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ドメーヌ・エ・メゾン・ドミニク・ローラン
エ・ドミニク・ローラン
フランス Domaine et Maison Dominique Laurent ブルゴーニュ
● 今ではついに自分のドメーヌまで持ってしまった元パティシエ、ドミニク・ローランです。
まあ、ドミニク・ローランがXXXXXから葡萄を買った・・・という噂が流れると、そのXXXXXの評価が急上昇するとさえ言われるほど、葡萄の出来、選択眼に定評の有るドミニク・ローランです。ミュジニーなどと云う、ロマネ=コンティ、ラ・ターシュに並ぶクラスの葡萄が手に入ること自体、凄いことです。誰だって素晴らしい出来だった葡萄は、自分で使いたいはずですしね。
2016 Vosne-Romanee 1er Cru aux Beaux Monts Vieille Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ボーモンを名乗る畑の内で最も標高の高い位置にあるオー・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュです!】
2010年 94Pionts、2011年 95Points、2012年 95Points、2013年 94Points と来て、2016年ものも94Points と言うヴィノスの評価ですので非常に安定しています。最も、2010年から2012年ものまではタンザーさんの評価で、そのタンザーさんがやっていたインターナショナルワインセラーと合併して始まったのがヴィノスで、2013年はアントニオ・ガローニさんの評価です・・お間違い無く。
まぁ、エレガント系も濃厚系も無難にこなす・・と言うか、エレガント系のワインも好きだったんだろうな・・と感じさせるタンザーさんです。今はヴィノスの編集長されていますが、IWCそのものを引き継いでヴィノス合併したのが、アドヴォケイトのブルゴーニュやシャンパーニュなどの担当だったアントニオ・ガローニさんです。
2000年以降のドミニク・ローランのワインは、それ以前の彼のワインとは結構に異なりました。noisy も実際、テイスティングで感じてビックリしまして・・
「どうしたんだ・・?ドミニク・ローラン!・・エレガント系に転身?」
みたいな感じで新着を書いた記憶が有ります。
それ以降のドミニク・ローランは、1990年代の濃厚なスタイルは捨て、あくまでエレガント系、エキス系のピノ・ノワールを造るようになっています・・が、noisy もしばらくの間は非常に懐疑的で、
「飲まなきゃ判らないし・・」
と思っていましたが、もう戻ることは無さそうです。
今回は2016年のオー・ボーモンV.V.ですが、本当に少量なので、飲まずにご案内致します。安いですよね~・・90年代は高かったんですけど、今は以前と余り価格も変わらず、むしろリーズナブルに思えてしまいます。
それに、「1級レ・ボーモン」と、ボーモンなら同じだろうと思ってしまいますが、実はボーモンは4つの区画が有ります。似た様な名前なんですが、「レ・ボーモン・バ」「レ・ボーモン・オー」「レ・ボーモン」「レ・オー・ボーモン」でして、このワインは「レ・オー・ボーモン」。「レ・ボーモン」の真上に有り、最も高度の高い位置に有ります。
なので・・そう言う風味が感じられるはずです。そこに2016年的な味わいと、ドミニク・ローランのエルヴァージュの技術が加わる訳ですね。是非ご検討くださいませ。
2016 Clos de la Roche Grand Cru Cuvee Vieilles Vignes Intra-muros
クロ・ド・ラ・ロッシュ・グラン・クリュ・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・イントラ=ムロス
【定評のあるドミニク・ローランのグラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュです!】
1992年もののレヴューです。ヴィンテージ違いで同じワインですよ・・定評のあるクロ・ド・ラ・ロシュです。
【そろそろ激レアになってきたと思います。】
飲んではいないので・・テイスティングコメントは有りません。申し訳ありません・・流石にもう、収穫から30年近い古酒ですし、価格もだいぶ上昇していますが、それでも90年代前半のワインだとするならリーズナブルでしょう。
かのペルナン・ロサンも銘醸畑クロ・ド・ラ・ロシュを所有していましたので、おそらく・・おそらくですよ・・ペルナン・ロサンかな・・と思います。もしその場合はコルクにペルナン・ロサンの焼き印が有るかもしれませんし、リコルクされているかもしれません。液量はキャプスュル下約1cmでたっぷり・・です。
あ、でもまぁ・・ドミニク・ローランの場合は幾つかのキュヴェが有りまして、これは、「キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・イントラ=ムロス」のラインです。英語風にイントラ=ムロスなのか、フランス語読みでアントラ=ミューロなのかは判りません・・誰も解説しませんので・・。単に、ドミニク・ローランのクロ・ド・ラ・ロシュV.V.になってしまいます。
でもこちらはイントラ=ムロスです。他にも、「単にクロ・ド・ラ・ロシュ」も存在します。ドミニク・ローランのトップ・キュヴェは「グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」とされていますが、シャンベルタンやエシェゾーは「グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」に、そしてドミニク・ローランの思い入れの深いクロ・ド・ラ・ロシュは特別な名前で「イントラ=ムロス」になっているように思います。他にはクロ・ドーヴージョも上級キュヴェは別名で「スイ・ジェネリス」を名乗っています。
光を透かせて見ますと、やはり「クロ・ド・ラ・ロシュっぽい影」の見える、エッジにややくすんだオレンジが入った艶っぽい色合いをしています。クロ・ド・ラ・ロシュって・・いつも白い影が見えるんですよね・・。よっぽど長く立てて置かないと綺麗に澄んで来ないかと思います。淡い色に仕上がることが多いですし、そんな特徴を持ったテロワールかと思います。
何せ1992年ですので・・やや強い押しの有る93年ものより92年もののブルゴーニュらしいバランスを好む方は多いかと思いますが、そもそも誰かさんが「1992年ブルゴーニュは猫跨ぎ」みたいな発言をして、ほぼほぼテイスティングさえしなかったことが響き、当初は1992年ものの評価は低かったのですが、後年になって、完全に見直されています。勿論ですが、実力の無い造り手の1992年は論外ですよ。
「ラ・ロシュ」・・岩と言う畑のグラン・クリュです。noisy 的にはカリウム少し、ナトリウムたっぷり・・みたいなイメージです。ご検討くださいませ。
メゾン・オリヴィエ・バーンスタイン
オリヴィエ・バーンスタイン
フランス Maison Olivier Bernstein ブルゴーニュ
● オリヴィエ・バーンスタイン、Noisy wine としましてはおそらく最後のご案内になるかと思います。BBR社正規品です。
「1級畑以上のワインしか造らない」と宣言して始まったミクロ・ネゴスですが、noisy としましても興味津々で2008年ものより扱わせていただきました。
元より標準小売価格は高かったのですが、どこの誰とも知られぬ未知数の新人による、ちょっと高飛車な物言いにも思えるような存在でしたので、
「ま~・・全然売れなかった!」
のが2010年前後の状況でした。
なのでnoisy としましては興味は有るものの、素人?ド新人?の造る・・いや、1級以下の畑からは造らない・・と言ってるクセに、
「レストラン宛に名刺代わり造っている」
と宣う「村名ジュヴレ=シャンベルタン」を、取りあえず飲んでみよう・・と言うことで飲んでみたら美味しかった・・ので、
「全然売れずに倉庫に積みあがっていた」
はずのそのワインを価格交渉させていただき、2008年ものを6000円弱で売らせていただいたのがキッカケだったと記憶しています。
これがですね・・大評判でして・・2008年ヴィンテージのエレガントさと、果実の柔らかな美味しさがマッチしていたのがその理由かもしれませんが、相当な数量を販売させていただきました。それがスタートでした。
しかしながら毎年のように上代設定は高い方に見直され続けまして・・それでも2014年までは、何とか9千円を超えないように・・相当利益を削って対応させていただいておりましたが、2015年には1万3千円になり、2016年ものは完全にアソート販売で12本1セット90万円という馬鹿馬鹿しいと思ってしまうような超巨大なものになってしまいましたので、オリヴィエ・バーンスタインの販売からほぼ撤退することになっていました。
かつては大量に販売させていただいたその村名ジュヴレ=シャンベルタンも、2017年ものを持って終売になりましたが、バーンスタインの醸造長が何と・・「リシャール・スガン」で有り、彼が独立した(する予定)ことが関係していることも判りました。(この辺りはリシャール・スガンのコラムをお読みくださいませ。)
オリヴィエ・バーンスタインはアルマン・ルソーと並びたい、もしくは超えたいと思っているようで、ルソー同様、直販主体を目指しているようです。なので、輸入販売のエージェントさんは「邪魔」になるのでしょう・・どうやらB.B.R.社も切られるようですが、最後の荷が入った・・と言うのが実情かと思います。
ですので、
「さよなら・・オリヴィエ・バーンスタイン!」
と言うような気持ちで、今回はご紹介させていただきます。流石に20万円上代のシャンベルタンをアソートで複数セット仕入れ、多く販売することはNoisy wineも能力不足ですし、先行きが「生産者直販」や「ネット販売禁止」に行き着くのであれば、いつまでもしがみついていても仕方が有りません。
今回は2017年もののジュヴレ=シャンベルタン1級レ・シャンポーの再入荷分と、初めてのご紹介になります2016年村名ジュヴレ=シャンベルタンをご紹介させていただきます。特に村名ジュヴレ=シャンベルタンには思い入れも有りますし、将来の販売は有り得ないようですので「絶版品」と言うことになろうかと思います。
「そう言えば大ドメーヌのオリヴィエ・バーンスタインって、昔はネゴスで村名も造っていたらしいよ・・」
なんて、20~30年後にSNSなどで言われているようになるのかもしれませんね。
「じゃぁ・・ご縁が有ったら・・また・・よろしくね。」
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日本の市場ではまだまだ無名に近いオリヴィエ・バーンスタインですが、それでもエージェントさんレベルでは引っ張りだこ、また海外の評価は年を追う毎に鰻登りで知名度抜群、ついに2015年もののシャンベルタンはあのアルマン・ルソーと(ほぼ?)同様の上代120.000円になってしまいました。
また、今までは2社が正規で輸入していましたが2015年からは1社体制になったようで、生産量減と入荷数量減で価格も高騰、noisy も・・
「・・もう手も足も前に出せない」
状況に追い込まれてしまいました。
オリヴィエ・バーンスタインの2015年ものを楽しみにされていらしたお客様には、大変申し訳ございません。
何しろ村名ジュヴレで40ケースの入荷と聞いており、エージェントさんも鼻息は荒く非常に強気、以前のように、
「xケース買うから・・」
などとの交渉など不可能な状態です。
「noisyさんのところは2ケースですが、他にそんなに行ったショップさんは無いですよ。」
などと言われる始末・・。挙句の果てには、滅茶高く選択自由度の全く無いグラン・クリュとプルミエ・クリュになってしまいまして、このクラスはお茶を濁すだけの仕入れになってしまいました。
それでも2008年ものからご紹介をし続けたオリヴィエ・バーンスタインですので、
「最後になるかもしれないが村名だけでもテイスティングしよう・・」
と決め、ご案内申し上げます。
━━━━━
オリヴィエ・バーンスタインの新ヴィンテージが到着です。2008年ものからご紹介させていただいておりましたが、少なくとも2013年ものまでは、さほどの認知度も無く、noisy 的には、
「・・こんなに素晴らしいのにほぼ独り占めで・・すみません・・」
みたいな感じで、例えばジュヴレ村名などはもう大量にご案内させていただいておりましたし、シャンボール1級のラヴロットも、素晴らしいラズベリーと大きな構造・・とても美味しいのに価格はまだ追いついておらず、これも沢山ご購入いただきました。
しかしながら、もう現在は世界的にも話題になってしまいまして、日本でも散見されるようになり、
「noisy さん・・昨年までのようには行きませんよ。」
とエージェントの担当さんに言われてしまい、落ち込んでいる noisy です。まぁ・・仕方ないですよね。あの滅茶美味しい2010年のジュヴレなどを飲んだ日にゃ、誰でもファンになっちゃいますよね・・。ジュヴレ2008年は6千円切ってご案内していましたしね~・・。
で、誠に申し訳ないのですが、日本の正規エージェント分としましては、今回ご案内する分で「ラスト」です。売れ線のジュヴレ村名も、たったの24本を確保するのがようやっと・・でした。2010年ものは10ケース以上確保できてましたんで・・五分の一しか有りません。
その他のキュヴェも、何か良く判らない限定条件が付いてまして・・まぁ、非常に評価の高い「シャンベルタン」や「シャルム=シャンベルタン」などだけを抜かれないように、エージェントさんが工夫されたんでしょうね。なので、各キュヴェ1~2本しかないようになっています。
ですが、やはり評価自体も高く、ジュヴレを飲んだ限りでは、
「2014年のオリヴィエ・バーンスタインは超絶ポテンシャルを持つ!」
と言えるかと思います。
ジュヴレ村名でさえ極太ボトルに入り、評価も・・かのティム・アトキン氏は92Points と非常に高いです。noisy 的な、もしくはテイスター的な感覚から言えば、
「ん~・・シャンベルタンの98Points がまず有りきで、そこからジュヴレの評価が決まったような感じもあるかな?」
と言うような気もする訳ですが、ジュヴレ村名の92Points は良い評価だな・・と思われます。
その他のキュヴェも軒並み高得点をマークしており、またティム・アトキン氏だけではなく、その他のテイスターも似たような評価をしていますので、信頼できるんじゃないかと思っています。
本来であれば、noisy が全部開けられるような環境が欲しい訳ですが、上級キュヴェはクロ・ド・ヴージョクラスを除いてかなりの値上げになっています。
ACジュヴレも・・本来はもう、この価格は厳しいのですが、何とか以前と同じ価格を維持してのご紹介です。是非ともご検討くださいませ。
をご存知でしょうか?今までに2008~2009年のジュヴレ村名、シャンボール1級などをご案内させていただき、大好評をいただいています。
いまや、ワイン業界、特にブルゴーニュ大好き人間達の間では、物凄い噂になっている「ミクロ・ネゴス」です。すなわち、1級畑の、しかも条件の良い畑しか造らない・・そうです。
しかしながら余りに価格が高く、ご案内し辛い状況でした。今回は特別に・・無理をして、何とか飲んでもらおうと、エージェントさんと交渉の上、何とか・・ギリギリの価格で折り合いました。
で・・飲んだみたら・・高いのは仕方が無いとしか思えない仕上がり。「パーフェクト!」と言うしかありません。

オリヴィエ・バーンスタインは、ブルゴーニュの新星ネゴシアンとして、近年、ジャンシス・ロビンソンやアレン・メドウズなど数多くのジャーナリストから高く評価されています。
ブルゴーニュの最高の区画と樹齢の高いブドウの樹、特にプルミエ・クリュ(一級畑)とグラン・クリュ(特級畑)だけにフォーカスし、ファースト・ヴィンテージとなった2007年、10種類=800ケースのワインを造りました。高樹齢の樹から採れるブドウは収穫量が限られているため、生産量はごく僅かです。
元々、バーンスタインは音楽系出版社の家系に生まれましたが、頻繁にワイン生産地を訪れ、畑や収穫などに触れるうちに、その魅力に取りつかれ、有望なビジネスキャリアを捨て、ボーヌで醸造の勉強を始めました。2002年に短期間アンリ・ジャイエと一緒に仕事をした後、ルーション地方で、自分のドメ ーヌであるマ・ドゥ・ラ・ドゥヴェーズを興しました。ここで造られたワインは、パリの有名レストランなどで評判となり、その成功を基に、2007年、ネゴシアン・ビジネスを開始するため、ブルゴーニュに帰還しました。ブドウという果実そのものを厳選し、その生育状況には細心の注意を普Eい、醸造はジュヴレ・シャンベルタンにある自身のワイナリーで行います。すべて特注のオークの新樽で熟成することにこだわり、濾過や清澄をせず、ワインは一本一本、丁寧に手で瓶に詰められています。
2016 Gevrey-Chambertin Villages
ジュヴレ=シャンベルタン・ヴィラージュ
【2016年ものは葡萄の熟度は高目で仕上がりは冷ややかなエレガント系!一瞬、初めて扱わせていただいた時の2008年ものを思い出しました!】

おそらくバーンスタインのワインの最後のテイスティングになるであろう・・2016年ものの村名ジュヴレ=シャンベルタンです。幸か不幸か、一応24本は仕入れが出来ましたので、以前よりは仕入れ価格は当然ながら上がっていますが、販売価格を頑張って抑えて、
「バーンスタイン最後のジュヴレ=シャンベルタン」
をいつか、飲んでみていただけたらと思っています。最も造り手としましては2017年ものジュヴレ村名が最後のリリースになります。
色合いはどうでしょうか・・少しエレガント系に見えますよね。下の2015年ものが赤みが強く、中央の積層赤~黒がしっかりしているのが判るかと思います。比較しますと2016年ものは全体的に均一な感じで、これはピノ・ノワールが「濃くない時」に見える現象でも有ります。・・・え~・・少し後に成りますがご紹介予定の「2018年ヴァーゼンハウス(ドイツ)」のラントヴァインをテイスティングしましたので、ちょっとだけ・・比較の意味で見てみましょうか?

フランスとドイツと言う国、地質の違いは有りますが、色合いの全体的なトーンは似ているような感じですよね?
でもバーンスタイン2016年はヴァーゼンハウスのシュペートブルグンダーよりは積層的で濃く、より暗い感じに見えるかと思います。バーンスタインの収穫時期・・と言うか、葡萄の熟度はより高く、少し遅熟的、ヴァーゼンハウスの方は熟度はより低く、少し早熟的なバランスと言うことになろうかと思います。勿論ですが、収穫の月日の比較では有りませんので・・。
なので、バーンスタイン2016年は晩熟型(遅熟)で酸は柔らか、年代が2年異なるために熟したニュアンスも入り、ヴァーゼンハウス2018年は早熟型で摘み取りはより早く、酸は比較してよりハッキリしたものになっているはずです。この2つの対象では、よりエレガントさを感じるのはヴァーゼンハウスになると思いますが、比較対象をバーンスタインの2015年と2016年にしますと、エレガントさがクッキリするのは2016年と言うことになります。
で、面白いのでもうひとつ・・写真をご用意したのでご覧くださいませ。

え~・・3枚目が「リシャール・スガン ジュヴレ村名2018年」です・・(^^;;
「あちゃ~・・濃度の差は有るけど、ソックリじゃん!・・」
と思われたかどうだか・・(^^;;
「いや・・だいぶ違うぞ・・」と思われた方もいらっしゃろうかと思いますが、やはり似てますよね・・濃度は2018年ものの方が有りますが、少しだけ薄くして、2年ほど経過させたらソックリ?・・かもしれないと思ってしまいます。
失敗したのは「白いテーブルクロス」が洗濯中で使用できない期間に写真を撮ったことですがご容赦くださいね。
なので、2016年もの村名ジュヴレ=シャンベルタンは、リシャール・スガンの手になるものだったと言えるでしょうし、2016年ものは2015年、2018年よりも濃度は低めでエレガント系である・・と言えるでしょう。そのうえで、
「エキス系と言うよりも果実味系」
の味わいですので、柔らかなフワフワとしたテクスチュアの酸の穏やかな味わいが特徴・・と言えるでしょう。
ただしタイミング的にはやや閉じ気味・・と言うか、品温が冷えやすい時の果実味系のワインは、香りは良くても比較して味わいが落ち着いて感じられますので、
「飲まれる際は品温に注意。低くとも14~15度までに上げないと真価を発揮できない」
と言うのは「この寒い時期の鉄則」ですのでご注意くださいね。特に収穫タイミングを遅めに持って行った晩熟型のピノ・ノワールは、酸の柔らかさゆえにその傾向が強くなりますので気を付けましょう。
オリヴィエ・バーンスタイン、2016年のジュヴレ=シャンベルタン・ヴィラージュのご紹介でした。オリヴィエ・バーンスタイン、これにて終了とさせていただきます。ご愛顧をいただきまして誠に有難うございました。是非ご検討くださいませ。
以下は2015年もの以前のレヴューです。
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【思わず唸らざるを得ない素晴らしい仕上がりでした!村名ジュヴレ=シャンベルタンのポテンシャルは1級並み。価格は全然高く無いです。】

ワインの素晴らしさはバランスが有ってこそ・・では有りますが、そこはやはり「血筋」なのでしょうかね。レナード・バーンスタイン指揮のベートーベン交響曲第5番「運命」/ バイエルン放送交響楽団 を聴きながらこのレヴューを書いていますが、
「重量感あるものは鈍重になりやすく、軽快感あるものは軽薄になりやすい」
そんなことを一切感じさせない見事な演奏と指揮だなぁ・・などと感じつつ、聞き過ぎてしまって指が全く動いていないことに気付き、ちと焦っています。Youtube でもバーンスタイン指揮は簡単に見つかりますので、ぜひ俳優さん顔負けの素晴らしい演技を・・いや、指揮と演奏をご覧ください。
オリヴィエ・バーンスタインの2015年の村名ジュヴレですが、ま~・・集大成的に素晴らしいです。
まず、何よりこの・・
「滅茶重く、ド太い大迫力のボトル!」
に驚きますよ。
そして、抜栓してコルクの選択の素晴らしさと、
「・・お、重っ!」
と、思わず声が出てしまうほど重量を感じ、手の小さい人、もしくは女性などで握力の少ない人ならボトルを落としかねないんじゃないかと思えるほどの、ボトルの太さと重量です。
そしてピュアで華やかで重さもしっかり有り、円の形に立体構造が想像できるような見事なノーズには、深みのあるカラント、スパイス、伸びやかな白い石灰と重みある鉱物系のミネラリティ。ゾクゾクっとさせられます。
中域は適度に拡がり、まだまだこれから先のために残すべき要素を詰め込んでいることが、あからさまに判るような大きな構造を埋め尽くす要素。余韻も深淵で、しかも最後の最後に葡萄由来の静かで思いきり綺麗なほんの僅かな甘み・・この静かな甘みのような感覚が長~くたなびきます。
まぁ、全くの良く出来たプルミエ・クリュ・クラスの味わいです。非常に複雑性高く、今は全然・・開いて無いですよ。2014年までは村の中央に有る区画、アン・カルージョとレ・ゼポワンチュールのブレンドでしたが、2015年は村の北端、高い標高にあるレ・ゼヴォスレの葡萄を50%足しているようで、その個性がかなり出ているように感じます。それでも充分に堪能できます。
このワイン、アルコール度は13.5度と、比較的高目に仕上がっているんですが、ワインの格、繊細さ、エレガンスもしっかりと感じさせてくれます。通常だと大柄では有っても、繊細さを感じさせるのは、若いうちは難しいんですけどね。
この辺りは・・「血筋」なのかとうらやんでしまいます。素晴らしい出来でした。セラートラッカーは94ポイントを付けた方がいらっしゃいました。タンザーさんは91ポイントです。
なお、このワインの飲み頃ですが、ポテンシャルを取れて美味しい・・と感じられるようなプロに近い方は今の状態でも、
「わお!」
と感じていただけるでしょうが、通常は3年ほど置いてからが良いと思いますよ。もしどうしても早めに飲みたいと思われるようでしたら、
「2週間しっかり休養させて澱を落とし、昇華熱を使いつつ開かせる努力をする」
のが良いと思います。それでもさして開きはしないと思いますが、美味しさは充分に感じられると思います。
通常なら3年、本当に良い状態に持って行くなら保存温度にも拠りますが10~15年は掛かると思ってください。

今回は高いのでプルミエ・クリュは手を出さず、先行き条件が出るようなら仕入れようか・・などと思っています。謀事が上手く行くよう祈ってください・・(^^
グラン・クリュは、物凄い評価のシャンベルタンと、これまた人気の高いシャルム=シャンベルタンを1本ずつのみの仕入れです。
シャンベルタンはおおむね98ポイントほど付いているようで、2014年ものと変わらないようですが、価格はビックリ・・ルソー並みです。頑張って価格を出していますが1本だけですので・・。
また、シャルム=シャンベルタンは概ね94~95Points 辺りになりますでしょうか。これで充分かもしれません。
何しろこのグラン・クリュはアソートでして、Aグループに重厚長大人気型のシャンベルタンとかクロ・ド・ベズが入り、Bグループにはそれに次ぐクラスと、Aほどの人気は無いクラスが入り、同数だけ予約可能・・になっており、
「Aグループは欲しいが滅茶高いし数が無く、その分にBグループが同じ数だけ付いてくる」
状況なので、
「あっちからあれとこれを仕入れると、こっちからこれとそれを何本入れて・・」
などと計算していたら頭が錯乱して暴発・・
「どうせ飲めないし・・や~めた!」
と言うことになってしまいました。良く忘れずに予約を入れてたものだと、自身に感心しています。
また話は変わりますが、写真のように何故か・・「ムール貝とジュヴレ=シャンベルタン」と言う食卓でした。
「・・えっ?・・マジすか?」
と思われるかもしれませんが・・これで結構行けちゃいますんですね~。ワインの味わいがピュアだからでしょうか。普通は白ですよね・・アルザスとかロワールとかシャブリとか・・でしょう。
でもさして匂わずに・・いや、勿論ですがヴァレンティーニのエクストラ・ヴァージンは後から使いましたが、それなりに塩味の効いたムール貝だった性も有りますかね、とても美味しくいただきけました。
非常に希少な2015年のオリヴィエ・バーンスタインになってしまいました。追加は無理です。村名ジュヴレはお一人様2本まで限定です。ご検討くださいませ。
━━━━━
【ジュヴレ村名とは思えない巨大な構造!滅茶美味しかった2010年を超える仕上がりです!】
ま~・・抜栓時のアロマの艶やかなこと、スピードの速さに・・度肝を抜かれてしまいました。クラクラするような・・芯の有るアロマがノーズに飛び込んできます。
まるで「シャペル=シャンベルタンか~?」・・みたいな、シャンベルタンのゆったり、ふっくらしたニュアンスをややタイトに、ドライに、かつ・・凝縮感はそっくり・・みたいな感覚を受けました。ジャドのシャペルをさらに凝縮させ、大柄にしたような感じさえ・・いや、それは言い過ぎかもしれませんが、イメージ的にはそんな感じです。マジ=シャンベルタンの甘美なスパイシーさをマイルドにし、若く飲んだ時の印象にも近いかもしれません。
ただし、2010年のジュヴレのご紹介のタイミングと、今回の2014年のタイミングは余りに違います。何しろ2010年をご紹介したのはBBR社入れで昨年ですから・・。
つまり、収穫年から6年経ってのご案内だった訳です。今回の2014年は、収穫年からはまだ3年目ですので、
「3年の差が有る」
訳ですね。
しかも、ポテンシャル自体は2010年の出来を超えていると思われますから、
「2010年的なソフトさを求めるのなら少なくともあと3年は必要?」
と言えるかなと・・思います。
もちろんですが、今飲んでも素晴らしいですよ。むしろ硬くなってきている状況下にあるかと思いますが、ポテンシャルを取る飲み方が出来る方なら、思わず声にならないような声が漏れるでしょう。
「・・これで村名かい・・」
と。
まぁ、ジュヴレの上級キュヴェのような味わいが期待できる素晴らしい村名ジュヴレです。ですが申し訳ありません・・noisy の取り分は24本のみです。これ以上は、もしかしたら先行きBBRさんの分がいただけるかもしれませんが、現状では未定です。
さすがにバーンスタインの1級、特級クラスには手は出せないとしても、その香しき大きな構造をチェックできるワインになっています。ぜひともご検討くださいませ。お勧めします。
以下は以前のコメントです。
━━━━━
【上質なエスプレッソのニュアンスを含むややビターな黒系果実!大柄で素晴らしい仕上がりです!】
このところ自身でも完全にオリヴィエ・バーンスタインの魔曲に嵌ってしまった感のある noisy では有りますが、やはり一度飲んでしまうと、
「次のヴィンテージはどう出るか?」
と・・気になって仕方が無い存在なんですね。
やっぱりキッチリ旨いんですよ。ちゃんと仕上げてくるし、何よりセンスが良いのが伝わってくるんです。
非常にエレガントなブルゴーニュ的な美味しさだった2008年、そこに肉を付けた2009年、現状でパーフェクトだと思わざるを得ない2010年、そして少し早いけれど2010年と2008年を合わせたような2013年・・です。
エージェントさんが2軒ある点、また、持ってくる(輸入)タイミングがそれぞれ違うので、ある程度重なってのご案内が出来る点が強みでもあり、
「・・ん?・・まだバーンスタイン?・・まだ前の飲んでないし・・」
みたいな状況に陥っているのかもしれませんが、それでも、
「旨いですね~・・もっと欲しい。有りますか?」
とおっしゃるタイミングとも合わないもので、是非とも在庫が有る時に買っておいて欲しいアイテムです。そんじょそこらではまず入手不能だと思うんですけどね・・。価格も交渉して頑張ってリーズナブルになるようにしてますし!
で、今回は2010年ものが¥8.990のところ、為替の具合も有るのかと思いますが、さらに千円も下げてのご案内が出来ることになりました。味わいも・・2010年ともかなり違う美味しさなんですよ。比べて飲んだらきっとビックリですよ。
2010年ものは、何度も言ってますが真ん丸なパレットに赤黒果実のバランスが最高で、パーフェクト・ジュヴレと表現させていただきました。
2011年は、2010年を思わせるような大きな構造では有りますが、
「より黒い果実が多く、ややビターな美味しさで非常に大柄。想像させるのはシャルム=シャンベルタンと言うよりもシャンベルタン風」
と言いたくなるような風情です。
勿論ですが、これがル・シャンベルタンだとは言わないですよ。でも大きさを比べるとおそらく2010年より大きく深く、しかし横の拡がりが2010年とは違ってやや扁平。よりビターでめちゃくちゃしなやかな甘いタンニンが、非常に豊かなシャンベルタン風に感じさせてくれるんです。
ここにめちゃくちゃ複雑な要素を感じてしまったら、全くのル・シャンベルタンでしょう。さすがにそこまでは行かない・・。でもかなり近い風情を持っている、とても大柄なスタイルでした。
黒い果実ですから、コーヒー、モカ(・・同じか?)、それも少しビターなので、
「渋みの中に質の良い甘味を感じさせてくれるような上質なエスプレッソ」
に、
「雄大な大地の風情を感じさせてくれるような茶色のニュアンス」
と、赤や紫の多彩な果実感が有り、ミネラリティも突出したものは無いが非常に複雑性に富んでいます。その上で、バランスが非常に良いです。実に旨いですが、他のヴィンテージとも多分に違う仕上がりこそ、ミクロ・ネゴスこその表現と言えるでしょう。そこに彼の個性とセンスの良さを感じるのかもしれません。
2013年ものは、グラン・クリュと同じ太さの瓶でしたが、2011年ものはそこまで太くはありません。隣に置くと同じワインとは思えないですが、それもまた楽しいかもしれません。
台風も蒸し暑い空気を運んで来ましたが、2016年の夏は、少なくとも関東はさほど暑く無かったと思います。秋風が吹き始めるこの季節、素晴らしいピノ・ノワールを是非ご堪能くださいませ。お勧めします!素晴らしいです!
2017 Gevrey-Chambertin 1er Cru les Champeaux
ジュヴレ=シャンベルタン・プルミエ・クリュ・レ・シャンポー
【2017年ジュヴレ=シャンベルタン1級レ・シャンポーはワインスペクテイター93ポイントでした!】
一昨年の2019年12月に少量ご案内させていただきました2017年ジュヴレ=シャンベルタン1級レ・シャンポーです。3本だけの入荷でしたので、一瞬で無くなってしまいましたし、メディア評価も見つけられず、また飲めず、高くなる一方で・・
「この先のバーンスタインの扱いは厳しいかも・・」
と思っていたはずです。本当にそうなってしまいました。
スペクテイターは93ポイントで、評価もまずまず・・と言ったところでしょうが、価格的には、
「ドメーヌ・ルロワのシャンボール村名レ・フレミエと同評価程度」
と言うような部分からは相当安いと言えますが、一般的な1級レ・シャンポーを考えますと、やや高めで有るのは仕方が無いのかもしれません。何せ、追い越せルソー・・追いつくぞルロワ!・・でしょうから。
ワインファンからしますと、そんな姿を遠くから、もしくは何とか出会うことが出来て見守るのも楽しいものです。
その昔はドメーヌ・ルロワは新参者に過ぎず、しかしポルシュレと言う凄い醸造長を得て評価を得、独善的?な振る舞いからD.R.C.の共同所有者・経営者の地位を追われても、また良き伴侶を失ってしまっても、凄いワインをリリースしていた訳です。
noisy も、
「ミュジニーが12万か・・高いよなぁ・・」
と思って躊躇っていたら、次のリストを見ると50%も値上がりしていて・・を繰り返していたら買えなくなってしまった・・みたいな経験は、もう一体何度有ったかなど数え切れないほどですから、
「良い機会だと思えるので有れば、懐が許すのであれば買っておくべき!」
と申し上げておきましょう。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのユベール・ラミーも2011年以前は全く・・で、「さざ波さえ」起きない状態でした。ほんの6~7年前の話しです。ご検討くださいませ。
以下はこのワインと同じ2015年ものの、以前のレヴューです。
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【まだほとんど出回っていないはずです!・・また、2016年ものと比較しても非常にリーズナブル!】 まぁ、確かに味筋と言うか、雰囲気はジャイエのワインに似てはいます。ただしジャイエのワインはもう少し低温の漬け込み時間が長いか、もしくは、バーンスタインの方が「潔癖症」なニュアンスがします・・いや・・しました。
今回は2017年ものバーンスタインの「走り」です。こんな時代になってしまいましたら、今となっては「飲んでおいたほうが良かった」ワインかもしれません。何せ非常に・・高いです。シャンベルタンは上代では20万、実売で15万にはなってしまうでしょう。
評価的にはまだほとんど出そろっていないんですが、2017年シャルム=シャンベルタンをスペクテイターが95ポイント付けているのを見つけました。1級のレ・シャンポーは大手メディアの評価は見当たらず、しかしほぼほぼ94ポイントほどのようです。(未確認ですがヴィノスが94ポイントと言う情報が有りました。)
いずれにしましても飲んでご案内は出来ませんし、現在日本の正規代理店のもう一社、ジェロボームさんがどのように販売するかが判りません。ただし2016年は完全なアソートで、条件の悪さに閉口し手を出しませんでしたので、2017年もほぼ同様かと思われます。
まぁ、シャルム=シャンベルタンはシャンベルタン、クロ・ド・ベズ、マジ=シャンベルタンまでの評価には届かないんですが、95ポイント位まで来ていることと、価格が半分、もしくは1/3ほどでしかありませんので、非常にお買い得です。
1級レ・シャンポーはこのところ評価も上がって来ていまして、その分、価格も上がって来ています。1万5千円ほどで買えたワインですが、今は村名ジュヴレで2万位はしてしまいますので仕方が無いかな・・と。このプライスも高くは無いと思います。
非常に少量です。ご検討くださいませ。
以下は以前の他のアイテムを含むレヴューです。
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【このクラスは是非とも飲みたかったんですが残念ながら・・1本のみです。】
え~・・安いかと思います。2010年ものを16900円でご案内させていただきましたので、さしたる値上げにはなっていません。
それに、あの美味しかった2010年のレ・シャンポーは、タンザーさんの評価では92Pointsでした・・ので、評価者は違えど、2014年の村名ジュヴレと同じなんですね~・・。2014年がどんだけ良いのか、見えるような出来事かと思ったりしています。
因みにティム・アトキン氏もスペクテイター誌も94Pointsで並んでます。この先、BBRさん分がさらにリーズナブルに仕入れられるとも限りませんが、まぁ・・無理かな・・期待はしていますが、お約束は出来ませんので、ぜひこの機会を逃さぬようお願いいたします。
以下は2010年のレ・シャンポーのレヴューです。
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【優れたワインにしか存在しない構造、大きさとフィネス!滑らかなビターの誘惑!】
素晴らしいワインでした!・・このところは結構なプライスのワインも続けて開けてご紹介させていただいてますが、その中でも最近のトップと言って過言では無いポテンシャルです。バーンスタインのワインだけ見ても2010年はシャンボール1級ラヴロットも素晴らしい・・紫の果実のニュアンスを多く持ちながら、ボンヌ=マーヌの茶やコゲ茶、大きな構造を持ったワインでした。ジュヴレ村名も完璧と思える仕上がりでまん丸な球体を感じさせてくれました。
そんな中で、価格も一番高くなりますが、定価で25000円・・! と言う高級ワインのジュヴレ1級・レ・シャンポーをご紹介しようと・・言うわけです。noisy自身、バーンスタインのワインの美味しさにクラクラ来ちゃっているのかもしれません。
バーンスタインの特徴としては、自然派的なナチュラル感の有るピュアな味筋、揮発酸は無い。果実味は超てんこ盛りタイプでは無く濃くて疲れることは無い。エキスが綺麗に出ていてバランスが素晴らしく良い。新しいように見えて意外にクラシックなのかもしれない?・・などなど、感じる部分は多いですが、ジャイエ系の味わいを自然派風なアプローチで現代風にピュアに表現している・・とも思えます。・・まぁ、アンリ・ジャイエのような長い低温浸漬のニュアンスは有りませんが・・。
異常に太いボトルから質の良い滑らかな表面のコルクを抜くと、もう・・かなり香ってきます。シャンボールチックなラズベリーなアロマでは無く、もう少し周波数の低い感じのダークチェリーのニュアンスです。香りの上がりの早さは自然派のワインの特徴でも有りますが、それはSo2の使用量にも半比例しているようにも思います。非常にナチュラルなアロマです。
茶やこげ茶、黒のニュアンスを持つ赤紫の美しい色合いです。

余りに美しいので・・飲み進めていく時にもう一枚、写真を撮りました。こちらに関してはサイズ調整のみで、色の調整は一切していません。透明度の高い、美しい赤紫が見えます。
しかし、この赤紫の中に、滅茶苦茶美しい土のニュアンスと、石を沢山集めたようなニュアンス、非常にビターな味わいなんですが、エッジが無く、しかもド太くブ厚いボディが感じられます。わずかながらタンニンも感じられますが・・これについては気付かないかもしれません。質が素晴らしいです。
ビターなニュアンスは、コーヒー豆由来・・カカオ由来の感じに近く、上手に入れたエスプレッソから香りを抜いた感じ・・ブ厚いビターですが甘くないのに苦くない・・と言う・・上質なチョコのようでも有ります。
そんな中に鉄っぽさ、妖艶さが見え隠れしています。そして、ジュヴレはまんま球体!・・と表現しましたが、このレ・シャンポーはそこまでは成長しておらず、縦方向、横方向とも楕円・・十字架みたいなXな形をしているように思います。
ですが今飲んでもバランスが非常に良く、精緻さと複雑さを感じつつ、充分に楽しめると思います。官能感はまだまだこれから・・です。ジュヴレの北西部の1級群が持つ官能感は熟してこそ・・ですね。
勿論ですがまだまだ熟成します・・約15年以上に渡って美味しく飲めるでしょう。シャンボール1級ラヴロットの方が長く持ちます。ポテンシャルはほぼ同等です。現状ではレ・シャンポーに軍配が上がるかと思いますが、好き嫌いが有りますので何とも決めかねる部分ではあります。
目茶素晴らしいレ・シャンポーでした!・・この畑はコンブ・オー・モワンヌと隣り合わせ・・と言うか、通り道で1つの区画を斜めに分けたような形になっていますので、コンブ・オー・モワンヌに似ているかもしれません。より少し白っぽいかな?・・とも思います。
今回はエージェントさんの協力を得て、リーズナブルに(・・と言っても絶対値は高いですが、)ご案内出来ました。是非ご検討いただければと思います!素晴らしいです!
以下は以前のコメントです。

前にも何回かお伝えしていますが、オリヴィエ・バーンスタインについては日本は正規が2社と言うことになっていて、非常に高価なのと数が無いことで、中々に扱い辛い生産者であることは間違いないです。
それに「ミクロ・ネゴス」と言うアプローチが日本のピノ・ノワール・ファン、ブルゴーニュ・ワイン・ファンにどれだけ受け入れられているか・・、もしくは、ワイン屋にしても、まずまともに飲んだことが無いだろうと思われることから、まだちゃんと受け入れられたとは言えないだろう・・と思っています。
しかしながら、昨年、一昨年とこのバーンスタインのワインをご紹介させていただき、また飲んでいただいたお客様からは、
「素晴らしい!」
とのお声を随分といただいていることから、noisy も品質・ポテンシャルの高さには大きな自信を持たせてもいただきました。
で、今回・・ようやく2010年のジュヴレ=シャンベルタンをご紹介できるようになった訳ですが、結構・・大変でした。この価格を実現するのは・・なので、次回以降、もしくは次回入荷分が有ったとして、この近辺の価格を維持できるかどうかは判りません。
ようやく入手できたこのジュヴレを早速飲ませていただきました。
そうしたら・・・もう・・これはジュヴレ=シャンベルタンとしては
「・・パーフェクトだ・・」
としか言いようの無い仕上がりに唖然とするしかなかったです。素晴らしい品質です。
まず、ジュヴレ=シャンベルタンしてどうか・・と言う前に、ワインとして「磐石」です。非常にナチュラルです。
So2のニュアンスがほぼ無く、身体に入ってくる角度が優しく、非常に速やかに、いつの間にかアルコールが消えてしまいます。ビオディナミの生産者並にナチュラルで、香りの立つスピードも速いです。
それでいて、非常にピュアなんです。揮発酸とか、酢酸のニュアンスはまずゼロです。なので、目茶ピュアなワインの姿と対面できるんです。でもおそらくこのワイン、栓を抜いて3日放置したら、空気中に存在する菌と反応して、ものの見事なお酢に変貌するでしょう。しかしながら、その原因となるべき要素はワインの中には無いんです。
味わいもパーフェクトでした。非常に複雑なアロマと味わいなんですが・・まぁ・・まん丸なパレットを描きます。美しい球体です。どこにも引っかかりの無い、ツルッツルの球体なのに、ちゃんと複雑性を感じさせてくれます。まぁ普通は有り得ない・・と思っちゃいますが・・。
赤い果実、黒っぽさを持った果実は小さなものの集合体で、ほんの僅かに鉄っぽく、シャンボールのような白っぽく美しい石灰のニュアンスをノーズとテクスチュアから感じます。ほんの僅かに鉄っぽい・・と言うのは、単に鉄系のミネラリティが少ない・・ということではなくて、そのほかの鉱物系ミネラリティの多様性が有り、均衡が取れているからに他なりません。中域は品を持った、時間を感じさせながらの膨らみ方をし、縦方向、上下の空間の大きさをたっぷりと感じさせてくれます。余韻も実にエレガントで長く、赤黒小果実とミネラリティを感じさせつつ、高質に自然な減衰をしつつ・・です。後には非常な満足感を感じさせてくれました。
カルージョとエポワンチュールというリューディは、ジュヴレの村の住宅街に近い部分、南からマゾワイエール、シャルム、グリオット、シャペル、ジェルモー、シェルボードと続く部分の下部に有ります。なので北西部の1級たち、クロ・サン=ジャック、ラヴォー、カズティエと言った畑が持つ赤くエロい感じは無いはずなんですが、この先、熟成によっては少し出て来そうなニュアンスも有ります。
今飲んで、滅茶苦茶旨いです!・・オートクチュール・ジュヴレ=シャンベルタンなどと揶揄されますが、このプライスでは「お見事!」と言うしかないはずです。もっと、倍ほども高い価格なら、「非日常的に美味しくて当たり前」とも感じるかもしれませんが、このジュヴレはそのレベルをも超えていると思います。
これは絶対に・・飲んでいただきたい、素晴らしいブルゴーニュ・ピノ・ノワールです。この先15年・・の長きに渡って美味しく飲めるでしょう!球体ジュヴレです!超お奨めします!
以下は2008~2009年の時のレヴューです。
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【ビオ?アンリ・ジャイエ?DRC?クラシック?】
とにかく一度これを見ていただきましょう。日本の正規エージェントさんの価格表です。2011年ものの案内のコピーです。
ジュヴレシャンベルタン・ヴィラージュ
12000 円
ジュヴレシャンベルタンレ・プルミエ・クリュ・カズティエ
23000 円
ジュヴレシャンベルタンプルミエ・クリュ・レ・シャンポー
23000 円
シャンボールミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・ラヴロット
23000 円
シャルムシャンベルタングラン・クリュ
42000 円
クロヴージョ・グラン・クリュ
42000 円
クロ・ド・ラ・ロッシュ・グラン・クリュ
50000 円

ボンヌマールグラン・クリュ
50000 円
マジシャンベルタングラン・クリュ
56000 円
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズグラン・クリュ
68000 円
どうです?・・凄いでしょ・・
そしたら、こちらも見ていただきましょうか・・・アドヴォケイトの2012年の評価です。2012年です。
Olivier Bernstein
Chambertin Clos de Beze Grand Cru 95-98
Chambertin Grand Cru 94-97
Mazis-Chambertin Grand Cru 94-96
Bonnes-Mares Grand Cru 94-96
Clos de la Roche Grand Cru 93-95
Clos de Vougeot Grand Cru 92-94
Charmes-Chambertin Grand Cru 91-93
Gevrey-Chambertin 1er Cru ≪ Les Cazetiers ≫ 92-95
Gevrey-Chambertin 1er Cru ≪ Les Champeaux ≫ 92-94
Chambolle-Musigny 1er Cru ≪ Les Lavrottes ≫ 91-93
Gevrey-Chambertin Villages 89-91

どうです?・・スッゴイでしょ・・2007年から造り始めたとは思えないですよね?マスター・オブ・ワイン資格者とか、著名ワインライターさんたちを虜にしてしまったのが、オリヴィエ・バーンスタインさん・・なんです。
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でもな・・・ジュヴレで12000円は厳しいよな・・と思っていたら・・2008年、2009年を破格に分けてくれるとB*R社さんがおっしゃるので、コンディションも安心できるものですから、飛びついてしまった訳です。
で、左の写真のように・・・損得考えずに開けてしまった訳ですね!・・・パチパチパチ!・・
ある意味、ちょっと頭をバーンと・・・いや、バーンしたいん・・、ガーンとやられたような感じがしました。ジャイエのところでも少し勉強したようですが・・・まずは2008年ジュヴレを飲まれると良いかと思います。数が無いのでお一人様1本にて・・
2009年ジュヴレは普通にメッチャ美味しいですが、これだけを飲むと勘違いするかもしれません。2008年を飲むとバーンスタインが良く判るはずです。
2008年ジュヴレ(すみません、完売です。)は、抜栓直後は、まるでシャンボールのようなやや硬いビオ系のブルゴーニュ生産者のワインに思えます。しかしながら、非常に美しく、マンモス綺麗な味わいなんですね。とことんまで美しい・・そしてそれが!
コルクを戻して3日・・・これはビックリしますよ・・・。
「そうか~・・こうなるんだ~!」
と。
香水のような凝縮したエキセントリックな香りがポンポン沸いてきます。味わいもチェリー、ベリーのリアルなもの!中域が美しく膨らんでとても美味しいです!
抜栓直後にこうなると・・想像できると大当たり!です。2009年は最初から美味しいので・・・構造自体を把握できないと思います。ですが美味しい!
で、このジュヴレ村名に関しましては、オリヴィエもレストランさん用に造っているようです。1級、特級だけでは高過ぎるんでしょうね。表を見たらビックリしちゃいますよね。
で、ボンヌ=マール直下のシャンボール1級レ・ラヴロットですが、もうこれは・・・愛らしくて苺てんこ盛り、シャンボールの滑らかテクスチュアと香水的な香りの拡がりに・・ウットリです。とても美味しい!・・しかも、まだまだこれからですから、ポテンシャルの半分もリリースしていない状態でしょう!・・グロフィエさんのシャンボール1級の方がプライスは高いですが、それ以上のポテンシャルが有るかもしれません。
造り的には、ビオ的な全房発酵系だと思います。そして・・ジャイエ的な低温漬け込みのニュアンスも、ほんの僅かに感じられます。樽の使い方、発酵温度などはDRC的かと。でもヴァン・ド・ガルド的な側面も有り・・クラシカル?
「オリヴィエ・バーンスタイン・・・一体、何者?」
そんな思いをされるかもしれません。しかし、久し振りにnoisy も胸を熱くしました・・・グラン・クリュ5万円ではね・・皆さんも購入できないかもしれませんが、何とか交渉して行きたいと思います。
実に面白い生産者です!ミクロ・ネゴス!そんな手が有ったかぁ~!・・ビックリでした。ご検討ください。一推し!ピノ好きにもう逃げる道は・・・無いでしょう!
■新米ソムリエ oisy の熱血テイスティングコメント(一応、調理師免許も持ってます・・)
Gevrey-Chambertin 2008 Olivier Bernstein「秘めたポテンシャル?」
2009年のオリヴィエ・バーンスタインのジュヴレ=シャンベルタンに比べて控えめな香りです。しかしNoisyさんはいたく気に入っているようです。どうやら僕にはまだ取り切れないポテンシャルや経験測が足りないようです。
充実したワインだと思います。普通に美味しいです。しかし、うーむ、そこまでいいか?という感じがあるのも事実。Oisy的には2009のジュヴレが一番気に入っています。
Gevrey-Chambertin 2009 Olivier Bernstein「シャンボール的スミレ香を備えたジュヴレ=シャンベルタン」
開けたての香りはオォッとワクワクする良いピノの香り。
でもあれ?ちょっとシャンボール的だなぁという印象。しかし後からジュヴレの土と少し野性的な香りが追いかけてきます。
果実味とタンニンも豊富でオリヴィエ・バーンスタインのワインはとてもふくよかな印象があります。
新樽の使い手らしいですが樽がキツイという事もなくよく馴染んでいるといった感じ。
シャンボール、2008のジュヴレとテイスティングさせていただいて、ふくよかな果実味と柔らかいテクスチュアはとても魅力的です。今後も注目したいネゴスであります!
Chambolle-Musigny 1er Cru Les Lavrottes 2008 Olivier Bernstein 美味しいです。しかし、ポテンシャルが高くスケールが大きいのか、単に味わいが緩いのか判断が付かないのです。なんとも微妙なタイミングでテイスティングしてしまったのではないか?と思いたくなります。今現在の自分のテイスティング能力ではこの2つの見極めがつかないです。
色はキレイに輝く赤、黒。シャンボールらしい淡い色合い。香りはスミレにやっぱり赤黒小果実、あとジュヴレ的土のニュアンスも少し。ただちょっと控えめ?と思ったのですが2日目はブワっとスミレ、ほのかに土が出てきました。単に温度の問題だったのかもしれません。
まぁ香りは良いのですが、よく納得できないのが味わい。シャンボール的石灰エキスはもちろんあるんですがイメージとしてはタプタプ。満杯の桶に水を張って揺らしたような感じで柔らかです。そう、第一印象は柔らかいシャンボールだな、だったんですよ。
タンニンが荒々しく、かっちりしていて閉じているのとは違うような…思いでした。
全体エキス系でそれが開きかけているようにも取れるし、芯が無くてメリハリの無さなのかも、とも思うんですよね。シャンボールらしい透明感あるミネラルは豊富です。
ただ、この文章を書いているのはテイスティングしてから一週間後くらいなのですが、前者のような気がしてきています。
う~む…まとまりがなく、すみません。
ドメーヌ・ベルテ=ボンデ
ベルテ=ボンデ
フランス Domaine Berthet-Bondet ジュラ
● フランス五大白ワインのひとつ、シャトー・シャロンです。しかも今回はかなり評価の高い造り手、ドメーヌ・ベルテ=ボンデのものです。勿論ですがサヴァニャン・・で、ヴァン・ジョーヌです。ドメーヌのサイトを見つけましたので、コピー・ペーストで是非ご覧くださいませ。
http://www.berthet-bondet.net/en/domaine.htm



ドメーヌのシャトーシャロンを生み出す3つのリューディ。「スー・ロッシュ」「ガイヤルドン・エ・レヴュー」「ボーモン」
2011 Chateau Chalon Vin Jaune
シャトー・シャロン・ヴァン・ジョーヌ
【何とジルベール・エ・ガイヤールで97ポイント!アドヴォケイトも96ポイントと弾けちゃってます!】
シャトー・シャロン・・・孤高のハイ・ポテンシャル・ワインです。白ワインですが、白葡萄と黒葡萄の別など何の意味も持たない・・と感じさせてくれる物凄いワインです。
しかしながら、この「ノワゼッティ」なアロマを受け入れられるかどうか?・・が、分かれ目でも有ります。これが駄目な方はどうやっても受け付けられないでしょう。
言ってみれば、ブルーチーズが駄目だとか、ウォッシュタイプが駄目な方はすべからく無理かと。しかしながら、一度そのファーストノーズに慣れてしまえば、
「今まで経験したことが無いほどの情報量のアロマと味わい!」
に出会える訳です。
noisy も、この「ベルテ=ボンデ」の素晴らしいシャトー・シャロンに出会ってからは、見つける毎に仕入れています。今はF社が日本の正規代理店になられたようですが、いきなり流通価格の「倍」の値付けになってしまいましたので、そちらからは仕入れていません。ブローカーものです。
アドヴォケイトも96ポイント、ジルベール・エ・ガイヤールも97ポイントと、
「世の中で最もリーズナブルなトップ評価ワイン!」
で有ると言えます。
ただしアドヴォケイトは例のごとく、2019 ~ 2035 と言う飲み頃期間を明示しています・・ホント、呆れてしまいます。
美味しく飲めるはずですが・・すみません、2011年ものは数本しか仕入れられませんでしたので、テイスティング出来ていません。
しかし、今飲んでも、その驚くほど複雑精妙な味わいと香りで飲めるはず・・ですが、アドヴォケイトが言うように、
「2019年からが飲み頃」
は嘘です。時間を掛けて美味しく飲めると言うだけのはず・・もしくはマリアージュで物凄いパフォーマンスを発揮する・・と言うことでしょう。「2035年までに飲め・・」と言うのも信じてはいけません。
今回は兎に角少なく、申し訳ありません。このシャトー・シャロンで美味しいチーズをアテにのんびりと深い味わいを楽しむひと時は至福の時になることでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!極上の極上・・白ワインも、赤ワインも・・そんな区別は不要!上質なチーズの繊細さまで引き出すマンモス・ポテンシャルに酔いしれてください!】

最初にお断りしておきますが、前回も同じヴィンテージをご紹介させていただいてますので、すでにセラーでエージングされていらっしゃる方はご注意くださいね。でももう数本、ご購入されても良いとは思いますけど・・。だって、物凄いワインですから・・はい。
このゴールドに光り輝く色!・・凄いですよね。アロマも滅茶エキセントリックで、産膜酵母由来の「シェリー香」がしますが、noisy のように慣れてしまいますと、これが「美味しさを感じさせる香り」になっちゃうほど、洗練されています。
味わいはもう滅茶苦茶「密」です。隙間が無いです。金属で言えば比重の高い「ゴールド」「プラチナ」です。それが時間と共に、
「僅かに崩壊して行く」
んですね。そして、その時に物凄いアロマ、ブケと味わいを出してくれるんです。
しかしながら、そんなマンモスポテンシャルなシャトー・シャロンですから、ちょっとやそっとじゃ開きゃしないです。開きゃしないのに滅茶美味しい・・。サヴォワのアポンダンスも滅茶美味しい・・これが超繊細な味わいに感じてしまうほど・・と言うか、その細やかな表情に初めて気付く・・と言うかですね・・。もうハードタイプにはドンピシャでしょう。
勿論ですが、ワインはほとんど開きゃしないんですよ。柔らかくはなって来ますよ・・頑張ってスワリングしたり、もう一つグラスを用意して何度も入れ替えたりしていますとね。
それでも開きゃしない・・でも美味しいチーズとパンと、良いところエクストラヴァージンが有ればもう、超ゴージャスな食事が成り立ってしまいます。
これは是非、経験して欲しいですね。強烈ですが、最高に旨いです。・・また飲みたくなって来てしまいました・・。
「・・チーズ、買いに行かなきゃ・・」
きっとそう思われるでしょう!・・是非やってみてください。勿論、数十年寝かせていただいてもOKですよ・・。
以下はこの同じヴィンテージのレヴューです!
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【フランス五大白ワインのひとつシャトー・シャロン。偉大なる白ワインは産膜酵母が動き生み出した複雑にして精妙な味わいです!RVFでは クー・ド・クールで18.5/20!】 いつか絶対に飲んでやろうと思いつつ、いつも量が購入出来ず、臍を嚙んでいる noisy です。先だっても2008年をご購入になられたお客様から、「最高でした!」とのご感想をいただき、
「・・そうだよなぁ・・・絶対、癖のある高級チーズにピッタリの辛口白ワインは、酸膜由来のワインしか有り得ず・・しかもその最高峰はシャトー・シャロンだしなぁ・・」
と・・、まるで自分が、ややトロトロと中が溶けていて、でも端が乾き始めた上質のチーズを目の前に、セクシーなゴールドの色合いからエキセントリックなアロマを振りまくモンラッシェグラスを、たった今、そのステムに手を掛けたかのようなシュチュエーションを想像してしまいました。きっとそのエキセントリックなアロマも、中にある酸膜由来のアロマでさえ高貴さに満ちていることでしょう。
まぁ、実際にこのワインで試した訳では有りませんが、2008年ものに劣らず2009年ものも評価は高く、ジルベール・エ・ガイヤール96Points、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァン・ド・フランス18/20Points と、完全に超高級ワイン的なものになっていますが、それでも「こんな価格に過ぎない」のは非常に有難いです。また今回ご紹介の2010年ものはまだ評価が余り揃っていませんが、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァン・ド・フランス誌で Coup de Coeur (クー・ド・クール)で 18.5/20 と、高レベルを維持しているようです。
因みに「クー・ド・クール」の意味はフランス語で、
「一目惚れ」
と言うような意味です。・・まぁ、判りますよ・・そりゃぁ・・。この超絶に密度の高いエキスに触れたら、
「・・今までのワインって・・何だったんだろう・・」
と思いかねません。しかも、昨今は日本にもエージェントさんが出来ましたが、
「いきなり流通相場の倍の価格」
を付けましたからね。何しろ無神経に感じますし、業界のことなどどうでも良いと思ってるんでしょうね。
・・・最も、そのような「産膜酵母由来」のアロマは、日本人には余り接して来なかったものでも有りますし、判断の仕方によっては、「・・このワイン、イカレてるんじゃない?」と思い込みかねない種の香りですので、時にその思い込みの矛先はまっすぐにそのワインを勧めたワイン屋に向けられると言う、ある意味、ワイン屋には非常に危険度の高い種のワインで有るとも言えるんですね。
それでも、この偉大なる超ゴールドな液体には尊敬の念を持ただるを得ず、ガストロノミーの最先端には noisy もこのシャトー・シャロンも存在していないにせよ、料理とワインのその両方を股にかけることが出来、しかもワイン単独でも食の世界を造り得る唯一のワインで有るとも認識しています。
是非一度、そんな世界を覗いてみて欲しいなぁ・・と思います。きっとその先には、今まで見て来なかった、感じられなかった世界が拡がっていることでしょう。
以下は以前ご紹介させていただいた2008年もののレヴューです。
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【フランス五大白ワインのひとつシャトー・シャロン、しかも高い評価の造り手です!】 近年、日本でも特に注目を集め始めているサヴァニャン種ですが、その最高峰と言えるのが「シャトー・シャロン」です。A.O.C.で「シャトー・シャロン」が規定されている地区(畑)ですね。
今回最後になるかと思いますが、空前絶後の大評判をいただきました「ラ・カーヴ・ド・ラ・レーヌ・ジャンヌ」のアルボワ・サヴァニャン2011年・・いかがだったでしょうか。すでに飲まれた方も多くいらっしゃるかと思います。
何せ、noisy も・・
「ん?・・確かに素晴らしいが、そこまで売れるか?」
と思ってしまうほどのご支持をいただきましたので、皆さんの感覚が知りたい所なんですね。アルボワ・サヴァニャンを10数ケースも販売・・など、全く経験の無いことでした。
レーヌ・ジャンヌのサヴァニャン2011年は、目の細かい要素をたっぷり持ち、モンラッシェもかく有らざん?・・と思わせるほどのポテンシャルの高さを感じさせてくれました。しかし一方で、
「酸膜酵母由来の香りのウケは・・どう?」
と言う部分の心配も一方では有った訳です。
レーヌ・ジャンヌのサヴァニャンは、その辺りの処理が非常に上手く、要素は目茶緻密で濃密、ヴァン・ジョーヌの極上品と同様で、しかも酸膜系の香りは決して強くない・・とても良い部分を突いている白ワインだと言えると思います。
でもやはり馴染めない・・と言う方もおられるかと思いますし、反対に、
「・・いや~・・びっくりした!・・凄い!」
と、全く嵌ってしまった方もおられるかと思います。
で、ちょうどシャトー・シャロンの出物が有ったので・・飛び付いてしまったんですね。何とアドヴォケイトも94ポイント、ベタンヌ&ドゥソーヴで16ポイント+クー・ド・クール(最優秀生産者賞)を獲得しています。(因みにシャトー・ジルベール&ガイヤールと言うガイドでは97ポイント)

シャトー・シャロンは非常に長い期間を経て造られる貴重なワインです。6年半もの間に、30%を失うと言われており、その分量に近い分、内容量が減らされているようです。ドメーヌのサイトに樽の様子を写した写真があったので、転載させていただきました。こんな感じです。
目減りした液の上部に空気の層が有り、また酸膜酵母が浮いているのが判るかな・・と思います。ウイヤージュ(補酒)をしないことで酸化が始まりますが、酸膜酵母が動くと酸素と遮断し、また酵母が新たな酸を生み出す・・と言う流れです。それにプラスしてスティラージュ(澱引き)もしないので、酵母の死骸の分解から様々な酸、アミノ酸を生み出し、旨みやアロマの元になっているのでしょう。
今回は、沢山発注したんですが・・
「ん?・・たった5本?」
と言う結果になってしまいましたので、取り合えずテイスティングせずにアップすることにしました。売れないようでしたら飲んでみようと思います。
ラ・レーヌ・ジャンヌのサヴァニャンを飲まれた方が興味を持たれるかどうか・・と言うところかなと思っています。でも、シャトー・ディケム(セミヨン+ソーヴィニヨン)、クーレ・ド・セラン(シュナン・ブラン)、モンラッシェ(シャルドネ)、シャトー・グリエ(ヴィオニエ)、そしてシャトー・シャロンがフランスの五大白ワインです。ディケム、クーレ・ド・セラン、モンラッシェは何とかしてても、シャトー・グリエとこのサヴァニャンのシャトー・シャロンまでは中々経験が無いんじゃないかな・・と思います。
ぜひとも豊かなワインの世界を除いてみてください。素晴らしいチーズが有るジュラならではの、超絶に複雑なワインです。
ドメーヌ・クロード・デュガ
クロード・デュガ
フランス Domaine Claude Dugat ブルゴーニュ
● あれだけ「濃密なブルゴーニュワイン」の代名詞的存在だったクロード・デュガですが・・とんでもない!・・エレガント系への華麗な転身は間違い無い・・と感じる、しかも相当に出来が良いと言える2018年ものをご紹介させていただきます。
この数年、
「どうしちゃったの?・・大丈夫?」
と声を掛けたくなってしまうほど、迷走を続けていたように思えるクロード・デュガですが、次世代へのバトンタッチで・・やはりナチュラルな方向へのシフトが待った無しだと言う気持ちの表れでは無いかな?・・と感じます。
親や祖父母、親類、友人たちが病気で倒れる、農薬でふらふらになるのを見て来た若い世代にとっては、全く他人事では無いと思います。
そして2018年もののリリースで、ドメーヌ・クロード・デュガが目指している方向性が確認出来る程に成熟してきたのをまざまざと見せつけられました。滅茶美味しいA.C.ブル、そしてその延長上で滅茶複雑性豊かな村名ジュヴレをテイスティングさせていただきました。是非ご検討ください。
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クロード・デュガです。こちらは正規の「フィネスさん」ものです。ようやくチェック・・テイスティング終了しました。・・いや~・・村名ジュヴレの2017年がかなり旨いです!
濃厚な黒系ピノとして、長く愛されてきたクロード・デュガですが、昨今の「綺麗系」「エキス系」への転身は、目に見えて成就してきました。
明らかに美しいエキスがほとばしるドライな液体の村名ジュヴレ=シャンベルタンを基本として、村名のセカンドワイン的存在のA.C.ブルゴーニュ、そして繊細で緻密な1級、精妙なグラン・クリュと言うラインナップになっています。
流石にテイスティングで上級キュヴェまでは手が出せない状況ですが、「綺麗系」「エキス系」ブルゴーニュワインとして、年々成長しているのが手に取るように判ります。
2017年はまず村名が滅茶美味しいので、早めに手をつけるならこれです。A.C.ブルゴーニュは3~5年は寝かせてください。要素の複雑性、美しさから言えば村名には及ばないとしても、大きさはジュヴレに勝るかもしれません。
1級以上は流石の評価が出ています。ご検討くださいませ。

2017年は2016年同様、霜のリスクがあったが結果的には大きな被害はなく、夏は暑くて雨も降って欲しいときに降ってくれたので、近年では安定したヴィンテージと言える。収穫量も十分でチャーミングな果実味と適度な酸味のある飲みやすいヴィンテージ。凝縮感はあるが重い印象はなく、とてもエレガントなのでボトル1本飲めてしまえるような味わいになっている。2016年よりも早くから楽しむことができるが10~15年くらいの熟成もできるだろう。
13世紀に建てられた教会をそのままカーヴとしている当家は現在約6haの葡萄畑を所有しています。物腰静かで高貴な印象の現当主クロードデュガ氏は、良いワインができる条件は葡萄の品質の良さという考えに基づき、畑の手入れを入念に行い、化学肥料は使わずに健康な葡萄を育てています。
また、庭でJonquille(ジョンキーユ:黄水仙の花という意味)という名前の牝馬を飼っていて、小さな区画や古木の区画を耕させています。特に古木の畑は葡萄の根が地中に広く張り巡らされていてトラクターで根を傷つけたり、トラクターの重みで土を固くしてしまったりするのでこの牝馬が活躍しています。収穫された葡萄は温度調節の容易な、酒石がびっしり付着しているコンクリートタンクに運ばれ、アルコール発酵が行われます。新樽がズラリと並んだ地上のカーヴでは最新のヴィンテージのワインのマロラクティック醗酵が行われ、地下水が壁から染み出ている、砂利が敷き詰められた地下のカーヴではその前年のワインが熟成されています。瓶詰めの際にはフィルターもコラージュも行いませんが、ワインは非常に透明感があります。
2018 Gevrey-Chambertin
ジュヴレ=シャンベルタン
【・・げげっ!?・・そう来たか?・・デュガよ・・お前もか!?】

素晴らしい仕上がりでした!・・今までの村名ジュヴレの味わいは・・A.C.ブルでほぼほぼ近い形で味わえます。2018年の村名ジュヴレは今まで以上のポテンシャルを持っていることは間違い無いと踏みました。
しかもですね・・これ、もしかしたら間違っている可能性もあるんですが・・
クロード・デュガと言えば、アンリ・ジャイエのワインとは相当にかけ離れたところにある醸造だった訳です。ジャイエは収穫した葡萄を低温で漬け込んでおき、長い発酵期間(つまり低温での発酵)を取ると言う手法・・。デュガさんは低温でなんぞ漬け込まないし、さほど長い発酵期間は取りませんでした(・・そのはず・・)。
ところが、2018年もののアロマを嗅いだ瞬間、そして一口すすった時に・・
「・・あれ?」
アロマは柔らかく、まるで自然派のごとくの拡がり方をして来ます。そして・・低温で漬け込んだ時に良く出るアロマが・・有ったんですね。
まぁ、低温浸漬時由来で良く出るとは言え、それ以外では出ないとは言い切れないので・・断言はしかねますが・・2018年もののワインの色合い・・とてもしっかりしていますよね?
以前の写真と比較すれば、もう一目瞭然です。
ですが、決して濃密で・・濃い訳じゃ無いんですよ。エキスは濃いですよ・・しかし、濃厚な味わいと言えるような、以前のデュガさんのジュヴレの味わいとは、相当に異なるんですね。
いや~・・これは美味しい。しかも相当に複雑性が高いです。黒み掛った紫~紅の小果実の群生、細やかなミネラリティはフローラルにノーズに飛び込んで来ます。中域は適度な膨らみですが、将来はこんなものじゃ済まないでしょう。中盤以降の超複雑な味わいは、今までのデュガさんのジュヴレでは感じなかったもので・・1級クラスの複雑性を感じます。
因みに・・ティム・アトキンさんは92ポイント、ヴィノスは91ポイントで2022~2033と言う飲み頃です。アドヴォケイトは正確には確認できませんが、ウィリアム・ケリーさんが90~92ポイントのようです。まぁ、noisy 的にはリアルワインガイド的評価で、今飲んで91 ポテンシャル93 飲み頃2023~2043です。
これはちょっと面白くなって来たんじゃないでしょうか?・・今までのやり方を改め、低温でのアプローチをし始めたか?・・ホント?・・・いや、まだわからないぞ・・個体差かもしれないし・・などと思っていますが、確実に旨くなって来たのは間違い無く、将来へのさらなる期待も出来るんじゃないかと思っています。
クロード・デュガと言ったらグリオットだけだと思われている方も多いかと思います。noisy は、
「グリオットは・・いらない」
とフィネスさんに言って有りますので、これから先も来ないでしょう。誰でもそれだけは売れるワインを貰っても嬉しくないし面白くない・・でも、
「2018年ものグリオット=シャンベルタンはアドヴォケイト98ポイント、ティム・アトキン氏96ポイント、ヴィノス95ポイント」
のようですので、ティム・アトキンさんが98点以上も付けるようなら・・欲しいな・・前言撤回・・(^^;;
その時はフィネスさんにお願いするかもしれません。それまで、下のクラスで修行していきたいと思います。コンディションの良いワインは本当に美味しいです。ご検討くださいませ。
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【これは滅茶苦茶美味しいです!絶対に飲むべきジュヴレ!・・グリオットとシャペルとシャルムに接するオー・エトロワ主体!】
2016年の村名ジュヴレも「神品!」と書くぐらい美味しかった訳です。
ですが2017年ものは・・
「完全に吹っ切れた感!」
が目にも判るんじゃないかと。
ある種の「迷い」が「くぐもった感」を生むと仮定するなら、写真を見比べていただければ、2017年ものにその感じは無いと思うんですね。
2017年ものは完全にエキスの味わい。それも非常に上質です。濃さから言えば2016年ものなのかもしれませんが、そこには僅かに吹っ切れない感、詰まった感が有るかもしれません。まぁ、その辺の細かな比較になってしまいますと、「思い込み」も関与してくるとは思いますが、
「何年も続けてテイスティングしていると判ることが有る」
と確信しています。
ある意味、プルミエ・クリュ並みの出来なので・・そのように題名を付けても良いんですが・・何せ「オー・エトロワ」は、グリオットとシャペルとシャルムに接している畑なんですね~。
そしてフィネスさんの輸入で、noisy も出来うる限り良い状態でお渡ししたいと頑張っていますので・・美味しくない訳が無いと・・思いません?
これなら決して高く無いと思います。なんせ、X 級並みですから・・(^^;; 是非ご堪能くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「神品!」・・ついに・・来たか!長い迷走の終わりを感じさせる凄い出来!!】
いや~・・圧巻でした。この十数年の間のクロード・デュガさんのワインに感じたことの無い凄み・・繊細な表現を「デュガ味」として認識したのは初めてです。そもそもは90年台のデュガさんの、
「・・まるでポムロルかサンテミリオンか?」
と思わせるような、また「全く別の印象の凄み」は感じていましたが、
「エキスの集中感から来る密度の高い黒果実、存在感の凄み」
は、このジュヴレの前にテイスティングしたA.C.ブルゴーニュからは全く感じ取れないものでした。
ただし・・昨年、2015年ものの時に、すでにその予感は有った訳です。「いつか来る・・きっと来る・・♪♪」みたいな感じを持っていたんですね。
で、さっそく担当のK君と相談です。
「デュガさんの村名、もっと無いかなぁ?」
「・・すみません・・もう無いんですよ・・」
「(・・あちゃ~・・やっちまったな~~・・)」
そうなんです。ハッキリ言って・・他のエージェントさんの価格を見てしまえば、割高であるのは間違い無いんです。他のエージェントさんからの2016年ジュヴレを飲んでいないので確かなことは言えませんが、「おそらく大分違うんじゃないか?」と言う気がするんですね。
だって・・ここまで凄い村名を全てのボトル、とことんまで造れたとは思えないんですよ。
大抵の場合、いや、ブルゴーニュの小規模生産者の場合、ある程度の量を造ることが出来る村名やA.C.ブルクラスを、平均的な味わいで仕上げることはほぼ不可能なんですね。それをするには「樽寄せ」と言う作業をしなくてはならないからです。一度仕上がったすべてのキュヴェを一緒にしてからボトリングすることが求められますんで、あのD.R.C.も1980年台になってからようやく手を付けたぐらいですから。
この仕上がりなら、もう全然高く無いです。でも、noisyも飲んでしまいましたのであと5本しかない・・どうしよう・・と言う訳です。
リアルワインガイド第63号は、「今飲んで 91 ポテンシャル 93 飲み頃予想 2020~2048」と言う、近年に無いほどの?高い評価だと思います。また、「メチャクチャ美味しい味になること必至」と表現しています。
noisy 的には今飲んでも・・
「すげ~!」
と感じてしまいました!あの、べらぼうな出来だったフーリエの2006年を飲んだ時と同様の印象です。・・いや、フーリエとは全く仕上がりは異なりますけど・・フーリエは「赤果実主体」、デュガは「黒果実」です。
この滅茶凄い村名ジュヴレ、是非とも飲んでいただきたい!・・と強く思います。ドメーヌ・クロード・デュガさんちのワインへの印象は大きく変わることでしょう!・・写真をご覧いただいても、「存在感」は映り込んでいると思います。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【このエキシーな味わいがクロード・デュガのスタイル!・・と言って良いのでしょう!安定の美味しさです。】
クロード・デュガさんのワインの正規品の扱いを再開して3年、自分自身、そろそろ結論を出さないといけない頃なんだろうと思っていましたが、この2015年ものジュヴレを飲んで、
「ん~・・おそらくデュガさんはさほど変わってはいないのでは?」
と思えるようになりました。1990年代に大受けしたのは、彼にその時代そのものが乗っかったからなんじゃないかと。
確かに1990年代のデュガさんのワインは、濃密で有り余るパワーを持て余し気味でした。10年ほど置いたものを飲むと、きっちり仕上がっていて、まるで高質なポムロールのメルロに生き生きとしたスパイスをトッピングしたかのようなニュアンスが有りました。凄いなぁ・・と思ったものです。
2000年頃に価格は暴騰し、ネットのショップの価格競争、目玉商品になった頃から、ブルゴーニュワインに求められていたものが変わり始めたのでしょう。時代そのものが彼に乗るのを止めた頃です。
2015年のジュヴレ=シャンベルタンはとても良い出来だと思います。2014年ものも非常に美しく、通好みのドライでエキシーな味わいでした。2015年ものもしっかりそのラインを踏襲しています。
評価も2014年とほぼ同様、アドヴォケイトが90~92Points、バーガウンドが88~91Pointsと安定しています。
この、
90~92Points、
88~91Points と言う黄色文字の部分に全てが現わされていまして、要約すると、
「美味しいしポテンシャル高いが、そこに到達するのに少し時間が掛かる、もしくは現在は内向的である」
と言うことなのでしょう。
そうなんですよ。通好み・・と言ってしまえば簡単ですが、非常に良く出来ています。しかし内向的なんですね。余り愛想が良く無い・・んです。
物凄い人気だった頃は、有り余るフレーヴァーで若い時にも取り合えず飲めてしまった訳です。パワーを凄く感じる。
しかし現在は以前のような、横方向に拡がるベクトルは抑えられています。縦方向には非常に伸びて行く訳ですが、判りやすい横へのベクトルのパワーが少ない分、判り辛いと言えるのかもしれません。
非常にピュアですし、先行きも明るいし、今飲んでもけっこうに美味しいです。しかし高いポテンシャルを今感じさせてくれるか・・と言うと少し時間が掛かるだろうと言う訳です。
今飲んだら90Points の大台は超えている・・と言うのがnoisy の評価です。後は飲まれるタイミングですね。2014年と2015年の差はさして有りませんが、noisy 的にはむしろ2015年の方がポテンシャル点が高く、今飲んで点は低い・・でもその差は僅かだと評します。
この、ちょっと「むっつりスケベ」的ジュヴレは好きですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【贅肉を捨て脂肪の無い筋肉質なボディ・・エレガントなジュヴレにスタイル変更!凝縮感たっぷりながら、ツヤツヤと輝き、まるっと滑らかです!】
これは旨いですね。この艶っぽい色合いからもそれは伝わってくるでしょう。2013年ものもそうでしたが、村名はリリース直後からかなり美味しく飲めます。ACブルは1~2年置いた方が良いでしょう。それにしても美しく伸びやかです
プライスも、2013年は1万5千円を超えていましたが、2014年は何とか1万3千円代を頑張って付けました。この仕上がりなら是非飲んで欲しいですね。
デュガさんらしい、残糖感が全く無いドライな味わいです。果皮の濃度、ジュヴレの鉄や妖艶さの在るミネラリティが深い構造から漂っているのが感じられます。赤と黒・・その中間色は出て来て無い感じですが、それで味蕾や鼻の感覚器官は飽和します。たっぷり在るミネラリティから要素が少しずつ出ているような感じですから、やや柔らかさを感じるでしょう。ガチガチになってないです。
相対的に、やはり美しさを感じます。2013年もそうですし、その前も・・2010年位から感じていたクロード・デュガさんのスタイル変更は、やはりこんな感じにしたい・・と言うデュガさんの意思表示なのでしょう。
享楽的な味わいになるまでには、かなりに年数を必要とするでしょう・・おそらく10年とか・・ですが、昔のデュガさんのワインのように、2~3年は濃さで美味しく飲めるが、その後しばらく黙り込む期間が長い・・と言うスタイルでは無く、一旦閉じることは有っても、全く出て来なくなることは無いでしょう。
贅肉を捨て、筋肉を手に入れたかのような、スタイリッシュなジュヴレでした。かなり美味しいと思います。ティム・アトキン氏は93Pointsでした。是非飲んでみてください!お勧めします!
以下は2013年のコメントです。
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【悩んでいたか?・・のクロード・デュガ復活の年!この凄い味わいは確認しておくべきではないでしょうか!】
え~・・ACブルの写真が見当たらないので掲載していませんが、2013年はもう2度ほど飲んでますんで・・はい・・ほぼ完璧に理解したつもりです。
で、価格の安いACブルをお奨めしたいところなんですが、残念ながら「今飲んで」の評価を無理して上げることなど出来ませんで、残念ながら3年後を目処にとさせていただきました。
しかし村名ジュヴレの素晴らしさにはビックリです。フィネスさんの扱いの良さを感じることも出来るかと思います。
上記では、「クロード・デュガはしばらく扱って無かった」と書きましたが、定期的では無いにせよ、ちょくちょく飲んでいましたので、彼のワインの変化も気付いていました。
昨年も2000年のグリオットを開けたりして・・良かったですよ。
そして2008年もの位から、ブローカーものを中心に時折ご紹介させていただいています。現在もブローカーものの2011年村名ジュヴレを新着に掲載しています。・・まぁ、価格差は見ないでくださいね・・別に「ボッてる」訳じゃぁ無いんです。本当に仕入れの価格がね・・違うんですよ。
で、2008年ものの記事の時にはしっかり書いた記憶が有るんですが、
「もしかしたらデュガは迷っている?・・悩んでいる?」
みたいな記事です。
それまで、まるでメルロかと思えるような重厚さのある味筋だったものが、エキス系の綺麗なものに変化していたんですね。ただし、受け取る側の印象が予定調和で終わらなかった性も有るとは言え、余りの変化、そして何となくの「中途半端感」が有ったのは事実です。
綺麗なのは綺麗なんだが、何か途中で途切れてしまうような・・例えば余韻ですね・・。続いていて、長くない・・とは言わないものの、何となく途中で途切れ・・弱弱しく復活・・で途切れ・・みたいな感じでしょうか。中域も何となく「イビツ」な形状で、素直に丸みがあるとも言えないような・・です。
ところがですね・・この2013年の村名ジュヴレ・・エライ美しいじゃないですか!・・エキスがたっぷりで、しかも美しいパレットを描きます。いつものデュガさんのように、やや遅い収穫を思わせる「黒味」を持ち、「赤味」も当然ながら有るんですが、黒味から赤味に向かう部分に途切れは無く、何層にも自然なグラデュエーションが有るんですよ。滑らかで深く、非常にドライです。
それに加え、ジュヴレらしい質のミネラリティもしっかり持ち、濡れたような質感、アロマの上がりのスピードはまるで自然派並みでしかも美しいです。「す~っ」と入って来ておだやかに質感を見せ、中盤以降から消えるまでの間に様々な表現をしてくれます。
例えばフーリエはもっと赤く、若々しい部分の高い周波数領域の表現がちゃんとしていますが、デュガさんはその部分はやや黒味で覆われ、より低い周波数領域での表現になります。
しかし、この厳冬期のように品温が下がりやすい時期には、フーリエのような全域にバランスの良い、赤い味わい中心のブルゴーニュは、中域と低域のパフォーマンスをやや落とします。デュガさんは高い周波数領域は黒で置換していますから、フレッシュな部分を持たず、中高域、中域、低域をしっかり持ち、品温度が下がってもバランスを崩さないんですね。
なので、13度~14度で飲み始めても・・重厚で香りも上がり、全体のバランスも素晴らしいんです。調子に乗って随分と飲んでしまいました。
反面、ACブルは、確かに村名ジュヴレにそっくりなんですが・・残念ながら村名ほどのポテンシャルが不足しています。美味しく飲めますが15度ほどまでに上げないと厳しいですし、その表情はやや硬く、内向的です。しかし3年ほど置きますと持っているポテンシャルを発揮しはじめ、村名と同様なパフォーマンスを見せるでしょう。
つまりよりタイトに薄く仕上がって居るわけですね。なので熟成に時間が掛かっちゃう訳です。
それにしても村名ジュヴレはビックリするほど旨かった!・・質も素晴らしいです。このプライスはこの質なら仕方が無いと確認できるでしょう!コンディションも素晴らしいです。是非飲んで欲しい・・です!ご検討くださいませ。
2005 Marc de Bourgogne
マール・ド・ブルゴーニュ
【余り出て来ないクロード・デュガさんのマールです。】

こんな感じの筒缶に入っています。プレゼントにも良いですよね。その際はおっしゃっていただければ、包装してお届けしますよ。
昨今は蒸留酒ブームでも有り、某国営放送での朝ドラの影響も有って、国内メーカーさんはまたあっという間に原酒不足になってしまったようです。
だから国産のウイスキーも高いですよね~・・ちょっと良い感じの熟成ものを・・などと考えてしまうと、片手万円が無くなってしまう感じです。
勿論、海外のシングルモルトも物凄いことになっていまして、ちょっと長めの熟成の、もう存在しない蒸留所ものなどは、一瞬・・「くらっ」としてしまうようなオファーの金額です。・・まぁ、noisy はやらないですけどね。
くやしいな~・・バーって儲かりそうだよな~!ワイン屋は儲からないからな~!・・などと考えてしまいますが、そんなに簡単な商売はそうは無いですよね。
そんな意味では、この位のプライスは決して高く無いんじゃないかと思います。DRCのマールやフィーヌは、ちょっと前なら片手万円で販売できるくらいでしたが、まさにもう「卒倒しそうな」プライスです。ワイン屋でも安易には手が出せません。
買おうと思った時には無いのがこのマールやフィーヌです。是非ご検討くださいませ。

上の写真は Marc 2012 の樽
メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌ・エ・ドメーヌ・ド・ベレーヌ
ロッシュ・ド・ベレーヌ・エ・ド・ベレーヌ
フランス Maison Roche de Bellene et Domaine de Bellene ブルゴーニュ
● メゾンとドメ ーヌのニコラ・ポテルによるワインです。ドメ ーヌものはブルゴーニュの一流ドメーヌものに張り合うレベル、メゾンものはそのワインのクラスに求められるものを充分に理解し味わいを造り上げている、素晴らしいワインたちです。
2018 Bourgogne Chardonnay Cuvee Reserve
ブルゴーニュ・シャルドネ・キュヴェ・レゼルヴ
【やはりこのプライスと品質を維持する努力は素晴らしい!】--まだテイスティング出来ていませんので、完了次第に書き直します。以下は以前のレヴューです。

今の世の中には様々な職種が有って、「何とか関係」としか説明し辛い商売から、
「ITです。」
などと短い言葉で通用するような、最先端?な業界で働く方もいらっしゃるかと思います。noisy も、言っちゃえば「酒屋の親父」に過ぎない訳ですが、ちょっとハイカラに、
「ワインショップ経営」
などと粉飾すれば、少しでもワインに興味さえもっていただいていらっしゃれば、
「(お~・・すげ~・・)」
などと、何となくは良さげに思われているのかもしれないのですが、実際にやっていることと言えば、
「超ブラック」
に終始する訳で、ましてやそれを自分以外に方向を向ければ、仮に自分の息子でさえ、「ふざけんな」と言うような短い言葉で切れられて終わり・・と言うことになろうかと思っています。
まぁ、さすがにこの歳になってくると、段々目も見えなくなりつつあるし、中々疲れは抜けないし、アチコチ痛いし・・(^^;; 良いことは何も無いですが、それでも何とか目の前の「やらなくてはならないこと」を一つでも片付け無いと全く先に進めないと言う状況に自身が追い込まれる訳ですね。
さすがに1週間に一度の新着のご案内と言うのは、まぁ、ショッピングモールに出店のショップさんなら当たり前・・と言うか、少ないくらいなのでしょうが、自分の言葉で自分の勧めたいものを販売したいなどと見栄を持っているものですから、さらにはとんでも無い状況に追い込まれてしまう訳です。
美味しいのは判っているロッシュ・ド・ベレーヌのこの2015年のシャルドネも、
「少し若いだろうが悪い訳が無いのできっとこんな感じの仕上がりだろう・・」
と想像したことを確認するに過ぎないテイスティングでは有っても、やはりそこには新たな発見が有ったり、
「質を落とさず価格を上げず・・まっこと頭が下がるなぁ・・」
と言うような印象をさらに深くしたものです。
1週間に一回のペースをほぼ崩さないで新着を出すと言うことは、noisy が一人で一枚一枚、手作業でご紹介ページを書いていたら、とてもじゃないが7日間、書き詰めたとしても無理が有りますんで、
「データを入れ、写真をアップし、ポチっとボタンをクリックすると自動的にWebページが出来上がる」
ようにした訳ですね。これなら分業が可能になる訳で本当に楽になりました・・と言うより、今までがま~ひどいものでしたんで。
しかしながら、そこにたどり着くまでには、苦悩の日々を送らざるを得ない状況に追い込まれていた訳でして、来る日も来る日も、慣れないプログラム作成とバグ出しの繰り返し、そしてまた書き直し、バージョンアップと、悲惨な日々だった訳です。
でも考えてみれば、ワインを造って市場に出す・・と言うことも、どこか似た様な感じなのかな・・と感じることも有り、
「結局やっていることは同じか?」
などとも思っている訳です。
このニコラ・ポテルが擁するロッシュ・ド・ベレーヌ、シャルドネも、質を落とさない努力、価格を出来るだけ変えない努力、早くから美味しく飲めるように設計し実現する努力などと言う部分を、テイスティングから感じてしまいます。
勿論、ようやくでは有りますが2015年ですから、今までの2014年のような滑らかさ、膨らみと言ったようなニュアンスには届かない訳ですね。
しかしながら、
「若いが故に持っている良さ」
が代わりに備わっている訳です。
むしろ現段階においては、魚介系の食材には見事にマッチする「フレッシュさ」が有り、二次発酵由来の、時に、
「・・あぁ・・これが無ければどれだけこの刺身は美味いんだろうか・・」
などと残念がることも無い訳です。
しかも、滑らかさがもっと欲しければ、時間を少し掛けつつ楽しめば良い訳ですから、単に2014年ものの持つ丸さや複雑性を求めることは無いんですね。そしていずれ・・2014年もの以上に、そのように育って行く訳ですから・・。
何かちょっとクドイ文章で申し訳ありません。良いワインだと思います。今は2018年5月ですが、滑らかさを求めるならルモワスネのブルゴーニュ・ブラン・ルノメ2014年の方が良いかと思います。でもこれからの魚にはこちらの方が良いでしょうし、秋口を越して行くタイミングでは、かなり滑らかさや複雑性も出てくることでしょう。お勧めします。ご検討くださいませ。
以下は以前のヴィンテージのレヴューです。
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【さすがニコラ・ポテル!シャルドネV.V.も非常に旨いです!!!】
ニコラ・ポテルのネゴシアン・ライン、ロッシュ・ド・ベレーヌの2014年にヴィンテージ更新したシャルドネV.V.です。
ブルゴーニュ・ピノ・ノワールV.V.の方は Noisy's のベストセラーでして、在庫が3ケース切ると不安になるし、新着のたびに3~6ケースの数量を入れておくのですが、すぐに完売してしまう状態・・。
まぁ、飲んでいただければお判りかと思いますが、ポテンシャルが確実にプライスを上回り、かつ、現状の味わいも上級クラスを喰いかねないものですので、
「出来るだけ切らしたく無いアイテム」
になっているんですね。
徐々に温かくなってきたので、シャルドネも美味しい季節になってきたこともあり、久し振りに白も扱うことにしました。
「何てったって安い!」
「バランスが素晴らしい!」
「高級感が有る!」
これは、ピノ・ノワールV.V.譲りです。ピノの方が非常にヴォルネイっぽい味わいですが、こちらはボーヌ・ブラン的なミネラリティで、チョークのニュアンスに富んだ、やや締まった味わいです。
ただし、クラスは下でもブルゴーニュはボーヌと思われる地域の高級シャルドネですから、飲むタイミングで結構味わいが異なるかと思います。現状、ややタイトな、フラワリーなアロマをブイブイ出してくれていますが、気温の上昇とともに・・
「どっちに触れるかな・・・?柔らかい方か、さらに締まるか?・・」
それでも二千円台前半のプライスが、どっちに転んでも・・

「・・ちょっと締まってきたかな・・・でもこれなら納得!」
という結果を出してくれると思います。
白や黄色の花、果実、蜜、ミネラリティは白っぽく、透明感も備わっています。中域もそれなりに膨らみ、ブルゴーニュ・シャルドネならではの押し味とリニアなカーブを持つ余韻が有ります。美味しいシャルドネです!是非飲んでみてください!お奨めです!
2018 Bourgogne Pinot Noir Cuvee Reserve / Maison Roche de Bellene
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール・キュヴェ・レゼルヴ
【ロッシュ・ド・ベレーヌでのヴィエイユ・ヴィーニュの規定が変更になったため、「キュヴェ・レゼルヴ」と名称変更。相変わらずのコスト・パフォーマンスを見せてくれます!】

今や2000円そこそこで買えるブルゴーニュ・ピノ・ノワールは絶滅と言って良い状況ですが、もう・・長きに渡り、このプライスを保持しているのは凄いですよね。頭が下がります。
2017年ものまでは「ヴィエイユ・ヴィーニュ」でしたが、樹齢が35年以上と言う規定で、それ以上の平均樹齢である場合に「ヴィエイユ・ヴィーニュ」を名乗っていました。
2018年ものからは樹齢50年以上を「ヴィエイユ・ヴィーニュ」表記するように変更したとのことで、「キュヴェ・レゼルヴ」に名称も変更されたとのことでした。
ですので、中身の設計に基本的には変更無しと思ってください。
しかしながら広域のA.C.ブルですので、ロット毎に味わいが異なるのは、この手のワインの特徴でも有ります。なので、一度飲んで・・
「ん~・・タイプじゃないかもな~・・」
と思われても、再び購入してみると、
「・・あれ?・・随分旨くなってる・・」
と気に入っていただける可能性も多く在ります。
今回のロットはポマール風・・かなと思います。今まではライト系の「ヴォルネイ風」の場合が多かったです。エキスが綺麗に出て、酸の美しさが光る味わいでした。言ってみれば冷ややかな酸でハッキリした味わいです。
2018年ものの今回ロットは、それまでとはやや異なり、僅かに暖かめで鉄分も感じる・・ポマール村名っぽいニュアンスです。尖がった感じが有ったのが今までで、丸みを帯びた感じが今回ロット分・・と思っていただいて結構かなと。
いずれにしましても非常にコストパフォーマンスの高い見事な味わいでした。難点を上げるとすれば、現状では少しだけ若さもにじむことでしょうか。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【大人気のブルゴーニュ・ピノ・ノワールがヴィンテージ更新して到着します!・・すみません、まだ飲めてませんがまずはご案内だけ!】
noisy も呆れるほどの売れ行きでして・・いや、何よりもエレガントで美味しいし、このプライスですからね・・売れない訳が無いんですが、2015年は今年の1月に入庫していたのに見落としてまして・・実質、4月からの販売でした。
でもその後は、何度在庫をアップしても即座に完売と言う状況で、6月半ばにはエージェントさんの在庫を売り切ってしまいました。
で、新着をご案内する前日になってから、
「2016年ものが入荷し本日より出荷です・・」
と案内をいただきまして・・もう一日早ければ、何とかテイスティングしてポテンシャルを取り、ご案内出来たのに・・と・・。
ですので、
「・・ロッシュ・ド・ベレーヌのピノ・ノワール2016年、兎に角飲んでみたいぞ!」
と思われた方に、まずご案内させていただきます。
テイスティングは今週末位になるかと思いますが行って、ページの内容を書き換えるつもりです。
まぁ、もう随分と長いこと扱わせていただいており、お客様の信頼も厚く完全に定着していますので、
「・・もう無くなっちゃったよ・・」
とおっしゃる方が多いかもしれないと思っています。いつも美味しい・・この価格が信じられないロッシュ・ド・ベレーヌのピノ・ノワールです。是非お試しくださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【やっぱり美味しい!!このコストパフォーマンスの凄さ、感じてみてください!】
ようやっとの2015年もの、ロッシュ・ド・ベレーヌ・ピノ・ノワールが入荷しました。2014年ものが切れて久しいですが、実はすでに入荷していたものの・・ミスで登録がされていなかったんですね。申し訳ありませんでした。
まぁ、美味しいのは判り切ったことなのですが、さっそく開けてみました。
やっぱり良いですね。ヴォルネイバランスの見事な味わいです。ヴォルネイバランス・・などと決めつけていますが、飲めばきっとそう感じていただけるものと思いますよ。
例えばジュヴレのような、ちょっと粒を感じる複雑な味わい・・と言うのではなく、ほぼ粒を感じさせないシルキーで伸びやかなテクスチュアに織り込まれたチェリーのニュアンス・・軽やかな石灰感、ほんのわずかな鉄っぽさが、ヴォルネイを感じさせてくれるんですね。
それに、2015年だから・・と、特別に「果実がたんまり!」「ほんのりと甘く」などと言うことは全く無く、いつものように、出っ張るところが無く、欠損がまるでない・・と言う、優等生スタイルです。
優等生は大抵の場合ちょっと鼻に付くものですが、けっして出しゃばってこない子なんですね・・。
まぁ、有り得ないコストパフォーマンスでしょう。このプライスで見事にテロワールも、自身のスタイルも感じさせてくれ、ものの見事なバランスを見せてくれるんですから・・。
エージェントの担当さんが言うには、
「このクラスは非常に引きが良く、特に(フランス国内も含め)レストラン関係に多く出荷されるので、赤字覚悟で造っているらしい・・」
とのことです。
本当かどうかは推測するしかありませんが、この「エレガンス」と「個性」を感じさせてくれる、コンディションが良く、お財布にやさしいピノ・ノワールは、
「ロッシュ・ド・ベレーヌに尽きる」
と断言できます・・現状で!
これからどんどん良い感じに仕上がってくるでしょう。勿論、今飲んでも非常に旨いです。ぜひご検討くださいませ!
P.S.写真は色合いについての加工は一切していません!とても綺麗ですよね!
以下は以前のレヴューです。
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【わ~お!!!】
何とか数量を確保しようと・・何しろ2011年のこのブルゴーニュ・ピノ・ノワールV.V.が底を突いてしまいましたので、2012年なら有るかと思いきや・・
「やはり2012年は圧倒的に少ない」
ようで、年末にまた少々入ってくるようなんですが、売れるようになるとエージェントさんも「惜しい」ようで、中々分けてもらえなくなってしまいました。
なのでどうやらこの先の追加が無いとするならば、この2ケースで終わってしまうかもしれません。
それでも先のことは先の話し、美味しいのは間違いないにせよ、取りあえずテイスティングしてみると・・・
「ブラボー!!!」
この味わいはまさにヴォルネイ村名・・・少し2008年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールのような、水羊羹にも似た雰囲気を持ち、雅なヴォルネイの赤い果実をしっかりと表現しています。
少し若い部分は有るんですが、
「・・だから・・何?」
これだけの果実のバランスを見せてくれると、そんなことは全く問題に成らないとすら感じてしまいます。
2011年も旨かったですが、2012年は低収量ゆえの高質さを感じてしまいました。
こんなワインが今でもこの価格ですから・・・noisy のところのベストセラーであるのもご理解いただけると思います。ピュアでエレガント、雅なACブルゴーニュです・・品切れ御免!でも出きるだけ努力して変えるようにいたします!飲んでビックリしてください!一推し!
以下は2011年の同じワインのコラムより転載しました。
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【ニコラの感性が滲む見事な味わい!!】
このところ、ニコラ・ポテルの作品を何度か続けてご紹介していますが、その理由は・・何と言ってもワインの味わいが良いのが第一。
しかしながら、一時180円ほどまで上がったユーロが逆転して100円ほどに・・・。
ワイン屋にとっては有りがたいユーロ安円高の期間は、余りに短いものでしたし、
「
一度上がった蔵出し価格は滅多に下がらない」
ですから、レジョナルクラスのブルゴーニュでさえ、トップドメーヌは余り造りたがらないにせよ、5千円は当たり前、4千円台なら良心的、3千円台はアベレージクラス以下のワイン・・・のようになってしまっています。
なので、何とかリーズナブルにピノ・ノワールを楽しんでいただきたい・・と言う気持ちは有るにせよ、中々眼鏡に適う造り手やアイテムを探すのが難しい中、ニコラ・ポテルに戻ってきてしまった部分も有るんですね。
実際に、この間ご紹介のコルトン=ルナルド特級、マルコンソール1級、レ・スショ1級などは超一流のドメーヌに全く引けを取らない味わいで、飲まれた方も、そのコストパフォーマンス以上のパフォーマンスに驚かれたことと思います。
そんな中、満を持して・・正規エージェントと交渉の上、ある程度の量を購入する約束で条件をいただいたのがこのブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ヴィエイユ・ヴィーニュ2011なんですね。
前回までの1級、特級クラスには、当たり前ですが及びませんが、まず、こんなプライスのACブルが、直近の輸入ではほぼ有り得ないことをご理解ください。
そして味筋ですが、ヴォーヌ=ロマネ風の柔らかなテクスチュアを持ちつつも、ヴォーヌ=ロマネほどの温かい酸では無く、ニュイ=サン=ジョルジュ的にややタイトに後に長く伸びてゆくもので、果実も黒系に赤系が混じるバランスで、ややワイルドなニュアンス混じってきますので、ワイルドベリー、もしくはアメリカンチェリーに動物系のスパイスが混じって来ます。
判りやすく言えば、ジュヴレとヴォーヌのニュアンスを半々に、もしくはモレ2/3とヴォルネイ 1/3 に・・した感じでしょうか?・・実際にはボーヌ近辺の畑じゃないかな?とは推測しますけど。
因みに正規エージェントの案内文には、
「ステンレスタンク100%」
とか書いてあり、おそらくネットでもそのまんまが流されていることと思いますが、エチケットには
「Eleve en futs chene」
と有りますし、飲んだニュアンスにちゃんと樽由来の香り・味わいが有りますので、フレンチ・オーク使用で間違いありません。そして、ノン・コラージュは間違いないですが、軽くフィルターはしてると思います。
豊かさが有り、ピノ・ノワールらしいエレガンスと、ピノ・ノワール特有の美しさが有ります。 現在は黒系が頑張ってますが、ニコラお得意の赤系のニュアンスが、春に向けてドンドン出てくる感じがします。かなりの出来栄えだと思いますがいかがでしょうか? 美味しいワインを見つけるのは、ある程度の能力があればそんなに難しいことでは無いと思いますが、そこに・・・
「デイリー価格で・・」
などと修飾が付いてしまうと、かなりの困難を極める作業に成ってしまいます。ようやっと見つけたリーズナブルピノ・・・ぜひとも飲んでいただきたいと思います。超お勧めです!!
ドメーヌ・セラファン・ペール・エ・フィス
セラファン・ペール・エ・フィス
フランス Domaine Serafin Pere et Fils ブルゴーニュ
● 2017年のセラファンのワインが到着です。
2016年のセラファンは、エキス系の美しいワインへの転身か?・・と思わせるような、それまでもそのフリは有ったにせよ、パワフル型のピノの美味しさから、美しい味わいをその姿にまとわせていました。
2017年もその傾向が強まるのかな?・・と思いきや・・
そうじゃなかったんですね。2016年とほぼ同様のスタイルでしたので、パワフル系の面影を残しつつ、綺麗なエキスを抽出しています。
しかしながら、これはどうでしょうか・・非常に瑞々しいんですよね。余韻の中に・・いや、最後に感じる、清冽な水の如くの残像が、テイスティングさせていただいたどのワインにも感じられます。
健康的で美しく、しかしパワフル系の下地をも感じさせてくれました。
今飲むのでしたら、確実に「村名ジュヴレ=シャンベルタン」です。次に「村名ジュヴレ=シャンベルタンV.V.」、そして「A.C.ブルゴーニュ・ルージュ」でしょう。上のキュヴェは3年ほど置いてからのお話しがベストかと思います。
特に村名ジュヴレは・・今までで最高じゃないか?・・と思えるくらいにバランスが良いです。次世代にバトンを確実に渡したクリスチャン・セラファン、是非ご堪能くださいませ。
■ドメーヌより
2017年は2016年同様4月に霜害の恐れがあったが藁を燃やして煙幕を張ったおかげで被害は最小限で済んだ。天候は順調で暑かったが度が過ぎるほどではなく、早熟なヴィンテージで畑作業は手間が掛からなかった。葡萄のクオリティは素晴らしく、収穫量も2009年と同じくらい取れたので近年のヴィンテージと比べれば豊作と言って良いだろう。例年よりも口当たりは柔らかくチャーミングな赤い果実味と塩味を感じるほどミネラルが豊か。古木由来のエレガントで凝縮した旨味、酸味のバランスが抜群でピノノワールらしいヴィンテージになっている。
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クリスチャン・セラファンさんの2016年が到着しました。昨年の2015年ものから始まったと思われるセラファンさんのワインの、
「早く飲んでもかなり美味しいワインへの変貌」
を確かめるべく、2016年ものの到着を楽しみにしていたんですが・・・・
「・・残念ながら生産量が激減!?」
と言う状況のようで、2015年ものの入荷から比べても目も当てられないほどの惨状ぶりです。
まぁ、最初から少ないキュヴェでは有りますが、3~4年寝かすとジュヴレ村名と区別の付かないACブルは・・
「たったの2本!」
と言う状況で、その他のワインも1/2から分母が増えて行くだけの・・惨状です。
村名ジュヴレも6本と言う状況ですし、上級ワインは1~2本ですから、
「・・こりゃぁとても飲めたもんじゃないか・・」
とは思ったものの、上記のようにクリスチァン・セラファンさんのワインの変貌を確かめるべく・・また、すでに引退同様らしい彼の集大成となるかもしれないワインの質を確かめるべく、
「とりあえず1本は開けよう・・」
と決めました。
そこでアイテムを決めなくてじゃいけない訳ですが、ACブルは2本、村名ジュヴレといつも滅茶美味しい村名ジュヴレV.V.が6本ずつ・・と言う状況ですから・・
「V.V.は美味しいのは当たり前だから・・村名ジュヴレにしよう!」
と言うことにしました。
そんな感じですので、テイスティングが少なくて申し訳ないのですが、素晴らしかった2015年は「すっからかん」な状況でして、実は人気も高いので・・ご容赦くださいませ。
■エージェント情報2016年
2016年は霜や病気の被害が大きく、例年の半分くらいしか収穫することができなかった。葡萄の粒も小さくジュースの量が少ないこともさらに生産量の減少に拍車をかけてしまったが、収穫できた葡萄のクオリティはとても高かった。ヴィラージュ物は通常新樽率は70%ほどだが、2016年は葡萄の状態が素晴らしかったので、1級や特級同様に新樽率を100%で醸造している。濃厚な色調と赤い果実のアロマ、凝縮した果実味でストラクチャーもしっかりしており、どちらかというと長熟タイプ。チャーミングさもあるので飲むこともできるが、少し寝かせておきたいヴィンテージ。
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クリスチャン・セラファンさんの2015年が到着です。巷での評判もかなり良いようです。この2~3年の間にも、
「早く飲んでも美味しさの伝わってくるスタイル」
がさらに助長されており、2015年の葡萄の熟度の高さがさらに追い打ちを掛け、
「こりゃぁ・・良いなぁ・・」
と思わせてくれるものになっています。
村名ジュヴレと村名ジュヴレV.V.を開けてみましたが、現状でどちらも美味しく飲めてしまうほどの仕上がりで、
「ジュヴレ特有の官能感を生む新樽による酸素接触をしつつ、あるタイミングでは何らかの酸素遮断をもしているか?」
とも思えるような生き生きとしたスタイルです。
まぁ、2015年の葡萄がとても健全だったことの証なのでしょうが、
「構造も大きく、それを埋める要素も多大」
と言うことは、2015年ものはドメーヌ・セラファンとすれば近年でも最高の仕上がりになったと判断出来ると思います。それとともに、
「やはりクリスチャン・セラファンはブルゴーニュワインの基本のキ」
で有り、
「御年78歳にしてまだ進化している」
ことに驚きを感じます。
記念すべき2015年だと思われます。ぜひご検討くださいませ。
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フィネスさんのドメーヌ・セラファン・ペール・エ・フィス2014年が登場です。2012年までのクリスチャン・セラファンさんのワインは昔と変わらず、クラシカル・・・いや、今でこそクラシカルな造りなのかもしれませんが、新樽をしっかり使用し適度な酸化を促した、ジュヴレならではの妖艶さを持つエキスたっぷりのワインでした。
新樽を多用するため、どうしても樽の要素がワインに溶け込むのに時間が掛かる傾向にあり、しかもワイン自体が非常にしっかりしているため、リリース直後は少し硬い仕上がりでした。それでも4~5年経ったワインはビックリするほど高質で複雑性に富み、官能感たっぷりの素晴らしいものでした。
2013年がリリースされ、ある程度数量のいただけたワインをテイスティングしましたが、
「・・ん?・・セラファンもだいぶ変わってきたか?・・」
と思わせるような仕上がりで、特に村名ジュヴレの美味しさに惹かれました。何と・・樽の香りが強く硬いはずの仕上がりを見せるもの・・とばかり思っていたのに、
「思った以上にソフトで滑らかなテクスチュア。官能感はそのまま。ピュアで非常に旨い。」
ワインだったんですね。どうしちゃったんでしょう・・。
因みに2014年は2013年ものより少し多めにいただきました。入荷の数量から村名ジュヴレと村名ジュヴレV.V.のみのテイスティングですが、2013年ものがリリース直後からジュヴレV.V.の官能さと柔らかい味わいで、村名ジュヴレより飲めたのに対し、2014年ものは、村名ジュヴレの方がリリース直後の時点で美味しく飲めるのには、
「セラファンも徐々に変化している」
と感じています。
2014年ジュヴレV.V.は、ま~・・日本酒で言えば「新酒」のような状態で、まだ結構荒さを感じますが、ポテンシャルに関してはジュヴレ村名をかなり凌駕していました。4~5年でかなり良い状態になるでしょう。
その他のキュヴェは少なくて飲めませんが、2014年と言う良いヴィンテージを反映して、セラファンらしいクラシックで大柄なジュヴレになっていることでしょう。ご検討くださいませ。

1947年、スタニスラ・セラファン氏によって創設されたこのドメーヌは、現当主である息子のクリスチャン氏によって1960年代から徐々に発展を続けてきました。最初に所有した畑はジュヴレ=シャンベルタンの村名で当初はネゴシアンにワインを売っていましたが、1970年から徐々にドメーヌワインとして販売するようになり、1987年には100%ドメーヌ元詰めワインになりました。1990年代にはジュヴレ=シャンベルタン村以外にシャンボール=ミュジニー村やモレ=サン=ドニ村の畑も手に入れ、現在では約5.3haの畑を所有しています。
葡萄栽培においては自然環境を尊重して、健康で良質な葡萄を作ることを大事にしています。葡萄の木が病気の被害に遭った時の薬剤の使用は出来るだけ最小限に留め、雑草を取り除く際は除草剤は使わずに耕作することで雑草を掘り起こし、さらに土の中に空気を入れることで微生物の活動を活性化させるようにしています。芽掻きや剪定をしっかり行うことで生産量を抑制し、非常に凝縮した葡萄を作っています。
収穫は全て手摘みで腐敗した葡萄や干からびた葡萄などをしっかり選別し、除梗は約70%行います。ステンレスタンクに入れられた葡萄は醗酵前に低温で浸漬してピノ・ノワールの色とアロマを出し、自然酵母によってアルコール醗酵が始まります。醗酵温度は最高35℃で時間をかけてゆっくり行われます。また、櫂入れをしっかり行なって、アロマやタンニンを引き出します。その後、ブルゴーニュクラスは50%、ジュヴレ=シャンベルタン ヴィラージュは70%、それ以外は100%の新樽率で14~20ヵ月間熟成してノンコラージュ、ノンフィルターで瓶詰されます。また、使用された新樽の一部は毎年エルミタージュのジャン=ルイ・シャヴへ譲渡されています。
2017 Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes
ジュヴレ=シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【すぐ飲むのはちょっと待って!・・しかし、官能的なセラファンさんのジュヴレの神髄をしっかり持っています!】

2015年もの以来のテイスティングです。村名ジュヴレが偉~い美味しいので、相当期待してテイスティングに入りました。アドヴォケイトは、村名に80点台、このV.V.に91点付けていましたんで、
「村名が89点でV.V.が91点?・・ホントか?」
みたいなノリです。あの味わいが89点で正しいのなら91点はとんでもない評価に思えてしまいます。
色合いも実に素晴らしいです。2015年ものが消し飛んでしまうほど綺麗です。
飲んでみると・・
「なるほど~・・!」
でした。
到着時の味わいだけを見るのであれば、2015年ものが良いです。圧倒的に美味しかったと思います。2017年ものは・・
「まだ落ち着いてない!」
し、
「まだ完全には仕上がり切っていない!」
と言えます。
これは2017年のセラファンさんのワインの特徴でしょう。まだ「エルヴァージュ中(介護中?子育て中?)」だと思っていただけると間違いないかと。
すなわち、非常に良い状態で葡萄を収穫できたんじゃないかと推測します。なので、もう少し瓶熟を取らないとまとまらない感じです。
しかしながら、ポテンシャルは2015年と同様か、それ以上。ピュアさは2015年以上、瑞々しさも2015年以上です。官能感はほぼ一緒。まさにエロティックなジュヴレのアロマは健在で、
「味わいは仕上がっていないがアロマは仕上がっている」
と言う状態です。
この状態で飲んでしまうと、良く判らないんじゃないかと思いますので、どうしても早飲みしたい方は3カ月ほどお待ちください。待てる方はやはり3年かな?・・その辺の感覚がアドヴォケイトと一緒になってしまって残念ですが・・そこは間違いないでしょう。
素晴らしい出来の、実に「健康的でエロティックな」ジュヴレV.V.です。是非セラーでエイジングしてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2016年ものはACジュヴレのみのテイスティングですので、是非そちらのコラムもご覧ください。】
【もはや「ブラボー!」としか言えない・・クリスチャン・セラファン流スタイルを変えずにまだ進化を続ける・・正に化け物です!】 
これは滅茶苦茶旨いです!・・それにしても、誰にも似ていない、正にクリスチャン・セラファンの世界を見事に描き切っています。
2014年もののグラスの写真と比べてみてください。2014年ものも滅茶旨かったですが、2015年ものは完全に凌駕しています。
まったくのドライで残糖感は無し、しかし見事に大きな構造を、見事に複雑な要素を詰め込んだカプセルで埋め尽くしています。
多くの生産者さんの場合、そのカプセルは「ミネラル」ですが、セラファンさんの場合はそれに加え「タンニン」もその役目をしていると思われます。
まぁ、ボルドーワインは結構、そのパターンが多いんですが、ブルゴーニュの場合はそんな量のタンニンは無い場合がほとんどですから。
しかし、クリスチャン・セラファンのV.V.はそこが違うんですね。滅茶質の良い、ホンワカしたタンニンが結構有るんですね。でも、それがブルゴーニュワインのエレガンスやフィネスを損なわないどころか、しっかりと、
「ピノ・ノワールです!」
と主張しています。
言わば、村名ジュヴレの密度を倍ほどに上げただけ・・なのかもしれませんが、複雑さは倍×倍、存在感も同程度ほど大きく感じられてしまいます。
口に含むとピノの高貴さに加え存在感が一気に大きく感じられます。
「おお~っ!」
と言いたくなる感じです。
そこから口内で膨れ上がり、ほんのりとそのタンニンを感じさせます。ベルベッティです。赤や紫の果実に加え、黒っぽい果実がふんだんに・・ビターに感じられ、口内の感覚器官全てをフルに活動させます。中盤からは美しさが増してくるようです。厚みを感じさせながら収束に向かいますが、やや太めのスパイス感がノーズに抜けて行きます。
「・・大柄だな~!」
と感じていただけるでしょう。
いつもの年なら、
「でもまだ少し渋いか・・」
と書くと思うんですが、2014年ものの時もそうでした。
「いや、今でも美味いんじゃない?」
近年のクリスチャン・セラファンのワインに共通の感覚です。今までなら、
「村名3年、村名V.V.は5年、寝かしてください。滅茶、甘美で素晴らしい成長をしますよ。」
と言っていたものです。
2015年ものは、
「今なら飲んでも良いよ!」
と言えるのが嬉しいところです。78歳にして現役、姪っ子さんとともにまだワインは進化をしています。クリスチャン・セラファン、究極のヴィンテージになったと思われます。ぜひご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスチャン・セラファンの看板ワイン、ジュヴレ=シャンベルタンV.V.と、希少な上級キュヴェのご案内です!2014年ジュヴレV.V.はいつ飲めばいい??】

まぁ・・この色合いを見ればご納得でしょう・・。長年ワインに接していると、色を見るだけで有る程度までは想像出来ちゃいますよね。
2013年ものV.V.の、非常に美しいエキスたっぷり系なしなやかワイン・・是非2013年ものの色合いをご覧ください。ストレートな美しい色合いをしています。
2014年ものV.V.は・・・どうでしょう?・・全然違うでしょ?・・もう、色からして「官能感バリバリ」じゃないですか。
そうなんです・・。まさに、
「クリスチャン・セラファン、ここに有り!」
の味わいです。
ジュヴレの偉大なテロワール、力強く、鉄っぽく、大きな構造をたっぷり感じさせてくれる素晴らしい仕上がりです!
でも・・全然早いですね。2013年ものは美味しく飲めたんですが、2014年ものはようやくワインとして成立したところ・・で、瓶熟期間が不足しています。やや渋さからのエッジも感じますし、パレットも少しイビツです。
しかしながら、ワインのポテンシャルとしますと村名ジュヴレを遥かに超えたものが感じられます。
「出し切った・・やり切ったぞ!最高のワインだ・・」
と言っているかのようです。そして、
「あとはお前に任せたぞ・・」
と言っているようにも感じます。
パッキパキに硬いのでは無く、柔らかさも充分に有るけれど、その程度ではポテンシャルがとても隠し切れない・・と言うことなんですね。すなわち2013年ものは素直に美味しいが、2014年の能力には届かなかった・・と言うことです。
2013年もののようにリリース直後から素晴らしい!・・と言えなかったのは残念では有りますが、それでもその美味しかった2013年ものを完全に置いてきぼりにするポテンシャルが有りました。少なくとも2年、出来れば3年以上おいてから、この出来の素晴らしい2014年ものをご堪能ください。
また、上級キュヴェも数アイテム届いています。申し訳ないのですが、とても飲めるような数量では無く・・申し訳ございません。多くいただけるようになったら是非、
「20XX年、クリスチャン・セラファン完全ガイド!」みたいに出来れば・・と思っています。ご検討くださいませ!!
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【セラファンも美しいエキス系ワインに変身か?!】
どうよ~?・・この色合いですよ~?決して淡いとは言わないですが、こんなに黒味の少ない赤い色のニュアンスをバッチリ残し、テーブルクロスが透けそうなセラファンのV.V.を見たことが有るでしょうか?
まぁ、ペロ=ミノのような真っ黒さだとは言わないですが、セラファンのV.V.はそれなりの黒味と、もう少しの色の濃さはふつうに有ったと思うんですけどね。V.V.の付かないジュヴレ村名が繊細且つエレガントでめちゃ美味しかったので、数は少なかったんですが、売れ筋のV.V.を飲んでみる気になったんですね。それにフィネスさんとのお取引も復活したので、途切れがちだったセラファンのテイスティングもしないといかんな~・・と言う気も有りました。でもまぁ、やはり高価になってきましたので、飲んで販売してると経営的にはちと厳しいですけどね・・。
昨今は多くのエージェントさんにも言えることですが、在庫を余り増やさないために、基本アソートメントと言うか、割り当てと言うか・・、ワイン屋さんの希望するようには購入できなくなっています。
「ジュヴレは必要だけどシャンボールはいらない・・できればACブルは大目に・・」
なんてことはほぼ不可能です。
それも生産量が少ない高価なブルゴーニュならまだ良いんですが、2千円とか3千円、下手すれば1円台のワインでも、
「ご希望者が多いので3本ずつです。」
などと平気で割り振っていらっしゃる・・。こちらにしてみれば、
「・・はぁ?」
です。個人のお客様でもその位は購入されるでしょ!って話しで、
「初めての生産者で1軒辺り3本ずつ割り振って、とにかく右から左に流せって?」
みたいに思っちゃうんですね。
まぁ、販売先を絞ってしまうと在庫になる可能性が大きくなるので仕方ないのは頭では判るんですが、千円台のワインを3~4本いただいたところでね・・色んな意味でロスにしかならないと思うんですけどね・・。ワイン屋さんも飲まず、だから何も知らず、ただエージェントさん発行の定型文を読むか貼り付けるかで仕事を終わらせるんですね。ちゃんと飲んでるのはお客さんだけ。その方が声を上げれば、ネット上ではそれが「そのワイン、その生産者の本質」になってしまう可能性大です。勿論それが正しければですね、何の問題も無いですし、声さえ上がってこない・・と言うことにもなりかねません。誰もが他の人に自分の意見を大声で言いたい方ばかり・・なはずが無いんですね。
なので結局はそのワインの幻だけが独り歩きしてしまうんです。自費で飲むんですからせめてその分くらいは面倒みて欲しい・・と思うんですけどね。そんな訳なので結局、キャンセルして入ってこないようになる場合が結構多いんです。非常にツライ世の中です。
愚痴になっちゃいましたが、セラファンは少ないですがちゃんと紹介したいので、何とか開けた2013年の2本目、ジュヴレV.V.です。
やはり2013年のセラファンは絶妙に旨いです。綺麗だし、ちゃんと膨らむし、樽臭く無いしで言うこと無しです。しかしながら今飲むことを考えれば、ジュヴレ村名をお勧めします。このV.V.の方は村名のみのキュヴェには無い、輝かしい未来に花咲くべくのタイムカプセルをまだしこたま抱えています。凝縮感たっぷり有りますが、エレガンスを損なうものでは無いにせよ、
「ん~・・勿体ないかな~・・」
と言う気になっちゃうんですね・・。貧乏性ですから・・いや、性はいらんか・・。
なので、今飲むならめちゃ旨い「村名」を推します。3~5年でさらなる高みを覗いてみたい方はこのV.V.をセラーに仕舞ってください。官能さが出てきたら確実に超1級並みなパフォーマンスを見せてくれるでしょう。
因みにですね・・最近、あちこちの評価機関のポイントを見てみると2013年のブルゴーニュのポイントが高いですね。いつの間に付け替えたんでしょうね・・付け替えてないのかどうか、アドヴォケイトとかタンザーさんとかサトクリフさんとかを普段余り気にしてないので判りませんが、リリース前に散々脅かされたと・・うっすら覚えているのがトラウマ状です。
後になったら2013年はグレートイヤーとか言われるかもしれません。非常に美しいワインです。是非ご検討くださいませ。
またその他のキュヴェはさすがに開けられませんで・・すみません。息子はフィネスさんの試飲会で飲んでる可能性が有るんですが、まだとてもコメントなど書ける能力を得ていませんで・・。普段のセラファンさんの「リキミ」みたいなものが無い、ナチュラルな味わいのヴィンテージだと思います。
2017 Gevrey-Chambertin 1er Cru les Corbeaux
ジュヴレ=シャンベルタン・プルミエ・クリュ・レ・コルボー
【グラン・クリュ・マジ=シャンベルタンの北、プルミエ・クリュ・フォントニ直下に接するマジ=シャン風やや肉厚な1級です!】
セラファンさんの1級レ・コルボーとなると、さすがにしょっちゅう開ける訳にも行かないキュヴェです。でも1級レ・コルヴォーはほぼ毎年飲んでますよ。noisy も大好きな生産者さんで、「ドメーヌ・ギイヤール」のレ・コルボーが毎年入荷していますから・・。それに他にもブルーノ・クラヴリエさんとか、いらっしゃいますからね。
ここのワインは南に接する「マジ=シャンベルタン」に良く似ています・・が、さすがに同じとまでは行きません。やや乾いたニュアンスとスパイシーな果実、野性味・・と言った部分は由来と言えるでしょう。その割にはギイヤールのレ・コルボーは余り売れ行きは芳しく無く、
「何でだろ・・」
と不思議でなりません。
まぁ、ギイヤールは滅茶苦茶ドライですから・・甘みもへったくれも無いんで、「そっけない」と思われているのかもしれません。かと言って早くから飲めないような妙な硬さは無いんですけどね。
クリスチャン・セラファンさんのレ・コルボーは、やはりクリスチャン・セラファン風のセラファン香とも言いたくなるような官能さに満ちたアロマです。近年、どんどん早くから美味しくなって来ていますが2017年はいかがなものでしょう。
アドヴォケイトは91ポイント、2023年から・・と言うことで、やはり3年後辺りからと言うのは間違い無いでしょうが、評価は少し低いように思います。ご検討くださいませ。
2017 Morey-Saint-Denis 1er Cru les Milandes
モレ=サン=ドニ・プルミエ・クリュ・レ・ミランド
【1級最安値のモレ・レ・ミランドはアドヴォケイト91+でした!】
モレ=サン=ドニの1級レ・ミランドです。村のほぼ中央に位置するこの畑は、グラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュを構成するレ・シャビオ(シャンボール=ミュジニーにも同名の畑が有るが違う畑)の直下に有り、クリスチャン・セラファンさんが所有する部分はその境界に近い部分です。
ですので、クロ・ド・ラ・ロシュ風だと・・言いたいところですが、中々そうは言えないところが難しいんですね。
レ・シャビオと言うリューディはクロ・ド・ラ・ロシュでは有りますが、その真上がクロ・サン=ドニなんですよ。この辺りはクロ・ド・ラ・ロシュとクロ・サン=ドニを名乗れる区画が入り組んだようになっていて、むしろクロ・サン=ドニに似ている・・と言う方がより正しいと言えます。また東側、より下部になりますから、その分赤さを多く含む土のニュアンスが多くなる感じです。
こちらも数が無くて飲めませんが、クロ・サン=ドニとクロ・デ・ランブレイには似たニュアンスが取れるセラファン香の有る1級・・と思われると近いかな・・と思います。
アドヴォケイトは91+と結構渋め・・しかも、あろうことか・・2027年からと言う飲み頃を言っているようです。まぁ、2027年までに飲め・・と言われるよりはマシですが、あくまで樽からのテイスティングだったようですから、長くても5年後から・・と言う理解で良いと想像しています。飲めませんでしたが・・ご検討くださいませ。
2017 Chambolle-Musigny 1er Cru les Baudes
シャンボール=ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・ボード
【アドヴォケイトは93ポイント。プティ・ボンヌ=マールと言える味わい?】
あの素晴らしいレ・フォントニ―よりも高い値付けのシャンボール1級レ・ボードです。ここは何度も書いてますが・・ボンヌ=マールの真下に有りますんで・・シャンボール的な石灰の強さと、そこから生まれるベルベッティな舌触りをボンヌ=マール的な、少しゴツゴツとした岩のようなミネラリティが侵し、まるで襞のようになって感じられる・・ことが多いように思います。
また、飲むタイミングで結構に印象が異なる振幅の上下幅の大きいワインでも有ると思います。ですんで、あの官能的でパワフルさを根底に持ったセラファンさんのジュヴレとは、また少し異なる印象を受けるはずです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイド第61号は 今飲んで 93 ポテンシャル 94 飲み頃予想 2021~2048!!実は隠れた銘酒です!】
リアルワインガイド第61号でグラン・クリュ並みの評価を得たシャンボール1級のレ・ボードです。グラン・クリュ・ボンヌ=マールの直下です!・・もう少し判りやすく言えば、昨年までリーズナブルにご案内していた
「オリヴィエ・バーンスタインのシャンボール=ミュジニー・レ・ラヴロットの北に接する畑」
なんですね。
なので、ボンヌ=マール風・・と言いたいところですが・・確かにボンヌ=マール風では有りますが、より判りやすいと言うか、
「中々本性を見せないボンヌ=マールよりも有難い存在!」
と言って良いかもしれません。
ボンヌ=マールって・・判り辛いですよね~・・。当たる・・と言うか、タイミングが良いと滅茶凄いんですが、ミュジニーと違って香りだけで満足させられるほどのアロマの放出は無いですから・・最もミュジニーよりは早く熟すので、その部分においては有りがたいですけどね。
リアルがポテンシャル94ポイント・・と言うのは中々に良いんじゃないかと思います。飲んでないのが残念です・・ご検討くださいませ。
2017 Gevrey-Chambertin 1er Cru les Cazetiers
ジュヴレ=シャンベルタン・プルミエ・クリュ・レ・カズティエ
【2018年ものは何とか飲もう・・と虎視眈々。貴重なセラファンさんの2番目のキュヴェです!】
いや・・やはりブルゴーニュの高騰は響きます。このカズティエやラヴォー・サン=ジャックなどのジュヴレ西側1級群さえもそう易々とは手が出せない状況は、確かに寂しい感じはしますよね。
2017年の各キュヴェをテイスティングした結果、近年のクリスチャン・セラファンさんのワインが、柔らかく飲み頃が早くなっていることが伺えます。
テイスターの一員としますと、今飲んでポイントとポテンシャルポイントの差が少ないほど、早いうちからポテンシャルを取りやすい味わいで有ると言うことですし、飲み頃予想も早くなっている(開始が同じと言うことはそういうことですよね)と言うことは、早くから美味しいと言うことになります。
この1級レ・カズティエはご存じの通り、ジュヴレの村の西の上部に有る1級群に有り、かの実力グラン・クリュの「クロ・サン=ジャック」の北に接します。
なので、さすがに「クロ・サン=ジャック」ほどのち密さ、重量感には追い付かないことが多いとは言え、官能さやワイルドさは引けを取らない場合も多々有ります。ご検討くださいませ。
2017 Charmes-Chambertin Grand Cru
シャルム=シャンベルタン・グラン・クリュ
【クリスチャン・セラファンのトップキュヴェです!2017年ものの評価はアドヴォケイトで94ポイントです!】
セラファンさんちの看板とも言えるシャルム=シャンベルタンです。同じくボリューム・ゾ-ンでの看板で有るジュヴレ=シャンベルタンの仕上がりを見ると・・出来は間違い無いと思われます。
大体にして、セラファンさんのワインのリリース時の評価は、シャルムで良いところ95点位で留まります。もしくは余り早い段階での評価は・・しない方針・・なのかもしれません。
その、早い段階での評価をしない・・と言うのは、セラファンさんのワインの美味しさを知っている、もしくはちゃんと理解しているから・・とも言えます。5年ほど置くと、それからのこのワインの成長がようやく「つぶさに感じられる」ようになるから・・なんですね。
ジュヴレの大御所と言えば、しなやかさでアルマン・ルソーさん、そして最近ではトラペさんでしょう。でも、ジュヴレ=シャンベルタンを最大限に表現しているのは、おそらくこのセラファンさんであろうと思います。
因みに2015年ものの評価は、リアルワインガイド第61号は、何と今飲んで 93+ ポテンシャル 95+ 飲み頃予想 2023~2060 と言う・・マンモスな評価でした。これは第49号で2012年もののポテンシャルを96+ポイントとしたものに続く評価です・・。まぁ、
「2012年を代表するワイン」
と言うことなので同様の凄い仕上がりだと言うことなのでしょう。
2017年ものは、非常に瑞々しく健康な葡萄が収穫できたと確信しています。素晴らしいワインですがほんの何本・・とかの数量です。ご検討くださいませ。
ドメーヌ・エ・メゾン・ルイ・ジャド
エ・ルイ・ジャド
フランス Domaine et Maison Louis Jadot ブルゴーニュ
● 幾つかのドメーヌを所有する実力派ネゴス、ルイ・ジャドの飲み頃ワイン、そして重量級シャルドネが入荷です。まず外れの無いワインですが、熟成を経てさらに飛躍しています。
■エージェント情報
1859年創立、ブルゴーニュ有数のネゴシアンであるルイ・ジャド社は、すでに日本でもお馴染みの顔となった老舗でしょう。ネゴシアンとしてブルゴーニュ・ワインの取り引きにかかわる一方で、総面積105haというブドウ畑を所有する大ドメーヌでもあるルイ・ジャドですが、その造りはブドウの持ち味を素直に引き出しているような、奥ゆかしさを感じさせます。ゆえに、意識的にブルゴーニュのテロワールを味わいたいような場合には、特にジャドのワインは試す価値があると言えそうです。
2013 Puligny Montrachet 1er Cru les Folatieres
ピュリニー=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・フォラティエール
【このワイン、結構に面白いんですね・・ドメーヌ・ルイ・ジャドのエチケットです!】
いつか試してやろうと思っていながら、ついつい後回しになってしまってそれっきり・・何てことはしょっちゅう有りますよね。毎日テイスティングしていますが、やはりご紹介するワインが中心ですので、自身の興味の対象は、よほど余裕が無いと忘れてしまいます。
例えば、「ルイ・ジャド」と言いますと、ネゴスワインだったりドメーヌものだったりします。上のクラスはドメーヌものも結構に多いです。
このピュリニー=モンラッシェの豪奢なシャルドネ、2013年のレ・フォラティエールもそんな希少なドメーヌもののエチケットが貼られています・・が、実は・・
「ドメーヌ・デ・ゼリティエ・ルイ・ジャドのエチケットものも存在する!」
んですね~。
そう、同じレ・フォラティエールで有りながら、2種類のエチケットが存在するんですよ。でも、noisy も、同じヴィンテージで異なるエチケットが存在するかは、目で並べての確認は出来ていないんですね。
例えばアドヴォケイトは、こんな感じで93~95Pointsと評価した文を書き始めています。
「The Heritiers de Louis Jadot bottling of the 2013 Puligny-Montrachet 1er Cru les Folatieres has an enticing bouquet with orange zest・・・」
そう、ゼリティエラベルのジャドとしっかり書いてますよね。そしてこのコラムの写真は「ドメーヌ・ルイ・ジャド」です。ですので、
「同じヴィンテージでもエチケットが異なるものが存在する」
のは間違い在りません。
また、ネゴスラベルが貼られたグラン・クリュや1級とドメーヌラベルの張られたそれらが混在することは確認しています。
なので、
「ゼリティエものとドメーヌものを並べて飲んでみたい・・」
と言うのが興味の一つでして・・いや、確実に異なるワインだろう・・とは確信してはいるんですが、メディアも、そして代理店も、そこまでは細かく見ていないのが実情です。
「ドメーヌものと言っておきながらゼリティエが来た」
とか、
「ネゴスものとドメーヌもののクロ・サン=ジャックが混ざって届いた」
なんて珍事件も起きるんですね・・。
なので、メディアの評価も掲載してはいますが、「実際のところはどうだったの?」と言う点では疑問が有ります。
アドヴォケイトは93-95Points、バーガウンドは90-93Points、それ以外は約92Pointsと言った感じです。
因みに2013年のドメーヌ・ルフレイヴのフォラティエールは、ジョン・ギルマン氏93Points、バーガウンド90-93Points、アドヴォケイトとヴィノスが90Points となっており、バーガウンドが同評価、それ以外は軒並みルイ・ジャドを下回っている状況です。
まぁ、流通価格から言えばルイ・ジャドは半額程度ですから、好みは有るとしても、少し考えちゃいますよね。面白いワインだと思います。ご検討くださいませ。
(・・などと言っておきながら、ヨクヨク調べたらゼリティエものが混じってた・・なんてことだったら・・笑えませんよね・・)
2016 Gevrey-Chambertin Clos Saint-Jacques 1er Cru
ジュヴレ=シャンベルタン・クロ・サン=ジャック・プルミエ・クリュ
【ルイ・ジャドのクロ・サン=ジャックがこの位のプライスで購入できるのはもはや一刻の猶予も無いかもしれません。】
安いですよね~・・。とてつもなく安く見えてしまいます。2014年、2013年、2011年ものを以前にご紹介させていただきましたが、天才ジャック・ラルディエールは2012年に一度引退を表明し、2013年にはオレゴンの担当でアメリカに行ってしまいましたので、2011年ものは実質、彼の最後の仕事になったかと思われるクロ・サン=ジャックでした。
実質グラン・クリュと言われながらも、他の1級より少しだけ高価なだけ・・で済んだ時代はもう終わりそうです。フーリエに至っては、下手をするとグリオット=シャンベルタンよりも評価が高かったりします。
2016年ものはワイン・スペクテイター誌が弾けてまして93~96Points、ジャスパー・モリス氏が94Points、、アドヴォケイト誌・バーガウンド、ヴィノスが92~94Pointsと高い評価です。ルイ・ジャドのワインはリリース直後は硬さが見られるのが通常で、10年ほど熟成されたボトルを飲むと、「リリース直後の姿が想像できないほど」です。
noisy も一度か二度、日本のインポーターさんが開催しているテイスティング会にお邪魔したことが有りますが、人の多さとワインの多さ、そしてその硬さに・・驚きました。
「(・・日本向けは誰かの意向でSo2の量が多いんじゃないか?)」
などと勘ぐっており・・、それが当たらずとも遠からずのような気が今も抜けません。
今回もブローカー経由、コンディションは良いように見えますし、透かして見た色合いも・・美しいですね・・。
見逃しが無ければすべて「ドメーヌ・ルイ・ジャド」のエチケットです。これはかの大ドメーヌだったドメーヌ・クレール=ダユを買収した時に所有した畑のもののラベルになります。
前回はすっかり見逃してしまい、ネゴス・ラベルが混じっていてご迷惑をお掛けしました。でも、実際には
「ドメーヌもののネゴスものも中身は同じ」
と言えますので・・。何故って・・その辺は前回以前の記事に書いていますんで、お時間がございましたらご覧くださいませ。ご検討くださいませ。
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【「肩書以外はどこから見ても特級!」とマット・クレイマーさんが太鼓判の1級です!】
実は結構なレア度のワインです。【Domaine Louis Jadot】もしくは【Louis Jadot】 とエチケットの下部に入ったものの両方が見られますが、ここで新たに疑問が生まれないでしょうか?クロ・サン=ジャックは現在5軒の分割所有ですから5人しか持っていないはずですよね。それは、
アルマン・ルソー、フーリエ、シルヴィ・エスモナン、ルイ・ジャド、ブリュノ・クレール
ですから、
「ん?・・ネゴスワインって言うからには、少なくとも買い葡萄か樽買いなの?一体誰が売ってくれるの?」
「あれ?・・ドメーヌものとネゴスものの2種類のクロ・サン=ジャックが有るなら中身が違うの?」
と言うものです。でもご安心ください。xいてますよ!・・
実は、このクロ・サン=ジャックは何を隠そう、あのドメーヌ・クレール・ダユから借りているんですね。まぁ、契約の内容の詳細は判らないので、畑をクレール・ダユから購入したと聞いていましたが、少なくとも全部を購入はしておらず、クレール・ダユの相続者の誰かから借りている部分が有るんですね。なので、法律でその借りている部分はドメーヌラベルを貼れないんです。
ですので、クロ・サン=ジャックに関しましては
「ドメーヌものもネゴすものも同じ」
と言うことになります。良かったですね~!決してドメーヌ・ラベルとネゴス・ラベルの同一年の水平をやろう!・・なんて気を起こさないようにしてくださいね~。
ただし、同じワイン名でドメーヌものもネゴスものも混在する、かなりややこしいルイ・ジャドでは、「どっちも同じ」は少ないですので・・ご注意ください。
因みにワイン・インスージャスト誌は93/100、タンザーさんは91/100と言う、2004年ものならでは思い込みの強そうな平たい評価をされています。
でも、複雑性に富む2004年の、飲み頃を迎えつつあるクロ・サン=ジャックがこんなプライスですからかなり気になるかと思います。希少なネゴスラベルです。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前ご紹介させていただいた2006年、2000年のドメーヌ・ラベルのクロ・サン=ジャックのレヴューです。
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【ブルゴーニュを代表するワイン・・です!】
ドメーヌ・ルイ・ジャドのクロ・サン=ジャックです。2006年ですので・・・期待は大きいです。ここの醸造家はジャック・ラルディエール。言わずと知られた大御所です。
ジャック・ラルディエール・・・noisyは饒舌な彼が言ってることをほぼ理解できませんが・・・まぁ、理解力不足なのでしょうけど・・仕上がってきた上級ワインには素晴らしいものが多いです。このクロ・サン=ジャックもそんなアイテムのひとつですね。
ジャドでは、一部ビオと言うか有機と言うべきか、そんな区画も残っています。経験上飲んだ感じではビオと言う感じはしませんが、有機、もしくはそれに近いと思われます。時々、グラスをスワリング際の回転方向を、一般的な左から右、反時計回りではなく、時計回りにするべきだ・・・それはスパイラルの時計回りの回転方向がエネルギーを増大する方向に動くから・・みたいなことをおっしゃる方がいらっしゃいますが、ジャック・ラルディエールもその一人・・・。個人的には、
「それは逆だろう!」
と思ってますし、
「小さなグラスの中でそのようなことを考えてもほぼ無意味・・・まして立体でボウル形状をしているグラスでは、仮に逆方向に向かっても上方向への動きも当然起きる・・。平面的に考えすぎでは?」
と思ってますので・・まぁ、良く判らない訳です。
いずれにせよ素晴らしいワインであることには間違い無いでしょうから・・ここはぜひ頑張ってGETしてみてください。
以下は2000年の同じワインのレヴューです。
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【そろそろ飲めるぞ!エロティックなクロ・サン=ジャックに変身していると思います・・】
ドメーヌ・ルイ・ジャドのクロ・サン=ジャックです。ところで・・・2000年のワイン、今頃はどうなっているか、検証されていらっしゃいますでしょうか。昨今だと例えばニコラ・ポテルのヴォーヌ=ロマネ・レ・プティ・モンなどは、滅茶苦茶美味しかったでしょ??
でも、2000年のそのレ・プティ・モンも、リリース時にはほとんど見向きもされなかったはずです。まあ・・リリース時に飲んでもさして美味しさは感じられなかったでしょう。そして、誰もそれなりの評価点さえ・・付けなかったでしょう。
「2000年のブルゴーニュ・ピノは駄目・・」
そのように最初から言われてましたから・・ね。noisy はブルゴーニュらしいヴィンテージだと言っていたはずです。グレートだとは言ってませんが・・。
でも、今、2000年のワインは飲み頃を迎えつつ有ります。きちんと造られたワインは、裏に隠し持っていたものを表に出し始めています。
「2000年のピノって・・・誰が駄目って言ったのよ!」
きっと、そのように感じて貰えるんじゃないかな?と思っています。しっかり造られたピノ・ノワールは、いつか一度以上必ず、花開くものだから・・・です。クロ・サン=ジャックは、やはりどんなヴィンテージでもクロ・サン=ジャックなんです。ドメーヌ・ルイ・ジャドも・・どんなヴィンテージでも、ドメーヌ・ルイ・ジャドなんですね。それを判って欲しいなぁ・・・と思います。グレートイヤーを追いかけていると、極端に飲み頃が早く来るか、とても遅いか・・・に最近はなっているはずです。ご検討ください。きっと美味しいと・・・期待を持っています!
■ ここでちょっと息抜き??
ジュヴレのル・クロ・サン=ジャックと言えば、誰しもが認める特級並みの素晴らしいワインですが、1級格のままで放置されています。で、この畑・・・面白いですよね。皆さんも血眼になって求めていらっしゃる、かのフーリエのクロ・サン=ジャックですが、ちょっと上記のシルヴィ・エモナンのコラムをご覧ください。
>1950年頃に売りに出ていたクロ・サン=ジャックを、シルヴィーの祖父とフーリエ、ルソー、クレール・ダユがほぼ1/4ずつ購入していたと思いますので、畑の位置は言わずもがな・・です。
この、50年代に売りに出したのがムーシュロン伯爵家と言う大地主さんで、おそらくですが、シャトー・ド・ムルソーの邸宅を本拠にされていました。家を継ぐ子がいないという事で、50年代~60年代にかけて、垂涎の極上畑を売らざるを得なかった訳ですね。60年代には、かのDRCにもル・モンラッシェを渡しています。
で・・・良く々々見てみると面白いですよね。まあ、1/4ずつと言っても、1ヘクタールから2ヘクタール位で4者が分けています。
ムーシュロン伯爵家-->フーリエ
ルソー
エモナン
クレール=ダユ
という流れです。フーリエは、今もドメーヌ・フーリエですが、ペルノ・フーリエ-->ジャン=クロード・フーリエと来てます。ルソーさんはご存知のとおりドメーヌ・アルマン・ルソーです。エモナンは、アンリ-->ミシェル-->シルヴィと伝わってきています。・・・で、クレール=ダユは??
そう、クレール=ダユは解体してしまっていますが、畑は1985年にルイ・ジャドが購入しているんですよね。ですから、
ムーシュロン伯爵家-->フーリエ
ルソー
エモナン
クレール=ダユ-->ルイ・ジャド(ドメーヌ)
と言うことになり、フーリエ、ルソー、エモナン、ルイ・ジャドが、もともとのムーシュロン家の区画を受け継いでいることになります。ですから、
「元は何も変らないんだけどなぁ」
と言うつぶやきは・・凄い正解なんですよね。
それに、ルイ・ジャドは元々1ヘクタール位、クロ・サン=ジャックを持っていたようにも記憶していますので、ドメーヌのキュヴェで、どのようにしているかは不明です。でも、基本的にクレール=ダユ流れのワインは、ドメーヌ・ルイ・ジャドで出しているようです。
注:上記の内容は個人的に確信はしていますが、(本人たちに)確かめた訳では無く、何かしら間違った情報が混じっている可能性も有りますので、そのおつもりで・・お願いします。
2011 Grands Echézeaux Grand Cru
グラン=ゼシェゾー・グラン・クリュ
【珠玉のグラン・クリュ!非常に少ないグラン=ゼシェゾーです!2011年ものはジャック・ラルディエール最後の年!?】
非常に少ないフラジェ=エシェゾー村の至宝、グラン=ゼシェゾーです。ルイ・ジャドはこの畑を持っていませんので、ネゴシアンものと言うことになります。
また、天才もしくは哲学者などと呼ばれた最高醸造責任者のジャック・ラルディエールも2012年にオレゴンに行ってしまいましたので、ある意味、
「ジャック・ラルディエールが手掛けた最後のヴィンテージ」
と言えるかもしれません。
グラン=ゼシェゾーは・・・・いや、ネットを徘徊していますと段々気が滅入って来ますが・・
「グラン=ゼシェゾーで検索すると勝手にグラン・エシェゾーに変換されてしまう」
んですね。これで良いんですかね・・。こんなんだから、グランもグランドも一緒になってしまうしね・・でもルイ・ジャドも「Grands Echezeaux」とハイフンは除いて表記していますけどね・・
で、グラン=ゼシェゾーは20名ちょっとの所有者によって分割所有されていますが、ルイ・ジャドは所有していないので、分けてもらっている訳ですね。ドメーヌ・コカール=ロワゾン・フルーロが供給者だと言われているようですが、勿論その真贋は不明です。このフルーロはドミニク・ローランにも、この貴重なグラン=ゼシェゾーを供出していますので・・取り合いなのかな・・(^^;;
おそらくですがルイ・ジャドが引き受けられるのは一樽程度(コカール=ロワゾン・フルーロは3樽ほどリリース、それ以外が30%ほど)でしょうから年間300本以下で、ましてや毎年はリリースしていないと思われ、如何に日本にブルゴーニュワインファンが多いと言ってもそうはまともに飲めた人も見つからない訳です。
実はnoisy もルイ・ジャドのグラン=ゼシェゾーは飲んだことが無く、良年の2011年ですから、きっと誰かが飲ませてくれるんじゃないかと言うような甘い期待を忍ばせてのご案内です。
そんな状態ですから・・どこを探しても、ルイ・ジャドのグラン=ゼシェゾーの評価や評論は見当たらないです。ご検討いただけますと幸いです。
シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン
シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン
フランス Chateau la Tour du Pin ボルドー
● (シャトー・)ラ・トゥール・デュ・パンです。皆さんも良くご存知のシャトー・ラ・トゥール・フィジャックの流れです・・・と言うか、元々はシャトー・フィジャックです・・いや~、面倒くさ~!現在はシュヴァル・ブランの醸造チームがこのワインを造っていますので、評価も鰻上りです。サンテミリオンとは言ってもどっちかと言えばポムロール風なんですよね~・・。なので、サンテミリオンとすると邪道、ポムロールでは無い・・と、中途半端に思われているかもしれませんね。
エージェント情報
シュヴァル・ブランに隣接する区画で造られる、グラン・クリュのお値打ちワイン「ラ・トゥール・デュ・パン」。ファースト・ヴィンテージは2006年です!
サン・テミリオンというテロワールの偉大な可能性を引き出すべくピエール・リュルトン氏が指揮を執るシュヴァル・ブランと同じチームによってリリースされているワインが「ラ・トゥール・デュ・パン」ですが、ブドウの栽培、醸造、熟成等、ワイン造りの全ての過程において、シュヴァル・ブランと同じ哲学が適用されているといいます。
時を遡ること2006年、購入したての畑を前に、如何にして自分たちの望む基準に達するワインを造るか熟考を重ねたチームは、綿密な土壌の分析を行い、
「それぞれの区画の潜在性を理解するため、より細かい区画管理が必要である」
という結論に達したそうです。
2006年は厳しい冬によって発芽が遅くなりましたが、それによって4月前半の霜の時期を避けることができたといいます。夏の暑く乾燥した天候は、ブドウにタンニンの骨格と凝縮感を与え、果実がゆっくりと段階的に熟すのを助けたとのこと。房周りの空気の循環を良くし、収穫量を抑えることで果実の衛生状態を保てたので、9月の湿った天候によるリスクに悩まされることもなかったそうです。
メルロー75%、カベルネ・フラン25%で構成されるワインは深い赤色をしており、縁には紫がかったニュアンスが見られるとのこと。香りはフレッシュかつ複雑であり強烈で、素晴らしく纏まった木の香りのニュアンスがあるそうで、チェリーやイチゴ、ラズベリーのような愛らしい赤い果実の香りがフローラル香と混じり合います。アタックは力強く滑らかで、絹のようなタンニンのストラクチャーに導かれ、果実の品質の良さが感じられるフレッシュな香りが後味に残るということです。
収穫はすべて手摘みで行われ、畑の多様性を尊重する区画管理の努力を無駄にせぬよう、あえて小さなタンクで醸造されるという「妥協なきワイン」! それでいて、お値段はシュヴァル・ブランの10分の1程度とは…。何はさておき、まずは試してみなくては始まらないアイテムです!
2007 la Tour du Pin A.C.Saint-Emilion Grand Cru
ラ・トゥール・デュ・パン A.C.サンテミリオン・グラン・クリュ
【ラ・トゥール・デュ・パンの2作目!やや軽快に仕上がるヴィンテージですが、現状はカベルネ・フランの頑張りで左岸ぽくも感じます。】

何度かご紹介させていただいているラ・トゥール・デュ・パン、サンテミリオン・グラン・クリュです。昨年、2018年の11月にも、かなり良い出来だった2008年をご紹介させていただきました。
2008年ものは豊かな味わいに仕上がったものが多い優れたヴィンテージで、メルロの深みと丸さ、滑らかさがサンテミリオンらしい味わいを醸し出していました。
2006年から始まったラ・トゥール・デュ・パンですので2007年ものは2年目です。やや軽めに仕上がったものが多いので、涼し気なニュアンスをまとっています。
色合いからも良く見るとそれが伝わって来ます。むしろ2008年ものの方が軽そうにも見えますが、赤い果実が多く、透明感に満ちており、生き生きとしたニュアンスです。2007年ものはより黒さを持ち、ほんのり粘土っぽい感じが多そうに見えるかと思います。
強い果実は2008年、しっとりしたやや黒さの多い果実は2007年。豊かさは2008年で繊細さは2007年でしょうか。2007年ものは繊細なだけに表情が複雑に感じられます。
豊かな2008年ものにはあまり見られなかった西洋杉、フラワリーさを持ったスパイスなどのニュアンスに奥にベリー、湿った粘土と言うよりはやや乾いた感じをプラスしたニュアンスです。
なのでカベルネ系の表情に気を取られてしまうと・・一瞬、
「ん?・・右岸?・・左岸じゃなくて?」
と思われるかもしれませんが、メルロの比重に気付くと・・
「良かった・・右岸だ・・」
と胸をなでおろすでしょう。
非常にドライで、まだこれからも良い熟成を重ねてくれると思います。ベタンヌが16/20、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァンが15.5/20と言うような評価を出しています。2008年ものはもっと上ですので、やはり、
「豊かさ」
に対してのポイントが高いことが言えるかな?・・と思います。2007年ものは比べて豊かではないが繊細で有ると言うことでしょう。
ボルドー好きなら大好きな味わいでしょう。ほんのり口内を押し広げつつ、僅かにエッジを感じさせながら複雑性を見せてくれる美味しいボルドーでした。是非飲んでみてください。価格も2008年ものよりリーズナブルです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これは旨い!!しなやかでベルベッティな舌触りに上質な果皮の厚みを感じさせます。ドライで深くて厚化粧無しのスッピン美人!】
シャトー・フィジャックは好きだが結構に不安定で、やたらと淡い・・無意味に薄いヴィンテージも有り、大枚はたいて購入してガッカリしたくない気持ちもどこかに有るので、結局距離を置いてしまう。
だからと言って、アドヴォケイトなどで評価の高いサンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセを買ってみたとしても、確かにポテンシャルは有るかとは思うものの・・
「・・・甘いんだよな・・」
と感じた瞬間に萎えてしまうものでも有ります。
このラ・トゥール・デュ・パンはルイ・ヴィトン・グループの総帥ベルナール・アルノー氏とベルギーの投資家アルベール・フレール氏が取得、シュヴァル・ブランの醸造グループが管理運営をしています。2006年からですね。以前も2006年ものをご紹介させていただき、好評を得ました。
やはりメルロ・・ですよね。シュヴァル・ブランだとフランの存在が大きい訳ですが、この美しい粘土の味わいをどのように表現してくれるか・・が、右岸のサンテミリオンやポムロルの本質だと・・noisy 的には感じています。基本的にゴージャスではない、甘く無い、しっとりした、滑らかなポムロル、サンテミリオンが超好みですし、そのような同類は日本のワインファンの中には多いはずです。
この何とも言えぬ美しい色合いを・・是非愛でてください。綺麗ですね~・・ピノ・ノワールも美しいが右岸のワインも綺麗です。そして昔のシャトー・マルゴーのように、焦げた樽の匂いでむせてしまう・・なんてことは全く有りません・・スッピンな美人ちゃんです。
深く美しい粘土由来のアロマは、とことんまで探って行くとカカオっぽいニュアンスまでたどり着きますから、黒い果実をも包括しています。コーヒー豆のことをコーヒー・チェリーなんて言いますが、まさにそんな感じまで出してくれます。勿論、赤や紫の果実も持っていますが、より重厚な黒さや茶色と混ざっています。
しかし鈍重さは全く無く、シルキーなテクスチュアからボツボツと複雑な表情を見せてくれますし、非常にピュアで精緻です。超高級かばん屋さんがオーナーですからね・・ほんのわずかな縫製のズレも許しちゃくれないでしょう。

そしてnoisy はなんと、禁断のマリアージュ・・・
「クラレットに旬のカツオの刺身・・!」
と言う、大それたことを行っています。・・いや、元より心配はしていないですよ。ヴァレンティーニのエクストラ・ヴェルジーニがたんまり有りますからね。醤油と同量のヴァレンティーニに薬味を添え、このラ・トゥール・デュ・パンで流し込む・・
ラ・トゥール・デュ・パンのピュアさが見事に感じられる瞬間です。そして、血合いっぽい部分には、ラ・トゥール・デュ・パンの持つ美しい粘土のニュアンスが入り込み、より美しく、膨らみ有る味わいにしてくれました。
もう、バッカバッカ食べちゃいましたよ。今回のカツオは鮮度が中々に良く、元から全く臭く無かったのもこのマリアージュを助けてくれたかと思います。何しろ店の目の前が魚屋さん・・と言うか、土日の大渋滞で有名な角上魚類さんですから・・。わざと渋滞させてるんじゃないか?・・と思うほど、土日には道に車が溢れ、駐車場に入りたいと道に列を作る車両と、そこをどうにかパスして先に行きたい車両、歩いて車道を横切る歩行者や、進行方向など全く考えてない自転車が入り乱れて悲喜こもごも、物凄いことになっています。
ま、そんな角上魚類さんに出かけて仕入れて来たのでしょう・・いや、noisy でさえ、土日は自分の店になかなか辿り着きませんから・・。何のために立っていて、ただ手を振っている警備員が何人かいらっしゃいますが、実際は何の役にも立っておらず、noisy もようやっとたどり着いた自分の店の駐車場に入ろうとすると、運が悪いと遮られたり、せっかく空いた道なのに並ぶ車を誘導してしまって入らせない始末で・・ま~腹が立ちます。あなたの居る目の前の店の主人の顔や車くらいは・・覚えてから仕事しろって・・話しです。最近は一億総アルバイト時代ですから、仕方が無いのかもしれませんけどね。
そうは言ってもうちも迷惑は掛けてますからね・・余り強いことも言えません。うちの婆さんと来たら止せばよいのに大晦日の閉店間際のお店に飛び込み、躓いて転んで大けがをし、救急車で運ばれると言う事態を招いていますから・・本当にご迷惑をお掛けしまして申し訳ありません・・・はぁ・・
いや、またまた脱線してしまいましたが、やはり鮮度の良い魚は、質の良い赤ワインさえマリアージュを許してくれる良い例です。そして、ワインもまた、ピュアなもので有れば、そのマリアージュの成功の確率をかなり押し上げてくれるものです。
そしてこのラ・トゥール・デュ・パン2008年ですが、アドヴォケイトは(90~93)Pointsと、取り立てて高い評価でも有りませんが、
「だからこそ美味しい!」
と言っておきましょう。
大抵の場合、彼らの評価は、こってりとしていて甘いとより評価が高いんですね。ゴージャスさが加点されているだけです。noisy 達、日本のワインファンは、
「そこは無くて良い!」
と思っている訳ですから、わざわざ不要なものを高く買う必要が無い訳です。
なので、2008年ものは2009年ものよりも評価は落ちるかもしれませんが、実は我らにとってはその方が嬉しい訳です。
旨いです!・・なので飲んでみましょう・・さあ、最近はもうほぼ無くなりつつありますが、この価格帯のジュヴレ=シャンベルタンと、どっちがお好きでしょう?是非お確かめくださいませ。
以下は2006年のこのワインのレヴュー他です。
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【名前が変わると訳判らん・・が、素性は良いのだ!!】 一応ですが、知り得る情報としましては、そもそもはシャトー・フィジャックが有りました。18世紀後半に相続で分割され、その片割れがシュヴァル・ブランです。(なので、当然フィジャックはシュヴァル・ブランのお隣さんなんです。)
19世紀後半に、シャトー・フィジャックはシャトー・ラ・トゥール・フィジャックとに分割されるんですね。
そして2年後、シャトー・ラ・トゥール・フィジャックはさらに分割され、シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャックとに分かれます。
1947年には、シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャックが2分割されますが、名前はそのまま・・・所有者が2人いる状態(A.ムエックス、アンドレ・ジロー)となり、エチケットは違うが同じ名前のワインが生み出されていました。
そしてようやく・・・2006年にA.ムエックス社分がシュヴァル・ブランのオーナーに買収され、(シャトー・)ラ・トゥール・デュ・パンになった訳です。
むしろシュヴァル・ブランはフィジャックの一部だった訳で、大昔はフィジャックがトップだった・・・そして、このラ・トゥール・デュ・パンもフィジャックだった訳です。
で、この2006年ラ・トゥール・デュ・パンのエチケットはサンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセになっていますが、サンテミリオン・グラン・クリュのエチケットも出回っています。理由は2006年にG.C.C.から格下げになっているから・・・です。現在は訴訟で勝利したのでG.C.C.に復帰したようです。
残念ながら、noisy は飲んだことの無いワインです。シュヴァル・ブランとほぼ同じ土壌から、割合は違うものの同じセパージュ、しかも醸造チームが同じ理想で動いている・・とすると、
「メルロの多いシュヴァル・ブラン?」
と言えるかもしれません。しかも価格は・・・比較すると安いです。フィジャック寄りの味わいなのか、シュヴァル・ブラン寄りなのかは、飲んでみないと判りませんが、おそらくはシュヴァル・ブランに近いのでしょうね。興味津々のファースト・リリースです。ご検討ください。

いや~・・結構、美味しいと思います・・と言うか、非常に懐かしい・・と言うべきか、
「・・そ、そうなのよ・・これがワイン!」
と、妙に納得させられちゃうんですよね。
全然凄く無いんだけど、「凄く美味しい!」と直感的に思わせるような「何か」を持ってるんですよね。それがセパージュ(メルロ約8割、カベルネ・フラン約2割の右岸のゴールデン・セパージュ?)に依るものなのか、もしくは単にノスタルジーに浸ってしまう「おじさん的回顧主義」由来なのかは判りませんが、飲んでいて・・
「・・いつの間にか涙ぐんでる自分に気付く・・かもしれない・・」
と言うような状況になっちゃってるんですね・・。
ピュアでもナチュラルでも無い・・果実の風味がキツイほど有る訳じゃ無い・・さらにはミネラリティがギシギシ詰まってるような超熟さなど欠片も感じない・・だけど、
「旨いんだな・・これが!」
となっちゃうんですね。
そりゃぁ、昨今のサンテミリオンのフルーツ爆弾のようなワインも、ちょっと飲むには良いかもしれないですよ。でも、いつまでも飲んでると飽きて来ちゃう。
どこかにワビサビを感じさせる、ちょうど良い、探してみるとちゃんと見つかったりする・・ある意味、ルイ・ユエランのシャンボールにも似た性格なのかもしれません。・・いや、勘違いされちゃうかな・・2014年のルイ・ユエランのシャンボールは絶品ですんで・・ほぼ完ぺきです。しっかりしてるのに柔らかい若いシャンボールなんて、飲んだこと無いと思いますが?・・いや、ここはルイ・ユエランのコラムじゃ無かったですね。
おそらく、昔、ワインを飲み始めたころの、ちょっと良いクラスのボルドーがこんなような味わいで、しかも昨今のコンディションを悪くしないような輸入ができるようになったことが、さらに美味しく感じさせちゃうのでしょう。
だから、もしかしたら若い方には・・
「・・はぁ?・・全然普通じゃん!」
と言われちゃうかもしれません。
でもそうだなぁ・・歳は別にして20年近くワインを飲まれている方なら、琴線に触れて大感激するかもしれません。そう・・ワインの味わいって・・こうだったよね~!・・と思っていただけると思います。
コンディションも良し、エチケットもさほど汚くない、良い感じに熟したエレガント系のサンテミリオンです。薄汚れたように見えるかもしれませんが、それ・・デザインでして、エチケットの真ん中にシャトーが薄く印刷されているんですね・・。それがちょっとそんな雰囲気に見せちゃってますが、結構綺麗な方だと思います。
味わいも熟したメルロの舌触りとカベルネ・フランの芯、粘土がもたらす少しの官能感が出始めた、
「元シャトー・フィジャック」
の畑のワインです。ご検討くださいませ。
ジャック・カシュー・エ・フィス
ジャック・カシュー・エ・フィス
フランス Jacques Cacheux et Fils ブルゴーニュ
● 久し振りと言うか、ページでのご紹介は初めてかもしれません。ヴォーヌ=ロマネ村の生産者で実力派、1級ラ・クロワ・ラモーを分割所有するドメーヌ・ジャック・カシューです。
別に嫌いな訳では無いんですが、まぁ・・普通でした。こんなことを言うと野暮では有りますが、昔はアンリ・ジャイエ系の味わいを造り出す腕の良い生産者は結構いらしたんですね。
なので、その並み居る凄腕の中に入ると「普通」になっちゃうんです。クロワ・ラモーだけくれるなら話は別なんですけどね・・。
でも、
「昨今のジャック・カシューは激変して凄い」
と言うような噂を聞きつけて、
「(・・・ホントか~?)」
と思いつつも、
「リアルワインガイドの評価もついにクラシックレベルにまで来たし・・」
と思い出し、ブローカーから比較的リーズナブルに仕入れられたので飲んでみることにしました。大した事が無かったらしばらく仕舞い込んでしまおう・・と言う魂胆です。・・いや、テイスティングするには経費も掛かりますんで、それを捻出するのは結構に大変なんですね。
栽培はリュット・レゾネ、完全に除梗し低温で漬け込み、最終的に新樽100%で仕上げますので、御大アンリ・ジャイエ風な果実味重視系でした。
2015 Vosne-Romanee 1er Cru la Croix Rameau
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・ラ・クロワ・ラモー
【リアルワインガイド第59号は93~94+!なるほど・・以前はロマネ=サン=ヴィヴァンの一部だった事実そのままを、見事に語ってくれます。とても上質!!】

大体にしてこのパトリス・カシュー率いるドメーヌ・ジャック・カシューはちょっと変では有ります。本来ですとドメーヌの看板はグラン・クリュの「エシェゾー」になるはずですが、何故かこの「ラ・クロワ・ラモー」が看板であるとの意思表示と、最も高いプライスのワインになっているんですね。
まぁ、気持ちは判りますが、それが今まで必ずしも当たっていたかどうか・・は判りません。しかし、そう見るとジャック・カシューのエシェゾーは非常にリーズナブルでは有ります。エシェゾーは、デュ・ドゥスを除き上下区画を組み合わせてバランス良く仕上げるのが伝統的で、ジャック・カシューもそれに倣い?、3~4箇所をブレンドしていますので、決して単一の畑では無いんですよね。
それでもこのラ・クロワ・ラモーがここの看板なんだ・・と言うのは、そのプライスと、エチケットに描かれた十字架(クロワ)に意思表示されています。
そもそも、なんで今さら?・・と言うようなご意見も有るかと思うんですが、やはり「凄く良くなっていると言う噂」は大きいですよね。それにこのところのリアルワインガイドの評価も高値で安定・・と言うか、2014~2015年は素晴らしいです。
なので、気になっていたところ・・仕入れられたと言う状況です。で、さっそく飲んでみることにしました。
どうでしょう・・この見え方!・・どっしりしていますよね。濃くは無いが淡くない、要素がビッチリ詰まった風な、堂々とした感じに見えます。深い赤の色合いが良いですよね。威厳を感じます。
アロマは・・むっちりと・・しています。勿論、良く香るんですが、要素を次々に外に出して行こう・・と言うような感じでは有りませんで、それがむっちりな感じになっているのかと思います。甘みを持たない、やや熱量の多いイメージのアロマです。
口に含むと、とても多い情報量がzipされているような感覚を覚えます。さすがにヴォーヌ=ロマネのワインだと言うことは判るにせよ、村名のワインのような安易な美味しさは出してくれません。
しばらくスワリングしていると・・良くなってきますね。しっとりとしてきます。そして、ある種の「知恵の輪」状態だった複雑性の塊が少しずつほぐれて来ます。
なるほど・・これはロマネ=サン=ヴィヴァン近くの畑だ・・と言われると、納得できてしまう味わいです。強烈な荘厳さはこれから成熟とともに出てくるのでしょうが、
「赤い魔力」
とも言うべき、このロマネ=サン=ヴィヴァン風の、超高質なチェリー風味に驚かされます。時間が経ってくるとそれはさらに磨きが掛けられ、洗練されたものになって来ます。
マダム・ルロワは、
「ラ・クロワ・ラモーはロマネ=サン=ヴィヴァンにはなり得ないのよ」
と言ったとか言わないとか・・囁かれていますが、なるほど・・それは身に染みて良く判ります。
「お~・・なるほど・・」
と皆さん、そう思われるでしょう。
でもそれは、優れたロマネ=サン=ヴィヴァンと比較した場合で有って・・もしくは、同じ造り手が同じように仕上げた場合にそうなるので有って、時には、
「noisy自身、このラ・クロワ・ラモーより明らかに劣っていると思われるロマネ=サン=ヴィヴァンを幾つも飲んでいる」
のも事実なんですね。
ま~・・美味しくないロマネ=サン=ヴィヴァンのような高級ワインと出会ってしまうと、ドギマギしてしまいますよね。
「・・ボクはどうしたら良いんだろう・・」
特にワイン会などのシュチュエーションだと、出方は非常に難しいです。自分が持ってきたボトルならダメ出し出来ますけどね。
以前、ラシーヌさんのお呼ばれでとあるリストランテさんに伺った時、悪戯っ子の塚原御大が罠を仕掛けたゲームを嗾けました。
結局それは、昔、御大が有る方からいただいた、状態の良く無いDRCのエシェゾー(マグナム?)だったんですね。
まさか、そんな美味しくない・と言うか状態の悪いものを、コンディションにやたらとこだわる御大が私らに飲ませるなどとは思わないもんですから、
「(・・なんじゃこりゃ?)」
と思いつつも悩んだ挙句に、
「余り状態の良く無い自然派系のキャンティ」
と答えたような・・記憶が有ります。自然派は・・言ったかな?・・忘れてしまいましたが、実に不味かったです。
この、ラ・クロワ・ラモーはご存知の通り、以前はロマネ=サン=ヴィヴァンの一部でした。ちょうどレ・スショ側の下部に有り、この部分だけ少し下がっています。そのため、水分がたまりやすく、また肥えた土壌になるんですね。
土壌の水分の影響は、努力で少し避けられますが、超えた土壌の影響はどうにも・・ならないんですね。重力で上から表土が落ちてきて溜まってしまいますんで、葡萄の樹はその肥えた表土の栄養を得てしまいます。真逆のようですが、表土の栄養は少ない方が良いのはお判りかと思うんですが、
「まさにそれを想像させてくれる、ややファット目のロマネ=サン=ヴィヴァンの味わい!」
を、今、見せてくれます。
しかしながら・・ここが重要です。例えばリアルは94+Points で、飲み頃予想を2022年から・・としていたと思うんですが・・(ページを開けば判るんですが時間が無くて・・すみません。)、それはほぼnoisy も同じように評価します。
そう、今飲んでも美味しいんですが、ポテンシャルを開花させるには少し時間が掛かる造りのタイプなんですよ。言ってしまえば、その素質がこのラ・クロワ・ラモーの特徴とも言え、それをどう捉え、どのようにワインに導くかで、その仕上がりも変わってくる訳です。noisy的には、
「5年後以降からがこのワインの本質を理解するのに適した時期」
と言えます。
言ってしまえば、2023年以降にこのワインを飲むのであれば、94+ Points 以上の評価をするかもしれない・・と言うことですね。
やはり「素質は隠せない」のが事実で有って、例えばヴォーヌ=ロマネ1級レ・ルージュのような、赤い繊細な糸を撚り合わせたような緊張感は今は余り感じないものの、それで出来た極上の布のニュアンスを感じさせてくれます。
それがいずれ、その元の1本1本の糸の美しさを見せつけるような繊細さと、それらが織りなす見事な模様をも映しだしてくれるでしょう・・それが5年後以降です。
なるほど、ジャック・カシュー・・以前のように今一つ垢抜けない感じは無くなりましたね。結果的には全くアンリ・ジャイエ風では有りませんで敢えて言うならDRC風です。これからも楽しみな造り手になったと言えます。ご検討くださいませ。リーズナブルに仕上がったと思います。
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