●久し振りにご案内のパーネヴィーノです。
「ウダッとしてない、南イタリアの赤って何か無い?」
みたいなノリの中から見つけた秀逸なイゾーラ・デイ・ヌラギのビオ系造り手です。かなり旨いんですが、いつも発注が出遅れて購入できない事態になっていました。

左は以前ご案内させていただいたワイン・・2006年ものですが、もうだいぶ経ってますね・・。この頃はリアルワインガイドでイタリアワインのページが有ったので、随分とこの辺りもご紹介させていただきました。その後、2012年ものをご案内しましたが、もう数がほとんど入ってこなくなっちゃいました。
Panevino / パーネヴィーノ
造り手:Panevino / パーネヴィーノ
人:Gianfranco Manca / ジャンフランコ マンカ
産地(州):サルデーニャ
ワイン:Girotondo、Pikade、Alvas…等(ほぼ毎年新しいワインがリリースされるので恐らく一番多くのワインがあります)
所在地:Localita Perda Coddura、08035 Nurri | CA ? Italia
現当主ジャンフランコ マンカは、代々受け継がれてきた畑でのブドウ栽培を1986年から彼自身で手がけ始め、1994年からは公式にワイナリーとしての活動を始める。標高450mから700mまで、土壌も火山岩質から粘土-片岩質と様々な特性の、5つの区画に合計3ヘクタールの畑を持ち、サルデーニャの土着品種を栽培する(カンノナウ、ムリステッル、カニュラーリ、カリニャーノ、モニカ、モレットゥ、ジロ、モスカート、マルヴァジーア、ヴェルメンティーノ、セミダーノ、ヌラーグス)。樹齢も品種、区画によっては100年を超えるものも。年生産量7500-9000リットル。大地、人、その他の生命に対して最大限の敬意を払うべく、畑では一切の施肥を行わず、畑に自生する草を鋤き込むことで緑肥として利用しているほか、ボルドー液さえも使用せず、細かい粉末状の土と硫黄を混ぜたものを農薬代わりに6月に1度(年、畑によっては一度も撒かない)する以外には一切何も畑には散布しない。ワイナリーでも、醸造からボトリングまでの全ての工程で一切の薬剤を使用しない。

ワイン生産以外に、パン屋も生業としており、地元の無農薬の粉を使い、代々受け継いできた自然発酵種(小麦粉が勝手に醗酵したもの、とでも言えば良いのでしょうか)をもとにを、薪釜でパンを焼いている。ブドウ以外にもオリーヴ、野菜、フルーツ、穀物を栽培し、それらは彼が経営するアグリトゥリズモで供される。
Vini Naturali(ナチュラル ワイン)という言葉に対して、”そもそもワインとはブドウだけで造る、極めてナチュラルなものなわけで、ワインにナチュラルななどという形容詞を付ける事自体が間違っている”と言い放つジャンフランコが考え出した、ナチュラルワインでも、ビオワインでも、自然派ワインでも、有機ワインでもない言葉、それがVini Liberi(自由な、何の束縛もない、ブドウ以外の何物も使用しないワイン)。
いい言葉だと思いませんか?
ジャンフランコは、パオロ ヴォドピーヴェッツと対極をなす天才なんだと僕は考えています。かたやヒューマニティ溢れまくっているワインを醸すことを良しとし、そしてもう一方はワインから“我”をどこまで消し去ることができるかを追い求め…ワインに対するアプローチは全くもって交わらない感のある2人ですが、互いに滅茶苦茶尊敬し合っていたりするのも非常に興味深く…。結局のところ、“する”も“しない”もどちらかを選択している時点で“している”ことになるわけで、場面場面で訪れる“する”か“しない”の選択は、その造り手のその瞬間の感性、観点、哲学、知識、経験、良心、精神状態、経済状況などに強く影響を受けたものである…ということも“自然”なことなんですよね…。これだからこういうワインって面白いのかと!!!