことは、超近眼の海外メディアのテイスターさんたちの、
「口に含んだ時の一瞬の判断」
だけによってしまいますと、2020年のユベール・ラミーのワインの評価が今ひとつになってしまうんじゃないか・・そんな気がしたんですね。ですので、各メディアがどう評価しているかが気になった訳です。
それに加え、今までラミーのワインを愛好してくださっていた Noisy wine のお客様たちが、2020年もののラミーが自宅に届いたから・・と言って、サクッと抜栓した時に、
「・・あれ?・・」
と一種の違和感を持たれ、勘違いされるんじゃないかと・・の懸念も生まれた訳です。
ですので、赤ワインの方はそのような傾向が顕著には表れない特徴が有りますので、まずは赤ワインを先行でご案内させていただき、白ワインは次回以降、このコラムをお読みいただいた上で、販売させていただければと考えた次第です。
いや・・サン=トーバン1級アン・ルミイィ..べらぼうに・・旨い!・・凄いワインでした。ですが・・今までとは「イントネーション」が異なります。釣りで言えば竿の先調子と後調子位・・違って感じられるかもしれません。
そして赤ワインですが、史上最高の仕上がり、間違い無しです。高くなっちゃいましたが、
「サントネ村名・・とんでもない出来!」
です。シャサーニュのグージョンヌも凄いです。濃密ですが全く甘く無く、質感の高さ、密度の凄さゆえの存在感・・お楽しみいただけます。
と言う訳で赤ワインからのご紹介で申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。
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待望のユベール・ラミー2019年をご紹介させていただきます。ま~・・お問い合わせの多いこと!・・何としても2019年のオート=デンシテが欲しい!・・とおっしゃる方が多いです。
ですが2019年ものはラミーも生産量激減で僅少・・・しかもほぼほぼ10%の値上げが厳しいところではあります。
ですが・・それでも安い!・・と思わせるだけのポテンシャルが有ります。
2019年の赤、ピノ・ノワールは4アイテム、テイスティングできたのは3アイテムになりますが、
「どのキュヴェも完璧!・・サントネ・クロ・デ・グラヴィエールは・・なんとアドヴォケイト2年続けての94ポイント評価!」
が全てを語っているかと思います。どんなに心臓に毛の生えたテイスターでもサントネに94点は・・躊躇してしまうのでしょう。まぁ・・noisy なら・・ちゃんとした評点を付けちゃいますけど。兎に角、
「サントネ村名赤で充分以上に激旨!」
を保証致します。もっとも最初から否定で入る方には保証できませんが・・(^^;;
2019年のシャルドネは・・
「すみません・・A.C.ブルのシャタイネール・・とんでも無いワインです。ぶっ飛んじゃってます。このご時世、これ以上のA.C.ブルは有り得ません。」
と言い切ってしまいます。
確かにメオ=カミュゼの・・格上では有りますがオート=コートの品格ったら無いです。でも、度肝を抜かれるような圧倒的な美味しさはシャタイネールに軍配を上げます。ま~・・凄いポテンシャルですよ。
で、2019年のシャルドネの村名クラス以下は、
「今飲んでも滅茶苦茶旨い!・・」
です。村名サン=トーバン、1級フリオンヌ、1級クロ・デュ・メ、村名ピュリニー、村名シャサーニュまでは今でも物凄い味わいを楽しめます。
それ以上のキュヴェにつきましては、
「もう少し休ませて欲しい」
と思います。充分な美味しさは上に並べたキュヴェ同様に有りますが、まだ落ち着いていないと考えられる振る舞いを見せますので、
「適度だろうと思える期間は休養させてから」
お楽しみいただくことをお薦め致します。
因みにトップ・キュヴェのクリオ=バタール・オート・デンシテ2019は、2018年の98ポイントを上回り、99ポイントを付けました。もはや敵?は前にはおらず、同じ立ち位置に居る・・状況です。
同様に2018年ものの凄い出来を見ましても、2019年ものはそれを超えた評価を得ています。ほぼ1ポイントは積み上げているような感じですね。
ですので、昨年の2018年もののご紹介で書かせていただいたように、
「あなたが欲しいブルゴーニュワインはラミーか、ラミーじゃ無くても良いか?」
もしくは、
「ユベール・ラミーの2018年を飲まずにブルゴーニュワインを語れると思うか?」
をそのまま2019年と書き換えさせていただきたいと思います。
いや・・でも2014年もののサン=トーバン1級クロ・デュメは、信じがたいほどの数量を販売させていただきましたが・・多分、状況を知らないワイン屋さんが聞いたら、「そんなの嘘!」と言うに違いないほどの数です・・でも、何と・・
「2019年ものの入荷はたったの12本」
です。・・あ、テイスティング分を別途に分けてくれたので13本ですか・・。なので営業的には非常に厳しいですが、
「2019年もののラミーは絶対に飲んでみるべき!」
だと、お勧めしたいと思います。勿論、A.C.ブル・シャタイネールとサントネ村名で・・もう充分激旨です。どうぞよろしくお願いいたします。
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「2018年ユベール・ラミーはブルゴーニュのトップ生産者十傑に仲間入り、間違い無し!」 いやはや・・驚きました。昨年ご紹介させていただきました2017年ものは、正に呆気に取られるほどの出来栄えでした。ブルゴーニュのトップクラスの生産者になったことを肌で感じさせてくれたシャルドネと・・そしてピノ・ノワールでした。
その2017年ものと同等・・もしくは僅かに超えることすら難しいはずの2018年ものでは、もしかしたら・・ラミーならやってくれるかもしれない・・と言うような淡い期待は有ったのですが、まさか・・
「2017年ものを凌駕する、置いてきぼりにする驚異的な出来!」
になるとは思いませんでした。
A.C.ブルのシャタイネールでさえ・・です。開けた瞬間から漂うピュアなアロマは、膨大なミネラリティと共に否応なく受容させられます・・しかしそれが滅茶気持ち良いんです。膨大な酸は球体に近い大きなパレットを描き、三次元的横方向に・・前後左右に伸長しつつ、縦方向に、上下に膨らもうとします。圧巻な味わいとはこのことで、初めてコシュ=デュリのワインに触れた時のような、ある種、畏怖に近い感情をも思い起こさせます。
村名のサントネイ・クロ・デ・ゾートでさえ・・
「・・あれ?・・これって・・相当見事なシャンボール=ミュジニー?」
との比較対象をすぐに求めてしまうほど・・超有名な生産者を想起させられてしまうほどの品格と特徴を持っているのです。
品温が下がりやすいこの2021年の厳冬期に品温10度で飲み始めても、ツヤツヤとしたテクスチュアからの見事な表現で「球体」を楽しませてくれます。
「いや・・これは有り得ないほど素晴らしい!」
と判断せざるを得ませんでした。
今回ご紹介させていただきました2018年もの18アイテムのうち、クリオ=バタールを含めたオート・デンシテはテイスティングできませんでしたが、それ以外の15アイテム全てをテイスティングさせていただきました。
そして上記のような感覚を受け、この上無い凄い仕上がりと判断させていただきました。
2017年ものの時には、それでも比較してしまうと「少し緩さも有るか?」と感じたキュヴェでさえそんな感覚は失せ、ユベール・ラミーらしい「超密度のワイン」を得ていますので、ここで敢えて・・言ってしまいましょう。
「オート・デンシテのキュヴェで無くても充分」 そうです。2017年もののオート・デンシテも飲ませていただきましたが、オーラさえ感じる凄い仕上がりでした。
しかしながら2018年ものは、確実に2017年ものを「大きく超えた」存在です。「一体いつ完熟するか想像もつかないオート・デンシテをどうしても育てて飲みたい!」と言う楽しみを成就させたい方以外には、必要の無いものなのかもしれない・・それほどの仕上がりかと予想しています。A.C.ブルでさえ・・とんでもない出来だからです。
海外メディアの評価も掲載していますが、あくまで「参考」と言うことでお願いいたします。
「ちゃんと評価している!」
と思えるキュヴェの評価もあれば、同一人の評価でも
「ポテンシャルを全く取れてない」
としか思えないものも有りますし、
「通常のヒエラルキーに支配された安直な評価」
をしているテイスターも多いです。
そんな中でも、トップ・キュヴェの「クリオ=バタール=モンラッシェ」はアドヴォケイトで上値98ポイントですから、2017年もののD.R.C.モンラッシェ99ポイントに近似な評価を得ているんですね。
2018年もののユベール・ラミーのどのキュヴェを飲んでいただいても、驚異の仕上がりに胸を振るわせていただけるでしょう。
「あなたが欲しいブルゴーニュワインはラミーか、ラミーじゃ無くても良いか?」 もしくは、
「ユベール・ラミーの2018年を飲まずにブルゴーニュワインを語れると思うか?」 そう、ブルゴーニュファンに問いかけさせていただきたいとすら・・感じさせてくれた2018年ユベール・ラミーです。飲まずにスルーするなら後悔することは間違い無しです!・・そして飲んだらあなたの持っているそれまでに長い時間を掛けて生成してきた既成概念を粉々にしてしまうと思います。ご検討くださいませ。
■エージェント情報
2018年のユベール・ラミーがいよいよリリースとなります。3アイテムのみですが、社内試飲いたしました。
これまでの卓越した完成度から、更に突き抜けた熟度の追求。それは果実の要素とか密度とか酸のレベルとか、樽の使い方といったテクニカルな分析を一蹴するような完全な調和の世界です。
標高の高い冷涼なサン=トーバンは熱量の高い2018のような年は凄まじい完成度になるだろうなと仮説を立てて試飲したのですがそんな小理屈を吹き飛ばしてくれる衝撃です。熱量の高い2018年、当然のようにオリヴィエ氏は誰よりも早い収穫と例年以上の徹底的な選果で期待を裏切らない結果を出しました。
ブルゴーニュは2017年に続き収穫量に恵まれた2018年となりましたが、ラミーに関しては2017年に続いて生産量減となりました。しかしながらいくつかのメディアが興奮、混乱しているようにその完成度は非常に高いです。
誰よりも早い収穫開始、冷涼で標高の高いサン=トーバンは温暖化を経て大きなアドバンテージを受けています。毎年のことですが、温暖な年がゆえの甘い大味なシャルドネと想像すると大きく裏切られます。(良い方向に!)
そして同じ畑で葡萄の糖度に合わせて戦果しながら日程を変えて葡萄を収穫…聞いたことがない、また想像もつかない手のかけ方。密植栽培もさることながら、究極を追求するオリヴィエらしいなと思わず笑ってしまいました。下記はBurgundy Reportからの2018年コメントとなります。
『2018年は非常にややこしい年となりました。穏やかな冬と本当に沢山の雨。ある段階では私たちは、一か月の間、毎週末、一日中の大変な作業を余儀なくされました。ある朝、マイナス1℃まで気温は下がりましたが、霜害はありませんでした。乾燥した暑い天候がやってきましたが、土壌が地中に蓄えた雨水のおかげで葡萄の樹はストレスを受けませんでした。全体を通して、ベト病で20~25%の生産量を失いました。
私たちは8月22日に収穫を開始しました。ブルゴーニュは予想以上に熟度が高くなっていました。いくつかの区画では凝縮度に満ちて完熟しており、少し2015年を思い起こさせてくれました。とても複雑でした。
私たちのアン・レミリーはコート・ド・ボーヌで最も熟した区画のひとつでした。収穫を開始する日程を決めることは本当に難しい仕事でした。白ワインの生産量は多くはありません。実質、ほぼ皆無だった2016年の霜害の時よりは生産量はありましたが、ヘクタールあたり35ヘクトリットルの生産量となりました。』
(Burgundy Reportより抜粋 意訳・村岡)
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2017年のユベール・ラミーだけは、どんなことが有っても買わなければならない・・とさえ思います。いや、そう思わされました。なので、絶対に買ってください・・(^^;; 白だけでは無く、赤もです。おそらく、今までに体験したことのない世界を見せつけられたと感じていただけるはずです。そして、アペラシオンにこだわり過ぎたことへの反省さえ、心に浮かぶに違い無いのです。
2017年のユベール・ラミーのワインの総括としましては、陳腐な言葉の羅列になってしまいそうで怖い部分が相当に有ります。
何せこの数年、ユベール・ラミーのワインの上昇機運の気配を感じ取ってからは、毎年のように、「前年を超えた」と言ってきました。そして、「物凄いワインだ」とも言っていたはずです。「昇り詰めた」とさえ、どこかに書いたかもしれません。
しかしそれは noisy の大きな間違い、もしくは見込み違いだったと言わざるを得なくなりました。
2013年よりも2014年、2014年よりも2015年、2015年よりも2016年と、年を追う毎にその「密度」がもたらす素晴らしい味わいに歓喜の念さえ持ったものです。しかし、2013から2014へ、2014から2015、2015から2016へと、ポテンシャルの上昇率はほぼほぼ同じ割合で上昇していたと感じます。そして2016年もので高見に達したと思ったものです。
ところが・・それこそが間違いだったんです。2016年ものと2017年ものを比較しようとした場合、
「もうポテンシャルの上昇率が図り切れない!」
とサジを投げざるを得ない感情を持たされてしまった訳です。2013年から毎年20%ずつ上昇し2016年まで来たと仮定したとして、
「では2016年から2017年へのポテンシャル上昇率はどのくらいだろうか?」
と考えた時、もう・・それを図ることは不可能だと感じてしまった訳です。
それほどまでに凄まじい向上と言わざるを得ません。・・いや、2017年もいろんなことが有ったことは判っています。サン=トーバンは決してすべてが順調だった訳では有りません。遅霜の被害で相当の減収になったと伝わっています。でもそんなネガティヴな出来事も、結果的に見れば、
「図ることさえあきらめざるを得ないほどの凄まじい出来」
になったと言うことなんですね。
それでもまぁ・・ラミーのシャルドネは、そんなことも有るかもしれないと、薄々は感じられたかもしれませんが、サントネイやシャサーニュのピノ・ノワールがまた、「ひっくり返るほど」素晴らしく、
「はたしてこれは本当にボーヌのピノ・ノワールなんだろうか?」
「これを飲んでコート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと当てられる人はいるのだろうか?」
と思っています。
「少なくともサントネイの赤であると言える人は唯の一人もいないはず!」
と確信しています。
まさに、ユベール・ラミーの値千金のサン=トーバンのシャルドネの姿を写し取ったかのようなミネラリティに満ち、決して崩れない、綻ばない、貴婦人が如くの美しささえ感じられるピノ・ノワールが、コート・ド・ボーヌに存在したことに、経験したことのない感動と驚きと、伸張して行く可能性がまだまだ残っていることへの恐怖にも似た感情を持ってしまいました。
しかもこれは、ブルゴーニュの南のドンケツのサントネイで有り、赤は誰も期待していないサン=トーバンとシャサーニュ=モンラッシェなのです。

その昔のブルゴーニュは、馬で耕作していた・・と言われますが、それは実は・・比較的最近のことです。それ以前は馬も入れなかったほどの「密植状態」であったとされています。
ユベール・ラミーは、その古い時代と同じ手法を用いることで、その時代さえも超越した、自身の境地に至っていることになります。
だからこそ、もう・・どんな造り手とも比較することは不可能だと言えるでしょう。陳腐なことになってしまいます。ラミーはラミーのワインで比較するしか、比較対象が無い・・とさえ言えると感じます。
そしてその感情は、2017年のユベール・ラミーを飲まれた方と、必ずや共有できるはずです。特にシャルドネだけでは無く、ピノ・ノワールも飲まれた方や、2016年以前からラミーを追いかけていらした方なら・・そうなってしまうことは容易に想像出来ます。
いたるところにラミーの考えや仕事ぶり、そして畑の姿を感じることが出来ます。この・・凄いコルクを見てください!・・思わずメジャーを出して来てしまいましたよ・・。
「57ミリもあるディアム!」
です。
ここではコルクの説明はしませんが、ラミーが何を感じてそのようにしているのか・・是非飲みながら・・いや、まずその長~~いコルクを抜いてからですが、想像してみて下さい。
そして外観だけを言うにしても、全てのアイテムに白い「蝋封」が施されています。しかも全然面倒くさく無い、「蝋封をして無い、蝋封が無い」と思ってスクリューを差し、少し上げてから割れた部分を除くだけで済む・・・でも「蝋封」がされています。この辺も是非、色々と楽しみながら、ラミーの意思を感じていただけましたら幸いです。
素晴らしい2017年でした。とても一言では言い表せませんが、これだけは言えます。
「ユベール・ラミーの2017年だけは見過ごしてはならない!」
・・是非後悔の無いようにされてください。お勧めします。
Domaine Hubert Lamy / ドメーヌ・ユベール・ラミー
“ユベール ラミー”の歴史は古く、ドメーヌは1640年に、サントーバン村でブドウの栽培を始めたという記録があります。先代のユベール氏は、彼の父親であるジャン・ラミーの元で働き、1973年に自らドメーヌ ユベール・ラミーを立ち上げました。それまでは主にネゴシアンであったため、自社畑は8ヘクタールほどにすぎませんでした。
90年代にはクロ・ド・ラ・シャトニエール、デリエール・シェ・エドアール、ミュルジェ・デ・ダン・ド・シャン、クロ・デュ・メ、クロ・デ・ザートの畑を購入、賃貸契約で手に入れました。
また、より土壌の特性に合うとしてラ・プランセの区画に植わっていたピノ・ノワールをシャルドネに改植もしました。
1995年、世界各国でワイン造りとマーケティングを学んだ息子のオリヴィエ氏が、ワイン造りを受け継ぎ、経験を生かした新しい手法で畑から醸造までドメーヌを運営しています。
今日ではドメーヌは17ヘクタールの畑を所有しており、そのほとんどがAOCワインです。サン・トーバン、ピュリニー・モンラッシェ、サントネ、シャサーニュ・モンラッシェなど…18のアペラシオンから赤・白合わせて毎年10万本ほどのワインを生産しています。そのうち70%は海外に輸出され、残りはフランス国内のワイン商、レストラン、愛好家に回されます。

ドメーヌを始めた当初は、村の真ん中に位置する小さな醸造所でワインを造っていました。
1979年、ユベールは実用的な醸造所の建設を始め、1981年に完成させました。
それから仕事がより効率化され2003年には600㎡から3フロアから成る1200㎡の大きな醸造所にまで拡張することができました。ひとつのフロアは醸造設備(除梗、ベルトコンベア、空圧式プレス機2台、震動式選果台、ラベル貼りなど)です。
ふたつめのフロアはボトル貯蔵庫になっています。そしてもうひとつの地下フロアは赤ワインと白ワインが分けられた樽熟成のためのフロアとなっています。
栽培:葡萄はグイヨ仕立て。5月から8月まで毎月グリーンハーヴェストを施します。この10年の間、化学肥料は一切やらずに有機コンポストに切り替えて土壌を修正してきました。
白ワインの醸造:畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。
アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
赤ワインの醸造:収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。
発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。

2010年ヴィンテージについて
開花期の天候が良くなかった影響で、非常に少ない生産量となりました。
2010年ヴィンテージの生産量は例年の30%減となります。2010年ヴィンテージは2008年ヴィンテージに似たクラシックな個性の年です。
少ない生産量は結果として、ワインに凝縮感と素晴らしいバランスを与えてくれました。8月はブドウがゆっくりと成熟し、9月上旬には収穫を開始、9月の14日には収穫を終えました。
ワインはフレッシュさと完熟の要素を兼ね備えており、調和を見せてくれます。生産量の低さは、好ましい凝縮感をワインに与えてくれました。
2009年ヴィンテージについて
2009年は素晴らしいヴィンテージになったと言えるでしょう。まさに太陽のヴィンテージで、芳醇かつ力強さをもたらしてくれました。
しかしながら私達は飲み心地の良さだけではなく、ワインがフレッシュさとフィネスを保つように配慮しました。2009年の白は3年から8年の間は熟成するワインでしょう。
しかしむしろ現時点から開放的な黄色い果実のアロマがあり、完熟した果実味が口いっぱいに広がってからフレッシュさを伴った余韻へと続きます。
ワインはそれぞれの区画の土壌に由来するミネラルの特徴を備えています。
2009年の赤は3年から12年の間、熟成するワインです。深みのあるルビー色、黒系果実とスパイスの香りが特徴的で、フレッシュというよりは芳醇な果実味のワインです。
これらはまさに“美食家のためのワイン”なのです。
●ドメーヌ・ユベール・ラミーの土壌サン=トーバンについてドメーヌ・ユベール・ラミーの持つ畑は基本的に石灰質が占めています。
サン=トーバンの土壌は大別するとふたつに分けることができます。
ガメイ村を越えサン=トーバン村へと延びる斜面は白色マルヌ土壌から成るほぼ純粋な石灰岩質土壌です。柔らかい石灰岩質土壌のおかげで葡萄の根が深く、よりミネラルを吸い上げることができるのです。洗練されたタイトな味わいの白、ミネラル、石を思わせる風味の赤ワインを産出します。ピュリニー・モンラッシェの土壌と類似しています。
(Derriere chez Edouard: Tremblots)
サン=トーバン村の内側、特級畑モンラッシェの斜面にはより堅牢な石灰岩が広がり、葡萄の根によって石灰岩の断層が散見されます。赤色の泥灰土が多い特級モンラッシェから続く粘土質土壌です。より日照に恵まれた区画で、果実味が増しスケールが大きなワインを産出します。(Clos du Meix : Chateniere)
●
2022 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【実はシャルドネだけじゃなくてピノ・ノワールも凄かった!・・アンリ・ジャイエの薫陶を受けた手腕はさらに進化!・・新樽を使用せずにジャイエの手法を今に復活??】

シャサーニュ=モンラッシェの南に接し展開するサントネの村名、クロ・デ・ゾートです。14000本以上の密植度の畑を特定しようと Google Map で散々探しましたが、ここかな?・・と思える部分はあったにせよ・・特定には至りませんでした。
まぁ・・サントーバン1級クロ・デュ・メやクロ・ド・ラ・シャトニエールのように銘板がクロに貼ってあればすぐにでも判るんですが、シャサーニュ=モンラッシェ1級レ・ショーメのように密植度は高くても、他の所有者さんも多くいらっしゃいますから、間違ってしまって・・
「ここです!」
なんてやってしまうのを避けるために公表はしません。
オリヴィエ・ラミーはメオ=カミュゼで働いていた時に、アンリ・ジャイエ直々に教えを乞うています。ジャイエと言えば、
「葡萄のミルランダージュ化」
「完全除梗(基本的に)」「発酵前の低温浸漬」
「低温発酵」
「高い新樽率」
から、飲む者全てを・・
「パーフェクトだ!」
と感じさせる凄まじく旨いピノ・ノワールを造り出していました。
ジャイエの弟子と言われる方は多くいらっしゃいますが、オリヴィエ・ラミーも・・どこまで?・・と言う疑問は有りますが、
「ラミーのピノを飲めば、その手本はジャイエ、カミュゼに有る・・と判る」
と思うんですね。
特に2022年のこのクロ・デ・ゾートは、ジャイエの味筋を再現したかのようなバランスになっています。少し若いですけどね・・これについては後述します。

前述のジャイエの手法の中には、オリヴィエが絶対にやっていない方法が混じっています。それは・・
「高い新樽率」
です。エマニュエル・ルジェは「新樽の魔術師」のようなイメージさえ有りますが、オリヴィエ・ラミーは当初は新樽もそれなりに使用していたと思い出しますが、現在では・・
「98%は新樽では無い」
です。古樽の更新程度の新樽率、そして砂岩のアンフォラとか・・を使用していますので、
「思いっきり自然派」
です。飲めばもう・・そのナチュール感は年々増大していますし、So2の使用量はとんでもなく低いと感じます。
葡萄のミルランダージュ化も、そのものはやっていませんが、
「結果として皮の厚い小さな実を得る」
と言う意味で、密植化を進めることが当たるかもしれません。
美しく濃い目の色彩が出る発酵前の低温浸漬はしっかりやっていると感じますし、D.R.C.やミュヌレ=ジブールのような高温発酵系でないことは飲めばだれでも感じると思います・・果実味重視な味わいです。
以上を考慮しますと、オリヴィエ・ラミーは・・・
「アンリ・ジャイエのピノ・ノワールの味わいを理想としつつ、葡萄由来のものに限定したピュアさを求めている!」
と感じます。
その意味で、このクロ・デ・ゾートは非常にアンリ・ジャイエ的です。言うなれば、
「樽による化粧と緩やかな酸化を加えない、コート=ドール南のどんけつのジャイエ系のピノ・ノワール!」
だと言えるでしょう。
まぁ・・新樽を用いないですからその分、緩やかな酸化を得辛く、エルヴァージュに時間が掛かるので、18~20カ月と言うような通常の50%増しの熟成期間をとっていると思われますし、それでもまだ若干短めで仕上がり切ってはいません。
しかし、その仕上がり切っていない現在の味わいでも、普通に美味しく飲めてしまうバランスでは有りますし、この2022年クロ・デ・ゾートを3年寝かせたとしたら・・
「オールド・ピノ・ノワール・ファンが泣いて喜ぶ味わい!」
になっていることでしょう。ぜひ飲んでみてください。いにしえの神様に出会えるかもしれません。
以下は以前のレヴューです。
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【すぐ飲んで美味しかった2020年ものとは異なり少し時間の必要な2021年ですが、サントネイ赤の村名とは思えないミネラリティと酸構成にビックリされると思います!】

巨大な構造を持ったサントネイ村名の赤です。2020年もののマンモスな果実と、支えに回った膨大なミネラリティが大きな構造を埋め尽くし、
「とてもサントネイ村名とは思えない!」
と感じさせてくれました。すぐ飲んでも美味しかったですし、10年置いても大きく揺らぐことはまずあり得ない仕上がりだったと思います。
2021年ものは、そのマンモスな果実がだいぶ無く、アルコール分がより低く出たスタイルで、膨大なミネラリティはそのままです。酸の総量は2020年ものを凌駕し、現在は・・
「酸バランスを整えている段階」
かと感じられます。ちなみにアルコール分は13度で、
「エレガント系の・・まさにちょうど良い度数」
です。
ですので、縦に流れるド太い涙が見えると思いますが、今はまだ、
「成長中」
なんですね。
デリエール・シェ・エドゥワール・ルージュがようやっとバランス取れて来たところでして、あと1~2カ月ほど・・暖かくなりだしてくる頃から、ゆっくり味わっていただければと思っています。

アドヴォケイトは
「89+ ポイント 飲み頃 2026~2035」
としていまして、評価点はともかく、飲み始めの時期は少し遅すぎかな・・と思います。ですが遅くても問題は無いので・・そうしているのでしょう。
アドヴォケイトは2018年もので最大92ポイントまで付けていますが、2021年ものはテイスティング時に・・
「よほど飲みにくかった?」
と思わせるような評価に見えます。なので「 89+ 」で止まっちゃったのかな・・と思いますし、飲み出しを2026年からにしたようです・・あくまで推測です。
サントネイ村名らしい、軽やかでフレッシュ、フラワリーなアロマがたなびく・・ワインではありません。どちらかと言いますとシャンボール系の味筋で、チェリーを美しく感じさせてくれるワインに育って行きます。
飲み出しはこの2024年の春以降、この先15~20年近く良い状態を保つと思います。素晴らしい出来です!・・が少し早いと思ってください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【「サントネ・・じゃぁ・・ねぇ・・」なんて言ってたら美味しいものには当たらない・・なんて言ってたら、こんなにエレガントなのにもの凄いサントネになっちゃいました!】

理想のピノ・ノワールワインって・・どんなでしょう?
まぁまさに人により違う・・のは間違い無いにせよ、意外や意外・・結構みな近いんじゃないかな?・・・なんて思っている訳です。
noisy もワインのセレクトショップを始めてもう四半世紀です。そんなに長いことやってたかな・・などとも思ってしまいますが、本当にやっていたんですね・・。最初は手探り状態で、入手できる好きなワインをちまちまと仕入れて飲んで・・いつの間にか少しずつ買っていただけるようになりました。勿論、ネットのセレクトショップ開店前からやってますから、とんでも無く長い時間です。
で、noisy も最初は、例えばPKさんが美味しいと言えば飲んでみる、タンザーさんが将来性が有る・・なんて言ってたら仕入れてみる、フランスワインが高くなったと思えばイタリアワインに手を出してみる・・なんて繰り返していた訳ですが、結局のところ、
「ブルゴーニュワインを日本人は大好き」
で、
「その好きな姿、味わいはほぼ皆一緒」
だと気付いたんですね。・・まぁ、一部の方はうまく合わないとは思いますが・・。
ラミーも当初は樽っぽいし硬いし・・なんて思っていましたし、赤ワインはサントネやシャサーニュですから、思い切り「脇道」じゃないですか。でも、やはり「見るべき力」が有ったんだと思う訳です。じゃなきゃ・・扱って無い・・(^^;;

この数年はこのクロ・デ・ゾートの美味しさが半端無くなって来まして、
「これ・・5千円なんて価格のワインじゃ・・ないよね・・」
と感じていました。
10年前には無かった質感、エレガンスが見事に乗り、今では凝縮感にさえ質感を感じるほどです。
この2020年もののクロ・デ・ゾートは、
「グラスの写真だけで大丈夫!判ってもらえる!」
と思えるほどに素晴らしいです。
色はしっかりしていますが・・
「・・でも濃く無いでしょう?」
美しい赤を基調に、積み上げ積層した感じの、余り黒く無い紫です。なんと、雨が降らなくて困った2020年ものなんですが、軒並み高いアルコール度をみせるブルゴーニュワインが多いところ、13度と言うベストなアルコール度なんですよ。エレガンスもありつつしっかりした味わいが感じられる度数です。
そしてミネラリティが見える!・・と思えるくらいに美しく、照りの有る色彩です。
2020年ものは少し自然派に寄って来た感じがしますが、「気のせいだ」と言われれば・・「そうだね」と言ってしまいそうなほどです。
方向は「ミネラリティが半端無いルロワ系」みたいな方に向いてきていまして、それでも、ルロワのネゴスのA.C.ブル・・数万円しますが、そんなのは全く目じゃない・・数倍旨い・・と断言できるほどの充実した味わいです。
ん~・。・・これこそラベルを見せずにワイン会に出して欲しい!・・
「あの人をぎゃふんと言わせたい!」
と思われていらっしゃるのなら、これしかないんじゃないかとさえ思います。もちろん、あの人が noisy で無いことを祈ります。半端無いサントネ村名です。サントネの土壌でラミー風の頑張りをすると、とんでも無い質のワインができるとお判りいただけます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【「サントネのピノ・ノワールは、こう造れば最高!」と言うべき凄い見本です!・・果たしてコート=ドールのピノ・ノワールでこのワインを上回るポテンシャルを持つワインはどれほど有るのでしょう?・・と思えるほどに素晴らしいです!】

素晴らしいピノ・ノワールです。ある意味、サントネらしくない・・と言ってしまえばそれっきりでは有りますが、おそらくこの味わい・香りこそがサントネの(クロ・デ・ゾートの)本領なのでしょう。ユベール・ラミーはその指針を示したに過ぎないのかもしれません。
色合いはしっかり。ルxxエさんのシャンボールを引き合いに出した2018年ものよりも確実に濃い目です。しかしながらテクスチュアがま~・・素晴らしい。まるでゴアテックスの生地の上を滑り落ちる水滴のように「すっ」と流れて行きます。
あっと言うまに流れて行くのに・・味蕾に、ノーズに、喉に・・繊細にして大きな響きを残しつつ、そのストンと胃に落ちて行った液体からもまた香水のようなニュアンスが戻って来るかのようです。
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赤を幾重にも積層させたその幾つかの層にはやや黒みを多く持った赤を配置、それらには石灰やクリスタルなミネラリティが非常に多く含まれています。
低温でサーヴされても、その見事な酸の組成は温度により多彩且つ丸いパレットを描き、そのパレットからアロマがノーズに抜けて行く様が、実に心地良い・・素晴らしいワインの典型とも言えると思います。
そこそこに濃いんですが、全く暑苦しく無く、甘く無く、しかし甘露で多弁、しかし煩わしく無いと言う・・ある意味、完璧さを感じてしまいました。もうこれはブルゴーニュワインファンなら、何とかして飲んでみるべき「ブルゴーニュワイン」です。
そして、物凄く素晴らしかった2018年ものを、軽く超えて来た素晴らしい存在です。
海外メディアの評価を探してみましたが、ジャスパー・モリス氏のものだけしか見当たりませんでした。因みにその評価は87~89 ポイントと言うものですが・・どうもジャスパーさんはアペラシオンに対する評点の上限が決まっているのか、もしくはアペラシオンを評価しているのか、やる気になった時はちゃんと本気で向き合うが、そうでない時は・・と言ったような傾向が有るように思います。
少なくとも90点以下のピノ・ノワールでは無いし、そこからどこまで積み上げるか・・そんな観点を持つような評価が必要なワインです。皆さんも飲んだらきっと・・ビックリするに違いないです。
ラミーの2019年の白も凄いですが、赤はどれを飲んでも・・「ぎゃふん」と言わされてしまうはずです。
圧巻な2019年のラミーのピノ・ノワールです。ですが・・とんでも無く数が無いですので、何とか入手して、
「この凄いピノ・ノワールを一度でも味わってみるべき」
だと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【あのルxxエさんのシャンボールを思い浮かべてしまいました~・・化け物サントネイです!】
アドヴォケイト92点のサントネイです。・・有り得ませんよね~・・でもここは、
「騙されたとしても良い!」
と思ってトライすべきです。
もっとも、2017年ものでも同様に「素晴らしいシャンボールと同様」と書いていましたから、2017年ものをお飲みになられた方は、その真贋はすでにご存じのはずなんですね。
で、さらに追い打ちをかけてしまいますが・・すみません・・2017年ものを軽く凌駕してしまったのが2018年ものです。もう・・半端無いです。まぁ、価格は少しと言えども上がっているようでは有りますが・・。
この季節、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合もセラーから出して自宅に持ち帰ると・・真夜中の12時を過ぎていますので、相当に冷える訳です。品温は10度位でしょうか。
そんな状態でも、物凄いパフォーマンスを見せてくれちゃいますよ。ドライなのに濃密で、しかしサラリとした余韻が長く続きます。ミネラリティはもう・・ラミーですから、もうマンモス級以外の何物でも有りません。
このサントネ・クロ・デ・ゾートと言うアペラシオンは、かなりシャンボールに似たテロワールで有ると言うことが判って来ました・・と言うか、教えられました。ここまでの密植度にして初めて、このクロ・デ・ゾートの個性がハッキリしてくる訳ですね。しかも相当に素晴らしいシャンボールと同様・・です。
アドヴォケイトは92ポイント・・です。ルxxエさんの2018年シャンボールの評価の、最高値はティム・アトキン氏の92ポイントでした・・
「・・あれ?・・」
飲んでみて下さい。ビックリしますよ~・・noisy だって腰抜かしそうになったくらいですから・・。アロマのスピード、ピュア感、ボディの張り出し、立ち姿・・どれも素晴らしくて・・いや、兎に角飲まなければ判りません。
そしてきっと・・感じていただけるでしょう。「これからはラミーか、ラミーで無いか・・それが問題だ」と。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいシャンボール=ミュジニーと言っても過言では無いと思います。この素晴らしいミネラル感!・・零れてくる果実・・美しいです!】
「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のサントネ・クロ・デ・ゾートは、まるでシャンボール=ミュジニーです。コート・ド・ボーヌ感は全くしません。呆れるほど美しく、ミネラリティに溢れています。口に含み、滑らかなテクスチュアを愛で、僅かに零れてくる微細な表情が持つ輝きにクラクラっとさせられてしまいます。
全く何も出していないに等しいのに、これほどまでの素晴らしさとしての感覚が有ると言うことは、どれほどまでにこのワインが高いポテンシャルを持っているかを想像させます。
もう、
「サントネ村名だから・・」
などとは思わないでください。それは不要です。
「ラミーが丹精したピノ・ノワールだ!」
と感じて欲しいと心から願います。素晴らしい出来です!お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度14000本/haと20000本/haの違いにアペラシオンのポテンシャルがどう影響しているのか、物凄く良く判ります!!】
このサントネ・クロ・デ・ゾートは村名の畑です。そして密植度は14000本/haとロマネ=コンティ並み~以上の密度です。
これ・・かなり旨いんですよ。良く出来た僅かに軽めのジュヴレ=シャンベルタンで新樽を使用せず、ピュアに仕上げた感じ・・が近いかな・・と思います。黒スグリやチェリーが柔らかな土とともに現れ、たなびき、そして美しく消えて行きます。
2015年ものよりも登場がやや早いのも有ってか、まだ少々の「荒れ」は感じるとしても、
「ん?・・これってサントネなん?!」
と、驚かれるかと思います。非常に良いです・・。
コラムが違いますが、1級のグラヴィエールがね・・ま~凄いんですよ。なので霞んでしまうんですが、
「14000本と20000本の密植度の差はかなり大きい!」
と言うことが、
「サントネ村名とサントネ1級の差もそれなりに大きい!」
と言うことと同時に感じられます。
だって、このサントネ村名クロ・デ・ゾートだって「超密植」には違い無いんですよ。だから、言ってしまえば、昔のユベール・ラミーのこのワインを飲んだことが有る方は、
「・・なんだこの化け物は!」
と思うに違いない・・訳です。
で、希少な1級グラヴィエールを続いて飲むとすると・・
「・・前言撤回・・上には上が有った・・」
と・・シュン・・となってしまうかもしれないんですけどね。
超密植の凄さは、このクロ・デ・ゾート単品でも充分に伝わって来ます。そして、グラヴィエールを飲めば、
「単に超密植・・植密度だけを見ていて良いのだろうか?・・この意味は?」
と、綿々と続く長い思考を強制されることに繋がるかもしれません。
良いワインでした。これで充分・・では有ります。しかし、まだ見ぬ世界へも行ってみたいのが人の性・・是非両方!・・(^^;;お勧めします!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】
ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。
ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。
2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。
いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。
この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、
「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」
が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。
むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。
また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、
「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」
と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。
素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。
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【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】
敢えて言うなら・・
「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」
と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。
それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。
色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね?
それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ!
そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、
「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」
と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、
「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」
ものですから、
「今までの印象とかなり違うぞ!」
と思われるはずなんですね。
2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。
やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。
そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、
「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」
でした。
中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、
「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」
を持った(ような雰囲気の)ワインですから、
「・・ポテンシャル高いね!」
と言っていただけるでしょう。
今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。
D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください!
以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。
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【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】
かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
●
2022 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【こちらもサントネ・クロ・デ・ゾート同様にアンリ・ジャイエ系!・・しかもエレガント系の果実味豊かな味わい!】

サントネのクロ・デ・ゾートとこのシャサーニュ=モンラッシェのグージョンヌ、そしてサントネ1級レ・グラヴィエールはジャイエ系の果実味重視な味わいです。サントネ1級レ・グラヴィエールはそれだけにとどまらず、マンモスなミネラリティを持ち、半端無い味わいに仕上がっています。
そして赤ワイン唯一のサントーバンである1級シェ・エドゥワールも、実は果実味系では有るのですが、レ・グラヴィエールのような深い果実のニュアンスは・・まだ?・・表情に出しておらず、その半端無い密度とミネラリティのせめぎ合いが、まさに化け物級で有ると感じています。
じゃぁ・・レ・グラヴィエールとシェ・エドゥワール・ルージュのどちらが白眉か・・と言いますと微妙な比較かなと思います。味わいはかなり違うと感じますが、それでも、
「レ・グラヴィエールはジャイエ、デリエール・シェ・エドゥワール・ルージュはカミュゼ」
を彷彿させると言っておきましょう。もちろん、彼らのように新樽を使わずにピュアでナチュラルな風味を感じさせつつ、彼らのような妖艶さを奥に隠し持っていると思います。
で、このレ・グージョンヌは、その2品のような・・
「目の詰まり具合をギシギシっとさえ感じるほど」
のニュアンスは持たず、しかし雄大なスケールをエレガントに感じさせる旨いピノ・ノワールです。どこかジャイエを感じさせてくれます。

まぁ・・ジャイエも基本、除梗し低温で漬け込み、低温で長く発酵して新樽に詰めてエルヴァージュすると言う流れですが、最後の
「新樽に詰めてエルヴァージュ」
の部分が、
「古樽とアンフォラ系(壺?)に詰めてより長くエルヴァージュ」
と言う流れに成るようですから、ジャイエほどのリリース直後のバランスの良さは望めはしないのでしょう。因みにテクニカルの方は新樽率20%となっていますが・・今はちょっと違うかなと・・。
しかしながらこのレ・グージョンヌほどの密度の深く流れるような味わいは、普通に飲んでいて非常に心地良く、お食事と共に有って・・とても重宝すると感じます。
まぁ・・クロ・デ・ゾートが1万4千本でこちらは1万1千本ですので、植密度は前者が上、樹齢はシャサーニュが1950年植樹で70年超の超古木で、
「古木由来の濃密な果実の美味しさ」
を感じさせてくれます。
クロ・デ・ゾートもシャサーニュ・グージョンヌも、ジャイエ系の果実味重視な味わいで同系統では有りますが、密度からのその味わいと、古木からの味わいという具合に異なり、またシャサーニュの南のサントネと、シャサーニュと言う違いも在り、色彩の秀でた美しい色を愛でつつ果実味を味わえるピノ・ノワールと言えるでしょう。
中々この手の味わいに出会う事は少なくなった気もしますが、古い人間にとっては懐かしくも非常に響く味わいです。飲んでみてください。お薦めします。
以下は以前のレヴューです。
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【ツッコミ所満載のシャサーニュ・グージョンヌV.V.!・・メディアもしっかり騙されているところを・・ご確認いただくのも楽しいかと!】
判りやすく、滅茶凄い2021年のラミーのシャルドネですが、それでもキュヴェによりましては、
「まだ飲まない方が良い」
と言うべきアイテムはあるはずです。全部はとても飲めませんでしたので不明な部分は有りますが、少なくとも・・
「クリオ=バタール=モンラッシェなどのオート・デンシテ類」
だけは、さっさと手を出すと「火傷」するかと思いますのでご注意くださいね。
それにしてもとんでもない出来だった「A.C.ブル・シャタイネール2021」でした。余りに凄いので、その理由をずっと考えていました。アドヴォケイトのウイリアム・ケリーさんが、
「かなり上級キュヴェのレイター・プレスを50%入れた」
と、後から知ったんですね・・。「なるほど~・・」と思いましたよ・・。半端無いですもん・・(^^;;
まぁ・・シャルドネの方は近いところに畑が沢山有りますから、そのような「格落ちをブレンドする」なんて芸当もできますが、ピノ・ノワールの畑はそうも行きません。
しかしながら、
「徐々に超密植化をしている影響が感じられる」
造りになって来ていて、ワインもめちゃ伸びて行く味わいになっています。

このグージョンヌV.V.ですが、アドヴォケイトは、
「サントネイ村名より低い89ポイント」
でした。
noisy も飲ませていただきましたが、その段階ではアドヴォケイトの評価は知りませんでした。
飲んでみて・・
「・・ん?・・あれ?・・美味しいんだけど・・何か・・ちっさいよ・・ね・・?」
そうなんです・・小さいんですよ。・・いや、美味しいんですよ?・・でも、グージョンヌをず~っと飲んで来て、noisy なりのイメージは出来上がっている訳ですよ。
「・・あ・・そういうことか・・」
そう・・これ、全く仕上がって無いんです。
現状は全く仕上がっていないんですが、現状で美味しく飲めちゃうんですね・・つまり、
「要素のほとんどは休眠中で、わずか存在する余分な要素部分で、物凄くバランスが取れた表情をしている」
だけ・・何ですね。
論より証拠・・1週間ほど放置しましたところ、大きくなって来ました。まだ見ている最中です。なので、
「グージョンヌは1~2年、待った方が良い」
と言う結論です。
アドヴォケイトは「小さい出来」と考えたようです。なので、サントネイ村名よりも低く、2024年から10年ほどの短い飲み頃と判断したのでしょう・・そんな訳、無いでしょう・・?
豊満な果実がたっぷり有った2020年ものではありません。言ってみれば、その「余りある」果実味を大部分除き、果実酸をたっぷり乗せ、ミネラリティをお代わりして追加した感じなのが、この2021年もののグージョンヌV.V.なんですね。
なので、こちらはもう少し後から飲まれるのが良いです。ぜひご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【薄くて甘くて腰の無いシャサーニュの赤・・とは正反対。とても小さな実のチェリーとベリーにたっぷりの石灰系ミネラリティが出来の良いシャンボールのような味わいを感じさせてくれます!しかも一体どうやったら2020年ものを13度に出来たのでしょう?】

これもまた頭抜けた出来のシャンボール...いや、シャサーニュの村名ピノ・ノワールです。
シャサーニュの赤が好きな方がもしいらして、このワインを飲んだら・・とんでも無く驚くに違い在りません。でもラミーのグージョンヌも、当初はこんなワインじゃありませんでした。
このずっと下の方に2013年ものの写真が有りますが・・まぁ、2013年と言う弱いヴィンテージの性も有るとしましても、
「2020年ものとは比較にならない」
のはお分かりいただけるでしょう。2016年もの位になってようやく、2/3 位の濃度でしょうか。
それでもこの透明感の高い色彩は、決して・・「濃いなぁ・・」などと思うようなものではありません。
2020年もののブルゴーニュ・ピノ・ノワールは、その厳しかった気候から・・いや、実の成長期~収穫ギリギリまで雨が降らなかったんですね~・・濃くてアルコール分の高いワインが多い訳です。でも・・
「ユベール・ラミーの2020年もののピノ・ノワールは、すべてアルコール度が13度!」
と言う・・奇跡のような仕上がりをしているんです。

だからこその、この素晴らしい色彩です。照りが有るがしっとり・・しています。グラも見えるようなのにブルゴーニュのエレガンスも見えるようです。
「・・強そうだ・・」
なんて、見えないでしょう?・・どうしたら、
「毎年植密度を上げて小さな実を付ける葡萄の、天候で上がってしまう糖度を自然に抑えることが出来たか?」
と思わないでしょうか?
これに正対する答えは、noisy にはこれしか思い浮かびません。
「畑の密植度の高さが良い方に向かっている」
良く、ワインの出来は葡萄の出来とイコールだと言われています。畑がワインを造る・・もしくは、ワインの格は畑が決めるなど・・。大昔からの優れた畑は、収穫制限しなくても、ちゃんとINAOが定めた収量を下回るそうです。
ですので、もしかしたらですが、ラミーが取るとんでもなく労力と時間を要求される「超密植」と言う手法こそが、これからのブルゴーニュワインの取るべき手法なのか・・とさえ思えてしまいます。
そして他のコラムでも書いていますが、このワインの場合も・・ほんのわずかに、気付かないほどに感じるナチュールの気配が、まったく留まることを知らないオリヴィエ・ラミーを教えてくれているようでも有ります。
精緻な果実、エレガンス、ベストと思える飲み心地・・を兼ね備えた凄いピノ・ノワールでした。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは2018年の92点から91点へ1点下げ・・?・・ちょっと判りません。素晴らしいシャサーニュ村名赤です!】
2015年もののラ・グージョンヌこそ数が無くて飲めませんでしたが、2014年ものからグラスの写真も掲載していますので・・
「この数年間のラ・グージョンヌの成長ぶりが判る!」
んじゃないかと思っています。こうやって見てみると・・2014年ものが可愛らしいですよね~・・。でもラミーは2014年もので大ブレークしていますから・・はい。2019年ものの物凄い密度が見えるような色合いは、ちょっと感動的でも有ると感じます。
そして・・noisy の場合は、ボトルからワイングラスに注ぐ時に必ずグラスを左手に持って、斜め35度ほどにして(相当横にします・・)注ぎながら少しずつグラスを起こし、45度ほどになるまで注いでからゆっくり起こします。
そうしますと分量もとてもちょうど良いですし、何よりグラスをつたう「涙」もちゃんと見える訳です。ソムリエさんが良くやるように、グラスをテーブルに置いたまま、少し空気を含ませるように「ゴボゴボ」と注ぐようなことはしません。美味しく飲もうとする時に、そのようにするのはワインによっては有りだと思いますが、繊細なピノ・ノワールにはどうでしょうかね。余り好ましくは無いかな・・と思いますが、noisy はソムリエでは無いので・・はい。
また「美味しく飲む」と言うよりも
「そのワインのポテンシャルや性格・コンディションをしっかり拾う」
のがテイスティングの目的ですので、開けるのも静かに・・グラスに注ぐのも静かに・・やります。スワリングをするのはずっと後・・です。しない時も有ります。
で、2019年のラ・グージョンヌV.V.です。2018年ものは確実に超えています。アドヴォケイトは2018年のポイントから1点下げ・・と言いますが、90~92 から89~91 への下げです。ちょっと意味不明です。
密度がまぁ・・半端無いです。シャサーニュの赤らしく、「ぶりっ」とした果実の豊満さが出ています。二枚目の寄った写真をご覧いただきましたら・・「グググっ」と引き寄せられてしまうんじゃないでしょうかね・・ビターなピノ・ノワールなんですが、密度の高さが何とも言えぬ「甘美さ」を感じさせてくれます。

面白いのはシャサーニュの南の「サントネ」との対比ですね。シャサーニュ・ラ・グージョンヌは「豊満」な・・グラマラスな女性を連想させます。でもサントネの各赤ワインは、「良く締まった見事なボディ」のスポーティな女性を感じさせます。
ある意味これは見事にテロワールを具現化していると思っていまして、シャサーニュ赤は豊満、サントネはタイトだけれどしなやかな筋肉を持っていると思います。クロ・デ・ゾート村名・・滅茶苦茶美味しいですし、このラ・グージョンヌも滅茶苦茶美味しいです!・・でも相当タイプが違います・・もっと違うのはサン=トーバン1級赤ですけどね!
そしてラミーのワインは赤も白も、品温が下がっていても・・
「まったくへっちゃら!」
です。繊細なのに・・でも平気なんですね。これもおそらく密植のなせる業なのかと思います。是非飲んでみて欲しいですね・・ご検討くださいませ!希少な2019年のラミーの赤です!
以下は以前のレヴューです。
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【不謹慎かもしれませんが人の密は避けて何とかこの難局を乗り越えましょう。でもワインの密はちょっと有難い・・】
もう・・これは色合いを見ていただけましたら、2017年ものとは全然異なることがお判りいただけるでしょう。密度の高い見事な味わいになったレ・グージョンヌです。
シャサーニュの赤は、どこか「抜けたようなおおらかさ」を感じる場合が多いですよね。リキミが無くエレガントなんですが、どこか芯がハッキリしないとか、平板で面白みが無いとか・・なので人気は今ひとつ・・と言った感も有るかと思います。
しかしながら2018年のレ・グージョンヌは、ちょうど良い密度感・・いや、普通なら「とんでもない密度感」なんですが、そこはラミーですから・・。どうしてもそのように言わざるを得なくなってしまいます。
赤黒果実がしっかり有り、ラミーの赤の中では、最も充実した甘やかなタンニンの存在が感じられます。
これ、結構に脂の厳しい肉にも合わせられるだけの重厚さが有ると思いますよ。そして甘く無いんですが酸バランスからでしょうか、厳しく無い優しい感じがします。濃度はしっかり有るが女性的なピノ・ノワール・・と言えます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2016年までの「万客いらっしゃい!」的スタイルが嘘のように・・。リーズナブルながらもクリスタルな輝きの在る豊かなスタイルに変身しています!】
「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のシャサーニュ・グージョンヌV.V.は、まるで村名ヴォーヌ=ロマネのような振る舞いです。何せ・・サントネイ1級やサン=トーバンの方が高価ですから・・はい。ラミー本人は一体サントネ赤やサン=トーバン赤がどれだけ格上だと思っているか、お判りになるでしょう?
それでもこのグージョンヌは、まるで素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネ並みの姿を持ち、そこにラミーならではのマンモスなミネラリティと硬質さ、美しさを加えた様なニュアンスなんですよ。
そう言えばかつてラモネ翁は、自身所有の「シャサーニュ=モンラッシェ・クロ・ド・ラ・ブードリオット」を「ボーヌのロマネ=コンティだ」と公言してはばかりませんでしたが、noisy 的には共通点も、格としても、頷く経験は有りませんでした。
しかしながら、このグージョンヌを飲んでしまうと・・ヴォーヌ=ロマネを連想せずにはいられません。
今飲んでも美味しく、やや黒みの在る果実が楽しませてくれます。非常な複雑性を持っていますが、凄い量のミネラリティが放出を阻害していますので、本来の姿を見ようと思うのなら、相当の期間の熟成を考えないといけないかと思います。もっとも、このグージョンヌに関しては「通常のコルク」を使用しています・・長めですけどね・・計測するほどでは有りません。
素晴らしいグージョンヌ!・・飲んでみて欲しいですね。どれだけ2016年と違うか・・いや、違わないかも含めて感じていただけたらと思います。
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】
まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】
この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
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2022 Saint-Aubin Premier Cru les Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ
【激エレガント系のサントーバン1級!・・ですが2022年はこれがめっちゃ美味しい!・・って、多くのメディアはやはりかなりの近視眼?・・価格は値上がりしましたが、noisyは値下げしました!!】

「天女の羽衣」と称させていただいた「フリオンヌ」です。オリヴィエのセラー、自宅にほど近い・・おそらく歩いて何分もかからないところに有りますから、
「樹齢も上がって来たし、密植度も上がった?」
ことが伺える・・
「2022年もののフリオンヌは黄色が濃い!」
んですね・・。
ですから、激エレガントでふわふわと天まで昇って行きそうなアロマなんですが、口に含むと・・
「黄色い果実、柑橘がたっぷり!」
備わっていて、いつも以上に・・単純にも・・ポテンシャルを取りに行かなくても美味しいんです。
まぁ・・資料を見ますと11000~14000本と言う植密度で、14000本がひとつの区切りらしく、ここに到達するとワインがガラリと変わるらしいんですね・・あ、どこで知ったかは、余りに色々なサイトを見過ぎて判らなくなりましたが、そんなようなことを誰かが言ってました・・ホントかどうかは判りませんが。
しかしながら2022年ものは、この強みを持った黄色がしっかり入っていて、一見すると、
「ん?・・クロ・デュ・メ?」
と勘違いしそうになります。

因みにラミーのドメーヌとしての新樽率は2%と言うことで、これだとまず・・
「新樽はほとんど使用していない」
ことになります。以前のようにシャタイネールに樽のアロマが有ることも有ったと思いますが、新樽卸しで使用していたのでしょう。今は砂岩のアンフォラがガラスのアンプルなども使用しているそうで、
「ビオ系生産者のアプローチに似たことをやっている」
のが判ります。
その上で、そもそも瓶詰め時にSo2を入れたくない人ですからSo2も余り使わないので心地良い飲み口が生まれ、酔い覚めも早いし軽いです。ラミーの2022年ものは基本的に、
「ピュアで強くは無いがナチュール感が漂い、繊細で明るく、全体のバランスが良い」
です。
そして上級キュヴェに行けば行くほど、
「若干寝かすべき」
になって行きますから、比較的早めに飲まれるのでしたら、サントーバンの下のクラスの1級格までにされると良いと思います。シャサーニュの1級マシュレルになりますと・・
「カチンコチン・・まるでリリース直後のモンラッシェ」
のようなバッキバキで鉱物系のニュアンスが物凄いが味がしない・・もしくは酸っぱめ・・な感じですからご注意ください。もっともそれらが10年もしますと、とんでもないほどの味わいに変化するのをたしかめられるでしょう。
メディアは93ポイントと、ようやっと昔のフリオンヌの評価に戻った感じの評点ですが、
「濃密さが感じられたから評点を戻したの?」
と言う疑いが、noisy には有ります。いかに近視眼的にワインを見ているか・・そう思ってしまうんですね。
ラミーのように新樽もほぼ使用せず、通常よりも長い熟成期間(通常は10~12カ月、ラミーは20カ月ほど)を取ることで、樽の要素をワインに付けずに緩やかな酸化熟成を行っている訳ですから、
「舐めるようにちらっとテイスティングしただけでは、なかなか真理にたどり着けない」
と思います。
素晴らしい出来になった2022年のフリオンヌです。価格も去年の2021年ものの17490円から値下げしました。仕入は5%は上がっていますので、厳しいっちゃぁ・・厳しいんですが、やはり飲んでいただかないと!どうぞよろしくお願いします。超お薦めです!
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【天まで橋を架けるに違い無い・・と思えるほどに、薄く透明なドレスをひらひらさせながらどこまでも高く伸びて行く、それが縦延び系サン=トーバン1級レ・フリオンヌです。】

レ・フリオンヌの2021年です。余り出回らないキュヴェです。
2021年ものはアドヴォケイトも前年の2020年もの、一昨年の2019年ものに比較して「下げ」に転じています。
ですが・・片手間・・と言っては言い過ぎかもしれませんが、一度に多くのバレルテイスティング(製品の場合も有りますが)を短い時間で行っているのが災いします。
ラミーのワインのような信じられないような「超密植」は、いまだに他には誰もやっていないんですね。
noisy は彼の超密植のワインが・・
「いきなり大変身する」
を目の当たりにしています。
2010年頃から正式に扱わせていただいていますが、それ以前にも飲んでいました。
「・・密植かぁ・・大変な作業だなぁ・・でも、それってどこまで味わいに影響するのかな・・」
と思っていた訳ですよ。
それが・・です・・
「・・えっ?・・それ、マジ?」
と思えたことがキッカケになり、正式に扱わせていただくようになったんですね。
そう・・植密度を上げていっても、
「すぐにはワインへの影響は見えにくい」
んです。
ところが数年経過しますと・・明らかに以前とは異なる表情になる訳です。それを意識し始めたのは2013年ものの頃で、2014年ものの頃には、それは確信に変わりました。
「超密植は、始めた当初は余り影響は見られないが、ヴィンテージの切り替えの時、突然その姿を大きく変える!」
と言うことなんですね。

ラミーの2021年ものは、大きく2つのタイプに分別されますが、その基本は全く同じです。
「果実の風味が出やすい土壌から生まれた葡萄が多く入ったワインは、今から飲んでも滅茶美味しい。」
「しかし、膨大で密度の高いミネラリティに抑え気味になりやすいので、現状は二段ロケット的に時間差で大きく変化するキュヴェが有る」
この2つです。ただし、前者も後者も結局は同じで、二段、もしくは三段ロケットな訳です。
このレ・フリオンヌは縦延び系です。横には中々拡がって行かない・・以前の1級クロ・デュ・メは果実が多く、当初から横へと膨張を見せていました。それでも二段式のロケットでして、さらなる伸び、膨らみが後々生まれた訳です。安くてとても美味しかったです。ですが2021年ものは、圧巻な美味しさを見せる・・凄いワインに大変化、そしてそれは三段式のロケットと想像されますが、現段階で一段目の切り離し前だとしても、すこぶる旨い・・以前の姿とは全く異なります。
このレ・フリオンヌは二段式と想像されます。そして現段階でも美味しいんですが、横へのふくらみは少なく、若いコルトン=シャルルマーニュが見せるようなやや縦系の姿をしています。
とてもつやつやしていて、伸びが良く・・その少し白っぽいミネラリティからふわふわ、ひらひらと細やかな表情を持ったミネラリティが口内に落ちて来ます。果実表現も繊細で、激エレガントです。
ですので、エレガント系のシャルドネがお好きな方には、物凄くハマる味わいだと思います。
ですが・・これも二段式ロケットですから、一段目が切り離されますと・・凄いですよ・・その姿を見るまで待つか、のんびりとこのエレガンスを楽しまれるかは・・お客様次第です。ぜひご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【もし、ラミーのシャルドネが重い・・と感じられていらっしゃるのでしたら、このレ・フリオンヌをお勧めします!サン=トーバン1級でもっともエレガンスを助長している・・フリフリなドレスのフリオンヌです!】

ラミーの地盤のサン=トーバン1級に有って、そのサン=トーバンならでは・・もしくはピュリニーっぽいエレガントな部分、例えば高く伸びて行く高周波的な細やかなアロマとか、ピュリニー1級が持つ果実表現から重みの部分・・より低周波を除いた上の部分などを細やかに感じさせてくれるのがこのレ・フリオンヌなんですね。
まぁ、ちょっとふざけて・・
「フリフリなドレス」
なんて書いてしまってますが、実は結構に本気だったりして・・。もしこのレ・フリオンヌが完熟しますと、現在は見えていないそのドレスの下の方・・ちょっと重みを感じる部分・・床にそのドレスの裾が当たるような部分まで、美しく表現されるようになってくるはずですから、ある意味、
「今のこの、フリフリな部分が余りなく、ショートなドレスの華やかなアロマ、味わいを楽しむのもオツ!」
じゃないかと・・思っています。まぁ・・アドヴォケイトは2027年からと書いてますが・・。noisy はやや早いにせよ、今飲んでも充分な美味しさが有ると感じています。

レ・フリオンヌは、アン・ルミイィやダン・デ・シアンなどの1級畑があるモンラッシェの丘の西側斜面に有るのではなく、モンラッシェの西側の別の丘の南東向きの斜面に有ります。
ダン・デ・シアン(ラミーも造っていますがオルヴォーさんの輸入リストにはありません)もミネラリティが強く、どこか「氷柱」を思わせるようなシャリシャリっとした感じが魅力の1級ですが、レ・フリオンヌの方はもう少し白く滅茶細やかなミネラリティがふんだんに存在する感じなんですね。石灰岩が粉々に分解され、その成分が畑の表土の大半を占めている感じじゃないかと思います。
因みにここは、いや、あの伝説のブローカー、クルティエで2021年に亡くなられたベッキー・ワッサーマンさんのサイトを拝見すると、「 Planted in 1935. 1960. 1985 」と書かれていますので、とんでもないレベルのヴィエイユ・ヴィーニュの畑であることが判りますが、
「おそらくラミーはこのレ・フリオンヌでも超密植化に取り組み始めたはず・・」
だと感じます。
年を追うごとに驚かされる・・少しの安心もさせてくれない・・(^^;; だから毎年、
「今度はどんなビックリ箱に出会えるんだろう!」
と、noisy の正月の定例行事になっているラミーのテイスティングですが、
「2020年もののユベール・ラミーは、史上初のクリオ=バタール=モンラッシェの連続100点よりもお伝えしなくてはならなかったことが有る!」
「オリヴィエ・ラミーは誰をしても止められない!」
と申し上げておきたいと思います。ピュアでナチュラル、超エレガントな高く伸びて行く高周波...そしてスリリングなオリヴィエ・ラミーの進化がここにあります。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【激旨!・・これは必飲??・・ラミーとしたらエレガント系のサン=トーバン1級ラ・フリオンヌは、美しさを軽やかに表現してくれる逸品です!】
きゃ~!・・滅茶美味しいです~~・・。密度の高いラミーの味わいはそのまましっかり・・なんですが、表現が実にエレガント!・・言ってしまえば・・
「ふんわり優しい伸びやかなサン=トーバン1級!」
でしょう!・・こんなサン=トーバン、飲んだことない・・と是非とも言わせてみたいなぁ・・
こんなに美味しいとついつい一句・・出て来てしまいます。
「フリオンヌ・・・あぁフリオンヌ・・フリオンヌ」
(・・駄作)
え~・・それでも2017年までは、単に「ちょっと軽い」と言ってたかもしれないんですね。なので、ただ軽い味わいじゃ無いんですね。サン=トーバンの1級らしさと、その東に位置するピュリニーの名畑のニュアンスと、その南東に拡がるシャサーニュの近寄りやすさのニュアンスが交じり合っているようにも思いますし、
「それがフリオンヌのテロワール!」
とも感じるんですね。

なので、決して軽い訳じゃ無い・・エレガンスの表現なんだと思います。色合いも・・いつもの年よりもやや黄色が強いでしょうかね。
アロマの上りも、この滅茶寒い2022年の冬の空気に冷やされ、より抑圧されるかと思いきや、全くそんな素振りを見せません。そして、冷旨系の酸もしっかり含んだ見事な酸のパレットから、エグく無い表現で、見事な果実を堪能させてくれます。クロ・デュ・メ辺りの中低域のふくよかさは無いんですが、その上が美しいボディラインを描いて感じられます。
グラスのフチを伝う「涙」の太さ、ゆったりさを是非見てください。これでいて「エレガント系」と言って良い感じなんですから・・
また、海外メディアも2018年までは93点止まりだったところを、94ポイントまで伸ばして来ました。この辺はちゃんとそれなりには評価しているように思います。noisy 的にはあと1点、加点する可能性は有ります(ただし、点を付けようとしてテイスティングしている訳では無いので・・もしそうするのであれば、もっとちゃんとそれ用にテイスティングします。)。
それでも、サン=トーバンの有名ではない畑のワインに、何とか94点まで付けられる自由な世の中になって来たんだと思うと隔世の感が有ります。もはや安くは無い価格では有りますが、サラリーの上がらない時間の止まった日本と、ちゃんと動かして来た世界の国々との差だと思えば仕方が無いのかもしれません。
このフリオンヌ、超お勧めしたいと思います。元々数の無いワインです。余り出回らないと思いますよ。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【繊細な表現が堪らない!・・しかし、2017年までのフリオンヌとは劇的に大きさが違います!素晴らしいです!】
いや~・・お判りになるでしょうか・・。お正月を迎えるもので、自宅のテーブルの上の白い敷物を、いつの間にか「取っ払われて」いまして・・写真の比較としますと・・また色合いを見る意味でも、「白いもののバック」が無いのが申し訳ないです。
しかしながらヨクヨク写真を見てみますと、noisy が意図していなかったにせよ、
「何となく白っぽさの見える液体」
に映って見えないでしょうか?
そうなんですね・・ちょっとピュリニーにコルシャルが混じったようなニュアンスが元々から感じられるのがこの「レ・フリオンヌ」でして・・なので若いうちにはかなり、
「エレガント系」
なんですよ。むしろ、ラミーのサン=トーバンの中では最も軽量級に・・軽やかに感じられる訳です。
しかしながら構成自体は相当に大きいです。深い・・と言って良いかもしれませんし、短い周波数を持つ細やかなアロマが味わいから漂ってくるんですね。繊細だと言って良いかもしれません。
そして熟により徐々にその繊細さは極められ、縦伸び系の味わいが完成されると思います。
因みにこのレ・フリオンヌ2018年は、多くのメディアが上値93ポイントでほぼ一致しています。noisy的にも同意見ですが、プラス0.5~1ポイントと評価すると思います。なので、このワインに関しての海外メディアの評価はほぼ妥当なものだと言えるでしょう。さらに因むと、2017年ものレ・フリオンヌの最高評価は92ポイントだったようですので、多くのメディア評価は2018年ものがさらにポテンシャルを高めたと、認めているものなのでしょう。
また、この「レ・フリオンヌ」は生産量が少なく見つけることは結構困難なキュヴェでもあり、ラミーのサン=トーバンのキュヴェが持つ「多様性」の一翼をしっかり担っているワインだと思います。他のサン=トーバンには無い表情が見て取れます。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【超エレガント系のフリオンヌ!軽量級のミネラリティがギッシリ!ラミーならではの美しさを堪能されてください!】

サン=トーバンにはアン・ルミイィの北にミュルジュ・デ・ダン・ド・シアンと言う1級が有りますが・・ちょうどモンラッシェの真裏辺りです。
レ・フリオンヌはそのミュルジュと共通点が感じられるような、「シャキッ」とした白っぽいミネラリティが多い感じのエレガント系です。
ですがやはり2017年ものは、そのミネラリティさえも密度が半端無く、どちらかと言うと隙間が見え隠れするミュルジュの、その隙間を完全に埋めてしまったかのような・・物凄いミネラリティです。
ですので、
「これが20年経過したら、そのミネラリティが掴んで離さない要素が出てくるの?」
と考えた時に、まったく経験や想像の範囲では無いことに気付かされ、結局、
「・・判らない・・」
と言う結論に達してドン詰まりしてしまうんですね。
2016年ものを複数お持ちの方は、是非どこかのタイミングで2016年ものと2017年ものを比較してみていただきたい・・と切に願います。滅茶楽しいと思いますよ・・。
思うに、毎年、畑の密植を行って来たことが、一気に花開いた感じがします。もしくは2017年と言うヴィンテージの背景がそれを補助したのかもしれません。
フラワリーなアロマが振り撒かれ、しかし底の方から湧き上がってくるようなパワーさえもどこか感じてしまう・・でも重く無い、素晴らしいシャルドネでした。東南を向いた日当たりの良い畑で、しかもミネラリティの組成が重く感じさせないワインにさせているのかな?・・と想像しています。素晴らしいサン=トーバン1級!・・是非飲んでみて下さい。
●
2022 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【揺るぎないモンラッシェの風格、徐々に出て来る細やかな表情に惚れ惚れします!・・レ・トランブロの現在の鉄仮面振りほどでは無いので・・飲んでいる内に解れて来ます!素晴らしいです!】

まぁ・・言ってしまえば硬めでは有るんですが、ほぼ・・
「沈黙状態のレ・トランブロ」
に比較すれば、とてもそこまでは行かないレベルでの硬さです。
まぁ・・レ・トランブロは完全黙秘に近く、コンシ・デュ・シャンは最初から少しずつ表情を出してくれ、またそれを徐々に拡げてくれる・・包容力が有ります。
開いてくると、まさにシャサーニュ系の味わいそのもので、白っぽい非常に細やかな石灰系のミネラリティに、黄色がさほどは強く無いものの、白さを強く感じる果実が徐々に黄色味を増してくる感覚です。
そもそも・・これほどまでにミネラリティがギッシリ詰まっているシャルドネは、まぁ・・ラミー以外には余り存在しませんから、多くのそこまでミネラリティを持たないシャサーニュ系のワインの成長を考えますと、
「先行きが凄いことになるのは想像できる」
と思うんですね。

ですので、ロベンバーグの95~96ポイントと言うのは非常に理解出来、アドヴォケイトの91ポイントは余り理解出来ないのが noisy 的な感覚です。
まぁ・・実際に飲むのとテイスティングは別の話しですから、noisy もちらっと口内に入れてスピットするだけなら、91~92ポイントで止まってもおかしくはありませんが、ある程度の時間を掛けて、その変化具合を見ていますから、
「ロベンバーグは良く見ている」
と思いました。
軽快さも在り、ピュアで・・フレッシュさの中に熟れた部分も若干持っています。モンラッシェのモンラッシェたる硬質な鉱物のニュアンスが有り、トランブロの黄色+銀ギラ銀な鉱物のニュアンスと対照的に、白っぽく、非常に細やかに崩れ果て酸化した金属・鉱物のニュアンスを嗅ぎ取ります。
これも凄いワインだと思います。今飲むなら時間を掛けてゆっくり、もしくは数日掛けて飲んでみてください。トランブロはその位の期間じゃ・・例え出ては来ても少しだけでしょうが、こちらはかなり素晴らしい表情を見せてくれると思います。超お薦めです!ぜひご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【開けたてもエレガントで滅茶美味しい!・・が、それは真の姿を隠すカリソメの姿!・・アドヴォケイトの89ポイントは開けたて限定の評価でしょう!】
2021年の・・まぁ、あくまで noisy がテイスティング出来たキュヴェの中での話しでは有りますが、
「最も騙されやすいのはこのル・コンシ・デュ・シャン!」
です。
まぁ・・狸が狐かと思ってしまいますが、余りにも美しい開けたての姿、エレガントで黄色いフルーツを振りまく優しさを見てしまえば・・騙されもするでしょう。
でも・・noisy は騙されません・・(^^;; そんな時は根気よく、待つ訳です・・私・・待つわ・・いつまでも・・と歌っていると、ようやくその本性を・・少しだけ見せてくれます。なので、
「このキュヴェは noisy もまだテイスティング中」
です。
ですが、そのエレガントな果実味に騙されたら・・間違ってしまう訳ですね。その内側には、まだまだ細く圧縮されたミネラリティが・・あり、30分以上掛かったでしょうか・・ようやっとそれが見え始めます。
そしてさらに30分ほどしますと・・そのミネラリティは太さを見せ始め、膨らみ始め、さらにはその内側にある様々な表情を、おそらく・・ほんのちょっとだけ・・零してくれる・・そんな状況です。

ですから、このコンシ・デュ・シャン2021年、まだどこまで行けるのかはnoisy も決定できていませんが、少なくとも・・
「アドヴォケイトの評価は上っ面だけ・・」
です。
その昔、86年のパヴィヨン・ブランをPKさんが酷評していまして・・
「・・んな訳・・無いだろう・・」
とばかりに仕入れて、その頃お付き合いしていた飲食店さんに持ち込んで飲んでみました。
たしかに開けたては・・うんともすんとも言わず、
「・・ん・・ダメかぁ?・・」
と思っていたところ・・出ましたよ・・30分ほどしたら、ま~・・物凄い香りです。半分にカットした柑橘果実のバスケットをすぐ近くに置いているかのような・・味わいも抑揚に富んで、余韻も滅茶長かったし、何より美しかったです。
このコンシ・デュ・シャンも同様な感じをヒシヒシと感じます。何しろ・・
「ラミーはこのコンシ・デュ・シャンをアン・ルミイィ、ラ・シャトニエール、レ・トランブロと同価格に設定している」
んですから、これが・・
「89点の訳が無い・・」
と感じます。そもそも現状の抜栓直後の姿だけでも90点オーバーの評価ですから・・はい。
まぁ・・これだけ高価なシャルドネですから、一口啜って89点って・・どうなの?と思いますが、ぜひその辺りも含め確認してみてください。お勧めします・・最初にニュアンスだけでも確実に90点オーバーです!
以下は以前のレヴューです。
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【べらぼうに美味しいです!・・過去一、間違い無し!・・2019年と同様に91ポイント?・・有り得ません。】
旨いです~~・・。こんなに美味しいワインばかりだったら、何も悩まずにご紹介できるのに・・さらには18アイテムも有って、どこまで飲めばすべてが掴めるのか・・とか、この、
「自然派を前にしている感じ」
の大元はどこに有るんだとか、誰かそんな感覚を書いているレヴュワーは他にいないのか・・とかで、この1カ月、散々苦労した noisy でした。
ですがこのコンシ・デュ・シャン、クロ・デュ・メ、アン・ルミイィの、とんでもない美味しさに触れてしまうと・・ただただ・・
「旨いな~~・・」
とルンルン気分になっていながら、この時折感じるナチュール感の出どころ、原因、造り手が何を考えているか・・とか、残留So2濃度は2019年と2020年とではどう違うのか違わないのか・・考えることが多くてどうにもパンクしそうだった訳ですね。
まぁ、アドヴォケイトの評点はイマイチだと・・ちょっと違和感は持っているとは言え、
「アドヴォケイトの評価がアップされたことで救われた部分も有る」
のは事実でして、それを認めない訳には行きません。

実を言いますと、
「多くの海外メディアは2020年もののユベール・ラミーのワインには、2019年ものの評点から1ポイント程度下げる可能性が有る」
と思っていた訳です。その理由は、そこはかとなく漂う自然派的なニュアンスです。そもそも・・ブルゴーニュ担当さんたちで、自然派が好きな方は多く無いんじゃないかと思っています。なので、
「ちょっとアテが外れたので少しだけ嬉しかった」
んですね。
非常に濃密です。ですが口入れ直後から、以前のようなマンモス的なミネラリティを感じるよりも、ふんわりとした柔らかさを感じさせてくれます。豊満な果実には美しい酸が有り、甘く無い・・見事にドライなのに甘美です。中盤からボディは徐々に巨大化し、美しいノーズを戻しながら長い余韻を感じさせてくれますが、むしろその後半に美しい果実をまとったミネラリティをたっぷり感じさせてくれるように思います。
いや・・シャルドネって本当に美味しいですね。超お勧めします!是非とも飲んでみてください!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年もの同様に旨いです!・・しかも2019年の素晴らしさがくっきり!ドライで集中していてミネラリティたっぷり!】
美味しいですね~・・2018年もそうでしたが、2019年はほぼ同様に・・と言うか、僅かに上回ったかのような感覚で・・
「滅茶苦茶美味しい!」
です。アン・ルミイィが完全にはまだ落ち着いていないのもあって、現状だけ見てしまいますとこちらの方が美味しい・・(^^・・と判断する方もそれなりにいらっしゃるんじゃないかと思います。
コンシ・デュ・シャン2019に関しましては、2018年と大きな差は無いと感じます。ただし上記のように、
「2019年と言うヴィンテージ」
を判りやすく解説してくれる・・と言うか、ラミーの他のキュヴェの伸び率が凄過ぎてしまって・・
「ヴィンテージの良さなのか、ラミーの変革の結果なのか・・良く判らない・・」
と言う状況なんですね。
なので、このコンシ・デュ・シャンの「緻密な!」美味しさに触れると、凄く安心感が有ります。

「・・ん!・・大きくは変わって無いね・・でもやっぱり2019年は凄いよね!」
と、非常に判りやすく理解できるから・・なんですね。飲めばきっと判りますよ。
ですので、むしろポテンシャルと取ろうとか、変化を感じよう・・とか、額に十字を寄せなくても良い・・そんな感覚で滅茶美味しく飲めます。
勿論ですが、普通の「シャサーニュ村名」と比べてはいけませんよ。もしそうしてしまうと・・比較対象が「緩い」と言うことを気付かされてしまいます。ラミーばかりを飲んでいるならそれは「普通」の出来事ですが、他と比較してしまうと不幸なことになってしまうかもしれません。
ゆっくり、のんびりと・・この実は凄いポテンシャルの液体を、口内で少しずつすり潰しながらお楽しみください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【並みのシャサーニュでは有りません。幾分感じていた「緩さ」は皆無!緊張感を身に着けたコンシ・デュ・シャンはカテゴリーキラーです!】
ワインとは中々に難しいものでして、
「ん?・・そうだなぁ・・今はそれを飲む気分じゃないんだよなぁ・・」
ってシュチュエーション、有りませんか?・・まぁ、noisy の場合はそんなことを言ってられる商売じゃないんですけどね。
でも、如何にシャルドネ大好き、白ワイン万歳!・・な人間でも、
「ん~・・今は硬いムルソーは飲みたくないんだよなぁ・・まぁ熟して滑らかなら良いけど・・」
と、程好い熟を迎えているに違い無い・・と思って開けたムルソーが・・残念ながら「音沙汰無し」の「狸寝入り」状態・・なんてね。
だからそこは半端な熟のムルソーの選択自体が間違っていると気付くべきで、ピュリニーかシャサーニュの村名に行ってれば良かった・・と後悔する羽目になる訳です。
黄色い柑橘と白い果実、フラワリーなアロマがノーズに飛び込み、ピュアさ満開で迎えてくれる素晴らしいシャサーニュです。畑はシャサーニュの村中央下部に有り、密植度も1万4千本以上だそうで・・確実に2017年の出来を上回っています。
このコンシ・デュ・シャンとピュリニーのトランブロ、そしてサン=トーバンのトップ・キュヴェが同価格ですから、選択肢が多く悩み深いですよね。ワインファンとしましてはどうしても、
「ポテンシャル重視!」
の選択をしがちです・・そりゃぁそうです・・感動したいですから・・。
でも、やはりシャサーニュ的な・・ピュリニー的な部分をしっかり感じさせてくれる・・そしてその特徴をそのままに表現してくれるテロワールを、ある程度「バラかして」仕入れておくのも重要でしょう。
このコンシ・デュ・シャンは、2017年までの「ある種の緩さ」は無いです。しかし、シャサーニュ的な「寛大さ」「包容力」はしっかり感じます。ピュリニーより、より白さの際立つ感じだと思ってください。お勧めします!飲んでみて下さい。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【相当に高貴さの滲む姿に、シャサーニュ本来の美しさを想像させます。こんな姿を見せてくれるのはラミー2017年だけ!】
アドヴォケイトは89~91Points のようですね。その評価以上に美味しく感じられるかと思います。2017年ものはやはり別格でした。
2016年ものまでは、それでも横に拡がるのが若干早かったと思います。シャサーニュらしいと言えばそうなんですが、それでも綺麗な円形のパレットを描けるワインでしたし、いつ飲んでも美味しいので重宝したものです。
2017年もののル・コンシ・デュ・シャンは、そんな2016年までの真ん丸なパレットを描かせようとはさせないぞ・・とばかりに、強烈に美しく、たぎるようなミネラリティが、そのパレットを楕円に押し潰して来ます。凄いミネラリティの密度です。
その、僅かに漏れてくる、零れてくるような柑橘の果実と、テッカテカのテクスチュアだけで・・幸せです。
時間の経過で徐々に色付き、黄色を増してくる柑橘と、シャサーニュならではの中域の拡がりのあるボディ感が、豪奢なシャルドネを飲んでいると言う満足感が得られると思うんですね。
でもこれ・・単なるシャサーニュなんですよね・・。とてもそうは思えない・・村名だとしても、グラン・クリュに引っ付いたように存在する畑に思えて仕方が無いんです。
実際には、1級マルトロワからだいぶ東に行った(下に下がった)ところに在るのがル・コンシ・デュ・シャンなんです。これがきっと「密植」の力なんでしょう。
因みに11000本/h とされている密植度ですが、おそらく相当に・・上がって来ているものと思います。(未確認では有りますが、ラミーはこの畑をオート・デンシテ化しているようですよ。)是非飲んでみて下さい。お勧めです!
ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール
グロ・フレール・エ・スール
フランス Domaine Gros Frere et Seour ブルゴーニュ
● 2022年のグロ・フレールです。新作も有りますが・・
「白がやたらと旨い!」
です!
そして、A.C.ブル赤も・・引き込まれるような美味しさが有ります。オート=コートはその延長上でより大きいですが、完成するまで1カ月ほどかかるかな?・・と言うタイミングです。
村名ヴォーヌ=ロマネは、
「これからのグロ・フレールはこれだ!」
と言うような名刺代わりのワイン。これも素晴らしいです。
そして、ヴォーヌ=ロマネ・クロ・ド・ラ・フォンテーヌが初リリースです。ジャン・グロ・ファミリーでシェイクしているようで・・どうなっているのか良く判りませんが、少ないですが評価は驚きの点数が出ています。
そして、かなり量が少なくなったグラン・クリュ。エシェゾー、クロ=ヴージョ・ミュジニ、リシュブールですが飲めませんので・・世界で一番リーズナブルだと言っていただけるように、涙を飲んでの特別価格です。
テイスティング出来たワインはどれも素晴らしかったです。クラシカルでエレガント、やや妖艶でSo2滅茶少ない・・その味わいこそが、ヴァンサン・グロが目指す道なのでしょう。ぜひともお確かめくださいませ。お薦めします!
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2021年のグロ・フレールを紹介させていただきます。
毎年、造りや出来が異なる感じで、面白いっちゃぁ・・そうなんですが、不安定でも有ったヴァンサン・グロです。が、どうやら2021年もので、
「今までの集大成・・と言うか、進む道が見えていて、ひとつのステージをクリアしたヴィンテージ」
と言えるかと思います。
2020年ものはそれなりに濃く、アルコールも上がりましたが・・それでも、ヴァンサン自身のスタイルを形作ろうと言うような意思を感じることが出来ました。2021年ものは非常にエレガントで、しかし、充実した味わいを・・
「So2 添加をより少なく、エキス系の美しい仕上がりで造り上げる」
ことに成功していると感じました。
特に、オート=コートの白と赤はとんでもなくクラス超えの美味しさを見せます。村名のヴォーヌ=ロマネに至っては凄い出来!です。
1級~グラン・クリュは1~2本しかないので飲めませんでしたが、リアルワインガイドは「過去最高」を言いつつ、リシュブールに上値98ポイントと・・物凄い出来だったルーミエさんの2021年シャルム=シャンベルタン並みの評点を与えています。
ただし、A.C.ブル赤に関しましてはエルヴァージュ不足と言いますか、仕上がりが遅くなっているとの判断で、取りあえず来春まで販売を延期することにさせていただきました。ご了承くださいませ。
その他の飲めていないアイテムも多く有りますが、リアルワインガイド第83号の記述などと照らし合わせ、noisy 的なコメントをさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
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2020年のグロ・フレール・エ・スールです。少ない入荷量では有りましたが出来うる限りのテイスティングをさせていただきましたので、他店様よりも遅いご案内になりました。で・・その総体としての感想ですが・・
「これからはヴァンサンのグロ・フレールが超面白くなること間違い無し!」 と言うもの・・です。noisy があれこれ言う前に、とりあえずエージェントさんの能書きとリアルワインガイド第79号のコラムからお読みいただくのが良いかと思いますので・・どうぞ。
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インポーターさんのコメント(オルヴォーさん)
2016年、2017年とSO2無添加のサン・スフルに挑戦して結果を出していましたが2018年より世界中の要望によりSO2添加へと回帰しております。とは言え、2020年は赤でトータル30~40㎎(フリー数値はほぼ20前後)と有名な生産者のそれよりも少ない数値となるためこれまで同様に温度管理必須ワインとして案内させていただきます。
ヴァンサン・グロ率いる新生グロ・フレールについての露出の少なさは各社含めて情報の乏しさも相まっているように思います。グロ・フレール&スールの名前を一躍知らしめたベルナール・グロ。息子のヴァンサン・グロがドメーヌに戻り参画したのは2009年。除草剤をやめ除草のための機械を取り入れ、少しずつ変革が始まります。トネリエと話し合い、樽のための木材から過失の温度、材質や乾燥の方法…現地雑誌でヴァンサン・グロはこのように語っています。
『私たち(若き当主ヴァンサンは一人称を“私”ではなく“私たち”とします)の16の区画はすべて同じもので同じ葡萄です。同じ樽の中で同じ手法で醸造しています。私たちはすべてのワインに対して同じように接し、同じだけ注意を払います。土地と地勢が違いを生むのです。ヴィニュロンはワインにアイデンティティを与えます。しかしながらテロワール・・こればかりは私たちの手を逸脱した魔法なのです。』
『私はビオの方法を適用しようとは思いません。自然の求めるままにすることと技術の進歩を利用することの中間で私たちは正しい均衡を見つける必要があります。』
(意訳・翻訳 村岡)
リアルワインガイド第79号より抜粋
訪問時、ヴァンサン・グロはどうしても畑から離れられず、急遽マーケテ ィング担当の方が応対してくれた。そして、1本目の試飲を終えてビッ クリすると同時に「やはり」と思った。19年よりナチュラル感が更に増している。そして液体はなんと薄め。父ベルナール・グロ時代のたっぷ りと濃厚で甘めのワインといった造りから驚くべき変貌だ。
ご存じの通り、ヴァンサンは16年にいきなりSO2ゼロとし、 ナチュラルワインの風味に仕上げた。しかし、従来の顧客からのクレーム殺到で18年は元に戻して一般的なワインとした。
ところが編集部で試飲した19年は明らかに ナチュラルワインの風味を感じるキュヴェがいくつかあり、ヴァンサンはバレにくいように自分が造りたいスタイルにしたと感じた。そしてこの20年。「もうバレてもいいや」と思ったのかどうか、ワインは全キュヴ ェがナチュラルな造りで、いくつかのキュヴェはまんまナチュラルワインの風味だ。そして、それがメチャ美
味しい。
彼の果敢な挑戦は今後も続くのは間違いない。なお、ドメーヌの公式なメッセージは
「SO2無添加は伝統的な顧客からの反応が良くなく、満足してもらえるワインを造ることが最優先のため、現在は止めています。シュマン・デ・モワンヌ・ ド・ヴェルジィ2020年は、ビン詰め時の若干の添加のみで造っています」
だ。
これ建て前というかウソ。 だってワインの味はウソをつかない。(リアルワインガイド79号より抜粋)
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どうでしょう?・・たったこれだけでも面白そうでしょう・・?造っている本人はSo2を使っていると言う。ビオはやらないとも言っている・・でも除草剤は使わない・・そのために新しい機械を導入したとのアナウンスも有ります。しかし飲んだ人は、
「・・So2..使って無いんじゃね?・・しなやかだし純粋な味わいだし・・NW(ナチュラルワイン?)の風味がするし・・滅茶旨いし!」
と言う・・。
造っている本人は、葡萄は同じだけれどテロワールが味わいを造るんだと言う・・でもRWG的にはテロワール云々はどちらかと言えば懐疑派だ・・。
noisy的にはこのように感じました。2020年もののグロ・フレール・エ・スール..滅茶面白いです!・・味わいの純粋さはトップクラス。タンニンがほんのりと感じられるものの、その質が物凄く良いんです。その上で、やはりこのふんわり感とノーズの速さはヴァン・ナチュールに通じているとも感じられる・・まずほとんどの人が気付かないレベルにある揮発酸はゼロであるとは言えない・・除草剤も使わない・・なら・・
「ヴァンサン..どうする?」
と言うことなんですね。
So2 を全く使用しない・・と言うことは、ビオ以外の手法では厳しいはずです。ルドルフ・シュタイナーはその著書「農業講座」だったでしょうか・・農民たちの健全なじゃがいもの生産量が伸びないがどうしたら良いか・・という質問に答えていました。その手法こそが・・
「ビオディナミ」
なんです。
つまり、天体の動きを知り、その摂理に沿った農業を営み、農薬では無く調剤を使用・・つまり循環型の自然農業をやる・・しか無いんですね。単に雑草を取り除いただけで他は普通の栽培で済ませていては、So2無しでは厳しいはずなんです。
だけれど、飲んだ人は・・「So2..使っていないんじゃん?」と言う・・訳ですよ。
さあ・・面白くなって来ました。1度ならずも2度まで公表してSo2無しでリッシュブールまで造っちゃったヴァンサンです。2020年もののヴァンサンのリッシュブールは、
「リアルワインガイド第79号でポテンシャル97ポイント!」
まで付いています。
残念ながら noisy はその少なさからリッシュブールは開けられませんでした。でもクロ=ヴージョまでは開けていますから、リアル79号の言うことはよ~~~く判ります。
「2018年もので普通に回帰したが、2019年ものからまた自然派に再回帰した!」と・・たぶん言えるでしょう。
そしてヴァンサン・グロはルロワを超えることを目指した・・のかもしれませんし、だとすると・・その手法は?・・そのルートをどうする?
飲んでいてとても楽しくなるワインだと思います。価格も頑張っています。是非お試しいただけますと幸いです!
■ 以下は2019年以前の情報です。
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日本国内の新型コロナウイルス感染者も人数的には減って来ていて、このコラムを書いている2021/10/07発表の数字は、国内1125人、東京143人と言うもの・・でした。このまま減少していければ、少しずつ以前の日常に近い形で生活できるようになるかというような希望も見えて来ています。もう少し!・・頑張りましょう。
で、グロ・フレールです。2018年ものの売れ行きが今ひとつだったので、2019年ものの仕入数は少し減らしていただきました。サンスフル(So2添加無し)をやめ、今までのようにSo2 を使用するスタイルに戻ったので、それもあるかと思います。そんな意味ではこの2019年もののグロ・フレールの出来は、ドメーヌを理解する意味では重要なものになったと思っています。
【ブルゴーニュ唯一・随一の不思議ちゃんドメーヌ!?グロ・フレール・エ・スール】 結果的に天候の恩恵を受けることが出来た2019年ものですので、潜在アルコール度数はそれなりに高くなる傾向になったはずです。アルコール度数を低く抑えようとする造り手と、仕上がった葡萄の糖分をそのままにアルコールへ変換するだけ・・と言う意識の造り手がいます。もちろん、そこには畑それぞれの個性が有りますから、そのまま糖度が上がる畑と、いつものようにあまり変わらない畑もあるはずです。
グロ・フレールは・・その辺を考えているのか、無意識なのかは判りませんが、「後者」です。ですので、「12.5度」「13.0度」なんてワインにはしません。13.5度からになりますし、アイテムに拠っては15度(オート=コート・ド・ニュイの白)なんてすごいのも有ります。
なので、
「ブルゴーニュのエレガンスを失いかねない」
感じがして、noisy 的には少し引いてしまいます・・。
ですが! いや・・これがまた良いんですよ・・。今までこんなことは一度も無かったんですけどね。アルコール分はほんの少し高目のものから、それなりに高いものまであります。それをテイスティングしてみますと、
「これがまた・・旨いんです・・残念ながら・・」
個人的にはやはり12~13度台あたりのしなやかなピノやシャルドネが好きなのは間違いないんですね。それに、14~15度台のブルゴーニュワインは余り好きじゃない・・です。似たタイプとしてはD・クロワもそうでしょうか。あの人も、葡萄の糖度に左右されずに完全発酵に向かうので、糖度が上がった年には、14~15度のブルゴーニュワインを造ります。それはそれで5年ほど置くとそれなりに美味しくなり、大きな構造の素晴らしい味わいにはなりますが、若い時の美味しさが不足してしまいます。糖度が上がり過ぎなければ若くても素晴らしい味わいになります。
グロ・フレールの2019年ものには凄く驚かされました。ベースのキュヴェ、ピノ・ノワールやA.C.ブルは13度ほどで非常にエレガント、しなやかな美味しさを持っています。上級キュヴェになってきますと14度ほど・・なんですが、とにかく驚かされたのが、
「ヴォーヌ=ロマネ1級」
です。・・これ、めちゃ素晴らしい味わいなんですよ・・。
言い方は悪いかもしれませんが、「超上質ピノ・ノワール・リキュール」ともいうべき、完全にエキス化されたアルコールの美味しさを見せつけてくれました。これ、飲んだら惚れちゃうと思うんですね・・いや、noisy はエレガント系の低アル系が好きなんですが、
「リキュールとするなら滅茶低アルコール!」
と言う度数のポジショニングを持った味わいには、ピノ・ノワールのエキスの美味しさが滅茶詰め込まれているんですね。凄い表現だと思いました!・・ついつい・・飲んでしまいます。
普通なら、アルコール臭くて・・もしくはエキスとアルコールが分離して感じられて興ざめしてしまいますが・・これがとにかく美しいんです。
白のオート=コートなんぞは15度も有ります。2018年ものも似たニュアンスでしたが、これも滅茶凄いバランスをしていたんですよ。アルコールと言う、微生物が造り出す素晴らしい液体にも、指揮者の個性で全く異なるものになってしまうことが、よ~く判った瞬間でした。
下級キュヴェはしなやかで美味しく、上級キュヴェはエキスがアルコールと完全に一体となった表現をしている・・そう感じた2019年ものでした。
グラン・クリュは数が無く手を出せませんでしたが、1級の素晴らしさをみますと、同様な・・
「エキスがアルコールと完全に一体となった素晴らしい表情・表現」
は間違い在りません。
本当に・・・グロ・フレールは千変万化、ブルゴーニュ一の不思議ちゃんだと思います。飲んだら・・惚れちゃうと思いますよ。是非トライしてみてください!
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この先は一体どうなって行くんだろう・・と、不安の中でお過ごしの方も多いかと思います。コロナも台風も地震も国際情勢も政府も・・不透明な今日この頃です。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。
店の中に迷い込んだコオロギさんは・・まぁ、毎年必ずご来店されるんですが、店を閉めた午後9時以降になったとたん、 noisy が仕事をしていようが、うるさいからと対抗して音楽を大音量で流そうが「我関わらず」で・・羽を一生懸命にこすらせて、大声で延々と鳴いています。
が、それも3日目ともなりますと・・モールス信号みたいに途切れ途切れになって来まして・・気になってしまうので何とか救い出そうと冷蔵庫の下とか、棚の裏などを照明を当て探すんですが、そうしてしまうと「ピタッ」と鳴き止んでしまうのでどうにもなりません。伴侶を求めるその一途さと、誰もいないところにわざわざ入り込んでしまう抜けた性分に、何故かこちらもシンミリとしてしまうんですね・・あ・・もう、あの煩わしくて仕方なかった声さえ聞こえてこない・・(T.T
そんな一途なコオロギさんとは性格が似ているのか似ていないのか・・はたして非常に微妙な感じの、ある意味凄いドメーヌである、グロ・フレール・エ・スールの2018年ものをご紹介致します。
2016年からなんと・・サン・スフルにトライし、2017年ものは全量サン・スフルにしてしまったと言う・・ある意味、非常に危険なことを「サラリ」とやってしまったグロ・フレールです。
ですが・・エージェント情報によりますと、
「やめてくれ!・・So2、使ってくれ!」
と言うクレームにも似た要請が、世界中から届いたそうです。
まぁ・・そりゃぁ・・そうです。2016~2017年もののグロ・フレールのワインはかなりのパーセンテージで、世界中で「劣化したに違い無い」状態で販売されたに違い無い訳です。
ワインセラーとは名ばかりの高温セラーだったり、ショップ営業が終了すると電源を落としてしまったり、オーナーが如何に高い理想を持っていたとしても、それを理解できない部下ばかりが利益を上げることだけを目標にしていたり何も感じようとしなかったり・・するのが人間ですから・・。そりゃ・・皆、楽をしたいですから・・わざわざ冷え込むセラーで仕事をしたくないと思ってしまえば、何をするか判りません。
なので、グロ・フレールの2018年ものは、
「So2を入れた!」
と明言しています。
ですが、noisy もテイスティングして確かめたところ・・
「入れたSo2は相当に微量!」
で、以前使用していた量とは雲泥の差があるものと感じました。・・なので、
「かなりナチュラルな・・流れるような味わい!」
です。
また、2018年もののグロ・フレールの特徴としまして、
「ボディが凄い!」
です。滅茶大柄なんですね・・。実に大きな構造をしています。これは、アルコール分の高さに由来するものかと感じます。
なので、今飲んでも美味しいですが、
「今まで以上に長く持つ」
のは間違いなく、その完熟を迎えた時の素晴らしさは圧巻だろうと予想しています。つまり、ブルゴーニュの1976年みたいな年だと思います。
それだけに今、さらに美味しく飲むには、
「品温はやや低めが良い」
ことは間違い在りませんで、17度位になってしまうますとピントがボケてくるはずです。少し冷やすだけで相当美味しくなるんですね・・不思議ですよね。
中~下のキュヴェはリーズナブルですし、上級キュヴェ・・・例えばヴォーヌ=ロマネ1級レ・ショーム以上のキュヴェの、
「質感が物凄い!」
ことも特筆すべきでしょう。ジュースの質がもう・・半端無く素晴らしいです。相当に分別した葡萄を使用し、ほとんど圧を掛けない造りをしたと伺える味わいでした。
そんなグロ・フレールの2018年です。是非ご検討くださいませ。
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大変身したグロ・フレール・エ・スールをご紹介します。
「・・えっ?・・noisy さんがグロ・フレール?・・そんなの、有りすか・・?」
と言われてしまいそうですが・・そうなんです・・大変身した姿を見てその気になっちゃったんですね・・。
ま~・・逆浸透膜なども使用し、「濃厚」なピノ・ノワールをリリースしていたベルナール・グロが事実上引退、現在は息子さんのヴァンサンが継いでいます。
なので、
「noisy が突然、意趣を翻した訳では無い・・」
んですね。
いや~・・もうどれだけ長い間、グロ・フレール・エ・スールのワインを扱っていなかったか、見当もつきません。20年近いんじゃないでしょうか。
理由としては、日本中どこでも入手可能な、濃密なピノ・ノワールは・・別にnoisyの出番でも無いし、結局価格だけが魅力になってしまえば、テイスティングをしてお勧めしたところで、お客様には魅力的には映らないだろうし・・と言うことが大きかったと思います。
じゃぁ、何で noisy が2017年ものから再度扱うことになったか・・と言いますと・・、ここは非常に重要ですから・・はい。
「日本中にとんでもないコンディションのグロ・フレール・エ・スールのワインが並んでいる(に違いない)から」です。
今回はかなり無理して、多くのキュヴェをテイスティングさせていただきました。
そして、ヴァンサン・グロが造る珠玉のピノ・ノワールの、ナチュラルで美しく優しいトーンと、「ビオ」と言う言葉だけでは表現しきれない見事な出来と、何よりも、
「ブルゴーニュ・ワインの将来を感じさせる、新しいナチュラルワインの姿」
を、そこに見たから・・です。
しかしながら、その気持ちとは裏腹に、一気に不安な気持ちも湧き上がって来ました。
「・・この美しくナチュラルなピノ・ノワールの姿を、壊さずに販売できるワインショップは非常に数少ないはず!」
とついつい思ってしまったら、かなり悩むことになってしまいました。
何故って・・それは渦中に栗を拾うことになりかねないから・・です。
そりゃ・・そうです。非常にコンディションの悪い同じワインを飲まれた方が、グロ・フレール・エ・スールのワインはそういうものなんだと信じてしまいかねないから・・です。
なので、少なくとも「夏に寒いと感じないセラー」で販売のために置かれているグロ・フレールの2016年以降のワインには、決して手を出さないのが賢明です。勿論、「冬に超寒い」のも・・同様でしょう。
しかし、本当に良いコンディションのグロ・フレールのワインを、確かな保存と飲み方で飲むことが出来れば、きっとnoisy が感じた「ブルゴーニュワインの進むべき将来の姿」に近いものを、感じることが出来るかもしれません。
2017年のヴァンサン・グロによる一連のワインの姿が、一番似ていると思われるのが、
「ドメーヌ・ビゾ」
です。
「ドメーヌ・ビゾのヴォーヌ=ロマネのワインたちを、もう少しエレガントにしたような感じ」 と言えば、なんとなく想像できるかと思います。
何せ、あの偉大なる「ヴォーヌ=ロマネ」近郊の珠玉のワインばかりを、ナチュラルに・・So2を使用せずに仕上げているんです。そんなドメーヌは、他に存在するでしょうか?
So2を全く使用しないピノ・ノワールは、So2 を使用して仕上げた同様のキュヴェとは、特にリリース直後からしばらくの間、全く異なる姿を見せます。
So2 を使用したキュヴェはその姿をタイトに、「クッキリ」と判りやすいものにさせ、その大きさも、要素も、理解がしやすいんです。
反対にSo2 をしようしないキュヴェは、So2の使用で隠れてしまう「中間的な表情」をも、しっかり見せますので、全体を見通そうとすると、やや「ぼんやり」としたように感じられるでしょう。
しかし熟成が進み、中間的な表情を形作っていた「つなぎ」「グラデュエーション」的要素が磨かれてくるとどうでしょうか?
そこが「新しいスタイル、ブルゴーニュワインの進むべき将来の姿」に繋がって行くように感じています。
事実、noisy が飲んだ全てのキュヴェは、今飲んでも充分に美味しく飲めてしまいます。「出っ張り感」「へこみ感」は感じないです。球体感が凄い・・その分、So2を使用したキュヴェよりも、偉大感を感じない今の状態・・と言うことが言えると思います。
「これ・・熟したらどうなるんだろう?」
と言う問いに対する自身の答えはすでに有ります。そして、自身でそれを確かめたいとも感じます。
ナチュラルな素晴らしいワインに仕上がったし、また、リアルワインガイドの徳丸さんが書いていた、「豆」もすでに消えていました。豆を感じることは、今回の一連のテイスティングでは、全く無かったんです。
そして、リアルワインガイドでの評価点には、ある種の驚きがありました。・・だって・・
「普段は徳丸さんとは意見が見事に一致することが無い」
のに、この2017年ものの評点、評価は、「豆」以外は全く同様だったから・・です。現地試飲と現物試飲、試飲時期の違いも有りますから、それは当然では有りますが、ここまで一致するのは、本当に「奇跡」です。
「ビオにこだわりたくない」
と言うヴァンサン・グロ。
だけれども彼のワインはナチュラルだし、しっかりとブルゴーニュ・ピノ・ノワールの神髄を伝えてくれたと感じます。是非、2017年のグロ・フレール・エ・スール、飲んでみて欲しいと思います。noisy のところで買わなくても結構ですが、出来る限り良いコンディションのものをお探しください。
■以下は最新のエージェント資料(雑感?)です。

昨年同様にSO2ゼロとなります。トータルSO2は10m以下となります。セラーでの定温管理必須となります。
昨年の2016年は、改めて酸化防止剤の無いワインにおける管理状態の差を教えてくれました。お陰様で、非常に良い反響をいただけた反面、管理の良くないグロ・フレールと混同されたとの声もありました。大人の事情からか、あまり声高に喧伝されていないようですが、グロ・フレールは今までと同じ感覚で取り扱ってはいけないワインになっております。
しかし昨年飲んだ時の衝撃、SO2フリーならではの浸透性の高い流れ落ちるような質感は昨今のブルゴーニュの中でも突出しています。改めて管理状態を含め、デリケートなワインのため管理の行き届いたグロ・フレールの良さを伝えて参ります。
また、懸念事項の豆香は3月のバレルサンプル試飲の時点では感じませんでした。
ヴァンサン・グロ率いる新生グロ・フレールについての露出の少なさは各社含めて情報の乏しさも相まっているように思います。グロ・フレール&スールの名前を一躍知らしめたベルナール・グロ。息子のヴァンサン・グロがドメーヌに戻り参画したのは2009年。
除草剤をやめ除草のための機械を取り入れ、少しずつ変革が始まります。トネリエと話し合い、樽のための木材から過失の温度、材質や乾燥の方法…現地雑誌でヴァンサン・グロはこのように語っています。
『私たち(若き当主ヴァンサンは一人称を“私”ではなく“私たち”とします)の16の区画はすべて同じもので同じ葡萄です。同じ樽の中で同じ手法で醸造しています。私たちはすべてのワインに対して同じように接し、同じだけ注意を払います。土地と地勢が違いを生むのです。ヴィニュロンはワインにアイデンティティを与えます。しかしながらテロワールこればかりは私たちの手を逸脱した魔法なのです。私はビオの方法を適用しようとは思いません。
自然の求めるままにすることと技術の進歩を利用することの中間で私たちは正しい均衡を見つける必要があります。』
(意訳・翻訳 村岡)
以下はベルナールの時代のエージェント資料です。

《音楽が果実を魅了するとき、美しい音色がワインに昇華させるのか、あるいはワインが音色を奏でるのか・・・》
ドメーヌ・グロ・ フレール・エ・スールは、コート・ド・ニュイ地区の中心部、ヴォーヌ・ロマネに立地する、ルイ・グロの遺産の相続分割によって1963年に誕生したワイナリーです。
初めは、4人の子供のうち、コレットとギュスターヴの2人が相続した区画を、一族のワイナリーに統合していました。
1984年にギュスターヴが亡くなると、甥のベルナール・グロが、コレットを支えながら仕事を引き継ぎます。
ベルナールは、次々とブドウ畑の植え替えを行いました。
コンクール・エ・コルボアン村(ヴォーヌ・ロマネの北に位置する小集落)の、AOCブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイの良い場所にも、あらたなブドウ畑を設営し、ドメーヌの作付面積を12ヘクタール増やしたのです(ピノノワール:9ha、シャルドネ:3ha)。由緒あるテロワールを尊重しつつ、そこに近代的な最良の技術を調和させ、優れたワインをつくり上げるという使命感をもって、ドメーヌは現在、8つのアペラシオン地区に分布する20ヘクタールのブドウ畑を所有し、事業を展開しています。
《畑がテロワールの名声に値する品質を提供するならば、気候と土地を受け入れなければならない》
畑では収穫量を制限しブドウを成熟させる為に一年中沢山の仕事があります。光合成のおかげで太陽が糖分とフェノール化合物を生成し、それがワインのアロマと色調を引き出します。
整枝:樹の仕立てがグイヨでもコルドン・ロワイヤルでもたった8房しかそれぞれの樹には残しません。
摘芽:他の芽を取り除くことでメインの房の樹液を増やすことができます。
摘芯:樹の枝の先端の芽を切ると糖分を残す為のプロセスが引き起こされます。これにより、糖分が葉を成長させるのに使用されなくなり、樹は先端の部分(ブドウの房)を育て始めます。
グリーン・ハーヴェスト:糖分をブドウの房に集中させる為に、ブドウが色づきする前の時点で一株につき房は数個しか残しません。
除葉:葉は日の出の方角で果房の高さに取り除かれます。そうすると、ブドウが太陽に照りつけられすぎることはなく、房との距離が適正になり、腐敗による病気も防げます。
《醸造は修正を加えることなくブドウの収穫と適合しなければならない。》
収穫されたブドウはドラポー(金属冷却装置が設置されたタンク)で伝統的な方法で処理されます。発酵が始まる前に、果汁はタンクの底から出され、果帽の上に置かれます(ルモンタージュ)。発酵が始まったらすぐにブドウは一日二回上下に攪拌されます(ピジャージュ)。これらの過程は色味やアロマやタンニンの抽出を促します(果皮のアントシアニン)。
しかし毎年収穫されたブドウに順応しなければいけない為、ピジャージュはとても繊細な作業です。ブドウの成熟度と衛生的な品質によって、慎重に考えられなければなりません。 ブドウが何も考えずにピジャージュされるならば、ワインの味と構造は適切でない場合があります、これはタンニンに最も特に影響を及ぼします。
《一番重要なことはブドウが完璧に熟した時に収穫することです》
収穫の前にきちんとブドウの世話をして、成熟具合をそれぞれの区画ごとにチェックします。ブドウをできるだけ傷つけないようにして収穫します。これは結果としてとても重要なことです。収穫は木箱に入れて手摘みで行う為、ブドウが破砕してしまうこともありません。一番良いブドウを選び選果台の上で手で選果し、そのアペラシオンにふさわしいグランヴァンのワインを造ることができます。
《ワインの品質は最終的に決定するものは樽の品質でもある》
木樽とワインは2000年以上前から関連付けられていました。2000年ほど前は、木樽はただの容器としか考えられていませんでしたが、樽熟成はその後、多くの長所を明らかにしました。使用しているオーク・バレルは、"barriques bourguignonnes"という名前で知られている228リットルのブルゴーニュ産の樽です。樽に使われる木自体は、ブルゴーニュ近郊のFor?t des Bertranges産のものです。ドメーヌは木を買って、樽を造ります。木は乾燥させられ、2年間樽工場で熟成させます。トースティングされた木は、バニラ、チョコレート、スパイスなどの特徴的な香りをワインに及ぼします。
ワインのタンニンは木樽のタンニンに由来し、完璧な組み合わせになります。そして、樽の気孔はワインへ微量の酸素処理を行い、ワインに甘みを持たせます。これは、ワインが酸素と空気が触れ合うためです。樽のおかげで、ワインは進化しながら熟成することができます。
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2022 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
【そろそろ完成するでしょう!・・グロ・フレールのクラシカルでピュア、繊細でSo2の少ない・・からこそのディテールをご確認ください。】

2021年ものと画角が同じなのは、おそらくですが・・
「ヴィンテージ表記の楕円のラベルの性」
です。
これがボトルの上の方に張られ、しかも結構に文字も大きいので、2枚目の「上からの写真」だけでしかヴィンテージを撮れず・・それを入れると・・
「まったく同じ画角になる」
のでしょう。できることならもう少しヴィンテージ表記のラベルを小さくするか、下の方に貼って欲しい・・勝手なお願いですが。
2022年ものは2021年の・・比較的贅肉が少なくスッキリしたスタイルよりも、より集中しつつガッシリとしたものになったと思われる2022年もののオート=コート・ド・ニュイです。
柔らかな「A.C.ブルゴーニュ」や「ヴォーヌ=ロマネ」よりも、より飲み応えがある味わいです。そしてグロ・フレールの2022年ものの特徴とも言える、
「スパイシーなアロマ」
は、特段・・自然派的なアプローチをしている訳では無いグロ・フレールでは有りますが、So2の少なさ・・ん?・・入れていないと言う噂もありますがどうなんでしょう?・・その恩恵も有るのでしょう、
「ピノ・ファン」
を彷彿させる深いアロマが有ります。

その上で、標高の高いオート=コートにある畑ですから、より冷ややかで骨格の大きさを感じさせてくれる訳です。
柔らかさと言う点では、今のところは「A.C.ブルゴーニュ」と「ヴォーヌ=ロマネ」に遅れを取っていますが、今日降った雪が解け、また週末にも降る予定の雪が解けて春の暖かさを実感し始めた頃には、かなり仕上がって来るものと想像しています。
まぁ・・ユーロも156~157円ほどと一時の勢いも収まって来ました。アナリストが予想した通りでは有りますが、このままど~んと下がってくれると助かるとは言え、中々一筋縄ではいかないでしょう。
実はこのオート=コート赤も上代設定は7200円ほどですから、このプライスはかなり厳しいですが、飲んでいただいてナンボの世界・・と思って思い切った価格にしています。
色彩も透明感バッチリで深みも有って美しい・・それ以上に構造もしっかりしているんですが、しっかりエレガンス、繊細さを感じるクラシカルブルゴーニュです。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これは旨い!ヴァンサン・グロのワインを評価するなら、このワインが良いでしょう!どこかヴォーヌ=ロマネを彷彿させるキュッと締まった小果実のニュアンスが最高です!】

この色彩!・・良い感じでしょう?・・そして密やかに漂ってくるアロマは、やはりピノ・ファン的な煙っぽいニュアンス・・。非常に高質なニュアンスを感じます。
口内に入れますとエキスが集中していてむっちりと・・口内で小さ目のパレットを描き、少しだけ・・拡がってくれます。水面に水滴を一滴、落としたように・・。決して「だ~っ」と一気に拡がるのではなく、自制を持って少しだけ・・です。そんな表情が、このワインの高質さを語っているように感じます。
泡目の色彩が赤中心で透明感を多く含み、暑苦しく無く冷ややかな感じがします。こりゃぁ・・旨いです!
畑はどこか・・と調べてみましたら、ヴォーヌ=ロマネの上部・・つまり西側にずんずん行きますと、コルボワンとコンクゥールと言う集落が有ります。クロ・パラントーからちょうど直線距離で1000メートルほどでコルボワン、コルボワンからコンクゥールまでは同600メートル弱です。
ここにはヴォーヌ=ロマネとはまた違った、広くて穏やかな丘陵が拡がっていて、若干標高が高いものの・・昨今では気温上昇で苦しむ畑が多いコート・ド・ニュイの畑よりも条件が良さそうにも感じます。
まだブドウ畑で埋め尽くされるような感じでは無く、草原が拡がっていて、何とも美しい風景をGoogle map で見ることが出来ます。

今や・・Noisy wine でもご案内していますが、
「パスグラで6千円、またそれ以上!」
が普通になって来ています。
その上がり具合がワインのポテンシャル上昇と比例しているのであれば、お客様も納得できますから、
「パスグラで以前のA.C.ブル以上のポテンシャルを実現!」
なら良いですが、前年で3千円以下だったワインが倍にもなってしまいますと、ちょっと萎えちゃいますよね。
色々と考え、お骨折りくださるインポーターさんもいらっしゃれば、どう考えても調子に乗り過ぎな会社も有ります。特にブルゴーニュのインポーターさんは10年前は、
「非常に辛かった」
はずなんですね。
ところがこの2年ほどは価格は右肩上がり、数量は少し減ったものの、在庫はしないで良いほど、簡単に掃けてしまう訳ですから・・鼻もどんどん伸びちゃう訳です。その内・・伸びた鼻が左右に引っかかって、振り向くことさえ出来ないことになってしまうことに気付かないんでしょうか・・。
と言う訳で、村名ヴォーヌ=ロマネと共に、このオート=コートを激推ししたいと思います。
「リーズナブルでめっちゃ高品質!」
です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【エキスの美味しさとアルコール分と・・すべてのバランスに長けた・・「可憐なピノ!」と言いたくなるエレガントな味わいです!】
「・・こう来たのか~!」
と・・まぁ、ある意味、noisy の得意な、
「エレガンスたっぷり、濃く無い、言っちゃえば薄目、でも何も不足してなくて、瑞々しくて流れるような味わいから可憐な還りがノーズに有るワイン」
に大変身していましたので・・大いに驚いてしまっている訳です。
その傾向は2020年のグロ・フレールのすべてのワインに当てはまり、テロワール・・葡萄の個性によって、それぞれの違いをエレガントに感じさせてくれています。
ですから、
「2019年までのグロ・フレールは・・いったん忘れるべき!」
と言っておくのが良いか・・と思うんですね。
色彩だけ見ますと、この下の2018年もの(So2をちゃんと入れたもの)よりも濃いでしょう?
でも味わいは全然違います。そもそもが瑞々しいんですよ。ナチュールっぽいか?・・と言われますと、そこも微妙では有りますが、エレガントで優しく、でも味わいはしっかりしている・・んです。ちょっと相反するように思えるかもしれませんが、そこは飲んでいただけましたらご理解いただけると思います。

で、ヴァンサン・グロさん・・いや~・・相当、色々とトライしているようですよ。ヴィンテージの個性と畑の個性を失わないように・・色々トライしているのが何となく伝わって来ます。
ですから、この下のクラスのピノ・ノワールもまた・・「同じトーン」を持っていてとてもおいしいんですね~・・。
このワインはオート=コートですから標高が高く涼しいので、やや冷ややかで硬質に仕上がります。ヴォーヌ=ロマネのような温かみは少なく、比べてしまうと硬めな感じでは有りますが、
「そもそも2020年のグロ・フレールは柔らかなニュアンスが表情の表面に出ていて、優しくエレガント!」
なんですね。
リアルワインガイドはその辺りをNWっぽい・・と言っているように思います。noisy はその上で、So2 は少ない・・と思いますが、入れているかいないか・・はテイスティング時点では判断しかねました。
可憐な味わいです。瑞々しいです。実にエレガントです・・昔のグロ・フレールは忘れ、
「ヴァンサン・グロの2020年からは、全く違うワインになった!」
と思ってください。お勧めします!
【So2を・・圧力に負けて入れた2018年のオート=コート!・・これはしっかり出来ています・・し、So2を入れなかった2017年ものも少しだけ再入荷していますので、その比較も楽しいはず!】
いや・・面白いものですね・・。2017年ものはSo2ゼロで、滅茶しなやかでフカフカ・・ですが、
「こんなもの、普通にショップに出したら、全部逝かれてしまうに違い無い!」
と、かなり不安に思ったものでした。ナチュラルで可憐さが有ってシミジミと美味しい自然派的なワインでした。
しかしながら、So2を少量入れた2018年もののオート=コートは、かなり・・違う部分も感じられる仕上がりでした!
何せ、アルコール分は14度と・・まぁ、平均値に近いものでは有りますが、僅かに入れたSo2によって、むしろ、
「焦点はビッチリと有ってると感じさせられる」
のが不思議では有ります。
その上で、2017年ものの「シミジミさ」はほぼ無く、
「キッチリ出来た美味しいオート=コートのピノ・ノワール!」
と感じさせてくれるんですね。
しかも、以前のグロ・フレール・エ・スールのような、濃厚でやや甘さまで感じるようなパワフルなピノ・ノワールとも、また全然違う・・。
「お~い、どこに行こうとしてるんだ~?」
と声を掛けたくなりますが、このワインはこれでとても美味しいので、別に何も悪いことも無い・・。
でも、アイデンティティと言うものが有るだろ?・・みたいな感覚も有り・・いや、これからしばらくはちょっと目が離せないかな・・と思っています。
ちょうど2017年のSo2の入っていないオート=コートも買えましたので、比較してみていただけますと・・楽しいかな?・・と思います。イタリアワインで有り、無しは比較出来ても、
「ブルゴーニュワインの同じものをヴィンテージ違いでSo2有り無し比較が出来る!」
何ていう芸当は、この先はそうそう易々とは出来ないと思いますよ。ご検討くださいませ。
以下は2017年のSo2無しのレヴューです。
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【見事にナチュラルな感覚のワイン!それもブルゴーニュのピノ・ノワールです!】
2016年以降のグロ・フレール・エ・スールのワインが、どのようなものなのかと思い、アチコチかなり時間を掛けて検索してみたものの、結局全く判らず、ただ2015年以前と同様にページに並んでいるだけの状況に唖然としてしまいました。
反対に、
「それならnoisy の出番もあるかな・・」
とも思えた訳なので、安易には批判もできません。・・でも酷いですね。noisy がテイスティングした結果としては、このレベルのナチュラル・ワインがもし、蛍光灯や太陽光がガンガン当たる温度管理もまともにされていない・・されていたとしても18度ほどの売り場に並べられていたら・・としたら、想像を絶するコンディションになってしまうと思います。ナチュラルワインを専門に、もしくは看板に上げているショップでさえ、「夏に暖かいセラー」だったりすることが多いですから、まして今までの「グロ・フレール」と同様に扱われているとするなら、とても怖い状況です。
リアルワインガイド第66号が88+ 89 と評点し、大地の風味に満ちた見事なブルゴーニュのナチュラルワインと評したオート・コート・ド・ニュイです。
ヴァンサン・グロが言う
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~6.5」ほどかと思います。
なので、
「それなりにナチュラル度は高目」
と言えるでしょう。少なくともA.C.ブルとは、中間点の「5」を挟んで「対局の立ち位置」です。この辺りは成長途中のドメーヌですので、少しブレも感じますが、キュヴェによる自然派度の違い?・・を点数化するのはnoisy位でしょうから一般的では無いですね。でも、この方が判りやすいと思います。
その上で、非常に良く出来たブルゴーニュのナチュラルワインで有る・・と言いたいと思います。ハッキリ言ってこのワイン、揮発酸は有ります。しかし、ナチュラルワインに重きを置く方には、全く問題にもならないレベルでしょう。良い面が非常に勝っているし、若干鈍い方には(・・失礼)揮発酸も検出できないでしょう。普通の方には、
「・・あ、あるな・・」
と判ると思います。
柔らかでふくよかなスピードあるアロマは非常に心地良く、揮発酸のニュアンスはほぼ在りません。口に含むと、確かに揮発酸系のニュアンスが有りますが、艶々のチェリーと非常に美しい赤みを帯びた柔らかくフカフカの土、中高域から高域にかけての伸びやかさと、全体を通しての滑らかさが秀逸です。余韻も実に良い感じです。
他のコラムでも書きましたが、So2を使用しタイトに締まったワインは、その構造を判りやすく見せてはくれますが、サン・スフルのワインは、その要素と要素の間にあるもっと細やかな要素をも、しっかりと見せてくれますので、良く言えば「非常に繊細」です。悪く言えば、「ぼんやりとしているように見える」とも言えるかもしれません。
しかし、全ての要素が何にも阻害されずに表に現れてくることこそが、真のそのワインの姿、テロワールの姿を映していると言えます。
今飲んでも実に美味しいですし、何の引っ掛かりもなく、ストンっと喉を通り抜け、ニュアンスを残してくれます。これが熟してきますと、So2 を使用したキュヴェ同様に構造が見やすく、スッキリとしたものになりますし、抑え込まれずに済んだもっと細やかな表情さえも綺麗な熟を迎えることが出来る訳ですね。
「ナチュラルな要素が心地良く無い」
と思われる方には、このオート=コートの赤は無理でしょう。でも、それ以外の方には是非飲んでみていただきたいと思います。そして出来れば数年後の姿を見てみて欲しい・・心よりそう思います。ご検討くださいませ。
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2022 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【これは激旨!「・・これからのグロ・フレールの進む道はこっち!」と言いたいんだろうと!・・クラシカルでエレガントなブルゴーニュ・ピノ・ノワールの繊細で深く、飲み心地の良さをアピールして来ます!】

余りに2021年ものと2022年ものの写真の画角が「一緒」なので、
「・・あれ?・・間違えたかな?」
と思って調べてしまいました・・が、敷物が違うので・・
「・・なんだ・・合ってるじゃん・・」
しかしながら、2022年ものの方が透明度が高く、赤い色彩がよりしっかり有って美しいのに気付き、
「・・なんだ・・やっぱり美味しさは写真にも出るのか・・」
と思い直しました。
2022年のグロ・フレールのヴォーヌ=ロマネは、ヴォーヌ=ロマネ的な全方位の享楽さをしっかり持っていて、しかし、
「だからこその・・嫌味っぽさ」
が無いんですよね。
非常に瑞々しく、エレガントで真ん丸。暖かさの中にひんやりとした冷たさを持ち、しかも、
「ピノ・ファン的なスパイシーなアロマ!」
がトップノーズに来るんですね。

「そうそう・・これこれ!」
って言う感じなんですが、さらにはそれに留まらない・・。
まぁ、オルヴォ-のM君も言っていることでは有りますが、
「おそらく上級キュヴェを格落ちさせてブレンド」
していると思います。
これを少々でもやりますと・・特にノーズに複雑性が出ると思いますし、たっぷり入りますと深みも出て来ます。
昨今はシングルヴィンヤードものが流行りですが、昔は・・村名畑、1級畑、グラン・クリュと3つくらいがほとんどでした。稀に昔から著名な畑ものだけを別にしてリリースするくらいでした。
しかし、ブレンドによって、不足している部分を補いますから深みが出て来るのは当然のこと、しかし反面、面白みに欠ける・・みたいな部分も出てくるのでしょうが、
「村名でリリースしたものがより上級キュヴェを彷彿させてくれる」
可能性もあり、それはそれで在り・・だと思います。
So2 も少なく、香り高いヴォーヌ=ロマネです。価格も相当リーズナブルだと思います。デイリーワインが1本ただで付いてくる価格だと・・(^^;; 是非飲んでみてください!超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【瑞々しさとキュッと締まった果皮のニュアンスが強く、内に秘めたヴォーヌ=ロマネらしさを少しずつ解放してくれる、エレガンスとフィネスが素晴らしい村名です!】

良いですね~・・過去一番の出来じゃないでしょうか。親父さんが造っていた頃の濃ゆくてパワフルなヴォーヌ=ロマネは影を完全に潜めました。
このヴォーヌ=ロマネ村名は、エージェント情報が無いですが・・noisy 調べで、
「オ・コミュネ、オ・レア、オ・ドスユ・ド・ラ・リヴィエール」
の3つの畑のブレンドです。
オ・コミュネは1級クロ・デ・レアの真下、オ・コミュネはクロ・デ・レアの南に接し、オ・ドスユ・ド・ラ・リヴィエールはオ・レアの真下です。
なので、
「ちょっとクロ・デ・レアに似た感じ」
が有りますから、プティ・クロ・デ・レアと言っても良いかもしれません。
それとですね・・今までは余りそう言った話しにならなかったのに、いきなりそんな細かいことを言い始めたのは、
「少しミシェル・グロの味わいに似て来た」
と言うことも有りますが、
「ずいぶんとディテールが細やかに見えるようになって来た」
と感じています。
そもそもグロ・フレールは、逆浸透膜を使用して濃いワインを造っていた時期が有り、またヴァンサンがドメーヌの仕事をやり始めてからどんどんエレガント系へと変化して来たことを考えますと、
「第一次改革は成功し、段落的にはこの2021年ものでドメーヌのワインの姿を確定出来た!」
と感じました。勿論、さらなる改革は続くに違いないとも・・思っていますが。

リアルワインガイド的には、
「ナチュール感が増え・・」
と言っていますが、編集長もかつてご自身が言っていたように、
「それはビオとか、自然派とか、栽培についてはほとんど変わっていない」
ものが、栽培も少しずつ自然な方法を取り入れて来ていることも感じられた上で、
「So2 の使用量の大幅な減少」
が言えると思います。
ですのでディテールが非常に良く見えるようになり、クロ・デ・レアのようなニュアンスのあるヴォーヌ=ロマネの南側+下側を彷彿させてくれます。
チェリーな果実には、昔のような「(まっ)黒さ」は無く、僅かに黒味を持ったものに変革、そして果皮のニュアンスが凄くしっかり有り、小粒のピノ・ファン的な煙のニュアンスと、そこから進んでの皮革のニュアンス、スパイスと、中域の適度な膨らみからの・・美しい収束がとても気持ち良いです。
これは良く出来た、少し若いけれど美味しくいただける村名ヴォーヌ=ロマネです。
リアルはポテンシャル93ポイントで、noisy も納得の評価です。是非ご検討くださいませ。リーズナブルだと思います。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【この柔らかなテクスチュアを持ったヴォーヌ=ロマネ村名は、実に愛しい・・心に染みる味わいです!】
リアルワインガイドも書いていますが、
「キノコ有り」
なんて・・まるでコサールやパカレみたいじゃ在りませんか・・。
まぁ・・最近は「梅キノコ」「梅昆布茶」みたいな表現はグッと減ってしまったような気がしますが、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、超バランスの取れた味わい」
ながらも、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、しなやかなアロマに官能感」
が染み出し、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、柔らかな酸ながらの複雑な味わい」
がするんですね。
その上で、2020年のヴァンサン・グロらしいナチュール感がしっとりと漂う・・しかし、そこには2017年もののような「危うさは無い」んです。エキス系のエレガントな味わいです。

ですから、ある意味・・ミシェル・グロの味わいの方に寄ったように思えるでしょう?
「・・でも、ミシェル・グロには余り似ていない感じ」
がしています。
言ってしまえばミシェル・グロの方が硬質です。酵母の関係かもしれませんし、So2の使い方・・還っては、栽培の方法にもよるかもしれません。
それに樽臭いことも全くない・・んですよ。その昔のグロ・フレールは樽の存在は結構に有りました。その上で濃かった・・。
今は新型コロナ禍で余り情報が入って来ませんが、
「ヴァンサン・グロはグロ・フレールを大改革中!」
であると・・このヴォーヌ=ロマネはおっしゃってます・・(^^
今飲んでも相当美味しいですが、3~5年ほど寝かせますと驚くような表情になるでしょう。濃さっていうことで言いますと、
「むしろアメリー・ベルトーの方が全然濃い」
です。見事な出来でした。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【柔らかで優しい・・アルコール分の低いベースキュヴェと、アルコール分がそこそこ合ってエキスが超美味しい上級キュヴェを繋いでいるのがこのヴォーヌ=ロマネ村名です!】
超絶にエキスが美味しいヴォーヌ=ロマネ1級の圧巻さには及ばないものの、優しい穏やかな美味しさと、エキスがアルコールにしっかり溶け込んでいる感がちゃんと伝わって来るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネです。
他のコラムでも書きましたが、基本・・余り高めのアルコール分のブルゴーニュワインは好みでは無い noisy です。しかし、2019年のグロ・フレールはそうはなりませんでした。
この村名ヴォーヌ=ロマネ、香りもしっかり立ち、スピードも有り、エレガントなんですが、ちゃんと中盤以降押してくる旨味が有るんですね。しかも注いで15分ほど経過すると、その複雑性が高くなり、ボディはさらに膨れ上がり、しかし・・
「饒舌になりすぎない、うるさくならない美味しさ」
が有るんですね。
実はnoisy 的には、このようなタイプに出会ったことが有りません。高目のアルコール分のブルゴーニュワインは、やっぱり「強い!」と・・過ぎる感で萎えてしまうんです。
ところが2019年のグロ・フレールには驚かされました。まぁ、アルコール分が高目とは言え、滅茶苦茶高い訳ではありませんが、結構に神経質なところの有る・・いや、そう自覚している noisy 自身、シビアに感じてしまう部分なんです・・他の方が気にしていないとしても。
そして、このような少しアルコール分が高めに出たブルゴーニュワインは、しっかり保つワインになります。5年、10年じゃ全く下手らないんですね・・。
さらには、今飲んでも結構に美味しいです。飲んで行くとどんどん膨らんで来ます。しなやかな美味しさとヴォーヌ=ロマネ的柔らかく暖かめの酸とスパイスの味わいが、何とも素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年ものも・・結構ビゾっぽいです!】
流石に2017年もののような、モロにドメーヌ・ビゾのヴォーヌ=ロマネ風な味わいは僅かに薄れたかもしれません。それでも味筋は結構に似通っています。
2018年ものはアルコール分が結構出ていますので、2017年ものよりパワフルに感じられると思います。本来ですとアルコール分の出辛かったブルゴーニュ・ピノ・ノワールにとっては、素晴らしい出来事では有るんですが、リリース直後の味わいだけを考えますと、ボリューム感が先に出て来るかな?・・と言う感じもします。
しかしながらそのボリューム感こそは、エージングで磨かれてゆくのがワインの常識でして、ワインの評論家さんたちがコケにした1976年もののその後の評価を考えれば、
「今も美味しいが先行きはもっと楽しみ!」
と言うのが正解かと思います。
またこのキュヴェには、先のエシェゾー(・レ・ロアショース)から弾いた部分が入っていますので、それが垂直方向のボディ感をさらに深めているようにも思います。
今飲んでヴォーヌ=ロマネの豊かさを感じさせ、10年以上寝かせておおらかでゆったりしたヴォーヌ=ロマネの存在感を見せてくれるはずの村名かと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ドメーヌ・ビゾを彷彿させるナチュラルなヴォーヌ=ロマネ!・・自然派大好きな方にはドンピシャ!】
ま~・・あのグロ・フレールがね~・・こうなっちゃうのね~・・と、驚いた2017年ものです。その中でもトップのナチュラル度を誇るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネでした。一口すすって・・
「・・お~・・ビゾだ~~!」
と思っちゃいましたよ。ビゾの「オー・レア」にそっくり・・と言うか、ビゾのオー・レ・アに有る「角」をさらに丸く磨いて「引っ掛かりを無くした感じ」だと・・思わず口にしそうになりました。
でも、目の前には愚息がおりますので・・そういうことは言いません。自分で感じて欲しいからですね・・頭の中に余計な言葉をインプットしてしまうと、その言葉だけが独り歩きしちゃいますから・・。
ビゾのオー・レアもそうでしたが、ヴォーヌ=ロマネらしいフィネスを損なわずに、ナチュラルな風味を多く持っていました。巨大な構造では無いものの、しっかり膨らみ、ディテールの細やかなこと!・・この辺りはヴォーヌ=ロマネの格が成せるものでしょう。
しっかりと丸い中盤のパレットから、滲みだすような清冽な水の余韻が実に長いです。果実感は鼻に抜けつつ、滅茶美味しい清冽な水の余韻が舌に残像として残るんですね。
このワインは、ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
においては、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「6~6.5」です。
結構にナチュラル度が高い・・と言う判断ですね。揮発酸は有ります。止まっているのでこの先、増えることは考えられませんが、落ち着いてくることは有ります。そして、この揮発酸が無ければ、ナチュラル度は「5」ほどにグンと下がります。
なので、揮発酸系が苦手な方には「無理」です。
しかし、ナチュラルワインがお好きな方には、全く問題が無いレベルと言えますし、揮発酸バリバリのアヴァンギャルドなスタイルがお好きな方には「物足りない」でしょう。
継ぎ目無く滑らかで柔らかく美しいヴォーヌ=ロマネでした。是非ご検討くださいませ。
ドメーヌ・ロベール・シリュグ
ロベール・シリュグ
フランス Domaine Robert Sirugue ブルゴーニュ
● 2022年(下級キュヴェは2023年)のドメーヌ・ロベール・シリュグをご案内させていただきます。
「・・シリュグかぁ・・」
とちょっと残念に思ったとしたら・・それは本当に残念なことです。
「ドメーヌ・シリュグも若い力を得て、とんでもなく変化し・・凄いことになった2022年!」
だとお伝えしておきます。

もはや、リーズナブルなヴォーヌ=ロマネのドメーヌだから・・と言うのは当たりません。noisy もテイスティングで2022年ドメーヌ・ロベール・シリュグの物凄い変化を体験しています。
2021年までのロベール・シリュグもすでに有りません。
「以前とはまったく異なる!」
と。そして、
「より繊細で冷ややか、ヴォーヌ=ロマネのテロワールを美しいディテールで描く繊細な味わい!」
です。
「・・そんなこと言っても信じられないよ・・」
とおっしゃるかもしれませんが、是非・・グラスの写真をご覧ください。
また、2022年ものは出来得る限りに価格を抑制しています。結構厳しいですが、これもまた、
「飲んでいただいてナンボのもの!」
だと思いまして頑張りました。どうぞよろしくお願いいたします。
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いや・・ちょっとビックリしました!・・あのドメーヌを彷彿させる劇的エレガンス!・・だったんですね。ロベール・シリュグの2021年(アリゴテとパスグラは2022年)をご紹介させていただきます。
まずは新しくなったインポーターさんのサイトから、最新のドメーヌ情報を掲載させていただきますので・・ちょっと読んでみてください。
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1960年創業の非常に小規模なワイン生産者。化学薬品を使用しない害虫対策など人為的で化学的な介入を厳しく制限することで、地球環境に配慮した高品質ワインを生み出す為の真摯な取り組みが随所に見られます。(平均樹齢は35年~40年)。働くスタッフにも女性が多く、ワインにも女性らしい繊細さが表れています。収穫は40人もの人員を動員し全て手作業で行っています。(100%除梗)。近年、クラシックなスタイルからエレガンス感溢れるスタイルへと見事な変貌を遂げ、新たなファンの獲得につながっています。
最近の試みとしては収穫した葡萄をなるべく潰さないよう醗酵槽に入れ、果汁を疲れさせないようポンプの使用を避け、バケツでの移動に切り替えたり、ピジャージュの回数を減らすなど、より昔ながらの手法に切り替えている事などが功を奏しています。人為的な介入を制限することで本来のポテンシャルを十分に発揮し、純粋でエレガント、ジューシーで果実味溢れるスタイルを見事に表現しています。
数年前からDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)が使用しているものと同じ選別機械を導入したことにより、ヴィンテージの出来に関わらず、雑味や青味のない甘く熟した果実だけを選別できるようになり、品質が飛躍的に向上しました。その味わいはワイン評価誌などで高く評価されており、今後、目の離せない造り手として注目を集めています。
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noisy も、
「2018年ものが転換期、2020年ものがドメーヌ史上最高の出来!」
と言ってきましたが、D.R.C.と同じ選別機を導入したこと、そして婿さんのアルノーさんが自然派的栽培と人的関与を出来る限り減らした醸造に舵を切ったことが判ります。
そして史上最高だった2020年もの・・これは動きません。ですが・・
「ヴィンテージの背景をそのままにワインに写し取った見事にエレガントな2021年!」
が・・noisy 的には滅茶響いて感じられたんですね。
あの・・ニコル・ラマルシュ率いる・・
「売れなかった頃の最高にエレガントで美味かったワイン・・」
そして、
「ヴォーヌ=ロマネならではの、最高のロケーションが生む至高のエレガンス」
を生んだのがこの2021年ものだと感じました。
ラマルシュの2014~2016年・・素晴らしかったじゃないですか!・・noisy も、あれだけ売れ残っていたラマルシュのオート=コートが一気に無くなったのを、つい最近の出来事のように覚えています。
「淡いんだけれど質感が凄い!・・伝わってくるものがピュア!」
ピノ・ノワールの素晴らしさをたっぷり感じさせてくれると思います。
なお、今回の2021年と2022年ものは入荷数も激減。また価格は異常なほどに高騰しています。でも、出来得る限り・・利益率を下げさせていただきましたので、
「・・高いけど・・思ったほどじゃないかな?」
と感じていただけましたら幸いです。
激エレガントで瑞々しく健康な2021年のヴォーヌ=ロマネのドメーヌのワインです。是非ご検討くださいませ。追加は望めません。
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2020年のシリュグです。お伝えしていました通り2018年で激変・・艶やかでフレッシュさを残した滑らかで香しい液体へと変貌してきましたが、2020年は集大成のような素晴らしい出来になったと感じます。
2019年ものも滅茶美味しかったんですが、2020年ものはさらに完成度が上がっています。2019年もののご紹介時にはまだ見つけられなかったんですが・・なんと!
「ついにロベール・シリュグも海外メディアが評価をし始めた!」
ことが判りました。
なんとまぁ・・やはりあの方が2019年ものを評価していまして・・ジャスパー・モリス氏です。2019年もののグラン=ゼシェゾーに「93~96 Points」と、初登場??としましては
異例の高評価をされていました。
またセラートラッカーでは、これも昨年ご紹介させていただいた2020年パスグラ・ロゼに89ポイントと評価されていまして、これもまたとても高い評価と言えます。
まぁ、単に高い評価と言うよりも、
「飲んでさえいただければ当然受け入れられるべき姿をしていた!」
と言えるでしょう。
Noisy wine としましては非常に少ない入荷の中、村名までは何とかテイスティングさせていただきご紹介させていただきますが、
「(テイスティング出来たワインは)どのワインも素晴らしく美味しく飲める!」
と申し上げておきましょう。それも相当高いレベルで仕上がっています。
無理に凝縮感を上げず、遅熟させずに美しい酸のレベルを保った見事な仕上がりです。是非飲んでみてください。お勧めします!
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2019年のロベール・シリュグをご紹介させていただきます。昨年、「2018ヴィンテージで大転換した!」とお伝えさせていただきましたが、先般届いた2019年もののテイスティングでしたのでその言葉に間違いは無かったと確信できました。
「2019年もの・・滅茶旨いです!」
と申し上げておきましょう。
そもそも、エージェントさんの担当さんから、
「2019年、最高に旨いです!」
と言われていたんですが、まぁ・・大変革を実現した2018年ものでしたので、「さもありなん・・」と思っていました。ただし昨今は日本への直行船便が無く、輸入されるタイミングが、
「全エージェントさんがほぼ一緒」
のようで、9月の予定もパンパン・・Noisy wine は理解できるまでテイスティングしますので時間も掛かり、大変な状況でした。
ヴォーヌ=ロマネV.V.2019年は・・逸品です。これは本当に素晴らしいです。濃密さもあるのにエレガンスを喰っておらず、しなやかさとアロマの立ちが実に心地良い・・黒い果実と赤い果実の雰囲気がどこかジャイエ系のようにも感じられ、以前のような「乾いたテクスチュア」はどこにもなく、「しっとりと滑らかなテクスチュア」に大変身しています。
ヴォーヌ=ロマネ村名2019年は、V.V.をそのままスケールダウンした感じですが、よりエレガントさが強調されている感じでこれも良いです。V.V.を飲んでから村名に行っても全然OK!・・より赤果実が際立った美味しさを感じさせます。
面白いのがラドワ・ビュイッソンです。少しジュヴレ的に大きな構造で、エレガントな美味しさを持ちつつ、熟成させても面白いだろうな・・と思わせるポテンシャルを感じました。
A.C.ブルやパストゥグランも、2018年以降の「柔らかな酸と滑らかなテクスチュア」が健在で、2019年ものの健康的で丸っとした果実感が素晴らしく、最高の食中酒となりうると感じます。
残念ながらシャンボール=ミュジニー・レ・モンビエ、1級のプティ・モン、グラン=ゼシェゾーは入荷数量的に飲めませんでしたが、下から上のクラスまでキッチリと仕上げてくれるようになったことを考え併せれば、相当に良い仕上がりになったことが想像されます。
A.C.ブルもアロマも高く濡れたテクスチュアで実に美味しいので、これ、是非飲んでみて下さい。ロゼもエレガントでフラワリーなアロマが素晴らしいです!是非ご検討くださいませ。
◆生産者によるヴィンテージレポート
2019年はこれまでの様に9で終わる偉大なヴィンテージのひとつとなるのに大いに値します。かなり穏やかだった冬のおかげで生育サイクルは早く始まり早期の発芽となりました。しかし春になると、近年ブルゴーニュでは寒さが定着しています。4月5日の朝霜は、村や区画、その場所の気温、成長段階により差はあるものの、被害を受けました。
5月中葡萄の樹は順調に成長し、6月の初めまで熱波が続きました。その後、強い突風と強い冷え込みがフランス全土に留まりました。それらは開花を部分的に妨げ、花ぶるいと結実不良も多く見られました。夏には暑さから水不足でしたが、8月の数回の雨が葡萄の樹の発達を助け、ヴェレゾン(葡萄が成熟するにつれ、緑色だった実が黄緑色から紫色へと色付いていく事)を促しました。8月下旬と9月上旬は良好な状態で順調に成長を続け、理想的な健康状態が収穫まで続きました。
収穫は9月24日に始まり、とてもスムーズにはかどりました。そして私たちは予想を上回る結果に心を躍らせました!発酵はパーセル毎に差はあるものの、それぞれ大変、順調に行われました。ミルランダージュ(粒の大きさの不揃い)があった為、普段より少し時間を要しましたが。デリケートなルビー色で、ワインは優美そのもので、しなやかなタンニンと心地よいフレッシュさ、魅惑的な赤く小さなベリーの香りが食欲をそそり、ブルゴーニュファンの心を揺さぶるに違いありません。2019年産の欠点をあえてあげるとすれば、収穫量が平均年を下回ったことだけなのです。チャーミングでエレガント、気品のあるこの2019ヴィンテージを日本の皆様が楽しんで頂く事を我々も心待ちにしています。
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2018年のロベール・シリュグをご紹介させていただきます。
まぁ・・おそらく誰も言わないと思いますので、この際、ハッキリと断言させていただきます。
「2018年のロベール・シリュグは大転換点となった年!今までのシリュグのワインに感じていたであろう不満が大幅に縮小!活き活きとしたディテールが前面に出て来て、瑞々しく、エレガントさに磨きが掛かった!」
リアルワインガイドも新型コロナでフランスに出張れず、ワイン屋はただ値段を幾らにするかだけを考えてネットに上げるだけですから、
「激変!」
並みの変化をお伝えするのは おそらく noisy だけでしょう(・・えへん!)
冗談はともかく、ではその・・
「今までのシリュグに対する不満とは何か?」 ですよね?
ここもハッキリ書いておきましょう。
1.比較して価格が高い
まぁ、蔵出し価格も上がってはいますが、インポーターさんの問題も在ったと思いますよ。細かくは言いませんが・・昔は安くて美味しいA.C.ブルで売れていたんですから。
2.リリース直後は硬い
時折、バッキバキでしたよね・・なので noisy は、昔は1年以上経ってから仕入れてました。今はリリース直後の割り当てじゃないと仕入が困難です。
3.キュヴェ別の差がさほどハッキリ伝わってこない
これは2.にも繋がりますが後述します。
4.購入店によって味が違う
・・・リアルワインガイドのレヴューと全く印象が違うなど・・です。劣化でしょう。管理の良いお店を自身の感性で選別しましょう。
やはり一番異なるのは、劣化を除けば・・栽培にマンパワーが入れられるようになったこと、醸造に近代設備が入ったこと、新たなメンバーが増え、そして力を付けて来たことですが、
「So2 の量が大分減っている!」
ことが大きいと思われます。

So2 の使用量は、ただただ減らせばよいと言う訳には行きません。減らせるだけの下地が必要なんですね。不良果実を使用しないで済む、健全な葡萄を選別できるようになる・・もっと言ってしまえば、畑仕事に力が入れられるようになったので良質な葡萄を収穫できていることが、So2 を減らせるようになる下地になる訳です。
そして、若者がドメーヌを継承しようとしています。シリュグ家はベルトー家、ジェルベ家とも仲が良いし、血縁でも繋がっています。ニコラ・フォールのニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ゼルビュはおそらく・・ここの家のもの・・でしょうし、若いニコラやアメリーから、相当なパッションやテクノロジーの啓発も受けているはず・・。
さらにはニコラ・フォールからD.R.C.風の畑仕事も見せられているでしょう。そんなところが、アルノー・シリュグに影響しない訳が無く、彼の本格的なドメーヌへの参画によって、2018年もののドメーヌ・ロベール・シリュグが変わったのかと推測しています。
2018年のシリュグは非常にエレガントです。アルコール度はほぼほぼ13度。非常に瑞々しい味わいです。余韻には超絶に美味しい水のような余韻が長く続きますが、その純な味わいには心を打たれるものが有ります。
そしてテクスチュアはとても柔らかいです。今までのシリュグのワインの硬さはどこに行ったのか?・・と思えるほど・・です。これはA.C.ブルを飲んでも気付くレベルです。
インパクトは、以前よりは劣っているように感じるかもしれません。何せ美しい接触感ですから、今までのように、「ガツン」とは来ないし、口内を押し広げるように拡大して行くようなニュアンスは全く在りません。
そして・・ディテールの美しさ・・これは相当に素晴らしいレベルの上品さです。
「・・やれば出来るじゃん・・!・・(^^;;」
と思ってしまいました・・旨いです!村名ヴォーヌ=ロマネ!・・しなやかで清楚です!・・シャンボール=ミュジニー・レ・モンビエ!
とにかく・・2018年のドメーヌ・ロベール・シリュグは大注目です。
「え~?・・また大変身したの~?・・ホント?・・なんか、最近はそればっかり!」
・・そう思われても仕方が無いです。そもそもお勧めをご紹介している訳ですから・・。それに、今までと全然違うと思ったら・・そしてそれがこれからも続くと感じられたら、それを言わずにご紹介など、出来ないですから・・信じるも信じないもあなた次第・・でも飲めばきっと、
「なるほど!」
と思っていただけると確信しています。
ドメーヌの転換点をしっかり見ることが出来る、素晴らしい2018年ものを是非ご検討いただきたいと思います。お勧めです!
ロベール・シリュグは、プティ・モンやグラン・エシェゾーなど、ウ゛ォーヌ・ロマネの壮麗なポートフォリオを誇る。その背景には、ウ゛ォーヌ・ロマネの農家の入り組んだ縁戚関係がある。
シリュグ家はまず、ジャイエ家の流れを組んでいる。アンリ・ジャイエの父ユージン・ルイ・ジャイエの長兄ジャン・フランソワ・ジャイエの娘が、シリュグ家に嫁いだという歴史がある。
シリュグ家はまた、ウ゛ォーヌ・ロマネのジェルベ家ともつながっている。1947年にドメーヌ・フランソワ・ジェルベを設立したフランソワは、ロベール・シリュグの姉妹スザンヌと結婚した。
夫妻から生まれたマリー・アンドレとシャンタル姉妹は、ドメーヌ・フランソワ・ジェルベを継承した。マリー・アンドレはフィサンのドゥニ・ベルト―と結婚し、生まれた1人娘がアメリー・ベルト―である。アメリーは父ドゥニからドメーヌ・ベルト―の畑を受け継ぎ、母マリー・アンドレからジェルベ家の畑も継承した。両方を統合して、2015年にドメーヌ・ベルト―・ジェルベが誕生した。
アメリーは、フィサンとウ゛ォーヌ・ロマネ両方の畑からワインを造れる幸運な醸造家だ。要するに、シリュグ家とベルト―家の関係は深い。ロベール・シリュグもベルト―・ジェルベも、プルミエクリュのプティ・モンを造っている。ロベール・シリュグは現在、ロベールの息子のジャン・ルイとカトリーヌ夫妻が、子どものアルノーに実権を譲りつつある。アルノーもアメリーも、全房発酵を導入したエレガントでセイバリーなワインを造っている。
共通する地盤を有する両家の次世代当主が、時代の変化を映すエレガントなワイン造りを志向しているのが興味深い。瓶詰めを控えた2018を試飲した。収穫は9月5日に始めた。チャーミングで、キレのある仕上がりだ。
WINE REPORT 山本昭彦氏評

1960年創業の非常に小規模なワイン生産者。化学薬品を使用しない害虫対策など人為的で化学的な介入を厳しく制限することで、地球環境に配慮した高品質ワインを生み出す為の真摯な取り組みが随所に見られます。(平均樹齢は35年~40年)働くスタッフにも女性が多く、ワインにも女性らしい繊細さが表れています。収穫は40人もの人員を動員し、全て手作業で行っています。(100%除梗)
近年、クラシックなスタイルからエレガンス感溢れるスタイルへと見事な変貌を遂げました。それが功を奏し、新たなファンの獲得につながっています。最近の試みとしては収穫した葡萄をなるべく潰さないよう醗酵槽に入れ、果汁を疲れさせないようポンプの使用を避け、バケツでの移動に切り替えたり、ピジャージュの回数を減らすなど、より昔ながらの手法に切り替えている事などが功を奏しています。人為的な介入を制限することで本来のポテンシャルを十分に発揮し、純粋でエレガント、ジューシーで果実味溢れるスタイルを見事に表現しています。
数年前からDRCが現在使用しているものと同じ選別機械を導入したことにより、ヴィンテージの出来に関わらず、雑味や青味のない甘く熟した果実だけを選別できるようになり、品質が飛躍的に向上しました。その味わいはワイン評価誌などで高く評価されており、今後、目の離せない造り手として注目を集めています。
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2022 Vosne-Romane
ヴォーヌ=ロマネ
【シリュグってこれほどに低温発酵だったでしょうか・・..エレガントで瑞々しく、細やかな表情にグッと来ます。ジェルベ家系でもベルトー家系でも無い..あの系統の雰囲気が出て来ました。】

いや~・・これを言って良いのかどうかと悩みましたが、抱え込んでいても仕方が無いので言ってしまいましょう。
「2022年もののロベール・シリュグは、改革を押し進めた結果、今までとはイメージが全然違うものになった!」
と感じています。
2018年ものを飲んだ時に、
「・・ずいぶん変わったなぁ・・」
と思ったものです。
それまでは、確かにトップキュヴェ2品はとても良かったですが、それ以外は・・どちらかと言えば、
「他と比べて比較的安いから・・」
と言う意味合いが強かったんですね。
年によって出来が良かったとかイマイチだとかは有っても、
「どちらかと言うとドライ(乾いた)液体の味わい」
で有り、濡れたテクスチュアとか・・そういうのとは全く逆のニュアンスを受けていました。言ってしまえば「高温発酵系」です。D.R.C.も結構にそうでしたが、エキスの集中度とその完成度が全く別次元で違いますから・・。

全房発酵はそれなりのパーセンテージでやっています。40~50%でしょう。そしてアイテムによってはセミMCも行っています。
ですが、2022年ものにつきましては、それまでの高温発酵系だと思えた味わいじゃぁ・・無いと思うんですよね。
しっとりとしていて、濡れていて少しも乾いていないんです。そしてどんなワインにも僅かに残る残糖分の組成ですね・・これがめちゃ冷ややかなんです。高温発酵系だとしますと、その残糖分も温かみを帯びて来ますが、
「ピュアな葡萄の美味しさ・・冷蔵庫に入れておいた葡萄を口にしたときの果糖のようなニュアンス!」
を強く感じるんです。
勘違いしないでいただきたいんですが、「甘い」と言っている訳では無いんですね。僅かに発酵しきれずに残っている部分の、その果糖分が「生」のように感じられる訳です。決して30度を大きく超えるような発酵には持ち込んでいない・・と。
シリュグ家はジェルベ家やベルトー家とも親類ですが、実は・・あのアンリ・ジャイエ御大の甥っ子だか姪っ子だか忘れましたが、シリュグ家に来ているんですね。なので当然、ルジェ家とも親類な訳です。
で、ジャイエ家、ルジェ家と言えば・・低温浸漬からの低温発酵・・まぁ、ジャイエ的な低温浸漬のニュアンスはほぼ無いんですが・・新樽もグラン=ゼシェゾー以外は100%では有りませんし・・でも、色彩からも、味わいからも明らかに以前よりも低温発酵に向かっているニュアンスを感じる訳です。

2枚目の写真は、左側がヴォーヌ=ロマネ村名、右側がA.C.ブルの2022年ものです。
こんな感じにちょっと暗めで見えます。濃さはヴォーヌ=ロマネが濃いのは当然ですが、「葡萄のピュアな色彩」が見て取れると思うんですね。これも低温で発酵させた時の特徴に思える訳です。
香りも低域から、ノーズにしっとりと冷ややかに大きなパレットを優しく描きます。ほんのりとスパイシーでチェリーやベリーが香り、ヴォーヌ=ロマネらしい高質な動物的ニュアンス、皮革のニュアンスも浮かんできます。
中域もしっとりとしていて、適度に膨らんでいるんですが・・グラデュエーションが凄くて、その輪郭はハッキリとしている訳でもなく、ふんわりとしています。余韻も冷ややかでしっとり長く・・実に良い感じです。
「これをして、今までと同じとは・・とても言えない!」
と言うのがnoisyの感覚です。大きく異なっている・・しかも良い方へ!
いや、低温発酵だから良いんだと言いたい訳ではありません。発酵温度だけでは無く、様々なアプローチが良い結果として味わいに現れて来ていると・・言いたいんですね。
ジャスパー・モリスさんはこの3年ほど、ロベール・シリュグに評点を出しています。この村名には、
「上値を1点積み上げて93ポイント!」
としています。
ジャスパーさんの場合は「2028年~2034年から飲み始めて良い」だと思いますので、あと4年ほど我慢せよと言うことなのでしょうが、いや・・noisyはそうは思いません。
「美味しければ今からでも良い訳ですから・・今から飲んで良し!」
だと思います。
まぁ・・もっと置けばまとまって来るのは間違いは無いでしょうが、2028年まで待つ必要はないかと。もし待つのであれば noisy的には2026年中まででしょうか。今、少し休めて飲んでいただきますと、
「醸造由来の情報が沢山詰まっている若い状態!」
ですし、
「今飲んでも今の美味しさは充分・・ちゃ充分!」
だと思います。リーズナブルだと思います。ジャスパーさんの村名での上値93ポイントは、決して低く無いと思います。ご検討くださいませ。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【どうです?・・この見事に薄目のエレガントそうな色彩!・・正にヴォーヌ=ロマネど真ん中のエレガンス..素晴らしい質感を感じさせてくれます!】
色彩は2015年もの位・・でしょうか、もしくは2017年もの?・・そして、2018、2019、2020年と年を追う毎に濃くなり、
「2021年ものでど~んと・・薄くなった!」
のが良く判ると思います。
ジャスパー・モリス氏は余り高い評価では無い・・いや、本人として決してそんな意識では無いと思いますが、こうも言っていました。
「オー・レアは軽くて可愛らしくてスタイリッシュ、シャランダンは活力と密度、そして深みとタンニンが多い構造、レ・バローは最高の強度を持ちヒリヒリした余韻を持つ厳格なタッチが有る」
そうです・・何となく伝わって来ますよね。
noisy 的にはこのワイン、やはり2014~2015年もの頃のフランソワ・ラマルシュに似た味わいを強く感じました。似たような仕上げ方をしているのでしょうから・・ある意味、当然です。
そしてこのシリュグの改革は2016年頃から始まったということですから、
「まさにシリュグのワインの味わいが変化し始めた頃がそこ!」
と言うことが判ります。

非常にエレガントで、滅茶苦茶「質の良さ」が伝わって来ます。果梗を使って構造を太く大きくしよう・・などとは全く考えていないような・・エレガント主義です。葡萄の質の良さ、イコール、ワインで有ることが・・ダイレクトに伝わって来ます。
いや・・これ、相当旨いですよ。エレガント系のピノがお好きな方なら・・ハマってしまうでしょう。そして、下手に新樽のニュアンスを付けないピュアさも有って・・これは素晴らしいヴォーヌ=ロマネだと感じます。
そして・・このロベール・シリュグ..いや、実際に今やっているのは「アルノー」だと思いますが、
「ワインの出来は葡萄の出来。だから人為的関与は避け、また造り手の好みによる誘導さえ避け、そのヴィンテージにおけるワインを描くことに専念する!」
と言うタイプなのでしょう。
だからこそ、2020年は濃厚ながら質感の素晴らしさが伝わって来ますし、2021年激エレガントながら質感の良さを強く感じる訳ですね。
そしてちょっと驚いたのは、ジャスパー・モリスさんも・・こんな激エレガントなピノ・ノワールを評価するんだ・・と言うことです。今回のこの2021年ものの評価は・・ちゃんとしてるなぁ・・まぁ、微妙に採点は異なっても・・(^^;; と言う印象です。
エレガントだから美味しい・・んですね・・noisy はそう思います。今飲んでもこの質の良さはダイレクトに感じられるはずです。ジャスパーさんは2026年から・・と言っています。激少ないので・・是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【激ウマいです!・・2020年のシリュグの素晴らしさを堪能するのはこれ!】
旨いです!・・最高に旨い・・ついついグラスに手が伸びてしまいます。
一杯目は優しく、ピュアに立ち昇るアロマを楽しみながら、その整然と丸いパレットを美しく形作る見事な味わいに・・惚れ惚れとしつつ、おそらく・・あっという間に無くなってしまうと思います・・(^^;;
二杯目はしっかりポテンシャルを取ろうとして口内ですりつぶして口内中に回す訳ですが・・いや・・・「美味しい!」と言うのが先に来ちゃいますから・・飲みすぎちゃいますよ。
しっかりとした濃度が有るにも関わらず、全然「エグミ」も「シブミ」も「リキミ」も突出した部分が感じられず、ただただヴォーヌ=ロマネが持つ
「完璧なバランス!」
に酔いしれてしまう自分・・に気付く・・ような、そんな感じに陥ってしまいます。
「こりゃぁ・・シリュグもまた、2020年ものは金字塔だわな・・」
と思わざるを得ませんでした。

濃く見えるでしょう?・・
いや~・・飲んでいると、全く・・濃いなんて思いませんよ。
ついついグラスを重ねる「飲んべえ」に陥らされてしまう、大変危険な球体の飲み物です。
「いつ・・飲んで良いですか?」
と聞かれたら、
「!・・今でしょ!」
と・・(^^;
まだ落ち着いてもいないのでしょうが、この凄いバランスはぜひ確認していただきたいものです!・・金字塔万歳!超お勧めします。追加は無いです。すみません!
以下は以前のレヴューです。
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【圧巻の美、ヴィエイユ・ヴィーニュをエレガントにしただけ・・のイメージです!】
実は、V.V.と村名は同日のテイスティングです。村名からテイスティングを始め、柔らかな2019年ものの美味しさを堪能し、V.V.のテイスティングをしたところ・・余りの素晴らしさにビックリしました・・圧巻ですから・・本当に!
V.V.につきましてはコラムを見ていただくとして、
「・・これで村名ヴォーヌ=ロマネに戻ったらどうなるだろう?」
といたずらな心が生まれてしまったんですね。
そうやっても大丈夫なのは、超一流の造り手の証拠でも有ります。・・もっともV.V.と村名はどちらも村名ヴォーヌ=ロマネでは有るんですけどね。
で、やってみました・・そうしたら・・なんと、
「村名ヴォーヌ=ロマネの隙の無いエレガンスがクッキリと浮かんだ!」
んですね・・これにはさらにビックリしました。
時折、エージェントさんの資料には、ヴォーヌ=ロマネV.V.について、「グラン・クリュ並み」などと書かれていたんですが、
「・・おいおい・・マジすか・・」
とツッコミを入れてました。

確かに・・V.V.は、あのマルク・ロワのキュヴェ・アレキサンドリーヌのヴォーヌ=ロマネ版以上のショッキングな味わいです。と言いますか、ジャイエを彷彿させてくれます。
そんなに印象深いワインの後、この村名に戻って来てもまた、そのワインの素晴らしさを感じさせてくれる訳ですから・・本物だと確信した訳です。
勿論ですが、全てに隙の無いV.V.に対し、エレガンスに全く隙の無い村名・・と言うイメージですので、「 V.V. > 村名 」と言う構図は仕方が無いものです。
しかしながら、好みに拠っては、「V.V. < 村名 」 となる方もいらっしゃるんじゃないかと思うんですね。
それに加え、今飲んで、滅茶苦茶美味しいのは勿論V.V.です。村名は今も美味しいですが、2021年の11~12月位の方がさらに美味しいのは見えてしまいます。
まぁ、ご予算も有りますし、エレガント系が宜しい場合は村名、圧巻さを見てみたい方はV.V. とされてはいかがでしょうか。
いや~・・長かったですが、シリュグもここまで来た・・少し涙腺が緩んでしまいます。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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いや・・惚れ惚れする味わいでした。こんなに早くから美味しいとは・・ビックリです!
2017年ものの相当旨かったんですが2018年ものには叶わないですね。おそらくこのキュヴェも史上最高の仕上がりだと思いますよ。
色合いも是非比較してみてください。濃度が全然違いますから組成が全く異なる・・かと思いきや、決してそうでは無いんですね。2017年ものが持っている美しさ・・その延長上に、さらに柔らかさや上品さを加え、瑞々しさを思いっきり加えたのが2018年ものです。これほどに色合いが異なりますと、全く違うワインか、2013年ものとそれ以外を比較しているか?・・みたいな気になって来てしまいますよね?
しなやかで柔らかなタッチです。今までのシリュグのワインには無いニュアンスです。おそらく自然派的なアプローチも増え、醸造についても「選別」がキッチリできるようになったに違い在りません。なのでSo2も減らせる・・だから表情に曇りが無くなる・・ディテールが際立ってくるし、アロマはスムースに上がるようになる・・と言うことなのでしょう。
史上最高の出来で間違い無いでしょう。海外メディアもどの位の評価をするのか楽しみでは有りますが、そもそもシリュグさんのワインは、日本以外には余り輸出されていないようでして・・見当たらないんですね。
ですが、これほどまでに質が上がってくるとすると将来は判りませんよ。美味しいものは皆欲しい訳ですしね。今の内かもしれません。村名ヴォーヌ=ロマネとしても非常に安いと思います。超お勧めです!是非飲んでみて下さい。
なお、村名ヴォーヌ=ロマネV.V.ですが、引き取りが遅く成ったら・・減らされてしまいましたので飲めなくなってしまいました。申し訳ありません。ですが、V.V.では無いヴォーヌ=ロマネでこれだけの美味しさを見せていますので、間違いないと思います。こちらも是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶苦茶に純粋なピノ・ノワールです・・ちょっとビックリするはず!】

え~・・間違って2015年もののV.V.を開けてしまったので、急遽2017年のV.V.を飲みなおしたと言う暴挙でした。
で、この純粋さの系譜をしっかり確かめさせていただいたんですが・・すみません・・ちょっとトラブルが有りまして、内容を書いている時間が取れません。
後で書き足しますので・・。でも是非この「滅茶純粋な味わい」に触れてみていただきたい!・・と思っています。お勧めです!

純で艶っぽい・・ヴォーヌ=ロマネらしい温度感を持ったフィネス溢れるワインです。バランスも最高です!
ちょっとトラブルが有りまして・・コメントを書いている時間が無いので、後で書かせていただきます。滅茶美味しいので「超お勧め」です!
【ここから加筆しました!】
この、まだ夏の余韻が残る、ワイン消費には厳しい時期では有りますが、何故か非常に忙しいんですね。消費税増税関連も・・純然たる消費者の方々には想像もできない事象かもしれませんが、何かしらトラブルが有るものでして、謀殺されています。
そんな中、歴史あるワインのインポーターであるAMZ社の会長、松田豊さんが亡くなられました。知らせを聞いて「ドキッ」としたのは言うまでも有りません。余り体調が優れないようだとは聞いていたんですが、まさかこんなに早く逝かれるとは思いもよりませんでした。
先日、お別れに行ってまいりました。本当に小さくなられていて、涙がこぼれました。
AMZさんとのお付き合いは本当に古く、会社がまだ白金に有ったころからのお付き合いです。その頃はまだ noisy も若造でロクにワインを売る力も無く・・それでもお取引をお願いに電話をさせていただくと、後に「日・仏・英・伊4ヵ国ワイン用語集」を出版された三谷太さんが出られ、
「当社は高級ワインのみの扱いですが大丈夫でしょうか?」
と尋ねられたのを覚えています。そんな言葉に多少なりともビビりましたが、そんなことでちびっていたら先にも後ろにも動けないので、
「勿論です!」
と返答させていただき、お取引が始まったんですね。現フィネスさんの藤田さんがおられた富士発酵さんが会社をたたんでしまい、お取引をお願いする約束をしていたけれど連絡先が判らず出来なくなり・・と言うようなタイミングの後でした。
そもそもAMZさんの松田さんは、もともと・・大元のラック社にいらっしゃったはずで、ラック社も船会社の子会社だったと思います。その後はだいぶ変遷していますが、ブルゴーニュワインの販売に自信を持たれたんでしょう、独立されて会社を興され、今に至る訳です。
ある意味、日本のワインをここまで隆興させた第一世代の生き残りのお一人でいらっしゃいました。ここに至る道は平穏では無かったはずで、
「どうやってフランス国内と同じ状態でワインを輸入し日本国内でワインファンを増やして行くか?」
と言う、とんでもなく大きな命題に取り組まれたお一人です。
noisy も、折に触れてはAMZさんのワインテースティングにも出かけ、勉強させていただきました。海外からのゲストを招いてのテイスティング・・それこそアドヴォケイト誌のブルゴーニュ担当さんと会ったのも、確かそのテイスティングだったと思います。凄く勉強になりました。少なくとも、
「あ~・・有名なテイスターでもそんなレベルか・・」
とも思いましたし・・いや、偉そうな物言いでお気に障ったら大変申し訳ないですが・・
「少なくとも外人さんと日本人(自分)の感性は大きく異なる!」
と初めて認識できたわけです。そのテイスティングの後は、知り合い同士で大騒ぎでした。今の言葉で言うと、
「マジか・・あいつ!」
・・汚くてすみません・・。
まあ、それまでは、世界的に、一般的に「良い」と言われるワインが良いんだ・・と言うような、教え込まれるような生徒の立場でしかいられなかったものを、そこから一歩踏み出すことが出来た経験だったと思っています。
そんな、普通じゃ不可能な出会い、経験を多くさせてくださったんですね。本当に有難いと思っています。
そんなAMZ社が輸入し、ドル箱にもなったドメーヌがこのシリュグさんです。その昔は本当に知られていない造り手でした。90年台はフラッグシップの「グラン=ゼシェゾー」が全然売れず、
「noisy さん・・これ、買ってくれませんかね~・・」
と当時の担当のSさんにシリュグのグラン=ゼシェゾーをお願いされ、
「・・知らない生産者だし・・じゃ、ケースで買うからテイスティング出来る位、少し値引きしてよ・・」
みたいな話しをした覚えが有ります。
で、開けてみたらもう・・物凄く素晴らしいワインで、もう完全に舞い上がってしまいました。
A.C.ブルも良かったんですが、今とはだいぶ違って「硬い」タチで、10カ月ほど置くとしなやかになってくるので、リリース直後には仕入れずに、年が明けてからロット仕立てで仕入れてました。千円代でしたから・・そりゃぁそこそこ販売できましたよ。でも、何の因果かリアルワインガイドで大きく取り上げられるようになってからは、却ってやり辛くなってしまいました。
それでも今まで余り変わらなかったシリュグでは有りますが、2017年ものを飲むと、この何年かの変化が良く判ります。
そもそも、村名ヴォーヌ=ロマネにしても、また、ヴォーヌ=ロマネV.V.にしましても、今までよりも、
「色合いが相当に淡い!」
ですよね?
そして、実は間違えて2015年の村名V.V.も開けてしまったので、その変化が2015年頃からはじまっていたことにも気付きました。
「2015年と2017年の村名V.V.は、ものの見事に純な味わいと香りが同じ!」
なんですね。
余韻における「美しい水のニュアンスが長くたなびく」のが・・同じなんですよ。
で、これはどういうことかと言うと、
「So2の使用量が年を追う毎に減ってきている」
と言うことですね。
2015年時、出来の良い年でしたが、2017年ものに比較すると少し多めなんですね。2017年ものは非常に少なく、かつよりエレガントです。美しい水・・超美味しい水の余韻が全く同じと言うことは、余り変わっていないと言うことでは無く、So2使用量を減らせるような、より自然なアプローチを目指している・・と言うことなんだと感じることが出来ました。
非常にヴォーヌ=ロマネらしく判りやすい村名ヴォーヌ=ロマネと、上級キュヴェ、例えばグラン=ゼシェゾーとか、軽やかで超エレガントなプティ=モンに通じるような、収穫量の少なさ、選別の厳しさから来る高質感が感じられる村名ヴォーヌ=ロマネV.V.でした。熟したら非常に面白い存在になるんじゃないかと期待しています。
少し暗い内容の文章になってしまいましたが、先人たちの偉業、そして関わり合いも少しだけ知っていただければと思っています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【リアルワインガイドの次号がこの15日に発売!!・・そこには評価も載るはずですが・・!】 なんとも悩ましい数量ですのでどうにもなりません。申し訳ない・・飲まずにご案内します・・。もっとも今月中旬、もうすぐ発売のリアルには、2014年ものを凌駕する評価で上がるものと確信しています。
シャンボールのレ・モンビエは、村中央部の下部、東側にある村名リューディです。こちらは到着直後、少し休ませて飲むか、2~3年置くと美味しいです。昔は安かったので随分と販売したものです・・・3000円しなかったから・・(^^;;因みに2014年ものをリアルワインガイド第55号は88+? 89+? 2018~2038 の評価です。
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・プティ・モンはリッシュブールの真上にある一級畑です。極端なことを言えばリッシュブールからリッチさを除去してエレガントさのみに振ったような冷涼さの有る風味で、エレガンスのみをみるとリッシュブール以上かもしれませんが、やはり総合バランスでは大きく下回ってしまいます。・・まぁ、これは仕方が無いんです。そのようになってしまうようになってるんですから・・。それでも軽やかでエレガントな風味はピカイチです。リアルワインガイド第55号では2014年ものを91+ 93+ 2022~2045 と非常に高い評価です。飲んでないのでこれ以上はコメントしません。
グラン=ゼシェゾーは・・すみません・・極少なのでアソートです。飲んだらビックリすると思います。DRC風では無いです。どこまでも薄赤く膨らむ雅な風船・・のような・・ワインです・・。判り辛いですよね~。でも素晴らしいグラン・クリュです。現在は購入できたらラッキーなレアなワインになっています。2014年ものはリアルワインガイド第55号で94~96 暫定点としていました。是非ご検討くださいませ。
サンティニ・コレクティヴ
サンティニ・コレクティヴ
フランス Santini Collective ブルゴーニュ
● 高級ワインのトレンドから見れば全く異なるブランドでしょう。しかしながら、
「ナチュラルで美味しいブルゴーニュを気軽に飲みたい!」
とか、
「ブルゴーニュワインは飲みたいけれど、高過ぎるのは嫌!」
とか、
「ブルゴーニュは飲みたいけど、農薬や酸化防止剤タップリなのは嫌・・でも美味しくないのはもっと嫌!」
と思われる方は必ずやいらっしゃいますよね。noisy も自分で普段飲むワインを選べと言われたら、「パスグラ」や「コトー・ブルギニヨン」を選ぶかもしれません。・・いや、最近のパスグラ、相当に美味しいんですよ。疲れないし、何よりリーズナブルだし・・最も noisy は、自分が飲むワインの選択の自由はほとんど有りません。自分が売りたいワインの選択権は有りますが、それと「イコール」・・なんですね。
サンティニ・コレクティヴは、そんな皆さんのお悩みに「バッチリ応えてくれる」、
「気軽に飲めるし疲れないし健康にも良いし懐にも優しい!」
そんなワインでした。

サンティニ・コレクティヴは、Christopher Santini クリストファー・サンティニが2013 年にブルゴーニュに興したミクロネゴスです。サンティニは、コルシカ出⾝の⽗とアメリカ⼈の⺟との間に1978 年シカゴで⽣まれました。ペンシルヴァニア州で幼少期を過ごしていましたが、毎年コルシカとプロヴァンスの親戚の下で夏のヴァカンスを過ごし、フランスとアメリカの二重国籍で成⼈しました。クリスは放牧や野菜栽培、タバコ栽培の仕事を経験した後、21歳の時にプロヴァンスの叔⽗の下に1年間滞在しました。この時に、まだブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのカップルが所有する前のシャトー・ミラヴァルでブドウ栽培とワイン醸造の仕事を経験しました。そこで、ワイン造りへの情熱が⽣まれたそうです。
その後、アメリカの大学に戻って学業を修めたサンティニは、2003年に再びフランスに戻り、ボーヌでブドウ栽培とワイン醸造を学びます。当初は1〜2年滞在するだけのつもりでしたが、醸造学校で今の妻と知り合ったこともあり、学業と並⾏してドゥニ・バシュレやフェヴレーなどのブルゴーニュのドメーヌで働き続けていました。そして、2006 年伝説のワイン商『カーミット・リンチ』と出会ったのです。
ブルゴーニュのドメーヌに精通し、英語もフランス語も流暢に話すクリスを貴重な⼈材と思ったカーミット・リンチは、クリスをカーミット・リンチのボーヌ・オフィスの従業員に採用したのです。その後、クリスはボーヌ・オフィスのマネージャーとなり、カーミット・リンチと共に、コシュ・デュリやアルノー・アント、ヴィレーヌ、メオ、コラン、ラヴノー、ラピエールなどフランス中の超⼀流ドメーヌを訪問して数多くのワインを試飲し、現在もカーミット・リンチで働き続けています。
しかし、カーミット・リンチで働きながらも、クリスは自分自⾝でワイン造りがしたいとの想いがどんどん膨らんでいったのです。こうして、2013年にミクロネゴス『サンティニ・コレクティヴ』を設⽴したのです。

初ヴィンテージは2014年で、友⼈であるクリストフ・パカレの醸造所を間借りして僅か200本のワインを造りました。2015年ではシャントレーヴのギョームと栗⼭朋⼦さんのセラーで醸造をしました。2016年からはオークセイ・デュレスに本拠を移して自前の醸造所で本格始動しました。現在は年間約1万2千本のワインを造っています。近年のブルゴーニュの新進気鋭のミクロネゴスは、コート・ドールのグラン・クリュやプルミエ・クリュなどの高額なキュヴェを手掛けるのが主流となっていますが、サンティニ・コレクティヴはそれとは対極のユニークなミクロネゴスです。なぜなら、ヴィラージュやプルミエ・クリュ、グラン・クリュのワインではなく、オート・コートやボージョレ、コトー・ブルギニヨン、コート・シャロネーズ、マコンなどのリージョナル・クラスのワインにのみ焦点を当てているからです。
もちろん、質の高いテロワールを求めていますが、2010年代に⼊り急激に高騰してしまったコート・ドールの著名な区画のブドウに高額な現⾦を⽀払う凄まじい価格競争はしたくないというのが理由の⼀つです。そして何よりも、クリス自⾝が、カーミット・リンチで働いてフランスのあらゆる高級ワインを味わった結果、最終的に、友⼈など気の置けない⼈達と気軽に楽しめる、喉の渇きを潤してくれる手頃で飲みやすい自然なワイン、いわゆる「ヴァン・ド・ソワフ」を造りたいとの想いに辿り着いたからです。
このようなことから、サンティニ・コレクティヴでは、リジョナル・レベルで興味深い個性的なテロワールの畑で、環境に配慮してビオロジックでブドウを栽培している造り手からブドウを購⼊し、その個性的なテロワールがワインに100%表現されるように、全房のブドウを野⽣酵⺟で自然に発酵させたヴァン・ド・ソワフのナチュラルワインを造っています。

クリストファー・サンティニは、畑も所有しておらず、普段はカーミット・リンチでの仕事があるため栽培にも関与していませんが、毎年、ブドウを購⼊する造り手の区画の収穫には必ず参加して、その場でブドウを選果して購⼊しています。保冷⾞でオークセイ・デュレスの醸造に運び込まれたブドウは、温度管理せずに、野⽣酵⺟のみで自発的に発酵させ、SO2 やその他の醸造添加物は⼀切加えずに醸造されます。そして、無清澄、ノンフィルターで瓶詰めされます。
赤ワインは全房発酵、アンフュージョンもしくは足によるピジャージュでのソフトなマセレーションと短い抽出で、タンニンの少ない、ボディよりも芳醇なアロマが備わっているワインを造っています。SO2 は瓶詰め後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰め時に限り必要最小限ののみ添加されます。サンティニのワインはプレゼンテーションも非常に個性的で、オールディーズ調のボトルに同じくオールディーズスタイルのエチケットとなっています。これは1940〜50 年代、クリスの祖⽗の時代にフランスで楽しまれていたワインのパッケージを復刻したものだそうです。
当時は、まだ農薬や現代的醸造設備がない時代で、ワインも自然な造りのいわゆるヴァン・ド・ソワフであったことから、その時代へのオマージュとしてこのようなデザインにしたそうです。日本では言えば昭和、アメリカで言えば古き良きアメリカと呼ばれるベトナム戦争前の60 年代のような、どこかノスタルジーやレトロっぽさを感じさせる魅⼒的なデザインとなっています。
ちなみにワインのリッター瓶は⽣産者が少なくなってきており年々⼊手が難しくなっているそうです。サンティニ・コレクティヴのワインは、イギリス、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、カナダ、またカーミット・リンチ自⾝の目にも留まりアメリカの主要な州にも輸出されています。
●
2023 Champlitte V.d.F.
シャンプリット V.d.F.
【鮮やかなピンクの色彩が美しい、昨今、流行の黒葡萄と白葡萄を混ぜて醸造したワイン!・・一応、赤ワインとしておきますが、エレガントで縦にとんでもなく伸びやかで旨いです!】

以前ご紹介させていただいた時は1000MLのボトルでしたので、
「・・ん~・・ちょっと・・売り辛い・・」
と思っていたんですが、750MLになって・・しかも、
「ピノ・ノワールとシャルドネが半々」
になっての到着です。
目にも鮮やかなショッキングピンク?・・まぁ、隣のグラスがグラン・ドルディネールですから、色彩の違いはかなりものです。グラン・ドルディネールはほとんど、
「普通のエレガント系ブルゴーニュ・ピノ・ノワールと同レベル」
の見た目ですが、こちらは完全に、
「淡い!・・でも、全体がやや白っぽく見える」
とは思われないでしょうか?

伸びやかな酸は縦延び系で、やや硬質の白っぽいミネラリティが豊富に感じられます。
さくらんぼ・・チェリーと言うよりも「さくらんぼ」の印象です。完熟する直前のさくらんぼのイメージで、快活な酸味と熟し始めの滑らかさが同居しています。
その上で前述の「縦延び系」の酸味が有り、非常に伸びやかなんですね。
この、黒白ブレンドは昨今の流行のようです。随分と見るようになってきました。ですが、単純なブレンドでは無くて・・
「フロッタイゾン」
と言う手法なんですね。
このワインの場合、ピノ・ノワールを全房のままタンクに入れ、シャルドネを絞ってタンクに満たす・・と言うことになります。まぁ・・
「1週間の収穫日の違い」
をどうしたのか?・・と疑問も無くは無い訳ですが、おそらく・・低温で漬け込んで・・この美しい色彩を引き出したのかなと想像しています。
このフランシュ=コンテの地域はブルゴーニュのほぼ北東隣で、シャンパーニュとジュラに挟まれた感じの地域です。緯度的にはシャブリより少しだけ南です。なので、シャブリ的な冷涼さを持った美しい酸味を持っていて、それが縦延びで感じられると思ってください。サクランボ系の果実か旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【なんと・・ピノ・ノワール75%にシャルドネ25%をセパージュした、これも今までに無かった滅茶伸びやかな味わいです!】
フランシュ=コンテ産の葡萄のようですね。ここはスイス国境近くでピノ・ノワールも栽培されているブルゴーニュに非常に良く似た味わいになる地区ですが・・面白いことを考えますね~・・ブルゴーニュの生産者なら、ブルゴーニュならピノはピノオンリー、わざわざシャルドネをセパージュすることは、
「毛頭ない!・・考えもしない!」
でしょう。
しかも・・おそらくですが、A.O.C.で使用できるクラスのも葡萄を使用していると想像されますので、
「決して安い造りでは無い!」
のでしょう。
色合いは・・まさに、やや淡いです。・・いや、アメリー・ベルトーの2013年のブルゴーニュ・ルージュよりは濃いかもしれません。
飲んでみますと・・これもちょっと今まで経験の無いレベルの味わいです。
シャルドネが持っている「酸」の伸びやかな美味しさと、シャルドネが大地から得る透明系のミネラリティが、1000MLの方のピノ・・・・シャロネーズに加わったかのようなニュアンスなんですね。
なので、シャロネーズや750MLのブルゴーニュよりも酸度もミネラリティも豊富に感じますし、ピノ・ノワールの持っている中低域の充実度に加え、シャルドネが持っている中域の充実度が合わさったような、かなり球体に近い酸のバランスになっています。
まるでバルーンのように膨らんで行く感じで、果実もそれに伴い、はち切れんばかりに膨らんでくる感じがします。
ま~・・ブルゴーニュの生産者だったとしたら、絶対にやらないですよね。シャルドネが貴重なニュイの生産者は尚更ですし、ボーヌだって赤と白は混ぜないでしょう。サンティニさんならではの、
「美味しいブルゴーニュワインの姿!」
を導き出したと言うことなんでしょう。
その答えは・・結構に良い感じですよ。和食にも合わせやすいです。マロの滑らかさはやや抑え気味で、ピュアな果実を感じさせてくれます。その分、他のキュヴェにある「シミジミ感」は薄れるかもしれません。是非飲んでみて下さい!お勧めします。
ヴィニュロン・ブリュノ・デュシェン
ヴィニュロン・ブリュノ・デュシェン
フランス Vigneron Bruno Duchene ラングドック・ルーション
● いや~・・旨いです!・・ブルゴーニュのグラン・クリュも良いですが、こんなに自然でフレッシュ、フルーティなワインも大好きです!・・もう・・同列に語りたいほどに身体に順応するワインです。ぜひ飲んでみてください・・流石!・・ブリュノです。
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昨年の2022年ものに引き続き、2023年もティテを仕込んでご注文をいただいたので・・と順子さんから連絡が在り・・あれ?・・とその記憶は見当たらないぞとは思ったのですが、いただけると言うのなら何も問題は無いと、しっかりいただくことにしました。
まぁ・・あれからもう1年が経ったんだと・・余りに早い時間の流れに驚きつつ、届いた2023年もののブリュノのティテを飲んでみると・・
「ん~!・・これよこれ!」
と・・(^^;;
2022年ものも美味しかったですが、
「2023年ものはブリュノが出て来た頃の、あのしっとりと浸透してくるような素晴らしい飲み心地が感じられる!」
素晴らしい味わいになっていました。
詳細はコラムをお読みいただきますが、
「ブリュノ・デュシェンのファンならずとも、この飲み心地の良さには誰もが称賛するはず!」
と感じました。
あの・・Noisy wine でもお馴染みの、ヴァーゼンハウスのあの質感に、クリスタルなオブラートでコーティングしたかのような・・何とも素晴らしい味わいです。是非飲んでみてください。お勧めします!
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なんと・・ブリュノ・デュシェンの2022年ヌーヴォーです。2022年もののグルナッシュの収穫が多かったので、急遽ヌーヴォーを仕込んだそうです。しかも、通常の仕入れ先では無く、新井順子さんが「オドゥール」と言う昔使用していたインポーター名で直接手配してくれました。
そりゃ、デュシェンの新酒なら欲しいよと・・沢山オーダーしたら、そんなにはダメ・・と言われてしまいましたが、この2022年の12月、ようやく到着です。
因みに「淡いロゼ色」に見えると思いますが、製造方法はまるっきり「赤ワイン」です。どうぞよろしくお願いいたします。
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2019年のデュシェンが到着です。いや~・・ラ・ルナ・ルージュ、滅茶美味しいです!・・しかもナチュール度には拍車が掛った感じがします。
また、アチコチからの情報も加味しますと、どうやらデュシェンの「So2無添加ワイン」は、さらなるデュシェン本人的自由度を増していると考えられ、感覚の鋭い方なら、
「・・あれ?・・デュシェンのワイン、ずいぶんと飲みやすくなったんじゃない?」
みたいに、すぐに気付かれるんじゃないかと思うんですね。
ただし、以前のように、ラ・パスコールやコラル・ヌーが2ケースずつとかの割り当てはもう望めませんので、買い葡萄も使用する「ラ・ルナ」が中心になって来そうです。
「本来自由度が凄かったデュシェンが、さらに自由度が増した・・ってこと?」
・・・そういうことになりますね。飲んでみたら判りますよ・・。この、身体に浸透してくる角度とか、負担だとかはほとんど無いんじゃないかと思えるほどの「優しさ」に満ちた味わいでした。
また、ラ・ルナには白もロゼも有ります・・こちらが少ないので飲めていませんが、ラ・ルナ・ルージュを飲んだ印象を本当に判りやすく言うので有れば、
「コラル・ヌー的な濃い目の味わいからラ・パスコール的なエレガントな味わいへ!」
の方が判りやすいかもしれません。是非飲んでみて下さい!・・さらなる進化を遂げた2019年ブリュノ・デュシェンです!
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こんなに自由に、全ての束縛から逃れて、ただ自然の大いなる懐に抱かれながら、土地の恵みの葡萄をワインに転換することが、こんなにも大きく心を揺さぶるなんて、本当に素晴らしいと思っています。そして、そんなワインを皆さんにご紹介できることがただただ嬉しいです。
ブリュノ・デュシュンの、心に染み入ってくる味わいをご存じ無い方にとっては、フランスの西南、有る意味、ワインの本流から外れた地域の名も無いワインなど、全く興味を持たないに違い有りません。ましてグルナッシュなどと聞いても、
「あぁ・・、シャトーヌッフの構成品種の一つだよね・・」
位の感想で、
「ルーミエのミュジニーは何とか手に入らないだろうか・・」
という寝ても覚めても頭から離れない深い願望に遮られて、いつまでも呪縛された自身の世界観から逃れることなど、他人のことのように思われてしまうのかもしれません。
でも、一途に何かを追い求めることは決して悪いことではなく、スペイン国境の南仏の辺境の地で、ダイナマイトで植樹をし、両デュガ、ジャン=フランソワ・コシュも仰天するに違いない低収量で、比類ないテロワールから比類ないワインを生み出すブリュノ・デュシュンも、きっとそうした性格の方なんだろうと思います。
彼の生み出すワインは、ブルー色彩が基本の、鮮烈なエチケットに描かれた、そのまんまの香りと味わいをみせます。強い日差し、青い海、(見えないけど風・・・)、丘、段々畑、そして淡い海の色の空(見えないけど空気・・・)。そしてブリュノ・デュシュン・ヴィニュロンと書かれたカプスュルが、全てを物語っているようです。ドメーヌでは無く、ヴィニュロン、葡萄栽培者で有ると言う事なんでしょう。
もしかしたら、ブリュノのワインは高いんじゃないか?と思う方もおられるかもしれません。どのように感じていただいても、それは全く構わない訳ですが、noisy的には、とても安いと感じています。わざわざお奨めしなくても、きっとすぐ売切れてしまうとは思うのですが、何ゆえにワインが好きなのか、とかの本質の部分で知っていただきたくてゴタクを散々並べています。グラス一杯の中から感じ取れるものがとても多い、本当に素晴らしい表現のワインです。希少すぎて、勿体無くて、とても飲んでからのご案内には成りませんで申し訳ないのですが、本当にお奨めです。
【きっと飲めないんだろうな・・・(T.T! 】
個人的には本当に素晴らしいワインだと・・・思っています。誰が言い始めたのか知りませんが(本当は知ってる・・)、南仏のロマネ=コンティなどと言われているようです。言いたい気持ちは判りますが、ロマネ=コンティとは飲んだイメージもテロワールも全く違うし一致しそうな部分も感じないので、そんな呼び方は当てはまらないかと・・思います。ブリュノ・デュシェンはロマネ=コンティを造りたい気持ちはあるのかもしれませんが、ロマネ=コンティ、もしくはその複製物を造ろうと思ってこれらのワインを造っているわけじゃ無いでしょう。
このような、モロにエチケットどおりの太陽と山と海と丘(岩盤だらけのね・・)を感じさせるワインは、もしかしたら飲む人を選ぶのかもしれませんよ。ブルゴーニュと同じものを期待してもそれは無理!ブルゴーニュのワインはブルゴーニュでしか納得できないものです。何かと比較の対象にするべきワインじゃ有りません。
しかし、本当に岩の味がする(土じゃなくて・・・)、太陽のメチャ強い光を感じる、海から吹きつける風が吹いているワインなど、いや、それがまざまざと感じられるワインなど有ったでしょうか。しかも、ワインとしてかなり高レベルな出来をしていると感じています。
まあ、着たばっかりで、しかも今回は、前よりも多く戴けたので、飲んだ数は少ないとは言えnoisyは前のヴィンテージを飲んでいるわけですので、皆さんにも是非飲んでいただいて、塩と石灰(そんな小さなものじゃあ無いが)と太陽光とほんの少しの乾いた土の産物を評価していただければ・・と思います。え~、絶対お薦めなんてしませんよ。残ったら全部 noisy のもの・・です!
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2024 Titet Vin de France Rouge
ティテ・ヴァン・ド・フランス・ルージュ
【圧巻です!・・何と言う自然なアロマ、何と言う脱力の飲み心地!!フレッシュなのに「こなれている」感覚・・So2無添加が生む不可思議を是非お楽しみください!】

いや~・・ホント、参っちゃいますね~~・・いや、2024年中に到着するはずが来ないで年明け早々にいきなり到着したことを言っている訳ではありません。
遅れて正月早々にこのティテ2024が到着したんですが、2024年の年末に届かなかったのはこのティテだけではありません。本来ならば、
「エグリ・ウーリエ、ミュヌレ=ジブール、バシュレ・モノ等々」
が届いていたはずなんですね。
さらにはこのところ毎年、ユベール・ラミーを年越しから年初にかけて様々なアイテムをテイスティングするのが恒例行事だった訳です。これらが全てすっ飛んでしまい、この分の売上もどこかに行ってしまいました・・白髪も増えざるを得ないんです。
で、テイスティングするアイテムも当然ながら何も無いですから・・いや・・探せばタンマリと出ては来るんですけど・・届いたばかりのティテ2024年を持ち帰った訳です。
そんな状況ですからまともに休ませてもいませんで、
「・・まぁ・・荒れているだろうから、その分は差し引いて飲まないとなぁ・・」
と、僅かにその分の下駄を履かせる量を推測しながらのテイスティングでした。
そしてコルクを抜いて・・そっとボトルを持ち上げグラスに優しく注ぎます。
「・・ほらね・・少し濁ってるよね・・やっぱりね・・」
とばかりに心の中で呟いたのと同時に、余りにピュアでフレッシュなベリーのアロマと、2024年10月に仕上がったとは・・とてもじゃないが思えないような高質で繊細なアロマが・・ふんわりとダイニングに漂い、穏やかなムードをかもしだしはじめたんですね。

これには noisy も相当驚きました。
「・・おい・・この僅かに透明感を汚した生のままのベリーやチェリーの果実を感じさせるアロマが、ここまで心地良いか!?」
で、グラスを斜めに口に持って行きますと、さらにそのフレッシュなアロマが滑らかさを持っていることに気付きました。
口に含むと・・滑り込むように「すい~っ」と舌を通り過ぎ、少しだけスピードを落とし滞在・・喉を目指して流れ込んで行きます。テクスチュアの良さを感じさせつつフレッシュなノーズを戻しながら透明に輝くクリスタルのようなミネラリティと、赤さを感じさせる軽やかなミネラリティを認識しながら、フレッシュで美しい余韻が持続します。
「・・ありゃぁ・・いつにも増して・・素晴らしい出来!」
と思わざるを得ませんでした。
何も「通せんぼ」しないスムーズな液体で有りながら、そのスピードの中に果実とミネラリティと質感をフレッシュに感じさせます。素晴らしいと思いました。
これほどまでの飲み口の良さと、飲み心地の良さをこの発酵が終わって3カ月ほどのワインが見せると言うことは、
「どれほどプレスを優しくしたのか?」
「どれほど高質な葡萄だったのか?」
の疑問を抱かされた訳です。
軽く圧を掛けただけでしょう。もちろん、MCでしょうからそのニュアンスも軽く感じられますが、MC嫌いの方ならともかく、ほとんどの方はそれに気付かないでしょうし、あと半年もしますとMCのニュアンスは完全に分解され検出できなくなるでしょう。
それよりも、マロラクティックはしていませんから、完全So2無添加とともに・・
「この高質感をどうやって出したのか?」
と言う疑問は完全に残ります。
まぁ・・きっと、
「・・いや、普通にやっただけ」
とブリュノは言うでしょうが。
どこまでも真っすぐでどこまでも美しく、どこまでも自由な・・半端無いワインだと思います。めっちゃ美味しい!・・順子さん風に言うと・・
「スーパー美味しいです!」
是非飲んでみてください。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これは激旨!チェリーやベリーが細やかなディテールを持って感じられる、しかも非常にピュア!数年置いても良いでしょうが、今飲んでも滅茶素晴らしい飲み心地です!!】

いや~・・美味しい!・・ドすっぴんの超ドライなグルナッシュですが、やはり単一品種だけあって・・どこかブルゴーニュ的な気持ちにもさせてくれます。
2022年も良い年だったはずですが、2023年ものは・・いや~・・
「身体にも、心にも染み入るピュアなエキス!」
の心地良さは、どこかヴァーゼンハウスのピノ・ノワールにも通じる感覚が有ります。
ヴァーゼンハウスのピノには有りませんが、その要素をどこか透明でドライな、「つるつる」「テカテカ」したミネラリティがコーティングしているような感覚で、
「じわっと美味しいヴァーゼンハウス」
に対し、
「じわっ、つるっと入って来て滅茶心地良いティテ!」
と言う感じです。

2021年ものは色彩も2020年ものより濃いですが、その質はほぼ同じ、エキス濃度が上がった分、
「2020年ものと比較して、これ美味しい!と感じるまでの時間が早い!」
です。
そしてこれはnoisy 的な感覚ですが、初めてブリュノ・デュシェンのワインに触れた時のあの何とも言えない・・そう、
「滅茶自由な感覚!」
が感じられたんですね。
とことんまで、なんのストレスも無く、ただ葡萄がワインになっただけだと感じるのに、それが物凄く心地良い・・
「こんなに自由に・・」
から始まるレヴューを書いたきっかけは、そんな感覚からだったと思い出させてくれました。
思い返せば・・リアルワインガイドにも紹介され、いつの間にか・・凄い売れ行きになって行ったブリュノのワインですが、年を追う毎に・・ワインのポテンシャルは上がったものの、
「もしかしたら彼自身は自由じゃなくなっていたんじゃないか?」
とも感じていました。
このワインはまさに、
「見事に自由な味わい!」
と言えると思います。
ポテンシャルだとかアペラシオンだとか・・そんなのはどうでもいいじゃん!・・みたいな、ワインの本質を感じさせてくれるのがこの2023年のティテだと思います。
勿論5年ほど寝かせて、そのピュアな美味しさが完熟したのを待つのも良いでしょう。でも、
「今飲んでも滅茶美味しい!」
ので・・飲みましょう!・・マリアージュは気にしないで大丈夫だと思います。超お勧めします!
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【ブリュノ・デュシェンらしい生きの良い伸びやかなエキス系!・・今はまだロゼっぽいニュアンスです・・新酒ですが、サクッと変化を見ながら数日掛けて飲むも良し、寝かせても良しです!】

綺麗な色彩ですね~・・赤ワインだとすると相当淡い感じがすると思います。グルナッシュの果皮の赤さが鮮烈で黒くないですね・・。
まぁ、突然いただいたお話しですので・・いや、順子さんの場合はそれが普通・・(^^;; 何ケースでも良いのでご注文を・・とおっしゃるので、じゃぁ5ケースと言うと・・それはちょっと多い・・3ケース位になると思う?・・ってな訳ですね。ほとんど掛け合い漫才ですがいつもそんな感じです。
因みにインポーター名の「オドゥール」は順子さんが昔使用していたインポーター名のひとつで、今もここは生かしてあるとのことでした。今までの「アベックジェイ」ものではありませんのでお間違いの無きよう。
比較樹齢の若いグルナッシュを「サクッと」醸造したような感じですね。MC(マセラシオン・カルボニック)系の醸造だと思いますが、MC 臭い感じはしません。ふんわりと膨張感を漂わせながら・・でも今は少し閉じ気味ですね。
色の淡い赤い果実・・ベリーやプラムに僅かなスパイス、柔らかでふんわりと昇ってくるアロマです。口内でも膨張をしている感じがしますが、意外や意外、ガス感は有りません。アルコール分11パーセントの優しくエレガントな味わいですが、ここからエキスの味わいやミネラルのニュアンスが飛び出してくると、
「今飲んで良し!」
と言いたくなるんですが・・ちょっと早いなぁ・・。

ついついグラスを振り回したくなるような現況ですね。色彩も、
「淡い赤~ピンクで美しいが、ベクトルがまだちょっと内側を向いている感じ。突き抜けて来ない感じ。」
に見えないでしょうか?
ですので、日数を掛けて一杯ずつ飲む・・とか、少し休養させて、透明瓶の色彩が抜けてくるのを見定めて・・お飲みいただくのが良いかな・・と思います。
澱は有りますが、べったりとしてとても細かいけれど比較的早く落ちる感じです。早めにお飲みになられるのであれば、立てたまま置いておく方が良いでしょう。
ブリュノ・デュシェン初の新酒です!・・3~5年位寝かすと本領を発揮してくれると思いますよ。ご検討くださいませ。
ドメーヌ・ジャン=マリー・ブーズロー
ジャン=マリー・ブーズロー
フランス Domaine Jaen-Marie Bouzereau ブルゴーニュ
● ジャン=マリ・ブーズローの2022年ものを中心にご案内いたします。
リーズナブルながらも充実した味わいを見せて来たジャン=マリ・ブーズローのワインですが・・昨今は半端無い仕上がりを見せているのはご存じの通りです。
そして2022年ものですが、新規に村名ヴォルネイ、ムルソー・レ・ナルヴォー、ムルソー1級グット・ドールが初登場しました。
ヴォルネイ(赤)は、A.C.ブルとヴォルネイ1級レ・シャンパンの間に入るアイテムですが、これが入荷したことで・・
「ジャン=マリ・ブーズローのピノ・ノワールと言うワインがミネラリティに長ける素晴らしいポテンシャルを持つ」
と言うことが判りました。
そしてムルソー1級レ・シャルムと1級レ・ポリュゾがトップ・キュヴェだったものが、同列にグット・ドールが加わり、またムルソーと1級群との間に準1級格トップのレ・ナルヴォーが加わったことで、
「ジャン=マリ・ブーズローのムルソーが、如何にテロワールを具現化し高いポテンシャルを擁しているか?」
も理解させられたんですね。
この2022年ものを中心とする新アイテムは、どれもトップ生産者としてのポテンシャルを発揮していると感じています。
そして2022年もの(一部2021年、2020年)は、上級キュヴェほど有り余るポテンシャルからすでに美味しく飲めます。もちろん、最高到達地点は先にはなります。下級キュヴェになるほど・・例えばA.C.ブルクラスですね・・すでに美味しく飲める熟成具合ですが、これからの短期間の熟成でさらに上昇する状況と判断しています。
リーズナブルなムルソー生産者・・と言うのは大きな間違いだったと・・反省しています。しかし、お客様にも是非飲んで確かめていただきたいと思っており、2022年ものを中心とする今回のジャン=マリ・ブーズローのご照会分は、頑張って価格を出させていただきました。ぜひご検討賜りたくお願い申し上げます。
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2021年ものを中心にご案内させていただきます。ドメーヌ・ジャン=マリー・ブーズローです。ムルソーでは王道のバレルファルメンテッドなシャルドネです。
思いの外・・良いのでビックリです。収穫量が減ったことが、ネガティヴになっていないんですね。ご当主はこんな風に言っています。
「2021年は春先から早熟傾向だったが、4月初めの霜の影響で区画によっては50~90%の被害が出てしまった場所もあり複雑なヴィンテージとなってしまった。その後も日照が無かったわけではないが雨が多く、収穫は9月中旬で近年では遅めだった。ただ、収穫できた葡萄は厳しく選別した影響もあってとても素晴らしい状態だったが、やはり収穫量は少なくなってしまっている。白はとてもクラシックなタイプでハツラツとした果実味とフレッシュさ、繊細でエレガント。数か月待てばさらに良くなるだろう。赤は比較的軽やかでフレッシュでフルーティ、旨味豊かで飲みやすいが複雑さはなく色調も淡い。比較的早く飲めるタイプになっている。」
村名ムルソーは滅茶面白かったです。ムルソーと言うワインの本質をまざまざと見せてくれました。
1級レ・シャルムはやはりエレガントでした。余り2020年と変わらないと感じました。驚いたのは1級レ・ポリュゾで、むしろ2020年よりも良いか?・・などとも思った位です。A.C.ブルもピュアでムルソーに近いニュアンスを持っていて美味しいです。是非ご検討くださいませ。
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2020年のジャン=マリ・ブーズローです。圧巻でした・・最もリーズナブルな部類の生産者で有りながら、最早、トップクラスと言って良いと思います。滅茶苦茶旨いです!・・海外メディアに気付かれていない分、このとてもお得なドメーヌをご賞味くださいませ。2020年もの、破格の美味しさです!
■ドメーヌによる2020年ものの解説
2020年はこれまでで最も早熟だったヴィンテージで、8月中に収穫が終わってしまうほどの記録的な早さだった。これほどの葡萄の早熟はワインにフレッシュさと繊細さが欠如するリスクがあったが、葡萄が熟しすぎる前に収穫したことで幸いにもワインのクオリティ、バランス共に素晴らしかった。赤は凝縮した果実味で口当たりは丸くたっぷりとした味わい。白はアルコール度数が赤と同じくらい高くなったが、酸味がしっかり残っているので素晴らしいバランスと飲み口の心地よさ、フレッシュかつリッチでまろやかな旨味がある。どちらも若いうちから楽しむこともできるが、ポテンシャルは非常に高いので熟成させることもできるだろう。
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著名な生産者が多いムルソーに有って、海外でも・・また日本においてもほぼ無名に近いのに、飲んだらビックリすること間違いない造り手になったとnoisyは思っています。
その味筋は、
「まさに本流のムルソー味!」
でして、その昔、ドミニク・ラフォンが造り上げた「バリック+ムルソー」の大きい構造の滑らかなムルソーのイメージを、むしろ本家よりも近代風なほんのりなナチュラル感を持って造り上げておりまして、誰もが、
「・・そうそう!・・このイメージ!」
と喜んでしまう・・まさに「王道ムルソー」を感じさせてくれるワインです。
2019年ものは、濃くもなく薄くもなく、甘く無く、辛く無く、非常に健康的で将来の伸長も楽しみだが、(赤を除いて)今から飲んでも充分に楽しめる見事な出来映えを見せてくれました。
年々ナチュラル感は増えているように思えますが、決して(ビオ的な)破綻に向かうことなく、安心して飲める・・それ以上に、ワインの持つポテンシャルからの見事なパフォーマンスに、心が躍ること間違いないと思います。
価格も、海外メディアが存在に気付いていない性もあるのでしょうが、近年人気のムルソーの生産者とするとリーズナブルだと言えます。量的には余り無いんですけどね。2019年もの、非常に良い出来です。是非飲んでみて下さい。
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来ましたよ~・・ジャン=マリ・ブーズローも、それまでの殻をビリビリに破いて、生まれ変わったかのような「びっちりと濡れた表情」を得た2018年をご紹介させていただきます。2017年ものは手を抜いた訳では有りませんが、テイスティングしないアイテムがあると売れない・・結果に終わったので、
「2018年ものは全アイテムのテイスティング!」
をフィネスさんのご協力のもと、行わせていただきました。その結果・・
「まさに甘美甘露!しっとりと濡れた極上の羊羹のようなムルソー!」
を2018年でジャン=マリ・ブーズローは手に入れてました!・・いや~・・美味しいです。極上のムルソーと言って良いでしょう。それも、
「今飲んでも滅茶美味しい!」
ので、リーズナブルなのと合わせて、是非早めに飲んでみていただけますでしょうか。
また、A.C.ブル・コート=ドールの白も流石に村名ムルソーには届かないものの、その「濡れた表情」と「極上の羊羹」的さは全く同様ですので、ご予算のご都合で是非ご選択いただきたいと思います。
言ってみれば、あの滅茶リーズナブルで大きなご支持をいただいていたボワイエ・マルトノを超える存在になったと・・言いたいと思います。・・まぁ、ボワイエ・マルトノは濡れた表情は有りませんので酒質の違いは大きいですが、
「この素晴らしさはマルトノ以上!」
とお考えくださいますと幸いです。
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このところはファンも多くなったジャン=マリ・ブーズローの新ヴィンテージが到着です。2016年ものは大部分がさっさと完売してしまいましてご迷惑をお掛けしましたが、2017年もの今回も、数は有りませんので・・はい。
今回も「全アイテムテイスティング」で、完全バージョンでお届けいたします。どれも「超お勧め」です。
そして唯一のピノ・ノワールのA.C.ブルゴーニュ・コート=ドール・ピノ・ノワールですが、前回(昨年)と同様の2017年ものです。実は、コラムは書き直してはいませんが、これもテイスティングしています。チャーミングながらピュアさと滑らかさが特徴の美味しいピノです。ムルソー的な中重量感とヴォルネイ的な煌びやかさの折中感が良いですよ。飲み頃的にはもう少し涼しくなって来てからの方がさらに良いかもしれません。
シャルドネは2017年もの、全て今から飲んで行けてしまう「柔らかさ」が有ります。「ビオでは無い自然派感」の滲む見事な立ち位置で、本来は「硬さ」「タイトさ」が前面に出やすいムルソー群を近しいものにしています。レ・ポリュゾ・・・なんで売れんかな・・と言うくらいに良いワインです。
レ・フォラティエール2017年、素晴らしいです!これが白眉なのはもう仕方が無い・・しかもプライスがこれですから、おそらく新作では最安値でしょう!オリヴィエ・ルフレーヴの2/3のプライスですし、ドメーヌ・ルフレーヴ1本で3本購入できるリーズナブルさも魅力です。しかも今から美味しく飲めるほどの仕上がりです。
良い出来の2017年です。フィネスさんでも人気は年々上がって来ていて、以前より数は微妙になってきました。是非ご検討くださいませ。
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2017年のACブル赤と、その他は2016年ものの白になりますが、今回初めて「ムルソー・レ・ポリュゾ1級」が入って来ました。これ、豊かで柔らかで丸くて・・実に旨いです。勿論1級レ・シャルムはレ・ポリュゾとは違って、エレガンスをたっぷり感じさせてくれつつ柔らかさも有って・・惚れてしまいました。
2017年の赤も、ま~・・実に2017年らしい・・んじゃないかな?・・と思ってしまうような健康美を見せてくれますし、2016年もののその他のシャルドネも、おおらかさの中に繊細さをも感じさせてくれる見事な完成度でした。無理な抽出をしない性格なんでしょう・・硬くなりやすいムルソーにおいてはこれ、とても大事です。20年寝かしてから飲むんだったら良いんですけどね。
と言う訳で、非常にバランス良く柔らかく、テロワールをしっかり感じさせてくれる美味しいムルソーでした。大人気の「ピュリニ=モンラッシェ1級レ・フォラティエール」は、数を減らしてしまうのを避ける意味と、すでにこれだけテイスティングしますとコスト割れしちゃってますんで、今のところ控えています。フィネスさんの場合、また後で少し出てくることが有るので、それを期待してます・・。是非ご検討くださいませ。
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いや~・・まだまだ知らない素晴らしい造り手がいたもんだと・・慢心していたんだなぁと思わされるような造り手と出会ったような気がします。その名も、
「ジャン=マリ・ブーズロー」
Google で調べてみると、あのコント・ラフォンのお隣さんじゃぁ有りませんか・・!・・まぁ、お隣とは言っても、あちらさんのお国ですから、区画が隣・・と言うことですね。日本のように軒先がくっついてるなんてことはありませんが、確実にその間には他の家は有りません。
ピノ・ノワールもエレガントですし、シャルドネも旨いです。上級は飲めてないんですが、ムルソーは素晴らしいです。それに、今までのムルソーのイメージを変えなければいかんかな?・・と思わせるような、見事なミネラリティの姿をしています。
ACブルゴーニュでも充分っちゃ充分ですが、ぜひともここはまず「ムルソー」を飲んで欲しいと思います。素晴らしいです!

2016年は4月末の霜で特にシャルドネで被害が出た。
一時的に葡萄の成長もストップしたりしたので成熟は株ごとにまちまちで畑作業がとても複雑で大変だった。収穫量は少なく全く収穫できなかった畑もあったが、収穫した葡萄の状態は厳しかった環境のわりには悪くなく、葡萄が少なかったので時間をかけずに素早く収穫できたのもプラスの要因の1つだ。適度な成熟具合でバランスも良く、柔らかい味わいでタンニンも優しく早くから飲めるが熟成できる能力も十分持っている。

ムルソー村を一望できる景色の良いムルソー ヴィラージュの畑(2016年9月)
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2021 Meursault Rouge
ムルソー・ルージュ


以下は以前のレヴューです。
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【4年の時空を超えて・・の再度のご案内です!2013年もの赤のムルソー・・・粘土由来の淡いが絶妙の旨味と石灰のハスキーな白さ由来の軽やかさの競演です!】

4年ちょっと前にご案内させていただいたのと同じアイテムです。フィネスさんに寝ていたものを分けていただきました。
実に良い熟成をしていました。是非4年前の写真と見比べてみてください・・同じワインだとは思えないほどでは無いでしょうか?
しかしながら良~~く凝視してみると・・淡い色合いの質そのものは同様にも見えますし、現在の写真(上)の全体の黄色さと、以前の写真の青さ・・・ホワイトバランスが悪いのは申し訳ないんですが、そこを差し引いても、
「さらっとして透明度の高い、若くよりフレッシュさの有る紫が、葛粉のような不透明さと温かみ、ふんわり感を持った現在のややレンガ色の姿の対比」
は、結構に面白いんじゃないかと思います。
飲んでみると・・なるほど~!・・な味わいなんですね。このところは2013年ものも時折飲ませていただいておりますが、やはり非常にエレガントです。要素がみっちりある・・とは言えない2013年ものですし、どちらかと言えば、
「スッキリ系、削って行った時に出来るバランス」
ですね。
時には、ややスッキリしすぎと言うか、ワビサビもちょっと過ぎるか?・・と感じるアイテムも無い訳では有りません。
しかしながらこのブーズローのムルソー赤は、ヴォルネイ的雅さなども全く無いんですが・・・
「何とも表現し辛いが、粘土由来の繊細ながらもややふっくらとした絶妙な旨味が戻って来る感じ」
が有り、他の2013年ものピノ・ノワールとは結構に異なる美味しさのバランスが有ると感じます。
そこに、奥の方から白い石灰が、そのやや粘っこい旨味を押し避けつつ、かき分けるようにノーズから抜けて来ますので、ワインとしての美味しさは充分以上に感じられてしまうんですね。
これ、結構に「ハマる」方がいらっしゃるんじゃないかと思います。ぶわ~っと押し寄せるのではなく、静かに穏やかに・・でも確実に戻って来る結構な旨味・・に、繊細な味わいのお料理とのマッチングで、「薄さを感じさせない適度な濃度」であると感じていただけることでしょう。
もっとも、濃い味付けだったり、パワフルなお料理と合わせても、それなりの対処をしてくれるような懐の深さも有ったりすると感じますので、鉄分は少ないけれど粘土が持つ様々なミネラリティを葡萄が吸い上げ、またさらに奥に存在する石灰混じりの土壌からの華やかなミネラリティも吸い上げ、それがワインに生きている性じゃないかな・・と感じました。
ある程度の期間を開けて、同じワインを再度飲めるのは・・中々できない経験かと思います。美味しいので是非!・・飲んでみて下さい。お勧めします。
以下は4年ちょっと前に書いた、リリースして間もない頃のこのワインのレヴューです。
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【エレガントで雅なピノ・ノワールです!リーズナブル!】
シャルドネのおまけのような感じになりがちなムルソーの造り手の赤ワインでは有るんですが、このACブルの畑はヴォルネイにあるようです。レ・ドレソルと言う区画がどこなのかは判らなかったんですが、まず色合いを見ていただくと判りやすいかな?・・と思います。
透明感が有って、淡い赤紫・・です。このような場合ですと、ヴィンテージ的に熟さなかったり、もしくは、石灰質がとても強かったりすると淡くなってきます。勿論ですが、普通にちゃんと熟した場合が比較の対象です。
とても良く熟した・・と言う印象では無く、ほぼピッタリのタイミングで収穫されたことが伺える味わいです。しかも、かなり選別したのかな?・・・大変だっただろうな・・と思ってしまいました。
チャーミングながらも花や果実が有り、非常にドライでピュアな味わいのピノ・ノワールでした。
ヴォルネイっぽいか?と聞かれても、
「ん~・・ヴォルネイっぽくも感じない」
と思いますし、むしろ、ヴォルネイの中でも、本来ならシャルドネを植えた方が結果が良いような、石灰の強さを持っていると思います。
その石灰の強い分、華やかでフラワリーなアロマが有り、伸びやかなのでしょう。
全体のバランスとするとかなりの高得点です。「~に似ている」と言えるような対象が無いのが残念ですが、例えば元ルフレーヴの醸造長でも有ったピエール・モレのブルゴーニュ・ルージュをやや淡く、少し石灰を強くしたようなイメージです。
まぁ、ピエール・モレは知らない・・と言われてしまうとは思いますが、ネゴスものは「モレ・ブラン」ドメーヌものは「ピエール・モレ」でリリースされ、時にはACブルでも素晴らしい味わいのものをリリースしてきます。日本国内に来るのは???ですが、かなり前にピーター・ツーストラップものを分けてもらって販売し、その品質に皆さん、随分驚かれたと・・記憶しています。
そんな訳で・・オマケでは無くて、ぜひ飲んでいただきたい、エレガント系のピノ・ノワールでした。何より安いしお奨めします。
あとの2アイテムは数量の関係で飲めていませんが、ACブルでこれだけ旨いので、まず問題無いと思います。時間と品物の都合が付けば、いずれ飲んでみたいと思っています。
ムルソーのルージュは、今となっては非常な貴重品です。基本的にムルソー村の低地に植わっているのがムルソー・ルージュですが、ほとんどがシャルドネに植え替えられています。レ・ドレソルというリューディはヴォルネイ側に寄ったところに有り、接してはいませんがサントノー・デュ・ミリューの下部ですから、こちらはキッチリ、「ヴォルネイ」の味わいがするでしょう。サントノー風のトッピングが有ればかなり良いワインになります。珍しいアペラシオンですので、これもワイン会には持って来い!なアイテムです。・・当たらせないため・・です。
最後のヴォルネイ・シャンパンはご存知ヴォルネイ1級・・村のほぼ中央に構えています。村の真ん中にあるのに何故か・・ヴォルネイと言うよりもポマール的などっしり重量感さえ有る1級で、あまりヴォルネイっぽくないと言うか、多くのヴォルネイのワインのイメージより少し異質かもしれません。まぁ、例外を覚えた方が身につきやすいのは世の常なのかもしれません。
そんな訳で、全部は飲めていませんが、非常にリーズナブルかと思います。質も良いです。まだ知らない良い造り手がいたのには驚きでした。ブーズロー家は知ってましたが、違う家でしたし・・ぜひ飲んでみてください。
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2021 Volnay
ヴォルネイ
【初入荷!!こちらは2021年ものです。透明度の高い赤い色彩が赤果実を美しく、美味しく感じさせてくれます!ヴォルネイ的な優雅さを是非ご堪能下さい!】

ん~・・どうなんでしょ。本来はムルソーの人で・・
「シャルドネの人!」
だと思っていたんですが、これほどに一貫して美しく優雅・・エレガントなピノ・ノワールを飲ませられると・・
「ピノ・ノワールの名手としても認めて行かなければ!」
と言う気にもさせられます。
1級のレ・シャンパンは以前から入っていまして・・非常に素晴らしいピノ・ノワールですが、この・・
「A.C.ブルとの間を埋める村名ヴォルネイの存在が有ってこそ!」
その評価が出来ると思うんですね。
ですので、この日本初入荷なのかな?・・ファーストヴィンテージのヴォルネイをしっかりテイスティングさせていただきました。そして出来はもちろん素晴らしく、
「ドメーヌとしてしっかり確立出来ている味わい!・・そしてどのキュヴェにも透明度の高いミネラリティがたっぷり存在していて素晴らしい!」
と感じさせられました。

畑はA.C.ブル赤の区画、「レ・ロンボワ」の真上の「クロ・マルタン」と「レ・リュレ」、そしてヴォルネイ中央部の1級畑「アン・ロルモ」直下の「ラ・ジゴット」のブレンドです。
是非ともA.C.ブルやムルソー赤とも色彩を比較してみていただきたいんですが・・透明度の高い、まるで石英のようなミネラリティが浮かんで見えるようでしょう?
特に2022年ものはムルソー赤の美味しさ、その味わいの方向性に驚いたんですが、この石英を感じさせるようなピノ・ノワールのエレガントでミネラリティに溢れる味わいこそが、
「ジャン=マリ・ブーズローのピノ・ノワールの魅力」
だと思います。
そして・・過度な甘みだとか、過度な抽出など・・パワフルだとは感じてもアチコチに角が立つ凸凹した味わいとは無縁の・・
「激エキス系!」
です。
さらには抽出も強くなく、13度とアルコール分も高く無いエレガント系なんですね。
ですから、
「まるでシャンボール風のミネラリティを纏った美しいヴォルネイ!」
なんですね~・・。
察するに・・ヴォルネイの村の館が集中している辺り・・つまり・・クロ・デ・デュックもそうですが「何とかデュック」と名付けられた畑が有る中央部分は、やはり格別にエレガントで複雑性の高い表情がワインに生まれると感じていまして、1級アン・ロルモの真下のラ・ジゴットが結構に良い表情を生んでいるのかもしれないと・・勝手に思っています。
濃くて甘く仕上がったヴォルネイには余りビビッとは触発されないんですが、エレガント系エキス系は良いですよ。ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!
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2020 Volnay 1er Cru Champans
ヴォルネイ・プルミエ・クリュ・シャンパン
【2018年ものも素晴らしいですが、なんとこの・・2020年もののヴォルネイ=シャンパンもアルコール分13パーセントで激エレガント系!・・透明感バッチリの美しい色彩です!しかもティエリー・グラントネよりリーズナブルです!】
すみません・・これ以上開けると価格を下げるどころか・・上げなくてはならないので・・糖度が上がってアルコール度も上がるはずのこの2020年ものも・・
「アルコール分13パーセント!」
で、飲んでいないのでテイスティングコメントは書けないものの、
「光を透かせた色彩が明るくめちゃ美しい!」
のには・・驚かされました!
で、是非飲んでいただきたいので・・ご案内せずに取っておいた2018年ものと、今回入荷した2020年ものをナンピンして、2020年ものの価格をかなり下げさせていただきました。
ですので、2018年ものは高くなりましたが・・この位は普通の価格ですので・・ティエリー・グラントネのヴォルネイ=サントノ、クロ・デ・シェヌよりもリーズナブルですので・・ご容赦ください。
詳細は2018年もののコラムの内容をこの下に記載させていただきましたので、ぜひお読みください。どうぞよろしくお願いいたします
以下は今回ご案内の2018年ものと、以前のレヴューです。
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【エレガンスを最大限に表現した1級ヴォルネイ=シャンパン!・・実に良い感じに熟して来ています。価格も非常にリーズナブル!・・2020年ものとどちらにするか迷いますよね・・】

近年もののジャン=マリ・ブーズローのワインが余りに美味しいので・・しかも、他のコラムでも書きましたが「シャルドネの人」だとばかり思っていたら、この1級シャンパンも素晴らしいし、2022年の村名ヴォルネイも、村名ムルソー赤も素晴らしいので、さらなる興味が生まれちゃったんですね。
で、Google Map で Jaen-Marie Bouzereau と入れてみますと一発で出て来ました。もちろん・・ムルソー村です。
そのドメーヌの敷地は結構に立派で、目の前には「クロ」で囲まれた立派な畑が有ります。ですがそれを調べても何も出ては来ません。ムルソーのドメーヌの周りって、そんな畑が結構に多いんですよね。
で、そのまんま西に・・上部にまっすぐ行きますと・・あのコシュ=デュリで超有名になった・・小さな
「レ・ルージョ」
そしてその上部には、
「レ・ヴィレイユ」
が有るじゃないですか!・・その昔、レ・ルージョを飲んでビックリしたのを覚えていますし、普通のムルソーにレ・ルージョと記載の無いものも・・フランス国内では流通していました。レ・ヴィレイユに至っては・・コシュ=デュリともまともにクレジットされていないアイテムも在りました。で、
西(上部)からレ・ヴィレイユ、レ・ルージョ、レ・プティ・シャロンと東に向かって・・名前の判らない畑を通り過ぎると、ジャン=マリのドメーヌが有るんですね。

2011年ものも濃度は淡いものの激エレガントで美しいシャンパンでしたが・・2018年ものはもはや別物に見えます。
しかし、比較しますと濃く見えますが、全然濃くは無いです。エレガントで滑らか・・そして・・
「マンモス・ミネラリティ!」
と言って良いほどにクリスタル風のつやつやした・・そして透明感の高いミネラリティを感じます。面白いのは、見た感じは「透明」でも「白さ」も感じるんですね。
なので、やはりこのヴォルネイ=シャンパンは、
「ヴォルネイの中のシャンボール!」
だと感じます。
で・・noisy的にはちょっと都合が悪い部分も有って・・
「ジャン=マリ・ブーズローのピノ・ノワールは、ムルソー赤も含めて・・この系統!」
なんですね。
なので、実はしっかり・・ヴォルネイはヴォルネイ風に、ムルソーはムルソー風に表情は出ているとしても、
「ジャン=マリ・ブーズローのピノ・ノワールの特徴!」
でもある・・と言わなければならない点です。
で・・この2018年ものは収穫からすでに7年目ですから、良い感じで熟成して来ているんですね。
まぁ・・価格の方は、今回入荷した2020年ものがより高いんですが、ナンピンさせていただいてますので・・どちらも今となっては非常にリーズナブルです。
そしてさらに驚くのは・・
「2020年ものも2018年ものも・・どちらもアルコール分は13パーセント!」
です!・・ね・・ビックリでしょう?・・いったいどうやったんでしょうか。
今飲んでも美味しく、この先10年は最低でも持つでしょう。ぜひ飲んでみてください!超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【超エレガント系ヴォルネイ=シャンパン!!ちょうど良い感じです!しなやかで繊細!しかもリーズナブルです!】
何と2011年のヴォルネイ=シャンパンです。しかも・・かなりリーズナブルでしょ?
「・・10年昔ならこの位の価格だったかな・・」
と、目を疑ってしまいますよね。
確かに、2015年のダンジェルヴィーユのヴォルネイ=シャンパンはものの見事が出来栄えで、肉厚なボディに繊細な拵えをした見事な鎧を付けた美形の若大将のようなニュアンス・・もう、惚れ惚れしちゃいましたが、価格はもう、
「ブーズローが何本買えるんだ?」
と思っちゃうほど高いですから・・。
まぁ、でもダンジェルヴィーユのシャンパンもクロ・デ・デュックも、たったの一口だけでも充分満足できる凄いポテンシャルを持っていますんで、仕方が無いかな・・と思いますよ。
一方こちらのブーズローさんちのヴォルネイ・シャンパンですが、そう言った、
「たった一口で満足させられる!」
と言ったスタイルとは、まったく違う方向性ですね。
ピュリニー=モンラッシェ・レ・フォラティエール2015年のコラムでも書きましたが、やはり「繊細系」なんですよ。非常に細やかで、フィネスを感じます。
なので、
「・・おっ!・・ヴォルネイ=シャンパンじゃん!・・ちょっとちょうだい!」
と、ボトルを荒々しくつかみ、グラスにドボドボ注ぎ、グビッとグラスで煽る・・と言うような飲み方は、余り得意では無いですね。優しく扱ってあげてください。澱も綺麗に落として・・。
で、非常に繊細なタッチですんで、料理もできれば・・
「味を濃くしない、素材の持ち味を生かしたもの」
でしたら、肉系はもちろんのこと、魚系も結構行けると思いますよ。
可憐なスミレからほんのりとだけワイルドさが滲む感じ、繊細で伸びやかな石灰系+ガラス系のミネラリティ。中域がふっくら、細やかな襞を感じます。まだ完全にミネラルの守りが破綻していない感じですが、飲み続けて行くと徐々に複雑な表情が出てくる感じです。強い性格では無く、
「守ってあげなきゃ・・」
みたいな細身の女性のようなスタイルでしょうか。そうは言いながらも芯は崩さないんですけどね。
どこか、超絶に旨かったルイ・ユエラン2013年的な「シミジミさ」さえ漂いますが、より果実は大目だけれど全体としてはもっと洗練された上で可憐かもしれません。そこらが「繊細系」を強く言いたいところです。
中々に美味しいヴィルネイ1級でした!ぜひユーミンの唄のように「守ってあげたい♪」と口遊みつつ・・飲んでみてください。お勧めします!
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2022 Meursault
ムルソー
【コシュ=デュリなら畑別のリリース!?・・でもジャン=マリはブレンドして造っています!・・「やっぱりムルソーって・・良いわ~!」と思っていただけるでしょう。】

名手が沢山いるムルソー村ですが、そんな中でもほとんど注目されず、メディアの評価もまず付かないのが・・ジャン=マリ・ブーズローです。
なので価格はリーズナブルなんですね・・ん?・・いや、高くなってるって?
まぁ・・日本国内の物価は、海外の1/2~1/3ですから・・。30年も物価が安定した恩恵でもあり、またその間、誰かのお陰でサラリーをずっと抑えられてしまった余波でもあります。海外は順当に上がってますから・・
「きっとこれからはその30年分を消化しなくてはならない」
と言うような部分があるんだろうと想像しています。外人さんは来日されてウハウハ顔ですが、日本人は外国に行っては食事をする度に渋い顔をすることになる訳です。以前、noisy の時給を計算したら・・なんと2ユーロでした。今はさらにユーロが上がってますから・・もう計算したくないです・・(^^;;
まぁ・・店主としましては従業員の皆さんにお給料を出さなければなりませんし、休日も無しで雑多な仕事や新着を書かざるを得ないので、夜遅くまで仕事しますから・・とんでもなく時給計算は低くなってしまう訳で・・
で、この素晴らしいムルソーも・・この価格は高く見えるかもしれませんが、インポーターさんもワイン屋も苦労して何とかして・・こんなプライスになっているんですね。
6千円のムルソーが有った時代は良い思いをしたつもりでしたが、物価が上がらないと給料も上がらないと・・教えられた今日この頃です。

ほんのりと新樽由来のアロマがトップノーズに、柑橘果実の良く凝縮したフレーヴァーと、まさにムルソー的な良く目が詰まった石のニュアンス、ほんのりと蜜が絡み合い、低域からグッと押し上げてくるような膨らみ・・高域に伸びて行くノーズへの還りが、ムルソーのポテンシャルを教えてくれているかのようです。
非常に飲み応えが有ります。酸のレベルもしっかりありますしミネラリティもマンモスですから、やや噛めるようなニュアンスで飲んで行く、もしくは、
「少量を口に含み、口内でひねりつぶすように飲む」
と言うような行動をするようになるかと思います。
そのように飲むと・・若いムルソーも非常に美味しく飲めます。ピュリニーはもっと立体的な果実感が有り、ミネラリティはやや抑えめで上品かな・・と思いますが、ムルソーほどには脳を使わない?・・ような享楽感が強いでしょう?
「ん・・これだとヴォルネイに近い方かな?」
とか、
「このイメージだと西の標高の高いところ」
とか、
「ん・・グット・ドール近辺かな?」
とか、
「ピュリニーに近い方だね」
とか・・
まぁ・・自分勝手な推理?みたいなものがまた楽しいんですね。そして何より旨い!・・飲んでみてください。超おいしいです!
以下は以前のレヴューです。
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【ムルソーと言うワインの不思議さ、シャルドネと言う品種とミネラリティの理解を深めるのに「最高」のアイテムです!・・こんなヴィンテージと今のタイミングには中々出会えない?】

そもそもムルソーって・・滅茶美味しいですよね~・・。まぁ、むっつりスケベみたいなところを感じるシャルドネなんですが、この厳しいミネラリティを持ちながらもオイリーで深い味わいを見せると言うのは、一体どういうことなのでしょうか。
この村名のムルソーですが、他の1級畑ものが豪奢な味わいを見せる・・見せてしまうために、むしろ理解が追い付かない部分を、しっかりと見せてくれるヴィンテージで有り、
「正に今が良いタイミング!」
です。こんなチャンスは余り無いと・・noisy 的には思います。
ですが、
「とにかく美味しく飲みたい!」
に没頭したい方には幾分向かないかもしれません。
この2021年のジャン=マリー・ブーズローのムルソーは・・
「まさにすっ裸のムルソー」
です。
なのに・・ですよ・・

「ちゃんと真のムルソーの姿をみせてくれる!」
ので、ワインを知りたい、シャルドネを知りたい、ムルソーを知りたい方には
「うってつけ!」
のヴィンテージであり、今の状態がそのベストなタイミングです。
あ、言っておきますが・・素晴らしく美味しいです・・と言いますか、美味しくなりますので・・はい。
抜栓直後は少し硬めで、甘み無く、肉付きもイマイチで・・でも素晴らしいミネラリティと伸びて行くアロマに・・その硬ささえ気にならないかと思います。
でも・・「やっぱ、2021年だからなぁ・・」と言うような恨みは若干感じるかもしれません。
ところが・・ところがですよ。10分ほどしますとこれがまた変わってくる訳ですよ。
硬かったニュアンスがいつの間にかボディの膨れを感じ始めます。酸主体の味わいのところに、ややコッテリとした味わいが載ってくると・・柑橘果実や・・、やや遠くに蜜、ガチガチのミネラリティは徐々に粉々に粉砕され始め、細やかになって行きます。どんどん美味しくなってくる訳ですね。
その先はいつまで見続けるか・・によります。また飲まれるタイミングとその状況にもよりますから、もし上記を再現したい場合は・・なるべく早めに受け取られて、少し休養を与え、早めに・・でも丁寧に扱って飲んでみていただきたいんですね。
硬くて内向的で、濃度は薄目でコッテリもしていない・・と思っていた若いムルソーが、いつの間にか・・良年のようなムルソーの片鱗を見せ始めるって・・
「不思議に思いませんか?」
なかなか無いタイミングだと思ったので・・やってみていただけますと幸いです。・・なお。普通以上に美味しいですので、余り深く考えたくない方も大丈夫です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2020年のコート・ド・ボーヌのシャルドネはグレートイヤー?・・それともブーズローだけでしょうか?・・ムルソー、凄く旨いです!】
何と2020年ものは・・ブーズローでは、
「8月中に収穫が終わってしまった!」
とアナウンスが有りました。凄いですね・・通常なら9月に入ってからなのでしょうが、葡萄の成熟が良過ぎて早まったと言うことなのでしょうか。
飲んでみますと、時折村名格のムルソーに感じる、
「どこかが大きく出っ張って、どこかが凹んでいる」
感じがほとんどなく、パレットは真ん丸でネットリ、柑橘果実がたっぷり有って、ノーズへのミネラリティもふんだんながら「過ぎることが無く」て・・
「まさに球体!」
と思える見事な仕上がりでした!・・いや、旨いです!2019年ものも非常に旨かったですが、2020年ものはポテンシャル的にも同様な仕上がり・・かと思います。

もっとも、
「流れるような美味しさを見せた2019年もの」
とはイメージが少し異なっていて、
「兎に角、真ん丸!」
と言いたくなるほど球体感がバッチリです。村名クラスですと「扁平」に感じることがほとんどですが、おそらく「豊かな酸のバリエーション」がバランス良く得られたヴィンテージと言うことなのでしょう。
特にブーズローのムルソーは5か所の葡萄をブレンドしていることも有って、粘土、大理石、石灰などのミネラリティのバランスも考えながらセパージュできることも寄与しているはずです。素晴らしい仕上がりでした!是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいムルソーはこれ!2018年ものも美味しかったですが、2019年ものはそこに健康美をプラス!是非飲んでみて下さい!】
健康的に良く熟したと思われる葡萄を使用できた性なのでしょう・・見た目も麗しく、早くから甘美さを見せてくれるムルソー村名です。美しい深みのあるゴールドです。
確かに重量感も有るんですが、村の中央上部の畑が多い性でしょうか、ミネラリティが本当に半端無く、しっかり硬めに感じさせてくれる部分と、少し粘性のある粘土質由来な滑らかな部分が半々くらいに存在し、単に「ずっしり重いムルソー村名」と言う感じはしません。
2018年もののご紹介時と比較しますと、2018年ものが、
「滅茶甘美で甘露・・云々」
とご紹介していたようで、その時分でも充分な開き方をしていたことを思えば、2019年ものはやや熟度の進行不足的な部分も無い訳では無く・・でもワインとしますと、非常に良く出来ていて、1~2カ月の休養熟成でさらに滅茶美味しくなるのが見えています。
・・と、ここで、やはり少し「熟度の進行不足」が気になったので、2018年ものをいつご紹介させていただいたのか、調べてみました。するとなんと・・
「2020年11月20日にご紹介、その日のうちに完売」
になっていました・・。なるほどです・・。
今は2021年9月9日ですから・・そして2019年もののテイスティングが6月15日!
つまり、3カ月前のテイスティングしていますので・・そりゃぁ・・そうなりますわね。
で、実は今回ご紹介させていただいた2019年のA.C.ブル赤が随分硬かったので、9月8日に2本目をテイスティングしたところ、その硬さにやわらぎが出始め、美味しくなっていました。この辺りはA.C.ブル赤のコラムでご確認ください。
ですので、お客様が実際に飲まれる9月後半以降には、相当に仕上がっているものと思います。甘美さに健康美が載った2019年ものです。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【このムルソー2018は、是非ともみんなで買い占めましょう!・・甘美、甘露、全方向に向いたベクトルはブレンデッド・ムルソーの最高峰と言えます!】
べらぼうに旨いです!濃密ですがクドさはなく、繊細にしてゴージャス・・今飲んでもめっちゃくっちゃ美味しい!・・嘘じゃないですよ・・。フィネスさんに確かめましたらまだ有るそうなので、
「この際、皆さんで買い占めましょう!」
・・・と言いたいです。
こんなに球体そのもののムルソーを若い段階から楽しめるなんて、2018年ならでは・・なのかもしれませんし、ジャン=マリ・ブーズローが2018年で大きく成長した性でも有るかと思うんですね。何せ、A.C.ブルでも充分に美味しいんですよ。甘露の度合いなどはこのA.C.ムルソーには届かないですが、それほどに、
「このムルソーの完成度が高い!」
のだと思います。
そして、このムルソーの良さは、ムルソーの村の中央上部の畑を中心とする5つの畑のブレンドもので有る・・部分にも有ると感じられます。それは、村の北と東は粘土が強く、上部の西側と南側は大理石の丘なんですね。その接点が村の中央~上部と言うことになり、粘土臭くならず、石臭くなり過ぎない・・つまり硬くなり過ぎない良さと高質な粘土由来の粘性がバランス良く配合されている感じなんです。
まぁ、そうは言っても、ほとんどの場合は粘土と大理石感は良い感じで一緒にはならず、必ずやどちらかに寄って感じられることが多い訳です。若いうち、多いミネラリティは要素をマスキングする方向に出ますから、
「・・硬ってぇ~・・」
と、口内がギシギシするほどのミネラリティばかりが感じられます。粘土由来の細やかさや粘性は、ミネラリティが崩壊しはじめるまで牢獄に入ってしまっている感じになってしまいます。まぁ、それもまたムルソーの大きな魅力の一つでも有る訳ですが、若いうちのハードな味わいは結構・・刺さって痛かったりもしますよね。
ですので、この正に甘美なムルソーは、2018年と言う良く熟した年と、ジャン=マリ・ブーズローの所有畑の配合と技術、そして、何より「So2 に頼り過ぎない」健全さによるものかと思います。
残念ながら Noisy wine のセラーは現在、パンパンです・・。なので入れたくても入れられない・・まぁしょうがないですよね。コロナの影響で押して押して押されまくって11月後半を迎えていますので、ここに来ての到着ラッシュをどうやって捌いたら良いのかで頭が一杯です。それでも、
「こんなに素晴らしいムルソーに出会えた喜び!」
が、身体を動かす原動力になっています。
是非とも・・いや、少なくともA.C.ブルゴーニュ・コート=ドールかムルソーのどちらかを是非飲んでみて下さい!滅茶美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【リリース直後から美味しく飲める見事なバランスです!アヴァンギャルドなビオに寄ることなく、しかも並みの自然派よりも純でピュア!美味しいです!】
例えばもう、あのイヴ=ボワイエ・マルトノのムルソー・キュヴェ・フェルナン・ボワイエ2017年などは、完全に7千円を超え、以前のコストパフォーマンスの良さは無くなってしまっています。noisy たちが専用で輸入していた2014年までは5千円以下だったと思いますし、ムルソー・ロルモやムルソーなどは、4千円そこそこで、
「バランスの良いムルソーは速攻完売、粘土感の在るロルモは亀の歩みで・・それでも完売」
と言う状況でした。
ミネラル感が凄いムルソーのタイプで、下部(東側)の粘土質のロルモでさえ、結構な石灰感を感じさせてくれたものです。安かったし、数年~十数年も寝かせると、ビックリするような旨さを感じさせてくれる良いアイテムでした。今となってはちょっと高いか、良くても並みのプライスですから、
「それだけ寝かさないと飲めないの?」
と、即日の美味しさを求められる現在の風潮から言えば、
「・・なら・・後で良いか・・」
となってしまい、結局放置される運命になってしまうのかもしれません。まぁ・・それでも数年、十数年経過して高くなければお買い得だし、何より・・コンディションさえ良ければ美味しいでしょう。
このジャン=マリ・ブーズローのムルソーは、そんな、
「まずミネラリティのマンモス度や凄みをビシバシと伝えてくるムルソーでは無い!」
と言うことが挙げられます。これが何より違います。
また、
「リリース直後から適度な柔らかさが有るので美味しく飲める!」
と言うことも特徴です。
実は、これはミネラリティが削られているのではなく、イヴ=ボワイエ・マルトノに匹敵するほどの「硬さの在るミネラリティでは無い」のが事実です。そこに醸造時由来の「硬くならない技術」も入っていると思います。なので、適度な柔らかさが有ります。
イヴ=ボワイエ・マルトノのムルソーのアロマは、鼻の孔をえぐりつつ入ってくるようなソリッド感やタイトさが有りますが、ジャン=マリ・ブーズローのムルソーには、そんな面は非常に僅かか、無いと言って等しいほどです。その分、
「優しく、ふっくらと、スピード感を持って」
ノーズに飛び込んで来ます。
そこはイヴ=ボワイエ・マルトノには無い栽培方法と醸造方法があると感じられます。ジャン=マリ・ブーズローは完全に自然派寄りのアロマの柔らかさです。
とは言え、ムルソー東側の高い高度の畑が結構に含まれますから、高域や超高域の伸びが有ります。非常に心地良いです。果実感はマルトノの若い時分には有り得ないほど存在し、グラのあるマッタリ感に交じり、徐々に解放された果実感がさらに膨らんでくる予感に美味しさを感じられることと思います。
今となっては、最もリーズナブルで、しかもポテンシャルの高いムルソー、ムルソーの生産者だと言えるのがこのジャン=マリ・ブーズローです。フィネスさんでも「売れ線」のようで、そう沢山の数の案内は無いんですよ・・。レストランさん辺りでも人気のようです。A.C.ブルの白で充分、ムルソーを感じさせてくれますから、それも理解できます。実はコント・ラフォンさんちのお隣さん(お向いさん?)です。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【カリテ・プリ度もピカイチ!村名ムルソーの可能性を拡げてくれる見事なバランスです!】
こちらも実に美味しいです!どんどん飲んで欲しい村名ムルソーなんですが、数は無いので・・すみません。
例えばムルソーと言えば、今一番に名前が出てくるのは「コシュ=デュリ」でしょう。彼の「ル・テッソン」や「レ・カステート」になってしまうと・・もうビックリするような価格になってしまいます。最も、コシュ=デュリの場合は「村名ムルソー」でリリースされるそれらも有りますので、
「このコシュ=デュリのムルソーはどこの畑か!?」
を当てるブラインドもやったことが有ります・・・正解は「おそらく」と言う副詞が付きましたけど・・。でもまぁ、それをやることで当たらずとも想像力は逞しくなりますよね。
このジャン=マリ・ブーズローの村名ムルソーは、そんな2区画の葡萄が使用されています。これらは村の中央部、上部にある準1級と言っても良いような村名区画ですが、noisy 的な感覚では、「やや硬くタイトなミネラリティの有るレ・カステート」に「ほんのり豊かさ中心のル・テッソン」と言うようなイメージが有ります。・・いや、感覚は人それぞれですから、丸かじりしたまんまにはしないでください。
ギッシギシにタイトに仕上がったムルソーでは有りません。ある種の「豊かさ」「伸びの良さ」が有りますんで、今飲んでも美味しくいただけちゃうんですね。それでいて、しっかりムルソーを感じさせてくれます。僅かにトースティーなニュアンスに石、柑橘が伸び良く瑞々しく、スピードを持って感じられ、顔の前に丸い輪郭のイメージを創ってくれます。1級レ・シャルムやポリュゾのように、粒子を押しつぶしながら飲んでしまうような、ある種の「凝縮感をこなれさせるための動作」は余りしないと思います。言ってしまえばそれらよりも緩い訳ですが、緩いとか緩慢だと言うよりも「余裕」「懐の深さ」に感じます。
まぁ・・相手はムルソーのトップクラスの1級ですからね・・それらよりも緩いのは当たり前では有りますが、緩い性だとは感じさせないとても大きな入れ物が有る訳です。
これがイヴ・ボワイエ=マルトノだと、
「少し待ってくださいね。一応飲めますが・・できたら粘土感のあるロルモーを先に飲んでください。」
と注釈をするようになります。
まぁ、1級レ・シャルムが超エレガンスを持っていますので言い辛いんですが、この村名ムルソーもエレガント系と言える味筋です。ポテンシャルお化けでは有りません。飲んで美味しい、しっかりムルソーを表現してくれるワインです。是非飲んでみてください!お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【滑らかなのに新鮮!・・二次発酵をした高級ワインの出来立ての美味しさも新たな楽しみなのかもしれません!】
去年、2016年の初春は2013年のムルソーをご案内させていただき、その素晴らしさに、「一推し印」を押させていただきました。飲まれた方もご納得いただける美味しさだったかと・・思っています。
まぁ、この位の価格のムルソーは、他にはイヴ・ボワイエ=マルトノ位しか思い浮かびません。安定性が無かったり、平板で美味しく無かったりするムルソーは沢山有っても、ピュアで立体構成の美味しいムルソーは、ソーは無いです。
幾分ですが・・マルトノよりは高めのプライスゾーンでは有るものの、5千円台で購入出来るようなムルソーは、もう・・ざらには見つからないです。
2013年ものが、グラッシーでクリスタルな美味しさの、しかも滑らかなムルソーを表現していましたが、何故か noisyの仕入れは1年飛んでしまいまして、今回は2015年もの・・です。
「若いからなぁ・・どうなんだろう?」
と、少し不安も有ったんですが、これがまた・・面白い結果になっちゃったんですね。
まぁ、フィネスさんは、リリースされたからと言ってすぐには持って来ない、もしくは順番通りには持って来ない、少し変わった・・と言うか、意思を持ってそのようにしている輸入者さんです。なので、何が理由か、たまたまなのか、判りませんが、
「プリップリの新鮮な果実の、ややハードで瑞々しいムルソーもかなり美味しい!」
と言うことが判ったんですね。これは驚きでした。
二次発酵をやってますからね・・2015年ものだと2016年の春が二次発酵で、本当に仕上がってすぐ持ってきた感じでしょう。毎年続けてご案内させていただいているボワイエ=マルトノは大抵秋口ですから、半年ほど早いタイミングです。
ですが、現時点ではややタイトでは有りますが非常に美味しいです。ムルソーの村の中央から西(高い方)の畑が多いことも有って、ミネラリティはムルソーの南の1級群辺りの大理石のようなニュアンスとも、やや異なっていると思います。それでも粘土は余り感じず、透明な、非常に硬いミネラリティです。
そこに柑橘や果実の黄色や白、わずかに茶(蜜とか・・)とか薄い赤とかのニュアンスが混じります。弾けはしませんが、しっとりとした新鮮さが有り、時間が経ってくると、じわっと細やかな表情も出て来ます。
でも、バランスが良いので・・いつまでもは残らないんですよ。さっさと無くなってしまいます。その位、今、美味しいです!
ACブルの白も美味しいので、ご予算が許せばこのムルソーを、お試しされるようならACブル白を・・でいかがでしょうか?
昨今は高くなってしまったブルゴーニュですが、イヴ・ボワイエ=マルトノに匹敵するリーズナブルさも魅力です!お勧めします!是非飲んでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいミネラリティ!ガラスの薄い膜に包まれたムルソーの要素に感嘆です!キレッキレのムルソー!】
ACブルも旨いので、これを推そうと思っていたんですが、あまりにムルソーのお姿が美しく、しかもこのご時勢に・・フィネスさんの輸入でもこんな価格ですから、
「高くなってしまう前に皆さんもまずチェックすべきでは?」
と言う気持ちでお奨めします。ぜひともムルソー・・飲んでみてください・・今月のお財布事情が許さない方にはACブル・シャルドネで・・。基本、どちらも同じような姿をしています。格が違いますけどね。ACブルの方がやはり少し粘性の有る、赤っぽいニュアンスが加わります。
この素晴らしいムルソーは・・、基本、皆さんが美味しいと思われているであろうムルソーの平均的な姿を刀E襲しています。それも、やや開き気味で外交的、ややソフトな印象を受けますので、飲まれたらもうファンになってしまうんじゃないかと思いますよ。
じゃぁ、どこが一般的なムルソーと大きく違うのか?・・と言うことになりますが、それを飲み口で言い表すとすると・・
「中盤からキレッキレに切れて行く」
と言う部分にあります。
ご自分のお好きなムルソーの味わいを思い返してみてください。マッタリとした中にフルーツ感が有り、蜜っぽかったり、ナッツっぽかったりするかと思いますが・・。

また石灰岩の塊のようなミネラリティが有って、そんな強いミネラルも特徴の一つでしょう。
でも、やはりネットリとしていて、ジワ~っとした味わいの変化が特徴かと思うんですが、このジャン=マリ・ブズローはちと違うんですよ。
フルーツ感や粘っこさも勿論ながら普通に有るんですが、グラスから口に入れた後、そんな要素を振り撒きつつも、「しゅ~ん」とキレが良いんですね。
まるで薄いガラスの膜が一枚、ワインと舌や口蓋の間に在るかのように・・切れて行きます。
普通はそんな感じのミネラリティだと、「カチッ」と硬い印象を受けるんですが、このムルソーは実にソフト。しかもそんなガラスの薄い膜のようなものは、表情の放出には何の邪魔もしない・・と言うか、むしろ補助しているような感じも有ります。
つまり、
「モタモタしないソフトテクスチュアの繊細系ムルソー!」
なんですよね・・。noisy もこんなタイプは初めてです。このムルソーの畑はテッソンやカス・テートと言った西側上部ですから、ラフォン的と言うよりもコシュ=デュリ的です。実際、どちらかと言われれば、より近いのはコシュ=デュリでしょう。テッソンはルージョのお隣ですしね。岩のような石灰感がナルヴォーのように強くないのも頷けます。 そしてとてもピュアです。ナチュラルと言うよりもピュア・・この辺りは減農薬栽培と言っているのがそのままちゃんと行われていることを現しているような気がします。勿論、揮発酸系のものは感じません。とても美しく、香りの上がりが速いです。
2013年ですが、今飲んでも非常に・・旨いです。むしろACブル・シャルドネの方が石灰感は強いかもしれません。ぜひこの素晴らしくも新しいムルソーを飲んでみてください。一推しです!
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2022 Meursault les Narvaux
ムルソー・レ・ナルヴォー
【日本初登場!・・1級畑で無いのが不思議なほどに素晴らしい準1級レ・ナルヴォー!レ・ポリュゾ、レ・ジュヌヴリエールの上部でレ・ペリエールの北に接する素晴らしいロケーションです!】

まぁ・・レ・ナルヴォーですから・・
「準1級の横綱クラス!」
で認識されています。
ややハードなミネラリティが表情を引き締めますから、すぐ下のジュヌヴリエールやポリュゾ、南のレ・ペリエールよりも表情をハードコートしたニュアンスになるんですね。
ですが!
この初登場2022年もののレ・ナルヴォー!・・是非写真をご覧ください。
まるでレ・ペリエールか!・・と思わせるような、グッとくる濃い目の黄金色をしているじゃないですか!・・こりゃぁ・・そそられますよね~・・。
むしろややファットな1級レ・ポリュゾと、細やかな石の凝縮したニュアンスを持つ1級レ・ジュヌヴリエールを40%ずつ、そしてレ・テッソン辺りのハードな大理石感覚を20%持って来たようなニュアンスでしょうか?

いや・・もっと簡単に言うなら、
「レ・ペリエールをハードな大理石風ミネラリティでコーティングした感じ!」
と言っても良いかもしれません。
いや、ちょっと驚きました!・・ここまで素晴らしいレ・ナルヴォーは、そう簡単には出会えないんじゃないかと・・ちょっとピュリニー風な果実も在るんですよね・・そこがまたレ・ペリエールを彷彿させるわけでもあるんですが。
この凝縮感からのポテンシャルをどう判断するか?・・で変わって来ると思うんですが、
「準1級じゃなくて1級でいいんじゃない?」
と言いたくなるレベルです!・・開けて良かったです!
実は・・少ないので飲まない予定だったんですが、飲まないアイテムが多いと訴求力がどうしても弱くなってしまうので、今回は赤字覚悟で開けてしまったんですね。
素晴らしい村名ムルソーのレ・ナルヴォーです。
「村の北ではあり得ない!」
「村の中央でも有り得ない!」
「村の西?・・もしくは南・・しかも西より?」
が正解のレ・ナルヴォーです。素晴らしいとしか言いようの無い出来!・・激お薦めです!
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2022 Meursault 1er Cru Poruzot
ムルソー・プルミエ・クリュ・ポリュゾ
【過去一旨いジャン=マリ・ブーズローのレ・ポリュゾ!・・超バランスのグット・ドールに対し、グラマラスさに振った味わい・・素晴らしいです!】

余りに美味しい1級グット・ドール・・繊細です。ムルソーの要素を全て持っているかのようなバランスが素晴らしいです。最高にエレガントです。
面白いのはそのグット・ドールの南に接するこの1級レ・ポリュゾ・・。
「繊細?・・何言ってんの!?」
と言い出しかねないような・・グラマーなボディをグイグイ押し付けて来る訳です。
なので・・
「隣なのに・・ここまで違う?」
と言いたくなるような感じなんですよね。それがしっかり感じられるジャン=マリの2022年は出来も良いし・・でも、
「ヴィンテージ的に出来が良い・・とだけで片付けて良いのか?」
と思い始めています。
「ジャン=マリ・ブーズローと言う造り手のポテンシャルが開花したか?」
と・・。
きっとこのレポリュゾやグット・ドール、そして1級ではありませんがレ・ナルヴォーを飲まれた方は驚きを持たれると思うんですね。

ちょっと考えてみてください。その昔はイヴ・ボワイエ=マルトノと言う、リーズナブルで熟すと本当に素晴らしいドメーヌを扱わせていただいていました。しかし現在はインポーターさんも変わり、価格はもはやとんでもないことになっています。
ですが、リリース直後から素晴らしい表情を見せるジャン=マリのワイン、イヴ・ボワイエ=マルトノはやはり少々は熟成させないといけないタイプでしたから、タイプ違いとは言え・・どうもジャン=マリの方がポテンシャルが上のようにも感じる訳なんですね。
そしてこの2022年・・ゴールドな色彩も濃く、凝縮していてきっちり膨らんでくれ・・
「ジャン=マリ・ブーズローのレ・ポリュゾとしても過去最高」
だと踏んでいます。
そうなって来ますと・・これはもう、飲んでいただくしかない訳ですが、さらによくよく考えてみると・・
「ジャン=マリ・ブーズローのワインって1本たりとも残ってない」
んですね・・。
村名ムルソーはファンが多いですので、残っていると全てさらわれます。そして1級クラスは数が無いので・・残らないのかな?・・とは思いますが、
「もしかして・・ジャン=マリ・ブーズロー・・もうすぐ彼の時代が来るかも!」
とすら感じる仕上がりでした。
豪奢でややファット、たんまり果実があって・・でも甘く無く、ミネラリティもややふんわりしつつ、その柑橘果実とオイリーさ、ほんのりとした蜜のニュアンスにやられます。ぜひ飲んでみてください。過去一番の出来のレ・ポリュゾです。
以下は以前のレヴューです。
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【・・あれ?・・2021年ものの方が2020年ものより・・さらにグラマラスって・・有りなの?】
例えば皆さんがワインの購入を決めるとき、
「・・ん~・・2020年か~・・濃い目かな~・・」
「・・2015年なら・・ちょうど良い感じ?」
「2000年?・・終わってないか?」
と、それが白だろうと赤だろうと、結構・・そのヴィンテージの大まかな印象を何となく持っていたものを・・判断材料にしている場合がそれなりに有るんじゃないかと思うんですね。
まぁ・・noisy とお付き合いの長い方はお判りかもしれないんですが、一般的に「イマイチ」とか「良く無い」とされているヴィンテージにこそ、
「・・ん?・・そんなこと無いよ」
と noisy は言っているパターンが多いんじゃないかと。
これはまぁ・・色々有りますが、noisy が扱っている生産者さんが、結構、そんなパターンで仕上げて来ていたんですね。なので、メディアがイマイチだとか言っていても、自身で確かめたところ・・そんなことは無いじゃないかと・・噛みついている訳なんです。
で、この2021年の1級ポリュゾもそうなんですよ。むしろ2020年ものよりも良いんじゃないかとさえ・・思っている位でして・・はい。

本来、2021年は遅霜で大半の芽がやられてしまったので、生産量が激減です。
しかし、ドメーヌがその大幅減を受け入れ、いつも以上に精を出して育てた葡萄だからこそ!
「素晴らしい出来になる可能性が高くなる!」
訳なんですね。
ただし・・もしドメーヌが、
「生産量がここまで落ちるのは勘弁だ」
と言うことで、余計なことをしてしまうようであれば・・出来たワインの質は落ちてしまうと思います。
ですので、ジャン=マリー・ブーズローでは、収穫減を受け入れ、残った芽から出来た少ない葡萄をさらに選別して出来たワインは、葡萄の樹自体が一粒の葡萄に濃密な要素を詰め込んだために、このような素晴らしいレ・ポリュゾ2021年が生まれたと思っています。
凝縮していて、やや粘土っぽい粘性や赤さをほんのりと感じさせるノーズ・・。柑橘果実に蜜まで届くかどうかの成長途中の綺羅星のような卵な要素、伸びやかな緑の植生、ハーブ・・。1級レ・ジュヌヴリエールの北に接していますから、非常な細やかさを見せるジュヌヴリエールっぽさも30%ほどありつつ、それを包み込むようなパワーのある粘性・・。ボディは豊かで膨らみ、黄色っぽい果実も徐々に増えて来ます。余韻も長く・・ノーズへの果実の還りもビター感と共にリアルさを増長して来ます。
まぁ、これが「レ・グット・ドール」だったら・・皆さん、頑張って購入されるのでしょう。でもレ・グット・ドールはこのレ・ポリュゾの北に接する畑ですから、それっぽさも内包していると言えます。畑の比較も面白いはずです。勿論、
「非常に希少で、ある意味、最高の出来になったかもしれない可能性も有る」
訳ですから、ヴィンテージの比較も楽しいかと。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【いつもよりも黄色が濃くて、果実感が凄いです!その分、繊細さ、剛健さに今は蓋・・その姿が滅茶旨です!】
おりゃ?・・これがポリュゾなのか~?・・と一瞬思ってしまいました。noisy が持っている1級レ・ポリュゾのイメージとは、ちょっと違って感じられたからです。
「ん・・これだとムルソー・レ・ポリュゾと言うよりは豪奢系のピュリニー1級?」
に近い感じを受けました。
何せ黄色い柑橘の果実感が半端無く、通常ならモリモリと盛り上がる筋肉・・それが繊細な糸を撚り合わせたようなものでは有っても、
「ムルソー出身です!」
と、第一声でおっしゃるんですが、2020年ものは
「・・あれ?お隣の村からいらっしゃいましたか?」
と尋ね直さなければならないような・・でもそれがまた旨いのなんの・・今までで最高の出来だろうと感じたんですね。

時間が経ってくると、今まで奥に控えていたレ・ポリュゾらしさも果実感の隙間から出て来ます。そしてボディはさらに膨張・・巨大化して行きますから・・
「おおっ!さらに出て来た!」
と、繊細な方の果実感、筋肉に・・
「良かった・・レ・ポリュゾさんですね?」
と、正しい名前を呼ぶことが出来ました。
後でフィネスさんの説明文を良く読んでみると、確かにピュリニーらしい風情・・と書かれていました。ただしnoisy 的には、
「・・そうかぁ・・?・・あまりそうは感じないけどなぁ・・」
と思っていたんですね・・言わないですが・・(^^;;
そして、当初の素晴らしい果実感が引いて来て、奥にある細~い絹糸のようなテクスチュアが出て来て・・ん、やっぱりレ・ポリュゾ、面白いし、2020年ものは滅茶複雑で旨い!・・と確認出来ました。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【充実しているけれどかなり繊細!・・2019年のポリュゾって相当美味しいです!】
2019年もののジャン=マリ・ブーズロのシャルドネは、言ってしまえばどれを飲んでも美味しいです!・・ので、是非どれかでも飲んでみて下さい。
そもそも・・Noisy wine の白ワインの販売割合は、おそらくどこのショップよりも多いんじゃないかと思うくらい・・結構白ワイン、販売させていただいてるんですね。
「noisy さんのところで白ワインに開眼しました・・」
とおっしゃってくださる方も結構・・おられまして、なんとも嬉しい限りです。でも、1万円もしなかったムルソー1級クラスが、1万円じゃもう買えないと言う状況は悲しいものがありますが、しかし生産者の方はと言いますと、
「ドメーヌの蔵出し価格は、おそらく皆さんも思いっきり引いてしまうくらい・・安い」
です。絶対、「えっ?・・本当ですか・・?」って思ってしまいますよ、きっと。
なので、ドメーヌに入る部分は増やしたい・・お客様へはもう少し安くしたい・・いや、我々にも何とかもう少し・・(^^;; ではあるのですが、この日本の経済状況では当分どうにもならないのでしょうね。
以前の記事にも同様なことを書いていますが、このポリュゾと言うワイン、決して重量感にモノを言わせて飲ませるタイプでは無いんですね。重量感は有るが重くなり過ぎず、レ・シャルム以上に繊細だとさえ感じます。
ただし、レ・シャルムと言っても上部と下部では結構に違うので(実は名前も上下でちょっと異なる)、この上記の言い方は正しく無い場合も有りますが、「一般的なレ・シャルムのイメージ」と言い換えると近くなるかな・・と思います。
で、2021年6月の時点でテイスティングさせていただいてますが、このタイミングでかなり美味しく飲めたのにはビックリでした。色合いも黄色が強めでコクが有り、ピュアだし、樽臭く無いし、丸みが有って粘性もほんのり、繊細な絹糸のような・・でも細すぎない糸のようなテクスチュアが何とも心地良かったです。
まぁ、何とかこの美味しいポリュゾを飲んでもらおうと頑張っているうちが「花」なのかもしれないと、いつも思っています。売れ始めてしまうと何故か入って来なくなるから・・厳しい世界です。是非ご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【世の中的には全くノーマークのジャン=マリ・ブーズローですが、注目されるのは間違い無いでしょう!村中央南西部の1級ポリュゾは村名を超繊細に。エレガンス最高です!】
「ポリュゾ」と言う響きからは反対のようなイメージが沸くかもしれませんが、ムルソーらしい大きさ、骨格はしっかりあるものの、「繊細系」「エレガント」なのがこのポリュゾだと言えるでしょう。PKさんは「ジュヌヴリエールに優雅さでは及ばないが芳醇」とこの畑を評価していますが、noisy 的にはマット・クレイマーさんが言う、「優雅で繊細。肉付きや重厚さでジュヌヴリエールやペリエールに劣るが、驚くような芯の強さが有る。」と言っている方が、noisy的な感覚にはマッチすると思っています。まぁ・・比較をどう表現するか・・だけの違いかもしれませんが、
「ポリュゾは決してマッチョなムルソーでは無い」--「繊細系」
だと感じます。
そしてこの2018年のポリュゾ・・実に優雅です!・・極細~い絹糸を撚り合わせたかのようなテクスチュアに、ムルソーでもっとも気高いとも思わせてくれるような質感有るアロマと柑橘の味わいを見せます。
レ・シャルム2018年と一緒に飲みましたが、またこれも実に面白いし美味しかったですよ。シャルムの持つ、白くとても細かい石灰分のサラサラしたテクスチュアはポリュゾには無く、反対に、ポリュゾの極細の絹糸を思わせるようなテクスチュアはレ・シャルムには無く・・じゃぁ、どっちが繊細なんだ?・・どっちが力強い?・・と聞かれますと、かなり困ったことになるぞと・・。
でも、やはり繊細なのはポリュゾでしょう。若いうちの優雅さはレ・シャルム。でもパワフルなのは意外だけれどレ・シャルムで、やはりポリュゾは熟して押し出しがしっかりして来ても繊細だと・・思いました。
いや~・・飲みながら相当に頭を使うのはワイン位かな・・と思うんですね。日本酒だとここまでは使用しないかな・・。それにしても2018年のジャン=マリ・ブーズローは素晴らしいと確信しました。もし可能ならぜひ・・ポリュゾとシャルム、比較してみてください。ポリュゾは村のほぼ中央から僅かに南にズレた位置、レ・シャルムは村の南端、ペリエールの真下です。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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滑らかなテクスチュアとたっぷり目のフレーヴァーを感じさせてくれる、まさに、
「ムルソーのど真ん中!」
の1級畑、レ・ポリュゾです。
どうしてもムルソーの御三家、「レ・ペリエール」「レ・シャルム」「レ・ジュヌヴリエール」の後塵を拝すポジショニングですので、目立たない存在になっている現在です。
しかしながら、じゃぁ・・
「あのコント・ラフォンの1級グットドールは・・飲みたくないの?」
と聞かれりゃ・・
「そりゃぁ・・飲みたいよね。」
と思うでしょう?
それに、
「今を時めくドメーヌ・ギイ・ルーロの最高峰、1級レ・ブシェールは飲みたくないの?」
と聞かれりゃ・・時流を知っていればいるほど・・
「飲みたい!・・し、欲しい!」
と言われるでしょう。
この1級レ・ポリュゾは、コント・ラフォンのグットドールの南に接し、ドメーヌ・ルーロのレ・ブシェールの真下、東に接する畑なんですね。
しかも、南はかの「レ・ジュヌヴリエール」です。以前は専用銘柄でご案内させていただいていた、イヴ=ボワイエ・マルトノのレ・ジュヌヴリエールなどは、昔はレ・シャルムよりも格下と感じられたものの、数年前からはレ・ペリエールに劣らないような物凄いポテンシャルを発揮しています。
なので、
「素性も物凄い!」
と言えます。
言ってしまえば「ブラニー村」にある1級畑を除けば、ムルソーには6つしか1級畑は存在せず、そのひとつこそがこの「レ・ポリュゾ」なんですから・・当たり前と言えば当たり前です。
因みにPKさんは、こんな言い方をしています。
「ル・ポリュゾ7haはレ・ジュヌヴリエールのすぐ北寄りで、上ものムルソーのひとつ。ル・ポリュゾはレ・ジュヌヴリエールとあまり違わないが、優雅さでは及ばぬものの熟した味わいも強く、芳醇で魅力たっぷりの豊かなワインである。」
明日香出版 バーガンディ(ブルゴーニュ)より抜粋
たしかに、コント・ラフォンの本当に素晴らしいグット・ドールのような、ナッツや木の実のフレーヴァーの芳醇な味わいや、最近のルーロのレ・ブシェールなどのワインが放つ「純粋さをマッタリと表現しているような独特な美しさ」と同様だとは言えはしません。
しかしながらラフォンのグットドールも、ルーロのブシェールも、安くても3万円台ですし、最近のルーロのブシェールなどは海外市場でも目の玉が飛び出るほどのプライスが付いています。日本円にすると8万円とか・・です。noisy も正規で購入できると今のところは3万円代ですが、今後はどうも仕入すら厳しいようです。
非常に密な組成で、適度なマッタリ感、オイリー感が有り、黄色い果実がたんまり、それでいて大きさだけを訴えてくるような「わがまま」なタイプでは有りません。
勿論、すぐに開けても、相当な柔らかさが有り、果実も有りますから、ミネラリティのマンモスさに辟易することもありません。ブーズローらしい柔らかさと香りのスピードの速さが充足感をくれます。実に美味しい思いをさせていただきました。
今のところ2017年ブルゴーニュは、シャルドネも当たり年なのかな?・・と感じています。是非飲んでみてください。旨いし、何よりムルソー1級でこのプライスです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【滑らかなのに新鮮、香りのスピードも!・・二次発酵をした高級ワインの出来立ての美味しさも新たな楽しみなのかもしれません!】

ムルソーの素晴らしい1級畑ものは、他の村のシャルドネに比較すれば、まだまだリーズナブルです。これをピュリニーで比較しよう・・なんて考えてしまうと、かなりの予算を計上しないとならなくなってしまいます。
畑の違いをどう考えれば良いのか・・まぁ、全て飲んで・・すべての造り手とその持ち畑を全て飲んで記憶すれば良いだけですが、人間は中々そうは出来ないものです。まずは位置関係かな・・と思いますよ。
ピュリニーとの境の南側から行くと判りやすいと思います。アバウトにですが、南端の下がレ・シャルムでその上がレ・ペリエール、その両者の北側がジュヌヴリエール、その北側がこの「ポリュゾ(3区画あり)」で、その上に「レ・ブシェール」、その両者の北側が「レ・グッド・ドール」です。これが大まかに言って、重要な1級畑です。勿論、他にも幾つか有りますが、今回は・・すみません。
noisy もジャン=マリ・ブーズローさんちの「1級レ・ポリュゾ」を飲んだのは今回が初めてです。で・・ちょっとビックリしました。想像していたのとだいぶイメージが異なっていたんですね。
一般的にはレ・ポリュゾのワインは、かなりのミネラリティの強いワインで、真上のレ・ブシェールや北隣のレ・グッド=ドールの豊かさとは、また違った「ハードな・・」「やや硬めな・・」「大理石的ミネラリティがほとんどを占めるような・・」と言いたくなるようなイメージだったんですね。
ところがですね・・エージェントさんの説明にもある通り、
「ピュリニー=モンラッシェを思わせるような・・」
柔らかさとフィネスを持った、ムルソー1級群の中では比較的早熟だと思わせるような、「愛想の良さ」を持っているんですね。
確かに、レ・ブシェール(リリースしているドメーヌは少ないです)は、ガチガチに硬さをアピールしてくるものと、豊かさを感じさせるものの両方が有るように思います。それでいてやはりミネラリティはしっかりしていると思います。
北側のレ・グット=ドールはとても豊かで大柄なワインと言う理解をしています。まぁ・・洗練されているな~・・と感じることは多くは無いですが、当たったグット=ドール・・・適度に締まっているタイミングでしょうか、これは素晴らしいと思います。基本的には豊かな感じです。
この2016年のポリュゾは・・こればちょっと確かにピュリニー1級かと勘違いしてしまいそうなニュアンスです。アロマは膨らみが有って、多くのムルソー南側の1級畑が見せる大理石的なニュアンスが少な目なんですね。
蜜とやや熟れた柑橘が有り、レ・ペリエール的な表情を1/5~1/4ほど持っているような感じです。勿論ですがレ・ペリエールのような、石の集合体のような厳しいミネラリティを見せつけることは有りません。豊かなんですね・・レ・グット=ドールのような豊かさ・・ですが、それよりも洗練された美しさを感じます。
そう言ってしまうと、ピュリニー1級と表現するのも全く同感で、終盤に見せるハシバミのようなミネラリティの表現から、
「・・いや、ムルソー1級かな・・良い年のレ・ジュヌヴリエール?」
と言うような判断も有るかもしれません。
さりとて、イヴ・ボワイエ=マルトノのレ・ジュヌヴリエールのような緊張感の連続で痺れてしまうようなものでも無い訳ですから、もしこれがブラインドで出されたとするとかなり悩むことになってしまいそうです。

で、出来の方ですが・・これが非常に素晴らしいんですね。
「凝縮感が有ってタイトでムルソーの本質を見せていて・・・・」
と言ってしまうと、これは「嘘」です。それだと全く違う感じになります。
勘違いされるかもしれないことを恐れずに言ってしまえば、
「2005年もののような雄大である種の大らかさと健康美を持ち、非常にバランスの良いピュリニー的な表情さえ感じさせる優雅なムルソー1級!」
とするのが良いかな・・と思います。これはかなり・・美味いです。今飲んでも行けちゃいますよ。
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2022 Meursault-Charmes Premier Cru
ムルソー=シャルム・プルミエ・クリュ
【1級レ・シャルムのエレガントさをより強調した2021年ヴィンテージ!・・でも2020年もののややグラマラスな一面も抱えています。素晴らしい出来!】----すみません・・開けすぎなので2022年ものはテイスティングお休みです。以前のレヴューです。

入荷数は3本です。・・3本ですよ?・・それほどまでに生産が少なかったと言うことで、おそらく割り当ての無いショップさんも多かったんじゃないかと推測していますが、Noisy wine はその少ない入荷数では有ったんですが・・ちゃんとテイスティング出来たんですね。
まぁ・・フィネスさんのご協力有っての出来事なんですが、飲ませていただきました。有難うございます。何せ、畑にもよりますが遅霜の影響で50~90%減とのことですから・・
「ほとんど造れなかった畑が有った」
と言うことなんですね。
割り当てを見てみましたら、いつもは入って来ていたピュリニー1級のフォラティエールが無かったので、相当ヤバイ収穫量だったかと推測しています・・その辺りの詳細は聞いてはいませんが。
2020年と2021年のグラスの写真を比較して見てみましても、どちらがどっちか・・判らないでしょう?・・実際、余り変わらないように思います。

敢えて言うなら2020年の方がやはり若干甘めで、2021年ものがややドライかと・・言う感じの印象です。
2021年のレ・シャルムは、緊張感を持った非常に細い糸を撚り合わせたようなテクスチュアに、白く細やかな粉にしたようなミネラリティがふんだんに感じられます。
この1級レ・シャルムは、上部のレ・ペリエールほどの急な斜面ではなく、穏やかな傾斜に有るのも・・このレ・シャルムの姿に転写されているように思います。
自然の摂理では、
「上にあるものは下に落ちる」
訳でして、レ・ペリエールの薄っぺらな表土は風に飛ばされ、蹴飛ばされてレ・シャルムの方に落ちて行きます。レ・ペリエールの「石のニュアンス」までは大量には落ちては行かない・・表土の下にあるので・・ヴィニュロンたちは、貴重な表土を拾いに行って元に戻す・・と言うような作業も行います。
なので、ある意味・・レ・ペリエールこそはグラン・クリュで有り、レ・シャルムは1級そのまま・・で有り、レ・シャルムはレ・ペリエールのお零れをいただいて成長して来た畑である・・とも言えるかと思います。
noisy も、名前は大きくても余り期待していなかった1985年のクロ・デ・ペリエールが20年ほど経過した時に飲んで、
「・・なんじゃこりゃ~!」
と・・そのこってりとしたバターのニュアンスの・・余りの素晴らしさに驚いたことを覚えています。
レ・シャルムでその近いものにまで出てくる機会には出会ってはいませんが、バタール直下の畑などで素晴らしい目に会ったことも有りますし、バタールだけれどシンプルなバターだけ・・みたいな・・少し残念だったことも有りますし、バタールなのにどう考えてもモンラッシェにしか思えない・・いや、同格で庶子ですから、勿論有り得る訳ですが、その辺りが非常に楽しいのがワインだと思っています。
1枚目の写真をご覧いただけましたら、
「2021年のジャン=マリー・ブーズローの1級は、出来としてはむしろ良い方に出た」
とお判りいただけるでしょう。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【言ってみればムルソー1級レ・シャルムの南隣はピュリニーの凄い1級群ですから・・でも、レ・シャルムはレ・シャルムらしい、見事な出来の2020年でした!】

美しいです・・。もう溜まんないです。何とも化粧(ケワイ)なゾクゾクするアロマです。ミネラリティも半端無い・・がレ・シャルムらしいエレガンスに満ち満ちています。中域も適度に拡がってくれ、ま~・・余韻が・・凄く長いですし、そこからの果実感の戻りとノーズへ抜けて行くアロマに・・クラクラしてしまいました。
「・・これで・・どこに不満が有ろうか・・」
思い起こせばその昔、こんなに美味しいムルソー=シャルムなんて・・そう易々とは当たりませんでした。
そりゃぁ有名なドメーヌの、良いタイミングを見計らったワイン会などでは、
「・・凄い・・」
と思いながら飲んでましたが、ちょっとタイミングがズレていたりすると、そんな著名ドメーヌのレ・シャルムでも・・
「ウン・・ともスンとも・・言わず・・」
と言うような状況に何度も出くわしました。
ましてや、余り有名ではない造り手さんの発掘をしている時など、リリース直後のムルソーなどを飲んだ日には、シャバイか、樽臭いか、全然なってないか、コンディションが悪過ぎて何も判らないか・・などで散々な目にも合った訳です。
ですがこの10年。
いや~・・美味いですよ・・シャルドネに限らずブルゴーニュワインが。相当に底上げされていると感じます。
このジャン=マリ・ブーズローだって、下手すれば昔のコント・ラフォン並み・・かとも感じたりしますが、兎に角良きにつけ悪しきにつけ、海外メディアが何にも言わないので、人気になっていないだけ・・とnoisy は思っています。

で、この2020年レ・シャルムを飲めば、まさにムルソー=シャルムのちょっと上の方の畑・・(^^;; のイメージがバッチリで、果実感に繊細ながらも膨大で、少し「シャリシャリ」と音までしそうなくらいのミネラリティを感じさせつつ、もう少し上の方にあるテート・ド・キュヴェのペリエール的なオイリーな粘っこさや蜜に近い感じまで忍ばせてくれています。
グラスの写真でさえ、これも「ペリエールか?」と尋ねて良いような色彩を持っていますし、口にすればそれでも上出来のレ・シャルムだと教えてくれます。
この南隣はピュリニーですから、レ・コンベット辺りに接していまして、じゃぁレ・コンベットに間違えるか?・・と言いますと、多分レ・コンベットだとは言わないと思うんですね。
おそらくですが、2020年のこのレ・シャルム...相当素晴らしいと感じました。いや、2020年のジャン=マリ・ブーズローがどれもこれも秀逸で、レヴューが散漫になってしまったかもしれず申し訳ありません。是非飲んでみていただきたい・・素晴らしい出来の2020年でした。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【レ・シャルムらしいエレガンスがムルソーの厳つさを優しくエレガントに包んでいます!2019年ものも滅茶美味しいです!】
2019年もののジャン=マリ・ブーズローのシャルドネは本当に美味しい!・・1級クラスは完売せずに残ることも有るんですが、いや、勿体ないと思いますよ。
ねっとりとしつつも優しさと包容力が有り、その上に、高域に伸びて行く見事なアロマが有ります。滅茶美味しい・・しかも全然高く無い・・(^^;;
先日、ワイン屋仲間の一人と電話で話していまして・・お互い、歳取ったね~・・みたいな話になったんですが、noisy 的にはその人は、どちらかというとボルドー舌で、言ってみれば少し濃い目が好みで、テクスチュアは二の次・・みたいな感じのテイスティングコメントをする人なんですね。
その人から、
「最近のブルゴーニュは、美味しいっちゃ美味しいけど、強いんだよね~・・ちょっと疲れてしまう・・」
などと声が出て来たので、
「(・・お前がそれ、言うのか~!)」
みたいな・・ね・・(^^;;
まぁ、昔から一緒にテイスティングしていましたので、大体判っているんですよ。でも、昔は・・70年代~80年代のブルゴーニュワインは、もっとずっとエレガントで、悪く言えばチャーミングで・・いや、今は良い意味でチャーミングと言う場合が多いようでは有りますが、昔は誉め言葉では無かった・・ですし、悪態をつくなら「・・薄い!」と言っていた訳でした。
しかし、そんな中にも素晴らしい表情が隠れていたり、長く閉じこもって何も放出しないと見ていたワインがいきなり物凄い芳香を発してくるのを見るにつけ、ブルゴーニュワインの魅力にはまっていった訳ですね。
なので、お客様によりましては、
「ん?・・パワフル?・・このワインのどこが・・?」
と、noisy のコメントに違和感を覚えられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、たった30年~40年前の話なんですよね。それが今に繋がっているんです。昔は、
「凝縮したワインを造ろう!」
なんて考えは、ブルゴーニュには無かったんじゃないかとさえ思っています。それをPKさんが変えた・・そう思っています。
そこから言うならば、このムルソーは13%のアルコール分で、その頃の良い出来の年の1級クラスムルソーとほぼ同様です。何も変わっていません。それでいて、樽はしっかり使用し、粘性のある大きなムルソーをピュアに、エレガントに、しかしちゃんとマッタリ感を持ってシャルムらしい微細な表情を見せてくれます。
素晴らしい出来だと思います。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【少し透けた白いドレスが滅茶色っぽいです!素晴らしい出来!レ・シャルム2018年!】
滅茶美味しいです~!・・何だろう・・ジャン=マリ・ブーズロー史上、今までで一番美味しいレ・シャルムです。黄色い柑橘果実に包まれているのに、透明感の在るクリスタル的なものと、どこまでもどこまでもすり潰したような真っ白な石灰感が感じられます。飲み進めて行くと、
「実はわたし・・脱いでも凄いのよ・・」
と言わんばかりのボリューム感もあることに気付きます。
ほんのりと蜜のニュアンスのトッピングと、透明感、真っ白、黄色、そして正に甘美だと思わせるアロマと味わいには、レ・ペリエールに寄り添って支えているかのようなレ・シャルムと言う1級畑の素晴らしさを強く印象付けてくれます。
ワインを楽しむ時に、確かにワインが語り掛けてくれる言葉に没頭して自分なりの翻訳をするのも楽しいですが、自身が知っているその周りの畑の事を思い出してみて、共通点とか、異なる点などを取りに行くのも非常に面白いですよ。
険しい上部のレ・ペリエールと、その下にあるレ・シャルムは直下がレ・シャルム・ドスュ、その下がレ・シャルム・ドスーなので、
「ジャン=マリ・ブーズローのレ・シャルムはドスュ(上方)、ドスー(下方)、のどっち?」
などと思いを馳せていたり・・します。後で新しいテクニカルを読んでみたら、中央付近と言うことなので、おそらくドスーの上部かな?・・なるほど・・などと勝手に解釈している訳ですね。でも、そのように自分なりに結論付けて置くことが重要です。そうすれば後で思い出すこともできますし、もし間違っていたとしても、結論を出していなければ間違ったことにも気付かないし、さらにはどこで道筋を読み違えたかなどは、全く持って判らなくなってしまいますから・・。特にワインの知識を深めたいとか、テイスティング能力を高めたいとか・・思われていらっしゃる若い方には、
「推測から導き出した答えで必ず一旦決めつけて結論すること」
「確信のないことを他人には押し付けないこと」
「間違いの道筋を反芻すること」
で、それらは解決すると思います。・・あ、その前に、
「色々沢山飲める環境にいようとすること」
が一番大事かもしれませんね。
あ、写真は右側が見切れてしまっていて・・すみません。余りにテイスティングアイテムが多く、あっちに動かし、こっちに戻しで写真を撮らざるを得ず、気付いたら後の祭りでした。
価格もレ・シャルムとしますとほぼ最安値でしょう。是非・・ポリュゾと比較してみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスタルと大理石の見事な融合!今も旨いが先行きも安泰!硬くなり過ぎて飲めない・・と言うことは無いでしょう!エレガンスも凄い!】
こちらは割り当て分からnoisy持ちでのテイスティングです。ブーズローのシャルドネのテイスティングは本当に嬉しい!・・noisy もそうですが、ムスッとしつつスイスイと貴重なムルソー1級シャルムを飲んでいるカミさんも、実は内心、滅茶楽しんでます。彼女には
「価格は全く関係ない」-->「自分が美味しいと感じられれば良い」
と言うような図式ですから。ボトルが空くのが本当に早い・・いやいや、クレームじゃないんですよ。楽しんでいただけるならそれが一番なんですから。
このムルソーの最南端にある1級のレ・シャルムは、上部と下部でミネラリティの出方が異なるんですね。単純には、最上部に近いほどミネラリティは細やかに、厳しくなり、若いうちの果実感は抑えられ気味です。下部に行けばやや大粒になり、果実感は早めから出てくる感じとも言えます。
上部はペリエールに接していますから、時により、レ・ペリエール的「蜜」のニュアンスが入りますし、その際にはミネラリティは物凄いことになります。
ブーズローさんの持ち畑の位置が判らないので、あくまで想像ですが、中間から下辺りかな?・・もしくは上部を少し持っているなら、下部とのブレンドか?・・などと感じます。
細やかに粉砕された石灰、大理石風のニュアンスに、ガラスやクリスタルのミネラリティがコーティングされているイメージです。若いレ・シャルムとしますと白っぽい果実や、やや黄色味を帯びた果実のニュアンスはたっぷり目で、南に接するクリマのピュリニー=モンラッシェ・レ・ルフェールとの共通点が思い当たります。
ペリエールのような凄い粘性のあるものでは有りませんが、高質なレ・シャルムらしい少しマッタリと感じる粘度が心地良いです。
また一般的なムルソーが持つ「ガチガチに硬いニュアンス」とは異なり、ちゃんと「こっちを見てくれている感」が開放感のように感じられます。さすがに抱擁されているまでは、まだ至ってはいないように思いますが、それでもま~・・危険な飲み口なので、スイスイ飲んでしまいますが、ふと口内に乗った液体を口蓋ですり潰してみると、相当なポテンシャルをも感じさせてくれます。
色合いも実に良いです。薄~~い緑を感じさせてくれるイエローが見えます。写真はちょっと白くなり過ぎているかもしれませんが、本当に薄緑なんですよね・・。
とても美味しいです!今開けても・・5~10分後には満足できる状態に持って行けると思います。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!まさに「エレガンスを纏った健康的でポテンシャル高いムルソー」!・・そんなムルソーは非常に貴重です!】
旨いですね~!・・これは実に旨い。色合いも淡い緑が入ったやや濃い目の黄色が実に美しい!
「エレガンスさえ感じさせる健康的なムルソー1級」
なんて、飲んだこと有りますか?・・まぁ、感じ方は人それぞれだとしても、ここまで良いと万人受けすると思いますよ。
例えば、少し前までは独占銘柄で大いに拡売させていただいたイヴ・ボワイエ=マルトノですよ。勿論今でも素晴らしいムルソー群だと思っています。ただし・・我々の手を離れて極端に高値になってしまいましたんで。
イヴ・ボワイエ=マルトノのムルソーは素晴らしいんですが、やはり、
「ポテンシャル重視のポイントが高い!」
んですね。若くして「さっ」と飲んでも美味しい・・と言う意味合いでは有りません。ある程度の年数を寝かせないとその本質は表情に現れて来ない、「硬さの有る」ムルソーです。
ムルソーと言えば、ただでさえ他のアペラシオンに比較すれば長熟ですから、
「20年経ったら激変しますよ~!」
などと、ちょっと一瞬「真剣な真顔」になってしまうそうになります。勿論、イヴ・ボワイエ=マルトノの1級レ・シャルムもそうです。言っちゃえば「パワフル」なタイプですが、愛想が無い時に開けてしまうと「硬いだけ」になってしまう可能性が有ります。
以前、仲間内のワイン会で、
「イヴ・ボワイエ=マルトノ水平!」
をやったんですが、計画を聞いた時は、
「・・それは止めた方が良いよ」
と言ったんですが、
「いや、是非一度やってみたい!」
と押し切られまして・・。案の定ですが、パキパキのリリース仕立てのムルソー群を開けて5本目くらいからは、皆・・目が死んでました。口内・・感覚器官も超絶なミネラリティにコーティングされてしまい、飲むのが辛くなってしまったんですね・・。だから言ったのに・・(^^;; 10年以上も続けて全アイテムテイスティングをやってましたんで、経験済みだったんですね・・。結構に・・ツラいですよ。
しかしながら、このジャン=マリ・ブーズローのワイン、またこの1級レ・シャルムは、それとは異なる表情を感じさせてくれます。
勿論ですがミネラリティの厳しいムルソーのアペラシオンですから、そんな側面も持ってはいます。しかしながら、柔らかなフレーヴァーが瑞々しく、膨らみを持って出迎えてくれますから、思わず「にっこり」してしまうんですね。
ムルソーらしい大理石的ニュアンスに、黄色い柑橘果実がふんわり、小さなカプセルに入った蜜・・もしくは花に鼻を近づけた時の蜜のニュアンスが乗り、白亜な石灰感に混じる白い花、ハシバミのニュアンスが有る中程度のボディ感、そこにまた繊細なアロマがノーズを過ります。余韻も実にエレガントです。締まってる感を感じつつも味蕾やノーズに「ホロホロと解けて行く複雑な要素」を感じさせつつ、また柑橘系果実の還りのアロマが入り込みます。
まぁ・・「愛想が良いのは何とか」とも言いますが、2005年もののワインのような「健康美」を持ちつつ、エレガンスをちゃんと見せてくれる1級ムルソーなんですね・・。しかも価格がこれですから、是非お勧めしたいです。飲んでみて下さい!
以下は以前のレヴューです。
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【ムルソー・シャルムとは、こんなアロマになるのが普通なんです!】
非常にシャルムらしい・・ムルソーでした!・・久々に本格的なレ・シャルムを飲んだと・・思います。
あ、お間違いの無いように・・こちらのシャルムとピュリニーのフォラティエールは2014年です。
昨今は、醸造技術の発達の性か、栽培も関係あるのか判りませんが、以前は、こんな・・ちょっと火打石のようなアロマが混じると・・レ・シャルムかな?・・・なんて思っていた時期が有ります。まぁ、間違い無いとは思うんですが、近年は余り出会わなかったんですね。ピエール・モレさんとか、え~・・誰だっけ、マトロとか、その辺を飲むと必ず感じていたので、それってシャルムの特徴だと思っていたのに、中々再現出来ないでいたんですね。
非常に緻密で、細やかな白いミネラリティがたっぷり有ります。ノーズには火打石っぽいアロマが飛び込みます。
2014年の性か・・今はだいぶ、締まっちゃってますね。1~2年ほど置かないと豊かなボディには出会えないかと思います。中盤以降は普通のムルソー村名のような振舞いをします。余韻の力強さはミネラリティが大きいので、少しポテンシャルは取れると思いますが・・。
レモン・・かな・・マイルドなレモンのニュアンスですね。グレープフルーツほどはダレ無いです。ほんのりと果実の皮の感じも伝わって来ます。ポテンシャルは高いが、今すぐ飲むのはどうかな?・・と言う感じです。
2017年の秋口からか、2018年の春以降から飲み始めるのでしたら良いかと思います。ご検討くださいませ!
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2022 Meursault 1er Cru Goutte D'or
ムルソー・プルミエ・クリュ・グット・ドール
【日本初登場!・・グット・ドール!・・とんでもなく旨いです!まさに万華鏡!】

フィネスさんにいただいたヨレヨレのエチケットのテイスティング分を飲ませていただきました。良い感じに膨らんでいる状態でテイスティングさせていただきましたが・・
「うわ~・・すっげ~・・」
としか言えないほどに繊細で、しかもリッチさがめちゃ上品で・・遠い昔になってしまいましたが、コント・ラフォンのグット・ドールを・・少し涙目で思い出しました。
やはり1級グット・ドールは、グット・ドールにしか出せない凄いバランスを持っていると再認識してしまいます。
ムルソーのテート・ド・キュヴェ・レ・ペリエールは濃密で、お隣のピュリニー1級の持つ豪奢なニュアンスを持っています。
しかし・・グット・ドールは物凄いバランスの良さ、ムルソーの魅力を全て網羅し、しかも上品に表現してくれる1級畑なんですね。
ミネラリティも・・やはり村のほぼ中央に位置していることも有るのかもしれませんが、北部の粘土がまぁまぁ存在する感じと、西部のバリバリにハードな大理石なミネラリティ、南部の柑橘果実たっぷり、そして超オイリーな高質感、それらを繊細に・・上品にバランスさせているのがグット・ドールなんでしょう。

だからグット・・来ちゃう?・・これは書いちゃいけないやつでしたね。すみません・・。
やはりムルソーの魅力は「ムルソー的な多様性」です・・いや、noisy はそう思っています。
ムルソーって・・実は味わいは非常に幅広い訳です。でも飲めば・・
「ん!・・絶対ムルソー!」
ってなる訳ですよ。
でも隣に違うムルソーを置いて比べると、それも絶対にムルソーだとは判るんですが、
「・・あれ?・・全然違うじゃん・・」
と言うことに気付く訳です。
それに加え、「熟成」です。10年ものと20年ものでは・・とんでもなく違ってしまいます。下手すれば同じ造り手のヴィンテージ違いだと気付かないかもしれません。それほどまでに表情が異なって来るんですね。
この2022年の1級グット・ドール・・飲めばジャン=マリが素晴らしいドメーヌだとご理解いただけるでしょう。そして四半世紀は最低でも熟成し、40年ほど生き残ると思います。そしてその感はその都度、異なった表情を見せる・・
「ムルソーの万華鏡」
と言いたいです。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!
ドメーヌ・ミシェル・グロ
ミシェル・グロ
フランス Domaine Michel Gros ブルゴーニュ
● 2022年もののミシェル・グロをご紹介させていただきます。量的には2021年ものよりは回復しましたが、上級キュヴェはむしろ「少ない」です。
そして、グロ・フレールとの貸借契約が切れまして・・なんと、
「リシュブールとエシェゾーが戻って来た!」
んですね~・・。
なので、2022年ものでリバイバル?・・復活したリッシュブールが届いています。もちろんエシェゾーもです!・・
価格の方も・・上がって来てはいますが、頑張って耐えて抑え込んでいますので、余り高くなっていないように見えると思います。ぜひご検討くださいませ!
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少なすぎてどうなるかと思われた2021年のドメーヌ・ミシェル・グロです。下級キュヴェは少ないながら何とかテイスティング出来るレベルで入荷しましたが、村名以上はそれぞれ片手に収まるほどしか入荷しませんでした。1本・・なんて・・初めての経験です。
ですが2021年のミシェル・グロは、一番下のA.C.ブル・コート=ドールからして・・
「エレガントでエキスが凝縮、美しいスタイルで惚れ惚れする出来!」
です。
リアルワインガイド第84号も、
「(要約すると) 黄金のヴィンテージ」
と・・言ってます・・(^^;;
まぁ・・その辺はぜひリアルワインガイド第84号を読んでいただけましたら幸いですが、
「ミシェル・グロの2021年は、マジで旨い!」
です。
飲めたアイテムは限定されますが、飲まなくても・・想像できてしまうんですよね・・。
オート=コートもそれぞれ異なる味わいですが、ま~・・美味しい!・・今飲んでもおいしく、今後20年間は行けると思います。
しかも今回はできる限り頑張って・・価格を出しています。大変ではありますが・・やはりどうしても飲んでいただきたい!・・その一心です。もしかしたら、
「ミシェル・グロ2021年は過去最高・・かも・・」
と思っています。ご検討くださいませ!
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2020年のドメーヌ・ミシェル・グロをご案内させていただきます。すでにミシェルの息子、イケメンのピエール・グロさんの加入・・承継により、新たなスタートを切っている訳ですが、それがポジティヴな影響として表れていることを素直に感じられる2020年ものです。
多くのヴォーヌ=ロマネの生産者たちが、滅茶濃密なワインに仕上げているのに対し、ドメーヌ・ミシェル・グロは・・
「エレガンスを感じさせる従来のミシェル・グロのエキスたっぷりながら美しい味わいを踏襲」
していながら、
「ピュアさだけに留まらない・・柔らかで繊細な表情」
を生み出し、
「2020年ものの強さよりもミシェル・グロらしさを表現」
出来ていると感じます。
もう・・オート=コート・オ・ヴァロンなんて、滅茶苦茶美味しいですよ。シンプルなオート=コートも実にエレガントで愛らしい味わい・・。フォンテーヌ・サン=マルタンに至っては、以前から持っていた「精緻さ」に磨きを掛け、「官能さ」の卵さえ持っているように感じられます。
上級キュヴェは、余りの入荷量の少なさに・・村名までのテイスティングになりました。村名以上は全て「バラ」の入荷数です。本来はとてもテイスティング出来ない量ですが、何とか2本は開けさせていただき、上記の2020年のミシェル・グロを確認させていただきました。
2020年ものとしては格別のエレガンスを得たミシェル・グロです。価格も上昇したとは言え、まだまだ非常にリーズナブルです。是非ご検討いただけましたら幸いです。
「ヴォーヌ=ロマネの良心、ミシェル・グロ」から「氷のミハイル」誕生!・・素晴らしい2019年ものはクロ・デ・レア160周年も重なりました!
「・・クロ・デ・レア160周年は知ってるけど、氷のミハイルって・・何?」
・・有難うございます・・いわゆる、「掴み」と言うやつですね。まぁ、「えっ?なんだぁ?」と思わせておいて論を展開する・・みたいな・・最も、そこは正しい論であるかは時と人によるかと思いますが・・。
2019年のドメーヌ・ミシェル・グロは、1990年生まれの31歳?の息子さん・・ピエール・グロさんにドメーヌを移譲されたヴィンテージと言うことなんですね。
で、noisy も、数量は無くてもグレートイヤーは間違い無しの2019年ものを、あのミシェルさんの息子のピエールさんがどのようなワインに仕立てたのか、興味津々で到着を待っていました。
そして・・飲みましたよ・・そして、2018年までの親父さんのワインが持つ「優しい暖かさ」を、と有るもので包んだかのような見事な味わいに感心しました。と言うか、ファーストヴィンテージの2019年ものですでに自身のワインのアピールがちゃんと出来ていることに、驚きを感じました。その「有るもの」とは?・・
そう・・親父さんミシェルの味わいをしっかり継承しながらも・・
「クリスタルガラスのような非常に冷ややかなミネラリティで優しい暖かさを包んだ見事なエキス系旨口ピノ・ノワール!」
に仕上げていたんですね・・ですので、その有るものとは、
「
クリスタルのようなつやっつやの冷ややかなミネラリティ!」
なんです。
これ、飲まれる人により、どんな表現をされるかは異なると思うんですが、noisy 的にはもう・・これしか無いです。ワインが非常に冷ややかです・・そして酸バランスが物凄く良い・・完全エキス化された見事な味わいから、どこかルーミエさんを思わせるようなシャンボール=ミュジニ・・だったりする訳ですね。
なので美味しく無い訳が無い・・2018年のミシェル・グロも美味しかったでしょう?・・最後まで売れなかったシャンボール=ミュジニ村名2018をお飲みになられた方は、おそらく余りの美味しさに驚かれたと思います。noisy は・・ずっと思ってました。むちゃくちゃ美味しいと書いたはずなのに売れ残っているのは何故?・・と。でも、残り物には福が有ると言うことだったのでしょう。そのシャンボール2018年を、2019年ものは・・
「冷ややかに横を通り過ぎ、上の方に行ってしまった・・」
ような感じなんですね。
まぁ、ルーミエさんを持ち出しましたが、ルーミエさんよりはやや果実は黒みを帯びていますし、ミネラリティの出方が違います。ですが、全体的なトーンとしては結構近いと思います。
で、そこで疑問に思われた方も多いですよね?・・そう、
「・・何?・・氷のミハイルって?」
知っていらっしゃる方も多いかと思いますが、そう・・
「埼玉県人にはそこら辺の草でも食わせとけ!」
と映画の中で言わせた「翔んで埼玉」の作者、魔夜峰央さんの漫画「パタリロ」の登場人物の一人なんですね~・・あ、因みに埼玉県人はそんなことじゃぁ誰も怒りません。クレヨンしんちゃんの町、春日部のスーパーは何と、
「そこらへんの草天丼」を売り出し、スタンプラリーで
「通行手形!」
にスタンプを押してもらうと言うような町興しをして大評判になっている・・と言うほど逞しい県民性です。・・因みに通行手形は、
「埼玉から東京に行くには通行手形が必要」
と映画の中で言われているので、そのようにされているそうですよ・・凄いですね~・・。
で、その「氷のミハイル」・・ミハイル、ミヒャエル、ミカエル、ミシェルは皆、元は「大天使ミカエル」の名をいただいているので、イコール、「氷のミシェル」です。その登場人物のミハイルは、自分の体温をマイナス35度まで自由に変化させられると言うキャラクターなものですから、ついつい・・何本も2019年のミシェル・グロをテイスティングするうちに、昔読んだ漫画を思い出してしまったんですね。脱線しまして申し訳ありません。
2019年のミシェル・グロ、ピエール・グロは是非とも飲んでいただきたいと思っています。ブルゴーニュの良心、あのミシェル・グロの世代交代です。2019年は収穫が半減以下で、Noisy wine の入荷も激減、価格も10パーセント以上、上昇しています。それでも・・こんなプライスです。
160周年のクロ・デ・レアは巷では結構に高いプライスで販売されていますが、Noisy wine はいつも通りの値付けです。A.C.ブル・・滅茶苦茶美味しいですよ。この冷ややかさ、氷のミハイルを是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
【2019年ヴィンテージについて】 冷涼な春に続き、暑く乾燥した夏が訪れた2019年の収穫は、タイミング的には一般的な9月下旬の日程にとどまり、ブドウの熟度と凝縮度においては特筆すべき水準に達しています。
2018年~2019年にかけての冬は類稀な穏やかな気候で、凍結や霜は殆ど見られないほどでした。そのため3月末にはブドウの樹々は早くも息吹の気配を感じさせ始めました。強運なことに4月、5月はむしろフレッシュな気候たっだので、芽吹きのタイミングやその後の成育速度は修正され、6月15日頃に開花のピークを迎え、9月25日前後に収穫になるだろうと言われました。
開花のタイミングはまちまちで、雷雨の影響で花が落ちてしまったり、所々結実に至らない果粒を含むミルランダージュの房がつきました。しかし、開花期を過ぎると好天に恵まれ、ブドウはぐんぐん育ち、葉や枝が茂っていきました。7月、8月は暑くて乾燥していましたが、7月末の雷雨が水不足のストレスからブドウを守ってくれたので、成長障害を起こすようなこともありませんでした。
8月末にブドウは熟し始め、その数週間先までの天候予測を見たとき、当初9月23日に予定していた収穫を、ほぼ一週間早めることを決断しました。9月に入るととても暑くなり、ブドウの熟度は目に見えて進んでいきました。
収穫は9月17日に開始し、27日にオート・コートで終了しました。2018年と同様に醸造所に運び込まれたブドウは非の打ちどころなく健全で、選果はほとんど必要ありませんでした。残念だったのはコート・ド・ニュイでは、2018年の収穫量に比べて約3分の1ほど減少してしまったことです。これには微妙な開花期と夏の雨量の少なさが要因に挙げられます。賞賛に値すべき熟度、完璧なる健全さ。そのようなブドウから醸されたワインは、リッチであると同時にピュアでフレッシュさがあり、見事なバランスになっています。
2019年を過去のヴィンテージと比較するなら、2015年や2018年の太陽の年、完熟に達したブドウの持つ光や輝きを感じさせるワイン、充実した酒質がしなやかにタンニンを包み込み、味わいの凝縮が傑出している年と言えるでしょう。

■ Michel Gros ミシェル・グロ (1956年生まれ)
1975年、ミシェル・グロはボーヌ市のぶどう栽培醸造学校を卒業し、父ジャンと共に家業のドメーヌで働き始めました。そして1978年には、それまで通り父ジャンの片腕となって働きながら、一方で自分自身のドメーヌ(ドメーヌ・ミシェル・グロ)を設立しました。父方の2ヘクタールのブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイからワインを醸造し、彼自身の名義でワインを販売し始めたのです。つまり1979年がミシェルにとっての最初のヴィンテージになります。年月とともにミシェルは自分のドメーヌを拡大していきました。
フィロキセラ禍の打撃のあと放置されていたオート・コートの丘に新たに苗木を植えつけたり、1990年にはヴォーヌ・ロマネ《オー・レア》を、1993年と1996年にはシャンボール・ミュジニーのいくつかの区画を、そして1995年にはモレ・サン・ドニ《アン・ラ・リュ・ド・ヴェルジィ》の区画を購入したりしました。1995年、ジャン・グロが引退し、子供たちにドメーヌを分け与えました。父と共にドメーヌ・ジャン・グロの経営にずっと携わってきたミシェルは、次の畑を譲り受けました。
ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ《クロ・デ・レア》モノポール、ニュイ・サン・ジョルジュの二区画、ヴォーヌ・ロマネの一区画、そしてブルゴーニュの一区画です。1997年、地主のエカール家はミシェルにヴォーヌ・ロマネとニュイ・サン・ジョルジュにある3.5ヘクタールの畑を委託しました。続いて2008年に2.5ヘクタールのオート・コート・ド・ニュイの畑も委ねました。ドメーヌ・ミシェル・グロは今日、総じて23ヘクタールの畑からワインを生産しています。
■ Pierre Gros ピエール・グロ (1990年生まれ)
エンジニアの学問を修めた後、パリで最初の職業に就いたピエールは、自らのワインの情熱と先代たちが築きあげた家業の長い歴史から、再びドメーヌに戻り、醸造の勉学を積みました。2016年、ブドウ栽培・醸造に関する高等技術士としての資格をとり、父が長年の実践で身に着けた手腕を譲り受けるべく、ミシェルに師事し、収穫と醸造に従事するようになりました。
2019年、家業に専念できるようエンジニアの職を離れました。その年から徐々に父から息子へ権限が譲られ、ドメーヌの経営と安定したワインの品質を今後ピエールが担っていけるよう全般の仕事に携わっています。偉大なワインを造るためには、ブドウ栽培と土壌を生かす事が根本になると悟ったピエールは、テロワールへの更なる理解に努め、年間通じてブドウ畑での緻密な作業に信念を持って行っています。
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2018年のドメーヌ・ミシェル・グロが到着です。エージェントさんの倉庫には2020年の11月、すでに到着していたんですが、今般の新型コロナウイルスの影響が有ったのでしょうか、2020年の年末は、
「それまで遅れていた荷」
「遅れることなく到着した荷」
「遅れることを予想して早めに手配した荷」
「その全てがヌーボー後に超集中!」
してしまったために皆さんもご存じの通り、Noisy wine も緊急出動せざるを得ない状況で、新着情報を木曜日と月曜日がフル稼働する羽目になってしまったんですね。大御所ばかりを毎週2回・・勿論ですがテイスティングも追いつかず、未発送分のお取り置き分が山のようになっていましたので、入荷の荷も大行列でした。
ですがそれでも捌き切れず、2021年も2月になってまだ、11~12月分をご紹介している状況でして、ミシェル・グロもだいぶお待たせしてしまいました。
しかしながら2021年の1月後半からテイスティングを始めた2018年のミシェル・グロのワインは、どれもしっかり休まっているのもある・・のかもしれませんが、エキスが充実して非常に美しい味わいでして、
「2017年も非常に良かったが、2018年はそれに輪を掛けている?」
と感じさせてくれるものでした。
A.C.ブルゴーニュと3種(白を入れれば4種)のオート=コート・ド・ニュイは、低価格ながら各々の個性をしっかり発揮しています。どれを飲まれても納得の味わいかと思いますが、オート=コートのオー・ヴァロンの少しコッテリとしつつエレガンスを漂わせる近しい味わいは、品温が低めになりやすい2021年の冬にはピッタリと言えるでしょう。
村名クラスは91~93+ほどで揃えたい見事な出来で、それぞれのテロワールを見事に表現しつつ、ミシェル・グロらしい充実したエキスの美しい味わいをピュアに感じさせてくれます。
1級~クロ・ド・ヴージョは入荷数が少なく、テイスティングは今のところ回避していますが、それでも下のクラスの出来を見れば、
「さり気なくいつも近くにいてくれるドメーヌだけど、実は物凄い感性を持っていて、非常に完成度も高く、年々そのピュアさとナチュラルさを高めている」
と思わざるを得ません。
他の生産者さんの2018年もののブルゴーニュワインを見れば、アルコール分のやや高い強めの仕上がりになっていたり、甘さを感じるものも散見されたりと、造り手の個性と言えばそれっきりでは有りますが、
「その年の葡萄の仕上がり具合を畑で見て、醸造具合を想像し、エレガントなピノ・ノワールに仕上げる」
ことを皆考えているとするなら、ミシェル・グロの見事な味わいは称賛に値すると思います。
改めて飲んでみて、ミシェル・グロの素晴らしい感性と個性、完成度をもう一度確認していただきたいと思います。ご検討くださいませ。
【2018年ヴィンテージについて】
非常に暑く、乾燥した春夏に特徴づけられた2018年は、ブドウが早熟し、非の打ち所なく健全に完熟したブドウが収穫できました。2017年が幕を閉じ、2018年が明けたその冬、ブルゴーニュの冬としては比較的温暖で雨がちな天候がつづき、しっとりと清涼な早春を迎えました。その時点ではこの年のブドウの成長はむしろ遅いだろうと考えられましたが、4月に暑い天候が再来。それまでの読みを大きく修正せねばならず、夏の終盤まで猛烈な勢いでブドウは成長していきました。
私たちの栽培チームは、このハツラツとしたブドウの伸びに遅れをとるまいと、仕事のペースを2倍に吊り上げ、ハイスピードで追い上げていきました。5月末になるとブドウが開花し、開花期は理想的な状態で過ぎていきました。この分だと9月初旬には収穫になるだろうと予想されました。
春、夏と雨量が足りなかったことも、私たちのブドウ畑ではそれほど問題にならず、おそらくは冬の間に地下に蓄えられた水が、ブドウの成長の供給源になったのだろうと考えられました。
7月には何度か雷雨が訪れ、9月初めにブドウが完全に成熟するための良い水分補給となりました。残念ながら、7月3日と15日の雷雨で襲った雹は、私たちのオート・コート・ド・ニュ
イの畑のブドウを傷つけ、このとき平均50%のブドウを失いました。
また、ニュイ・サン・ジョルジュのレ・シャリオの区画では、約30%のブドウを失いました。
私たちのドメーヌでは、9月4日にコート・ド・ニュイのクリュから収穫を開始し、9月17日にオート・コート・ド・ニュイの畑で収穫を終えました。収穫したブドウは文句のつけどころのないパーフェクトな状態、その中から更に良いブドウを選り抜くなど、ほとんど必要はありませんでした。
ただ、雹害に遭った区画のブドウだけは綿密な選果の必要があり、幸運にも、視覚機能を備えた選果機を使用することができ、雹で傷ついた粒をすべて除けることができました。一般年と比べてブドウが早期に成熟し、収穫期が早めに訪れたこと、そして収穫されたブドウが完全なる健全な状態で完熟していたこと、それらの好条件を背景に醸されたこの年のワインは、暑い年でもブドウのフレッシュさを保った偉大な純粋さがあり、はじけるような果実味が生き生きと表れています。これならば長期熟成を遂げるポテンシャルを秘めた偉大なヴィンテージだと、今からでも予言することができるでしょう。
2018年を一言で語るなら、太陽のヴィンテージ。太陽が与えてくれたピュアで魅惑的な味わい、きめ細かなタンニン、しなやなボディ、良質の酸。こういったヴィンテージのワインは、忍耐強くワインが熟す時を待った、愛好家たちに大きな喜びを与えてくれるはずです。「天候面」だけをとって過去のヴィンテージに例えるなら、2003年、2009年に類似性があると言えるでしょう。
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2018年は初めて、バレルサンプル試飲が出来ない年となりました。ミシェルの実直なコメントを読み解く上で【天候面では】2003年、2009年との類似点を挙げていますが比較的、保水性と収穫量に恵まれた年であり、本当に久しぶりの太陽のヴィンテージとなりました。全体的な傾向と造り手の方向を考えるならば凝縮度ではなく果実の密度があり熟成能力もある年でしょう。酸の張り出しがちなオート=コートの優位性も発揮できそうです。試飲が楽しみです。どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社オルヴォー 村岡 覚

1830年、グロ家はヴォーヌ・ロマネ村で開業する。今日では、6代目のミシェル・グロが、先祖たちの仕事を受け継いで発展させている。また、妹はDomaine AF Gros、弟は Domaine Gros Frere et Soeur、従妹は Domaine Anne Grosを経営し、彼らも同様、グロ家の家業を続けている。
情熱家であり、同時に厳しさをも持ち合わせるミシェル・グロは、ワイン造りに不断の手間をかける。畑仕事から瓶詰めに至るまで、各段階の技術を修得している。慎ましい性格の彼は、ワインを通じて自分を表現する。寛大で、繊細でエレガントなワイン。その品質は常に一定している。
ミシェル・グロと彼を支える従業員たちは、ワイン造りにおける情熱と要求の高さを、皆様にご紹介します。
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2022 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【きっと・・「ピエール君、頑張る!」と言うのが正しいんだろうと思います。以前よりもディテールの美しさ、柔らかさがプラスされた素晴らしいヴォーヌ=ロマネ村名です!】

まぁ・・お客様も色々とご存じだと思うんですが、ドメーヌ・ミシェル・グロをはじめとするグロ家・・ですね。ヴォーヌ=ロマネを代表する素晴らしいドメーヌで有ることは間違いありません。
しかし、ラ・ロマネ、ロマネ=コンティ、ロマネ=サン=ヴィヴァンと言った珠玉のクリマは持っていないものの、リシュブール、エシェゾー、グラン=ゼシェゾーなどと持ち、しかも、
「結構な大きさで良い畑を持っている」
と言うことを、身に染みては余り・・感じてはおられないかもしれません。
リシュブールはメオ=カミュゼの真下、D.R.C.の真上の区画をグロ家で占めているように持っていますし、1級レ・マルコンソールは持っていないものの、1級レ・クロ・デ・レアは占有しているんですね。
そして、アンヌ・グロ、アンヌ=フランソワーズ・グロ、グロ・フレール・エ・スール、ミシェル・グロと、
「まるでメオ=カミュゼの隣の畑はすべてグロ家!」
と言えるような状況なんです。
そしてこの村名ヴォーヌ=ロマネは、
「クロ・デ・レアの周りの畑で、ミシェル・グロならではの広域に渡った村名ヴォーヌ=ロマネを造っている」
んですね。

この村名ヴォーヌ=ロマネは、ある種の偏りのあるヴォーヌ=ロマネ村名です。決して、
「標高の高い畑の葡萄は入っていない」
と言うことなんですね。
そもそも1級クロ・デ・レアは・・上から1級レ・マルコンソール、1級レ・ショーメと来てその下に存在します。そして、ミシェル・グロの村名ヴォーヌ=ロマネは、その周りにある広域な畑をブレンドしたものですから、
「ヴォーヌ=ロマネの中部はほぼグラン・クリュ(一部は1級有り)、最上部は1級(例外は有り)」
と言う、ヴォーヌ=ロマネの完璧に特殊な構造の中で、下部のみの村名ヴォーヌ=ロマネのブレンドです。上部には・・本当に少しだけの村名畑は有りますが、狭すぎてそのリューディだけではほとんど出回りません。
そして、グロのヴォーヌ=ロマネは、その下部の北と中と南のブレンドワインになります。で、あの・・今では入手も難しいビゾさんのレ・ジャッシェもそんな村名ワインのひとつであります。
そんなリューディの特徴を、今まで以上にうまくセパージュし、しかも徐々にナチュール感の増大、So2感の減少が感じられるようになって来たのは、
「ピエール君、頑張る!」
の結果が出始めたんじゃないかと思うんですね。
2022年のミシェル・グロのヴォーヌ=ロマネは、いつものように冷涼感が有り、美しく伸びやかですが、そのほんのりとしたナチュール感、柔らかさが増大、雅なニュアンスと・・
「素晴らしいバランス感!」
を感じることが出来る素晴らしい出来です。
ジャンシス・ロビンソンさんも16.5ポイント≒93ポイントと、以前のリアルワインガイドの評点とほぼ同様か、超えるような評点を付けるようになってきました。
「スイスイと入って来て優雅なノーズと味わいを見せつつ、エレガントに消えて行く!」
まさにヴォーヌ=ロマネ村名そのものの素晴らしさです。もちろん、クロ・デ・レア的な表情もほんのり含みます。飲んでみてください。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【・・これはもう・・ミルランダージュの面影を氷のミハイルが包んでいます!大当たり!】-----6本だけなので以前のレヴューを掲載しています。
激旨です!・・まぁ確かに、ロベール・シリュグの2019村名ヴォーヌ=ロマネV.V.ほどのミルランダージュの濃度では無いにしても、充分過ぎるほどのレベル・・と言うか、実際はちょうど良くなってしまっているんですが・・氷のミハイル化で・・そのミルランダージュ的な濃密な美味しさに加え、クリスタルガラスのような、冷やかなミネラリティがコートしてくれていますので、もう無敵の美味しさです!
いや・・やっぱりヴォーヌ=ロマネのワインって・・ズルいですよね~・・もうそれだけで旨いんだから。しかも2019年のようなグレートイヤーになってしまいますと、そしてミルランダージュの粒が入ってしまうとこんなにも美味しくなってしまうなんて・・
ですがすみません、数が無いです。素晴らしく旨かった2018年のヴォーヌ=ロマネを飲まれた方は、2018年もののグラスの写真と、2019年ものの写真を見比べてみてください。色の組成自体がもう・・違う感じがすると思いますし、ミネラリティのコーティングも何となく見えるんじゃないかと思うんですね・・いや、少なくともnoisy には、そのように見えています。ミルランダージュと言えば、noisy にとってはあの神様が教えてくれた完璧な味わいです。価格もあの頃とさしては変わらないのは、これも縁なのかとも思います。
2019年ものも少ないですが、2020年ものはもっと少ない可能性が有り、2021年ものに至っては・・などとエージェントさんには脅かされています。
「・・それって・・ブルゴーニュ中心のNoisy wine にどうしろと?」
お先真っ暗ですが、やはり美味しいワインを皆さんにきっちりお届けするのが生業ですので・・頑張ります。お早めにご検討ください。相当旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【やはりミシェル・グロも至高の村、ヴォーヌ=ロマネを代表する造り手であったと、是非ご確認ください!】
グロ家と言えば、至高の畑が集中するヴォーヌ=ロマネの大ドメーヌでは有りますが、その販売方法が複数の濃くないエージェントさんに品物を供給していることも有って、
「珍しくないから・・」
と言うだけで余り飲まれないのは非常に残念なことです。
「ブルゴーニュの良心。ヴォーヌ=ロマネの基準。」
と言うのは、誰もが思うことなのでしょうが、近年はそれに加えて、
「新たな旅立ち。質感・ポテンシャルの向上。」
も感じ始めています。海外メディアはバーガウンド、ヴィノスが上値90点に過ぎず・・でもインサイド・バーガンディが92点と言うレベルで、ちょっと納得が行きませんね。派手な味わいには高い点を、美しいワインには低い点を・・と言う単純さを感じます。
2018年もののブルゴーニュワインの醸造・育成は、非常に難しかったんじゃ無いかと思うんですね。畑でキッチリ仕事ができないと、醸造に「フリーハンドな部分を持てない」ことに繋がったヴィンテージだと感じています。
ですので、14度以下に抑えつつもエレガンスの表現は素晴らしいですし、畑の個性も、造り手の個性すらもちゃんと表現出来ているのには驚きを感じます。
以前、フィリップ・パカレがアル分15度のコルトンーシャルルマーニュを仕込んでA.O.C.を名乗れなかったことが有りましたが、それ自体はパカレの「ポカ」だったとしても、もしミシェル・グロがそのシュチュエーションにいたなら・・そうなる以前に「畑で仕事をして解決済み」にしているとさえ感じます。
このヴォーヌ=ロマネも、秘蔵のモノポール、クロ・デ・レアを一回り小さくしただけ・・だと感じます。ヴォーヌ=ロマネらしい柔らかで温かい酸バランス、細やかな表情としなやかなテクスチュア、球体のように丸く、やや赤黒い極少果実を感じさせながら、一体となった味わいを見せてくれます。
2017年ものよりもポテンシャルは上と感じますが、同時期での「今飲んで点」は0.5点低い・・そう感じます。
クロ・デ・レアは5年は置きたいですよね。ヴォーヌ=ロマネ村名は、おそらく暖かくなって来た頃に一度美味しく飲めるようになり、また次の冬が来た頃からまた締まり始めると予想していますので、その後でしたら2023年から飲まれると良いと思います。ピュアで精緻、まさにヴォーヌ=ロマネの上質さを感じさせる味わいです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【やはり王者のエレガンス、ここに有り!です。】
ヴォーヌ=ロマネのワインのテイスティングは実に嬉しい・・です。その昔、まだワインの勉強を始めたばかりの頃は、ブルゴーニュの村名では最も高価なヴォーヌ=ロマネを、どうやって開けるか、いつ開けるか、その予算はどこから持ってくるか・・(^^;; と随分悩みながら、
「・・ええいっ!・・スパっと開けたれ!」
とばかりに抜栓したのは良いが、コルクが崩れてしまって・・悲惨な目に遭ったことを何となく思い出します。
まぁ、思い返せば、そのワインのボトルコンディションが良く無かったのも有り、その頃の保存方法や自分の抜栓技術がダメダメだったのも有り・・です。まだまだ造り手の違いなどには思いが至らないような日々だったと思いますが、それでも「ヴォーヌ=ロマネ」と言う響きに憧れて、どうしても飲んでみたい・・と願っていたのは事実だと思います。
そんなですから、今もヴォーヌ=ロマネのテイスティングは楽しみで仕方が無いです。まぁ、人一倍、うるさいでしょう・・嫌ですよね~・・そんなのが隣にいたら!
そうそう・・そのしばらく後だと思いますが、何とか入手したジャン・グロの1985年クロ・デ・レアを大事にしばらく大事に持ってました。ミシェルのラベルに変わる前のものなので、いつか開けようと思っていたんですが、どこに行ってしまったか・・覚えてないんですね~。
やはりミシェル・グロはミシェル・グロでした。そして、しっかりヴォーヌ=ロマネしてます。非常に精緻だし、シャンボール的なミネラリティが奥底にちゃんとあるのが判ります。
微細なミネラリティの組成が、やはりエレガントで複雑な表情を造り出しています。
むしろ、物凄くまとまっていて、今飲んでも非常に美味しい・・と言うのが裏目に出て、高い評価を得られないと言うタイプのワインです。もっとどこかのベクトルが弾けるように突出していたりしますと、
「(他の要素もいずれ出てくるか・・?)」
などと想像してしまうのが人間ですから・・。
しかし、やはり良いワインは早いうちからバランスに優れるものです。そんな意味ではこのミシェル・グロのヴォーヌ=ロマネを選ぶという判断はきっと正しいはずですよね?
リアルワインガイド第67号は、シャンボール=ミュジニー村名の92+に次ぐ92ポイント評価です。ほとんど1級並みの評価と言って良いかもしれません。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【】
輝いてますね~・・明るさの有るルビーが美しいです。今回はシャンボールとヴォーヌ=ロマネを飲ませていただいた訳ですが、何を一番感じたか・・と言うと、
「ミシェル・グロの個性と共に、テロワールの違いをハッキリ、クッキリ感じさせてくれた」
と言うことですね。
ミシェル・グロはヴォーヌ=ロマネの生産者ですから、全てがヴォーヌ=ロマネっぽく感じるんじゃないか?・・と言うようなご意見も有る訳です。
例えばシャンボールのユドロ=バイエ・・。比較的にはやや濃い目では有りますが、素晴らしい生産者ですよね。彼の場合、あまり出てはきませんが、「ヴォーヌ=ロマネ村名」も持っています。このワインは・・
「結構にシャンボールっぽく感じるヴォーヌ=ロマネ」
だと感じます。
しかしながらどうでしょう・・新樽率の関係なのか・・ミシェル・グロの場合は違うんですね。シャンボールはシャンボールなんですよ。その上でミシェル・グロを感じます。バイエは先にバイエの「紫」を感じさせますし、「ちょっとしたシャンボールチックさ」が有るんですね。
このワイン、非常に複雑ですが繊細です。大きなバランスの上では非常にまとまっており、細やかな部分がまぁ・・非常に細かく、複雑に入り混じっています。その上でヴォーヌ=ロマネらしい柔らかな酸としてのバランスが有ります。
ミネラリティの組成も細やかですから、スパイスや花、果実、鉄っぽさ、チリチリとした金属系のニュアンス、シガーっぽさなど、たっぷりとノーズを刺激してくれます。まぁ・・嫌いな方はいらっしゃらないでしょう。
凄みでは無く繊細さで飲ませてくれます。是非飲んでみてください。お勧めします。
以下は以前のレヴューです!
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【滅茶苦茶美味しいシャンボール村名!これは是非飲んでみてください!同格のヴォーヌ=ロマネも非常に面白い存在です!】
一般格的にはヴォーヌ=ロマネが上でシャンボール=ミュジニーはそのすぐ下・・のようなイメージが有るかと思います。ドメーヌ・ミシェル・グロのポートフォリオ的には同格・・と言うことなのでしょう。
今回、久しぶりにフルラインナップでドメーヌ・ミシェル・グロを扱うことにした訳ですが、その中でも意外にも仕入れ辛いのがこのシャンボール=ミュジニー、ヴォーヌ=ロマネなんですね。勿論、
「ん?・・そんなこと無いんじゃない?」
とおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが、より良いコンディション、味わいを求めますと結構に難しいものです。
「・・そこだけ・・美味しいとこだけ抜くんですか?」
と言われちゃうもので・・。エージェントさんもそれなりのアソートで購入しますから、バランス良く買ってくれないと困る訳ですね。でもアチコチのエージェントさんも有りますから・・ね。色んなやり方が有って難しいんです。
noisy 的にはこのヴォーヌ=ロマネ村名とシャンボール村名、そしてニュイ1級がとても好きでして、数本ずつの3アイテムのうち、何をテイスティングするかで悩んだんですが、このところしばらく飲めていないシャンボール村名を飲むことにしました。
いや~・・画質を落とした写真しか掲載出来ないのが残念ですが、実際はめっちゃ綺麗です!もっと美しいんですが腕が無い・・すみません。久しぶりに飲んで、やっぱりビックリしました。超旨いです!
まぁ、このミシェル・グロさんりのシャンボール=ミュジニー村名についてはリアルワインガイドでも太鼓判ですから皆さんもご存知かと思いますが、
「シャンボール村名のトップ」
と評価しています。
確かに・・それ以上のものを感じさせてくれるクオリティなんですが、どこか、シャンボールだけの表情とも思えないような匂いをふんだんに感じるんですよね。
肌理の細やかさはまぁ・・バッチリですし、シャンボールらしい艶々とした石灰系のニュアンスも有ります。しかしそんなシャンボールらしさは「縁の下の力持ち」的な存在で有って、むしろ、ヴォーヌ=ロマネ的な柔和でバランスの良い酸、らしい複雑性とアロマが、ワインを飲む楽しさを再認識させてくれちゃうんですね。
特にシャンボールと言うアペラシオンは、確かに果実を感じさせてくれはしますが、若い内はむしろ石灰系のミネラリティの存在が目立ちます。前面に出て来る・・と言う意味です。
しかしグロさんちのシャンボールは、粘性が有って・・つまり粘土による影響、もしくは赤い土・・のような構成からの果実だったりスパイスだったり・・が前面に来ています。
ヴォーヌ=ロマネ村名にシャンボール的な石灰の下支えのボリュームを増大させた感じ・・と言っても良いかもしれません。シャンボールの表現には余り出て無いボリューム感と言えば良いのか。良くも悪くもヴォーヌ=ロマネ的で有り、もしくはミシェル・グロ的だと言うことなのかな・・と理解しています。ヴォーヌ=ロマネ イコール ミシェル・グロ 的なものが、脳内で出来上がってしまっているのかもしれません。「標準・超スタンダード」と言うことなのかもしれません。
じゃぁヴォーヌ=ロマネはどうなんだ!・・と言うことになるんですが、こちらもやっぱり・・今回は飲んではいませんが、見事なヴォーヌ=ロマネなんですね。リアルワインガイド的には59号で、ヴォーヌ=ロマネ 90+~91+、シャンボール 91~92 と、ものの見事に、キッチリと 0.5ポイント、シャンボールが上の評価点を出しています。
まぁ、この辺は好みだと思うんですね。それに2015年は「甘い」と言うような評価が有りますが、まぁ、それがもし感じても最初のうちだけです。noisy が飲んだかぎりにおいては、このシャンボールを甘いとは絶対に言わないですし、むしろいつもよりもより好ましい・・と言うと思います。
それにね・・将来的には非常に複雑なブケをかもし出してくれるのが判るアロマなんですね・・。勿論シャンボールですから非常に長命です。ヴォーヌ=ロマネよりも長く持つでしょうし、時折へそを曲げる癖は直らないと思います。その点ではヴォーヌ=ロマネのバランスの良さは素晴らしいですから、シャンボールのような癖は無いです。良くも悪くもシャンボールは「石灰」の多分の存在が影響するんですね。
なので同格ですが、早めに飲むならどちらでもOK、ちょっと置くならヴォーヌ=ロマネ、長く置くならシャンボール・・と言うことになるかと思います。素晴らしいワインでした!超お勧めします!是非飲んでみてください。
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2022 Nuits-Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ
【リアルワインガイド第84号は、上級キュヴェのニュイ=サン=ジョルジュ・レ・シャリオと全く同点評価でした!】-----少ないので飲めていません。以下は以前のレヴューです。
すみません、村名以上はケースで届いたものは無く、すべてバラでしたので・・。2021 レ・シャリオを飲ませていただきましたので、そちらをご参考にされてください。むしろレ・シャリオの方がスレンダーで、こちらのブレンドの方がふくよかな感じの丸いパレットを描けるワインだと思います。
以下は以前のレヴューです。
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【ヴォーヌ=ロマネ村に非常に近い4つのニュイの村名畑のブレンド!・・リアルワインガイドもテイスティングは出来ていないようです!】
村名はヴォーヌ=ロマネとジュヴレ=シャンベルタンをテイスティングさせていただいた分で打ち止めでしたので、ミシェル・グロのサイトから写真をいただいてきました。
この写真の破線の右側がヴォーヌ=ロマネ村です。左側がニュイの町です。そのずっと左の方にもニュイ=サン=ジョルジュのアペラシオンが拡がっています。
写真の「葡萄の絵」の部分がこのワインで使用している畑です。上部と下部でのブレンド・・です。
で、面白いのは・・
「ヴォーヌ=ロマネ直近の畑のみで造っている村名ニュイ=サン=ジョルジュ!」
と言うことなんですね。
そもそもニュイ=サン=ジョルジュと言うアペラシオンは、この図の左側の方が全然広い訳です。ニュイ=サン=ジョルジュ村のみに留まらず、プレモー=プリセ村まで拡がっています。プレモー=プリセ村には、あのラルロのクロ・デ・フォレやクロ・ド・ラルロ、そしてクロ・ド・ラ・マレシャルなどの有名な1級畑が連なります。
で、この図の左側の町の反対側には、様々な1級畑、村名の畑が有りますが、そちらはブレンドしていないんですね・・。それが特徴かな・・と思っています。
2021年ものはおそらくもっと少ないでしょうから、またテイスティング出来ないかもしれませんが、2022年ものは何とか!・・飲んでみたいと思っています。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【すみません、こちらはテイスティングが間に合いませんでした・・非常にリーズナブルな村名ニュイ=サン=ジョルジュです!】 以下は以前のレ・シャリオのレヴューです。
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【超エレガントなニュイ=サン=ジョルジュ村名!・・むしろシャンボール=ミュジニー的なミネラリティで素晴らしく旨いです!】
1990年台の新樽100%で濃密タイプのブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ブームによる弊害だったのでしょうか。本来はエレガントな味わいの中に、各クリマのミネラリティの発露でも有る様々な表情が、微細に感じられるのが「ニュイ=サン=ジョルジュ」だった訳です。
しかしながら、その「抽出の強さ」を求めるが余り、本来は微細な表情だったものが前面に出てしまい、大柄では有るが繊細さを欠いたニュイ=サン=ジョルジュになってしまっていた可能性が有ると・・昨今は強く感じます。
メオ=カミュゼしかり、ミュヌレ=ジブールしかり、ミシェル・グロのニュイ=サン=ジョルジュ、そして1級も同様ですが、みな素晴らしくエレガントです。抽出の強さなど感じません。土むさくも無いです・・美しい土のニュアンスがほんのりと感じられたとしてもです。
硬質な、そして少し白っぽささえ感じるミネラリティを多分に含んだテカテカとした輝きを感じるテクスチュアです。ノーズには伸びやかにミネラリティが入り込んで来ます。エレガントですね~・・これって・・普通なら、
「シャンボール=ミュジニー!」
と先走って言っちゃいますよ。良い感じのチェリーに硬質なミネラリティ・・そして伸びやかに縦構造が感じられたら・・多分、そう言ってしまいます。
ですがこれは、間違いなく「ニュイ=サン=ジョルジュ・レ・シャリオ」です。1級レ・ポワレの真下に有ります。
で・・ミシェル・グロのシャンボール=ミュジニーがね・・いや、ここでは書きませんが・・いや~・・ワインって、本当に面白いですね~。裏が表で表が裏、そのどちらも真実って、判ってないとちょっと恥ずかしい局面になってしまうことも有りますが、それさえも楽しみですよね。
まさにミュヌレ=ジブールのレ・ヴィーニュ・ロンドに良く似た・・少しタイトにしたようなエレガンスを持っていると思います。しかも価格はこんなです。そして素晴らしいメオのニュイ=サン=ジョルジュにも通じています。(メオの2017年ニュイも滅茶苦茶美味しいですよ・・そのうちご案内させていただきますね。)
是非飲んでみて欲しいニュイ=サン=ジョルジュ村名レ・シャリオです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【常に変わらないミシェル・グロに時代が追いついたのか・・・?リーズナブルなのにエレガントで滅茶美味しいです!ジルベール・エ・ガイヤールは何と93ポイント!】
いや~‥美味しいです!・・実にエレガントで繊細!・・そしてほんのり官能感・・堪らないですね。グラスを持つ手を放す暇が無い・・。
1990年台は日本でもずいぶんな言われようをしていました。1985年のクロ・デ・レアは物凄い評価だったんですが、
「1985年ものはジャン・グロが造ってるからね~・・」
まぁ、確かにまだドメーヌ・ジャン・グロのエチケットでは有ったんですが、実際に造っていたのはミシェルでした。
それに、1990年以降は、「新樽、濃密、凝縮」が新しいキーワードになりましたから・・いや、某PKさんのお陰ですが、それまで陽の目を浴びなかった両デュガさんなどはもう・・物凄いモテモテになってしまいまして、5~6年で価格は暴騰してしまいました。その後の両デュガさんは皆さんがご存じの結果です。
それに、1970年台後半より、父のジャンに変わってワインを造っていたミシェルは、父の引退に伴って妹のアンヌにリッシュブールを相続させていますので、ジャン・グロ時代のリッシュブールはアンヌ・パランが造っています。(A.F.グロ)
そんな激変の時代を駆け抜けて来たミシェル・グロですが・・・この人はいつも変わらない。今になってさらに強く思うんですが・・本当にすごい人だと思います。ワイン価格の暴騰には興味無し、出来る限りリーズナブルに愛好家に届くように、大きな輸入国
には何軒かの代理店を置くようにしているようです。これは、グロ一族はほぼ同様ですが、これにより、価格は暴騰せず、リーズナブルな価格で入手出来るんですね。
そして、そのスタイルも一貫しています。決して濃くしない・・ですし、樽も強く掛けることは無い・・。アメリカがブルゴーニュをガンガン買っていた1990年台は、買い手の要請でどんどん濃くし、新樽を多く掛け、派手な味わいにしていたんですね。
先日ご案内させていただいた、ド・ラルロのニュイ=サン=ジョルジュのワイン・・いかがだったでしょうか。ハンドルを大きく切った感じが・・お判りかと思います。とてもエレガントで荘厳さの有る味わいになってきました。
実はこのミシェル・グロのシャリオも、そっち系統のエレガントなニュイ=サン=ジョルジュです。流石にド・ラルロやメオ=カミュゼのニュイ1級ほどの華麗なニュイには成りません・・それは仕方が無い・・畑の格と言うものです。
しかし、ま~エレガントで繊細、非常に香ります。2013年のワインがどこか持っているように感じる・・特別な線の細さ・・は全く感じ無いんですよ。2013年だから細い・・と言うのも感じないし、そもそも細くは無いんです。滅茶繊細なんですけどね・・。
アロマもしっとりとしていて、かつ、スピードもそこそこに速く、ナチュラルさもほのぼのと漂っています・・のに、ビオっぽくは全然無いです。非常にピュアなんですね。
因みにこの2013年ものはジルベール・エ・ガイヤールは93ポイントと、村名には有り得ないような評価をしておりますし、あのブルゴーニュ専門家でも有りながらブルゴーニュワインに超厳しいアレン・メドーも、ポイントこそ89~92ポイントですが、その評価の本文には、
「Outstanding! Top Value!」
と書いている位ですからね。
今飲んでも充分に楽しめます・・エレガントで高質です。勿論、まだまだ持ちますし、上昇して行くでしょう。大丈夫・・どこかの評論家さんのように、8年以内に飲め・・なんて絶対に言いませんから・・はい。今回一緒にご案内させていただいている、メゾン・ロブレ・モノの2002年オーセ=デュレッス・ルージュなんぞ、もう18年目ですがピンピンしていますよ。こちらは3千円ちょっとで滅茶安いですが、ナチュラルさはミシェル・グロを大きく上回ります。なので、
「まともな方がちゃんと造ったブルゴーニュ・ピノ・ノワールがたった20年で終わる訳が無い!」
んです。海外の名立たるレヴュワーたちは、よほど酷いコンディションのワインを飲んでいるに違い在りません。
今回のこのシャリオ、コンディションも万全です。滅茶美味しいので是非、飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【非常にリーズナブルな村名ワイン!】 まぁ、リアルワインガイドに記載されている価格は、ほぼ実勢価格ですから・・2015年もので7400円だとすると、この価格は何なんだろう・・と思ってしまうんですね・・。
「通常なら有り得ない・・」
と言うことになります。
例えばフランスから日本に、ちゃんとリーファー便を使用し、適切な量(満載すると空気が無いことになる・・リーファーは空気を冷やしますので、結果冷えないと言うことになります)を積載し、船で輸入すると、どんなに削ってもワイン1本あたり600円ほどは掛かります。
なので、600円以下の輸入ワインは無い・・と言うことにはなるんですが、そうならないのはどうしてか?・・と考えてみると良いかな?・・と思います。安いワインは何かしらの原因が有って安い訳です。
今は日本直行便は無くなってしまいました。途中、香港に寄る訳です。昔、香港の港湾労働者のストライキが有り、フランスからの荷が何カ月も野晒しになっていた時が有りました。そののち・・やはり出回ったんですね・・酷い状態のワインが・・。それに、さほど安くなく販売されてしまうと、そんな目にあったワインであることさえ想像出来ないことになってしまいます。
なので、妙に安いとか、最初からとんでもなくリーズナブルなものには、気を付けないといけない訳です。
で・・今回のミシェル・グロ2016年ですが、コンディションは非常に良いです。そりゃそうです・・ちゃんとしたものを販売していますんで。noisy もそこは信用第一ですんで、ご心配なきよう。正規エージェント品で、きちんとした管理をしており、noisy の店でもキッチリやらせていただいてます。
ですが、このモレ=サン=ドニとニュイ=サン=ジョルジュ・レ・シャリオなどは非常に少なく、飲むわけには行きませんでした。
リアルワインガイド第63号は
2016 ニュイ=サン=ジョルジュ・レ・シャリオ 90+ 91+ 今~2038
2016 モレ=サン=ドニ・アン・ラリュ・ド・ヴェルジ 90 90+ 今~2040
と言う評価でした。
レ・シャリオはニュイの村の西、レ・ポレの下部にある畑です。ミシェル・グロのレ・シャリオは快活さがニュイの土っぽさを上回り、前面に出た味わいが特徴です。結構に・・石灰のミネラリティがテカテカと感じられます。
モレのアン・ラリュ・ド・ヴェルジは、あの孤高のモノポール、「クロ・ド・タール」と、モレの村に少しだけ存在する「ボンヌ=マール」の真上に存在する畑です。なので、確かに・・素晴らしいグラン・クリュの要素を感じさせてはくれるんですが、若いうちはどうも「しかめっ面」をしてることが多いんですね。言ってしまえば「ボンヌ=マール」もその傾向が有るので、「ソックリなのかも」などとも思いますが、やはり若いうちの外向性に難が有りかな?と思います。しかしちょうど良い熟のタイミングで飲むと、このプライスではビックリするほどの味わいを見せてくれるはずです。
何せ価格がこう・・ですんで、非常にお買い得かと思われます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです!
━━━━━
【2015年のミシェル・グロは相当に良い!!】 詳しくはシャンボール=ミュジニーのコラムに書きますが、まぁ・・変わらないっちゃ・・変わらないのかもです。それも高いレベルをキープしたまま・・ですね。なので、特別に言い立てることも無いのかとも思いますが、それでも2015年、ミシェル・グロは相当良いんじゃないかと思っています。
ミシェル・グロのワインは、人それぞれに結構、評価が異なるんですね。評論家同士でもかなり違います。ジルベール・エ・ガイヤールはクロ・デ・レアをいつも、物凄く高く評価しています。例えば2014年のクロ・デ・レアは「97Points」です。
半面、最近noisyのところでも頻繁に名前が出て来る「ティム・アトキン氏」は同じ2014年のクロ・デ・レアを「91Points」としか評価していません。しかもまぁ・・ミシェル・グロさんの他のワインも似たようなもので、「平均ランクの造り手」として見ているようです。ジルベール・エ・ガイヤールの、
2011年 96Points
2012年 94Points
2013年 96Points
2014年 97Points
とは大違いなんですね。
日本人でもエレガントなワインがお好きな方や、ワインはやはり本場、ヴォーヌ=ロマネだろう!・・と言う方にはピッタリ・・ドハマりのはずなんです。しかし、日本では代理店さんが多く入手が比較的簡単なことに加え、
「様々なコンディションのミシェル・グロのワインが存在する」
ものですから、訳が判らないことになってしまっています。
コンディションの良いミシェル・グロは・・相当に旨いです。それに加え、2015年は相当に良い・・と想像出来ます。
因みにリアルワインガイド第59号は、
●ニュイ・レ・シャリオ
「今飲んで90 ポテンシャル91 飲み頃予想 今~2037」、美しい酸のハーモニー
●モレ・アン・ラ・リュ・ド・ヴェルジ
「今飲んで89+ ポテンシャル90+ 飲み頃予想 今~2037」、目が詰まり複雑性が出ている
ととコメントしています。
まぁ、通常は上代が8千円位かと思いますので、7千円位の販売が普通かと思いますが、先だってのバックヴィンテージ、2011年ものと同じ価格でご紹介ですので・・かなりリーズナブルです。
ネットのワイン屋になってからしばらく経って、余りにどこでも販売しているので・・やり辛い部分が有って、時折仕入れなかったりしていますが、やはり好きなんですよね。是非コンディションの良いミシェル・グロを飲んでみてください。お勧めします。
以下は2011年のレ・シャリオのコメントです。
━━━━━
【蔵出しのバックヴィンテージオファーです!何でこんなに安いのか・・不明ですが、リアルワインガイド第45号は88~89、飲み頃2017~2028と飲み頃に入ってます。】 奥ゆかしさが何とも言えぬ情緒を感じさせる、ミシェル・グロならではのワインがこのレ・シャリオですね。エレガントながらも実は芯のしっかりしたワイン・・と言えると思います。
で、本当に何でこんなに安いの?・・と言いたくなっちゃいます。だって、2014年もののこのワインの仕入れ価格とほとんど変わらないんですから・・本当ですよ。どんなに利益を削ったとしても6千円以下は絶対に無理で、監禁作業になっちゃいます。
せっかくなので、価格を上げないためにもこちらも飲まずにご案内させていただきますが、リアルワインガイドも2017年から飲んで良いと判定していますので、ありがたいですよね。追加は見込めませんのでお早めに!
●
2022 Morey-Saint-Denis en la Rue de Vergy
モレ=サン=ドニ・アン・ラ・リュ・ド・ヴェルジ
【すみません・・3本だけです・・が、このアン・ラ・リュ・ド・ヴェルジ、1級への昇格が検討されているそうですから・・今の内?】---2本だけなので胃炎のレヴューを掲載しています。
余りに少ないので飲めていません。昨年の2019年ものも6本、今回は3本だけです。
クロ・デ・ランブレイの評価の上昇のおかげでしょうか。このド・ヴェルジも1級昇格が検討されているそうです。村名にしてみますと非常に複雑性の高い冷ややかな味わいですから、それも当然かもしれません。1級としてのより丁寧な仕上げがなされますと・・2ポイント位は平気で上がるでしょうから・・
「なにせ、クロ・デ・ランブレイ、クロ・ド・タール、ボンヌ=マールに接している!」
訳ですから・・。しかもモレ=サン=ドニ側、シャンボール=ミュジニー側両方のボンヌ=マールに接しているのがアン・ラ・リュ・ド・ヴェルジュです。そのおつもりで飲めば、
「価格以上に楽しめる!」
はずです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【すみません、6本だけです。】
すみません、noisy は開けられなかったので、エージェントさんのレヴューを掲載します。
クロ・デ・ランブレイに隣接する1級でもない村名の銘醸畑。2019年のこの村は雨が降ったということで欧米評論家の意見が割れていたが百聞は一飲に如かず。抜栓直後から最も親しみやすいのがこのモレ・サン・ドゥニ。ふわりと柔らかいタッチで鼻に絡みつくような香りの立ち上がり。薄い膜で覆われたようなタンニンの外殻。しっとりと濡れたダークカラント、ブルーベリー。燻したスパイス。果実の重たさではなく、力みの抜けた中間の広がり。余韻の脱力感は逆に好印象。
(2021年11月 村岡)
以下は以前のレヴューです。
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【このモレ=サン=ドニ・アン・ラ・リュ・ド・ヴェルジ は少な過ぎて飲めませんでした。海外メディア評価も見当たらずにすみません・・以前のレヴューをそのまま掲載しています。】
【非常にリーズナブルな村名ワイン!でも価格以上に2017年のミシェル・グロの出来の良さが魅力です!】
まぁ、リアルワインガイドに記載されている価格は、ほぼ実勢価格ですから・・2016年もので7800円だとすると、この価格は一体どう言うことなんだろう・・と思ってしまうんですね・・。
「通常なら有り得ない・・」
と言うことになります。
例えばフランスから日本に、ちゃんとリーファー便を使用し、適切な量(満載すると空気が無いことになる・・リーファーは空気を冷やしますので、結果冷えないと言うことになります)を積載し、船で輸入すると、どんなに削ってもワイン1本あたり600円ほどは掛かります。
なので、600円以下の輸入ワインは無い・・と言うことにはなるんですが、そうならないのはどうしてか?・・と考えてみると良いかな?・・と思います。安いワインは何かしらの原因が有って安い訳です。
今は日本直行便は無くなってしまいました。途中、香港に寄る訳です。昔、香港の港湾労働者のストライキが有り、フランスからの荷が何カ月も野晒しになっていた時が有りました。そののち・・やはり出回ったんですね・・酷い状態のワインが・・。それに、さほど安くなく販売されてしまうと、そんな目にあったワインであることさえ想像出来ないことになってしまいます。
なので、妙に安いとか、最初からとんでもなくリーズナブルなものには、気を付けないといけない訳です。
で・・今回のミシェル・グロ2017年ですが、コンディションは非常に良いです。そりゃそうです・・ちゃんとしたものを販売していますんで。noisy もそこは信用第一ですんで、ご心配なきよう。正規エージェント品で、きちんとした管理をしており、noisy の店でもキッチリやらせていただいてます。
ですが、このモレ=サン=ドニ・アン・ラ・リュ・ド・ヴェルジは非常に少なく、飲むわけには行きませんでした。
リアルワインガイド第63号は
2017 モレ=サン=ドニ・アン・ラリュ・ド・ヴェルジ 90+ 91 今~2038
と言う評価でした。
アン・ラリュ・ド・ヴェルジは、あの孤高のモノポール、「クロ・ド・タール」と、モレの村に少しだけ存在する「ボンヌ=マール」の真上に存在する畑です。なので、確かに・・素晴らしいグラン・クリュの要素をもそれなりに感じさせてはくれるんですが、若いうちはどうも「しかめっ面」をしてることが多いんですね。言ってしまえば「ボンヌ=マール」もその傾向が有るので、「ソックリなのかも」などとも思いますが、やはり若いうちの外向性に難が有りかな?と思います。しかしちょうど良い熟のタイミングで飲むと、このプライスではビックリするほどの味わいを見せてくれるはずです。
何せ価格がこう・・ですんで、非常にお買い得かと思われます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです!
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【2015年のミシェル・グロは相当に良い!!】
詳しくはシャンボール=ミュジニーのコラムに書きますが、まぁ・・変わらないっちゃ・・変わらないのかもです。それも高いレベルをキープしたまま・・ですね。なので、特別に言い立てることも無いのかとも思いますが、それでも2015年、ミシェル・グロは相当良いんじゃないかと思っています。
ミシェル・グロのワインは、人それぞれに結構、評価が異なるんですね。評論家同士でもかなり違います。ジルベール・エ・ガイヤールはクロ・デ・レアをいつも、物凄く高く評価しています。例えば2014年のクロ・デ・レアは「97Points」です。
半面、最近noisyのところでも頻繁に名前が出て来る「ティム・アトキン氏」は同じ2014年のクロ・デ・レアを「91Points」としか評価していません。しかもまぁ・・ミシェル・グロさんの他のワインも似たようなもので、「平均ランクの造り手」として見ているようです。ジルベール・エ・ガイヤールの、
2011年 96Points
2012年 94Points
2013年 96Points
2014年 97Points
とは大違いなんですね。
日本人でもエレガントなワインがお好きな方や、ワインはやはり本場、ヴォーヌ=ロマネだろう!・・と言う方にはピッタリ・・ドハマりのはずなんです。しかし、日本では代理店さんが多く入手が比較的簡単なことに加え、
「様々なコンディションのミシェル・グロのワインが存在する」
ものですから、訳が判らないことになってしまっています。
コンディションの良いミシェル・グロは・・相当に旨いです。それに加え、2015年は相当に良い・・と想像出来ます。
因みにリアルワインガイド第59号は、
●ニュイ・レ・シャリオ
「今飲んで90 ポテンシャル91 飲み頃予想 今~2037」、美しい酸のハーモニー
●モレ・アン・ラ・リュ・ド・ヴェルジ
「今飲んで89+ ポテンシャル90+ 飲み頃予想 今~2037」、目が詰まり複雑性が出ている
ととコメントしています。
まぁ、通常は上代が8千円位かと思いますので、7千円位の販売が普通かと思いますが、先だってのバックヴィンテージ、2011年ものと同じ価格でご紹介ですので・・かなりリーズナブルです。
ネットのワイン屋になってからしばらく経って、余りにどこでも販売しているので・・やり辛い部分が有って、時折仕入れなかったりしていますが、やはり好きなんですよね。是非コンディションの良いミシェル・グロを飲んでみてください。お勧めします。
以下は2011年のレ・シャリオのコメントです。
━━━━━
【蔵出しのバックヴィンテージオファーです!何でこんなに安いのか・・不明ですが、リアルワインガイド第45号は88~89、飲み頃2017~2028と飲み頃に入ってます。】
奥ゆかしさが何とも言えぬ情緒を感じさせる、ミシェル・グロならではのワインがこのレ・シャリオですね。エレガントながらも実は芯のしっかりしたワイン・・と言えると思います。
で、本当に何でこんなに安いの?・・と言いたくなっちゃいます。だって、2014年もののこのワインの仕入れ価格とほとんど変わらないんですから・・本当ですよ。どんなに利益を削ったとしても6千円以下は絶対に無理で、監禁作業になっちゃいます。
せっかくなので、価格を上げないためにもこちらも飲まずにご案内させていただきますが、リアルワインガイドも2017年から飲んで良いと判定していますので、ありがたいですよね。追加は見込めませんのでお早めに!
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2022 Gevrey-Chambertin la Platieres
ジュヴレ=シャンベルタン・ラ・プラティエール
【ファーストリリース!・・6本しか入荷しませんでしたが・・飲んでしまいました!・・氷のミハイルはしっかり居ました!】-----4本だけなので以前のレヴューを掲載しています。

なるほど~・・人により感覚は様々ですね・・。エージェントさんのM君は、
「このワインだけ異質」
と書いてましたが、noisy 的には、
「2019年のグロはみんな異質で・・でも2019としては同質」
だと思います。
あの氷のミハイルはここにもしっかり居ます。だから2019年がそれ以前と比較して異質だけれど、2019年ものとしてはどのキュヴェも同質・・です。しっかりと冷ややかでテクスチュアが抜群・・。ずっと悩んでいたと思われるクロード・デュガさんに教えてあげたい位・・いや、すみません。
でも2019年のクロード・デュガのジュヴレ=シャンベルタンは滅茶旨いですので・・はい。いずれご案内させていただきますが・・
で、このグロ家初のジュヴレですが・・もう、いきなり
「村名ジュヴレとしての見本!」
と言いたいようなレベルのジュヴレをリリースしてくれてしまいました・・いや、ど~する・・。
このレ・プラティエールは、村のほぼ中央部から東に下がって行ったドン付きにあるリューディで、幾人もの生産者がこのレ・プラティエールを生産しています。ですので飲まれたことのある方も多いんじゃないかと思います。
ですが、やはりこれは2019年のミシェル・グロ風のジュヴレ=シャンベルタン。エキスがびっちり詰まっていて、その周りを冷ややかなクリスタルガラス風のミネラリティが包み込んでいます。果実も甘く無くしっかりで、赤黒いチェリーが主体、ベリーっぽさも僅かに有りますが、濃度が結構にしっかり有るので隠れがちです。
ほんのりとした鉄っぽさがジュヴレを感じさせますが、このしなやかでつややかなテクスチュアは・・これも
「ん?・・ジュヴレとシャンボールのブレンド?・・もしくはヴォーヌ=ロマネ?」
などと言ってしまう可能性も有ろうかと思います。
でも・・
「もしかして・・ミシェル・グロ?」
と言うかもしれませんよ。その後に、
「グロにしては美味し過ぎるか?」
と打ち消してしまうかもしれませんが・・。
いずれにせよ、ドメーヌ・ミシェル・グロは新たな時代に向け、変革を始めたと感じます。でもその変わり様は結構に凄い・・是非感じてみて下さい。かなり美味いです。
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2022 Nuits-Saint-Georges 1er Cru
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ
【なぜかいつも素晴らしいのがこのニュイ=サン=ジョルジュ1級!・・1997年からエカール家に委託されている畑です。】-----4本だけです。以前のレヴューを掲載しています。
ニュイ=サン=ジョルジュの1級レ・ヴィーニュロンドと1級レ・ミュルジェのブレンドです。この2つの畑は地図で位置関係だけ見ると、
「なんでニュイ=サン=ジョルジュの村?」
と思えるくらいにヴォーヌ=ロマネ側に有ります。ドメーヌが持っているクロ・デ・レアやオ・レアから上に上がって行くとすぐ・・です。そしてこの2つの1級畑は南北に隣り合っている訳ですね。
ですので、ヴォーヌ=ロマネっぽさも持ちつつニュイ=サン=ジョルジュっぽさも有る・・そもそもニュイ=サン=ジョルジュはそう言う魅力のあるワインですが、そんな数あるニュイ1級のワインの中でも超リーズナブルで美味しい、しかも評価も高い・・です。
海外メディアの評価は余り見当たりませんが、あのブルゴーニュ専門ながらもブルゴーニュワインに厳しい、アレン・メドゥズさんは・・
「ほぼほぼ92ポイント止まり」
です。
が、彼の評価はプラス1~2ポイントして普通と同じですから、少なくとも94ポイントほどと言うところが落としどころでしょう。こちらも入荷量が少なくて飲めておりませんが、大いにお勧めできます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【数量限定のため飲めませんでした。レ・ヴィーニュ・ロンドとレ・ミュルジュのブレンドですから・・半端無いのは間違い無いでしょう!】---少な過ぎて飲めないのですみません、以前のレヴューそのままです。
【すみません、1級以上は少ないので飲めません。力強いスタイルだった今までと変わり、かなりエレガンスに振られた仕上がりのようです!】
クリマの個性を出さない1級畑のブレンドですが、ブレンドで有るがために出せる個性も有ります。そもそも、このニュイ=サン=ジョルジュ1級と言うワインは、ドメーヌ・ミシェル・グロのラインナップの中では目立たないアイテムでは有ります。
しかしながら、飲んだことが有る方にとっては、毎年欲しいワインのひとつになっている確率が非常に高いアイテムで有り、しかも2017年は相当に出来が良く、さらには、パワフル系(ミシェル・グロとしては・・ですが)の姿をしていない、超エレガント系ながらも、リアルワインガイド第67号では素晴らしい評価だった2016年ものの上回って評価されています。
誤解を恐れずに言ってしまえば、畑の個性のみを考えればミュヌレ=ジブールのレ・ヴィーニュ・ロンドとメオ・カミュゼのミュルジュ、両方の個性のブレンドと考えて向かい合える可能性と、造り手の個性を考えて、上記同様のスタンスでの比較も出来る・・と言うことも有ります。
そして、おそらく2017年のミシェル・グロを飲まれた方は、この途方も無くミシェル・グロらしいエレガンス満載の見事な味わいに、惚れ惚れとされることと思います。
非常に入荷の少ないワインです。昨年もの2016年の一般的な価格は¥12700だそうですので、如何にお買い得かはお判りでしょう。是非飲んでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【2015年はワインラヴァーのヴィンテージ!!是非ミシェル・グロも飲んでみてください!】
ドメーヌ・ミシェル・グロの上級キュヴェのご案内です。いや・・高くなってしまったのと、雨後のタケノコみたいにネット販売のワイン屋さんの進出で、noisy の出る幕じゃ無くなって来た感じがしたので、だいぶ遠退いてしまっていました。それでもニュイ1級とか、レ・ブリュレ、クロ・デ・レア、クロ=ヴージョは扱いたいとは思っていましたよ。2006年まではそれでも上級キュヴェまでテイスティングしていましたしね。
ワイン屋さんが増えることは非常に良いことですが、ネット上の情報はどこを切っても金太郎・・
「・・・そんなんじゃぁお客さんが離れてしまう・・付かないこと位、判れよ・・」
と・・自分のことはまずどこかに置いといて・・感じています。
まぁ、ワイン屋であっても仕入れたワインをその都度、全部自分で開けて飲んでたら破産しちゃいますが、飲めないなら飲めないなりの紹介の仕方が有るんじゃないかと・・。通り一遍の安い情報と、さらにはラ・グランド・リュをラ・グラン・リュのように書いたまま・・、知らぬか、知るつもりも無いか、それともただ天然ボケか・・単なる間違いと言うことは有るにせよ、そもそも区別も付かない、付けないようじゃ、お先が知れてます。・・自戒を込めて・・ね。
ミシェル・グロさんのワインは日本の正規エージェントが沢山有りますんで、決して珍しいものでは有りません。そんな環境も有ってか、ワイン屋はもう誰も飲んで案内しよう・・などと言う空気じゃないのは確かかもしれません。
それでも、今回の仕入れでは・・例えばクロ=ヴージョは極少の割り当てです。飲んで案内出来た昔が信じられないですが、リアルワインガイド第59号では、
「94~95」
と非常に高評価です。
例えば皆さんも、期待して抜栓した高級ワインが、余りに薄くて香らず、
「・・あれ?・・コンディション、悪い?」
などと思ったことは、ワインファンなら何度も有るはずです。
季節も変われば気温も変わる、湿度も変化する、環境も違う、人間もワインもバイオリズムが有る、熟成による変化も有る・・。さらにはビオ的にはその日が「根の日」だったりして・・。
リアルワインガイドでも昨年・・いや、noisy がテイスティングで参加した時ではないですが、
「・・余りに何も出て来ないので、途中でテイスティングを中止し、改めて数日後にやり直した」
などと言うことが有ったそうです。
まぁ、シュタイナー的見地から言うならば、その日はよほど惑星の配列が良く無かったんでしょう!・・(^^;;
ヴォーヌ=ロマネ・クロ・デ・レアは、ミシェル・グロのモノポールで有り、看板ワインですね。これもリアルではガチガチだったようで、「92~93」と見事な評価です。
このワインはバランスが良いので、いつ飲んでも・・「こんな感じだよね・・」と過少に評価されがちですが、ヴォーヌ=ロマネのワインとすると非常に長熟でして、長く置くと激変します。1級畑とするなら標高の低い位置に有りますが、やはりテロワールの違い・・なんでしょうね。
オ・ブリュレ1級もリアルワインガイド第59号は暫定点で「92~93+」でした。この畑は濃密でスパイシー、それに、ジャイエ家も持っていたことも有って、noisy もお気に入りです。クロ・デ・レアと違って何年か置くだけでかなり出て来ますし、長い熟成も可能です。リアル的には、「グラン・クリュですか?」と。余り話題に成らない1級畑ですが、今はメオ=カミュゼがリリースしているブリュレ・・・昨今のメオを考え合わせるともの凄いワインになってると思うので、これも是非飲みたいですが、
「最もリーズナブルなブリュレ」
で有ることは間違い無いですし、評価も非常に高いので、価格は「安い!」と言えるでしょう。
少なくとも10年以上前の頃のように、ある程度簡単に購入できる価格に戻ってほしいもので、全アイテムのテイスティングをやりたいものですが、昨今はそうは行かないでしょう。でも相対的に言えば非常にリーズナブルです。是非2015年ドメーヌ・ミシェル・グロの上級キュヴェ、ご検討くださいませ。
以下はかなり昔のコメントです。
━━━━━
【2006年のブルゴーニュはやっぱり旨い!】
・・・ミシェル・グロを飲んで、そう感じました。・・・いや、何でもかんでもそうだ・・・とは言いませんよ。少なくともnoisyが扱っている造り手に関しては、間違い無くそう思います。
人間も、何事も無く、またそつなく生きて来た方は穏やかな性格で、人から愛されると思いますが、言ってしまえば平凡で、あまり目立たないのかもしれませんが、人生の荒波に揉まれ、辛いこと、悲しいことを乗り越えてきた方は、揉まれてきた故の「影」や「みえない優しさ」が有るのかもしれません。まあ、そんなにイッパ一絡げでは言い切れないものではあるものですが・・・。
2005年はストレスの無い葡萄の性格から、とてもニュートラルな素晴らしいワインが生まれたとは思っています。でも、それって、生産者にとってはそうかもしれないが、グラスを目の前にした飲み手には余り関係の無い部分ですし、ワイン自体の評価とも違うように思います。
2006年は生産者にとっては難しいヴィンテージだったのかもしれませんが、それが還ってワインに複雑性と表情を深める要因になったように思え、且つ、丁寧に仕上げられた関係で、現状では2005年よりも美味しいという、ちょっと皮肉な状況になっているんじゃないかな?と思うんですね。
その事については他のコラムでも書きましたのでここでは拡げないですが、本当に素直に、情報に振り回されずに自身の評価をすることが、ワインの楽しみを深めてくれると思います。1968年のシャトー・ディケムは、noisyは飲んだことは有りませんが、文献によれば、本当に素晴らしい味わいだったそうで、
「1968年のボルドーは全滅」
等という安直な評論家の言葉の鵜呑みでは、何事も真実に目を向けられないことを暗示しているようです。
2006 ブルゴーニュ・ルージュ
単純に美味しい、とてもエレガントな味わいです。濃く無く、薄く無く、ベリー、チェリーがミネラルとともに穏やかに香り、中程度のボディと、後口をやや酸で引き締めながらの余韻が有ります。僅かに若い部分で後口の酸味を引きずりましたが、お客様の手に届く頃には、輪郭をキッチリ描けるようになっているでしょう。美味しいです。
2006 ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・レア
とても硬かった2005年に比べ、現在は一つの良いバランスに有ります。わずかな動物香的スパイスと黒味掛かった粒の小さなベリー、テクスチュアの良い接触感、締まりつつも収縮を繰り返すボディ、美しい減衰が有ります。まだ大きさはさほどでは無いものの充分に美味しいです。こちらは酸度は強くなく、とてもまろやかです。決して2005年に大きく劣ることは有りません。
2006 クロ=ヴージョ・グラン・モーペルテュイ・グラン・クリュ
さすがのトップ・キュヴェで、クロ・デ・レアが如何に素晴らしい1級畑でも、これを超えるのは至難の技でしょう。ベルナール・グロのクロ=ヴージョ・ミュジニに続くグラン・モーペルテュイの畑はグラン=ゼシェゾー直下という事も有ってか、グラン=ゼシェゾー的な丸みや厚み、黒い果実を感じさせてくれますし、ミュジニーにもほど近い部分での、硬質なミネラルや赤い、張りの有るボディも感じ取れます。黒い果実の裏には、出て来そうで出ない、香りの粒子のカプセルみたいなものが有りますので、これが開くには時間をかなり必要とするものの、黒っぽい果実の集合体の凝縮量が凄いので、まったりと美味しく飲めてしまいます。素晴らしいです。
改めて飲んでみて、ミシェル・グロのスタンダードさの素晴らしさを再認識しました。これ見よがしな部分が全く無く、それでも充実していると思います。お奨めします。飲んでみてください!
●
2022 Vosne-Romanee 1er Cru Clos des Reas Monopole
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・レア・モノポール
【ドメーヌ・ジャン・グロ、ドメーヌ・ミシェル・グロと繋いできた歴史がピエール・グロに引き継がれ、このドメーヌの顔ともいうべきクロ・デ・レアをさらに磨き上げたようです!】-----以前のレヴューです。
少な過ぎて飲めないので少しばかりゴタクを書いておこうかと・・思います。
そもそもジャン・グロの時代は病気がちだった方だったので実質的には短く、若いミシェルが1980年前頃から父親のジャンに代わってドメーヌをやっていた訳ですね。そしてリシュブールとクロ・デ・レアが看板ワインでした。
ドメーヌ・ジャン・グロを承継する際に、ジャンの妹のアンヌ=フランソワーズがリッシュブールを欲しいと言ったそうで、ミシェルはクロ・デ・レアを承継したんですね。
で・・・
「どうやら2022年頃にリシュブールとエシェゾーがドメーヌ・ミシェル・グロに戻ってくるらしい」
と言う、まことしやかな話しが回って来ています。
あ・・因みにですが、勘違いされていらっしゃる方もおられると思いますので言っておきますが、ミシェルの実の妹のアンヌ=フランソワーズは、ドメーヌ・アンヌ=フランソワーズの方で、ドメーヌ・パランの家に嫁いでいます。ドメーヌ・アンヌ・グロはジャン・グロの兄妹の家ですから違いますので・・。
で、そのリシュブールとエシェゾーは・・
「いったい・・どこから戻ってくるのか?」
と言う話題で持ち切りでして、正確な情報を待っているところなんですね。
クロ・デ・レアを承継したドメーヌ・ミシェル・グロですが、地図の場所を見ても・・何だかな・・と言う感じにしか見えない・・(^^;; でも、長く熟成したクロ・デ・レアの、全てを解放したアロマを一嗅ぎすれば、
「なるほど・・」
と唸ることは必定です。
今回はどうやっても3万円を超えてしまうところ、「意地で・・」・・超える価格を付けませんでしたので、ぜひご検討くださいませ。おそらく2020年のこのクロ・デ・レアが今までの最高のワインになると想像しています。
以下は以前のレヴューです。
-----
【クロ・デ・レア160周年記念のエチケット!2019年ものは少ないのでお早めにどうぞ!】
おそらく「氷のミハイル」の親玉がこのクロ・デ・レアになるかと思いますので・・相当素晴らしいと思われます。海外メディアの情報も一生懸命探したんですが、余り見当たりませんでした。
「余り」と言うのは見つからなかった訳では無い・・のは想像されるかと思うんですが、そう・・少しだけは有りました。ですが・・申し訳ない・・とてもじゃないが、掲載に値しないと判断させていただき、載せませんでした。
まぁ・・よくここまでポテンシャルを正確に取れない方が平気で評価できるのかと、ちょっとガッカリしたものです。でもまぁ、今までもずっとそうでしたから・・ミュヌレ=ジブールにしても、
「・・ん?・・何それ?・・本当に飲んだの?」
としか思えないような酷い評価がずっと続いていたんです。フーリエだってずっと酷かったですよ。それでもフーリエの場合は早いうちに皆気が付いて評点を上げたので、2006年に劇的にポテンシャルが上がったのに、2009年まで余り騒がれなかった訳ですね。
残念ながら、この先少なくとも2021年ものまでは、今までテイスティング出来ていたアイテムも飲めなくなってしまうかもしれません。それは生産量が減っていることも有りますが、日本へのアロケーションが減っていることも有ります。
今、ミシェル・グロが大きく変わり始めたのをnoisyも確認させていただきました。これからミシェル・グロはピエールさんの時代に大きく伸びて行くことになるんじゃないかと感じています。この2019年の160周年記念ラベルのクロ・デ・レアも、激レアになってしまうと思います。是非ご検討くださいませ。価格は他に比べて非常にリーズナブルなんじゃないかと思います。
■エージェント情報
この畑は私たちがモノポール(単独)で所有しており、1860年にアルフォンス・グロが購入したものである。ラベルにある挿絵は当時のものだ。つまりその頃から、私の祖先たちはこのワインを瓶詰めし、蔵元で販売していた。世代交代を経ながら、このラベルは次の名を掲げてきた。
・グロ・ゲノー
・グロ・ルノド
・ルイ・グロ
・ジャン・グロ
・そして1996年からはミシェル・グロである。
この畑を囲む三角形の壁は村の東側に伸びていて、その中腹には巨大な門が堂々と立っている。非常に古い小さな家が壁の北側の隅にあり、村役場の広場に面している。クロ・デ・レアは、レアの谷から突き出た小さなふくらみの上にある。下層土はオリゴセーヌ期のコングロメラ・ソーモンで、泥灰土と混ざり合った石灰の塊が多く存在する。こういった特徴の土壌が起伏しているので、水捌けは素晴らしく良い。このような泥灰土の畑から生まれるワインは、タンニンがしなやかで、エレガントな芳香を放つ。酸が比較的弱いので、若いうちから楽しむことができる。しかし飲みやすいという印象によって判断を誤ってはならない。このワインは完璧なまでに均整がとれているため、実のところ10~15年にわたって果実味やフレッシュ感を保ち続ける。
2019年は、クロ・デ・レアの区画をグロ家が1860年4月29日に購入して以来、単独所有でワイン造りを続け、160周年を迎える記念すべきヴィンテージです。クロ・デ・レアはドメーヌ・グロのフラッグシップとなり、数々の褒賞を受けてきました。1867年の万国博覧会で獲得した金メダルはその代表的なものであり、その時の記念ラベルを2009年のヴィンテージに再現しています。このラベルは2019年のヴィンテージにも貼られます。
以下は以前のレヴューです。
-----
【少なくて申し訳在りません。ジャスパー・モリス氏は上値95ポイントと!・・弾けてます!・・以前のレヴューをそのまま掲載しています。】
【こちらも過去最高点だった2016年ものよりは0.5ポイント下げでした!・・早くから飲み始めてもとんでもなく美味しいのが2017年のミシェル・グロと言う理解なのでしょう!】
2017年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールはリリース直後に飲んでも結構に美味しいです。・・そのようなワインが8割有ると言うような感触です。フーリエはほんのり早いかな?・・と言う感触も有りましたが、むしろ今までの「若さ」を前面に出したスタイルから、「濃密さ」をそこに加えたようなニュアンスで、noisy も初めてです・・初めて、
「あ、ジャン=マリもジャイエの弟子の一人!」
と言うことをワインの味わいで確認出来たヴィンテージでも有ります。
ヴォーヌ=ロマネのワインと言うのは、やはりブルゴーニュワインにおいては別格の存在です。その中において、このクロ・デ・レアは、古代から上質さを認知されていたクリマです。位置関係だけを見ると、
「どうして・・ここが・・」
と思わざるを得ない訳ですが、やはり他とは違うんですね。そこには長年に渡ったグロ家の畑に対する向き合い方が生きていると言えるでしょう。
1990年台の、あのPKさんの評価から、新樽100%で濃密なスタイルが世の中で受け始め、そこからは完全に梯子を外れてしまったミシェル・グロさんでした。
しかしながらそのPKさんでさえ、クロ・デ・レアを尊敬していましたし、決して卑下することは有りませんでした。このクロ・デ・レアこそ、素晴らしい品質でヴォーヌ=ロマネ1級の名を高めた筆頭です。
そしてそのPKさんも、素晴らしい言葉を残しています。それをご紹介させていただきます。
「ヴォーヌ=ロマネには1級が多数あって、常連組の未熟な生産者少数を除けば、現在の水準は驚くほど高い。たしかに、質が毎年一定せず出来もふぞろいなヴィーヌ=ロマネの村名ワインと、1級ワインとの間には価格に隔たりがある。とはいえ明敏な消費者は、トップクラスの1級ワインに金をつぎ足してでも、本物の品質と快楽を味わうべきではないだろうか。」
飛鳥出版社 バーガンディ ロバート M パーカー著 より抜粋
また、入荷数量が少なくて飲めませんでしたので、エージェントさんのレヴューを掲載させていただきます。
例年よりも柔らかく綺麗に赤系果実が立ち上がる。花、チェリー、甘く瑞々しく直感的に良いワインだなと思える開放的な香り。大きなスケールで丸く球体を描く、アタックはするりと流れ込みますが中間から余韻にかけてグッと細かいタンニンのグリップ、細い軸が束ねられたような構造。余韻もとても長い。
(2019年3月 バレル・サンプル試飲 村岡)
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ミシェル・グロの二枚看板のひとつ、クロ・デ・レア!!非常にリーズナブルです!】
ク~っ!リーズナブルですね~・・良いのかな・・?・・良いんです!ミシェル・グロの看板ワイン、1級クロ・デ・レアです。
ミシェル・グロの場合は1級以上になるとバリックの存在が増し、それ由来のエキセントリックさが、元々のエキスの味わいをさらに昇華したものになります。
2016年ものはなんと、94+(リアルワインガイド第63号)ポイントです。2015年でも93+、2014年でも93~94(暫定点?)でしたので、おそらく過去最高では無いでしょうか。
noisy も20年前はね・・結構仕入れてましたね。毎年仕入れて、まぁ、今の様にすぐは完売しませんから、
「無くなる前に下げて、10年後に販売しよう・・」
などと思っていたものを、気付くと無くなっているワインでした。
そもそも、場所的にはま~・・余り良いとは思えないような、下部にある畑なんですね。悪くは無いものの、南隣は「オー・レア」ですんで村名ですよね。北隣も村名ですし、西上部こそは「1級レ・ショーム」ですけどね。
ところがここだけは別なんですね~・・。香りです・・素晴らしいアロマ、ブケなんですね・・。そうなるんです。
その昔、ルモワスネさんの出物で、
「1967年ヴォーヌ=ロマネ・クロ・デ・レア」
と言うのが有りました。
価格は・・13000円位だったはずです。今でもPCに記録だけは有ります。
クロ・デ・レアですから・・ルモワスネ詰めでは有ってもヴィニュロンはジャン・グロさんです。これがま~・・安くて美味くてね・・。少しは残しておくべきでしたね・・。でも、何度か購入していたので、
「・・まだ有るだろう!」
と思っていたら、どんどん価格が上がって行き、その内完売してしまったようで見かけなくなっちゃいました。ワインとは、そういうものなんですね。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年はワインラヴァーのヴィンテージ!!是非ミシェル・グロも飲んでみてください!】
ドメーヌ・ミシェル・グロの上級キュヴェのご案内です。いや・・高くなってしまったのと、雨後のタケノコみたいにネット販売のワイン屋さんの進出で、noisy の出る幕じゃ無くなって来た感じがしたので、だいぶ遠退いてしまっていました。それでもニュイ1級とか、レ・ブリュレ、クロ・デ・レア、クロ=ヴージョは扱いたいとは思っていましたよ。2006年まではそれでも上級キュヴェまでテイスティングしていましたしね。
ワイン屋さんが増えることは非常に良いことですが、ネット上の情報はどこを切っても金太郎・・
「・・・そんなんじゃぁお客さんが離れてしまう・・付かないこと位、判れよ・・」
と・・自分のことはまずどこかに置いといて・・感じています。
まぁ、ワイン屋であっても仕入れたワインをその都度、全部自分で開けて飲んでたら破産しちゃいますが、飲めないなら飲めないなりの紹介の仕方が有るんじゃないかと・・。通り一遍の安い情報と、さらにはラ・グランド・リュをラ・グラン・リュのように書いたまま・・、知らぬか、知るつもりも無いか、それともただ天然ボケか・・単なる間違いと言うことは有るにせよ、そもそも区別も付かない、付けないようじゃ、お先が知れてます。・・自戒を込めて・・ね。
ミシェル・グロさんのワインは日本の正規エージェントが沢山有りますんで、決して珍しいものでは有りません。そんな環境も有ってか、ワイン屋はもう誰も飲んで案内しよう・・などと言う空気じゃないのは確かかもしれません。
それでも、今回の仕入れでは・・例えばクロ=ヴージョは極少の割り当てです。飲んで案内出来た昔が信じられないですが、リアルワインガイド第59号では、
「94~95」
と非常に高評価です。
例えば皆さんも、期待して抜栓した高級ワインが、余りに薄くて香らず、
「・・あれ?・・コンディション、悪い?」
などと思ったことは、ワインファンなら何度も有るはずです。
季節も変われば気温も変わる、湿度も変化する、環境も違う、人間もワインもバイオリズムが有る、熟成による変化も有る・・。さらにはビオ的にはその日が「根の日」だったりして・・。
リアルワインガイドでも昨年・・いや、noisy がテイスティングで参加した時ではないですが、
「・・余りに何も出て来ないので、途中でテイスティングを中止し、改めて数日後にやり直した」
などと言うことが有ったそうです。
まぁ、シュタイナー的見地から言うならば、その日はよほど惑星の配列が良く無かったんでしょう!・・(^^;;
ヴォーヌ=ロマネ・クロ・デ・レアは、ミシェル・グロのモノポールで有り、看板ワインですね。これもリアルではガチガチだったようで、「92~93」と見事な評価です。
このワインはバランスが良いので、いつ飲んでも・・「こんな感じだよね・・」と過少に評価されがちですが、ヴォーヌ=ロマネのワインとすると非常に長熟でして、長く置くと激変します。1級畑とするなら標高の低い位置に有りますが、やはりテロワールの違い・・なんでしょうね。
オ・ブリュレ1級もリアルワインガイド第59号は暫定点で「92~93+」でした。この畑は濃密でスパイシー、それに、ジャイエ家も持っていたことも有って、noisy もお気に入りです。クロ・デ・レアと違って何年か置くだけでかなり出て来ますし、長い熟成も可能です。リアル的には、「グラン・クリュですか?」と。余り話題に成らない1級畑ですが、今はメオ=カミュゼがリリースしているブリュレ・・・昨今のメオを考え合わせるともの凄いワインになってると思うので、これも是非飲みたいですが、
「最もリーズナブルなブリュレ」
で有ることは間違い無いですし、評価も非常に高いので、価格は「安い!」と言えるでしょう。
少なくとも10年以上前の頃のように、ある程度簡単に購入できる価格に戻ってほしいもので、全アイテムのテイスティングをやりたいものですが、昨今はそうは行かないでしょう。でも相対的に言えば非常にリーズナブルです。是非2015年ドメーヌ・ミシェル・グロの上級キュヴェ、ご検討くださいませ。
以下はかなり昔のコメントです。
━━━━━
【2006年のブルゴーニュはやっぱり旨い!】
・・・ミシェル・グロを飲んで、そう感じました。・・・いや、何でもかんでもそうだ・・・とは言いませんよ。少なくともnoisyが扱っている造り手に関しては、間違い無くそう思います。
人間も、何事も無く、またそつなく生きて来た方は穏やかな性格で、人から愛されると思いますが、言ってしまえば平凡で、あまり目立たないのかもしれませんが、人生の荒波に揉まれ、辛いこと、悲しいことを乗り越えてきた方は、揉まれてきた故の「影」や「みえない優しさ」が有るのかもしれません。まあ、そんなにイッパ一絡げでは言い切れないものではあるものですが・・・。
2005年はストレスの無い葡萄の性格から、とてもニュートラルな素晴らしいワインが生まれたとは思っています。でも、それって、生産者にとってはそうかもしれないが、グラスを目の前にした飲み手には余り関係の無い部分ですし、ワイン自体の評価とも違うように思います。
2006年は生産者にとっては難しいヴィンテージだったのかもしれませんが、それが還ってワインに複雑性と表情を深める要因になったように思え、且つ、丁寧に仕上げられた関係で、現状では2005年よりも美味しいという、ちょっと皮肉な状況になっているんじゃないかな?と思うんですね。
その事については他のコラムでも書きましたのでここでは拡げないですが、本当に素直に、情報に振り回されずに自身の評価をすることが、ワインの楽しみを深めてくれると思います。1968年のシャトー・ディケムは、noisyは飲んだことは有りませんが、文献によれば、本当に素晴らしい味わいだったそうで、
「1968年のボルドーは全滅」
等という安直な評論家の言葉の鵜呑みでは、何事も真実に目を向けられないことを暗示しているようです。
2006 ブルゴーニュ・ルージュ
単純に美味しい、とてもエレガントな味わいです。濃く無く、薄く無く、ベリー、チェリーがミネラルとともに穏やかに香り、中程度のボディと、後口をやや酸で引き締めながらの余韻が有ります。僅かに若い部分で後口の酸味を引きずりましたが、お客様の手に届く頃には、輪郭をキッチリ描けるようになっているでしょう。美味しいです。
2006 ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・レア
とても硬かった2005年に比べ、現在は一つの良いバランスに有ります。わずかな動物香的スパイスと黒味掛かった粒の小さなベリー、テクスチュアの良い接触感、締まりつつも収縮を繰り返すボディ、美しい減衰が有ります。まだ大きさはさほどでは無いものの充分に美味しいです。こちらは酸度は強くなく、とてもまろやかです。決して2005年に大きく劣ることは有りません。
2006 クロ=ヴージョ・グラン・モーペルテュイ・グラン・クリュ
さすがのトップ・キュヴェで、クロ・デ・レアが如何に素晴らしい1級畑でも、これを超えるのは至難の技でしょう。ベルナール・グロのクロ=ヴージョ・ミュジニに続くグラン・モーペルテュイの畑はグラン=ゼシェゾー直下という事も有ってか、グラン=ゼシェゾー的な丸みや厚み、黒い果実を感じさせてくれますし、ミュジニーにもほど近い部分での、硬質なミネラルや赤い、張りの有るボディも感じ取れます。黒い果実の裏には、出て来そうで出ない、香りの粒子のカプセルみたいなものが有りますので、これが開くには時間をかなり必要とするものの、黒っぽい果実の集合体の凝縮量が凄いので、まったりと美味しく飲めてしまいます。素晴らしいです。
改めて飲んでみて、ミシェル・グロのスタンダードさの素晴らしさを再認識しました。これ見よがしな部分が全く無く、それでも充実していると思います。お奨めします。飲んでみてください!
ドメーヌ・アラン・マティアス
アラン・マティアス
フランス Domaine Alain Mathias ブルゴーニュ
● 2022年~2021年(プルミエ・クリュ)のアラン・マティアスをご紹介させていただきます。
前回ご紹介させていただいた2021年~2020年のアラン・マティアスの驚く様な向上具合に加え、2022年と言うシャブリにとっての・・
「この10年間で過去最高のヴィンテージ」
と言われる作柄の良さが、今回ご紹介させていただくアイテムに生きています。
色々と調べてみますと・・相当色々と模索しているようで、エコセール認定もそのひとつでは有りますが、様々な容器を入手してシャブリ、エピヌイユの畑のテロワールを具現化するとともに、近年の温暖化に対応しようとしているようです。その表れが前回の2021年~2020年ものの素晴らしい味わいに出たと確信していますし、さらに進んだ今回のアイテムにも見て取ることが出来ます。
ピノ・ノワールのエピヌイユ・コート・ド・グリゼイ2022も、美しいチェリーの風味に痺れましたし、村名シャブリも、1級ヴォ・ド・ヴェイも、物凄い勢いで旨くなっています。ぜひその姿、ご覧になられて下さい。ご検討くださいませ。
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いや~・・素晴らしいです!・・リーズナブルクラスのシャブリ・・にしては美味しいワインを造られる生産者さんだと・・思ってきましたが、
「今回到着分の2019年1級、その他の2020年」
に関しましてはnoisy も驚いてしまいまして・・いや、本当ですよ・・で、
「1級ヴォ・ド・ヴェイ、村名シャブリは時間をおいて2本ずつチェック」
する羽目になってしまいました。
ですが、その素晴らしさは間違いは有りませんでした・・しっかり確認しました。
で、
「これっていったいどういうこと?」
となる訳ですが、
「シャブリには厳しかった2019年と、ブルゴーニュ全体で量が出来なかったが素晴らしい葡萄になった2020年」
の両方が一緒に来ていますから、
「・・と言うことは・・アラン・マティアスが実力を発揮し始めた?」
んじゃないか?・・と感じています。
ただし量は本当に少なく、追加も出来ないと思われます。
「・・そんなにすぐ旨くなる訳、無いでしょ?」
と流されるかもしれませんが、そうしてしまうと美味しいものに当たらなくなってしまうんですね・・まぁ、騙されたと思って飲んでみてください。滅茶旨い4品・・ご紹介させていただきます!
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アラン・マティアスをご紹介させていただきます。エピヌイユですから、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの北限の産地です。
ビオロジックとのことですが、とてもピュアな果実の風味で細やかなミネラリティがオブラート無く感じられます。とても美味しいです。フィネスさんの輸入です。

兵役を終えた後、1979年にシャブリで葡萄の収穫に参加したことで葡萄栽培家という職業を知り、その魅力に惹かれた現当主アラン・マティアス氏は、1980年代初頭にシャブリ 近郊にあるトネロワ地区のエピヌイユ村に7haの葡萄畑を開墾。当時、彼のように小さい畑を持ってワイン造りに挑戦する人々が出始めた最中で、彼ら先駆者が1993年に「Bourgogne Epineuil(ブルゴーニュ・エピヌイユ)」というアペラシオンが制定されるきっかけを作りました。
素晴らしいワインを造るためにはマニュアル化せずに常に考察すること、畑を観察して人の手を加えるのか自然の力に任せるのかを判断していくことが重要という哲学でワイン造りをしています。現在はディジョン大学で醸造学を修了した息子のバスチャン氏と同じく醸造学を学んだバスチャン氏の妻カロル女史もアラン氏の教えを受けながらドメーヌ運営に携わっています。
エピヌイユの他にシャブリにも4haの畑があり、所有する畑はピノ・ノワールを中心に約11ha。この地区のワイン造りの先駆者として常に改良をしたいという精神から2000年にビオロジック農法を採用。2005年からは除草剤の使用を止めてすべての畑を耕作で除草しています。2013年ヴィンテージにブルゴーニュ・エピヌイユとトネール、2015年ヴィンテージにシャブリとプティ・シャブリにそれぞれEcocert(エコセール)のビオロジック認証が下りました。収穫は手摘みで100%除梗、ワインに負担を掛けないためにポンプは使用せず瓶詰まで自社で行っています。
●
2022 Bourgogne Tonnerre Cote de Grisey Blanc
ブルゴーニュ・トネール・コート・ド・グリゼイ・ブラン
【こりゃ旨い!・・シャブリのフリンティさ、質感を持ちつつも、ソリッドさをやや弱めてふくよかにした感じ!2022年は過去最高でしょう!・・様々な容器を入手し、様々なトライを繰り返しているようです!】

良い感じの明るいゴールドですよね・・縦に斜めに走る涙も太いし、そのグラデュエーションの美しさからも・・
「2022年というヴィンテージの恩恵!」
を無視はできないと思います。
また、2020年、2021年ものもそうでしたが、それ以前と比較しますと・・相当に伸びて来ている感じがするんですね。海外メディアもまだ余り本気になっていないようですが、10年後には著名なドメーヌになっているかもしれないと・・思わせます。
トネールの唯一の単独畑?・・と言えるコート・ド・グリゼイですが、かなりキンメリがキツイです。
「シャリっとした口当たりにフリンティーなノーズ」
が有ります。
まぁ・・普通だと逆の言い方をするんですが・・「フリンティーなノーズにシャリっとした口当たり」・・ですよね。でも、
「口中香(こうちゅうか)」
と言いますか、口蓋からノーズに抜けて来る部分でとても良く判るので・・逆に書いています。シャブリ1級格よりも僅かにワイドな温かみを持ち、キンメリ感がしっかり有り、より膨らみが感じられます。とても良く熟していて、黄色や白の果実・柑橘、ドライ目ながらもジューシーさも有り、膨らんでくれます。

また、特別に目立ちはしませんが、ふっくら感とか、ウェットな感じ・・がナチュール感に結びついて感じられます。
このウェットな感じは5年前のアラン・マティアスに比較しますと、
「その頃とは大違い」
と言えるレベルで、
「・・そんなに向上して違って感じられるのは何故なんだろう?」
と思って調べてみましたら、
「アンフォラや大樽、陶器等」
の容器を新たに導入、かなり試行錯誤を繰り返し、
「温暖化が進む気候に対して純粋さと新鮮さを保ちたい」
「細やかな表情を出せるように努力している」
と、それに向けて努力していることが判りました・・。思わず・・
「・・なるほど~・・そういうこと!」
と理解出来ました。
そう・・noisy もワインを飲み始めた頃は、
「シャブリ近郊では、冬季に葡萄の樹が凍って折れないように、厳冬になる前に水を撒いて敢えて樹を氷漬けにして守る」
と聞かされてましたが、今やそんなことは全く言われなくなりましたので、やっていないでしょう。
ですので、温暖化がグラマラスなシャルドネにはしてくれるでしょうが、それが美味しい、もしくはテロワールの具現化であるとは・・想像出来ないのでしょう。
もちろんですが、ブルゴーニュ的なエレガンスをしっかり持った「エピヌイユ、トネール」のシャルドネです。高質です!是非飲んでみてください。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【深く、冷たく、ボリュームを締め付けるようなミネラリティから、果実の美味しさが膨れて来るシャルドネです!】
まずは色彩・・是非ご覧ください。とても黄色が強く、そして粘って粘って・・落ちてくるような涙に、柑橘がへばりついているような写真になっていると思います。
香りはとても自然で良く香り、濃密で・・時にバタリーでもあり、凝縮しています。
ミネラリティはシャブリほど細やかなフリンティさを感じさせるものでは無いとしても、結構に似ていますが、やはりタイトに締まった感覚からの表情の放出は、似ているようで・・少し異なるかな・・と感じます。
ですが質感が非常に高く、シャブリと比較して行くよりも、ブルゴーニュのシャルドネとして比較する方が正しいと思われます。
この凝縮感からの・・バターっぽさとか、果皮の外側の感覚?・・と言えるような、ちょっと余り無いアロマや味わいが非常に心地よいです。煙とか石とか・・どうでしょう・・クローン特有なのか、土壌由来なのかはわかりませんが・・ん~・・薫香・・かな・・とても高質に感じられます。
2018年以降のこのアラン・マティアスは、年々凄みが増して来まして、他のキュヴェ、シャブリ、シャブリ1級のコラムでも書かせていただいてますが、まるで、
「大昔のヴァンサン・ドーヴィサ」
を強く感じさせてくれました。
このコート・ド・グリゼイ2021年もその延長上に有るのは間違い無いんですが、やはり土壌の違い、アペラシオンの違いが大きく影響しているのか、シャブリほどはドーヴィサ臭がしません。しかし、シャブリ2021年より横方向へふくよかで複雑、高質さはそれ以上かもしれません。

味わいもドライで、パレットは縦延び系と言うよりも、ほぼ円形です。若い分、まだ「ムチムチ」っとしています。空気に触れ、時間の経過で膨らみつつ、甘みさえ感じさせる素晴らしい出来でした。
こんなことを書くと引いてしまわれるかとも思いますが、この2021年ものでは無く前年の2020年ものに、ジャスパー・モリスさんは85ポイントと言う低評価が見つかりました。
まぁ・・何でしょ・・noisy も2020年ものを飲んでいますから・・あれに85ポイントは無いだろ!・・と思ってしまいました。キュヴェに対するポイント付けなら良いとしても、アペラシオンに対する個人的な思い込みが大きすぎる気がします。
何しろ、かなりリアリティのある表現をしていますし、ギュッと凝縮していてミネラリティも非常に高いです。
「・・これのどこが・・ダメなのか、まったく理解不能」
です。
適度に締まったフリンティーさを多く含む液体が、ややゴリゴリっと押し分けて入って来て、そこからは非常に優しく・・でも冷ややかな風味に北の地方の柑橘フルーツ、そしてその果実が持つビターさや酸の鋭角さ、総体としての酸の柔らかさを感じさせ、綺麗に伸びて行く余韻が有ります。ぜひとも飲んでみてください!・・
・・この3年、とんでもないほどの飛躍を遂げたドメーヌ・アラン・マティアスです。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【1級ヴォ・ド・ヴェイにも負けない急峻な畑から、より果実フルで柔らかいニュアンスを多く感じさせてくれるブルゴーニュ・シャルドネに近い味わいです!】

2020年だからなのか、それともアラン・マティアスの成長が凄いのか・・は、2022年頃まではハッキリと判断しないでおきたいと思いますが・・
「多分・・アラン・マティアスが凄く成長した!」
んだと思っています。
このコラムの下には2018年もののコート・ド・グリゼイのレヴューを掲載していますし、その時の写真も有りますが、明らかに透明なミネラリティが全面に出たニュアンスの様子が伺えます。
しかし2020年ものは、非常に果実的な色彩を盛り沢山に持っているような色彩で、しかも「肉」が有り、柔らかそうな・・そう、ちょっとブルゴーニュのシャルドネに見えてしまうような感じじゃないでしょうか?
ここはエピヌイユですから、シャブリの西南で・・より南に寄った地域です。ですが2018年もののレヴューには、
「シャブリっぽい・・云々」
と書いていました。なので・・そのまんま・・そうなんでしょう・・(^^;
ですが2020年ものは、そんな部分は果肉のようなボリュームに完全に隠れているんですね。酸が無い訳じゃない・・ちゃんとしっかり有りますし、甘い訳じゃぁない・・し、奥にはちゃんと豊富なミネラリティをたっぷり含んでいるのが感じられる訳です。

しかしながらそれが目立たないほどに、果実感が有って旨いんですよね。
2020年と言うヴィンテージに恵まれたのも有ると思いますが、やはりここはアラン・マティアスの成長ぶりが半端無い!・・と言うことにしたいなぁ・・と思っています。
で、ニュアンスは結構に1級ヴォ・ド・ヴェイ寄りの味わいです。果実が凄く前面で頑張っている部分がちょっと違いますが、高質なニュアンスが似ています。やはり痩せてとても急峻な畑・・と言うことで、
「冷ややかさと高い密度を秘めた感じ?」
が似ているのかもしれません。
なお、この2枚の写真は、まだ気温が高い頃に飲んだ時のものを使用していますので、ちょっと湿気でボヤケ気味ですが、味わいは村名シャブリを超え、1級ヴォ・ド・ヴェイには及ばない・・感じです。
しかし・・何と言えば良いか・・アラン・マティアス自体の立ち位置は、相当上昇したのは間違い在りません。ピュアながらもナチュラル感を備え、膨らみのある美味しさにフリンティなノーズで楽しませてくれます。是非飲んでみてください。極少量の入荷です。
以下は以前のレヴューです。
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【ん~・・シャブリよりシャブリっぽい!やや硬質なフリンティーさと、ほんのりと柔らかさを感じる丸いボディが見事です!】
シャブリから15キロほど東のエピヌイユの手前、トネールのシャルドネです。アラン・マティアスさんの17年のシャブリも今までで最高の見事な出来でしたが、僅かにこちらが上回るかな?・・2017年は良いヴィンテージになったんじゃないか?・・と、これからのテイスティングも非常に楽しみです。
アラン・マティアスさんの2017年シャブリは、詳細はコラムに書きますが、本当に見事な出来で、
「村名格シャブリのお手本!」
と言いたくなるような仕上がりでした。
ところがですね・・この2017年トネール・ブランの出来がまた素晴らしくて、
「ありゃりゃ・・こりゃぁ困った・・」
と言うことになってしまいました。
何故って、ものの見事に「シャブリ」してくれてるんですよ。キンメリジャン的な地層が生むフリンティーなアロマは、
「ん、・・シャブリね」
と、思わず言ってしまうでしょう。
そして、かなり出来の良いふくよかなシャブリだと認識してしまいます。まぁ、敢えて言うなら、そのふくよかさとか、堆積感が少し違う・・もっとこのトネールは隙間の無い感じがするとか・・そんなミクロな部分を持ち出して来ないと違いを説明できない感じになってしまうんですね。
フリンティーなアロマにやや厚めの石灰感、白・黄色の柑橘・果実にドライながらも芯の有る適度な膨らみ、僅かなビター感がリアルな果実を感じさせつつ、やや軽快さを見せつつの余韻が有ります。
フィネスさん入れも関係有るかな?・・コンディションもとても良く、美味しいと思います。これ、コート=ドールのシャルドネとは、やはり違う風情を感じさせてくれる適度に高質なシャルドネです。是非飲んでみてください。お勧めします!
ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ
コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ
フランス Domaine Comte Georges de Vogue ブルゴーニュ
● 2020年もののコント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエです。ご存じの通りグラン・クリュ・ミュジニーをほぼ2/3も所有しています。ルーミエさんにもう少しお分けいただけないか・・などと思ったりもしますが、もしミュジニーが今、売りに出たとしたら、とんでもない額になってしまうでしょうね。まるで花壇のような狭さだったポルシュレの小さな小さなミュジニーの畑も、相当な高値で売られたとしても・・今なら数倍以上になっているんじゃないかと想像しています。
以前は3万円ほどで販売出来ていたミュジニーでは有りますが、Noisy wine でも2019年もので10万円を超え、今回はこんな価格になってしまいました。何せ・・
「2019年ものの販売価格と2020年ものの仕入れ価格にほぼ差が無い・・」
ほどの値上げです。
まぁ・・そうは言いましても、昨年から単純に2割も円安になっていますからね・・言ってみれば蔵出しの値上げがどれほどだったかの推測も出来ない感じでは有ります。
また2019年ものは、上値で100点・・付いていました。2020年ものは上値で99点ですから、
「海外メディアは2019年ものの方が上」
と判断したようです。
まぁ・・noisy はとてもじゃないが飲める状況では無いので多くを語る訳には行きませんが、どうでしょう・・皆、感じることは一緒なんじゃないかと・・思うんですね。
「2019年ものは最初から非常にスムーズな飲み口で判りやすい。2020年ものは仕上がり切っていない感じで推測幅を多くとらなければならず判りにくい。」
と言うような、テイスター泣かせなヴィンテージなんだろうと思います。
先日ご案内させていただきましたベルトー=ジェルベの当主、アメリー・ベルトーも、
「好きなのは2019年。でも時間が経てば(2020年ものの方が好きと)変わるかも。」
と言っているようでして、最近になってようやく幾つかの2020年もののブルゴーニュを多く飲み始めた noisy も、
「・・ん~・・判るわ~・・。まだ仕上がって無い感じの中に、将来性を感じられる滅茶複雑な要素が有る・・と思えるんだよね・・」
と言いたくなっています。
2020年は良いヴィンテージになったと思います。25年~30年経過して初めて全体を通した美しさと美味しさがマッチするグラン・クリュ・ミュジニー、そして、50年経ったら・・
「xxxx年のヴォギュエの白眉はミュジニーでは無くボンヌ=マールだった!」
と、自身の採点を後悔することになるかもしれない・・そういう質(タチ)のボンヌ=マール・・。確かに高いですが、買っておいて良かったと思える日が来ることを祈りましょう。
また、今回は超久しぶりにフィーヌとマールが入荷しました。昔は1万円なんてしませんでしたから、5~6倍以上の販売価格になってしまいましたが、これもまた貴重です。20~30年前にこの価格だとD.R.C.のマールやフィーヌが買えましたよね?・・確かに70~80年代のD.R.C.のマール・・旨かったな~!・・と、懐かしさの中にあの凄い香りも蘇ってくるようです。フランソワ・ミレ氏の置き土産でしょう。ご苦労様でした。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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ブルゴーニュの生産者とするならば、かなり多く生産しているはずなんですが、何故かいつも希少な・・・ド・ヴォギュエさんの2019年正規ものをご紹介します。このところの入荷は以前よりさらに減りました。
そして、醸造責任者のフランソワ・ミレさんの年内の引退が決まったようです。リリースまで手掛けたミュジニー2019 は、ジャスパー・モリス氏が上値100点満点、バーガウンドのアレン・メドゥズ氏が上値98点・・言うこと無しでは有りますが、価格も凄いことになっています。
最早多くを語る必要のないブルゴーニュを代表するトップドメーヌ。一時期低迷しましたが、醸造責任者のフランソワ・ミレ氏、栽培責任者のエリック・ブルゴーニュ氏、販売マネージャーのジャン・リュック・ペパン氏の3人が復興に尽力し、見事不死鳥の如く復活させました。綺羅星のように輝くワインを彼らはいつも家族に例えて語ってくれます。
「ミュジニーは父親で、1級のレ・ザムルーズは母親のような存在。シャンボール・ミュジニーの村名とミュジニーの若い樹から造るプルミエクリュは無邪気で素晴らしい可能性を秘めた子どものようなもの。ボンヌ・マールはたまに家に来るおじさんみたいなものかな。クロ・ド・タールに近くて、性格も違うからね」

テロワールの持つ力を最大限に表現する為、醸造では、新樽比率も抑えています。村名20%、1級30%、特級40%。 これは「美しい女性にメイクアップは必要ない」という考えに基づいています。
地区名 ブルゴーニュ
村名CHAMBOLLE MUSIGNY
創業年1450年代
醸造責任者栽培醸造責任者:フランソワ・ミレ氏
栽培責任者:エリック・ブルゴーニュ氏
所有する畑CHAMBOLLE-MUSIGNY
CHAMBOLLE-MUSIGNY 1er Cru
CHAMBOLLE-MUSIGNY 1er Cru Les AMOUREUSES
BONNES-MARES
MUSIGNY Vieilles Vignes
他 栽培 リュットレゾネ
●
2022 Bonnes-Mares Grand Cru
ボンヌ=マール・グラン・クリュ
【「げげっ!・・今でも飲めるって・・マジですか!」と・・そりゃぁその相手がボンヌ=マールなら、滅茶半端無い出来ってことでしょ!】
何でしょうね・・。普通、このクラスの新しいワインの評価が出る時と言うのは、一部の「決断型」のテイスターさん(ティム・アトキンさんとか)を除けば、ある程度の幅を持ったポイント付けをするんですね。
例えばヴォギュエさんのミュジニー2022年には、ジャスパー・モリスさんは、95~100ポイントとしている訳ですし、他の方々も結構に幅を読んでの評点になります。まぁ・・彼らのテイスティングはほぼ、仕上がったかどうか不明なバレルテイスティングで、ボトル詰め前に行われることが多いです。(ヴォギュエさんちは違うかもしれません。)
なので「読み切れない部分」がその「幅」を生む訳ですね・・硬いとか、どっちに向かうか判らないとか・・
ところが、このヴォギュエさんちの2022年のボンヌ=マールは、トップ評価をされたジェームズ・サックリング・コムのスチュアート・ピゴットさんが、
「滅茶美味しく飲めちゃうんだよね~・・」
と言っているのをはじめ、
「ほとんどのテイスターさんが、ドンピシャリのポイント付けで幅を持たせていない」
ことが判ります。
まぁ・・これは拙い noisy の感覚と言いますか、経験値と言いますか・・そこからは、
「リリースの最初から滅茶凄い美味しいものは神品!」
と言う格言が有るんですね。
そもそもシャンボールのワインと言うのは・・いつも言ってますが、まぁ・・飲み頃がめちゃ難しい訳です。だから、ボンヌ=マールもミュジニーも、ほとんどの場合・・
「ミュジニーは絶品の香りを振り撒いていても、口に入れるとバッキバキ」
「ボンヌ=マールはタイミングを間違えると、土のニュアンスしか出て来ない」
なんてことがまま有った訳です。
その代わり、そのミュジニーやボンヌ=マールのご機嫌が良い時、たまたまタイミングが有って開いてくれたりしてくれますと・・もう・・夢の中の人にされてしまうんですね・・。
2022年、ヴォギュエさんのエポックなヴィンテージになったのかもしれません。因みに・・いただけませんでしたが、2022年のレザムルーズにジャスパーさんは上値98ポイントでした。価格はミュジニーと一緒ほどで数も無いし、プレミア付きでとんでもない価格だと思います・・ので、この2022年ボンヌ=マール..狙い目でしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2021年ものはミュジニーは下げ、ボンヌ=マールは上げ・・のようです。】
シャンボール=ミュジニーのワインは・・いつも言ってますが、
「飲むタイミングが非常に難しい」
です。
それはポテンシャルを取りに行く時にも同様でして、
「凄いのは判っても・・どの位凄いか・・がわかり辛い」
んですね。
時にその半端無い量・質のミネラリティが前面に出て来てしまうと、完全に表情をマスキングしてしまいます。飲む時を知るには色、照りを見て判断するしか・・無いかと思います。
2021年のヴォギュエのボンヌ=マールの大方の評価は2020年ものと比較しますと、ミュジニーは下げているのに対し上がっています。この辺りの評価をバレルテイスティングで正確に把握するのは非常に困難で、かなりの部分・・当たらない想像が含まれてしまっていると思います。何度も申しますが、シャプタリザスィヨンされていたとは言え、70年代の評価さえ付かない、評点が出ていたとしてもA.C.ブル並みの評点でしかないミュジニーが30年経過してとんでもなく美味しかったりする訳です。50年を経たボンヌ=マールが神品としか思えないような経験にも出会うでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【影の実力者、30~50年経ってからようやく本領を見せる、おしとやかな(むっつりな?)アペラシオン・・それがボンヌ=マール!】
ま・・言っちゃえばミュジニーもそうですよね。ただしミュジニーには「物凄いアロマ」が有ります。人々を花園に誘ったかのような香水的な香りが、まだ若くてバッキバキに硬いミュジニーを開けてしまった者にご褒美として与えられます。
ボンヌ=マールは若いうちのパワフルさだけで飲んでしまえば、まだ・・結構に美味しく飲めたりもするんですが、
「10年経ったから・・そろそろ良いか・・」
などと思ってしまったが運の尽き・・なんてシュチュエーションは散々に有ったと思います。
しかしながら、これは誰かも言ってたんですが・・誰だったかな・・(^^;
「50年ほど経過して初めて、その年の白眉はボンヌ=マールだったと知る」
だから、今は物凄いアロマのミュジニーが白眉だと思わされてしまっても、実際にそのワインの本性としてはボンヌ=マールが白眉だった・・と言うことは、気の遠くなるようなオールドヴィンテージを楽しんでいる一部の方には結構・・知られた話しでもある・・と言うことなんですね。まぁ・・さらに言っちゃえば、
「その年のミュジニーのピークはもっとずっと先だった!」
と言うことなのかもしれませんし。
ですから、人間の寿命とワインの寿命の戦いにもなってくるのかな・・(^^ などとも思いますが、少なくとも・・だからワインは楽しい!・・とは言えると思うんですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ヴィノスは上値98Points!・・偉大なるミュジニーの影に有って霞んでしまっているが、完熟するのはこちらが先でしょう!】
まぁ、ミュジニーが本当に完熟したと言えるには、人智を超え、仙人にならないと無理が有る・・と言いたいほど、時間を必要とします。物凄い量のミネラリティに守られ、少しずつ熟し、少しずつその表情を溜め込み、抜栓時に一気に開放します。
なので、
「・・香りは度肝を抜かれるほど素晴らしい・・が、・・硬い・・」
と、30~40年もののヴォギュエのミュジニーを飲まれた方はおっしゃるでしょう。
実はボンヌ=マールもミュジニーに負けないほど寿命は長いのですが、
「若い時分の香りや表情はミュジニーに及ばない」
のが一般的でして、本当に熟した状態の良いボンヌ=マールに有り付ける可能性は、むしろミュジニーよりは高いと言えます。
残念な結果になってしまうのは、たまたまワインも人間もバイオリズムが合わなかったり、若過ぎたりした時に、ミュジニーのような甘美なアロマにならないことが、ボンヌ=マールの評価を幾分下げる結果になっている・・と思っています。
そう言っている noisy も、残念なテイスティングになったボンヌ=マールを散々飲んでおり、またとんでもなく素晴らしいボンヌ=マールにも出会っていますが、とんでもなく素晴らしいボンヌ=マールも、残念なボンヌ=マールも、どちらも強い印象として記憶に刻まれていることは確かで、
「あの90年のxxxのボンヌ=マール、あと10年後には素晴らしかっただろうに・・。少なくとも20年後は完熟していただろうに・・。」
と、その残念な気持ちがいつまでも残るんですね。
だからその残念な気持ちを持たせてくれたボンヌ=マールに再び出会える日を、ずっと待っているのかもしれません。
本来は力強いタイプのボンヌ=マールだと思います。お買い得かなぁと思います。ご検討くださいませ。
ドメーヌ・ピエール・ギユモ
ピエール・ギユモ
フランス Domaine Pierre Guillemot ブルゴーニュ
● このところサヴィニー付いている noisy では有りますが、いやまた将来性の高い有望なドメーヌをフィネスさんが探して来てくれました。
ご存じの通り、1年目から半端無い活躍を見せるギルベール・ジレとも共通点を何故か感じてしまう noisy では有りますが、ギルベール・ジレほど完成されていないものの、
「有望だ!」
と思わせるだけの下地を強く感じます。
グラン・クリュはコルトン・レ・ロニェ・エ・コルトン。あのメオ=カミュゼのクロ・ロニェとほぼ同じ畑です。これは現状で素晴らしい・・ですが、さっさと飲むのは止めましょう・・是非コラムをご覧ください。
そして、1級サヴィニーと村名レ・グラン・ピコタンは飲んでもOKです。村名VVは温度を上げ目にするならOKです。その他は少なくともこの夏の暑さが緩むまで待ちましょう。
と言いますのは、このピエール・ギユモ・・愚直なくらいにクラシカルです。そして、激エレガント系です!・・なので、非常にnoisy の好みでは有りますが、お客様もど真ん中!・・とは行かないと思うんですね。
昨今は「甘~~いピノ・ノワール」に慣れた方が多いですから、
「温度は低めで、セラーから出してすぐに飲み始める」
と言う飲み方は、このピエール・ギユモでしたら・・やや濃い目に出ているアイテムは大丈夫ですが、基本的には・・ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの最適温度、16度で飲むべきです。
甘さを残す造りでしたら13度~14度でも飲めてしまいますが、激エレガント系はそうは行きません。
そしてここだけの話し、2022年のシュヴィニー=ルソーが半端無い美味しさです!・・いや、ご案内はまだ先になりますが、なんでそんなことをここで言うのか?・・と言いますと・・
「フィネスさんの扱い始めたアイテムは、昨今・・3~4年ほどで激変する!」
と・・noisy は感じているんですね。
このピエール・ギユモもまた、もしこの愚直なまでのクラシカルさを残しつつ、
「何かに気付いたとしたら?」
凄いことになると思っているんですね。その辺りも含め、フィネスさんのファーストヴィンテージのピエール・ギユモ、ぜひとも飲んでみていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

1946年にピエール・ギユモ氏によって設立されたドメーヌでサヴィニー=レ=ボーヌの村の中に醸造所や地下蔵があります。1948年からメタヤージュで葡萄栽培を始め、1988年に2代目のジャン=ピエール氏がドメーヌを継ぎ、現在は3代目に当たるヴァンサン&フィリップ兄弟が2015年からドメーヌ運営を引き継いでいます。
兄のヴァンサン氏は Domaine Tollot-Beaut や Domaine Anne Gros などで修行を積み、主に畑や醸造を担当し、弟のフィリップ氏は事務関係を担当しています。
畑はビオロジックで1981年から除草剤は使っておらず、トラクターの使用も最小限で可能な限り手作業で葡萄栽培を行うように心掛けています。また、葡萄の木を抜いた際には再び植える葡萄の木の本数を半減させて別の植物を植えることで畑の中に自然な環境を意図的に作り、そこに小動物や昆虫などを生息させて畑をより自然に近い状態に近付けることでよりナチュラルな葡萄が出来るという信念で葡萄栽培を行っています。
収穫は手作業で行い、白葡萄は畑で2回選別した後に圧搾し、樫樽で最大20%の新樽で12ヵ月間醸造、毎週試飲をしながらバトナージュを行ってノンフィルターで瓶詰されます。ピノ・ノワールは畑と醸造所で2回ずつの計4回選別作業を行い、ヴィンテージにもよりますが0~50%除梗でコンクリートタンクやステンレスタンクで30日間アルコール醗酵を行い、新樽20%で12ヵ月間熟成させた後に瓶詰前にステンレスタンクで3ヵ月間落ち着かせます。櫂入れはせずに液循環のみを行ってノンフィルターで瓶詰されます。他の生産者のワインと比較すると色調が淡い傾向がありますが、これは熟成させるための酸味を保つために糖度を上げないように、フレッシュさがワインに残るように収穫日を決めているからで、過度に甘くフルーティにならないようにワインのバランスを重視している結果です。
また、このドメーヌのピノ・ノワールは Domaine Tollot-Beautの「Savigny-les-Beaune 1er Cru les Lavieres(サヴィニー=レ=ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・ラヴィエール)」のピノ・ノワールをセレクション・マサル(1区画に様々な株の穂木を植えること)で植えたものになります。
●
2022 Bourgogne Haute-Cote de Beaune Blanc le Mont et Foret
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ボーヌ・ブラン・ル・モン・エ・フォレ
【「サヴィニー・ブランのシャルドネのマサル・セレクション」と言うことは、こちらもD.R.C.と同じクローン主体・・なのでしょう!】

期待のドメーヌ、ピエール・ギユモのボーヌの高地のシャルドネです。ドゥスュ・レ・ゴヤルドと同じシャルドネを植え、それが主体になっているそうです。
で、オート=コート・ド・ボーヌの畑と言うことで、しかもサヴィニー=レ=ボーヌの南の丘の頂上にあると言うことなので、グーグルマップで調べてみましたら・・なるほど・・南で丘の頂上で、名前の見当たらない畑はここしかない!・・と言うことで、
「ここだろう」
と、勝手に決めさせていただきました。ル・モンは・・山?と・・フォレは森?・・いや、マジでそこでしか有り得ないので・・はい。
ほとんど「ボーヌ」です。ただし自然派の造り手たちが優れたシャルドネをリリースしているボーヌの丘では無く、そこのサヴィニー側にある丘で森に囲われた比較的大きめの畑でした。非常に良さそうなイメージを受けるロケーションです。
太い涙を見せるやや緑色が入った色彩がグラスの写真から見て取れます。滑らかな酸に僅かにフレッシュな酸が混じっている印象から、スパイスやハーブ、柑橘がノーズに抜けて来ます。現状は幾分ナーバスで、開くまでは中々行きません。ただし適度な中域の膨らみと、これから生まれて来るに違いない伸びの良さが感じられます。
非常にクラシカルな造りで、リリース直後の美味しさを何とか再現しよう・・とする昨今の造り手さんのような努力の跡は見当たらず、ただ実直に・・ワインがなりたい様に仕上げました!的な造りです。

そしてまた、熟度を上げようとか、補酸や補糖をしようとか・・そんな部分もまったく伺えず、愚直なまでの正直さ・・みたいなものが伝わって来ました。
いや、これ・・良いですね!・・ただし、今すぐ開けるのはお薦めしません。この夏の暑さがダレて来た10~11月位まで待ちましょう・・。何せ、若い酸と滑らかな酸が分離しているかのような状況で、まだ仕上がり切っていないようですから・・。
そして、森に囲まれた頂上にあるオート=コートの畑・・と言うことで、ギルベール・ジレの半端無いA.C.ブル、レ・ペリエールを思い出してしまいました。なんかかんか、結構にイメージが重なるんですね。このアロマもまた冷ややかさゆえのハーブの多様さ、頂上故のスパイス・・そしてボーヌの丘のシャルドネのようなしっかり目の石灰系ミネラリティ。
膨らみ始めたら相当良さそうです!・・是非トライしてみてください。お薦めします!・・あ、早飲み厳禁、秋~冬まで待ちましょう。

眼下にボーヌの町が見える畑(9月)
ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤール
ジャン=ルイ・ライヤール
フランス Domaine Jean-Louis Raillard ブルゴーニュ
● ジャン=ルイさんは少し前からヴォーヌ=ロマネの村長?・・市長?・・か判りませんが、政治をしなければならない状況に追い込まれたようでして・・オスピス・ド・ボーヌで栽培を担当している凄腕の甥っ子さんがだいぶ関与しているようです。あ・・結構に推測を含む文章なので、信じ切らないようにお願いいたします。
で・・思い当ることが多く有るんですよ・・。こう言ってはなんですが・・どちらかと言うとライヤールのワインの中ではイマイチの出来で売れ行きも当然ながら良く無かったあのワイン・・
「ニュイ=サン=ジョルジュ村名がいきなり滅茶旨くなって登場した!」
んですね。
なので noisy もびっくりしまして、その旨をお伝えしましたら・・売り辛かったニュイ=サン=ジョルジュ村名がいきなりオオウケしたんですね。
と言う訳で、2022年のジャン=ルイ・ライヤールのご紹介なんですが、いや・・変わって来ましたね~・・おそらくその甥っ子さんの関与の影響でしょう。
どちらかと言いますと若いうちは「さらっ」としたピュアな味わいだったジャン=ルイ・ライヤールのワインですが、早いうちから深みが出て、大きさを感じさせるものへと変化しています。
今回は3アイテムのみの入荷でして、数の無いヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモンは飲めませんでしたが、A.C.ブルとヴォーヌ=ロマネ村名のテイスティングで、
「その大きな変化をたっぷり感じた!」
ことをご報告申し上げます。
こりゃ・・将来も楽しみですが、ブルゴーニュワインファンとしましては、必ずこの2022年の素晴らしい味わいのチェックをしないといけない・・そんなレベルに仕上がっています。ぜひご検討くださいませ!
◇ジャンールイ・ライヤールからのメッセージ: 2022VTのワインは色調が濃く、口当たりが柔らかく、凝縮度が高いです。柔らかなタンニンとまろやかさ、そして真の密度によって支えられた構造を持っています。そして、美しく熟した赤や黒い果実の魅惑的な香りが凝縮されています。
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海外メディアにも全く注目されず、評価ポイントさえ下されないヴォーヌ=ロマネの極めて小さなドメーヌで有りながら、
「・・うわ~・・美味しいね~・・綺麗だね~・・エレガントだね~・・!」
と、日本のワインファンを唸らせ続けているのがこの人、ジャン=ルイ・ライヤールさんです。
飲めばもしかしたら判ると思いますが、全房での高温発酵系で醸造したエキス系のエレガントなピノ・ノワールです。
また、もしかしたら飲んでも判らないかもしれませんが栽培はビオロジックで、So2 は少量使用するタイプです。
そして醸造系はD.R.C.同様ですから、味わいもD.R.C.風・・と言うことになります。
ライヤールさん、ボーヌの教育センターの栽培・醸造の教師をされていらっしゃいます。そんな方が造っておられる素晴らしいワインが、全く注目もされずに放置されている現状は、日本のワインファンにはもしかしたら有難い状況なのかもしれませんが、ワインを取り巻く業界としては非常に残念なことじゃないかとさえ思っています。
難しかったはずの今回ご紹介分、2021年ものですが、
「ま~・・とにかく素晴らしい!健康的でエキスが美しく出た、まさにお手本のようなピノ・ノワール!」
と言えます。
流石に超弱い円と、半分ほどしか収穫できなかった性も有り、A.C.ブルで4千円超えになってしまいましたが、長らく3千円ほどで販売させていただいていました。
もし知らない方がいらっしゃるのでしたら、
「・・そりゃぁ・・とんでもない不幸としか言いようがない・・」
です。
ジャン=ルイ・ライヤールの2021年、是非飲んでください。低温発酵系のジャイエ風、果実たっぷりなタイプでは有り得ず、高温発酵系のD.R.C.風、美しくも伸びやかなエキスが織りなす、エレガントで官能的なピノ・ノワールの世界を教えてくれます。ご検討くださいませ。
■ 2021 ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント
2021年は、ヴィニュロンの生活を困難にするような天候が相次ぎました。3月は非常に湿った冬の土壌が急速に暖まり、3月末には非常に早い芽吹きが始まりました。
しかし、4月6日から8日にかけて、3夜連続で気温がマイナス8度まで下がりました。これは、主に斜面に位置するブドウ木が大きな被害を受けました。しかし、4月の天候は非常に乾燥していて、べと病の発生は殆どありませんでした。
5月は平年に比べて30%を雨が多かったものも、非常に涼しかったため、病害の発生が抑えられました。
6月は非常に乾燥した暑い月であったため、開花が早く、6月8日から15日にかけてブドウは一気に開花しました。結実も非常に早かったため、この時期の農作業は通常7~8週間かかるところを3週間で行うことができました。
7月10日頃にブドウ木は平年よりも2~3週間早く房を閉じ、月末にヴェレゾンを開始しました。病気、特にウドンコ病は、ブドウが抵抗力を増すヴェレゾン直前の7月中旬に大攻勢をかけるので、衛生的な監視が必要でした。しかし、数年前から100%オーガニックに取り組んでいる私達(甥のヴァンサン・ペンダヴォワンがドメーヌを徐々に私から引き継いでいます)は、雨季の間にブドウの木を処理し、繊細な時期のブドウを保護することができました。
8月に入ってからの寒さがブドウの成熟を妨げたましたが、幸いにも8月15日からは気温が高くなり、ブドウの成熟を助ける夏の暑さが戻りました。霜や連続した寒波、熱波に見舞われた区画によっては、成熟度が同じではないため、最高のブドウを得るために9日間かけて何段階かに分けて収穫を行うことになりました。
結論から言うと、糖度が高く、総酸度も良好なレベルのワインができました。リンゴ酸の量が平均よりやや多いため、マロラクティック発酵が通常より遅れて行われました。収穫まで少し待つことができたので、タンニンの熟成が得られ、1999 年のヴィンテージに近いものとなりました。健全でバラ房の小さなブドウで、ミルランタージュのブドウも少しあり、醸造を行うことができました、果皮はかなり厚く、果汁の収量はかなり少なめでした。このため、私達のこれまでの少量醸造の経験が大いに役立ちました。
大量生産に慣れている造り手の中には、ほとんど空っぽの大きなタンクで、温度管理、抽出、パンチングダウンを行うことが非常に難しく、機械では不可能な場合もありました。そのため、ポンプを最大限に使ったポンピングオーバーを行った造り手もいました。しかし、これは酸化現象が発生するため、推奨されるものではありません。
ドメーヌでは、良好な抽出で、美しいルビー色で、小さな新鮮な赤い果実のアロマがあり、柔らかいタンニンと美しいストラクチャーを持つ、将来性のある美しい赤ワインを得ることができました。
白ワインは、柑橘系のニュアンスを持つアロマが主体で、生き生きとしていて、正確で、時間が経つにつれて丸みを帯びてくるでしょう。
ジャン・ルイ・ライヤール
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ヴォーヌ=ロマネに有って、非常に質の高いエキス系の見事な味わいのワインを、非常にリーズナブルに提供してくれる唯一のドメーヌ、ジャン=ルイ・ライヤールの2019年ものが入って来ました。毎年全く残ることなく完売を続けていますが、それはやはりヴィンテージ背景が見えつつ見事な仕上がりを見せる味わいとコストパフォーマンス故でしょう。
早速届いた2019年ものを、トップ・キュヴェのヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモンを除いて4アイテム、テイスティングさせていただきました。
2019年はライヤール本人が言うように、とても収穫量が少ないヴィンテージですが、「ミルランダージュ」の葡萄が多く、いつもよりやや長熟さのある仕上がりになっています。
細かいことは各コラムに記載させていただきますが、その中でも・・
「早く飲んでも美味しい・・早い仕上がりをしているキュヴェ」
は、村名ニュイ=サン=ジョルジュと、A.C.ブル・ブランのレ・シャサーニュです。
村名ニュイ=サン=ジョルジュは今の段階で結構に開いた感じが有り、美しいエキス感からの表情についつい・・うっとりしてしまうほどです。
また、A.C.ブル・ブランのレ・シャサーニュがまた素晴らしい出来で、今までで一番・・ほぼ完全にエキス化がされ、微細な表情が複雑性により多彩で官能ささえ感じられるものです。これは少ないですが・・飲んだらビックリするほどだと思います。
「少し休ませて・・もしくは熟成させて飲むべきキュヴェ」
は、村名ヴォーヌ=ロマネとA.C.ブル赤のレ・パキエです。勿論ですが、飲めていないレ・ボーモンもそうかと思います。
「2019年ものはミルランダージュが云々・・」
と言うライヤール本人の言葉が裏付けられる味わいで、相当に集中していて、見事なタンニンが有り、ミルランダージュらしい濃密な味わいに仕上がっています。その反面、
「まだ仕上がり切っていない」
のもしっかりと透けて見えています。ややタンニンが前に出ていて、エキスな味わいではあるものの、まだまとまり切っていないんですね。
ですのでこの2アイテムは、
「最低1カ月の休養」
が必要で、出来ることなら「オリンピックが終わった頃」から手を付け始めるのが正解かと思います。
ですが、仕上がり自体は相当に良く、2015年ものの美しい仕上がりに凝縮感からの力強さを加えたようなニュアンスですので、相当に期待できると確信しています。
どうやら今回の2019年ものは一発で終了のようですので、是非ご検討の上、お早めにご注文いただきますようお願いいたします。
■2019 ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント
2018 年の12 月は雨が多く、平年よりも2.2 度も高い気温で年が暮れました。2019 年は、平均よりも約1.1 度暖かい温暖な3 月によって芽吹きは平年よりも早く、およそ半分の畑で4 月初めに芽吹きました。しかし、寒波の訪れと4 月5 日の霜によって、芽吹きが早かったブドウ木が被害を受けてしまいました。
4 月中旬からは、気温が上がり、5 月になると夏のような熱波に見舞われ、少しの雨を交えて、熱波は6 月初めまで続きました。6 月に入ると涼しい気温と風によって、ブドウ木の成⾧が鈍り、結実不良によるミルランダージュが起こりました。しかし、日照量は平年よりも多く、7 月から収穫までの2 か月の気温は平年よりも高く、水不足が心配になるほどでした。
それでもブドウ木は干ばつに耐え、9 月の好天によって、成熟したミルランダージュの(それでも良好な酸を備えた)ブドウを得ることができました。この素晴らしい天候と、病気にかからなかった全く健全なブドウを状態に鑑みて、収穫を10~12 日ほと遅らせ、9 月19~21 日に収穫しました。2019 ヴィンテージは、タンニンと酸、自然アルコール度数のバランスが完璧で、前途有望で、素晴らしい熟成のポテンシャルを秘めています。
ジャン・ルイ・ライヤール
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待望の2018年、ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤールのご紹介です。これほどまでにリーズナブルで、ブルゴーニュの聖地の素晴らしい味わいを届けてくれるのは、ジャン=ルイ・ライヤールだけです。他にいらしたら是非教えてください・・(^^;;
今回は、あのフラッグシップ、1級のレ・ボーモンもいただきました。これは非常に希少です。
「あと7割増しで欲しい!」
と言って交渉したんですが・・何だかんだと言い訳された挙句、結局最初に提示された量しか来ませんでした。(・・だからそれじゃテイスティング代が出ないってば!)
2018年も非常に素晴らしいです。伸びやかで健康な2017年ものに対し、2018年ものは「複雑性」が乗っかっていますので、ポテンシャルは確実に上回り、その分、育っていくのに少しタイミングが遅くなる・・と感じました。
それにしても滅茶美味しい!・・ヴォーヌ=ロマネの生産者で最もリーズナブルで最もエキシーです。A.C.ブルでさえ・・非常に・・です。(ここでは書きませんが・・)是非ともご検討くださいませ。
■2018ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント
2018年の冬は湿気が多く雨がちでしたが、4月初めからの季節外れの暖かさで、ブドウの芽吹きは非常に早くなりました。しかし、5月上旬に気温が氷点下にまで下がり、ブルゴーニュは霜の被害を受けてしまいました。幸運なことにヴォーヌ・ロマネは被害を免れました。その後暑さが戻り、ブドウは5月末に開花しました。そして良好な条件のもとで成長しました。
6月に入ると雨がちの日が2週間程続きました。この間はべと病の心配がありましたが、管理を怠りませんでした。その後は乾燥した暑い日が戻り、それは収穫前まで続きました。
2018年は4月から9月にかけて、1559時間の日照時間がありました。これは平年よりも20%も多い日照時間です。この日照量のおかげで、酸と糖とタンニンの並外れたバランスを備えた、健全で成熟した素晴らしいブドウを収穫することができました。
ジャン・ルイ・ライヤール
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ジャン・ルイ・ライヤールの2017年が少量入荷してきました。大変小さなドメーヌですので、人気の高さに数が本当に足りません。
2016年ものの美しいエキスのワインには皆さんも心を奪われたに違いありません。難しかったはずのヴィンテージに「そつなく」ではなく、「すばらしい」ワインに仕上げた実力は確かなものと言えます。
2017年ものは前年のような苦労は無かったようです。前年はほぼ9月の後半(28日頃)に収穫していますが、2017年ものは前半(8~9日頃)ですから、3週間も早いですし、生産量も1.5倍~1.7倍ほどに増えているようです。
で、非常に少ない1級レ・ボーモン(公称900本)は片手の指さえほとんど余るほどの数量しか入ってませんので飲めませんでしたが、A.C.ブル、村名ニュイ=サン=ジョルジュ、村名ヴォーヌ=ロマネをテイスティングさせていただき、2017年ものの姿を見させていただきました。
2016年ものがリリース直後から凄いバランスを見せたのに対し、2017年ものはより複雑性高く、より品格を感じる味わいでした。ある意味、リリース直後から完成された味わいの2016年・・は、最初から非常に美味しかった訳ですが、2017年と比較してしまえば複雑性は届かなかったかと言えます。
2017年は複雑性の高い味わい・・つまりよりポテンシャルが高い訳で、その分、「現時点でのまとまり」と言う点では2016年に及ばない訳です・・村名ニュイ=サン=ジョルジュを除いては。
いや~・・ニュイ村名、今絶好調です。滅茶苦茶旨いです!・・しかも激安ですし!・・勿論、A.C.ブルもA.C.ヴォーヌ=ロマネもその意味では「時間の問題」です。輸入の疲れが取れた休養バッチリ状態に持ち込んでいただいた段階で、
「エキスたっぷり!ピュアでエレガント、複雑性も高い見事な激安ピノ・ノワール!」
に大変身です。
ブルゴーニュワインの暴騰が懸念される中、ブルゴーニュのど真ん中の誰もが飲みたいと思っているピノ・ノワールをリーズナブルに供給してくれている数少ないドメーヌさんです。是非飲んでみてください。超お勧めします!
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素晴らしかった2015年ものは、ま~・・飛び抜けて美味かったですよね~。しかも価格も実にリーズナブル!・・ヴォーヌ=ロマネの生産者さんですよ?・・今時はヴォーヌ=ロマネ村名など、ネゴスものでもこんなプライスは不可能かと思いますが、それも、
「滅茶美味しい!」
ですからね。2016年ものも期待してテイスティングに臨みました。今回は1級レ・ボーモンは無し、次回以降の入荷を期待しています。
物凄く健全で何のストレスも継ぎ目も無い見事な2015年ものに比べ、2016年ものはやはり2016年らしい複雑性を秘めた大きな構造のワインだと言えます。
この辺の仕上げ方は実に見事で、
「ジャン・ルイ・ライヤールって、こんなに造りが上手かったんだ・・」
と驚かされました。
今飲んで納得の味わい、3年後に期待を大きくし、6年後以降、大きく膨れたボディからエレガンスと複雑なアロマを見せてくれるものと感じた2016年です。
■ヴィンテージを追うごとにワインの純粋さと透明感がアップ
【1968 年から全房発酵を貫くヴォーヌ・ロマネの小さな巨人】

1968 年から元詰を開始したドメーヌ・ライヤールは、栽培面積3ha 弱、総生産量5~6 千本という、他のヴォーヌ・ロマネのドメーヌに比べて極めて小さなドメーヌです。ガイド等への掲載は殆どありませんが、コストパフォーマンスの高さで、欧米では個人客を中心に高い人気を集めています。
■全房発酵の第一人者
温暖化の影響と世代交代によって、2010 年代からブルゴーニュで急速に導入が進んでいます。しかし、ジャン=ルイ・ライヤールは元詰めを始めた1968年から半世紀近く一貫して全房発酵にこだわり続けてワイン造りをしてきました。全房発酵を行うためには何よりもブドウの果梗まで成熟させる必要があり、収穫をぎりぎりまで遅くしなければなりません。また、ピジャージュ(櫂入れ)は機械を使わずに足で行わなければならず、より多くの手間がかかります。ジャン=ルイ・ライヤールはDRC やルロワと共通するこの哲学をずっと実践し続けている全房発酵の第一人者なのです。
■職人的な緻密な作業から生まれる真のハンドメイドワイン
ジャン=ルイ・ライヤールは、ロマネ・コンティで働いていた両親から1989 年にドメーヌを継承しました。彼は自分の目の届く範囲の小さな畑で、職人的な緻密な手作業による「真のハンドメイドワイン」にこだわって仕事をしています。例えば、発酵層からワインを引き抜く際も機械は使わずに、手作業で小さな桶を使って行っています。ドメーヌのワインの品質向上は特に2010年代に入ってから目覚ましく、ヴィンテージを追うごとにワインの純粋さと透明感がアップしています。
■ドメーヌの醸造について
近年のブルゴーニュでは、湿度が高い涼しい夏、そして夏の日照不足を補って余りある程の素晴らしい9 月の天候によって、可能な限り成熟したブドウを得るために、以前よりもずっと遅く収穫ができるようになりました。それは特に梗の成熟に顕著に表れています。こうしたことから、近年、全房発酵がブルゴーニュで広がりを見せているのだと思います。いずれにしても、全房発酵を行うためには成熟した果梗を得ることが非常に重要です。私のドメーヌでは最も良く熟す区画や除梗しないブドウに適した区画を毎年見極めて果梗のついたブドウを収穫しています。
まず、全房のブドウを発酵層の深部に置くことで、発酵が長く行われるという効果があります。全房のブドウはブドウの粒の中で発酵が行われるため、発酵層の中に温度の高い核の部分が生まれ、30度を超える温度が長く維持されるのです。そして、アルコール発酵の期間がより長くなることによって、最上の抽出と、異なる成分(タンニン、色素、ポリフェノールなど)の間の自然な結合が可能になります。また、果梗が発酵中の急激な温度上昇を抑えて、固体と液体の間の良好なバランスを取ってくれます。発酵中に機械を使うピジャージュ(櫂入れ)やポンピングオーバー、激しい攪拌を行うと、揮発性の高いアロマがピノ・ノワールから失われてしまいます。このため、ドメーヌではこのような激しい行為を行わず、足でソフトなピジャージュを行って、揮発性の高いアロマがワインに残すようにしています。
果粒の中で発酵したマストは、圧搾によって開放されて、焙煎やトースト、スグリなどのブラック・フルーツのノートを備えた凝縮したアロマを生み出します。また、新鮮なレッドフルーツのアロマを除梗したブドウの部分にも広げる作用もあります。それから、発酵層からワインを引き抜く際、発酵前には緑色であった果梗が深い赤色に変わっていることを確認することができます。これは、果梗が発酵中に一部の色素とアルコールを捕える働きがあるからです(*このためワインの色調がやや薄くなります)。この際、果梗は内包していた水分を放出しますが、ヴィエイユ・ヴィーニュは若いブドウ木に比べて水分が非常に少ないという特徴があります(このため、ヴィエイユ・ヴィーニュの方が全房発酵に向いていると言えます)。幸いにもドメーヌの畑は樹齢が60~80 年を超えるブドウ木が大部分を占めているため全房発酵向きと言えます。
果梗と一緒に発酵させることは、樽熟成の際に不快なアロマや還元反応を引き起こす原因となる大きな澱や沈殿物を皮や果梗が捕らえてくれるため、ワインが自然な形で濾過されるという利点もあります。このため樽に移されたワインは清澄度が高く、マロ発酵終了後も樽熟成の間も、澱引きや樽の移し替え、あるいはポンプを使った作業などは一切することなく、静かに寝かせておくことができます。そして、熟成後も無清澄・無濾過の瓶詰めが容易になります。
ドメーヌでは、発酵層からワインの引き抜く際は機械は使わずに、手作業で小さな桶を使って行っています。手作業でワインを移し替えるため、ブドウの皮や種、果梗をこねくり回すことはありません。また、圧搾も非常にソフトに行うことができます。このため、ワインには不快なえぐみや苦み成分が付くことはなく、ワインに過剰なストレスを与えることもありません。
ドメーヌのワインは14~18 ヶ月の間、澱と一緒に熟成されます。ワインは、細かな澱から栄養を補給して、ふくよかで豊かになり、トーストしたパンを思わせるアロマや柔らかな口当たり、そしてタンニンを包み込んでビロードのような口当たりを生み出す粘性を獲得します。バリックでの熟成においては、焼きのややしっかりした新樽の比率を高めにしています。これはバリックが、発酵中と発酵後の果皮浸漬の際、特に醸造温度が30 度を超える際に、抽出されたブドウの種に由来するタンニンを補完してくれるしっかりと溶け込んだタンニンをワ
インに付与するともに焼いた木の微かなニュアンスももたらしてくれるからです。
ドメーヌでは熟成中にバトナージュは行いません。なぜなら、澱は低気圧の時にはワインの中に均等に浮遊し、高気圧の時には樽の底に沈殿するため、バトナージュと同じ効果を自然にもたらしているからです。この特性を利用して、ドメーヌでは瓶詰めの一ヶ月前の高気圧の時期にワインの澱引きを行ない、瓶詰め時期もちょうど高気圧の時期になるようにプログラミングしています。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティも全く同じ方法を取っています。
一般的に熟成中は、バトナージュをして樽の底に沈殿する澱を浮遊させないと問題が起きると言われます(澱がワインの重さで潰されるため)が、ドメーヌではシュール・リーの状態で熟成させることに関してはいかなる問題も発生していません。幾つかのドメーヌが、澱引きをしないことで還元の問題に突き当たるのは、SO2 の過剰な添加に由来するもののではないかと考えられます。
ドメーヌのワインは、マロラクティック発酵の際に発生する炭酸ガスによって酸化から守られるため、SO2 を添加する必要がありません。但し、補酒は定期的に行なっています。また、決してポンプを使ってワインを取り扱うことはありません。瓶詰め前にワインを樽から引き抜く際もポンプは使わず、樽の上部の穴からの空気圧によって、ワインを樽から押し出すという自然な方法で行なっています。この方法だとSO2 加える量はごく微量で済み、ワインのアロマの全てを失うことなくワインの中に残すことが出来るのです。
ドメーヌでは、ワインのアロマはワインの熟成過程における最優先事項の一つと考えています。ワインをシュール・リーの状態で静かに熟成させることによって、新鮮な果物のアロマをしっかりと残しながらも、焙煎や燻した香りやトーストなどのトリュフに近いような香りもより多く残すことが出来るのです。
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2022 Vosne-Romenee
ヴォーヌ=ロマネ
【安定した美味しさのジャン=ルイ・ライヤールの村名ヴォーヌ=ロマネにも大変革の兆し!・・美しさに構造の深さと幅をさらに深めた素晴らしい出来です!・・飲んでおくことをお薦めします!】

考えてみれば・・徐々にアイテム数は減り、味わいも少しずつ深いものに変化して来たジャン=ルイ・ライヤールです。2021年ものはエレガントで旨滅茶かったし、2020年ものは果皮の美味しさを堪能できるほど・・2019年ものはミルランダージュ特有の旨さが有り、有頂天になるほど美味しかったです。
で、そもそもを考えてみますと・・このコラムにグラスの写真がある2014年と2015年・・をぜひご覧いただきたいのですが、
「近年ものとは大きく異なる」
のが・・お判りいただけると思うんですね。超淡い色彩をしてい・・るでしょう?
まぁ・・知ってはいても言えないことも有るのがこの世界の掟なので、そこはそれなりにわきまえていますから・・でも、
「ジャン=ルイ・ライヤールも大変革の真っ最中!」
であることは、飲めば・・そして以前のライヤールのワインを思い起こすことが出来れば、誰にでも理解できることじゃないかな・・と思います。それほどに、
「2022年のジャン=ルイ・ライヤールのワインは、ライヤール自身の将来を映し出している!」
と言えます。
アンリ・ジャイエが始めたと言われるキュヴェ・ロンド・・でも決してジャイエ風な低温発酵系を取らずに全房発酵を多く使用し、しかし新樽使用率は高い・・と言う元々からのジャン=ルイの手法ですが、それも少しずつ変化しています。葡萄の仕立て自体も相当に変化していると感じます・・ナチュールな方向性も指し示して来ているかのようにも感じます。

かなり大柄なヴォーヌ=ロマネだと感じます。そしてクラシカルでも有る・・あれ?・・ジャン=ルイ・ライヤールって、こうだったっけ?・・と一瞬感じますが、余りの総体バランスの良さと、ヴォーヌ=ロマネならではの柔らかな訴え、ふんわりとしたアロマの精妙さ、緻密な組み立てが滅茶心地良いんですね・・。
いや~・・2022年のジャン=ルイ・ライヤールのヴォーヌ=ロマネ・・めっちゃ美味しい!・・だけでは済まない・・これから起きることを夢想させるようなエナジーを感じます。
Noisy wine の場合は、ブルゴーニュワインが主体でも有りますがビオ系ワインも非常に多く扱っています・・ん?・・そうでもない?
ですので、テイスティングにおけるナチュール感(難しい言葉ですが)は常に感じるようなクセが付いています・・ジャン=ルイ・ライヤールもまた、テクニカルでは何も変わらないのに、その部分においては・・
「年を追う毎に上がって来ている!」
と感じる訳です。
そして厳しかったはずの2021年ものでも、とてもそんなことを思わせないような素晴らしい出来を見せた訳でして・・テクニカルには出て来ない、栽培の部分における進化が有ったととも・・思える訳です。
まぁ・・この2022年のジャン=ルイ・ライヤールの村名ヴォーヌ=ロマネは、必ず飲んでみるべきだと思います。将来・・
「・・あ~・・だから・・かぁ・・そうだったのか!」
と、今のこの瞬間が有るからこそ将来の理解が生まれ、それがブルゴーニュワインファンのマニアックな心を満足させてくれるはずです。
ん~・・何か思わせぶりな文章になってしまいまして申し訳ありません。D.R.C.が遊び場だったジャン=ルイもまた、今はヴォーヌ=ロマネの村の長になり・・時代が大きく動いているんですね。めちゃお薦めします!ぜひともこの2022年の大変革ヴォーヌ=ロマネ、飲んでみてください!
以下は以前のレヴューです。
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【いつものライヤールのエレガントなヴォーヌ=ロマネ!・・やはりD.R.C.系、ジョルジュ・ミュニレ=ジブール系の見事なエキス系の・・雅な味わいです!】

2020年ものは濃密でした。2019年ものは濃密では有りましたが2020年ものほどでは無く、バランスに優れていました。2018年ものはエレガントで非常にバランスが良く、エキスの味わいが何とも言えぬヴォーヌ=ロマネそのものを感じさせてくれる味わいでした。
2021年ものは2018年ものに近い印象です。しかし、葡萄の熟度自体はむしろ2019年ものに近く、ただ2019年ものの濃密さ・・バッサリ言ってしまえば葡萄の糖度は及ばない感じですね。
つまり2021年ものは収穫時期が遅い・・9月20日です。なので通常年よりも2週間遅いんですね。これですと、糖度やタンニンの熟度が上がって来ないので収穫時期を遅くせざるを得なかった訳で、その間に糖度は上がったものの、幾分先鋭な酸・・リンゴ酸系ですね・・これをやや失った熟度・・と言う感じです。
ですが、それが味わいや出来に大きな影響を与えている感じでは無く、むしろヴォーヌ=ロマネのワインが持つ、
「酸の柔らかさ」
「暖かいニュアンス」
「バランスの良いパレット感」
を助長する方に行っていると感じました。

誰しも、雨が降っていれば傘を差しますが、雨は天から降ってくる、もしくは風に流されて横になる場合も有るので、そちらの方に傘を傾けて・・歩いたりしているものです。
ワインの醸造も、普通にやってしまえば・・おそらく、発酵を待って、発酵が終わって、熟成させ、澱引きし、ボトル詰めします。
しかしながら・・大昔からやっていたとは思いますが、マストに出来る限りストレスを与えないことが良いワインを造る秘訣でして、その一つ一つの工程に「思慮」が必要になります。タンクからワインを出したい場合、通常はポンプを使用しますが、それだとマストやワインにストレスを与えてしまいますし、酸化の機会を大いに増やすことにもなります。
ビオディナミの台頭は、そんな昔からの方法を今一度見つめなおす機会になったと・・noisy は感じています。30数年前、やっとの思いでヴォーヌ=ロマネを購入しました。結構高かったと思いますよ・・。このライヤールの2021ヴォーヌ=ロマネと、さして変わらなかったと思います。
ワインは1000円か、高くても1500円と言う理解だった時代に、数千円もするワインを・・造り手も何も関係なく、
「ヴォーヌ=ロマネを飲んでみたい!」
と・・ロマネ=コンティやラ・ターシュはお小遣いじゃ買えないから・・(^^;; みたいな若造でしたから、清水の舞台から飛び降りるようなつもりで購入した訳です。
それで・・飲んでみたんですね~・・
実際のところ、余り美味しく無かった・・(T.T
今でいうところの「熱劣化のワイン」だった訳です。その時はそうだとは判らなかった・・。今はすぐに判りますが・・(^^
で、このヴォーヌ=ロマネ・・と言いますか、2021年のジャン=ルイ・ライヤールのワインは、コンディション、滅茶良いです!
反対に・・現状の・・すこぶる状態の良い自然派系のワインをお楽しみいただいている方、と言いますか、それしか飲んだことが無い方は、反対に・・積算温度感の高いリーズナブルなクラスの・・例えば普通のイタリアワインなどを飲まれますと、下手をしますと逆に、
「・・これ、熱劣化してない?」
と判断することになりかねないんじゃないかとさえ・・思っています。それ、違いますので・・はい。
やはりライヤールのワインは、そんなビオの教えがアチコチに生きているように感じます。それでもけっしてアヴァンギャルドでは無い、正統派です。
滅茶美味しいので、これは・・飲んでみていただきたい!素晴らしいヴォーヌ=ロマネです。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【是非とも以前のヴィンテージのグラス写真と比較してみてください!・・2019年同様にエキスは濃密系に振れていますが、ここまで来るとあの「労役」と言う名前の畑の幻影が見えて来たように感じられます!】

なるほど~・・な味わいでした!・・端正で濃密さが有って、いつ飲んでも美味しいだろうなぁ・・と思わせてくれた2019年ものに比較しますとより濃密で複雑性が高く、熟すまでの少しの忍耐を要求されるヴィンテージ・・それが2020年ものなんだろうとnoisyは感じ始めています。
確かに・・まだ到着はしていませんが、ジャン=ニコラ・メオも、
「素晴らしい出来の2020年ものをさっさと開けてしまうのは止めて欲しい・・」
と言っていた・・と聞きましたが、まさに・・さも有りなんな味わいでした。
もっとも今現在、飲めないような状態・・では無いんですね。今開けてしまうと「勿体無い」、もしくは「少し早かったと後悔する」可能性が有ると言うことなんでしょう。
しかし・・しかしですよ・・まぁ、ワインを美味しく飲みたい・・とか、飲み頃まで待って良い状態まで持って行きたい・・と言う想いはあると思いますが、まだ若いから・・完全に仕上がってはいない状態だからこそ、判るものもあるんですね。
まぁ、樽のニュアンスなどは赤ワインは特に新樽率が低く溶け込んでしまうと判り辛くはなってしまいます。その若い状態・・これがまた・・
「若い時の美味しさや味わい」
もまた、ワインを知るには良い経験になるんじゃないかと思うんですね。

noisy 的には、この2019年や2020年のライヤールのヴォーヌ=ロマネは、以前のヴィンテージのものに比較しますと、
「明らかにより濃い」
です。
2017年頃までは余り感じなかった、でも2019年ものの時には「ミルランダージュ」を言ったがために言い出せなかったことも有ります。
それは・・若い時の「労役」と言う名のワインの面影を感じるんですよね。D.R.C.のラインナップ中ではもっともパワフルな味わいのあの畑です。まぁ・・あの「労役」は、もっと新樽っぽさが出てますけど・・あ、最近は飲めていないので・・10年位前まで・・と言う限定では有りますが・・(^^;;
おそらく、ある程度の仕上がりにはこの秋まで時間が必要でしょうし完熟までとなると5~10年と言うスパンが必要かと思いますが、それでもこの・・決してジャイエ系の味わいでは無いヴォーヌ=ロマネの美味しさも、また格別なものなんだと・・飲めばお判りいただけるかと思います。
それも、
「世界中でもっともリーズナブルなヴォーヌ=ロマネで、日本では買えるが他国ではまず買えない!」
ジャン=ルイ・ライヤールです。複雑で濃密、あの畑が遠くに見える2020年ものです。ご検討くださいませ。お勧めいたします!
以下は以前のレヴューです。
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【2019年ヴォーヌ=ロマネ村名は「ミルランダージュ祭り!?」・・相当に濃密な色合いになっています!これも仕上がるのが楽しみなワインです!】
寄った写真にしてしまった性で今度は少し判りにくいかもしれません・・すみませんでした。
でも2017年、2018年、2019年のグラスの写真を是非見比べてみて下さい。・・
「・・そう・・全然違う!」
ことに気付かれるかと思うんですね。
人間の思い込みって相当なもので、ここまで異なるとは・・証拠を見せられない限り、本人は絶対納得しないと思うんですね。少なくとも、2017年ものと2019年もの・・同じ畑のワインだとは思えないほどに明るさ、濃さが異なって見えます。
今年前半、あのマルク・ロワのキュヴェ・アレクサンドリーヌの2018年ものを3年越しでご案内させていただきましたが、ま~・・高くなりましたよね。随分と頑張って値付けしましたが17000円弱と言う以前の倍近い価格です。
キュヴェ・アレクサンドリーヌは、ミルランダージュの葡萄だけを集めて造ったワインですから、ほぼ100%ミルランダージュだけです。でもこちらは100%ではないでしょうが、それでもこの色合いの違いを見れば、相当にミルランダージュ率は高いと推測出来ます。
そして飲んでみると・・口入れは優しく、アロマも美しく、ミネラリティたっぷりでやや官能さも漂います。中域は適度に膨らんでくれますがタンニンが前面に出ていて、
「美しさと言う点で、今の時点では2018年ものに負ける」
のは間違い在りません。
しかしながら、ほんの少しの時間が必要では有りますが、より濃密でポテンシャルの高い葡萄を得ている訳ですので、今の時点でも総合得点では逆転します。
このタンニンの出が抑えられ、溶け込むには東京オリンピックの終了頃まで待たなくてはなりません。それはちょっと残念では有ります。
しかしながらその時間こそが、このミルランダージュを多く含んでいる(はずの)ヴォーヌ=ロマネを開花させるのに必要なんですね。
いつもより少ないがとても充実した葡萄が収穫できた・・でも、いつもの年の通りの出荷をしなければならない・・なので、ライヤールとしては少しは悩んだはずです。でも飲み手を信じ、
「きっと対処して美味しく飲んでくれるだろう」
と思ったに違い在りません。
2018年までですと、どのキュヴェを先に飲んでもOKでしたが、2019年は順番がちゃんと有ります。
「ニュイ=サン=ジョルジュ or ブル・ブラン が最初で、その他のキュヴェはその後・・」と覚えておいてください。
実にしっかりしたポテンシャルの高いヴォーヌ=ロマネ村名です。勿論、非常にドライで残糖など無く、エキス化に問題は全くありません。小果実だからこその多めのタンニンが適当に溶け込むまで・・休ませてあげてくださいね。もし間違えてヴォーヌ=ロマネ村名を先に開けてしまったらそれは自分の責任・・と思ってください・・(^^;;
「しっかり休ませ美味しいミルランダージュを!」
お楽しみくださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【この色合いの異なり方は・・結構なものですよ!・・2016年を超えた2017年をさらに超えた2018年です!・・(^^】
もう、素直に謝っちゃいます。ごめんなさいです。こんなに安く販売させてもらってすみません・・と。
このA.C.ヴォーヌ=ロマネは、おそらくヴォーヌ=ロマネ村近辺で伝わって来た、上の畑と下の畑をブレンドする手法で造られています。アンリ・ジャイエがやり始めた・・と言われていますがどうでしょうか・・命名したのがジャイエじゃないかと思っていますが、一般的にはアンリが考えたことになっているようで、その名も「キュヴェ・ロンド」です。
ロンドと言うのはおそらく踊りの「ロンド」で「輪舞(りんぶ)」でしょう。他にも「巡回」とか、「見回り」、「丸い字体」などの意味があるようで、上の畑と離れた下の畑を往復する様を自嘲気味に「キュヴェ・ロンド」としたのなら、
「言い得て妙」
では無いでしょうか。
2017年もののこのキュヴェ・ロンドによるA.C.ヴォーヌ=ロマネは、非常に出来が良く、早い段階から美味しかった2016年よりもよりしっかり出来ていたと記憶しています。
そして今回の2018年・・色合いが・・凄いことになってます。素晴らしい色・・ですよね。そもそもアンリ・ジャイエは、このような深い色合いを出したいがため、有名な低温浸漬と言う手法を編み出した訳です。
何せ濃い・・しかし、濃いと言っても塗りつぶしたような一面のものでは無く、積層感の高いものだと見えます。味わいも非常に複雑性が高く、2017年ものを軽々と超えてきたかな?・・と言う感じです。
その分、完全には溶け込み合っていない感じも少ししますが、まだ完全には落ち着いていない状態でのテイスティングだった性も有りますし、抜栓後15分もすると良い感じになって来ますので、
「少し休養させれば美味しく飲めるはず」
と踏んでいます。
また、ライヤールのワインはSo2の使用量が少なく、そのため抜栓直後からとても良く香ります。そのアロマも、酸化を助長したような新樽の効果は余り認められず、ピュアなアロマなんですね。
なので、栓を抜いた直後からの酸化が、どんどんアロマを官能感あるものへと変化させてきますし、酸の美味しさも増大、タンニンもまろやかになってくるのがリアルタイムで実感出来ます。
やはり素晴らしい味わいになった2018年・・ポテンシャルもさらに高くなっていました。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しかった2016年ものをポテンシャルで軽く超えて来ました!2017年ものはじっくり育み、美味しくいただきましょう!】
今回のライヤールのグラスの写真は、どの写真も全く「弄って」はいません。明るさや色味の調整は全く無し、部分選択後に大きさだけを調整しアップしています。
ある意味、写真と言うのは本当に残酷です。見事にその瞬間を切り取ってくれちゃいます。
しかしワインは、時間と共に変化して行きます。その瞬間を切り取ったであろう写真を、その瞬間だけを見る目で見てしまうと・・将来を見通せない・・と言うことなんですね。
若いころ、偉い可愛い・・もしくは格好良い子がいらしたとして、その瞬間だけ、チラ見した位では、先行きなど判らない訳です。もしかしたらあと10年もしたら、下っ腹は出て脂ぎった顔になっているかもしれません・・いや、noisy 本人のこと・・でも有りませんよ。「昔秀才、今ただの人」とは良く言ったものです・・いや、だから noisy のことではありませんって。
で、ワインもまた、今日ご注文下さったワインも今日飲めるわけでは有りません。少なくとも明日以降・・まともに扱うなら1週間ほど先以降でしょうか。
しかしながら、noisy も本当にビックリしたんですが、かなりのお客様は到着した当日にそのワインを飲んでいる可能性が高い・・んですね。澱が有るし、回ってるし、休ませてないから・・出来るだけ飲むまで立てておいてほしいんですけどね。
で、立てておいてほしいと言うと、皆さん、怪訝そうな顔をされるんですよ。
「・・ぁん?・・ワインって、横にして保存するんじゃないの?」
と言う訳です。
ワインは横にして保存する・・と言う知識をそのまんま鵜呑みにしてしまわれている方も多いと言うことなんですね。・・それ、全く違いますよ。
比較的早めに飲まれるのであれば、必ず立てておかなければいけません。
長く貯蔵される場合も、最初は立てて澱を落とさなければいけません。
なので、ワインは「最初は」立てておくことが重要なんですね。長く保存される場合は、澱が落ち、透明度が上がった後に、静かに横にして、もしくは少しだけテーパー(傾斜角)をつけてセラーに入れるんです。最初から横にされるのは大失敗の元!・・なんですね。
で、2017年のヴォーヌ=ロマネですが、2016年の、滅茶苦茶美味しかったヴォーヌ=ロマネよりもポテンシャルが高いです。しかしまだ完全には「休まってない」と思われます。
なので、出来ましたら2週間の休暇をあげてください。勿論その際は、
1.立てて澱を落とすこと
2.透明度が出たと確認する -->その際にボトルを揺らさないこと
3.さぁ・・飲みましょう!
これを是非、守ってください。
時折、お客様が感想を伝えてくれることが有り、ほとんどは予想通りのお言葉なんですが、稀に、
「・・えっ?」
と・・どうしてそうなるの?・・と感じることも有りますが、きっとそのような状況で飲まれたんじゃないかな・・などと想像しています。
それでもまぁ、この村名ヴォーヌ=ロマネ、しなやかさと品格、ピュアで美しい酒躯、そこにほんのりとナチュラルさが加わった素晴らしいピノ・ノワールです。是非飲んでみてください!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【noisyも一生懸命売りたいワインになったと言える素晴らしい造り手の素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネです!】
そもそもは1級レ・ボーモン欲しさが有って、しかし、超変形アソートでしか販売してくれないし、いただけたとしても数が安定しないので、
「テイスティングして赤字を出して・・結局トントンにしかならない」
と言う理由で、最小ロットしか仕入れて無かったと言うような今までの流れが有ります。
それに、一番大きいのは、
「2000年代はここまで良いとは思って無かった!」
と言うのが大きいです。
いや、敢えて言えば、
「凄く良くなって来たのはこの何年かのはず!」
で有って、2013年位で
「・・おや?・・淡いけどレ・ボーモン以外の下のクラスもいいじゃん」
と思いつつ、2014年もので、
「価格は安いし結構旨い!」
と感じ出し、2015年ものをテイスティングして・・
「下も中もめちゃくちゃ美味しい!・・レ・ボーモンは・・もうどっちでも良い位ヴォーヌ=ロマネが旨い!」
と判断、
「こうなったら2016年も万全だろうから何とか量が欲しい!・・」
と、2016年ものが滅茶少ないのを判っていつつも、2軒ある正規エージェントさんの1軒目に大量のオーダーを出しました。これが真相です。
ところがですね・・レ・ボーモンは来ない・・まぁ、今まで余り買ってないので仕方が無いとしても、
「ACブル、ニュイ=サン、ヴォーヌ=ロマネ合わせたオーダーの1/3以下」
と言う、仕入れ自体が惨敗の結果に終わった訳ですね・・。これも真実です・・非常に残念です。せめて半分の1/2でも入荷すれば、テイスティング分を経費にしても何とかなったんですが、
「(結局入荷分を全部販売しても全然儲からんじゃないか!)」
こんな自分勝手なしょうもない恨みみたいなものは中々に消えないものです。覚えておくから・・ね。
で、昨今はその美味しさが認知されてきたジャン=ルイ・ライヤールの村名ヴォーヌ=ロマネです。ピノ・ノワール王道の美味しさが堪能できますよね。やはりブルゴーニュ・ピノ・ノワール・トップのアペラシオンだけ有ります。突出しないが柔らかくほんのり暖かくじんわりと旨い酸、スパイスや動物香の出方がエレガントで、「薫り立つ」と言うような表現の似合うアペラシオンです。
そこにジャン=ルイ・ライヤールならではの超ドライながらも旨味バランスが絶妙な美味しいエキスから、その要素がどんどん放出される訳ですから・・不味い訳が無いです。
2016年はそこに複雑な要素を絡め持っていますので、他のコラムにも似たような事を書きましたが、
「2015年と2016年、本当に美味しいのはどっち?」
と聞かれると、かなり微妙なことになってしまいそうです。
少なくとも、リリース直後の印象だけを切り取ってしまうのであれば、
「2015年の勝ち!」
と言うことになるかもしれませんが、そこからの時間の経過を見るのであれば、
「2016年の優勢!」
を言わなくてはならなくなります。
しかししかし、もっと突っ込んでそのずっと先までを言うのであれば、
「2016年もののエキスからの発露であるフレーヴァーが、どれほどのレベルにまで高められて閉じ込められているか?」
を完全に見極められなければ、この勝負の軍配をどのように返したら良いかを決めることが出来ません。
なので、
「パーフェクトには判らんかも・・」
と言うことになってしまいます。
滅茶苦茶暑くて、
「ローヌワインじゃないんだから・・」
と散々に言われた1979年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールは、長い熟成を経て、ビックリするような大物に化けたアイテムも散見され、
「もしかしたら偉大な1978年より良いんじゃない?」
と言うような声も有りましたし、これも何度も引き合いに出しますが、1977年の・・どうしようも無いヴィンテージと言われたブルゴーニュでも、確かにシャプタリザスィヨンの影響は有ったとしても、ものの見事に完熟さを見せたヴォギュエのミュジニーの素晴らしさを忘れることもできない訳です。
近年でも、
「2008年はダメ」
「2013年もダメ」
などと言われていても、リリース直後からそのエレガントなブルゴーニュの側面をビビットに感じさせる姿には、
「やっぱりブルゴーニュは旨い!」
「悪い年?・・そんなの関係ね~♪」
と言うような思いをされた方も多いと思われます。最悪と言われた2004年でさえ、熟成により見事な膨らみを得てその複雑性に花を咲かせたワインも多い訳です。
半面、グレートイヤーだ、超健康なヴィンテージだったと持て囃された2002年、2005年ものはどうでしょうか。中々その評価の姿を映し出してくれず、
「開けるにはちょっと早かったのかな~・・」
と言うような不完全燃焼的印象を持ったまま、手持ちのワインを飲み終えてしまっていらっしゃるかもしれませんよね。
と言う訳でして、長期的にはまだ「?・・」と言わざるを得ませんが、中長期的には「結局のところ、かなり良いのでは?」と言うような印象を持っている noisy です。美味しいヴォーヌ=ロマネに仕上がったと思います。ぜひともご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【理想と言うものがあるとしたらそれにとても近いと思われるヴォーヌ=ロマネです!非常に美味しいです!】
とんでもなく美味しいブルゴーニュ・ルージュ・パキエ2015年を飲めば、同じ造り手のヴォーヌ=ロマネ村名が美味しく無い訳も無く、下部の2014年もののグラスの写真を見ても、その集中度が透けて見えると思いますし、その照りや輝きの素晴らしさは伝わっているものと思います。
ハッキリ言って、非常に美味しいです!・・
2015年は非常に良い年でした。このワインのアルコール分も13.5%出ています。それでいて、まるで残糖的な甘味が無い・・キッチリエキスに仕上がっていますし、しかも、そのやや高めのアルコール分を含む液体が、パワフルさに直結しているのでは無く、エレガントさの助長に繋がっていることが驚きでした。
まぁ、14度以上にもなるようですと、ブルゴーニュワインとしては、直近に飲むのはかなり厳しいものになりますし、エレガントさも打ち消す方向に行ってしまうのでしょうが、決してそのようにはならず、物凄いバランスに仕上がっているんですね。
ブルゴーニュ・ピノ・ノワールとしますと、大きく分けて2つのタイプになるかと思います。中間を入れれば3つのタイプです。糖分をアルコール分に完全に変えたエキス系と、僅かながら、もしくはそれなりに残糖分を残してアルコール分を下げ、二次発酵を経て滑らかな一体感を得る果実味重視系(noisyが名付けているだけですが)です。アンリ・ジャイエは後者(でも今では中間派と言えますが)、DRCやジョルジュ・ミュヌレ=ジブールは前者と言えます。で、このジャン・ルイ・ライヤールは前者で、DRCなどと同じように比較的高温で一次発酵をするタイプと言えます。
単に、毎年完熟した葡萄を得ることが目的だとするならば、このようなワインにはならないんでは無いかと思うんですね。潜在アルコール分を計算し、様々な予測を立て、ベストのタイミングで収穫をする・・そうしなければ、このようなエレガントでエキスのキッチリ出た、コアがしっかり有るヴォーヌ=ロマネにはならないと・・。

非常にドライですが、全くそれを感じさせないほどの旨みが有ります。何の要素も突出していないのに、全てそこに存在しているかのような振舞い方をするアロマ、味わいが有り、複雑性が備わっています。スパイシーですが、あくまでヴォーヌ=ロマネ的なエレガンスに溢れたものであり、酸の美しさ、生き生きとした姿はエキスの美味しさと相まってとてもピュアです。余韻もしっとり、テクスチュアの滑らかさからのそれは、ピュアな果実とミネラリティが一体となったもので、とても心地良いです。
ヴォーヌ=ロマネとは言っても、畑により様々なスタイルが有ります。ロマネ=サン=ヴィヴァンなどのグラン・クリュが持つ荘厳なアロマも、その半分ほどにはなりますがちゃんと存在しています。
もし理想のヴォーヌ=ロマネが有るとするなら、このワインがそうじゃないか・・と noisyの個人的な印象では有りますが、そう思ってしまいました!まぁ・・飲んでいてとても楽しくなるワインでした!
今回はうっかり・・限定の「レ・ボーモン」を買いそびれてしまいまして・・誠に申し訳ないのですが、村名がこれだけ美味しいのならと・・思います。是非飲んでみてください。超お勧めします!旨いです!
以下は2014年のこのワインのレヴューです!
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【ブルゴーニュ最高のアペラシオンから奇跡と言えるプライスの、稀有な雅さを内包しつつまだ解放していない美しい2014年ピノ・ノワールです!】
10年振りにチェックしてみたジャン・ルイ・ライヤールです。昔の記事にも書いていますが、結構好みの味わいなんです・・でも、エージェントさんの紹介文が余りにオーバーだと感じていて、
「何だかな~・・」
と、ちょっと一歩下がった立ち位置での物言いになっていました。
しかしながら今回、この村名ヴォーヌ=ロマネと、ヴォーヌ=ロマネ村に有る国道に面した位置のACブルゴーニュを飲み、かなり良い・・と言うか、
「もうあり得ないプライスだろう!」
と言う意を強く持ちました。
ヴォーヌ=ロマネでこんなプライスですよ?・・それもドメーヌもので・・今、2017年時点ではもう考えられないバーゲンプライスです。
それにですね・・色合いを見ていただいてお判りの通り、
「エキスが出ていてかなり良さそう・・」
ですよね。
ヴォーヌ=ロマネはセシル・トランブレイのACブルにも使用されているラ・クロワ・ブランシュの村名区画の上部にあるオー・ラヴィオール(ニュイ=サン=ジョルジュとの境界の畑)、1級レ・スショ直下のオー・メジェール(レ・メジェール)、ラ・ターシュやラ・グランド・リュの上部にある素晴らしい畑、オー・シャン・ペルドリの3つの畑をセパージュしたもの・・と言われています。
これはブルゴーニュの・・と言うか、ヴォーヌ=ロマネの優れたドメーヌが取り入れている「キュヴェ・ロンド」と言う手法と思われるものでして、標高の低い(下の、東側の)畑と、標高の高い(上の、西側の)畑をブレンドし、特徴の違いが顕著に出る畑の特性をお互いに補う手法です。特にエシェゾーやクロ=ヴージョなどでは一般的です。
実に官能的な美しいグラデュエーションです。黒味を帯びた赤ですが、赤もシンプルに彩度が有る・・と言うよりも、どこかやや陰りを見せるような・・妖女のようなニュアンスです。
アロマは諸にヴォーヌ=ロマネ的なエレガンスを持っていて、まだ見せないわよ!・・と言われているようにも聞こえますが、薄手のブラウスから要素が透けて見えるようです。
以前は、
「DRCどうのこうのは関係無い」
と言っていたのですが、この2014年ものを飲んでからは・・そろそろ・・撤回します。いや・・実に良い感じです。
早いっちゃ・・全然早いんです。硬さも有るし膨らみ切らない恨みも有る・・。しかし、例えばジュヴレのギイヤール的な、完全発酵で全くの残糖感無しなエキスも有りますが、ギイヤールよりもエキスの濃度と質は上・・でしょう。これはジュヴレとヴォーヌ=ロマネのエレガンスの差かもしれません。
似ているのはミュヌレ=ジブールと、やはり・・DRCです。ラマルシュには余り似ていません。ラマルシュの、全てを許容してしまうような優しさはまだ全く出て来ていません。いずれ出て来るにしても・・です。
ミュヌレ=ジブールには非常に良く似ていますが、取っつきやすさはミュヌレ=ジブールが上です。旨みの形成された酸からのエキスの構成は、さすがミュヌレ=ジブールと言えるかと思いますが、これは先の「キュヴェ・ロンド」を構成する畑が、ミュヌレ=ジブールの場合は「もっとも標高が高い畑」+「もっとも標高が低い畑」では無くて、もっと中央に寄っている・・・つまり、元の畑のポテンシャルがより高いことに由来すると思います。
DRCにはかなり似ています・・ラ・ターシュを若飲みした時のようなニュアンスが有りますが、DRC独特の樽のニュアンスや畑の格の違いなどから、到底追い付きはしない・・と言えるでしょう。
しかしながら、村名ヴォーヌ=ロマネとすると非常に複雑でポテンシャルが高いのが判ります。複雑さはややもすると一体感を損ないますが、そんなことには陥りません。どこかにヴォーヌ=ロマネのグラン・クリュや1級が持つ荘厳さも漂い、要素の目の詰まりや、ヴォーヌ=ロマネでしか出て来ない気品も漂っています。
今飲んでも飲めます。でも、春まで待った方が良いかもしれません。そして非常に超熟です。5年経って柔らかくなり始め、10年経ってかなり美味しくなり、25年ほどは持つでしょう。これは是非飲んで欲しいワインです・・って、非常に安いですよね?

こちらはACブルゴーニュです。畑は「レ・パキエ」と言って、ロマネ=サン=ヴィヴァンから道を下がって行ったところに有ります。国道を挟んで斜向かいが「オー・ソール」と言う村名畑です。
こちらも村名ヴォーヌ=ロマネとタイプはそっくり、要素を少し・・と言うかだいぶ削ぎ落した感じに仕上がっていますが、ACブルゴーニュとすると充分過ぎるほどです。
タイプがそっくりですから、ギイヤール的に完全発酵、非常にドライでややタイト、ミュレ=ジブールに似てエキス感が有ります。黒い果実に赤い果実が混ざり、果皮の割合の高い、妖艶なニュアンスを奥に隠し持っています。スパイス感も同様です。熟すと少しワイルドな感じが出て来そうです。
余分な贅肉を感じない、完全エキスのワインで、初期に短期間低温で漬け込むことが有るかもしれませんが(無いとは思います)、比較的低めの温度で発酵させるようなアンリ・ジャイエ的な果実フレーヴァーでは有りません。醸造関係から由来して感じられるニュアンスはモロにDRC的です。
ヴォーヌ=ロマネ村とは言っても、ACブルにはほぼ出て来ないヴォーヌ=ロマネ特有のエレガンス、荘厳さを持っているのには驚きです。今飲んでもそれなりに美味しいですが、5年経ったらかなり凄いでしょう。10年熟成させておいて、笑って許せる気の置けない仲間内のワイン会にブラインドで出すと・・きっと笑える結果になると思いますよ。大抵・・上級ワインと大いに間違えるでしょう!
ただし、今すぐに飲んで「凄~く美味しい!」と言えるかは、飲まれる方がポテンシャルを取れるかどうかに掛かっています。noisy 的には今でもとても美味しいんですが、ポテンシャルを見ずに、一度自身の理想に当てはめてその場の判断をするタイプの方は、少なくとも3年は置いた方が良いでしょう。むしろ、村名ヴォーヌ=ロマネの方がポテンシャルを取り易いので、
「ACブルゴーニュの倍までもしないリーズナブルな村名ヴォーヌ=ロマネ」
が良いかもしれませんし、
「ジャン・ルイ・ライヤールの造りを理解するためならACブルゴーニュで充分」
とも言えると思います。
10年ぶりに仕入れてみたジャン・ルイ・ライヤールですが・・非常に良かった・・と言うか、こんな価格なら奇跡ですね・・。化石と言っても良いかもしれません。きっと・・飲みたくなったんじゃないかと思います!大き目のグラスで振り回しながら楽しんでください。超お勧めします!
以下は10年前(2004年もの)のジャン・ルイ・ライヤールの記事を引っ張り出しています。
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【 DRCどうのこうのは無視した上で考えましょう!】 今回テイスティングしたのはニュイ・サン=ジョルジュとACブルのパキエの2アイテムです。ヴォーヌ=ロマネ・レ・ボーモンと村名ヴォーヌ=ロマネは数えるほども無いため、いまのところ試飲を自重しています。
このライヤールさんのワインは、実に自然な風味を持っていてエレガントに仕上げてきますので、noisy も好みのドメーヌなんですが、DRCがどうした、こうしたは、今のところほとんど関係無いようです。ブルゴーニュの赤を大きく二つのタイプに何とか分けようと思えば、同じグループに入るだろう位のもので、エージェントさんの照会文の様に、いつの間にかDRC=ライヤールを書かぬまでも、読むものの脳裏に刷り込んでしまおう..というような意図にははまらないようにしましょう。あくまでライヤールはライヤールです。
さりとて、全く似せても似つかぬものでもありません。エキス系の美しい酒躯、決して誇張した濃度に仕上げてこない当たりはむしろ同タイプです。言わば、一流料亭の出汁味のように、大量の原料から「さっ」と出汁を取り、辛くならない程度の適量な塩加減で仕上げた「お碗もの」のようなものですから、「美し系」と言って良いでしょう。
また、2004年はブルはどうやら駄目で、2005年に期待しよう..とすでに踏んでいらっしゃるのでしたら、それもどうかな?と思います。PKさん好み的なブルゴーニュがお好きなら、それも良いと思いますが、今のところ、noisyは、
「2004年ブルゴーニュはベリー・グッド。古典的なブルゴーニュの当たり年」
と見ています。
総評とすれば、ドメーヌの看板ワインを飲んでいないので言いづらい部分も有りますが、
「かなり良い」
と言っておきましょう。価格も高くないし、味わいも充分に理解していただけるものと思います。
●2004 ヴォーヌ=ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボー・モン
●2004 ヴォーヌ=ロマネ
この2つはテイスティングに至っていないため、コメントは差し控えます。出来れば1本は残しておいて欲しいところです。
●2004 ニュイ・サン=ジョルジュ
DRCで育った男でも、ニュイ・サン=ジョルジュの遅熟性を早熟にすることは不可能だったようで...綺麗系の冷やかな果実が清潔な土やスパイスと共に香るベリー・グッドなワインでした。しかしながら、現在手を付けるのはキツイです。なんと言ってもご本尊が奥に引っ込んだままですし、ニュイ・サンに有りがちなテクスチュアの暴れが、後口を台無しにしています。このワインを美味しく飲むのは4~5年後から..でしょう。かなり向上すると思いますが、2010年までは手を付けないほうが無難です。
●2004 ブルゴーニュ・ルージュ・レ・パキエ
このワインはかなり旨いです。ヴォーヌ=ロマネのテロワールを「あちこち」に感じることが出来ます。綺麗系で薄味、赤~紫の小果実、動物香、スパイス、そしてミネラル。ヴォーヌ=ロマネ的なソフトな接触感と香りが、癒しの時間を運んできてくれるようです。これはお奨め!
ドメーヌ・ランドロン
ランドロン
フランス Domaine Landron ロワール
● 魚介の美味しい季節にロワール下流のフレッシュな白ワイン、ムスカデの2023年の新酒が2024年に登場!ラシーヌさんの輸入でお馴染み、ドメ ーヌ・ランドロンです!

■エージェントより
ヌーヴォーブランに求めたい華やかな香り&柔らかい口当たり!
すでに多くの方が一度は飲んだことがある、人気のドメ ーヌ・ランドロンのワイン。今年はそのジョー・ランドロンから、ミュスカデのヌーヴォーを入荷します。
小さな石の多い土壌から造られ、ミネラルを豊富に感じる定番のアンフィボリット(仏語:角閃石の意)とは違った、砂や粘土質土壌が多いムロン・ド・ブルゴーニュの畑から、ミュスカデが登場します。
所有する畑の中でも、特に砂や粘土質の土壌のブドウを選別するので、まろやかで柔らかい口当たりと、アロマティックで果実味を前面に出したヌーヴォーになる見込みです。
ドメーヌ解説:親子代々のブドウ栽培家であるランドロン家は、ベルナールとジョゼフの兄弟が「シャトー・ド・ラ・カリズィエール」と「ドメ ーヌ・ド・ラ・ルーヴェトリー」のふたつの異なったドメ ーヌを共同で運営している。二人はともにテロワール狂にして、ワインへの深い愛情に満ちたワインの理解者。低い剪定で収量を抑え、土地の特性をとらえた各キュヴェを造っている。
栽培:ビオロジック
土壌:ブドウ畑は、セーブル河沿いの片岩質土壌の丘陵地帯にあるナントに広がっている。
この家族経営のドメ ーヌは、地域でも標高の高い区画にある。1945年以来、ピエール・ランドロンがドメ ーヌの運営を担っている。この一帯の土壌は多様かつ個性的であり、それがテロワールの多様性を生んでいる。
●
2023 Musucadet Noubeau Blanc
ムスカデ・ヌーボー・ブラン
【久しぶりのランドロンのムスカデ!・・今回はヌーヴォーです!】
以前は航空便でのご予約を承っていたランドロンのムスカデ・ヌーヴォーです。一部で人気でした・・狭い範囲でしたが・・(^^;;
やはり「フレッシュさが魅力」なのがヌーヴォーです。でも熟したものも非常に面白いですので、noisy は売れ残ったこのムスカデ・ヌーヴォーを楽しませていただいていました。
ワインの熟成は本当に多様ですが、結局はひとつの形になって行くものです。人間はその「一時の姿」を楽しむことが出来ます。
今回はテイスティングせずにご案内させていただきます。醸造が終わってから時間も有りましたので、ほぼ完璧に仕上がっていると思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【フレッシュ&フルーティ!そしてミネラリティたっぷり!牡蠣や鮭、ホタテと合わせてみてはいかがでしょうか!】
2014年初登場のムスカデ(ミュスカデ)のヌーボーです。ロワール下流のムスカデ種による白ワインで、シュル・リー製法に寄らない、ライトでフレッシュな味わいです。
残念ながら「牡蠣にシャブリ」は失敗することが有り、むしろ、「牡蠣にはムスカデ」の方が美味しかったりするのは、皆さんも経験済みでしょう・・・。高級なニュアンスとされる部分が、むしろ牡蠣とは合わないんですよね。なので、シャブリを選択するにしても、
「どちらかと言えばポテンシャルの少ない・・樽を使用しない・・しかもヴィンテージの新しい・・」
などと考えているよりも、2014年に初登場した・・目茶フレッシュなムスカデ・ヌーボーをお試しください。限定ですので・・無くなってしまったら申し訳有りません。季節もの・・・航空便ですのでどうしてもこのくらいの価格にはなってしまいますが、フレッシュさには代えられない?かと!お奨めします!
ドメーヌ・ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール
ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール
フランス Domaine Joannes Violot-Guillemard ブルゴーニュ
● ドメーヌ・ティエリー・ヴィオロ=ギュイユマールも世代交代になり、息子さんのジョアネスが承継し、ドメーヌ・ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール、もしくは単にドメーヌ・ヴィオロ=ギュイユマールに名称変更になったようです。2020年ものをご紹介させていただきます。
ヴィオロ=ギュイユマールはポマールに2軒あり、以前はクリストフとティエリーの兄弟が競い合っていました。ティエリーの息子さんがジョアネスで・・イケメンですね~・・2015年位から本格的に手伝っていたようです。ツイッターの書き込みなどを見ると2012年を最後に自身の書き込みが無いので、その後辺りからワイン造りに没頭していたのかもしれません。

noisy も時折、親父さんティエリーのワインを仕入れて販売させていただいてました。親父さんのポマールワインはエレガントでコクが有って美味しいんですが、若い時のテクスチュアやバランスが今ひとつでして・・5年位熟成させるとテクスチュアも良くなって丸みと押し出しが出て、バランスが取れてくるんですね。
で、少し前からジョアネスさんの名前に変更になったのを知っていたんですが、まぁ・・このところの世界的なブルゴーニュブームのお陰で Noisy wine もてんやわんやの大騒ぎになってしまいまして、
「ヴィオロ=ギュイユマールクラス(10アイテムほど)をリリースと同時に扱うのは大変!」
な状況だったんですね。
さりとて2020年もののオファーをいただきまして、やはり・・やるべきだろうと・・決心した訳です。
実はこのヴィオロ=ギュイユマール、日本には10アイテムほどしか入って来ていませんが、ポマールの数キュヴェに加えてボーヌ1級クロ・デ・ムーシュの赤と白やムルソー、コルトン=クロ・デュ・ロワまで持っている大ドメーヌなんですね・・。
なので、
「・・もし、もう少しでもギュイユマールのワインが垢ぬけてくれたら・・凄いことになるかも!」
と思っていた訳です。それを今回、確認させていただきました!

左の写真は彼のツイッターからいただいてきました。いずれエージェントさんから良い写真が有ったら変更させていただきますが、いや・・きっとモテるでしょうね~~・・
それよりもワインですが、親父さんのワインから比較しますと、各段にテクスチュアが良くなりました。外交的でふんわりとしたアロマがスピード感高く感じられます。
嬉しいのはA.C.ブルのピノ・ノワリアンが滅茶美味しいんですよ・・。安くは無いですが高くは無いと思います。それに、やはり看板のポマール・リュジアン2020年・・凄い香りです!これはもう・・惚れちゃいますね。
今のところ、全ては飲めていないんですが、2回に分けてご紹介させていただく予定で、
「すべてテイスティングしてご紹介!」
させていただく予定です。ですので、少し五月雨的なテイスティングになりましたが、そのお陰でジョアネスのワインの傾向が判って来ました!
やはり若い方が入ると・・変わりますね。それも良い方向へと向かっています。元々隠れ自然派だった訳で、その自然派度も若手が頑張ることによって、さらに増して来ていると思います。
注目のドメーヌだと思います。
リアルワインガイド第81号もリュジアンには上値95+ポイント、アドヴォケイトは(93-95)+ ポイントと、
「カッコの外にプラス!」
と言う、おそらく「それ以上の可能性が有る」ことを示唆しているようにも見受けられます。是非飲んでみてください。お勧めします!
なお、Youtube にジョアネス自身が出て説明しているビデオがアップされていました。是非ご覧ください。字幕を日本語にしますと、何となく・・何を言っているか判ります。
ドメーヌ・ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール■エージェント情報

所有畑はポマールを中心に僅か6ha、そしてその大部分がフランス国内の熱心な愛好家へ販売されるためメディア露出が少ないドメーヌ。40年近くのキャリアを持つベテラン醸造家のティエリーは20年数年前に生死をさまよう交通事故に会い、70回以上にも及ぶ手術を経て現在でも足に後遺症が残るという壮絶な過去を持つ。事故の経験が彼の人生観を変え今日の自然なワイン造りへと繋がっている。
ワイルドな外観とは反対にワインのスタイルは繊細で優美さを表現したエレガント系ポマール。淡めな色調にチェリーや苺が薫り、旨みがふんんわりと詰まったワインは従来のマッチョで重たいポマールのイメージを覆す。1999年以来ビオロジックを行っており、ヴィンテージと畑の個性を最大限尊重し、人的なテクニックを排した極力ナチュラルな醸造を行っている。新樽を好んで多く使用するが購入後4年間天日干ししてから使う事で、過度な樽香が付くのを避けている。清澄、フィルターは基本的行わない。
現在は父の引退を受けて数年来一緒に手伝っていた息子のジョアネスへ正式に代替わり。父のスタイルを継承しつつ、更なる洗練されたナチュラル路線へと進化を遂げている。2019年よりドメーヌ名とラベルも一新。
●
2020 Auxey-Duresses 1er Cru les Reugnes
オーセ=デュレッス・プルミエ・クリュ・レ・ルーニュ
【使用しているはずのSo2の少なさを肌身で感じるナチュラルなオーセ=デュレッス1級レ・ルーニュ!・・先代からの変化と、ジョアネスの新たなトライを感じるワインです!・・ですが、何とこのワインに97ポイントも付けているサイトが!】

良いですね~~・・これからのブルゴーニュワインが向かう先、そうすべき道筋を一生懸命に探している・・そしてトライしている・・そんな意思が透けて見えるような素晴らしいワインです。
オーセ=デュレッスと言えば・・誰でしょう?・・Noisy wine だとド・シャソルネイでしょうか。昔はペルナン・ロサンも造っていましたし・・そうそう、あのドメーヌ・ルロワ...と言いますか、ドヴネの本拠が有るのがオーセ=デュレッス..素晴らしいオーセ=デュレッスを造っていました・・と言いますか、今でも造っています・・が、
「・・えっ?・・」
と言葉が詰まってしまうほど、信じられない価格が表示されることになりますので、見ないようにした方が良いでしょう・・(^^;; もはや、プライスカードごと博物館に行っていただくしかないかと思ってしまいます。
この1級レ・ルーニュですが、オーセ=デュレッスの白眉と言われる1級畑「レ・デュレッス」のお隣で、アペラシオンのほぼ中央です。ですので、ポテンシャルは非常に高いと感じます。
ド・シャソルネイのオーセ=デュレッス(レ・クラ)は、村の西の端の平地に近い部分、陽当たりは悪く無いですがソリッドな仕上がりです。過熟気味にはしているんですが冷ややかにしかならず、やや硬めのスタイリッシュな味わいで、コルトンやシャルルマーニュ的な感じがします。
しかしレ・デュレッスもそうですが、アペラシオンのベストな位置に有る関係でしょうか、
「ド・シャソルネイのオーセ=デュレッスとはかなり異なるニュアンスがする!」
んですね。

太陽の光、熱を傾斜で受けられ、また土壌の組成もそれに伴いかなり違うことに由来するかと思いますが、やや豊満でゆったりとしつつ、透明感の高い石灰系ミネラリティに富み、ブラックチェリーやベリーのやや強い果実味、たくましくもあるボディ感に、還ってくるノーズにスパイシーなニュアンスが混じります。余韻にも透明感が有って長いです。
それに飲んでいると・・実に極楽な感じです・・何とも酔いが軽いんですね。そしてナチュラル感ですが、今のところのテイスティングでは、
「このオーセ=デュレッス1級レ・ルーニュが最もナチュラル感が出ている!」
と思います。飲んで行けば気付かれるんじゃないかと・・思いますよ。きっとSo2は少な目だと思っています。
やはり・・色々とトライしていると思うんですね。エージェントさんのテクニカルは全くその辺をカバーしていないので、
「何をどうやっているのか全く分からない・・」
ですし、
「どこをどのように変えたのかも分からない・・」
ので、想像するしかないんですね。
明らかに親父さんの代のワインとは、
「テクスチュアの滑らかさ!」
がハッキリ異なっている訳です。果実の出方も非常に明るく外向的ですし、ナチュラル感も増大しています。
これからも非常に楽しみですね・・リアルワインガイドもこのワインを評価してくれていたら良かったんですが・・海外メディアも誰もやらないので・・
「飲んで損の無い、リーズナブルで現代的、将来の姿を示唆するような出来のオーセ1級!」
だと思います。
で、どこのメディアも評価していないので・・一生懸命にネットを探していたら、とんでもないのを見つけてしまいました!
そこのサイトは、かのL.V.M.H.(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)グループのイタリアのサイトなんですが、なんとこの2020年オーセ1級レ・ルーニュに・・
「97ポイント!」
としているんですね・・。
いや・・気持ちは判る・・でも抑えないと・・これ、97ポイントにしちゃったら、いずれ辻褄が合わないことになるでしょう?・・それにしてもL.V.M.H.が・・どうしちゃったの・・とビックリしてしまいました。ハッキリ言います。
「それはやり過ぎです。」
ですが、日本には入って来ていないキュヴェで2020年ポマール1級レリエール・サン=ジャンにも、94ポイント付けていました。シャンドン・ド・ブリアーユの2020年コルトン=ブレッサンドに93ポイント付けていまして、それはたぶん・・まともな評価と言えると思うんですが、
「大丈夫かぁ?」
と思ってしまいました。それとも、
「 noisy の感覚がおかしいのか?」
とも・・!何ともお騒がせなサイトを発見してしまいまして・・余計な時間を消費してしまいました。それに惑わされず、是非飲んでみてください。お勧めします!
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2020 Volnay le Cros Martin
ヴォルネイ・ル・クロ・マルタン
【ヴォルネイらしい明るさ、赤さ、軽快さに加え、チェリーやベリーの果実感!・・ポマール中心のジョアネスのワインの中では異質な方向性を持っています!バランス良し!】

やや黒くて肉々しく、妖艶な甘美さを漂わせながら存在感を知らしめる・・そんなポマール=リュジアンとは、全くと言って良いほど方向性が違います。このクロ・マルタンも甘美さはしっかり有るんですがもっと軽やかで優しい・・一見、見た目には余り違いが無いように見えるんですが、やはり相手は将来のグラン・クリュ候補ですからね・・ヴォルネイ村名ではどうしても追いつけないポテンシャルの差が存在します。
でもどうなんでしょう・・いつでもポテンシャルの高いワインが必要なのか?・・と問われると、ちょっと微妙でしょう?
ヴォルネイにはポマールには無い魅力がしっかり有ります。このクロ・マルタンは、村の中央のシャンパンからずっと下がって行ったところに有る村名の畑です。
シャンパンっぽい白さも若干は持っていますが、顕著では有りません。ですが、下に下がって行ったところの畑に有りがちな「土っぽさ」もしくは「豊かな表土ゆえの凡庸さ」は余り有りません。
チェリーやベリー、ほんのりとプラムのニュアンスを多く含み、金属的な感じや土っぽい感じは余りしない・・でもその果実の美味しさを素直に伝えてくれる、まさにヴォルネイ的な美味しさをちゃんと持っているんですね。

そして、アルコール分も13パーセントと、エレガントさを助長しています。2020年は、
「かなりのワインが14度超え!・・それでも甘かったりする・・」
アイテムが多く有ります。
アルコール分が上がるのは決して悪いことでは有りませんが、バランス的には・・エレガンスやフィネスを損なう方向へ行くと思うんですね。
ジョアネスがどのようにしてこの13パーセントのエレガントなヴォルネイ・クロ・マルタンを仕上げたのか・・実際のところは判りませんが、
「決して過熟させないようにした」
のは間違い無いでしょう。
しかしそれは下手をすればギスギスしたタンニンを抽出してしまい、渋いピノ・ノワールになってしまう危険も有ったはずなんですね。
まぁ・・先代のティエリーさんもいっしょにおられるのでしょうから、色々と策が有ったのか、もしくは、
「長く有機栽培をやってきた影響で根が地中深く入っていて、保水に問題が無かった」
と言えるかもしれません。
健康的で軽やか、果実感がしっかり有りながらもドライで薫り高い・・ヴォルネイです。是非飲んでみてください。お勧めします!
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2020 Pommard 1er Cru la Platiere
ポマール・プルミエ・クリュ・ラ・プラティエール
【アドヴォケイトも93超ポイントを付けたポマール上部の希少な1級畑レ・プラティエール!これほどまでに充実しつつもエレガントなポマール...いや、2020年ものブルゴーニュを造ったのは少数派です!】

こちらのレ・プラティエールも素晴らしい。ここはポマールでも最も西に・・最も上部に近いところにある1級畑なんですね。しかもレ・プラティエールは、
「北側半分以上が村名畑で、1級畑はほんの僅か」
なんです。
Google Map を見てみますと・・実に美しい畑です。1級部分の下部(南側)は平たい石を積み上げたクロ、もしくは土留めしたような大理石で囲まれており、北の上部の村名畑部分も一部はクロですが、やや平らなのか・・格下げになっています。
ですから、非常に涼やかで日照に恵まれていて、村名の「レ・ブレスキュル」よりもやや濃い、赤を積み上げたような色彩になっています。
ポマールのワインと言えば・・こんな色でしたっけ?・・
多いのはもっと「茶色」です。これほど美しい赤を基調としたものは少ないでしょう?・・まあ、リュジアンは若くてもやや淡い褐色が出たりしますが、それは希少な金属、ミネラリティの組成によるもので、ジョアネスの2020年のリュジアンもエッジにややその傾向が見て取れますが、全体を侵食はしていません。
やはり有機栽培が良い影響を与えたのは間違い無いようでして、2020年のジョアネスのワインはどれもアルコール度13~13.5%に収まっていますし、
「濃密過ぎ?」
と思えるような濃厚さは全く無く、しかも充実しているんですね。

赤果実が中心に黒果実がほんのり・・の充実した冷ややかな味わいです。リアルワインガイドはそこを、
「旨味の塊」
と称していますが、エキスの美味しさが静かに襲ってきます。そして引けて行く時に何ともエレガンスを感じさせてくれます。2020年のヴォーヌ=ロマネにはまず無い・・(^^;; 美味しさですよ。ピュアでナチュラル、非常に香りますから、
「ついついグラスに手が伸びる!」
訳です。
しかも・・
「今これだけ美味しいのなら、明日、明後日はもっと美味しいんじゃないの?」
と想像してしまうでしょう。
また一般的には、
「ポマールは男性的で力強い」
と言われます。確かにそのイメージは有りますよね。
ですがジョアネスのポマール群、そしてこのレ・プラティエールは・・むしろ女性的なエレガンスに通じるものを強く感じます。おそらくタンニンも有るのでしょうが、タンニンとして分別してとらえることが・・まず有りません。豊かな一面としてのみ・・その美しく溶け込んで一体となったものを女性的に感じさせてくれます。
素晴らしい1級でした!・・下部の1級群・・レ・ゼプノ、グラン・エプノ、リュジアン、レ・シャンラン辺りは良く知って居て飲んだことが有っても、この上部のレ・プラティエールは余り無いんじゃないでしょうか。是非一度飲んでみてください。ポマール1級、是非開発してみてください。お勧めです!
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2020 Beaune 1er Cru Clos des Mouches
ボーヌ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ムーシュ
【ボーヌ最南端にある、激繊細系、軽やか雅な赤果実が素晴らしい1級クロ・デ・ムーシュ!・・ポマール系とは一味違うエレガンスを見事に表現しています!ジョセフ・ドルーアンもお尻に火が付いた!】

2020年のヴィオロ=ギュイユマールを一通り・・いや、日本に入って来たアイテムだけですが、テイスティングさせていただきました。
「・・どうしてもっと評判にならないんだろう?」
と不思議になってしまいましたよ。
まぁ・・もしすでに2020年のブルゴーニュ・コート=ドールを飲まれたとしたら、ご自身の中の今までのヒエラルキーを変更されることになっているかもしれません。
このボーヌ1級クロ・デ・ムーシュは、ボーヌとポマールの境界のボーヌ側に有ります。ボーヌ側、北側にレ・ヴィーニュ・フランシュ、レ・シュアシューと言う優れた畑に接し、ポマール側は1級レ・ソシーユと接しています。ボーヌ側の赤ではトップクラスの畑が並ぶ位置に有りながら、
「レ・ヴィーニュ・フランシュのようなふくよかで豊満なスタイルでは無く、むしろレ・シュアシューには近い感じ」
かと思います。あのルイ・ジャドの「クロ・デ・ズュルスュル」はレ・ヴィーニュ・フランシュの一部ですが、濃密でやや黒く、やや力強いスタイルです。
そしてポマール1級レ・ソシーユは皆さんも良くご存じの「ティエリー・グラントネ」が造っていまして、濃密で重厚な味わいですよね?・・
「・・あれ?」
と・・思いません?
そうなんですよ・・レ・ヴィーニュ・フランシュとポマール・レ・ソシーユは重厚なのに、クロ・デ・ムーシュはエレガント系でむしろ赤果実系なんですね・・。面白いでしょう?

とは言え、充実したパレットを美しく描いてくれることからは、むしろポマール的な要素も若干感じられる訳です。それでも、
「エレガントで軽やか、赤果実の美味しさをノーズからも、味わいからもしっかり感じられる」
のは間違い無い訳です。
ティエリーから承継したジョアネスですが、エレガントでは有るものの、やや重さを感じさせる味わい、そしてテクスチュアがややザラっとする親父さんの造りから脱却したかのような・・
「明るさ、ナチュラルさ」
を感じます。
良い意味でしっかり抜けて行くんですね。内に閉じこもるんじゃなくて外向性が高い訳です。
この、赤果実中心の軽やかで抜けて行く味わいが、非常に素晴らしい!・・ですが、
「・・あ、ボーヌだよね・・」
とは思わないはず・・
「このエレガントさに・・重厚さを思わせつつ、華麗に抜けて行く雅な感じ・・クロ・デ・ムーシュ?」
と・・(^^;;
まぁ、クロ・デ・ムーシュと言えば、この区画のほぼ半分を持っていて赤も白も造っているジョセフ・ドルーアンは外せない造り手です。昔はクロ・デ・ムーシュと言ったらジョセフ・ドルーアンでした。
ですがどうでしょう・・ドルーアンより確実に上を行っている仕上がりだと思いますし、自然派の栽培がしっかり根を伸ばし、ワイン自体にも表れているように感じました。是非飲んでみてください!超お勧めです!
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2020 Pommard 1er Cru les Epenots
ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ゼプノ
【精緻な表情の見事さで多弁なレ・リュジアンさえも超えようかと虎視眈々??・・美しいです!】

アドヴォケイトも94+以上を想定したに違いない、今飲んでもその素晴らしさは伝わるし美味しい・・ものの、
「これ・・将来は相当に凄いことになるかもしれん!」
と、きっと思ったのでしょうね。
だから(92~94) に留まらず、
「(92~94)+ 」
としたんだろうと思います。
そうじゃなきゃ・・(92~94+)ですよね?・・これなら、
「95点は付けられない!」
と言う意思表示です。なので、
「94ポイントを超えて来る可能性有り!」
だと思います。
1級畑レ・ゼプノは、ボーヌ村と隣り合ったポマール下部にある「レ・プティ・エプノ」とその南側に接した「レ・グラン・ゼプノ」の総称です。ややこしいことに、「グラン・クロ・デ・ゼプノ」や綴りのことなる「クロ・デ・ゼプノー」も有りますが、レ・プティ・エプノの一部か、もしくは両方に跨った区画です。今回はヴィオロ=ギュイユマールのコラムなので、ここは余り突っ込みませんが、ポマールでもっとも平均的に美しく、太さと精緻さの両立がなされたのが特徴でもあり、レ・リュジアンの賑やかな味わいとは対照的・・でも有ります。

で、このジョアネスのレ・ゼプノ2020..素晴らしいです!・・ややこってりと饒舌な美味しさを楽しみたいなら、間違い無く・・レ・リュジアンをお勧めしますが、静寂の中にいて一人ワインを楽しむなら・・
「これしかない!」
と思わせる美しさを漂わせています。
まぁ・・アドヴォケイトがこのワインに上記の「(92~94)+ 」と評価をしているのがちょっとビックリでして・・
「・・えっ?・・アドヴォケイトにこの美味しさが判るのか・・?(・・すみません・・)」
と。
いや~~・・確かに昨今は、このような自然派系の美しい系、エキス系のワインをちゃんと評価し始めてはいますが、
「今まではそうじゃなかったでしょ・・」
と言いたい訳です。今までどれだけ散々に泣かされて来たか・・。どこが評価されないのか、レヴューを読んでもちんぷんかんぷんですし・・。ただ、PKさんが現役の頃よりは確実にちゃんとして来たことは確かだと思っています。
どこまでも美しく伸びて行きそうで・・でもそこに留まっていたり、また伸びて行ったり。果実の精緻な美味しさ、質感の高さをしっかり感じるのに、果実だけに留まらない細やかな表現を、チラ見せ、そして隠し・・をくりかえします。
2020年のジョアネスは決して濃くならず、エレガントなスタイルを絶対に崩そうとしません。しかし豊かさも充実していて、その見事に赤いドレスをふんわりと左右にフリフリしてくれている・・そして石灰由来のエレガントなアロマを放出してくれます。
今飲んでも美味しいですが、完全には開いて行く方向にはまだ向かいません。葡萄の熟度を適切に保てたポマールが、これほどに美しい姿を見せるのに驚かれることでしょう。それに・・
2020年 ポマール・クロ・デ・ゼプノー コント・アルマン --> 90~94 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
2021年 ポマール・グラン・クロ・デ・ゼプノ ドメーヌ・ド・クールセル --> 94 Points Tim Atkin
この評価からも、ジョアネスのレ・ゼプノ2020年の評価の凄さがお判りいただけるかと思います。
「ポマールかぁ・・」
と思ってると・・気付いたら飲めなくなているんじゃないかと思います。是非ご検討くださいませ。超お勧めします!
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2020 Pommard 1er Cru les Rugiens
ポマール・プルミエ・クリュ・レ・リュジアン
【まさに王者のアロマがふんわり、しかししっかりノーズに入って来て・・思わずクラっと!・・レ・サン=ジョルジュと共にグラン・クリュ昇格なるか?・・ジョアネスの看板ワインに相応しい仕上がりでした!】

その昔はレ・リュジアンとは言え、何とか1万円札1枚で何とか購入できた訳ですよ。レ・リュジアン・バ、レ・リュジアン・オーと言えば、誰にも一目置かれる存在でして、どうしてもニュイに目が行きがちな日本のワインファンの方々にボーヌの至宝をご案内させていただくには、
「価格は結構に重要」
だったんですね。
ですから・・とても美味しいけれどリーズナブルにご案内出来ないとなると・・如何にレ・リュジアンだとしても・・ですよ・・そう簡単に手を出す訳にはいかなかったんです。
あ、因みに以下のボーヌ、ポマールの4アイテムは次回のご案内を予定しています。
● 2020 ボーヌ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ムーシュ
● 2020 ポマール・アン・ブレスキュル
● 2020 ポマール・プルミエ・クリュ・ラ・プラティエール
● 2020 ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ゼプノ
ボーヌのクロ・デ・ムーシュも楽しみですし、ラ・プラティエールやレ・ゼプノも・・。もしかするとレ・ゼプノ(プティ・エプノ、レ・グラン・ゼプノ等)も昇格の可能性無しとは言い切れないんじゃないかと思っています。レ・リュジアンとは違った魅力が有りますよね・・個人的にはヴォーヌ=ロマネに対するシャンボール=ミュジニーみたいな感覚です。

ほのかにミュジニーのような香水的に華やかなトップノーズを含み、底の方から湧き上がってくる何とも高質なアロマに思わず・・「うわっ」とか・・「ウォ・・」とか・・ね・・皆さんも良くやられていらっしゃると思いますが・・発してしまいます。
少しコッテリとした・・でも健全過ぎるほどの妖艶さを持ち、飛び込んでくるというより、「そこに居続ける」ような・・重心を持ったアロマです。まさにレ・リュジアン的な・・大きさを感じさつつも、決してブルゴーニュ的なエレガンスを損なうことのない、見事なアロマです。
ジョアネスになってからのワインはテクスチュアが非常に滑らかで、やはりちょっとシャンボール系も入っているよなぁ・・と思わせてくれます。充実しているが過分では無いし、エレガンス、フィネスと言う言葉を噛みしめながら、高貴さを持ったチリチリと口内で味蕾を刺激する一種のスパイス、もしくはミネラリティを感じます。非常に繊細なミネラリティの構造だと・・。
ジョアネスも、上記でご紹介させていただいたYoutubeのビデオで言ってますが、グラン・クリュ並みだと・・フィネスだと・・エレガンスだと・・。
それでいて、
「我はレ・リュジアン也!」
としっかり教えてくれる感じがします。
実にぶっといボトルに入り、蝋封されていますが、先日ご紹介させていただいたギルベール・ジレ同様の存在感を感じます。ただし、ギルベール・ジレのワインは、どこか老獪・・老練です。
ジョアネスのワインは、非常に美味しいですが、まだまだ変わって行きそうな・・いや、変えて行きそうな、若い力を感じます。応援して欲しい・・と言いますか、飲んでみて欲しいですね。希少なワインです。ご検討くださいませ。
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