● ミアーニです。知っていると思っているはずですが、実はほとんど知られていない、飲まれていないのがミアーニです。資料ではワイナート誌の第13号、「北イタリアのワインを狙え」が唯一でしょう。巻頭のオールカラー9ページがミアーニのメルロの房です。手の大きさに比較しての房・粒の小ささにびっくりしてください。それに同じく17ページのレフォスコの房!カルヴァリになるこの葡萄の感動的なまでに小さく、隣の粒までの空間の大きさにたまげてください。味わいは..やっぱり素晴らしい!と言えるものです。カルヴァリ..飲みたいですねぇ!
ところでフリウラーノに関してですが、「ブリ」と「フィリップ」の二つのワインに分けられています。それぞれ、
Buri が Buttrio(ブットリオ)村
Filip が Badie (Abbazia バディエ)村
の畑のキュヴェ・・・ということらしいです。
ソーヴィニヨンは(もう引っこ抜いたと言われていますが・・)サウリンとバネルというぶどう園単位に分かれています。生産量が少なかったのでしょう、単にソーヴィニヨンとしてリリースされています。
まあ、ほとんどの方が飲まれていないと思いますし、
「ミアーニ?なにそれ?」
という方さえ沢山いらっしゃると思います。仕方が無いことでは有ります。リアルワインガイドでさえ、今まで一度たりともテイスティングレヴューをしていない訳です。
それに、noisy としては、縁有って・・・というか、何故か細い糸の綱渡り状態とは言え、とても希少なミアーニのワインを、それなりに長いこと扱わせていただけているんです。奇跡っちゃあ奇跡です。
「で、お主はどれだけ飲んだのよ?」
と聞かれると・・・これがなかなかに辛いところで、メルロが2度ほど、白はまあ何度も・・たった600本という生産量!のカルヴァリは1度キリ・・・滅茶苦茶硬かった・・・(T.T
フリウラーノは上手く育った年は村別畑別にします。中量級ながらもミアーニならではの美しさを誇ります(分かれてからは飲んでませんが!)尖った香りがノーズを突き刺すことも無く、さりとて、アロマティックなミネラルの複雑さはしっかりと有る・・・という素晴らしいワインです。
ソーヴィニヨンは例年それなりに有るのですが、今回は無いです。こちらも中量級ながら、トカイの軽めなアロマティックさとは変わって、やや重みの有る石灰系ミネラルに富み、飲み応えの有る味わいです。(おそらく・・)こちらは1200本ほど造ったようです。
シャルドネは・・・・実は飲んでいないので、何も言えません。毎年1本か2本・・・購入できれば良い方なんです。有る意味、カルヴァリと同様の600本という生産量ですから、滅茶苦茶レアです。
リボッラ・ジャッラは、これまた600本という生産本数。ポテンシャルは白ワインの中ではトップかもしれません。若いうちでもそれなりに美味しく飲めますが、このブドウが持つ未知数の力を引き出していますから、グラヴネールのように10年置いたら大化けするかもしれません。
正直、ミアーニという生産者のワインを知らずにイタリアワインがどうこう・・・とは語れないと思います。そしてミアーニを知ってしまえば、フランスワインがどうだ、イタリアワインは好みじゃない、などは意味を成さなくなり、ワイン生産地による好み、国境は無いものと同義になります。noisyを見ていればおそらくそう感じていただけるはず・・・。
生産量のかなりの部分をバルク売りしてしまいますが、それも凄いことではあるにせよ、極端に古い古木、収穫量の抑制が有ってのことですから・・。1本のブドウの樹から500gくらいしかワインにしていないんです。15ヘクタールから7000本強という数字は、1アール(100平方メートル、10メートル×10メートル、約30坪)で、ワインがたったの5本弱ほどですよ。美味しさを別としても、1年間の賃料だけ考えたら・・・ミアーニのワインのプライスも納得できると思います。
今回はそれぞれのコラムにはコメントは有りません。飲んでいないものは、さすがに偉そうには書けませんが、世界を代表するワインです。カルヴァリは・・・ごめんなさい!無いです。このところ入荷していません・・
 | Friuli-Venezia Giulia
Miani ミアーニ
地区 コッリ・オリエンターリ地区 造り手 エンツォ・ポントーニ
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ブドウ園は母方一族のものだったが、1980年代にエンツォが引き継いで元詰めを開始。1984年がファースト・ヴィンテッジ。元々は父と一緒にワイナリーの運営は行っていて、エンツォもメカニックの仕事との兼業だったが、1990年代に入って父が死んだので、ワイン造りに専念しはじめた。家族経営のワイナリーで、エンツォ・ポントーニがオーナー/ワインメーカー/アグロノミスト。雇われコンサルタントはなし。エンツォは、メカニックとして17年間働いた人物。非常に控えめな人で、ワインフェアや試飲会には一切顔を見せず、黙々と自らのワイン造りに専念している。
栽培ビオロジック(一部ビオディナミ)
栽培品種 メルロ、レフォスコ、タッツェレンゲ、カベルネ・ソーヴィニョン、ピニョーロ、シャルドネ、トカイ、ソーヴィニョン・ブラン、リボッラ・ジャッラ
自社畑面積 12ha(うち、8haはリース)
土壌 泥灰質土壌
醸造 (白ワイン)ステンレスタンクでデブルバージュしてからフレンチ・オーク樽で発酵。破砕・除梗ののちプレス。長時間かけてプレスは優しく行う。 (赤ワイン)ステンレスタンクと木製発酵槽で発酵。 |