● あ、そうだ・・忘れてたと、シモーネ・カステッリのポデーレ414の非常にリーズナブルなバディランチを仕入れさせていただきました。そこそこに美味しければと思っていたんですが、マストロヤンニにグラッタマッコですから・・
「もしかして?」
と期待を忍ばせてテイスティングさせていただきましたら・・
「・・げげっ・・以前の印象とまるっきり違う!」
とビックリしてしまいました。
ま~・・初めて入って来た時は、どちらかと言えばパキッとしてあっけらかんな味わいだったのに、
「とても千円台で買えるワインじゃない味筋!」
だったんですね。
これ幸いとばかりに上級キュヴェもオーダーさせていただいたのでぜひお楽しみにお待ちください。
「相当旨いです!」
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トスカーナは南部のマレンマの新規生産者をご紹介します。あのマストロヤンニ、グラッタマッコ・・懐かしいですね~・・覚えてますでしょうか・・かなり昔からのお客様は覚えていらっしゃるかもしれませんが、もう20年近く前に一生懸命ご紹介していた生産者ですが、そこのエノロゴをされていたカステッリさんの息子さんだそうで・・ちょっとだけセンチな気持ちになっています。

《ポデーレ414》モレリーノ・ディ・スカンサーノが到着します。ヴィニタリー会場内で、サンジョヴェーゼを集中的にテイスティングしたなかでも、深く印象に残ったワインです。素晴らしくバランスのとれた上品な味わいで、活き活きとした味わいのなかに温かさを感じます。ヴィニタリー後にローマに出る道程で、日曜日でしたが思い切ってセラーを訪ねてみました。テニスから戻ったオーナー兼エノロゴのシモーネ・カステッリさんにセラーを案内していただき、幸運にも取引が決まりました。
《ポデーレ414》は、シモーネさんが1998年に創立したものですが、その父君は高名なエノロゴである、マウリツィオ・カステッリ(グラッタマッコ、マストロヤンニの醸造コンサルタント)です。マウリツィオはバートン・アンダーソン著『イタリア―味の原点を求めて』にしばしば登場するので、読者はご記憶のことでしょう。その父親から受け継いだワイン造りの叡智が、ここでは良い意味で発揮されています。ナチュラルをモットーにして、見事に美しく仕上げられた、魅力あふれるワインです。ちなみにワイナリー名にある〝414″は、1960年代に大農園の再分割がなされた時に、この農地につけられた区画番号だとか。モレリーノ・ディ・スカンサーノは、トスカーナの南部、グロセートの東南に位置するスカンサーノ地区で造られます。

モレリーノはこの地域ではサンジョヴェーゼを意味しますが、キャンティと比べるとより柔らかくて軽やかで、たっぷりとした豊かな果実味があり、やや大柄で、上質なものは美しく熟成します。モレリーノという言葉は、ワインの色調に由来する、小さなサクランボを意味するという説と、かつて生活に欠かせなかった馬の繁殖(cavalli morelli)に由来するという両説があります。歴史的には、沼地が点在するマレンマに住む人たちが、厳しい夏をしのぐために、丘陵地のこのエリアに避暑にやってきて、ワインを造るようになったのが始まりです。