● 2022年のニコラス=ジェイです。まぁ~~~・・呆れるほどに海外メディアの評価が高いです。でもじゃぁ・・外人さんがお好きな
「マッチョでクリーミーで甘いピノ・ノワールやシャルドネか?」
と言いますと・・真逆です。
「ブラインドでテイスティングしたら新世界とは誰も思わないだろう」
と言うのが noisy の予想です。それほどにブルゴーニュにそっくりです。noisy 的には、来日され感化された外国人観光客の方々や海外出店の日本の飲食店の影響で日本人的感性が海外に輸出されたお陰で、エレガントで美しい味わいを愛でるようになってきたものと考えています。日本に住んでいらっしゃるテイスターの方もいらっしゃいますし。
今回の2022年ものは、数が非常に少なく・・ランサンブルは飲めましたが他は飲めるような状況では無かったので、
「海外メディアを出汁に使う・・ちょっと汚い手法」
でご紹介させていただきました。ぜひ楽しんで読んでいただけましたら幸いです。
「98+ って・・マジすか?」
「著名メディアも96ポイント!?」
凄い時代になったものです。どうぞよろしくお願いいたします。
◇ニコラス=ジェイより
2022年は近年の中で最も特殊なヴィンテージ。冬の気温と降水量は平均的だったが、4月に入っても気温が上がらずに冬のような気候が続いた。その後、気温が上がって開花期も無事に過ぎたが、夏も比較的冷涼だったので収穫は10月に入ってから開始した。9月は特に夜間が涼しかったので日中との気温差の影響が葡萄に素晴らしい酸味を与えた。シャルドネはアロマ豊かでチョークのような鉱物的なニュアンスと桃やパイナップルをグリルしたような香りにフレッシュな酸味も感じられる。果樹園を連想させるようなたっぷりの果実味とミネラル、トーストのニュアンスが濃厚にハーモニーを奏でていて、コートドボーヌの白ワインを連想せずにはいられない。ピノノワールは昔のヴィンテージを思い出させるような冷涼なアロマがあり、空気のように軽やかでエレガントなストラクチャーながらもコクのある複雑さ、柑橘類のような酸味と濃厚なブラックベリーのリキュール、ミネラルのエッセンスなどが混ざり合っていて、最初から最後までエネルギッシュで緊張感がある。
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2021年のニコラス=ジェイをご紹介させていただきます。前年の2020年ものは山火事でほとんどのキュヴェがリリースされませんでした。2年ぶりのリリースとなります。
noisy も2020年フルール・ブランシュは飲めたものの、ほとんどが2019年以来のテイスティングになりましたが・・
「ニコラ=ジェイ始まって以来の凄い出来!」
と申し上げておきたいと思います。
以下は「 NICOLAS-JAY 」よりのコメントです。
2021年は前年の冬から暖かく乾燥していて、春になると冷涼で雨が降る日が多くなったが葡萄の開花期は順調に過ぎた。6月には気温が45℃を超えるようなヒートドームが発生したが、幸いにも葡萄にそれほど影響を及ぼす時期ではなかったのでそこまで被害は出なかった。8月には気温も落ち着きを取り戻したので葡萄はゆっくり成熟することができ、9月初旬にシャルドネ、9月下旬にピノノワールを収穫。収穫量は多く、適度な糖度と酸味で葡萄の状態は素晴らしく、柔らかくスパイシーな果実味と滑らかな舌触り、緊張感もあり余韻がとても長い。2020年が山火事の影響でワインが造れなかったが、その翌年にこれほど素晴らしい出来になったことに感謝している。
そして・・海外メディアの情報は、上級キュヴェになればなるほど出て来なかったのですが、飲まれた(奇跡的に飲めた)マシュー・ジュークスさん・・イギリスの著名なワインライターの方の評価を上げますと・・
「20点法ですべてが18.5以上!」
と言う、非常に高い評価をしていました。ベースのピノ・ノワールの「ランサンブル」に至っては、
「19+ポイント!」
ですから・・上位のキュヴェを凌ぐ98+ポイントと言うことになります。
まぁ・・気持ちは判ります。今一番開いているのがランサンブルだから・・です。
幾分、差し引くとしましても、2021年もののニコラ=ジェイは素晴らしい出来だと感じ入りました!ご紹介の全てのキュヴェをテイスティングしてのコメントです。是非ご覧いただけますよう・・どうぞよろしくお願いいたします。
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2019年のニコラ・ジェイ・・素晴らしい出来でした!
「・・これ、本当にニコラ・ジェイか?」
と思えるほどでした。
まぁ・・もうそんな戯言は聞き飽きたとおっしゃるに違い無いんですが・・嘘は申しません。一番下の「ランサンブル」で結構!・・飲んでみて下さい。必ずや「嘘じゃ無かった」と・・思っていただけると確信しています。
そして何と、
「2020年ものは赤ワインが造れなかった!」
ことが判明しています。山火事による影響だそうです・・2019年ものが半端無く良かっただけに残念です。葡萄の樹自体に影響がなければよいのですが・・まだ詳細は不明です。どうぞよろしくお願いいたします。
■造り手による2019年
2019年のオレゴンは暑かったブルゴーニュとは対照的に我々がこの地でワイン造りを始めてから最も涼しい年だった。夏の日差しはいつも通りだったが熱波が来ることもなく、特に早熟というわけでもなく9月にはすでに気候は涼しく時々雨も降り、曇りの日が多かった影響で葡萄の成熟はゆっくり進んだ。結果的にストラクチャーはあるが硬さのないきれいなヴィンテージになっていて、これまでで最も軽やかな味わいになっている。優雅で上品、控えめながらも心地よいバランスがあり、一般的なアメリカ産のワインとは全く違う味わいになっている。ブルゴーニュのヴィンテージで例えるとするならば、2011年かもっと古ければ2001年といった印象になっている。本来であれば来年リリースするはずの2020年ヴィンテージはアメリカ西海岸で起きた大規模な山火事の影響でピノノワールが全く収穫できず、赤ワインは醸造していないので2019年ヴィンテージを長く楽しんで貰えれば嬉しい。
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フィネスさんからメオ=カミュゼの新プロジェクト、アメリカはオレゴンの「ニコラ=ジェイ」をご紹介します。ブルゴーニュ的感覚を持った造り手ジャン・ニコラ=メオと、音楽関係で育ったジェイ・ボバーグ、そしてボランティアをしていたと言うトレーシー・ケンダルのジョイントです。

ジャン ニコラ メオ氏はブルゴーニュ地方ヴォーヌ ロマネ村の「DOMAINE MÉO-CAMUZET」の3代目当主。師匠であるアンリ ジャイエ氏の教えを受け継ぎながら素晴らしいワインを造り続けています。ジャン ニコラ氏はパリ生まれの都会人で元々はワイン造りではなく経済学などを学んでいました。アメリカにも留学していた時期があり、その時に将来「NICOLAS-JAY」の共同経営者となるジェイ ボバーグ氏との出会いがワイン造りへ情熱を注ぐきっかけとなりました。

ジェイ ボバーグ氏はデジタル音楽配信会社の社長で様々なミュージシャンを育て、世に送り出してきました。同時にブルゴーニュの
「シュヴァリエ デュ タスト ヴァン」
の会員でもあり音楽同様にワインも深く愛し、1983年からオレゴンのワインを飲み続けてその可能性を探ってきました。2011年にウィラメット ヴァレーを訪れた際、この地域が持つ類稀なるポテンシャルに惹かれ、ジャン ニコラ氏と共にビショップ クリークの畑でのワイン造りを始める決意を固めました。

トレーシー ケンダル女史は米国の太平洋岸北西部生まれ。ワシントン大学で公衆衛生や人類学について学び、ブラジルのスラム街でのボランティア活動を通して様々な経験をしました。
その後、カリフォルニア大学でワイン醸造と葡萄栽培の修士号を取得。アメリカを始めオーストラリアやニュージーランドの生産者の元でワイン造りの修業をし、2014年にジャン ニコラ氏とジェイ ボバーグ氏と出会い、彼女の人生は大きな転機を迎えることになります。

経済学を学ぶため、アメリカに留学中だったジャン ニコラ氏のクラスメイトにジェイ ボバーグ氏の妹が居たことが2人の出会いのきっかけでした。彼らはすぐに意気投合してお互いワインへ情熱を傾けることになり、ジャン ニコラ氏は故郷のヴォーヌ ロマネに戻ってドメーヌを継ぎました。
その後も度々アメリカを訪れ、オレゴンのウィラメット ヴァレーの気候風土がブルゴーニュに共通するものを持っていると感じ、オレゴンワインの将来に興味を抱くようになりました。2012年、長年オレゴンワインの可能性を探っていたジェイ ボバーグ氏からウィラメット ヴァレーでのワイン造りの話を持ちかけられ、ジャン ニコラ氏はヴォーヌ ロマネで培った知識と経験をオレゴンのピノ ノワールに注ぐことを決意。そしてアメリカを始め様々な地域でワイン造りを経験し、ジャン ニコラ氏&ジェイ ボバーグ氏と同じ情熱と精神を持つトレーシー ケンダル女史がチームに加わり、「Nicolas-Jay」は完成しました。
「Nicolas-Jay」のワインに使われるピノ ノワールはウィラメット ヴァレーの中心にあるビショップ クリークと呼ばれる畑に植えられています。ワイン造りはジャン ニコラ氏の指導の下、トレーシー ケンダル女史が中心となって伝統的なブルゴーニュの手法で行われています。手摘みでの収穫後は葡萄が潰れないように小さな容器に入れて醸造所まで運び、選別台で厳しく選別します。アルコール発酵は樫樽で21日間行い、ワインに固さを出さないように圧搾も軽めに抑えてシルクのように滑らかな舌触りになるよう努めています。その後、新樽32%のフレンチオークで15ヵ月間熟成させてワインに厚みや深みを与えています。