
2018年以前の写真が「ちょっと可愛らしく」見えてしまうんじゃないかと思いますが、それは当たっていると思います。
こういう言い方が良いとは思ってはいませんが、少なくとも2~2.5ポイントはアップしていると思われる2019年もののオウンルーテッドです。
どちらかと言いますと締まった豊かさがすぐに感じられるランサンブルに比べ、少し「陰性」と言いますか、「内向的」に感じられる分、ワイン・アノラックの評価がウィラメットヴァレーよりも1ポイント低く出ている・・かと思いますが、noisy 的には同点・・もしくはこちらが僅かに上回るか・・と思います。いずれにしましても僅差・・素晴らしい仕上がりかと思います。
味わいは縦伸び系・・比較するならウィラメットヴァレーはほぼ丸い感じ、こちらは縦長の楕円です。目をつぶって飲めば、足が繋がっているような気もします。この辺は・・
「2018年ものとは真逆」
なイメージです。
しかしながら、2018年のオウンルーテッドとは、色彩も相当に異なりますよね?

「・・濃いのか?」
と思われるかもしれませんが、全然濃く無く・・良い感じのブルゴーニュ・ピノ・ノワールと同等位の感覚です。ここはおそらくミネラリティが高く、そのバランスに濃度が釣り合っているのかと思います。
因みに早々にこの2019年のニコラ・ジェイを評価していたワイン・アノラックのジェイミー・グッドさんは、下級のランサンブルが96ポイント、上級のこのオウンルーテッドが95ポイントですが、この1点差は人によりそのまま真逆も有り得ます。ただし、テイスティング次点では、
「え?・・ウィラメットヴァレーで・・こんなに凄いの?」
と圧倒された感があり、それを引きずってのオウンルーテッドのテイスティングだったので、ちょっと閉じたシャンボール的味わいに思えてしまったかもしれませんね。
いずれにしましても相当に素晴らしい出来でした!・・このまま行ったら・・カルフォルニアのカルトを追い越してしまうんじゃないか?とも思います。素晴らしい味わいでした!是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【何と自根のピノ・ノワール!・・シームレスな味わいに感動!・・まだフレンチ・ピノは自分の根っこで立つことが出来ています!】
フランスでは自根のキュヴェがほとんど有りませんで、特にブルゴーニュでは「全く」と言って良いほど・・無いと言うか、有り得ない状態です。
あのD.R.C.でさえ、1990年前からのフィロキセラの被害で青息吐息のラ・ターシュは、それでも何とか1960年代まで頑張ったはずです。なので、その頃の生産量は微々たるもので、もう枯れてしまって生産できないギリギリのところまで追い込まれてようやく植え替えた・・と記憶しています。
その植え替えではアメリカ系の葡萄の台木が使用されたはずですが、フレンチ・クローンをアメリカの大地に植えるのには、やはり台木を使用した方が良いんじゃないかと思いますが・・こちらはそんなことはお構いなしで、「自根」のようです。
ウィラメット・ヴァレー(・ランサンブル)とは結構違っています。むしろこちらはより果実の風味がたっぷりで、より締まって冷ややかさを感じるのがベースのウィラメット・ヴァレー。こちらはとても豊かでふくよかです。
黒系の果実も、赤系の果実もほぼ同様に感じられ、ニコラ・ジェイのラインナップでは、最もオレゴンの豊かさをアピールしているようにも感じられます。まぁ、言ってみれば・・ブルゴーニュの大地は「痩せて」いるんですね。
しかし、結構なドライさで旨味もしっかり有りますので、良く有るサンテミリオンのような甘さにもたれかかったようなニュアンスは有りません。
それにやはりどこか、自根由来の「のびやかさ」を感じます。一本筋が通っていると・・下から上まで「すっ」と伸びて行く感じが有るんですね。これ、以前もプラン・ド・ピエのワインで言ったことが有るんですが、飲まれた方の多くも同じ印象だったと言っていただけましたよ。
意識しなければそれっきり・・かもしれませんが、
「そう来るかもしれないぞ?」
と思いながら飲んでみると、確かにそうだ!・・と思えるんですね。
なので、フランスの希少な畑を蹂躙し破壊したフィロキセラの大罪は、決して消えることは無い訳です。・・それでも、
「フランスのピノ・ノワールの子孫は、アメリカで自分の根っこで立っている!」
ことが、まだ・・確かめられるのは、この上無い幸せなのかもしれません。ご検討くださいませ。

フランスでは自根のキュヴェがほとんど有りませんで、特にブルゴーニュでは「全く」と言って良いほど・・無いと言うか、有り得ない状態です。
あのD.R.C.でさえ、1990年前からのフィロキセラの被害で青息吐息のラ・ターシュは、それでも何とか1960年代まで頑張ったはずです。なので、その頃の生産量は微々たるもので、もう枯れてしまって生産できないギリギリのところまで追い込まれてようやく植え替えた・・と記憶しています。
その植え替えではアメリカ系の葡萄の台木が使用されたはずですが、フレンチ・クローンをアメリカの大地に植えるのには、やはり台木を使用した方が良いんじゃないかと思いますが・・こちらはそんなことはお構いなしで、「自根」のようです。
ウヴィラメット・ヴァレー(・ランサンブル)とは結構違っています。むしろこちらはより果実の風味がたっぷりで、より締まって冷ややかさを感じるのがベースのウィラメット・ヴァレー。こちらはとても豊かでふくよかです。
黒系の果実も、赤系の果実もほぼ同様に感じられ、ニコラ・ジェイのラインナップでは、最もオレゴンの豊かさをアピールしているようにも感じられます。まぁ、言ってみれば・・ブルゴーニュの大地は「痩せて」いるんですね。
しかし、結構なドライさで旨味もしっかり有りますので、良く有るサンテミリオンのような甘さにもたれかかったようなニュアンスは有りません。
それにやはりどこか、自根由来の「のびやかさ」を感じます。一本筋が通っていると・・下から上まで「すっ」と伸びて行く感じが有るんですね。これ、以前もプラン・ド・ピエのワインで言ったことが有るんですが、飲まれた方の多くも同じ印象だったと言っていただけましたよ。
意識しなければそれっきり・・かもしれませんが、
「そう来るかもしれないぞ?」
と思いながら飲んでみると、確かにそうだ!・・と思えるんですね。
なので、フランスの希少な畑を蹂躙し破壊したフィロキセラの大罪は、決して消えることは無い訳です。・・それでも、
「フランスのピノ・ノワールの子孫は、アメリカで自分の根っこで立っている!」
ことが、まだ・・確かめられるのは、この上無い幸せなのかもしれません。ご検討くださいませ。

左は2017年ものの写真です。