● 久しぶりのご案内になったヤン・ドゥリューです。実は色々有りまして・・しばらく離れていました。
ワイン業界を取り巻く環境もめまぐるしく変化しています。今まで普通に入っていたものが急に入らなくなったり、理解不能な位に値上げに成ったり、数量が極端に減ってしまったりしています。また現況は新型コロナウイルスの影響も有り、飲食店さんは売上的にはかなりの打撃を受けています。特に「ワインを一生懸命広めて来たお店」は、ランチ以外で頑張るしか無く・・もっとも、少人数で回していたお店は、存続については問題はないのかもしれませんが、モチベーション的には駄々下がりでしょう。
ヤン・ドゥリュー...ご存じの方には、
「・・凄い可能性を感じる・・と言うか、素直に素晴らしい!」
と絶賛する方と、
「・・私にはちょっと・・」
とネガティヴに捉えてしまわれる方と、両方いらっしゃるでしょう。
しかしながらそれでも、先進的なビオ・・それもブルゴーニュで・・下手をすれば「クリュ」「村名」の畑で、造っている生産者ですが、
「ワインなのか、ワインではないのか・・飲んでも良く判らない・・」
と言うような代物では有りません。
ナチュラルワインの限界を攻めていながら、昔からのワインファンをも唸らせる魅力のあるピュアさを持っています。
noisy も、彼のそのスタンスに好意を持ちながらも、余りの価格の高さと、テイスティングさえできないほどの数量しか割り当てが来ないことに嫌気が差し、しばらくの間離れることになってしまった訳です。
今回も3アイテムのみ、4本、3本、3本で計10本と言うような非常に少量な数しか来ていませんが、それでも次回以降は
「テイスティング出来る位の量は保証する」
とのエージェントさんの言葉を信じ、取扱を再開させていただくことになりました。
ですが、それでも3アイテムで10本中、価格の高い方を2本テイスティングしていますので、ほぼボランティアです。商売としますとまるで割に合いません。
それでも・・・
「ブルゴーニュワインの将来を背負っている一人」
で有ることは間違い無いと感じています。
プリューレ・ロックの品質を支えた一人としても有りますが、どんなワイン屋も、偉い資格保持者も、避けて通って来た「ブルゴーニュのビオに対する素直な印象の吐露」を、もし誰も行わないのであれば、非常に不幸なことになってしまうと憂いています。
素晴らしいブルゴーニュワインだと感じました。それでも、全てのブルゴーニュワインファンに向けて、是非とも飲んでくれとは・・言いません。
「ブルゴーニュ新時代を見つめて行きたい!」
そう思われる方でしたら、是非飲んでみていただきたいと思っています。
■エージェント情報
これぞブルゴーニュの真髄!思わずため息が出てしまう...ヤンドゥリューのご案内です。
「やっと充実したワイン造りが出来たと感じられたんだ」
と満面の笑みで語ってくれたのは2019年6月、猛暑のブルゴーニュで初めて会ったヤン ドゥリューの言葉です。この日はこれからリリースする予定の2017VTや過去のバックヴィンテージ含め20アイテム近い試飲をしながら、各キュヴェの特徴を本人から聞くという幸せな訪問をしていました。初めて会うヤンは話には聞いていましたが、オーラ全開の相当に”トンガッた”人。言葉の一つ一つにエモーショナルな波動が込められているかのように我々の心に突き刺さります。とは言え、ワイン以外の話しをする時は身重の妻を優しくフォローする良い夫な側面もある、実に人間らしい人でした。ワイン以外にもレースが趣味なヤン。BMWのM3で爆走するのが癒やしと語る眼は、まるでヤンチャな子供のようでした。(ちなみに訪問1周間前にM3で爆走した為、免停になったそうです。)
基本的には遅めのタイミングで収穫をするヤンは、多いと10ヶ国以上の季節労働者50~60人で行っていますが、例え季節労働者でもレベルの高い仕事をして欲しいと思っているため、仕事に見合った給料を払っているとの事。良い仕事をするために、眼に見えない所にも配慮を欠かさないヤン。そんな一つ一つの涙ぐましい努力の結晶である彼のワインから、今回は3キュヴェのご案内です。
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脅威の自然児が造るスーパー・ナチュールワイン!?が入荷です。今回は白ワインが2アイテム・・でも性格が全く異なる2アイテムでした!そしてそのどちらもが素晴らしい!非常に希少です。ブルゴーニュワイン・ファンは「シャルドネ・セレクスィヨン」を、ヴァン・ナチュールがお好きな方、もしくはブルゴーニュがお好きでヴァン・ナチュールもお好きな方は「シャルドネ・カ・ドー」を是非ともご注文ください!
「マジっすか~!」
みたいなヘヴィ・メタぎんぎんなエチケットのやんちゃさ・・そして、飲んでみてビックリのアヴァンギャルドさと、捨ててはいけないものはしっかりと・・そしてそれをさらに磨きぬいていると言う、プロも認めざるを得ない味わいのワインをご紹介します。ヤン・ドゥリュー・・・お見知りおき下さい・・っても、このエチケットを観たら忘れられないですよね!

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ポスト フィリップ パカレ!!
ポスト プリューレ ロック!!!
ブルゴーニュに次世代のスターが登場!
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(その良し悪しは別として)日本のワインシーンではもっとも話題にのぼる産地、ブルゴーニュ。
素晴らしいテロワールの数々、素晴らしい造り手たち、高い評価に高いお値段…
当然ながら新規就農の造り手にはハードルが高く、既存の生産者が切磋琢磨するなかで、なかなか若く有望な造り手が登場するには厳しい環境です。

“2010年ヴィンテージでデビューを果たし、あっという間にパリのカヴィストやソムリエたちの話題をさらったポスト フィリップ パカレ!!ポスト プリューレ ロック!!!間違いなしのブルゴーニュ自然派ワインのニュースターです!”
と興奮気味にヤン ドゥリューのワインをはじめて皆さんにご紹介してから早2年と少し。その間色々ありまして…ずいぶんご無沙汰になってしまいました。
プリューレ ロックで働きながら、プライベートな時間を全て費やして自身の畑仕事もこなし、リスクの取りづらいブルゴーニュという土地で妥協のない「攻めた」ワイン造りに挑戦しているヤンドゥリュー。フランス国内をはじめ世界中でひっぱりだことなった彼ですが、そこに襲いかかったのが超低収量の年の連続。他のブルゴーニュの造り手たちと同様に少なすぎる収穫量に苦しめられます。

特に自分自身のドメーヌをスタートさせてまもない財務基盤が弱いヤンにとっては、この収穫減はかなりの痛手でした。なんとかロックでの必死の仕事で生活の基盤をまかないながら、自身のワイン造りに対してもフル回転。そんな中でワインの品質に関わる以外の在庫管理や販売などの事務仕事の優先順位が下がり…、日本向けに予約していたワインを
「売っちゃった!」
との連絡が!!!!!
ということで丸々1年分のワインが日本未入荷となりました。
その後も相変わらず低収穫量の年が続いている事もあって連絡の取りづらい状況が続いており、今後の入荷がどうなるかという不安は相変わらずなのですが、とりあえず引取りに成功した一部ワインをリリース致します!

ということで、今回のリリースワインは2種類。
まずは、ヤンの友人がビオロジックで栽培を手がける畑のブドウから造られたセレクションシャルドネ 2011!いわゆるネゴシアン ワインですが、キラキラしたミネラル感とストレートな果実味は、ザブルゴーニュ!という風情があり、と同時にヤンらしい深い深い純粋さを併せ持っています。
続いては「カ ドー」という意味深(仏語でギフトを意味するカドーとほぼ同音)な名前のキュヴェ。シャルドネから造られるワインですが、セレクションとは打って代わり犬のプードルのようなもくもくした澱(おり)と濁りがあり、ただならぬ風貌。抜栓直後はわずかに還元的なニュアンスが感じられますが、スワリングによって出てくるナッツやアーモンド、ゴマといった種子系の香ばしいフレーバーとパイナップルや柑橘などの旨味感たっぷりの果実味!ブルゴーニュという枠組みを超越した非常に挑戦的なワインです!!! どちらのワインも日本への入荷自体は随分前なのですが、味わいのスタートラインに立てるようになるまでじーっくりと寝かせました。理想を言えばもう少し時間をかけて、さらなる飛躍を待ちたいところですが、このタイミングでもポテンシャルの片鱗は十分感じて頂けると思います。すぐに試してみたいという場合にはデキャンタージュをオススメ致します!

「ヤン ドゥリュー 生産者紹介」
ヤン ドゥリューは、オート コート ド ニュイのエリアでニュイ サン ジョルジュとアロースコルトンの間に位置するヴィレ=ラ=フェイ村を中心にワイン作りに取り組む才能溢れた若きヴィニュロンです。
2010年がデビューとなるヴィンテージで、3haほどの広さの畑から革命的なワインを生み出しています。また近年は、ビオロジックで栽培されたブドウを友人から買い付けることや、自身で畑を借りるなどもしてワインを造っています。
ジュアリン ギュイヨの下で7年間ワイン造りを学び、その後、DRC社の共同経営者としても知られるアンリフレデリック ロック氏のドメーヌ プリューレ ロックで2008年から栽培を担当しています。
彼は、自身のワインをリリースするようになってからもプリューレ ロックでの仕事を続けていて、ロックでの仕事を終えた後や休日などを利用してブドウを育て、ワイン造りに取り組む情熱ある生産者です。

ヤン ドゥリューは、ブルゴーニュでも比較的注目されていない土地の中から、可能性を秘めたテロワールを発掘し、その土地で素晴らしいワインを生み出すことに情熱を注いでいます。
「ブルゴーニュには、今評価されている区画以外にも誰も挑戦していないが素晴らしい可能性を秘めた土地、テロワールがある。私の人生はそういった土地を発掘し、素晴らしいワインを生み出すことです。」
そんな彼のアンテナにキャッチされたのがオート コート ド ニュイという地域でした。オートコートという格下に見られがちなこの土地で、徹底的にテロワールの可能性を引き出し、従来の常識を凌駕するワインをファーストヴィンテージから生み出すことに成功したのです。
その秘密はやはり栽培にありました。ロックで栽培を担当しているだけあって自然なアプローチでの栽培に習熟しており、さらには古き先達の話をよく聞き、実際の経験とも融合させて独自の栽培哲学を備えています。その実践の場が自身の畑です。
収穫量を徹底的に抑える(最低でも25hl/haを超えないようにする)こと、丁寧にブドウが熟すように収穫を遅くすること、遅い収穫時期であっても過熟にならないように剪定の時期をギリギリまで遅らせブドウの生育サイクルを導くことなど、プリューレロックにおいてでさえリスクを考えて避ける方法であってもヤン ドゥリューは挑戦します。
そして、最高のブドウを得てからの醸造に関してはいたってピュアそのもの。自然酵母での発酵、キュヴェのポテンシャルに応じた熟成期間を十分取り、瓶詰め時の亜硫酸の添加も原則行なわず、厳密な濾過もなし。ブルゴーニュワインという経済的に「守り」に入らざるをえないワインにおいては、かなり冒険的な挑戦です。