ピュアで美味しいワインをnoisyがご紹介します。 自然派、ブルゴーニュ、イタリアワインを好きな方は是非ご来訪ください。
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■ セシル・トランブレイ来日記念!
2025年2月19日テイスティングセミナーレポート・・by oisy

 お忍びで・・と言うことでは無かったのですが、この2025年2月にひっそりと忍び足でセシルが来日してくれていました。
 少数人数でテイスティングセミナーを行うので是非・・という事で noisyをご招待してくれたのですが、時はまさに決算真っ最中・・新着も何とかこなさないといけない・・激務中と言うことで noisy は参加を断念・・残念でしたが・・。
 せっかくご招待してくれたので、「noisyは都合付かないけど oisy でも良いか?」と尋ねたら二つ返事でOKが出たので、oisy を派遣することに。
 まぁ・・日本初輸入の時から延々と扱わせていただいて、「こんなに凄い存在になられるとは!」・・とは思っていましたが・・(^^;;
 ただ行かせるのも癪なので、oisyにレポートを書いていただきました。
 1級畑だとばかり思っていたレ・ボーモン・バがグラン・クリュを名乗れる部分を含んでいて驚いた・・とか、醸造の時はどんな風に意識しながら行っているかとか・・
「梗の使用は料理に塩で味をつけるようなもの」
「料理人で例えるなら、プレスは火入れ」
などなど、感触や感覚の部分の細かい部分まで話してくれたようですよ。oisy渾身で書かせていただきました。セシルファンならずとも、ワインにご興味のある方ならきっと必見のコラムです!
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ドメーヌ・アラン・ビュルゲ

アラン・ビュルゲ

フランス Domaine Alain Burguet ブルゴーニュ
● 久し振りの「ドメ ーヌ・アラン・ビュルゲ」です。ジュヴレ=シャンベルタンに本拠を置くビュルゲは、PK氏をして、

「グランクリュを持たないのはとても残念だ」
と言わしめています。

 そもそもこの言葉を書いた頃というのは、アラン・ビュルゲも村名ジュヴレ=シャンベルタンとそのヴィエイユ・ヴィーニュを造るのみで、88年までは1級レ・シャンポーさえ所有していませんでした。しかしながら、ヴィエイユ・ヴィーニュの素晴らしさから破格の評価、4つ星を取得していたんですね。

 味筋は、残糖による甘みを全く持たないビターさと、焦点がびっちり定まって一直線に伸びる芯を持ったもの..とても好感が持てますし、実際とても旨いです。

 今回は異例とも思える価格でご紹介できることになりました。荘厳さのあるヴォーヌ=ロマネ1級、さすがと言える味わいです。是非ともご購入ください。

2011 Bourgogne les Pince Vin Rouge / Jean-Luc et Eric Burguet
ブルゴーニュ・ルージュ・レ・パンス・ヴァン

10772

赤 辛口
フランス
ブルゴーニュ
ドメーヌ・アラン・ビュルゲ

新着メンバー登録画像  750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥4,990 (外税) 
【さすがジュヴレの重鎮!!旨いです!】
 今回のこの2アイテムは入りが違いまして、2008ジュヴレ・メ・ファヴォリットはイギリスの正規、2011パンス・ヴァンは日本の正規からの購入です。

 2011年以降はかなりの値上がりですので、実はこのパンス・ヴァンの価格はかなり安いと思います。条件をいただいて・・・出した価格です。2008年のメ・ファヴォリットと何百円かの違いなので、迷うところかもしれませんね。


 2008年のメ・ファヴォリットはビュルゲさんの看板ワインで・・もうトロトロになり始めたところでしょうか。ドライなのに羊羹を想像させられちゃうような、非常に官能的な味わいです。ジュヴレの底力はこれほどまでに有るかと・・・鉄っぽさ、ワイルドなスパイス、そして美しいエキス感と・・醍醐味を味合わせてくれます。しかしまだまだこれからでも有ります。こんなもんじゃないよ・・と言うのは、そこからまだ閉じようとしていることに気付かされると思います。非常にポテンシャルの高いジュヴレで、今後は5桁・・・現行ヴィンテージもかな?・・なってしまうと思いますので実にお買い得です。


 一方のパンス・ヴァンはアラン・ビュルゲ名からジャン=リュック・エ・エリック・ビュルゲと、息子さんたちの名前に変更になっています。

 名前のみでは無く、栽培も2012年からビオロジック、2013年からビオディナミへと転換しており、この2011年パンス・ヴァンも、そんな道筋が見えるような、実にナチュールな味わいです。 おそらくですが、2008年位以降は息子さんたちも手伝っていたと思われ、そんな彼らの自然派指向が、2008年のメ・ファヴォリットにも見え、2011年のパンス・ヴァンには顕著になって現れ始めていると言えます。


 さすがにメ・ファヴォリットほどの構成の大きさ、香しさには追いつかないものの、並みのジュヴレ村名を美しさ、、ナチュラルさで超えており、村名として飲んでも違和感を感じないほどです。味わいの方向性は、メ・ファヴォリットが村の北西の1級の高度の高い畑のような、非常に質の高い・・・香しい複雑性のある味わいなのに対し、パンスヴァンは村の北から南の低い位置にある畑の様な、ある種の柔らかさ、おおらかさ、ゆったりさを持ったものになっています。

 ですので、ジュヴレの特長も持ちつつ、ナチュラルな果実感をそのままに楽しめる味わいに仕上がっています。

 実はこのワインも10年ほど寝かせると・・・結構凄いですよ。もし我慢できるようでしたらやってみてください!

 このところアラン・ビュルゲさんを押していますが、男っぽい・・無骨な味わいだと理解している昔からのブルゴーニュ・ファンが多いと思います。凄く変わっていますよ・・・無骨さはほぼ無いと言って良いと思います。是非トライしてみてください!お奨めします!

ドメーヌ・ユグノー・ペール・エ・フィス

ユグノー・ペール・エ・フィス

フランス Domaine Huguenot Pere et Fils ブルゴーニュ
● 何でここに存在するのかさえ、よく覚えていないと言う・・しかし、1990年という誰もが知るブルゴーニュのグレートイヤーのジュヴレ=シャンベルタンのグラン・クリュをご紹介させていただきます。


1990 Charmes-Chambertin Grand Cru D.L.
シャルム=シャンベルタン・グラン・クリュ D.L.

1482
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ジュヴレ=シャンベルタン
ドメーヌ・ユグノー・ペール・エ・フィス
お一人様1本限定 + 販売条件の無いワイン1本

◆メディア情報
◇2017年もの
17/20 Points La Revue du Vin de France
◇2016年もの
17/20 Points La Revue du Vin de France
◇2015年もの
17/20 Points La Revue du Vin de France
◇2014年もの
17/20 Points La Revue du Vin de France
17/20 Points 2018~2025 Bettane et Desseauve
◇2016年もの
93 Points Tim Atkin
◇2014年もの
92 Points Tim Atkin
◇2013年もの
17.5/20 Points La Revue du Vin de France
◇2012年もの
17.5/20 Points La Revue du Vin de France
16/20 Points 2020~2027 Bettane et Desseauve
◇2011年もの
17.5/20 Points La Revue du Vin de France
◇2010年もの
17/20 Points La Revue du Vin de France
16/20 Points 2020~2028 Bettane et Desseauve
◇2009年もの
17/20 Points La Revue du Vin de France
◇2008年もの
16.5/20 Points La Revue du Vin de France
◇2007年もの
15.5/20 Points La Revue du Vin de France
◇2006年もの
15.5/20 Points La Revue du Vin de France
◇2005年もの
15/20 Points La Revue du Vin de France
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥17,980 (外税) 
【なんとバブル崩壊前の35年もののシャルム=シャンベルタン!・・造り手は長熟タイプのガッシリしたワインを造ると言われたユグノーです。】
 1990年と言えば、もう35年も前のことになります。時が経つのは早いもので、まだ日本が土地ころがしやら・・タクシー券やらで賑わっていつつも、

「(・・いつまでもこんなことが続くんだろうか?・・良いのか・・?)」

などと思えていた方ならまだしも、若造の noisy は、世の分からず屋たちを何とか物分かりが良いように出来ないものかと、冷たい仕打ちの中、奮闘していた頃です。

 もっともこのワインが届いた頃には、

「バブル崩壊」

が言われていた訳ですが、noisyがその本当の意味を肌で感じるようになるには、まだ数年掛かったと・・思い出します。

 ですがこのドメーヌ、現在も日本で「いろはワイン」さんで輸入されいます。でもこのワインはその前のエクスクルーシヴをお持ちだった?・・アズマコーポレーションさんの輸入です。

 なんでここにあるのか・・果たして飲んだのか・・さえ覚えていないので、どうにもしようがなく・・放置されていた訳ですが、

「さすがに35年もののシャルム=シャンベルタン・・流石に超熟タイプのワインを造ると言われていた(それは知ってる)にせよ、いい加減・・飲むべきだtろう?」

とは思うので・・引っ張り出したと言うことなんですね。

 ちなみに・・赤ワインの熟成を外観からの視線で追いますと、

「熟成してくると淡くなって行く」
「次に澱が盛大に出て来る」
「澱がボトルの半分ほどを占め、上部はやや明るくロゼっぽく見える」
「最後は澱がボトルの底に集まり、上部は透明で水のように見える」

と言うことになります。

 ですのでこのワイン、色はしっかりしていますので・・まだまだ大丈夫です・・が、いつまで持つかは環境次第・・荒い扱いをしますと当然ながら・・寿命は短くなります。

 なお、面白いのは・・

「最後の状態で上澄みを飲んでも、一応・・ワインらしい味わいはする」

んですね。めちゃ美味しいとはとても言えませんが・・(^^;; そのワインによって異なるかもしれませんが、流石にそこまでは中々確かめられません。

 超熟タイプのワインを造っていた先代のワインです。キャプスュルは回り、1990年もので有りながら液量はフル、色もしっかりしています。

 ただし、

「白いラベルは薄汚れが有り、キズも有るかもしれない」

状況では有りますので、ご注文いただいた際にはご了承いただいたものとさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

ドメーヌ・アラン・コシュ=ビズアール

アラン・コシュ=ビズアール

フランス Domaine Alain Coche-Bizouard ブルゴーニュ
● かのコシュ=デュリのいとこの家に当たるアラン・コシュのドメーヌをご紹介します。

 ジュリアン・コシュ・デュボー氏が1940年にドメーヌを始め、息子のアラン・コシュ・ビズアール氏が継ぎます。アランさんはドメーヌ・コシュ=デュリのフランソワが従甥で、ジュリアンさんとフランソワさんの祖父が兄弟です。

 1998年から三代目のファビアンさんが継ぎ、コシュ=ビズアールのドメーヌ名は2012年ヴィンテージからは以前ネゴス名で使用していた(ドメーヌ・)ファビアン・コシュに変更されました。

 自然に近く仕立てられた畑から熟した葡萄を収穫、白ワインは樽発酵・樽熟成、赤ワインはステンレス発酵、樽熟成です。新樽の比率はACブルゴーニュ5%、村名畑15~20%、1級畑20~25%と低めで、ナチュラルな味わいを旨としています。


1976 Meursault Rouge
ムルソー・ルージュ

8474

赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ムルソー
ドメーヌ・アラン・コシュ=ビズアール
お一人様1本限定 + 販売条件の無いワイン1本

◆◆◆ お一人様1本限定 + 販売条件の無いワイン1本
■アペラシオン北部、東側に隣接する畑(le Pre de Manche)。
南向きの緩やかな斜面。0.25ha。新樽15~20%。
◆◆◆ 赤ワインです。お間違い無きよう!
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥12,000 (外税) 
【何故か1本出て来ました。半世紀目を生きる・・1976年もののブルゴーニュ・ピノ・ノワール、それもミネラルを多く含む粘土質のムルソー村北側の村名!】
 まぁ..ここまで古いワインで、ここまで安いのは・・昔仕入れたからであって、今なら一体いくらになるのか・・判らないので「言い値」になる訳ですね。

「古くなればなるほど美味しい!」

と思っている方はおられないとは思いますが、古くなればなるほど・・

「うわ・・まだワインだった!・・凄いね!」

みたいな感覚が強くなってくるものです。

 ですので、

「滅茶苦茶美味しい!」

と感じられるかどうかは、その方のスキルや感性によります。

「ん~・・イマイチだったな・・」

とか、

「これは好きじゃない・・」

と思われることも有るかもしれませんが、ワインとはそういうものです。

 到着したばかりのワインならいざ知らず、50年目の今を生きているワインですから、何とか美味しく飲める工夫を一生懸命してください。

 キャプスュル下25 mm ほどの液量、キャプスュルは回り、色は比較的濃く、非常に輝いていて・・素晴らしい状態だと思いますが、

「美味しいと保証するものでは無い」

ので勘違いしないでくださいね。・・そういうものですから。どうぞよろしくお願いします。



 以下は1970年台のこのワイン他のレヴューです。
-----
【わお!ムルソーの赤なんて!・・お久しぶり!】

 皆さんはムルソーの赤の存在を知っていらっしゃる方も多いと思いますが、知らない方もそれなりにいらっしゃるんじゃないかと想像しています。noisy がワインをかじり始めた頃はまだ、

「ムルソーは赤も白も有る」

と覚えていました。今のシャサーニュのような状況でしょうか・・。シャサーニュの赤って、けっこうコッテリしてて美味しいですよね。でも、ヴォルネイ=サントノもムルソーの村の畑ですから、ムルソーの北部、そして東寄りの下部は、今でもピノ・ノワールが植わっていたりします。・・まあ、だいぶシャルドネに改植されたようですが。それは、やはりムルソーと言えばシャルドネ、シャルドネと言えばムルソー・・と云う、アメリカでのセールスを期待してのようです。濃厚タイプのシャルドネをムルソーと・・・言っていたようです。

 今ではムルソーの赤と言うと、コシュ=デュリの「コート・ド・ボーヌ・ムルソー」もしくは「ムルソー・コート・ド・ボーヌ」が思い浮かぶ位・・・、まあ、コシュ=デュリが出てくる位ですから、何かの関連を考えてしまいます。それ位、ムルソーの赤は少なくなってしまいました。

 それでも、ムルソーのワインをテイスティングするたびに、

「粘土の存在は?」
「石か岩か・・」
「重さは・・」

とかを考えていると、何となくリューディの限定が出来てくるようになりました。

 今回は、全くのムルソー・ルージュですので、おそらくはヴォルネイに接する辺りの下部の畑だと思いますが、岩とか、石とかを連想させるものが有ったとしたら・・、結構良い畑にたまたま昔から植わっていたピノの可能性も有るかもしれません。年的にも、1976年はとても良い年ですので、期待出来るでしょう。飲んだエージェントの担当さんは、

「結構若くて、まだまだこれから行ける感じで旨かった」

とのことです。ご検討ください。


 一方のポマールですが、北からボーヌ、ポマール、ヴォルネイ、ムルソーと続きますので、ムルソーの軽めの粘土とはかなり違った感じでしょう。完全に熟したポマールを見ることができるんじゃないかな?と思います。コンディションも良いので、幾つかタイプの違うグラスをご用意されて飲んでみてほしいと思います。勿論、「溜めるタイプ」と「開放タイプ」が有ると余計に楽しいです。ご検討ください!

 以下は2012年のこのワインのレヴューです。
-----
【玄人もとっても楽しめる要素たっぷりなピノ・ノワールです!旨い!】

 今では「てっきり見なくなった」ムルソーの赤です。その昔コシュ=デュリも、「そんな名前付けて良かったんだ?」とばかりの「へんてこな名前のムルソーの赤」を造っていましたが、どうやら売却してしまったようです。親類同士なので、もしかすると同じリューディ「ル・プレ・ド・マンシュ」だったかもしれません。

 この畑は実は・・あの「ヴォルネイ1級サントノ」の南に接していますので、結構似た部分が有り、複雑性、多様さが感じられる素晴らしい畑です。しかもレ・サントノはムルソー村に有りながらヴォルネイ1級ですが、「ル・プレ・ド・マンシュ」も南に接しながら、同じムルソー村に有るのに村名のリューディなんですね。

 まぁ、ムルソーの赤と言うとほとんど見ないですから、ヴォルネイ=サントノ、もしくはサントノ=デュ=ミリュをお飲みになられたことが有るようでしたら、

「プティ=サントノ風」

だと思っていただくとニュアンスが近く判りやすいかな?と思います。


 色合いも非常に良いですよね。サントノほどは濃密な色合いでは有りませんが、1級サントノやサントノ=デュ=ミリュはポテンシャルは高いんですが、熟すのに結構な時間を必要とする場合が多いです。

 飲んでみるとかなり複雑性が高いのに驚きます。その上で、結構なバランスになっています。

 例えば、ジュヴレっぽいニュアンスが出てきたかと思うとポマールっぽくなったり、そうこうしているとシャンボールか?・・などと思っているとヴォーヌ=ロマネっぽい皮革のニュアンスが出てきたり・・かなり多様性に満ちた要素を持っているんですね。

 で、その要素が余り突出してないんですよね。なので、ある意味、全体とすると「没個性」になっちゃうのかな?と思います。

 しかしながら部分部分を見て行くと、上記のようにかなりな多様性が感じられるので、非常に楽しいし、見つかった要素をパズルにみたてて当てはめて行くような・・まぁ変人ですが・・楽しみが有ります。

 つまり、

「要素が余り無くてバランスが取れているのでは無く、要素がかなり沢山存在した上で高度なバランスが取れている」

ワインだと言うことなんですね。なので、非常に詰まっている感じがするんですが、滑らかに飲めてしまう、少し不思議なワインです。


 果実的にはかなり深い赤黒果実の少しワイルドなニュアンスがトップノーズに有り、口に含むと赤黒ベリーですね。ドライながらも旨みのエキスが有り、樽臭く無く、滑らかです。とても美味しいと思います。エキス系です。


 今回ご紹介分は正規品では無くブローカーより購入していますが、非常にリーズナブルです。正規だと・・ほぼ卸値ですよ・・。と言うか、正規が高過ぎるプライスだと思います。そんな訳で、少量のご紹介です。かなり楽しめる「ムルソーの赤」です。白では無いので・・ご注意ください。お勧めします!

ドメーヌ・アミオ=セルヴェル Dirty Label

アミオ=セルヴェル Dirty Label

フランス Amiot-Servelle ブルゴーニュ
● 現在このドメーヌはアミオ=セルヴェルとなっており(その前はクレマン=タショーだったかな?)・・・ここは何故か女系のドメーヌでして男の子が生まれず、お婿さんに入っていただいてドメーヌが続いていますので名前がどんどん変ります・・

 その昔は noisy も頑張って販売していた時期が有ったんですね~・・。年により、やや硬く仕上がることも有ったんですが、ACブルからレ・ザムルーズ、クロ=ヴージョまで、非常にリーズナブルだし旨いし・・とても好きなドメーヌでした!

 今回は正規輸入では無く、ブローカーものです・・いや、正規だったら価格はこの1.5~2倍以上ですよ・・何だかな・・です。


2013 Chambolle-Musigny
シャンボール=ミュジニー D.L.

14389
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
シャンボール=ミュジニー
ドメーヌ・アミオ=セルヴェル Dirty Label
お一人様1本限定 + 販売条件の無いワイン1本

◆◆◆ エチケットに「キズ」が有ります。ご了承くださいませ。
◆◆◆ お一人様1本限定 + 販売条件の無いワイン1本にてお願いいたします。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥9,650 (外税) 
【超繊細系シャンボール=ミュジニー!・・超細い絹糸を織り上げたようなテクスチュアからエレガンスが零れて来ます!】---以前のこのワインのレヴューです。
 ワインをどうご紹介するか・・と言うのは非常に難しいことです。noisy も長年やってきていますが、途中、随分と悩んだものです。お客様にこのワインを知ってもらいたいと言う気持ち、それをどのように表現するか・・。

 やはり嘘は付きたくないし、面白いと思ってもらわないと、このような弱小サイトは埋没してしまいますし、さりとて、自身の表現力は色々な経験からの発露だと思いますが、

「ワインばかりを飲んでいるだけ」

と言う生活の中で、余りの表現力の無さに、

「・・何か、空っぽになっちゃったかな・・」

などと感じたことも有りました。ほとんど物書きの生活 + α ですから・・。まぁ、でも現在はどうでもよいからnoisy 的にやれば良いと吹っ切れてはいます。


 このような、昔から知っている造り手さんは良いですが、知らない造り手さんのワインに手を出すときは慎重ですよ。1ケース買って1本飲んで、そのままお蔵入り・・なんてワインはざらに在りますから・・失敗するとそうなっちゃいますんで。

 だから、ネットでその、noisyが知らないワインはどんなワインなんだろうと検索しても、結局は、

「・・全然どんなワインなのかが判らない・・」

と言うことにブチ当たってしまいます。


 誰それが何点付けた・・は判りますが、「スミレ、バラ、完熟したブラックべリー&ラズベリーに南国フルーツ・・云々」言われましても混乱するだけでイメージが全く沸かないです。

「濃いスタイルに属すと思われるシャンボール=ミュジニーで・・」

 などとやってくれますと・・判りやすいですよね?・・これだと少し前までのユドロ=バイエが頭に浮かぶかな?そして、フルーツを言いたいなら1~2種類で良いんじゃないかと思うんですね。何種類も、何十種類も言いたがりますが、そうなると、

「何を言いたいの?」

と、そっちの方が気になっちゃってワインの説明どころじゃ無くなっちゃいます。


 なので・・ハッキリ言います。


 この2013年のシャンボール=ミュジニーは超繊細系です。濃くは無いです。ヴィンテージの要素も影響していると思いますが絹ごしの滑らかテクスチュアに残糖分をほぼ感じない、とてもドライなスタイルです。

 エレガントとは言っても、人気の有る「ルイ・ユエラン」のような「ほのぼの」「しみじみ」滲みだすようなスタイルでは無く、しっかりと分子の一つ一つが主張している、「キリっとした感」を持っています。

 まぁ、造りとしますと最近のスタイルでしょうか。超エレガントにしたユドロ=バイエ・・か、2015年限定でルイ・ユエランのシャンボール村名が近いです・・が、高貴さはこちらのアミオ=セルヴェルが秀逸です。ややソリッドで美味しいですね。

 今飲んでも充分だと思いますが、熟成に時間のかかるのがシャンボールですから、今から30年ほどは平気で熟成します。まぁ、そんな先の話しになりますと noisy はもう検証不能ですんで、お客様の方でどうぞ!

 価格は、正規品では無いので相当に安いと思います。2013年ものも見なくなって来ましたので、是非・・。あ、正規は最近、変わりましたので少し安くなったのかな?・・しかし、倉庫や運用、考え方に問題が有るように感じていましたので、そちらからは今のところ買えないでいます。ブローカー仕入れですがコンディションは良いですよ。

 少し熟し始めています。是非挑戦してみてください。お勧めします!



以下は2015年シャンボール=ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・プラント のレヴューです。
━━━━━
【このエレガンスは素晴らしい!!ドライなエキスから香り立つアロマの質の良さを感じてみてください!】


 もう時効でしょうから話してしまっても良いかと思うんですが、25年ほど前・・頃だったか、とても小さなインポーターさんと取引が有りまして、そこで扱っていたんですね。

「アミオ=セルヴェル・・安くて美味いよね。エクスクルーシヴ(専売権)、持ってるんでしょ?」

とnoisy が尋ねると、

「・・いや、ドメーヌに毎年出かけて行って交渉して仕入れるんですよ・・。すぐ売ってくれるんで・・。」

などと安易に思えるような答え・・。

 ブルゴーニュのワインの流通の厳しさを身にしみて感じていたnoisy にとっては、有り得ない答えだったので、

「そんなことじゃ・・ある瞬間からパタッと買えなくなっちゃうよ。」

と忠告すると・・

「・・そうですかね~・・」


 ACブルが千円台、シャンボール村名3千円台、1級レ・プラントやレ・シャルムが6~7千円、レ・ザムルーズ、クロ=ヴージョが9千円位だったと思いますが・・美味いし安いし、で、人気の高いレ・ザムルーズは華やかだがやや硬く、1級レ・シャルムは大柄でほんのり硬く、レ・プラントはほんのりトロリとした柔らかさ・・(その頃は水ようかんみたいなニュアンス・・などと言ってましたかな)が心地よくて、ドライで充実したエキスの味わいが大好きでした。

 もう、今のPCのデータにも載らない位、古い話しですが、案の定・・しっかり某社にエクスクルーシヴを奪われてしまい、入手できなくなってしまいまして・・その後、その小さな会社も閉めてしまいました。どうしてるかな・・彼。


 そんな想いの有るアミオ=セルヴェルですが、新規に日本の代理店になられた会社さんの価格を見て・・目の玉が飛び出るか!・・と思いましたよ。その頃はまだほぼ無名でしたが、倍以上の価格になっちゃいました。

「・・ほんと・・やるよね~・・」


 そうなってしまうと一気に醒めてしまいますよね・・モチベーションも。なのでそれ以来、ご紹介することは稀で、仕入れたとしても信頼できるブローカーから、出来る限りテイスティングをして納得の行く品質のものだけをご紹介するドメーヌになっています。


 懐かしくてね・・レ・プラント。村のほぼ中心に有る1級レ・シャルムの北東と南西に分かれて存在している「不思議なロケーション」の1級畑なんですね。

 大柄でパワフルなレ・シャルムにとても良く似て・・などと言いたいところなんですが・・似てない!・・それはちょっと違うだろう・・と言うような印象です。

 「ぶわっ」と幅広く口内に押し入ってくる感じのレ・シャルムに比べると、もっと幅は狭くてエレガント、そして柔らかいし果実感やスパイス感も穏やか。

「節操が有る」

と言うのが正しいかな?・・節度を弁えた感じ・・です。意外にもシャンボール1級は「派手な奴」が多いですが、その中で最も穏やかながら、「内に秘めた魂!」みたいなものを感じるんですね~。


「安いし、久し振りにレ・プラントが飲みたい!」

と思って仕入れてしまった訳ですが、懐かしくて涙がチョチョ切れそうになりました。穏やかだけれどちゃんとしてる・・それが実に良いんですよ。レ・クラのように強い芯が有り果皮の分厚さなどを感じさせてくれるものでは無いんだけれど、

「noisy が理想とする奥ゆかしいシャンボールの充実した味わい」

がちゃんと・・有ります。


 で、他のアイテムのように硬く無い・・いや、今はどうだか・・他のアイテムもしばらく飲んじゃいませんから断言はできませんが、

「2015年レ・プラント1級は、今飲んでもその良さを充分堪能できるタイミング!」

と感じました。


 まぁ・・肩身の狭い婿さんが造るシャンボール=ミュジニー1級レ・プラントは正にそんな味わい!・・・なんてお題でも付けようかとも思ったんですが・・そりゃ余りに失礼だろ!・・と、noisy も節操節度を少しだけ働かせました。美味かった!・・響く人もいらっしゃるかと思います。ブルゴーニュ好きに飲んで欲しい・・安いです!お勧めです!.

メゾン・サルナン=ベリュ

サルナン=ベリュ

フランス Maison Sarnin-Berrux ブルゴーニュ
● 久しぶりのサルナン=ベリュです。ようやっと美味しくなってきましたので・・ご紹介します。
ブルゴーニュの新しいネゴシアン サルナン&ベリューは、金融関係に務めていたジャン=パスカル・サルナンとドメ ーヌワイン造りのかたわら醸造学校の先生もしていたジャン=マリー・ベリューの強力なタッグのもとに生まれました。
サルナンの住まいがあるサン・ロマン村で、2007年から厳選した畑のぶどうを買いワインを生産し始めました。澱引きは月が下がるときに、なるべく自然にがモットーで亜硫酸も極力使いません。
ゲストハウスの地下にあるカーヴを二人で改装し、解放樽のある場所や、樽を寝かせる涼しい地下セラーを蘇らせました。

2008 Saint-Romain Rouge
サン=ロマン・ルージュ

7368
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
サン=ロマン
メゾン・サルナン=ベリュ

新着メンバー登録画像  750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥4,800 (外税) 
【ようやく解れてきましたのでご紹介です!】-----リリース時のレヴューです。
もう・・入荷したのが2010年の春頃だったかな?・・硬くてねぇ・・・まるでミネラルの大壁に囲まれているような感じでしたので、どちらもしばらくお蔵入りでした。

リアルの31号のテイスティングでは、サン=ロマンのレヴューを担当していまして、書かせていただきましたが、かなり柔らかくなってきていましたので、ようやくのご紹介です。

(ノット・)ブルゴーニュは、
「選果をしっかりしているなぁ・・・気真面目さが出ている」
と言うのが最初の印象・・。反面、遊びが無いので、キチキっとし過ぎていて、緩み無く、硬い印象でした。

「時間が経てばかなり美味しくなるな」
と言うのは想像できましたが、想像よりは結構早めに熟してきたと思います。価格も安いし味わいもピュアです。とてもお奨めです。


サン=ロマンの赤は、出所は明かせないようですが、結構面白い比較対象になるかと・・思いますよ。ちょっとワルの入ったXXXXに対しての、このサルナン=ベリュの真面目さ!時間が経てば、この真面目な仕事振りが花を咲かせるのは間違い無いですね。・・でもワルでも更正すれば立派に大人になる可能性が大です・・・ん??何の話だっけか。

とても健全な、サン=ロマンの美しい一面を真面目に表現し、とても良い仕上がりになったと思います。少なくとも、やんちゃなガキ大将が造ったワインじゃありません(・・・子供の頃は知りませんが・・)。美味しいと思います。是非ご検討くださいね。

リアルワインガイド 31号より抜粋 (させていただきました)
やや薄めの色合いから重さを感じさせない石灰系ミネラリティ、チェリー、ベリー。やや穏やかな酸が柔らかさとエキスの旨みをストレートに伝えてくる。中域も充分で、複雑性はまあまあ。ジューシーな余韻はまだわずかに渋みとエグミ
の突起を感じるが、近い将来にはバランスされるだろう・・・って実はこのワイン、到着仕立ての個人的なテイスティングにて、余りの硬さに閉口して、今までお蔵入りだった。これならそろそろご紹介しても良いだろう。

エージェント情報
ワイン名 2008年NOT Bourgogne rouge ブルゴーニュ ルージュ 赤 辛口
品種 ピノノワール100% 平均樹齢35年
栽培 リュットレゾネ(減農薬) 粘土質土壌。
収穫量 38hl/ha。手摘み。 2008年は、腐敗や未熟なぶどうが無かったため、選果の必要がない完璧な作柄。醸造・熟成 ブルゴーニュ地方伝統の木製の「トロンコニック発酵槽」を使用.房丸ごとを4週間マセラシオン。フェノール成分が理想的な熟度に達したため、長時間ゆっくりと醸して繊細な成分を抽出させようと、マセラシオンの後半までフラージュ(足や機械で房をつぶす)をしなかった。天然酵母による発酵。発酵・熟成中は亜硫酸は使用しない。 熟成は、3、4年の古樽で12ヶ月。(新樽なし)熟成が終わると,清澄やろ過をせずに自然沈殿して済んだ部分だけを取り出す。
特徴 「ノット ブルゴーニュ」=ブルゴーニュにあらずの意味。 レッドチェリー、レッドフルーツ満載のコンポートパイ、赤いケシの花のアロマ。 非常に細かいミネラルパウダーのような品良く上質な味わいのタンニン。 厚みのある味わいと抽出成分の細かさから、びん熟成すると華やかな熟成香に変化する要素がある。 その名の通りACブルゴーニュを超えた味わい

ワイン名 2008年St Romain Rougeサン・ロマン ルージュ 赤 辛口
品種 ピノノワール100% 樹齢50年。粘土質石灰質土壌。
栽培 ビオロジック 雑草が生えると土を鋤き込んで除草する。
収穫量 38hl/ha。
醸造・熟成 ブルゴーニュ地方伝統の木製の「トロンコニック発酵槽」を使用.房丸ごとを4週間マセラシオン。 フェノール成分が理想的な熟度に達したため、長時間ゆっくりと醸して繊細な成分を抽出させようと、マセラシオンの後半までフラージュ(足や機械で房をつぶす)をしなかった。 天然酵母による発酵。発酵・熟成中は亜硫酸は使用しない。 熟成は、2?4年の古樽で12ヶ月。(新樽なし) 熟成が終わると,清澄やろ過をせずに自然沈殿して済んだ部分だけを取り出す。
特徴 香りはグリオット、フランボワーズ、鉄、ミネラル、熟したレッドカラント、赤ふさすぐりなど。将来、お香を連想させる香りもある。 若くフレッシュな酸と、ボリューム感のある果実味、凝縮感があるのでビン熟後も楽しみ。 出汁のような旨味のあるタンニンがしっかりと残るタイプ。色あいは明るく透明感がある。

ドメーヌ・モンテリー=ドゥエレ=ポルシュレ

モンテリー=ドゥエレ=ポルシュレ

フランス Domaine Monthelie-Douhairet-Porcheret ブルゴーニュ
● ポルシュレです。今回は蔵出しのオールド・ヴィンテージも届いています。液面が低いもの2本ばかりをテイスティングしましたが、これが超旨い!・・です。

 まぁ、皆さんも、

「液面の低いのは・・どうもなぁ・・」

と思われるのが普通でしょう。

 しかしながら、ドメーヌでちゃんとチェックした上で、そのまま出すか、リコルクして出すかの判断をし、リリースしている訳でして、なので、


「液面が低くても全く問題無い!」

と申し上げておきます。

 実際、液面が低い・・キャプスュル下から5センチほどのボトルは、滅茶苦茶旨かったです!・・これは1996年ポマール1級フルミエでしたが、キャプスュル下3センチほどの同年、ヴォルネイ1級アン・シャンパンより熟成度がやや高いものの、今飲んで絶好調に近い美味しさでした!


 また、ポルシュレさんと言えば、88年よりオスピス・ド・ボーヌからドメーヌ・ルロワへ、89年にはドゥエレさんと養子縁組でドゥエレ=ポルシュレ誕生へ、94年にはルロワを辞してオスピスへ戻り99年まで勤め上げ、並行してドゥエレ=ポルシュレで頑張っていた訳ですね。

 なので、オスピス・ド・ボーヌでは、醸造そのものには大きく関われなかったとしても、大事なエルヴァージュのほとんどをやっていましたし、ルロワでも彼の手腕で超一流のドメーヌにする先鞭を付けたと言えます。

 ドーヴネに関しては、マダムの理想を追求したドメーヌなので、よりナチュラルな方向性を持った造りと言う点で、ポルシュレとは異なると考えられますが、そうだとしても・・このドゥエレ=ポルシュレのワインはやはり魅力のあるものと考えられないでしょうか。


 今回は1988年ものから最新ヴィンテージの2017年ものまで、各アイテムは少量では有りますがご紹介させていただきます。おそらくですがこんなチャンスは最後かと思います。価格もリーズナブルです。ご検討くださいませ。


━━━━━
 前から気になっていた造り手のワインがようやく入ってきました。その名も「モンテリー=ドゥエレ=ポルシュレ」。知っている人なら・・

「・・おっ!・・ポルシュレって・・あのポルシュレ?」

 と思い当たるんじゃないかと思います。


■エージェント情報
 「Domaine Monthelie-Douhairet-Porcheret」は300年以上前にモンテリー氏によって設立された歴史あるドメーヌで醸造所にはドメーヌ設立当初から1930年代まで使用していた古い圧搾機が展示してあります。

 モンテリー氏の子孫によって畑は開墾され、最盛期には12haの畑を所有するまでになりました。1970年代初頭にドメーヌが2つに分裂して所有する畑も半分の6haずつに分けられ、一方のドメーヌは畑を売却してしまったため、もう一方のドメーヌ運営を引き継いだモンテリー一族の流れを受け継ぐアマンド女史が残された6haの畑でワイン造りを続けました。

 1989年にはアマンド女史の養子でオスピス・ド・ボーヌの運営管理を12年続けた後、「Domaine Lalou Bize - Leroy」の運営管理を務めていたアンドレ・ポルシュレ氏がドメーヌに加わりました。2004年にアマンド女史は亡くなりましたが、ドメーヌに大きく貢献したアマンド女史の名前は今もキュヴェ名に残っています。

 現在はアンドレ・ポルシュレ氏の孫娘であるカタルディナ女史が定年で引退したアンドレ・ポルシュレ氏の教えを受け継いでワイン造りを行っています。

所有畑は現在でも6haのまま変わりありません。畑仕事は昔ながらの耕作や剪定、必要に応じた摘房などを行い、収穫は手摘みで葡萄が自重で潰れないように容量25kgのケースを使用しています。

 葡萄は選別台で厳しくチェックして100%除梗を行ってからブルゴーニュでは伝統的な木製の開放桶でアルコール醗酵を行います。酵母は葡萄の健康状態が良ければ自然酵母、そうでなければセレクション酵母を使用。

 毎日液循環と軽い櫂入れを行いながら18~20日間醗酵させます。ワインはポンプを使わずに重力によって移動させ、300年以上前に建てられたアーチ型天井のカーヴ内に並べられた228Lのブルゴーニュ型樫樽(新樽約10%)で20~22カ月間熟成させます。テロワールを表現できるように人の干渉は出来るだけ行わず、化粧をしていないワイン造りを心掛けています。



1993 Monthelie Rouge Clos du Meix Garnier Monopole
モンテリー・ルージュ・クロ・デュ・メ・ガルニエ・モノポール

14895
自然派
赤 辛口
フランス
ブルゴーニュ
モンテリー
ドメーヌ・モンテリー=ドゥエレ=ポルシュレ

■エージェント情報
 1.36ha。粘土石灰質土壌。樹齢約45年のVV。木製発酵槽で発酵後、新樽率10%で15ヶ月間熟成。
◆◆◆液量はたっぷり入ってます(キャプスュル下から1cm以内ほど)。正に絶妙のタイミングを思わせるような官能的な色合い!・・色だけでも感動ものです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥11,980 (外税) 
【まさにブケ一色!この1993年レ・デュレッス・ルージュはポマール・フルミエっぽい仕上がりでした!】・・こちらはモンテリー村名クロ・デュ・メ・ガルニエです。
 古酒はヴィンテージでも味わいが異なりますが、その個体それぞれでも同じにはなりません。延長上には有るのが普通ですけど。

 液量はしっかり入っています。何故か・・同じ1993年のクロード・デュガのジュヴレ=シャンベルタンを思い出しました・・似ちゃいないんですが、雰囲気がそっくりだったんですね。1993年のニュアンスなのかな?・・香りの記憶って、結構恐ろしいです。自分でもそう・・思います。すっかり忘れていたのにとんでもないことも思い出しちゃいますよね。

 若いフレーヴァーはすでに無く、新たな境地に入って来た段階かな?・・と思います。まだこの先も10年ほどは行けるでしょうし、2~3年したら完熟かな?・・とさえ思いますし、いや、2~3年前が良かったかも・・とも感じます。

 ミネラリティは素晴らしくしっかりしています。先に書いたように、1993年っぽい・・です。これは何とも説明できないんで困っちゃいますが・・(^^;; 勿論ですが、個体差が有りますんで、noisy が感じたような部分がソックリ同じだとは限らないでしょう。


 今回はグレートイヤー、1990年ものもいただきました。しっかり澱を落として、休養をさせてからお楽しみください。


 以下は最近のこのワインのレヴューです。
━━━━━
【リーズナブルなヴォルネイ1級同等!・・と思っていただいて良いかと思います!】

 左の写真は・・結構良く撮れたかな・・と自画自賛しています。

 いや、写真として良く出来た・・と言うことじゃなくて、写真としては全然ダメだと思いますが、

「正確に香りや味わいを想像させてくれる感じに撮れた!」

と言う点だけですね。


 何せ、抜栓後にグラスに注いで即写真を撮るので、「こんな風にしたい・・」と言う意識は働かないんですね。なので時折、全く自身の感覚とは違う方の映り方をしていることも有ります。言ってしまえば、

「ポルシュレのレ・デュレッス・ブラン'16 は失敗・・」

と思っています。レ・デュレッス・ブラン...滅茶美味しいんですが、美味しそうには撮れなかったと残念に思ってます。


 しかしこの赤の方は、見ていただいたら全くそのまんま・・とnoisy は思っています。プラムに石灰や綺麗な土、そこに軽い黒果実が入ったニュアンス。ヴォルネイ1級の軽やかなタイプと重厚なタイプの中間的な重量感がそのまんま・・映っているかと思います。勿論、完全に開いてはいないものの、適度な締まりと解放が有り、構造の深い部分からの訴えも届きます。

「・・意外に・・いいなぁ・・」

と言う感じです。ヴォルネイの、どちらかと言えば軽薄にも感じるライトな美味しさも、どこかに持ちつつ、ムルソーに近い方の重厚複雑な粘土由来の美味しさもそれなりに持っている感じですね。ヴォルネイ1級で・・良いんじゃないの?・・と思ってしまいました。

 良く出来たワインだと思います。さすがポルシュレ...と言う感じがします。是非飲んでみてください。お勧めです!

ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス

ブシャール・ペール・エ・フィス

フランス Domaine Bouchard Pere et Fils ブルゴーニュ
● 昨今はだいぶ復活したとされるブシャール・ペール・エ・フィスですが、昔は随分とがっかりさせていただいたものです・・・まあ、ワインが悪いだけでは無く、日本のエージェントも、そしてワイン屋でさえも、さほどの管理と思い入れが無かったのは事実です。

 数年前に1997年ものをご紹介させていただきましたが、このランファン・ジェズユはブシャールの看板ワインのひとつです。noisy も久し振りに飲ませていただき、感激しました。「幼子のイエス」と、凄い名前の付いたワインをご検討いただければと思います。



2008 Beaune 1er Cru Greves Vigne de l’Enfant Jesus
ボーヌ・プルミエ・クリュ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ

11718

赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ボーヌ
ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス

■エージェント情報
 こちらは日本市場でもお馴染みの大規模ドメーヌ「ブシャール・ペール・エ・フィス」です。1731年創業という老舗ですが、現在のオーナー「ジョセフ・アンリオ」氏は、それぞれの畑の個性が忠実に反映されたワインこそ理想のワインであるとし、厳しい収量制限、熟練の摘み手による手摘み収穫、丁寧な選果などの工程を忠実に守って高品質なラインナップを世に送り出しています。
 さらに、同社の品質への徹底したこだわりは、その樽の扱い方にも表れています。「樽香は、各畑のブドウの個性を100%引き出すためにあるのであって、多過ぎても少な過ぎてもいけない」というポリシーの元に、なんとアンリオ氏は独自の製樽会社まで設立してしまったのです!
 それぞれの畑と一番マッチングした樽を造るべく、樽の材料となるオークの産地、木目の細かさ、樽の内側の焦がし加減にまで細心の注意を払っています。
 「ボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ」は、「幼児イエスの畑」の意味を持つ、ブシャール・ペール・エ・フィスのモノポール。ボーヌ・プルミエ・クリュの中でも最良の区画と言われており、その舌触りは「ビロードのような」と表現されるほどです。2008年ヴィンテージのパーカーポイントは、なんと93点!!
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥9,880 (外税) 
【フィネスたっぷりのしなやかで高質なピノ・ノワールでした!「気品」こそこのワインの表現です!】
 昔からブシャールのワインは好みでは無く、外で出会ってもまず・・飲みませんでしたが、2アイテムだけ・・まぁ3アイテムかな?・・例外が有ったんです。

 その一つは・・言わずと知られたモンラッシェ・・ですね。まぁ、このモンラッシェですが、ブシャール社では2種類出していたので・・それともう一方がこの

「ランファン・ジェズュ・ボーヌ・グレーヴ」

です。

 まぁ、中々コンディションの良いものには当たらなかったですが、それでも、

「シャンボール=ミュジニー的エレガンスをさらに磨いたような気品」

を感じていました。

 今回はまぁまぁの数をブローカーさんから購入出来たので、本当に久し振りに飲んでみました。


 いいですね?・・アンリオに買収されてからのブシャールは、全然悪くないです。日本の正規のコンディションはもう確かめる気にもならないので・・

 一般的にボーヌ・グレーヴと言うと、確かに1級畑としての素質は認めるとしても・・

「でも・・ボーヌだからね・・」 と感じてしまうギスギス感に近いものが有るかと思います。

 この2008年のランファン・ジェズュは、そんな尖ったような部分はまるで無く、まるっと、するっと、そしてじわっとして来ます。テクスチュアはシャンボールの良い畑のような、非常に肌理細やかでなめらかです。むしろシャンボールの方が「味わいがキツク」感じられるほど、フィネスがたっぷりです。

 濃密さを感じるほどのことは全く無く、薄さなども全く感じない・・ベストなレベルです。最初から最後まで、非常にエレガントです。全体的にはむしろヴォルネイのエレガントな畑のものに近いかもしれませんが、やはり精緻さと複雑さ、ミネラリティの細やかさがより有って素晴らしいかと思います。

 透明感が有って、濃いようで、でも淡い・・そんな色合いですよね?・・今飲んでベリーグッドなタイミングです。

 でも、そんなワインですから・・扱いには注意しましょう。振って持っていってすぐ飲む・・とか、到着してすぐ飲んじゃう・・のは、この素晴らしいフィネスを結構な具合に削ってしまいますので・・。少なくとも3日ほどは静かに休ませ、お楽しみいただけると、上記の意味が良く判るかな・・と思います。

 古くより、愛されてきた長い歴史の有る畑のワインです。ご検討くださいませ!

ドメーヌ・デュ・クロ・ド・タール

デュ・クロ・ド・タール

フランス Dimaine du Clos de Tart ブルゴーニュ
● 久し振りのクロ・ド・タールです。ご存知モレ=サン=ドニの孤高のモノポールです。1996年から醸造責任者を務めたシルヴァン・ピティオさん(写真)が引退、そしてドメーヌ・ド・ラルロのワイン人気を瞬間で沸騰させたジャック・ドヴォージュさんがクロ・ド・タールへ・・と言う、何と劇的な人事異動?でみなさんもご存じでしょう。

 ・・そうかといって、じゃぁクロ・ド・タールを飲んだことが有るのか?、どんなワインなのか?と聞かれたら、

「・・知ってるけど・・飲んだことが無い・・」

「黒土タール?・・それって・・ワイン?・・黒そうだね~・・」

のような返答が普通なのかもしれませんね。でも今ではコート・ドールを代表する素晴らしいグラン・クリュです。


 クロ・ド・タールは1141年に修道女によって設立されました。1791年にマレ・モンジュ家が買い取り、その後マコネに本拠地を置くモメサン家 に渡りました。コート・ド・ニュイのモレ・サン・ドニ村に位置する7.53ヘクタールの単一畑で今まで一度も分割された事がなく、一社が所有する ブルゴーニュのグラン・クリュでとしては最も大きい畑となります。

 土壌はかなり均一な粘土石灰質ですが、石灰質の違いによって6つのミクロ クリマに分け、それらを別々に収穫しています。平均樹齢は60年で古いものは100年を越えます。植え替えはマサール・セレクションによって 行い、自社の小さな育苗施設(ナーサリー)では厳選した台木を保管しています。

 1999年に新しい醸造設備を設置し、発酵槽、プレス、選果 台などを全てステンレス製のものに刷新しました。ミクロクリマ別に収穫・選果し、それぞれ別に仕込みます。除梗の有無はその年のブドウの 状態によって判断します。アルコール発酵後、新樽に移し10ヶ月熟成させます。その後地下のセラーでさらに樽熟、そして瓶詰め後、気温13 度、湿度75%に保たれた最も地下深いセラーにて保管されます。この完璧な環境の中でゆっくりと美しくワインが熟成します。

 18世紀以降、ブルゴーニュでは8月に収穫が始まった早熟なヴィンテージが6つあります。1719、1822、1893、2003、2007そして 2011。この10年以内で3度も発生しており、温暖化の影響は明らかです。2011年の気候条件は気まぐれで予測不能でした。春の日 照量は平均以上で、発芽や開花を早め、雨の多い夏であったにも関わらず、驚くほど早い収穫となりました。8月20日にはブルゴーニュの一部の畑で収穫が始まったほどです。8月末に暖かく乾燥した理想的な天候へと回復し、タンニンやアントシアニンを含むフェノールの成熟、糖と酸を含む生理学的成熟を待ってから収穫をすることに決めました。2011年はブドウ栽培者のヴィンテージで、勤勉で先見の明があり、正しいタイミングで正しい判断ができる事が成功の最大の秘訣となりました。

 2011年のクロ・ド・タールはチャーミングなワインで何世紀にも渡って私たちのワインの評価を高めてきた基本的な個性が全て表れています。これらの特徴を表現するとすれば、エレガント、芳醇、スレンダー、風味豊か、柔らかい、など女性らしさの特徴として挙げられる要素であると思います。



2015 Clos de Tart Grand Cru
クロ・ド・タール・グラン・クリュ

13702
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
モレ=サン=ドニ
ドメーヌ・デュ・クロ・ド・タール
お一人様1本限定+他の制限の無い造り手さんのワイン6千円(税別)以上

◆◆◆販売条件:お一人様1本限定+他の制限の無い造り手さんのワイン6千円(税別)以上
◆◆◆正規輸入品。ジャック・ドヴォージュ時代の希少な2015年、アドヴォケイトも 97~99 Pointsです。

■メディア情報
 97~99 Points The Wine Advocate
 今飲んで 95点 ポテンシャル 98点 飲み頃予想 2022~2060 リアルワインガイド第61号
■エージェント情報
 テイスティング・コメント:畑の土壌や立地の良さのおかげで、シャンベルタンの強さとミュジニーのエレガンスの双方を備えています。樽熟成:17ヶ月。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥79,800 (外税) 
【リアルワインガイド第61号も 今飲んで 95点 ポテンシャル 98点 飲み頃予想 2022~2060!アドヴォケイトも 97~99Points 2020~2050 と弾けてます!!】
 ジャック・ドヴォージュさんがド・ラルロを去ったのは非常に残念でした。確かに前任者のオリヴィエ・ルリッシュさんもお上手な造り手さんでしたが、ジャック・ドヴォージュさんに代わった途端にワインが滑らかなテクスチュアになり、立体感を増したのには驚きました。今、ド・ラルロはその路線を踏襲しています。

 あっという間にド・ラルロを去ったドヴォージュさんでしたが、2014年の年末ギリギリまで義理堅くド・ラルロの仕事をしていたそうで、今回ご紹介の2015年もののクロ・ド・タールは、彼が関わった最初のヴィンテージと言うことになります。

 近年のクロ・ド・タールの評価は、2000年以降、「ブルゴーニュのグレートワイン」のひとつとして顕著になっています。

 例えばアドヴォケイトはいつの間にかクロ・ド・タールにご執心になっていまして・・あれほど貶していたんですけど・・、特に2010年以降は・・

2010 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 98 Points
2011 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 93 Points
2012 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 97 Points
2013 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 93 Points
2014 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 95~97 Points

と言う状況です。


 そして、ジャック・ドヴォージュさんがクロ・ド・タールに入った2015年、遂に今までの最高点を超え、

2015 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 97~99 Points

としたようです。


 リアルワインガイドも第53号から掲載し始め、

第53号 2013 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 今飲んで 92 ポテンシャル 96
第57号 2014 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 今飲んで 95 ポテンシャル 97
第61号 2015 Domaine du Clos de Tart Clos de Tart 今飲んで 95 ポテンシャル 98

と、毎年の様にポテンシャル点を上昇させています。


 やはりジャック・ドヴォージュさんが絡んだと思われる2014年ものからの評価が一段と高くなっており、彼の持つ感性がテイスターの心に響くものがあると感じさせます。


 しかし、それにつれて価格も上昇しており、2011年頃ですとまだ何とか2万円台も有ったかと思いますが、2014年ものからは正規品は5万円台が最安値と言えます。


 今回は何とか正規エージェントより仕入れられまして・・(ジェロボーム社)、品質も確保され、万全です。

 noisy も何とか飲みたいところですが、今は安易に開けるべきでは無いかな・・と自重しています。他に飲まなければならないアイテムが山ほど在りますんで・・ただしジャック・ドヴォージュさんのクロ・ド・タールには興味が有りますんで、是非とも飲んでみたいですね~。


 価格の方も頑張りました・・。勿論、追加は有りません。クロ・ド・タールにとっては2015年ものは世紀のヴィンテージと言われるかもしれませんよね。

 現在が最も安いと思います。是非ともご検討くださいませ。


 以下は以前のヴィンテージのレヴューです。
━━━━━
【孤高のグラン・クリュ・モノポール!正規代理店輸入品です!】

 クロ・ド・タールはモレの村の南、シャンボールの村との境に近い部分に有ります。・・何でそんな「まどろっこしい」言い方をするかと言うと、実は、

「モレの村に少しだけ入り込んだ形でグラン・クリュ・ボンヌ=マールがシャンボール村のとの境界を跨っているから」

なんですね。


 しかもそれに加え、北側にはあの「クロ・デ・ランブレイ」と接していますし、厳密に言えばモノ・ポール(単独所有)では無いランブレイとは違い、かなり昔から完全に「モノ・ポール」です。


 一時期は、

「グラン・クリュとしては軽い!薄い!」

と酷評された時期が有りました。畑のポテンシャルに寄りかかり、収量を多くしていたのが裏目に出ていたと思いますし、時代的にはPKさん流の濃密濃厚果実味が命、新樽を割合を多くすることが求められていました。

 noisy は、たまたまでは有りますが、そんな軽量級時代のクロ・ド・タールも飲んでいます。確かに今のワインに比較すると軽いんですが、複雑性に溢れ、エレガントでエロティック、旨いワインだったと思います。まだインターネット販売が珍しかった頃、「軽いのか、それともエレガントと言うべきなのか」と、クロ・ド・タールの評価をどう見るかで盛り上がったことも有りました。

 しかしながら1980年台末以降頃から持ち直し、今ではその頃の「軽い」クロ・ド・タールの記憶をお持ちの方も少なくなったんじゃないかと思います。

 でも・・安かったですよ・・1万はしなかったと思います。クロ・デ・ランブレイが6千円位、クロ・ド・タールは8~9千円位じゃなかったかな?ある意味とても良い時代でした。


 で、やはりブルゴーニュの単独所有畑とすると非常に大きい7.5ヘクタールを、造り手がどう料理するのか?・・と言うところにこのワインの真価が有るんですね。

 ブルゴーニュのグラン・クリュはほとんどが細分化されて所有されていますので、その小さな持ち分では、

「造り手の意識が入り込む隙が余り無い」

んです。


 勿論ですが、細かな部分でどうするのか・・と言ったことは出来ますし、グラン・クリュ・エシェゾーやクロ=ヴージョなどの比較大きな畑では、

「上部と下部の畑をブレンド」

もしくは、

「性格の違う畑同士をブレンド」

と言ったことが行われ、その格に相応しいと思われる仕上がりに持って行ったりしています。


 しかしながら結局は、持ち分の畑の中で、結果として造られた各キュヴェをどうブレンドするか?・・だけの作業に造り手の意識が入っていると感じるだけでしかないんですね。


 反対に言えば、例えば「ラ・ターシュ」はどうか?・・と言うことになります。こちらも比較的大きなモノ・ポールです。細かいことを言うとラ・ターシュとレ・ゴーディショでは有りますが、この6ヘクタールほどの畑の中でも、当然ながら部分部分でかなりな違いが出てくる訳ですね。

 そうなると、単に出来が良い・悪いだけでは無くて、

「この樽は赤い果実が多く出る」

「この樽はやや紫」

のようだとすると、どんな割合で、どのタイミングでブレンドするか、もしくは取り捨て選択するかなどから格下げしたり、単独で詰めたり出来る訳です。

 さらにそれが発展すると、

「この部分の畑からはとても良い葡萄が取れる」
「この部分は今一つだから・・」

などと言う意識になり、結果として植え替えに繋がったり、詰めずにバリックでネゴスに販売したり、単独で販売したり・・などと言うことに繋がります。


 脱線しますがあの「ラ・グランド・リュ」は、D.R.C.と交換した部分が有り、その畑のキュヴェが滅茶凄くて・・2014年はそれを発売するようです。もらえるかどうかは判りませんが、昨今のラマルシュの力量を考えると、それこそ「ラ・ターシュ顔負け」なワインに仕上がっている可能性も有りますよね。

 なので、大きな畑を単独所有していると言うことは、造り手の意識をワインに働かせることが出来るようになり、もしくはその割合が増えることにも繋がります。良くも悪くも・・です。単純には沢山造ろうと思えば優しいが薄いワインになりますし、少量にしようと思えばそのようにもなります。

 因みにピティオさんはクロ・ド・タールを内部的に6つの畑に分け、収穫もその区画ごとに分けていたそうですが、さてさて・・ジャック・ドヴォージュさんはどうするんでしょうか。でも今回のご紹介ワインにはドヴォージュさんの出る幕は無かった訳ですが・・。


 個人的にはクロ・ド・タールは、例えばお隣のクロ・デ・ランブレイのようなワイルドで奔放な味わいにはならないと思っています。どちらかと言えばボンヌ=マールに近いが、それよりももっと黒味が入り、非常に緻密で官能感が出やすく、しかも優しいしなやかさの有る味わいです。

 今回ご紹介のワインは

2003年 ラ・ルヴェ・デュ・ヴァン 19/20、ワイン・スペクテイター 95Points
2011年 ラ・ルヴェ・デュ・ヴァン 17/20、ティム・アトキン 97Points、タンザー 91Points
2012年 ラ・ルヴェ・デュ・ヴァン 18/20、アドヴォケイト 97Points、タンザー 92-95Points


と、評価者により結構なムラが感じられますが、決して悪いものでは無いですね。昔なら平気で80点台が付いていたでしょう・・(^^;;

 今回ご紹介させていただく3ヴィンテージは、日本の正規エージェント(ジェロボームさん)の輸入です。コンディションも良く、評価も良いです。価格は昔と比べしっかり上昇していますが、先に述べたようにブルゴーニュでは珍しく、造り手の意識を感じさせてくれることが出来るはずのグランヴァンです。ブルゴーニュファンならやはり飲んでおくべきでしょう。是非ともご検討くださいませ。

レミ・ピヴェール/シャトー・ペレ=ジュアネ

レミ・ピヴェール/シャトー・ペレ=ジュアネ

フランス Remi Pivert / Chateau Perray-Jouannet ロワール
[ oisy wrote ]
●ロワール・アンジュー地区の新星をご紹介します。持ってくるのは、新進気鋭の20代インポーター、ヴァン・アミさんです。

 昨年立ち上がったばかりのヴァン・アミさんですが、今どきのなんちゃってナチュラルワインではなく、しっかりと安定した造りの基盤のある生産者をピックアップしてきます。

その上でピュアなワインを選んでくる彼らのセレクションは、どんどん玄人好みになっていき、いまや即完売してしまうアイテムばかりです。

とは言え彼らもまだ立ち上がったばかりですので、インポーター業務だけでは食っていけず、タイミーでバイトしたりして食いつなぎながら、涙ぐましい努力をして自らセレクションしたワインを持ってきています。

お客様からみたらoisyも若者かと思いますが、そのさらにその下の世代が自分たちの舌を信じて・・・全身全霊で持ってきているわけです。

 まあだからと言って、若者が頑張ってるからってだけで取り扱いでもした日には、noisyから何を言われるか・・・わかったもんじゃありません。

そんな折り、試飲会で「・・・こりゃ旨い」とoisyが唸ったのがレミ・ピヴェールが率いるシャトー・ペレ=ジュアネ。ロワール・アンジュー地区の新星です。

なんと彼らは

「どんどん規模を縮小しているワイナリー」

です。

所有する20haのうち、15haは外売り、残りの5haで自分たちのワインをリリースしています。その心は、

「自分たちで管理できる以上はやりたくない」

という至極まっとうなヴィニュロン魂に基づいたもので、現在も畑の売却を進めているそうです。

 まあそんな思想のもとに産まれるワインですから、エントリーラインであっても全く手抜き感はありません。

ポテンシャルを最大限引き出せるように、ダメージレスで、丁寧で、ピュアで、畑の色彩を感じ取れるエレガントスタイルのワインばかりです。

こりゃあきっとnoisywineのお客様にも刺さるはず・・・と品切れしないように入港前から抑えてもらいました・・!

 別に若者が頑張ってるから・・・と慈悲の心はいりません!コラムを読み、興味を持っていただきましたら、ぜひ手に取っていただけると幸いです。きっとご満足いただけると信じています。どうぞよろしくお願いいたします!

■エージェント情報

「自分たちで管理できる以上はやりたくない」

理想のワインを造るために、規模の縮小へ。クオーツ土壌から生み出される高品質シュナン・ブラン。


■ワイナリーの5代目を辞め、自らのワイン造りへ

 フランス、ロワール地方アンジュー地区に位置するシャヴァーニュという村でワイン生産者の5代目として生まれたレミ。

幼いころからワイン造りが身近にあった彼は、大学でブドウ栽培やワイン造りを学び、卒業後は、より広範囲にワインのことを学ぶため、ボルドーの著名なネゴシアン、ユリス・カザボンヌで働く。

「ボルドーの巨大シャトーは、自分が生まれ育った地域やワイナリーとは全く違う世界だった。彼らと直接コミュニケーションを取り、テイスティングをし、栽培や醸造、ワイン市場やマーケティングについて話したのは自分にとってとても貴重な体験だった」

とレミは語る。

 2018年、家族のワイナリーに戻りワイン造りに参加する。しかし、家族間での意見の相違があり、レミは奥さんのティフェンとともに家族のワイナリーを出ることを決意。

縁あって家族のワイナリーから200メートルほど離れたワイナリー、シャトー・ペレ・ジュアネを購入し引き継ぐこととなる。

そして、すぐにすべての畑をオーガニック栽培に転換。2020年ヴィンテージからシャトー・ペレ・ジュアネとしてワインをリリースしている。

■理想のワインを造るために選んだ規模の縮小

 彼らは良いワインを造るため、ブドウを完璧な状態で収穫することを大切にしている。

「一生懸命手をかけてきたブドウを最良の状態で収穫する。ここでようやく畑での厳密で丁寧な作業が実を結ぶんだ。

しっかりと熟したブドウを、ちょうどアロマがピークに達し、白ワインでは糖と酸、アロマのバランスが取れ、赤ワインでは皮と種がしっかりと成熟した状態で収穫することが重要なんだ。」

 彼らはブドウの熟度が分かりやすいように短梢剪定を行い、同じ区画でも熟度に応じて4-5回に分けて収穫を行う。シュナン・ブランだけでも収穫は1カ月以上に及ぶという。

彼らのこだわりは畑にとどまらない。

所有する20 haの畑のうち、彼らのワインに使用するのは最良のブドウ5 ha分のみで残りは他の生産者に売却している。

「私たちがワインに求めるのは、アロマの純粋さとテロワールの表現。そのために、素材であるブドウをできる限り尊重し、それが最大限に表現されるように最小限の介入で作業を行う。

私たちが理想とするワイン造りをできるのは5 haが限界なんだ」

 たしかに彼らの理想のワイン造りを行おうとすると5 ha分でも大変だと感じる。

それを伝えると、

「本当にそうなんだ。だから私たちはさらに畑を売却し、規模を縮小したいと思っているんだ」

売却しすぎてワイナリーがなくならないことを願う。

■高品質なシュナン・ブランを生み出すクオーツ土壌

 2020年にシャトー・ペレ・ジュアネを購入したレミとティフェン。畑は細かく細分化され、どれも1 ha以上になることはない。

「私たちは小さな区画を大切にし、常に生物多様性が豊かな環境(樹木や生垣、果樹、羊、花畑)を確保するよう心がけている。そしてワイン造りにおいてはワインがその土地を表現することを大切にしている」

 オーガニック栽培への転換と同時に行ったのが、徹底的な土壌の調査だった。ペレ・ジュアネのシュナン・ブランを特徴づけるのは、この地域でも限られたエリアでしか見ることのできないクオーツ(石英)土壌。

隣接するボンヌゾーでは黒いシスト土壌が特徴的で、土壌が熱を蓄えるためにブドウの糖度が上がることで上質な甘口ワインが生産されている。

 一方で、白色のクオーツ土壌は太陽光を反射し熱を蓄えないため、ブドウは酸を保ちながらゆっくりと成熟する。それによりペレ・ジュアネのクオーツ土壌からはブドウの熟度と果実由来の酸のバランスに優れた高品質のシュナン・ブランが生み出される。

■地場品種グロローに光を

 レミはシュナン・ブラン同様に、この地域の地場品種であるグロローを大切にしている。「グロローは収量が多く(通常60 hL/ha以上)、ロゼ・ダンジューなどに使われているため凡庸な印象の強い品種だが、収量を制限すれば素晴らしいワインができることを証明したい」

 ペレ・ジュアネでは軽いシスト土壌でグロローを栽培。グリーンハーベストを行い、30-35 hL/haにまで制限している。その結果、凝縮感とこの品種独特のスパイシーな風味が綺麗に表現されている。

 また、ワイナリーから約10キロメートル離れたエリアでは粘土石灰質土壌が見られ、ここではカベルネ・フランが栽培されている。粘土と石灰岩は、この品種に必要な安定した水分供給を保証し、細やかでエレガントな風味を引き出す。

■ブドウを活かすワイン造り

 

素材としてのワインを活かすことを最重要視する2人。ブドウが潰れ酸化が進むのを防ぐため、収穫はすべて20kgの箱を使用。ブドウの圧送ポンプは使用せず、セラーでは重力のみを使用してワイン造りを行う。

 また、長い熟成期間を経ることで自然な清澄が起こり、無濾過・無清澄でもクリアで透明感のあるワインが生まれる。


2023 les Sables Chenin Blanc V.d.F.
レ・サーブル・シュナン・ブラン V.d.F.

19571
自然派
白 ミディアムボディ
フランス
ロワール
アンジュ―
レミ・ピヴェール/シャトー・ペレ=ジュアネ

■ エージェント情報
【セパージュ】シュナン・ブラン
【アルコール度数】12.5 %
【畑】砂利土壌。0.9 ha。南向き。標高50 m。オーガニック栽培。グイヨ仕立て。4.500本/ha。45 hL/ha。樹齢10年
【栽培・醸造】手摘みで収穫。空気圧式低速プレス。コンクリートタンクにて20度で野生酵母を使用して発酵。そのままマロラクティック発酵を経て、6カ月澱とともに熟成。無濾過・無清澄で瓶詰め。12カ月瓶内熟成を行いリリース。
【年間生産量】4.700本
【コメント】砂質土壌のシュナン・ブランを使用したエントリーワイン。砂利土壌から生み出されるシュナン・ブラン。クオーツ土壌のものに比べてより果実の熟度の高さを感じる。洋ナシや熟したリンゴ、はちみつや藁などシュナン・ブランの品種特徴のアロマ。口に含むとドライで、繊細な酸が味わいのバランスを取っている。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥3,390 (外税) 
【ダイレクトに「旨い!」と感じる密度。冷涼でピュア。めちゃクリーン!!並のブルゴーニュ・ブランを軽く凌駕するクオリティーです!】
[ oisy wrote ]
 「良いワインを作るために規模を縮小する。」

 これってなかなかできない決断だと思います。普通はどんどん畑を広げていくというパターンが多いと思うんですよね

 でもちょっとわかる気がします。Oisyも最近1歳の娘が保育園に行き始めたんですが、ちょっと熱出しては呼び出しをくらって、満足に仕事をする時間が取れないんですよ。

 そうなると、限られた時間の中でどうやって最大限のパフォーマンスするかと言うことが課題になってきています。

 レミにとってはoisyみたいに小さな話ではないんでしょうが、結局良い仕事しようとすると手が回る範囲限られてくるわけで、やること、やれることを絞っていく作業というのは苦渋の決断でもあるのかなと思います。

 しかし、その決断と言うのは、飲み手にとっては実にありがたいことで、ペレ=ジュアネのワインは・・

「エントリーラインから異常に旨い」

という恩恵を享受できるわけです。(数はどうしても少なくなってしまいますが・・)

 おそらく多くの造り手は一番下のカテゴリーはいまいちだったり、納得いかなかったものを混ぜていると思います。

 しかしレミの場合は、そもそも満足できない畑のブドウは外売りしている訳なので、一番下のキュヴェであっても「既に上級キュヴェ」の扱いだと思うんですね。味わいに妥協感が無いんですよ。

 レモンやリンゴ、洋梨などの黄色の果実の香り。温度上昇とともに、ふわりと浮いてくる僅かなクリーミーさ。そして

「白のミネラリティーの存在感」

 このミネラリティは香りの中にも結構な割合で感じられます・・・そしてダイレクトに「うまい!」と感じるレベルの果実の密度。

 その密度の中には「冷涼な酸」のカプセルが醸造時に熱などでダメージを受けた形跡なく閉じ込められていますので、めっちゃピュアです。

そしてクリーンで精緻。まさに・・・

「ピュアクリーン!!」

余計なことをしない、人的介入の少なさを感じながらも醸造的な不安は「一切無し」です。

 シュナン・ブランには残糖を残したスタイルもありますが、こちらはほぼ完全にドライ。

ボンヌゾーのような土壌が熱を蓄え糖度を上げる地域と違い、白いクオーツ土壌が太陽光反射し、熱を蓄えないという特徴は、このワインを非常に冷涼でドライなものに仕立てています。

アルコール度数もピタッと12.5%です。酸とミネラルティーの素性から、かなりブルゴーニュ好きに刺さるスタイルのシュナン・ブランじゃないかな・・・と思います。

 良い作り手のアリゴテ・・・例えばoisyが最近1番感動したローラン・ブルトゥローのスタイルに近いものを感じます。エントリーラインでこのクオリティなら・・と上級キュヴェへの期待も高まりを感じざるを得ません。

 若い世代が持ってくる、掴み所を押さえたアンジューのシュナン・ブランです。並のブルゴーニュ・ブランを軽く凌駕するクオリティです。最近のブルゴーニュには酸が足りない・・と思っている方には激烈に刺さるんじゃないかなと思います!ご検討くださいませ!


2022 Chardonnay V.d.F.
シャルドネ V.d.F.

19573
自然派
白 ミディアムボディ
フランス
ロワール
アンジュ―
レミ・ピヴェール/シャトー・ペレ=ジュアネ

■ エージェント情報
【セパージュ】シャルドネ
【アルコール度数】13 %
【畑】砂利土壌。0.35 ha。南向き。標高30 m。オーガニック栽培。グイヨ仕立て。3.500本/ha。35 hL/ha。樹齢36年
【栽培・醸造】手摘みで収穫。空気圧式低速プレス。400 Lのオーク樽にて野生酵母を使用して発酵。そのままマロラクティック発酵を経て、12カ月澱とともに熟成。無濾過・無清澄で瓶詰め。14カ月瓶内熟成を行いリリース。
【年間生産量】1.900本
【コメント】オーク樽を用いたブルゴーニュスタイルのシャルドネ。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  8   ご注文数   本
¥4,290 (外税) 
【クリーミーで冷涼!それでいて高い密度と瑞々しさ・・・きっと多くのブルゴーニュ・シャルドネラヴァーの心を掴んで離さないはず!】
[ oisy wrote ]
 普段ブルゴーニュのシャルドネを飲んでてもあまり感じないんですが、かえって高い緯度の産地のシャルドネを飲んでいると、

かつてはこのくらいの冷涼感があったよな〜

と、ハタと気づく時があるんですよね。

 ペレ=ジュアネのシャルドネは、まさにそれで、冷涼でハリのある酸がたっぷり詰まってます。そこにはかつて熟すか熟さないかが大きな争点だった頃のブルゴーニュの姿があるような気がします。緯度はブルゴーニュとほぼ同じなんですけどね。

 でも、多くのシャルドネファンが最初にグッと来るのは、ファーストノーズに上がってくるクリーミーさと柑橘のブレンドされた、

「脳に訴えかけてくる香り」

ではないでしょうか。

 これは樽由来の部分もあると思うんですが、それでいてピュア感が樽でマスキングされることなく、

「うま〜く調和」

されているのがめちゃくちゃ素晴らしいんです。この1年、それなりのシャルドネを飲んできたと思いますが、その中でもこれほど樽使いが上手い!と感じたのは初めてかもしれません。

 果実のイメージはレモン、うっすら白桃と洋梨。

ピーンと張ったピアノ線のように緊張感のある石灰と金属系のミネラル。

 高い密度の液体はツヤテカにコートされていてオイリー。

 瑞々しさと粘性が同居しており、ポテンシャルも高いです。写真にも太い涙が上手く写せたと思います。

 ミネラルズドーン、酸がギュ〜ッ!と圧縮されたようなインパクトのあるスタイルではなく、繊細で調和がもたらすバランスで飲ませてくるスタイル。

 ピュアでありながら、当たり前のようにクリーンです。抑えどころのわかっている玄人好みのスタイルじゃないかと思いますが、一瞬で虜にするような魅力も持ち合わせており、万人にお勧めしたいワインです。

 Noisy wineのお客様には幅広く刺さるシャルドネではないかと思っております!めちゃオススメです!ご検討くださいませ!


2021 les Jardins Rouges V.d.F.
レ・ジャルダン・ルージュ V.d.F.

19572
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ロワール
アンジュ―
レミ・ピヴェール/シャトー・ペレ=ジュアネ

■ エージェント情報
【セパージュ】カベルネ・フラン、ガメイ、グロロー
【アルコール度数】13 %
【畑】砂質シスト土壌。1 ha。南向き(カベルネ・フラン)、南西向き(ガメイ、グロロー)。標高30 m。オーガニック栽培。グイヨ仕立て。4.700本/ha。35 hL/ha。樹齢70年(カベルネ・フラン)、24年(ガメイ)、54年(グロロー)
【栽培・醸造】手摘みで収穫。10 %全房発酵。3日間のマセラシオンを行い、野生酵母を使用してステンレスタンクで12日間発酵。そのままマロラクティック発酵を経て、12カ月熟成。無濾過・無清澄で瓶詰め。18カ月瓶内熟成を行いリリース。
【年間生産量】5.600本
【コメント】アンジュエリアを代表する黒ブドウ3品種によるブレンド。レッドチェリー、赤スグリ、熟したカシスなど赤系果実が中心で、グラファイトやペッパー、スパイシーなニュアンスがアクセントを加えている。タンニンは量はあるが、非常に柔らかくきめ細かいく、きれいな酸とともにフレッシュさを演出している。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  9   ご注文数   本
¥3,390 (外税) 
【キレイなグリーンと酸、しんなり赤果実とのエキス・・・カベフラ好きだけではなく、きっとガメラーの心も捉えてしまうでしょう・・!】
[ oisy wrote ]
 色味だけで、心惹かれてしまう方も多いのではないでしょうか・・?艶やかで透明感があって・・・いいですよね。

 最近、カベルネ・フラン・ファンを公言しているoisyですが、カベフラにも結構タイプがあるな・・と思います。

 カベフラ特有のグリーンが強いタイプ、スパイス感が強めに出てくるタイプ、グリーンやスパイス感は控えめで、赤い果実がよく出てくるタイプ。

 レ・ジャルダンのカべフラはグリーンを割と強めに感じるタイプです。ただこのグリーン、物によっては青さにまで到達し、ネガティブなレベルまでいっちゃうことがあるんですが、めちゃくちゃ「ポジティブグリーン」です。

 カベフラ好きは堪らないんじゃないかな・・・しっかり酸素と触れ合わせれば、グリーンの裏からこの価格帯には似つかわしくないエレガンスも湧き出てきますよ・・・

 そして同時にガメラーの心も捉えてしまうんじゃないか・・・そんな気もしてしまうほどに、綺麗でしっとりとした赤い果実のニュアンスが染み入ります。ロワールの赤って、冷涼であるが故に硬さみたいなものを感じてしまうことが多いんですが、とてもしんなりしています。

そして、グロローが酸を補完。非常にバランスが取れた構成です。味わいにはエキスの奥深さもあり、ゆっくりと時間をかけて飲むとエレガンスの発展も感じます。

 恐らくレミのワイン作りのスタイルを表しているんだと思いますが、全くダメージ感が無いんです。繊細で丁寧、精緻。

 酸を大事にし、果実に濡れ感を残し、ミネラルで骨格を作る。

 だからすごくバランスが良い。

 もうお手本のようなロワールブレンドだと思います。カベフラの香りが苦手と言う方は一定数いるでしょうが、それ以外の方には幅広〜くお勧めできるワインです。

この作りなら、上級キュヴェも間違いないと思えるほどに、安定感のあるエレガントスタイルです。

 白もそうでしたが、赤もロワールのワイン!というよりもブルゴーニュを北上していった延長線上にある味スジです。(実際にはディジョンと同緯度ですが・・)

 ヴァン・アミさんのセレクションに磨きがかかってきたと感じます。お勧めです!ぜひご検討くださいませ!


2021 Grolleau Noir V.d.F.
グロロー・ノワール V.d.F.

19574
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ロワール
アンジュ―
レミ・ピヴェール/シャトー・ペレ=ジュアネ

■ エージェント情報
【セパージュ】グロロー・ノワール
【アルコール度数】13 %
【畑】シスト土壌。0.38 ha。東・西向き。標高20 m。オーガニック栽培。ゴブレ仕立て。4.500本/ha。35 hL/ha。樹齢54年
【栽培・醸造】手摘みで収穫。10 %全房発酵。3日間のマセラシオンを行い、野生酵母を使用してステンレスタンクで15日間発酵。そのままマロラクティック発酵を経て、12カ月熟成。無濾過・無清澄で瓶詰め。12カ月瓶内熟成を行いリリース。
【年間生産量】3.180本
【コメント】樹勢が強く、収量の多いグロロー・ノワールという品種。高樹齢のブドウで収量を制限することにより、素晴らしいワインが生まれるということがここに証明されている。レッドチェリー、イチゴなどフレッシュな赤系果実とバラのようなフローラルさ。フレッシュな軽やかさと同時に凝縮感があり、ワインに奥行きを感じる。タンニンはフレッシュで品種特性と冷涼なヴィンテージから来る高い酸が余韻まで長く続いていく。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  10   ご注文数   本
¥3,980 (外税) 
【ガメラーならぬグロラー増殖の予感・・!?多産のグロローをここまでエレガントに育てるレミの腕前にあっぱれです!】
[ oisy wrote ]
 グロローという品種はロワール、特にアンジュー地域で広く栽培されている黒ぶどうのようです。フランス語で「カラス」を意味する「grolle」に由来し、果皮の濃い色合いから名付けられたとのこと。

酸が強く軽やか、多産なので「ロゼ・ダンジュー」の原料としてよく使われます。

 レミはこの地元の品種の可能性を探るべく、高品質なグロローのワインを作ろうと始めたのが、このプロダクトです。

 軽やかと言うのは、レミのグロローには当てはまりませんね。熟度がしっかりとしたコクみを伴った深みのあるジューシーさ。

 透明感があり、非常にしっとりとしていて、エレガンスの発露もあります。強めの赤と黒の混じった果実。ヴィエイユ・ヴィーニュらしい多層的なミネラルを感じる複雑さ・・・

 一方で、もともとグロローが持ってる「酸」はよりフォーカスされており、冷涼な白ワインのように端正で整った酸の小さな粒が敷き詰められている印象です。

 雑味がなく、めちゃエレガントなスタイル。

 その生い立ちと、味わいのキャラクターからなんだか「ガメイの立ち位置」と被りますね・・・

 今やガメラーと呼ばれるほどにファンが増えたガメイですが、昔はボージョレばかり取り上げられてその品質には懐疑的であったと記憶しています。

 しかし多産のガメイも、収量を制限すれば質の良いワインが生まれることは誰もが知るところとなりました。

 レミのチャレンジもきっとそういう「常識を覆す」必要のあるチャレンジなのだと思いますが、このグロローを飲む限り、きっとガメイのように上昇気流に乗っていき、ガメラーならぬ「グロラー」を産み出すきっかけになるんじゃないかと思いました!ぜひご検討くださいませ。


2020 Anjou Rouge
アンジュー・ルージュ

19576
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ロワール
アンジュ―
レミ・ピヴェール/シャトー・ペレ=ジュアネ

■ エージェント情報
【セパージュ】カベルネ・ソーヴィニョン 70 %、グロロー・ノワール 30 %
【アルコール度数】13 %
【畑】シスト土壌。0.68 ha (カベルネ・ソーヴィニョン)、0.38 ha (グロロー・ノワール)。南向き(カベルネ・ソーヴィニョン)、南西向き(グロロー・ノワール)。標高30 m。オーガニック栽培。グイヨ仕立て。3.500本/ha。40 hL/ha。樹齢55年
【栽培・醸造】手摘みで収穫。10 %全房発酵。3日間のマセラシオンを行い、野生酵母を使用してステンレスタンクで12日間発酵。そのままマロラクティック発酵を経て、12カ月オークバレルで熟成。無濾過・無清澄で瓶詰め。3年瓶内熟成を行いリリース。
【年間生産量】1.900本
【コメント】イチゴやチェリーなどの赤系果実とブラックチェリーなどの黒系果実。スミレやバラなどフローラルな印象が強い。また、未熟ではないペッパーがワインに奥行きとアクセントを加えている。長い瓶熟成により、タンニンはこなれてきており、アーシーさや森のような香りが表れ始めている。それでもフレッシュな果実と酸があり、さらなる熟成のポテンシャルが見える。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  10   ご注文数   本
¥4,690 (外税) 
【整い始めたアンジュー・ルージュ!エレガントでありながら、トロッとした理想的なカベルネ・フランは、多くの人に癒しをもたらしてくれるでしょう!】
[ oisy wrote ]
 世のカベフラファンの方々がカベフラに何を求めているのか・・まだわかりかねているところではありますが、レミのアンジュ・ルージュはoisyが求めるカベフラ要素がぎっしり詰まってます。

 積層感のある赤い果実の中に、黒が多めに入り、「トロンッ」とした舌触り。

カベフラ的なグリーンやスパイスは控えめで、赤い果実が中心です。

 しんなりしていて、濡れ感があり、完全にドライなんですが、果実はわずかにあまく、多分に含まれたミネラルとのバランスは、まるで生理食塩水のように身体に染み入り、癒し度を爆上げしてくれます。

 僅かに鉄分を含むミネラリティは、エレガント系だったレ・ジャルダンに比べ、よりねっとりと濃度をもったエキス感でカベフラとの相性の良さを感じます。

 しかし酸が素晴らしい・・・細かい酸の粒にはハリがあり、冷ややかです。レミはグロローの扱いが抜群に上手いので、こういったことができるんでしょうね。

 スタイルとしては濃厚系ではなく、エレガント系の範疇なんです。

 2020ヴィンテージということもあり、既に仕上がり期に入ったかのような「まとまり」を感じますが、ポテンシャルは抜群。

 今飲んでも旨く、エレガンスが漂います。

 ですが香りの出方にはまだまだ余裕があり、やっぱりポテンシャルを引き出すにはデキャンタージュ・・・が必要かなと思ってしまいます。既に抜栓から4日経過していますが、全く底を見せません。

 より「ほぐれ」が見え始める5〜10年後が飲み頃の最大公約数なのではないかと思いますが、もしかしたらあと10年を超えていけてしまうかもしれない・・・そんな気もしてきます。良いとこの村名ほどのポテンシャルレベルがあると見ています。

 アンジューの新星が手がけるアンジュー・ルージュ。端正で丁寧にキマッてます・・・ぜひ多くの方に手に渡って欲しいと思っています!ご検討くださいませ!


2021 Anjou Rouge Clos Chaillou
アンジュー・ルージュ・クロ・シャイユ

19577
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ロワール
アンジュ―
レミ・ピヴェール/シャトー・ペレ=ジュアネ

■ エージェント情報
【セパージュ】カベルネ・フラン95 %、グロロー・ノワール5 %
【アルコール度数】13 %
【畑】粘土石灰質土壌。0.5 ha。標高90 m。オーガニック栽培。グイヨ仕立て。5.000本/ha。40 hL/ha。樹齢54-55年
【栽培・醸造】手摘みで収穫。10 %全房発酵。3日間のマセラシオンを行い、野生酵母を使用してステンレスタンクで12日間発酵。そのままマロラクティック発酵を経て、24カ月古いオーク樽で熟成。無濾過・無清澄で瓶詰め。12年間瓶内熟成を行いリリース。
【年間生産量】2.600本
【コメント】ワイナリーから10キロメートルほど離れた、もともとレミの祖父母が所有していた区画。ここでは粘土石灰岩土壌が見られ、高い保水性から素晴らしいカベルネ・フランが生まれる。アンジュ・ソーミュール地区の多くのトップドメーヌのワインが高騰しているが、このワインを飲むと新たなワインを試すことの楽しみを感じられる。カシスなどの黒系果実にグリーンペッパーやシダーウッドのようなアクセント。タンニンは豊富に存在しているが、口当たりが柔
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  10   ご注文数   本
¥5,780 (外税) 
【よりエレガントに・・華やかに香る!まるでニュイのミネラリティにコートされたエレガント系カベルネ・フランの真骨頂・・!】
[ oisy wrote ]
 やはり土壌が示すキャラクターというのはダイレクトにワインに反映されるようです・・・

 無印アンジュー・ルージュの方はシスト土壌でミネラリティーに少し鉄っぽさがあり、それがしっとり感をより高めていたように感じますが、クロ・シャイユはみんな大好き粘土石灰質です。

 コート・ド・ニュイの畑の多くがそうであるように、よりエレガントに、より華やかに・・・香ります。

 グリーンやスパイスは、完全にエレガンスを支えるための一要素として裏方に回り、香りの中心は「エレガントな赤い果実」です。

 徐々にエレガンスのボリュームが上がり、かなり妖艶さが出てきています・・・

 やはり石灰的な部分が多く見受けられ、透明感のあるミネラルにコーティングされているようなツヤがあります。これは決して見た目だけの話ではなく、舌にタッチする液体の感触です。

 それでいて染み入るカベルネ・フランの柔らかさは健在。

 アンジュー・ルージュと比べると、カベフラの比率は70%から95%まで上がります。酸の多くがグロローからカベフラ由来のものとなり、より優しく、粒子が細かく、精緻です。

 ある種ブルゴーニュ的な土壌でカベフラを作ったらこうなるのでは・・?という実験を見せられているような気になります。

 あまりにクセがないのでテイスティングしてると、これピノなんじゃない・・?と錯覚してしまいそうになりますが、じんわりと口内で広がっていく優しい余韻がカベフラだったと思い出させてくれます。これはピノにはない、カベフラの素晴らしいところですよね。

 完全にまだ若いです。今飲むなら3日前抜栓でようやく出てきてくれるレベルでしょう。oisyもレビューをできるところまで開いてくるのを待つのにそれくらいを要しました。

 10年は余裕でいけるポテンシャルだと思います。恐らく15~20年もいけるでしょう・・・

 アンジュ・ソーミュール地区の多くのトップドメーヌのワインも高騰しているようですが、まだこの価格帯ならお買い得と言えるのではないでしょうか・・? ヴァン・アミさんが頑張って発掘してきてくれたおかげです。

 バイヤーのT君は常にヨーロッパで走り回ってくれているみたいなので、このコスパは完全にその労力の賜物でしょう!若いって素晴らしい!

・・・でも、そのセレクションはどんどん玄人じみてきていると感じます! ぜひご検討くださいませ!

ドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャール

フォンテーヌ=ガニャール

フランス Domaine Fontaine-Gagnard ブルゴーニュ
● 2022年のフォンテーヌ=ガニャールです。さらにピュアさを増し、精緻さとフィネスに磨きが掛かった2022年です。

 非常に良い出来だと確信していますが、その分・・まだボトル内での熟成が終わっていない・・少し先になりそうなアイテムと、今から飲み始めて良いアイテムが有りますが、ポテンシャルが高いだけにそうなっているとお考え下さればよいと思います。

 また、ル・モンラッシェ2022も98ポイント、その他のグラン・クリュも近い評価を得ていますが、以前のように・・

「樽の風味がする・・と言うようなニュアンスがほぼ無い」

です。

 まぁ・・おそらく、ルロワなどで行っている「とにかく樽を洗う」・・みたいな・・(^^ マンパワーなのかな・・などとも考えていますが、新樽の使用量は減って来ていると感じます。

 また、これから畑の植え替えが起きそうで、1級ラ・ロマネはこの先しばらく出て来ないかもしれません。2022年ものが当面のラストヴィンテージになるかもしれませんので、ご興味のある方はお早めにご検討ください。どうぞよろしくお願いします。

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 2020年のフォンテーヌ=ガニャールの本体をご案内させていただきます。先に幾つかのキュヴェが到着しましたので、シャサーニュ村名などはすでにご案内済みです。もし飲まれていらっしゃいましたら、その素晴らしさに「あんぐり」と口が開いたままになってしまったかもしれません。

 今回は2020年ものの1級を6アイテムテイスティングさせていただき、「過去最高」じゃないかと判断しています。

 なにせ・・エキスが半端無く凝縮しておりまして・・これはブルゴーニュのシャルドネでは良くあることです。「密度が高い」などとも言いますが、むしろユベール・ラミーのようなスタイルの方が判明しやすいかもしれません。

 その・・強制圧縮されたような凄いエキスを持っているのが2020年もののフォンテーヌ=ガニャールのシャルドネです。これに気付いた海外メディアは、

「しっかり高い評価をしている!」

ので、例えば珠玉のル・モンラッシェ2020に対し、デキャンター誌は、

「98ポイント!」

と過去最高の評価を付けていますし、バタール=モンラッシェにも、

「96ポイント!」

としています。


 これは下級クラスも同様だと判断していまして・・1級クラスを飲ませていただきましたが、その凝縮したエキスの端緒をつかんだ時は、物凄く美しいエレガンス溢れる複雑な表情を感じました。


 出来るだけ詳細に書いたつもりですので、他のコラムも是非参考にされ、ご検討くださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。



 2019年のフォンテーヌ=ガニャールをご紹介させていただきます。

 いやはや・・2019年のフォンテーヌ=ガニャールは、過去最高の出来であることを確信しました。まぁ、そもそも

「2019年もののブルゴーニュは借金しても買うべき!」

であると思っています。それほどに凄い出来でした!

 何せ・・希少で余り割り当ての無い「2019年クリオ=バタール=モンラッシェ」まで開ける羽目になってしまいまして、その余りの素晴らしさに放心状態になりました。その・・開ける羽目になってしまった理由は後で述べさせていただくとして、2019年ものフォンテーヌ=ガニャールの概要をお知らせいたします。

 2019年フォンテーヌ=ガニャールの白は、今飲んでも滅茶苦茶美味しい・・完璧と思える凄い仕上がりです。最も飲めたアイテムはそう多くは有りませんが、下から上まで一通り飲ませていただき、

「グレートなヴィンテージの甘美なシャルドネの繊細さを積み上げた醍醐味!」

をご堪能いただけます。これ、本当に凄い・・数が無いので兎に角何でも良いので、誰が何点付けていようと飲むべきです!

 2019年フォンテーヌ=ガニャールの赤も、過去最高の仕上がりで間違いありません。しかしながら・・残念ながら?・・今から飲んで美味しいキュヴェが多く無く、ほとんどのキュヴェが1~3年の熟成待ちになります。その代わり、熟した時には2019年のシャルドネ同様、ポテンシャルに花を開かせた甘美さに感動すること間違い無しです。

 因みに赤で飲めるのは、
2019 パストゥグラン・・これ、エレガントで滅茶旨いです!
2019 ブルゴーニュ・ルージュ 到着時(2021年6月入荷)はパストゥグランほど開いていなかったものの、9カ月経過して美味しくなっているはず・・です。
2019 シャサーニュ=モンラッシェ1級レ・モルジョ エレガントさと複雑さが均衡、適度に開いてくれ、最高に旨いです。
以上です。これ以外は1~3年の熟成待ちです。


 で・・ここからが重要なんですが・・そもそもただでさえ少なく、ヴィンテージ的にも希少な2019クリオ=バタール=モンラッシェまで開けることになってしまったのですが、その理由は、

「2019年クリオ=バタール=モンラッシェに92点!・・と言う信じられないほどの低い評価を海外メディアがしているため」

です。

 発端は、まずは2019A.C.ブル・シャルドネが余りに美味しく、とてもA.C.ブル規格では有り得ない素晴らしい出来だったこと、2番目は同様にテイスティングしたシャサーニュ1級マルトロワ・ブランが素晴らしい出来だったのに、89点、90点と海外メディア2者が信じられない程低い評価をしていたことが判明した・・のが原因です。

「・・えっ?・・この素晴らしい仕上がりのワインに・・89点・・って、何考えてんの?」

と言うところから、バタール=モンラッシェやクリオ=バタール=モンラッシェを評価を見てみましたら、

2019 Domaine Fontaine-Gagnard Batard Montrachet
94 Points Vinous
93 points Bourghound.com

2019 Domaine Fontaine-Gagnard Criots-Batard-Montrachet
93 Points Bourhound.com
92 Points Vinous

 そして、1級は・・

2019 Domaine Fontaine-Gagnard Chassagne-Montrachet 1er Cru Les Caillerets
93 points Vinous
91 Points Sweetspot / Outstanding Boughound.com

と言う具合なんですね。つまり、

「クリオ=バタールはシャサーニュ1級よりも評価が低い!バタールはシャサーニュ1級程度!」

と言う評価をした・・と言うことなんです。


 なので、「・・そんな訳は無いだろう・・こんなに旨いんだから・・」と言う訳で、結局、虎の子の2019年クリオ=バタール=モンラッシェを開けて確かめることにした訳です。

 結果・・クリオ=バタール・・・超絶に美味かったです!・・今飲んで96 、 ポテンシャル97+ 飲み頃予想 今~2045 とさせていただきました。まさに「甘露!」です!


 本当に海外メディアって・・信用なりませんね。嘘ばっかりです。「どうせ飲まないんだからバレないだろう」と位にしか思ってないのでしょう。評価も価格もビックリするほど高い。バキバキのルフレーヴさんの硬いピュリニー系を若くして飲むより、数段旨いです。

 まぁ・・本来ならこんなことは書きたく無かったんですが、この2019年フォンテーヌ=ガニャールの評価は余りに酷い・・。あのジャック=フレデリック・ミュニエが余りの評価の低さに呆れてミュジニーを仕舞い込んでしまった理由がここにあるのでしょう。

「君たちにちゃんとした評価が出来るのか?」

と、彼は問いたかったのでしょう。

 希少なミュジニーを仕舞い込んで、ボトルを熟成させてからリリースすることにしましたが、それでもドメーヌでのテイスティングは毎年されていて、すでに海外メディアも評価をきっちり上げています。

「今までとはだいぶ違う・・高い評価を」

です。


 ですので、noisy も出来る限りのテイスティングをさせていただき、正当な評価をお伝えしたい・・とそう思っています。


 話は脱線してしまいましたが、

「2019年フォンテーヌ=ガニャールは過去最高!・・しかもシャルドネはトップ・クラスで今も飲めるしなやかさ!ピノ系はポテンシャルは過去最高・・だがすぐ飲んで良いアイテムと要熟成アイテムに分かれる!」

 そう思ってください。・・いや・・クリオ=バタール..滅茶旨い・・し、1級マルトロワ白、リーズナブルで最高です!・・是非飲んでみて下さい。

■ ドメーヌによる2019年ヴィンテージの感想
 2019年は年初は暖かかったので4月頭には芽吹きが始まったが、気温低下による霜のリスクは何度かあった。4月5日には気温が氷点下まで下がって霜が降りてしまったので1級モルジョの区画で大きな被害が出てしまった。幸運にもストーブを焚いた特級を含むいくつかの区画では被害は免れたが、4月はとてもストレスが多く疲れる月だった。開花期の天候も最良の状態で経過はせず、花ぶるいやミルランダージュが発生した。夏の間はずっと良い天気で気温も高く葡萄の成長は加速したが、雨がほとんど降らなかったので丘の上の区画では水不足のストレスもあった。収穫は9月10日から始めたが、ミルランダージュの影響で葡萄の房が小さくジュースの量が少ないので生産量は減少してしまっているが、葡萄の状態は素晴らしく凝縮されていたので、赤白ともにアロマ豊かで酸味のストラクチャーもしっかりとした素晴らしい味わいに仕上がっている。

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 フォンテーヌ=ガニャールの2018年です。いや~・・輝きを増しています!・・凄いです。上昇気流に完全に乗ったと言って良いと思います。しかも、

「下のクラスから上まで、神経を行き届かせた見事な仕上がり!」

でした!・・もっともグラン・クリュ3兄弟まではテイスティング出来なかったので、全18アイテム中15アイテムのテイスティングにおいての判断になります。ご了承くださいませ。


 どうでしょうか・・やはり、ガニャール・ドラグランジュとの合併が功を奏した一番の理由と言えるかと思います。エレガントだが希薄さがまだ見えた下のクラスも、充実した見事な味わいを見せています。そして、

「シャルドネのドメーヌだから・・仕方ないよね・・」

と、どこか、そのように想起させてしまうような部分も在ったかと思いますが、シャサーニュのピノ・ノワールの美味しさは別格になってきました。


 こうなって来ますと、シャサーニュの巨人と言えばだれもが思い浮かべるのが、「ドメーヌ・ラモネ」では有りますが、トップ・キュヴェの「モンラッシェ」「バタール=モンラッシェ」は飲めていないので除外させていただきますが、それ以外のシャサーニュ1級、シャサーニュ村名の各赤白については、

「確実にラモネ超えした!」

と申し上げておきましょう。

 クロ・デ・ミュレの繊細さが際立つ表情には鳥肌が立ってしまいます。良くご存じのはずのモルジョ・ブランの、気品溢れるアロマとオイリーなノーズ・テクスチュアには、いつまでも触れていたいとさえ思ってしまいます。・・いや、昨夜のマルトロワ・ブランも滅茶美味しくて・・・。赤もクロ・デ・シェヌの見事な完成度に感動させられましたし、パワフルなエネジーが漲るリュジアンも最高でした!

 で、さぞかし海外メディアも2018年のフォンテーヌ=ガニャールには驚いているに違いないと踏んで、勇んで検索をかけてみましたところ・・・いや、駄目ですね~。権威主義で価格通りのポイント付けしかできない・・しかも以前のヴィンテージの自身が付けた評価さえ、余り覚えてはいないんじゃないかと思えるような、非常に安易なレヴューが多く、

「全体的に相当にブラッシュアップしたフォンテーヌ=ガニャールの姿に誰も気付いていない!」

と感じました。


 まぁ・・ティム・アトキンさんのレヴューが多く見つかれば、少しは面白かったんですけどね。

 ですので、グラン・クリュクラスは書けませんが、それ以外のキュヴェにつきましては、しっかり書かせていただきますので是非ご覧くださいませ。

 2018年のフォンテーヌ=ガニャール、大いにお勧めさせていただきます!・・1級(を含む)以下は滅茶お買い得ですのでお見逃しなく!是非ご検討くださいませ。


 フォンテーヌ=ガニャールの2017年が入荷して来ました。少なかった2016年ものとは異なり2017年は量的にもしっかり出来た様です。

 このところのフィネスさんのブルゴーニュワインは、少なくとも5年前とは相当に景色が異なっています。

 確かにジョルジュ・ルーミエ、エマニュエル・ルジェと言った両巨頭のみが目立って良かった5年前で、申し訳ないがそれ以外は少し劣ると言った感じでした。

 しかしながらこの3年ほどの間に、本当に見違えるような美しいテクスチュアと果実を感じさせてくれるものに変化しており、このドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャールも、「激変」と言えるような変わり方をしています。

 最も昔からトップ・キュヴェ3つ(モンラッシェ、バタール、クリオ=バタール)には定評のある生産者で有った訳ですが、それらが持つ見事なミネラリティを、全てのキュヴェが持つようになったと言えます。

 大体にて・・noisy 自身が余り好きじゃ無かった訳ですから・・ね。別にnoisyが主旨替えをした訳では無くて、フォンテーヌ=ガニャールのワインが本当に美しい輝きをし始めたのが原因です。

 そう、少し話は脱線しますが、例えば色々有ったのでハッキリ言って嫌いだったデゾネイ=ビセイですら、今では、

「滅茶美味しい!」

と言ってる訳ですから・・あ、デゾネイ=ビセイのワイン、So2 の存在は極めて希薄ですよ。驚くほど使ってないはずです。


 また、フォンテーヌ=ガニャールは、シャサーニュ近辺に多くの畑を持っていますので、赤も白も有り、しかもそれぞれが今、非常に輝いています。So2 の使用量はデゾネイ=ビセイには叶わないですが、口にした時の高質さの判りやすさは「ぴか一」ですから、誰が飲んでも美味しい!・・と言える仕上がりかと思います。

 価格もまだ非常にリーズナブルでしょう?・・以前のイメージは一旦捨て、是非とも飲んでみて欲しい生産者です。・・あ、デパートさんなどで試飲会をやると一番売れる、評判の良いのがフォンテーヌ=ガニャールだそうですよ・・時代は変わっています。どうぞよろしくお願いいたします。
(写真は2017年のバタール=モンラッシェの健康そのもののシャルドネ)




 2017年は2016年と同じく4月末に霜の危険性があったが、藁を燃やしたりして予防をし、さらに風が強かったことも助け舟になって標高が低く湿気が溜まりやすいブルゴーニュクラスの畑で少し被害が出ただけだった。5月から6月の天候は素晴らしかったので開花期はスムーズに過ぎ、7月末に雨が降るまでずっと暑く乾燥していたので葡萄の成長はさらに加速し、収穫は9月初旬と2015年と同じくらい早くなった。収穫された葡萄は乾燥の影響で少しジュースが少なかったが健康状態は完璧で果皮は厚く梗も良く熟した。軽やかで飲みやすいヴィンテージになっているが予想よりもしっかりしており、フレッシュでエレガントなクラシックなブルゴーニュタイプになっている。

 
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 昨年より復活し再度ご紹介させていただいたフォンテーヌ=ガニャールの2016年をご紹介させていただきます。

 2016年はご他聞に漏れず、霜害などで大きな被害を受けたブルゴーニュです。左の二枚の写真は、同日に撮影された畑ですが、霜で芽がやられた畑には、葉っぱすら・・伸びて来ていません。

 フォンテーヌ=ガニャールでは1/3~1/5ほどの仕上がりのようで、特にグラン・クリュはほんの少ししかできなかったようです。

 しかしながら仕上がって来たワインの出来には・・ビックリしました!..A.C.ブル・ブランでさえ・・村名並み以上の仕上がりを見せてくれましたし、しかも・・・こんな例えはどうかな?・・大丈夫かな?・・とは思いますが一応・・、そうですね、2015年までは「上品な絹ごし豆腐」だとするなら、その絹ごし豆腐にクリスタルのコーティングをし、様々なミネラリティを蒸着させたかのような表情をしています。

 まぁ・・やっぱりそんな例えは難しいでしょうか。言ってしまえばミシェル・ニーロンさんそっくり・・なニュアンスに、シャサーニュならではの柔らかで多彩なアロマ、表情を、ほんのりと植え付けたような感じ・・なんですね。

 これ、滅茶美味しいですよ!・・高級料飲店さんで受けるのも判る素晴らしい味わいでした。

 赤、ピノ・ノワールも2015年同様に素晴らしいです。

「2015年が少し甘めだ・・」

とお考えの方は、よりドライでピュアなのが2016年だとお考え下さると良いと思います。白ほどの変化振りでは有りませんが、非常にピュアです。

 2015年ものポマール・リュジアンの素晴らしさにはノックアウトされてしまいましたが、2016年ものは僅かしか入荷せず、残念ながらこのトップ・ワインは飲めていません。申し訳ありません。ですが、飲まれた方ならお判りの通り、

「ポマール・リュジアンの素晴らしさには脱帽!」

すること、間違い無いでしょう。


 数が無く、テイスティングの厳しい2016年フォンテーヌ=ガニャールでした。是非飲んでみてください。超お勧めの生産者です!

■エージェント情報
 2016年は4月末の霜で多くの畑が被害を受けたが、さらに北風が吹いていた影響で霜の範囲が広がって標高の高い1級や特級の畑でも被害が出てしまった。春から初夏にかけて雨が多く寒い日が続いてベト病も発生してしまい、その対処で通常7月中旬に終わる畑作業が8月初旬までかかった。

 夏の天気は素晴らしく収穫できた葡萄は悪くなかったが、霜の影響により区画ごとに収穫量にかなりの差がある。特にブルゴーニュルージュは2区画ある畑の片方がほぼ全滅してしまったので、通常20~24樽ほど造っているのに対して2016年はわずか4樽分しか造れなかった。

 全体的に見るとピノノワールよりシャルドネのほうが収穫量が減少しており、例年の1/3ほどになっている。近年の雹の影響による葡萄の木へのストレスで醸造当初はとても固かったが、マロラクティック醗酵が進むにつれてバランスが良くなってきて相対的には悪くないヴィンテージになっている。

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 フィネスさん輸入のフォンテーヌ=ガニャールをご紹介します。昨年、かなり久しぶりにフォンテーヌ=ガニャールのACブル赤をご紹介させていただき、かなり好評をいただいています。

「こんなにエレガントでバランス良いとは思わなかった」

と言うようなご意見が多かったです。


 実はnoisyも2014年ものは幾つか飲ませていただいておりまして、それまでnoisy 自身がドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャールのワインに抱いていた印象を、一度再構築する必要が出て来たな・・と感じていました。

 その、それまでのフォンテーヌ=ガニャールのワインの印象はと言えば、

「上級のシャルドネ、モンラッシェやバタールは非常に良いが、それ以外は普通・・と言うか、エレガントでは有るかもしれないが密度不足で結果として薄いし妙な硬さが気になる。」

と言うものです。おそらく長いワイン歴をお持ちの皆さんの印象も近いものが有るかと思います。


 そんな状況でしたので、良年と思われる2015年こそは、経費を増やして・・(^^ フォンテーヌ=ガニャールのワインの真の姿のイメージを、自分なりにつかむ必要が有ると考えた訳でして、それなりに多いアイテムのテイスティングを行いました。


 結果、今まで自身が持っていたイメージを大きく覆す結果になりました。まぁ、フィネスさんからいただいているワインのコンディションに問題が無いのも大きな一因かと思いますが、一言で言うならば、

「超絶フィネス!非常に贅沢な味わい!」

と言えます。


 まぁ、このように言ってしまうのは非常に簡単ですが、それをちゃんと言葉にするのには、イメージを掴めるようにならないといけない訳でして、そのイメージを掴めたからこそ、そう書ける・・と言うことなんですね。


 シャルドネは言うに及ばず、実はピノ・ノワールも滅茶美味しくて感動しました。ぜひ素晴らしい2015年もののフォンテーヌ=ガニャールをお試しになられ、その結果・・ファンになっていただければと思います。


 このドメーヌは1985年に設立され、当主のリシャール フォンテーヌ氏はシャサーニュ モンラッシェ村の名家であるガニャール ドラグランジュ、ブラン ガニャールを一族に持ちます。所有する畑はシャサーニュ、ポマール、ヴォルネイ村に約10haで、コクがあり力強くてトロみのある白と、色調が濃く肉厚な赤を造っています。畑の土壌は基本的には粘土石灰質ですが、区画によって様々な特徴があり、それがワインのキャラクターに個性を与えています。葡萄の木の仕立てはギュイヨ式で、1株につき6~8房に制限します。

 収穫は全て手摘みで除梗は100%、醗酵前に低温浸漬を行います。アルコール醗酵は白の場合は228?の樫樽で、赤はコンクリートタンクで行います。温度調節には冷却パネルを使用し、白は最高15~26℃、赤は15~32℃で醗酵させます。ピジャージュ、ルモンタージュは1日2~3回でアルコール醗酵終盤はルモンタージュのみ行います。


 熟成は白は約12ヵ月、赤は約18ヵ月でいずれも228?の樫樽で行います。


 このドメーヌではフランス中央のCHERという地方の樫の木を自ら購入し、庭で2年間乾燥させてから樽業者に製造してもらっています。新樽率はブルゴーニュとヴィラージュが20%、1級と特級が30%になります。


2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru Vergers Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ヴェルジェ・ブラン

19491
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
シャサーニュ=モンラッシェ
ドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャール

■メディア情報
◇2022年もの
 93 & 91 Points Cellar Tracker
◇2020年もの
 94 Points Vinous
■エージェント情報
 シャルドネ種100%。所有する約0.71haの畑は東から南向きの緩やかな斜面の鉄分を多く含む赤土土壌で、1972年に葡萄は植えられました。ハツラツとした酸味が良く出る区画で、オイリーさもありますが瑞々しい果実味が豊かで余韻にしっかりとした酸味を感じられる緊張感のある味わいです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥17,980 (外税) 
【サン=トーバンからの冷ややかな風と白い土壌が、レ・ヴェルジェのやや軽やかでアロマティック、エレガントな味わいを造り出すのでしょう!・・今から飲んでも美味しいです!】
 まぁ・・フォンテーヌ=ガニャ-ルさんの持ち畑は実に多彩で多いんですね。なので、noisy も・・

「テイスティングはしても販売は出来ず」

「・・えっ?・・こんな畑も持ってたの?」

 みたいな今更ながらの状況に追い込まれることが有ります。

 2022年もののテイスティングでも、例えば1級クロ・サン=ジャンの白とか、ラ・グランド・モンターニュの白なども飲んでいるんです・・掲載はしませんが・・。なので、時折・・目から鱗のように判らなかったことが氷解したりもするんですね。

 このレ・ヴェルジェは仏語だとおそらく「果樹園」ですが、昔は葡萄畑では無くて他のフルーツが植わっていた可能性も有ります。

 そして、1級レ・ショーメの真下・・東側に存在していますから、レ・ショーメの脇を通ってサン=トーバンの方に抜けられる訳です。北側がモンラッシェの山、アン・ルミィの斜面ですので、そこを風が抜けて来るんですね。

 あ、これもGoogle Map で地図上に降りて歩きましたので確認しています。面白いですよ・・やってみてください。

 なので、冷ややかな風が通って来る性でしょうか、仕上がった酸も・・南にあるクロ・サン=ジャンとは若干イメージが違い、

「同じ柑橘でも、緯度が高いところの果実」

になります。極端に言いますと・・レモンとか、やや熟す前のグレープフルーツとかのニュアンスです。熱くなり過ぎないので果実感は冷ややか、マッチョな甘さは元よりフォンテーヌ=ガニャールのワインに出ることは無いですが、ドライながらキリリとして、アロマがクッキリと浮かんで強めなのが特徴です。

 今飲んでも美味しく飲めてしまう感覚ですが、実は・・結構に長く持つんじゃないかな・・と踏んでいます。ただし、早めに飲み始めて全く問題無いので、飲みたい方は飲んで構わないと思います。

 また、何故かこのレ・ヴェルジェ1級、メディアの評価が余り見当たらないんですね。バーガウンドが、「アウトスタンディング」としながら91ポイントだったので掲載を見送りました。メドゥズさん、キレ者ですが・・時々意味が解らなくなります。少なくとも93ポイント位にするべきでしょう。

 と言う訳で、ほんのり軽めに仕上がっているが、熟成するにしたがって「押し出しの強さ」が出てくるはずです。ぜひ飲んでみてください。お薦めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【レ・ショーメ直下のレ・ヴェルジェ!清々しさ、瑞々しさ、透明感に白と黄色の気品ある柑橘果実!・・これも素晴らしい出来です!】

 この5年で凄い成長を遂げたライジング・スターと言い切ったヴィノスのニール・マーチンさんですが、1級群でそこそこの評価ポイントを付けたのはこのレ・ヴェルジェとモルジョ位?・・でしょうか・・あ、ラ・ロマネも94ポイントでしたか・・でも94ポイント止まりのようで、1級の中のトップクラスと言う評価のようです。

 因みにこの2020年レ・ヴェルジェは、他の1級群よりも「判りやすい」感じに仕上がっていると思います。同様に、

「すり潰してみると結構簡単に色々出てくる」

ので楽しくなりますし、滑らかなんだけれどフレッシュさと言うか、瑞々しさが全体を通して感じられるんですね。

 ですから、まさに・・

「シャサーニュ1級の風格と味わい!」

として感じられます。ラ・ロマネやカイユレはまたちょっと上の格を感じさせてくれますけどね。


 それでも、少し緑っぽさと言うか青っぽさと言いますか、メロンとか・・青では無いかもしれませんがスイカのノーズとか、果実も結構に複雑感を漂わせています。それに、

「エキスの凝縮度」

はいつに無く凄いレベルでして、

「二枚貝の口を無理やりこじ開けて・・」

と言う感覚は、やや軽やかには成りますが上級のラ・ロマネたカイユレと同様です。


 レ・ヴェルジェでここまで高質な感覚を得たのは久しぶりな気がしますから、やはり2020年のフォンテーヌ=ガニャールの出来は相当高いと言えると思っています。

 素晴らしい出来でした!・・もし開けて硬かったら、少し待っても変化が乏しいようなら、翌日以降に回して、シャンブレ状態にしてお楽しみください。前日まで全く見えてこなかった物凄く凝縮したエキスの一部分が、少しだけ口を開けてくれるはずです。お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【こちらもすみません、飲めませんでした。3本だけ。】

Fontaine-Gagnard Chassagne-Montrachet 1er Cru Les Vergers 2019
91 Points Vinous
91 Points Sweetspot / Outstanding Bourghound

 ん・・これもちょっと恣意的に感じますね。バーガウンドはいつも低いですから、プラス2~3ポイントすることでほぼピッタリです。ヴィノスはやっぱりダメですね。

 決してこのような評価が正しいのではないと思います。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【青々した爽快な風景が浮かんできます!・・やはりヴェルジェ・・繊細です!】

 ティム・アトキンさんは93ポイントで、実はnoisy と全く同じです。これも畑の特徴がいつもよりクッキリ良く出ているのは、

「2018年ものの集中さが、凸凹をハッキリと見せられるようになった原因」

かと思います。

 ダレたシャサーニュは全く見えません。集中し、フィネスと高貴さを感じさせてくれます。植生とか、芝生を渡ってくる風とか・・(^^;; イメージ的にはそんな感じですよ。余り noisy らしくない表現ですので止めておきますが・・。

 もうミネラリティの総量が以前と全く違っているように思います。むしろ全盛期のドラグランジェの上級キュヴェを想起させてくれます・・飲んでみて下さい。お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【ここはねらい目・・でしょう!非常にリーズナブルです!】


 とっても正直なティム・アトキンさんが94ポイントも付けちゃってるのが・・面白いですよね・・。これはねらい目としては見逃せないポイントです。その他の方々は価格やロケーションで点を付けちゃってるかもしれません・・そう願いたいです。

94 points Decanter
92 points John Gilman
92 points Robert Parker's Wine Advocate
90-92 points Vinous
90 points Allen Meadows Burghound


 以下は以前のレヴューです。
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【ジョン・ギルマン氏は92Pointsでした。】

 少なくてとても飲めないので、テイスティング・レヴュワー達のポイントを掲載させていただきますね。

 ジョン・ギルマン氏は92Points、飲み頃 2018~2035と言う評価です。アドヴォケイトのニール・マーティン氏は91Pointsでした。2015年ものもほぼ同様です。




 以下は以前のレヴューです。
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【誰もが美味しい!と言うに違い無い王道の味わい!しかも超絶にエレガンスを感じさせてくれます!】
 べらぼうに美味しいです。フィネスの担当のK君から、

「フォンテーヌ=ガニャールはいつも本当に美味しくて・・云々」

と聞かされ続け、

「(・・ホントかぁ・・?)」

と内心思いつつ、


「(そんなに言うなら・・試してみようか・・)」

と、2015年ものから扱いを大きく増やして、テイスティングに臨んでみた訳です。


 2014年もののACブル赤で、それまでに持っていた印象が変わったことも大きいですが、シャルドネの方はトライしてなかったんですね。2015年のピノ・ノワール3アイテムは書いた通りです。かなりの代物でした。


 で、まずは村名シャサーニュ=モンラッシェ・ブラン2015年です。これがですね・・実に美味しかったんですよ。何よりソフトなテクスチュアでアロマのスピードが速い!・・これはかなりの自然派の特徴でして、アロマティックで良く薫ります。同時にSo2も少ないようで、このソフトなフカフカ感、そして酔い覚めの心地良さからも判ります。

 非常にドライなんですが、中域が見事に膨らんでくれます。その上で、

「滅茶弱い抽出」

が特筆されるかと思います。つまり、良い状態で収穫された葡萄の良い部分だけを優しく抽出している訳です。特には、白ワインの場合は最初に圧搾しますんで、その時の「圧」が弱いのが感じられるんですね。優しく優しく・・抽出され、発酵に移っているのが伝わって来ます。このエレガンスはそうやって生み出されているのでしょうが、どこか女性的な柔らかさを感じます。最近は余り飲んでないのでハッキリは言えませんが、ドメーヌ・ルフレーヴのワインに感じる硬さとは、全く違う個性に思えます。まぁ、ルフレーヴも熟すと美味しいですけどね。

 このエレガンス、フィネスはシャルドネだけに留まらず、ピノ・ノワールにも同様に感じられるものです。非常にゴージャスなんですが、

「成金的では無い」

です。

「どうや~・・これは!」

と言うようなこれ見よがしな饒舌さは伝わって来ないんですよ。むしろ、


「わては・・こうでおます。お好きならどうぞ・・。」

と一歩も二歩も引いている感じがします。詫び寂びっぽいですが、気品に満ちた味わいです。素晴らしい!一推しです。


 1級のモルジョになりますと、グググっと輪郭がハッキリして来ます。味わい的には村名シャサーニュの延長上に有り、モルジョに感じられることの多い、石、煙、スパイス、果物の皮などの要素がふんだんに感じられます。粘性もかなり有り、ややオイリーで締まり気味です。硬いと言うほどではなく、そこはフカフカとした畑に転がる石、土壌構成によるミネラリティでしょう。粘土と硬い石が半々・・と言った風情です。これも超熟でしょうしかなり素晴らしいです。


 この3アイテムではやはりこの1級のカイユレが抜けていますね。こればかりはもう・・しょうがない。シャサーニュの村の中央上部に有りまして、モルジョ的な粘土も感じますがモルジョほどは多く無く、その分、もっと「あっけらかん」とした明るい表情を創り出すミネラリティを多く持っています。

 色合いからもそれは見受けられるかと思いますが、少し「薄い緑」が見えるでしょうか。ムルソーの石切り場のような、大理石的なイメージのミネラリティを持っているように感じました。最も、ムルソーの中央上部の畑のような、厳しすぎるようにさえ感じるミネラリティほどでは無く、

「やはり超絶にエレガント!」

と感じられるようなフォンテーヌ=ガニャールのスタイルを貫いていると感じました。


 どのキュヴェも美味いですが、やはり最初は「村名シャサーニュ=モンラッシェ」でお試しいただき、気に入られたら上級キュヴェにも手を伸ばしていただきたいと思います。

 おそらくどのキュヴェも、どんなタイミングで飲まれても、「硬くて飲めない・勿体ない」とまでは行かないと思うんですね。それなりの表情はいつも出してくれると思います。

 素晴らしいエレガンスとフィネスを持つワインたちでした。今後も楽しみです!是非ポートフォリオに加えてください。お勧めします!


緩やかな傾斜のカイユレの畑


2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru la Maltroie Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ラ・マルトロワ・ブラン

19493
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
シャサーニュ=モンラッシェ
ドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャール

■メディア情報
◇2022年もの
 93 Points Sarah Marsh M.W. - Fine wine
◇2020年もの
 92 Points Vinous
■エージェント情報
 シャルドネ種100%。1級マルトロワに格付けされる「ez Cretz(エ・クレ)」と「les Rebichets(レ・ルビシェ)」という場所に約0.8haの区画を所有。葡萄は1950~60年に植えられ、土壌はフィルター状の軽めの粘土質、日当たりが良く暖かい場所で葡萄の成熟が早いのが特徴です。シャサーニュ モンラッシェ1級の中でも酸味が柔らかく、凝縮感や余韻はそこまでありませんがバランス良いタッチの飲みやすさがあるワインです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  5   ご注文数   本
¥17,980 (外税) 
【2022年ものはリューディ・エ・クレだけで造った?・・少し内向的ですが、3~5年の熟成で大きく花開くタイプです!】
 ガニャール家といいますとシャサーニュの大ドメーヌで地所をアチコチに持っていますから、ヴィンテージによりブレンドをかなり変えて来ることが考えられます。1級ラ・マルトロワも幾つかのリューディからなっています。まぁ・・

「ヴォーヌ=ロマネのグラン・クリュである、フラジェ=エシェゾーのエシェゾー」

を思い浮かべてみていただけますと判り易いかもしれません。幾つかの畑が、その中ですでに支持のある著名な畑名を名乗れるようになっている訳ですね・・と言うか、

「昔からそうして来た歴史がある」

性でしょう。

 なので、このワインもまた、2022年は村落の東(下)にある「エ・クレ」だけで仕上げた・・と言う情報も有ります。

 そもそこラ・マルトロワに関しては、ほぼ・・いつもリリース直後は仕上がり切っていない感じで、少し硬めなんですね。2020年の時もそうでした・・他のキュヴェが開いていずともとても飲みやすいのに、こちらはやや内向的なんですね。

 ですがそれが悪いと言う訳では無いんです。ポテンシャルが高いとこなれるまでに時間が掛かる訳です。

 まぁ・・何度も申し上げていますが、ポテンシャルを取るのは難しいもので、その時開いているワインに心を惹かれてしまうと・・

「とんでもなく外すことになる」

訳です。

 若いグラン・クリュとA.C.ブルが有って、それをブラインドで同時に飲んだとしたら・・真逆の評価をし兼ねないんですね。なので、

「今美味しい=ポテンシャルがある・・では無い」

のが・・難しいところです。

 この1級エ・クレですが、確かにラ・マルトロワ風の・・一枚、皮をかぶせたように・・余り香らないですが、味わいの方はしっかり拡がっきます。ボリューム感にミネラリティがしっかり、ジューシーささえ感じます。これで柑橘系のアロマが高く感じられたら・・などと思ってしまいますが、テイスティングのタイミングも有りますから難しいですね。

 サラ・マーシュさんは93ポイントとしていて、こんなことを言っています。

「古く弱い退化したような葡萄の樹から生まれ、非常に小さな実を結んでいます。非常にジューシーで、まさに贅沢な味わいです。凝縮感のあるミッドパレットから、よりジューシーな余韻へと広がります。2027~2033年。」

 そうそう・・言いたいことはそういうことなんですよ・・。まぁ・・2027年からと言うのは判りますが、2033年まで・・はいけませんね。

 なので、香りが出てくるまであと2年ほど・・と言うところでしょう。古木で死にそうな樹だそうです。フォンテーヌ=ガニャールは出荷量が減りそうですね・・。ラ・ロマネの樹も引き抜くそうですし。こちらもそろそろヤバいかもしれません。ぜひトライしてみてください。お薦めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【外交的なモルジョに比較しますと、2020年マルトロワは出来が良過ぎて現状は内向的?・・それでも過去最高は間違い無いでしょう!】

 今までのフォンテーヌ=ガニャールのマルトロワ・ブランは、どちらかと言いますと非常に判りやすい美味しさを持ち、プリっとした肉厚さをイージーに感じさせてくれるワインだったと思います。

 どうでしょう・・やはり2020年と言うヴィンテージは、特別な年になったんじゃないかと思うんですね。

 かのジャン=ニコラ・メオは、

「2020年ものをさっさと開けてしまうことはお勧めしない」

と格別さを強調しましたし、

「2020年ものは規格外の出来!」

と言ったトラペさんは、またちょっと意味は違うとは思いますが、こちらもまた過去最高の出来をそれとなく言っているかのようにも思えます。


 で、今まではその外向さでいつも美味しく飲めたこのマルトロワですが、少し内向的な表情を見せている・・その訳こそ、


「いつもよりも、エキスがより凝縮している!」

とnoisy は判断しています。


 透明感の高い石英に白い石灰を混ぜ込んだニュアンスのミネラル感、少しゴマっぽいノーズが混じり、オイリーさも感じます。そこに黄色い柑橘、白や黄色の草花のニュアンス、仄かなスパイスが香ります。

 適度な膨らみが有る中域感は有るんですがやや閉じ気味で、やはり上級の1級・・ラ・ロマネやカイユレ等と同様の閉じ気味の感覚が有ります。しかし、翌日まで引っ張って行きますと、無理やりこじ開けた感は有るにせよ、エキスが半端無く凝縮しているのに気付きます。


 これは、普通に言う「凝縮感」とはちょっと違いまして、果実が凝縮している・・とかと言うよりは、エキスがほぼぺっちゃんこにプレスされていて、それが時間を得て膨らみを取り戻す・・もしくは、硬い殻に閉じ込められたものの口が少しだけ開く・・と言うような感覚に近く、残糖感が全くないフォンテーヌ=ガニャールの白の場合は、

「エキスが凝縮している!」

と・・noisy的に表現したものです。

 ですので、このラ・マルトロワも上級のラ・ロマネやカイユレと同様に扱い・・飲んでみてください。

 因みに2020年の村名シャサーニュはすでにご案内済みで終了していますが、

「村名でさえ完璧さを感じた2020年のフォンテーヌ=ガニャールの凄さ!」

を感じさせてくれました。以下のページでコラムを読めますので、是非読んでみてください。

https://noisywine.com/671/DomaineFontaineGagnard_17050.shtml#17050

 過去最高は間違い無いでしょう。お勧めします!



 以下は以前のレヴューです。
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【この、1級としては圧巻の美味しさを見せつけるラ・マルトロワ・ブランに89点?・・90点?・・それは絶対に在り得ないです!】

 思い起こせば1999年頃だったか、PKさんの一文にnoisy は大きく反応していました。

 イタリアの素晴らしい生産者、グラヴネール(グラヴナー)の白ワインに、

「チップを使用した粗悪なマコン並み」

・・みたいな評価を掲載していたんですね・・。


 その頃のnoisy はグラヴネールが1995年で今までの栽培・造りを止めて、ビオディナミコに、そしてバリックを止めてしまったことに・・

「もう、あの凄い白ワインたちには出会えないのか」

と思って嘆いていました。そこへアドヴォケイトの挑戦状とも思える酷い言葉です。

 インターネットもだいぶ浸透しはじめていましたし、noisy も何とかワインで食べられるようになって来たころですし、何より今よりも30数年も若い訳ですから・・(^^;;

「・・何?・・ふざけるな!」

とばかりに、何とかイタリアに残っていたグラヴネールの1995年以前のワインを探してもらって、日本に入れて・・

「このワインのどこがチップだ!」

と、怒りを書きながら・・販売させていただいた覚えが有ります。

 まぁ・・若かりし頃はそんなことばかりやってました。

 で、このワインも飲んだら滅茶美味しい!・・フォンテーヌ=ガニャール史上最高の出来だと確信して、ネットで海外メディアの情報を収集してみましたら・・89点ですよ。・・まぁ、メドゥズさんはこのクラスは、プラス2~3点しないと他の評価者と一緒になりませんから・・まだ許せるとしても、ヴィノスは・・90点ですからね。

「・・なんだそれ・・」

とまた怒りのようなものが沸いて来ちゃった訳ですね。

 で、それならと・・かなり無理をしてクリオ=バタールを開けまして、この方たちが「嘘」を書いていることが判明した・・そういう訳です。詳細はクリオ=バタール=モンラッシェのコラム、造り手紹介欄等をご覧ください。

 まぁ・・美味しいです。上値は93+ですね。下値は93です。相当・・に旨いです。


 2019年もののフォンテーヌ=ガニャールに共通なのは、いつもよりも黄色が強く、美しいゴールドが反射します。そしてグラスをつたう足が太く長く・・オイリーで、ノーズに上がってくるアロマは柔らかく太く、余韻が非常~~~~に長いです。美味しく無い訳が無いじゃないですか。2018年ものを確実に凌駕しています。

 うちの愚息でさえ・・このワインが89点、もしくは90点と言う海外メディア評価だと伝えると・・言葉はホント、悪いですが、「馬Xなの?」などと申しておりました。クリオ=バタール=モンラッシェに至っては93点ですから・・それ以外の言葉が見つからない・・そんな気持ちにもなってしまいます。

 素晴らしい柑橘果実の味わいに、釣り合う量を少し超える感じの量で、やや硬めの白い石灰風ミネラリティを多分に含んでいます。

 申し訳ないのは、

「予算オーバーと入荷量の少なさで他の1級が飲めなかった。」

ことです。


 2019年のフォンテーヌ=ガニャールは史上最高です。白は・・いきなり飲んでもこなしてしまう程の凄い懐の深さが有ります。赤の方は・・同様に凄い出来ではあるものの飲めるアイテムは限定されます。

 是非飲んでみて下さい。でも・・流石にクリオ=バタール=モンラッシェからこちらに戻ったら・・やっぱり93点、もう組成が全然・・いや、クリオ=バタール=モンラッシェが凄過ぎるんです。どうぞよろしくお願いいたします。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【写真で比較しても一目瞭然!・・緑掛った美しい黄色の濃度に、その集中力は描かれていると思います。】

 色々有りまして、二度も飲んでしまいましたので、良~く覚えていますよ。1万円で購入できる高質なシャルドネとして、全くのトップレベルと言って良い仕上がりです。以前はそんなご紹介は出来ませんでしたでしょう?・・そうなんですよ。

「2018年ものフォンテーヌ=ガニャールは以前と全然違う!」

のは間違い在りません。


 ティム・アトキン氏は92ポイントですが、noisy は93.0ポイントです。二度も飲んでいますんで・・ここはズレません。マッタリとした粘っこさ、オイリーさに柑橘がピュアに漂います。素直な味わいなので・・スッキリと果実だけを感じてしまうと低い点になってしまうかと思いますが、実は結構に・・複雑です。基本的には、素晴らしいモルジョと同格で、圧巻のクロ・デ・ミュレの出来には及ばないかな・・と思っています。

 ただし、どのワインも1級は6本しかないので・・もう早い者勝ちですみません。ここで一応、再度推させていただきますが・・


「2018年のフォンテーヌ=ガニャールは飲まなければいけないワイン!」

です。ご検討くださいませ。



 以下は以前のレヴューです。
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【激旨いです!ガラスを身にまとった甘露な柑橘フルーツが口内を切り裂いて入って来るかのようです!】

相当に旨い!・・です。テクスチュアはまるでユベール・ラミーのようにコーティングされたガラス、クリスタルで、しかも非常に冷ややかです・・から、

「口内が少し暖かい時に、超美味しい氷アイスを突っ込んだ感じ」

にも・・似ていると思います。


 ラミーのコーティング感の在るテクスチュアはそっくりでも、その後の振る舞いが異なります。ラミーはやはりそこでやや「ムッツリ」するんですよね・・。圧が凄いのは判るし、時を経ればその圧が解けてきてポテンシャルが開花する「だろう」と判ります。

 しかしこのフォンテーヌ=ガニャールのラ・マルトロワはそこからが違うんですよ。もうそこに、すでに「快楽」が有る・・と言ってしまって良いかと思います。

 だから、切り裂くように冷たい、滅茶滑らかな甘露が入って来て、それがじんわりと弾ける・・・しかしそれらは非常に精緻に行われる・・と言う感じでしょうか。

 これを美味しく無いとは誰も言えないのでは?・・と思いますよ。

 因みに、各メディアはこんな感じです。

92 Points from Jasper Morris Inside Burgundy
89-91 points Vinous
90 points Allen Meadows - Burghound
90 points John Gilman


 ん~・・どうやってもフォンテーヌ=ガニャールのル・モンラッシェの評価を上げたくないのが響いているかもしれません。と言うか、どうしても以前のフォンテーヌ=ガニャールのイメージを拭えないのでしょう。

 しかしながら・・間違い無く、相当に旨いです。noisy はポテンシャル93ポイントまで有ります。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ジョン・ギルマン氏は92Points!】

 少なくてとても飲めないので、テイスティング・レヴュワー達のポイントを掲載させていただきますね。

 ジョン・ギルマン氏は92Points、飲み頃予想 2021~2045+ 。アドヴォケイトのニール・マーティン氏は90Points でした。因みにVinous のタンザーさんは2015年のこのワインを 89-91 points と評価していますので、大方・・2016年の方が上と言うことが言えるかと思います。

 タンザーさんは、

「このマルトロワは1950年代に植え替えられたが、この数年のうちに再度植え替えられるだろう・・」

と言ってます。


 以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【誰もが美味しい!と言うに違い無い王道の味わい!しかも超絶にエレガンスを感じさせてくれます!】
 べらぼうに美味しいです。フィネスの担当のK君から、

「フォンテーヌ=ガニャールはいつも本当に美味しくて・・云々」

と聞かされ続け、

「(・・ホントかぁ・・?)」

と内心思いつつ、


「(そんなに言うなら・・試してみようか・・)」

と、2015年ものから扱いを大きく増やして、テイスティングに臨んでみた訳です。


 2014年もののACブル赤で、それまでに持っていた印象が変わったことも大きいですが、シャルドネの方はトライしてなかったんですね。2015年のピノ・ノワール3アイテムは書いた通りです。かなりの代物でした。


 で、まずは村名シャサーニュ=モンラッシェ・ブラン2015年です。これがですね・・実に美味しかったんですよ。何よりソフトなテクスチュアでアロマのスピードが速い!・・これはかなりの自然派の特徴でして、アロマティックで良く薫ります。同時にSo2も少ないようで、このソフトなフカフカ感、そして酔い覚めの心地良さからも判ります。

 非常にドライなんですが、中域が見事に膨らんでくれます。その上で、

「滅茶弱い抽出」

が特筆されるかと思います。つまり、良い状態で収穫された葡萄の良い部分だけを優しく抽出している訳です。特には、白ワインの場合は最初に圧搾しますんで、その時の「圧」が弱いのが感じられるんですね。優しく優しく・・抽出され、発酵に移っているのが伝わって来ます。このエレガンスはそうやって生み出されているのでしょうが、どこか女性的な柔らかさを感じます。最近は余り飲んでないのでハッキリは言えませんが、ドメーヌ・ルフレーヴのワインに感じる硬さとは、全く違う個性に思えます。まぁ、ルフレーヴも熟すと美味しいですけどね。

 このエレガンス、フィネスはシャルドネだけに留まらず、ピノ・ノワールにも同様に感じられるものです。非常にゴージャスなんですが、

「成金的では無い」

です。

「どうや~・・これは!」

と言うようなこれ見よがしな饒舌さは伝わって来ないんですよ。むしろ、


「わては・・こうでおます。お好きならどうぞ・・。」

と一歩も二歩も引いている感じがします。詫び寂びっぽいですが、気品に満ちた味わいです。素晴らしい!一推しです。


 1級のモルジョになりますと、グググっと輪郭がハッキリして来ます。味わい的には村名シャサーニュの延長上に有り、モルジョに感じられることの多い、石、煙、スパイス、果物の皮などの要素がふんだんに感じられます。粘性もかなり有り、ややオイリーで締まり気味です。硬いと言うほどではなく、そこはフカフカとした畑に転がる石、土壌構成によるミネラリティでしょう。粘土と硬い石が半々・・と言った風情です。これも超熟でしょうしかなり素晴らしいです。


 この3アイテムではやはりこの1級のカイユレが抜けていますね。こればかりはもう・・しょうがない。シャサーニュの村の中央上部に有りまして、モルジョ的な粘土も感じますがモルジョほどは多く無く、その分、もっと「あっけらかん」とした明るい表情を創り出すミネラリティを多く持っています。

 色合いからもそれは見受けられるかと思いますが、少し「薄い緑」が見えるでしょうか。ムルソーの石切り場のような、大理石的なイメージのミネラリティを持っているように感じました。最も、ムルソーの中央上部の畑のような、厳しすぎるようにさえ感じるミネラリティほどでは無く、

「やはり超絶にエレガント!」

と感じられるようなフォンテーヌ=ガニャールのスタイルを貫いていると感じました。


 どのキュヴェも美味いですが、やはり最初は「村名シャサーニュ=モンラッシェ」でお試しいただき、気に入られたら上級キュヴェにも手を伸ばしていただきたいと思います。

 おそらくどのキュヴェも、どんなタイミングで飲まれても、「硬くて飲めない・勿体ない」とまでは行かないと思うんですね。それなりの表情はいつも出してくれると思います。

 素晴らしいエレガンスとフィネスを持つワインたちでした。今後も楽しみです!是非ポートフォリオに加えてください。お勧めします!


緩やかな傾斜のカイユレの畑


2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru Morgeot Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・モルジョ・ブラン

19497
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
シャサーニュ=モンラッシェ
ドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャール

■メディア情報
◇2022年もの
 93 Points Sarah Marsh M.W. - Fine wine 92 Points Outstanding! Burghound
 92 Points Vinous
◇2020年もの
 94 Points Tim Atkin
■エージェント情報
 シャルドネ種100%。1級モルジョに格付けされる「les Brussonnes(レ・ブリュソンヌ)」という場所に約0.23haの畑を所有。葡萄の植樹は1956年で小石の多い粘土質土壌です。若いうちは引き締まりのある固さがありますが、豊かなミネラル旨味と苦味のある力強い味わいで熟成させると真価を発揮します。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  4   ご注文数   本
¥17,980 (外税) 
【そもそも1級モルジョの秘密って知ってましたか?・・ティム・アトキンさんの評価を探したのですが見当たらず、もっとも低い点のお二人を掲載しています。】
 実は・・

「ラ・ブードリオットも、レ・ショームも、ル・プティ・クロも・・なんもかもがモルジョを名乗れる」

んです。

 この1級モルジョはシャサーニュの南の端にある「レ・ブリュソンヌ」でサントネイはすぐそこ・・なんですね。

 そしてこのモルジョを名乗れる畑はなんと・・21区画・・書いてられないので書きません・・合計58ヘクタールです。東京ドームが何個分とか言って換算する時には

「4.7ヘクタール」

だそうですので、

「東京ドーム12個以上!」

と言うことになってしまいます、膨大な畑です。

 ですが、もちろん・・名乗れると言う意味ですから、まさかラ・ブードリオットがわざわざモルジョは名乗りませんよね・・。なので・・モルジョと書いてあったらテクニカルを読まないと、

「どこの畑か全くわからない」

と言うことになりますから、

「モルジョと書いてあったら、シャサーニュの真ん中から南側全部」

みたいに思っても良いかもしれません。因みに本当のモルジョの畑は、その南側のほぼ中心にあり4.3ヘクタールの畑です。

 2022年のレ・ブリュソンヌは、ラ・ブードリオットほどの成熟の遅れは無く、

「もしモルジョとしてラ・ブードリオットとレ・ブリュソンヌをブレンドしてしまったら悲惨だ」

などと考えてしまうほどに・・全然味わいが違います。

 ラ・ブードリオットはもう少し硬質で、レ・ブリュソンヌはより柔らかに感じますが、硬質であることは間違いありません。

 ほんのりとオイリーで柑橘がたっぷり、そしてフォンテーヌ=ガニャールらしい余裕と繊細さと優しさのある味わいが詰まっています。2021年ものは飲めまして、ティム・アトキンさんは94ポイントと高い評価でしたので2022年ものの評価を探したのですが見当たりませんでした。

 で・・ここまで来て「ちゃぶ台返し」をしてしまいますが、どうも2021年と2022年ものの連続性に「はてな?」を思っていた noisy を納得させるような文章だったんですね・・アレン・メドゥズさんのレヴューが・・。そこには、

「 la Grande Borne 産」

と。

 このラ・グランド・ボルヌと言うのは、レ・ブリュソンヌよりも南にある畑で、サントネイに接しているんですね・・。その性かどうかは判らず、またフィネスさんのテクニカルとこの情報のどちらが正しいかも判らず・・しかし、

「ちょっと2021年ものとは違うかも?」

とは考えられうるので・・もし判ると自信のお有りの方は挑戦してみてください。

「モルジョの秘密!」

で・・混乱させられます。ご検討くださいませ。


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【ティム・アトキン氏は94ポイントと・・2021ル・モンラッシェ、クリオ=バタール、バタールに迫る評価です!】

 素晴らしい・・ある意味、丸裸な姿がアケスケにテロワールを感じさせてくれる「ラ・マルトロワ2021」を飲めば、この1級モルジョもまた・・

「アルコール分も強くなく、果実も豊満過ぎず、ブルゴーニュのシャルドネの本当の美味しさ、その姿を見せてくれる!」

と判ります。

 なので・・これは相当に美味しいはず!・・しかも判りやすいんだと思いますよ・・ん?・・いや、なんでもありません。

 因みに今回の2021年、ル・モンラッシェは割り当てが無くていただけませんでしたが、ティム・アトキン氏は96ポイントでした。バタールとクリオ=バタールは95ポイントでした。

 さらに因むと、ティム・アトキン氏の2021年ものシャルドネのトップ評価は、ブッシャール・ペール・エ・フェスのモンラッシェとシュヴァリエ=モンラッシェで、97ポイントでしたので、

「ティム・アトキン氏的には2021年のブルゴーニュ・シャルドネの最高評価は97ポイント」

と言うことになります・・が、まぁ・・あの素晴らしいサン=トーバンやクリオ=バタールをリリースしているユベール・ラミーの2021年はテイスティングできなかったようですし、多くの素晴らしい生産者さんのテイスティングをされていませんので・・その辺も加味して考える必要はあるかもしれません。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【極楽なシャサーニュ=モンラッシェの味わいを簡単に感じさせてくれるとてもデリシャスな出来映え!過去最高でしょう!】

 昨年の2019年ものは飲めなかったクセに93~94ポイントだろう・・なんて言ってたんですね。凄いですね~・・飲まないのに点数を付けられちゃうんですね・・誰だそれ?

 ヴィノスのニール・マーチンさんは2020年のこのモルジョに94ポイントと・・久々の高評価をしたようです。因みにティム・アトキンさんはもう2021年のモルジョに・・「94ポイント」を付けているのを発見しましたので、

「やっぱり2019年ものは94ポイントで当たり!」

と言うことにしていただきまして、この2020年ものはnoisy的・・

「94+ポイント」

とさせていただきたいと思います。

 このモルジョも、

「ぷりっ」

と、果実を噛んだ時の音がしそうなくらいにリアルで、非常に判りやすい・・高質なシャサーニュが見せる比較小さなパレットをムチムチ感、膨張感?みたいな感覚で盛り上がらせたようなボディ感覚を口内に残します。

 そして僅かに残った残渣がノーズに再び運んできてくれる果実感、オイリーさが、滅茶美味しい!・・と思え・・みたいな信号になって、脳髄を通って行くようなイメージを感じさせてくれます。

 ですから、美味しく無い訳が無く・・(^^ 凄く美味しいんですね。しかもとても「判りやすい」んです。クロ・デ・ミュレは複雑過ぎて、

「・・ん~・・ちょっと早いよね~~。」

と判断せざるを得ない・・。モルジョは、


「いや、これは飲んじゃっても良いんじゃないの?」

と言えるような外向さを最初から持っているような感じを受けます。


 シャルドネって・・ブルゴーニュ・シャルドネって本当に美味しいですよね。この価格でこの味わいなら、全く文句も出ないと思います。是非飲んでみてください。超お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【こちらもすみません・・飲めませんでした。93~94ポイント位の評価と予想します。】

 2018年ものより良いとしますと・・93~94ポイントほどの間の評価だと思います。よろしくお願いいたします。



【ティム・アトキン氏は93ポイントと、かなりの高評価です!・・noisy も高く評価しています!】


 実はですね・・このモルジョは、テイスティングの順番が早かったので・・偉いビックリしたんですね。もう、繊細なアロマ、煙とか石とか・・なんて精妙なんだと思ったものです。そのうえで、

「今までに無いほど集中している!」

と感じたので、全く勘違いをしてのテイスティングが始まってしまいました。

「モルジョの出来が滅茶良いんじゃないか?」

などと思っていたんですね。


 いや、それはとんでもない勘違いでした。モルジョは・・ある意味、2018年のフォンテーヌ=ガニャールの1級では、アベレージだったんですね・・(^^;; それほどまでに2018年のフォンテーヌ=ガニャールが素晴らしい・・そういうことなんです。

 ですので、1級シャサーニュ白は、どれを飲んでも納得していただけると思いますし、それぞれのテロワールの違いをクッキリと感じることができるはずです。

 ティム・アトキンさんは93ポイントで、93.5点のnoisy とほぼ同様です。滅茶美味しい!・・そして是非、柑橘果実の美味しさに触れてみて下さい。お勧めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【ジョン・ギルマン氏は92Pointsでした。】

 少なくてとても飲めないので、テイスティング・レヴュワー達のポイントを掲載させていただきますね。

 ジョン・ギルマン氏は92Points、飲み頃 2018~2035と言う評価です。アドヴォケイトのニール・マーティン氏は91Pointsでした。2015年ものもほぼ同様です。




 以下は以前のレヴューです。
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【誰もが美味しい!と言うに違い無い王道の味わい!しかも超絶にエレガンスを感じさせてくれます!】
 べらぼうに美味しいです。フィネスの担当のK君から、

「フォンテーヌ=ガニャールはいつも本当に美味しくて・・云々」

と聞かされ続け、

「(・・ホントかぁ・・?)」

と内心思いつつ、


「(そんなに言うなら・・試してみようか・・)」

と、2015年ものから扱いを大きく増やして、テイスティングに臨んでみた訳です。


 2014年もののACブル赤で、それまでに持っていた印象が変わったことも大きいですが、シャルドネの方はトライしてなかったんですね。2015年のピノ・ノワール3アイテムは書いた通りです。かなりの代物でした。


 で、まずは村名シャサーニュ=モンラッシェ・ブラン2015年です。これがですね・・実に美味しかったんですよ。何よりソフトなテクスチュアでアロマのスピードが速い!・・これはかなりの自然派の特徴でして、アロマティックで良く薫ります。同時にSo2も少ないようで、このソフトなフカフカ感、そして酔い覚めの心地良さからも判ります。

 非常にドライなんですが、中域が見事に膨らんでくれます。その上で、

「滅茶弱い抽出」

が特筆されるかと思います。つまり、良い状態で収穫された葡萄の良い部分だけを優しく抽出している訳です。特には、白ワインの場合は最初に圧搾しますんで、その時の「圧」が弱いのが感じられるんですね。優しく優しく・・抽出され、発酵に移っているのが伝わって来ます。このエレガンスはそうやって生み出されているのでしょうが、どこか女性的な柔らかさを感じます。最近は余り飲んでないのでハッキリは言えませんが、ドメーヌ・ルフレーヴのワインに感じる硬さとは、全く違う個性に思えます。まぁ、ルフレーヴも熟すと美味しいですけどね。

 このエレガンス、フィネスはシャルドネだけに留まらず、ピノ・ノワールにも同様に感じられるものです。非常にゴージャスなんですが、

「成金的では無い」

です。

「どうや~・・これは!」

と言うようなこれ見よがしな饒舌さは伝わって来ないんですよ。むしろ、


「わては・・こうでおます。お好きならどうぞ・・。」

と一歩も二歩も引いている感じがします。詫び寂びっぽいですが、気品に満ちた味わいです。素晴らしい!一推しです。


 1級のモルジョになりますと、グググっと輪郭がハッキリして来ます。味わい的には村名シャサーニュの延長上に有り、モルジョに感じられることの多い、石、煙、スパイス、果物の皮などの要素がふんだんに感じられます。粘性もかなり有り、ややオイリーで締まり気味です。硬いと言うほどではなく、そこはフカフカとした畑に転がる石、土壌構成によるミネラリティでしょう。粘土と硬い石が半々・・と言った風情です。これも超熟でしょうしかなり素晴らしいです。


 この3アイテムではやはりこの1級のカイユレが抜けていますね。こればかりはもう・・しょうがない。シャサーニュの村の中央上部に有りまして、モルジョ的な粘土も感じますがモルジョほどは多く無く、その分、もっと「あっけらかん」とした明るい表情を創り出すミネラリティを多く持っています。

 色合いからもそれは見受けられるかと思いますが、少し「薄い緑」が見えるでしょうか。ムルソーの石切り場のような、大理石的なイメージのミネラリティを持っているように感じました。最も、ムルソーの中央上部の畑のような、厳しすぎるようにさえ感じるミネラリティほどでは無く、

「やはり超絶にエレガント!」

と感じられるようなフォンテーヌ=ガニャールのスタイルを貫いていると感じました。


 どのキュヴェも美味いですが、やはり最初は「村名シャサーニュ=モンラッシェ」でお試しいただき、気に入られたら上級キュヴェにも手を伸ばしていただきたいと思います。

 おそらくどのキュヴェも、どんなタイミングで飲まれても、「硬くて飲めない・勿体ない」とまでは行かないと思うんですね。それなりの表情はいつも出してくれると思います。

 素晴らしいエレガンスとフィネスを持つワインたちでした。今後も楽しみです!是非ポートフォリオに加えてください。お勧めします!


緩やかな傾斜のカイユレの畑


2022 Chassagne-Montrachet Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・ブラン

18998
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
シャサーニュ=モンラッシェ
ドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャール

■ メディア情報

◇2022年もの
 92 Points Vinous Antonio Galloni
 88 Points Burghound
◇2021年もの
 91 Points [2023-2045+] John Gilman View from the Cellar
 91 Points Tim Atkin
◇ 2020年もの
 90 Points Vinous
■エージェント情報
 シャルドネ種100%。「la Bergerie(ラ・ベルジュリー)」や「 les Voillenots Dessus(レ・ヴワユノ・ドゥシュ)」など7区画の葡萄を使用、葡萄の植樹は最も古い木で1960年、所有畑の面積は約1.7haになります。白い花やリンゴの香り、酸味は控えめでタッチも柔らかく、程よく甘味もあってオイリーで飲みやすい味わいです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥12,300 (外税) 
【明らかに複雑さと濃密さが増大し質感向上が見られる・・1級畑に準じる出来!・・ちょっとモルジョっぽいニュアンスに長けた村名シャサーニュです!】
 このところのフォンテーヌ=ガニャールのシャサーニュ白の入荷は少ないので昨年ご紹介の2021年ものはテイスティングできませんでしたが、一見しただけでも濃密そうに見える2022年ものです。

 そもそもシャサーニュ村名はピュリニー村名に比較すると評価する前からその存在自体を下に見るイメージが蔓延しているようで、海外メディアの評価も、ヴィノスのニール・マーティンさんは92ポイントと・・ある意味、正当な評価をしていますが、バーガウンドは88ポイントと、リキが最初から入っていない感じがします。

 ですが、毎年のように成長を感じるフォンテーヌ=ガニャールですから、普通に考えても・・

「ず~っと92点」

と言うことも考えにくいです。

 美しい黄色が濃密で、以前のグラスの写真と見比べても、明らかに密度が増大しています。アロマもふんわりと甘みを含んでオイリー、そしてフルーツのニュアンスに長けながら、まるで1級モルジョのような・・単純な石灰のニュアンスに留まらない、フリンティーさと言いますか、火打石っぽい・・少し焼けたような?・・硝石のようなニュアンスを含みます。

 口に含むとドライですが旨味が凝縮していて、少し噛めるようなニュアンスも有ります。

 ほんのりとオイリーでグラが有り、口内にへばり付いた粘性の残渣にリアルなフルーツを連想される酸の旨味が交じり合ってさらにグリップ、複雑性とエレガンスの高まりと総合バランスの良さが非常に心地良いです。

 どうなんでしょう・・2020年ものは濃密で非常に美味しかったです。しかし、中盤から余韻に掛けての複雑なニュアンスは、2020年ものには無かったと思うんですね。2022年ものはエレガンス、複雑感ともに2020年ものを凌ぐと感じました。

 クラスで言いますと、1級格と言ってはさすがに言い過ぎかなと思いますが、

「1級に準ずる見事な出来!」

と言えると思います。

 シャサーニュ的な・・「す~っ」と抜ける感じがする部分を持ちつつも、そこからのフリンティーで複雑な表情、盛り上がり、細やかなディテールを感じますと、

「単にシャサーニュ村名」

としてご紹介するのは憚られます。相当良いです!是非飲んでみてください。超お薦めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【すみません・・少ないので飲めませんでした・・が、どうやらこちらも過去最高に近い評点がメディアから出ています。】

 2017年ものにティム・アトキンさんは92ポイント付けていますので、過去最高とはならなかったものの、

「素晴らしい2020年ものよりも高い評価が2者」

いらっしゃいますので、

「筋肉質でエレガント、滅茶繊細系のシャルドネが高い評価を得ている!」

のに、noisy は少しびっくりしています。

 豊満でオイリーな2020年ものが高い評価を得るんじゃないかと想像していましたら、

「シャサーニュらしいエレガンスと、より細やかな表情をしたシャルドネ」

が高い評価を得たわけです。

 実は・・このワインは2023年の6月には到着していました。2021年のA.C.ブル・シャルドネがとても美味しかったのですが、赤のパスグラやA.C.ブルが、

「・・ん~・・これだと・・来春から・・だろうなぁ・・」

と言うのがその時の判断でして、

「・・じゃぁ来春にシャサーニュ白2021は開けよう」

と思っていたのに・・到着した上級キュヴェの数の少なさに、

「・・げげっ・・これじゃ、何も開けられないじゃない!」

となってしまったんですね。

 それでも数アイテム、上級キュヴェを開けてしまったので、このシャサーニュ白のテイスティングはお蔵入りになってしまいました。申し訳ありません。

 ですが、やはり相当良いと思います。ご検討くださいませ。



 以下は以前のレヴューです。
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【過去最高、間違い無し!・・滅茶苦茶美味しいです!2020年はフォンテーヌ=ガニャールにとってシャサーニュのトップに躍り出たヴィンテージになった!?】

 完璧だと思います!・・滅茶美味しいです!・・仮に、何かと比較して表現してみるとするなら、引退の決まったドミニク・ラフォンがシャサーニュで過去最高の村名ワインを造った感じ?・・でしょうか・・少し違いますか・・ね?

 ドミニクのムルソーも素晴らしいですがやや内向きかな?・・と思ってしまうほどにフォンテーヌ=ガニャールの2020年のシャサーニュ=モンラッシェ村名白は適度な外向きさと内向きさを持っています。50対50・・でしょうか。

 なんでそんなことを言うかと申しますと、もしこの若いシャサーニュの村名ワインが100対0で外向きだとしますと、皆さん・・余り美味しいとは思わないと思うんですよね。

「隠れている部分を何となく感じることが出来る」

からこそ、

「ポテンシャルを感じる」

と言うような言葉に繋がって行くはずなんです。

 で、この2020年のシャサーニュ村名白の第一のドラマは・・実に心地良い新樽由来のアロマと、濃密なエキスから立ち昇る果実系のアロマの見事なバランスとせめぎ合い!・・です。

 言ってしまえば・・野暮ったいなぁなどと感じてしまいガチな新樽のニュアンスは、出来たワインが素晴らしいと・・まるで印象が異なって感じられます。何ともエレガントで何とも高貴!・・さらに言ってしまえば、ドミニク・ラフォンも一時はこの「新樽由来のアロマとブケ」が素晴らしかったですよね?・・そしてこの新樽のニュアンスは数年で完全にワインに溶け込んで、さらなる美味しさに繋がって行った訳です。

 最近はこのように「新樽悪者説?」が幅を利かせてしまいまして、

「物凄く出来の良いワインにおける新樽のニュアンス!」

を経験する場が無くなって来てしまっています。


 ですがこのワインは・・そんな素晴らしさをちゃんと味わえるんですよ。ある意味、

「クラシカル」

では有るんですが、むっつりスケベ的な、内向的な出来では無く、

「50対50」

の、非常にバランスの良い・・むしろ、

「現代的な自然なアプローチによる仕上がり!」

になっていると感じます。


 ほんのり新樽の気品高いニュアンスと、オイリーでネットリ、充実したエキスからの柑橘が生み出す壮大なハーモニーは、やはりブルゴーニュ・シャルドネの持つ素晴らしい構成のひとつだと感じます。ドライなのに甘美で、何とも色気の有るアロマがノーズへと還って来ます。自然な減衰の余韻が生み出す寡黙な時間は心地良い長さを自覚させてくれます。

 これぞ、ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味!・・でしょう?・・最近流行りのフレーズだと、これは飲まなきゃいかん奴だと・・(^^;; 本当に思います。

 最大限仕入れさせていただいて、何とかそれでも18本だけでした。最初の入荷は6本だけだったので、

「・・飲んだら儲け無し・・か・・」

とモチベーションが駄々下がりだったんですが、何とか粘らせていただいてあと12本、入ってくることになりました!・・まぁ、実は・・新着で全然売れなくても良いかな・・とも思ってもいるんです。店で売れちゃうと思いますんで!・・

 でもおいしいシャルドネに目が無い方は、絶対飲むべきですよ。2020年は凄い出来になりました!上級キュヴェもご期待ください!超お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【王道のシャサーニュ=モンラッシェ・ブランがここに有ります!・・最高!】

 いや~・・嬉しいですね~・・こんなに自分のイメージに近い形の写真が撮れたことがとても嬉しいです。

 濃い黄色からのゴールドの反射が、グラスのフチを伝う太目の「涙」を照らしている・・そんな感じが実際にも目で見ている訳で、珍しくそのイメージに近い写真が撮れました。

 本当はクリオ=バタール=モンラッシェの写真を何枚も撮ったんですが、納得できるものは一枚も無く、仕方なく・・よりマシなものを2枚選んでアップしています。それでもまぁ・・クリオ=バタール=モンラッシェの存在感と比較しますと、ちょっと村名は弱く見えてしまうのは・・お判りでしょう。

 また、メディアの評価は見事に見当たりませんでしたので掲載できませんでした。なので、noisy的には、

今飲んで 92 ポテンシャル92+ 飲み頃予想 今~2037

とさせていただきました。本当はポテンシャル93まで見ていたんですけどね・・自重しちゃいました。これ、相当に高い評価だと思いますよ。


 1枚目の写真は出来るだけ下からの接写、2枚目の写真は少しだけ上に移動して接写です。ややねっとりとしつつ、口内に引っ付いた液からのアロマがフローラルさの中に黄色い熟した柑橘果実が有って、アロマだけでも美味しいです。A.C.ブルも相当旨いんですが、やはりエレガンス、質感は敵いません。

 2018年ものは、相当に「透明感」が見えていますよね。2019年ものは、そこは「熟度の高さ」に置き換わっている感じで、

「グレートイヤーこその表情」

が有ります。滅茶美味しいです!是非飲んでみて下さい。超お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【ティム・アトキン氏は2017年ものアドヴォケイトの評価に1点加えて91ポイント!・・シャサーニュ白でこれは凄いです!】


 え~・・すみません・・時間が来ちゃいました。そろそろ新着を出さないと・・お客様に怒られてしまうので、余り書けません。

 ですが、

「史上最強のシャサーニュ=モンラッシェ・ブランはこれ!」

です。村名で91点なんて・・まず付かない点でしょう。

 本当は色々書きたいんですが、申し訳ない・・後で補完します。

 1級には確実に及ばないが、かなり接近戦には持ち込めるだけのポテンシャルがあると・・思ってください。お勧めします!



 以下は以前のレヴューです。
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【90 points! Robert Parker's Wine Advocate です!これは超お買い得!】

 余りに美味しい、切り裂きジャックみたいなマルトロワ・ブランのエレガンスを、僅かに「鈍角」に持って行って「飲みやすさ」に振ったバランスがこのシャサーニュ村名の白だと思ってください・・。そうしたら手を出しやすいでしょう?


 そもそもフォンテーヌ=ガニャールのシャルドネは、そんなには割り当てをもらえないんですよ。特に安いクラスは・・ブルゴーニュ・シャルドネやシャサーニュ村名は、レストランさんでもひっぱりだこのようで、需要が多いので・・ワイン屋はどうしたって後回しになってしまうのは理解出来ます。


 あ、そうそう・・昨今の新型コロナウイルスの性で、皆さんも自重気味・・でもそれだとこの先の経済状況が不安になってきてしまいますよね。

 ただし・・やることが無い・・(^^;; 営業職のあるお客様は、自宅でお仕事をしているとおっしゃってました。「テレワーク」と言うそうですが、会社に来てもらっても、またお得先に行ってもらっても困る・・と言うことだそうです。

「・・どうすりゃいいの?」

って感じですよね。


 まぁ、noisy のところはそんなことは無いですが、

「超美味しくてリーズナブルなのに・・お客様の引きが悪い・・どうすりゃいいの?」

と言うようなことは・・ここでも散々起こっています。


 氷のように冷ややかでテクスチュアは滑らか、質の高い柑橘と、僅かにそれらを勝るバランスで包み込む透明なミネラリティ・・伸びやかに香るアロマに、うっとりしていただけます。

「甘くてシャバっと拡散してしまうようなシャサーニュでは無い!」

です。是非ともご検討くださいませ。超お勧めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【べらぼうに美味しいです!・・でも数は有りません!】

 余りのACブル・ブランの美味しさにビックリしてしまいましたが、反面、

「・・でも、2016年のシャサーニュの白が普通の出来以下だったら困っちゃうなぁ・・」

と、まだ見ぬ上級キュヴェへの不安も持っていた noisy です。


 そりゃぁ・・そうです。テイスティングは下のクラスから順々に行って行くのが普通なんですが、それでも、中には飛び抜けて素晴らしいものが有ったりしますんで、A.C.ブル・ブランが2016年、たまたまそうだった・・と言うことなら、今まで皆さんにお伝えしてきた内容を修正しなくちゃならなくなってしまいますしね・・。


 ですが・・この村名シャサーニュ=モンラッシェも、言ってみれば、

「飛び抜けて素晴らしい!・・しかも特徴もバッチリ!」

なので、ヘタすれば1級クラスと同等・・などと言いたくなってしまいます。

 しかしながら数は本当に無く、出来れば飲んで数を減らしたく無かったのが本心では有りますが、まだ復活してから2年目ですんで、2015年ものを結構な数、テイスティングしたとは言え、天候の影響が厳しかった2016年もののチェックも怠れないと言うことで、村名も開けてみました。


 まさに・・A.C.ブル・ブランのコラムでも書きましたが、テクスチュアはまるでミシェル・ニーロン並みのテッカテカ、つっるつるのものです。

 しかもワインを口に入れる前の素晴らしいアロマにビックリです!ほんのりとオイリーなんですが、胡麻っぽい特徴的なアロマが、煙っぽさと一緒にノーズに飛び込んで来ます。スピードも有り、適度な柔らかさと硬さが交錯し、ミネラリティの豊富さを感じさせてくれます。口に含むと柔らかい酸はまん丸で、入った液体の表面張力をも感じます。ぷりっぷり・・なんですね。

 酸っぱい酸はほぼ無く、上品さ、気品が漂いつつノーズに抜けて行きます。マッタリとしつつ余韻は長くたなびき、柑橘系と非柑橘を上品に再現しながら消えて行きます。

 シャサーニュと言うよりは・・いや、シャサーニュでは有るんですが、もっとピュリニーっぽいし、滅茶苦茶上品で硬く無いムルソー・シャルムを飲んでいるかのようでも有ります。いや・・絶品ですね・・。今飲んでも充分に満足していただけるかと思います。これだと1級クラスの2016年が楽しみでは有るんですが、

「2~3本しか・・無い!」

ので・・ごめんなさい。・・村名でこれだけ美味しければ、価格上昇の抑えられた・・もしくは前年とほぼ同様ですので、1級クラスはべらぼうな仕上がりになっているでしょう。

 残りは5本ですので・・是非お早めにご検討くださいませ。お勧めします!



 以下は以前のレヴューです。
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【誰もが美味しい!と言うに違い無い王道の味わい!しかも超絶にエレガンスを感じさせてくれます!】
 べらぼうに美味しいです。フィネスの担当のK君から、

「フォンテーヌ=ガニャールはいつも本当に美味しくて・・云々」

と聞かされ続け、

「(・・ホントかぁ・・?)」

と内心思いつつ、


「(そんなに言うなら・・試してみようか・・)」

と、2015年ものから扱いを大きく増やして、テイスティングに臨んでみた訳です。


 2014年もののACブル赤で、それまでに持っていた印象が変わったことも大きいですが、シャルドネの方はトライしてなかったんですね。2015年のピノ・ノワール3アイテムは書いた通りです。かなりの代物でした。


 で、まずは村名シャサーニュ=モンラッシェ・ブラン2015年です。これがですね・・実に美味しかったんですよ。何よりソフトなテクスチュアでアロマのスピードが速い!・・これはかなりの自然派の特徴でして、アロマティックで良く薫ります。同時にSo2も少ないようで、このソフトなフカフカ感、そして酔い覚めの心地良さからも判ります。

 非常にドライなんですが、中域が見事に膨らんでくれます。その上で、

「滅茶弱い抽出」

が特筆されるかと思います。つまり、良い状態で収穫された葡萄の良い部分だけを優しく抽出している訳です。特には、白ワインの場合は最初に圧搾しますんで、その時の「圧」が弱いのが感じられるんですね。優しく優しく・・抽出され、発酵に移っているのが伝わって来ます。このエレガンスはそうやって生み出されているのでしょうが、どこか女性的な柔らかさを感じます。最近は余り飲んでないのでハッキリは言えませんが、ドメーヌ・ルフレーヴのワインに感じる硬さとは、全く違う個性に思えます。まぁ、ルフレーヴも熟すと美味しいですけどね。

 このエレガンス、フィネスはシャルドネだけに留まらず、ピノ・ノワールにも同様に感じられるものです。非常にゴージャスなんですが、

「成金的では無い」

です。

「どうや~・・これは!」

と言うようなこれ見よがしな饒舌さは伝わって来ないんですよ。むしろ、


「わては・・こうでおます。お好きならどうぞ・・。」

と一歩も二歩も引いている感じがします。詫び寂びっぽいですが、気品に満ちた味わいです。素晴らしい!一推しです。


 1級のモルジョになりますと、グググっと輪郭がハッキリして来ます。味わい的には村名シャサーニュの延長上に有り、モルジョに感じられることの多い、石、煙、スパイス、果物の皮などの要素がふんだんに感じられます。粘性もかなり有り、ややオイリーで締まり気味です。硬いと言うほどではなく、そこはフカフカとした畑に転がる石、土壌構成によるミネラリティでしょう。粘土と硬い石が半々・・と言った風情です。これも超熟でしょうしかなり素晴らしいです。


 この3アイテムではやはりこの1級のカイユレが抜けていますね。こればかりはもう・・しょうがない。シャサーニュの村の中央上部に有りまして、モルジョ的な粘土も感じますがモルジョほどは多く無く、その分、もっと「あっけらかん」とした明るい表情を創り出すミネラリティを多く持っています。

 色合いからもそれは見受けられるかと思いますが、少し「薄い緑」が見えるでしょうか。ムルソーの石切り場のような、大理石的なイメージのミネラリティを持っているように感じました。最も、ムルソーの中央上部の畑のような、厳しすぎるようにさえ感じるミネラリティほどでは無く、

「やはり超絶にエレガント!」

と感じられるようなフォンテーヌ=ガニャールのスタイルを貫いていると感じました。


 どのキュヴェも美味いですが、やはり最初は「村名シャサーニュ=モンラッシェ」でお試しいただき、気に入られたら上級キュヴェにも手を伸ばしていただきたいと思います。

 おそらくどのキュヴェも、どんなタイミングで飲まれても、「硬くて飲めない・勿体ない」とまでは行かないと思うんですね。それなりの表情はいつも出してくれると思います。

 素晴らしいエレガンスとフィネスを持つワインたちでした。今後も楽しみです!是非ポートフォリオに加えてください。お勧めします!


緩やかな傾斜のカイユレの畑


2022 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ

18996
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャール

■エージェント情報
 ピノ・ノワール種100%。葡萄の木の樹齢は約50年で所有畑の面積は約0.9ha、白亜粘土質と泥灰質土壌が混じり合い、ヴォルネイ村の「les Longbois(レ・ロンボワ)」とシャサーニュ=モンラッシェ村の「la Platiere(ラ・プラティエール)」に畑があります。色合いはとても淡いですが、素晴らしい果実味がありストラクチャーがしっかりしていてワインの色とのギャップに驚かされます。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥5,650 (外税) 
【2020年ものの濃密な味わい、2021年ものの激エレガントな味わいとも異なる、シミジミ感+エレガント感+スタイリッシュでシャサーニュ的な味わいの2022年です!】
 昨年ご紹介させていただいた2021年ものは、

「まさに・・言葉が良くないが、素っ裸なA.C.ブル!」

でした。化粧っ気も無く、美しく伸びるエキスだけの存在からの表情が愛おしく、激繊細でした。

 反対に2020年ものは、

「フォンテーヌ=ガニャールのA.C.ブル・ルージュで、ここまで濃密なのは初めて!?」

と言える位でした。もちろんですが濃い目は濃い目ですが、羽目を外してローヌワイン?・・みたいなことには陥りませんでした。来た時から美味しかったように記憶しています。

 そして2021年ものもリリース時からひとつのバランスに達していて、これも最初から旨かったです。

 この2022年ものは、とても精緻で適度な濃度を持ち、非常に端正です。果皮、そして果皮の周りのジュースが多い感覚がします。ただしその分、少しだけ早い感じで、幾分の硬さを持っています。なので、飲むとするなら11~12月位からが良いと思われます。

 面白いのは・・葡萄の採れる畑は異なるはずですが、パスグラの・・伸びやかで淡い美味しさの中核部分、ピノ・ノワールの部分ですね・・これをそっくりピノ・ノワールだけを抜き出し、少し凝縮したような感じなんですね。

 2020年ものは、シャサーニュのやや石灰多めの赤とヴォルネイの粘土多めの赤を折半したかのようなニュアンスだった(はず・・な)んですが、2022年ものは、

「シャサーニュだよな・・やや淡い方の・・エキス系の・・」

と言ったイメージで、フォンテーヌ=ガニャールのシャサーニュ=モンラッシェ・ルージュにかなり近いように思います。

 シャサーニュ=モンラッシェと言っても、かなり濃い系で果実味たっぷり系のものもあれば、エキス系で美しい系のものも有ります。こちらのA.C.ブルは後者で、グラスの写真をご覧になられますと判るかと思いますが、涙も有りつつ・・しかしずっとそこに滞留はしない感じ・・適度な粘性が有りつつ、粘り過ぎずにエレガントな余韻を感じさせるタイプです。

 まぁ・・A.C.ブルと言いましても様々な味わいが有りますが、やはり2022年ものは・・

「フォンテーヌ=ガニャールのシャサーニュ赤に近いエレガント系エキス系の味わい」

と思ってください。

 2022年は、濃過ぎず、薄過ぎず、精緻で健康的ながら、平均的なヴィンテージよりも少しだけ濃い目の美しい仕上がりをしているピノ・ノワールが多いように思います。ぜひ飲んでみてください。リーズナブルだと思います。お薦めです!



 以下は以前のレヴューです。
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【2021パスグラよりも成長していますので今から飲んでもOKでしょう・・繊細系が苦手な方は・・少し置くか、諦めましょう・・】

 2020年ものと2021年もので、これほどまでに違うと・・きっと前年ものを飲まれた方はビックリすることでしょう。

 しかし・・この2021年ものを飲んでいてきっと気付くはずです。

「・・あれ?・・」

と。

 そう・・実は同じなんです・・真の姿が2021年もの。そして2020年ものはそこに「肉」がしっかり有った・・と言うことなんですね。肉は果実の風味・・です。

 ですから、このA.C.ブルを飲んでいると・・お好きな方はすごくハマるはずです。


「・・もう少し果実がファットだったらなぁ・・」

などと思わない訳では無いかもしれませんが、食事をしながらこのピノ・ノワールを飲み、また何かを摘み・・として行く内に、いつの間にかこのワインの世界に取り込まれているはずなんですね。


 もっともこのワインも、2023年6月の到着でした。パスグラよりは成長していましたが、やはりちょっと若く、

「ご紹介はやはり来春にしよう」

と言うことで、今まで寝ていました。

 なので写真は昨年6月のものです。今はもう少し色彩もハッキリし、色の押し出しや透明度も出てくると思います。

 あまりに2020年ものと違うのでビックリされるかもしれませんが、noisy 的にはこの方が普通です。この10年は・・

「濃かった!」

と言えます。

 半面、

「これから、これほどにエレガントなブルゴーニュ・ピノ・ノワールには簡単には出会えない可能性が高い!」

とも言えます。

 少ないので2本目は開けられませんでしたが、一応・・桜が咲く季節にいかがでしょうか。ご検討くださいませ。



 以下は以前のレヴューです。
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【コート・ド・ニュイのA.C.ブルも真っ青!?ヴォルネイとシャサーニュのA.C.ブルの畑が生む完璧なA.C.ブル!・・是非飲んでみて下さい!】

 ん~・・これ以上、価格が上がらないで欲しい・・!販売する方としまと本当に厳しいです。・・しかし、この数年間での・・

「A.C.ブルゴーニュのランクアップ度は半端無い!」

と感じています。まぁ、どちらのドメーヌさんでも同様かもしれませんが、昨今はA.C.ブルが物凄く美味しくなったでしょう?・・10年以上前とは比べ物にならないほど、品質アップが成されていると感じています。

 そしてフォンテーヌ=ガニャールの2020年のA.C.ブルは完璧・・そう思わせてくれる素晴らしい仕上がりでした!

 いや・・2019年ものも素晴らしかったですよ。ただし、リリース直後に飲むには少し引っ掛かりが有ったのも事実です。たしか、そのようにお伝えしていたと思います。

 2020年ものは・・今からもう、完璧だと言いたいです。2020年のパスグラと同様に、素晴らしい果実酸をたんまり持っています。写真からは濃密な赤、積層したような赤黒が感じられると思います。

「この色彩でコート・ド・ボーヌのA.C.ブル」

ですよ?・・有り得ないでしょう?

 まるでコート・ド・ニュイのA.C.ブルを見ているかのような外観です(個人的な感想です)。それでいて、

「濃いなぁ・・」

とか、

「薄い・・か?」

みたいな感想にもなりませんよね?

 2017年ものはどうだったでしょう?・・淡いですよね。そして赤い。でも2018年ものはやや暗めの深~い赤です。2020年ものは奇跡的にほぼ中間的ですが、今までこんな色彩に見えたことは有りませんでした。

 口に含めば高質な果実酸の美味しさが「3D 」で感じられます。非常に立体的です。まぁ・・複雑性が滅茶高いんですが、それをほぼ球体に感じさせてくれるんですね。力技は一切感じられません。おそらくですが、かなり微妙な天候をくぐり抜けて、結果秀逸に育った2020年ですから、結果としてマロラクティックの掛かり具合がこの美しい酸を残したのかと思っています。2019年ものも美味しかったですが、味わいそのものは2020年ものとは結構に異なると感じました。

 ピュアで自然で、素晴らしい果実酸が球体に近いパレットを描きます。もしかしますと・・もしかするとですよ・・飲まれる方によっては、自分にとっては少し酸のレベルが高いんじゃないか?・・と思われるかもしれません。でも・・少し飲み進めてみてください。どうでしょう?・・2~3分で、もうそんなことは忘れているでしょう?

 ですから、現在の状況ではもしかしたら、酸のレベルを気にされる方もいらっしゃるかもしれない・・と言うのがネガティヴな部分かと思いますが、このワインのバランスを考えますと・・これで良いんだと思うんですね。

 しかも濃密ですが・・シャサーニュ系の赤には、今まで「付き物」だった「甘み」はゼロです。そして反対に「エキスの旨味」が半端無い・・そのエキスこそ、この果実酸が生み出したものでして、そこからフレーヴァーが生まれているんですね。集中しています。濃密ですが優しい!・・素晴らしいA.C.ブルです。癒しも有るかな・・と思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めします。


 以下は以前のレヴューです。
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【いつものエレガント系 + いつも通りじゃない複雑性 の2019年!・・美味しい(はず)です。】

 美味しいはずです・・なんて・・飲んでるんだかどうだか良く判らないかもしれませんが、実は・・

「このA.C.ブルとパスグラは2021年6月入荷!」

だったんですね。

 ちょうど親父が亡くなった頃に2アイテムだけ赤が先着していまして、テイスティングはしたもののご案内出来ずに今になってしまった訳です。だからと言って、テイスティング内容を覚えていないと言うことは無く、ちゃんとアリアリと覚えています。

 リアルワインガイドの評価テイスティングでも、noisy が担当レヴューのボトルを持ち帰らないので、

「・・noisy さん、それで良く・・書けますね~・・」

と言われます。でも、noisy の自宅の食卓には、常にボトルが50本以上・・下手をするとあとプラス20本・・。まぁ、この50~70本の間のうちにテーブルの上をある程度片付けないとカミ山が大噴火してしまう訳ですね。なので、リアルの担当テイスティングボトルを毎回数本持ち帰ると、溶岩が流れ出してしまう訳で、そんな理由も有るんですが、

「印象深いアイテムはほぼほぼ覚えている」

ので、持ち帰って再度飲む必要はないんですね。それに印象深く無い・・ごく普通の味わいとかでしたら、「あれと同じ感じ」で覚えておけますし、駄目だなぁ・・こりゃみたいなアイテムは、評価点そのものが低いし印象も悪いですから、還って覚えてしまう訳です。もっともそんな場合、そのアイテムの担当になることはまず無いですけどね。

 で、このA.C.ブル・ルージュ2019...覚えてますよ。2019パスグラの、余りに可憐でバランス良く、流れて行くような見事な味わいに比較して、

「より深いピノの味わいの中に、2018年ものまでには無い複雑な要素が凝縮していて、その分やや引っ掛かりの在る感じ」

がした訳です。

 ですんで、

「パスグラは紹介したい・・けどA.C.ブルは半年..掛かるよなぁ・・」

と覚えていたんですね・・。


 色合いを見ていただくとお判りかと思いますが・・あ、初夏のテイスティングですからボトルもグラスも曇り気味・・なのがバレバレですね・・2018年ものの暗い色合いからは激変して、「赤」ですよね。エレガントな感じは変わりませんが、

「赤果実が相当凝縮している感じ」

なので、いつもよりも複雑な味わいがしました。2016年に似ていますがもう少し積層した感じの色合いです。


 ですので、9カ月ほど経過し、ようやく美味しくなって来た頃だと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【・・はい・・写真を見比べて・・是非ご購入ください・・。飲み心地も最高!密度の高い極上ピノ・ノワールの純な美味しさに触れてみましょう!】

「・・これ、マジか・・?」

と、最初は信じられませんでした。

 何か間違ったのか?・・どこかで入れ違えたとか?・・とか、色々考えてしまいまして、結局、この2018年のフォンテーヌガニャール、2本も開けてしまいました・・。

 だって、劇的に・・それまでのフォンテーヌ=ガニャールのA.C.ブルとは、見た目が全然違うじゃないですか。

 2016、2017年と来て・・とても美しいピノ・ノワールでしたし美味しかったです。人気が有るとか無いとかではないですが全く残らないワインです。

 でもどちらかと言えば、淡くてエレガントで、しなやかさも有って・・でも凝縮感は感じないけれどエキスはしっかり有る・・そんなイメージでした。


 ところが、これですよ。この色彩。余程健康的に葡萄が育って熟したものが収穫でき、かつ、選別も相当にきっちりしないと、こんな色合いにはならないはずです。


 なので、もう一枚、貼っちゃいます。2本目です。

 杞憂でした。同じです。一枚目の写真は結構に前にテイスティングしており、「ボトルの底の方」をグラスに入れています。ので、ちょっと透明度が出ていないかな。

 二枚目の写真は6月30日~7月1日の撮影だと思います。これは見ていただけますとお判りのように、ボトルの上の部分ですね。より明るく透明感がアップして撮れていると思います。

 凝縮感・・と言ってしまうと、

「ん?濃い味なのかな?」

と伝わってしまうのを恐れて・・そうは言いません。密度がとても高いです。


 しかしながら味わいの延長はあくまで2016、2017年ものの上に有ります。実にエレガントです。そして非常にドライ・・。酸のバランスも心地良く、果実のニュアンスが、まだ花の内からのアロマと熟した果実のアロマが混然一体となっています。

 エッジを感じないまろやかな口内感覚で、僅かな襞の触感を感じさせながら、質の良さを漂わせつつの余韻です。

 しかもこれ、相当に長い期間も良い熟成をするんじゃないか?・・とさえ思わせるんですね。結構、長く検証させていただきましたから・・。

 そして、So2もかなり少ないと思われますが非常に健全。なので・・

「ど~しちゃったの?フォンテーヌ=ガニャール!」

と言うことになっちゃった訳です。少なくともラモネさんのシャサーニュより美味しい・・(すみません・・)。


 なので、これは是非とも飲んでみていただき、ご意見を頂戴いただければと思います。何せ、今のブルゴーニュで、

「12.5度のピノ・ノワールを、この葡萄の熟度で出来る!」

のが信じられません。ある意味、圧巻・・ビックラしたのもお判りいただけると思います。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【ドライでピュア!こちらも化粧ッ気無しの、ほんのりナチュラルさも感じるピノ・ノワールです!】

 ヴォルネイのレ・ロンボワとシャサーニュ=モンラッシェのプラティエールのブレンドです。どちらもA.C.ブルの畑ですが、惜しいところで村名になってない感じの畑でして、例えばレ・ロンボワの真上はクロ・マルタンで村名畑ですし、プラティエールの約半分は村名畑です。

 ですので、結構にしっかりしていますよ。非常にドライですがピノの味が濃いです。この、ドライな味わいと言う部分が味噌でして、シャサーニュの赤は甘くなりがち、レ・ロンボワ辺りはシャルドネに向いた畑が多いので石灰が強くなりがち・・と言うことで、シャサーニュのプラティエールをしっかり発酵させてボディを造り、レ・ロンボワで石灰系ミネラリティの支えにする・・と言うような設計なのかもしれません。

 パスグラ同様に非常にエレガントで、樽の要素もほぼ感じません。非常にピュアです。価格もリーズナブルですから、さらっと今飲んでも良いですし、2年ほど置いても深みが出て来て、ややワイルドさが加わり、さらに良化してくると思います。是非飲んでみて下さい。お勧めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【フォンテーヌ=ガニャールならではのエレガンスをバランス良く表現している、とても良い仕上がりの2016年です。】

 これも美味いです。最も、素晴らしいリュジアン並み・・などとは絶対に言いません。A.C.ブルクラスとして、またA.C.シャサーニュ村名クラスを比較にしての視点で、とてもピュアで美味しいと感じます。

 どうやらヴォルネイとシャサーニュの各村の畑をブレンドしているようですが、例えばシャサーニュの赤・・と聞くと、

「もしかしたら少し甘め?」

と想像される方は、かなり経験の有る方だと思われます。

 そう、確かにシャサーニュの赤系のワインは・・遅熟させてやや甘く仕上げるパターンが多かったと言えます。濃くマッチョなワインを造ろうとしていたと思うんですね。

 しかしながら、世界の愛好家たちの嗜好がPKさん誘導のものから解放されたのも原因の一つかもしれませんが、

「ん?・・濃いブルゴーニュ?・・甘いって?・・それはブルゴーニュワインじゃないよ。」

と、彼らは少し前までの自身が造っていたワインのことなど他人事のように言うかもしれません。


 それほどまでに、やや甘いシャサーニュ赤は一斉に姿を消し、黒くて酸の無い、でも横方向にだけはパレットが拡がることも無くなったと言えます。

 このA.C.ブルもそんなエキスたっぷり、ブルゴーニュワインらしいピュアでエレガンスを強く感じるものに仕上がっています。

「2016年って、オフヴィンテージでしょ?」

と言われるかもしれません。


 しかしながらここに来て判ったことは、

「2016年ものは量は物凄く少ないが、出来たワインの90%ほどは非常に質が良い(良質な造り手のもの限定)」

と言うことですね。


 なので、質が悪いと言う意味の「オフ・ヴィン」で有れば、「それは間違い」であり、量が無いと言う意味なら「正解」と言うことになります。


 純でピュア、アロマも味わいも伸びの良い、エレガントなワインです。ルイ・ユエランのワインのような、「シミジミさ」では無く、むしろ、

「ハツラツとしながらも愛らしい表情を持ったA.C.ブル」

です。是非飲んでみてください。お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【超絶にエレガントで滅茶ゴージャスです!このフォンテーヌ=ガニャールのピノ・ノワール、是非とも一度トライされてください!】
 いや~・・驚きました。フォンテーヌ=ガニャールのピノ・ノワールがここまで旨いとは思いませんでした。長い間飲んでいなかったとは言え・・と言うか、余りに初期のイメージが良く無かったのが響いたことも有りますし、エクスクルーシヴを持つエージェントさんとの付き合いがちょうど無かったことも有るかと思います。

 それにしても、

「あの、紙を加えたままピノを飲んでいるかのようなイメージ」

は何だったんだろう・・と思ってしまうほど・・の超絶なエレガンス、フィネスです。


 左の写真は上から順にポマール・レ・リュジアン、シャサーニュ=モンラッシェ、ACブルゴーニュになります。色合いなどぜひご覧くださいませ。

 勿論ですが上級キュヴェほど、その造り手の真の姿を映し出しますが、さりとて下級キュヴェもその延長上になければ飲み手の理解は深まらず、しかも、

「・・高いクラスだけ美味しくてもね・・駄目だよね・・」

と言うような、余り良く無いイメージを植え付けてしまいます。最初に言わせていただきますが、下から上まで、ちゃんと統一され、造り手の意思が全てのワインにキッチリ現れています。


 ポマール・レ・リュジアンは、言わずと知られたポマールのテート・ド・キュヴェ(トップワイン)です。濃密ながらエレガンス、複雑性とも、他の1級畑ものを引き離すと理解されています。

 この非常に淡く美しい色合い・・感動的ですよね。やや黒みを深く持つシャサーニュ=モンラッシェとも、大きく異なる色合いで、ポマールの1級畑が持つ上品さを見せてくれているように思います。


 で、このレ・リュジアン2015年ですが、ビックリするほどの超絶なエレガンスとフィネスを感じさせてくれます。しかも、

「まったく濃く無い!」

です。しかし、ちゃんとキッチリエキスが出ています。これ、どういう事かと言いますと、


「最適な状態に熟した葡萄のみを使用し、ほぼ圧力を掛けずに優しく絞った、非常に贅沢な味わい」

なんですね・・。



 例えば日本酒でも、モロミを絞る時に、ギューっと強い圧力を掛けて、最後の最後まで絞ったら・・どうなるでしょう?・・渋みやエグミ、雑味が出てしまいますよね。でもその分、量が沢山造れる訳です。

 ワインも同じです。絞れるだけ絞ってしまうと、そりゃぁ量は出来ますが、雑味の多い味わいになってしまいます。

 このワインからは、そんな雑味は感じられないどころか、一点の曇りのない美しい姿のみを感じさせてくれます。


 勿論ですが、葡萄の質が良く無ければ、醸造も、絞りも全く意味が有りませんが、

「上質で健康な葡萄だけを使用している・・と感じさせてくれる高質感」

が感じられます。


 なので、今飲んでも滅茶苦茶美味しい!・・しかし、こんなもんじゃないんですよね・・実際は。このワインが熟してきますと豹変するはずなんですね・・だって、素性が滅茶苦茶良いんですから。


 むしろ今は、その姿は「淡泊」に感じられるかもしれません。・・そう、強さは全く無いに等しいほど、スムーズな飲み口なんです。でも少し飲めば判るでしょう・・

「・・これ、只者じゃぁ無いぞ・・」

と言うニュアンスがヒシヒシと伝わってくるはずです。


 言わば、例のルイ・ユエランのような、余り饒舌では無いタイプなんです。非常に贅沢な、葡萄の芯の部分だけをワインにしたような感じです。なので、

「ガシッとした味わいが好きな方にはもしかしたら向かない」

かもしれませんが、

「シルヴァン・パタイユのフルール・ド・ロゼが非常に美味しいと感じられる方には、これ以上無い味わい!」

と感じていただけると思います。


 いや・・贅沢ですよ、これ。最高の贅沢です。高名な生産者のレ・リュジアンが雑に感じてしまう人もおられると思います。それほどまでにこの表情は素晴らしいです。やや高額では有りますが、

「こんなワイン、レストランさんで飲みたいよなぁ・・」

と思っていただけると思います。



 二番目のシャサーニュ=モンラッシェの赤は、レ・リュジアンとはテロワールが全然違うことが色合いからも判ると思います。軽やかなレ・リュジアンに比較し、しっかり強い粘土とシャサーニュらしい強い果実感が特徴です。

 しかしながらレ・リュジアンと同様に非常にエレガントでフィネス感たっぷりです。粘土由来の重厚さを第一に考えるのでしたらこちらのシャサーニュ=モンラッシェ赤をお勧めします。価格もよりリーズナブルですし、

「他の生産者のシャサーニュ=モンラッシェ赤のような鈍重さが無い」

のが特徴です。強い抽出をせず、フェザーのように軽くしか圧を掛けていない感じを受けます。アメリカン・チェリーやブラック・ベリー風の果実味が、非常に高質に感じられます。美味しいです。


 最後はA.C.ブルゴーニュの赤ですが、これはやはりフォンテーヌ=ガニャールのエレガントスタイルを見事に表現できていますので、


「もし、レ・リュジアンやシャサーニュに手を出すのが怖いのなら・・」

このACブルを飲んでみるのが良いかと思います。


 勿論、レ・リュジアンの超絶なエレガンスや、シャサーニュらしい重厚なピノの味わいをエレガントに表現できてはいないです。

 しかし、テクニカルにあるように、ヴォルネイとシャサーニュに有るACブルの区画のブレンドですので、これ、かなりバランスが良いんですね。ヴォルネイが持つ雅さとシャサーニュが持つ大きさや重量感をブレンドしており、しかも、フォンテーヌ=ガニャールの質の良い葡萄とゴージャスなワイン造りにより、とてもエレガントにチェリー風味をエキス味で表現してくれます。

 2014年も美味しかったですが、2015年ものも負けずに・・いや、それ以上に旨いです。


 2015年ものは3アイテム、ご紹介させていただきました。どうしても上級キュヴェのレ・リュジアンの記事の比重が大きくなってしまいますが、これは仕方が無いです。滅茶素晴らしいですから。

 でも、例えば濃密さ、凝縮感命の方が飲まれたら・・

「ん?・・全然言うほどじゃ無いじゃん!」

と怒りを覚えるかもしれませんよ。それほどまでにエレガントなんです。


 濃いものはアバタを隠せます。でも淡いものは隠しようが無いんです。少しの汚れも浮き上がらせてしまうんです。だから淡いワインは造るのが非常に難しいんです。濃いものは最初から濃く造るつもりなら出来ますし、アバタも隠せる訳です。


 素晴らしいピノ・ノワールでした。まだ飲まれていないようでしたら是非とも飲んでいただきたい逸品です。ご検討くださいませ。




 以下は2014年ブルゴーニュ・ルージュのレヴューです。
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【ドライでピュア、柔らかでしなやかなエキス系の・・ストレートど真ん中に投げ込んだような高質ピノ・ノワールです!】

 いつ以来なのか・・覚えていないほどですが、フォンテーヌ=ガニャールのワインをご紹介します。へそ曲がりの noisy は、シャルドネでは無くてピノ・ノワールです。

 おそらくシャサーニュ村近郊の畑産と思われる、柔らかでしなやかなテクスチュアを持った秀逸なピノ・ノワールです。シャサーニュ系のピノに有りがちな「甘いピノ・ノワール」では無く、しっかり完全発酵させたドライでエキシーな味わいです。

 やや赤いフラワリーさを感じるノーズにチェリーの果実、粘土がいっぱい・・と言うよりは、白い石灰が透けて見えるような美しい色調、口内を「もっさり」させてしまうような重ったるさも無く、しかししなやかで伸びの良い味わいです。ほんのり煙のようなアロマに石のヒントも高貴さを感じさせてくれます。

 まぁ、シャサーニュの赤は、良いのに当たると滅茶美味しいんです。例えばニーロンさんちの1級の赤などは、非常に少ないし余り評価されていないですが・・時折ご紹介させていただいてますのでご存知ですよね。妙に鉄っぽく重さの有るムルソー赤とも違い、もう少し低域に厚みの有る重厚さが出やすいワインです。

 その辺りの処理が、むしろこのドメーヌが伝統的な造りを続けてきたやり方に、非常にマッチしていると思われますが、滅茶心地良いんですね。これ、とても面白いポイントでして、シャルドネの造り手なのにピノ・ノワールの方が安定して美味しい・・ありゃ・・こんなこと書いちゃうと怒られちゃうかな?・・そのまま誰にも言わずに黙っててくださいね。

 このドメーヌのシャルドネは、滅茶出来が良いものと垢抜けないものが同居していまして、中々に選択が難しいんですね。しかも、出来が良いものが毎年一緒・・と言う感じでも無く、ただ、上級キュヴェは総じて出来は良いです。中級クラスが今一つの場合、もしくは良いものと、もう少し安いなら・・とか、もうちょっと頑張ってくれよ・・みたいななのが混じる感じで、中々にね・・ムズイんですね。・・内緒の話しです。なので当たると・・

「フォンテーヌ=ガニャールのシャルドネってこんなに素晴らしいの?」

と驚く羽目になります。なのに・・ACブルは毎年非常に安定感が有ります。

 これなら納得していただけるだろう・・と言う魂胆でのご案内です。ぜひ飲んでみて欲しいと思っています。ご検討くださいませ。



収穫時の「Les Longbois」の区画

ドメーヌ・ガニャール=ドラグランジュ

ガニャール=ドラグランジュ

フランス Gagnard-Delagrange ブルゴーニュ
● 2022年のガニャール=ドラグランジュ、赤のご案内です。2022年はシャルドネの美味しさに驚きましたが、少し遅れて赤のテイスティングに入り・・

「最初のパスグラの完成度の高さにクラっと・・」

来てしまいました。

 まぁ・・大昔のドラグランジェとの比較でも・・特に赤ワインは過去最高になるんじゃないかと思いますよ。白はラ・ブードリオットのあの物凄いフルーツのアロマに・・しっかりやられましたから、

「2022年のドラグランジェは息子・孫たちにより、最高のワインを生みだした!」

と言えます。

 因みにフォンテーヌ=ガニャールの2022年ル・モンラッシェは至高の逸品ですが、サラ・マーシュM.W.が 98 Points としていまして・・

「(飲んでみたい・・けどなぁ・・)」

と、入荷さえ無いヴィンテージも有りますから開ける訳にも行かず、でも相当な数をテイスティング出来ましたので、

「息子・孫たちが凄いワインを生みだした2022年!」

と言えるでしょう。

 いつまでこのドメーヌの名前が持続するのかは不明ですが、2022年もので最後を飾ったと言えるのかもしれません。それほどに出来が良い2022年、勿論ですが他の赤ワインの出来も(シャンパン以外は飲めましたので)確認済です。ぜひご検討くださいませ。

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 2022年のガニャール=ドラグランジュ、驚きました!・・とんでもなく美味しいです!

 今回は白だけですが、特に1級のラ・ブードリオットがとんでもない仕上がり、飲んでいて舞い上がってしまうほどに美味しいです!

 もちろん、シャサーニュ村名も美味しいんですが、1級が凄過ぎて・・(^^;; もはや、以前のように・・

「お婆ちゃんの畑まで手が回らないよ~・・」

みたいなことは無くなり、フォンテーヌ=ガニャール品質になったと言うことだと理解しています。それにしてもラ・ブードリオット、滅茶美味しいです。noisy はラモネさんのブードリオットにはさして感動したことは無いんですが・・(^^;;

 以下にガニャール=ドラグランジュ、フォンテーヌ=ガニャールからの2022年ものの評価を掲載させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 2022年は4月が冷涼だったが幸い霜などの被害はなく、5月に入ると天候は回復して気温が上がり、葡萄の成長は早熟傾向となった。6月は適度に雨が降って夏に向けて地中の水分も十分蓄えられた。7月になるとほとんど雨が降らなくなり、暑く乾燥して葡萄の色付きが進んでいった。

 8月はさらに気温が上がって一部の畑では葡萄が焼けてしまう被害も出たが、葡萄の健康状態は概ね良好で8月26日から収穫を開始した。葡萄の果皮は厚く果肉は凝縮していたので、赤は色調が濃く鮮やかなアロマがあり、ストラクチャーがしっかりした旨味豊かな味わいになっている。白は酸味と甘味のバランスが素晴らしく、2020年に近い印象だがスタイルとしては2020年よりも風味豊かでアロマがとても強く酸味もしっかり残っている。

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 2021年のガニャール=ドラグランジュです。2020年ものの美味しさにはビックリしましたが・・noisy的にはこんなことも気になっていました。

「2021年のボーヌのピノ・ノワールはエレガントな仕上がりが多いが、もともとエレガントなガニャール=ドラグランジュはどうなっちゃうかなぁ・・」

「2021年のボーヌのシャルドネは、贅肉の無い・・ある意味パーフェクトな仕上がりだけど、もともとエレガントでちょうど良い感じのガニャール=ドラグランジュはどうなっちゃうかなぁ・・」

です。

 なので、フィネスさんの割り当て書を拝見した時・・

「・・げっ・・この数だと・・何も飲めない?」

と・・。白はほぼほぼ2~3本、赤は上が3~6本・・下が12本・・でした。

 ですが、そもそもエレガント系のシミジミさが大好きな noisy ですから、

「エレガントな造り手が超エレガントなヴィンテージにどんなワインを造るか?」

と言う疑問に勝てず・・無理して3アイテムも開けてしまいました・・入荷数が3本のも飲んでますから、それらは2本だけの販売です。


 結論としましては・・

「もう・・個人的には最高!・・めちゃ好き!・・甘みの無いエキスの美しい、酸が煌びやかな・・まさに1970~1988年頃までの・・激エレガントで古典的なブルゴーニュの味わい!」

でした。

 タイミングは幾分早いのかもしれませんが、若干・・待つだけ?・・と言うよりも、休息を与えるだけで満足の行く状態になると思います。

 もう・・シャサーニュ村名赤なんか、最高です!・・パスグラも少しだけ早いけど、いや~・・激エレガントで、

「そうそう・・パスグラはこうじゃなきゃ!」

と思わず言葉が出てしまいそうになります。昨今のめちゃ美味しくなった、昔のブルゴーニュクラスの味わいも悪くないですが、やはり軽くて酸の美しいパスグラに・・心を惹かれてしまいます。

 白はもう・・全部合わせても10本に届きませんから、とても飲める状況では無かったんですが、シャサーニュ村名を飲ませていただきました!

「もう余分なものは何もなく、足りないものも何も無い・・まさに古代の?・・高級ブルゴーニュ・シャルドネ!」

と感じさせてくれました。


 激エレガントですが・・シミジミと入射角鈍く、優しく体内に侵入してくれます。そして何とも心地良い残像を見せてくれるんですね。

 この先、いつまでこのドメーヌが存続されるかは、ドラグランジュの息子たちに掛かっているのでしょうが、もうすぐそこまで来ていると感じます。

「40~50年前のブルゴーニュ・ピノ・ノワール、シャルドネをしっかり彷彿させてくれるドメーヌはここしかない!」

のかもしれません。ぜひブルゴーニュ本来の詫び寂びの世界へ・・裸のブルゴーニュがどれだけ素晴らしいか、ぜひご覧くださいませ。




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 2020年もののガニャール=ドラグランジュをご紹介させていただきます。

 いや・・もうビックリです!・・2019年のご紹介時も、

「絶対に買い!」

と書いてましたが、2020年ものも当然のように・・「必買!」です。

 なぜって・・そりゃぁ・・

「滅茶苦茶旨くて過去最高間違い無し!・・しかも濃くて辟易することが全く無いエレガンスを持っている!」

から・・です。


 で、その原因を海外サイトでようやく見つけました。

「どうやらドラグランジュもビオディナミ転向済み!」

のようです。

 フィネスさんもこの新型コロナの時期で余り情報が得られなかったと思いますが、その辺はいずれ判ると思います。

 しかし、

「クラシカルな造りと味わいを脱却した2018年!」

は、この3年間のグラスの写真を見ていただけましたら簡単に判るかと思います。


「2020年ものガニャール=ドラグランジュは白も赤も過去最高!」

 そう断言させていただきます。是非ご検討くださいませ。


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 2019年のガニャール=ドラグランジュをご紹介させていただきます。

 ハッキリ言います。絶対に「買い!」です。理由は・・

「どのワインも滅茶苦茶美味しい!」
「どのワインも滅茶苦茶安い!」

からです。

「ガニャール=ドラグランジュが美味しいって言われても・・信じられない・・」

と思われる方は・・残念でした。

 ですが、noisy に騙されても良い・・と思われる方は、何のアイテムでも良いので・・飲んでみて下さい。

 それに、シャルドネは絶品ですが、赤ワインも

「信じられないほど安くて旨い!」

です。

 おそらくですが、2019年と言うヴィンテージと、ブラン=ガニャールの息子さんのマルク・アントネーさんの成長ぶりが反映されて、「今風のブルゴーニュの若くても美味しいスタイル」に変わっていることに有ると思います。

 そしてこれがもし2020年にも同様に感じられるとするなら、ブラン=ガニャールの上昇気流にもつながると踏んでいます。是非・・騙されてみて下さい。ラ・ブードリオット..また飲みたい!・・ヴォルネイ・シャンパンも激旨です。

 あ、バタール=モンラッシェだけはちょっとイントネーションが違いますので、是非コラムをご覧ください。ただしバタール=モンラッシェ2019も、化け物みたいな凄い味です。


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 「往年のガニャール・ドラグランジュ復活か?」と言いたくなるほど、2018年のガニャール・ドラグランジュは素晴らしいです!・・ちょっと涙がチョチョ切れてくる美味しさ!・・いや、それは昔のガニャール・ドラグランジュを知る人だけだとは思いますが、それでも、

「ニュー・クラシカル!?」

と言いたくなるような・・まったく「押しつけがましくないピュアな美味しさ」を感じさせてくれるシャルドネとピノ・ノワールに仕上がっています!

 特に「シャサーニュ=モンラッシェ1級ブードリオット・ブラン」・・・これはもう、すっげ~美味しいですよ。シャルドネ好きが絶対に喜ぶような見事なバランスです。ご検討くださいませ!

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 ガニャール・ドラグランジュをご紹介します。ガニャール・ドグランジュは当主のジャック・ガニャールさんが亡くなられましたので、2008年が彼の最後の作品になりました。

 現在は近親のブラン・ガニャールとフォンテーヌ・ガニャールへ畑を徐々に譲渡しているようですが、古木から生まれる正にブルゴーニュ的クラシカルな味わいは、懐かしくも有り、惜しくも有り・・飲むとついつい、センチメンタルな気持ちにさせられます。

 しかしながら、むしろ最近はこのようなクラシカルな味わいのブルゴーニュは絶滅している・・と言って良い状況でして、改めて飲んでみると・・

「・・いや~・・派手さは無いけど、シミジミ美味しい・・」

と思われるんじゃないかと思い直しています。 


 noisy の店でもルイ・ユエランがあれほどに支持されたのには、あんな「シミジミ伝わる美味しさ」にほだされたお客様が多い・・と言うことなのかと思うんですね。

 それに、ガニャール・ドラグランジュのワインも全く変わっていない訳では無く、徐々に近代的な造りの方に引っ張られていますので、大昔のガニャール・ド・ラグランジュの味わいとも異なっています。

 それはどういうことかと言いますと近代的な造りは、

「過度の空気接触を避ける」
「過度のピジェアージュ、ルモンタージュをしない」

こと等によりピュアなフレーヴァーを失わないようにするような側面が有りますが、徐々にそちらに寄って行っていると感じます。

 なので、以前よりも大幅にピュアになっています・・が、過渡期と言うか、徹底していないことによるのか判りませんが、

「良い感じに中間的な味わいになっている」

ものでして、なので余計に


「シミジミとした美味しさが伝わってくる」
「ピュアなのにブルゴーニュ的なエロスがノーズをくすぐる」

と言う、嬉しい状態にもなっているんですね。


 ドメーヌ・ガニャール・ドラグランジュがいつまで存続するのかは微妙ですが、こんな「シミジミエキスのエロストッピングワイン」、是非飲んでみていただき、以前のブルゴーニュワインが持っていた表情を想像してみていただきたいと思います。


■エージェント情報
 ドメーヌ フォンテーヌ ガニャールの当主リシャール フォンテーヌ氏の義父である故ジャック ガニャール氏が当主として運営していましたが、惜しくも2009年7月に享年80歳で他界され、現在はリシャール氏と、ドメーヌ ブラン ガニャールの当主で同じく義理の息子にあたるジャン マルク ブラン氏の助力の下、ジャック氏の奥様がドメーヌを引き継ぎました。

 2009年ヴィンテージの醸造においては、特にジャン マルク氏の息子であるマルク アントネー氏が中心となって行っており、ジャック氏は醸造に携わっていないので2008年物がジャック氏の造った真のラストヴィンテージと言えるでしょう。

 1960年からワイン造りをしていた故ジャック氏の畑は約2haと非常に小さいですが、その多くは樹齢50年以上の古木です。しかし、畑は年々フォンテーヌ ガニャール、ブラン ガニャールの2つのドメーヌに譲渡されていっており、近い将来、すべて譲渡する予定のようです。手摘み収穫後に白は低温浸漬してアロマを出し、樫樽で16~18ヵ月間醸造。赤は除梗後に2~3週間かけてアルコール醗酵をさせ、樫樽で16~18ヵ月間熟成させます。ドメーヌ フォンテーヌ ガニャールのワインは瓶詰前にフィルターを掛けていますが、ガニャール ドラグランジュのワインはフィルターを掛けていないのでよりタニックな仕上がりになっています。


2022 Chassagne-Montrache Rouge
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ

19479
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
シャサーニュ=モンラッシェ
ドメーヌ・ガニャール=ドラグランジュ

■エージェント情報
 ピノ・ノワール種100%。「les Platieres(レ・プラティエール)」と「les Puits Merdreaux(レ・ピュイ・メルドロー)」の2つの区画の葡萄で最も古い木は1936年に植えられました。フランボワーズのような濃いベリー系のアロマ、ぎっしり詰まったような豊かな果実味とタンニンがあり、とても力強い弾けるような旨味のあるワインです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  1   ご注文数   本
¥5,990 (外税) 
【快活ながらエレガンスが滲むシャサーニュ=モンラッシェの赤らしい・・見事なバランス!豊かさとしっとり感、赤果実のノーズがグッと来ます!過去一間違い無し・・しかも値下げで5千円台確保しました!】
 これほどに美味しい村名のブルゴーニュのピノ・ノワールがギリギリでは有りますが、

「5千円台!」

と言うのはかなりお買い得じゃないかと思いますがいかがでしょうか。

 まぁ・・インポーターさんもちゃんと考えていらっしゃるところは、こんな時代ですから・・出来得る限り値上げしないようにしてくれています。

 アメリカは某新大統領さんが高関税を掛ける事を決めていますが、当然ながら影響は出るかと思いますが・・

「他国に向けた刃はいずれ自国に向かう」

のは間違い無く、いつものようにはぐらかすことさえ出来ない状況に追い込まれることになると考えることさえ出来ないのかと・・思ってしまいますが。

 そうは言っても食べて寝て仕事して、また食べて・・と言う日々の暮らしは止まらない、止められない訳で、ヤケ酒になりかねないものの・・皆さんの硬直してしまった精神と肉体を解してくれる美味しいピノ・ノワールはマストなアイテムかと思います。

 それでも余りに高いと手を出し辛くなってしまいますから、株も下落していますし・・あ、X銀所有の膨大な額のETF..一体どうするつもりなんでしょう・・などと余計なことまで気になってしまいますが、さっさと売ってしまえばさらに株が下落するでしょうし、そのまま持っていると下手すれば額面割れ?・・あ、関係無いので止めておきます。

 2022年というヴィンテージは、ガニャール=ドラグランジュにとってはどんな年なのかとも考えています。

 まぁ・・お婆ちゃんがいる実家・・と言う立場がフォンテーヌ=ガニャールだったりブラン・ガニャールなんですが、彼らも自分たちが継いだ畑を育むのに精いっぱいだった時代が終わり、いずれさらに相続することになるであろう・・畑もしっかり手入れし、本気で醸造し、素晴らしいワインに仕上げた・・そしてそれが完了したヴィンテージが2022年と言うことなのかと、noisy は感じています。

 美しい照りとグラデュエーションのある見事な色彩と、そこから想像される通りの・・快活で豊か・・ながら、「トゥーマッチ」にはならないエレガントなシャサーニュらしい味わいを感じさせてくれます。

 例えば、ラミーやバシュレ=モノのように強い凝縮感と密度の高さで勝負するのではなく、それらが感じさせる「ハードさ」よりも、より自然で柔らかく、「ちょうど良いベストなポジショニング」を得たワインに仕上げているんですね。そしてそれはフォンテーヌ=ガニャールも同様で、

「無理に凝縮させるのではなく、畑仕事をしっかりやって良い葡萄に育て、その収穫した葡萄のポテンシャルに合わせた醸造を頑張る」

と言う、ブルゴーニュ本来の仕事をきっちりとやっています。

 なので飲んでいて疲れないし、何も不足が無い・・しっかり満足できる味わいに仕上がっているのでしょう。

 そしてヴィンテージの背景・・2022と言う非常に良い年になったと感じさせてくれる味わいと、そのシャサーニュ=モンラッシェと言うアペラシオンそのもののテロワールを見事に感じさせてくれます。

 この10年間で最高の仕上がりですが、この3年で最もリーズナブルな価格です。北からピュリニー、シャサーニュ、サントネと続くコート=ドールの南のドンケツですが、ピュリニーにはすでにほぼピノ・ノワールは無く、シャサーニュとサントネで質を争っている感じです。

 ラミーのサントネの密度が高い味わいとは異なりますが、

「ピノのエレガンスを感じたいならこちら!」

でしょう。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【・・・ここまで淡いと・・と思ってしまうに違い無い・・んですが!?】

 近年、ここまで淡いガニャール=ドラグランジュの村名シャサーニュ赤は・・無いですね。

 2017年ものが最高に淡い色彩ですが、それさえ・・濃く見えるほどに淡いです・・なので、

「このシャサーニュ村名赤が気になる方は、2021パスグラのコラムも読んでみてください」

と・・お願いしておきますね。

 noisy 的には、この2021シャサーニュ赤・・最高に美味しいです!2021パスグラも大好きですが、現状でパスグラよりもこのシャサーニュ赤が・・

「整ってます!」

と言う状況ですから、

「ブルゴーニュの村名で6千円の、超エレガントでめちゃ美しいディテールを描き出す見事なピノ・ノワール!」

なんですね・・。

 ピノ好きでこの味わいを否定する方はごく一部なんじゃないかとは思います。なぜって・・

「ドすっぴんどころじゃない、丸々裸のピノ・ノワールの高質な真の姿をしている!」

と感じます。


 まぁ・・言ってしまえば、昨今のブルゴーニュ・ピノ・ノワールは・・

「濃過ぎる!」

と・・思います。いや、否定はしませんが・・濃いですよね~・・特に2020年もの・・。

 ですから、

「昔ほどブルゴーニュのピノ・ノワールの本当の姿が見え辛い!」

訳です。


 これを言いますと・・とんでもなく偉そうに聞こえるはずなので、余り言いたくないんですが、

「なに?・・真の姿とか、本当の姿とか?」

と聞かれるはずなので・・


 例えば昨今だと・・ピノでは有りませんがシャルドネで、モンタニーのフイヤ・ジュイヨをご紹介させていただきました。ワイン屋の皆さん・・もノーマークです。ですが、飲まれ方から・・喜びのご報告を沢山いただきます・・。

 言ってしまえばヴァーゼンハウスも・・です。ワイン屋さんがテイスティングしても、誰も手を出してくれなかったのは、その時のヴァーゼンハウスの状態が今一つだったから・・です。だから noisy のところに話が来たんですね・・なので、今も有る程度の数をいただいています。

 つまり、「真の姿」を知っていれば・・それがどんなものかを何となくでも覚えていれば、その何かと別の何かを比較することが可能なんじゃないかと思うんですね。もっとも、自身でいつもそこまで考えている訳ではなく、なんとなく経験値的な感じでそう思う訳です。

 で・・この超淡~~い・・シャサーニュの赤が、

「絶妙に美味しい!」

んです・・。

 もちろん、濃かった2020年ものも好きですよ。でも、声にならない心の声が・・

「(・・そう・・このシミジミと沁みて来るブルゴーニュ・ピノ・ノワールの味わいに惚れてるんだよなぁ・・)」

と・・言ってる訳なんですね。


 エマニュエル・ルジェは直に官能を揺さぶってくれるしルーミエさんは完全バランス?・・メオの雅びなエレガンスには心を持っていかれる・・でも!

「名前も無いのに、売れてもいないのに、時折・・心底美味しいと思えるワインに出会うことが出来る!」

からこそ・・noisy は未だにワイン屋をやっているのかもしれません。飲んでみてください。シミジミ美味しくて安いと思っていただけましたら幸いです!


 以下は以前のレヴューです。
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【ドラグランジュもビオへ!・・美味しくなった理由が判りました。2018年頃からのグラスの写真は、その結果として柔らかさと濃度を得たものだと思います!滅茶安い!】

 今時、ブルゴーニュの村名ワインが6千円って・・まず無いですよね。しかも輸入元はフィネスさんですから、この素晴らしい適度な濃度とコンディションの良さをその価格で飲めるわけですから、

「相当にお買い得!」

だと思います。

 正直・・2016年頃はまだ非常にクラシカルな味わいで、若いうちはちょっと貧相さも感じさせたものですが、それ以降・・確実に変化して来たのは間違い無いでしょう。

 この村名シャサーニュも、甘さには絶対に逃げない潔さは有るものの、2016年は非常に淡く、2017年ものもまだまだ淡い・・が、2016年ものにはあまり見えない無い透明感の高いミネラリティを見ることが可能です。

 そして2018年もの・・いきなり濃度が出て来ましたよね・・ここまでくると、もう普通に美味しいです。ですので大いにお勧めさせていただきましたし、2019年ものは、

「激旨シャサーニュ・ルージュの誕生!」

とさえ書かせていただきました。


 そしてこの2020年・・完璧でしょう!この村名も、ブレンドの1級も、ヴォルネイ=シャンパンも・・

「物凄く美しい色彩!」

 そう思わないでしょうか?

 実際、飲んでいて非常に楽しかったんですね。2016年頃は実際・・ちょっと辛かった・・。勿論ですよ・・何年か経って熟してクラシカルな味わいが解れてくれば美味しくなるのは判っているので、何も問題無い訳ですが、

「それでも若いうちのテイスティングは結構厳しかった」

と言えるわけです。


 でも、今やもう・・飲んでいて楽しい訳ですから・・。エキスはたっぷりあるが甘く無く、果実の素直なアロマがナチュールさを持って膨らみながら感じられますし、口内に入ってからもそれは美しさを感じさせながら、余韻と共にノーズに戻って来て美しいチェリー果実の風味を残してくれる訳です。

 2020年の村名シャサーニュ、安いです。今飲んでも良し、最低10年先までバッチリ行けます。飲んでみてください。お勧めします!

 以下は以前のレヴューです。
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【2019年と言うヴィンテージの良さが生んだ奇跡か、若きマルク・アントネーの成長の故か?・・激旨シャサーニュ・ルージュの誕生です!】

「シャサーニュの赤って、どんなワイン?」

とワイン会で初心者に近い、美しい女性に尋ねられたら・・もしくは男女逆でも良いですが・・どうお答えになるでしょう?・・難しいですよね?・・シャルドネならともかく、ピノ・ノワールではピュリニーとの比較にも持って行けない訳ですから・・。

 でも・・村と村の位置関係をちょっとズラしただけで・・Noisy wine のお客様ならきっと、その先のお二人の関係性にも影響が出るようなお答えが出来るんじゃないかと、noisy は勝手に想像してニヤニヤしている訳です。

 そう、ガニャール=ドラグランジュの2019年ピノ・ノワールが・・いや、パスグラも有りますから「赤」が、余りに美味いので・・

「どう説明したらよいかなぁ・・」

と考えあぐねていたところ、ちょっと良い手を思いついたんです。


 実はシャサーニュの北側はご存じの通りピュリニーです。すでにピノ・ノワールはほとんど生産されていない村が北なんですね。なので、この方向は間違い。使えません。

 ですが、南に接している村は何でしたっけ?・・そうそう、「サントネ」ですよ。

 そしたら最近、滅茶苦茶美味しい「サントネ」を・・飲まれませんでしたでしょうか?・・飲んだでしょう?・・そう、驚異の100点男、ユベール・ラミーの「サントネ」そして「サントネ1級ラ・グラヴィエール」ですよね?

 ラミーも2011年頃から扱わせていただきましたが、この数年の彼の両サントネの美味しさは格別なものが有ります。しかしこの美味しさ、凄い味わいはたったの3年ほど前から・・ですよね?

 そして、シャサーニュ村の南のドン付き、1級畑レ・ザンブラゼや1級畑クロ・ピトワに接しているのが、サントネの1級畑「クロ・デ・タヴァンヌ」と「ラ・コム」で、その南に接しているのが「ラ・グラヴィエール」なんですね。


 ですので、サントネのワインって・・とても伸びやかでしょう?・・そして、余り強く抽出するとガサガサになってしまったりするのはお判りかと思うんですね。

 ラミーのサントネは密度が高く、甘く無く、葡萄が勝手にワインになっているだけなんだろうけれど・・凄く充実している感じがすると思うんですね。

 だから・・そんな感じを自分なりの言葉に置き換えて行くと、自身が思っているシャサーニュの赤に対する印象を言えるようになると・・思ったりします。・・前置きが長くてすみません。

 で、

「もう・・この色合いを見て決めてください!」

と言いたい位に美しいです。


 ちょっと透明なミネラリティが絶大で、透明感がバリバリに見える色彩です。やや赤みを積層したような少しだけ暗い感じですが、果実もたっぷり、凝縮度も高く・・でもザラっとした接触感が全くない・・滑らかで伸びやかな味わいです。

 今までのガニャール=ドラグランジュのピノは、リリース直後は少しガサッとしていましたが、2019年ものはもう・・滅茶滑らかで流れるようなシルキーさを持っています。そこからベリーやラズベリーのニュアンスを振りまいて、未開ながらもいやらしさの無い複雑なニュアンスを振りまきながら、

「これぞピノ・ノワールの美しさ!」

みたいな去り際を見せつつ、美しく消えて行きます・・惚れてまうやろ~!・・と言う感じですよ。


 しかも価格が安い!・・質感も高く、リーズナブル感も高い・・ちょっとシャサーニュの村名赤で、ここまで旨くて5千円もしない・・なんてのは先ずない!・・と言って良いと思います。

 まぁ・・やはり去り際が綺麗で素晴らしいと・・ワインって美味しいですよね。

 あ、そうそう・・ワイン会で仲良くなっても去り際が重要ですよ・・社会人として・・そここそは美しくありたいものですよね。是非飲んでみて下さい。超お奨めです!



 以下は以前のレヴューです。
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【2017年もののシミジミさが嘘のよう!。。快活でフレッシュ&ピュア!密度もしっかりでA.C.ブル並みにお買い得な村名シャサーニュです!】

 2018年のドラグランジュのピノ・ノワールが大きく変わったことを象徴するかのような画像ですよね・・。

「・・全然違うでしょう?」


 若い人が余りタッチしてない・・もしくは畑に人が余りいない・・のが推測されるような・・でも、シミジミとした美味しさの伝わって来る2017年ものでした。でもそれはそれで美味かったですけどね。

 しかし・・もう2018年ものは、2017年のシャサーニュのような姿からは想像のできないほどの「快活さ」「健康さ」が感じられます。

 noisy もまたこのところ、「大激変シリーズ」を展開しちゃってますので、ここでまた「ドラグランジュ、大xx」などとやってしまうと心が痛みますので・・いや、でもハッキリ言うと・・そう書きたい訳です。思い留まっている訳ですよ。ピノなんて、ちょっと休めてエアコンの利いた部屋で、夏野菜や鶏肉のソテーなんかで合わせたら・・きっと参っちゃいますよね。鈍重ではない、そして力業で抽出を強くしない、自然な、ありのままの葡萄の姿をワインに転化しただけの味わいこそが、美味しいピノ・ノワールの姿なんだと気付かされます。造り手によって、樽の使い方が異なったり、マロラクティックをどこまでするか・・が異なるだけです。ドラグランジュの場合は軽快さを失わない程度の樽の使用、マロラクティックの掛かり具合に徹して、しかもそれが実に上手い具合に成功して2018年ものを仕上げたと感じます。

 それに、もし別格にも美味しい1級ブードリオット・ブランが買えたのなら、ワイン単体の美味しさと、マリアージュの手軽さから、そのワインの本当のポテンシャルを知ることになるでしょう。

 とてもリーズナブルだと思います。この快活さを美味しく飲むために、6月後半まで休ませてあげましょう。さらに深みが出て上質さもアップすると思います。ご検討くださいませ。お勧めします!

 以下は以前のレヴューです。
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【「絶ワイン」と言いたくなるような、シミジミと染み入って来るピュアな液体に、少しシンミリしてしまいました・・】

 美味しいです。飾らず、奢らず、しかし「ちゃんと」しています。

 このバランスは・・実は非常に難しいものなんです。だって、ちょっとでも不足していると思った瞬間に人間は萎えてしまいますから。

 noisy のところでは非常に売れていたシャンボール=・ミュジニーのルイ・ユエランが入ってこなくなりましたが、存在的にはそんな感じなんですよ。・・最もルイ・ユエランの最終入荷のヴィンテージ、2014年は少し強さも有りましたけどね。

 ですので、「強さ」とか、「しっかり感」とか、「複雑性」「ポテンシャル」を求める方は、詰まらないワインになってしまうかもしれません。

 しかしながら、甘さに寄っかかりやすいワインになりがちなシャサーニュのピノ・ノワールに置いて、

「ここまでの繊細な美味しさを表現出来たのは、2017年だったから?・・」

じゃないかと思えるんですね。

 元々は実力派だったガニャール・ドラグランジュですが、もはや「ブラン・ガニャール」と「フォンテーヌ=ガニャール」に吸収される寸前・・。でも、

「最後の意地!」

みたいなものが感じられるからそのように思ってしまうのかもしれませんが、

「超繊細でピュア、見事なシミジミバランスが旨い!」

です。是非ともご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・ピノ・ノワール的エロスにそそられる旨い村名シャサーニュ赤!】

 1級レ・ブードリオットの東に有るレ・プラティエールと、1級レ・モルジョの東に有るレ・ピュイ・メルドローのブレンドのようです。因みに1級畑には接してはいません。

 古典的なエチケットを眺めつつ飲む非常にドライなシャサーニュ=モンラッシェの赤は実にエロティックで旨いです。良いですよね・・こんな昔のエチケットは!ミュヌレ=ジブール(ジョルジュ・ミュヌレ)も、今のハイセンスな?エチケットも良いですが、昔のエチケットにはゾクゾクしちゃいます。

 とても良く出来たリーズナブルな村名シャサーニュで、まん丸とまでは行かないもののやや横につぶれ気味の・・そうだなぁ・・卵を横にした感じのパレットを描きます。

 テクスチュアは滑らかですが、ややギザギザした感じの凹凸が感じられ、それが野性味、ワイルドさとなって認識されるようです。ノーズはほんのりとなめした皮革、心地良いスパイスにドライなラズベリー、適度に膨れてくれる中域と、口蓋を僅かに刺激しつつ滑らかな余韻を感じさせます。

 こう言うピノ・ノワールを飲むと・・時代を感じさせてくれちゃいますね。こんなピノが昔は非常に美味しかったんですね・・。いや、勿論今も美味しいんですが、

「絶滅危惧種」

と言うか、絶滅しちゃってますね。今はもっとどこにも「引っかからない」ですからね。ボルドーワインでさえ・・だいぶそうなって来ています。

 でも、適度な刺激をアピールしてくれた方がより美味しさを感じさせてくれる・・と言う方も結構に多いと思います。いや、滑らかな方がより良い!とおっしゃる方も多いと思いますけどね。でも、どちらが良いのか・・とは決めかねますが、絶滅を危惧するようになってしまうと、今度は人気の振り子が逆に動くことも考えられますし、

「・・こんなピノ・ノワール、飲んだこと無い!」

なんて、年寄りの noisyたちがビックリするようなご感想をいただくかもしれません。時代は移り変わりますし、20年経過すると、街並みも人も・・変わりますよね。1990年代の濃厚なピノが絶滅したのがむしろ懐かしい・・それと同じかもしれません。

 適度な酸化を許容したエロティックさ、官能さを感じさせてくれる見事なピノでした。そうだなぁ・・そこまでしっかりはしていないしタニックでは無いとしても、ジュヴレで例えるとすると「ドメーヌ・セラファン」でしょうか。セラファンは年代にも拠りますが、少し熟成が必要だとしても、

「現代最新のドメーヌ・ガニャール・ド・ラグランジュの赤はさっさと飲んでも充分に美味しい!」

と言えます。是非飲んでみてください。特別セットもご用意しましたので・・はい。お早めに。



2022 Chassagne-Montrache 1er Cru Rouge
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ルージュ

19478
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
シャサーニュ=モンラッシェ
ドメーヌ・ガニャール=ドラグランジュ

■エージェント情報
 ピノ・ノワール種100%。1954年に植えられた「Clos Saint-Jean
 (クロ・サン=ジャン)」の葡萄を1/3、1928年に植えられた「Morgeot(モルジョ)」の葡萄を2/3の割合でアサンブラージュして造られるワイン。しなやかなタンニンと果実味、酸味のバランスが良く、早くからでも楽しめますが、15年ほど経つと湿った革のような香りと良く熟した苺のような果実味、酸味、なめらかなタンニンに変化し、熟成も楽しめます。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  3   ご注文数   本
¥8,990 (外税) 
【このクラスまで来るとしっかり判ります・・プルミエ・クリュが持つハイ・クオリティさ!それをエレガントに、濃密に仕上げています!】
 中央よりも北に寄った村落の北に有る、実に秀逸なワインになると言われているクロ・サン=ジャンと、村の南に有る著名な畑、モルジョとのブレンドで、

「シャサーニュ=モンラッシェと言うテロワールを表現しているワイン」

です。

 noisy 的には、ミシェル・ニーロンの1級クロ・サン=ジャン赤が好きで・・あれ、安くて滅茶美味しかったので、出物が有ると購入していた訳ですが、すでに1万円は超えたのかな・・4~5千円で販売出来て、キュッと締まったボディに赤い小果実が詰まっているように感じて・・旨かったですね。ちょっとシャサーニュのルーミエ・・と言いたくなるような良いワインでした。

 もちろん、フォンテーヌ=ガニャールもクロ・サン=ジャンとモルジョの赤白両方を造っていまして、すでにテイスティング済ですが素晴らしい仕上がりでした。ニーロンさんとはタイプが異なりますけどね。

 で、やはりプルミエ・クリュだけ有って、2022年の村名シャサーニュも相当良い出来で・・迫って来ているとは思いますが、やはり1級格は素晴らしい・・ただその1級のヴィエイユ・ヴィーニュが生む葡萄が生むワインの密度、凝縮感には追い付かないなぁ・・と言うのが実情では有ります。

 でも、価格的には1万円もしないで1級なので・・相当リーズナブルに見えますよね。

 どちらのリューディも赤も白も生む土壌ですから、石灰と粘土がバランス良く、しかし微妙にピノに向いた場所、シャルドネに向いた部分・・が有ると思います。昔はピュリニー=モンラッシェも、それなりのピノ・ノワールを生んでいた訳ですが、ピュリニー=モンラッシェとしての需要がシャルドネばかりに向かい始めているのが判ってからは、ピノ・ノワールを引き抜いてシャルドネに植え替えたため、現在ではほとんど見ることは無くなっています。

 反対にシャサーニュは、それなりにピノ・ノワールが植わったままです。まぁ・・タイミングも有るのかもしれませんから、ピノ・ノワールの古木が実を余りつけなくなった暁には、シャルドネに植え替えるようになるのかもしれませんね。

 引き締まったボディに凝縮した要素を詰めたようなニュアンスが伝わって来ます。温度感も村名よりも幾分高目で、豊かさと緻密さの両方を表現しています。

 ミネラル感もしっかり有り、粘土を感じさせますから・・それだけでも、「シャサーニュの赤かな?」と感じさせてくれますが、どこかシャンボールに似たような感じにも取れます。

 ジューシーで飲みやすく、口内に入ってからの振る舞いには複雑性が有りますので、そこで少し滞留・・チリチリとした弾けるような優しいスパイス感とともに長い余韻に突入します。

 今すぐに飲んでも行けますが、半年から3年ほどの熟成を経た方がより美味しくいただけるんじゃないかと・・そんな感じに取れますので、村名の方を先に、こちらは少し熟成させてお飲みいただきましたら、

「獣っぽいワイルドな風味と官能感」

を得て楽しめると思います。飲んでみてください。1級として非常にリーズナブルだと思います。





【シャサーニュ赤ではトップクラスのクロ・サン=ジャンに、畑の大きなモルジョをセパージュ。エレガント系でも集中した味わいになっていると想像されます。】

 2021年ものの村名シャサーニュ赤は、noisy 好みのエレガントで・・リアルワインガイドで言うところの薄旨系です。

 これも使い古しの言い回しでは有りますが、2013年のアメリー・ベルトーの、余りに色がついていないA.C.ブルのエキスの美味しさにぶっ飛んだ思い出が有り、それを思い出させるような・・少し近いものを感じました。

 ですがこちらはより条件の良かったはずの、「古木の」1級畑ものです。それに1級クロ・サン=ジャンも33%ほど入っているはずなので・・美味しいはずです。ぜひご検討くださいませ。6本だけです。


 以下は以前のレヴューです。
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【ここまでくると神品とさえ思っているニーロンさんのシャサーニュ1級にだいぶ近くなって来ていると!・・でもコート・ド・ボーヌの素晴らしい赤が売れないのはきっとワイン屋の責任でしょう!】

 ニーロンさんの1級シャサーニュ赤って・・飲まれたこと、有りますか?・・あれ、めっちゃ美味しいんですよ。以前は4千円台で販売出来たんですがこの10年来・・高くなってしまいまして、またエージェントさんの担当さんが変わってから何も連絡が入らないようになってしまいまして、ニーロンさんからはずっと離れちゃっているんですね。

 でも、あの「くしゃっ」と果皮だけのエキスのようなドライな美しい味わいが長くたなびく1級シャサーニュ赤のチェリー感に大分寄って来ているなぁ・・と素直に思えるようになった2020年のシャサーニュ1級赤です。

 何しろ、使われている葡萄はモルジョの100年近いヴィエイユ・ヴィーニュと、クロ・サン=ジャンの70年のヴィエイユ・ヴィーニュですから・・因みにニーロンさんの1級赤はクロ・サン=ジャンだったと思うので、あの小さな実のチェリーを彷彿させる・・それに近いものを飲むと、何故か思い出してしまう訳です。

 昨年ご紹介させていただいた2019年ものも今回の2020年ものとイメージは近いと思いますが、やはり2020年ものは2019年ものを凌駕していると言わざるをえません。

 勿論2020年と言う特殊なヴィンテージの背景も有りますが、やはり・・

「ドラグランジュの子供たちが自身の畑だけでは無く、お婆ちゃんの畑も綿密に面倒を見られるようになって、その影響がしっかり出始めた!」

と言えると思うんですね。


 これは他のコラムでも書いていますから、ちょっとシツコイ感じになってしまいますが、海外サイトによりますとすでにドラグランジュはビオに転向済みとのことで、

「グラスのワインの画像を見比べてみると、一瞥しただけでもその違いが判る」

はずです。

 この1級も、2016年~2017年はまだまだクラシカルで淡い・・樹齢100年でも・・(^^;; 淡いと言うのは、やはりマンパワーが追い付いていない、もしくはリキが入らない状態だったと言うことなのかな・・と思う訳です。

 ですがこの2~3年は全く別物。2020年ものは果皮の色彩も豊かで、その絶妙な果皮の美味しさがワインの味わいを決定的に変えています。

 ですから、あの素晴らしいニーロンさんの1級赤、クロ・サン=ジャンのマンモス・チェリーな味わいを思い出した・・と言うことなのでしょう。

 2020年もので、今飲んで最高に美味しいのはこのドラグランジュさんの赤なのかもしれません。他の造り手さんのは濃密ですから何年か取って置き、こちらのドラグランジュさんの赤をお好きなタイミングで飲む・・そんな計画がよろしいように思います。飲んでみてください。お勧めします!




 以下は以前のレヴューです。
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【これも滅茶苦茶旨いです!クロ・サン=ジャンとモルジョのブレンド!真っ赤な果実が凝縮、ドライで滑らか・・ふわっふわです!】

 ん・・ここまでガニャール=ドラグランジュを持ちあげることになるとは思っていなかったので、言葉を用意できていないのがバレてしまいそうで怖いですが、

「本当に美味しいんだから・・仕方がない!」

です。

 何度も書いていますが、2019年と言う素晴らしいヴィンテージと若いマルクさんの成長が生んだ、

「白ワイン屋が造る最高のピノ!」

と言えるかと思います。

 因みにまだ誰も気付いていないはず!・・海外メディアを含めて・・(^^;; なので、自分だけの秘密に出来ちゃいますから、是非飲んでみて下さいね。

 それに2020年もののガニャール=ドラグランジュのリリースがもし有って、この2019年もの並みの仕上がりになっていたとしたら・・もうこれは事件だと思います。その時はしっかり書かせていただく所存ですので・・はい。


 1枚目、2名目の写真はこのシャサーニュ1級です。下手をすればフォンテーヌ=ガニャールのシャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ルージュより美味しいかも・・などと思ってしまいました。ただしモルジョやクロ・サン=ジャンなどが持つ複雑性には届かず、ワイン自体のポテンシャルは畑名無しプルミエ・クリュ以上になりうる・・そんな感じです。もっとも・・2008年のこのワインのグラス写真を見ていただけましたら、

「同じ畑のワイン・・なの?」

と感じざるを得ないでしょう?


 で、いたずらに・・3枚目にラミーのサントネ・クロ・デ・ゾート2019の写真を掲載してしまいました。色の組成が似ているような気がしていたので、ページに載せてみたんですが、

「ラミーの方が色は濃いけれど、色彩の細かな部分は結構に似ている・・かな?」

と思うんですよね。

 ですので、ラミーはサントネ村名、こちらはシャサーニュ1級ながら、味わいの傾向的には似ている感じがします。ただしラミーの方が樽の掛け方は強いような気がします。

 非常にドライで、2019年の他のピノ同様に素晴らしいテクスチュアをしています。非常に香り、芳香の高さは今までのガニャール=ドラグランジュのワインとは比較になりませんし、非常に伸びやかなのが信じられないほどです。

 ラミーのサントネも、

「・・サントネ村名で・・これかよ・・」

と呆れてしまうような出来ですが、これだけシャサーニュの赤が美味しかったり、ようやくでは有りますがサントネで素晴らしい赤が出始めたりして来ますと、

「シャサーニュの赤、サントネの赤がそれぞれちゃんと認識されはじめる」

ことに繋がってくると思うんですね。

 今までは有名な生産者だから・・と言うことだけで人気が出た・・人気が出たから何を造っても売れる・・みたいな傾向もありました。でもこれからは、

「美味しいから・・余り知られていない生産地のワインでもちゃんと売れる」

と言うような時代になって行くと思います。

 そんな中で、ジャックさんが亡くなられてから低迷しているように思われていたこのガニャール=ドラグランジュも、次世代の生産者に引き継がれて、素晴らしいドメーヌになるんじゃないかと思うんですね。例えそれがブラン=ガニャールに併合されたとしても、それはブラン=ガニャールがさらに美味しくなることを意味する訳ですから。

 かなりビックリすると思います。飲んで美味しいワインです。是非お試しいただけましたら幸いです。



 以下は以前のレヴューです。
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【超健康的!しかも滑らかで美味しい!気品も伺える素晴らしい出来です!】

 余り誉め言葉ばかりのレヴューは書きたくないと、常々思ってはいるんですが、寂しさや悲しさと共に有る種の・・嬉しさも有るんでしょう。noisy も珍しくちょっとウキウキしているのかもしれません。

 だって・・そりゃぁそうです。もしダメダメな印象しかないのであれば、ご紹介しなければ済む訳です。でも、そんなにダメな訳でもない・・が良くも無い・・なんてことになりますと、否定半分、肯定半分の・・お客様にとっては意味不明のレヴューになりかねません。その昔は随分と言われたものです。

「noisy さんの文章は、勧めているのか貶しているのか判らん・・」


 本人は、良い部分もネガティブな部分もちゃんと書こうとして・・結局そのようになってしまっている訳で、

「そもそもヘンテコなものは紹介しないか、ちゃんとダメだと書いて紹介する」

と言う、本人なりの決め事が有るもので・・そうなっていた訳です。


 なので、基本・・紹介しているものに変なものは無い・・とご理解いただけますと幸いでございます。

 で、このクロ・サン=ジャンとモルジョをブレンドした1級です。凄い健康的です!・・まるで2005年のピノ・ノワールのリリース直後のようです。ぷっくりとした、どこにもキズの無い小さなピノ・ノワールの粒が想像されます。

 そして「力業」に頼らず、「新樽」も余り多くは使わず、健康な葡萄がピュアさを失わない程度のマロラクティックをさせた、「ハツラツ」としたプルミエ・クリュに仕上がっています。

 今飲んでも非常に美味しいですが、これ・・年毎に随分と変化していくはずなんですね・・。

 例えば、今はあのシャソルネイもまた、「新樽」を全く使用しないようになっています。集中し凝縮した葡萄を古樽や陶器でエルヴァージュしています。なので、シャソルネイ、コサールのワインも滅茶ピュアです・・が、

「シャソルネイ、コサールよりピュアさは活き活きとして感じられる!」

んですよ。


 少し前までのドラグランジュを知っていたら、ビックリすると思いますし、20年前の・・新樽100%が大ブームになり、濃密濃厚なピノ・ノワールが持て囃された頃のドラグランジュを知っていたら、「復活か?」と思えるはずなんですね。

 ガニャール、モレ、ラモネと言われたシャサーニュの名家も世代交代でどんどん変わって行くのでしょう。そんな一時代のたったの一時に過ぎませんが、中々に面白い時間を過ごせたとは思っています。是非ご検討くださいませ!お勧めします。


 以下は以前のレヴューです。
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【古木由来のテロワールから、丸いパレットの充実した味わい!・・でも繊細で美しいです!】

 もうドメーヌを閉じることが決まっているからなのか、それともこの2017年ものの実力なのか・・noisy にも判りません。

 しかし、2017年もののガニャール・ドラグランジュのワインには、何故か肯定感しか・・感じないんですよね。いつもならどこかネガティヴな部分を探している自分に気付くんですが、そんなルートを決して辿らせないワインです。

 100年にもなろうか・・と言うV.V.も混ざる、やや重量感のあるモルジョや、やや軽く赤さのあるクロ・サン=ジャンの粘性の有る味わいが、赤果実をリアルなものにしています。

 充実していますが繊細で、決してマッチョにはならないです。色合いをご覧いただきますと判るかと思いますが、通常のシャサーニュ村名とは少し異なり、色合いも濃い目ですよね?

 でも超繊細です。ピュアで甘く無いです。そして、いつの間にか心に侵入され、「ワビサビの世界」に入れさせられてしまうんですね。これは非常に美味しい!・・ポテンシャルを取りに行っても満足行く深みのある出来です。・・でもシミジミ系なんですね~。そして価格も非常にリーズナブル・・ですから、これは是非飲んでいただきたい!・・ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【お見事!・・以前はリリース時には非常に硬かったワインなんですが、2016年は今飲んでもジューシーで旨いです!】

 モルジョとクロ・サン=ジャンのブレンドで仕上げられる、見事なシャサーニュ1級ワインです。

 ピュリニーでは、見事なほどにピノ・ノワールが植わっていた畑もシャルドネに植え替えられ、1級も村名も本当に僅かしか残っていません。シャルドネの方が高く売れるから・・です。

 シャサーニュではピュリニーほどでは無いにせよ、その傾向は強まってくるのは必定・・。1級モルジョと1級クロ・サン=ジャンは・・・どうなんでしょうね。個人的には赤の方が個性的なように感じています。

 シャサーニュ村名もそうだったんですが、この1級赤も実に色っぽいです。そして村名には「ちょうど良い感じ」の濃度・密度だったものが、「より凝縮」して感じられ、当然ながら同じように持っている「色っぽさ」の表現もよりしっかりしています。

 これはおそらくミネラリティの組成がそうさせるので有って・・・、例えばドメーヌ・ラモネの先代、アンドレ・ラモネは「クロ・ド・ラ・ブードリオット赤はボーヌのロマネ=コンティだ!」と言って憚りませんでした。

 noisy 的には、

「・・ん~・・そうかなぁ・・確かに複雑性と構造の深さは感じるけど・・洗練性がロマネ=コンティ同様とは思えんなぁ・・」

と言う感覚でした。

 アンドレ・ラモネ翁もその辺を突っ込まれると、「まだ醸造技術がそこまで達していない・・つまり自身の問題だ」としていたようです。

 むしろnoisy的にはモルジョやクロ・サン=ジャンの赤は鈍重になり過ぎずに、ヴォーヌ=ロマネ的な野性味・スパイスとジュヴレ的な鉄っぽさ、官能感を持ち合わせた素晴らしいリューディ・・・と言う感覚でして、むしろ、

「もっと評価されてしかるべきでは?」

と思っています。


 勿論ですが、安易な造りをしてしまう造り手も多いものでして、全てのモルジョ、クロ・サン=ジャンの赤が良いと言う訳では有りません。

 それに、ミシェル・ニーロンさん希少な1級赤、ラ・マルトロワのツヤツヤ、テカテカ、まん丸な味わいが示すように、適した栽培と醸造が組み合った時のシャサーニュ1級は驚くほど旨いと言えます。

 この1級シャサーニュ赤・・・是非飲んでみていただきたいですね。構造の深さと複雑性から来る重量感、精緻さ、エロスは素晴らしいです。本当は特別セットに入れたかったんですが高くなりすぎちゃいますので諦めました。お勧めします。飲んでみて下さい!


 以下は2008年のこのワインのレヴューです。
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【ワインスペクテーターは91Points!クラシックな造りでガッシリ仕上げたピノ・ノワールがトロッと丸くなってきました!】
 フィネスさんと言うエージェント(インポーター)さんは今となっては非常に珍しくなった、頑固なワインエージェントさんで、並行輸入などには全く食指を伸ばさず、さりとて、入荷したものをさっさと全て販売してしまうことも無く、言わば「カヴィスト」としての役割もしっかりされていらっしゃいます。大昔はそのようなスタイルが大半を占めていたんですが、現在は軽薄短小、入荷したらさっさと全部販売してしまわないとお金が回らないものんですから、カヴィストスタイルのインポーターさんはほぼ絶滅です。まぁ・・ワイン屋も同じですけどね。

 なので、このガニャール・ドラグランジュ2008年シャサーニュ=モンラッシェ1級にしても、まぁ・・売れないと言うのもあるのでしょうが、美味しくなるまで積極的には販売しないんですね。担当さんがこぼしてました・・。

「販売数よりテイスティング数の方が多いワインが沢山ある」

・・・いや~・・そこだけは・・身につまされます・・残念ながら・・笑えないっす・・


 まぁ、ガニャール・ドラグランジュのようなクラシックなスタイルですと、リリース直後はどうしても・・

「硬っ~~い!」

ものですから、余り出て来なくて平板に感じられ、リリース直後に手を出すことはほぼ無くなってしまいます。


 そんな時は、何度も何度も・・テイスティングするそうです。そして、ようやく溶け込んで来た!・・販売しよう!・・となると・・、

「ん~・・まだちょっと・・xxxの辺が気になるなぁ・・」

と、そのままに沙汰止みになり、また半年~1年後位に社員総出でテイスティング・・を繰り返すことになるそうです。

 フィネスさんのこう言ったこだわったスタイルは、やはり社長の藤田さんによる部分が大きいでしょう。ワインに厳しい時を生きてこられてますからね・・。品質にも、その時の味わいにもこだわりたい・・のでしょう。頭が下がります。


 で、この2008年シャサーニュ1級赤ですが、ジャック・ガニャールが仕込んだ最後のキュヴェです。クロ・サン=ジャンとモルジョのブレンドによる1級で、ジャックが仕込んでいますから・・非常にクラシックです。

 昨今の流行りの造りは、余り酸化をさせず、抜栓した時にアロマが拡がるようなスタイルですが、ジャックの時代はそんな事はお構いなし、

「時がワインを造るんだ!」

と言うスタンスなんですね。


 例えばこの間まで販売していました2001年のモレ=サン=ドニ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ゾルム / ジョルジュ・リニエなども、もの凄くクラシックです。リリース直後はエキスは綺麗に出ているものの、ま~、硬いったらありゃしない・・訳です。

 しかし、2016年の今、飲まれてどうでしょう?・・トロットロで妖艶でしょう?・・錆びたナイフじゃないかと感じられるくらいに厳しかったエッジも丸くなり、官能的で非常に美味しいですよね?・・それが熟したピノの醍醐味なんですね・・。

 このシャサーニュ1級も、リリースからおそらく6年ほど経過しているはずでして、かなり深い味わいになってきました。しかも、

「酸化を抑制して仕上げた昨今のピノ・ノワールには無い、昇華したブケ」

が有ります。

 その上で、テクスチュアも滑らかになり始め、赤黒極小果実が群生しつつ、なめした皮や華やかなスパイスが心地良く香り、やや大きめの石を連想させるようなミネラリティが下支えしています。とても美味しい・・と思います。

 クロ・サン=ジャンは村の北西に有り、ご存知モルジョは南東ですんで、北西にある石灰が非常に強い性格と、南東に有り、やや粘土がしっかり有る性格とのブレンドが、このワインの味わいを決めています。非常にドライですが熟により甘味も出て来ました。力強くもブルゴーニュ的なエレガンスも持っています。

 そしてこのドメーヌは、ブラン・ガニャールとフォンテーヌ・ガニャールに移譲されるようですので、この先はもう無いのかと思います。是非飲んでみて欲しいと思います。ご検討くださいませ。


2022 Volnay 1er Cru Champans
ヴォルネイ・プルミエ・クリュ・シャンパン

19477
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヴォルネイ
ドメーヌ・ガニャール=ドラグランジュ

◆◆◆ 価格は据え置きです!・・飲めませんでしたが、2022年のガニャール=ドラグランジュ、この10~15年で過去最高でしょう!
■エージェント情報
 ピノ・ノワール種100%。1級区画シャンパンの北側に位置する1980年に植樹された区画で小石の多い赤土土壌。光沢のある綺麗な 色合いで、ブルーベリーやイチゴのアロマ、スパイシー&タニックですが口当たりは非常に柔らかく、果実味、酸味共に豊かに感じられるワインです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  4   ご注文数   本
¥11,400 (外税) 
【過去最高、間違い無し!ダンジェルヴィーユよりもドライながらエキスのジューシーさは、ビオ的栽培の恩恵と言えるんじゃないかと!・・ヴォルネイ=シャンパンの美味しさをしっかり出してくれています!】---少なくて飲めませんが、エレガントで美しい適度な集中を見せるシャンパンでしょう。以下は以前のレヴューです。
 素晴らしい色彩!・・そう思われるでしょう?

 でもすみません・・1枚目の写真は余りに寄り過ぎてまして、グラスの上部が全然写っていませんでした・・。

 でも、シャンパンらしい白っぽい石灰を多分に含んだ、ちょっとシャンボール=ミュジニーみたいな見え方と、どこかポマールのような見え方が交錯するようなビジュアルじゃないかと思っているんですね。

 まぁ、ヴォルネイの北隣はポマールですから、それも無くも無いし、シャンパンの南隣のレ・カイユレっぽくも見えるような気がします。

 でも味わいの方はやはり白っぽい感じが強く、そこにレ・カイユレの赤っぽく、黒っぽい粘土・・でしょうか。タイユ・ピエやクロ・デ・シェヌほどのスパイシーなニュアンスは無いものの、質感はちょっと似ているようにも思います。

 そもそも・・そんな言葉が出てくること自体、今までは・・少なくとも2017年ものくらいまでは無かったはずなんですね。それが昨今のドラグランジュになりますと一変し、

「何々っぽい」

と素直に言えるようになっている訳です。

 何より、2016年や2017年までの非常にクラシックな味わい・・少し硬くて淡い、昔を感じさせるハードな口当たりとは全然違って来ています。

 これも他のコラムで書かせていただいてますが、子供たちが自身の畑だけでなく、お婆ちゃん所有の畑も一生懸命に面倒みられる状況になって来たのが大きいと感じています。

 もっと言ってしまえば、ブラン=ガニャールは別にしても、フォンテーヌ=ガニャールだって・・白は素晴らしいけれど赤はイマイチ・・だった訳です。それよりもずっと前は白もイマイチでした・・しかし、

「今やフォンテーヌ=ガニャールは押しても押されぬスター!」

です。

「・・ん?・・ホント?」

と思っているあなた・・情報が古いですよ。飲まなきゃ判りませんが、この数年の間に飲んでいないとするなら、

「フォンテーヌ=ガニャールのグラン・クリュとは言わずとも1級でも赤でも・・飲んでみてください!・・そうすれば納得間違い無し!」

です。


 つまり、フォンテーヌ=ガニャールでも昔は自分の所有畑の面倒だけで手一杯だった訳ですね。ビオ的アプローチも一段落、評価も高まって来て・・今度はドラグランジュの畑の面倒を頑張れるようになったと。

 そしてそのドラグランジュでのビオ的アプローチの結果が出始めたのが2018年ものです。そして昨年の2019年は滅茶旨かった・・し、2020年ものはヴィンテージ背景も有り、ビオ的アプローチが降雨不足を補って素晴らしい結果を出した・・noisy はそう考えています。

 今、こうやって2019年ものの写真を見ると、少しの弱ささえ感じますが、2020年ものは良い意味で硬質、そしてより高質です。素晴らしいと思います。そしてシャンパンとしますと・・

「今やこれ以下の価格は存在しない」

に等しいでしょう。


 飲んでみてください!・・いずれフォンテーヌ=ガニャールかブラン=ガニャールに併合されて無くなるんじゃないかと思います。最高の出来でした!お勧めします!



 以下は以前のレヴューです。
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【ここまであからさまに・・今までと違う!・・是非「色」「色彩」で決めてください!】

 どうでしょう?・・木曜ですが・・いや、この素晴らしい色彩、色のニュアンスがちゃんとお届けできていたらと思ってしまいます。

 そもそも今時ヴォルネイの1級レ・シャンパンが、こんな価格で販売されているなんて・・在り得ないことです。PKさんのバーガンディを今、読みますと、ちょっと面白いですよ。今現在の我々の認識とは、相当に異なっているんじゃないかと思うんですね・・ちょっと引用してみましょうか?

 ダンジェルヴィルの最も有名な畑は、彼の一族が永らく所有する小さな単独畑、クロ・デ・デュック。村からすぐの斜面上部にある畑で、ヴォルネ有数の軽いワインができる。おそらく、これを凌ぐのがダンジェルヴィルのシャンパンで、わずかにボディと風味で勝っている。

ロバート・M・パーカー著 飛鳥出版 より抜粋

 どうでしょうか・・。まぁ、時代背景がありますし、その時のダンジェルヴィーユさんのワインの味わいも有る訳ですから、安易な否定はできないと思いますが、相当イメージが違いますよね。

 少なくともシャンパンがクロ・デ・デュックを凌ぐ・・ん・・どうなんだろ・・(^^

 ですが、このシャンパンも・・ヴィンテージがそうさせたのか、ま~・・半端無い出来ですよ。

 ヴォルネイでここのところ非常に売れ行きの良い、ティエリー・グラントネと価格はほとんど変わりません。


 質の違いは有りますよ。ティエリー・グラントネは緻密でパワーを秘めた味わいが魅力です。格的にはシャンパンとほぼ同格かな?・・もしくは少しこちらの方が上ですが、「タイユ・ピエ」の方が価格は上です。

 質的には「非常に伸びやか」で「テクスチュア極上」。アロマの上りは軽やかで緻密。複雑性も高いが粒子がざらつくような様子は見せないです。

 なので、むしろ肯定感しかない・・んですね。こんなに褒めちゃって良いのか判りませんが、

「少なくとも超絶にリーズナブルで美味しいシャンパン!」

と言うことになります。

 ただし数はいただけてないので、是非お早めに・・騙されてみて下さい。「こんなに安いの?」と思っていただけるのが2019年のガニャール=ドラグランジュです。お勧めします。


 以下は以前のレヴューです。
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【ヴォルネイ新時代の世の中に、変わらない美味しさ、裸の1級畑「シャンパン」のピュアな側面を教えてくれる素晴らしい出来の2018年です!】

 色はどうでしょう?・・今回も、色調補正をしていないので、「やや緑が強い図」になってしまってはいるんですが、

「滅茶活き活きとしている感じ!」

が見て取れないでしょうか?


 そうなんですよ。滅茶ピュアです!・・素っ裸のヴォルネイ=シャンパンの姿がそこにあります。最もおそらくポマール寄りの位置だと思いますので、南のカイユレ的粘土が少ない場所だと思うんですね。

 シャンパン特有の白さも、滅茶強い訳では無く、しかしノーズには確実にそのミネラリティ由来のアロマが漂います。

 そもそも新樽率が低いので、ワインは・・ちゃんとエルヴァージュされれば、ピュアな方向に向かうはずです。2017年を除く・・この何年かは、エルヴァージュの不活性と葡萄の手入れが思うように行かなかったのでしょうね。

 しかしながら2018年ものは密度が高く、熟度もピッタリで充実した果実を美しくピュアなピノ・ノワールの姿に昇華出来ていると感じました!しかも価格は・・こんなですよ。今一番リーズナブルで、しかもフレッシュさとピュアさが活き活きと感じられ、二次発酵とエルヴァージュでほんのりと滑らかにされた、素のままのレ・シャンパンを味わえます。

 勿論ですが3~5年の熟成で、フレッシュさの残る活き活きとしつつ適度な熟成をした味わいになりますし、8~12年でほぼ完熟に近い感じで、非常な滑らかさからの素性の良いブケを味わうことも可能でしょう。14度以下で保存されれば20年以上も持つと思います。是非飲んでみて下さい!お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【ヴォルネイ・シャンパンの石灰の白さ!・・しっかり伝わって来るピュアな味わいです!頑張って価格も出しましたので、この機会に是非!】

 今やヴォルネイ1級シャンパンも結構な価格になってしまいましたから、そうそうに手は出せないのがつらいところですよね。

 昨年の2016年ものの時は飲めませんでしたので、今回は何とか間に合わせました。何せこのところは10何アイテムも有るようなドメーヌものが連続していましたので、テイスティングのアイテムも、非常に多く・・noisyも困難な時期を迎えているんですね。

 で、このガニャール・ドラグランジュのシャンパン、飲ませていただきました。本当に久しぶりです。

 ですが、一口すすった瞬間から、

「お~・・シャンパン!・・そう、これこそヴォルネイ・シャンパン!」

と言うようなイメージがポンと浮かんでくるような、見事な仕上がりでした。


 PKさんは、

「ヴォルネイ・シャンパンはポマールに似たタニックな味わい」

とその著書で言ってましたが、noisy 的には全く意にそぐわないご意見でして・・何だかな・・と常日頃思っていた訳です。


 確かに、逞しく見事に深いダンジェルヴィーユのシャンパンには、もしかしたら「その気」が有るかもしれませんが、それはおそらく違います。

 白いミネラリティに満ち、むしろシャンボール的な石灰感が多く、シャンボール的な強い果実感では無い、エレガントな優しい果実感がむしろピュアな果実を感じさせてくれると言う・・感じですね。

 そこに2017年のガニャール・ドラグランジュの、何とも艶めかしい「絶メシ感」や「シミジミ感」、そしてオフコースの、

「さよなら~、さよなら~、さよなら・・あぁ・・」

と言うようなノスタルジックな味わいが響いて来ます。

 まさに「素のヴォルネイ・シャンパン」の味わいを見た気がします。超美味しいので・・是非!・・飲んでみて下さい。お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ヴォルネイのトップ・クラスの1級畑レ・シャンパン!現ガニャール・ドラグランジュの赤の最高峰です!】

 すみません・・テイスティングが間に合いませんでした。飲むつもりでおりますので、時間が有れば後々、レヴューを掲載します・・・と言って書いた試しは無いんですが、実はそんなワインはほとんど後で飲んではいるんですよ。書いてないだけで・・。

 ガニャール・ドラグランジュの赤は3~5年置かないと・・と言うようなイメージでいたnoisy では有りますが、2016年ものは・・早くから大丈夫な可能性が大です。やはり変わって来ているんですね。フォンテーヌ=ガニャールの大躍進には驚きを隠せませんし、言ってみれば・・トラペも、セラファンも、そしてこのシャンパンの最高値と言っても良いダンジェルヴィーユも・・この何年かの短い間に大きく変わりました。

 ダンジェルヴィーユに限っては、その良化、大躍進の年は2008年頃だったと思いますので比較的早いですが、トラペ、セラファン、あ、そうそう・・デゾネイ=ビセイもそうですね。この2~3年は物凄いです。

 ダンジェルヴィーユの1級レ・シャンパンは滅茶旨いとしてももう、限り無く2万円ですからそう簡単には飲めないワインになってしまいました。

 しかし、ガニャール・ドラグランジュのシャンパンはまだまだリーズナブル。しかも2016年の他のピノ・ノワールの仕上がりを見ると、ガニャール家筋の若手の影響でしょうか・・早くから美味しく飲めるようになっています。是非挑戦してみてください。

メゾン・プティ・ロワ

プティ・ロワ

フランス Maison Petit Roy ブルゴーニュ
● 4年ぶりに届いたメゾン・プティ・ロワ、斎藤政一さんの2022年ものをご紹介させていただきます。

 まずは2019年~2021年もののプティ・ロワのワインをご紹介できずに申し訳ありませんでした。お詫び申し上げます。

 理由を話せば長くなりますが、要は・・以前の輸入元さんと約束していたことが守られず、徐々に入荷量が減って来て・・またそれが、他のアイテムも全く同様で、売れるようになればなるほど減らされると言う状況に noisy が切れてしまった・・と言うことです。

 なのでこの3年間はまったく入荷せず、4年目の2022年ものからラフィネさんからお分けいただくことになりました。仕切り直し・・です。

 しかしすでに数アイテムテイスティングさせていただきましたが、飲んでいない間に・・

「メゾン・プティ・ロワのスタイルがきっちり出来ている。ピュアで美しく、葡萄の純粋な美味しさを引き出したエキスの成長で仕上がるワイン!」

と言えます。

 きっと「ハマる」方も多くいらっしゃるんじゃないかと想像しますがいかがでしょうか。今回と次回、2回に分けてのご紹介になると思います。どうぞよろしくお願いします。

■メゾン・プティ・ロワ
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≪詳細・歴史≫
 今ブルゴーニュにおいて大注目の日本人醸造家、斎藤政一氏による渾身のワインの雫です。彼は2006年まで長野県小布施の『ドメーヌ曽我』で就労し、その後渡仏しました。ブルゴーニュ、サヴィニー=レ=ボーヌ村の 『ドメーヌ・シモン・ビーズ』 において、当主パトリック・ビーズ氏の実直なワイン造りへの姿勢を傍で感じながら、アシスタントとして長年実直に栽培・醸造に携わってきました。

 パトリックにも非常に頼りにされていたそうで、特に 『シモン・ビーズ』がサヴィニィ=レ=ボーヌ1級畑 「セルパンティエール」において、ビオディナミ導入に成功したのは、彼の大きな貢献によるものであったといいます。パトリックの没後にドメーヌはさらに本格的に有機栽培、ビオディナミに舵を切りましたが、その足掛かりをビーズ千砂女史と共に築いてきたのは紛れもなく斎藤氏であり、彼の尽力あってこそであったと千砂さんは語っています。

 渡仏後ブルゴーニュでの就労先は 『シモン・ビーズ』 の他に、2010年に 『ドメーヌ・ルフレーヴ』、2011年に 『ドメーヌ・ジャック・フレデリック・ミュニエ』、2012年に 『ドメーヌ・アルマン・ルソー』 と、正に綺羅星のスター・ドメーヌにて経験を重ねてきました。

 彼のまじめな性分はそれぞれの場所で確固たる信頼を獲得してきましたが、遂に2016年、満を持して自身のワイナリーとなる 『メゾン・プティ・ロワ』 を設立しました。ファーストヴィンテージは2016年。現在は自社畑をサヴォワの他に、「ACブルゴーニュ」、「ショレ・レ・ボーヌ」、「オート・コート・ド・ボーヌ」に合計 4.2ha 所有。斎藤氏はブルゴーニュ地方だけに留まらず、日々地域をまたいで移動し、休むことなく丹精を込めて栽培、醸造に取り組んでいます。皆に美味しく飲んでもらえて、喜んでもらえるワイン造りを目指し、ただただ自然と格闘する日々を送っています。

≪畑≫
 斎藤氏は全ての畑においてテロワールを活かすため、土壌への負担を極限まで減らした畑管理を行っており、昔ながらの農具を用いて驚くほど丹念に畑と向き合い、収穫期まで彼のほとんどの時間は畑作業に費やされています。収穫においてはそれぞれのブドウ樹にとって最適な時期を見極めるため、驚くほど細かく何度にも分けて行われ、もちろん全て手摘みで摘み取られます。

【自社畑】約4.2ha


2022 Bourgogne Aligote Fusion
ブルゴーニュ・アリゴテ・フュージョン

19440
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
メゾン・プティ・ロワ

■エージェント情報
品種アリゴテ100% (自社畑)
区画・土壌・面積
1.les Boutieres (Savigny lès Beaune)粘土、泥灰土 0.17ha 1983~1984
2.Perrères (Echevronne)粘土石灰質 0.34ha 1934
3.en Nair (Echevronne)粘土石灰質 0.15ha 南西斜面
栽培
1.ビオロジック、ビオディナミ
2.
3.慣行農法
発酵 空気圧にてプレス(90分)、12時間デブルバージュ(10℃)、木樽(228L.500L)で60日間、野生酵母による自然発酵(10-20℃)、醸造時のSO2使用なし
熟成 木樽(228L.500L)で12か月間、タンクで3か月間
生産本数 6700本
アルコール度数 12.0%
◆無清澄
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  9   ご注文数   本
¥5,200 (外税) 
【プティ・ロワの、王道のブルゴーニュの味わいとナチュールさ、そして超繊細さとドライな味筋が合体した「アリゴターな」アリゴテです!】
 アリゴター参加のワイン・・イヴェントにも齊藤さんなのか誰だったのかは不明ですが参加されたようです。

 アリゴターのメンバーで超有名なのは・・やはりシルヴァン・パタイユでしょう。今や彼のアリゴテ・クロ・デュ・ロワは1万5千円とか?・・するようです。noisy も・・もう10年近く前だったか、彼のクロ・デュ・ロワを飲んで・・ぶっ飛びました。

「全部くれ!」

と言ったんですが、結局1本もくれませんでした・・評価だけ欲しいのなら・・飲ますなよと・・(^^;;・・10年近くお預けを喰ったワンちゃんです。まぁ・・良いですけどね。

 緊張感が有って、とめどなく複雑なニュアンスを持った半端無いワインでした。彼がアリゴターを引っ張っているのは間違い無いですが、我々もまた・・

「自身の中に形成しワインに対するヒエラルキーを、いつでも崩せるようでなければいけない」

と感じています。

 そのアリゴターのメンバーでもあるプティ・ロワですが、一番最初は・・2016年ものだったでしょうか・・。まだまだ未熟さも有ったと思いますが、一生懸命さ、一途さを感じる味わいでした。

「これは将来・・面白い存在になるんじゃないかな」

と思っていた訳です。

 で、2本とか3本とかしか入らなかったので、

「ずっとこんな数ならもうやらない」

と伝えると、

「年々増やしますから・・」

と言うことで続けていたんですが、結局何も変わらずで・・止めざるを得なかったんですね。

 そこへ・・ラフィネさんからオファーをいただきまして、2022年から再開することになったんです。何か・・シルヴァン・パタイユの件と言い、因縁めいた感じになっちゃってますが・・。パタイユも少なくとも20ケース、多ければ40ケースは販売していたはずですが、売れるとなると数を絞られるし人気銘柄は止められるので・・あ、すみません・・愚痴ばかりですね。

 黄色の強い色彩が入ったナチュラルなテイストのアリゴテです。サヴィニー=レ=ボーヌのブティエールはご存じですよね。マリウス・ドラルシェの、ペルナン=ヴェルジュレス村名のブティエールのピノ・ノワールは滅茶美味しいですよね。こちらはサヴィニーのオ・ブティエールでしょうから、品種を無視してもA.C.ブルになるかと思います。そして、エシュヴロンヌと言うのは、レ・ブティエールのあるサヴィニーの村の北に接する、

「オート=コート・ド・ボーヌ」

ですから、ある意味、

「A.C.ブルとオート=コートのブレンドのアリゴテ」

かなと・・。ただしアリゴテの場合は現状、少なくともオート=コート・ド・ボーヌとは名乗れないかと思います。

 「アリゴター」の目的はその辺にもあると想像していまして、

「優れたアリゴテは格上げすべき」

と言うことなのでしょう。

 確かに、パタイユクラスになりますと、畑名付きは1級でも良い・・とnoisy個人は思っています。

 このアリゴテのフュージョンは、A.C.ブルでは有りますが、準村名クラスのポテンシャルかな?・・と思います。

 充実していて、とんでもなくドライで、複雑性もほんのり・・果実の風味もこれから膨れ上がって来るでしょう。今は少し閉じ気味です。

 非常に繊細でSo2の濃度が低く、一般に言うところのアリゴテの酸っぱさや線の細さは感じられません。純粋で・・でもクラシカル、シャルドネと対マン張れるほどの力量の持ち主です。蜜っぽさもタイミングで上がって来ます。

 まぁ・・円が弱いので5千円は厳しいかもしれませんが、A.C.ブルで5千円は今の状況では仕方が無いかなと・・是非飲んでみてください。これから暖かくなるにしたがってどんどん膨らんでいくと思います。お薦めです!


 以下は2017年のブルゴーニュ・アリゴテのレヴューです。
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【バレル・ファルメンテッドなのかと思いますが、濃密で酸に柔らかさのある高質なアリゴテです。】

 このアリゴテの2017年ものはとても見事でした。濃密さと複雑さが交錯し、そこにピュア感、ナチュラル感が見事に載せられている感じで、センスの良さと持っている技術を見せてもらった感が有ります。

 まぁ、このクラスはどんなに少なくともケースでいただかないと・・ワイン屋としてもどうにもなりません。昨今はどうも・・

「ワイン屋もバラ買いが普通」

になっているようで、特に自然派やビオの生産者のワインにその傾向が強いようです。元々、生産量が多く無いため輸入量が少なく、そこに多くのワイン屋と飲食店が待っているため、1本~3本などと言う数でしか入って来ない訳ですね。最近のワイン屋さんも、却ってその位の数の方が回しやすい・・と考えているようです・・。まぁ、やり方はそれぞれの方法が有りますので自由で良いと思いますが、noisy的には支持はできません。販売者がリテールのワインファンと同様な数しか仕入れない、仕入れられないのでしたら・・と、そこから先のことを考えてしまいます。なかなかそこからは、ご同業にもお客様にも明るい未来は見えてこないと思うんですけどね。

 昨今のブルゴーニュでは、高質なアリゴテがブームのような気がします。元々はコシュ=デュリがムルソー・・・・とまでは行かないにせよ、素晴らしいアリゴテをリリースしていましたし、アルノー・アントやブノワ・アントも樽発酵系で素晴らしい密度のアリゴテをリリースしています・・今は滅茶高いですけどね。

 そこまでは到達していないにせよ、同類のアリゴテだと思います。ご検討くださいませ。


■エージェント情報
 開けたてやや還元、すぐに飛びます。緻密なミネラル、果実味は豊かでレモンバターのようなニュアンス。最初は青りんごのような爽やかさもありつつ時間が経つと穏やかな酸と果実感が馴染みます。厚みのあるアリゴテです。


 以下は以前のレヴューです。
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【・・う~ん・・熟練の手練れでは無いはずだが・・良い出来だと言わざるを得ません・・メゾン・プティ・ロワの意識の高さを感じてみて下さい!】

 良い色をしていますね~・・。ちょっと照度不足で暗いですが、調整せずに画像の大きさだけを弄りました。ほんのりとオイリーさが漂い、ただフレッシュなだけのアリゴテでは有りません。

 このところのブルゴーニュワインの価格上昇は、単なる値上げ・・と言う理解ではいけないと・・思っています。

 それは、例えばこのような多産種のアリゴテにも言えますが、以前はチープなワインの代表格でも有った品種、クラスでは有るものの、

「それまでの安易な畑の下て・造りを捨て、ブルゴーニュと言うテロワールから生まれるワインへのこだわりを見せるものになっている」

 と思うんですね。


 何せ、まだ皆さんは気付いていないかもしれませんが、例えばブルゴーニュ・パストゥーグランと言うワインは、以前はやはり軽くて酸っぱいものがほとんどを占めていました。中身の無いチープなワインです。

 しかしながら昨今はどうでしょう?・・いや、パストゥグラン、滅茶美味しいですよ。騙されたと思って是非飲んでみてください。ダンジェルヴィーユのパスグラなど、noisy 的には飲みたいワインの筆頭クラスです。むしろ、A.C.ブルがしっかりし過ぎてますんで、飲み頃を見て飲まなくてはいけないな・・などと感じてしまうのに対し、

「パスグラは・・ガメかピノ、どっちか頑張ってりゃ美味しいし・・何よりリリース直後からすぐに美味しく飲めるのが良い!」

と思ってるくらいです。


 この斉藤さんのブルゴーニュ・アリゴテも、そんな域に入って来ている出来です。超高級、凄い出来のアリゴテクラスでは無いですが、葡萄の出来を見て、どのくらいに仕上げられるかを想像し、その出来を目指して無理することなく、たゆまぬ努力をした結果・・と言うように感じられます。

 ですので、滅茶美味しいアリゴテ・・いや、コシュ=デュリやアルノー&ブノワ・アント、ルロワなどのクラスにはとても及びません。ですが、高級クラスのアリゴテと、凄く出来の良いフレッシュクラス(二次発酵をしない軽いタイプ)の間を狙った立ち位置で、しかも高級路線に寄ったところに仕上げを持って来ています。

 ですので、香りはもう100点!・・膨らみは80点・・ワインの熟度が60点・・で、時間が経過して行けば、滑らかさが増して来ますので、60点が65点、70点と上がり、最終的には80点ほどに評価できるようになると感じられます。

 僅かにフレッシュさの残る余韻を除けば、基本的に「まよやかさ」を狙いに行ってますので、アリゴテを意識しないので有れば、「ブルゴーニュ・ブラン」で通ってしまうと思いますよ。

 流石に滅茶美味しい「サン=ロマン・ブラン」や「マランジュ・ブラン」の域には達しないものの、メゾン・プティ・ロワの意識の高さを充分に堪能できると思います。是非飲んでみてください。お勧めします!


2022 Savigny-les-Beaune Rouge
サヴィニー=レ=ボーヌ・ルージュ

19441
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
サヴィニー=レ=ボーヌ
メゾン・プティ・ロワ

■エージェント情報
品種 ピノ・ノワール100%
区画 les Vermots、les Godeaux
土壌 粘土石灰質
面積 合計約0.4ha
立地 南西斜面
植樹 1929年
栽培 ビオロジック
全房率 100%
発酵 3300Lのタンクで3日間マセラシオン(12℃)、野生酵母による自然発酵(12-32℃)
熟成 木樽(228L)で12か月間、タンクで5か月間
生産本数 3000本
アルコール度数 12.5%
◆無清澄 ◆無濾過
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  9   ご注文数   本
¥8,790 (外税) 
【何と・・あのギルベール・ジレの2022年ブルゴーニュ・ルージュ・レ・ペリエールの真下、対面の畑・・が半分?!・・そう言われてみれば・・そんな雰囲気も!・・旨いです!】
 さっきまで知らなかったので、今になって驚いています。でも、

「サヴィニーかぁ・・そうそう・・ギルベール・ジレのペリエール2022、とんでもなく旨かったなぁ・・」

などと思いながらのテイスティングだったんですよね・・。

 で、インポーターさんの資料を先ほどから読み始めたら・・

「ん?・・レ・ゴドー?・・何ぃ~?」

と・・(^^;;

 もう一つのレ・ヴェルモは、フレデリック・コサールで皆さんもご存じの「レ・ゴラルド(ゴヤルド)」の真下です・・これもちょっと絡んで来ますか。

 でも、

「森と石に守られた、もっとも標高の高い場所にあるギルベール・ジレのとても小さなA.C.ブルの畑、レ・ペリエール!」

の味わいにひっくり返った noisy としましては、その面影を意識せずにも・・ほんのりと感じていたのかもしれません。

 急傾斜で石切り場の真っ白な石・・岩かな?・・がゴロゴロしているレ・ペリエール。その周りを樹々が守っているかのような神々しさ・・。そのレ・ペリエールと道を挟んだましたが、

「レ・ゴドー」

なんですね。「ゴドーを待ちながら・・」の不条理な世界観を思い出しましたが、でも、

「どこかレ・ペリエール的でもある!」

と、ちょっと無理やりにでもこじつけたくなってしまいました。

 キュッと締まった超ドライな赤小果実に白い石灰・・レ・ペリエールほどの凝縮感は無く、非常にエレガンスが前面に出た感じ。コサールのレ・ゴラルドのような濃度の高さは無い・・。

 しかしながら、瑞々しさとミネラリティと果実、それぞれのバランスが素晴らしく、やはり・・

「プティ・ロワは自身のスタイルを貫いている」

と言えるほどです。

 そして、本当にこの人は・・

「甘さを残さない人!」

なんですね・・潔いほどにドライです。ギルベール・ジレはわずかだけ残し、それをアレコレする感じだと・・思っていますが。

 なので、noisy 的にはこのサヴィニーも非常に心打たれました。いや、皆さんもぜひ、

「レ・ペリエールの畑をご覧になられたら、このサヴィニーも飲んでみたくなるはず!」

と思いますよ。

 リューディ・レ・ゴドーのどこに畑があるのかまでは判らないですが、急な斜面の美しい畑ですし、

「Google map でレ・ペリエールとレ・ゴドーの間に立てる!」

訳ですから、それを見ながら一杯やる・・絶対に旨いと思いますよ。

 また、もう一つの畑ですが、こちらも・・

「Google map でレ・ゴラルドとレ・ヴェルモの間に立てる!」

訳ですから・・レ・ゴラルドを思い出しながら一杯やるのもオツじゃないかと思うんですね。

 出来は非常に良いです。上級キュヴェのペルナン1級・レ・フィショは今、幾分還元的ですので、まずはこちらのサヴィニーを飲み、3カ月以上寝かせてからレ・フィショを飲む・・そんな形が良いと思います。

 職人芸丸出し丸感じのギルベール・ジレの味わいですが、透明感と美しいナチュール感、エレガンス命のプティ・ロワ。どちらも基本ネゴスから畑を手中にして頑張っています。ぜひ飲んでみてください。超お薦めします!


2022 Pernand-Vergelesses 1er Cru les Fichots
ペルナン=ヴェルジュレス・プルミエ・クリュ・レ・フィショ

19442
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ペルナン=ヴェルジュレス
メゾン・プティ・ロワ

■エージェント情報
品種 ピノ・ノワール100%
区画 Les Fichots 
土壌 粘土石灰質 
面積 約0.33ha 
立地 南西斜面
栽培 慣行農法 
全房率 100%
発酵 1600Lのタンクで3日間マセラシオン(12℃)、野生酵母による自然発酵(12-32℃)
熟成 木樽(228L)で12か月間、タンクで5か月間 
生産本数 2500本
アルコール度数 13.0%
◆無清澄 ◆無濾過
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  1   ご注文数   本
¥11,190 (外税) 
【メゾン・プティ・ロワのトップ・キュヴェ!充実した果実の凝縮感に繊細さが透ける、まさにプティ・ロワ的エレガンスを実現した見事な味わいです!!】
 流石のトップ・キュヴェ、ペルナン=ヴェルジュレス1級レ・フィショです。

 ここはまさに・・

「コルトンの丘のコルトン=シャルルマーニュの反対側の丘に有り、東南向きの最高の立地」

にあります。

 コルトン=シャルルマーニュ(ル・シャルルマーニュ)はほぼ同高度の目の前で、100メートルほどしか離れていません。間に「レ・コンブ(谷間)」と言う村名の畑を挟みますが、ここが一番の低地です。

 東南向きで遮るものは・・コルトンの丘だけですので、日照の照りはじめがやや遅れる程度、非常に良い条件の畑です。ここの上が、

「イル・デ・ヴェルジュレスとサヴィニーのオ・ヴェルジュレス」

の2つの1級畑で、日照的にはコルトンの丘が邪魔をしないのでこの2つの方が良いんですが・・

「昨今はむしろ適度な遮りの方が結果が良い」

ような気もしています。糖度が上がって酸度が下がり、グラマラスになり過ぎちゃうわけです。

 プティ・ロワのラインナップでは、最も濃厚な果実味を持つワインです。

 ですが、けっしてエレガンスを失わずに、繊細な表情をかもしだしています。そしてプティ・ロワらしい瑞々しさ・・優しい抽出ですね・・美しさが前面に出た良い出来だと感じます。

 現状はやや還元的な部分が少し残念で、この還元香が収まった頃からが飲み頃の開始・・と言うことになろうかと思います。

 還元香は、やや還元している時にボトル詰めするため、またボトル内で急速に酸素を排除する形になることで発生すると思われますが、これは・・

「So2 を減らすために必要なこと」

でも有ります。

 慣れて来るとこれくらいの還元香は気にならない方もいらっしゃるかと思いますが、慣れの無い方だと・・

「・・ん?・・何の香り?」

と思われるかもしれません。3カ月ほどしますとだいぶ収まるんじゃないかと思います。

 充実した、でもエレガンスと複雑性、そして瑞々しさを湛えた1級レ・フィショです。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!


2022 Bourgogne Cote-d'Or Si Rouge
ブルゴーニュ・コート=ドール・シ・ルージュ

19446
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
メゾン・プティ・ロワ

■エージェント情報
品種 ピノ・ノワール100%(自社畑)
区画 Comblanchien
土壌 粘土質
面積 約0.6ha
栽培 ビオロジック
全房率 50%
発酵 3850Lのタンクで3日間マセラシオン(12℃)、野生酵母による自然発酵(12-32℃)
熟成 木樽(228L)で8か月間、タンクで8か月間
生産本数 4800本
アルコール度数 12.5%
◆無清澄 ◆無濾過
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  3   ご注文数   本
¥5,680 (外税) 
【とてつもなく純粋なピノ・ノワール!!・・瑞々しくピュアでふんわりと柔らかな液体です!・・このドライさがやがて旨味と色気を連れて来ると・・完成!】
 しばらくの間・・2019年、2020年、2021年と入荷が無かったメゾン・プティ・ロワのA.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワールです。いつの間にか名前も変わり、

「シ・ルージュ」

になっていますし、自社畑ものも増えて・・こちらも自社畑ものです。

 入荷が無かったのは、以前のインポーターさんと切れたから・・です。特にメゾン・プティ・ロワに関しては、毎年徐々に増やしてくれると言うことで扱わせていただいたのですが、一向に増えないどころか・・

「毎年減る一方」

だったので、クレームを言ったんですね。約束が違うと。

 Noisy wine も商売では有りますから、入荷量に全く見合わない数量のワインを開けてテイスティングをする訳で、それを何年もやられますと・・

「ただテイスティングして品物の仕入れ代金の一部にするだけの売上」

を続けなければならず、他でも約束を守ってくれないことも有って、もう結構ですと・・お取引は終了させていただいたんですね。なのでお客様にはメゾン・プティ・ロワが長く入らず、ご迷惑をお掛けしたかと思います。申し訳ありませんでした。

 縁あってラフィネさんが品物を回してくれることになり、今回ようやっと4年ぶりにテイスティングと販売を再開できることになりました。

 4年ぶりに再会した斎藤さんのワインは、大きく変わっていました。どのワインもピュアで純粋、ほんのりとナチュール感が漂い、まったく甘みを持たないドライな味筋の、とことんまで美しいワインに変貌していました。

 このシ・ルージュは、オート=コートの2アイテムがとんでもなく美味しい状態を見せることも有って・・流石に上級キュヴェ3種には届かないのですが、スタイルはどれも全く変わらず一貫しており、ピノ・ノワールの美しさを・・

「派手にでは無く、まさにピノ・ノワールの純粋な美味しさを表現している」

と感じさせるものです。

 決して強く無く、風に吹かれれば簡単に横になって倒れてしまいそうな・・言ってしまえば「か弱い」ように見えます。しかし、実は芯の強さもしっかりもっていて、この「2022 シ・ルージュ」は、2025年の初夏頃からは、

「グググっと旨味を備え始め、徐々に妖艶さも備えるようになる」

と推測しています。

 まぁ・・言ってしまえば、

「noisy 好みのシミジミ美味しい・・美しいエキスがたなびくピノ・ノワール」

でして、間違い無く徐々に美味しさを増して行くスタイルです。

 そしてコンブランシアンですから、底辺にはかなり硬いミネラリティが基礎として存在していますが、過ぎたることは無く、このピノ・ノワールをそっと優しく支えている感じです。

 色彩の美しさも是非・・ご覧ください。とんでもなく純粋だと・・判るような色をしているでしょう?・・

「赤にクリスタルを混ぜたら何色になるんでしょ?」

と言いたくなるような透明感です。

 とんでもなく純粋なピノですので、強いお食事とは・・少なくとも今は合いません。素材の美味しさを前面に出したお料理が良いと思います。余分な化粧がほぼ無いので、魚介類とも相性はそこそこに良いはず・・

 なお、価格ですが・・決して安いとは言えないかもしれませんが、この位の価格は普通以下でリーズナブルです・・この春のサラリーアップに期待しましょう。ぜひご検討くださいませ。素晴らしく成長したメゾン・プティ・ロワのベースのピノ・ノワールです!


2022 Bourgogne Rouge les Lormes
ブルゴーニュ・ルージュ・レ・ロルム

19443
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
メゾン・プティ・ロワ

■エージェント情報
品種 ピノ・ノワール100%(自社畑)
区画 les Lormes (Pommard)
土壌 粘土石灰質
面積 約0.6ha
発酵 3700Lのタンクで3日間マセラシオン(12℃)、野生酵母による自然発酵(12-32℃)
熟成 木樽(228L)で12か月間、タンクで5か月間
生産本数 4300本
アルコール度数 12.5%
◆無清澄 ◆無濾過
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  6   ご注文数   本
¥7,490 (外税) 
【美しいです!・・ポマール的な「美しい粘土」の要素も感じる、見事な出来の純粋A.C.ブル!・・格別な味わいです!】
 しばらく会わなかった親戚の子と久しぶりに逢ったような気がした「レ・ロルム」です。以前はエチケットに「ブルゴーニュなんちゃら」と書いてあったと思いますが、2022年ものは単に「les Lormes」としか記載されていません。

 個々の畑はポマールの北側の下部にあるA.C.ブルの畑で、ボーヌの村も近いです。なので、幾分ポマールの深いやや湿った感じのする粘土の味わいがボーヌ的に少し乾いた感覚が有りますが、土地に由来するものかどうかは不明です。

 「シ・ルージュ」同様、非常に美しいです。シ・ルージュが幾分明るく、赤が綺麗に出ていると思います。こちらのレ・ロルムの方はやや黒味掛かっていて、より深い色彩をしているように見えます。

 味わいも見た目と同様で、とことん明るく赤が美しい「シ・ルージュ」はやや軽やかですが、こちらのレ・ロルムは重量感が有ります。

 ただし、「ど~ん」と重さを感じるものでは無く、ちゃんと軽快さも在りつつ、バランスの良さも感じられます。そして・・

「滅茶純粋!」

です。

 この純粋さは相当なものでして、「シ・ルージュ」もとことん純粋ではあるんですが・・このレ・ロルムは純粋で超美しく、質感もきちんと備わるんですね。

 まぁ・・A.C.ブルとしますと決して安くは無い価格ではあるんですが、やはり・・

「質感!」

が結構異なります。

 そして・・今飲んで最高に良さが伝わって来るのは・・オート=コートのヴィーニュ・ヴィロン2022です。まさに、純粋さ・・ここに極まれり!・・と言った風情でして、ドすっぴん美人なんですが、こちらのレ・ロルムもほぼ同様ながら、

「ほんのちょっとだけ成長がヴィーニュ・ヴィロンより遅れている感じ」

です。

 それはおそらく粘土が充実しているので、エキスの成長の足を引っ張り気味なのかと想像していますが、いずれこれは・・追い付くんじゃないかと思います。そして深さ、充実度はヴィーニュ・ヴィロンを最終的に超えるかもしれません。

 素晴らしいA.C.ブルでした!・・これは是非、

「シ・ルージュと比較してみて欲しい!」

と感じます。粘土がどのように作用しているか、硬いミネラリティがどのように表情に出ているか・・もちろん前者がレ・ロルムで、後者がシ・ルージュです。どちらも非常にエレガントですから、

「繊細なお料理と合わせていかがでしょう?」

 超お薦めです。ぜひ飲んでみてください。

 以下は2018年もののレヴューです。
-----
【ドメーヌもののA.C.ブル2アイテム(多分・・)。レ・ロルムのみのテイスティングですが、滅茶ピュアでナチュラル!やはりこんな風ピノが造りたい!・・と言う気持ちが伝わって来ます!】

 これも非常に美味しいです。こんなブルゴーニュのピノが持つ精妙なエレガンスが表現できるなんて・・大したものだと感じ言ってしまいました・・このレ・ロルム、是非飲んでみて下さい。

 もとはスーヴニールと言う名前で2017年までリリースしていたもののようですので、以下に2017年のスーヴニールのレヴューを掲載しています。

 ビオでSo2のトータルが24mg・・・これはほぼ使用していないのと変わらないです。無添加でも数値が30mg位は出ることが多いです。アルコール分は14度ですが、強い感じはしません、テクスチュアもソフトでフカフカ、硬質な部分はアロマの中にのみ発見出来ます。

 流れるような起承転結が有り、最後に長く留まる「良い感じ」がとても心を和ませてくれます。いや・・良いですね・・これは上級のド・スーザ2018も飲みたくなってしまいました・・!・・が、数が無いので思い留まっています・・何せ時間も無いですし。

 まぁ、色合いの集中感も2017年とはだいぶ違うでしょう?・・それでいて「濃さそう!」と言うような感じじゃないんですね。ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの美味しさを「ビオ、ナチュール的にも」たっぷり感じさせてくれる出来でした。勿論、アヴァンギャルドには陥らず、危険な要素も見当たりませんので、ビオ嫌いのブルゴーニュファンの方にもおすすめ可能かと思います。是非ご検討くださいませ!


 以下は以前のレヴューです。
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【こんなに艶やかな色彩のピノ・ノワールを日本人が造れるのか?!・・エレガント系、エキス系の強く無い酒質!素晴らしい出来です!】

 いや~・・素晴らしいですね~!アルコール分12.5度のブルゴーニュ・ピノ・ノワールです。・・いや、そんなアル分でエレガントなピノなど今やほぼ絶滅危惧品種ですよ・・。

 リアルワインガイド第64号ではこのキュヴェは掲載されず、少なくて飲めなかったド・スーザが掲載されており、87+~88+の暫定ポイントが付いています。

 まぁ、確かに・・テイスティングしてみることは出来るんですが、むしろ、このメゾン・プティ・ロワのワインを入手出来たことも奇跡では有りますし、後先は余り考えずに片っ端から開けてしまう noisy では有りますが、このペースで開け続けますと経営的に・・どうなの?・・とも言われかねませんので自重しています。

 これ、相当に美味しくて・・ドメーヌものなのかな?・・判りませんが、超エレガントなのにちゃんとコアが有って、じんわりと旨味の有るエキス味で、細やかなミネラリティ由来の表情が伝わって来るんですね。

 なので、やはり・・センスなのか・・と感じてしまいますが、そこには日本やフランスで研修した経験もあるのでしょう。

 だって・・普通なら、しっかりと濃度の有るワインに仕上げたいと思ってしまうはずなんですよ。まだお若いですしね。でも、素材が有ってその潜在能力を確かめられる力が有り、、その将来の姿を見通せる想像力が有り、具体的にどう動いたら良いか、動かなくて良いかを判断する力が有って・・です。

 でもそりゃぁ・・noisy 位の年齢になれば、自分の限界もそこそこに知っていますし、冷静になって感じることもできます。しかしながら、まだ働き盛りにいて、冷静に自身を見つめることが出来て、畑と葡萄を知って、そこまで出来る・・と言うのは、もはや才能だと思うんですね。

 なので、「センス」と言うことになろうかと思ってしまいます。これ、滅茶苦茶美味しいので・・是非飲んで欲しいです!


 また、同じA.C.ブルですが、「2017年 ド・スーザ」は飲んでおりません。数が無いのと、これ以上飲めない・・経費的な問題で・・少ないマランジュの白を開けてしまったので・・と言う節操の無さも影響していますが、先ほど上記に書かせていただいたように、暫定点で88+、付いています。

 想像するに、ド・スーザはスーヴニールより、より濃密さが出ていると思われます。古木だそうですから・・。

 そして、このド・スーザも何と、12.5度の仕上がりですよ。エレガント系の薄旨基本!・・です。・・やっぱり残しておいて飲もうと、今決めました!ワイン屋さんではかなりの人気商品になっているようですので、お早めにお手当ください!お勧めします!ここまで出来るのか!と・・ビックリでした!


2022 Bourgogne Rouge Hautes-Cotes de Beaune Rouge Perrieres
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ボーヌ・ルージュ・ペリエール

19444
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
メゾン・プティ・ロワ

■エージェント情報
品種 ピノ・ノワール100% (自社畑)
区画 les Perrières
土壌 粘土・石灰質
面積 約0.8ha
植樹 1934年
栽培 ビオロジック、ビオディナミ
全房率 100%
発酵 2850Lのタンクで3日間マセラシオン(12℃)、野生酵母による自然発酵(12-32℃)
熟成 木樽(228L)で12か月間、タンクで3か月間
生産本数 3000本
アルコール度数 12.0%
◆無清澄 ◆無濾過
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  10   ご注文数   本
¥6,850 (外税) 
【ポテンシャルは・・noisy 一推しのヴィーニュ・ヴィロンを凌ぐ!・・若干時間不足で伸び切らないだけ。こちらも純粋で・・将来への大きな布石を持っている珠玉のオート=コート・ド・ボーヌです!】
 価格がヴィーニュ・ヴィロンより安いオート=コートのペリエールです。畑がどこだかわからないんですが、おそらくニュイ=サン=ジョルジュ、コンブランシアンの上部かなと推測しています。あの辺は、

「大理石の石切り場が有ってミネラリティが半端無い大柄な構造を持つワインが出来る」

と感じている場所です。

 このペリエールもまた・・とんでもなく純粋です。そしてピュアでほんのりナチュラル・・美しく、繊細です。

 しかしながらそのマンモスに存在するミネラリティが果実をやや隠し気味で、テクスチュアを少し厳しく感じさせますので、

「今だけを切り取ってみれば、だれでもヴィーニュ・ヴィロンを第一位にするはず!」

ではあるんですが、これ・・ちょっと時間を得たらどうなるか?・・と言いますと、かなり微妙な話しになります。

 ヴィーニュ・ヴィロンはとことん美しさを演出し、やがてちょっと色っぽささえ得て、若干の押し出しも得ると思います。ペリエールは構造自体が大きく、多量のミネラリティが・・まだ他の要素を抑え込んでいる感じですので、今は幾分・・控え目なんですね。

 ところが、3年ほど経過するとかなり変わるはずです。もともと美しいピノ・ノワールで、構造もしっかりしています。なので、ミネラリティのガードが下がり始めますと・・

「このペリエールの美味しさが急上昇するはず!」

 なんですね・・。

 そしてメゾン・プティ・ロワの美しく繊細な味わいが元々備わっていますから、

「もしかしたら、ヴィーニュ・ヴィロンをうっちゃるかもしれない・・?」

と思わせる訳です。

 いや・・久々にA.C.ブル、オート=コートのテイスティングで・・萌えさせていただきました!・・いや、悶えさせて・・が正解かもしれませんが、

「美しいピノ・ノワールが世の支持を得たのに、美しさを極めたピノ・ノワールはごく一部のグラン・クリュだけなのか?」


 そう・・メゾン・プティ・ロワのピノ・ノワールたちは優しく呟いているように思いました。ぜひこの・・美しいA.C.ブル、A.C.オート=コートの世界、覗いてみてください!お薦めします!!


2022 Bourgogne Rouge Hautes-Cotes de Beaune Rouge Vignes Vilon
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ボーヌ・ルージュ・ヴィーニュ・ヴィロン

19445
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
メゾン・プティ・ロワ

■エージェント情報
品種 ピノ・ノワール100%(自社畑)
区画 Vigne Vilon 北西向き
土壌 粘土・石灰質
面積 約1.1ha
植樹 1958、1960、1966、1970、1988年
栽培 ビオロジック、ビオディナミ
全房率 100%
発酵 3850Lのタンクで3日間マセラシオン(12℃)、野生酵母による自然発酵(12-32℃)
熟成 木樽(228L)で12か月間、タンクで6か月間
生産本数 5200本
アルコール度数 12.5%
◆無清澄 ◆無濾過
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  7   ご注文数   本
¥7,380 (外税) 
【凄い!・・この純粋さ、本当に見事です!・・久々に出会った感がある、ピノ・ノワールの純粋な姿に感動です!】
 素晴らしいです・・ちょっと・・このクラスでは絶対に出会わないような質のエキスです。

 言ってみれば・・

「超格上のクラスのイールドをオート=コート・ド・ボーヌで実現!・・しかも絞りを優しく、純粋さに輪をかけた見事に繊細な味わい!」

です。

 そして、メゾン・プティ・ロワのピノ・ノワールは・・まったく甘みが無いんです・・。とことんドライです。なので、

「本来は、少しのシミが有っても目立ってしまう」

はずなんですが、全くそんな部分の無い・・超絶に美しい姿をしているんですね。

 まず、このクラスのピノ・ノワールでは絶対に感じない!・・と断言できるレベルまで、ブラッシュアップしています。コストも相当掛かっているでしょう。

 1枚目は敢えてグラスに残った部分を撮影していますが・・どうでしょう?・・美しく純粋な色彩でしょう?

 ん?・・後ろの違うワインが気になる?・・あ、まぁ・・色々と一緒にテイスティングしていますから・・

 左後ろはガニャール=ドラグランジュの2022年の1級ラ・ブードリオットですが・・これも滅茶旨いですよ。超高級なメロンの美しくも甘やかで高級なアロマが有って、中域もふっくらと膨らみ・・て、ここでは関係ないので・・はい。

 で、この超絶に美しい色彩通りに・・ノーズも味わいも・・余韻まで、超純粋なんですね・・。

 まったく穢れの無い美しい世界に連れて行ってくれますから、やはりご一緒するお食事の皿も選ばないといけないかと思います。

 そして、軽やかさと充実度がきっちりとマッチしています。1枚目の写真のこの量を、グラスを散々に振り回してから口に含むと・・

「ワインでブルゴーニュ・ピノ・ノワールだけが見せる美しいグラデュエーションの世界!」

を口内で描かれたものを、再度・・口内と鼻と目と脳で何度も味わえるんですね・・残り香・・最高です!

 価格は7千円台では有りますが、決して惜しくない選択になると思います。

 そして何より、

「今、一番仕上がっている・・今飲んで一番美味しい、美しい、あり得ないほどに純粋なピノ・ノワール」

こそが、このヴィーニュ・ヴィロン2022年なんです。


 ただし・・今回ご紹介させていただいた下級キュヴェ4アイテムは、全て同じレベルで・・非常に純粋です。なので、いずれ・・このヴィーニュ・ヴィロンのように感じられる日が来ます。タイミングの問題です。

 そしてこのヴィーニュ・ヴィロン2022年もまた、

「ここで留まるワインでは無い!」

と言えます。まだまだこれから素晴らしい高質さを持っていますので、ポテンシャルを開花させるでしょう。

 ある意味、めちゃ造り込んでいると言える・・

「ギルベール・ジレとは正反対!・・真逆!」

です。

 しかし!・・面白いのはこれからです。20年経過したらどうなるか?・・noisy はある種の答えを持っています。でも言いません・・(^^;;

 20年後に、この2022年のメゾン・プティ・ロワのピノ・ノワールとギルベール・ジレのピノ・ノワールを比較してみたい・・まぁ・・生きていればですが!・・そう思わせるほどに美しい液体です!

 あ、因みにメゾン・プティ・ロワの上級キュヴェのサヴィニー=レ=ボーヌとペルナンなども届いていますが、今回はご紹介が間に合いませんので次回になります。どうぞよろしくお願いします。最高に素晴らしいです!

ピエール・ゴワゼ

ピエール・ゴワゼ

フランス Pierre Goiset ロワール
[ oisy wrote ]
● ロワールより、自然派の新たな造り手「ピエール・ゴワゼ」のご紹介です。ロワール川下流、ナントより少し内陸に入ったサン=フィアクル=シュル=メーヌに位置します。

 白ぶどうはムロン・ド・ブルゴーニュ(ミュスカデ)が主体です。このミュスカデがすんごい!

 一般的なミュスカデに抱く、ライトでキレの良いというタイプではなく、とろみがつくほどに密度があり、エキス的。こんなミュスカデ見たことないい!いや、もしかしたらかつてブルゴーニュで生産されていた時に、メロンの香りと言われ名前にもなった「ムロン・ド・ブルゴーニュ」。現代のミュスカデとちょっと、いやかなりギャップのある名前ではないですか・・?

 でもでもこのピエールのミュスカデは・・・「ムロン・ド・ブルゴーニュ」に似つかわしい味わいなんです!ブルゴーニュでは絶滅危惧種の品種でしょうから、真の「ムロン・ド・ブルゴーユ」を体現する造り手はここにいたのかもしれません。

 そして黒ブドウはなんとロワールの地でメルロー!

 しかしこのメルローを使ったロゼや赤ワインが素晴らしく、ロワールの地とメルローの相性って実は良いのでは・・?と思ってしまいました。

 また、白の「シェ・ピトゥー」ではなんと揮発酸の出たキュヴェをブレンドするというなんともチャレンジングなことをやっています!これはあくまで実験的な試みのようですが、しかしその独特の、初めて出会うフレーバーになんとも心惹かれてしましました・・!

 それでいてアヴァンギャルドか・・?というと全くそんなことはなくて安定感抜群なんです。つまり「揮発酸をスパイスとして使いこなしている!」というとんでもないセンスの持ち主です。ネガティブなイメージの揮発酸ですが、まさか「揮発酸の新たな可能性」を示される日がくるなんて・・・(シェ・ピトゥー以外は揮発酸を感じることは無いほどに安定したワインです。)

 まだ二年目ということですが、これから一体どんなチャレンジをしていくのか、楽しみで仕方がない造り手です!


■エージェント情報
 大変革の真っ只中にあるミュスカデ。この地のナチュールの先達であるランドロンやド・ベル・ヴューに続く、新世代の若いドメーヌが次々と誕生しています。2020年に故郷のナントに戻り、新しくドメーヌを興したピエール・ゴワゼもその一人です。

 ナント生まれのピエールは、学業を修めた後、カメラマン兼ビデオディレクターとして10年近く働いていましたが、40歳を目前に、妻と二人の子供と共に生まれ故郷であるナントに移住。ヴィニュロンに転身し、ナチュラルワイン造りを始めたのです。

 ピエールの畑の8割を占めるのは、マッサルセレクションで1950年代に植樹された60年を超えるヴィエイユ・ヴィーニュのムロン・ド・ブルゴーニュ。テロワールを表現するミュスカデを手掛けています。ドメーヌのワインは2021年が初ヴィンテージですが、既に三ツ星のレジス・エ・ジャック・マルコンを始め、ナントやパリの若い星付きのレストランでサービスされて好評を博しています。


N.V. Chez Pitou Blanc V.d.F.
シェ・ピトゥー・ブラン V.d.F.

19346
自然派
白 中口
フランス
ロワール
ピエール・ゴワゼ

■エージェント情報
品種:Vin de France
品種:ムロン・ド・ブルゴーニュ100%

 手摘みで収穫したブドウを100%全房で、木製の古い手動式の垂直圧搾機で優しく破砕し、10 時間近くかけてゆっくりと圧搾。無清澄で、野生酵母のみでグラスファイバーのタンクで自発的に発酵。ブドウ以外の醸造添加物は一切加えずに醸造する。その後、引き続きタンクでシュール・リーの状態で自発的なマロ発酵と熟成。無清澄・無濾過で瓶詰め。SO2は醸造中は無添加。ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰め前に必要最小限のみ添加。総生産量1.800本。アルコール度数は12度。2024年10月時点のSO2トータルは20mg/L。
 キュヴェ名の Chez Pitou シェ・ピトゥーとは、フランス語の『乱雑な場所』という意味です。揮発酸がやや高かった2022ヴィンテージの一部ロットと、2023ヴィンテージの一部ロットをブレンドして瓶詰めしたところ、適度の野生感を残したアプローチャブルなキュヴェに仕上がったことから、このように命名したそうです。このため。このキュヴェは今回一回限りの生産になる予定。ちなみにピエールは学生時代、友達からピトゥーというあだ名で呼ばれていたそうです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥2,980 (外税) 
【なんと揮発酸をスパイスとして使いこなす造り手が現れた!しかも密度高く、安定してて独自のエレガンスがめちゃうまい!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ]
 こりゃ面白い・・!!!

 前情報抜きでのテイスティングだったんですよ。不思議な感覚でした。ワインは完全に安定しているのに、僅かに揮発酸に似た・・・でも違う・・・複雑なアロマをキャッチしたんですね。そう、初めてのスパイスに出会ったような感覚です。

 テクニカルを見て合点がいきました。揮発酸がやや高かった2022ヴィンテージの一部ロットと、2023ヴィンテージの一部ロットをブレンドしたキュヴェらしいのです。その結果、適度な野生感を残したアプローチャブルなキュヴェに仕上がったとのこと。キュヴェ名の「乱雑な場所」という意味もなるほどな・・・オツなネーミングですね。

 しかしこれは完全にピエールのセンスが素晴らしい・・・!。野性味の強い、自生のハーブのような、「妙に惹きつけられる香り」です。おそらく、ピエールもこの香りを発見した時に、「こりゃおもしろいぞ・・・!」と思ったのでリリースしたのでしょう。

 そしてこのニュアンスはミネラリティとの相性もよく、シャブリに含まれるヨード香のようにミネラリティの輪郭を強調させてきます。

 液体の充実感も高く、しっかりといきわたった密度の高い液体です。正直、この価格でいいの・・?と思うほどなのですが、ピエール自身実験的なキュヴェであるからなのかかなり味わいに対してのコスパがいいですね。あ、ちなみにこちらは今回のみのキュヴェのようです。激レアです。

 キュヴェの造られる過程を見ると、大丈夫なの?安定してるの?と思われるかもしれませんが、状態としては安定していると言って問題ないです。ただし揮発酸のニュアンスが微量でも苦手、という方はおやめください。

 最近は揮発酸は必ずしもマイナスな要素ではない、と思っていましたが、まさかスパイスとして使いこなしてくる造り手がいるとは驚きました!これはまた揮発酸に対する認識をアップデートしないとな・・・

 クセのあるチーズのなにかと合わせたら奇跡のマリアージュを産み出しそうな予感がします。ナチュールファンの皆様、ぜひ一度「揮発酸の新たな可能性」を試してみませんか・・?ご検討くださいませ!


N.V.(2022) la Mauguit Blanc
ラ・モーギ・ブラン V.d.F.

18168
自然派
白 辛口
フランス
ロワール
ピエール・ゴワゼ

■エージェント情報
Vin de France
品種:ムロン・ド・ブルゴーニュ100%

 手摘みで収穫したブドウを100%全房で、木製の古い手動式の垂直圧搾機で優しく破砕し、10 時間近くかけてゆっくりと圧搾。無清澄で、野生酵母のみでグラスファイバーのタンクで自発的に発酵。ブドウ以外の醸造添加物は一切加えずに醸造。その後、引き続きタンクでシュール・リーの状態で自発的なマロ発酵と熟成。無清澄・無濾過で瓶詰め。SO2は醸造中は無添加。ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰め前に必要最小限のみ添加。2022ヴィンテージの収穫日は8月29日。総生産量2.150本。アルコール度数は12度。2023年7月時点のSO2トータルは35mg/L。
 キュヴェ名のLa Mauguitラ・モーギは、片麻岩とシレックスの土壌のリューディのLa Mauguitonnièreラ・モーギトニエールの略称です。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  4   ご注文数   本
¥3,480 (外税) 
【アロマを覆うドライな果実とシレックスのミネラリティ・・!密度とコクもたっぷりです。】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ]
 テクニカルを見て、ピンときました。これはシレックスのミネラリティだ・・・!と。

 細やかなざらつきのあるミネラリティと一般的にはスモーキーと言われているようですが、確かに煙のような立ち上がり方をするミネラリティ由来の香りです。

 これらが果肉とワタ、果皮まで含んだグレープフルーツ的な柑橘のニュアンスと共に立ち上がってきます。

 味わいはドライ。そして蜜とコク。熟度と密度が十分にあり、めちゃくちゃ充実感高いです。それでいて酸は前述のグレープフルーツを思わせるほどに冷涼でボリューミーであります。

 シレックスのミネラリティにファンが多いのはわかります。フリウリのポンカ土壌にも似た厚みのあるミネラリティにスモーキーとも取れる風合い。なんというか、酒飲みの味なんですよね(笑)

 このラ・モーギもふんわりと花の香りもあり、結構にアロマティックなんですが、外側をドライな果実が覆ってくれるので、全体的な印象は引き締まっています。

 これもミュスカデなんですよね・・・キャラクターが知ってるミュスカデとあまりに違うなあ・・・これブラインドで当てられる方はなかなかいないんじゃないでしょうか。1年間の店内熟成も経て、よくまとまってきています。おすすめです!ご検討くださいませ!


N.V.(2022) le Query Blanc
ル・ケリー・ブラン V.d.F.

18169
自然派
白 中口
フランス
ロワール
ピエール・ゴワゼ

■エージェント情報
品種:ムロン・ド・ブルゴーニュ100%

 手摘みで収穫したブドウを100%全房で、木製の古い手動式の垂直圧搾機で優しく破砕し、10 時間近くかけてゆっくりと圧搾。無清澄で、野生酵母のみでグラスファイバーのタンクで自発的に発酵。ブドウ以外の醸造添加物は一切加えずに醸造する。その後、引き続きタンクでシュール・リーの状態で自発的なマロ発酵と熟成。無清澄・無濾過で瓶詰め。SO2は醸造中は無添加。ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰め前に必要最小限のみ添加。2022ヴィンテージの収穫日は8月31日。総生産量1.930本。アルコール度数は12度。 
 2023年7月時点のSO2トータルは15mg/L。
キュヴェ名の le Query ル・ケリーは、花崗岩土壌のリューディの名前に由来するものです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  4   ご注文数   本
¥3,690 (外税) 
【レモン、リンゴ・・・そしてメロンの香り。別名ムロン・ド・ブルゴーニュを体現する真のミュスカデがここにある!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ]
 シレックスのラ・モーギと違い、この花崗岩土壌のル・ケリーは塩味系のシャープさがあります。しかしこちらもミネラルの充足感が高い・・!

 ラ・モーギはグレープフルーツの印象でしたが、ル・ケリーはより明るく、レモンやリンゴ・・・そしてメロンの系統です。

 香りも、白い花を含む、より広がりのあるアロマです。

 ドライな味スジですが、粘性も高く、とろっと感が出るほどに蜜っぽさがあります。

 おおっと、これぶどうはミュスカデでしたね・・・これほどまでにコクのあるミュスカデには初めて出会いました。

 ミュスカデの別名ムロン・ド・ブルゴーニュがこのワインでの正式な品種名ですが、このムロンというのはメロンのことです。マスクメロンに似た香りを持つことからついた名前とのことです。

 とは言えそれほどに香るミュスカデってほぼ出会わないと思っているのはオイジーだけでしょうか・・

 このル・ケリーにはミュスカデがメロンと呼ばれる理由がわかるな〜というレベルまでアロマティックに香ります。

 そしてとろみのある液体もあいまって、メロンっぽいかも〜!という気持ちになってきます。

 思えば、かつてはブルゴーニュに植わっていたミュスカデにムロンと名付けたのにそれを現在のミュスカデからあまり感じないのはミネラリティの違いかもしれません。ミュスカデにブルゴーニュレベルのミネラリティの質と量が組み合わさった時にこの香りは生成されるのでは・・?

 ピエールの畑がブルゴーニュのミネラリティだとは思いませんが、それよりもミネラリティをどう引き出すか・・・という思想の方が重要なのかもしれません。

 個性が弱いとされる品種の秀逸なワインに出会うと、やはり「品種は土壌の個性を写す器でしかない」という気持ちにさせられます・・・素晴らしいロワールの「ムロン・ド・ブルゴーニュ」です!ぜひご検討ください。

ドメーヌ・アニェス・パケ

アニェス・パケ

フランス Domaine Agnes Paquet ブルゴーニュ
● 2022年のアニェス・パケ、下級キュヴェです。非常に健康的でピュア、ナチュール感はほんのりで危険性無し、そして、

「激繊細に仕上がった2022年の下級キュヴェ!」

と言っておきましょう。

 何故か Noisy wine も空前絶後の白ワインブームでして、ピノよりもシャルドネが良く売れると言う・・いや、昔から白ワインの比重は高かったんですが、最近はどうも・・

「白ワインが美味しいんですよ」

とおっしゃるお客様がさらに増えたような気がしています。

 で、非常にリーズナブルながらも質の高い「オーセ=デュレッス・レ・ゾズ」のブランの2022年もまた・・素晴らしいです。

「15分~20分経ったら・・」

の後をぜひ読んでみてください。面白い・・いや、美味しいですよ~・・。

 そしてピノ・ノワールの2種もまた、

「激繊細!」

でして、しかも非常に健康的で・・エレガンスを楽しめる味わいに仕上がっています。上のポマール・レ・コンブは少し置き気味にしていただき、縦延び系のオーセ=デュレッス・レ・ゾズ・ルージュを先に飲まれると良いかと。

 今や村名でこの位で買えるピノ、そして激繊細系は希少価値が高いと感じています。お薦めします!


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 アニェス・パケです。若いビオ系生産者の「姉御」的存在・・・慕ってやってきた若者へヴァン・ナチュールへのアプローチを教え育てていらっしゃる方です。Noisy wine もそのような若い生産者を扱っており、テクニカルや資料を読むと、何かと「アニェス・パケ」で修行したと書かれているのを目にします。

 今までは、

「・・ん~・・どうなんだろう・・Noisy wine のお客様には、先進的に思われてしまうんじゃないかなぁ・・」

と考え、本格的には扱ってこなかったんですが、ここまで若い人にそこまで言われてしまうと、

「・・よし。とにかく真正面から向き合って、飲んでみたい、飲みたい方にお勧めしよう!」

と方向転換しました。


 アニェスのワインの方向性は・・勘違いされるのを恐れずに言ってしまえば、「ドメーヌ・ビゾ」系でしょう。まぁ、ビゾもまた、noisy は相当苦労して販売していましたが、2社から入荷していたビゾのワインが入らなくなってから、世の中では引っ張りだこになった・・と言う苦い経験があります。

 まぁ、それには中国の人気の高さから転売屋さんが動いたこともあるかと思いますが、

「そうなってくると、ナチュール系のブルゴーニュは嫌だと言っていたお客様までビゾが欲しいと言い出す」

んですね。

「(・・あなた・・ビゾに興味なんて無かったじゃん・・)」

と言いたくもなるんですが・・。


 アニェス・パケのワインは、おそらくですが・・

「食を引き立てるべくの高級ブルゴーニュワイン イコール(オーセ=デュレッス)」

と言う部分に大きなプライオリティを持っていると思います。そして結構にナチュールでして、アイテムにより上下しますがそれなりの揮発酸は存在します。

 この部分が飲まれる人により、好き嫌いが判れるかと思うんですが、実際には・・

「揮発酸はさほど強く無いし菌も酵素も沈静化しているので時間とともにワインと一体化する」

と思います。


 今回ご紹介させていただくのはグレートイヤーの2019年ものですが、特にスペシャルキュヴェの「N12」は、ジャスパー・モリス氏の評価で91~94ポイントと凄いことになっています。

 まぁ、noisy的には、ジャスパーさんってこの手もOKだったんだ・・とビックリなんですが、確かに普通に美味しく飲めて、しかも品格も高いし揮発酸もその気にならなければ判らないレベルだし・・と言うことなんですね。

 ですので、noisy が気にするほど、皆さんは「嫌では無い」んだと思うんですが、やはりそこは・・ちゃんとご紹介させていただいて・・と言うことで、今回は4アイテムをご用意いたしました。是非ご検討くださいませ。


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 10年ぶりにご案内することになりましたアニェス・パケです。ピュアで純粋な果実を感じさせてくれる自然派の生産者です。

 2001年に創業したアニェス・パケは、今日のブルゴーニュ新世代を象徴するような存在です。
 実質ビオロジックのリュット・レゾネ栽培を創業当初から実践しているのみならず、ぶどう樹を1本1本観察して優れた樹の選抜と育成を行う「マス・セレクション」にも取り組むなど地道な努力を続けながら、急斜面をものともせずに畑仕事に精魂込めています。
 「美味しい料理を引き立て、ガストロノミーに愛されるワインを造りたい」という彼女の願いは叶い、オークセイ・デュレスというややマイナーなアペラシオンにもかかわらず、その品質に感動した「コート・ドール」、「ランズブール」、「ポール・ボキューズ」、「ジョルジュ・ブラン」といったフランス・ミシュラン3つ星レストランのソムリエ達が、こぞってオンリストするようになりました。
 彼女のワインは、透き通るようにピュアで清らかな口当たりながら、大地の滋養の結晶たる深いうまみに満ち溢れています。(それにしても昨今のブルゴーニュの女性醸造家達の造るワインは、頭ひとつ抜きんでているように思えます)。
 「畑で自然と接するのが、なにより楽しいのです」という彼女は、休日も大自然の中をジョギングするなど、ライフスタイルそのものが自然志向です。

所在村 Meloisy
醸造家 Agnes Paquet
所有畑面積 9ha
ドメーヌ継承年 2001年
栽培における特記事項 厳格なリュット・レゾネ。化学肥料、除草剤、殺虫剤等は一切使用しない。マス・セレクションへの取り組み
醸造における特記事項 2回選果。天然酵母のみで発酵。白は除梗せず、赤は90~100%除梗。「果実の風味と熟成力を最大限保つために」、酒石酸の冷却処理を行わない
販売先 フランス国内60%(3つ星を含む多数の高級レストランとフランス全土のワインショップ80%、個人のワイン愛好家20%)、輸出40%(スイス、ドイツ、イギリス、デンマーク、アメリカ、オーストラリア、日本)
掲載実績のある海外メディア 「Bettane & Desseauve」、「Gault & Millau」、「Guide Hachette」、「Dussert-Gerber」、「Decanter」、「La Revue du Vin de France」、「Bourgogne Aujourd'jui」等多数
参照できる日本のメディア 「リアルワインガイド ブルゴーニュ」(堀晶代著)P121


2022 Bourgogne Aligote le Clou et la Plume
ブルゴーニュ・アリゴテ・ル・クルー・エ・ラ・プリュム

19318
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
ドメーヌ・アニェス・パケ

■メディア情報
◇2022年もの
 92 Points & 90 Points Cellar Tracker
■エージェント情報
 ムルソー村内のリウ・ディ「レ・プリュム」と地元ムロワジー村内のリウ・ディ「ル・トポ・デュ・クルー」の2区画合計で1.3ha。平均樹齢30年。228リットルと500リットルの樽で発酵&10ヶ月間熟成。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  6   ご注文数   本
¥4,980 (外税) 
【アリゴター開催記念です!?・・2025年2月18日(火)、飯田橋で「アリゴター」開催!・・アニェス本人は来られなくなったと連絡が有ったようですが、シルヴァン&ローラン・パタイユやボワイエ・マルトノら15生産者さんもいらっしゃるようです!】
 アリゴテがこの10年、滅茶苦茶美味しくなったと・・noisy も声を荒げて訴えて来ました。

 ただしそれまでは・・と言いますか、自然派ワインが日本に入って来て10年ちょっとの間に少しずつ変化して来たものが、2014年頃(2012年もの辺り)に徐々に認知され始めた・・と言うことだと感じています。

 それまでは、アリゴテと言えば「キール」にする酸っぱい白ワイン的な印象で、例外としてはコシュ=デュリだけで、あのルロワでさえ・・まぁ・・そんな美味しいアリゴテを造っていたとは言えないでしょう・・今やルロワのテイスティングなどは何一つ出来なくなっていますが。

 ちょうど・・アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールの「アリゴテール」が Noisy wine でも大人気で、隠れたヒット商品でした。これもいつも間にかご案内が来なくなって久しいので、もはや10年近く販売していないと思います。

 その後はシルヴァン・パタイユですね。以前はオルヴォーさんが扱っていまして、何度かその頃も飲んだ記憶が有りますが・・まだまだ「酸っぱくて平坦」だったと記憶しています。そしていつの間にかラシーヌさんが扱っていたものの余り売れず、何を思ったのか・・特売をし始めていただけたのでこれ幸いとばかりにテイスティングしたところ、

「・・旨いじゃん・・」

 リーズナブルで美味しくて・・と言うことで、これも大ヒット。アリゴテだけでは有りませんがシルヴァン・パタイユだけで数十ケースは毎年頼んでいたと思います。追加に追加を重ねる形ですね。

 そして何年前でしょうか。パタイユのアリゴテのクロ・デュ・ロワ等シングル・ヴィンヤードものを飲ませていただいた時に、

「(・げげっ!・・これは凄い!)」

と感じたので・・

「全部ちょうだい!」

と言ったんですが、1本さえもいただけませんでした。

 その頃からは、ブルゴーニュ・アリゴテだから安くて酸っぱい青りんごのアロマ・・と言うキメ台詞は使えない状況になったと言えます。

 で、この「アリゴター」こそ、

「過小評価されてきたアリゴテの復権を目指す集まり!」

なんですね。

 ですので noisy としましても、それは影で力添えさせていただきたいと・・思っている訳でして、ちょうどアニェスのこの「アリゴテ・ル・クルー・エ・ラ・プリュム」が入ると言うので、

「ボトルにサインでもいただこうかしらん!」

と思ってオーダーしたところ、

「急に来られないと連絡が」

と知り、残念に思っていたところです。


 で、仕上がりですが、パタイユのアリゴテのように、繊細さが透明なコートを来てたたずんでいるようなものでは・・ちょっとないです。

 ほんのりとムルソー的な包容力や質感を感じるアロマに、よりナチュールに寄ったふっくらとしてほんわかとした柔らかさとアロマの伸びがある、ほんのりと豊満さや豊かさを感じるものです。おそらくSo2が少ないか、入れてないんですね。なので、その辺りはパタイユよりも親近感や安らぎが有ります。

 青りんご感はもはやなく、高級なメロンや、そこに黄色い新鮮な果実を加えたような・・存在するのなら黄色い超高級メロン?・・有るな・・食べたことは無いけど・・そんな感覚の果実感が、何とも心地良さに繋がって行きます。

 先鋭さは味わいでは出て来ないが、この存在感こそが先鋭だと思われる見事な出来です。

 是非・・「アリゴターの姉御」の「ル・クルー・エ・ラ・プリュム2022」飲んでみてください。パタイユのシングル・ヴィンヤードものとは方向性が異なりますが、充分に戦える質感が有ると感じました。お薦めです!


2022 Pommard les Combu
ポマール・レ・コンブ・ルージュ

18591
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ポマール
ドメーヌ・アニェス・パケ

■メディア情報
◇ 2022年もの
 88~91 Points Jasper Morris - Inside Burgundy

◇ 2021年もの
 87~90 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
◇ 2020年もの
 90~92 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
◇ 2019年もの
 88~91 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
◇ 2018年もの
 93~94 Points VertdeVin

■ エージェント情報
 0.8haの自社畑より。平均樹齢35~40年以上のVV。新樽率30%で12ヵ月間の熟成。「レ・コンブは、ヴォルネイとポマールにまたがる区画で、ポマールとしてはとてもエレガントなスタイルになります。それが気に入ってこの畑を購入しました。ここの区画のぶどうは、毎年のようにミルランダージュとなる傾向があり、非常に皮が厚く粒の小さい、凝縮したぶどうができます」。タンニンもまろやか、酸も控えめで、完熟したいちごを思わせる果実の風味が口の中でとろけるような趣です。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  10   ご注文数   本
¥10,680 (外税) 
【繊細なポマールを表現すると言う選択!・・難しいはずですが、美しくエレガントなポマールに仕上がっています!】
 例えば、余り良い出来では無いと思われるポマールは、

「過熟させたのが裏目に出て、酸が少なく、色が茶色で土臭い・・」

 などと決めつけてしまえば・・、

「・・うんうん・・思い当る!」

とおっしゃるお方は結構にいらっしゃるんじゃないかと思うんですね。

 ですが美味しいポマールを知っていらっしゃる方は、決してそこまで「茶にはせず」、「赤い色彩」をしているワインだと思い当るはずです。

 もっともごく一部の、ポマール1級畑の上級キュヴェは、それに当たらない場合も有りますから、大きくまるめてしまうと間違えるかもしれません。でも、noisy も大好きな「ラ・ペズロール」もまた、赤い果実が素晴らしい・・時にジャミーに、でも繊細に感じさせてくれる訳です。

 このレ・コンブは皆さんもご存じかと思います。ポマール1級のレ・フレミエ(ヴォルネイにも地続きの1級同名畑有り)の下部に接していて、その下に有ります。レ・コンブの上部は1級畑で、下部は村名になります。あのダンジェルヴィーユ男爵は、このポマール・レ・コンブの上部で1級を造っています。2万円位?・・です。

 近接の写真は・・その赤い感じ、鉄分の感じが良く出ているかな・・と思います。もう少し明るく撮れた2枚目は、ポマールの下部の豊かな粘土を姿が出ているようにも感じます。

 2022年オーセ=デュレッス・レ・ゾズ・ルージュと比較しますと僅かに濃く、しかし・・滅茶濃いことも無く、美しいチェリッシュな色彩をしています。

 レ・ゾズがアルコール分12.5%と言うのも有るかもしれませんが、このレ・コンブは13%でベストなアルコール分。

 ナチュラルさもほのぼのと感じられますが、酢酸臭いなどと言う状況には陥らない、非常に好ましいナチュール感です。

 レ・ゾズほど縦延び系では無く、またエレガントさも追い付きませんが、

「縦糸と横糸のバランスが良いので・・両想い」

です・・意味が分からなくて気になる方は、2022年オーセ=デュレッス・レ・ゾズ・ルージュのコラムをお読みください・・大したことは書いてませんが・・(^^;;

 ですが、これがまた後になって大きな意味を持ってくると思うんですね。今はまだリリース直後ですから、今のバランスだけを切り取って言うならば、

「レ・ゾズのエレガンスの素晴らしい味わいが上かも」

 しれません。


 しかしながら、潜在的な能力、ポテンシャルから言いますと、1.5~2点ほど・・このレ・コンブが勝ります。

 つまり、「今飲んで」ポイントはほぼ同じか、オーセ=デュレッス・レ・ゾズが上、時間が経てば経つほどにポマール・レ・コンブが上を行く・・と言うことになります。

 それも、現状のまだ繊細なニュアンスを持ちつつ、蕾を花に、花を果実にしてくれますから、村名と1級に近いくらいの差になってくるかもしれません。

 そうですね・・とりあえずは3カ月待つ・・出来るなら半年待つ・・飲み頃近くに美味しくなるのは3年後と言うことになろうかと思います。ポテンシャル高いです!ぜひ飲んでみてください。健康的に育った美しい繊細系ポマールです!

ヤン・ドゥリュー

ヤン・ドゥリュー

フランス Yann Durieux ブルゴーニュ
● ヤン・ドゥリューの新ヴィンテージです。「新」とは言っても結構に時間は経過しています。そしてnoisy はようやく・・

「ジャノ」

を飲むことが出来ました。・・なるほど・・そういうことかと・・少しヤン・ドゥリューを理解できたかと思っています。


 彼のワインは、

「頭で飲まず、心と身体で飲む・・」

 そうすると伝わってくるものが多いかな・・と思いました。

 何せ、超繊細ながら、あのロック親父の継承者・・みたいなものですから・・。

 今や大いに騒がれる存在になってしまったプリューレ・ロックですが、

「ロックの魂はこっちにある!」

と言わずにいられようか・・そんな感じがします。


 そしてジャノやPVを飲んで、

「ロックも、パカレも、ヤン・ドゥリューも・・同じライン上にいたんだ・・」

との思いを深くさせられました。ご検討くださいませ!



 以下は以前のレヴューです。
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 前回のご案内からさほど時間は経過していませんが、インポーターさんのお約束通り、今まででは考えられない数量が入って来た「ヤン・ドゥリュー」です。余りに少ないのはどうにもなりませんが、むしろ右から左に流すだけの商売ならそれも充分有りなのかもしれませんが、

「美味しいかどうかも、良いのかどうかも、どんな味わいなのかも、何も判らないまま・・」

 そんな状況に置かれたワインが勝手に独り歩きしてくれればそれでも良いのでしょうが、やはり「理解しようとすること」こそが今のような時代だからこそ、ワインを扱うものに求められているような気がします。お金だけ欲しくてやってる方はこんな業界に長居する必要などない訳ですから、とっとと投資などの世界へ移って稼いでほしいと思ってしまいます。インポーターさんもそう・・ただたまたま仕事だったからやっていらっしゃるのなら、向かないと思うので早めに転職された方が良いと思いますよ。

 で、ようやくある程度の数量をいただけました。8アイテムで82本、1アイテム平均10本です。そうは言いましても最低数が2本、最高が24本ですから、余り平均値には意味はないんですが、

「ずっと気になっているヤン・ドゥリューの今を知るべく、全アイテムテイスティング!」

を決行しました。・・まぁ、資金的には相当厳しいんですが、ここぞと言う時はしっかりやらないと・・。そして、少しだけヤン・ドゥリューの今が判ったような気がしています。


 基本的にはD.R.C 系の造りです。プリューレ・ロックにも近いですがやはりD.R.C.かな・・。ロックのクロ・ド・ベズのような「真っ赤」な感じは無く、言ってみるならクロ・デ・コルヴェの延長上でしょう。D.R.C.だとするなら仕上がりの味わい傾向はラ・ターシュでは無く、むしろロマネ=コンティ的です・・安い方で言えばエシェゾーでしょうが、パワフルなピノ・ノワールの表現では無く、エレガント系です。

 ですが・・もっとずっと自由です。自分の感性を頼りにワイン造りをしているような感じです。So2 はギリまで使いたくないのでしょう。全く使わないか?・・と問われればどうかと思いますが、

「So2?・・他の手段もあるでしょ。」

と言ってるような気もします。

 なので、アイテムによっては「揮発酸」も出ています。「検出限界」や「少な過ぎて判らない・・あるかもしれない」キュヴェも有ります。

 ですが、その「揮発酸の出たワイン」がまた・・実に魅力的なんですね。滅茶美味しいんですよ。表現も素晴らしい・・。魚介類とのマリアージュも素晴らしいんでビックリですし、合わせていくと、今まで気付かなかった一面さえ見せてくれます。

 そして、もしかしたらファーストノーズで一瞬、

「ん?」

と思ったとしても、グラス一杯飲み終えた頃には、全く気にならなくなっているでしょう。「揮発酸」は浮いておらず、完全にワインとシームレスに一体化していて、抜栓してもその量は増えることなく、むしろ徐々に減って行くんです。これにはちょっと驚きました。

 まぁ、noisy は基本的には「揮発酸の出たワイン」は好きではありません。しかし、完全シャットアウトでは無い・・その全体像をしっかり見ようとしています。その上で、

「駄目なものはどんなに足掻いてもダメ」

です。

 しかし、ちょっと出ているから・・と言って、その本質を見ずに拒否することは有りません。その上で、

「揮発酸の出たワインも表情の一部で有り、止まっていて一体化しているのなら問題無し」

とする場合が有ります。それがこのヤン・ドゥリュー(のワインの一部)なんですね。


 言ってみれば、

「完全に自由なD.R.C.」

のような方向性です。足の鎖を外し、手錠を壊して野に出た一人の栽培家、醸造家です。言ってしまえば・・かのジャン・イヴ・ビゾのエシェゾーの方が揮発酸はキツイです(ヴィンテージによりりますが・・)。

 そして、とことん、前向きですし、どこからか「ドクターX」のあの女優さん・・

「アタシ、失敗しないので・・」

 みたいな声も聞こえて来ます。


 その上で、実は滅茶苦茶・・繊細です。誤解を恐れずに言うなら、ロマネ=コンティの極一部分だけを切り取ってワインにしているような気さえします。なので、

「飲んでいて実に楽しい!」

ですし、実は酔い覚めが滅茶苦茶軽いです・・。


 そんな彼の白は・・実はビックリするほど健全です。「揮発酸」のニュアンスはほぼ無いんですよ。実に美しく、味わい深いです。「DH(デー・アッシュ)N.V.2015」なんぞ、ボトルを抱えて飲みたい位・・です。「マノン」も実に美味しい!ビックリしますよ。


 ですので、「役職」や「血筋」に拘らず、「その人のポテンシャル」を見る人事部長になったと思って・・(^^;; 是非飲んでみて欲しいと思います。個人的には、

「将来のブルゴーニュを背負って立つ一人」

だと思ってます。


 ですが、「揮発酸」にアレルギーの有る方、「ビオが嫌い」な方は無理することは有りません。価格はそれなりにしますし・・。ですが、

「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールがどこへ行くか?」

もしくは、

「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの真の姿とは?」

など、探求してみたい方は、ヤン・ドゥリューが最も適役だと思います。是非ご検討くださいませ。


■エージェント情報
 
「やっと充実したワイン造りが出来たと感じられたんだ」
と満面の笑みで語ってくれたのは2019年6月、猛暑のブルゴーニュで初めて会ったヤン ドゥリューの言葉です。この日はこれからリリースする予定の2017VTや過去のバックヴィンテージ含め20アイテム近い試飲をしながら、各キュヴェの特徴を本人から聞くという幸せな訪問をしていました。初めて会うヤンは話には聞いていましたが、会った瞬間に全開のオーラを感じる相当に”トンガッた”人。言葉の一つ一つにエモーショナルな波動が込められているかのように我々の心に突き刺さり、とは言え、ワイン以外の話しをする時は身重の妻を優しくフォローする良い夫な側面もある、実に人間らしい人でした。ワイン以外にもレースが趣味なヤン。BMWのM3で爆走するのが癒やしと語る眼は、まるでヤンチャな子供のようでした。(ちなみに訪問1周間前にBMW M3で爆走した為、免停になったそうです。)

 基本的には遅めのタイミングで収穫をするヤンは、多いと10ヶ国以上の季節労働者50~60人で行っていますが、例え季節労働者でもレベルの高い仕事をして欲しいと思っているため、仕事に見合った給料を払っているとの事。良い仕事をするために、眼に見えない所にも配慮を欠かさないヤン。そんな一つ一つの涙ぐましい努力の結晶である彼のワインから、今回は2017ヴィンテージのスタンダードアイテムに、バックヴィンテージも複数ご案内です。

【ヤン本人によるヴィンテージ解説】
2015
素晴らしいヴィンテージ!太陽の光をたっぷりと浴び、高い熟度と素晴らしい酸のバランスが取れていて、良い葡萄の収穫量も多く、良いワインが簡単に造れたヴィンテージです。

2016
とても悲しいヴィンテージ。霜、雹、湿度これらの影響によりミルデューが発生し、収穫量は考えられないほど少なかっですが、収穫された葡萄のクオリティが想像以上に高く、ワインが素晴らしいバランスに仕上がった年でもあります。最も豪華でグラマラスな品質を得られたヴィンテージのひとつ。

2017
とてもフレッシュな果実とスルスル飲める質感で飲みやすい良いヴィンテージ。1年を通じて良好な天候にも恵まれ、良い意味で畑に手を掛け過ぎなくて良かった。熟度はそれほど高くはありませんが、果実、酸のバランスが取れたワインで、今飲むのであればこのヴィンテージのバランスはかなりいい驚きを与えてくれると思います。


 以下は以前のコラム内容です。
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 久しぶりのご案内になったヤン・ドゥリューです。実は色々有りまして・・しばらく離れていました。

 ワイン業界を取り巻く環境もめまぐるしく変化しています。今まで普通に入っていたものが急に入らなくなったり、理解不能な位に値上げに成ったり、数量が極端に減ってしまったりしています。また現況は新型コロナウイルスの影響も有り、飲食店さんは売上的にはかなりの打撃を受けています。特に「ワインを一生懸命広めて来たお店」は、ランチ以外で頑張るしか無く・・もっとも、少人数で回していたお店は、存続については問題はないのかもしれませんが、モチベーション的には駄々下がりでしょう。

 ヤン・ドゥリュー...ご存じの方には、

「・・凄い可能性を感じる・・と言うか、素直に素晴らしい!」

と絶賛する方と、

「・・私にはちょっと・・」

とネガティヴに捉えてしまわれる方と、両方いらっしゃるでしょう。


 しかしながらそれでも、先進的なビオ・・それもブルゴーニュで・・下手をすれば「クリュ」「村名」の畑で、造っている生産者ですが、

「ワインなのか、ワインではないのか・・飲んでも良く判らない・・」

と言うような代物では有りません。


 ナチュラルワインの限界を攻めていながら、昔からのワインファンをも唸らせる魅力のあるピュアさを持っています。

 noisy も、彼のそのスタンスに好意を持ちながらも、余りの価格の高さと、テイスティングさえできないほどの数量しか割り当てが来ないことに嫌気が差し、しばらくの間離れることになってしまった訳です。

 今回も3アイテムのみ、4本、3本、3本で計10本と言うような非常に少量な数しか来ていませんが、それでも次回以降は

「テイスティング出来る位の量は保証する」

とのエージェントさんの言葉を信じ、取扱を再開させていただくことになりました。


 ですが、それでも3アイテムで10本中、価格の高い方を2本テイスティングしていますので、ほぼボランティアです。商売としますとまるで割に合いません。

 それでも・・・

「ブルゴーニュワインの将来を背負っている一人」

で有ることは間違い無いと感じています。


 プリューレ・ロックの品質を支えた一人としても有りますが、どんなワイン屋も、偉い資格保持者も、避けて通って来た「ブルゴーニュのビオに対する素直な印象の吐露」を、もし誰も行わないのであれば、非常に不幸なことになってしまうと憂いています。

 素晴らしいブルゴーニュワインだと感じました。それでも、全てのブルゴーニュワインファンに向けて、是非とも飲んでくれとは・・言いません。

「ブルゴーニュ新時代を見つめて行きたい!」

 そう思われる方でしたら、是非飲んでみていただきたいと思っています。


■エージェント情報

これぞブルゴーニュの真髄!思わずため息が出てしまう...ヤンドゥリューのご案内です。

「やっと充実したワイン造りが出来たと感じられたんだ」
と満面の笑みで語ってくれたのは2019年6月、猛暑のブルゴーニュで初めて会ったヤン ドゥリューの言葉です。この日はこれからリリースする予定の2017VTや過去のバックヴィンテージ含め20アイテム近い試飲をしながら、各キュヴェの特徴を本人から聞くという幸せな訪問をしていました。初めて会うヤンは話には聞いていましたが、オーラ全開の相当に”トンガッた”人。言葉の一つ一つにエモーショナルな波動が込められているかのように我々の心に突き刺さります。とは言え、ワイン以外の話しをする時は身重の妻を優しくフォローする良い夫な側面もある、実に人間らしい人でした。ワイン以外にもレースが趣味なヤン。BMWのM3で爆走するのが癒やしと語る眼は、まるでヤンチャな子供のようでした。(ちなみに訪問1周間前にM3で爆走した為、免停になったそうです。)

 基本的には遅めのタイミングで収穫をするヤンは、多いと10ヶ国以上の季節労働者50~60人で行っていますが、例え季節労働者でもレベルの高い仕事をして欲しいと思っているため、仕事に見合った給料を払っているとの事。良い仕事をするために、眼に見えない所にも配慮を欠かさないヤン。そんな一つ一つの涙ぐましい努力の結晶である彼のワインから、今回は3キュヴェのご案内です。


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 脅威の自然児が造るスーパー・ナチュールワイン!?が入荷です。今回は白ワインが2アイテム・・でも性格が全く異なる2アイテムでした!そしてそのどちらもが素晴らしい!非常に希少です。ブルゴーニュワイン・ファンは「シャルドネ・セレクスィヨン」を、ヴァン・ナチュールがお好きな方、もしくはブルゴーニュがお好きでヴァン・ナチュールもお好きな方は「シャルドネ・カ・ドー」を是非ともご注文ください!


 「マジっすか~!」
みたいなヘヴィ・メタぎんぎんなエチケットのやんちゃさ・・そして、飲んでみてビックリのアヴァンギャルドさと、捨ててはいけないものはしっかりと・・そしてそれをさらに磨きぬいていると言う、プロも認めざるを得ない味わいのワインをご紹介します。ヤン・ドゥリュー・・・お見知りおき下さい・・っても、このエチケットを観たら忘れられないですよね!


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ポスト フィリップ パカレ!!
ポスト プリューレ ロック!!!
ブルゴーニュに次世代のスターが登場!

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(その良し悪しは別として)日本のワインシーンではもっとも話題にのぼる産地、ブルゴーニュ。

 素晴らしいテロワールの数々、素晴らしい造り手たち、高い評価に高いお値段…

 当然ながら新規就農の造り手にはハードルが高く、既存の生産者が切磋琢磨するなかで、なかなか若く有望な造り手が登場するには厳しい環境です。

“2010年ヴィンテージでデビューを果たし、あっという間にパリのカヴィストやソムリエたちの話題をさらったポスト フィリップ パカレ!!ポスト プリューレ ロック!!!間違いなしのブルゴーニュ自然派ワインのニュースターです!”

と興奮気味にヤン ドゥリューのワインをはじめて皆さんにご紹介してから早2年と少し。その間色々ありまして…ずいぶんご無沙汰になってしまいました。

 プリューレ ロックで働きながら、プライベートな時間を全て費やして自身の畑仕事もこなし、リスクの取りづらいブルゴーニュという土地で妥協のない「攻めた」ワイン造りに挑戦しているヤンドゥリュー。フランス国内をはじめ世界中でひっぱりだことなった彼ですが、そこに襲いかかったのが超低収量の年の連続。他のブルゴーニュの造り手たちと同様に少なすぎる収穫量に苦しめられます。
 特に自分自身のドメーヌをスタートさせてまもない財務基盤が弱いヤンにとっては、この収穫減はかなりの痛手でした。なんとかロックでの必死の仕事で生活の基盤をまかないながら、自身のワイン造りに対してもフル回転。そんな中でワインの品質に関わる以外の在庫管理や販売などの事務仕事の優先順位が下がり…、日本向けに予約していたワインを

「売っちゃった!」
との連絡が!!!!!
ということで丸々1年分のワインが日本未入荷となりました。

 その後も相変わらず低収穫量の年が続いている事もあって連絡の取りづらい状況が続いており、今後の入荷がどうなるかという不安は相変わらずなのですが、とりあえず引取りに成功した一部ワインをリリース致します!


 ということで、今回のリリースワインは2種類。
 まずは、ヤンの友人がビオロジックで栽培を手がける畑のブドウから造られたセレクションシャルドネ 2011!いわゆるネゴシアン ワインですが、キラキラしたミネラル感とストレートな果実味は、ザブルゴーニュ!という風情があり、と同時にヤンらしい深い深い純粋さを併せ持っています。

 続いては「カ ドー」という意味深(仏語でギフトを意味するカドーとほぼ同音)な名前のキュヴェ。シャルドネから造られるワインですが、セレクションとは打って代わり犬のプードルのようなもくもくした澱(おり)と濁りがあり、ただならぬ風貌。抜栓直後はわずかに還元的なニュアンスが感じられますが、スワリングによって出てくるナッツやアーモンド、ゴマといった種子系の香ばしいフレーバーとパイナップルや柑橘などの旨味感たっぷりの果実味!ブルゴーニュという枠組みを超越した非常に挑戦的なワインです!!! どちらのワインも日本への入荷自体は随分前なのですが、味わいのスタートラインに立てるようになるまでじーっくりと寝かせました。理想を言えばもう少し時間をかけて、さらなる飛躍を待ちたいところですが、このタイミングでもポテンシャルの片鱗は十分感じて頂けると思います。すぐに試してみたいという場合にはデキャンタージュをオススメ致します!

「ヤン ドゥリュー 生産者紹介」

 ヤン ドゥリューは、オート コート ド ニュイのエリアでニュイ サン ジョルジュとアロースコルトンの間に位置するヴィレ=ラ=フェイ村を中心にワイン作りに取り組む才能溢れた若きヴィニュロンです。

 2010年がデビューとなるヴィンテージで、3haほどの広さの畑から革命的なワインを生み出しています。また近年は、ビオロジックで栽培されたブドウを友人から買い付けることや、自身で畑を借りるなどもしてワインを造っています。

 ジュアリン ギュイヨの下で7年間ワイン造りを学び、その後、DRC社の共同経営者としても知られるアンリフレデリック ロック氏のドメーヌ プリューレ ロックで2008年から栽培を担当しています。

 彼は、自身のワインをリリースするようになってからもプリューレ ロックでの仕事を続けていて、ロックでの仕事を終えた後や休日などを利用してブドウを育て、ワイン造りに取り組む情熱ある生産者です。

 ヤン ドゥリューは、ブルゴーニュでも比較的注目されていない土地の中から、可能性を秘めたテロワールを発掘し、その土地で素晴らしいワインを生み出すことに情熱を注いでいます。

 「ブルゴーニュには、今評価されている区画以外にも誰も挑戦していないが素晴らしい可能性を秘めた土地、テロワールがある。私の人生はそういった土地を発掘し、素晴らしいワインを生み出すことです。」

 そんな彼のアンテナにキャッチされたのがオート コート ド ニュイという地域でした。オートコートという格下に見られがちなこの土地で、徹底的にテロワールの可能性を引き出し、従来の常識を凌駕するワインをファーストヴィンテージから生み出すことに成功したのです。

 その秘密はやはり栽培にありました。ロックで栽培を担当しているだけあって自然なアプローチでの栽培に習熟しており、さらには古き先達の話をよく聞き、実際の経験とも融合させて独自の栽培哲学を備えています。その実践の場が自身の畑です。
 収穫量を徹底的に抑える(最低でも25hl/haを超えないようにする)こと、丁寧にブドウが熟すように収穫を遅くすること、遅い収穫時期であっても過熟にならないように剪定の時期をギリギリまで遅らせブドウの生育サイクルを導くことなど、プリューレロックにおいてでさえリスクを考えて避ける方法であってもヤン ドゥリューは挑戦します。

 そして、最高のブドウを得てからの醸造に関してはいたってピュアそのもの。自然酵母での発酵、キュヴェのポテンシャルに応じた熟成期間を十分取り、瓶詰め時の亜硫酸の添加も原則行なわず、厳密な濾過もなし。ブルゴーニュワインという経済的に「守り」に入らざるをえないワインにおいては、かなり冒険的な挑戦です。


N.V.(2021) PTG V.d.F. Rouge
PTG V.d.F.ルージュ

19283
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヤン・ドゥリュー

注:黒いエチケットに白っぽい擦れ、縞様の擦れなどが有る場合がございますが、問題無しとして出荷させていただきます。ご了承くださいませ。
■エージェント情報
産地:フランス ブルゴーニュ地方
品種:ガメイ、ピノ・ノワール

 今回初めて造られたキュヴェ。ガメイはヤンの家の目の前にある、友人の畑で樹齢100年超え。ピノ・ノワールは1er Pontsの区画に近い、オート コート ド ニュイの樹齢100年超えの葡萄を使用。いづれの区画も粘土石灰質土壌で、収穫後除梗しプレスした後にアッサンブラージュ。その後キューヴタンクで1年間熟成させた後に瓶詰。

 やや濁りのあるルビーレッドの外観。抜栓直後から酸を感じる果実の芳香が飛び込んできます。ダークチェリー、カレンズと言った小粒の黒果実系のギュッと詰まった香り。
徐々になめし革、しっとりした腐葉土といった心地良い程度のブレタノの香りに、ヤンの代名詞的ともいえるポルチーニの様なドライシャンピニオンの香りが溢れます。

 味わいは、梅昆布茶に似たワインの輪郭をはっきりさせる酸と旨味に溢れます。口に含むと昆布出汁に似たあっさりとした上品な旨味と共に、イチゴやラズベリー、プラムなどの酸を持ち合わせた果実感と果実由来の甘味を感じられ、低めのアルコール度数(12%)と相まってついスルスルと飲み進めてしまいます。

 ナチュラルワイン黎明期に心躍らせた、20年前の様な個性と遊び心を持ったワインですが、高い樹齢とヤンの手腕で深みのある素晴らしいワインに仕上がっています。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  9   ご注文数   本
¥13,600 (外税) 
【げげっ!・・この何ともふんわりとした淡く・・しかも心に染み入る味わいは・・あのオーヴェルニュの巨人、ピエール・ボージェが失敗作だと言ってずっと隠しておいて販売しなかった「レトゥルディ」の熟成前だと・・】
 ピエール・ボージェと言う生産者さんを新井順子さんが輸入していまして、それを(おそらく)今は某社が順子さんとタッグを組んで販売していると思います。順子さんから某社に販売が移ってからも長く販売させていただいてましたが・・量がだんだん減り、そのうちに入荷しているのに案内も無くなり・・みたいなアイテムが増えて来て、お客様から、

「他で案内があったのでnoisyさんのところでも販売されるのですか?」

のようなお問い合わせが入るようになり、

「多分その内に入るんじゃないかと思いますが未定です」

と返していたところ、いつまでも案内も無い・・のに他のワインを売り込んで来て「何とかしてくれ」と・・。

 それはちょっと違うんじゃないかと・・。その造り手さんが人気が出ると他の得意先に回してしまって、それまで頑張って来たところには案内しない・・でいられるインポーターさんだと判ったので、お取引は止めさせていただきました。ピエール・ボージェを楽しみにしていらしたお客様には申し訳なかったんですが、

「入荷したことを知らせないのでショップは判らない」

ことを良いことに、そんなことが平気で出来るとは・・怒り心頭でした。


 そもそもピエール・ボージェはフランスの臍のオーヴェルニュの生産者さんで、マンモスミネラルでめちゃピュアなワインを造っていました。扱いの当初は・・結構戸惑いました。余りにピュアで・・So2 添加のニュアンスの無い・・だからコアもしっかり感じさせないのに口内をしっかり満たす味わいでした。

「シャンピニヨン・マジック」

と言うシャルドネのワインが大人気で、数千円で購入出来たものが1万円ちかくになり、そのうち・・シャルドネの樹を引っこ抜いてしまったとかで生産されなくなった・・と記憶していますが、最後の入荷の頃は相当高かったと思います。

 で、ピエール・ボージェの最初の頃に、

「本人が造りを失敗したと言うので長く売らなかった赤ワインを、頼み込んで持っていたのでリーズナブルに販売します。訳アリです。」

みたいな感じで順子さんにご案内をいただき・・飲んでみて余りの美味しさに驚いたのが、「レトゥルディ」でした。何年ものだったか判りませんが、相当古かったと思います。

 で、その時のページを探し出しましたので・・良かったらご覧ください。この下の2021ラ・グゾットのコラムには、その部分だけを抜き出していますのでそちらでも大丈夫です。

 あ、すみません・・古いページですので、リンクを踏まないように・・エラーになりますので・・アチコチ弄らないようにしてくださいね。

furansu044.shtml ← クリックで飛びます。

 で、その「レトゥルディ」を若くしたのとかなり似ていると感じたのが、この2021PTG です。

 物凄く半端無いほどのエレガントな味わいです。今のところ揮発酸のニュアンスはそれなりに有ります・・が、お好きな方なら問題無いレベルです・・が、嫌いな方には・・この状態は、

「きっと耐えられない」

でしょう。

 ですので、揮発酸嫌いの方は決して購入してはいけません。しかしある程度長く熟成に回される方は、その限りではありません。

 で、現状の味わいを・・非常にエレガントです。そして甘みはゼロだと・・思ってください。しかし旨味は酸バランスが素晴らしく、しかも揮発酸の生成で若くとがった酸は消えています。飲み進めるうちにネガティヴに感じられる揮発酸はポジティヴに変化していきます(人によると思います)。

 中盤以降は非常に瑞々しいニュアンスで、そこに揮発酸的な味わいが差し込みますが、普通に飲んでも美味しいと思えるんじゃないかと言うのがnoisy の感覚です。

 そして・・もしこれが数年の瓶熟を経ますと・・まさにピエール・ボージェの、本人が失敗作だと言った「レトゥルディ」とかなりそっくりな味わいになると踏んでいます。なにせ noisy もこのワイン、開けたてを口にして・・

「・・あ、これ・・飲んだことある・・何だっけ・・・?」

と・・カスレている記憶を探りまくって・・

「あ、そうだ・・あれ・・ピエール・ボージェの・・だったっけか・・失敗作の」

と思い出したくらいですから。ワインの名前までは中々出ては来ませんでしたが・・。

 なので、瓶熟を終えますと、滅茶美味しい赤ワインに仕上がると踏んでいます。ぜひ・・今飲むか、先まで待つか・・まぁ、ピエール・ボージェのワインだとしますと今やこの価格では購入出来ないと思います。ご検討いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。


N.V.(2021) la Gouzotte Rouge V.d.F.Rouge
ラ・グゾット V.d.F.ルージュ

19282
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヤン・ドゥリュー

■ メディア情報
 2019年もの 92.3 Points Cellartracker
 2018年もの 91 Points Cellartracker
 2017年もの 92 Points Cellartracker

■エージェント情報
品種:ピノ・ノワール
 粘土石灰質のオート=コート・ド・ニュイの複数にまたがる区画から樹齢15〜20年のピノ・ノワールをキューヴタンクで発酵熟成させたキュヴェ。1ヶ月間のマセラシオン。グゾットとは、昔ブルゴーニュで収穫に使用していた器具のことで、引っ掛けて葡萄を収穫する道具の事。手頃に飲んでもらいたい、フルーティーなキュヴェとの位置づけと考えており、上級ラインのキュヴェを飲んで貰う前の、入門用ワインとしての意味合いで造られました。ヤン曰く「僕の名刺代わりだ」との事。
 淡いルビー色の外観。フレッシュなイチゴやラズベリー、さくらんぼの香りが立ち上ります。時間の経過とともに岩のようなミネラルを感じるチョークのニュアンスやロックっぽいシャンピニオン香も出てきます。とてもフレッシュかつエレガントな味わいで、今直ぐに飲むことも出来ます。フレッシュで活き活きした果実のニュアンスを楽しめる、キュヴェ名の通り、鋭く洗練されたワインです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  8   ご注文数   本
¥12,890 (外税) 
【うわおっ!・・2020年ものと見比べて「ドキッ」とされたでしょうか。濃さがここまで異なると同じワインとは思えませんが、ヴィンテージの背景をしっかり織り込んだ激エレガント系のピノ・ノワールです・・あのワインに激似??!】
 え~・・2020年ものの半分ほどの濃度じゃないかと思えるほどに、淡い色彩に見えて仕方が無いですが、2020年ものはある意味、めちゃ特殊ですし・・

「2021年ものも、とんでもなく特殊!」

で有ることは間違いありません。

 もっと言ってしまえば、

「2022年もののラ・グゾットを以てして、ラ・グゾット2020~2022三部作が完成!!」

と言うことになろうか・・と思うんですね。まだ2022年ものはリリースされていないとしても、

「これほどまでにヴィンテージをしっかり描いたピノ・ノワールは無いかも?」

と思わせる色彩です。


 そして・・色彩だけでは無く、この見事な味わいも同様です。

 アロマにはわずかに揮発酸の影に滲んでいますが、気にならない方は多いと思われるレベルです。めっちゃ気にする方には・・判るかなと。

 アロマはチェリー、そして何故か・・白い・・ナトリウムっぽい感じがするミネラリティを、とんでもない量で感じます。なので、ボディはそれなりに厚みが有り、少し太目です。

 しかし味わいは激的にエレガントで、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールらしい感覚です。

 PTGもそうなんですが・・と言いますか、PTGの方がそのものズバリです・・。

 なんの話か判らないと思いますが。。そうその昔、ピエール・ボージェと言うオーヴェルニュの生産者さんの「レトゥルディ」だったか・・本人が気に入らない出来だったので、ずっと仕舞い込んでいたのを新井順子さんが仕入れて持って来た赤ワインが有ったんですね。

「本人が気に入らないのなら・・美味しくなさそうだ・・」

と思ってテイスティングしたんですが、これがまためちゃリーズナブルでめちゃんこ美味しかった訳です・・なので、それなりに販売させていただきました。

 で、そのガメによるレトゥルディと・・もう少し瓶熟させると、ほぼ同様の味わいに仕上がるんじゃないかと感じた訳です。

 そう思って探してみましたよ・・そうしたら・・・在りました!・・掲載しますのでご笑読下さい。2006年の新着でのご案内でした。

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【 これほどに芯から香るワインが今まであっただろうか!飲んでみてください!】
 
 同じワインを販売している方は多くいても、そのワインをどれだけ見つめる気があるかどうか、で大きな違いが有ると思っています。いや、むしろワインの方から語ってくれるので、その言葉に聴く耳を持っているかどうか..それがワイン屋の行く道..(お~い、かっこつけ~♪)

 そんなことは置いて本題にサクッと入りましょう。まさにべらぼうなワインです。だってね..

造った本人 --> 失敗作だから瓶詰めせずに放置
失敗作を輸入した人 -->酸化の進み具合が気になるし翌日まで持たないみたいだから安く紹介
(それでも 良い面が気になって仕方が無いらしい!)
偉そうに書いてる noisy --> こんなにべらぼうなワインにはそうは出会えないと絶賛

 三者三様ですよね。何が真実なのか確かめてみる気の有る方には、こんなに面白いワインは無いんじゃないかと思います。まあ、そうじゃなくてもですね、noisy が素晴らしい、と言ってるんだから騙されてみようよという、思わず noisy も涙ぐんでしまいそうなお方にも、きっと喜んでいただけると思います。

 で、ようやく 「べらぼう」 の意味に入るわけですが、まずその前に..
1.キャップシールが無い
2.瓶から見える色がロゼじゃ無いか、と思えるほど薄い。しかし、グラスに注ぐとそれほど薄くも無い。
3.腱鞘炎を患っている方、物書きのお仕事をされている方は、飲むのを止めた方が良いかもしれない

ということを申しておきましょう..(^^;;

 だってね、目茶苦茶香るんですよ、このワインは!凄いです。3日経ったって全然衰えないですよ。そもそも、ピエール・ボージェは、
「香水のようなワインを造りたい!」
と、常々言っているそうですから..その本人が失敗したと言ってるのがおかしいですよね。時間が経って良い成熟をして、そのように変化しつつあるのかもしれません。

 それに順子さんにしても、「説明書を読まれて納得した方だけお求めください」ですよ。決して本人は物凄く美味しいと思って買ったわけではなさそうで(そのように言っています)、酸化の具合が少し気になるけどそれなりに美味しく飲めるし..とのことらしいです。酸化のスピードがワインの年齢に対し速い、というのが気に入らないポイントなのだと思います。醸造家、ビオディナミスト?の立場からの見解と、ワインのみから情報を得るただの酒飲みとはおそらく少し感性が違うんでしょうね。それでも、
「グラスに注ぐともうしょっぱなから香りが立ち込め、香水のよう。これはかなりワインを飲んでいる人、それか全く飲んでいない人は美味しいと思うでしょう」
と、的確な評価をしていますし、個人的には美味しいと思うと言っています。

 物の見事にワイン中に香りを閉じ込めた、比較高めのアルコール分は、まさに香水のような存在になっています。葡萄のエキスを見事に抽出したエステルに変化していたのです。DRCのワインのように、エキスの塊と化したワインは、花のような果実のような、有機物と無機物の境にあるものの全ての香りを順番に振りまいているかのようです。味わいも見事、綺麗な輪郭を持ったシームレスなワインで、微細な表情を見せながら美しく収束して行き、いつまでもほのかな香りを漂わせるのです。実際、翌日も3日目も全く問題なく芳香を保っていました。仰天のブケです。

 だからね、結局グラスを持ち上げて、鼻で香りを大きく吸い込み、液体と共にさらに膨らませ、余韻を楽しみ、グラスをいつの間にか「くるん、くるん」と延々回し、そして..また鼻で香りを大きく吸い込み、液体と共にさらに膨らませ、余韻を...っていつまでやっとるんじゃ!誰か止めてくれ..という メビウスの帯に迷い込んだ出口の見えない状態?に陥るわけです。

 グラスを振るときと言うのは、香りが余り出てこない時と、とても香るワインに出会ったときに次の香りを要求して振ってしまう時が有ると思いますが、このレトゥルディの場合は全くの後者です。

 そう、あなたを「腱鞘炎の一歩手前」まで追い込むかもしれない、悪夢のようなワインです。ですからね、物書きの皆さんは万年筆を持てなくなってしまいますから、どうしても飲みたければグラスは左手で持ちましょう。そして、気は確かに持ち、決して我を忘れるような状況では飲まないようご注意ください。

 まあ、冗談のように聞こえるのでしょうが、かなり本気です。もっともDRCのように..とは言っても、樽の影響も無く、葡萄も違い、格の違いは存在します。しかし、大地のエキスをしっかりと葡萄に取り込み、葡萄のエキスを充分に取り込んだエステルには、似た雰囲気がプンプンします。そりゃ、格とすれば全く適いませんし、現状でやや暴れる部分も存在します。それでも良い部分が全てを覆い隠しています。そこに気がつく方は少ないはず..で、後は好みの問題オンリーです。

 という訳で、あ、そうそう、品種はガメイです。ガメイというよりは熟したピノ・ノワールにかなり近い。飲んだらおそらく ぶっ飛ぶ はずです。それに平気で10年以上は持っちゃうと思います。底知れぬパワーを持った「フランスのへそ」のワイン..騙されてみよう、真実の声を聞こうと思った方だけ..ご購入ください。その結果、騙されちゃったなと思うなら..御免なさいです。腱鞘炎にならぬように回しやすい慣れたグラスでお楽しみください。
「いつもより多めに回しております!」
と、染太郎師匠の声が聞こえてきました..ワインの名前は、「うかつな」という意味。noisy も レトルディな奴だろうか..超お奨めです!
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 まぁ・・ピエール・ボージェのワインはとんでもなく高くなってしまいましたし、いつの間にかインポーターさんにハブられていたので咎めたところ、仲が悪くなってしまったので喧嘩別れしました。あ、順子さんと喧嘩した訳じゃないですよ・・力じゃ勝てないですから・・はい。

 と言う訳で、noisy 的にはこの2021年ラ・グゾットの味わい、もしくはPTGの味わい(こっちの方がガメが入っているだけに近いですが)は、数年を経てピエール・ボージェのレトゥルディに近くなると踏んでいます。なので、少し瓶熟させて楽しむか、もしくは2020年もの、この先入荷するだろう2022年ものと比較してみると、

「ワインの成熟とヴィンテージの背景の違い」

等が良く判るんじゃないかと思います。ぜひご検討くださいませ!


 以下は以前のレヴューです。
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【もっともリーズナブルなラインのラ・グゾットですが、2020年ものはピュアで超凝縮したエキスの滅茶複雑な表情!・・今飲んでもOKですが3年先も滅茶楽しみなピノ・ノワールです!】

 ヤン・ドゥリューを知るには最高のアイテムだと思います。そして、

「ヤン・ドゥリューが造った2020年もののピノ・ノワール」

と言う意味でも、非常に重要な指針となる指標的存在です。海外では2020年ものの中級キュヴェまで紹介はされていますが、日本ではこのラ・グゾットが初のお目見えです。

 ご存じの通り2020年ものは・・濃密ですよね・・ルジェさんもルーミエさんも・・濃かった!・・余りに美味しいルジェさんのパスグラも、2020年は・・

「どっひゃ~・・」

と驚くほどでした・・しかし、数年先にはきっと、

「あの濃度がこの美味しさに繋がっているんだ・・」

と理解出来る訳です。

 反対に言えば、エレガントな・・淡目の出来の年は、最初から滅茶美味しいんですね・・そのようなワインは。


 ラ・グゾットは、2017年のような年は淡く、しかしその分・・揮発酸は高めに出ます。2020年ものは飲んでみた感じ、

「揮発酸はほぼ無い」

です。非常にピュアです。

 しかしながら2020年的なコンプレッションされ、まだ拡がりを強く抑制されているようなニュアンスや、赤味よりもやや黒味がやや勝ったニュアンスも混じって感じられます。

 果皮の厚さ、果皮バランスの多さがワイングラスの写真からも見えますが、葡萄の質としましたら非常に優れているように見える美しい色彩です。



 ブラックチェリー、レッド・ベリー、レッド・カラントの適度に熟したアロマにオリーブ、そしてブラックペッパー、シナモン、ジンジャー..茶色の美しい土のニュアンスにほんのりモカ、複雑ですがバランスに優れています。酸は弱目かと思いきや、しっかり感じます。甘く無く、でもややジューシーで良くグリップし、僅かに濃い目の余韻を見せるピノ・ノワールでした。

 やはり2020年ものは揮発酸はほぼ無く、果皮が強い日照を得た結果生まれたスパイシーなニュアンスと、まだ開き切らない・・閉じたまま凝縮した部分がそれなりに存在しますが、

「今飲んでも充分旨い!」

とも言えるかと思います。

 その上で、その凝縮した果皮の圧縮された部分が崩れてエキスに溶け出した頃がピークで、おそらく2年ほど(2026年辺り)で到達するんじゃないかと想像しています。

 因みにグゾット= Gouzotte は Gousotte とも綴られますが、三日月状のナイフで選定などの使用されるヴィニュロンのツールです。ウィキペディアの海外版に在りましたので、コピー&ペーストで是非ご覧くださいませ。

https://fr.wikipedia.org/wiki/Gouzotte

 同時にご案内の「2019 ジャノ」の・・淡いながらも深淵な色彩とはだいぶ異なりますが、黒くて物凄く濃い訳では有りませんで、1枚目の写真など、ちょっとグッと来るものが有るんじゃないかと思います。

 価格もリーズナブルで寿命もかなり長いでしょう・・是非飲んでみてください。超お薦めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【ヤン・ドゥリューの名刺代わり!・・2017年ものよりも、彼の意識をより判りやすい出来だと思います!】

 もう、見るからに・・です。目に見えて「揮発酸」の存在が写っているかのような写真です。その意味では、昨年ご紹介させていただいた2017年ものよりも、

「揮発酸はたっぷり生成されている」

と言えると思います。

 なので、

「揮発酸に弱い方は・・」
「ノーマルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールがお好きな方は・・」
「昔からワインを飲まれている方は・・」

「・・お控えいただいた方が良いと思います。」

と・・今までならそのように言ってきました。

 ですが2つの理由で、今回はそれを余り強く言わないようにします。

 その理由の一つ目は、昨年のヤン・ドゥリューの入荷分のピノ・ノワールの販売で、飲まれた感想をたずねると・・

「滅茶苦茶美味しかったです!」

と、全てのお答えが同じだったから・・です。

 勿論ですが、気に入らなかった方に聞いてない・・言ってないと言うのは有るかもしれませんが、結構な人数におたずねしたんですね。この方は古くから飲まれているから、きっと否定的な結果だろうと推測して、余りお渡ししたく無かった方からも、そのように言われましたのでビックリしてしまいました。

 2つ目の理由は、

「画像ではしっかり・・揮発酸が写っているように、それなりに揮発酸はあるんですが、そのレベルは・・実は結構低い!」

んです。だから・・揮発酸そのものさえ、感じられない方もそれなりの割合でいらっしゃるんじゃないかと思ったからです。それに、この揮発酸レベルでは、将来的には完全に溶け込んで判らなくなるだろう・・とも踏んだからですね。

 エッジにはオレンジさえ・・見えます。2018年ものですよ?・・。普通ならあり得ないですよね。揮発酸を生成した場合、こんな絵になることが結構にあります。そして何となくですが、グラスの色さえ少し曇らせたような成分が見える・・のがお判りでしょうか。

 しかし・・グラスを伝う何本かの長い足・・も見えますよね?・・粘性が高いので相当に熟度が高い・・でもアルコール分は13度で普通よりも低い位なんです。なので、これはアルコール度の高さだけによらないグラ・・と言うことになります。エキスが濃い・・と言うことでしょう。


 果実がちょっと熟し始めのようなアロマが混じります。ピュアな果実も有ればドライフルーツ化したものも混じります。果実の皮も有り、結構複雑性が高いです。中域は膨らみ、ここでちょっと気付くはずです。

「確かに揮発酸の気配はあるけれど・・全然普通に近い・・」

 そうなんですね・・で中盤以降、余韻には、確かに揮発酸生成で欠落した部分の味わいも有るんですが、付加された表情も多分に有って・・

「・・結構・・いいじゃん・・ナチュラルだし・・」

 と言うような印象に落ち着くんですよ。


 まぁ、ある意味「サン・スフル」でこれほど美しく仕上げるのは・・難しいんだろうなぁ・・と感じます。ロックの親父さんもやはり・・クロ・ド・ベズにさえSo2を入れたくなかったんだろうと思います。ヤン・ドゥリューもおそらくそうなんでしょう。だからこその・・

「名刺代わり」

だと気づきました。

 その名刺は・・

「毎年、印刷し直される!」

のでしょう。ご検討くださいませ。





 以下は2017年もののレヴューです。
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【本人曰く「名刺代わりのキュヴェ」!・・では有りますが、物凄くちゃんと出来過ぎていて名刺代わりになっているのかは疑問・・(^^;; 勿論、とても美味しいですよ!】

 黒みを帯びた赤果実、赤みの有る黒っぽい果実・・どちらもしっかり、ピュアに感じられる素晴らしいピノです。そしてナチュール度もしっかり!・・

「そうか・・ヤン・ドゥリューってこんな感じなんだ~!」

と素直に思っていただける方は非常に有難いですが、noisy 的 にはちょっと不満も有ります。

「確かにテート・デ・ポン(一番高いの)やPV (次に高いの)のニュアンスには近いけれど、それ以外のキュヴェには有って、このラ・グゼットには全く無いものが有るってのは・・名刺代わりになるの~?」

と思ってしまった部分も有るんですね。

 確かにこのラ・グゼットはとてもちゃんとしています。ですから、とても美味しいし精緻、美しいです。でも、

「・・・これには揮発酸は無いじゃないか!」

とも思ってしまう訳です。ですから、揮発酸の有るキュヴェの名刺はどこ?・・ってな訳ですね。


 いやいや、物足りないなどとは言いませんよ。揮発酸は、ワイン本来の表情をその生成量や残存酵素の量により、削ってしまいます。しかしながらヤン・ドゥリューのピノは、

「その削れ方がエグイほど少ない!」

のが特徴なんですね。

 そのうえで、

「この揮発酸は必要不可欠な表情でも有る」

とさえ感じていました。


 まぁ・・そんなことを言いましても、これよりも上級キュヴェにつきましては、

「こちらは検出限界に近い」

とか、「無い」とか書いていますが、本当に正確に言いますと・・どのキュヴェにも少なからずあることは有ります。言っちゃえばこのラ・グゼットにも有りますが、本当に検出限界なんですよね。

 なので、「無い」と感じてしまう訳です。でも実際にはほんの僅かに有り、ヤン・ドゥリューのピノのその割合は非常に少ない訳でして・・しかも完全に一体化しているか、これからの熟で一体化すると感じられる訳です。


 まぁ、オート=コートの比較若木で造られたキュヴェのようでして、2017年ものは偶然に生成が少なかったのかもしれません。実にピュアでちゃんとしています。ヤン・ドゥリューの他のキュヴェ同様に柔らかで白くふにゃふにゃしたミネラリティが顔全体に張り付いてくるかのようです。中域にはちゃんと膨らみが有って、余韻も美しい・・・

「言ってしまえばニコラ・フォールのピノに最も接近できるキュヴェ」

でも有ります。


 ブルゴーニュの次世代を担うはずの二人が、ニュアンスが近いキュヴェが有るとはいえ、それでも相当に異なる・・距離が有るとも感じています。

「ヤン・ドゥリューは最先端で有り最もクラシックで有り然児で有り反逆者で有り救世主で有る・・かもしれない」

 そう思わせてくれるのがヤン・ドゥリューのピノです。これが名刺だと言うなら名刺自体の出来は不完全だと・・ワインは上出来なんですけどね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。


N.V.(2014) les 1er Ponts V.d.F.
レ・プルミエ・ポン・ルージュ V.d.F.

15752
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヤン・ドゥリュー

■エージェント情報
 オート コート ド ニュイにあるサンヴィヴァン修道院がそびえる丘の中腹に位置する区画で、非常に深く岩盤まで根を張った極めて古い樹齢の葡萄から造られます。1〜3年使用した樽を使用し、2年間の樽熟成後に瓶詰め。
 照りの有る濃いルビー色の外観。熟成により輸入直後の刺々しさは和らぎ、プリューレ ロックを思い起こさせる柔らかで洗練された特徴的なシャンピニオン香が飛び込んできます。この香りだけでブーダンノワール1本は食べられるでしょう。味わいは荒々しい部分が全て丸く柔らかくなった赤系ベリーやプラム、酸、ミネラルが渾然一体となっていますが、アフターに非常に細やかなタンニンが有ることで、全体を引き締めています。非常にデリケートな質感の液体は全体的に繊細で華やか、全く重さを感じさせることのない洗練さとピュアな果実を感じられ、エレガンスの極みとも言える質感を感じることが出来ます。
 非常に高価なヴァン ド フランスですが、ブルゴーニュの更なる可能性を感じずにはいられません。ピノ ノワールに魅せられた事のある人には、必飲の1本です。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  1   ご注文数   本
¥17,980 (外税) 
【ちょうど4年前にご案内させていただいた2014年のプルミエ・ポンが再入荷!・・4年の歳月が美しく磨き上げた「超自然派のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」の変化を是非ご堪能下さい!】
 こういうのは・・良いですよね。昔ご案内させていただいたワインのリバイバル・レヴューとでも言うのでしょうか・・違うかな・・同じワインを時を経て再び再レヴューする・・

 まぁ・・あの時はあんな書き方をしたけれど、4年の月日を経たらこうなった・・と書く訳ですから、

「ん~・・しまった!・・間違ってたか・・?」

と言うような気持ちにもなるかもしれないし、

「いや・・良いよね・・やっぱり。言ったことに違いは無い・・かな?」

みたいな、少し自己肯定の満足感を感じることになるかもしれないし・・

 しかしながら、お客様も常に同様なシュチュエーションに出会う可能性が有る訳ですから、ワイン屋もリリース時だけ、ちょこっと舐めるだけに終わらず、スキルを高めるべきだろうと・・ちょっと・・・いや、かなりか・・偉そうに思ったりもしているんですね。

 で、第一印象ですが・・めちゃ肯定的でした!・・やはりプルミエ・ポンは、ヤン・ドゥリューのラインナップに在っては、

「比較的リーズナブルながら高質で、ヤン・ドゥリューの頭の中が少し透けて見えるような味わい!」

であると・・思うんですね。

「頭の中が判るって・・どういうこと?」

と思われるかもしれませんが、おそらくヤン・ドゥリューがどんな考え方をしているか・・とか、このキュヴェをプルミエ・ポンに選択した理由とか・・をテイスティング結果と合わせてみると、それなりの結果が導き出せそうな感覚が浮かぶ・・そんな感じです。

 彼はそもそもSo2を使いませんから、それに頼った結果にはならない訳ですね。

 ですから、揮発酸の生成には相当気をつけているはずですが、少々の生成に関しては許容する・・と言うスタンスです。So2が生むコア感・・は必要無く、流れるような味わいの中に瑞々しい味わいと華やかなノーズがテロワールを含んだものであれば良い・・と言うものでしょう。

 このワインは2014年収穫ですからすでに11年目を迎えたピノ・ノワールですが、海外メディアが平気で言うような、

「収穫年から6~8年の間が飲み頃(もしくは6~8年以内に飲むべき)」

みたいな言葉は、まったくの間違いであることは明瞭に判ります。

 前回のリリース時にはややストレートに上がって来た揮発酸のアロマは、ほぼ溶け込んで目立たなくなり・・と言いますか、他の要素が時に育まれたお陰でその表情はやや飲み込まれた・・とも言えるかもしれません。

 非常に丸くなってエレガンスが前面に出始め、コア感も熟成により感じられるようになっています。瑞々しい余韻が有り、そこからのノーズへの再帰には、若々しいチェリーでは無く、滑らかで熟したチェリーが感じられます。

 二枚目の写真は、2014年もののご紹介の時とほぼ同画角になるようにしてみましたので、色彩から若々しさが後退し熟成感が出て来ているのが判り易いと思います。

 やはり、プルミエ・ポンを飲んでしまいますと同時にテイスティングさせていただいたPTGとかラ・グゾットなどの2021年ものは・・

「美味しいけれど・・まだ若造なんだなぁ・・」

と思ってしまい、プルミエ・ポン2014の素晴らしくバランスの取れた味わいのグラスばかりを持ってしまいそうになります・・いや、他のキュヴェをダメだと言っている訳ではなくて・・

「ワインの味わいは時が磨く!」

と言うワインの性質を再認識せざるを得なくなる訳ですね。

 是非飲んでみてください。心地良い酔い、酔い覚めが約束された超自然派のSo2無添加ピノ・ノワールで、是非ヤン・ドゥリュ―の頭の中を覗いてみてください。お薦めします。

 以下はこの2014年プルミエ・ポンの、2021年初頭当時のレヴューです。
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【ここから始まるブルゴーニュ・ピノ・ノワール新時代!】

 判る人にはきっと判るでしょう。サン=ヴィヴァン修道院がどのような存在で有るか・・そして、あのD.R.C.もそこで「白ワイン」を生産し、ビオ系のショップに卸していたことも・・。

 そして、このグラスのピノ・ノワールの色合いを一瞥されても、きっと判るはずです。そのエッジには、酢酸生成がなされた証拠が見えることを・・。

 非常に伸びやかな、美しいピノ・ノワールです。もしあなたが酢酸、揮発酸にある程度の許容を持っていらっしゃるのでしたら、全く問題の無いレベルの生成がされ、ワイン内に存在しています。ですので、もしあなたが酢酸、揮発酸に拒絶反応を占める方であるなら、そしてそれを修正しようとは思わないようでしたら、全くこのワインは有り得ないので買うのは止めてくださいね。

 それでも、これから、ここから始まっているブルゴーニュ・ピノ・ノワール新時代を覗いてみたい・・・付き合っていきたい気持ちがあるようでしたら、是非、時間を掛けて、この1本とお付き合いください。一嗅ぎだけして安易な判断をせず、一口すすって諦めず・・が重要です。


 そこまで拒絶反応の無い方でしたら、何も気にすることは有りません。この「レ・プルミエ・ポン」が話しかけてくるのをただ待っていれば良いんです。きっと、饒舌に話してくれると思いますよ。


 開けたては少し閉じ気味です。僅かに揮発酸のニュアンスがノーズにも有ります。色彩にもそれは有りますが、余韻の全てまで浸食し、ワインを台無しにしてしまうようなレベルのものでは有りません。それはすでに止まっていて、要素の一部分に関与しているだけです。

 15分ほどしますと、相当に「伸びやか」になってきます。やや閉じていた時のネガティヴさ(僅かですが)は消え、さらに膨らみとテクスチュアの滑らかさを増して来ます。それはまた見事に一体化した味わいですが、そこから驚くことにピュアなフレーヴァーが出てくるんですね。

 言ってみれば、最近は滅茶苦茶高くてビックリの、「ドメーヌ・ビゾ」にも似ています。プリューレ・ロックに居たのだからロック似では?・・と思いがちですが、彼にとっては

「ロックは通過点だった」

 と・・申しているようです。そこからすでにかなりの時が流れていると。


 そして、やがて飲み手さえも一体化に取り込んだかのような、不思議な印象を受けます。

「このワイン・・このピノ・ノワールは、どのように評価すれば良いんだろう?」


 きっとそう思われるに違いないんです。


 このフィルムのように「くにゃくにゃ」に柔らかいテクスチュアとフレーヴァー、鈍角で入って来るのになんの痛みも無く、身体に馴染んで行くニュアンス、本来は余り好きではない・・中盤から余韻に掛けての揮発酸のニュアンスさえ、全て「一緒くた」にした上で、

「ん?・・じゃぁ、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールって・・どんな姿が正解なの?」

と問いかけてくるようでも有ります。


 そしていつの間にか、「肯定派」に属している自分に気付くと思うんですね・・いや、そこだけはご自身でお確かめください。すぐ開けても良いが・・決して・・

「短い時間で飲み終えないで・・」

とお願いしたいと思います。何故って・・

「飲めるけれど、まだ完熟していないから・・」

です。


 何か、ちょっと禅問答みたい?な感じになってしまいましたがお許しください。気になる方にお勧めしたいと思います。


N.V.(2020) la Gouzotte Rouge V.d.F.Rouge
ラ・グゾット V.d.F.ルージュ

18874
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヤン・ドゥリュー

■ メディア情報
 2019年もの 92.3 Points Cellartracker
 2018年もの 91 Points Cellartracker
 2017年もの 92 Points Cellartracker

■エージェント情報
品種:ピノ・ノワール
 粘土石灰質のオート=コート・ド・ニュイの複数にまたがる区画から樹齢15〜20年のピノ・ノワールをキューヴタンクで発酵熟成させたキュヴェ。1ヶ月間のマセラシオン。グゾットとは、昔ブルゴーニュで収穫に使用していた器具のことで、引っ掛けて葡萄を収穫する道具の事。手頃に飲んでもらいたい、フルーティーなキュヴェとの位置づけと考えており、上級ラインのキュヴェを飲んで貰う前の、入門用ワインとしての意味合いで造られました。ヤン曰く「僕の名刺代わりだ」との事。
 淡いルビー色の外観。フレッシュなイチゴやラズベリー、さくらんぼの香りが立ち上ります。時間の経過とともに岩のようなミネラルを感じるチョークのニュアンスやロックっぽいシャンピニオン香も出てきます。とてもフレッシュかつエレガントな味わいで、今直ぐに飲むことも出来ます。フレッシュで活き活きした果実のニュアンスを楽しめる、キュヴェ名の通り、鋭く洗練されたワインです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  5   ご注文数   本
¥10,800 (外税) 
【もっともリーズナブルなラインのラ・グゾットですが、2020年ものはピュアで超凝縮したエキスの滅茶複雑な表情!・・今飲んでもOKですが3年先も滅茶楽しみなピノ・ノワールです!】
 ヤン・ドゥリューを知るには最高のアイテムだと思います。そして、

「ヤン・ドゥリューが造った2020年もののピノ・ノワール」

と言う意味でも、非常に重要な指針となる指標的存在です。海外では2020年ものの中級キュヴェまで紹介はされていますが、日本ではこのラ・グゾットが初のお目見えです。

 ご存じの通り2020年ものは・・濃密ですよね・・ルジェさんもルーミエさんも・・濃かった!・・余りに美味しいルジェさんのパスグラも、2020年は・・

「どっひゃ~・・」

と驚くほどでした・・しかし、数年先にはきっと、

「あの濃度がこの美味しさに繋がっているんだ・・」

と理解出来る訳です。

 反対に言えば、エレガントな・・淡目の出来の年は、最初から滅茶美味しいんですね・・そのようなワインは。


 ラ・グゾットは、2017年のような年は淡く、しかしその分・・揮発酸は高めに出ます。2020年ものは飲んでみた感じ、

「揮発酸はほぼ無い」

です。非常にピュアです。

 しかしながら2020年的なコンプレッションされ、まだ拡がりを強く抑制されているようなニュアンスや、赤味よりもやや黒味がやや勝ったニュアンスも混じって感じられます。

 果皮の厚さ、果皮バランスの多さがワイングラスの写真からも見えますが、葡萄の質としましたら非常に優れているように見える美しい色彩です。



 ブラックチェリー、レッド・ベリー、レッド・カラントの適度に熟したアロマにオリーブ、そしてブラックペッパー、シナモン、ジンジャー..茶色の美しい土のニュアンスにほんのりモカ、複雑ですがバランスに優れています。酸は弱目かと思いきや、しっかり感じます。甘く無く、でもややジューシーで良くグリップし、僅かに濃い目の余韻を見せるピノ・ノワールでした。

 やはり2020年ものは揮発酸はほぼ無く、果皮が強い日照を得た結果生まれたスパイシーなニュアンスと、まだ開き切らない・・閉じたまま凝縮した部分がそれなりに存在しますが、

「今飲んでも充分旨い!」

とも言えるかと思います。

 その上で、その凝縮した果皮の圧縮された部分が崩れてエキスに溶け出した頃がピークで、おそらく2年ほど(2026年辺り)で到達するんじゃないかと想像しています。

 因みにグゾット= Gouzotte は Gousotte とも綴られますが、三日月状のナイフで選定などの使用されるヴィニュロンのツールです。ウィキペディアの海外版に在りましたので、コピー&ペーストで是非ご覧くださいませ。

https://fr.wikipedia.org/wiki/Gouzotte

 同時にご案内の「2019 ジャノ」の・・淡いながらも深淵な色彩とはだいぶ異なりますが、黒くて物凄く濃い訳では有りませんで、1枚目の写真など、ちょっとグッと来るものが有るんじゃないかと思います。

 価格もリーズナブルで寿命もかなり長いでしょう・・是非飲んでみてください。超お薦めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【ヤン・ドゥリューの名刺代わり!・・2017年ものよりも、彼の意識をより判りやすい出来だと思います!】

 もう、見るからに・・です。目に見えて「揮発酸」の存在が写っているかのような写真です。その意味では、昨年ご紹介させていただいた2017年ものよりも、

「揮発酸はたっぷり生成されている」

と言えると思います。

 なので、

「揮発酸に弱い方は・・」
「ノーマルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールがお好きな方は・・」
「昔からワインを飲まれている方は・・」

「・・お控えいただいた方が良いと思います。」

と・・今までならそのように言ってきました。

 ですが2つの理由で、今回はそれを余り強く言わないようにします。

 その理由の一つ目は、昨年のヤン・ドゥリューの入荷分のピノ・ノワールの販売で、飲まれた感想をたずねると・・

「滅茶苦茶美味しかったです!」

と、全てのお答えが同じだったから・・です。

 勿論ですが、気に入らなかった方に聞いてない・・言ってないと言うのは有るかもしれませんが、結構な人数におたずねしたんですね。この方は古くから飲まれているから、きっと否定的な結果だろうと推測して、余りお渡ししたく無かった方からも、そのように言われましたのでビックリしてしまいました。

 2つ目の理由は、

「画像ではしっかり・・揮発酸が写っているように、それなりに揮発酸はあるんですが、そのレベルは・・実は結構低い!」

んです。だから・・揮発酸そのものさえ、感じられない方もそれなりの割合でいらっしゃるんじゃないかと思ったからです。それに、この揮発酸レベルでは、将来的には完全に溶け込んで判らなくなるだろう・・とも踏んだからですね。

 エッジにはオレンジさえ・・見えます。2018年ものですよ?・・。普通ならあり得ないですよね。揮発酸を生成した場合、こんな絵になることが結構にあります。そして何となくですが、グラスの色さえ少し曇らせたような成分が見える・・のがお判りでしょうか。

 しかし・・グラスを伝う何本かの長い足・・も見えますよね?・・粘性が高いので相当に熟度が高い・・でもアルコール分は13度で普通よりも低い位なんです。なので、これはアルコール度の高さだけによらないグラ・・と言うことになります。エキスが濃い・・と言うことでしょう。


 果実がちょっと熟し始めのようなアロマが混じります。ピュアな果実も有ればドライフルーツ化したものも混じります。果実の皮も有り、結構複雑性が高いです。中域は膨らみ、ここでちょっと気付くはずです。

「確かに揮発酸の気配はあるけれど・・全然普通に近い・・」

 そうなんですね・・で中盤以降、余韻には、確かに揮発酸生成で欠落した部分の味わいも有るんですが、付加された表情も多分に有って・・

「・・結構・・いいじゃん・・ナチュラルだし・・」

 と言うような印象に落ち着くんですよ。


 まぁ、ある意味「サン・スフル」でこれほど美しく仕上げるのは・・難しいんだろうなぁ・・と感じます。ロックの親父さんもやはり・・クロ・ド・ベズにさえSo2を入れたくなかったんだろうと思います。ヤン・ドゥリューもおそらくそうなんでしょう。だからこその・・

「名刺代わり」

だと気づきました。

 その名刺は・・

「毎年、印刷し直される!」

のでしょう。ご検討くださいませ。





 以下は2017年もののレヴューです。
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【本人曰く「名刺代わりのキュヴェ」!・・では有りますが、物凄くちゃんと出来過ぎていて名刺代わりになっているのかは疑問・・(^^;; 勿論、とても美味しいですよ!】

 黒みを帯びた赤果実、赤みの有る黒っぽい果実・・どちらもしっかり、ピュアに感じられる素晴らしいピノです。そしてナチュール度もしっかり!・・

「そうか・・ヤン・ドゥリューってこんな感じなんだ~!」

と素直に思っていただける方は非常に有難いですが、noisy 的 にはちょっと不満も有ります。

「確かにテート・デ・ポン(一番高いの)やPV (次に高いの)のニュアンスには近いけれど、それ以外のキュヴェには有って、このラ・グゼットには全く無いものが有るってのは・・名刺代わりになるの~?」

と思ってしまった部分も有るんですね。

 確かにこのラ・グゼットはとてもちゃんとしています。ですから、とても美味しいし精緻、美しいです。でも、

「・・・これには揮発酸は無いじゃないか!」

とも思ってしまう訳です。ですから、揮発酸の有るキュヴェの名刺はどこ?・・ってな訳ですね。


 いやいや、物足りないなどとは言いませんよ。揮発酸は、ワイン本来の表情をその生成量や残存酵素の量により、削ってしまいます。しかしながらヤン・ドゥリューのピノは、

「その削れ方がエグイほど少ない!」

のが特徴なんですね。

 そのうえで、

「この揮発酸は必要不可欠な表情でも有る」

とさえ感じていました。


 まぁ・・そんなことを言いましても、これよりも上級キュヴェにつきましては、

「こちらは検出限界に近い」

とか、「無い」とか書いていますが、本当に正確に言いますと・・どのキュヴェにも少なからずあることは有ります。言っちゃえばこのラ・グゼットにも有りますが、本当に検出限界なんですよね。

 なので、「無い」と感じてしまう訳です。でも実際にはほんの僅かに有り、ヤン・ドゥリューのピノのその割合は非常に少ない訳でして・・しかも完全に一体化しているか、これからの熟で一体化すると感じられる訳です。


 まぁ、オート=コートの比較若木で造られたキュヴェのようでして、2017年ものは偶然に生成が少なかったのかもしれません。実にピュアでちゃんとしています。ヤン・ドゥリューの他のキュヴェ同様に柔らかで白くふにゃふにゃしたミネラリティが顔全体に張り付いてくるかのようです。中域にはちゃんと膨らみが有って、余韻も美しい・・・

「言ってしまえばニコラ・フォールのピノに最も接近できるキュヴェ」

でも有ります。


 ブルゴーニュの次世代を担うはずの二人が、ニュアンスが近いキュヴェが有るとはいえ、それでも相当に異なる・・距離が有るとも感じています。

「ヤン・ドゥリューは最先端で有り最もクラシックで有り然児で有り反逆者で有り救世主で有る・・かもしれない」

 そう思わせてくれるのがヤン・ドゥリューのピノです。これが名刺だと言うなら名刺自体の出来は不完全だと・・ワインは上出来なんですけどね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。


N.V.(2019) CR V.d.F. Rouge
CR V.d.F.ルージュ

18648
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヤン・ドゥリュー

注:黒いエチケットに白っぽい擦れ、縞様の擦れなどが有る場合がございますが、問題無しとして出荷させていただきます。ご了承くださいませ。
■エージェント情報
 Chorey-les-Beaune(ショレ=レ=ボーヌ)近郊の最近取得した畑のブドウ。このアペラシオンとしては例外的な長いマセラシオンを行い、深い抽出を行う。ワインのフレッシュさとピュアで複雑なアロマを保つために、タンクで熟成。

 深いルビー色の外観。バルサミコ、甘草、プルーン、赤い小粒のベリー、皮革など複雑な香りが特徴。

 味わいは表情豊かで、外向的な味わい。プルーンやブルーベリーの様なフルーティーさと少々のスパイシーなアクセントが感じられつつも調和が取れている。

 穏やかな酸と細かくも濃密なタンニンが全体を包み込み、フィネスと力強さが両立している素晴らしいキュヴェ。

 直ぐに飲む事も出来ますが、熟成させることをお勧めします。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥23,500 (外税) 
【CR(セー・エール)は Chorey-les-Beaune 近郊?の自社畑。美しく伸びやかで何とも心地良いアロマ!・・ショレ=レ=ボーヌが静寂の中に閉じ込めた美しさを見事に表現しています!】
 これはとんでもなく美しく、涼やかで・・ヤン・ドゥリューのワインだとすぐに確信するのか?・・と思えるほど、ワインとして成長して来ていて、その伸びやかさと果実表現を楽しめる素晴らしいワインです。

 昨年の12月頃に2019年のヤン・ドゥリューの第一弾をご紹介させていただきましたが、その時にはまだ・・

「まだ成長し切っていない部分」

を多く抱えていると・・申し上げたと思います。

 しかしあの時点での成長具合と、今回到着したアイテムのそれを比較してみますと、アイテムこそ、またエルヴァージュの仕方こそ違えど、

「たった半年の間に物凄く成長している!」

と感じるんですね。

 昨年12月到着のトップ・ワインの一つである2019年G.C.(ジェー・セー)は、まだまだ未開発のようなニュアンスを多く含んでいるので、

「開けるには勿体無い」

と感じさせました。

 しかし今回到着分の「ポン・シリーズ」のトップ・キュヴェ、レ・グラン・ポン2019年を飲みますと、

「まだ未開発、未成長の部分はあれど・・抜栓直後の美味しさをたっぷり感じられる」

ので、魅力たっぷりのワインで在ることを簡単に認識できる訳ですね。

 ショレ=レ=ボーヌと言えば、ガラスチックなミネラリティを多く含み、どちらかと言えば表情が少ない・・そんなイメージが有ると感じます。

 しかしながらこの2019年のCR(セー・エール)は、高貴なノーズを漂わせつつ、ドライなチェリーの新鮮!な美味しさと、土壌由来の非常に細やかな起伏の中に、粘土質に植わったピノ・ノワールのエロティックさを抑圧させながらも、しっとりと感じさせてくれるんですね・・。

「・・これ・・めっちゃ美味しいじゃん!」

と・・アンチ・ヤン・ドゥリューなブルゴーニュワインファンさえも驚かれるんじゃないかと・・思いましたよ。

 そして、このような・・一筋縄で、もしくは、一派一絡げで表現し切れないコート・ド・ボーヌの美味しさ、面白さが増えてくるとしますと、今まで知らなかった、あえて拡げてこなかったボーヌ系ワインへの興味も、非常に膨らんでくるんじゃないかと感じます。

 ちょっと外れますが・・ただ今、あの・・とんでもない新人のテイスティングに入っています。そう、

「ギルベール・ジレ2021年」

です。

 コート・ド・ニュイのワインもモレ=サン=ドニを中心に有りますが、大半はコート・ド・ボーヌなんですね。昨年はほぼネゴスものでしたが、今回はドメーヌものも結構に有ります。

 で、彼のワインを飲みますともう・・「圧巻」でしかないんですね。

 もちろん、

「ん~・・まだ早いよなぁ」

とは思う訳ですが、その精緻さと・・空間を美しくも埋め尽くす要素の質と量、それらを抑圧し圧縮している姿を感じ取ってしまい、ただ呆気に取られてボーっとしてしまう訳です。

 そんなギルベール・ジレのアプローチとも

「まったくの真逆だ」

 と感じるヤン・ドゥリューなんですが、

「もしかしたら・・最終は同じ姿になるのかもしれない」

とも感じます。

 このCR、普通のショレ=レ=ボーヌだとは思わないで下さい。とことん美しく、冷ややかで伸びやかです。必ずや気に入っていただけると思います。もちろん、もっと成長して行きます。お薦めします!滅茶素晴らしいです!


N.V.(2019) PV V.d.F. Rouge
PV V.d.F.ルージュ

18646
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヤン・ドゥリュー

注:黒いエチケットに白っぽい擦れ、縞様の擦れなどが有る場合がございますが、問題無しとして出荷させていただきます。ご了承くださいませ。
■エージェント情報
産地:フランス ブルゴーニュ地方
品種:ピノ ノワール

 ボーヌの町から北に9km、サヴィニー=レ=ボーヌとアロース=コルトンの間を通り、D18の丘に登り始めたところにあるペルナン=ヴェルジュレス村の近くの彼自身が保有する1haの畑から。
 コルトン・グラン・クリュの丘の下の区画で、樹齢35〜40年。1ヶ月間のマセラシオン、フレッシュ感を残したいため、敢えてキューヴタンクで発酵熟成。

 一見地味なアペラシオンですが、彼はアペラシオンというルールには従わない為、実にオリジナリティのあるVdFを産み出します。

 現地試飲時、ヤン自身最も気に入っていたキュヴェ。プルーン、ブルーベリーの様な酸を感じる黒系ベリーの凝縮した果実香に加え、ヤンらしいシャンピニオン香に一瞬で魅了されます。

 更に薔薇のような濃い赤い花のフローラルな香りに加え、エスニックなエピスのニュアンスが外向的に広がっていきます。

 味わいは正統なコルトンのテロワールを表現したようなキュッと締まった美しい果実に強固な酸と芯のあるミネラルが全体を引き締めています。

 2019年らしい凝縮した果実と酸、ミネラルの強固な酒質があり、太陽を感じる強さを味わえます。正に「普通」ではないペルナン ヴェルジュレス。ピュア、洗練、凝縮と言う表現が最も似合うキュヴェに仕上がっています。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  1   ご注文数   本
¥26,880 (外税) 
【ペルナン=ヴェルジュレス(近郊)の畑が持つ複雑で精緻なニュアンスに加え、官能的な表情を加えた魅力溢れるワインです!】
 ヴォルネイ新時代だとか、今、ペルナン=ヴェルジュレスが滅茶面白い・・とか、人が言わないことを散々膨らませたかのように言って来た noisy ですが、

「ヴォルネイ新時代・・は、まるで新幹線のように ヒューンと・・ noisy を追い越していった」

ので、その後のフォローが出来なくなってしまって・・今に至ります。

「これからはヴォルネイだ!」

と言ったのは良かったのですが、その後すぐに・・とんでもなくヴォルネイは高くなってしまったし、お客様の認知度は非常に高くなったと感じるんですね。

 で・・もう価格が上がることはもう織り込み済で、でも・・それでもリーズナブルで物凄いピノ・ノワールを飲みたい・・新しい世界、知らない世界を見たいと思っていらっしゃるお客様が、Noisy wine のご紹介を楽しみにしていただいているんじゃないかと・・まったくの勘違いかもしれませんが、そう思っています。

 以前のレヴューにも書かせていただきましたが2017年のドラルシェのペルナン=ヴェルジュレスは、4千円でとんでもなく美味しい・・官能さにグッと来てしまう魅力を感じていただいたと思います。それでもまたユーロは史上最高値の170円をつけると言うような時代になっていますから、日本人の収入が増えない限り・・難しくなってしまうんじゃないかとも思ってもいます。それでも、

「美味しいブルゴーニュをご紹介したい」

と言う気持ちには何の曇りも無い訳で、このヤン・ドゥリューのワインの最終形がどうなるのか・・と言うような興味を持っていただけたらと思っています。

 2019年のCR(セー・エール)の「真っ赤」に近いチェリーな味わいに穏やかな官能さをトッピングした味わい・・素晴らしいです。成長具合もこのPVやレ・グラン・ポンよりも進んでいます。この2019 PV(ペー・ヴェー) は、CRほどの成長具合には届かないものの、昨年年末にご紹介させていただいた2019年のヤン・ドゥリューの他のワインの・・その時の成長具合に比較すれば、

「・・お~・・なんと・・こうなるのか~~!」

と、飲まれた方を驚かせてくれるに違いありません。

 ポテンシャルはもう・・CR よりも大いに高いです!・・そして、精緻さもしっかりありつつ、元々の要素の幾分かを官能さに振り分け、若いうちからの妖艶さを演出しています。

 黒い果実と赤い果実がエキスからたっぷり発散されてきます。フラワリーさ、スパイス感と混じって妖艶さが漂い、とても良く熟したニュアンスも感じられます。

 中域もしっとり、やや温かみを持ちつつ、しっかり膨れてくれます。しかしまだ少しタイトに閉じた部分を感じさせながら、長い余韻を感じさせます。少し粘り、口内をさらにフルにし、そして消えます。

 いや・・CR をお飲みの方がこれを飲むと、また違う世界に連れて行かれたような感じになるかもしれません。CRはどちらかと言うとシャンボールタイプ、PV の方はどちらかと言うとヴォーヌ=ロマネタイプでしょうか。冷ややかを多く感じさせるCRに、若干の温かみのある酸構成がヴォーヌ=ロマネを感じさせるのかもしれません。

 今飲んでも充分な美味しさは有ります。しかし、まだ発散するには至っていない・・殻に入ったままの卵のような部分が多く有りますので、2年ほど寝かせていただくと良いかと思います。

 また同時進行と言う訳では無いんですが、CR のコラムでも書かせていただいた通り、只今ギルベール・ジレの2021年のテイスティングもしています。そしてジレのラインナップの中にも、ショレ=レ=ボーヌ、アロース=コルトン、サヴィニー=レ=ボーヌと言ったワインが多く有ります。で、これがまた・・とんでもない、圧巻の出来なんですね。

 面白いのは・・ヤン・ドゥリューとは真逆だ・・と感じながらも、どこかで・・同じじゃないの?・・とも思っている自分がいるんですね。飲んだ直後はまったく異なるのに、少し時間が経過すると・・

「あれっ?」

と・・(^^;;

 まぁ、それでも表向きは全く違うよと言うことになる訳ですが・・手段は全く異なるけれど、途中の姿も全く違うけれど、目指しているものは同じ・・と言うことなのかもしれません。少し熟成させ気味で飲んでみてください。グレートイヤーの2019年PVです!


 以下は以前のレヴューです。
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【・・これは美味しい!・・今、マイブーム的なペルナン=ヴェルジュレスの姿をヤン・ドゥリュー風にアレンジしているのが良く判ります!】

 非常に精緻です!・・もちろん、滅茶ナチュラルなんですが・・それより、実に心地良いシャンピニオン香に繊細な味わいが長くたなびく・・そして官能さがそこに美しく載ってくる・・そんなペルナン=ヴェルジュレスです。

 やはりパカレにも非常に似ていますか、この甘美で官能的なニュアンスはパカレには無い・・かなと。

 そして、2017年のマリウス・ドラルシェのペルナン=ヴェルジュレスを飲まれた方には伝わりやすいと思いますが、

「劇的にエレガントで官能的!」

なのが、熟成したピノ・ノワールが生み出す表情でも有る・・と言うことなんですね。


 ただしマリウス・ドラルシェは2017年、このPV は2018年と言うことでヴィンテージの違いで2018年物の方がややしっかりしています。その部分に、コルトン・ルージュっぽさを持ちつつ、非常に繊細な襞を感じさせるペルナン=ヴェルジュレスの、コルトンの丘直下の畑のニュアンスが混じる・・そんな感じです。


 で、実はこのコラムの下部には、2017年もののPVのレヴューが有りまして、グラスの写真も有りますよね?

 ちょっと画角が違いますが、明らかに2018年ものの方が濃い目です・・とは言っても濃くはないですが・・。

 で、PV2017年ものの淡い色彩はやや赤み黒味は強いですが、マリウス・ドラルシェの2017年ものペルナンにも共通するかな・・とも思います。マリウス・ドラルシェはレ・ブティエールと言う畑ですが、ヤン・ドゥリューはもう少し西のレ・ノワレ辺りかなぁ・・などと勝手な想像もしてしまいました。違っていたらすみません。

 価格的にはそれなりにしますので、ヤン・ドゥリューの中でも中~高価格帯に入って来ます。でも彼のワインの場合、ほとんど畑を特定できませんから、このように少なくとも、

「コルトン=シャルルマーニュの直下のペルナン=ヴェルジュレス村名の畑」

と言うのが判っていますと、ワインを飲む時の密かな楽しみにもつながると思いました。

 まだ・・ペルナン=ヴェルジュレスのワインの認知度が低くて結構苦労しましたが、最近はマリウス・ドラルシェのお陰で徐々に拡大しています。是非飲んでみていただきたいと思います。今飲んでも・・ちょっとだけ早いですが、とても美味しくいただけます。「繊細」「適度な熟」「官能さ」に長けた、ヤン・ドゥリューにしかできないスピリット溢れる味わいです。ご検討くださいませ。

 以下は以前のレヴューです。
-----
【これも激旨ペルナン=ヴェルジュレスのピノ・ノワール!・・こんなになってしまうなんて・・想像もつきません。しかも揮発酸は非常に少ないです!!】

 流石に「テート・デ・ポン」には届かないかもしれませんが、これも激旨い!・・マルサネの「マーズ・アタック」が時間を要するのとは異なり、今からでも美味しく飲めてしまうんですね・・。

 ちょうどこの日は「ピンク・ムーン」だったようで、どうなんでしょ・・ビオ的には満月ですから、余り飲むには適さない日と言うことだったかもしれません。なので、

「ボトルの写真は少し超細やかな澱が舞っている」

感じに見えていると思います。

 実際、舞ってしまっているのは、ボトルを持ち帰る時に車の中で誤って倒してしまったことが原因では有るんですが、この状態で飲んで・・見事に「ピュア!」でした。

 勿論ですが超ナチュラルな伸びの良い、ベクトルの向きも外向きな味わいでして、

「5~10分もすると・・滅茶苦茶美味しい!」

です。

 そもそもペルナン=ヴェルジュレスは、北東がラドワ、東がアロース=コルトン、南東がサヴィニーに接触した村ですから、ポテンシャルは元々有るはずなんですね。

 ですが、

「ペルナン=ヴェルジュレスのピノで超美味しいの、飲んだことあります?」

 まず無いですよ・・ね?

 しかしペルナン=ヴェルジュレスは、あの素晴らしいシャルドネ、コルトン=シャルルマーニュも産するほどの村ですから、そのミネラル組成はかなり期待が出来るはず・・。


 言ってしまえば、ニュアンス的にはコルトンと言うよりもサヴィニー=レ=ボーヌが近いでしょうか。・・でも、シャソルネイのサヴィニーのように、「濃いスタイル」では有りませんで、エキス系のしなやかなタイプです。その系は大抵の場合は「超硬いタイプ」に仕上がります。が、こちらは滅茶苦茶エレガントでしなやか、構成の大きさがしっかりあるのに、それを簡単には見せない感じです。

 飲み進めて行くうちにその大きさ、深さに気付かされ、

「・・丸裸のピノって・・こんな感じなんだ・・」

と思われるかもしれません。

 これは「絶対に有り」です。おそらくどんな方でも大丈夫だと思います。揮発酸に耐性の無い方でも大丈夫でしょう。ピュア&ナチュラルが際立った素晴らしい出来!飲んでみて下さい。超お勧めします!




N.V.(2019) les Grands Ponts Rouge V.d.F.
レ・グラン・ポン・ルージュ V.d.F.

18647
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヤン・ドゥリュー

注:黒いエチケットに白っぽい擦れ、縞様の擦れなどが有る場合がございますが、問題無しとして出荷させていただきます。ご了承くださいませ。
◆◆◆お一人様1本限定

■エージェント情報
 産地:フランス ブルゴーニュ地方
品種:ピノ ノワール
 良年のみ造られるキュヴェで、小高い丘の中腹にある小さな区画で、年間生産量は約2樽のみ。テート ド ポンよりリッチで深みのあるワインが出来る区画で、正に「グラン」の称号を得るにふさわしい区画です。

 1er Pontsの区画と並行する小高い丘の中腹に位置する極小さな区画で。100%新樽で2年熟成させた後、セラー内で瓶熟。

 濃いガーネット色。香水を詰めた様な集中力のある薔薇の様な赤系の力強いフローラルな香り。次第にカシスやブラックベリーを煮詰めたニュアンスが膨らんできます。
味わいは新樽由来の樽っぽいニュアンスは有るものの、果実、酸ともに高いポテンシャルを持っている為、全く気になりません。

 非常にリッチで濃厚かつ集中した果実があり、正にグランの称号に相応しい風格を感じるワインで、余韻もエレガントでありながら非常に長く、ピノノワールの素晴らしさを再認識させられるワインです。

 今でも美味しく飲むことが出来ますが、素晴らしいヴィンテージの為、熟成させることもオススメします。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥49,800 (外税) 
【素晴らしいポテンシャルを囲った化け物じみた味わいです。「ポン」シリーズのトップワイン、そして2019年と言うヴィンテージの良さを強く感じます。】
 凄いですね・・もう・・ビックリです・・。ただし今回ご案内のアイテムの中では、

「もっとも成長が遅れているのは否めない」

と感じます。

 もう・・まだヒヨッコどころじゃなくて卵だろう?・・と言いたくなる訳ではあるんですが、同時に・・

「・・今、この状態を・・滅茶苦茶美味しい!・・とおっしゃる方も、相当数いらっしゃるはず!」

とも感じる訳です。

 noisy としましては、決して noisy的な感覚が全て正しいとは・・思っていないんですね。そりゃぁ・・人の数だけ感覚の違いが有ります。ワイン屋同士で飲んでいる場合は、ある程度まとまることが多いような気もしますが、ワイン会などですともう少しバラケますし、noisy が如何に・・

「(・・こりゃぁ・・凄い!)」

と思ったところで、

「・・もういらない」

とカミさんに言われることも度々・・有る訳ですね。そのような感覚を全て否定するものではありませんし、貴重なご意見としてしっかり受け止めた上で、自身の判断の参考にさせていただいている訳です。

 このレ・グラン・ポン2019年ですが、一発目の香りがまぁ・・凄いです。エキセントリックです!・・香水に近い香りも、酢酸系の香りも、様々な発散系のものが交じり合ったアロマがフルーティにも、フレッシュにも、ジャミーにも、ヨードのようにも、落ち葉のようにも・・感じられます。

 ボディはやや柔らかみを持ち、テクスチュアは滑らかです。昨年末の2019年ものの第一回目の入荷分の育ち具合を考えますと、

「・・たった半年でここまで育っているんだ!」

と言うことにビックリさせられます。2019G.C.などは、飲めるまで相当掛かると予想したのですが、・・少なくとも飲めるようになるのは少し早まるかと思います。

 中盤から終盤・余韻に掛けてのアクションも素晴らしい表情を含みます。「グラン」と本人が言う意味も何となく伝わってくる感覚が有ります。濃くてどうだとか、淡くて・・と言うような話しにはならず、やはり、ポテンシャルと言う部分での話しに終始する感じです。

 そして、芯の部分には、やはり未だ開発の手が付けられていないかのような「未開の地?」みたいな部分が有り、その存在こそがポテンシャルの大きさの証明でもあり、例えばギルベール・ジレの2021年ものをテイスティングしている時に感じる、

「同じもの」

が有るような感覚に繋がります。・・でも言っておきたいのは、ジレとは全く違うと感じると思います・・(^^

 このレ・グラン・ポン2019年が完熟した姿・・是非とも見てみたいですね・・今はまだ揮発酸由来の表情が、完全に溶け込んでいるとは言い難いですが、昨年ご案内分のアイテムのその時の表情から比べると格段の生育が感じられる訳ですから・・そんなに長い期間、待つ訳では無いとも感じます。飲んでみて欲しいと思います。ブルゴーニュの新たな世界がここに有ります。


 以下は以前のレヴューです。
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【テート・ド・ポンであれほどに美味しいのなら、その上のレ・グラン・ポンは如何ほど凄いんだろうと想像してしまうのが人間の性・・。まぁ、テート・ド・ポン2018を飲んだら・・の話しですが・・】

 4本だけです。まぁ・・何を何本、もしくはケースで・・と言って発注したところで大きく削られてしまうので悩むだけ無駄・・と言うことで、担当さんに丸投げしているヤン・ドゥリューの発注です。「良きに計らえ・・」と言う訳です。12、12、12・・と書いたり、ここの入荷は少ないだろうから少し減らして・・などと考えても全く無駄なのでそうしています。昔、一時期は..12、12、12・・と出したら2、0、1とか・・それでプッツンしちゃいましたので、自身の健康のためにもその方が良いんですね。そこそこ理解はしてくれている方が担当してくれているので助かっています。

 とはいえ、4本とかの入荷数ですと、余程のことが無い限りは開けられません。もう・・ヤン・ドゥリューはトータルで相当開けちゃってますから・・。自分の支払いで一番ヤン・ドゥリューを開けているのは日本では noisy ですと・・変な自信が有ります。

 で、やはりテート・ド・ポン2018が有り得ないほど今も美味しいので・・気になって仕方が無いんですが自重出来ました。間違い無いと思います。

 ですが、ヤン・ドゥリュー本人が「太陽のヴィンテージ・・・少々待つ忍耐力が必要。」と言ってますから、その辺は是非ご考慮いただき、お楽しみください。テート・ド・ポンを先に飲み、レ・グラン・ポンは熟成に回す・・のが最良かと思います。検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです
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【ヤン・ドゥリューが思う「グラン・クリュ」の姿を投影したに違いないピノ・ノワールです!】

 すみません・・「ジャノ」を開けてしまいましたので、ほぼ同様のクラスと思われるこの「レ・グラン・ポン2017」のテイスティングは今のところ行っていません。申し訳ありません。

 入荷の数がどうにもならないので・・エージェントさんの話しによりますと、もうずいぶん前にオーダーしたものが今になってから入って来ているので、来年以降はもう少し安定するんじゃないかと・・言ってました。

 まぁ・・余りに少ない割り当てにキレて、一度はヤン・ドゥリューを諦めてしまっていた訳ですから・・。もし残る様でしたら、もっと落ち着かせてからテイスティングさせていただこうと思っています。

 こちらは、ヤン・ドゥリューのトップ・ワインの一つであると思います。ご検討くださいませ。

ドメーヌ・アンリ・グージュ

アンリ・グージュ

フランス Domaine Henri Gouges ブルゴーニュ
● 2019年もので「巨人覚醒」をお伝えしたアンリ・グージュの・・新たに向かう道が見えた2022年ものをご紹介させていただきます。

 2024年12月初頭、フィネスさんのワイン試飲会が行われました。そこでは多くのアイテムが出品されました。ジョルジュ・ルーミエ、メオ=カミュゼ、マルキ・ダンジェルヴィーユなどなど・・凄い面々ばかりの試飲会です。

 そこでの一番の人気になったのが、何と・・

「2022年アンリ・グージュ」

でした。

 実際に Noisy wine からはオイジーが参加させていただき、多くのワインをテイスティングして来ましたが、彼曰く・・

「アンリ・グージュがあんなに美味しいとは想像してなかった」

と・・。

 それに加え、Noisy wine の担当のKさんにも確認しましたが、

「アンリ・グージュの評判が一番でした。」

とのことでした。

 noisy も・・そりゃぁ頑張ってテイスティングしなくちゃ・・と言うことで、新アイテムのグラン・クリュ、

「2022 エシェゾー(・デュ・ドゥスユ)」
「2022 クロ・ド・ヴージョ(・グラン・モーペルテュイ)」

まで、フィネスさんのご協力をいただきまして敢行しました。


 そして2022年のアンリ・グージュのワインの姿が、

「一貫している」

ことに気付き、また・・

「おそらく過去最高であろう」

と結論させていただきました。


 決してリキミを感じさせない、見事に美しい液体で、どこまでも瑞々しく、表現もトップレベルでエレガント・・細やかな表情に驚きを感じました。

 まぁ・・

「またまた・・そんなこと言って・・」

と思われるかもしれませんが、本心です・・。


 激エレガントな2022 エシェゾー・デュ・ドゥスユです。信じられます?・・ジャイエ・ジル、セシル・トランブレイ、デ・ペルドリのそれらからは、

「エレガントだ!」

などとはとても言えない・・そんなイメージしか noisy には有りません。余りに美しくて、

「最高の出来のシャンボールかよ!」

とボトルに突っ込みを入れてしまいました。

 クロ・ド・ヴージョ(・グラン・モーペルテュイ)2022もそうです。とんでもなく美しい系のクロ・ド・ヴージョです。しかもグラン=ゼシェゾーの真下の区画です。

「いったい・・どうやって入手したの?」

と考えこまずにはいられませんでした。


 その美しさはアンリ・グージュの他のキュヴェと共通です。レ・ヴォークランがとんでもなく美しいんですから・・(^^;;

 もし騙されても良いとお考えになられましたら、是非ともご検討よろしくお願いいたします。有り難うございました。


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 巨人覚醒をお知らせした2022年1月からちょうど1年が経ちました。2020年のアンリ・グージュを紹介させていただきます。

 ビックリするような変貌を遂げたアンリ・グージュですが、2020年もの・・いや・・もう驚いたのなんのって・・半端無い驚きでして、思わずフィネスのK君に電話してしまいましたよ。

 なぜって・・

「A.C.ブルがめっちゃくちゃ・・旨い・・」

「・・でも・・なんとそれはフルーツ爆弾!」

「えっ?・・ピノ・ノワールのフルーツ爆弾って・・何?」

って訳です。


 ですがどうやらこれは、ヴォーヌ=ロマネ近郊の2020年ものの特徴のようです。グロ・フレールだけはそれなりにエレガントでしたけどね。・・で、これです。

 未発売の2020年のエマニュエル・ルジェのパストゥグランです。

「・・えっ?」

と、皆さんの驚かれる顔が目に浮かびます。そうなんですよ・・流石にここまでは濃密では無いにせよ、

「グージュのA.C.ブルも滅茶濃密でピュアで精緻!」

です。

 ニュイ=サン=ジョルジュ村名も同様ですが、新樽の使用率が高い分、A.C.ブルのようなフルーツ爆弾的ではないんですね。今飲まれるなら、メゾンもののニュイ村名が滅茶旨いです。

 このように・・数が全く無い2020年ものですが、考えられないほどの精緻さと濃密さの両立と遂げたのが2020年のアンリ・グージュです。ですが・・残念にも余りに数が無く、noisy のテイスティングも狭い範囲にとどまらずを得ませんでした。

 ですので、このように思っていただけると間違いないと思います。

 2020年のアンリ・グージュは、

1.今でも美味しくは飲めてしまうが、基本、3年以上寝かせた方が良い。メオ=カミュゼのジャン=ニコラ・メオさんが、「2020年ものをさっさと飲んでしまうのはお勧めしない。グレートヴィンテージだから。」

2.今飲んで良いのは、赤ではフルーツ爆弾ピノ・ノワールのA.C.ブルと、滅茶美しいメゾンもののニュイ=サン=ジョルジュ村名だけ。白はA.C.ブルのピノ・ブラン(絶品!)。

3.その他は3~5年置かれることをお勧め。

です。


 アチコチに面白い写真を貼ってありますし、海外メディア情報も掲載していますので、ぜひご参考にされ、

「希少だが半端無い濃度を得た2020年のアンリ・グージュ」

をご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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 眠れる巨人、ついに覚醒!・・と言って良いでしょう!・・圧巻の2019年ものを造り上げたアンリ・グージュをご紹介させていただきます!

 いや~・・ここまで長い年月が掛かりました・・。Noisy wine としましては、2017年ものからドメーヌ・アンリ・グージュのワインをご紹介させていただいています・・が、実は2013年ものから仕入は行っていました。ただし2015年ものにつきましては、フィネスさんが気を使ってくれたのかどうか判りませんが、2014年ものをお蔵入りしてお客様にご紹介しなかったのを見られてか、オファーが無かった・・ような気がします・・いや、もしかしたら2015年ものは2014年ものを抱えたままなので・・とnoisy が伝えた性なのかもしれませんが、余りに昔の話しなので忘れてしまいました。

 2014年~2016年ものをご紹介せずにお蔵入りにしてしまったのは理由は多々在りますが、一つには、

「タンニンが前面に出ていて、リリース直後に飲まれる可能性が有る場合は余りふさわしく無いか・・。」

と言う気持ちと、

「どうやってご紹介したら良いか・・その構想を練っている時間が無い・・」

みたいな感じで、気付くともう1年が過ぎ、2年が過ぎ3年目の・・みたいなスパイラルになってしまった訳です。


 しかしながら2017年ものをテイスティングしたところ(・・いや、それ以前のものも飲んでいますが)、明らかな変化が認められ、タンニンが前面の表情から撤退し奥に隠れるようになり、その質の良さが素晴らしいもの担ってきたことが判った訳ですね。ですので・・2017年ものはそのままご紹介させていただいたんです。

 そして2018年ものはその路線をさらに拡充し、非常に美しいワインになったことをご報告させていただきました。

 で・・2019年ものは・・圧巻でした!・・これはもう・・ニュイのトップと言っても過言では無い出来!・・しかもニュイの持つテロワールの違いが、「これでもか!」と言うほどに異なっていること、そしてそれに加えて、

「圧巻な美味しさ!」

をも感じさせてくれる凄いワインになっていたんです。


 シェヌ・カルトーの実に愛らしい、可憐でエレガントで超繊細な味わいに惚れ惚れとしてしまいました。カイユの物凄い果皮が集中しつつもバランスの良い圧倒的な味わい、クロ・デ・ポレのエレガンスと真ん丸なパレットを描く超バランスな味わい、ヴォークランのパワフルさ全開ながら、ニュイの持つ構造の深さを感じさせる味わい、そしてピノ・ブランの白のブラッシュアップは、どこか中抜けして感じられてしまうピノ・ブランの個性を、集中感とフレッシュ感、そして滑らかさが見事なバランスを感じさせてくれるようになっていたんですね。

 2019年ものは、アンリ・グージュにとって記念のヴィンテージだったようで、トップ・キュヴェの「レ・サンジョルジュ」は特別なエチケットでリリースされ、価格もかなり上昇していますし、しかも入荷量が・・信じられないほど少ないです・・無いと言っても良いかもしれません!でも、他の1級の味わいを見れば、相当に凄いワインになったことはうかがい知れます。

 これはnoisy 個人の判断では有りますが、おそらく・・「収穫時期を早めた」んじゃないか?・・と思うんですね。2016年までのアンリ・グージュはタンニンの成熟をしっかり待つことに気持ちを集中するが余り、収穫のタイミングが遅かったんじゃ無いか?・・と。それが集成され、美しい果実味とタンニンをベストな配分で持てるようになった・・のが、一番の理由かと思っています。

 これを持って、秘蔵(死蔵?)になっていた2014~2016年のグージュのワインも、再度テイスティングしてご紹介を始めたいとも思っています。

「5年経ったらリリースしよう」

と・・考えていたんですね。美味しくなっているはず・・です。


 ですがまず、この2019年のアンリ・グージュを是非ともブルゴーニュファンの方に飲んでいただきたい!・・カイユの物凄い味わいは圧巻です!・・noisy はシェヌ・カルトーに首っ丈・・きっと皆さんはクロ・デ・ポレやシェニョの味わいに驚かれるはずです!

 復活なったアンリ・グージュ!・・超お勧めしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


■ エージェント情報
 2019年は2~3月に掛けて暖かく、4月は寒くなって霜の危険があったが結局ほとんど被害は無かった。7月から非常に暑くなった影響でウドンコ病が少し発生し、収穫まで暑い日が
続いたので畑はとても乾燥した。収穫は9月14日から開始し、乾燥などの影響で収穫量は20~40%減少したが、凝縮した素晴らしい葡萄が収穫できた。2019年でドメーヌ設立100年になったのでそれを記念して「ニュイサンジョルジュ1級レサンジョルジュ」は2019年物からドメーヌの創始者であるアンリグージュが考案したラベルを使用。これはAOCが制定される以前にアンリグージュが試作で作っていたラベルで、当時は違う村の葡萄やワインを混ぜることが許されており、ニュイサンジョルジュ産のワインということを証明するためにメインラベルの上に原産地保証を示す緑色と白色のラベルが貼られている。現在ドメーヌで使用している緑色を基調としたラベルデザインはこの原産地保証ラベルを参考に考案された。また、2019年ヴィンテージは「MaisonHenriGouges」として樽買いしたワインをドメーヌで熟成させたネゴシアン物も造っている。

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グージュが良い!・・もの凄く良いです。以前のやや硬さの残るタンニンが目立つ姿は2017年ものでかなり解消され、柔らかく目立たず、質感高いものに変化して来たのはお伝えしました。「眠れる巨人、ついに覚醒か?」とまで書いてしまった以上、2018年ものは相当頑張ってテイスティングし、ドメーヌ・アンリ・グージュの現在の真の姿を暴きたい・・(すみません・・)と思っていました。

 そして2018年ものが入荷したんですが・・いや~・・良いですね~・・。

「覚醒した!」

のは間違い無いでしょう。


 何が嫌いだったか・・正直に言えば、やはりその「タンニンの姿」です。赤ワインにはやはりタンニンは必要不可欠・・と言いますか、どんな赤ワインにもタンニンは備わっており、熟成や味わいに大きな関与をしています。

 しかしながら・・ブルゴーニュワインはエレガンスが重要と考えていますから、

「硬く平板な大量のタンニン」

は好ましく無く、

「質はとても良いが目立つタンニン」

は、悪くないが・・ボルドーじゃないんだから・・と言いたくなってしまいます。


 しかしながら、

「実はちゃんと備わっているのに全く判らないほどに仕上がったタンニン」

は、これ、最高ですよね?


 昨年の2017年ものは、「質はとても良いが(少し)目立ちたがりのタンニン」が感じられたんですね。それでも他の表情は素晴らしく、

「お~・・グージュもついに来たか?」

と感じさせてくれたわけです。それだけに、2018年もののテイスティングは、ハラハラドキドキ・・「これで元に戻っちゃってたらどうしよう・・」みたいな感情が生まれて来まして、それはもう真剣にテイスティングさせていただきましたよ。


 で、2018年ものは、

「実はちゃんと備わっているのに全く判らないほどに仕上がったタンニン」

どころか、

「柔らかさと冷ややかさを持った見事なタンニンを、ミネラリティのオブラートに包みこんで美しいディテールを生み出した!」

 素晴らしい表情をしていたんですね。


 ですので、畑のテロワールも、モノの見事にクッキリと浮かび上がって来ています。クロ・デ・ポレ・・・旨いですね~・・最高です。こんな価格で良いのかな・・とも思ってしまいます。プリウレも、本来はミネラル組成の性でしょうか、バランスが良過ぎて目立たない味わいに陥りがちのワインが多いと思いますが、ふっくらとした美しい表情に微細な起伏を持っているのが良く判ります。パワフルだがやや粗暴にも感じることの有るヴォークランも、そのまんまの姿に美しさを投影出来ているんですね・・。いや、村名のニュイも滅茶美味しいですよ。


 ここからは推測に過ぎませんが、エルヴァージュを若干変えて来ていると思います。そもそも長めの熟成を掛けるのが伝統のようですが、たぶん・・そこを変えて来ているはず・・と感じました。

 そして、自然派なアプローチもついに身を結んだんだろうと思います。ピノ・グージュ(ピノ・ブラン)の白ワインも滅茶美味しいですよ。これから先にご案内予定のドイツはバーデン、ヴァーゼンハウスのヴァイスブルグンダ―が絶妙に旨いですが、若干体形は異なるとしても、そこに「気品」をプラスするとピノ・グージュに近くなるなぁ・・などと感じています。

 今回のテイスティングは、10アイテム中9アイテムで、1級レ・サンジョルジュのみテイスティングできませんでした。(ですが色々確認の意味を込めて合計10本開けています)ですが、

「今までに無いほどのレベルに仕上がった2018年、ドメーヌ・アンリ・グージュ」

で有ることは間違い無いです。


 美しさ、雅さを感じさせる素晴らしいワインです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!

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 第一次世界大戦後、父親より9haの畑を譲り受けたアンリ グージュ氏は1925年にドメーヌを設立し、マルキダンジェルヴィル氏やアルマン ルソー氏らと共にその時代に蔓延していた粗悪なブルゴーニュワインを無くす為にINAOを設立し、区画やクラスを決める際、自分たちの畑があるニュイサン ジョルジュとヴォルネーには自己贔屓をしないようにグラン・クリュを設定しませんでした。

 アンリ氏の孫のピエール氏、クリスチャン氏がそれぞれ畑と醸造を担当してドメ ーヌを運営していましたが、ピエール氏が定年を迎えたため、現在はその息子のグレゴリー氏が中心となって、ニュイ サン ジョルジュのみ15haの畑でワイン造りを行っています。

 昔からコート ドールの傾斜が急な畑では、雨が降った後に土が流れてしまうという問題がありました。これに対し、ピエール氏は1975年に葡萄の木の列の間に芝生を植え る方法を生み出しました。これは降雨後の土地の侵食を防ぐだけでなく、雑草が生えるのを抑える働きもありました。また、丈の高い雑草が生えない為に畑の通 気が良く、カビの発生を抑制する効果もありました。さらに、芝生があることで葡萄の根は横ではなく下に向かって伸びるため、地中深くの養分を吸収すること ができ、結果としてテロワールを明確に表現することができました。

 また、徐々に畑をビオロジック(有機栽培)に変えてきていて、2008年から100%ビオロジックになりました。 畑で厳選して収穫された葡萄は2007年に新設された醸造所で選別され、果皮や種の収斂性のあるタンニンを出さないように葡萄の実は潰さないまま除梗機で100%除梗され、そのまま地上階にある醗酵タンクへ重力によって運ばれます。アルコール醗酵には白はステンレスタンク、赤はコンクリートタンクを使います。コンクリートタンクはアンリ グージュ氏の時代に造られた古いものが使われており、内部には酒石酸がびっしり付着しています。このコンクリートタンクはタンク上部が開いている開放桶ではないのでアルコール醗酵の際に発生するガス(二酸化炭素)がタンク内部に溜まりやすく、醗酵作用がゆっくりと進むので、じっくりと葡萄から色とアロマを引き出します。櫂入れはタンク内に設置されている金網状の機械で行い、ガスによって押し上げられた果皮や種と果汁の接触を増やしてアロマやタンニンを引き出します。その後、新樽率約20%の樫樽に移されマロラクティック醗酵をさせて18ヵ月間熟成されます。とても綺麗な葡萄が取れるのでそのままでも十分透明感がある為、コラージュやフィルターは行わずに瓶詰めされます。


2022 Nuits-Saint-Georges 1er Cru la Perriere Blanc
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・ラ・ペリエール・ブラン

19213
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
ニュイ=サン=ジョルジュ
ドメーヌ・アンリ・グージュ

◆◆◆ ピノ・グージュ!1級です!
■メディア情報
◇2022年もの
 94 Points la Revue du Vin de France

 93.5 Points Cellar Tracker
 92~93 Points 2027~2035 Sarah Marsh MW
 92 Points Vinous Neal Martin
◇2021年もの
 93 Points Tim Atkin
 92 Points Jasper Morris - Inside Burgundy

■エージェント情報
 ピノ・ブラン種100%。1級区画「クロ・デ・ポレ・サン=ジョルジュ」に植えられていたピノ・ノワールが突然変異したもので、ドメーヌ創始者のアンリ・グージュ氏が発見したのでドメーヌでは「ピノ・グージュ」と呼ばれています。畑の広さは0.4haほどありますが腐敗が起きやすい区画で平均収量は20hl/haほど、元々は石切り場だった場所で多くの石を含む石灰質土壌になっています。ステンレスタンクで醗酵させ、新樽30%で約12ヵ月熟成、コラージュはせず瓶詰前に軽くフィルターを掛けます。ミネラル豊かで透明感があり、とても複雑な味わいがあるワインです。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  1   ご注文数   本
¥28,380 (外税) 
【ブルゴーニュの白はシャルドネだけではない・・!ミネラルギンギン、「香りの爆発」を予感させる抜群のポテンシャルです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ]
 A.C.ブルのピノ・ブランが素晴らしかったので、こちらも期待してテイスティングしたのですが・・・期待をはるかに上回るポテンシャルでびっくりしました!

 試飲会でのテイスティングのため、グラスに注がれたワインは極僅かではありますが、一本の太い涙が、高い密度を表してくれています。

 やはりアンリ・グージュのピノ・ブランには魅惑の「フルーツのあまやかさ」を感じます。トロピカルには振れない程度に薫り高く、薄いグリーンを基調としたブドウに似たアロマは・・・やはりシャインマスカットを想起させます。

 ただしこちらはこのポテンシャルに見合った長期熟成を視野に入れた造りで、樽も割と効いており、溶け込むのに4,5年ほどの時間を要すると思われますが、溶け込んだ後に開放に向かった時の「香りの爆発」を予見させるものをヒシヒシと感じます。

 多くのぺリエールと名の付くワインに見られるように、ミネラルは液体の隅々までいき渡ってギンギンとしており、そのミネラリティを十分にワインに閉じ込めるべく、高い密度になるように収量を抑えているのも伝わってきます。

素晴らしいポテンシャルです。

 そして高い密度の副産物として、酸が緻密に押し込まれ、結果としてピュア感の増大を感じます!ピノ・ブランに感じがちな「酸の緩さ」はこのワインからは・・・感じることはありません。

 ブルゴーニュの白はシャルドネだけではない・・!かつてアンリ・グージュ氏が発見したピノ・ブラン、やはりその本領を発揮させられるのは最も長いことピノ・ブランと向き合ってきたドメーヌ・アンリ・グージュなのかもしれません!ぜひご検討くださいませ。



以下は以前のレビューです。
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[ noisy wrote ]
【2021年ものはA.C.ブルでさえ凄い!・・この1級レ・ペリエールも結果、ジワジワと評価を上げて来ています!】


 まぁ、A.C.ブルのピノ・ブランで充分に美味しいです。そのA.C.ブルに質感の高さを二乗、密度も二乗した感じかと思われます。

 メディアのテイスターの皆さんも以前よりも1ポイントほど高く評価しています。5年経過してから飲んで再評価して欲しいなぁと思いますが・・2本だけの入荷です。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【A.C.ブルの凄い出来栄えを見れば、このペリエール・ブラン2020年が物凄い可能性を秘めていることに思い当たるはず!】

 アンリ・グージュの2020年ものの上級キュヴェは全てほぼ2~3本のみの割り当てになってしまったので、今回は村名までのテイスティングとさせていただくしかありませんでした。

 ですが、A.C.ブル・ピノ・ブランの素晴らしくピュアな姿と完成度の高さを見れば、このペリエール・ブラン2020年が、途轍もない可能性を持っているはず・・と想像するのになんの障害もないと感じます。

 昨年ご案内させていただきました2019年ものも、このペリエール・ブランは素晴らしいバランスを見せてくれました。2020年ものはそこに密度の高さが加わるはずで、ドライながらむっちりとした膨張感を適度に抑え込みつつの表情が、何故か想像できてしまうような気がしています。

 海外メディアの評価も上がって来てはいるんですが、残念ながら2020年ものは見当たりませんでした。ですが、

「決して外すことは無いはず!」

と思っています。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい出来です!・・「葡萄の熟度にこだわる」と言うタガを外せたピノ・グージュ、真の姿を見せ始めました!・・旨いです!】

 1級クロ・デ・ポレのピノ・ノワールの畑で見つかった緑の房を付ける突然変異種、それがピノ・ブラン、通称ピノ・グージュです。

 ニュイ=サン=ジョルジュのA.C.では、それなりに白の品種が造られています。2018年のコラムにも書きましたがクロ・ド・ラルロ・ブランも素晴らしいワインです・・が基本、シャルドネなんですね。

 シャルドネとピノ・ブランだと微妙にニュアンスが異なります。シャルドネは中域に大きな膨らみが有り、ピノ・ブランはむしろ低域~高域までのバランスが凄く良い品種なんですね・・。ですが、熟させ過ぎると酸が弱くなり、結果として「中域の密度や味わいがやや粗になる」傾向がみられ、むしろそれが特徴とも思われるような状況が作られていたと思います。

 ですが、2019年ものはピノ・ブラン本来の味わいを取り戻していると思います。A.C.ブルのピノ・ブランも同様でとても美味しいんですが、やはり流石1級ペリエールは違いますね・・持っている「密度」もそうですが、「エレガンス」が超一流です。

 まぁ、以前のものとの色合いも相当に違っていて、結構に黄色が強いです。これは樽由来のものが結構に影響しているはずですが、それなりに樽の影響を受ける造りをしたとしても、

「そもそも負けない強いフレーヴァーを持っていた」

と言うことになります。

 また、ミネラリティも相当に詰まっています。エレガンスにもそれは影響を与えていますし、何よりノーズが素晴らしい!・・ちょっと南に近い方の黄色いフルーツと、冷やかな白や淡い黄色、そして薄緑のフルーツが混載です。

 これ、今飲んでも相当に美味しいですが・・10年経過後が楽しみな感じなんですよ。先だっても・・品種は違いますがクロ・ド・ラルロ・ブランのちょっとコンディションに難のある10年余ほどのボトルを、店にいらっしゃるお客様にリーズナブルにお分けさせていただいたんですが、ま~・・すっごい旨かった!とビックリされていました。

 まぁ、ちょっとコルクの具合が今ひとつだったようなので販売しなかったボトルなんですが、少し漏れていたのかな?・・ですが、液体が持つ粘性がこびりついて「フタ」の役目をしてくれますので、少しぐらい漏れていても・・まぁ、パーフェクトでは無いとしても、期待を大きく上回る美味しさが有った・・と言うことなんですね。

 クロ・ド・ラルロ・ブランにつきましては、noisyも非常に長くお付き合いしていまして、5年経ったらどうなる・・とか、10年経ったら・・色がこんなだったら・・など、結構に経験則が有りますので、

「この感じならたぶん大丈夫」

と言うのが在る訳です。それが、お客様とのネゴシエーションが上手く行くようなら、そんなボトルの出番も有りうるんですよね。


 このピノ・ブラン、ピノ・グージュもこれから長くお付き合いして行きたい・・そう思っています。非常に・・旨いです。それにあの「ヴァーゼンハウス」もピノ・ブラン、造ってまして、非常に旨いんですよ。これからのピノ・ブランの活躍が楽しみだと思いませんか?・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【シャルドネ主体のクロ・ド・ラルロ・ブランと是非比較して飲んでみて下さい!・・ティム・アトキン氏も92ポイントです!】

 素晴らしい・・見事な味わいでした!・・・ピノ・グージュ、恐るべし!フィネスたっぷりのアロマと、透明ミネラリティのテカテカコーティングを得たキリリとした表情が実に良いです。

 このニュイ=サン=ジョルジュと言うアペラシオンですが、それなりに白ワインも造られています。ド・ラルロのクロ・ド・ラルロ・ブランは、実はニュイの村では無くて、その南の「プレモー=プリシー」に有ります。

 しかしこのド・ラルロのクロ・ド・ラルロ・ブランは、ほぼシャルドネ(一部ピノ・グリ?)で造られますが、実は相当に素晴らしいシャルドネでして、5年ほど経過しますと「大化け」するんですね。

 リリース仕立ては結構にスレンダーなんですが、時を経ますと相当に膨張し、滑らかで漲る味わいに変化、マッタリとしたテクスチュアとあれは樽からかな?・・ナッティーなニュアンスで・・素晴らしく美味しいんですね。

 こちらの「ペリエール・ブラン」は同じく1級畑ですが、ペリエールと言う名前からもお判りのように「石切り場」でして、しかも畑はヴォーヌ=ロマネのある丘とは異なるニュイ=サン=ジョルジュ村に有ります。上部が石切り場だったところですんで、白ワインに向いたミネラリティが得られるんじゃないかと思っています。そして、ピノ・グージュを発見したクロ・デ・ポレはペリエールの下部に接していますんで、見つかった株(枝)をペリエールに植えたのが始まりなんですね。

 実は知っているようで知らない味わいなんじゃないかと思います。相当に美味しいですよ。今飲んでもソリッドさのあるスタイリッシュな美味しさですし、数年後に成りますと、結構にボディも膨らんで来て、女性的な美味しさになってくると思います。そして、ティム・アトキン氏も92ポイント付けています!ご検討くださいませ。超お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【誰もピノ・ブランだとは判らないのでは?・・ピノ・ブランと言う品種の真の姿がここに有ります!まさにピノ・ノワールの娘?的な見事な出来です!】

 激旨です!・・すみませんが1級のラ・ペリエール・ブラン2017はまだ飲めていませんが、

「A.C.ブルのピノ・ブランが村名並みでこの出来と考えると、ラ・ペリエール・ブランのエレガンスはとんでも無いことになっているはず!」

と思えます。


 通常、ピノ・ブランのブルゴーニュワインを飲めば・・

「・・ん・・ピノ・ブランだよね~。」

と、ブラインドでも判りますよね。ちょっと中域にクセが有って、少し抜けるんですよ。拡がり切らないシャルドネと言うか、やはり個性的な味わいでは有ります。


 ところがです。この2017年のピノ・ブランのエレガンスは半端無いです!・・何が凄いって・・

「クリスタルに包まれた上品な丸い果実!」

じゃないかと思えるほどに輝き、滑らかで、美しいです。これは飲まなければ判りませんよね・・ピノ・ブランだしね~・・・と思ってしまうはずですから。


 敢えて言うなら、

「ピノ・ブランだからこそ出来たシャルドネを超えるエレガンス!」

と言えるかもしれません。


 超繊細です。絹糸のように繊細で、それがクリスタルで出来ていると・・思ってください。素晴らしいです!


 1級レ・ペリエール・ブランは、クロ・デ・ポレのピノ・ノワールの突然変異種です。通称「ピノ・グージュ」。2016年ものはほぼ91ポイントほどのメディア評価でしたが・・今のところはすみません、2017年ものの評価が見つけられませんが、

「2016年ものを超えてくることは確実なはず!」

です。


 取りあえずはブルゴーニュ・ブラン2017を飲んでみてください。そしてきっとビックリするはずですよ・・。凄いミネラリティですから・・。

「・・これがアンリ・グージュ!」

と思われるに違い在りません。お勧めします!是非飲んでみてください!


2022 Cote de Nuits Villages (Maison)
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ(メゾン)

19218
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ドメーヌ・アンリ・グージュ

■エージェント情報
 ニュイ=サン=ジョルジュから少し南下した所にある「les Grandes Vignes(レ・グランド・ヴィーニュ)」という石がたくさん散らばる茶色い石灰質土壌の畑で新樽約20%で醸造しています。色調は比較的明るく、甘い果実味とスパイシーな酸味、タンニンも穏やかでアンリ・グージュのワインとしては薄旨系の味わいになります。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  6   ご注文数   本
¥8,350 (外税) 
【激エレガント!・・石切り場近くのミネラリティが半端ない畑から!・・今飲んでも美味しいです!】---すみません、テイスティング漏れです・・以前のレヴューを掲載しています。
 今、noisy が最も注目しているのは、ニュイ=サン=ジョルジュの南側にある・・単独の村のアペラシオンを得られないこの地域、

「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ」

です。まさにこのレ・グランド・ヴィーニュ辺りの畑に期待しています。なぜって・・それは、


「非常にエレガントでピノ・ノワールにもシャルドネにも・・相当期待が出来るし、今まで単独のアペラシオンが無かった性でリーズナブルだから」

です。

 まぁ・・このコート・ド・ニュイ=ヴィラージュについては結構にご紹介させていただいていますので、ここでは詳細は述べません。ですが、

「本当に期待している」

んですね。

 なので、渡仏されるインポーターさんには、

「Go Pro 持って行ってガンガン撮ってきて!」

と頼んでいるんですが、インポータさんも造り手さんもそれぞれに色々と遠慮したり、見せたく無いものが映り込んだりして都合の良くない状況にならないように・・結構に消極的です。

 でも・・地図にも載っていない訳ですから是非何とかして欲しいと思っています。

 この・・穏やかな淡目の色彩ながら、斜めに走る涙と・・なんとなく映っているような多量なミネラリティ・・noisy には何とも感動的です。

 とてもじゃないが開いているなんて思えないのに、

「今飲んでも絶好調で旨い!」

んですよね。

 その昔、結構に扱わせていただいていた、引退されたショパン・グロフィエが自宅の庭近くで造っていた、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュに少し似ていて、グロフィエはもう少し「赤~茶色の土」のニュアンスが多かったと記憶していますが、さらに

「とてもハードなミネラリティを溶け込ませている」

と感じます。

 ですから、今飲んでも美味しいんですが・・これ、

「5年ほど寝かせたら化けるんじゃないか?」

と言う疑惑?を・・持っています。


 もし可能なら・・ちょっと待ってみてください。まぁ‥待てないでしょうけど!超お勧めします!・・飲んじゃったので少ないです。


2022 Nuits-Saint-Georges (Maison)
ニュイ=サン=ジョルジュ(メゾン)

19217
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ニュイ=サン=ジョルジュ
ドメーヌ・アンリ・グージュ

■エージェント情報
 ピノ・ノワール種100%。南北に分かれているニュイ=サン=ジョルジュの畑のヴォーヌ=ロマネ側に位置する「la Charmotte(ラ・シャルモット)」の区画を中心に複数区画の葡萄を混ぜて造られたヴィラージュ物のワイン。1/3が1947年植樹の古木の葡萄を使用していてその他は1968年、1975年、1985年、1990年植樹の小さな区画が混ぜられています。醸造は、アルコール醗酵後に樽詰めされたものを購入し、ドメーヌの地下蔵で新樽20%で熟成させています。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  5   ご注文数   本
¥11,680 (外税) 
【ん・・確かに・・・ちょっとヴォーヌ=ロマネっぽい・・優しいイメージを増大させたメゾンもののニュイ=サン=ジョルジュ村名です!】
 ん~・・村名、2つもいらないのになぁ・・と内心思っている訳です。それなら、

「きちんとリューディで分けてよ」

と・・思っているんですね。

 まぁ、アンリ・グージュの方では、

「ヴォーヌ=ロマネ側のニュイ=サン=ジョルジュ村名をリリースしたいんだ」

と何らかの思惑を持っているのかもしれませんが、ただでさえアイテムが多いのに、

「テイスティングも大変。メディアも評価を出さないし。」

と言うことで、なんとなく宙ぶらりんになっているメゾンものの村名ニュイ=サン=ジョルジュです。

 2021年もののメゾンもの村名は・・

「ちょっと出来過ぎたか・・余りドメーヌものとの差を感じなかった」

もので、正直に書いたんですが・・余り読んでいただけなかったのか、残ってますね。

 で、2022年もののドメーヌものとメゾンものの比較では、

「圧倒的に異なる」

のを確認しています。ドメーヌもの・・凄いです。こちらのメゾンものは良く言ってもチャーミング・・やや小ぶりに仕上がっている出来です。


 で、それでイマイチなのか?・・と聞かれますと、そうでは無いんですね。2021年ものではドメーヌものと余り差は無いと書いていますが、2022年もののメゾンの村名はドメーヌものに全く届きません。

 しかし!・・あ、良いのかな?・・まぁ・・良いか・・。

 もし、2021年もののメゾンものと2022年もののメゾンものを比較出来たとしたらどうか?・・と言いますと・・

「ポテンシャルではおそらく2022年ものが上」

と判断しています。

 それほどに2022年ものは素晴らしいです。瑞々しさと美しさで今までのアンリ・グージュのワインを凌駕してしまうと・・思うんですね。

 なので、先にリリースされたものは熟成は先に進んでいきますから、

「その瞬間の美味しさの比較は・・単純には出来ない」

ので悪しからず。

 リーズナブルなニュイ=サン=ジョルジュ村名です。ぜひご検討くださいませ。



 以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい!・・ドメーヌものとそん色無い出来!・・ついにそこまで来たかと、非常な喜びを感じます!】

 まぁ・・メゾンものの1級レ・カイユが94ポイント取得と、素晴らしい出来になっている2021年もののアンリ・グージュですが、この村名も2021年ものでは、

「ん・・ドメーヌものとそん色無い出来になって来た!」

と感じることが出来ました。

 ドメーヌものは海外メディアで92ポイントほど取得していますが、noisy 的にはこのメゾンものがその位の評価になりますから、ある意味では大当たりですが、どこか・・

「ドメーヌものの村名はもっと高く付けて良いのでは?」

と言うような気持ちも少しだけ有ります・・。

 しかし、この村名も・・あ、これもフィネスさんにテイスティングされた残りをいただきました。ご協力感謝いたします。

 なので、ちょうどコナレて到着したのか・・もう、普通にとっても美味しいんですね・・。滑らかで口内から鼻に抜けて行く香りが赤く愛らしく、最後に密度を適度に感じさせてくれて・・完全に・・

「飲みに入ってしまうモード」

になりそうになりました。

 あ、不思議なことをお書きしますがご容赦ください。何度も経験していることです。

 栓を抜かずに結構に移動で動かして、その直後に抜栓して飲むと・・結構に悲惨ですよね・・?・・何かバランスが崩れているような味わいに感じるかと思います。

 ところがですね・・栓を抜いて長いこと動かして、あまり休めずに逆刺ししたコルクを抜いて飲み始めると・・結構な確率で、「良い感じ」になっていると感じることが多いんです。

 例えばリアルワインガイドのテイスティングで、noisy は担当のワインを余り持ち帰らないんですが、稀に・・再テイスティングが必要な場合があると、そのボトルを持ち帰ってすぐ飲んだりする訳です。すると、結構にいい感じでコナレていまして、抜いていないボトルを動かしたものよりも数段上の味わいになっていたりするんですね。

 なので、このメゾンの村名ニュイ=サン=ジョルジュも、そんな感じになっていたかもしれない訳ですが、それを差し引いたとしても、

「エレガンスがバッチリ、バランス良くて深みもたっぷりあって・・今から飲んでも充分に美味しいのでは?」

と感じた次第です。

 色彩も良いでしょう?・・2020年ものの、

「赤が濃い~~」

 のも惹かれますが、noisy としましてはこの位のものが好みです・・皆さんはどうかわかりませんが・・ぜひ飲んでみてください。リーズナブルだと思います!


 以下は以前のレヴューです。
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【今飲んで、2020年もののグージュの美味しさが物凄く良く判るのがこのメゾンものです!美しく、バランスよく、フィネスたっぷりです!滅茶美味しい!】

 まぁ・・メゾンものじゃぁなぁ・・と思ってしまわれる方が多いとは思いますが、今飲んで最高に旨いのはこの「メゾンもののニュイ村名」です。ドメーヌものは濃密なだけにまだ仕上がり切ってはいないんですね。それだけ・・

「2020年は呆れるほど良いヴィンテージだった!」

と言うことなのでしょう。

 そしてグージュのトップ・キュヴェの「レ・サン=ジョルジュ」は、その凄かったヴィンテージを記念するかのように、1本化粧箱に入っています。まるでもう、

「レ・サン=ジョルジュはグラン・クリュ(並みの扱い)」

と言いたげでも有ります。


 しかしながら2年続きの物凄い質の上昇は、この2020年ものの恐ろしいほど質が良い、そして破壊的な果実の風味を連れて来ましたので・・noisy もだいぶ戸惑った訳です。

 それでもこの・・まぁ一段落ちる訳ですがメゾンもののニュイ村名を飲ませていただいたことで、

「自身のレヴューに確信が持て、自信が持てた!」

んですね。

 3枚目の写真はドメーヌもののニュイ村名の全景です。メゾンものよりも、より・・濃密さを纏っているのがお判りでしょう。この果実の風味の多さ故に、仕上がりに時間が掛かっている訳です。

 で・・このメゾンものを飲むと、ドメーヌものの村名や1級のワインたちの成長具合、そしてその資質を推量することが可能です。

 海外メディアも、2020年もののアンリ・グージュの評価は、若干割れ気味です。

 例えば、ドップ・キュヴェのレ・サン=ジョルジュで言えば、信頼性の高い La Revue du Vin de France 誌では、上値97ポイントと・・まさにグラン・クリュ並みの評価がなされている一方、ティム・アトキン氏は95ポイント、ジャスパー・モリス氏は上値93ポイントと低調です。ジャスパーさんは下値も有り、89~93ポイントとかなり幅を持たせた上での低調さです。

 思うに、この2020年ものの「濃度」と「質」「バランス」をどのように見極めるか・・見極めたかの差でしょう。ラ・ルヴェ・デュ・ヴァン・ド・フランス誌はしっかり見極めたうえで、94~97ポイントとしたようです。

 残念ながら noisy は、2本しかない高価なレ・サン=ジョルジュを開けられませんでしたので、そこへの割り込みは控えさせていただきますが・・

「少なくとも、このメゾンもののニュイ村名、そしてテイスティングさせていただいた他のキュヴェを飲む限りにおいて、ジャスパーさんの評価は受け入れられない」

と思わざるを得ません。

 この下の、3枚目の写真はドメーヌもののニュイ村名です。こちらにはジャスパーさんは90ポイント、そしてあの半端無いA.C.ブルには・・83~86ポイントと過小評価しているように思います。まぁ、ブルゴーニュワインらしくないとか・・言っていらっしゃるのかもしれませんが。


 非常に精緻で繊細さが出ています。色彩の濃淡は、ドメーヌものが濃いですがメゾンものも薄くは無く、その差はそんなに大きいとは思えませんが、それでも味わいもアロマも、とんでも無く差が有ります。

 今飲んで滅茶美味しい・・2020年のアンリ・グージュのワインを理解するのに最高の1本です。そこにもしA.C.ブルが有れば、またとない経験になるでしょう。圧巻な2020年、是非ご賞味くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【・・・なんと、ドメーヌものじゃない村名ニュイ=サン=ジョルジュの登場です!ヴォーヌ=ロマネっぽいバランスで旨いです!】

 面白いですね~・・ドメーヌとメゾンの両方の村名ニュイ=サン=ジョルジュをリリースするなんて・・しかも数の無い2019年ものを、樽買いとは言え入手できると言うのは、やはり人望とか影響力とかのパワーをアンリ・グージュが持っている・・と言うことなんでしょうね。

 ドメーヌものの方はそちらのコラムをご覧いただくとして、このメゾンものはドメーヌものにはポテンシャル的には届かないとしても、かなり美味しいです。

 お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、今回の2019年ものアンリ・グージュのご紹介には、何と2枚ずつの写真をご用意しています。1枚は超接写、もう1枚は少し引いたものか全景で撮っています。

 そして・・これもお気付きかどうか判りませんが、

「2019年もののアンリ・グージュのワインの色彩の美しさ!」

を感じていただけると思うんですね・・。滅茶苦茶美しいでしょう?・・美味しそうなワインの色をしていると・・思えないですか?


 noisy も折に触れ、色につきてお伝えして来ていると思いますが、

「ワインの色で相当判るものが有る」

訳です。

 やはり美しく見えるものはまず・・美しいワインです。澱んでいるものは・・やはりどこか澱んだ味わいがします・・しかしそれは、澱んでいるから美しく無い・・と言うことでは無いんですね。澱んでいても美しい香り・味わいのワインも有りますし、そんなワインは澱んでいても美しさが見えている、映し出されているはずなんです。


 このメゾンの村名はどうでしょう?・・美しいですよね・・で、それなりに濃度が出ているのが判るんじゃないかと思います。むしろ、ドメーヌの2019年1級レ・ヴォークランに近いほどの濃い感じにも思える程です。

 で、この下には「ドメーヌものの村名」の写真をご案内しています・・3枚目です。・・どっちがお好みでしょうか?・・むしろドメーヌものの方が、

「より淡い感じ」

に見えませんか?

 そして、赤い果実が美しくエキスに反映されているような感じに・・見えないでしょうか?

 さらには、ミネラリティさえ・・3枚目のドメーヌものの村名の方が、よりしっかり内包されているように見えるんじゃないかと思うんですね。

 そして、ドメーヌものには何故か太目の涙が流れていて、メゾンものには無いですよね・・面白いですね~・・

 いや・・面白いのはこれからなんですよ。実はメゾンものの村名のワインも、

「むしろアンリ・グージュをしっかり表現しているように感じられてしまう」

んです。それも、2017年位までのドメーヌ・アンリ・グージュのニュイ村名を飲んでいるかのようなニュアンスに近いような感じなんです。

 それでも、タンニンが前面に出てしまって果実を背景に追いやっているような感じにはなってはいません。むしろ2018~2019年のアンリ・グージュの美しい味わいを知ったからこそ、このメゾンのワインがそのように感じられてしまうのかと・・思っています。


 単独でこのワインを評価するとしますと及第点をあげられる、今飲んでもとても美味しい・・少しヴォーヌ=ロマネっぽさの有るニュイ=サン=ジョルジュです。しかもアンリ・グージュっぽいニュアンスもちゃんと持っています。テクスチュアは非常に肌理が細かくしなやかです。果実も赤を中心に黒が混じり、茶は余り感じませんので土っぽさは無い・・もしくは少ないです。なかなかこのレベルに仕上がってくるニュイ村名は少ないと思いますよ。ヴォーヌ=ロマネよりのラ・シャルモットが中心のようですが、他の畑はどこなのかとか・・は判りませんが、日照に恵まれる条件の良い畑で有ることは間違い無さそうです。

 とても良い比較アイテムになっていると思います。是非飲んでみて下さい。2019年のアンリ・グージュ、大化けした理由を確認できると思います。ご検討くださいませ。

(くれぐれも3枚目の写真はドメーヌものですのでお間違い無きよう・・)


2022 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Porrets St-Georges Magnum
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ポレ・サン=ジョルジュ・マグナム

19209
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ニュイ=サン=ジョルジュ
ドメーヌ・アンリ・グージュ

■メディア評価
◇2022年もの
 94 Points la Revue du Vin de France
 91~94 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
 93~94 Points 2028~2035 Sarah Marsh MW

 93.5 Points Cellar Tracker
 90~92 Points Burghound.com
◇2021年もの
 参考:97 Points la Revue du Vin de France
 94 Points 2035-2100 John Gilman
 94 Points Tim Atkin
 92~94 Points Jasper Morris
 92~94 Points Vinous
 91~93 Points Burghound Outstanding! Burghound
 91 Points Decanter
◇2020年もの
 94 Points Tim Atkin
 90~93 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
◇2019年もの
 91~94 Points Jasper Morris Inside Burgundy
 93 Points Wine Spectator
 90~92 points Vinous
 89~92 points Allen Meadows - Burghound
◇2018年もの
 93 Points Tim Atkin

■エージェント情報
 ピノ・ノワール種100%。畑の広さは約3.5haで南側(ボーヌ側)に位置し、粘土の層が厚いリッチな土壌で東向きの日当たりが良い場所にあります。区画名は「les Poirets(レ ポワレ)」ですが、詳しくは「Porrets Saint-Georges(ポレ・サン=ジョルジュ)」と「Clos des Porrets Saint-Georges(クロ・デ・ポレ・サン=ジョルジュ)」に分類され、「Clos des Porrets Saint-Georges」を単独所有しているこのドメーヌでは詳しい畑名を採用し、このように名付けています。骨格が太く、凝縮感がありミネラルも豊富でしっかりとした味わいです。
新着メンバー登録画像  1500ML 在庫  1   ご注文数   本
¥40,880 (外税) 
【ニュイ=サン=ジョルジュでは濃厚濃密なレ・ヴォークラン、レ・カイユの北隣にあるクロ・デ・ポレですが、軽妙な複雑さとミネラリティの高さ独特の美味しさを感じさせてくる逸品です!】
 2021年ものはRVF誌が97ポイント・・と言う凄い評価ネットサーフィンで見つけてしまいまして・・何せRVF誌は買ってないので・・

「ん~・・ガセかな?」

と思いましたが一応載せさせていただきました。ネットの情報はガセも含みますし、勘違いや間違い、はたまたは乗っ取りで書き換えまで有るようですから・・恐ろしいですよね。日航のサーバーが攻撃されて飛行機が止まったそうですが、noisy も毎日2時間ほどは、見えぬ攻撃者と戦い続けています。結構に大変です。お客様にそんなことを言うと不安を与えてしまうかもしれませんが、そうならないようにかなりの防御をしていますし、構成も考慮していますのでご安心ください。

 1枚目の写真を見ていただきますとお判りいただけるかもしれませんが、

「ツヤツヤに輝いているように見える!」

と思うんですが・・そのまんま・・その通りです。

 で、そのツヤツヤはやはり、やや硬いミネラリティでコーティングされているなテクスチュアになり、伸びやかで非常に心地良いです。

 2022年のアンリ・グージュは、何を飲んでも、

「激エレガントで瑞々しく、力に頼った部分をまったく感じない」

と言う、本当に有難いスタイルです。

 ですから、もし以前のような・・

「パワフルなニュイ=サン=ジョルジュ」

というイメージをお持ちでしたら、この際はお忘れいただいた方が良いかと思います。

 かと言って、

「じゃぁ・・弱くなったの?」

と聞かれましても・・そんな話しでは無いと・・お返しすることになります。

 やはり、So2 の少なさがディテールを見えやすくしていますし、ストレスの無い味わいが美しさを引き立たせています。一瞬、余りに美しくて見えないようにも感じても、

「中盤以降に細やかな表情で現れる」

んですね。

 押しつけがましく無い・・だからエレガントなんだと言う訳ですが、2022年のアンリ・グージュは・・大変革をほぼ完成させたと理解しています。

 クロ・デ・ポレは比較的リーズナブルな1級ですが、評価も付いてきて・・このところは

「94ポイントをいつ上回るか?」

と言う興味が捨てられませんが、この美しさ基本のクロ・デ・ポレを海外メディアもきちんと評価しているのが素晴らしいことだとも思います。まぁ・・前述の97ポイントは流石に・・とは思いますが!

 復活した大ドメーヌの看板でもあるモノポールです。ぜひ飲んでみてください。お薦めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【RVF誌の97ポイントは未確認ですが、ジャスパー・モリス氏の上値94ポイントは確認しました!・・このモノポールに掛ける思いが牽引になっているのでしょう!】

 RVFの評価は・・97ポイントと未確認のまま掲載するのにビビりまして、一応「参考」とさせていただきました。ですが、そのように掲載しているサイトも在りました。

 バランスの良かった2019年もの、ドライながらとても濃密だった2020年ものよりも、「94」と言う数字が光って見える感じで・・これはどうみても、

「2019~2020年超えの評価」

として良いんじゃないかと思います。

 ですが、2021年ものは2019年もの、2020年ものとは似せても似つかないと思われるんですね。非常にエレガントで充実しており、細やかな表情が取りやすいと感じます。なんでレ・サン=ジョルジュを低めに(95ポイントほど)にしたのかが良く理解できず・・困っていますが、2本しかないレ・サン=ジョルジュを開ける訳にいかず・・

 「艶やかな珠」のごとくになっているはずのこのクロ・デ・ポレ2021年ものです。評価も高く、価格も適正だと思います。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【グージュ自慢のクロ・デ・ポレ・モノポールの2020年!・・普通ならレ・サン=ジョルジュに次ぐワインです!】

 非常に濃密に仕上がった2020年ものです。しかししっかり酸が有り、滅茶苦茶精緻な味わいです。果実感もリアルですがその分、細やかな表情は奥に引っ込んでいる現状が想像されます。

 それを踏まえて海外メディアの評価を見ると納得です。ジャスパーさんは2019年よりも上値を1ポイント下げて93ポイント、ティム・アトキンさんは2018年を超える94ポイントです。

 ここで再度ジャン=ニコラ・メオさんの言葉を思い出してみますと、「2020年ものをさっさと飲んでしまうことはお勧めしない」・・でした。つまり、

「2020年ものを早飲みすると勘違いする。本領発揮には時間が掛かる。」

と言っている訳です。

 メオ自身のワインは、グージュほどは濃密では有りませんでした。しかし、ルーミエもルジェも・・マンモス果実な2020年ものを造り上げました。ですから、

「2020年ものは、例え今美味しく飲めたとしても、また今一つと感じたとしても実はそこが限界では無い。(有名メディアのテイスターでさえポテンシャルを取り切れないのだから。)」

と言うことだと思います。ご検討くださいませ。



 以下は以前のレヴューです。
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【レ・シェニョと同格・・と思えるクロ・デ・ポレは、レ・シェニョよりも優れた果実の深みと丸みのある見事なバランスをしています!ついに94ポイントまで来ました!】

 良いですね~!・・これ、この価格帯の白眉をプルリエと争える出来です。エレガンス主体のシェニョと違うのは、シェニョはヴォーヌ=ロマネ側のクリマであるのに対し、このクロ・デ・ポレはニュイの村の南側、そしてあの「レ・カイユ」の北に接する「レ・ポワレ」の中のクロ・デ・ポレ・・なんですね。

 レ・カイユとは同高度に有りますので、やはり力強さは有ります。2019年ものはネゴスのレ・カイユも有りますんで・・色など、是非見比べてみて下さい・・ね?・・似てるでしょう?

 それなりに濃く見えるでしょう?・・でも飲んでみると、全然「濃い」なんて思わないはずなんですよ。

 それに、ニュイらしい「茶系の土のニュアンス」は・・見えますか?・・2018年ものには僅かに・・認められるかもしれません。でも2019年ものには有りません。

 どこまでも純粋でやや濃い目、赤を幾重にも積層させたような色彩をしていると思うんですね。


 やはりこのクロ・デ・ポレも、収穫のタイミングを前倒ししているはずなんですね。それが実に良い方に向かいまして、その昔でしたら、

「熟しているが太いタンニンに阻まれた果実が奥に引っ込み、エレガントなのか、パワフルなのか良く判らない」

と言うのがリリース直後の感想だった訳です。

 申し訳ないですが・・その頃のnoisy が感じていたのは・・余り良い言葉では無いですが・・本心でした。

「・・ボルドーじゃないんだから・・」

 最も5年ほど熟成させますと、豊かだがちょっと邪魔な存在だったタンニンも落ち着きを見せ始め、グージュらしいやや太目の味わいのニュイを感じさせてくれたものでは有ります。なので、ご案内していない2014年ものなどは、数本開けてみて、良ければご案内しようと思っているところです。

 で、このクロ・デ・ポレ、絶妙のバランスを持っています。果実もしっかりです。しかもエレガンスをしっかり持っている見事な味わいです。レ・カイユはもう・・化け物みたいな果実を感じさせてくれますが、このクロ・デ・ポレは何とも・・旨いとしか言いようが無いですね。

 そしてシェヌ・カルトーとも全然違います・・畑は非常に近いですが・・

「これほどまでに畑の個性を感じさせてくれるニュイ=サン=ジョルジュの造り手はいないだろう!」

 そして、

「noisy 的に大好きなエキス系の味わいを自身のものにしたアンリ・グージュ2019年に拍手を!」

と思っています。素晴らしく旨いので、これ、是非飲んで欲しいです・・どうぞよろしくお願いいたします。


 以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい!・・複雑性、フィネス、高貴さ、美しさ、凝縮感・・どれも超一級品です!超お勧め・・是非飲んでみて下さい!】


 凄いです~!・・これはもう・・最高ですね。存在が光り輝いてます!

 奥に黒果実とタンニンが透明なミネラリティにコーティングされて鎮座、目前には白っぽさのあるミネラリティが赤果実と共に存在していて、そのハーモニーが見事にたなびく感じで縦伸びして行く・・

 もうこれ以上、言うことは無いじゃないですか。ものの見事なブルゴーニュ・ピノ・ノワールのエレガンスそのものですよ・・。後はこのクロ・デ・ポレと言うテロワールを自身でどう見極めるかだけ・・でしょう?


 この艶やかなミネラリティに包まれたピノ・ノワールは、ビターな美味しさと甘美な美味しさの二面を持ち合わせています。それが黒果実で有り、赤果実でも有ります。そしてそれらが見事なまでに凛としているんですよ。

 ちょっと・・凄いメオ=カミュゼのニュイ1級と、飲み比べてみたくなってしまった訳ですね・・。そのうちやってみようと思っています。

 ですが・・肝心のティム・アトキンさんが、シェヌ・カルトーと同点の93ポイントなんですね・・・まぁ、ドメーヌ・アンリ・グージュではどちらも価格的には下位にランクされている1級では有るんですが、シェヌ・カルトーの美味しさに93ポイントは理解できるものの、

「ん~・・このクロ・デ・ポレに同点って言うのはなぁ・・」

と、ちょっとクレーム付けたいですね。


 ですが、そもそも論で今までこれほどの高い評価をいただいたことは無かったんじゃないかと思われますので・・スペクテイターはちょっとパワフル系がお好きなようなので95ポイントとか得たヴィンテージも有りますが、繊細系としてちゃんと評価しての評価で95点、欲しかったですね。

 是非ともこのワインだけは飲んでみていただきたい・・アンリ・グージュの素晴らしさが詰まったワインだと思います。ご検討くださいませ。



 以下は以前のレヴューです。
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【流石のテード・ド・キュヴェ!ご自慢のクロ・デ・ポレは物凄いエレガンスです!もう・・ビックリ!】

 アンリ・グージュご自慢のテート・ド・キュヴェの中で飲めたのは、ポレとプリュリエですが、現在の状況ですと、クロ・デ・ポレが素晴らしいですね。圧巻のエレガンスですよ。

 もう、左のグラスの写真を見ても、ボトルが無ければ・・グージュだとは判らないですよね。因みに範囲と大きさの調整はしましたが、色味の調整は一切しておりませんので・・はい。リアルな写真になっています。

 全くのエキス系の見事な味わいです。タンニンになど言及する必要性は全く有りません。ちゃんと有りますが、クリスタルの中から一生懸命に探し出さない限り、見つかりません。

 テクスチュアがまた最高で、「つやつやのつるつる」です。仄かに漏れてくる果実感が口内とノーズに拡がって来る喜びが非常に大きいです・・良いピノって・・やはりそうですよね?

 思い切りドライなのに、とんがった部分が見当たらず、滑らかで超エレガント!・・各メディアは94ポイント位が多いですが、95点でも良いんじゃないか・・と思います。

 2017年のアンリ・グージュ、早めにその素晴らしさ、最高到達点に近い部分を見たい方は、このクロ・デ・ポレの選択が間違いないです。是非ともご検討ください・・あぁ・・これを一推しにしたい!・・です!

メゾン・アンリ・グージュ

アンリ・グージュ

フランス Maison Henri Gouges ブルゴーニュ
● 2019年もので「巨人覚醒」をお伝えしたアンリ・グージュの・・新たに向かう道が見えた2022年ものをご紹介させていただきます。

 2024年12月初頭、フィネスさんのワイン試飲会が行われました。そこでは多くのアイテムが出品されました。ジョルジュ・ルーミエ、メオ=カミュゼ、マルキ・ダンジェルヴィーユなどなど・・凄い面々ばかりの試飲会です。

 そこでの一番の人気になったのが、何と・・

「2022年アンリ・グージュ」

でした。

 実際に Noisy wine からはオイジーが参加させていただき、多くのワインをテイスティングして来ましたが、彼曰く・・

「アンリ・グージュがあんなに美味しいとは想像してなかった」

と・・。

 それに加え、Noisy wine の担当のKさんにも確認しましたが、

「アンリ・グージュの評判が一番でした。」

とのことでした。

 noisy も・・そりゃぁ頑張ってテイスティングしなくちゃ・・と言うことで、新アイテムのグラン・クリュ、

「2022 エシェゾー(・デュ・ドゥスユ)」
「2022 クロ・ド・ヴージョ(・グラン・モーペルテュイ)」

まで、フィネスさんのご協力をいただきまして敢行しました。


 そして2022年のアンリ・グージュのワインの姿が、

「一貫している」

ことに気付き、また・・

「おそらく過去最高であろう」

と結論させていただきました。


 決してリキミを感じさせない、見事に美しい液体で、どこまでも瑞々しく、表現もトップレベルでエレガント・・細やかな表情に驚きを感じました。

 まぁ・・

「またまた・・そんなこと言って・・」

と思われるかもしれませんが、本心です・・。


 激エレガントな2022 エシェゾー・デュ・ドゥスユです。信じられます?・・ジャイエ・ジル、セシル・トランブレイ、デ・ペルドリのそれらからは、

「エレガントだ!」

などとはとても言えない・・そんなイメージしか noisy には有りません。余りに美しくて、

「最高の出来のシャンボールかよ!」

とボトルに突っ込みを入れてしまいました。

 クロ・ド・ヴージョ(・グラン・モーペルテュイ)2022もそうです。とんでもなく美しい系のクロ・ド・ヴージョです。しかもグラン=ゼシェゾーの真下の区画です。

「いったい・・どうやって入手したの?」

と考えこまずにはいられませんでした。


 その美しさはアンリ・グージュの他のキュヴェと共通です。レ・ヴォークランがとんでもなく美しいんですから・・(^^;;

 もし騙されても良いとお考えになられましたら、是非ともご検討よろしくお願いいたします。有り難うございました。


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 巨人覚醒をお知らせした2022年1月からちょうど1年が経ちました。2020年のアンリ・グージュを紹介させていただきます。

 ビックリするような変貌を遂げたアンリ・グージュですが、2020年もの・・いや・・もう驚いたのなんのって・・半端無い驚きでして、思わずフィネスのK君に電話してしまいましたよ。

 なぜって・・

「A.C.ブルがめっちゃくちゃ・・旨い・・」

「・・でも・・なんとそれはフルーツ爆弾!」

「えっ?・・ピノ・ノワールのフルーツ爆弾って・・何?」

って訳です。


 ですがどうやらこれは、ヴォーヌ=ロマネ近郊の2020年ものの特徴のようです。グロ・フレールだけはそれなりにエレガントでしたけどね。・・で、これです。

 未発売の2020年のエマニュエル・ルジェのパストゥグランです。

「・・えっ?」

と、皆さんの驚かれる顔が目に浮かびます。そうなんですよ・・流石にここまでは濃密では無いにせよ、

「グージュのA.C.ブルも滅茶濃密でピュアで精緻!」

です。

 ニュイ=サン=ジョルジュ村名も同様ですが、新樽の使用率が高い分、A.C.ブルのようなフルーツ爆弾的ではないんですね。今飲まれるなら、メゾンもののニュイ村名が滅茶旨いです。

 このように・・数が全く無い2020年ものですが、考えられないほどの精緻さと濃密さの両立と遂げたのが2020年のアンリ・グージュです。ですが・・残念にも余りに数が無く、noisy のテイスティングも狭い範囲にとどまらずを得ませんでした。

 ですので、このように思っていただけると間違いないと思います。

 2020年のアンリ・グージュは、

1.今でも美味しくは飲めてしまうが、基本、3年以上寝かせた方が良い。メオ=カミュゼのジャン=ニコラ・メオさんが、「2020年ものをさっさと飲んでしまうのはお勧めしない。グレートヴィンテージだから。」

2.今飲んで良いのは、赤ではフルーツ爆弾ピノ・ノワールのA.C.ブルと、滅茶美しいメゾンもののニュイ=サン=ジョルジュ村名だけ。白はA.C.ブルのピノ・ブラン(絶品!)。

3.その他は3~5年置かれることをお勧め。

です。


 アチコチに面白い写真を貼ってありますし、海外メディア情報も掲載していますので、ぜひご参考にされ、

「希少だが半端無い濃度を得た2020年のアンリ・グージュ」

をご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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 眠れる巨人、ついに覚醒!・・と言って良いでしょう!・・圧巻の2019年ものを造り上げたアンリ・グージュをご紹介させていただきます!

 いや~・・ここまで長い年月が掛かりました・・。Noisy wine としましては、2017年ものからドメーヌ・アンリ・グージュのワインをご紹介させていただいています・・が、実は2013年ものから仕入は行っていました。ただし2015年ものにつきましては、フィネスさんが気を使ってくれたのかどうか判りませんが、2014年ものをお蔵入りしてお客様にご紹介しなかったのを見られてか、オファーが無かった・・ような気がします・・いや、もしかしたら2015年ものは2014年ものを抱えたままなので・・とnoisy が伝えた性なのかもしれませんが、余りに昔の話しなので忘れてしまいました。

 2014年~2016年ものをご紹介せずにお蔵入りにしてしまったのは理由は多々在りますが、一つには、

「タンニンが前面に出ていて、リリース直後に飲まれる可能性が有る場合は余りふさわしく無いか・・。」

と言う気持ちと、

「どうやってご紹介したら良いか・・その構想を練っている時間が無い・・」

みたいな感じで、気付くともう1年が過ぎ、2年が過ぎ3年目の・・みたいなスパイラルになってしまった訳です。


 しかしながら2017年ものをテイスティングしたところ(・・いや、それ以前のものも飲んでいますが)、明らかな変化が認められ、タンニンが前面の表情から撤退し奥に隠れるようになり、その質の良さが素晴らしいもの担ってきたことが判った訳ですね。ですので・・2017年ものはそのままご紹介させていただいたんです。

 そして2018年ものはその路線をさらに拡充し、非常に美しいワインになったことをご報告させていただきました。

 で・・2019年ものは・・圧巻でした!・・これはもう・・ニュイのトップと言っても過言では無い出来!・・しかもニュイの持つテロワールの違いが、「これでもか!」と言うほどに異なっていること、そしてそれに加えて、

「圧巻な美味しさ!」

をも感じさせてくれる凄いワインになっていたんです。


 シェヌ・カルトーの実に愛らしい、可憐でエレガントで超繊細な味わいに惚れ惚れとしてしまいました。カイユの物凄い果皮が集中しつつもバランスの良い圧倒的な味わい、クロ・デ・ポレのエレガンスと真ん丸なパレットを描く超バランスな味わい、ヴォークランのパワフルさ全開ながら、ニュイの持つ構造の深さを感じさせる味わい、そしてピノ・ブランの白のブラッシュアップは、どこか中抜けして感じられてしまうピノ・ブランの個性を、集中感とフレッシュ感、そして滑らかさが見事なバランスを感じさせてくれるようになっていたんですね。

 2019年ものは、アンリ・グージュにとって記念のヴィンテージだったようで、トップ・キュヴェの「レ・サンジョルジュ」は特別なエチケットでリリースされ、価格もかなり上昇していますし、しかも入荷量が・・信じられないほど少ないです・・無いと言っても良いかもしれません!でも、他の1級の味わいを見れば、相当に凄いワインになったことはうかがい知れます。

 これはnoisy 個人の判断では有りますが、おそらく・・「収穫時期を早めた」んじゃないか?・・と思うんですね。2016年までのアンリ・グージュはタンニンの成熟をしっかり待つことに気持ちを集中するが余り、収穫のタイミングが遅かったんじゃ無いか?・・と。それが集成され、美しい果実味とタンニンをベストな配分で持てるようになった・・のが、一番の理由かと思っています。

 これを持って、秘蔵(死蔵?)になっていた2014~2016年のグージュのワインも、再度テイスティングしてご紹介を始めたいとも思っています。

「5年経ったらリリースしよう」

と・・考えていたんですね。美味しくなっているはず・・です。


 ですがまず、この2019年のアンリ・グージュを是非ともブルゴーニュファンの方に飲んでいただきたい!・・カイユの物凄い味わいは圧巻です!・・noisy はシェヌ・カルトーに首っ丈・・きっと皆さんはクロ・デ・ポレやシェニョの味わいに驚かれるはずです!

 復活なったアンリ・グージュ!・・超お勧めしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


■ エージェント情報
 2019年は2~3月に掛けて暖かく、4月は寒くなって霜の危険があったが結局ほとんど被害は無かった。7月から非常に暑くなった影響でウドンコ病が少し発生し、収穫まで暑い日が
続いたので畑はとても乾燥した。収穫は9月14日から開始し、乾燥などの影響で収穫量は20~40%減少したが、凝縮した素晴らしい葡萄が収穫できた。2019年でドメーヌ設立100年になったのでそれを記念して「ニュイサンジョルジュ1級レサンジョルジュ」は2019年物からドメーヌの創始者であるアンリグージュが考案したラベルを使用。これはAOCが制定される以前にアンリグージュが試作で作っていたラベルで、当時は違う村の葡萄やワインを混ぜることが許されており、ニュイサンジョルジュ産のワインということを証明するためにメインラベルの上に原産地保証を示す緑色と白色のラベルが貼られている。現在ドメーヌで使用している緑色を基調としたラベルデザインはこの原産地保証ラベルを参考に考案された。また、2019年ヴィンテージは「MaisonHenriGouges」として樽買いしたワインをドメーヌで熟成させたネゴシアン物も造っている。

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グージュが良い!・・もの凄く良いです。以前のやや硬さの残るタンニンが目立つ姿は2017年ものでかなり解消され、柔らかく目立たず、質感高いものに変化して来たのはお伝えしました。「眠れる巨人、ついに覚醒か?」とまで書いてしまった以上、2018年ものは相当頑張ってテイスティングし、ドメーヌ・アンリ・グージュの現在の真の姿を暴きたい・・(すみません・・)と思っていました。

 そして2018年ものが入荷したんですが・・いや~・・良いですね~・・。

「覚醒した!」

のは間違い無いでしょう。


 何が嫌いだったか・・正直に言えば、やはりその「タンニンの姿」です。赤ワインにはやはりタンニンは必要不可欠・・と言いますか、どんな赤ワインにもタンニンは備わっており、熟成や味わいに大きな関与をしています。

 しかしながら・・ブルゴーニュワインはエレガンスが重要と考えていますから、

「硬く平板な大量のタンニン」

は好ましく無く、

「質はとても良いが目立つタンニン」

は、悪くないが・・ボルドーじゃないんだから・・と言いたくなってしまいます。


 しかしながら、

「実はちゃんと備わっているのに全く判らないほどに仕上がったタンニン」

は、これ、最高ですよね?


 昨年の2017年ものは、「質はとても良いが(少し)目立ちたがりのタンニン」が感じられたんですね。それでも他の表情は素晴らしく、

「お~・・グージュもついに来たか?」

と感じさせてくれたわけです。それだけに、2018年もののテイスティングは、ハラハラドキドキ・・「これで元に戻っちゃってたらどうしよう・・」みたいな感情が生まれて来まして、それはもう真剣にテイスティングさせていただきましたよ。


 で、2018年ものは、

「実はちゃんと備わっているのに全く判らないほどに仕上がったタンニン」

どころか、

「柔らかさと冷ややかさを持った見事なタンニンを、ミネラリティのオブラートに包みこんで美しいディテールを生み出した!」

 素晴らしい表情をしていたんですね。


 ですので、畑のテロワールも、モノの見事にクッキリと浮かび上がって来ています。クロ・デ・ポレ・・・旨いですね~・・最高です。こんな価格で良いのかな・・とも思ってしまいます。プリウレも、本来はミネラル組成の性でしょうか、バランスが良過ぎて目立たない味わいに陥りがちのワインが多いと思いますが、ふっくらとした美しい表情に微細な起伏を持っているのが良く判ります。パワフルだがやや粗暴にも感じることの有るヴォークランも、そのまんまの姿に美しさを投影出来ているんですね・・。いや、村名のニュイも滅茶美味しいですよ。


 ここからは推測に過ぎませんが、エルヴァージュを若干変えて来ていると思います。そもそも長めの熟成を掛けるのが伝統のようですが、たぶん・・そこを変えて来ているはず・・と感じました。

 そして、自然派なアプローチもついに身を結んだんだろうと思います。ピノ・グージュ(ピノ・ブラン)の白ワインも滅茶美味しいですよ。これから先にご案内予定のドイツはバーデン、ヴァーゼンハウスのヴァイスブルグンダ―が絶妙に旨いですが、若干体形は異なるとしても、そこに「気品」をプラスするとピノ・グージュに近くなるなぁ・・などと感じています。

 今回のテイスティングは、10アイテム中9アイテムで、1級レ・サンジョルジュのみテイスティングできませんでした。(ですが色々確認の意味を込めて合計10本開けています)ですが、

「今までに無いほどのレベルに仕上がった2018年、ドメーヌ・アンリ・グージュ」

で有ることは間違い無いです。


 美しさ、雅さを感じさせる素晴らしいワインです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!

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 第一次世界大戦後、父親より9haの畑を譲り受けたアンリ グージュ氏は1925年にドメーヌを設立し、マルキダンジェルヴィル氏やアルマン ルソー氏らと共にその時代に蔓延していた粗悪なブルゴーニュワインを無くす為にINAOを設立し、区画やクラスを決める際、自分たちの畑があるニュイサン ジョルジュとヴォルネーには自己贔屓をしないようにグラン・クリュを設定しませんでした。

 アンリ氏の孫のピエール氏、クリスチャン氏がそれぞれ畑と醸造を担当してドメ ーヌを運営していましたが、ピエール氏が定年を迎えたため、現在はその息子のグレゴリー氏が中心となって、ニュイ サン ジョルジュのみ15haの畑でワイン造りを行っています。

 昔からコート ドールの傾斜が急な畑では、雨が降った後に土が流れてしまうという問題がありました。これに対し、ピエール氏は1975年に葡萄の木の列の間に芝生を植え る方法を生み出しました。これは降雨後の土地の侵食を防ぐだけでなく、雑草が生えるのを抑える働きもありました。また、丈の高い雑草が生えない為に畑の通 気が良く、カビの発生を抑制する効果もありました。さらに、芝生があることで葡萄の根は横ではなく下に向かって伸びるため、地中深くの養分を吸収すること ができ、結果としてテロワールを明確に表現することができました。

 また、徐々に畑をビオロジック(有機栽培)に変えてきていて、2008年から100%ビオロジックになりました。 畑で厳選して収穫された葡萄は2007年に新設された醸造所で選別され、果皮や種の収斂性のあるタンニンを出さないように葡萄の実は潰さないまま除梗機で100%除梗され、そのまま地上階にある醗酵タンクへ重力によって運ばれます。アルコール醗酵には白はステンレスタンク、赤はコンクリートタンクを使います。コンクリートタンクはアンリ グージュ氏の時代に造られた古いものが使われており、内部には酒石酸がびっしり付着しています。このコンクリートタンクはタンク上部が開いている開放桶ではないのでアルコール醗酵の際に発生するガス(二酸化炭素)がタンク内部に溜まりやすく、醗酵作用がゆっくりと進むので、じっくりと葡萄から色とアロマを引き出します。櫂入れはタンク内に設置されている金網状の機械で行い、ガスによって押し上げられた果皮や種と果汁の接触を増やしてアロマやタンニンを引き出します。その後、新樽率約20%の樫樽に移されマロラクティック醗酵をさせて18ヵ月間熟成されます。とても綺麗な葡萄が取れるのでそのままでも十分透明感がある為、コラージュやフィルターは行わずに瓶詰めされます。


2022 Clos de Vougeot Grand Cru
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ

19215
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ニュイ=サン=ジョルジュ
メゾン・アンリ・グージュ

◆◆◆ 新キュヴェ!こちらはメゾンものです。ファーストヴィンテージです。
■エージェント情報
 ピノ・ノワール種100%。ドメーヌと親しい葡萄栽培者から葡萄を購入して醸造したキュヴェ。「Grand Maupertui(グラン・モーペルテュイ)」の区画の葡萄から造られていて、除梗100%、新樽1つと2019年物で使用した樽1つで18ヵ月間醸造して最後にアサンブラージュしています。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥54,200 (外税) 
【ファーストヴィンテージのメゾンものグラン・クリュ!・・レ・サンジョルジュ・グラン・クリュ昇格の露払いにしては出来過ぎたとしか思えないほどの仕上がりにビックリです!】
 noisy も長くワイン屋をやっていますから、1級とグラン・クリュの間には、暗くて深い溝が有ることを身に染みて判っています。

「グラン・クリュ並みの仕上がり!」

も、

「クラス越えの出来!」

の言葉も・・しょっちゅう使用しますが、少し解説すると・・こういう裏が有る訳です。

「グラン・クリュの畑ものを・・リキまずにさら~っと仕上げたものと1級畑を一生懸命に仕上げてグラン・クリュ並みに仕上げたものは、やはり違う」

んですね。

 で・・このクロ・ド・ヴージョ2022は、その前者であり、何のストレスも受けずに仕上げられた「一流の美味しさ」を内包していると言えます。

 そしてこのリューディはなんと、

「グラン・モーペルテュイ」

です。あのグロ家がかなりの部分持っている・・そしてもちろん、メオ=カミュゼも少々持っている、グラン=ゼシェゾーの真下の素晴らしいロケーションです。


 ですから、グラン=ゼシェゾー的な締まった黒と瑞々しい赤いチェリー、ほんのりとだけ湿ったニュアンスが入り、超瑞々しく・・

「さら~っ」

と終盤に向かい、

「キュッ」

と締まりつつ・・美しくたなびき、消えて行きます。

 2022年のメゾン・アンリ・グージュのエシェゾーもそうでしたが、まったく何らかのストレス感がなく、ただ葡萄をワインに昇華しただけ・・と言う味わいです。

 濃いとか、密度が高いとかを感じさせず、その・・

「素性の良さだけを伝えて来る!」

ので、畑の個性もめちゃ素直に伝わって来ます。

「・・そうか・・グラン=ゼシェゾーの真下だから、グロ・フレールやミシェル・グロのミュジニー直下(真横)のシルキーでやや発散的なクロ・ヴージョとも違うか・・」

などと思いつつ・・飲んでいました。

 おそらく・・もしメディアが評価したら、良いところ95ポイントだろうと思いますが、この瑞々しい果実そのものの美味しさ=テロワール直結の質感高い美味しさは、noisy的には相当に高く評価したいと・・思います。

 是非飲んでみてください。激旨いです!

ドメーヌ・エ・メゾン・メオ=カミュゼ

エ・メオ=カミュゼ

フランス Domaine et Maison Meo-Camuzet ブルゴーニュ
● 2022年のメオ=カミュゼです。2021年ものが余りに少なく、ほぼ飲めずにご紹介させていただきましたが・・瞬殺でした。2022年ものはそれなりな入荷量では有りますが、各キュヴェの数は僅少で悩みながらテイスティング用に何とかチョイスしたのが村名ニュイ=サン=ジョルジュ。これは元々はドメーヌものの「オ・バ・ド・コンブ」ですが、収量が少ないため買い葡萄を混ぜているため、メゾン名義のリリースです。

 そうしましたら・・ま~・・激旨い・・。この上無い美味しさです!・・嫌らしく無い官能さと熟度、洗練された味わいに・・グラっと来ました。調べてみますといつも低い評価のジャスパーさんが93ポイントまで付けていましたが、「これでもその程度かぁ・・」みたいな感覚でした。

 メディアの評価はそれなりにバラけていますが、高目で安定しています。クロ・ド・ヴージョG.C.2022には98ポイントまで付けているMWもいらっしゃいますし、何故か「ルージュ・デュ・バ」がクレジットされていないエシェゾーG.C.2022にも99ポイントまで付いています。

 ニュイ=サン=ジョルジュ村名の圧巻の美味しさを見ますと、メオ=カミュゼの2022年は相当に良さそうです。ここでご当主ジャン=ニコラ・メオさんの2022年の総括の言葉を掲載させていただきます。


「4~5月は日照量が多く乾燥して葡萄の成長は早かった。開花期は何の問題もなく過ぎて早い収穫時期と例年通りの収穫量を期待することが出来た。

 6月は全体的には天気が良かったが、雨が降ったことで少し乾燥は治まり、特に6月末に大雨が降ったが幸い雹や洪水の被害はなかった。

 その後は暑く乾燥して8月中旬には猛暑になってストレスで葡萄の成熟が止まったこともあったが、収穫は素晴らしいコンディションで8月29日から開始。収穫された葡萄のクオリティは高く、房も大きすぎず均等に成熟していて選別もほんの少しで済むくらい健康状態も良かった。

 醸造においては何ら問題はなく、人の干渉はかなり少なくて済んだ。ただ、葡萄の実は水分で満ちていたわけではなかったので収穫量に対するジュースの割合は平均よりも少なかった。

 2022年のワインは最初からとても柔らかかったので醸造中はエネルギーが不足した平坦な味わいになってしまうのではないかと思っていたが、現在では力強さとストラクチャーが出てきており、完璧と言っても差し支えないほど素晴らしいワインになってきている。頻繁に見られる現象ではないが、カーヴでの熟成段階そして瓶詰後でも様々な要素がワインにいい溶け込み方をしている。

 2020年のような甘く重いヴィンテージにはならず、2019年よりもバランスはあるがそこまで凝縮しておらず、ストラクチャーがあって興味深いヴィンテージとなっている。1999年に近い印象があるが、近年では2016年に最も近いイメージでスーチラージュをしっかり行い澱を除くことでワインが早く開くようにコントロールをしている。

 いつ飲んだら良いかという質問に答えるのは難しいが、2022年ヴィンテージはこの先熟成していくことを考慮しても、いつ開けてもある程度の飲みやすさは失わないだろう。」


 なお、どうやらメゾンでリリースしていたシャンボールの各キュヴェ、1級レ・クラ、1級レ・フュスロット、1級レ・シャルム、村名などは、この先リリースできなくなるようです。Noisy wine にもシャンボール系のもので入荷が無いアイテムも有り、数も減少しています。畑の賃貸料の問題のようですので・・

「メオのシャンボール系は生産終了になる」

と思っていた方が良さそうです。レ・クラなどは希少で・・それこそルーミエさんとの比較が楽しかった訳ですが、もし気になるようでしたらお早めにご検討くださいませ。

 また、リシュブールは順当な評価、クロパラは高い評価は出ているものの飛びぬけてはいない感じですが、心配は無いでしょう。お早めにどうぞよろしくお願いいたします。


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2020年のメオ=カミュゼ、上級キュヴェのご案内です。

 いや・・驚きました。予想はされていたこととは言え、

「需要と供給のバランスが価格を決める」

って・・誰でしたっけ?・・アダムとイヴじゃない・・高名な経済学者の方がおっしゃられていたような気がしますが、あのクロ・パラントーがリシュブールの価格を超えちゃいました。

 ニコラ・メオの師でもあるアンリ・ジャイエは、リシュブールを仕込めなくなることを悲観して「引退する!」と決めたと言われていますが、それでもクロパラを分けていただいたんですよね。そのグラン・クリュ・リシュブールがプルミエ・クリュ・オ・クロ・パラントーの後塵を拝すことになるとは、自身の後世での栄誉の高まりだとしても想像さえしなかったでしょう。

 クロ・サン=ジャックしかり、レ・ザムルーズしかり、クロ・パラントーしかりですが、1級の中にはグラン・クリュを凌駕する価格のワインが続出してきました。そしてアンリ・ジャイエ絡み、ルロワ絡みのドメーヌは、品質もさることながらも凄い価格になって来ています。

 この傾向は大きな出来事が無い限り少なくとも2021年ものまでは続くと思われますが、日本国内だけを念頭に置くならば、

「為替が戻るならむしろ安くなる」

可能性は残されています。

 しかしながらワインがし好品と言う立場だけではなく、「価値のあるもの」と言う経済上の物品で有る以上、経済の論理に従って価格の変動をする・・だから、

「むしろ今までが異常に安かった」

と言うことなのかもしれません。


 アメリカで朝食を取ろうとすると最低3千円は掛かるそうですが、今の日本じゃまぁ・・そうしたいと思ったところでほぼ無理ですよね。SNS で「ぼられた!」と上げられるのがオチですから、飲食店さんもそんなことは絶対にしないでしょうし、そもそも朝食を取ろうと営業しているその種のお店が有りません。それが普通の海外とそれが考えられない日本・・

 昔は、

「日本の物価は高い!」

と言うのが通念だったはずですが、ドルやユーロが異常に高い現状をもとに戻したとしても海外の方から見ると「日本の物価は安い」のでしょう。Noisy wine はほぼネットのワイン屋さんですが、海外からの閲覧は制限していますので・・海外からのオーダーはほぼ有りません。敢えてそのようにしています。そうじゃないと、妙にタイミングのずれた時間差の大きい電話の会話を毎日のようにすることになってしまいます。


 2020年のメオ=カミュゼの上級キュヴェですが、余りに数が少なくて・・今のところはテイスティングが不可能と判断しました。後になってから、もしかすると確認のためのテイスティングは可能かもしれないと踏んでいます。

 ですのでお客様には大変申し訳ないと思っています。お詫び申し上げます。

 ですが、

「ニコラ・メオ自身が今後10年間で間違いなく世紀の名作になってくる。」

と自信を見せていることと、2022年7月の下級キュヴェのテイスティングで、noisy もその意味を実際に確認していることで、今回の上級キュヴェも「お勧め!」とさせていただきたいと思っています。

 また、海外メディアの情報や評価も出来る限り集めさせていただきましたので、そちらもご参考にされ、ご検討いただけましたら幸いです。

 内容的には、ニュイ=サン=ジョルジュ系の評価が高く、シャンボールも上がって来ました。ちらほらとメゾンものからドメーヌものに変更になった(おそらく買収した?)キュヴェも有りますし、2019年ものはヴォーヌ=ロマネ・レ・ショームと混ぜたレ・ボーモンを「ヴォーヌ=ロマネ1級」としてリリースしていましたが、2020年ものは「ヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモン」としてリリースしています。非常に希少なワインです。

 そのように、メオ=カミュゼのワインが好評のため、

「良い畑を借りる」-->「メゾンもので試験的にリリースする」-->「話がまとまれば買収する」-->「ドメーヌものとしてリリースする」

のような良い流れになってきているのかな・・と考えています。ご興味がございましたら是非飲んでみてください!損はしないと思います。

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 2019年のメオ=カミュゼ、メゾンの上級キュヴェのラインナップをご紹介させていただきます。

 その前に・・もうご紹介済みで1本たりとも残っていない2019年のドメーヌものですが、希少な村名ヴォーヌ=ロマネだけしか飲めていなかったnoisy も、他のキュヴェを飲み始めています。

「いや~!・・めっちゃ旨い!」

です~・・。2018年ものまでも素晴らしく美しいエキスで、しかも要素と表情にしっかりミネラリティのコーティングが感じられる「荘厳なあじわい」がメオ=カミュゼの特色だと感じていたんですが、

「2019年ものは相当に異なる!」

と言っておきたいと思います。

 美しいだけではなく・・見事に「優しく」「純粋で」「柔らかい」が加わり、しかしポテンシャル自体を見事にアップしています。

 このポテンシャルをしっかり見極めたい!・・と思えば、少なくとも1/3ほどは3日後頃まで取っておくことが肝要かと・・思いますよ。先だってのグラントネもそうですが、見事に美しく、見事に優しい・・なので、2019年ものはそのようなヴィンテージかと思い込んでしまいがちですが、そうでは無く・・ポテンシャルもしっかりアップしているんですね。

 特に、色合いを見ると、2018年ものよりも濃い目に出ているキュヴェが有ります。そのようなキュヴェは、ミルランダージュが混じっている可能性が有り、それがヴォーヌ=ロマネ近辺の畑だったりしますと・・あの神様の素晴らしいワインの味わいを彷彿とさせてくれます。


 そして、2019年ものは特にそうですが、ドメーヌものとメゾンものの品質的な違いはほぼ無いです。その上で、残念では有りますが、

「圧倒的に数が無い!」

です。


 メオ=カミュゼの荷が届いた時、その「山」の余りの小ささに・・

「・・えっ・・?・・これだけ?・・」

と、思わず口走ってしまいました。

 いつもですと、

「ヴォーヌ=ロマネのそれをあっちに、ニュイサンのそれをそこに、モレとフィサンはそっち、シャンボール系は・・」

などと荷ほどきが大変なんですが・・何もしなくて良いほどしか在りません。


 それにフィネスさんも割り振りに相当に苦労されたようで、リリースがされているのに Noisy wine には割り当て無しのキュヴェが結構に存在します。勿論、これはクレームでは有りません。

「それしかやりようが無い」

のは、noisy も重々承知しています。少ない素晴らしいワインを出来る限り多くのお客様に飲んでいただけるように心を砕いていますが、そもそも数が無いと行き届かないことになっているのは間違い無いと自覚しています。

 ですので、この素晴らしい2019年のメオ=カミュゼのメゾンラインを、出来るだけお早めにご注文いただきたいと思います。

「絶対に外さない・・に思い切り近いと断言できる2019年のメオ=カミュゼ!」

です。どうぞよろしくお願いいたします。



 左の写真は入荷は無かった「ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ」です。もう・・激旨!・・無くて残念・・。因みにジャン=ニコラさんは以下のようにレヴューしています。
「トースト香や甘草の香りが最初に感じられ、その後にフランボワーズのような赤い果実の香りがやってくる。また、青い草の香りや腐植土のような香りもあるが、ネガティブなイメージではない。直線的な口当たり、ミネラル豊かで余韻に酸味が感じられ、アフターはスパイシーな印象。全体的にはとっつきやすい味わいだが樽香がワインに溶け込むまで、4~5年は待った方がいいだろう。」


■ 当主ジャン=ニコラ・メオによる2019年もののコメント

 2019年は確かに暑い年で年間通して雨も少なかったが、「9」が付くヴィンテージとしては平均的だった。2~3月は暖かかったが4月は平年並みで、5月は冷涼だったので葡萄の成長は早熟というわけでもなく、収穫開始時期は9月18~20日と予想していた。

 6月になると気温が上がってきて急に夏らしくなって葡萄の成長は加速。所々でウドンコ病の発生が見られたのが気掛かりだったが、幸いその他の病気はほとんど発生せず、乾燥した葡萄があったくらいで健康状態は素晴らしかった。開花期の天候が不安定だったにもかかわらず葡萄はとても良く成熟し、夏が暑くなった影響で収穫は予想よりも早い9月13日から行った。

 ほとんどのワインがアルコール度数14%になったほど葡萄の糖度は高く、さらに素晴らしい酸味も兼ね備えている。力強くも柔らかくリッチで深みのある味わいで酸味は2018年よりもしっかりとしている。偉大なヴィンテージかという質問が必ず出てくるのだが、現状ではまだテロワールが隠れてしまっているアペラシオンがほとんど。

 ただ、いくつかのワインは洗練された味わいでキャラクターが見え始めているのも確かで今でも飲めてしまえるが、瓶詰2~3年後には1度閉じる時期が来ると思うのでその間は飲むのは避けた方が良い。8~10年後には熟成と共に再び開いてきて素晴らしいバランスとアペラシオンの本当の顔が見えてくるだろう。2009年のように熟成していってくれることを願うばかりである。ただ、残念ながらアペラシオンによっては乾燥で生産量が少なくなってしまっているものもある。
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 1983年に彗星のごとく出現したドメ ーヌ・メオ=カミュゼです。神様アンリ・ジャイエが顧問として付き、試行錯誤しながらも素晴らしいドメ ーヌになったと感じています。まぁ、ここに至るまでは色々有ったと思います。


DOMAINE MEO-CAMUZET
 このドメーヌは、今世紀初めにコート ドールの国民議会議員であったエチエンヌ・カミュゼ氏によって設立され、その後に彼の娘が畑を継ぎましたが、彼女に子供がいなかった為に最も近い親戚であったジャン メオ氏(現当主ジャン ニコラ メオ氏の父親)が畑を相続しました。最初は小作人に仕事を任せ、収量の半分を小作料として受け取って樽でワインを販売していましたが、1985年からドメーヌ元詰で販売を始めました。

 その後、アンリ ジャイエ氏の指導を受けた息子のジャン ニコラ メオ氏が1989年からドメーヌの仕事を引き継ぎました。
 畑の仕事は、以前から小作人として働いていたクリスチャン フロワ氏がそのままドメーヌに残り、これまでの経験を活かしたアドバイスをしながら、一緒に仕事をしています。

 除草剤などを一切使わない減農薬農法を取り 入れていて、剪定や除葉なども行って畑の中の空気循環の状態を良くして乾燥させることによって腐敗を防止し、健康で良質な葡萄を作ることを心掛けています。 収穫は全て手摘みで、選別は畑と醸造所で行います。選別は非常に厳しく行い、腐敗したものはもちろん、未熟果などもすべて取り除きます。葡萄はほぼ100%除梗し、コンクリートタンクの醗酵槽に入れて低温浸漬させ、その後に自然酵母でアルコール醗酵をさせます。特級と1級は100%新樽、その他は約50%の新樽比率で18か月間熟成させ、ノンフィルターで瓶詰されます。こうして、濃縮で繊細な、魅力的なワインが出来上がります。

MEO-CAMUZET FRERE & SOEURS
 1級畑のワインは畑作業、醸造全てをドメーヌが行い、ヴィラージュのワインはお互いを理解しあえる生産者を選び、夏季剪定から醸造までをドメーヌのスタッフが行います。ブルゴーニュ・ルージュとブランは良質の葡萄を作るいくつかの生産者と業務提携を結び、葡萄または葡萄果汁を購入してドメーヌで醸造し、最後に1つのキュヴェにまとめるので、アサンブラージュの腕が光っています。


2022 Corton les Perrieres Grand Cru
コルトン・レ・ペリエール・グラン・クリュ

19231
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
アロース=コルトン
ドメーヌ・エ・メゾン・メオ=カミュゼ

■メディア評価
◇2022年もの
 95 Points Jasper Morris - Inside Burgundy

◇2021年もの
 93 Points Tim Atkin
 90~93 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
■エージェント情報
 ピノ・ノワール種100%。2009年ヴィンテージが初リリースの新しいドメーヌ物ワイン。東~南東向きの畑で広さ0.68ha、1953~54年に植えられたかなり古木で葡萄の粒は小さく凝縮しています。区画の名前通り石が多い畑で土壌に対する石の割合は約50%、石灰岩、珪石の欠片がたくさんあります。緩やかな斜面の畑で熟したサクランボのアロマが広がり、たっぷりとした味わいですが筋肉質で直線的、アフターはタニックで典型的なコルトンの味わい。「Clos Rognet(クロ・ロニェ)」よりも少し熟成に時間を要します。

◇ジャン=ニコラ・メオさんより
 サクランボや黒い果実の香り、甘草やスモーク香、ハッカ、ユーカリのような青いニュアンスも感じられ、赤砂糖や木の香りなど実に様々な香りが開いている。口当たりは直線的かつ緻密でフレッシュな舌触り、タンニンが引き締まりを与えているが包み込むような味わいになっている。力強く威厳漂うワインでタンニンも気品があり、バランスは取れてきているように感じるがやはり熟成は必要で、2030年から飲めるようになるだろう。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  1   ご注文数   本
¥60,800 (外税) 
【西側はコルトン=シャルルマーニュへと続く区画!クロ・ロニェとは異なり、軽妙な美味しさが光ります!】
■ ジャン=ニコラ・メオさんのコメント
 ルビーのような繊細な色調、黒や赤い果実の香り、メンソールや植物を彷彿させるフレッシュな香りがアロマ全体を支えている。口当たりは丸く繊細でエレガントだが適度な力強さも感じられる。アフターのミネラル感と塩気が余韻の長さとフレッシュさを構成している。すでに良く溶け込んでおりデリケートさも併せ持っていて10年待つのが理想だが、2024年にはそこそこ飲めるような味わいになっているだろう。


 おそらくですがこのペリエールは、シャルルマーニュの畑が近く、赤ワインとしますと相当・・石灰が強いんですね。ルナルドやクロ・デュ・ロワもペリエールほどでは無いにせよ、やや軽めで高域への伸びの良い畑です。

 ラドワ側にあるクロ・ロニェはもっと充実したパレットを若いうちから見せてくれますが・・あ、そうそう・・そのクロ・ロニェですが、同じ畑をフェヴレが持っていまして、それが・・

「クロ・デ・コルトン・フェヴレ」

です。

 これはフェヴレにのみ・・許された名前でして、メオ=カミュゼは名乗れないんですね。

 まぁ・・「クロ・デ・コルトン」なんて・・

「えっ?・・アロース=コルトン村じゃなくて・・ラドワ村なのにクロ・デ・コルトンなの?」

と思ってしまいますよね~・・なんか、フェヴレがズルしているようにも思いますが、まぁ・・アロース=コルトン側から見ますと、ラドワ側が「クロ」になっているので、「クロ・デ・コルトン」なんでしょうね。ただし・・以前のクロ・デ・コルトン・フェヴレは飲むと・・ん~・・ちょっと頭を抱えてしまうような感じでしたが、2010年少し前位からだいぶ良くなったように聞いています。

 で、こちらはペリエールですが、上記のように石灰が強く、粘土も多く無いので・・軽やかで雅な味わいになりますが、少し時間が掛かるタイプです。最低でも5年位置いた方が良いかと思います。10年置きますと、押し出しも強くなって来ます。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【海外メディアの情報にはほとんど掲載されていないのがこのペリエールです。】

 ですが、何とか見つけました・・硬質なコルトン系の代表みたいなワインです。でもだからこそ、そのテロワールの違いが良く判るんですよね。


■当主ジャン=ニコラ・メオのテイスティングコメント

 開けたてからイチゴやフランボワーズなどの良く熟した赤い果実の香りが立っており、スパイシーかつフローラルな香り、メンソールのような香りなど、様々なアロマが感じられる。空気に触れさせると黒い果実の香りと石灰質由来のミネラルの香りも出てくる。口当たりは最初は地味だが繊細で飲みやすく、すぐにハツラツさや力強さも感じるように変わってくる。果実味は豊かだが少し厳格で閉じたタンニンは石がたくさんあるこの畑の特徴でもある。このアペラシオンは直線的で少し閉じた印象を感じることが多いが、2019年に関してはいつもより繊細でとっつきやすく、力強さと長いアフターがあってより魅力的になっている。

 以下は以前のレヴューです。
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【美しいですね~・・雅ですね~~・・まさにコルトンそのもの!・・でも、どこかクロ・サン=ジャックっぽさも感じる、凛とした張りのある美しい姿を是非ご覧くださいませ!】

 ようやっと飲めました・・と言っても、無理やりです。飲める本数が有った訳でも無く、仕入れ価格で飲めるとは言っても結構に高価ですから、デイリーワイン40本分以上の利益が吹っ飛んでしまうことになります。でも飲みたかったんですね・・。

 どうでしょう?・・美しいでしょう?・・何とも言えない「絵」になる色合いです。カミュゼ色ですね。

 官能感は余り見えないでしょう?・・でもこれ、それなりに寝かすと出てくると思いますよ。今飲んでみると、

「ただただ精緻で精密、ピュアでおしとやか!」

な、淑女の姿を想像していただいたら良いと思います。そうだなぁ・・歳の頃なら若くてキャピキャピした頃は過ぎて、でもちゃんとしてる感じ・・でしょうか。

「あなた色に染まっても・・いいわよ・・」

みたいにも言ってくれるような優しさも有ります。


 今飲んでも普通に飲めますよ。エージェント情報の項に「タンニンが・・」と有りますが、この・・タンニンの存在って、気付くでしょうか・・。滅茶質が高いので判らないと思います。今飲めるんですが、非常に勿体無いのは事実です。やはり最低5年は寝かせたいですね。すべてが一体となった時、まさに「コルトン」の本質が見えて来るでしょう。

 この「ペリエール」と言う畑はアロース=コルトンのグラン・クリュ群の、まさに「ど真ん中」に有ります。北側の「ル・コルトン」や「ルナルド」の、野性味をはじめから見せてくれるようなスタイルでは有りませんし、西にある「ル・シャルルマーニュ」の硬さ、白さとも異なります。

 やっぱり「淑女」ですね・・。そして熟して色っぽさを増して行く・・そんな感じです。

 昨今のメオらしく、「トゥー・マッチ」な部分は全く在りません。絶妙なバランスです。ただし・・その絶妙なバランスが若くてもおいしく飲ませてしまうので、そのポテンシャルに気付く前に無くなってしまうかもしれないというような危惧は有ります。最近のルジェのクロパラなら・・いや、クロパラじゃなくてもそうですが、開けて一嗅ぎした瞬間に、

「お~!」

と感動の声が上がると思いますが、淑女はそんなこと・・しないんですよ。判りますよね~・・。いいなぁ・・和服姿!・・なんて思っていただけるでしょう。メディア評価は、ヴィノスが93ポイント付けています。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい仕上がりになった2017年の上級畑ものは、ジャイエ似?・・それとも?!・・いずれにしても価値の有る選択になると思います!】

 2017年のメオ=カミュゼの総括としましては、造り手紹介の欄にも書かせていただきました。白はま~・・呆れるほどにフィネスの溢れる見事な味わいで統一されています。サン=ロマン・・滅茶旨いですよ。気品に溢れ、焦点がピッチリ有った見事な出来です。

 そしてピノ・ノワールですが、これは困りました・・。

「2017年のカミュゼの赤は、『こんな仕上がり』です!」

とは言い切れないんですね。

 例えば、毎年見事な仕上がりを見せるメゾンもののニュイ=サン=ジョルジュ村名は、このところ3年間のメオの集大成とも思える見事な出来です。エキス系の気品、優雅さ、フィネス溢れる素晴らしい味わいで、誰もが村名などとは思わないんじゃないかと・・思えるほどです。言ってみればロマネ=サン=ヴィヴァン風、エシェゾー上部の乾いた土地からの赤い果実がしっかりエキスになった味わいです。むしろジョルジュ=ミュヌレ=ジブールやD.R.C.系を思わせるもので、絶対に樽の風味が浮いたりはしない、

「私、失敗しないので・・」

的で、2014年から2016年までのメオを総括している感じです。底からルーミエ的なミネラルがしっかり厚みを持って現れ、舌にはまずそれが感じられ、ノーズにそのミネラリティのアロマと、エキスの発露としての果実香が雅に香ります。


 しかし、そんなこの3~4年間とは大きく異なるワインがいくつか散見されます。シャンボール=ミュジニーやヴォーヌ=ロマネ、ジャンボール1級レ・フュスロットなどです。

 こちらは・・何と言いましょうか・・今までメオ=カミュゼのワインにアンリ・ジャイエを感じたことなど、ただの一度も無かったんですが・・御大のワインに非常に似ています。noisy 的には、果実味系と言ってますが、どこにも出っ張りの無い完璧さを見せるんですよ。そして、まるで御大のワインの造り方さえトレースしているんじゃないか?・・と思えるような仕上がりだったんですね。

 なので、この系統の果実味系の味わいは、前述のように2014年頃から綿々と続いたメオ=カミュゼ的なエキス系の味わいとはかなり異なって感じられました。

 ですので、トップ・キュヴェのこれらのワインが、どっちに与したワインなのかは、飲まないと判らない・・と言うことになります。まぁ、その辺はもうどうしようもないので・・すみません。


 一応、アチコチ探しまして、主だったワインの評価を掲載させていただきました。師で有ったアンリ・ジャイエが耕作していた畑、もしくは同名のクリマを最初に書き出しています。次に、カミュゼ家が元より所有していた畑の評価を記載しました。

 このようにみると、やはりアンリ・ジャイエ系のワインの値がさ感は有りますよね。「$」で記載しているのは一例では有りますが、リッシュブールが(1ドル110円換算で)19万円ほどなのに対し、クロパラは22万円ほどと、完全に逆転してしまっているのは、単にクロパラ人気が加わっているためでしょう。

 アンリ・ジャイエ関係の村名以外の畑の評価を見ますと、アドヴォケイトはほぼほぼ93~95ポイントと一定しています。なので、これだけでも「オ・ブリュレ」のリーズナブルさが感じられますよね。このオ・ブリュレはエマニュエル・ルジェも持っていませんから、狙い目では有るんですけど、皆さんはクロ・パラとかリッシュブールに目が行ってしまうのでしょう。それと、ある意味、ニュイ=サン=ジョルジュ1級ミュルジュはまだまだ安いと思います。

 ジャイエ関連以外では、やはりクロ=ヴージョの高評価が光ります。価格もリーズナブルに抑えられていますが、彼の持ち分はクロ=ヴージョで最高の場所ですので・・。元は、このクロ=ヴージョのシャトーの持ち主がメオ家だったことに由来するようで、シャトーの周りの一等地と、上部の一部分で仕上げるのがこのワインです。ですが、2017年の今回のワインは、「プレ・ル・セリエ」(本来はクロ・デュ・シャトー?)の文字が有りますので、

「シャトーの周りのみ」

で造られたワインです。


 また、コルトン・クロ・ロニェですが・・ここは皆さん、余り眼中に無いようで残念です。しかし、このワイン・・素晴らしいんですよ。飲んでご案内出来ないのが残念なほどです。まだまだリーズナブルなグラン・クリュですが、D.R.C.も造り始めていますんで、この先、ドンドン値上がりして行くんじゃないかと思います。

 何せ、あのブルゴーニュワインに超うるさいアラン・メドーが92-95と付けてるんですよ?クロパラが93-95、リッシュブールが93-96 です。海外では460ドルですが、日本では3万円代・・。これは買いだと思いますが・・。

 そして少し前までジャン・タルディが耕作していたヴォーヌ=ロマネ・レ・ショームも・・実は長命で旨いワインに仕上がっているはずです。アラン・メドーが 89-92 とちょっとひねくれ気味の評価をしているのに対し、ジャスパー・モリスが94ポイントって、本当かな?・・などとも思ってしまいますが・・すみません、原本を確認していないので、以下に記す評価ポイントは参考程度にお願いいたします。

 そんな訳で、どっち系に仕上がったのか、興味の尽きないメオ=カミュゼの2017年ですが、同じように2017年ものをテイスティングして、初めてジャイエの弟子でも有ったことを感じたフーリエの2017年と同様に、2017年と言う豊かで健康なヴィンテージが齎せたのかもしれないジャイエ系の「真円な果実のパレット」を、是非味わってみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。



■relationship with Henri Jayer
●2017 Domaine Meo-Camuzet Richebourg Grand Cru $1700
 96 points Decanter
 96 points John Gilman
 94-96 points Vinous
 93-96 points Allen Meadows - Burghound
 93-95 points Robert Parker's Wine Advocate

●2017 Domaine Meo-Camuzet Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux $2000
 96 points Decanter
 95 points John Gilman
 93-95 points Allen Meadows - Burghound
 92-95 points Robert Parker's Wine Advocate
 92-94 points Vinous

●2017 Domaine Meo-Camuzet Vosne-Romanee 1er Cru aux Brulees$800
 95 points John Gilman
 93-95 points Robert Parker's Wine Advocate
 93-95 points Vinous
 91-94 points Allen Meadows - Burghound

●2017 Domaine Meo-Camuzet Echezeaux Grand Cru $600
 96 points Decanter
 94 points John Gilman
 92-94 points Allen Meadows - Burghound
 92-94 points Robert Parker's Wine Advocate
 91-93 points Vinous

●2017 Domaine Meo-Camuzet Nuits-St-Georges 1er Cru aux Murgers $250
 92 points John Gilman
 90-92 points Allen Meadows - Burghound
 90-92 points Robert Parker's Wine Advocate
 90-92 points Vinous

●2017 Domaine Meo-Camuzet Vosne-Romanee $120
 93 points Decanter
 91 points John Gilman
 91 points Jasper Morris Inside Burgundy
 89-91 points Allen Meadows - Burghound
 88-90 points Robert Parker's Wine Advocate

■owned for a long time
●2017 Domaine Meo-Camuzet Clos Vougeot Grand Cru $460
 93-95 points Vinous
 94 points Decanter
 94 points Jasper Morris Inside Burgundy
 92-94 points Robert Parker's Wine Advocate
 93 points John Gilman
 91-93 points Allen Meadows - Burghound

●2017 Domaine Meo-Camuzet Corton Clos Rognet Grand Cru $460
 92-95 points Allen Meadows - Burghound
 94 points John Gilman
 93 points Decanter
 91-93 points Robert Parker's Wine Advocate
 91-93 points Vinous

●2017 Domaine Meo-Camuzet Vosne-Romanee 1er Cru les Chaumes $250
 94 pointsJasper Morris Inside Burgundy
 92-94 points Vinous
 92 points John Gilman
 90-92 points Robert Parker's Wine Advocate
 89-92 points Allen Meadows - Burghound


 以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ブルゴーニュのエレガンス・フィネスを最大限に引き出した素晴らしいワインたちです!】

 さすがにこのクラスから上は非常に希少なので、販売してみて余ればテイスティング・・と言うスタンスを取らざるを得ません。ですのでメディアの評価が見つかったものを掲載いたします。ドメーヌものとネゴスものの差は無いと思っていただいて結構です。

■Richebourg
Jhon Gilman 96 Points
Vonous 95-97 Points
Burghound Allen Meadows 94-97 Points
Advocate 93-95 Points

■Clos Vougeot
Jhon Gilman 92 Points
Vonous 93-95 Points
Burghound Allen Meadows 91-94 Points
Advocate 92-94 Points

■Corton Grand Cru Clos Rognet
Jhon Gilman 93 Points
Vonous 92-95 Points
Burghound Allen Meadows 92-94 Points
Advocate 89-91 Points

■Echezeaux Grand Cru
Jhon Gilman 93 Points
Vonous 93-95 Points
Burghound Allen Meadows 92-95 Points
Advocate 93-95 Points

■Vosne-Romanee 1er Cru Aux Brulees
Jhon Gilman 94 Points
Vonous 94-97 Points
Burghound Allen Meadows 93-95 Points
Decanter 95 Points

■Vosne-Romanee 1er Cru Les Chaumes
Jhon Gilman 91 Points
Vonous 89-91 Points
Burghound Allen Meadows 90-92 Points
Advocate 90-92 Points

■Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux
Jhon Gilman 96 Points
Vonous 95-97 Points
Burghound Allen Meadows 94-96 Points
Advocate 94-96 Points

■Vosne-Romanee
Jhon Gilman 91 Points
Vonous 88-91 Points
Burghound Allen Meadows 89-91 Points
Advocate 88-90 Points

■Nuits-St-Georges 1er Cru Aux Murgers
Jhon Gilman 93 Points
Vonous 91-93 Points
Burghound Allen Meadows 90-93 Points
Advocate 88-90 Points

■Nuits-St-Georges 1er Cru Aux Boudots
Jhon Gilman 94 Points
Vonous 90-93 Points
Burghound Allen Meadows 91-94 Points
Advocate 91-93 Points


 以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【是非ルーミエさんのレ・クラと飲み比べてみたいものです・・ 】

 この2005年のレ・クラでは有りませんが、同じ2005年のシャンボール=ミュジニー1級レ・フュスロットを先日開けてしまいました・・。まぁ、古酒ばかりの入荷ですし、2005年~2010年頃までのメオ=カミュゼについては、noisy も余りテイスティングしていないので・・などと言う言い訳を考えつつ、中々な価格では有りましたが飲んで良かったです。

 ここはレ・フュスロットのコラムでは無いので詳細は省きますが、

「メオ=カミュゼはルロワを追い抜こうとしているはず!」

と言う気持ちが伝わって来たような気がしています。


 例えば先日飲んだ2014年のニュイ=サン=ジョルジュ1級レ・ブードなどは、ま~・・・ぶっ飛ぶような荘厳さと美しさ、繊細さを持っていました。

「ルロワか!」

と・・思わず突っ込んじゃいました。


 2005年のレ・フュスロットは非常に健康的で、しかしやや硬く・・・しかし、漏れ出て来る気品、高質さが物凄く、この硬さはミュジニー系1/3、ボンヌ=マール系2/3ほどのミネラリティのニュアンスを持っているのかなぁ・・と言う感触を受けました。

 レ・クラはレ・フュスロットよりもボンヌ=マール寄りで、まぁ、非常に近いとは言える位置関係なんですが、より赤味を強く感じると思っています。ボンヌ=マールにより近くとも・・上記のニュアンスから言うとミュジニー系1/2、ボンヌ=マール系1/2のようなミネラリティ・バランスなのかなぁ・・と言うのが、大雑把に言ったnoisy的な感覚です。やはりここは大人気のルーミエさんのレ・クラが標準なのでしょうから、比較対象としては良いんじゃないかと思います。もし2005年のルーミエさんのレ・クラをお持ちなら・・ご検討いただくのが良いかと思います。もう2005年ものなんて、高値でどうしようも無くなっちゃいますんで・・。


 まぁ、昨今はブルゴーニュワインが高いですが、それでもそれだけの感動と不完全燃焼を与えてくれ、それがまた明日への活力になっている・・・それがブルゴーニュワインファンなんです。是非、「比較」の楽しさを味わってみてください。お勧めします。


 以下は以前のコメントです。
━━━━━
 偉そうには言っても今のところフィサンしか飲めていませんし、いつの間にか売れてしまって減っているのが現状で、この先はそうそう飲めそうも有りません。

リアルでは、編集長の、
「もう取り上げるには値しない」
みたいな烙印を押されてしまっています。ある意味、ピノ・ファンの、強烈な愛情の裏返し的な部分ではあると感じます。偉大なブルゴーニュの生産者の立ち位置にいながら(と、思う)、
「なんなのよ、その振る舞いと仕上がりは・・・」
みたいな怒りが有るんだと思います。ちょっと鼻が伸び過ぎたピノキオ状態・・・と受け取られたのでしょう。

ブルゴーニュの神様のすぐ傍に居た、家族ぐるみの付き合いだったと言える、他の造り手たちは、一体どんな気持ちを持っていたのでしょうか。アンリ・ジャイエの造るワインに啓発され、神様に追いつきたい、何とか自分を旨く表現したい、でも超えられない、というジレンマに陥ってしまうのでしょう。ジャン・ニコラ・メオに留まらず、跡継ぎのエマニュエル・ルジェ、フィリップ・シャルロパンもそうでしょう。神様のピノ・ノアールには到底届かないと感じてしまうのでしょう。神様の友人たちにも同じことが言えます。このところのダニエル・ショパンのキュヴェを飲まれた方は、その美味しさにびっくりされたと思います。しかし、ダニエル・ショパンの凄腕を持ってしても、追いつくことすら出来なかった(と思う)訳です。

メオ=カミュゼのワインを飲むと、やっぱり同様のことを感じてしまいます。追いつきたい、超えたいが・・・、今の俺はこんな感じなんだよ、と言っている様な気がするのです。

2004年のフィサンはよく出来ていると思います。神様流の低温での長めの漬け込みは感じられず、短めに済ませて、ピュアなフレーヴァーを生かそうとしています。フィサンとしてみれば、今までに経験が無いほど果実のニュアンスを大量に閉じ込めています。そして、生の血を感じさせるような、妖艶なアロマが強烈に存在しています。生々しい、という表現が正しいでしょう。恐怖映画を一人で見ているような、背筋がゾクゾクっとする感じさえ受けます。ボディも肉を感じさせる厚みの有る物で、噛めるようでも有ります。血とブルーベリーの煮詰めたものの集合体と言っても良いでしょう。

メオ=カミュゼのピノ・ノアールには、そんな只者では無いニュアンスを時々感じることが出来ます。しかし、それが「めちゃんこ美味しい」に同義なのか、が微妙では有り、飲み手によって好き嫌いの分かれる部分でしょう。それでも、土地の個性とメオの個性の両方を強く感じさせる優れたワインであると・・・感じました。

また、96年や98年のヴォーヌ=ロマネが少量入っています。価格はとても安いと言えますので、楽しかった90年代を振り返ってみてはいかがでしょうか。ワイン自体の絶対的な美味しさを求めるよりも、今まで過ごしてきた90年代の決算をしてみるのも重要でしょう。ブルゴーニュは、確かにひとつの時代が終わった・・・と感じられますよね。

オ=ブリュレは神様が耕作していたリッシュブールに接するとても秀逸な1級畑です。リッシュブールよりはやや軽いが、名前どおりの独特の焦がされたベリーのニュアンスや動物的官能さにクラクラさせられたワインです。お好きな方は・・・まあ、安いと思いますので是非。

2004年のフュスロットは飲めていませんが、2003年がとても美味しかったのを覚えています。透明感の有るドライなチェリー、ラズベリーのジャミーさは、メオが求めているものを指し示しているような気がしました。神様のピノ・ノアールよりも高い周波数の香りに、よりポイントが有り、華やかで、ピュアでした。

皆さんもまあ、色々と好みはあるのでしょうが、色々と飲むのがワインの楽しみ・・・。高くなってしまったブルゴーニュのワインでは有りますが、古酒も含めてファンタジックな世界を感じられる価格では仕上がったと思います。ご興味の有る方、是非、飲んでみてください。


 以下は以前のコメントです。
━━━━━
【中々飲めないワインでは有ります。】

 メオが持つ目が眩むような珠玉の畑にあって、しかもグラン・クリュであっても何とか手が出るのがクロ・ド・ヴージョでした。つい最近まで2002年とか2000年とかが売れずに残ってましたが、

「何で売れないのかな?」
と・・思ってましたよ。

 因みに、ジャン・タルディが耕作していたグラン・モーペルテュイが帰って来ていますし、その他にもシャトー(プレ・ル・セリエ、プレ・ル・シャトー)の真下の区画も有るようで、このクロ・ド・ヴージョには幾つかのラベルが有ります。どう違うのか・・判りませんので、ぜひとも同じヴィンテージを全部一遍に開けてみたいものです。

 このクロ・ド・ヴージョ2014年は、ベタンヌも19/20Pointsと非常に高い評価ですし、ティムさんも97Pointsとベタボメ状態、バーガウンドが少し冷静・・と言った評価のようです。

マルセル・ラピエール

マルセル・ラピエール

フランス Marcel Lapierre ブルゴーニュ
● 気付くとオファーの締め切りがすでに出ていて・・いや、発注しようとは思っていても、

「ご注文が集中した場合には割り当てとさせていただきます。12本に満たない場合は改めて何か他のアイテムで補充してください。」

などとオファーに書いてありましたから、

「ケースに満たない受注だったらいらない」

などと何かしらの手段で伝えなくてはならなくなってしまうので、面倒になって発注しないでいると締め切りになっている・・そんなことを繰り返していました。

 大体ね・・ワインの商売をしていて、1本、2本のみのオーダーなんぞ・・出来ませんよ。そりゃぁ・・数万円もするような高価格で希少なものならそうなっても仕方が無いですが、ある程度のボリュームが無ければどうにもならないはずの価格帯でそれをやったら、

「それって消費者さん宛の販売ですか?」

と言いたくなります。

 ところがインポーターさんによくよく話しを聞いてみると、

「超バラなオーダー + 定価販売」

がどんどん増えていると言うことなんですね。つまり、味見もしない、宣伝文句はインポーターさんのコピーをコピー、価格に見合っているかも考えないでただページに並べるだけ・・なんですね・・そしてそれをインポーターさんも補助している形・・へぇ・・凄い。

 と言う訳でして、ご紹介にかなりの期間が開いてしまったマルセル・ラピエールです。もっとも嫌いになった訳じゃない・・ん?・・し、ヌーヴォーだけはしっかり毎年扱わせていただいてましたから、切れていた訳でも無いんですね。ただ、マルセル・ラピエールの本筋商品をずっとご紹介していなかったことになります。申し訳ありませんでした。


 で、今回は非常に厳しいヴィンテージになった「2021年もの」をご紹介させていただきます。収量が減ってレザン・ゴーロワの代わりに「ル・ボージョレ」をリリースしていますが、ま~・・これが超美味しい!それに看板の「モルゴン2021年」も素晴らしい出来・・今はまだちょっと締まってますが・・

 と言う訳で、久々のご案内です。だいぶ以前よりも風通しが良くなって Noisy wine の仕入れもしやすくなりましたが、何せ数が無いのでお早めにご検討くださいませ。



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 マルセル・ラピエールのSO2無添加のモルゴン、2014年ものが入って来ました。今回は非常にリーズナブルにお届けします。目茶ナチュラル・・です。あの素晴らしかったマルセル最後のワイン、キュヴェ・マルセル・ラピエールを思い起こさせる味わいです!

「偉大なる父の遺志を継ぎ、進化を止めない若き才能」
マルセル ラピエール フランス自然派ワインの父、マルセル ラピエール。

 彼は、「自然派」と呼ばれるワインの礎を築いた人物であり、ボジョレーをはじめフランス各地で、彼の影響を受けた自然派ワイン生産者が活躍しています。その偉大なる父は2010年の秋に突然この世を去りました。彼の早すぎる死を惜しむ声は、フランス国内にとどまらず世界中に広がり、彼を慕う多くの人々が葬儀に参列したと言います。 ヌーヴォーに代表される庶民的ワインの代表でもあるボジョレーは、早飲みでフレッシュさが特徴とされ、一般的に品質を語る物ではありませんでした。しかしラピエールのボジョレーは、そのピュアな味わいと、繊細かつ濃密で、しかも熟成する事でより一層の魅力を増す、常識を遥かに越えるものであり、新しいボジョレーの世界を切り開きました。名実ともにボジョレーのワインを代表し、自然派ワインをも代表するマルセルラピエールのワイン。彼のワインを飲んで、真に美味しいボジョレーの存在を知り、自然派ワインの意義と、本当の素晴らしさを初めて感じたという人が日本にも多くいるというのも頷けます。それだけの魅力と実力を持った生産者であった事は、言うまでもありません。 その偉大なる父の後を継ぎ、モルゴンの地、ひいてはボジョレーの地に深く根ざしたラピエール家のワイン造りを一手に担うようになったのは、マルセルの長男マチュー ラピエールです。

 2005年からドメ ーヌで栽培・醸造を担い、マルセルとともに偉大なヴィンテージも最悪なヴィンテージも経験したマチューは、周囲の心配 をよそにラピエールのワインを大幅に進化させました。そのスタイルは「自然派ワインの原点」と呼ぶにふさわしい純粋で緻密な味わいで、古くからラピエール のワインを知る人曰く、1990年代初期のマルセル ラピエールのワインのようだとか。
 このマルセルからマチュー、マルセルの甥のフィリップ パカレなどに連なる自然派ワイン生産者の系譜を辿ると、ラピエールやパカレの師匠には、故ジュールショヴェという学者がいます。ショヴェ氏が造っていたボジョレーは、彼らにとっても記憶に残る最上のワインであったそうです。

 しかしその味をただ真似るの ではなく、彼ら自身の哲学によって最高のボジョレー、すなわちその土地の個性を表現する素晴らしい味わいに仕上がった時、かつてのショヴェ氏のボジョレーをふと思い起こさせる事があると言います。 これが恐らく、彼らにとっての原点となる、本物のボジョレーなのかも知れません。ラピエールは、その村や畑ごと の酵母にこだわります。ワインに本当の個性やテロワールを映し出すには、とても大事なものだからです。

 その為に畑では出来る限り自然な農業を行い、自然環 境やその中にいる微生物を大事にしています。その自然酵母によって健全なブドウを発酵させる事で、人々の心を動かすほどの素晴らしいワインが生まれるのです。
栽培・醸造において

 栽培においては、その土地の個性を十分にいかす為に、化学肥料や除草剤、殺虫剤などを用いません。健全で質の高いブドウを得る為に1981年からビオロジックによる栽培を行っており、収穫においては完全な手作業を実践しています。この事は、安価で大量生産型のワインが当たり前となってしまったボジョレーにおいては、割の合わない手間のかかる作業と言えます。
 しかし、ドメ ーヌの哲学、想いを表現するためには無くてはならない重要なプロセスです。収穫されたブドウは、印象的な天井画が描かれた醸造所に運ばれ、果皮などに付着する自然酵母の働きによって発酵させます。セミ マセラシオンカルボニックを採用し、じっくりと時間をかけて果汁がワインとなっていくのを見守ります。その後、カジュアルクラスのレザン ゴーロワ以外のワインは古樽に移され澱(おり)とともに熟成を行います。瓶詰めは原則ノンフィルタで行われ、顧客の要望に合わせて若干の亜硫酸を添加したり、添加しないといった形で対応します。
Morgon / Marcel Lapierre
モルゴン / マルセル ラピエール
フランス ボジョレー地方
ガメイ 100%
 多くの自然派ワイン生産者に影響を与えたマルセル ラピエールの定番中の定番ワイン。多くの人に親しまれ、自然派ワインを扱うあらゆるビストロやショップで取り扱われています。赤い果実の華やかな芳香に満ちており、口に含むと何のひっかかりもなく喉の奥に消えていくなめらかな口当たり。熟した果実の旨みやエキス分が豊かでブドウ本来のピュアな果実味の美しさを感じることができます。


2022 Morgon
モルゴン

18931
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
モルゴン
マルセル・ラピエール

◆◆◆ 正規輸入品です。滅茶旨いです!必飲!
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 91 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
■エージェント情報
 ラピエール家の原点ともいえるクリュ。敷地面積15haの花崗岩土壌に植えられた平均樹齢70年のガメイから造られ、亜硫酸を添加せず、セミ マセラシオン カルボニック法で10〜21日間発酵。その後216Lの樽で約9ヵ月間熟成。
 クリアで淡いルビー色の外観。ラズベリー、レッドチェリー、プラム、ザクロと言った赤系の果実が支配的。徐々にスミレの様なフローラルさやカシス等の濃い果実や甘草、なめし革、白胡椒、イーストっぽい香りも膨らみます。
 味わいは、軽やかなボディでありながら、低いタンニンと丸く柔らかい酸、塩味のあるミネラル、ほど良い果実感と素晴らしいバランスが表現されており、見た目とは違った驚くほどの凝縮感が詰まっています。ここ数年の暑いヴィンテージとは違い、本来のエレガントなボジョレーワインに戻った様な味わいで、ほんのりとした土っぽさと赤系果実が良質なピノノワールを連想させます。難しい年にも関わらず、素晴らしいクオリティのワインを造り出したマチュー、カミーユ兄妹の手腕に脱帽です。

 敷地面積15haの花崗岩土壌に植えられた平均樹齢70年のガメイから造られ、亜硫酸を添加せず、セミ マセラシオン・カルボニック法で10〜21日間発酵。その後216Lの樽で約9か月間熟成。
 クリアなブラックチェリーレッドの外観。例年より黒味を感じる色調で少々重め。ブラックベリー、ブルーベリー、プルーンと言った小粒の黒系果実の香りが支配的。徐々によく熟したフランボワーズ、ダリアの様なフローラルさ、甘草、なめし革、白胡椒、イーストっぽい香りも膨らみます。
 味わいは、暑かった年を表しているのか、例年よりもしっかりした味わい。アメリカンチェリーやワイルドベリーと言った熟度の高い果実に加え、アフターに若干のほろ苦さを感じます。大振りのグラスで時間を掛けて香りや味わいを引き出しつつ楽しむ事をお勧めします。
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¥4,990 (外税) 
【2022年ものはキュヴェ・マルセル・ラピエール並みの濃度と質感!?・・果皮濃度の濃ゆさ、その質が生み出す深~い味わいにノックアウトされます!・・素晴らしい!】
 素晴らしい出来の特別な時にしかリリースされないキュヴェ・マルセル・ラピエール並み・・いや、それは流石に言い過ぎかもしれませんが、少なくとも・・

「それに準ずる仕上がり・・は違いない」

と思える見事な村名モルゴンです。

 やはりしっかり濃いんですね。単純に濃いんじゃなくて、果皮の割合が多く、水分が少ない感じです。そしてその果皮の質が凄いので、今はある意味、

「若い時の葡萄由来のチェリーな美味しさ」

です。

 濃厚ながら甘く無く、しっとりとしていて・・滑らかなテクスチュア、凸凹が少なく流れるような味わいです。

 モルゴンらしく低域からの盛り上がりがしっかり有り、中域高域まで味わいの幅が有ります。スパイス、ハーブもしっとりと存在し、優しく弾けるようなチリチリと口内を刺激するニュアンスを穏やかに続けます。この2022年もの、相当素晴らしいと認識しました。

 2021年もののようにしっかりエキスに昇華しているような感じでは無く、その果皮が充実している性で、

「まだ果皮そのものの味わいが全てを覆っている」

んですが、

「その状態でも滅茶苦茶美味しい!」

訳ですね。

 ですが、ワインとしましたら・・おそらく数年で、

「完全にエキス化する」

のは見え見え、そこからエキスがさらに成長して行って・・このモルゴンが完成する・・そんな流れになって行きます。

 しかしながら、今飲んでも滅茶旨いので、

「この果皮の美味しさをたっぷり堪能する」

と言うワインの楽しみのひとつでも有り得る訳ですし、それが可能なワインに出会える確率も決して高く無いので、

「いっそのこと、若い段階で飲んでみるのも手!」

だと思います。

 メディアの情報が無いかと検索してみましたら・・有りましたよ。ファルスタッフがなんと93ポイントも付けています。そしてジャスパー・モリスさんも、対象がクリュ・ボージョレにしてはそこそこに高目で91ポイントでした。ジャスパーさんにしてみれば、しっかり気合が入った方だと思います。noisyはファルスタッフの採点に一票です。ぜひ飲んでみて下さい。滅茶美味しいです!


 以下は以前のレヴューです。
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【すべての基本はここに有る!・・そう思わせてくれる凄いワインです!】

 noisy 的には歪んだ背骨が伸びる・・いや、伸ばさなければいけない・・と思ってしまうようなワインです。久しぶりに飲んだラピエールのモルゴンが2021年でしたが、いや・・良いですね!

 あ、ちょっと下世話では有りますが、ほぼほぼメディア評価に至らないこのモルゴン2021年に、セラートラッカーで8人だけ・・評価が上がっていました。87点が2人、90点が4人、91点が2人でした。それぞれ短いレヴューが掲載されているのでもう少し詳しく見てみると、87点の2人の方は・・飲んだ瞬間を切り取った評価点で・・後で修正すべきとしていました。90点の4人の方はワインのポテンシャルを汲んだ方々、91点を付けた2人の方は・・一人のレヴューは意味不明、もう一人はラピエールを良くご存じでファンの方のようでした。ある意味・・このようなサイトはワイン屋として、テイスターとして勉強になります。

 で、この2021年のラピエールのモルゴンですが・・noisy がまず何を思ったか・・をお話ししましょうか。・・実はね・・

「パカレもこの位、素直なら・・なぁ・・」

でした。

 まぁ・・フィリップ・パカレの場合は買い葡萄ですから、まずその時点で重荷を背負っているのは間違い無い・・でも、それをワインから感じさせちゃあね・・

 みたいなことを思ってしまいました。

 勿論ですが、2021年ル・ボージョレほどの仕上がり具合にはなっておらず・・セラートラッカーの87点を付けられたお二方が良い例ですが、しかし時期はさらに進んでいますから・・セラートラッカーのつもりで言うなら、

「今飲んで90点!」

なのでしょう。

 抜栓直後は僅かに還元香が残りますが、数回のスワリングで飛ぶくらいです。果皮の濃密な赤、黒の厚いニュアンス、ドライでピュア、ル・ボージョレほどのフカフカ感は無いもののコアがしっかりしています。

 面白いのは・・今気付きましたが、ル・ボージョレほどの「照り」はこのモルゴンには無いですよね。このことからも、

「まだ仕上がり切っていない・・のかな?」

とも推測することが可能かと思います。

 中域は適度に拡がる方向に行きますが、まだ美しいパレットを描き切ることは出来ません。どうでしょう・・2023年の春頃には一つのバランスを得るんじゃないかと思います。

 そして中盤以降から余韻は、何とも高質なニュアンスを含んだ心地良いアロマがノーズに抜けつつ、凝縮していて成長中の複雑性を持った酸の味わいが膨らみ切らずに若干の重さを持って感じられます。・・

「・・結構以上に・・良いじゃないですか!」

 面白いかもしれませんが、ここから・・ここからなんですね・・。ワインはグググっと伸びて行くんですね。言っておきますが、

「2021年もの!」

ですから・・。今、ブルゴーニュのワインはようやく2020年ものが届いている訳です。モルゴンだってブルゴーニュです。エルヴァージュの期間がコート=ドールのピノ・ノワールより短いですからね・・その辺も今の味わい、ワインの成長具合に影響しています。

 ですので、来春まで待ちましょうか・・(^^;; もしくは、

「腕が痛くなるくらい、グラスをぶん回しながら楽しんでみる・・」

のも一興かと思います。出来は非常に良いです。noisy は92ポイントまで付ける用意が有ります。是非ご検討いただけましたら幸いです。お勧めします!






 以下は以前のサン・スフルのレヴューです。
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【正に球体のテクスチュアとパレット!!秀逸です!是非飲んでみてください!特別価格でのご案内です!】

 マルセル・ラピエールのモルゴンと言えばマルセル・ラピエールを代表するキュヴェですので、自然派ファンのみならずブルゴーニュファン、ひいてはワインファンなら一度は飲まれたことがあるに違いない著名なワインであることは間違い無いでしょう。

 2010年にマルセルが亡くなりましたが、その思想と品質はきっちり受け継がれていることを確認しています。

 しかしながら、これほどまでに認知されながらも、これほどまでにちゃんと理解されていないワインは無いんじゃないかとさえ感じます。

 その理由のひとつには、滅茶苦茶多くは無いがそれなりの生産量が有ることが原因として上げられますね。もし物凄く生産量が限られているとすれば、極一部のワイン屋にしか出回らないでしょうし、そのワイン屋の質さえも問われるはずだからです。・・・まぁ、大手のインポーターさんの扱いになってしまっている場合は、そんなことは全く関係無いでしょうが・・。

 しかしながらそこそこは量が有る関係で、それなりの売り場には並ぶようになります。ダレもが、

「ブルゴーニュ自然派の代表マルセル・ラピエールを代表するモルゴン!」

を並べておきたいと思うに違いないから・・です。

 となるとどうなるでしょうか?「営業時間が過ぎて空調のスイッチをオフにすることに何の疑問も持たない雇われ店長」
「本当は空調を回したままにしておきたいが経費削減を要求され泣く泣くオフにする店員」

 まぁ、大手のショップさんは似たり寄ったりです。それも店内温度18度設定なら良い方です。働く人間の健康保全を考えるとそうなるようです。

 しかしながら、今回ご紹介の「モルゴン2014」はサン・スフルです。So2を入れていない、上出来の厳選キュヴェです。例え店内の空調のスイッチをオフにしようがオンのままだろうが、そんな温度帯できちっと保存されたとして・・ピュアな品質を保てるでしょうか?


 例えば多くのエージェントさんがnoisy のところにいらっしゃいます。そして口々に言うのは、

「私が伺ったお店で一番冷えてますね。」

と言うことです。

 まぁ・・これにはもう慣れましたが・・ちょっとビックリしていました。「・・はぁ?」です。そんなの・・当たり前なんですよ、冷えてて・・。13度設定なんですから・・。ただ冬は結構あったかいんですけどね。

 フィリップ・パカレも、彼のワインは14度以下で保存してくれと・・言っています。ラピエールの弟子がそう言っているのに、平気で18~20度のセラーのスイッチをどうしたものかと、せまい了見の中で堂々巡りをしています。

 なので、マルセル・ラピエールのモルゴン・サン・スフルほど、きちんと飲まれていない・・理解されていないワインはこの世に存在しないでしょう。その多くが残念ながらまともでは無いんです。


 2014年のモルゴンですが、まぁ・・非常に健全でした。健康な葡萄が目に浮かぶようです。赤紫の透明度高く照り有る美しい色合いからのアロマは、ふっくらとした果実を思わせるスピードの速いものでモルゴンらしい、穏やかな鉱物系スパイス、これまた柔らかくふっくらした中域、そこから自然な減衰を見せる美しく長い余韻にかけ、ドライな味筋ながらエキスの旨みをたっぷり感じさせてくれるものです。

 ガメ種だとかピノだとかにこだわることさえも忘れさせる素晴らしいパレットを口中に描きます。ナチュラルでピュア・・しっとりしています。非常に旨いです。

 今飲んでも充分にその美味しさに酔えますし、これから約20年の長い寿命を持っていると感じます。10年ほど後からは、現在の端正な姿とは大きく変わった、ブルゴーニュワインならではの妖艶さを見せてくれるでしょう。非常に美味しい・・素晴らしい出来になった2014年モルゴン・サン・スフルです。是非飲んでみてください。超お奨めです!一推し!





以下は以前のヴィンテージのもののレヴューです。
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【2009キュヴェ・マルセル・ラピエールの系譜!!】

 本当は2012年のブルゴーニュの仕上がりに不安を持っていましたので、荷崩れボトルが山ほどあるなら、それだけでも良いかな~と思ってたんですが、やっぱり飲んでしまうとね・・・、このしっとりとして優しく凝縮したエキスそのものの味わいから、まるでお日様の光を求めて沢山の種が芽生えるように香ってくる繊細なアロマを感じてしまうと、

「うわ~・・・こりゃ旨いわ~!」

結局、健全なボトルも仕入れることになってしまいました。発送、間違わないようにしないといけないので、結構気を使うんです。

 下手をすると2009のキュヴェ・マルセル・ラピエールそのものかと思えるような感覚が有り、反対にこれほどまでに素晴らしいと、

「・・・もうヴィンテージによる良し悪しは20年前と比較にならないほど意味の無いものになっていて、一定のレベル以上に仕上げられない造り手を選択するのは、このレベルでは考えても仕方がないんじゃないか?」
と思ってしまいます。

 さらには
「不安定要素の有る造り手、安定している造り手と、もうひとつ、安定しつつさらに伸びて行こうとしている造り手」
がいることを再確認していましました。

 濃厚なベリーのエキスは、受ける感覚として圧倒的なものなのですが、全く嫌味や力技を感じない、ストレスのないものです。そしてミネラリティ豊富で、現時点でも適度な変化をしてくれますから、これを美味しくないと言う人は、ガメイ嫌いな方でさえも認めざるを得ないものになっています。

 とても美味しいです!是非この機会にお試しください!超お奨めです!破損ものは限定数ですのでお早めに!

以下は以前のコラムより転載しました!
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【実に秀逸!・・とても美しい!旨いです!是非ご購入ください!】

 何故かちょっと嬉しくなりました。マルセルのDNAが、このワインにもしっかりと受け継がれているような気がしたからかもしれません。味筋は2009年キュヴェ・マルセル・ラピエールと90%以上合致していたからです。正にあのしっとりとした球体エキスの味わいなんですよね!

 思いっきりピュアで、美しいです。・・もし違う部分を言うのであれば、もしかしたら2009キュヴェ・マルセル・ラピエールより少しだけ凝縮感が低いかもしれません。それに、還元香はほぼ無いが、還元状態に有ると言える部分のみ・・です。これは時間が解決する部分ですし、全く還元の臭さは無いです。

 しっとりとした甘いエキスの味わいと、膨らみつつ赤いベリーの凝縮したニュアンスを振り撒く、リーズナブルで素晴らしいワインです。勿論、ちゃんと保存できれば、15年以上の熟成にも耐えるでしょう!是非飲んでみてください!そして、ガメイの美味しさを再認識して欲しい、マルセル・ラピエールを時々思い起こして欲しい、マルセルを支え、今のドメーヌを支える家族たちにエールを送って欲しいと!思っています。飲んでみてください!一推しです!


以下は2009年キュヴェ・マルセル・ラピエールのコラムより転用しています。
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【マルセルは、正にこのキュヴェ・マルセル・ラピエールが集大成だった・・・】

 香りを嗅ぎグラスを一回し、もう一度嗅ぎ、キュヴェ・マルセル・ラピエールを口にした・・。脳髄にビリッと電流が走るような衝撃が有った。でも、凄く安心感で包まれた。彼はきっとある種の満足感を胸に、旅立つ事が出来たんだな、と思った。不思議に悲しくなかった。少し寂しかっただけ。

 凄い人だと思っていたけれど、決して自分の好きなタイプのワインを造る人だとは思い切れなかった。距離は取っていても決して離別はしなかった。2007年ものの頃から再び付き合い出した。良いワインを造っているな、と思ったから。

 亡くなられたと聞いて、少しショックだった。やり遂げて無いんじゃないかと・・・少しそう思った。未練が有るんじゃないかと・・でもそれは大きな間違いだった。マルセル・ラピエールは偉大な先駆者だ。素直にそう思えた。


 え~、ちょっと感傷的な・・ポエムっぽい文章で・・すみません。いや、物凄いワインでした。ワインの真髄・・そのものでした。

 完全エキス化された濃厚な液体です。しかも、何の過大さも過小さも、リキミも不足も無いエキスそのものです。緩み無く、完全にピュアで、自然との一体感を表現しています。正に偉大なワインだと・・心底思いました。感動とともに、彼への感謝と、いつかきっと会えるだろうという期待感が沸いてきました。

 生産地とか、ヴィンテージとか、品種とか価格とか・・・、そんなものは何も意味しない。そこに有るのは宇宙と地球と自然だけ・・・魂だけなんだと。人間も葡萄もその内在のひとつに過ぎない、と語りかけてくるような味わいでした。20年以上、いや30年は平気で熟し持つでしょう。マルセルは今後の指針となる、凄いワインを2009年に造りました。

 今飲んでも美味しく、きっと優しさに包まれ、感謝の念が沸いてくるんじゃないかなと思います。凄いけど厳しくない、ピュアな真正ワインです。お奨めします。是非とも飲んでみてください。合掌

ドメーヌ・リップ・ボワロー

リップ・ボワロー

フランス Domaine Lippe Boileau ブルゴーニュ
● 2度目のご案内になりますドメーヌ・リップ・ボワローの2021年です。厳しいヴィンテージなので、

「どうかな?」

と少し心配していましたが、杞憂に終わりました。滅茶美味しいです!

 ジュヴレほど重く無く、鉄っぽく無いと言うジュヴレの北隣の「ブロション」のテロワールこそが、このリップ・ボワローの2021年ものが生む、

「ラズベリーのリアルな果実感!」

だと感じました。

 まずはA.C.ブルゴーニュV.V.で充分納得の味わいです!・・そして村名ジュヴレも2020年のようなミルランダージュ的な部分は有りませんが、ラズベリー、チェリーの果実感が生き、1/3ジュヴレ、2/3シャンボール的な味わいを見せてくれます。

 そして現状のトップ・キュヴェのレ・ゼヴォセル!・・これも是非コラムをお読みいただき、

「不遇の準1級畑」

的な表情をお楽しみいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


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 いや~・・参りました!・・と言いますか、何せこの入荷数量減のブルゴーニュワインが主力の Noisy wine ですから、

「何とかせんと・・」

と思ってはいても今更どうにもならない状況の中、気になってはいたもののお客様へのご案内だけは年間100回に届くんじゃないかと言うレベルにまで上がってしまっていましたので、忙しいのは史上最強なため、中々仕入れが出来なかったのがこの「ドメーヌ・リップ・ボワロー」だったんです。

 2017年にドメーヌ承継したとのことで、日本には2018年ものから少しずつアイテムが増えて行った感じです。気になっていたので、

「誰か飲んでコメントでも書いてないかなぁ・・」

と思いつつネットを徘徊しても・・まず出て来ない・・ワイン屋さんもグラスの写真だけは上がっているのを見かけましたが、相も変わらずインポーターさんのコピーをコピーしたものしか掲載していない・・

「・・だから結局、ご同業さんに塩を送ることになっちゃうんだよなぁ・・」

などと思いつつも、

「仕方が無いか・・」

と自身をナダメながらのオーダーを、日本に入って来てから相当経過してから・・させていただきました。


 そしたら・・

「・・げげっ・・リップ・ボワロー、めっちゃ凄いじゃん!」


 美しくも立体感バッチリの酸、滅茶ドライで甘み無し、2020年ものでも濃いくどさが無くエレガントと言う・・

「ちょっと有り得ないバランス!」

をしていたんですね。


 この「美しくも立体感バッチリな酸バランス」が生きるピュアな味わいは、

「昔のブルゴーニュワインなら当たり前だったものが、今や過去の遺物!」

としか思えないほど、心地良くもポテンシャルが高いです!


 なんとこのリップ・ボワローのキャロリーヌさんは、あのジャン=ルイ・トラペ家に連なる方なんですね。なので、

「樹齢が超高いブロションの畑を承継した!」

ことが、始まりだったようです。

 ですから、ジュヴレ=シャンベルタンなどは樹齢100年超??・・らしく、見事としか言いようの無い・・素晴らしい出来でした・・こんなの見逃していたら泣きたくなっちゃいますよ・・と言うか、皆さん、見逃してますよね・・。

 ですので、

「少なくともこのドメーヌ・リップ・ボワローの2020年ジュヴレ=シャンベルタンだけは絶対に飲んでいただきたい!」

と思い、

 などと言うバナーを急ごしらえしてしまいました!

 ですが、確かに2020年の村名ジュヴレ=シャンベルタン(・メ・バ)V.V. が非常にポテンシャルを取りやすいのは間違い無いにせよ、フィサンも美味しいし、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュもエレガントさが出た良いワインですから、

「少なくともこのドメーヌ・リップ・ボワローの2020年ものは何でも良いから飲んで欲しい!」

とも思っている訳です!


 いや~・・棚からぼた餅、寝耳に水・・?・・でした。絶対に驚きますよ。「ブル好き必飲」バナー、これからも活躍できるよう、頑張ってテイスティングします。是非ともどうぞよろしくお願いいたします。


リップ家はブロション村に1620年より続くぶどう栽培家の家系で、ジュヴレ・シャンベルタンのトラペ家の親戚筋に当たります。数世紀もの長きにわたって、「ルイ・ラトゥール」や「ブシャール・ペール・エ・フィス」といったネゴシアンにぶどうを販売してきましたが、2017年、ジャン・ルイ・トラペ氏の姪にあたるキャロリーヌ・リップとその旦那さんのジュリアン・ボワローが垂涎ものの古樹畑を継承したのを機に、自社ビン詰めを志向することになりました。
 ジュリアン・ボワローは、ダミー社、ビヨン社、レモン社といったブルゴーニュの名門樽メーカーでキャリアを積み重ねてきた樽職人で、最後はマルサネ社の樽製造責任者として、「ブルーノ・クレール」「フランソワ・ラマルシュ」「ルー・デュモン」等々の生産者に特注の樽を納めました。
 醸造家の道を歩む決心をしたジュリアンは、「DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)」の前醸造長ベルナール・ノブレに学んだエドゥアルド・パパン率いる、同じ村の「ドメーヌ・クリュニー」で1年間修行した後、2018年に新ドメーヌ「リップ・ボワロー」を設立し、自社ビン詰めを開始しました。
 樽はもちろん自作です。
 「特注樽の製造は、醸造家との共同作業です。醸造家と一緒に試飲を重ねて各々のワインの特性を完全に理解した上で、原材料となるオークの森、土壌、樹齢から、乾燥の方法や期間、そして焼き方まで徹底的に研究して、それぞれのワインに最も相応しい樽に仕上げます。私のジュヴレ・シャンベルタンは石灰質主体の土壌のためミネラル分に富み、樹齢が約100年と非常に高いため濃密なスタイルなのですが、このワインには、サントル(フランス中央部)の森の中でもとりわけ石灰質が多い区域に植生している、樹齢300~400年の超古樹オーク(注:一般的には150~200年)が理想的であり、これまで培った人脈を駆使して調達しています。非常に高密度のオークで、私の樽、とにかく重いです(笑)。焼き方は「très légère. très longue(とても軽く、とても長く)です」。
 「ワインを樽で熟成させる目的は、樽の(木の)香りをワインにつけるためではありません。むしろ逆に、樽で熟成させたことを感じさせないことこそが極意です。ではそもそも樽に入れなければいいのかというと、そうではないところがワインの奥深いところです。樽熟成の作用については非常に技術的な話になるので別の機会に譲りますが、私は「ワインに魔法がかかる」と表現しています」。


2021 Gevrey-Chambertin les Evocelles
ジュヴレ=シャンベルタン・レ・ゼヴォセル

17836
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ジュヴレ=シャンベルタン
ドメーヌ・リップ・ボワロー

■エージェント情報
 ジュヴレ=シャンベルタン北東端の高標高リウ・ディより。0.19ha。平均樹齢約45年のVV。収量35hl/ha。ステンレスタンクでアルコール発酵後、自家製樽でマロラクティック発酵&12ヶ月間熟成。新樽比率は50%。清澄は行わず、軽くフィルターをかけてビン詰め。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  6   ご注文数   本
¥16,200 (外税) 
【1級レ・シャンポー譲りの繊細冷涼さにボワロー的、もしくはブロション的な繊細なラズベリーを加えた、不遇な準1級並みピノ・ノワールです!】
 いや~・・良いですね・・2021年のリップ・ボワロー!・・滅茶素晴らしいです。

 A.C.ブルV.V.の今の美味しさには、ちょっと嬉しさがこみ上げて来ますし、2020年ものが凄かった村名ジュヴレも、2021年ものはタイプが異なりますが、美味しさ自体は普遍でした。

 なので、近々やこの1年以内に飲まれるのでしたら、この2つをお勧めします。こちらの準1級的不遇な扱いのレ・ゼヴォセルについては、

「残念ながらまだ仕上がっていない・・赤丸急成長中!」

と言うことになろうか・・と思います。


 このレ・ゼヴォセルを口にしますと、やはり・・「格」を感じます。ですが、A.C.ブルV.V.や村名V.V.の親しみやすさからは若干離れる感じがするんですね。

 まぁ・・単純に、

「まだ早い」

と言うことなんですね。

 ですが、やはり他のブロションのキュヴェと同様に、

「ラズベリー、チェリーの果実感が素晴らしい!」

です。A.C.ブルV.V.、村名V.V.よりも品格が有り、新鮮で繊細さが感じられます。

 現状、やや腰高な感じで酸が強めですので、この腰高感がもう少し下がり、新鮮なラズベリーに成熟感が出て来ますと・・美味しくいただけるようになるんじゃないかと思うんですね。

 ここまで果実のディテールを見事に描けるドメーヌは、中々見当たらないと思います。むしろ、ルーミエさんとか・・の果実感には近いと思いますし、

「ジュヴレと言うよりシャンボールの方がイメージ的に近い?」

と言いたくなるほど、素直に感じる石灰的ミネラリティの寄与が多いと感じます。鉄っぽいミネラリティは少な目ですので、飲めるタイミングになりますとむしろ素直に美味しいと言っていただけるでしょう。

 少し早いのは申し訳ありませんが、これは是非・・熟成させて飲んでいただくべき素晴らしいピノ・ノワールです。是非ともご検討くださいませ!

ドメーヌ・ピエール・アミオ・エ・フィス

ピエール・アミオ・エ・フィス

フランス Domaine Pierre Amiot et Fils ブルゴーニュ
● 思いもよらず2年振り?になってしまったドメーヌ・ピエール・アミオ・エ・フィス、改め・・ドメーヌ・アミオ・エ・フィスの2022年をご紹介させていただきます。

 ドメーヌ・ピエール・アミオは2020年にドメーヌが分割され、ドメーヌ・アミオとドメーヌ・ディディエ・アミオの2つが生まれました。noisy もその経過を確かめようとしていた訳ですが、2020年ものの案内をすっぽかされ、続いて2021年ものも同様でした。クレームを入れてようやっと2022年ものをご案内できるようになったんですね。楽しみにお待ちいただいていらした方には大変申し訳なく、お詫び申し上げます。

 2022年もののドメーヌ・アミオは、息子さんのレオンさんが稼働し始めたのも有ってか、以前のピエール・アミオ時代よりも・・

「より健全なナチュール感がアップ」

「何となくポワンとしていた部分が美しい抑揚で染められた」

「エレガントさはそのままに幾分の濃度のアップが見られた」

ところに変化が生まれたと感じました。

 流石にトップ・キュヴェのクロ・ド・ラ・ロシュ2022年・・飲みましたよ~~・・素晴らしいです。飲むには早いですが、少なくともブルゴーニュのトップ50本には入ると思われます。

 ジュヴレ1級のオ・コンボットはラトリシエールと見紛うほどの素晴らしいアロマでしたし、モレ1級のレ・リュショは、上部で接するグラ・クリュ・クロ・ド・タール、下部で接する1級クロ・ド・ラ・ビュシエール、南に接するシャンボール=ミュジニー1級レ・センティエと言うロケーションから、レ・リュショならではの独自性を周りの畑から少しずついただいた個性をプラスして素晴らしい味わいを造り出しています。

 また、これは絶対飲んで欲しい・・村名モレ=サン=ドニ!・・こりゃぁ・・エレガントなブルゴーニュワインが大好きな方には、見事にハマる味わいです。A.C.ブルは果実たっぷりで元気いっぱい、年産たったの1500本の「アン・ポワゾ」の美味しさをアピールして来ます。

 残念ながら2020~2021年を見ることが出来なかったため大きな総括には至りませんが、

「もはや無視できない存在になった!」

と言える2022年ドメーヌ・アミオ・エ・フィスでした。必ずや飲んでみるべきドメーヌです。どうぞよろしくお願いいたします。

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 ドメーヌ・ピエール・アミオ・エ・フィスをご紹介させていただきます。おそらく Noisy wine では初の登場かと思います。適当には飲んではいたんですが・・色々有りまして正式には扱っていませんでした。

 多分ご存じの方も多いんじゃないかと思うんですが・・リアルワインガイドでは相当激賞されていました。noisy 的には・・

「・・そんなに良かったかなぁ・・」

と思いつつも、何となく手が出ない日々が続いていました。

 リアルワインガイド第74号では・・コロナ禍ですのでドメーヌには行けず、サンプル提供での評価で、

2018年 モレ=サン=ドニ 今飲んで 90 ポテンシャル 91 飲み頃予想 今~2038
2018年 モレ=サン=ドニ1級レ・リュショ 今飲んで 92+ ポテンシャル 93+ 飲み頃予想 今~2040
2018年 ジュヴレ=シャンベルタン1級レ・コンボット 今飲んで 92+ ポテンシャル 93+ 飲み頃予想 2025~2040
2018年 クロ・ド・ラ・ロシュ・グラン・クリュ今飲んで 93+ ポテンシャル 95 飲み頃予想 2028~2050

と言う結構に素晴らしい結果を掲載しています。勿論、それ以前の号でも、

「なぜ知られていないのか不思議。もっと売れてしかるべき。」

のように書かれていました。


 今回は何とか4アイテム入手できましたが、ちょっとほけっとしていたらジュヴレ1級レ・コンボットが少なくなってしまい、結果として今のところ飲めていません。

 ですが・・クロ・ド・ラ・ロシュも、1級のレ・リュショもテイスティングさせていただき・・他の生産者には無い個性と、アヴェレージを大きく上回るポテンシャルを確認させていただきました。

 ・・ですが・・何と、このグレートイヤーである2019年ものを持って、ドメーヌ・ピエール・アミオは分割されるそうです。兄と弟で分割され、兄のジャン=ルイさんのドメーヌ・アミオと、弟のドメーヌ・ディディエ・アミオになるそうで、まぁ・・何とか分割前に間に合ったような感じですね。

 味筋としましては、色合いはまぁまぁ・・普通か、僅かに濃い目・・でしょうか。しかしながら決して甘く無く、ふんわりとソフトなテクスチュアから、押し出しの強さを見せないエレガント系です。エキスもしっかりしていますが、決して濃い系の強い味わいでは無く、エレガンスをちゃんと感じさせてくれる流れるような華麗さが有ります。

 兄であるジャン=ルイさんの息子さんもすでにドメーヌに参画していまして、それと同時に自然派に移行しつつあるそうで、独特の「ふんわり感」「柔らかさ」はその結果なのかな・・と感じました。

 また海外でも人気が出始めているようで、評価もしっかり付いて来ているようです。是非一度お試しいただければ幸いです。

■エージェント情報
・繊細&ピュアなモレ・サン・ドニ
 ピュアな果実味が綺麗に表現され、品が良くエレガント。一口、また一口と身体に染みわたるような滋味にあふれた味わいです。

・高密植・低収量による品質向上
 1ha当たりの株密度は1万と高く、低収量に抑えて品質を高めています。また、ブルゴーニュの伝統的な栽培方法をベースにしつつ、テロワールへの敬意からリュット・レゾネ(減農薬)農法を実践しています。

・ソフトな抽出と丁寧な選別
 手摘みで収穫され、完熟した果実はまず振動式の選果台で厳しく選別。少しでも満足のいかない果実はそこで撥ねられてしまいます。その後低温浸漬を経て、ゆっくりソフトに抽出を行います。醗酵には自生の天然酵母を使用し、人口酵母は一切用いません。


◆モレ・サン・ドニの地に5世代続く名家「アミオ」
 「アミオ家」はモレ・サン・ドニの地に5世代続く名家。現在ドメーヌはジャン・ルイ・アミオ氏(長男)とディディエ・アミオ氏(五男)の兄弟で運営されています。

 「ドメーヌ・ピエール・アミオ」はジャン・ルイ&ディディエ兄弟の父ピエールによって1975年に設立。1992年に現当主の兄弟がドメーヌを引き継ぎ、現在に至ります(5人兄弟の次男であるクリスチャンは現在ドメーヌ・アミオ・セルヴェルを運営)。所有する畑はモレ・サン・ドニを中心に8ha(ごくわずかにジュヴレ・シャンベルタンも所有)で、年間におよそ4万本を生産。5つの一級畑、偉大なる特級畑「クロ・ド・ラ・ロッシュ」を所有する、モレ・サン・ドニを代表する造り手です。主にジャン・ルイが醸造面を、ディディエが栽培面を担当していますが、明確な担当分けはしておらず兄弟で話し合いながら運営しています。
 自生する天然酵母を使い、リュット・レゾネを実践。収量を抑え、厳しい選果を経て丁寧に仕込まれるピノ・ノワールは滋味に溢れた素晴らしく、美しい味わいです。


◆モレ・サン・ドニと実直に向き合う生産者
 モレ・サン・ドニで5代続くアミオ家に生を受けたジャン・ルイ。現ドメーヌ・ピエール・アミオが設立された1975年頃に醸造学を修めてすぐに参画。父からワイン造りを学びながら手伝っていたが、1992年にドメーヌを正式に引き継ぎました。

 彼曰く、初めて責任者となった1993年、そして続く1994年と非常に難しい年が続いたため、お父さんに怒られながらワインを造ったそう。1990年からモレ・サン・ドニの栽培組合長も務めたことがあるほど、モレ・サン・ドニのことなら何でも知っている人物です。

◆DRCでコンサルタントを務めるピエール・ミレマン氏
 ピエール・ミレマン氏がドメーヌ・ピエール・アミオのコンサルタントを務めるようになったのは2002年産から。以後、自生の天然酵母のみを使用するようになります。その他にもゆっくりと丁寧な抽出をするなど、ドメーヌのワイン造りから人工的なものは極力除かれ、より「自然」に寄り添うアプローチがとられるようになっていきます。ピエール・ミレマン氏は栽培手法から醸造面まで、全ての工程でコンサルタントとして携わっています。

 また、ピエール・ミレマン氏は現在DRCでコンサルタントを務める唯一の人物。その他にもドメーヌ・デュジャックやドメーヌ・アミオ・セルヴェルのコンサルタントも務めています。DRCを始めとして一部の生産者が根強く実践する「全房醗酵」は、彼が支持する手法のひとつ。ピエール・アミオでは彼の助言により、年によって差はあるものの20%程度を全房醗酵させることがあります。

◆テロワールに敬意を示す、滋味に溢れた美しいピノ・ノワール
 ピエール・アミオの哲学は、テロワールに敬意を示し、できる限り忠実に表現すること。そのためにできる、最大限の努力を惜しまず実践します。

 除草剤は一切使用せず、リュット・レゾネ(減農薬)を実践しています。1haあたり1万株という高密度の植樹、1haあたり42~48hlという低収量、自生の天然酵母の使用などはほんの一例。全てはテロワールを表現するために行われます。

 そんな彼らのピノ・ノワールは腰があり、滋味に溢れた素晴らしいもの。輝くルビーや濃いガーネットの色合い、小さくも完熟した黒果実のアロマ、完璧なバランスを誇り滑らかなタンニン。力強くも上品、フィネスに優れたスタイルになっています。

◆リュット・レゾネを実践。除草剤は不使用、高密度、低収量の栽培手法
 ドメーヌではブルゴーニュの伝統的な栽培方法をベースにしつつ、テロワールへの敬意からリュット・レゾネ(減農薬)農法を実践しています。ただし、除草剤は一切使わず、丁寧にすき入れをします。仕立てはギュイヨンとコルドンの両方を採用。3年ごとに畑を休ませるサイクルをとっています。1ha当たりの株密度は1万と高く、低収量に抑えて品質を高めています。

◆自生の天然酵母を使用、妥協なしの丁寧な造り
【醸造】
 ドメーヌにとってワイン造りの全てはテロワールのためにありますが、醸造・熟成の工程においてもそれは同じ。丁寧で妥協のない作業が間断なく続いています。

 手摘みで収穫され、完熟した果実はまず振動式の選果台で厳しく選別。少しでも満足のいかない果実はそこで撥ねられてしまいます。その後70~100%の割合で除梗をし(生産年によります)、5~7日間の低温浸漬を行います。温度管理を徹底して10~12度で、ゆっくりソフトに抽出を行います。醗酵には自生の天然酵母を使用し、人口酵母は一切用いません。アルコール醗酵はおよそ31~33度に管理されたタンクの中で10日ほどの間続きます。

【熟成】
 基本的にどのワインも熟成にはオーク樽を用います。サイズは228リットル。伝統的なブルゴーニュ樽です。アペラシオンによって異なりますが、15~18ヶ月を熟成期間としています。過度な樽感はテロワールの邪魔になるため、新樽の使用はは一級畑で30%、特級畑で50%に留めています。ボトリングのタイミングなど、一部月のサイクルに合わせて行うこともあります。


◆リアル・ワイン・ガイドで絶賛
 ドメーヌ・ピエール・アミオの造るピノ・ノワールは世界的に高い評価を得ていますが、日本におけるワイン専門誌「リアル・ワイン・ガイド」でも、

【リアル・ワイン・ガイド2012年春 37号より抜粋(主に09年産に対して)】

「09年のピエール・アミヨは実にいい。」

「正直言って少し驚いた。本当に良く出来たワイン達だ。」

「こんな良いワインをもっともっと愛好家に知って欲しい。」

「ともかく買い。」

【リアル・ワイン・ガイド2011年春 33号より抜粋(主に08年産に対して)】

「下位のクラスから甘苦酸のバランスの良い見事なもの。」

「もっと人気が出るドメーヌと思う。」

と絶賛されています。


2022 Morey-Saint-Denis 1er Cru les Ruchots
モレ=サン=ドニ・プルミエ・クリュ・レ・リュショ

19039
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
モレ=サン=ドニ
ドメーヌ・ピエール・アミオ・エ・フィス

◇2021年もの
 94~95 Points Extraprima
 93 Points Cellar Tracker
◇2018年もの
 93 Points Adrian van Velsen
■エージェント情報
 モレ=サン=ドニ村の名家ピエール・アミオ。果実のピュアな味わいが綺麗に表現され、品が良く、エレガントで美しいワインを生み出しています。特級畑に隣接する逸品。

場所 : クロ・ド・タールの下
表面積 : 0.5297 ヘクタール
ブドウの樹齢 : 1925年~現在
許容収量 : 48HL/Ha
特徴 : 色 : ガーネットの香りを伴う、鮮やかで透明なルビーレッド
香り:小さな赤い果実(モレロチェリー)
味わい : バランスが取れており、まろやかでシルキー。
保管期間:7年以上
熟成の可能性: ヴィンテージに応じて10~20 年

テロワール:標高260メートルでブドウの木は東南東を向いています。彼らは、岩、泥灰土、赤いシルト、砂利のある石灰岩土壌の上に横たわっています。レ・リュショは村の南、シャンボールとの境界、クロ・ド・タールとボンヌ=マールの下にあります。この区画は冷たい風から守られ、良好な熟度をもたらす微気候の恩恵を受けています。ここのブドウ畑では小さなブドウがたくさん実っています。
栽培、醸造、熟成:ブドウの栽培から醸造まで、各プロセスはヴィンテージに応じてバランスが取られ、このテロワールの複雑さを高めています。リュショーの区画では草を刈る実験が進行中です。特定のブドウの木は、ピノの遺伝的遺産の保存に参加するために科学的に選択されています。熟成はこのアペラシオンの新樽の 3 分の 1 を使用したオーク樽で行われます。
テイスティング:赤い果実の香りとジャムのような香りが広がります。味わいはバランスが取れており、凝縮感があり、まろやかでシルキーです。心地よい余韻が長く続きます。
 このワインはグリルした赤身肉や白身肉とよく合います。非常に「熟した」ヴィンテージの場合は、普通とは違う組み合わせを試すこともできます。たとえばチョコレートのデザートと一緒に。

 最高のヴィンテージの場合、その味わいを十分に理解できるようになるまで 5 ~ 10 年待つことをお勧めします。14~16℃で味わってください。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  1   ご注文数   本
¥15,780 (外税) 
【メディアの評価は見当たりませんでしたが、2022年は今までの評価を超える出来だと確信しました!・・素晴らしいです!】
 ピエール・アミオの立ち位置って、中々に面白いと思っています。そもそもピエール・ミルマンさんがエノロジストですから、D.R.C.やデュジャックもコンサルしているし、ジャン=ルイのすぐ下の弟(次男?)さんはアミオ=セルヴェルでワインを造ってますが・・ここもピエール・ミルマンさんがコンサルしているはずです。

 なので、「D.R.C.もデュジャックもアミオ系3軒も似ていておかしく無いはず」・・でしょう?

 でも似てないんですよね・・。敢えて言うなら、最近のデュジャックが近いのかもしれませんが、あんなに濃く強く無いですし・・あ、直近のは飲めてないので判りませんが。

 まぁ、エレガントさを失わないし、パワフルさも強く無い・・ちょうど中間な感じでしょうか。

 おそらくですがジャン=ルイさんの時はもう少し弱めだったと感じています。この何年かで、その「弱いと感じる部分」が無くなり、心地良いしっかりさと柔らかなタッチを得た・・きっとそれが息子さんのレオンさんが入ったことによるんじゃないかと・・勝手な想像をしている訳です。

 アロマのパンチ・・と言いますか、薫り高く伸びるのはジュヴレ1級オ・コンボットには適わないかな?・・と思います。しかしその分、とてもエレガントなんですね。そして、先鋭的では無く、細かなものが束になったようなアロマを押し出してくる・・そんなイメージの香りの上がり方です。

 ルーミエさんの珠玉の1級クロ・ド・ラ・ビュシエールの真上にあるリューディですが、さらには、「クロ・ド・タール」の真下にも有ります。今はやや閉じ気味でもある・・と言いますか、完全には仕上がり切る少し手前の段階・・と言えると思います。とりあえず一度仕上がるのは来春位でしょう。ただし、飲めない訳では有りません。

 クシャっと良く目が詰まっていて、ややビロード風の伸びやかなテクスチュアです。赤い果実と黒いそれが、ちょうど半々・・非常にドライです。すぐ南がシャンボール=ミュジニー村(レ・センティエ)と言うこともあってか、透明なミネラリティに長けていて、むしろそれがまたある種の「硬さ」をもたらしているのかもしれません。ミネラリティ由来の少しの硬さが有って、それがコーティングされているようなニュアンスで、ツルツルと艶かだがやや硬め・・と言うことなのでしょう。2019年ものはここまでのミネラリティは無かったような・・気がします。

 モレの1級らしく複雑性に富んでいます。繊細さも持ちつつ、力強さもそこそこに有ります。村名のモレ=サン=ドニが今から飲んでも非常に美味しいのと逆に、少し待って欲しい・・これからどんどん凄くなるからと・・ワインが言っているような感じです。

 2021年ものは noisy は飲めていませんが、大手では無いものの海外メディア、SNSも93~95ポイントと、相当に高い評価を出して来ていますが、2022年ものをテイスティングした結果としては妥当なものなのかな・・と感じます。価格もリーズナブルで狙い目だと思います。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【これは激旨!・・モレ=サン=ドニ1級のエレガンスな面をしっかり出しています!余り無いタイプです!滅茶美味しい!】

 そうですね・・

「アルマン・ルソーがこの畑で造っていたらこんな感じ?」

とも思えなくも無い・・ふんわりとしていて、適度に脱力して造っている感じと、果実とミネラリティのバランスが似ているんじゃないかと思います。

 あ、「脱力して」と言う部分は決して貶している訳では無くて、無理をせず・・と言う事ですね。抽出を強くしようとか、果実感をしっかり出したいとか・・そんな人間の思いを行動にうつさない・・と言う意味です。

 小さい実のラズベリーのような果実感は、アリガチな甘いニュアンスがほぼ完全に無いもので、これが実にエレガントなんですね。色合いからも判るように、

「決して濃く無く、薄く無く・・」

です。

 また、オリヴィエ・ジュアンが同じくこのリュショを造っていますが・・似てないです。ジュアンの方はもっと肉が付いていて僅かに甘さも無くは無い・・感じでしょう?・・結構にエキス系で有ると思います。


 そして非常に滑らか・・です。根本的にシャンボール1級レ・センティエと接していますので、赤さが結構に在るかと。

 その上で・・上の(西側)畑はボンヌ=マールとクロ・ド・タールですから、もう少し茶や黒が入ってくるんですね。オリヴィエ・ジュアンはその系統・・かと思いますし、このピエール・アミオはシャンボール系とモレGC系をバランス良く持っている感じがします。

 なので、精緻で上品な小果実・・ラズベリーが香り、でも決して強い主張をしているのではないエレガンス感、しかし滑らかで高い質感だけが残って終盤を迎える・・だから、こりゃぁ美味しい!・・と思ってしまう訳です。

 リアルワインガイド第74号は、2018年の1級レ・リュショにポテンシャル点を93+ポイントまで付けています。飲み頃も「今~2040」です。こちらは2019年
ですからヴィンテージは異なりますが、そこはグレートイヤーの2019年・・今飲んでも相当旨いです!・・

 しかも、

「モレ1級畑のポテンシャルを若い今から美しく表現出来ている!」

ことに驚きを感じました。もう少し粗野な感じじゃないかな・・と思っていましたがしっかり外れました。まぁ・・その辺が2019年ものなのかもしれません。

 今、相当美味しいと思いますし、20年ほどは持つと思います。下手にボンヌ=マールの若いヴィンテージを開けるよりも結果が良いかもしれません。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!


2022 Gevrey-Chambertin 1er Cru les Combottes
ジュヴレ=シャンベルタン・プルミエ・クリュ・レ・コンボット

19037
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ジュヴレ=シャンベルタン
ドメーヌ・ピエール・アミオ・エ・フィス

■メディア情報
◇2021年もの
 94~95 Points Extraprima
 94 Points Cellar Tracker
◇2018年もの
 92 Points Adrian van Velsen
■エージェント情報
 モレ=サン=ドニ村の名家ピエール・アミオ。特級畑に囲まれた立地に恵まれた畑。ジュヴレ=シャンベルタンらしい力強さと、美しいフィネスが魅力。果実のピュアな味わいが綺麗に表現され、品が良く、エレガントで美しいワインを生み出しています。つややかで雑味のない澄んだ味わい。

場所 : クロ・ド・ラ・ロッシュ、ラトリシエール=シャンベルタン、マゾワイエール=シャンベルタンの間
表面積 : 0.4589 ヘクタール
ブドウの樹齢 : 1936年~現在
許容収量 : 48HL/Ha
特徴 : 色 : ガーネットの輝きのあるルビーレッド
ノーズ : 小さな赤と黒の果実、スパイス、花の香り。
味わい : フルボディでしっかりとした構造があり、持続性が非常に高い。
保管期間:8年以上
熟成の可能性: ヴィンテージに応じて10~20 年
テロワール
ブドウの木は、特に朝日(東、南東)によく当たる場所にあるため、常に非常に熟したブドウが実ります。標高 260 m に位置し、砂利の多い丘陵斜面の崩落層が改質および分解してできた石灰岩土壌の上にあります。レ・コンボットはジュヴレ・シャンベルタンとモレ・サン・ドニの境界、グラン・クリュのラトリシエール・シャンベルタン、マゾワイエール・シャンベルタン、クロ・ド・ラ・ロッシュの間に位置します。
栽培、醸造、熟成:これはドメーヌ内で最も古いブドウ畑の 1 つであり、大規模な選抜によって維持しようと努めています。ブドウの栽培から醸造まで、各プロセスはヴィンテージに応じてバランスが取られ、このテロワールの特徴が強調されます。熟成はこのアペラシオンの新樽の 3 分の 1 を使用したオーク樽で行われます。
テイスティング:赤い果実の香りが漂います。口当たりが非常に長く、シルキーなタンニンを持つフルボディのワインです。このワインは、赤身肉のグリルやソース、チーズとの相性が抜群です。最高のヴィンテージでは5年から10年待って、その良さを実感してください。14~16℃で味わってください。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥18,980 (外税) 
【2022年ものの1級オ・コンボットは、「ラトリシエール=シャンベルタンのお隣」を相当しっかりアピールしている素晴らしい出来です!】
 いや~・・逃がした魚は大きかった!・・と言うところでしょうか。

 実は2019年ものを薦めさせていただいた後の2020年、2021年ものをインポーターさんにしっかりハブられてしまったんですね。「おかしいなぁ・・いつまでも案内が来ないなぁ・・」と思っていたら、遠の昔に終了していた・・と言うんですね。

「あれだけ大量に購入していたのになんで案内が無いの?」

っと、かなり強い口調で聞いた訳ですが、そうしたら・・

「私のミスです」

と。

 で、何かで穴埋めしてくれるのかと思ったら・・何も無し、しかも2021年も結局案内が無く、今回の2022年ものでようやっと復活と・・酷い目に遭いました。

 何せ、ピエール・アミオの2020年と言うのは、ドメーヌに取っても大きなエポックとなったヴィンテージだったんですね。ジャン=ルイさんの弟のディディエさんと2人でドメーヌ・ピエール・アミオを回していたんですが、ディディエさんが独立したんですね。

 なので、巨大なドメーヌだったドメーヌ・ピエール・アミオはドメーヌ・アミオとドメーヌ・ディディエ・アミオに分割された訳です。なのでエチケットもだいぶシンプルになりました。そして、2022年のエチケットにはディディエ・アミオの名は無く、代わりにレオン・アミオのクレジットが入っていました。

 なので、

「2年間、変化を見つめられなかったので、2022年ものは出来るだけ多くをテイスティングして変化を見る」

ことにしたんですね。

 ジュヴレの1級レ・コンボットと言えば、Noisy wine ではトラペさん・・ですね。今やジュヴレを代表するドメーヌに登り詰めましたので、価格も・・相当高いですから、安易には手を出せないようになってしまいました。

 しかし、ジュヴレの南端でモレ=サン=ドニに少し食い込むように存在している1級畑で、南と西(上)にはクロ・ド・ラ・ロシュが、北にはラトリシエールが、東にはマゾワイエール(シャルム)が・・と言うことで、

「そこだけ1級!」

なんですね。

 まぁ・・理由がありまして・・やはりコンボット(窪地)なので、他のグラン・クリュよりも水捌けが悪くて水分が多く、軽くなりがちだ・・と言うことで1級にされたようなんですね。

 ですが・・当然ながら、クロ・ド・ヴージョの下部でも凄いグラン・クリュを造る方もいらっしゃいますので、しっかりと畑仕事が出来る方にかかりますと、すぐ隣のグラン・クリュと見まごうような凄いワインになることも有り得る訳です。

 クロ・ド・ラ・ロシュには・・残念ながら余り似ていませんで・・しかし、ラトリシエール的であるのは間違いありません・・確かめました・・(^^;;

 周りのマゾワイエールのような深く強い果実ややや重量のある土、濃密さを感じる訳では無く、比較的軽量でフラワリーさと、真っ赤に近い果実がややエキセントリックに香るんですね・・。

「ん?・・シャンボール、入ってる?」

などと一瞬、思う訳です。ですが、

「ん~・・ちょっと乾いた感じとフラワリーなアロマがやや香水的で・・やはり、ラトリシエールっぽさってことかな?」

と思いなおす訳ですね。

 で、やはりその適度な軽さこそが特徴で、その分、とても良く香ります。赤く、良く詰まった果実に加え、やや発散的に良く飛び込んで来るフラワリーなアロマ・・が印象的です。

 今飲むにはどうでしょうか・・ちょっと勿体無いかもしれませんね・・3~4年待つのが正解かと思います。もちろん、10年ほど経過してからが深みも増すと思います。素晴らしい出来でした!・・是非飲んでみてください。超お薦めです!



 以下は以前のレヴューです。
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【すみません・・】

 ジュヴレのG.C.マゾワイエールとG.C.ラトリシエール、そしてモレのG.C.クロ・ド・ラ・ロシュに挟まれた希少な1級畑、レ・コンボットです。

 もう・・この名前からして、

「コンブ・・谷・・なんだけど、葡萄は悪くは無いんだよね~・・」

みたいなヴィニュロンたちの気持ちが入っている感じがするんですね。そうじゃ無かったら普通に「レ・コンブ」で良いじゃないですか。

 で、やはり注意しつつ葡萄を育てれば、結構に良いワインに仕上がるロケーションだと思っています。

 ですがすみません・・ホケッとしていましたら上手く注文出来ていませんで、1本しか入手できませんでした・・ので、飲んでしまおうとは思ったんですが、クロ・ド・ラ・ロシュまで開けてしまってテイスティング代が完全に予算オーバーですので、取りあえず販売に回そう・・上手く行けば誰かに飲ませてもらえるかも・・と思っている次第です。

 リアルワインガイド第74号は、2018年もののレ・コンボットにポテンシャル93+まで付けています。2019年ものは・・

「ピエール・アミオとしてはラスト・ヴィンテージ!」

と言うことになります。ご検討くださいませ。



2022 Clos de la Roche Grand Cru
クロ・ド・ラ・ロッシュ・グラン・クリュ

19036
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
モレ=サン=ドニ
ドメーヌ・ピエール・アミオ・エ・フィス

■メディア情報
◇2021年もの
 96 Points Cellar Tracker
 96 Points Extraprima
 91~94 Points Burghound.com
◇2018年もの
 94 Points Adrian van Velsen
■エージェント情報
 モレ=サン=ドニ村の名家ピエール・アミオ。果実のピュアな味わいが綺麗に表現され、品が良く、エレガントで美しいワインを生み出しています。特級ならではの深みある生産者最上級品。
畑:3つの中ほどの区画に分散
面積 : 0.5612 ヘクタール
樹齢 : 1965年~1982年
許容収量 : 42HL/Ha
特徴 : 色 : ガーネットの輝きを持つ濃いルビーレッド
香り : 小さなブラックベリーフルーツ、スパイス
味わい : エレガントで力強い。
保管期間:10年以上
熟成の可能性: ヴィンテージに応じて 15~30年
テロワール:ブドウの木は東、南東を向いており、標高は270~300m。岩と砂利のある茶色の石灰岩の土壌の上に横たわっています。ル・クロ・ド・ラ・ロッシュは、オ・コンボットの南、そしてクロ・サン=ドニと隣接しています。ドメーヌ・アミオでは、ル・クロ・ド・ラ・ロッシュは 3つの区画で共有されています。リュー・ディ・モン・リュイザンの斜面の頂上、フレミエの斜面の中腹にある区画、そして斜面とリューディ・レ・シャビオの下部にあります。
栽培、醸造、熟成:栽培から醸造まで、各プロセスはヴィンテージに応じてバランスが取られ、最高のワインを造り、テロワールの特徴を維持します。熟成は新樽50%を使用したオーク樽で行います。
テイスティング:バラとスミレの花の香りがクランベリーとチェリーの香りと混ざり合い、コショウとトリュフの香りが広がります。豊かでバランスの取れた味わいは非常に複雑で、並外れた長さがあります。このワインは、赤身の肉、ジビエ料理のソース味だけでなく、すべての成熟したチーズを引き立てるのに理想的な力強さと芳香の豊かさを備えています。最高のヴィンテージの真価を実感するには、最低でも10年はかかります。
16~18℃で味わってください。
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  2   ご注文数   本
¥47,500 (外税) 
【何故このクロ・ド・ラ・ロシュがグラン・クリュなり得るのか、じっくり向き合うと「じわっ」と伝わって来ます。素晴らしいです!】
 マット・クレイマーさんはちょっと面白いことを言ってまして・・

「瓶詰めを後3、4年たってようやっと開き始めるが、その全容をあらわすには、さらに10年以上かかる。傑作ともなると30年以上ながらえて他を寄せ付けず、ひとり極上のシャンベルタンだけがわたりあえる。」

 まぁ、この記述は、クロ・ド・ラ・ロシュと言うリューディがジュヴレ=シャンベルタンに接している(部分がある)と言うこともあって、30年ものの極上クロ・ド・ラ・ロシュと極上のシャンベルタンが同様なほどの素晴らしさを見せる・・と言うことを言いたいのでしょう。

 かのマダム・ビーズ・ルロワに、

「(あなたにとって)クロ・ド・ラ・ロシュとはどんなワインですか?」

と、あるインタビュワーが幅のある聞き方をしたんですが、その時彼女は、

「ラ・ロシュ(岩)」

と一言だけ言ったそうです。中々に深い言葉だと思っています。

 現在の気候の性か、果実がしっかり出て・・クロ・ド・ラ・ロシュが持つ膨大な岩のようなミネラリティとバランスが取れるワインになっていますと、その「ラ・ロシュ」的なミネラリティは大部分が「岩」のように中心に集まり、果実がその周りに層のようにまとわりつきます。なので、むしろその「岩」のようなミネラリティは「硬い種」的に感じられると思うんですね。

 この2022年のドメーヌ・アミオのクロ・ド・ラ・ロシュは、濃くは無いが・・敢えて言うなら少しだけ濃い目でしょうか?少なくとも1997年ものまでのドメーヌ・デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュのように淡くは有りません。

 しかしながらフィネス感もたっぷり感じさせながら果実が岩の周りにまとわりつき、そのワインの大きい構造をしっかり埋め尽くしつつも、

「パワーで押し切ろうとしない・・エレガントな姿」

を見せてくれるんですね。

 noisy は先日、このクロ・ド・ラ・ロシュとジュヴレ1級オ・コンボット、モレ1級ラ・リュショを3本並べまして・・それぞれグラスに注ぎ、その違いを確かめさせていただきました。

 やはりクロ・ド・ラ・ロシュは流石でして、その見た目と言いますか・・佇まいからもう・・後光が差しているように輝いており、漏れだすアロマも気品に満ち、透明感を持ったミネラリティと瑞々しさを放ち、素晴らしい2つの1級畑をも・・遠ざけていました。

 クロ・ド・ラ・ロシュは、1級オ・コンボット、そしてグラン・クリュ・ラトリシエールとも接しているリューディなんですが、面白いことにアミオの1級オ・コンボットとは結構に違うんですね。・・いや、全く似ていない・・と言う事では無いんですが、やはりオ・コンボットはジュヴレ的な部分を多く感じさせつつ、赤い果実を多分に持っていて、心地良い果実感を見せてくれる訳です。

「やはりジュヴレ・・の畑だよね・・」

と思わせてくれる訳です。

 クロ・ド・ラ・ロシュになりますと、もはやジュヴレ的な部分は相当に薄まり、繊細で緊張感さえ有るのに・・雄大で大らかだと・・思えるんですね。同じモレのグラン・クリュ、クロ・デ・ランブレイやクロ・ド・タールが持つ

「美しい土由来だと思える表情」

は無く、厚い果実の層の奥にプラムの種の様に鎮座している岩を感じて、

「旨いが・・まだまだ先に物凄いアクセントが有る!」

と思わせます。凄いワインでした。

 今は息子のレオンさん?・・だったかな、彼がすでに動いているようでして、以前より、よりナチュールなニュアンスが漂よっていますし、親父さんのジャン=ルイさんの頃よりも、わずかに力強さ、判り易いスタイルを身に着けているようにも感じました。

 これは・・4~5年は置いて欲しいですね。凄いクロ・ド・ラ・ロシュだと思います。お薦めします。


 以下は以前のレヴューです。
-----
【G.C.クロ・ド・ラ・ロシュの「ロック(岩)」とG.C.クロ・サン=ドニ風の赤い小果実が複雑にせめぎ合う見事な表情!素晴らしいです!】

 クロ・ド・ラ・ロシュと言えば・・ほとんどの皆さんが口にされるのは、ドメーヌ・デュジャックでしょうか。他にはポンソ、ユベール・リニエ、ジョルジュ・リニエ、アルロー辺りでしょうか。あ、アルマン・ルソーやルロワを上げる方も勿論・・ジャッキー・トルショーも造っていました。

 このドメーヌ・ピエール・アミオの造りとしましては、印象的に似た感が有るのは2006年辺り以降のアルマン・ルソーでしょうか。デュジャックは親父さんのように「薄旨」でも無く、息子さんのように「濃い系」でも無いので当たらず、ポンソは・・1/3位の面影を当てはめることは可能かも、ジョルジュ・リニエのようにリリース直後のガチガチさもなく、アルローのように果実中心でも無い・・ルロワは1/3位、似た部分はもしかしたら在るかも・・と言う感じです。

 ルソーは近年、非常にふっかふかでソフト、しかもエキスも果実も穏やかながら確実に・・無理しない造りでもしっかり出来てしまうワインをリリースしていましたので、最も似ているのはルソーかもしれません。

 クロ・ド・ラ・ロシュ的な「石・岩」のニュアンスと、クロ・サン=ドニ的な極小赤果実をキュッと凝縮させたような・・何とも心地良い味わいです。リアルワインガイドは2018年ものに95点付けていますが、それも・・さもありなん!・・と言うしかない見事な味わいです。

 色合いも実に美しいですよね・・。まぁ・・noisy のようにさっさと開けてしまうのは止めておきましょう。リアル的には2018年もので2028年から飲んで・・と判断していますが、中々良いところを言っていると思います。

 ただし・・今でも飲めなくはない!・・です・・(^^;; 勿体無いですけどね。このしっかりと、キュッと凝縮している小果実が実に心にグサッと入って来ますので、

「実は早過ぎるが落ち着かせれば飲めなくは無い。ガッチガチになるような感じでも無い。」

と思いますので、間違えて開けてしまっても何とか処理をすれば美味しくいただけるんじゃないかと思います。

 このセクシーな色合いを見たらちょっとグッと来たでしょう?・・相当良いです!・・noisy的にはポテンシャルは96ポイントまで付ける可能性が有ります。ご検討くださいませ。

ドメーヌ・フイヤ=ジュイヨ

フイヤ=ジュイヨ

フランス Feuillat-Juillot ブルゴーニュ
● 素晴らしいシャルドネをご紹介させていただきます。

「誰もが心から美味しいと感じる白ワイン」

じゃないかと・・noisy はそう思っています。


 ブルゴーニュはコート=ドールの南端を過ぎ、コート・シャロネーズへと入りますが、それまた南端のアペラシオンの「モンタニー」です。

「・・なんだ~・・モンタニーかぁ・・」

と思われるかもしれませんが、

「飲んだら・・今までのイメージを一新することになる!」

と思いますよ。素晴らしいシャルドネです。


 ここモンタニーは、アペラシオンとしますと白ワインのみに村の名前が与えられます。ですので、例えピノ・ノワールを造ったとしても、「A.C.ブル」以下にしかならない決まりになっているんですね。

 で、今や1級畑が51区画も有るそうですが・・でも、noisy にとっては・・

「・・えっ?・・そうなの?・・そうだったっけ?」

と。

 いや~・・そんなの、初耳ですよ・・と言いますか、noisy の知識(さして自信はありませんが)は古かったようで、こんな風に覚えていたんですね。

「モンタニーのアペラシオンはアルコール分が11.5パーセントを超えていれば1級を名乗れる」

と・・(^^;;


 いやいや・・どこかで読んだのでそう思っていたと・・調べてみましたら・・有りましたよ。合田康子さん、塚原正章さん等が翻訳した、あのPKさんの名著、「バーガンディ」にちゃんと書いて有りました。


「驚いたことに、モンタニのアペラシオン内でアルコール分が最低11.5%に達してさえいれば、ワインは1級と称してよい。この制度はフランスの他のいかなるアペラシオンにも見られない」

ロバート M パーカー著 ブルゴーニュ 飛鳥出版 より抜粋

 まぁ・・この本は相当古いですから、ずっと同じはずも無く、現在はちゃんと1級畑は1級として認定されているはずです。


 で、noisy もまぁ・・今までは余り・・

「顧みたことが無いアペラシオン」

なんですが、もともと生産者さんも多くなく、ワインは決して悪いものでは無かったと感じていたものの・・

「モンタニーじゃ・・なぁ・・」

みたいなブルゴーニュオタク的心がね・・扱わせて来なかったんですね。


 ですがもう・・そんなことは言ってられなくなりまして、最近はアレコレとリーズナブルなアペラシオンを開発しているんですが、

「その noisy の網に引っかかったのがフイヤ=ジュイヨだった!」

んですね・・。



 出来、味わいは素晴らしいです。飲んだら惚れちゃいますよ・・フルーツ、柑橘フルーツが非常にしっかりと、立体的にくっきり感じられる味わいでして、若くしても非常に美味しく、ミネラリティもたっぷりですから長く持つんですね。

 似ているのは・・まぁ・・難しいですが、

「ムルソー40%とピュリニー40&とコルシャル20%を合わせた感じ」

です。

 勿論、キュヴェによりイメージはだいぶ変わるんですが、有るキュヴェなどは・・

「ムルソー=ペリエールとコルシャル?」

のようにも受け取れます。


 まぁ・・ちょっと考えてみてくださいよ。


「アルコール分が11.5%以上なら1級!」

って・・凄いことでしょう?

 つまり、

「畑のポテンシャルはほとんど1級だと認定していた!」

と言うことなんですね。


 温暖化も有るかと思うんですが、眠っていたポテンシャルが目覚め出したと・・言えないでしょうか?


 何せこのフランソワーズ・ジュイヨさん、

「男性よりもワインが大事!」

と言う方ですからね・・是非お試しください。決して損はさせません。


-----

 メルキュレーの名門「ミッシェル・ジュイヨ」の長女として生まれたフランソワーズ・ジュイヨは、

「若い頃、男性よりもワインと恋に落ちてしまい」

 ディジョン大学の醸造学部を卒業。以来今日までワイン造り一筋に生きる、ブルゴーニュにおける女性醸造家の草分けのひとりです。父の下で4年間修業した後、1989年、自身のドメーヌをモンタニー・レ・ビュクシー村に設立しました。



 コート・シャロネーズ地区の「モンタニー」は、村名もプルミエ・クリュも、すべてシャルドネのAOCです。ジュラ期の化石を多数含有する石灰質主体の土壌で、華やかな芳香と美しいミネラルに富む白ワインができます。また、日照量が多いため、果実味たっぷりのフルーティーな味わいになります。ちなみに、生産者数が非常に少ないことでも知られるAOCです(ドメーヌは7、8軒しかありません)。



「モンタニーのプルミエ・クリュは、51もの区画に分かれています。それは、テロワールがそれだけ多様であるということを意味します。複数区画のぶどうをブレンドされることがほとんどなのですが、私は、子供たちの個性がひとりひとり驚くほど異なるように、それぞれの畑の個性をできる限り丁寧に表現してあげたいと思っています」



 という彼女の作品群は、同じモンタニーのプルミエ・クリュでも畑によってこれほどまでに味が異なるのかと、心底びっくりさせられます。(年によって6~10区画のぶどうをブレンドすることによってアロマを極限まで複雑化することを志向した「キュヴェ・レ・グラップ・ドール」は別にして、彼女は全部で6つの畑別プルミエ・クリュを造っています)。

「やっぱり、同性から、あなたのワイン美味しいわね、と言われたいです(笑)」

 というフランソワーズ。女性だけの審査員で試飲が行われる「フェミナリーズ・コンクール」でも、毎年のように金賞を受賞しています。




2022 Montagny Camille
モンタニー・カミーユ

18613
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
モンタニー
ドメーヌ・フイヤ=ジュイヨ

■メディア評価
◇ 2021年もの
 91 Points Tim Atkin
■エージェント情報
「レ・ヴィーニュ・ドス」と「レ・カルラン」の2区画(合計1ha)からのブレンド。石灰質が勝る粘土石灰質土壌。樹齢10~15年。ステンレスタンクで発酵後、8ヶ月間熟成。ジュラ紀の貝殻の化石が多い石灰質に由来するミネラルの風味と、白桃のような芳香、そしてバターのようなコクが特徴です。作品名の「カミーユ」は娘さんの名前です。
「ぜひ山羊のチーズやサラミと一緒に召し上がってみて下さい」(フランソワーズ・ジュイヨ)
■フイヤ=ジュイヨのホームページ
https://www.feuillat-juillot.com/en/home/
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  9   ご注文数   本
¥4,090 (外税) 
【素晴らしかった2021年ものを超える凄い出来!・・今飲んでとんでもなく旨いです!・・「ブルゴーニュ・シャルドネの粋」を感じさせるモンスター・モンタニーです!】
 え~・・珍しく、3枚も写真を掲載しています。まぁ・・やってみたかったと言うのも有りますし、

「結局2本もテイスティングすることになったので、その経費を何とか捻出できるくらいの企画にしないと・・」

と言うのも有り・・と言うことなんですね。

 2024年3月にオファーが有り、4月に入ってすぐ入荷、5月5日の深夜にテイスティングしましたところ・・まぁ・・ポテンシャルはしっかり取れたんですが、バッキバキに硬い訳です。ミネラリティはマンモス級ですから・・それが外殻を埋め尽くしますと結構にキツイ訳ですね。

「・・この状態でレ・グラップドールやレ・コエールの1級をテイスティングしても・・なぁ・・」

と言うことで、しばらく寝かせることにした訳です。

「2021年ものも9月の新着のご案内だったし、3カ月ほどすればこなれてくるはず・・」

と当たりを付けたんですね。

 で・・その5月5日の写真が左の1枚目の写真です。


 そして、この左の2枚目と、下の3枚目が9月1日の深夜に掲載した写真です。

「・・・どうでしょ?」

 そうなんです!・・怖いですね~・・全然違うでしょう?

 1枚目の写真は透明感の高いミネラリティが周りを覆っているかのようで、黄色い色彩もやや暗く、「2枚目より確実に薄い」ですよね?

 まぁ・・若干、角度が異なると言うのは有りますが、それでもここまで違うか?・・と言えるほどに違います。2枚目は、

「黄色い果実・柑橘が匂って来そう!」

ですよね。1枚目は、

「ミネラルを言いたくなる写真」

じゃないかと思いますが。

 で、やはりこの1枚目の写真の状態でお飲みいただきますと・・

「良いのは判るけど・・果実は薄いし何より硬いし・・イマイチ・・」

と判断されると思うんですね。メディアの評価でも、この状態でテイスティングしますとおそらく・・

「低い点しか付かない」

訳です。


 ですが、今飲んでこの「カミーユ」、2021年ものよりも一回り大きな構造と、味幅をしっかりと強調してくる外向的な表情をしていまして、

「マンモスなミネラリティを内包しつつ、たっぷりな柑橘・果実にマッタリと粘り、適度な締まりを持った高質なコート・ドールのシャルドネを彷彿させる」

と言う・・凄い味わいをしています。

 2~3枚目の写真からお判りいただけるかと思いますが、それでもまだ幾分閉じた部分が有りますから、それらが解放に向かいましたら・・ムルソー的なやや内向的さをピュリニーの外向さに置き換えたような、素晴らしい表情に出会えると想像する訳です。

 さすがに2022年ものは、2021年もののように3千円代でご案内できませんでしたが、それでも差額は僅か!・・いや、ちょっとだけ無理はしていますが、それでもこのリーズナブルさが気に入ってお買い上げいただいたお客様に、

「こんなに安いのに、こんなに凄いの・・初めて!」

と言っていただけるんじゃないかと・・それだけを楽しみに・・2本目を開けさせていただきました。

 今飲んで良く、5年先にはほぼ満開になるんじゃないかと予想しています。ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!!激旨!!

 以下は2021年もののレヴューです。
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【モンタニは素晴らしいロケーション!・・減農薬栽培で果実がクッキリ!・・ミネラリティは白っぽくやや硬質、なめらかでツヤツヤなテクスチュア・・言うこと無しです!・・あ、アルコール分は13.5%!】

 昔の決め事通りでしたら「1級」を名乗れるはずですが、現在はダメなのでしょう。

 しかしながらモンタニの7割近くは1級畑指定でして、noisy もGoogleマップでモンタニ(モンタニ=レ=ビュクシ)村を検索してみましたら・・ほぼど真ん中にこの、

「フイヤ=ジュイヨ」

の醸造所が有り、その真ん前も見事に斜面が急な、陽当たりの良い畑だったんですね・・思わず、

「すっげ~・・」

と思ってしまいましたよ。

 そして畑は標高250~400メートルの東~東南向きでして、下手をしますと・・

「コート=ドールよりも条件が良い部分も有るんじゃない?」

と想像してしまいました。この上の方に見事な丘と斜面の葡萄の樹が見えるはずですので、是非ご覧ください。


 左の1枚目の写真も素晴らしいでしょう?・・グリーンを秘めた黄色、縦横無尽に走る太い涙・・これ、

「村名で4千円未満」

です。

 質感もバッチリで、ややタイトな性質・・縦系ですね・・いずれ熟して来ますと横にも膨らんでくると思いますが、

「このちょっと締まった感じが何とも心地良い」

です。

 柑橘果実、果実のニュアンスがまず第一に・・「ぷっ」と感じられます。ほんのりと・・じゃないんですね。かなりキッチリ感じられます。

 ドライですがややムッチリとしていて、旨味を含んだ酸構成で・・こりゃぁ・・誰が飲んでも納得できる綺麗な余韻と還りのノーズが有ります。


 勿論ですが上級キュヴェには届きませんよ・・1級のレ・コエールV.V.なんぞ、ちょっと誰もがたまげるポテンシャルを持っていますよ・・だから上級キュヴェには適わないとしても、このベースの「カミーユ」を飲むことで、

「モンタニーの基礎知識を知ることが出来る」

と思うんですね。

 出来としましても素晴らしいと思います。「フランソワーズ・ジュイヨさん」覚えておいてください。

 あ・・ブラインドのワイン会に出すのも良いかと思いますよ・・絶対に当たらないはずですから!・・超お勧めします!


2022 Montagny 1er Cru les Coeres Vieilles Vignes
モンタニー・プルミエ・クリュ・レ・コエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ

18615
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
モンタニー
ドメーヌ・フイヤ=ジュイヨ

■メディア情報
◇ 2022年もの
 93 Points Bob Sprentall B-21 Proprietor (Feb 2024)
 90 PointsDecanter
 2 Stars Les Guides Hachette des Vins 2022
 89 Points Decanter World Wine Awards
◇2021年もの
 92 Points Tim Atkin
91 Points Decanter World Wine Awards
■エージェント情報
 4.03ha。泥土質が勝る、小石混じりの泥土質・石灰質土壌。樹齢70年以上の超VV。一次発酵からすべて樽(ヴォージュ産、トロンセ産の新樽40%、1~3回使用樽60%)で行い、12ヶ月間熟成。超古樹から採れる非常に凝縮したぶどうから、濃密なワインができます。モンタニー特有の官能的なミネラル感に加え、バターやトーストのような香ばしい風味が特徴です。
■フイヤ=ジュイヨのホームページ
https://www.feuillat-juillot.com/en/home/
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  1   ご注文数   本
¥5,680 (外税) 
【こってりマッタリなバターと蜜っぽさ、奥に繊細で隆々な筋肉と骨格・・これを前にして超高級シャルドネと比較してみたくなる..そんな凄い、でもこんなに滅茶リーズナブルで良いんでしょうか!・・有難う!!】
 素晴らしい!!・・今の時代、これほどまでにポテンシャルが高くてリーズナブルなワインにはそうそう出会う機会など有り得ないと思います。まぁ・・フイヤ=ジュイヨのシャルドネ全般に言えることでは有りますが、本当に有難うと言いたいです。

 2021年ものはもう少し繊細さが前面に出ていまして・・まぁ・・ヴィンテージを反映しているのでしょう・・まったりとしていながらも繊細さを感じる見事な味わいでした。飲まれた方は驚かれたんじゃないでしょうか。

 そしてこの2022年もののレ・コエールV.V.は・・あ、このフイヤ=ジュイヨの2022年のアイテム全てですが、実は、

「今年(2024年)の4月頭に入荷」

していたんですね。

 そして、一番下の村名レ・カミーユをテイスティングしたところ・・バッキバキで硬く、バランスが悪い訳です・・まぁ・・これだと完全に勘違いされてしまうのは判り切ってしまったので、今の今まで・・ほぼ5カ月ほどエージングすることにしたんですね。レ・グラップドールとこのレ・コエールV.V.は入荷時にはテイスティングもせず、そのまま仕舞っていました。で、今回・・

「・・そろそろ良いはず・・2021年ものも9月頃にご案内させていただいたし・・」

と言うことで、ようやっとテイスティングしましたら・・

「滅っ茶美味!」

でした。

 2021年ものは「ムxソー=ペリエール級!」などと書いてしまいましたが、2022年ものは・・それ以上のクラスと比較したくなる・・そんな物凄い出来でして、マッチョにして繊細、バターや蜜までしっかり嗅ぎ取れる・・しかも筋肉質・・と言うことは、

「ピュリニーやシャサーニュの極上G.C...には届かないにせよ、思い出すし・・比較したくなる!」

のは間違い無いレベルです。

 海外メディアも・・2021年ものよりもちょっと下げたメディアも有りますが、93ポイントまで・・付けた、ポテンシャルをしっかり取れるメディアも有ります。4月の頃はバッキバキでしょうから、その状態から・・この9月初頭の変化を想像できなければ、そんな評点は出せないでしょう。事実89点などと言う目先だけ?・・と思うしかない評点のメディアも有ります。

 濃密でこってり、マッタリとしつつ、将来のバタリーさや蜜を約束されたアロマと味わいが放出され、まだ少しタイトながらも高質な柑橘、果実をまるでコート・ド・ボーヌの高級シャルドネのように感じさせてくれます。もちろん、ミネラリティは半端無く・・しかし暴れまくることも無い資質を持った高質なものでした。

 今飲んでも充分に旨いですが、今が頂点ですら無い・・です。5千円代でこれですよ・・是非驚いてください。超お薦めです!必飲確定でお願いします!


 いかは2021年もののレヴューです。
-----
【げげっ・・!・・これはもしかして・・ムxソー=ペリエール級!?・・この柑橘、果実のリアルさに蜜・・是非驚いてみてください!素晴らしい!】

 素晴らしいです!・・もし飲んで「ダメだ」と思ったら是非文句言ってください・・(^^;;

 まるで良い感じにある程度熟したムxソー=ペリエールが放つ柑橘果実の香りが・・むしろ・・よりリアルに、より薫り高く感じられちゃいますよ。

 そして質感も非常に高いです!・・すぐ飲んでもそれは感じられるでしょう!

 まぁ・・Noisy wine に、あの・・「 oisy 」が戻って来ましたので、noisy がテイスティングしたものを翌日、彼に渡しているんですね。そのために翌日・・忘れない限りボトルを店に持って行きます。

 その際・・まぁ・・noisy がテイスティングを始めるのは12時を大きく回ってからになりますので、店に持って行ってちょっと香りを嗅いでみますと、

「目の覚めるような素晴らしいフルーツ香!」

がバンバン飛び出てくるんですね。

 昨日もこのワインを持って行って再確認したのが・・午後3時頃だったでしょうか。ヌーヴォーの最終便の荷造り・伝票関係をやりながらでしたが、ま~・・誰が嗅いでも、

「素晴らしい柑橘果実の香り!」

と言うに違い無いアロマが「ぷっ」と出ていました。noisy がテイスティングした時よりもハッキリと出ていましたよ。ちょうど店にいらした方にも夕方6時過ぎにチェックして貰いましたが、ちょっと目が丸くなってました・・。

 この感じはまるでムxソー=ペリエールの第一熟成期のような感じでして、ムxソー=ペリエールだと下手をしますと7~10年近く掛かっちゃいます。このアロマがリリース直後に感じられることも有りますが、タイミングにもよりますし、数年に一度ほど・・だと思います。

 もっと突っ込んで言ってしまえば、それだけ凝縮していると言うことですし、それが若いうちに出てくると言うことは、ムxソー=ペリエールほどでは無い・・とも言えるかもしれません。それにあの辺の「大理石的なバッキバキに硬い複雑な色のミネラリティ」と言うよりは、「硬質だが透明感の高いミネラリティ」です。似ているのは粘性・・ですね。それが蜜っぽさ、そしてこの果実感の高さを生んでいるのでしょう。

 しかし、ムxソー=ペリエールのように7~10年待たなくてもですね・・

「朝、会社に行く前に抜いておく」

と言う作業をしますと、その夜には、この素晴らしいアロマに出会えるわけですね・・。


 で、それがですね・・5千円ほどで可能なんですから・・飲まない手はないんじゃないかと思うんですよ。

 流石、昔は・・

「アルコール分がちゃんと出たらプルミエ・クリュを名乗って良い、ブルゴーニュ唯一のアペラシオン!」

だと想像できませんか?


 まぁ・・余り人気が出ないことをちょっと望んじゃっている自分がいます。あまり騒がず、黙っていてくださいね・・決して、飲んで美味しいと思っても、誰にも何も言わない・・(^^;; ティム・アトキン氏は92ポイント・・ん?・・たったそんだけ?・・まぁそれで良いと思います。黙ってましょうね・・ご検討ください。超お勧めです!

ドメーヌ・ジャン・ブルディ

ジャン・ブルディ

フランス Jean Bourdy ジュラ
● なんと・・ビオディナミによるシャトー・シャロンです。正規品では有りませんが品質は万全です。

 このところはシャトー・シャロンは「ベルテ=ボンデ」をご紹介していました・・そちらは自然派系では有りません。なので、ベルテ=ボンデは硬質、このジャン・ブルディは柔らかく、ビオ系を感じるアロマ、味わいです。

 で・・2012年以降、シャトー・シャロンはまともに造れたヴィンテージが2018年頃以降まで無いようでして・・

「市場を探しても見当たらない」

んですね。

「ん~・・シャト・シャロン...飲みたいなぁ・・」

と思っていても中々見当たらない・・。

 あの・・ちょっとシェリーっぽい、青カビ系チーズっぽい、ノワゼットのアロマに、滅茶濃密な・・粘らないのにいつまでも存在している味わいに、また出会いたいと思っていたら、インポーターさんから案内があったんですね。

 このジャン・ブルディはシャトー・シャロンとして古くから有名なドメーヌでした。まぁ・・コンディションの問題も有るので、中々扱えませんでしたが・・ビオディナミ系のジュラやサヴォワは有りますが、

「ビオディナミ系のシャトー・シャロン!」

は希少です。ご検討くださいませ・・あ、非常にクセのあるワインです。ご了承くださいませ。



■ エージェント情報
 このドメーヌはジュラ西部のArlay(アルレー)に居を構えています。畑は南東から西向きの標高230から350メートルのなだらかな丘陵地帯にあります。
石灰質を含むリアス紀とトリアス紀の赤土、白と青の泥灰土の土壌です。トゥルソー、プールサール、ピノ・ノワール、シャルドネ、サヴァニャン。収穫は毎年手摘みです。

 15年前よりビオディナミ栽培です。ブルディ家は1579年からジュラの畑を継承してワインを造っています。1990年、ジャン=フランソワとジャン=フィリップが畑を継承。ビオディナミ転換し2010年にはDemeter認証を取得しました。2018年からは娘ローラに継承されています。今回ご案内するのは継承前のワインとなります。

 発酵と熟成に80年以上経った古樽を使用してクラシックなワインを造っています。1921年のシャトー・シャロンは、某有名ワイン漫画にも出たみたいです。


2010 Chateau Chalon
シャトー・シャロン

18145
自然派
白 辛口
フランス
ジュラ
ドメーヌ・ジャン・ブルディ

■ 「15世紀後半から」と言う起源・長い歴史を持つドメーヌです!しかもビオディナミ転向済み!2010年にデメテール認証取得!
新着メンバー登録画像  620ML 在庫  3   ご注文数   本
¥12,990 (外税) 
【総合的な批評家スコアに基づき、シャトー・シャロンのトップ10ワインの1つ!・・と紹介される、ビオディナミのシャトー・シャロンです!・・正規品では有りません。】
 ビオディナミによるシャトー・シャロンです。怖いので正規品は仕入れませんので悪しからず。

 まぁ・・noisy はまさかビオだと思って仕入れていなかったので・・飲み始めてちょっとビックリ・・。

「ん?・・もしかして・・So2も少ないし・・ナチュールっぽいし・・マジ?」

と・・(^^;;

 昔の頭のままでいますと、

「いにしえより有名なシャトー・シャロン」

と言うようなイメージしか無く、古典的だとしてもビオでは無いだろう・・と思っていた訳です。

 飲んでみますと・・香りは太く柔らかく、ナチュール的なフカフカ感、そして・・

「浮遊感を持った・・産膜酵母由来のシェリーっぽい香り」

に・・ビックリした訳ですね。


 ですがそこはやはりシャトー・シャロンですから・・滅茶複雑で濃密。

 ですがそこはやはりビオディナミですから・・その滅茶複雑なニュアンスにも柔らかさとふんわり感、濃密さにも浮遊感・・

「・・お~・・こんなシャトー・シャロンが有ったんだ・・」

と・・少しニンマリしてしまいました。

 ですが!

「美味しいけれど・・2010年・・まだまだ若いわ・・」

と感じます。

 開こうとはしているんですが開き切らない・・強さも有るけれど、ビオ的な影響も有ってか柔らかさを含んでいる・・蜜っぽさも有るが蜜だと言い切れる状態になってない・・などなど・・

「仕上がり具合は、まだまだこれから!」

と言えます。


 ですがこのワイン、おそらく・・栓をしたまま1カ月位放置しても、よほど暖かいところに置いておかない限り大丈夫でしょう。noisy の自宅に置いてある飲み残しは、1週間ほど経過していますが問題有りません。少し開いてきて、表情も・・「これはxxxだ」と断定できるようになってきています。

 13.7度と、決して強いアルコール分では無いですが、物凄いボディを持っていますから、

「物凄いポテンシャルのチーズとか、フォワグラとか、塩辛い・・例えばキャビアとか・・」

に負けない強さを持っていると感じます。勿論、青カビ系のチーズなどでも、ちょっと匂うウォッシュ系にも・・現状で対応可能です。ただワインとしての美味しさは、

「とても頂点に達しているとは言えない」

のも事実なんですね。


 ですので、もし・・頂点で飲みたいと思われるようでしたら、あと10年・・放置してください。でも、

「ブランデーやマールと同様に毎日少しずつ楽しめる!」

と言う利点も有ります。

 素晴らしいポテンシャルを持ったシャトー・シャロンの葡萄をビオディナミで栽培した余り無いタイプの産膜酵母系サヴァニャンです。是非・・挑戦してみてください。お勧めします!

ヴィーニュ・コント・ド・シャペル

ヴィーニュ・コント・ド・シャペル

フランス Vigne Comte de Chapelle ブルゴーニュ
● なんとあのフーリエが、ボーヌのドメーヌ・コント・ド・シャペルを買収していたんですね・・知りませんでした・・。インポーターさんからご案内をいただき、初めて知りました。

 コント・ド・シャペルはピエール=イヴ・マッソンのドメーヌで、「シャトー・マッソン」の名前でもリリースされていました。ボーヌに幅広いクリュの畑を持っています。

 どうやらジャン=マリは、

「ドメーヌ・フーリエ」

に編入させたかったようなのですが、今のところは許可が下りず、「ジャン=マリ・フーリエ コント・ド・シャペル」としてリリースしたようです。許可が下りない理由としては、醸造所がドメーヌ・フーリエのジュヴレ=シャンベルタンに有ることかな?・・と想像していますが、それもいずれ解消されるでしょうから、その後の展開もまた楽しみでは有ります。

 ですが、最初から完全に割り当てになっておりまして、最上級キュヴェのコルトン=シャルルマーニュやピュリニー1級レ・シャンガン、シャサーニュ1級モルジョ、ポマール1級リュジアン、ヴォルネイ村名などの割り当ては無く、また・・

「非常に高い・・」

ので、そう簡単には飲めないかと・・。その辺りも残念です。

 それでも、A.C.ブル赤白、ムルソーV.V.、ポマール1級レ・ソシーユなどをテイスティングさせていただき、

「やっぱりフーリエはフーリエ」

と言う意を深くしました。非常に出来は良く、ネゴスものの上位のワインが多いジャン=マリのラインナップの質と同様です。

 下級クラスは軽やかにエレガントに、そして一段格上の雰囲気を醸し出していますし、村名以上になりますと、

「・・お~・・流石!」

と・・特に今回はポマール1級レ・ソシーユを飲ませていただき、その深いポマールらしい味わいと、まさにフーリエらしい果実の表情に感動しました。

 まだまだこれから、変わって行くと思いますが・・とりあえずのご案内です。どうぞよろしくお願いいたします。

■ エージェント情報

 ブルゴーニュ人気生産者、ドメーヌ・フーリエによる新プロジェクトでコート・ド・ボーヌ地区に7.5haを所有するドメーヌ・コント・ド・シャペルの畑を手に入れる。コント・ド・シャペルのワインは流通が限定的であり国際市場で話題になる事はなかったが、古樹中心に赤白約半分ずつの手入れが行き届いた優れた畑を所有。別名はシャトー・マッソンでコント(伯爵)、シャトーという呼称からも貴族系の由緒正しさが窺い知れ、高齢であるピエール・イヴ・マッソン氏の後継者不在から今回の買収が実現。栽培から醸造、瓶詰めまで一貫してドメーヌ・フーリエが行うが、ドメーヌ・フーリエではなく、ジャン・マリー・フーリエとしてリリースされ、ネックラベルに「ヴィーニュ・コント・ド・シャペル」と入る。

 初ヴィンテージとなる2022年は各テロワールを尊重した醸造を慎重に行い、特に今まで経験の無いコート・ド・ボーヌの赤はコート・ド・ニュイよりも果実味が前面に出やすいという考察から抑えめな醸造を心掛けてフレッシュさとエレガントさを大事にした。白は長年ドメーヌ・フーリエて手掛ける隠れ人気アイテムでもあるブルゴーニュ・ブランと同様に、しっかり完熟した果実を重視。昨今流行りである早摘みで時には多めのSO2に由来する引き締まったリーンなスタイルではなく、しっかりと厚みのある古典的なスタイル。バトナージュは最初の1ヶ月のみ行う。

 収穫した葡萄はジュヴレ・シャンベルタン村のドメーヌ・フーリエへ運ばれ、赤白別々に分けたセラーにてドメーヌ・フーリエと同じ流儀で醸造を行い、赤は最大で20%の全房発酵、樽熟成における新樽比率は20%に留めており、瓶詰めにフィルタリングを行わない。


2022 Pommard 1er Cru Les Saussilles Vieille Vigne
ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ソシーユ・ヴィエイユ・ヴィーニュ

18802
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヴィーニュ・コント・ド・シャペル

■ エージェント情報
 0.5ha、1976年植樹
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  3   ご注文数   本
¥36,000 (外税) 
【ボーヌ1級クロ・デ・ムーシュに接するレ・ソシーユ!・・非常に大柄で噛めるように集中した要素から、将来への深い表情が望めるスーパー1級並みのポテンシャル!】
 ポマールのレ・ソシーユと言いますと、Noisy wine のラインナップで頭に浮かぶのは・・もちろん、

「ティエリー・グラントネ」

でしょう。

 そして・・あの、期待以上の凄さを見せる・・

「ギルベール・ジレ」

もまた、2021年もので初リリースしてくれましたよね。

 なので、

「まさに今が旬!?」

なリューディでも有ると感じます。

 ティエリー・グラントネのレ・ソシーユは、非常にリーズナブルながらも重厚なポマール、もしくは隣接するクロ・デ・ムーシュ風なニュアンスを感じさせてくれる素晴らしいワインです。

 ですが、惜しいかな・・やはりこのフーリエが指揮を執る?コント・ド・シャペルのレ・ソシーユが持つ「大きさ」「構造の深さ」には適いません。しかしながら・・比較的、「同類である」と感じます。

 もう一方のギルベール・ジレの方はどうか・・と言いますと、ギルベール・ジレのレ・ソシーユは・・造り込みが凄くて、新樽由来と思われる官能さがすでに表れていて、さらにどんどんその表情と深みに細やかさが育ってくると言う、ちょっと信じられないような出来だったんですね。

 まぁ・・この辺は新樽の使い方と醸造方法、またはそのブレンドの仕方などによってかなり変わりますが、

「言ってみれば、コント・ド・シャペルの方がピュア」

です。そのピュアさにより、コント・ド・シャペルとティエリー・グラントネは同類か・・と言った訳です。

 しかし、コント・ド・シャペルのレ・ソシーユを飲み進めるにつれ、若さゆえ、ポマールゆえのある種の「荒れ」が納まって来ると、その・・

「強靭な凄みと深み」

が顔を出して来ます。この辺はティエリー・グラントネは追い付かないかなぁ・・と・・グラントネは熟すに連れ、エレガントさが早めに育ってくる感覚ですが、このコント・ド・シャペルのレ・ソシーユは、若いうちはまさに

「ポマール1級レ・ソシーユのワイルドな凄み」

で在っても熟すに従って、

「出来がすごく良かったクロ・デ・ムーシュ!」

と言うべき方向に育つと見受けられます。

 この今のある種の「荒れ」が納まって来ると、ドメーヌ・フーリエの看板のクロ・サン=ジャックの影がチラチラと・・視界に見えてくるような感覚が有ります。これ、

「相当・・素晴らしい!!」

と感じました!

 まぁ・・noisy 一人、そんなことを言ったところで余り信用はされないとは思いますが、誰も言わないよりも良いでしょ?・・本来だと数が無さ過ぎて、また価格も有って、テイスティングなど出来ないで済ますところではあるんですが、

「どうせ誰も飲まないんだろうなぁ・・」

と思うと・・まぁ・・ファーストヴィンテージと言うことも有りますから、開けてみようか・・と悪魔のささやきに誘惑されてしまう訳ですね。

 1枚目の写真の「フレア」みたいなものが後光みたいに凄いことになっちゃってますが、今飲んでも・・このポテンシャルはすぐに判るでしょう。

 しかし、3~5年ほど寝かせる必要は有ると思いますよ。ぜひ挑戦してみてください。相当凄いです!



2022 Pommard 1er Cru Les Arvelets Vieille Vigne
ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ザルヴレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ

18803
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ポマール
ヴィーニュ・コント・ド・シャペル

■エージェント情報
 0.29ha、1970年植樹
新着メンバー登録画像  750ML 在庫  4   ご注文数   本
¥36,000 (外税) 
【こちらは飲めていません。ポマールの中央部、傾斜が結構有る・・エレガント系の1級です。太く深い味わいのレ・ソシーユとは真逆??】
 PKさん推しの1級畑レ・シャルモワの西に接する・・1級レ・ザルヴレです。村の中央から西に延びる、北から南の傾斜がそれなりに付いた畑です。

 飲めていないので想像になりますが、大きな躯体に漲る感じのするやや暗い色彩のレ・ソシーユとは異なり、もっとずっと赤くエレガントで高域に伸びて行くようなイメージのワイン・・まぁ、そこにポマール的な粘土のニュアンスは加わるはずですが、だいぶ対照的な1級比較になると思います。

 今回はこのポマール1級が2アイテムの合計で12本でしたので、レ・ソシーユを飲ませていただきましたが非常に素晴らしい・・漲る、滾る・・感じでした。全房20%、新樽20%、は2022年コント・ド・シャペルのピノの共通のようです。ご検討いただけましたら幸いです。