● 日本よりも現地フランスで大変な人気になっているサンセールに新たな生産者が誕生です。ビオでは無いですが、むしろ論理的に考えられ得る中で最大幅に振れた自然派だと思います。厳格なリュット・レゾネから伸びやかな、軽くない、そして厳し過ぎないミネラリティを持つ「サンセールの中間派」・・でしょうか。新しい生産者ながらも非常に高い評価を得ているのが判るピュアな味わいです。

サンセールに誕生した超新星をご紹介します。
名門「ドメーヌ・デ・ブロス」を運営するジラール家の長男として生まれたアントニーは、コート・ロティの雄「ミッシェル・エ・ステファンヌ・オジェ」、そしてブルゴーニュの「ドメーヌ・ルフレーヴ」および「ブルーノ・クレール」での修業を終えた後、サンセールの実家に戻ってきましたが、2011年、仲の良い弟ニコラとの間に将来想定される相続の問題を回避するために、すべてを弟に譲り、自身は一から新しいドメーヌを起ち上げる道を選びました。
友人のエリック・ルイをはじめ、彼の決断に心を動かされた多くの生産者たちが、惜しみない協力を申し出てくれました(トラクターとか、醸造タンクとかも譲ってくれたのだそうです!)。サンセールの畑は、売りに出るやいなや買い手がつくほど入手困難ですが、ある有力な生産者がこっそりと畑を売ってくれました。

ここに「ドメーヌ・アントニー・ジラール」が誕生し、ファーストヴィンテージ「サンセール・ブラン2012」が完成の日を迎えました。
作品名の「La Clef du Récit」は、「The Key of the Story」。
「8ヶ月もの間、畑の売買について極秘でやりとりしていた頃のドキドキ感。初めて自分のセラーの鍵を開けた時の喜び。そして、これからサンセールの新しい可能性を開いていきたい、新しい物語をつくっていきたいという意味を込めて、鍵をシンボルマークにしました」。
「ここはミネラルの大地です。師事したアンヌ・クロード・ルフレーヴの作品にも匹敵するような、美しいワインを造っていきたいと思います」(アントニー・ジラール)
所在村 Vinon
醸造家 Anthony Girard
所有畑面積 9ha
ドメーヌ継承年 2012年
栽培における特記事項 厳格なリュット・レゾネ栽培。化学肥料、殺虫剤、防腐剤は一切使用しない
醸造における特記事項 除梗しない。天然酵母のみで発酵。小さなタンクを揃え、区画ごとに醸造
販売先 発売を開始したばかり。フランスの個人のワイン愛好家90%、輸出10%(EU各国、アメリカ)
掲載実績のある海外メディア 発売を開始したばかりで、これからです。