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テッラカンタ
テッラカンタ
イタリア Terracanta ラツィオ
[ oisy wrote ] ● イタリアのラツィオより、新星「テッラカンタ」をご紹介します。
既にローマでは大人気のようです。
元々祖父の代から続く農園で、外売り用のブドウとオリーブオイル、キウイを育てていましたが、現当主のカルロと妻のルチアが2019年に参画し、カンティーナとしてスタートしました。
ラツィオの近いスタイルと言えば、レ・コステでしょうか。
レ・コステはローマを挟んで「北」に位置しますが、テッラカンタは「南」に位置します。
その土壌はラツィオの火山群「ヴルカーノ・ラツィアーレ」の火山灰が降り積もった土壌であり、ワインに含まれるミネラリティは近いものを感じます。
しかし真に驚くべきは、テッラカンタのワインの持つミネラリティの複雑性と総量です・・・
写真を見ていただければ一目瞭然かと思いますが、アンフォラとマセラシオンでオレンジに色づいた液体から溢れ出んばかりの「輝き」が「漲って」おります。
それもそのはずで、なんと祖父の代から60年間一度も灌漑をしていない古樹の畑を、1986年から「約40年」もの間、ビオディナミを続けてきたというのです。
恐らく、地下に張った根はかなり深く伸びていることでしょう。その根が吸い上げる複雑な火山灰土壌のミネラリティですから、エネルギー満載です。
アンフォラとマセラシオンでも酸化のニュアンスは感じず、むしろミネラリティをほぐすのにベストな選択だと感じ、アンフォラの使い方の本筋ってこういうことなんじゃないか・・・とさえ思ってしまいます。
さらに醸造上の不安定感もなく、ここまで色づいたオレンジワインであっても出色の安定感です。
新人にして、既にかなりの完成度・・・注目の造り手です・・・!ぜひご検討くださいませ!
■エージェント情報
テッラカンタはローマの南東のカステッリ・ロマーニにあるカンティーナです。
もともと1986年からビオディナミでブドウとオリーヴオイル、キウイを栽培してきた農園です。樹齢60年のブドウ木は、祖父がブドウ栽培を始めた1959年からずっと灌漑なしで栽培されてきました。
これまで農園には醸造設備はなく、栽培したブドウは全て他のワインの造り手に売却していました。
しかし、ナチュラルワインに対して強い情熱を持っていたカルロと妻のルチアが2019年に農園に参画。二人はナチュラルワインを造るためのカンティーナ、“テッラカンタ”を設立。
醸造所も新設し2020ヴィンテージからナチュラルワイン造りを始めたのです。まだ新興のカンティーナですが、すでにローマとローマ近郊のレストランやワインバー、ワインショップで大人気を博しています。
●
2022 Angelina I.G.T. Lazio Bianco
アンジェリーナ I.G.T. ラツィオ・ビアンコ
【樹齢60年のニュートラルなトレッビアーノだからこそ際立つ・・ラツィオの火山灰土壌の素晴らしさ!】
[ oisy wrote ] テッラカンタの位置するカステッリ・ロマーニとは街の名前ではなく、ローマの南東にある丘陵地一帯の名称です。
「ローマの城」という意味で、その名の通り城が点在しており、標高も高いため、ローマの人々の避暑地として利用されてきたそうです。
テッラカンタも標高110mとそこそこの標高に位置しているおかげか、ワインは暑ぼったさなく、南仏のワインよりも冷涼な雰囲気を漂わせています。
一方で土壌は、ラツィオの火山群がもたらす火山灰土壌です。
マルヴァシーアよりもニュートラルなトレッビアーノは、その土壌の多様なミネラルを
「よりダイレクト」
に表します。マルヴァジーアのような特徴的な果実感の出る品種も良いですが、ニュートラル系の品種はこういう場面で面目躍如だな・・と感じます。
ヨードやスモーキーな香りを纏いながらのオレンジ、金柑、蜜、ハーブ。香り方から密度とポテンシャルを感じる立ち上がりです。
写真にも太い涙を捉えることに成功しましたが、その涙が表すようにトロっとした粘性を持ちながら、口当たりながら瑞々しく、
「液体の活きの良さ」
を感じます。
ミネラルと、果皮の旨み、果実の密度と冷ややかな酸が、グラデーションのある味わいを産み出します。
やはり多様な香りと味わいは、樹齢60年の根が吸い上げてくる、複雑な火山灰土壌のもたらすものである・・・と感じます。
ビター感とナチュラルな果実の風味で抜けていく余韻、ほのかな塩味は、ほど近いティレニア海の爽やかな潮風を感じさせます。
飲み心地の良さは半端なく、ついグビグビと飲み進めてしまいますが、翌日の身体へのダメージ感はほぼ皆無です。
なにより、このナチュラル感で「ワインとしてちゃんとしている」というのが素晴らしく、既にローマで大人気となっているという話も・・・
「そりゃ、そうだよな・・・」
と納得せざるを得ない味わいです。
ラツィオで似たスタイルといえば、有名なのはレ・コステでしょうか。
ローマを挟んで北がレ・コステ、南がテッラカンタで距離はそれなりにありますが、味わいの中に存在するミネラリティは確かにレ・コステのビアンケットにも共通するものがあり、これがラツィオの火山灰土壌のミネラリティか・・・と思わせてくれます。
これだけ充足感に溢れた、ナチュラルなトレッビアーノはそうお目にかかれないと思います・・!おすすめです!ご検討くださいませ!
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2022 Vallecaia I.G.T. Lazio Bianco
ヴァッレカイア I.G.T. ラツィオ・ビアンコ
【凡庸ではない大地のパワーがみなぎる、アロマティックなマルヴァジーアです・・!】
[ oisy wrote ] 一概に火山灰土壌といっても、その土地によって結構な違いがあるようです。
考えてみれば、火山灰の降り積もり方は気候に左右されるでしょうし、その火山にどのような成分が含まれているのかというのは違って当たり前なのかもしれません。
しかし、「火山灰に含まれるミネラルに多様性がある」というのは共通しているようで、樹齢が上がるごとに複雑性が増していくのは当然なのかもしれません。
3代に渡り引き継がれた畑は、既に60年超える古樹として育ち、ヴルカーノ・ラツィアーレ(ラツィオの火山群)が産み出した土壌のミネラルを吸い上げるために素晴らしい成長を遂げています。
テラコッタのアンフォラで醸造、無清澄、ノンフィルターですから、果皮の旨みはかなり出ています。通常はポテンシャルの不足をカバーするのが、この手の造りのメリットでしょう。
しかしヴァッレカイアは、その強い果皮成分以上のミネラルに溢れているため、果皮成分の主張が前面に出てくるわけではありません。味わいの層の一部分に留まり、グラデーションを構成する一要素に過ぎない・・と感じます。
マルヴァジーアらしい、アプリコット、金柑。ヨードやドライハーブのような香りは火山灰土壌由来のミネラルが産み出すアロマが合わさり、華やかな香りです。
ミネラルのツヤ由来のオイリーさ、粘性と、果皮の旨み成分が混じり合った、充実のドライな果実。
果実の厚みとともに伸びていくビターな余韻・・・
さらにビオディナミによって引き出された土地のパワーが確かに存在しています。魂を揺さぶられるような、エネルギーを引き出されるような感覚。
一見、アヴァンギャルドな見た目をしていますが、グラスに注いだ液体の輝きを見ていただければ、それが凡庸なナチュラルワインではないことがご理解いただけると思います。
夏バテを解消するワインは?と言われればこちらをご提案するでしょう。ぜひ初夏の訪れ前に仕込まれてはいかがでしょうか。ご検討くださいませ。
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2022 Nina I.G.T. Lazio Bianco Frizzante
ニーナ I.G.T. ラツィオ・ビアンコ・フリッザンテ
【ビターな黄色の果実と樹齢60年が引き出す火山灰土壌のエナジーを閉じ込めた、まるで天然のエナジードリンクのようなフリッツァンテです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 元々ビオディナミの農園で、キウイやオリーブを栽培していたらしいんですが、ブドウは外売りしていたそうです。
カルロと妻のルチアが2019年に参画し、醸造所を新設し、立ち上げたのがテッラカンタということのようですが・・・しかし驚きました。
なにせ、このワインの果実のキャラクターが
「ゴールデンキウイ」
だったんです。
もちろんテクニカルを見る前で、oisyのテイスティングノートにはこう書いてあります。
「ゴールデンキウイとグレープフルーツ。ドライだがピュア感による優しさのある果実感。」
不思議ですが、ワインをテイスティングしてるとこのようにブドウ栽培の周りで育てている他の作物に、ワインの味わいが寄ってくるケースに、稀に出会います。
色味もオレンジを含み、澱も見えるものですからかなりアヴァンギャルドなタイプかな・・とおっかなびっくりだったんですが・・・
テイスティングしてみるとびっくり・・・
めちゃくちゃ充実感のある、安定して、
「基盤のしっかりした」
フリッツァンテだったんです⋯!
グラスに注ぐとしっかりとミネラリティが表われた輝きが見られます。この地はヴルカーノ・ラツィアーレ(ラツィオの火山郡)がもたらす火山灰土壌で、ミネラルが豊富です。
それを60年間一度も灌漑していない、ブドウ樹の根が吸い上げてくるわけですから、かなりのミネラルの質感を感じます。まるで石を舐めるかのような感覚です。
この多量のミネラリティがアンフォラのような酸素との接触が多い醸造でも酸化したニュアンスにならない一因になっているのではないか・・・むしろこのミネラリティをほぐすにはアンフォラがベストなんではないだろうか⋯?とも感じます。
そして見た目に反して醸造上の不安定間が、全く・・・ありません。
イタリアのナチュールといえば多少の雑味はご愛敬で仕上げてくるワインも多いですが、カルロのワインはしっかり安定した土台があった上でのナチュラルな造りです。
そして収穫ブドウを使用したリキュール・ド・ティラージュで瓶内二次発酵された泡は、控えめですが、細かく、喉をピチピチとタッチしながら、流れていきます。
酸も冷ややかさがあり、ピュア感とともにビター感が伴うアフターの抜け・・・
なのでついゴクゴクといってしまうのですが、その味わい深さにこのスピードで飲み干すのはもったいなくも感じてしまいうので・・ゆっくりと舌の上を転がし、見つめていっても底の見せない深みがあります。
まさに天然のエナジードリンクと言えるような大地のエナジーを感じます。
暑くなりはじめた、これからの時期にぴったりです。クオリティの高さにびっくりしました!ご検討くださいませ!
パラッツォ・トロンコーニ
パラッツォ・トロンコーニ
イタリア Palazzo Tronconi ラツィオ
● ちょっと驚きにコストパフォーマンスの赤白、しかもビオディナミコでノン・アヴァンギャルド・・なんですが、想像される以上に
「超マトモ!」
なアロマと味わいの地場品種ワインをご紹介させていただきます。
まぁ・・いつもとちょっとトーンが異なる感じのオファーをいただいたので、乗っかってみることにしたら・・
「なるほど~!」
と納得のワインだった訳でして、
「これはルイ・ジュリアンを超えるヒットになるか?」
と・・今ではオファーさえ無くなってしまったワインの代替になるかもと、嫌らしい期待を持ってのご案内です。
「いつもとトーンが異なる時が買いなのは noisyさんのところも同じだよ」
と言われるのは判っているので・・先に言っておきました。どうぞよろしくお願いします。
■インポーター情報
ラッツィオ州フロジノーネ県のはずれアルチェ村。ローマ帝国時代から葡萄をはじめ素晴らしい農作物の産地として名を残してきた。この地で400年続く荘園を営んできたマロッコ家は60年代、マルコのお爺さんの時代に全ての農地を売却。鉄道会社で働く為にローマに移住して、荘園の歴史は終わります。
その後、ローマでエンジニアとして活躍、エレベーター製造会社を立ち上げ、財を成したマルコ・マロッコは幼い頃に見て、経験したお爺さんの農業が忘れられず、農業にこそ自分達家族のルーツがあると考えるようになっていきます。遂には会社を清算。37歳でトスカーナの農業学校に進学し農業を学び、ワイン造りに興味を持つようになります。
卒業後、ボルドーのグラン・ボーセジュール等で実際のワイン造りを経験した後、故郷に戻り、祖先の土地を買い戻し、畑に仕立て直していきます。400年続いたマロッコ家の荘園を同じアルチェ村で再現していったのです。
2010年、マルコはパラッツォ・トロンコーニを設立。自分達のルーツである土地の個性を再生し、後世に残していく事を目標に葡萄だけでなく野菜、オリーブオイル、蜂蜜の生産を手掛けるお爺さんと同じ昔ながらの農園に戻していきます。
アルチェ村の個性を際立たせる為に、自然と必要になったのがビオディナミと土着品種の復活。農業学校で学んだ事はお爺さんの農業の否定でした。圧倒的に効率的で世界で受け入れられている農業を学んでも、自分達のルーツである土地の個性を再生する事とは出来ないと感じてしまいます。お爺さんの手作業の仕事、知恵は、ビオディナミとほぼ同じ思想である事に気付いたのです。
葡萄樹は土壌を介して土地と結び付き短期的にも長期的にも成長(変化)していきます。土壌を健全に保つ事こそが土地の個性の最大化だとすると、唯一の方法は土壌に科学的なものを与えず、正常化し自然の一部に戻していく事だったのです。
◇土着品種を忘却から救う
もう1つ重要だったのが、この土地の土着品種の復活。マルコは文化や農業と同じように効率化(平均化)されていくワインに疑問を感じ、この土地に元々あった土着品種こそ、この土地に最も相性が良かったはずと考えるようになります。栽培や醸造技術の乏しかった時代に、自然と選ばれた土着品種は、この土地の土壌の力とテロワールに最も相性が良かったはずなのです。
出来る限り、昔の農業と同じ環境を実現するべく、全ての化学肥料や現代技術を排除していきます。それは、言い換えれば、天(栽培)と地(土壌)のバランスを保つ事でした。そして、それを可能にするのがビオディナミだったのです。
土着品種の個性は質素で田舎っぽく、あか抜けないものでしたが、ローマ時代から愛される気品や繊細さがありました。これを活かす為に醸造面では野生酵母での自然発酵が採用されます。清澄やフィルターなどのワイン造りを楽に(経済的に)する事で本質的美味しさ(あるべき姿)を失うのを嫌います。
◇非常に珍しい土着品種 ・Lecinaro レチナロ 黒葡萄。中~大サイズの房。4月上旬に芽吹き、10月1週目に熟します。 アルチェ村の代表的な品種。レチナロは「レチナ」の方言が由来で「プラム」を意味します。葡萄果実は大きく、果皮は薄い。ワインは非常に色の淡いもので、野生のチェリーやイチゴを思わせる軽快なワインになります。質の高い酸を持っていて、暑くても上品さを失いません。 少し熟成するとドライプラムやブラックチェリー、チョコレート、コーヒーのような強い芳香を持つように変化。イタリアの素朴な美味しさを味わえます。
・Ulivello Nero(Raspato) ウリヴェッロ・ネロ(ラスパトに名前が変更される予定) 黒葡萄。小~中サイズの房。4月1週目に芽吹き、アルチェでの収穫時期は通常10月2週目以降。 フロジノーネのモンティセリ・デスペーリア村の代表的な品種で、他のラッツィオ州の村でも見かける事は、ほぼ無い貴重な品種。果皮が厚いので、ワインは非常に強いストラクチャーを持つが、現代品種のような強さはなく、繊細で透き通るような味わい。フレッシュなイチゴやカシス、赤スグリのような芳香を持つ。
・Maturano マトゥラノ 白葡萄。小~中サイズの房。4月2週目に芽吹き、9月3週目に熟します。 アルチェとコミノ丘陵にある小さな村では代表的な白葡萄だが、他のラッツィオ州の村でも見かける事は、ほぼ無い貴重な品種。 ある程度の厚みがある果皮を利用して若干のマセラシオンが採用されてきた。果実由来の旨味を感じさせる香としっかりとした味わい。果皮はタンニンを豊富に持っている。名前の通り、熟度が高く、糖度が充分に得られる。酸度はそれほど高くない。
・Pampanaro パンパナロ 白葡萄。中~大サイズの房。4月1週目に芽吹き、9月3週目に熟します。 アルチェとコミノ丘陵にある小さな村では代表的な白葡萄だが、他のラッツィオ州の村でも見かける事は、ほぼ無い貴重な品種。 樹勢が強く多産なのである程度高い樹齢が必要。果皮が非常に薄く、タンニンは控えめなので、ワインは爽やかで透き通った岩清水のような繊細さが得られる。上品で繊細な香。ミネラルのクリスピーさに質の高い酸を持っているので飲み飽きしません。
・Capolongo カポロンゴ 白葡萄。小サイズの房。4月1週目に芽吹き、収穫時期は通常9月1週目。 アルチェ村では代表的な品種だが、今やほとんど存在しなくなってしまった。 パンパナロやマトゥラノよりも早い生育サイクルなので毎年、安定した品質を得られる。房は非常に小さくしっかりしていて厚い。タンニンが豊富でアントシアニン等非常に豊かでリッチ。ワインはしっかりとしたストラクチャーを持ち、香、味わい共に濃密で高貴。マルコ・マッロッコが最も重要視する。
●
2022 WTF Bianco Biodinamico
WTF ビアンコ・ビオディナミコ
【巷では大人気の?ルイ・ジュリアンのイタリア・ラッツィオ版でしょうか?・・1リットルボトルにビオのナチュールな味わいで、しかもこの価格!・・ピカ一のコストパフォーマンスとコクのある味わいにビックリされるはず!】
1リットルのボトルでビオディナミの葡萄、しかも味わいもアロマもバッチリで2千円ちょい(初のご案内時)・・これを見ますと、どうしてもあの「ルイ・ジュリアン」を思い出してしまいます。
ルイ・ジュリアンが今も売れているのかどうかはnoisyは知らないのですが・・いや、他のショップさんは大いに売れていたようなんですが、Noisy wine では・・売れないことは無いにせよ、そんなに驚くほどの売れ行きでは無かったんですよね・・。
まぁ・・あの、グズグズ漏れるし薄汚れているボトルに入っているのが noisy のお客様にはウケ無かったのかもしれませんし、流れるようなフワッとした飲み口が・・ね・・まぁ・・好みですから良い訳ですが、栓が良くなって綺麗なボトルで届くようになった頃には、オファーを何度か飛ばしてしまったのが影響したのか、オファーも来なくなって5年ほど経ってしまいました。
で・・ふと他のインポーターさんのオファーを見ていましたら、
---ビジュアルは今時のナチュラルワイン!と言わんばかりのカジュアルさ。水用の透明1リットル瓶を王冠で打栓。WTF(Wine That F・cks)という英語名と、イタリア語で「田舎者」を意味する「Rustica Progenie」という2つの名前を持つワインです。この内容なのに、1リットルで参考上代2.900円!---
みたいな文面が流れて来たので、お試しに赤白12本ずつ仕入れてみたんですね。
まぁ・・世の中、先が読めない状況ですが、そんな時にこそカジュアルでスイスイ飲めてリーズナブルなワインこそ・・お客様のお役に立てるというような気持ちも有る訳でして・・某国の自称王様?が、結果的にどうなるか判らないとしても、まかり間違えば自分たちの首を絞めるようなことになりかねない・・本来の仮想敵国に甘い言葉をささやき、世界の工場を自任して尖って来た大国にとんでもないほどの関税を掛けたは良いけれどスマホは除外と言い出すし、自由主義の同盟国を恫喝するような態度に出ている訳ですから、偉い立場の人ほど・・状況を見定めたいと思うこの頃かと思ってしまいます。
で、このラツィオの地場品種ばかりをセパージュしたビオディナミの白ワインなんですが、
「思った以上にしっかりしているのに驚かされる!」
と思いますよ。
ルイ・ジュリアンを持ち出して書かせていただいてますが、ワインのポテンシャルとしますと・・こちらの方が上でしょう・・おそらく。ただし、ルイ・ジュリアンの・・流れるような・・どちらかと言えば酸が弱めの味わい・・では無いんですね。
濃度もしっかり有り、コクもしっかり、酸もしっかりです・・いや、酸っぱく感じるほどではありませんのでご安心ください。そしてフレーヴァーも、ほんのりジューシーさも、高級ワインたるマロも行っていますんで、滑らかで・・後半は特にミネラリティたっぷりな存在に、心地良さを感じていただけると思うんですね。
1リットル入って結構に高質で、しかもビオで価格も安いと来ますと、
「それなら・・飲んでみて・・やろうか」
とおっしゃる方も、もしかしたらいらっしゃるかなぁ?・・と思いまして、今回の新着でご案内させていただきます。インポーターさんの在庫が切れない限り、この8月まではこの価格で大丈夫らしいですので・・ただし、余りに人気になりますと早期完売も有り得ますので、その辺りはご了承くださいませ。
まぁ・・このグラデュエーションのある濃い目の色彩ですから、
「・・この色の感じなら・・問題無いだろう」
ときっと思っていただけると・・どうぞよろしくお願いします。お薦めです!
●
2022 WTF Rosso Biodinamico
WTF ロッソ・ビオディナミコ
【こちらも1Lボトルに王冠!価格はリーズナブルながらビオの地場品種で濃密でドライ!・・ルイ・ジュリアンに対抗できる本格派イタリアンです!】
物凄く深~~い・・と言う訳では無いですが、ルイ・ジュリアンを引き合いに出したからと言って・・
「似ている訳では無い」
ので悪しからずご理解くださいませ。
しっかり濃密さも持ちつつ、深みもしっかり、コアがど真ん中に有りつつ・・ある意味、
「完成された味わい」
を感じさせるラツィオの地場品種の赤です。
そしてビオディナミコでその地場の葡萄を育て、かなりファンキーなエチケッタと言葉を記載し、挑発気味にアナーキーでパンキーさを出しつつも・・
「生まれたワインは・・意外なほどに正統派!」
なんですね・・。返ってルイ・ジュリアンの方が味わいはアナーキーじゃないかと思ってしまいました。
ベリーやチェリーが香るエキスがたっぷりの味わいです。甘みは全く無く、しっかりドライです。ビオ臭的なものは感じませんが、ナチュラル感はちょっと有ります。嫌味なものでは無く、正統派のワインをお好きな方でももちろんOKサインをしてくれる味わいなんですね。ちょっと驚きでしょう?
むしろちょっとカチッと締まっていますが、そのレベルは「適度」なものと感じます。ボトル詰めでやや還元的な状態で詰めている性と、王冠を打っている性かと思いますが、飲んでいく内にホロホロとソフトなタッチに変わって来ます。
これ・・もしかしてリストランテさんで出されたら、結構良いワインをグラスで出してくれたかな?・・などと勘違い???・・しそうだなぁ・・と思えるポテンシャルでして、・・ただし、
「ん~・・どこのワインか良く判らない」
とか、
「・・これ、品種・・なんだろう・・?」
と思い始めたら迷路に入ってしまって出て来られなくなって・・気持ちが落ちて来ないだろうか・・などと還って心配してしまいます。noisyだって、レチナーロとウリヴェッロ・ネーロなんて・・知りませんから・・はい。上の造り手紹介のコラムに葡萄の特徴などを掲載していますので、気になられたらご覧ください。軽やかな味わいの品種と、濃密複雑な味わいの品種を混ぜている・・その結果がこの、
「完成度の高さ」
を感じさせるものになっていると言うことなんですね。
これは文句は出ないでしょう。1リットルでこれですから・・是非飲んでみてください。お薦めします!
ボデガス・フィンカ・エスタカーダ
ボデガス・フィンカ・エスタカーダ
スペイン Bodegas Finca Estacada ウクレス
● とんでもなくリーズナブルでふんわりタッチのエレガント系ワインを見つけましたのでご案内させていただきます。
何と久々の「スペインワイン」です!・・・あらっ?・・テンション、上がらないですね・・
でも大丈夫。冷ややかなんですよ・・マドリッドから南西に100Kmほど行ったところにある2006年に制定されたウクレスD.O.なんですが、
「標高が850メートルもある!」
ので・・暑苦しいワインにはならないんですね~・・まぁ・・軽井沢が標高900メートルだそうですから、そんな感じで・・しかも畑名が「オチョ・イ・メディオ」で「8と1/2」と言うお名前・・で山ですから、
「雲海に浮かぶ畑」
と呼ばれているようです。
まぁ・・インポーターさんは「オチョ・イ・メディオ」が造り手名みたいな書き方になっているので、そのまま出回っているようですが、造り手、ボデガは、
「ボデガス・フィンカ・エスタカーダ」
です。お間違えの無いよう・・畑名が、
「オチョ・イ・メディオ」
でしょう。
出来るワインは日本人にも受け入れやすいエキス系のふんわりした感覚で飲める、
「まったく暑苦しさが皆無」
で、しかも・・
「超ドライながらも薄辛く無く、飲みやすく、飲み心地の良いもの」
です。
しかも・・
「こんな価格で良いの?」
ときっと言っていただけるはずのポテンシャルを感じていただけると踏んでいます。ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!
フィンカ・ラ・エスタカーダは、古い農場を起源とし、フェルナンド7世の未亡人であるマリア・クリスティーナ女王の子孫の財産で、現在の所有者であるカンタレロ・ロドリゲス一家が、20世紀中頃に購入しました。
一家は、当時よりブドウ栽培、ワイン醸造の世界で名を馳せており、ブドウ畑からワインのための最高の葡萄を生み出す事を目標としています。
私達の仕事の哲学は、この土地の個性を表現し、なおかつ美味しい、品質の良いワインを醸造することです。ワイナリーの道具は全て最新の物で、無菌状態を維持しています。
オチョ・イ・メディオ(スペイン語で8と1/2の意味)の畑は2005年に認可されたD.O.ウクレスの中に位置する、標高850メートルの場所に位置しています。
まるで雲の上を歩いているかのような畑から、エチケットがデザインされました。
ラ・マンチャのワインと比べると、ブドウの成熟はゆっくりと進むため、綺麗な酸味が残ります。土壌は石灰岩と砂です。
●
2023 Ocho y Medio Tinto Velasco Vino de la Tierra de Castilla
オチョ・イ・メディオ・ティント・ヴェラスコ・ヴィノ・デ・ラ・ティエラ・デ・カスティーリャ
【何と・・果肉まで赤いティント・ヴェラスコを使用し、ひんやりと、ふんわりと、エキスの味わいで楽しめるエレガント系・・ながら・・芯は結構にしっかりしている・・超お買い得なデイリーワインです!】
しなやかですね~・・甘く無いですね~・・暑苦しくないですね~・・余韻も膨らみますね・・香りも優しく、でもちゃんと香りますね~・・そして、何となくのナチュール感・・まぁ、これはSo2の生成量の少なさなのかな?・・とは思いますが、実にポジティブに受け入れられます。
まぁ・・スペインワインと言いますと、タニックで黒くて、結果パワフルで・・時に結構甘みが残ったりする訳です。
「ん?・・この赤、ちょっと甘いか?」
などと思った瞬間に萎えてしまう方・・多いですもんね・・。何となく分かりますよ・・その気持ち。
ですがここは「標高850メートル」と名付けられた「雲海に浮かぶ葡萄畑」ですから、風は通るし昼夜の気温差の大きさが、またこのワインを冷ややかに、しかし「たわわ」に育ててくれるのでしょう。
そしてこの品種は、
「葡萄の実まで赤い!」
と言われるティント・ヴェラスコの30年もの・・です。なので、
「ヴィエイユ・ヴィーニュちょっと前」
でも有り、適度に熟した葡萄から、冷ややかでエキス系の味わいに仕上がるのでしょう。
タンニンも実はちゃんと有るんですが、これがまた・・
「めっちゃ質が良い」
ので目立たないんですね。
「ポリフェノール、摂ってますか?」
と知らない人に聞かれてもワインファンなら大丈夫かと思いますが、その質が良いので目立たない・・でもちゃんと存在するので、
「ボディの適度な膨らみに寄与している」
と言えるでしょう。
そして価格です・・
「一体・・蔵の出し値って・・幾らなんだろう?」
と心配になるほど安いんですね。
昨今、こんな価格でご案内させていただいたのは、全く記憶に無いんですよ。
そりゃぁ・・探せば安いワインは有ります。しかし・・
「美味しくないものばかり」
なんですね。
今、Noisy wine の安い系のワインは、インポーターさんたちが頑張って値を安定させ気味に渡してくれているものばかりです。
「昔から扱っていただいているので上げられない」
と、ちょっと目から水が出て来てしまいそうな・・そんな世界なんですね。
まぁ・・飲んでみてください。この暑苦しさを感じさせない色彩で、きっと一度はトライしていただけると踏んでいます。どうぞよろしくお願いします。
ビッビアーノ
ビッビアーノ
イタリア Bibbiano トスカーナ
● あのカーゼ・バッセ、モンテヴェルティーネ、ポッジョ・ディ・ソットでエノロゴを務めたジュリオ・ガンベッリが1960年代から手塩にかけて来たのがビッビアーノです。
サンジョヴェーゼの魔術師とも思われるその手段は、やはりサンジョヴェーゼの気まぐれとも思える性格を知り抜き、モンテヴェルティーネのレ・ペルゴール・トルテと言う淡くも美しいひとつの姿と、ソルデーラのブルネッロの・・あの強く、美しく、でもエレガントで複雑、立体的な凄い味わいをも造り出したんですね。
長い発酵期間からこそサンジョヴェーゼの素晴らしいディテールが得られるとしていたようですが、それはまた、いつも上首尾に終わるとも限らず、大きな損害をもいとわないオーナーとのコラボレーションでこそ生まれた奇蹟だと言えるでしょう。
今日、そのジュリオのエノロゴとしてのスタートにもなったビッビアーノが、未だ余り高い評価を得ていないのは不思議なことでも有ります。
2019年のキャンティ・クラシコ・リゼルヴァを飲めば、その余りの素晴らしさに驚かれることでしょう。そして同年のグラン・セレツィオーネを飲めば、数年後のとんでもないほどに素晴らしい姿を想像できるに違いありません。
カーゼ・バッセもモンテヴェルティーネもポッジョ・ディ・ソットも、今や noisy も想像の範囲を超える物凄い価格になっていますが、ビッビアーノは・・と言うと置いて行かれた感じに思えます。
少なくともリゼルヴァを飲んでいただけましたら、
「ん?・・キャンティ・クラシコ?・・大した事無いよね~・・」
と言うような言葉は出て来なくなるでしょう。あのモンテヴェルティーネのレ・ペルゴール・トルテでさえ、
「・・なんでキャンティでも無いテーブルワインがこんなに高いの?」
「・・なんかこのワイン、イタリアワインにしてた超薄いんですけど・・」
と言われた時代も在ったんですね。ぜひ飲んでみてください。お薦めします。
■ジュリオ・ガンベッリが60年かけて作り上げた
ジュリオ・ガンベッリが提唱した長期マセラシオンに代表される独特のワイン造りを今に残す。現代のキャンティ・クラシコの濃厚で力強さを重視した潮流とは違い繊細で赤系果実を感じさせる。
◇故ジュリオ・ガンベッリの教え
「ビオンディ・サンティ」に学び、「カーゼ・バッセ」「モンテヴェルティーネ」「ポッジオ・ディ・ソット」「ヴィラ・ローザ」等を指導したジュリオ・ガンベッリ。
『1942~2004年までガンベッリはビッビアーノで働いていた。彼の思想を今に残している造り手の代表格こそがビッビアーノ』
数値分析に頼る事なく、葡萄の味とワインの試飲をワイン造りの基本とし、正確な試飲分析で仕立や葡萄の状態までも言い当てたと言われている。
『ガンベッリ最大の特徴は長いマセラシオン。現代のキャンティは10日前後が主流だが、ビッビアーノでは15~30日と非常に長くなっている』
長いマセラシオンがサンジョヴェーゼの本当の個性を引き出す唯一の方法であり、長くマセラシオンする為には健全な葡萄が必要になる。
『長いマセラシオンには高い葡萄の質と清潔さが必須。腐敗果が揮発酸のリスクを上げる。醸造環境が不衛生だとブレットのリスクが高まる』
ガンベッリの要求は非常に厳しく、僅かなSO2以外ベントナイト、アラビアガムなどの使用は一切許されず、毎日の徹底的な清掃も要求された。
『グラン・セレッツィオーネは20日以上。本当に偉大な年で最高の葡萄が手に入った時は30日以上のマセラシオンが必要になる』
サンジョヴェーゼの純粋さ、緻密さ、そして偉大さを得るには長い時間と最低限の温度管理だけで自由に成長させる事が最重要。
『気難しく、天候や醸造環境の影響を強く受けるサンジョヴェーゼは醸造技術で強制されがちだが、その本当の個性は技術では作れない』
キャンティ最古参の1人
『150年の歴史があるが、ガンベッリが参画する以前はテーブルワインと野菜を作る荘園だった。その頃のトスカーナ(田舎)らしさを無くしたくない』
1865年に設立されたビッビアーノ。長く「マロッケージ·マルツィ家」が所有している。キャンティ・クラシコの中で最古の歴史を持つ家族の1つ。
『トスカーナは外国資本が入り、巨大化し、その味わいを世界基準に変えてしまっている。ビッビアーノは後世に残すべき文化財でもあるのです』
現当主は5代目のトンマーゾとフェデリコ兄弟。カステッリーナ・イン・キャンティに位置し、30haの中に葡萄畑、オリーブ畑、森を所有している。
『栽培する品種は土着品種のみ。エトルリア時代からワイン造りが行われてきたのだから、土着葡萄には意味があるはず』
品種はサンジョヴェーゼ・グロッソ、サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、マルヴァジア・ネラ、チリエジョーロ、コロリーノ、トレビアーノ、マルヴァジア・トスカーノ。
『サンジョヴェーゼ・グロッソはガンベッリがモンタルチーノの最も伝統的なクローンを移植したもので、今や貴重なクローンとなってしまった』
世界的な流行に一切興味がなく、ジュリオ・ガンベッリの教えを元に、ワインで「土地の歴史」を後世に残していくのがビッビアーノの仕事。経済がワインをダメにする技術や文明、何より経済の大きな変化はワインを不自然なものに変えてしまっている。本来のワインは農作物と同じように土地の味がするもの。
『土地、品種の本来の姿、ヴィンテージの個性を表せていないワインが多くなってきている。我々はそれに気付き、恐れるべきだ』
何処の土地で造られたか解らない美味しいワインより、土地の味がする素朴なワインの方が良い。土地の味を邪魔するバリック培養酵母も必要ない。
『長くキャンティに存在し、自然交配し、自然淘汰され、変異しながら土地と共に生き残った土着品種でしか土地の味は表現できるはずがない』
カステッリーナ・イン・キャンティの個性を引き出す最も優れた品種が土着品種であり、それを隠す醸造は悪で、醸造で個性を最大化すべき。畑は有機栽培が実践され、2013年にはICEA認証も取得。これは土地の味を追求する長期マセラシオンを実現する唯一の方法だった。
『有機栽培で自然の影響を強く受けることが重要。自然と収量が減り、葡萄は生き延びる為に強い果皮を作り、酸度、糖度、タンニンも強くなる』
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2019 Chianti Classico Gran Selezione Vigna del Montornello
キャンティ・クラシコ・グラン・セレッツィオーネ・ヴィーニャ・デル・モントルネッロ
【ちょっと・・あのカーゼ・バッセのペガソスを、もう少し「濡れた粘土の畑に持って行った」・・そんな感じもする・・そして美しいブルゴーニュの赤い果実のエキスを加えたかのような、キャンティ・クラシコの最高峰のG.S.、激旨キャンティ・グラン・セレティオーネ、特売です!】
まぁ・・カーゼ・バッセは大樽ですから、全く方向性が異なるのは理解しています。長年大樽で仕込んだものと、新樽主体で仕上げたものは全く異なりますが、ことジュリオ・ガンベッリですから・・
「そのイメージは絶対に拭えない!」
とも感じる訳ですね。
このやや暗い茶と黒の入ったような赤い色調の中に、
「ものの見事に赤い・・ブルゴーニュ的な赤い果実の美しいエキスからの表情が隠れている!」
なんて、誰も考えないでしょう?
noisy はしっかり・・検出しました。そして・・その美しいブルゴーニュ的な・・そう、シャルム=シャンベルタン的な感じかな・・と思いますが、本当に美しいです。
この色調を見て、そんなことを言うのは noisy 位のものでしょうから・・まぁ・・飲んでみなきゃ文句も言えない訳ですから、是非飲んでみてください。惚れちゃうかもしれませんが、noisy はその辺の責任は取れませんので悪しからず。
ジュリオ・ガンベッリですから、モンテヴェルティーネの激エレガントなサンジョヴェーゼそのものの味わいや、葡萄のエキスを濃密に抽出したカーゼ・バッセのモンタルチーノの味わい・・結果的にはエレガントなんですが、そこそこの濃厚さは有る訳です。カーゼ・バッセも1980年代はもっとずっと濃かったと思いますし。
ですが、エノロジストの恐ろしいところは、
「カンティーナのご主人以上に個性を発揮する!」
訳ですね。イタリアは特にその傾向が強いかと・・も、思ってます。
そして、そのエキスですが・・めちゃ瑞々しく、粘性が目に見えるのに・・激エレガントなんです!
だから海外メディアは高い評価をしない・・たったの94ポイント・・いや、そのポイントを出したワインスペクテイターはまだ良い方ですが・・。
でも、だからこそ、こんなにリーズナブルで旨い・・全くエレガントに見えないのにエレガントな超高級トスカーナワインがリーズナブルに購入できるんだと理解してください。これに97点も付けてしまえば、飛ぶように売れてしまうので高くなっちゃうでしょう?・・濃いだけじゃ満足できないワインファンのために、ここは是非飲んでいただきたいと・・超お薦めします!滅茶安いです!特売です!
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2022 Chianti Classico
キャンティ・クラシコ
【旨いです!ただのキャンティ・クラシコがこんなに深く・・こんなにエレガントだとは、きっと思わなかったでしょう!】---- 以前のレヴューを使用しています。
良いワインだと思ってもテクスチュアが今一つだったり、単に残糖な甘みに逃げたり・・のキャンティ・クラシコやキャンティが多い中、ビッビアーノは素晴らしいですね。
まぁ・・昔からジュリオ・ガンベッリは好きでしたが、ビッビアーノのキャンティ・クラシコ2021年は・・
「上級キュヴェを喰いかねない見事なバランス!」
をしています。
そして、「粘土」な美味しさも持っています。
「メルロ―か」
と思えるような・・深い粘土の味わいは、濃い茶色の果実や有機物を思わせます。
そしてそのメルロー風の積層したニュアンスが、実に深い味わいを醸しているんですね。
ちょっとむせかえるような・・何と言いますか、物凄い芳香を持っています。これがもう少し発散的になりますと・・ポッジョ・ディ・ソットのブルネッロに寄って行く感覚です。
滅茶苦茶美味しいビッビアーノのキャンティ・クラシコ・リゼルヴァも以前からご案内させていただいてますが、
「そのリゼルヴァを・・そのまま少しだけエレガントにしただけ」
とも言えます。
ですので、
「濃い目の味わいよりも淡くエレガンスを感じるものが良い!」
と思われるのでしたら、このキャンティ・クラシコで充分です。noisy なら・・まぁ・・結構お年ですから、キャンティ・クラシコを選んでしまうかもしれません。
しかし・・!
海外メディアはさほど良い点は付けていないんですが、グラン・セレッツィオーネ・ヴィーニャ・デル・モントルネッロ2019 が・・とんでもなく旨いんですね。しかも激エレガント系の美し~~い味わいなんです。ちょっと惚れちゃいそうな美味しさなんですね。
どうも海外メディアは、パンチが有るイタリアワインには高い評価をするくせに、美しさを極めたようなエキスの味わいの赤ワインには・・見向きもしない嫌いが有るような気がします・・これだけエレガントなブルゴーニュワインがウケているのに・・です。
なので、モントルネッロ2019も特売ですのでリーズナブルですから、
「激旨ならモントルネッロ、デイリー的に選ぶならキャンティ・クラシコ!」
で行きましょう。
超お薦めです!・・ぜひ飲んでビックリしてください。
素晴らしいです。心からそう感じます。あの「ポッジョ・ディ・ソット」も・・そうでした。まさにあの、
「2000年前後のポッジョ・ディ・ソットの、あのニュアンス!」
を感じさせる深い・・官能さ。
時に多く感じるサンジョヴェーゼが持つテクスチュアの悪さなど、微塵も有りません。
濃いのか?・・いや・・さほど濃くない・・が薄くは無い。
甘いのか?・・いや、まったく甘くない。
エキスが濃いのか?・・いや・・意識しないレベル。
キャンティ・クラシコらしいのか?・・いや、極上のサンジョヴェーゼで造られたキャンティ・クラシコだと感じる。
しっとりとしていて、旨味・・と簡単に言えるものではない、凄い酸の味わいをしなやかに感じるんですね。そして、熟れた果実や若いハーブ、有機物、無機物の表情が凄いです。
言ってみれば、もしかしたら・・
「これ・・ブルネッロじゃないの?」
と・・思うはずです。
でももしかして、ジュリオ・ガンベッリのワインを飲んで、その味わいを知っていたとしたら・・
「お~・・ジュリオ!」
と・・(^^;;
心と身体に響くワインです。特売ですので・・
「とんでもなく安い!」
です。
これは絶対、飲みましょう。濡れてしっぽりな・・素晴らしいキャンティ・クラシコ・リゼルヴァです!
タメッリーニ
タメッリーニ
イタリア Tamellini ヴェネト
● 魚介類の美味しい季節になってきました。皆さんは何でも赤ワインばかり飲みたがりますが、マリアージュを考えたら白ワインは必需品ですよ。 そうだ、どうせ飲むんだったら2本一緒に開けてはいかがでしょうか?全部飲む必要は有りません。1本は白にしていただけば、魚系やあっさりしたものは白で、重めのものなら赤という、ささやかな贅沢が可能です。もっとも若いワインに限ります。古酒はさっさとその日に飲んでしまいましょう。残ったワインは翌日か翌々日にまた楽しむことができます。まあ、noisy の場合は常に何本か開いていますので、赤白両方楽しめることも有ります。でも、 「どうすんのよ、こんなにボトルばっかり沢山テーブルに乗っけて!」 と、とても怖い方に怒られる毎日では有ります。 冗談はさておき、今回の隠れたメインエベントがこのタメッリーニです。滅茶苦茶状態が良いです。しかも滅茶苦茶旨くて滅茶苦茶安い!と思います。ふかふかとした畑が目に浮かんでくるような、そんなソフトさを持ちながら、口の中が薄辛くならないポテンシャルの高さを持っています。
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2023 Soave
ソアーヴェ
【良い感じの仕上がりです!】
ガルガーネガ種によるソアーヴェです。ソアーヴェは、今ではピンキリが有るワインですが、そうは言っても、ブルゴーニュの偉大なシャルドネにはどんなことをしても及びません。反面、比較的軽く仕上げると、飲みやすくて充分と言えるレベルの深みの有る味わいが得られます。また、良い区画の葡萄を過熟させることによって糖度を上げ、質感を上げることにも成功したワインです。
しかし、ソアーヴェと言いながらも、独特な茶掛かった色合いの無い、真っ白に近いものも有り、
「ん?・・これ・・ソアーヴェなの?フラスカーティみたい・・」
に思えることも有ります。ソアーヴェには独特のコクもあるのが特徴です。
そんな中で、クラシコと名付けられたものは、より限定された地区で生産されます。そして、このタメッリーニは、中でも高質な仕上がりをしている素晴らしいカンティーナです。
ほんのりとした麦わらのニュアンスにわずかな煙り、どこか遠くに見える蜜のニュアンス、薄い緑や白の花、そしてとてもソフトでしなやかなミネラルにつつまれます。雑草が生い茂った畑はとてもふかふか で、微生物たちが動き回っている様が想像できるようでも有ります。甘くなく、ドライながらもエキス分の張りと旨みがボディを支え、とても心地よい収束が長く続きます。
先日も2014年に切り替わったので飲んでみると、ミネラリティもたっぷり、深みの有る構造ながらも鈍重にならず、繊細さも感じさせてくれました。遅熟させて高級感を演出しているような高級とされるソアーヴェなどに比べ、畑の素性の良さの延長にこの味わいが有ると思わせてくれるものです。とても美味しいガルガーネガ種のシンプル・ソアーヴェです。お薦めします。
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2021 Soave le Bine de Costiola
ソアーヴェ・クラシコ・レ・ビーネ・デ・コスティオラ
【さすがに畑名付き!凝縮感に差がでます!ホント旨いです.. 】
やっぱ白だね、じゃなくて、さすがですね。上級キュヴェだけのことはあります。味わいは、昔ご紹介させていただいて大変な評判をいただいた、柔らかなソアーヴェをふた周り大きくして、さらにキレを持たせたようなものです。また、ミネラルの存在は倍近いものがあり、よりポテンシャルがあると感じます。
まあ、大体、上と下が有れば、上の方がより旨いんです。そりゃそうです、その辺りはちゃんと確かめてからオファーしてますから..。状態・味わい・価格は妥当か、現状で満足できる味わいか、将来的なポテンシャルを見るかなどなど..結構苦労しながら飲んでるんですよ~。ただ飲みたくって飲んでるって訳でも無いんです。いや、最近は区別が出来ない状況であるのは間違いないですが!
味筋としましては、秀逸なソアーヴェ(ソアーヴェを名乗ってはいないが..)を造る アンセルミと比べても遜色ないどころか越えている部分も感じられます。アンセルミの切れ味良い「剛」を感じさせるワインに対し、タメッリーニは「しなやかさ、柔」を強くイメージさせます。特にこのレ・ビーネは上級キュヴェということも有ってか、しなやかさを無くさずに凝縮感やエキス感を感じさせてくれます。
飲まれるタイミング変わりますがほぼ全開状態ですとソフトさとまったり感、ボリューム感に熟したフルーツのニュアンスが出てくると思います。やや若いタイミングですと
「ソアーヴェらしい麦わらや生き生きとした青っぽい蔓のニュアンス」
がピュアさや硬質感をプラスしています。是非飲んでみてください。と言うわけで一押しです。是非セラーに数本!置いてあげてください。旨いです。
リアルワインガイド
リアルワインガイド
日本 Real Wine Guide 東京
● リアルワインガイドの最新号が届いています。いつものようにnoisy は自然派のコラムで適当な事をブツブツ言いながら・・・書いていますので、 「また~・・ろくでもないことを書いてるんだろう?」 と気になる方も是非!・・ご購入くださいね。 また、奇数号は広告も出しちゃってますので~・・凄い!太っ腹!・・そうでもないか!・・・もっぱら、全く広告に成ってないぞ~、しっかりしろ~との声が聞こえてきます・・
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2025 Real Wine Guide No.88
リアルワインガイド 第89号
【第89号の発刊です・・!!】
リアルワインガイドの89号、発刊です。もちろん、ブルゴーニュ特集も健在です。ミシェル・グロのリシュブール98+、オリヴィエ・ジュアンのシャルム=シャンベルタン97+と・・絶好調です。ぜひご覧くださいませ。
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2024 Real Wine Guide No.88
リアルワインガイド 第88号
【第88号の発刊・・!!2025年のカレンダーもよろしく・・】
前回、カレンダーの告知を忘れましたら、ちっとも売れませんで・・参りました。2025年になってしまうと・・焦っています。 そしてこの第88号も届きました・・。こちらもチラ見させていただきましたら、結構にブルゴーニュが記載されています。 ドメーヌ・アミオ、ベルトー=ジェルベ、フランソワ・ミレ、ジョルジュ=ミュヌレ=ジブール、セシル・トランブレイなどなど・・ 「アミオなんて凄い評価が上がってる!」 「ベルトー=ジェルベも!」 まぁ・・noisy も美味しいから扱わせていただいているので、至極真っ当な話しではあるんですが・・ あ、そうそう、第88号の表紙になったヴィラデストワイナリーさんのワインも一応有りますが、紹介しきれてないんですね~・・いつか出しますのでどうぞよろしくお願いいたします~~。
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2024 Real Wine Guide No.87
リアルワインガイド 第87号
【第87号の発刊・・!!ブルゴーニュ特集、復活です!!・・】
「なんだよ~~・・画伯、えらいリキ入った画像、書いていらっしゃるじゃん!」 とこの87号を見て細かい描写に驚いたnoisyですが・・ 心配されていました「ブルゴーニュ特集」が復活です。さっき届きましたので、斜め読みどころかパラパラとページをめくっただけですが、徳さんの言い訳・・いや、今後のブルゴーニュワインのコラムについてどうされるかが書いてあるようです。 まぁ・・この先、誰がど~考えても・・「円高」がトレンドです・・そりゃぁそうです・・ユーロに特段の好材料が有る訳も無いし、好調だったドルに乗っかったイメージだけでの円安・・を望んでいた日本政府のリードが、もはや金利上げにシフトしたのが市場に理解された訳ですから・・。 もっともこの世の中、アチコチで紛争ならぬ戦争が有りますから、一寸先は闇かもしれませんが、今のところワインファンには確実に好材料、ブルゴーニュワインも徐々に落ち着くと思います。 まぁ・・リアルワインガイドも今年はルーミエさんとはタイミングが合わず、訪問できなかったようですので・・ 「2022 ミュジニー 100↑ 飲みたい時が飲み時」 が見られないのは残念ですが、日本ワイン、自然派ワインも含めてご覧いただけましたら幸いです。
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2024 Real Wine Guide No.86
リアルワインガイド 第86号
【第86号の発刊ですが・・・!!大事件です!!・・】
最新号が到着しました!・・姉さん、事件です!・・ そう、何とリアルワインガイド誌からブルゴーニュワインが消えたんです!・・ その代わりと言っては何ですが、日本ワインと旨安ワインが特集からレギュラーになってます・・これが続くのかな?・・noisy は余り良く判りませんが・・。 まぁ・・だからと言って、Noisy wine のスタンスが変わる訳ではありませんが、ちょっと寂しいですよね・・。これからの動向が気になるリアルワインガイドにご声援ください!
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2024 Real Wine Guide No.85
リアルワインガイド 第85号
【第85号の発刊です・・・!!エマニュエル・ルジェの2021年の評価が驚異的!・・】
今日、届きました~~・・。まぁ・・腰は痛いし足も手も目も弱くなっていると自覚している noisy ですから、最近は「とん・・と」リアルのテイスティングにも出られる状況では無い・・訳でも有ります。 なのでリアルワインガイドの最新号が届くと、昔を懐かしむように手にとって、パラパラと・・。 そうしますと、グレートドメーヌたちの「金言集」?・・面白いですから是非読んでみてください。ルーミエさんは・・これだけではないですが、自分が使う場合の「クラシック」の意味を説明してくれています。それ、意外にも重要ですから・・あ、noisy もコラムには時折書いていますが、同じことを言っています。 で、そろそろ気になるあのお方・・エマニュエル・ルジェさんの2021年ですね。 もう・・リアルワインガイドは物凄い評点です。 「リアルの最低点って・・95点?」 みたいな・・(^^;; コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ2021でさえ・・ 「・・えっ?」 と息を飲み込むような評点です。 もっとも徳丸さんも、海外メディアの評点を見るに付け、 「・・えっ?・・そんなもんなんだ・・(とんでもなく低いと言う意味)」 と感じているそうですから・・。 また、オリヴィエ・ジュアン2021年の評点もようやっと上がりました。もうほとんど無いですが、 「オリヴィエ・ジュアンも凄い評価!」 ぜひリアルワインガイド第85号の新刊、ご購入いただきご覧くださりませ。
ブランカイア
ブランカイア
イタリア Brancaia トスカーナ
● いったい何年振りになるでしょうか。20年近い刻が流れたようにも思います。ブランカイアを久しぶりにご紹介させていただきます。
昨年末、長く通っていたお蕎麦屋さんが店を閉じられました。noisy は一応定休日の木曜の昼に、時折お蕎麦をすすりに行ってまして・・店主さんがつくる蕎麦の香りがちゃんとするもりそばや、時に寒い日は暖かいきつねそばなどを頼んでました。そばが茹で上がる前まで、極上の出汁巻きたまごを辛味大根と醤油で楽しませていただきました。
おそらく・・お怪我をされてから、中々思うように打てなくなった・・と言うことなのかと思いますが、江戸前そば系のキリリとした汁に辛味大根とネギをそばに載せて食すのが好きでした。決してわさびは出なかったなぁ・・と。残念な閉店でした。
このブランカイアも、今から20年近く前にインポーターさんの扱いが変更になる頃に、なぜかそのインポーターさんと上手く行かなくなり、切れてしまっていたんですね。
それにこのブランカイアもまた、元は「マッツェイ家」とのお付き合いの中で生まれたブランドですが、そちらも縁切れと言うことで・・何か「リンク」を感じてしまいます。
久しぶりに飲ませていただいたブランカイアですが、看板のトップ・キュヴェ「イル・ブリュ」は飲んではいないものの、以前のような大柄さはそのままに、でもどこかブランド的にも大きくなったのかな?・・と言うような印象も受けました。
ワインはとてもクリーンで、比較的タンニンやエッジは感じさせる方の造りです。ブルゴーニュとボルドーと言うことで比較しますと・・その中間的な感じです。リーズナブルにご案内させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
1981年にスイス在住のブリジット&ブルーノ夫妻がカステッリーナ・イン・キャンティの「ブランカイア」と呼ばれていた畑を購入、その後わずか2年でキャンティ・クラシコを生産し、国際的に知られることとなるシンデレラ・ワイナリーです。
エノロゴにはキャンティクラシコの第一人者、カルロ・フェッリーニを迎えており、1998年には娘のバーバラが醸造に全面的に参加しています。現在ではトスカーナを代表するワイナリーであり、国際的な評価も高く、世界中での人気を得ています。
●
2022 Il Bianco
イル・ビアンコ IGT トスカーナ
【滑らかでフレッシュなアロマティックさを自然に感じさせるデイリーなトスカーナの白です。】
明るくフレッシュで、少し「むわっ」とボリューミーなアロマが感じられるノーズです。決してネガティヴなものでは無く、
「葡萄の新鮮なアロマを少し集中させた感じ」
で、ほんのりと柑橘、中程度の熟度の熟れ方をした果実、フラワリーさとハーブのアロマが混じったようなニュアンスです。
樽は使っていないのとノンマロのようですので、一般的に言いますと、
「フレッシュ&フルーティ」
では有りますが、例えばムスカデのような酸味のしっかりさ・・時に余りワインに慣れていない方は、
「酸っぱい!」
と言われる、そんなリンゴ酸の強さ的なものはありません。
おそらくトスカーナと言う緯度と、葡萄の熟度に由来すると思います。
非常にクリーンです。健全な味わいです。昔のブランカイアですと、もう少し「農家的」な部分も在ったと思い出しますが、有機農法をやっているとは言え、その辺りの・・少し濁ったニュアンスですとか、畑に沢山生えている草とか、馬や牛、虫の存在などは感じません。
まぁ・・何が良いか、好きかと言う点はまさに人それぞれですから、こちらは有機農法とは言え、比較的大きな造りだろうと想像します。
しかしながらアロマティックさはかなりのもので、トスカーナと言うイタリア中部の緯度的なニュアンスをしっかり感じつつ、クリーンな味わいを楽しむ・・そんな感覚の白ワインです。
昔だったら1500円位でしょうか。むしろ20年も経過して数百円しか上がっていないのなら・・ほとんど同じかな・・と思います。
ファルスタッフは89ポイントと評価していますし、その他のメディアも88ポイント位です。とりたてて凄くは無いが良く出来ていると言うことでしょうから、
「取り立てて凄いことは無いがアロマティックでクリーンで有機で良く出来ている点を付けるとするなら、その人なりの点がそのようになる」
と言うことなのでしょう。ご検討くださいませ。
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2022 Tre Rosso
トレ・ロッソ IGT トスカーナ
【これは美味しい!・・20年前もかなり売れていました!・・ボルドーとブルゴーニュの中間的質感で、頭の中のサンジョヴェーゼの質感をプラスした感じ!】
そうそう・・この「トレ」、結構売れたよなぁ・・などと思い出し、
「一体、その頃はいくらで販売していたんだっけ?」
と、コンピュータの古いデータを探してみますと・・
「新着価格で¥2.936-」
・・げげっ・・今の方が全然安いじゃん・・と言うことに気付いてしまいました・・何だかなぁ・・です。
因みにそのデータは2002年のトレのもので、やはりちょうど20年ですが、2003年のものも出て来たので観てみますと、
「新着価格で¥3.080-」
・・どっひゃ~・・です。ホント、ワイン関係・・利益が出ないのも判ります。今、ブランカイアに人気が有るかどうか不明ではありますが、昔分けていただいていたインポーターさんがブランカイアを手放した、その後にエクスクルーシヴを得たインポーターさんには、noisy もアプローチする気はおきませんでした。理由は・・話せませんのでご推察ください。
そんなこんなで生産者さんも海外のインポーターさんとお取引すると思うんですが、ま~・・色々在りますよ。大きなインポーターさんは、お金の苦労は無いかもしれませんが、隅々まで気が回らないですし・・。
で、この「トレ」ですが、アロマはふんわり、良く香ります。ちょっとスーボワとワイルドなベリー・・ちょっとボルドー的でも有ります。
口に含むと・・口内の中央を飛び出すような弾け方・・ちょっとボルドー的に骨格が有りますが、すぐに戻って来てエキス的な味わいを見せますので、
「全体的にはボルドーとブルゴーニュの中間的な立ち位置。そしてサンジョヴェーゼ的な・・滑らか過ぎない・・僅かに襞を感じるテクスチュア」
かな・・と。
その上で、質感は結構に良く・・2022年と若いですから、この3カ月~半年の間にどんどん滑らかさを増して行くだろうなぁ・・と想像されます。
これ、この価格だったら凄く良いんじゃないでしょうか?・・
因みに92ポイントはちょっと付け過ぎかな・・と思いますが、完熟した最高のポイントで飲めたとしたら、付けない点では無い・・いや、やはり91止まりかなと思います。限定期間の特売です。どうぞよろしくお願いします。
ヴァイングート・ファン・フォルクセン
ヴァイングート・ファン・フォルクセン
ドイツ Weingut Van Volxem ザール
● ドイツのドライさが心地良く、それていて旨味がしっかり乗った辛口ワイン。美味しいですよね。柔らかく、子細な表情まで感じられる秀逸なワインです!
VIDEO
Weingut Van Volxem
ファン・フォルクセン醸造所
地域:モーゼル=ザール=ルーヴァー
地区、村:Wiltingen ヴィルティンゲン村
オーナー:Roman Niewodniczanski
ローマン・ニエヴォドニツァンスキー)
醸造家:Dominik Volk
(ドミニク・フェルク)
HomePage:www.vanvolxem.de (参考:VDP.The Members 公式資料) 栽培面積:51ha 年間生産量:220000本 栽培品種:リースリング96%、 ヴァイスブルグンダー4%
Erste Lage(特級畑):
Wiltingen ヴィルティンゲン村:Gottesfus ゴッテスフース Braunfels ブラウンフェルス、Volzフォルツ Scharzhofberger シャルツホーフベルガー
Kanzem カンツェム村:Altenberg アルテンベルク
Wawerner ヴァヴェルン村:Goldberg ゴルトベルク
土壌構成:Roter-Blauer、 Devon-Schiefer(赤、青、デヴォン・シスト)、Grauwacke(硬砂岩)、Quarzit(珪岩)
ファン・フォルクセン―― グラン・クリュのザールワイン ザールで最も重要なワイン村ヴィルティンゲンの、歴史的な中心部にあるファン・フォルクセン醸造所は、ローマ時代の荘園の館の土台の上に建てられています。かつてルクセンブルクのイエズス会修道院が所有する醸造施設であった18世紀初期には、シャルツホーフベルク、ヴィルティンガー・ゴッテスフース、フォルツ、カンツェマー・アルテンベルクやヴァヴェルナー・ゴールドベルクといった、ザールで最上のスレート粘板岩土壌の急斜面のブドウ畑に、広い区画を所有していました。
この自然環境から見て大変恵まれたテロワールは、既に1865年、プロイセン王国の時代に行われたブドウ畑の格付けで最上位(グラン・クリュ/グローセ・ラーゲVDP)にランクされています。所有する51haのスレート粘板岩土壌の急斜面の96%にはリースリングが栽培されており、4%がヴァイスブルグンダーです。ブドウ樹の平均樹齢は40年前後。ザールの優れたブドウ畑の中でも最も急な斜面の一つにあるヴィルティンガー・ゴッテスフースには、実に樹齢130年に達する自根のリースリングが栽培されています。
2000年のはじめ、この長い歴史を誇る醸造所を現当主のローマン・ニエヴォドニツァンスキーが購入し、歴史的建造物として適切に改修工事を行い、数々の優れたブドウ畑を買い足してきました。2004年にドミニク・フェルクが醸造責任者として加わった、この醸造所の若いチームが目指しているのは、妥協を排して高品質なワインを追求し、ヴィルティンゲンの歴史ある醸造所がかつて誇っていた名声を現代に蘇らせることです。
ファン・フォルクセンの品質思想の中心にあるのは、自然に近い有機物を使った土壌の世話から手作業で行われる正確な収穫に至るまで、労をいとわないブドウ栽培です。よく熟して香り高いブドウを収穫するために、グリーンハーヴェストやブドウの一部を切り落とす作業など、様々な手段による収量制限を行い、平均収穫量を約40h?/haに抑えています。ブドウ樹を新たに植えたり植え替える際は、2001年から主に自根の高品質な苗木を選抜して用いています(マサル・セレクション)。
職人気質に徹して行われる醸造の目的は、個々のブドウ畑の個性を保持することです。例年10月末まで意識的に待ってから始める生理的に完熟したブドウの収穫は、多い時は3回に分けて選りすぐりながら手作業だけで行います。念入りに果梗を外し、短時間のマセレーションの後、一部は最新のバスケットプレスを用いる丁寧な圧搾作業に続いて、果汁を主に伝統的な木樽の中で非常にゆっくりと野生酵母で発酵します。異なるテロワールが持つ個性を保ちつつ、ワインの絹のようなテクスチャーを壊さないように、人工的に培養された酵母は用いません。念入りな手作業による選別を行い、収穫を非常に丁寧に扱うことで、最近の人工的な醸造手法を全く用いず、化学的に合成された醸造補助物質や清澄剤、さらにマストのシャプタリゼーション(補糖)も一貫して排除することを達成しています。その結果、大変体に優しく、アルコール濃度の穏やかな、ミネラル感のあるフィネスに満ちたワインとなり、それは華やかなリースリングの果実味――はっきりとしたブドウ畑の個性を持つ生き生きとした自然なワイン(Naturweine)で、偉大な熟成能力がある ――の、ザールワインがその名声を誇っていた1900年頃のスタイルに他なりません。
高貴な甘口のスペシャリティを除いては、全てのワインは(いわゆる)辛口タイプに仕上がっており、豊かな香りの料理に素晴らしい相性を示します。収穫量を低く抑えるとともに、遅い時期の収穫で果汁糖度はことごとくシュペートレーゼかアウスレーゼのレヴェルになるので、これらのワインは1900年頃のワインと同様に、プレディカート(肩書き)を表記していません。ファン・フォルクセンのワインが「カビネット」「シュペートレーゼ」あるいは「アウスレーゼ」と名乗る場合、常に甘口か高貴な甘口です。
醸造所が所有する5つのグラン・クリュ(グローセ・ラーゲVDP)のリリースは、収穫翌年の9月以降です。 (出展:ファン・フォルクセン 公式資料)
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2022 Schiefer (Riesling)
シーファー(・リースリング)
【ファン・フォルクセンもナチュール化促進??・・美しさはそのままに、ナチュール感を増したシェーファー・リースリングです!】
どうやら2021年ものの時に醸造責任者が変わったようで、ラシーヌさんのテクニカルを読ませていただきましたら、
「2021年の栽培~収穫は前任者が、醸造~瓶詰めは後任のでナーエのシュロスグート・ディールで醸造責任者を勤めていたクリストフ・フリードリヒさん」
と言うことが判りました。
まぁ・・こんなことを言いますと「ひけらかし」みたいで本意では有りませんが、これは申し上げておくべきかと感じましたので・・。
美しい伸びの有る、タイトさを含んだリースリングで、徐々にSo2を減らして来た感じの2020年まで・・だったと思います。ですが今回の2022年ものをテイスティングさせていただき、
「・・あれ?・・路線変更??」
と・・いきなり感じたんですね。
そう・・明らかに以前よりもSo2感が激減し、その分・・僅かにSo2の使用拒否??による僅かな揮発酸の影・・が感じられた訳です。
ですので、ビオは栽培オンリーだから、ナチュールどうこうは関係無いじゃん・・と思われるかもしれませんが、栽培も収穫も・・実は結構関係在ったりするんですよね。すなわち、
「激的に健康な葡萄(のみ)を収穫出来るかどうか?」
が、本来はそのSo2(酸化防止剤)添加と密接な関係が有るからです。
ですので、ナチュール感が増えたというよりも、So2感が激減した・・その分、ナチュールっぽさが増えた・・と言うのが正解に近いかと思うんですね。
ですから以前の硬質さはふんわりとした柔らかさを乗せた感じになっています。香りの上がりも早くなったように感じます。非常にドライですが、繊細なディテールを感じられやすくなったかな?・・と。その分、僅かな揮発酸の影響・・揮発酸そのものと言う感覚では無く、揮発酸を生み出したニュアンスが有る・・と言う感覚です。
これは非常に微妙な部分ですから、
「ん?・・noisy さんが言うほどは感じないんだけど・・テクスチュアがふわっとして香りの上がりが良くなった感じはするけど・・」
と言われる方はいらっしゃるんじゃないかとは思います。
いずれにしましても、少々の路線変更は有るのかと・・思いますよ。醸造責任者が変わったと言う訳ですから・・・。まぁ、合田康子さんは、
「もっとSo2、減らして!40mg/L もあるのよ・・」
と・・充分位に低い残留So2値だとは思うんですが、それをご当主のローマンさんにねじ込んでいたのを覚えていますから、ラシーヌさん的には・・いや、まぁ・・止めておきましょう。
変わって行くのを見るのも面白いですよね。飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ザール・ドライ・リースリングの基準とも言うべき、特徴もバランスも備えた見事な味わいです!滅茶美味しい!】 何でしょうね・・2021年ものだから・・と言う部分ももしかしたら有るのかもしれませんが、硬い硬いザールのリースリングを甘い糖分でソフトに見せた20年前のドイツワインの姿は完全に有りません。
もちろんですがドイツワインが辛口白ワインを目指してから混迷を深めていた時期、ドライに振ったのは良いがガチガチで旨味が閉じ込められ、もしくは生成されずに相当苦労していたようにも思えますし、白ワインならではの苦労ともいうべき「So2添加」の問題を含めてですね・・So2を入れると硬くなっちゃいますしね・・
自然派を目指して様々なトライが有ったと思いますが、ファン・フォルクセンもまた、徐々にSo2の使用量を減らしていると感じます。勿論、世界的な気候変化はドイツではむしろポジティヴな作用をしたかもしれません。
飲んでみると非常にディテールが細やかに伝わって来ます。タッチのフィーリングが硬くないんですよ。だから表情が伝わって来やすい。メロンや花梨、リンゴと言ったフルーツが繊細に、ピュアに・・でも押し付けがましく無く香ります。ミネラリティはザールらしい締まった部分とやや温かみのあるモーゼルの混ざったニュアンスですが、柔らかさが年々増して来ているように思いますので、むしろ「見事に一体化しアロマの表情とマッチしている」と感じられます。硬いと感じる方はいらっしゃらないんじゃないか?・・位のニュアンスです。
おそらくやはりSo2の少なさと、気候の変化・・温暖化ですね・・寄与している感じがしますが、単にプラスの効果だけでは無いでしょうからご苦労されていらっしゃると思います。
若きご当主にお会いした時、合田さんが、「もっとSo2減らして」と言ってらして、ご当主のちょっと困ったような顔を思い出します。
まぁ、ビオ系の茶色に変色することを何とも思わない生産者さんとは異なりますから・・どうしてもSo2 を使用する前提の醸造自体を変更する決断は、中々難しいでしょう。そんな中でも確実に、
「この細やかで柔らかなディテールはSo2さえ減らしている」
と感じます。
非常に旨いです!・・ドライですがボディはしっかり有ります。しかし重くなっていません・・さわやかだとさえ感じます。是非飲んでみてください!お勧めです。
P.S.新しくなっていたエチケットが、また以前のものに戻ったようです。
以下は以前のレヴューです。
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【ザール・リースリングの冷涼で潔癖な鉄っぽいドライさとはまた違う、ややソフトで温かみ有る、それでもキリリとして旨味の乗ったリースリングです!】 少し前まではドイツワインと言えば、
「甘くてダレ気味、もしくは酸っぱい白と、超薄い色の赤ワイン」
と言うのが定番で、ましてや白ワインの場合、
「甘ければ甘いほどクラスが上」
とか、
「似た様な名前でクラスも同じと思えるのに価格が驚くほど違う」
ことに戸惑いを覚えられたでしょう。
大昔は「ツェラー・シュヴァルツ・カッツ」、通称ツェルの黒猫ちゃん・・がおいて有れば良い方で、マドンナ何とかとか、ブルーボトルの何とか・・と言う、クラス上位と勘違いさせるようなキャビネット、アウスレーゼが付いて、リーズナブルなような気になってご購入されていらした方も多いかと思います。
以前のドイツでは、ちゃんと畑にも格が有って、それも実はちゃんと判るようにはなっていたんですが、フランスワインほどは明確では無かったとも言えますんで、
「ツェラー・シュヴァルツ・カッツ・キャビネット」
と言うワインは、単に「キャビネット」だけでクラスを判断してしまいがちだったんですね。
まぁ、単一畑とか、集合畑とかが判っていれば良い訳ですが、そんなのを理解するのはかなり困難な訳です。
現在も法的には色々有りますが、結局のところ、とどのつまりは、
「飲んで美味しいのが良い」
と言うことが普遍的な訳ですね。
ファン・フォルクセンのワインは、勿論ですが、畑自体、物凄く上質なものをお持ちです。そこまでの畑では無くても、しっかりと仕立てた畑で葡萄を育てています。
このシーファー・リースリングは、畑がどうです・・とまで言うワインでは有りません。それよりも、
「土壌」
に言及したワインであって・・それは、粘板岩(シーファー / Schiefer)です。スレートとも言いますよね。WIKI より転載させていただきますと、
粘板岩 (ねんばんがん、英: slate、スレート)とは、泥岩や頁岩が圧密作用によりスレート劈開を持ったもの。堆積岩がやや変成作用を受けたもの。元々の堆積面ではなく圧密作用に垂直に薄くはがれる。石英・雲母・粘土鉱物・長石・赤鉄鉱・黄鉄鉱などが含まれる。
でも言葉が難しいですよね。一応転載しますと、
泥岩 (でいがん、英: mudstone)は、その構成物質の粒の大きさが1⁄16mm以下のもの(泥)でできている堆積岩の一種。海底や湖沼底などに堆積した泥(シルト・粘土)が、脱水固結して岩石となったものである。主に粘土鉱物からなり、有機物を含むことも多い。
頁岩 (けつがん、英: shale、シェール)は堆積岩の一種。1/16(=0.0625)mm以下の粒子(泥)が水中で水平に堆積したものが脱水・固結してできた岩石のうち、堆積面に沿って薄く層状に割れやすい性質(へき開性)があるもの。「頁」の字は本のページを意味し、この薄く割れる性質から命名された。泥が堆積してできた岩石のうち、薄く割れる性質を持たないものを泥岩(シルト岩・粘土岩)と呼ぶが、泥岩と頁岩の間に本質的な違いはないので、頁岩は泥岩の一種とする考え方もある。また、弱い変成作用を受けて硬くなり、やや厚い板状に割れるものを粘板岩(スレート)と呼び区別する。粘板岩と共に、硯の材料として使用される。
堆積岩 (たいせきがん、英: sedimentary rock[1])は、既存の岩石が風化・侵食されてできた礫・砂・泥、また火山灰や生物遺骸などの粒(堆積物)が、海底・湖底などの水底または地表に堆積し、続成作用を受けてできた岩石。かつては、火成岩に対し、水成岩(すいせいがん、英: aqueous rock)とよばれていたこともある。地球の陸の多くを覆い、地層をなすのが普通である。
判りますでしょうか。まぁ、基本的には堆積岩で、粘土やミネラルが豊富な土壌と言うことになるかと思います。結構乾いたニュアンスが有ります。
フレーヴァーは柑橘系で、基本ドライ(・・辛口だがどこまでも超絶に辛く残糖が無いと言えるレベルでは無い)、膨らみの中にほんのりと粘性が有り、そこから軽やかなハーブやスパイスがノーズに抜けて行く感じで、酸のレベルはしっかり有るものの、全然酸っぱく無く、さりとてチープなドイツワインに在りがちな、ほぼ酸が無いかバランスに欠けたものとは、全くレベルの違うものです。
粘板岩土壌の乾いた中の豊かさを感じることが出来る柑橘系辛口白ワイン・・と言う理解で良いと思います。モーゼル系、ザール系のワインだと追加で判っていただけますと整理しやすいですね。
美味しいと思います。是非飲んでみてください。お勧めです。
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2022 Saar Riesling
ザール・リースリング
【これほどまでに繊細な表情を浮かべているドライなリースリングが今までに存在したのだろうか?】
是非飲んでビックリしてください!!!
noisy も若いながらも芯のある意志を持つ、非常に長身なご当主、ローマンに会って来ました・・・。2メートルほど有るかと思われる長身で細身、しかし、人の話を注意深く聞き、理解し、イエス、ノーを言う機微を持ち合わせている素晴らしい青年でした。170センチほどのnoisyが隣にいると、
「・・・なんだかな~・・すっげ~引け目感じるんですけど~・・」
だってね・・彼の腰くらいのところに目が有るような位置関係なんだよね~・・彼、足も長いしスリムだし男前だし・・くっそ~!
まぁ、飲んでみてビックリしたのは、その表情の実に豊かなこと!・・ドイツワインに関しては今まではどうしても、単純な酸のレベルにおいての話しにしかならなかった・・それが普通でしたが、
「このワイン、いや、この畑のニュアンスはどうのこうの・・・」
と言う細かな話しにきちんとなる訳。エキスがキッチリ出ていて、非常にドライなのに、しっかりと厚みのあるボディをしていて・・そして表情が豊かなんですね・・。今までのドイツワインに対する印象とは大きく違っていました。フランケンのかなり良い辛口でも、このような繊細子細な表情を持ったものには当たったことが有りませんでした・・。かなりのレベルでSO2の使用が控えられているのが判ります。
・・それなのに泰子ちゃん・・ロマンに向かって、
「もっと使用量は控えられるでしょ?」
なんて言ってるし~・・・お~、こわっ!
ロマンもちょっと困ったような表情で・・
「・・そんなこと言われてもな~・・今でもギリだから返事のしようがないしな~」
みたいな感じ・・。
なので、後でこっそり通訳さんを挟んで、
「・・・自分がやりたいようにやればそれでいいんだよ・・。良いものが出来れば皆判ってくれるんだから・・」
などと超偉そうなことを言っておきました。ロマンもニッコリしてましたよ・・。
知っている方も多いかもしれませんが、白ワインの醸造でSo2を使用しないことは、とても危険が有ります。葡萄が熟し辛い、寒い地域では余計にそうです。ただし、安全に醸造するために取られてきた処置、つまり補糖とかSo2の使用こそが、ドイツワインの進化を妨げてきたのも事実なのでしょう。現在はそんな過渡期に有るのかもしれません。
甘いデブデブワインから辛口の繊細スタイリッシュワインへ・・ その最先端がこのファン・フォルクセンだと言えます。しかし、そこにはやはりラシーヌさんの品質へのこだわりこそが重要だと思います。それが無ければこのワインたちは存在し得ないほど変質してしまうかもしれません。我々ワイン屋も当然ながら、その責務を負うわけです。素晴らしいワインたちでした!きっちりとお渡ししたいと思います!
契約農家からの葡萄を含むが、とても受けが良いかと思われるワイン。銀色の鉱物的ニュアンスが強く、男っぽいがシーファーよりも膨らむ。キラキラした味わいがクセになりそう。なんと50%の自根率です!
焦点がビシッと合っていつつも単に豪腕さだけが目立つのでは無く、ディテールをキッチリ描いているリースリングだと思います。柔らかさと言ってしまうと勘違いされるかもしれませんが、筋が通っていての柔らかさの中に、今までのドイツワインには無いディテールがあると・・甘さでスポイルと言うかガードされてきたテロワールの表現が描かれています。素晴らしいワインです。是非とも飲んでみてください!超お奨めです!
レ・カルチナイエ
レ・カルチナイエ
イタリア Le Calcinaie トスカーナ
◆ラシーヌ・デイリー・セレクション ●ピュア、デリケート、フラワリー と言う形容詞がとても良く似合う、素敵なワインをご紹介します。トスカーナは、キャンティ・コッリ・セネージで一躍注目をされる造り手となった、「テヌータ・レ・カルチナイエ」シモーネ・サンティーニのご紹介です。
ワインの好みは人それぞれで異なりますので、noisy とすれば出来るだけ自身の好みは別に置いておき、コンディションが良いのが前提で、扱うかどうかを選択するようにしています。旨いワインも有れば「凄い」ワインも有るし、「まあまあ」のワインも有る訳です。
そうは言っても前提となる「コンディション」の部分がとても問題です。良いアイテムを扱ってはいても、収穫から1年少しで出荷されるデイリークラスのワインが、
「ほど良く熟していてそれなりに美味しい・・」
ことが、本当に多いのです。
世の中に出回っているワインのほとんどは、そのような、外部からの余計な熱を蓄積して本来の味わいとは掛け離れたものです。色々なテイスティングに出かけていますので、そのように感じることに慣れてしまってはいるのですが、リアルのテイスティングのように、何が出品されているか判らないような場合には、
「明らかにおかしいぞ!」
という確信が無い場合には、少々の疑問を感じながらのポイント付けになる訳ですが、銘柄をオープンされてエージェントさんの名前を聞いて、
「な~るほど!そういうことか・・・」
と、晴れ晴れした気持ちになる訳です。
未だに「まともな流通経路」の構築が出来ないインポーターさんはとっても沢山いらっしゃいます。残念なことです。まだまだ若いのに妙な熟成香を発するワインなど、出来れば口にはしたくないものですね。状況によっては飲めなくは無いものの、
「ピュアさの欠如」
はいかんともし難いです。
こちらのレ・カルチナイエのワインは、見事にピュアです。イタリアワインのエージェントさん、特に有名銘柄を抱えている大手さんには、今のイタリアワイン低迷の現状の責任が大いに有ります。本当に美味しいワインは・・・濃淡に関わらずエレガントさに満ち、ピュアなんです!ピュアすぎて引っ掛かりが少なくて「評価機関の高いポイント」にはなり辛い訳です。そこのところ、お間違えの無いよう・・・もう判りすぎているとは思いますが、メンバー様にはよろしくお願いいたします。
【ドメーヌについて】
フォンテレオーニとほかの数件の造り手と共にテヌータ・レ・カルチナイエは、ヴェルナッチャに高品質のワインが復活したことを示している。高品質志向のヴェルナッチャという考えは、一世代前には誰も顧みなかったものである。
シモーネ・サンティーニは働き者で、一人でこのカンティーナを切り盛りしている。典型的なトスカーナ人らしいユーモアのセンス(鋭さ、軽さ、刺激)があり、彼が造るヴェルナッチャによく似ている。彼のワインを見れば、サン・ジミニャーノがなぜ最初にDOCを得たかがわかる。ソアベ・オルヴィエートとともにヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノは、イタリアの白ワインの中で傑出しているという名声を裏付けるようなワインだからだ。
そのワインは華やかさと神経質さを併せもち、しっかりした骨格がありながら溌刺としている。しかもアフターはなめらかでヴェルナッチャ酒の独特なほろ苦いアーモンドのタッチがある。カルチナイエのヴェルナッチャはいわばコケティッシュな可愛らしい女性で、生産量は少ないが、もっと欲しくなってしまう。ヴェルナッチャ – ヴィーニャ・アイ・サッシは単一畑の産で、取れる量はもっと少ない。こちらは一部樽発酵で、控えめで静かな趣がある。
シモーネ・サンティーニの赤ワインにぞっこん惚れた人も少なくない。キャンティ・コッリ・セネージ(無清澄、無濾過)はサン・ジミニャーノの気候とテロワールが生み出すしなやかサンジョベーゼの素晴らしい実例であり、気取らない柔らかな、大変親しみのある味わいがする。テオドーロはここの華である。芳酵で凝縮した味わいのこのワインは、メルロとカベルネ、サンジョベーゼの混醸ワインで小樽熟成させた、見事な出来映えだ。(マルク・デ・グラツィア・セレクション/Fine Wines 2005より)
【畑について】
土壌:石灰・粘土質、石灰・ローム質、石灰質
【醸造について】
醗酵:ステンレスタンク
熟成:フレンチバリック、ステンレスタンク
●
2023 Vernaccia di San Gimignano
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ
【まっこと正しい白ワイン!イタリアには意外に少ない正統派・・・です!】
正統派だよな・・・と感じさせてくれる素直で美味しいヴェルナッチャです。・・・ここでの正統派は・・・まあ、後で説明しますので、とりあえずコメントを読んでみて下さい。
このヴェルナッチャはやや緑の入った黄色の液体で、白~黄色の花・蕾、柑橘系、緑茶、麦藁、ハーブ、ミネラルのアロマがとても複雑に混じり合っています。口当たりもとてもソフトですが思った以上にパワフルでコクが有り、口中でスパイスが弾けるように拡がりながら持続します。幾分荒れた感じも有りますが、いずれ落ち着き丸みを帯びてくるでしょう。中量級ながらもこれだけしっかりしていると、10年位へっちゃらで持ちそうですね
イメージは余り変わりませんが、端正さが増しているように思います。イタリアの白ワインには、いつも書いていることではあるにせよ、高級なものを除いて、どこか不足を感じさせてしまうものが多いように思います。それは、まず、ブルゴーニュを代表とするフランスのワインに慣れているから・・という事実にぶち当たる訳です。
どうしても、酸味の綺麗なバランスを基本に置き、その上でどんなフルーツや有機物を感じさせてくれるのかな?みたいな想像の仕方をしてしまいますよね。その酸のバランスが「正統派」を意味しています。
熱で「ぶよぶよ」していませんし、キリッとした丸い輪郭を形成できるバランスの良い酸が有ります。決してボーヌの高級シャルドネとタイマンを張れるようなものでは有りませんが、基本に忠実で、しっかりした美味しさを感じていただけるでしょう。飲んでみてくださいね。お薦めです!
ニコラ・ジェイ
ニコラ・ジェイ
アメリカ Nicolas Jay オレゴン
● 2022年のニコラス=ジェイです。まぁ~~~・・呆れるほどに海外メディアの評価が高いです。でもじゃぁ・・外人さんがお好きな
「マッチョでクリーミーで甘いピノ・ノワールやシャルドネか?」
と言いますと・・真逆です。
「ブラインドでテイスティングしたら新世界とは誰も思わないだろう」
と言うのが noisy の予想です。それほどにブルゴーニュにそっくりです。noisy 的には、来日され感化された外国人観光客の方々や海外出店の日本の飲食店の影響で日本人的感性が海外に輸出されたお陰で、エレガントで美しい味わいを愛でるようになってきたものと考えています。日本に住んでいらっしゃるテイスターの方もいらっしゃいますし。
今回の2022年ものは、数が非常に少なく・・ランサンブルは飲めましたが他は飲めるような状況では無かったので、
「海外メディアを出汁に使う・・ちょっと汚い手法」
でご紹介させていただきました。ぜひ楽しんで読んでいただけましたら幸いです。
「98+ って・・マジすか?」
「著名メディアも96ポイント!?」
凄い時代になったものです。どうぞよろしくお願いいたします。
◇ニコラス=ジェイより
2022年は近年の中で最も特殊なヴィンテージ。冬の気温と降水量は平均的だったが、4月に入っても気温が上がらずに冬のような気候が続いた。その後、気温が上がって開花期も無事に過ぎたが、夏も比較的冷涼だったので収穫は10月に入ってから開始した。9月は特に夜間が涼しかったので日中との気温差の影響が葡萄に素晴らしい酸味を与えた。シャルドネはアロマ豊かでチョークのような鉱物的なニュアンスと桃やパイナップルをグリルしたような香りにフレッシュな酸味も感じられる。果樹園を連想させるようなたっぷりの果実味とミネラル、トーストのニュアンスが濃厚にハーモニーを奏でていて、コートドボーヌの白ワインを連想せずにはいられない。ピノノワールは昔のヴィンテージを思い出させるような冷涼なアロマがあり、空気のように軽やかでエレガントなストラクチャーながらもコクのある複雑さ、柑橘類のような酸味と濃厚なブラックベリーのリキュール、ミネラルのエッセンスなどが混ざり合っていて、最初から最後までエネルギッシュで緊張感がある。
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2021年のニコラス=ジェイをご紹介させていただきます。前年の2020年ものは山火事でほとんどのキュヴェがリリースされませんでした。2年ぶりのリリースとなります。
noisy も2020年フルール・ブランシュは飲めたものの、ほとんどが2019年以来のテイスティングになりましたが・・
「ニコラ=ジェイ始まって以来の凄い出来!」
と申し上げておきたいと思います。
以下は「 NICOLAS-JAY 」よりのコメントです。
2021年は前年の冬から暖かく乾燥していて、春になると冷涼で雨が降る日が多くなったが葡萄の開花期は順調に過ぎた。6月には気温が45℃を超えるようなヒートドームが発生したが、幸いにも葡萄にそれほど影響を及ぼす時期ではなかったのでそこまで被害は出なかった。8月には気温も落ち着きを取り戻したので葡萄はゆっくり成熟することができ、9月初旬にシャルドネ、9月下旬にピノノワールを収穫。収穫量は多く、適度な糖度と酸味で葡萄の状態は素晴らしく、柔らかくスパイシーな果実味と滑らかな舌触り、緊張感もあり余韻がとても長い。2020年が山火事の影響でワインが造れなかったが、その翌年にこれほど素晴らしい出来になったことに感謝している。
そして・・海外メディアの情報は、上級キュヴェになればなるほど出て来なかったのですが、飲まれた(奇跡的に飲めた)マシュー・ジュークスさん・・イギリスの著名なワインライターの方の評価を上げますと・・
「20点法ですべてが18.5以上!」
と言う、非常に高い評価をしていました。ベースのピノ・ノワールの「ランサンブル」に至っては、
「19+ポイント!」
ですから・・上位のキュヴェを凌ぐ98+ポイントと言うことになります。
まぁ・・気持ちは判ります。今一番開いているのがランサンブルだから・・です。
幾分、差し引くとしましても、2021年もののニコラ=ジェイは素晴らしい出来だと感じ入りました!ご紹介の全てのキュヴェをテイスティングしてのコメントです。是非ご覧いただけますよう・・どうぞよろしくお願いいたします。
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2019年のニコラ・ジェイ・・素晴らしい出来でした!
「・・これ、本当にニコラ・ジェイか?」
と思えるほどでした。
まぁ・・もうそんな戯言は聞き飽きたとおっしゃるに違い無いんですが・・嘘は申しません。一番下の「ランサンブル」で結構!・・飲んでみて下さい。必ずや「嘘じゃ無かった」と・・思っていただけると確信しています。
そして何と、
「2020年ものは赤ワインが造れなかった!」
ことが判明しています。山火事による影響だそうです・・2019年ものが半端無く良かっただけに残念です。葡萄の樹自体に影響がなければよいのですが・・まだ詳細は不明です。どうぞよろしくお願いいたします。
■造り手による2019年
2019年のオレゴンは暑かったブルゴーニュとは対照的に我々がこの地でワイン造りを始めてから最も涼しい年だった。夏の日差しはいつも通りだったが熱波が来ることもなく、特に早熟というわけでもなく9月にはすでに気候は涼しく時々雨も降り、曇りの日が多かった影響で葡萄の成熟はゆっくり進んだ。結果的にストラクチャーはあるが硬さのないきれいなヴィンテージになっていて、これまでで最も軽やかな味わいになっている。優雅で上品、控えめながらも心地よいバランスがあり、一般的なアメリカ産のワインとは全く違う味わいになっている。ブルゴーニュのヴィンテージで例えるとするならば、2011年かもっと古ければ2001年といった印象になっている。本来であれば来年リリースするはずの2020年ヴィンテージはアメリカ西海岸で起きた大規模な山火事の影響でピノノワールが全く収穫できず、赤ワインは醸造していないので2019年ヴィンテージを長く楽しんで貰えれば嬉しい。
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フィネスさんからメオ=カミュゼの新プロジェクト、アメリカはオレゴンの「ニコラ=ジェイ」をご紹介します。ブルゴーニュ的感覚を持った造り手ジャン・ニコラ=メオと、音楽関係で育ったジェイ・ボバーグ、そしてボランティアをしていたと言うトレーシー・ケンダルのジョイントです。
ジャン ニコラ メオ氏はブルゴーニュ地方ヴォーヌ ロマネ村の「DOMAINE MÉO-CAMUZET」の3代目当主。師匠であるアンリ ジャイエ氏の教えを受け継ぎながら素晴らしいワインを造り続けています。ジャン ニコラ氏はパリ生まれの都会人で元々はワイン造りではなく経済学などを学んでいました。アメリカにも留学していた時期があり、その時に将来「NICOLAS-JAY」の共同経営者となるジェイ ボバーグ氏との出会いがワイン造りへ情熱を注ぐきっかけとなりました。
ジェイ ボバーグ氏はデジタル音楽配信会社の社長で様々なミュージシャンを育て、世に送り出してきました。同時にブルゴーニュの
「シュヴァリエ デュ タスト ヴァン」
の会員でもあり音楽同様にワインも深く愛し、1983年からオレゴンのワインを飲み続けてその可能性を探ってきました。2011年にウィラメット ヴァレーを訪れた際、この地域が持つ類稀なるポテンシャルに惹かれ、ジャン ニコラ氏と共にビショップ クリークの畑でのワイン造りを始める決意を固めました。
トレーシー ケンダル女史は米国の太平洋岸北西部生まれ。ワシントン大学で公衆衛生や人類学について学び、ブラジルのスラム街でのボランティア活動を通して様々な経験をしました。
その後、カリフォルニア大学でワイン醸造と葡萄栽培の修士号を取得。アメリカを始めオーストラリアやニュージーランドの生産者の元でワイン造りの修業をし、2014年にジャン ニコラ氏とジェイ ボバーグ氏と出会い、彼女の人生は大きな転機を迎えることになります。
経済学を学ぶため、アメリカに留学中だったジャン ニコラ氏のクラスメイトにジェイ ボバーグ氏の妹が居たことが2人の出会いのきっかけでした。彼らはすぐに意気投合してお互いワインへ情熱を傾けることになり、ジャン ニコラ氏は故郷のヴォーヌ ロマネに戻ってドメーヌを継ぎました。
その後も度々アメリカを訪れ、オレゴンのウィラメット ヴァレーの気候風土がブルゴーニュに共通するものを持っていると感じ、オレゴンワインの将来に興味を抱くようになりました。2012年、長年オレゴンワインの可能性を探っていたジェイ ボバーグ氏からウィラメット ヴァレーでのワイン造りの話を持ちかけられ、ジャン ニコラ氏はヴォーヌ ロマネで培った知識と経験をオレゴンのピノ ノワールに注ぐことを決意。そしてアメリカを始め様々な地域でワイン造りを経験し、ジャン ニコラ氏&ジェイ ボバーグ氏と同じ情熱と精神を持つトレーシー ケンダル女史がチームに加わり、「Nicolas-Jay」は完成しました。
「Nicolas-Jay」のワインに使われるピノ ノワールはウィラメット ヴァレーの中心にあるビショップ クリークと呼ばれる畑に植えられています。ワイン造りはジャン ニコラ氏の指導の下、トレーシー ケンダル女史が中心となって伝統的なブルゴーニュの手法で行われています。手摘みでの収穫後は葡萄が潰れないように小さな容器に入れて醸造所まで運び、選別台で厳しく選別します。アルコール発酵は樫樽で21日間行い、ワインに固さを出さないように圧搾も軽めに抑えてシルクのように滑らかな舌触りになるよう努めています。その後、新樽32%のフレンチオークで15ヵ月間熟成させてワインに厚みや深みを与えています。
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2022 Chardonnay Willamette Valley Affinites
シャルドネ・ウィラメット・ヴァレー・アフィニテ
【マチュー・ジュークスさんは「プラス」を取ってほんの僅かに下げ・・しかしデカンター誌は1ポイント上げて、名刺代わりのこのワインに95ポイントも献上!】
ビショップ・クリーク・シャルドネの凄い評価に気後れしてしまいますが、このシャルドネのベースの格である「アニフィテ」も、デカンターで95ポイントも付けています。
しかも2021年ものから1ポイント上げ・・です。
ニコラス=ジェイに結構高い評点をだしているマチュー・ジュークスさんは、逆に2021年から「+」を取っての下げで、それでも97ポイントと高い評価を維持しています。
マチューさんはこんな感じです。
「ビショップ・クリーク・(ヤムヒル=カールトンAVA)、スピリット・ヒル (エオラ・アミティ)、フォン・エーセン (エオラ・アミティ) から造られ、気楽に上品なシャルドネ。」
「熟してコントロールされており、美しい果皮と皮由来の酸味と噛みごたえがあり、そのバランスは素晴らしく、フルーツの香りはバレエのような落ち着きの瞬間とともに刺激的で爽快です。」
「今でも美味しいワインが、12か月ほど熟成させるべき。」
2024年11月末のテイスティングのようですから、もし熟度を得たいなら来年末まで待った方が良さそうです。
一方の95ポイントまで上げたデカンター誌はこんな感じです。
「2022年の霜でシャルドネは本当に苦しんだので、このヴィンテージの熟成状況を心配していましたが、全体的にはうまくいきました」
とジャン=ニコラ・メオ氏は言います。ビショップ・クリーク、スピリット・ヒル、エオラ・アミティ・ヒルズにある樹齢 20 年のブドウの木があるフォン エセンで採れた果物。ミネラル感がたっぷりあります。
「シャルドネに関しては、これは超熟したヴィンテージではなく、ブリックス21か22程度です。一般に糖分は低く、ワインは素晴らしいフレッシュさを持ち、シャルドネは非常に軽い状態で最適な熟度を達成しました。活気がある」
とメオは結論付けた。このワインは素晴らしいミネラル感、豊かなスモーキーなレモンの皮、塩分を通した風味を持ち、偉大なウィラメット・ヴァレー・シャルドネの名刺です。
ふ~ん・・名刺代わりが95ポイントですか・・。ブルゴーニュもその位ポンポンと評価を上げていただけるとお薦めするのも楽なんですけど!・・などと思ってしまいます。
まぁ・・noisy 自身は、自分の「基準」にはそれなりの自信を持っています。なので余計に・・
「ブルゴーニュのあれが92点で、日本のワインのあれが93点?・・新世界のそれが95点?・・おかしくないすか?」
と。
言いたいことは多々様々ですが、余り言い過ぎると角が立つので止めておきます。相当良さそうです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ちょっとヤバいほどの評価になって来たニコラス・ジェイですが、この下位のシャルドネでも97ポイントが出るほど・・確かに滅茶美味しいし、フレンチワインライクな味わいです!】 山火事で大きな打撃を受けた2020年ものでしたが、このシャルドネ・アフィニテは2020年もリリースされ、非常に素晴らしい出来だったと・・お知らせしました。
ところが2021年ものがリリースされ、noisy もテイスティングしてみますと・・
「・・あれ?・・」
まぁ・・脳がバグることはしょっちゅうでは有りますが、何だか昨年の・・あの素晴らしかったアフィニテを凌ぐんじゃないかと・・感じたんですね。
それにシャルドネでは無いですが半年ほど前だったか、バックヴィンテージのベースのピノ・ノワールをご案内させていただいた時に、物凄い違和感を感じたんです。
それは・・2014年ものから扱わせていただき、2015年ものや2016年ものが半年ほど前にバックヴィンテージで入荷、そしてテイスティングした時に・・
「2015~2016年ものが当初のリリース時に見せていた、やや浅いニュアンスや新世界風な印象が全く無くなっていて、美しいブルゴーニュ風のピノ・ノワールに大変身していた!」
と言うことなんですね。
noisy も・・僅かな熟成期間で、そのようなエレガントでたっぷりな味わいに変身するとは思っておらず、相当驚きました。そしてそれをコラムでお伝えしたつもりだったんですが、今ひとつの売れ行きでして・・ちょっと残念です。
このアフィニテですが・・いや・・文句のつけようが全くありません。オレゴンだと言われて飲めば、それらしい要素を探しに行きますから、何かしらの似たような表情を見つけて、
「やっぱりね・・」
と言うことは出来るでしょう。
もしその辺で言えることが有るとするなら、
「もしかしたら・・ブルゴーニュ・シャルドネよりもほんの幾分か、総酸量が少ない・・かも・・」
と言うことだけです。
フィネスたっぷりで、キラキラと口内で輝きを見せるような石灰系のミネラリティに、柑橘、果実のアロマが非常に心地良く感じられます。バランスも最高・・酸っぱく無く、冷ややかさまで・・ブルゴーニュ的です。
2020年もので95ポイントまで付けていた「インターナショナル・ワイン・リポート」は、2021年ものに97ポイントと2ポイントのアップ、イギリスのワインライター、マシュー・ジュークスさんも18+/20 ポイントで、100点法換算で97ポイントと同様の評価です。
まぁ・・ブルゴーニュのシャルドネで97ポイント以上の評価を得ることは非常に難しい中、オレゴンのシャルドネで・・と思ってしまう部分も有りますが、本当に良く出来ていると・・感心してしまうに違いないでしょう。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【旨いです!ニコラ=ジェイ、乗って来ました!山火事で大変だった2020年、赤ワインは全滅でしたがシャルドネは凄い評価です!】 高質さがそのまま見えてくるような写真が撮れて嬉しいです!・・(・・そこか?)
2020年はニコラ=ジェイも、山火事の被害を避けることは出来ませんでした。直接の被害は少な目だったようですが・・
「火事の煤が葡萄に付いてしまった」
訳でして、黒葡萄は全くダメ・・ビショップ・クリークのごく一部のピノ・ノワールがフルール・ブランシュになっただけのようです。また、シャルドネもビショップ・クリークが比較的被害が少なかったようです。
収穫したブドウを洗う訳には絶対に行かない訳ですから、ここで・・ピンチをチャンスに変えたんですね・・。
「つまり、煤を抽出しないように・・優しく絞って醸造した!」
と思われるんですね。
果皮を漬け込むとかは全くできなかったはずですが、その優しい抽出が、物凄い「フリーラン・ジュース」を生んだのかと理解していますが、海外メディアの評価を見ましても・・ちょっと2019年までとはだいぶ異なり、ブルゴーニュで言えばグラン・クリュ並みの評価になって来ています。
硬質さ、ミネラリティから2019年ものはコルトン=シャルルマーニュに近いと評しました。2020年ものは・・2019年ものとやはり似たニュアンスは有るんですが、
「繊細さが凄くて、硬質なコルトン=シャルルマーニュとは言い辛い・・」
んですね・・。
敢えてそのコルトン=シャルルマーニュと言うフレーズを使うなら、
「若いまま見事に熟した?」
みたいな、余りに正確性を欠く言葉になってしまいます。
質感が凄いんですね・・だから評価も上がってしまうのでしょう。通常は・・
「2020年のオレゴンは山火事でダメ!」
となってしまったはずです。
不死鳥の如くの2020年、ニコラ=ジェイでした・・滅茶美味しい!・・しかもレアです。3本のみ!・・お早めにどうぞ!
以下は以前のレヴューです。
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【・・これはもはやコルトン=シャルルマーニュ??・・硬質なミネラリティの中に潜む見事に冷ややかな柑橘の美しさ!・・素晴らしいです!】 激少のシャルドネ、アニフィテ2019です。少ないとは言っても、このアニフィテはそれでもネット上で見つけることは可能です。ビショップ・クリークはもはや評価も見当たりません。
2018年ものに引き続き、開けさせていただきました。2019年ものは3本のみ、ビジョップ・クリーク2019も3本のみの入荷なので、非常に苦しいですが美味しいので・・どちらを開けようかと悩んだのですが、経費的に安い方で・・。
しかし、2018年ものも滅茶美味しかったんですが、2019年ものはそれ以上だと感じました。ですが海外メディアは・・例えばSNSのセラートラッカーは、
2018年ものに93ポイントで2019年ものに92ポイントと下げていました。2019年ものに93ポイント付けていたメディアも有りました。
どうなんでしょう・・noisy 的にはコルトン=シャルルマーニュ的な
「キュッと締まった感じの中の要素」
「ミネラリティにコートされた要素」
それらが少しずつコートされたものが崩壊して行くに連れて現れる表情が、確実に2018よりも上だと判断しましたが、海外メディアは逆のようです。
ですがその表情の美しいこと!・・冷ややかなこと!・・柑橘の果実のアロマの美しさったら・・まさにコル=シャル的だと思った訳ですね。
まぁ、それでも販売できるのはたったの2本だけですから、書いていると段々気持ちが落ち込んでしまいます。
ワインの仕入と言うのは非常に難しいものでして、
「ほとんどの場合、飲まずに買わなければならない!」
訳です。
そりゃぁ・・デイリーワインなら良いですよ。そんなには高くは無いんですから。
でも、ブルゴーニュワインや、このニコラス=ジェイは安く無い・・しかも数が無い・・(^^;;
普通なら、試食なり試飲なりが先に有って、それを気に入った方が購入する・・訳ですが、高級ワインの世界は中々にそうはならないんですね。ですので、お客様も結局は同様に、
「飲まずに買う!」
と言うことになりますから、少なくともある程度は信頼を置いている方から・・そのワインの様子、味わい、将来性などをたずねて購入されていらっしゃるのでしょう。その意味では、Noisy wine は多少なりともご信頼いただけているのかな・・と思います。
このワインは、相当旨いです!・・価格もリーズナブルです。ちょっとアメリカのワインとは思えない・・(^^;; 完成度の高さに驚かれてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【驚きの味わい!・・相当旨いです!】 いや~・・ちょっと驚きました。確かに2016、2017、2018年と、飛躍的に美味しくなって来たニコラ・ジェイのピノ・ノワールでしたが、シャルドネがリリースされ、その美味しさたるや・・
「・・えっ?・・マジすか・・?・・シャルドネの理想の味わいのひとつとも・・言えるんじゃない?」
と感じてしまいました。
実はニコラ・ジェイのシャルドネは昨年、2017年もののビショップ・クリーク・シャルドネも届いていたんですが、余りに数が無くてテイスティングを諦めていたんですね。それにこのところは年末に届くので、
「正月に飲んでみるか・・」
と言うような弱気の虫が誘ってくれちゃいまして、そのまま放置する羽目になってしまっていた訳です。
そもそもブルゴーニュワイン・ファンが多いですから、
「アメリカのワインはちと甘い」
と刷り込まれていらっしゃる方も多く、しかも数が無ければワイン屋も当然飲めない訳で、そんな状況ではお客様も購入するはずがなく、ネットを徘徊したところでまるで情報が無く、ただただ価格と在庫数、そしてフィネスさんからのテクニカルだけが空しく掲載されているのみ・・になってしまう訳ですね。
この「アニフィテ」はドライでピュア、ほんのりナチュラルな「ピュリニー=モンラッシェ」風の味わいです。幾分、シャブリのようなミネラリティも感じられましたが、上級キュヴェのビショップ・クリークよりも肉付きが良く、豪奢で、しかも繊細です。
例えば、キスラー・ヴィンヤードのワインのような豊かで甘みのあるスタイルでは、全く有りません。敢えて言うならカレラのスタイルでは有りますが、カレラほど平板では有りません。もっと言えば、オ・ボン・クリマよりもドライですし、アルコール分が高くなることも無いと言えます。
ミネラリティは前述のような細やかなものが非常に豊かに存在しています。
なので、今飲んでも美味しいし、
「まるでフランスのワインのような・・」
と形容したくなるような味わいなんですね・・。
なのでピュリニー=モンラッシェ・・・と形容させていただきましたが、人に寄り・・シャサーニュとか、シャサーニュ1級とか・・変化は有ると思いますが、
「自分自身が非常に慣れた味わい」
に酷似しているのにも関わらず、それがどこだとハッキリ言えないもどかしさと、素直に美味しいと言うのがちょっと恥ずかしい・・みたいな感情が錯綜しました。
これ、かなり美味しいです。価格もブルゴーニュの村名並みです。偏見を捨て、是非飲んでみて下さい。こんな選択も有ったと思っていただけると思います。
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2022 Pinot Noir Willamette Valley l'Ensemble
ピノ・ノワール・ウィラメット・ヴァレー・ランサンブル
【なんとベースのキュヴェに97ポイント、95ポイント、94ポイントと言う凄い評価!・・フラワリーで軽やかなアロマに溌剌さを乗せたブルゴーニュそっくりの味わいです!】
まぁ・・海外のメディアは誰かに忖度しているのか、本気なのかは不明ですが、少なくとも・・
「オレゴンでブルゴーニュそっくりの凄いワインが生まれている!」
そのことに驚いているのかもしれません。
オレゴンと言えば・・まぁ・・過疎地でしょうか。人よりも家畜の方が多く、畜産や農業で頑張る方が少々いらっしゃる・・みたいな感じなんじゃないかと思うんですね。もちろん、葡萄を育て、ワインにして生計を立てる方も多くいらっしゃいますし、日本から和牛を育てるためにオレゴンに行かれ頑張っていらっしゃる方もおられるようです。ですが・・まぁ・・人は少ないと思います。
で、この・・「ランサンブル」と途中で名前と内容が変わった、ニコラス=ジェイのベースのキュヴェ、2022年ですが、マチュー・ジュークスさんは97ポイント、デカンター誌は95ポイント、ジェブ・ダナックさんは94ポイントと・・ブルゴーニュの生産者さんたちが聞いたら・・
「・・んな訳有るかい!!」
と焼餅を焼くに違いないほどに高い評点が出ています。
noisy も、2022年のニコラス=ジェイはこのランサンブルしか開けられない状況でしたので、noisy のコメントは後回しで・・まずはマチューさんがこんな感じのことを言っていると・・申し上げます。
「このフレーバーの「組み合わせ」には 9 区画以上のブドウの木が使用され、2022年ものはシア産の果物を加えることにしました。」
「ジェイは、一度閉じて後で再び開花するタイプと考えており私もそう思います。」
「2022年は病気の問題のためモンタジが減ったので、このワインはよりフルーティーなワインになる可能性が高い。」
「これはブレンドの芸術の一例であり、単独のワインよりも無限に複雑なワインを作ることができますが、見事に達成されました。」
普通は入ることの無い上級のモンタジの葡萄までブレンドすることによりフルーティーで若々しく、しかも深く複雑な味わいになった・・と言っているようです。
では破格の95ポイントまで付けたデカンター誌はどうでしょうか。
このワインのかなりの部分は最大 1/3 までビショップ クリークから来ていますが、他の 5 ~ 6 ヶ所の産地も含まれています。
「このワインのアイデアは、ヴァレーとヴィンテージの両方を表現することです」
とジャン=ニコラ・メオは言います。
ブドウ畑と樽の両方を厳選し、新樽を30%使用しています。アロマティックな香りは赤いフローラルを基調としており、土のタッチとスパイスのきいたブラッド オレンジの香りが感じられます。味わいはエレガントで洗練されており、タルトベリー、絹のような構造、そして風味豊かなスパイスの美しい余韻が特徴です。私たちは単一畑のワインを作る前に、まずこのワインの樽の選択を行います。
「これらは最高の場所であり、ヴィンテージからの最高の樽です。」
とパートナーのジェイ・ボバーグは言います。
なるほど・・まぁ、ある意味、マチュー・ジュークスさんとデカンターは同じことを言っているようですね。
では noisy としてはどうでしょうか・・。
若々しく複雑でハツラツとしたノーズ。フラワリーでスパイシー、ハーブのヒントに赤果実が遅れて支配的になってきます。非常にドライでナチュラルだが、決してアヴァンギャルドに感じるものは皆無、健康的で適度な中域の膨らみ、余韻に掛けて若々しいアロマがノーズに還流して来ます。ブルゴーニュワインにそっくりです。
で・・ちょっと悪ふざけではないんですが、メオのニュイ=サン=ジョルジュ2022年と色彩を比べられる写真を撮ってみました。一緒にテイスティングしたものですから・・。
左奥が2022年のメオのメゾンもの、右手前がニコラス=ジェイの2022年のランサンブルです。
「・・え~・・?そんなに違うの?」
と思われるかもしれませんね。
メオの2022年ニュイ=サン=ジョルジュですが、やはり粘土由来の深く充実した味わいと、樹齢の高い畑特有の深い複雑性が感じられる・・やや黒み掛かった色彩です。
一方、ランサンブル2022年の方はと言いますと、
「明らかに明るく、赤く、よりフレッシュに見える」
と思うんですね。
比較して言ってみるならば、若々しく(粘土的なものは少し少な目で)非常にフローラル、フルーティさもより赤く、複雑で純粋な味わい・・です。
ですので、非常に素晴らしい出来栄えですが、noisy的には95点は付けないと思います。最大で94ポイント・・でしょうか。
ん?・・何故って?・・
まぁ・・考えてみてくださいよ。メオのメゾンものの2022年ニュイ=サン=ジョルジュ・・滅茶苦茶旨いんですね・・でも、彼らは・・
「メゾン・メオ=カミュゼのニュイ=サン=ジョルジュは評価さえしない」
「このランサンブル2022年に95ポイントのデカンター誌は、メオの2022年オー・クロ・パラントーにも95ポイントと評価」
これはちょっとね・・。ベンチマークがズレズレじゃないかと思ってしまう訳ですね。
さりとて noisyもこの2022年ランサンブルを貶している訳では有りません。非常に素晴らしいと・・心から感じています。素直に言えば、
「今飲んで92+ ポテンシャル94 飲み頃予想 今(2026)~2040」
です。
まぁ・・自分のサイトで余りポイント付けはしたくないんですが、流石に97ポイントは盛り過ぎだと思うので敢えて出させていただきました。
ミネラリティが見えるような素晴らしい「赤」が感じられる、しかもブルゴーニュとの認識しかしえないような高級リーズナブルピノ・ノワールです。ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!
【山火事で造れなかった2020年ものの被害を乗り越え、2021年ものは理解しがたいほどの支持を得ています!・・このベースのキュヴェで19.0+/20 ポイントと信じられないほどの評価です!】 2020年ものは酷い山火事で、素晴らしかった2019年もの・・特に、
「新世界臭さが無く、美しいブルゴーニュ的なピノ・ノワールの味わい!」
が、滅茶魅力的だったと・・お伝えし、残念だったんですね。
で、その山火事の被害も甚大だったと思います。かなりのブドウの樹が焼けたと思いますし、営業的にも厳しかったはずです。そんな中で煙がまとわりついた「ピノ・ノワール」で造られた、
「2020 ビショップ・クリーク・フルール・ブランシュ・ヤムヒム=カールトン」
と言うブラン・ド・ノワールが絶品の美味しさだったともお伝えしました。なので、
「2021年こそは!」
と言う思いが伝わってくる見事なランサンブルの味わいには、何かこう・・目の辺りがじわっとする感覚が有りました。
「・・めちゃおいしい・・」
で、あれこれとネットを検索してみましても、中々2021年のニコラ・ジェイの評価が出て来ないんですね。やっとのことで見つけたところ、
「・・えっ?・・そこまで・・高く付けたの?」
と・・(^^;;
いや、高い評価は当たり前だとは思いますよ・・noisy もちゃんと飲んでますから・・。
しかしながら、
「19.0+/20ポイント!」
って・・100点法に換算すると
「98+ポイント」
ですよ?
「・・このランサンブルは・・ベース・キュヴェなんですけど・・」
と言いたくなってしまいました。
この19.0+ポイントを付けたのは、シャルドネも同様に高く評価されたイギリスのワインライター、マシュー・ジュークス氏です。彼も、
「このワインがこれほどまでに凄い魅力を持っているなんて、私自身信じられません。」
と書いていました。
たしかに・・素晴らしい出来のシャンボール=ミュジニーのようにビロードのテクスチュアを持ち滑らかで、果実表現もその美しさに負けず劣らず・・美しい表情を出してくれます。中域も・・多くの新世界のワインのように、ただ力強さや濃度をアピールはせず、適度な膨らみからの余韻と、還ってくる美しいアロマが素晴らしいです。
まぁ・・確かに素晴らしい・・それは認めざるを得ないです。でも98+ポイントが正しいか?・・と言われますと・・中々に微妙です。
ジェブ・ダナックさんのサイトでも96ポイントと言う高い評価をされています。noisy 的にはこの位だと・・(^^;;
いや、反対に言いますとですね・・マシュー・ジュークス氏のこのランサンブルに対する高い評価は良いとしても・・
「彼のこの2021ランサンブルの評価は、他の上位のキュヴェ、オウン・ルーテッド、ニーサ、モンタジを上回っている!」
と言う点で・・noisy 的には納得がいかないんですね。
まぁ・・オウン・ルーテッドとランサンブルですと、人によりましては入れ替わるかと思いますが、ニーサとモンタジは・・少なくともこのランサンブルと同等か、それ以上だと感じるからです。
実を言いますと、「現状」と言う部分では noisy 的には、「ほぼ同等」だが、ポテンシャルはニーサとモンタジが上である・・と感じた訳ですね・・。
ですので、素晴らしい出来だ!・・誰もが美味しいと言うに違い無いとは思いますが、98+ポイントは付け過ぎで96~96.5までだろう・・と考えています。
いや~・・それにしても凄い評価でビックリしました。今飲んでも美味しく、この先15年ほど大丈夫でしょう。最高のベースワインです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【・・えっ?・・あのウィラメットヴァレーが・・この凄い締まりを持ったブルゴーニュ風ボディを手に入れた?・・と言うより、2019年のニコラ・ジェイのキュヴェ全てがとんでも無く素晴らしい出来でした!】 いつも言っているんですが、余りに凄い、滅茶良くなった・・などと言い続けていると、
「・・ちょっとどこかで一旦、休みたいんだけどなぁ・・」
と言うような気持ちが生まれて来てしまいます。
まぁ、オオカミ少年にならないための経験則・・みたいなものでしょうか・・それとも何とか今まで生きて来れた自身に課した人生訓のようなものかもしれません。
しかしながら2019年もののニコラ・ジェイを軒並みテイスティングさせていただいたのですが、これもまた、言わなければなりません。
「2019年のニコラ・ジェイは物凄い出来です!」
ただし・・おそらくもう皆さんはお気付きでしょう。
「2019年ものニコラ・ジェイはグラスの写真の色合いが今までと全然違う!」
この、とても締まった素晴らしい紫・・赤と、赤を積層させたかのような濃い紫・・ですよね・・黒じゃない・・しかも相当に美しい・・そこがポイントかと思います。
なんと・・ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、「ワインの味の科学」と言う本まで出されているイギリス系のジェイミー・グッドさん・・ワイン・ライターの方ですが、Wine Anorac と言うサイトもやっておられまして、評点も出されています・・
「96ポイント!」
でした!・・あのベースキュヴェのウィラメットヴァレーが・・です。
しかしながら noisy も、少なくとも95点は付けると思いますし、他のキュヴェと一緒にテイスティングしたので正確なところは出せないにせよ、
「2018年ものまでとは大きく異なる」
のは確認しています。
カリフォルニアとか、オレゴンなどのワインで感じる「強い温度感」「甘さ」は微塵もなく、
「これ・・ブルゴーニュだよ・・ね?」
といきなり訊ねられたら、
「・・多分・・」
ときっと言ってしまうに違いないのです。
それほどまでにブルゴーニュ的エレガンスを感じさせてくれる「締まりのあるボディ&残糖感の無い果実感」と「軽妙なバランスの良いミネラリティ」を持っています。
これ、かなりビックリすると思います!・・と言うか、2019年もののニコラ・ジェイはどれもビックリですが!・・
「ベース・キュヴェで・・これか!」
と思っていただけると思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!・・数は無いです!
以下は以前のレヴューです。
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【短い間に超上質なピノ・ノワールに成長しました!ブルゴーニュの村名格並みは充分ある見事な味わいです!】 2018年からは、ウィラメット・ヴァレーが、ウィラメット・ヴァレー・ランサンブルに名称変更になっていますので、今回ご案内させていただいている2016年、2017年は「ウィラメット・ヴァレー」になりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
非常に上質なビショップ・クリーク、ニーサ、モンタジには届きませんが、非常にバランスの良い柔らかで近しい味わいをしています。年々凝縮度は上がっていて、むしろ2018年ものは締まり気味・・とも取れますが、それは樹齢の上昇による要素の凝縮感と言うことなのかもしれません。
ですので、2016~2018と言うご案内になりますと、2018年ものが一番凝縮度が高い・・となりますが、ワインの場合は単にそれだけでは判断できないですから・・少なくとも、瓶熟の長さがワインの味わいに与える影響は、計り知れないものが有ります。テイスターとしますとその辺はきちんと評価に織り込むのが普通ですが、最近はどうも・・直近のことしか受け取らない傾向が有るような気もして来ています。
上級キュヴェのビショップ・クリークは、ニュイ=サン=ジョルジュ風、もしくはヴォーヌ=ロマネ風ですが、こちらのウィラメット・ヴァレー(・ランサンブル)も同系統です。ビショップ・クリークほどのミネラリティの多彩さ、よりメオらしい荘厳さは追いつきませんが、それでも相当に美味しいです。2013年ものの緩さが何か・・懐かしいとさえ思えます。
一枚目の写真は2018年ものです。ランサンブルの名前が付いている方ですね。
キュッとウエストの締まった感じが素晴らしいです。これは2016年ものから出て来た「締まり」ですが、そもそもある程度「出るところが出ていないと締まるウエストも無い」訳ですから、2016年ものあたりから、締めるに値するボディになってきたになってきた・・と言うことだと思います。
一般的なカルフォルニアのピノ・ノワールのように、甘さでダレることが無く、ドライでやや白っぽさのある石灰感がほんのり漂います。飲み心地は正にブルゴーニュのピノ・ノワールと言って良く、チェリーやベリーの締まった果実感と滑らかでピュアな味わいが特徴です。「濃いな~・・」と言う感じはしないですね。
やはりその辺はピノ・ノワールの聖地で育ったジャン=ニコラの感性が優先されているんだと思います。
実は2017年と2018年だけでなく、2016年もテイスティングしているので写真を探しましたが、機種変更時にゴチャゴチャになってしまい、未だに探し出せていません。申し訳ありません。
でも、2016年からは非常に見事な・・緩慢さの無い味わいになったと確認しています。是非とも飲んでみて下さい。リーズナブルだと思います。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【高い評価の2014年よりもドライでエキス系の美しく品位高い仕上がり!とても好印象です!】 ニコラ・ジェイのワインは2013年からリリースされ始めたと思いますが、noisy は昨年の2016年に2014年ものから扱わせていただいています。
「noisy さんのところじゃカルフォルニアは売れないんじゃないの?」
等と思われているかもしれませんが、実は2014年ものも早々に完売してるんですよね~。
因みに2014年もののウィラメットヴァレーはワイン・アンスージャストが94Points、スペクテイターが93Pointsと、かなり好意的に評価されているようです。さすがに2015年ものの評価はまだ上がっていないようですが。
で、早速飲んでみたんですね・・。いや、たった一年でこれだけ変わるか!・・と言う位、良くなってますね~・・かなりドメーヌ・エ・メゾンのメオ=カミュゼものが持つ美しいエキスと酸の姿に酷似してきています。
是非2014年ものの色合いと比較してみていただきたいんですが・・、比べると2014年ものは全体が白っぽく見えるかな・・と思うんですがいかがでしょうか?
やや半透明に白っぽいミネラリティ、ナトリウムっぽいようなニュアンスのミネラリティが全体を覆っているように見えるのが2014年、比べて2015年はそのような白っぽさは無く、むしろ透明でややハードなミネラリティ、クリスタルっぽく見えるんじゃないかと思うんですが、その差は非常にハッキリと香りや味わいに現れて来ています。
やや柔らかいテクスチュアでポマールっぽさを感じさせてくれた2014年でしたが、2015年はむしろもう少しハードで、最近のメオ=カミュゼのニュイ=サン=ジョルジュ的な、荘厳華麗なピノの姿に近いと感じました。
まぁ、
「想像しているより甘く無いですよ・・」
と2014年ものに付いて評しましたが、2015年は、
「全く甘く無いですよ・・」
と言えるかと思います。
とてもエキシーでほんのり複雑性の有るスパイスが香り、チェリー系果実が品位を持って表現されていると思われ、ブルゴーニュのピノ・ノワールが大好きな方々にも大いに許容される姿じゃないかと思います。
昨今のメオ=カミュゼのワインは非常に素晴らしいです。ですが、「アンリ・ジャイエの薫陶を受けた・・」と言うことについては、それを引きずってはいないな・・と言う印象で、むしろDRC的なエキスの味わい + 品格 を感じさせてくれるものであって、それがまたニコラ・ジェイにも感じられることはとても嬉しいです。
この左にかなり寄った写真も掲載させていただきましたが、とてもブルゴーニュ的な色合いを感覚として受けますよね。そして、温かく雨が余り降らない地で、葡萄の生育を見ながらベストのタイミングで収穫し、アルコール分や残留糖度を見て丁寧に醸造したことが伺えます。アルコール分は13%に仕上がっていてほぼドライですから、エキス系ブルゴーニュ・ピノ・ノワール的なのも伺えるかと思います。
とても良い出来のウィラメットヴァレーでした、お勧めします!
なお、シングル・ヴィンヤードもののビショップ・クリークは今回が初入荷で、2014年と2015年の両方が入って来ています。ただし非常に少量ですので、今回はテイスティングを見送っています。
話に寄ればシングル・ヴィンヤードものはウィラメットヴァレーよりもポテンシャルが高いとのことで、かなり期待できそうですが、売れ行きを見て飲めるようなら飲みたいと思っています。量的には無いようでして、海外の評価機関でもテイスティング出来ていないようです。是非ご検討くださいませ。
以下は2014年ウィラメットヴァレーのレヴューです。
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【カルフォルニアとも違う緯度感!柔らかく滑らかなポマールに似たニュアンスです!】
「カルフォルニアのピノは甘くて・・」
とおっしゃる方が多いはずの noisy のお客様の気持ちは良~く・・判ります。カレラなら良いけど飲むタイミングが難しいし・・オ・ボン・クリマまでかな?・・などと言うようなものかと思います。
でも安心してください・・いや、Xいてますよ・・とは言いません。おそらく想像されるより甘く無いです。オレゴンの持つ緯度的要素かな?・・と思いますが、バランスの良いソフトな酸、滑らかでやや太めのボディ、やや温かみを感じるタンニン以外は、ブルゴーニュ系のピノ・ノワールのフィネスを持っていると思います。
それに、樽臭さも無く、いつ飲んでもおそらくとても美味しいはず・・まぁ、それもブルゴーニュのピノには無いものかもしれません。
メオさんとジェイさん、そして醸造家の女性、トレーシーさんのジョイントでオレゴン・ピノ・ノワールを始めた訳ですが、トレーシーさんの苗字はケンダルさんだそうで、もしかして?・・そっちの絡みも有るのかな?・・などと邪推しています。もちろん、全然関係無いかもしれません。
単にジューシーなピノでは無く、オ・ボン・クリマのジム・クレンデネンさんのピノ・ノワールのような冷ややかさも持つ、エレガントさも充分な、いつ飲んでも美味しいポマールっぽいワインです。美味しいと思います。是非ご検討くださいませ。
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2022 Pinot Noir Willamette Valley Own Rooted
ピノ・ノワール・ウィラメット・ヴァレー・オウンルーテッド
【デカンター誌は2021年ものから2ポイント上げての96ポイント!・・反対にシングルヴィンヤードもの2キュヴェに98+ポイントを付けたマチュー・ジュークスさんは97+ポイントと1ポイント下げです!】
ワイン評論家さんの評論家を目指している(??) noisy としましては・・(^^;; まぁ・・少なくて飲めないアイテムの時に、その方々の内面とか、クセとか・・はたまたは・・
「誰が真実に近いことを言っているか?」
を知りたいがために・・精神分析みたいなことをやらざるを得ないとも思っていたりします。
マチュー・ジュークスさんは2022年のニコラス=ジェイのシングル・ヴィンヤードもの・・具体的にはビショップ・クリーク・ヤムヒム=カールトンとニーサ・・に、98+ ポイントと物凄い評価をしていますが、このブレンドものは1ポイント下げています。
反対にデカンター誌は、ヤムヒム=カールトンにこそ95ポイントを付けていますが、格下と思われるブレンド・・しかし、自根のこのキュヴェに、
「96 Point!」
と・・反逆の評価をしているんですね。それにシングルヴィンヤードのニーサに至っては94ポイントなんですね。
そうなりますと、誰の評価が真実なのか・・非常に微妙になって来ます。
順当に行くならば、より高い値付けのシングルヴィンヤードにはより良い葡萄を使うと考えられますので、マチュー・ジュークスさんの97+ポイントが正しい・・。しかし、どう考えてもシングル・ヴィンヤードものの98+ポイントは過剰反応じゃないか・・とも思える訳です。
しかしながら、自根のこのオウンルーテッドに最高点を付けたデカンター誌も、決して手を抜いた訳では無いだろう・・そうも考えられますから・・
「少なくとも、価格がより安いオウンルーテッドにかなりの光を当てて考えるのが良いのかも・・」
などと思っています。
因みにマチューさんは・・そのまんまは書けませんが、抜粋しますとこんな感じです。
「2022年ものには1971年に植えられたハイランド(マクミンヴィル)、ビショップ・クリーク(ヤムヒル=カールトン)、ニーサ(ダンディー・ヒルズ)の3つの異なるブドウ畑から造られる」
「この 2022 年は、通常よりも少しタイトで、細身でシャイでより消極的なシャーシを備えています。私はこの細かく判断されたスタンスが好きです。」
「このポートフォリオでは歓迎すべきペースの変化であり、開花するには数年を必要とする、今までとは別のワインです。」
デカンター誌はこんな感じです。
「ニーサ、ハイランド・エステート、ニコラス=ジェイ・エステート・ビショップ・クリークのサイトなど、ウィラメット・バレーで最も古く、独自のルーツを持つサイトのいくつかにこだわった素晴らしいブレンドです。砂糖漬けのフルーツと甘くスモーキーなバラの花びらの豊かな香りを持つ、ゴージャスなピノ・ノワールです。広々とした林床があり、新しく切り開かれた土が甘くて明るいチェリー、絞られたブラッドオレンジ、そして風味豊かな仕上がりをもたらすたくさんの乾燥した野生のハーブと溶け合います。ウィラメットの自根ブドウのピノ・ノワールによく見られる絹のような質感があります。素敵なワインです。」
まぁ・・以前とはかなり印象を異にするのかもしませんが、ブルゴーニュのピノ・ノワールも恐れおののくに違いない、グラン・クリュ並みの出来であることは間違い無さそうです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【台木ものとは明らかに異なる自根のピノ・ノワール!96~97 ポイントと非常に高い評価です!】 良いですよ・・滅茶素晴らしいです!
ベースの2021ランサンブルのょっと信じ難い高い評価も有りつつ、この自根のキュヴェも同様の評価を得ていることに、むしろ驚きを感じます。
この「自根感」と言って良いのかどうか判りませんが、noisy が自根のキュヴェにいつも言っている「繋がっている感覚」「シームレス感」が、ちゃんと感じられるんですね。
ですから反対に、自根では無いキュヴェと比較したりしますと・・
「・・ん・・キズがある・・」
と感じたりする訳です。
シャンパーニュだとボランジェのヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズもまた・・非常なるシームレス感を感じさせてくれる希少なシャンパーニュですし、フランスではほとんど・・「アメリカ由来の台木」を使用する訳ですから、
「じゃぁ・・アメリカなら全て自根で良いじゃない?」
と思われるかもしれませんが・・そうは行かないんですね・・だって・・
「アメリカで植えたピノ・ノワールの樹はフランス由来」
なので、フィロキセラには耐性が無い訳ですね。
なので、その畑の周りが砂地だとか、他の畑と何かで隔絶されているとかでない限り、
「ピノ・ノワールやシャルドネの自根の樹はほとんど有り得ない」
訳です。
非常に伸びやかでシームレス、シャンボールのように滑らかです。現状、同じブレンドですがランサンブルの方が表情が豊かで饒舌ですから、
「ランサンブルの方がポテンシャルが高い」
と思われがちだと思います。でも本当にそうなのかは・・どうでしょうね。
古い樹も多く、むしろ若いうちに・・比較すると内向的なオウン・ルーテッドは、いずれランサンブルを逆点すると感じます。
しかし・・始めて10年も経たないうちにここまで来るとは、いや~・・ジャン=ニコラ・メオ、恐るべしです。
「メオのブルゴーニュワインにどんどん似て来る!」
のが年を追うごとに感じられます。
noisy もどちらかと言いますと新世界のワインよりもフランスワインが好きですが、
「・・見分けがつかなくなって来た!」
のも間違いでは無い・・ホント、怖い世界です!・・是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【流石、自根のピノ!・・一体感のある凄い仕上がりです!】 2018年以前の写真が「ちょっと可愛らしく」見えてしまうんじゃないかと思いますが、それは当たっていると思います。
こういう言い方が良いとは思ってはいませんが、少なくとも2~2.5ポイントはアップしていると思われる2019年もののオウンルーテッドです。
どちらかと言いますと締まった豊かさがすぐに感じられるランサンブルに比べ、少し「陰性」と言いますか、「内向的」に感じられる分、ワイン・アノラックの評価がウィラメットヴァレーよりも1ポイント低く出ている・・かと思いますが、noisy 的には同点・・もしくはこちらが僅かに上回るか・・と思います。いずれにしましても僅差・・素晴らしい仕上がりかと思います。
味わいは縦伸び系・・比較するならウィラメットヴァレーはほぼ丸い感じ、こちらは縦長の楕円です。目をつぶって飲めば、足が繋がっているような気もします。この辺は・・
「2018年ものとは真逆」
なイメージです。
しかしながら、2018年のオウンルーテッドとは、色彩も相当に異なりますよね?
「・・濃いのか?」
と思われるかもしれませんが、全然濃く無く・・良い感じのブルゴーニュ・ピノ・ノワールと同等位の感覚です。ここはおそらくミネラリティが高く、そのバランスに濃度が釣り合っているのかと思います。
因みに早々にこの2019年のニコラ・ジェイを評価していたワイン・アノラックのジェイミー・グッドさんは、下級のランサンブルが96ポイント、上級のこのオウンルーテッドが95ポイントですが、この1点差は人によりそのまま真逆も有り得ます。ただし、テイスティング次点では、
「え?・・ウィラメットヴァレーで・・こんなに凄いの?」
と圧倒された感があり、それを引きずってのオウンルーテッドのテイスティングだったので、ちょっと閉じたシャンボール的味わいに思えてしまったかもしれませんね。
いずれにしましても相当に素晴らしい出来でした!・・このまま行ったら・・カルフォルニアのカルトを追い越してしまうんじゃないか?とも思います。素晴らしい味わいでした!是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【何と自根のピノ・ノワール!・・シームレスな味わいに感動!・・まだフレンチ・ピノは自分の根っこで立つことが出来ています!】 フランスでは自根のキュヴェがほとんど有りませんで、特にブルゴーニュでは「全く」と言って良いほど・・無いと言うか、有り得ない状態です。
あのD.R.C.でさえ、1990年前からのフィロキセラの被害で青息吐息のラ・ターシュは、それでも何とか1960年代まで頑張ったはずです。なので、その頃の生産量は微々たるもので、もう枯れてしまって生産できないギリギリのところまで追い込まれてようやく植え替えた・・と記憶しています。
その植え替えではアメリカ系の葡萄の台木が使用されたはずですが、フレンチ・クローンをアメリカの大地に植えるのには、やはり台木を使用した方が良いんじゃないかと思いますが・・こちらはそんなことはお構いなしで、「自根」のようです。
ウィラメット・ヴァレー(・ランサンブル)とは結構違っています。むしろこちらはより果実の風味がたっぷりで、より締まって冷ややかさを感じるのがベースのウィラメット・ヴァレー。こちらはとても豊かでふくよかです。
黒系の果実も、赤系の果実もほぼ同様に感じられ、ニコラ・ジェイのラインナップでは、最もオレゴンの豊かさをアピールしているようにも感じられます。まぁ、言ってみれば・・ブルゴーニュの大地は「痩せて」いるんですね。
しかし、結構なドライさで旨味もしっかり有りますので、良く有るサンテミリオンのような甘さにもたれかかったようなニュアンスは有りません。
それにやはりどこか、自根由来の「のびやかさ」を感じます。一本筋が通っていると・・下から上まで「すっ」と伸びて行く感じが有るんですね。これ、以前もプラン・ド・ピエのワインで言ったことが有るんですが、飲まれた方の多くも同じ印象だったと言っていただけましたよ。
意識しなければそれっきり・・かもしれませんが、
「そう来るかもしれないぞ?」
と思いながら飲んでみると、確かにそうだ!・・と思えるんですね。
なので、フランスの希少な畑を蹂躙し破壊したフィロキセラの大罪は、決して消えることは無い訳です。・・それでも、
「フランスのピノ・ノワールの子孫は、アメリカで自分の根っこで立っている!」
ことが、まだ・・確かめられるのは、この上無い幸せなのかもしれません。ご検討くださいませ。
フランスでは自根のキュヴェがほとんど有りませんで、特にブルゴーニュでは「全く」と言って良いほど・・無いと言うか、有り得ない状態です。
あのD.R.C.でさえ、1990年前からのフィロキセラの被害で青息吐息のラ・ターシュは、それでも何とか1960年代まで頑張ったはずです。なので、その頃の生産量は微々たるもので、もう枯れてしまって生産できないギリギリのところまで追い込まれてようやく植え替えた・・と記憶しています。
その植え替えではアメリカ系の葡萄の台木が使用されたはずですが、フレンチ・クローンをアメリカの大地に植えるのには、やはり台木を使用した方が良いんじゃないかと思いますが・・こちらはそんなことはお構いなしで、「自根」のようです。
ウヴィラメット・ヴァレー(・ランサンブル)とは結構違っています。むしろこちらはより果実の風味がたっぷりで、より締まって冷ややかさを感じるのがベースのウィラメット・ヴァレー。こちらはとても豊かでふくよかです。
黒系の果実も、赤系の果実もほぼ同様に感じられ、ニコラ・ジェイのラインナップでは、最もオレゴンの豊かさをアピールしているようにも感じられます。まぁ、言ってみれば・・ブルゴーニュの大地は「痩せて」いるんですね。
しかし、結構なドライさで旨味もしっかり有りますので、良く有るサンテミリオンのような甘さにもたれかかったようなニュアンスは有りません。
それにやはりどこか、自根由来の「のびやかさ」を感じます。一本筋が通っていると・・下から上まで「すっ」と伸びて行く感じが有るんですね。これ、以前もプラン・ド・ピエのワインで言ったことが有るんですが、飲まれた方の多くも同じ印象だったと言っていただけましたよ。
意識しなければそれっきり・・かもしれませんが、
「そう来るかもしれないぞ?」
と思いながら飲んでみると、確かにそうだ!・・と思えるんですね。
なので、フランスの希少な畑を蹂躙し破壊したフィロキセラの大罪は、決して消えることは無い訳です。・・それでも、
「フランスのピノ・ノワールの子孫は、アメリカで自分の根っこで立っている!」
ことが、まだ・・確かめられるのは、この上無い幸せなのかもしれません。ご検討くださいませ。
左は2017年ものの写真です。
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2022 Pinot Noir Dundee Hills Nysa
ピノ・ノワール・ダンディー・ヒルズ・ニーサ
【noisy好みのニーサは、マチュー・ジュークスさんが98+ポイント!・・まぁ・・ちょっと付け過ぎのような気もしますが・・!】
凄いですね~・・2万円もしないのに98+ポイントとは・・あ、因みにマチューさんの評価はニコラス・ジェイのhpには出ていないので、そのまま掲載する訳には行きませんが、こんな風に言っています。
「ニュイ=サン=ジョルジュのヴォーヌ側の・・紛れもなく偉大なワインの感覚を持っています。」
「3〜5年も経てば、クジャクの尾は完全に拡がりを見せるでしょう。」
まぁ・・そうおっしゃりながらも、noisyならシャンボール的だと言い出しかねない・・こんなことも・・
「他のワインよりも静かなワインなので、赤いひだの中に隠された表情を見逃してしまう人もいるかもしれません・・」
ミネラリティがたっぷり存在する美しさがこのニーサの特徴でもあるので、noisy はその全体像を見てシャンボール的だと言い、マチューさんはその内部を見てニュイ=サン=ジョルジュのヴォーヌ=ロマネ側・・と言っているようです。
また、94ポイントに留めたデカンター誌はこのように言っています。
「心地よいテクスチャーで、親しみやすく寛大な、クラシックなダンディー・ヒルズです。毎年ニコラス=ジェイの最も早い指名権。赤い果実、砂利の粉塵がグラスから飛び出すアロマティックな香り。これには1989年に植えられた自根のブドウの古木ポマールが含まれており、1990年代に植えられた115本の2番目の摘み取りの前に最も早く摘み取られます。口に含むと、スパイシーなベリー類、酸味のあるクランベリー、香り豊かなチコリの根の香りが感じられます。」
同じく94ポイントのヴィノスです。
「2022 ピノ・ノワール・ニーサは繊細で控えめで、紫のトローチと砂糖をまぶしたカラント、ラベンダーとクローブをブレンドした甘くスパイスの効いたブーケが特徴です。シームレスにシルキーで、熟した赤と青の果実が口全体に広がり、ピリッとした酸味の核を通して若々しい緊張感の余韻が高まります。これにより、口蓋が原濃度でコーティングされ、滑りにくいタンニンの細かい膜が残ります。ブルーとパープルのインナーフローラルがクローズアップで響き合います。ニーサは控えめな美しさであり、無視することはできません。」
どうでしょうか・・言ってしまえば・・、評点こそは異なりますが、ワインの印象としては同じかな・・と思います。98+ 点はちょっと付け過ぎのようには思いますが、相当素晴らしい出来なのでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュのピノ・ノワール・ファンには非常に近しい、見事なシャンボール=ミュジニーだと感じていただけるでしょう!】 2020年ものの山火事が響いているのでしょうか。入ってくる数も少なく、また・・
「海外メディアの評価がほとんど見当たらない!」
んですね。
まぁ・・造れるワインが少なければ、メディアに露出してくる回数も少なくなるとは思いますが、このニーサ、モンタジ、ビショップ・クリークの3トップ・キュヴェは、今のところ・・ワインライターのマシュー・ジュークスさんのものがほとんどを占めています。稀にデカンター誌のものが見当たりますが・・新型コロナウイルスでテイスティングの機会も奪われたのかもしれませんね。
マシュー・ジュークスさんは、ベース・キュヴェのランサンブルにとんでもないほど高い98+ポイント(19+/20ポイント)と付けていまして、このまさにシャンボール的なツヤツヤ感とポテンシャルを見せるニーサには、97ポイントと・・
「かなり渋い評価!」
をしています。
まぁ・・それも理解出来なくはない・・「新世界的な舌と鼻」が仕上がっている方には、どうしても直近の美味しさを多く受け取る傾向が有ります。いや、ワインファンならそれも良いんですが・・好みですから。でもプロは・・それじゃいかんと思うんですけどね。
その昔、noisy も・・不当に低いブルゴーニュワインの評価に、しょっちゅう・・怒ってました。2000年頃のnoisy の新着をご覧になっていた方は、
「noisyさん・・何をそんなに怒っているんだろう・・」
と思われていたかもしれませんね・・。
「(若い頃はやんちゃしててね・・)」
と言う訳では無かったんですね。ただ、数十万本も造っているボルドー1級シャトーのワインの高い評価に比較して、1樽~2樽のブルゴーニュのグラン・クリュの・・とんでも無く低い評価にキレ気味だっただけです・・。
言ってしまえば・・新世界のワインは、王者フランスワインをどうやって負かすか?・・その方法・・と言いますか、その試合をどうやって行い、それをワインファンに見せつけるか?・・と言うようなことを考えていたようです。
「スタッグス・リープがシャトー・ムートンを下した・・・」
「シャトー・モンテレーナがルーロのムルソー=シャルムに勝った・・」
まぁ・・俗に言うところの1976年5月24日のパリでのパリスの審判..でしょうかね。もしその辺、興味がございましたらググってみてください。
また昨今は来日される外国人の方の、
「日本びいき」
が半端無いようです。
日本食もしかり、安全で気持ち良く過ごせ、四季のある自然と、都会と田舎の対比、人々の穏やかさなど・・それを帰国して口々に・・
「日本は素晴らしい!」
と言うものですから・・日本にいらっしゃる方々が非常に増えていると聞きます。
その「日本食の美味しさ」は、日本人的な感覚だけがそれを知っているのかと思っていたら、決してそうでは無いんですね。アチコチの国々からいらして、寿司やラーメンばかりでなく、お茶やせんべい、納豆から漬物までも・・
「日本って半端無い!」
と、滅茶美味しいと・・おっしゃっているようなんですよ。そして日本酒を飲まれた方々も口々に美味しいと・・そして海外への販売も凄く増えているようです。
ですから・・ワインもまた、日本人的な感性そのものが輸出?できるようになって来ていると・・感じます。そもそも25年前までは、
「ブルゴーニュワインをまともにやっていると笑われた」
訳でして・・Noisy wine もネット販売に出て、2023年で25年を経過しました。みんなボルドーをやっている時にブルゴーニュですからね・・。今や、中国をはじめとする東南アジアでは、ブルゴーニュも自然派も大人気です・・まぁ、今中国はどうなのか、判りませんが、
「これも日本人的感覚が輸出された?」
ことの一つのように感じます。
その意味でもこの2021年ニーサ、2020年のフルール・ブランシュを超えるポテンシャルを持っていると感じます。是非飲んでみてください。今飲んでもかなり美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【テイスティングの時点ではモンタジに遅れを取りましたが、ポテンシャルでは負けていないです!素晴らしいテロワール!】 この赤果実の集合体!・・素晴らしいですね~!・・noisyの場合は基本的にアメリカのピノは余り好みでは無い・・と思っていました。
評判の良いカリ・ピノを飲んでみても、豊かだとはしても甘かったり・・ブルゴーニュ的だとしても若い時には平坦過ぎたり・・アルコールが強くて浮いていたり・・それに何より、
「・・・ちょっと高く無いか?」
と言うのも有ったんですね。なので、デイリー価格のものはネット販売開始当初は扱っていたのですが、その内に誰も買ってくれなくなってしまいまして、いらっしゃるのはカルフォルニア系のエージェントさんの売込みばかり・・と言う状況になってしまった訳です。なので、
「ちょっとアレルギー感」
が残っていたんですね。
ですが、この「ニーサ」のような素晴らしいエレガンスを持ったワインだとしますと話は別ですよ。noisy の想像よりも相当早く、
「高いレベルに到達した!」
と言えるんじゃないかと思います。
2017、2018、2019年のグラスの写真が、物凄いグラデュエーションになってしまっています。
しかしこのニーサ2019年、ミネラリティが凄いんですよ。なので、言ってしまえば・・
「モンタジよりもタイト」
です。
なのに隠しきれない気品の高い赤い小果実の群生・・。フィネスと言って良いんじゃないかと思いますが、「質感」が凄いんですね。
テイスティング時ですと、
「質感ならニーサが凌ぎ、現在のバランスでモンタジが勝る」
と思います。ビショップ・クリーク2019年は、その中間でしょうか。これも素晴らしく良いワインです!
実は、非常に少ないニコラ・ジェイのシャルドネが届いているんですよ。これを飲むか飲まないか、数が無いので悩んでいるところだったんです。でも、
94 Points Nicolas -Jay Affinites Chardonnay 2019 Willamette Valley. Oregon
95 Points Nicolas-Jay Bishop Creek Chardonnay 2019 Yamhill-Carlton. Oregon
と言う、ジェイミー・グッドさんの評価を見つけてしまったら・・テイスティングしてみたくなってしまいました。なので、今回のご紹介はパス、次回以降をお楽しみにされてください。
兎にも角にもニーサ!・・素晴らしいです。ちょっと「るみゑさん」入ってる感じです。是非飲んでみて下さい。
以下は以前のレヴューです。
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【noisy の大のお気に入りです!まるで見事なシャンボール=ミュジニー!・・1級以上並みのポテンシャルを感じます!】 これは美味しい!・・本当に美味しいです。最近ようやく飲ませていただいた2018年ものです・・2017年ものは少な過ぎて飲めていませんでした。
しかしながらようやっと飲めた2018年ものには感動しました・・。シャンボール的なテッカテカな明るさと、シルキーな舌触りに、赤い果実がドライに繊細に「たわわ」に感じられます。
しかも・・これを言って良いんだろうか・・シャンボールでも中々出会えないような、極々小さな実が・・口内ですり潰しても潰しきれないほど、細やかに感じられるんですね。それがまた物凄いポジティブなニュアンスとなって感じられて、
「わ~・・滅茶美味しいわ・・」
となってしまうんですね。
例えば、物凄く果実感が有って、ジューシーで美味しい!・・と言うワインは、それなりに結構存在します。ですが・・それって品格は別の話しなんですよね。むしろ、あまり果実果実してると品格は下がる・・下品に感じられてしまう部分が有りますし、繊細さも消えてなくなってしまいます。大雑把な味わい・・と言うことになります。
でも、こちらのニーサは違うんですよ。果実はそれなりには有りますが、やはりフレンチ式なんですね。なのでフィネスが有って繊細で、その一つ一つの要素がそれらの気品を持ちつつ、果実感も持っている・・そんな感じなんです。
なので・・美味しくない訳が無いじゃないですか!・・この美しさには脱帽でした!これは是非、何とかして飲んでいただきたいと思います。
まぁ、ニコラ・ジェイはワイン屋も全く飲んでいないので・・売れる訳が無いと思いますんで、きっと他のお店でも余っているはずです。もし完売していたらコンディションの良いお店で探してみて下さい。素晴らしいです!
●
2022 Bishop Creek Yamhill-Carlton Pinot Noir
ビショップ・クリーク・ヤムヒム=カールトン・ピノ・ノワール
【凄い評価が連発しています。ワイン・アンスージャストは96ポイント、デカンターは95ポイント・・それ以上の評価も出ています!】
すみません・・少量につき、今のところ飲めずのご案内です。まぁ・・それでも後になってから飲めるパターンかなとも思ってはいます。
ニコラス=ジェイのホームページを見ますと、メディアの評価が掲載されていまして・・それも相当良いのでビックリしています。Google 翻訳を掛けてご紹介します。
このワインのかなりの部分は最大 1/3 までビショップ クリークから来ていますが、他の 5 ~ 6 ヶ所の産地も含まれています。
「このワインのアイデアは、ヴァレーとヴィンテージの両方を表現することです」
とジャン・ニコラ・メオは言います。ブドウ畑と樽の両方を厳選し、新樽を30%使用しています。アロマティックな香りは赤いフローラルを基調としており、土のタッチとスパイスのきいたブラッド オレンジの香りが感じられます。味わいはエレガントで洗練されており、タルトベリー、絹のような構造、そして風味豊かなスパイスの美しい余韻が特徴です。私たちは単一畑のワインを作る前に、まずこのワインの樽の選択を行います。
「これらは最高の場所であり、最高のヴィンテージからの樽です。」
とパートナーのジェイ・ボバーグは言っています。
この文章は95ポイントを付けたデカンターのものです。グラン・クリュ並みの評価ですが、noisy も昨年・・2021年ものを飲ませていただいた時、余りにフランス産的な印象を強く受けました。それに加え、バックヴィンテージが結構有ったのですが、それらはニコラス=ジェイが始まって間もない頃のものだったので、
「・・そろそろ完熟で厳しいんじゃない?」
と・・その頃の樹の若さ、熟度を思い出して想像していたんですが、ものの見事に裏切られました。
noisy たちが当時テイスティングで受け取った情報から想像する以上に、たっぷりとミネラリティを持っており、そのミネラリティが美しいディテールを見せ始めていたんですね。なので、その頃のヴィンテージの noisy の評価は低過ぎたと・・反省しています。
飲めなくて申し訳ありませんがご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【べらぼうに旨いです!・・メオ=カニュゼっぽさが最大の魅力!?・・素晴らしいオレゴン・ピノ・ノワールです!】 ん~・・確かにランサンブル、とても美味しいんですが・・noisy はやppりこのビショップ・クリークやモンタジ、ニーサが上だと・・思いますね。
で、フィネスさん情報では出て来ないんですが、noisy が雇っている秘密警察が嗅ぎつけたところ・・このビショップ・クリークは自根、もしくは自根のキュヴェを含んでいて、さらには・・
「777 clone」
も・・使用しているそうなんですね。
この777クローンと言うのは・・かのロマネ=コンティ由来の苗木です。そして777クローン以外にもポマール由来のクローンとのブレンドだそうなんですね・・・。
以前のレヴューを見ますと・・やはり、
「ヴォーヌ=ロマネに似ている・・」
と書いていますが、この2021年のビショップ・クリークをテイスティングしても同様に感じます。非常に・・素晴らしい!・・2019年も良かったし、
「2020年のピノ・ノワールをブラン・ド・ノワールに仕上げたフルール・ブランシュも最高に素晴らしかった!」
訳ですよ。
あの2020年のフルール・ブランシュの、何とも切なくも有り、愛らしくもあり、命の大切さとか何とか・・何かそんなイメージが浮かんでくるような味わいには、本当にほれ込みました。
余りに美味いので、フィネスさんの担当さんに、
「フルール・ブランシュ..残ってない?」
とお願いした位です。そうしたら残っていたフルール・ブランシュを数本、回してくれたんですね。
そんな思い入れももしかしたら加点対象になってしまっているかもしれない・・いや、noisy 自身は決してそんな目では見ないんですが、万が一、そんな感じで飲んでいたとしても、
「相当高い評価をしたとしても、その根拠に自信がある」
と・・思っています。
それに noisy もわずかながらロxx=コxxxのピノ・ノワールを育てていますから・・日本で育てるピノ・ファンの大変さは判っています。少しでも目を離すと・・大変なことになっちゃいますから・・はい。今年は一番芽、全滅でした・・
と言う訳で、過去最高の出来だったと思えるビショップ・クリーク2021です。マシュー・ジュークスさんは98ポイントです。ランサンブルより低いのが気に入りません・・が、素晴らしいです!是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【バランスの良い酸、果実、ミネラリティはやっぱりヴォーヌ=ロマネ・タイプです!】 シングル・ヴィンヤードのビショップ・クリークです。どうでしょう・・やはり重厚さ、低域からの押し上げのある「モンタジ」と、可憐な赤い小果実の群生が何とも心地良い「ニーサ」との中間と言いますか、両方の良いところを持っているようなバランスイメージのするのが、このビショップ・クリークです。勿論、個人的な感覚での話しになります。
このワインについては、2017年ものから結構、しっかりしていたと思います。でも2019年ものは別格ですね。カリフォルニアのあっけらかんとした超開放的な味わい・・では無く、ブルゴーニュ的な閉鎖感・・いや、良く締まった感じがするのは、高質な葡萄を使用し、丁寧な醸造をしているからだと言うことが伝わって来ます。
この色合いですから・・。1年遡ると、全く異なるワインのようじゃないですか。
でもこれって、単に「年を経たから」じゃないと思うんですね。今は新型コロナの性で、余り出歩くことが出来ませんから、ドメーヌの情報もまたメールでしか入って来ないようなんですね。なので、
「実は2019年ものは、相当に何か変革をした!」
と・・想像しています。・・あくまで個人的な想像でして、情報を得た訳では有りません。
因みにジェイミー・グッドさんはこちらも95ポイント。相当高い評価です。でも、96ポイントの下級キュヴェが有りますから・・(^^;; noisy 的にはこちらが上ですけどね。
果実感はとても小さな実の赤いスグリ、チェリーが同居している感じです。ニーサはスグリが多め、こちらはチェリーが多め・・みたいな感覚で、やや重心が低いです。骨格自体はこりらが大きく、ニーサはやや小ぶりながらキュッと締まった感じがします。
だからやはり優しい酸味、気品のある感じからヴォーヌ=ロマネ風・・と言いたいですね。
2019年のニコラ・ジェイは、どのキュヴェを飲まれてもご納得いただけると確信しています!・・素晴らしい出来でした!是非どのキュヴェでも良いので、
「ブルゴーニュのど真ん中のドメーヌが監修する新世界のピノ・ノワール!」
をお楽しみくださいませ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ニュイ=サン=ジョルジュかヴォーヌ=ロマネか・・いずれにしても、ジャン=ニコラがお得意なスタイルです!】 2017年ものは数が無かったので、ついつい・・おまけに2016年ものも同様だったので、二年続けて・・いや、都合3年か?・・良く溜めたもんですが、ようやっとご案内にこぎつけた次第です。
ニコラ・ジェイのシャルドネのコラムにも書かせていただきましたが、ま~・・兎に角、全くのフレンチワイン・・見事なバーガンディです。2013年ものはまだどこか、あどけなさと甘やかさが抜けきらない・・でも近寄りやすいスタイルでしたが、年を経て、樹齢が上がって来たのと、畑の個性の引き出し方をスキルに出来てきたのかと思います。
メオ=カミュゼと言えば、ドメーヌものでヴォーヌ=ロマネとニュイ=サン=ジョルジュに良い畑を持ち、昨今はもう神掛った荘厳な味わいを見せていますが、そんなブルゴーニュのドメーヌものに引けを取らない出来になって来たと言えます。
単一ヴィンヤードもののビショップ・クリークは、ヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュ風のニュアンスを持ち、柔らかなテクスチュアながらもミネラリティに支えられた、もしくはコーティングされたかのような、ブルゴーニュワインファンにとっては非常に慣れた、そしてより近しい味わいに仕上がっています。
今飲んでも充分に美味しいです。特に、ドメーヌものやネゴスもののメオのニュイ=サン=ジョルジュ、ニュイ=サン=ジョルジュ1級の美味しさには目を見張るものが有りますが、勝るとも劣らないと言って良いでしょう。
土の風味の強い、悪く言えば土むさいニュイ=サン=ジョルジュに慣れた方は、おそらくメオのニュイ=サン=ジョルジュ、そして1級を飲んだら・・ビックリするはずなんですね。
「・・これがニュイ=サン=ジョルジュなのか?」
と。
そこには、どこかに野暮ったさが燻る姿はまるで有りません。心地良い、テクスチュアの滑らかで、荘厳さとフィネスに満ちた味わいが有ります。このビショップ・クリークも、ニュイ=サン=ジョルジュ風・・・ヴォーヌ=ロマネ風ですから、おそらく違和感なく、美味しくいただけるんじゃないでしょうか。
むしろブルゴーニュワインのように、
「・・・そろそろ飲んでも大丈夫だろうか?」
と、飲み頃を気にしつつ、
「・・あぁ・・まだ少し早かった・・」
と嘆く機会は減ると思いますよ。
メオらしいエレガンスをきっちり表現できていると思います。さらに年を重ねたビショップ・クリークを飲みたくなるはずです。ご検討くださいませ。
オッペデントロ
オッペデントロ
イタリア Oppeddentro マルケ
[ Oisy wrote ] ● イタリア、マルケからの自然派の生産者のご紹介です。
実はOisyは若かりし頃、銀座、麻布のゴリゴリのイタリアンレストランで働いていたことがあります。ですので当時イタリアワインはまさに浴びるほど飲んでいたんですね。ですので少し知った気になっていたのかもしれません。しかしまさかこのマルケの地からこれほど秀逸なミネラリティに満たされたワインが産み出されているなんて・・・全く知りませんでした!
仲の良い4人が副業としてやっているカンティーナのようですが、好きなワインを造りたい!という素直な欲求に従い、造っているからでしょうか・・ワインは激ピュアで自然体、とても飲み心地の良い出来に仕上がっています。しかし前述したように、非常にミネラルに溢れた味わいをしているものなので、ポテンシャルもばっちり、特に安定感のある白はブルゴーニュファンにも受け入れられるのではないかと思うほどです。
また今回はロゼ、少し攻めたオレンジワインもございます。ワイン毎に好みは分かれるとは思いますが、どれも安定感のある造りで「本当はこっちが本業なんでしょ?」でと言いたくなる造りです。ぜひお手に取ってみてくださいませ!
[ Noisy wrote ] 以下は以前のご紹介文です。
-----
● 期待の新人のご紹介です。なんと一人ではなく、
「4人でやっているカンティーナ」
です。
しかもそれぞれがお医者さんとか銀行員とか・・だそうです。
さらにはそれぞれの祖父の代には、自然なワインを造っていたそうで、それを再現したいと・・言うことのようです。
noisy も飲んでみましたが、非常に判りやすく美味しい・・しかも複雑性のある、綺麗なエキスの出たワインで、当初はとてもイタリア中部のワインとは思えませんでした。白ですとこの地域は、カステッリ・ディ・イエージと言うワインが有りますが、高級ワイン的にしようとして・・今ひとつ上手く行っていなかったように思います。そこへ祖父の時代からの自然な造りの再現をしたところ、こんなワインが生まれたんですね。
期待しかない・・素晴らしい味わいでした。是非飲んでみてください。
■『祖父の時代の自然なワインを!』
という情熱から誕生したアーティザナルなワイナリー
イタリアの有名な土着品種の一つと言えばヴェルディッキオ。日本にはかなり昔から輸入されていますが、その産地マルケでは、クラシックワインを造る大規模なワイナリーが多く、小規模、ましてやナチュラルワインの造り手はこれまで殆ど見られませんでした。しかし、ここにもいよいよナチュラルワインを造る蔵元が現れました。ソムリエである4 人の友人が、祖父や父が昔ながらのやり方で造っていた自然なワインを現代に適合させたナチュラルワインを造りたいとの情熱から設立された小さなアーティザナルなワイナリー、オッペデントロです。
◇ VINNATUR ヴィンナトゥールに加盟する厳格なナチュラリスト
オッペデントロは、栽培面積僅か1.8ha で、2017 年に3 千本のワインを造ってデビューしました。イエージ地区から少し内陸に入った海抜450m の場所で、固有のフレッッシュ感と塩味を備えた個性的なナチュラルワインを造っています。厳格な基準でナチュラルワイン造りをしていることを消費者に示したいとの想いから、アンジョリーノ・マウレが結成したナチュラルワインのグループ、VINNATUR ヴィンナトゥールに加盟しています。まだ5 ヴィンテージ目ですが、既にイギリス、スイス、カナダなどに輸出されています。
◇ ワイナリーについて
Oppeddentro オッペデントロは2017 年、ワインへの大きな情熱によって結びついた4人の友人が、小規模なアーティザナルなワイン造りをするという夢の実現のために設立されたマルケの小さなワイナリーです。現在34歳の Andrea Sbaffi アンドレア・スバフィと彼の3 人の友人は、それぞれ歯科医、銀行員、エンジニア、医者などの仕事をしています。しかし、4 人とも古いワイン造りの伝統を残るマルケの田舎で生まれ育ちました。4人には、皆ワインを造っていた祖父や父がいて、毎年収穫時には彼らを手助けていました。
当時、彼らの祖父母や父が造っていたのは、化学製品を使わずに自然な方法で醸造したワインでした。ソムリエでもある4人は、現代のナチュラルワインを知り、味わうことが大好きでした。そして、彼らの祖父や父が昔ながらのやり方で造っていた自然なワインを、現代に適合させたナチュラルワインを造りたいと自然に思い始めたのです。また、農業と地球の未来はサステイナブルとグリーンファーミングでなければならない、そしてそれに貢献したいとの強い想いから、4人でナチュラルワインを造るワイナリーを設立したのです。
畑は歴史的に特にヴェルディッキオの栽培に適しているといわれるCupramontana クプラモンターナにあります。砂岩土壌で平均樹齢は40 年。西/南西向きの海抜450m の場所にあるため、固有のフレッッシュ感と塩味を備えた個性的なワインが生まれます。
◇ 栽培と醸造について
栽培面積は当初は1.8haでしたが、2022年秋に幾つかの区画を借り、2023年現在、トータルで5ha となっています。ヴェルディッキオ(3.4ha)、トレッビアーノ(0.8ha)、サンジョヴェーゼ(0.4ha)、モンテプルチャーノ(0.35ha)、ヴェルナッチャ・ディ・セッラペトローナ(0.05ha)を栽培しています。
畑は全て借りている畑で、過去すっと農薬不使用のビオロジックで栽培されていた畑です。このため、肥料や堆肥は一切使用していません。前の栽培家は栽培したブドウを全て他のナチュラルワインの造り手に売っていました。オッペデントロでも栽培はビオロジックで、段階的にビオディナミを導入しています。剪定法はギヨ式で、春先に畑の表土を耕耘し、ブドウの成⾧期には畝の間にカバークロップを自然に生やしています。
醸造所は、マルケ州アンコーナ県の中世からの歴史的な村、Maiolati Spontini マイオラーティ・スポンティーニにあります。15世紀にさかのぼる石造りの城の中にある凝灰岩の洞窟でワインの醸造・熟成を行っています。ワイナリー名のオッペンデントロとは、地元の方言で『城の内部』を意味する言葉です。醸造所が古い中世の城の中にあるため、このように命名されました。オッペデントロでは、必要最小限のSO2以外には何も加えない、ナチュラルな醸造を行っています。
厳格な基準でナチュラルワイン造りをしていることを消費者に示したいとの想いから、アンジョリーノ・マウレが結成したナチュラルワインのグループ、VINNATUR ヴィンナトゥールに加盟しています。初ヴィンテージは2017年で3千本のワインでデビューしました。現在は年間1 万4 千本前後のワインを造っています。まだ5 ヴィンテージ目ですが、既にイギリス、スイス、カナダなどに輸出されています。
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2022 Il Solo I.G.T.Marche Bianco
イル・ソーロ I.G.T.マルケ・ビアンコ
【4ヶ月のマセラシオンから産まれる深い果実エキスを、ツヤツヤミネラルでガラスコーティングした激ピュア・白(オレンジ)ワインです!】[ Oisy wrote ]
[ Oisy wrote ] 激ピュア!そして果実の旨みの乗った「白ワイン」です。
一応「I.G.T.マルケ・ビアンコ」ですからね。しかし色味は完全にオレンジ、色味の中に白い要素を探そうとしても・・・無いですね。そうなるとこれはやはり現代の「オレンジワイン」でいいんじゃないかと思います。
それもそのはずで、なんと4ヶ月もトレッビアーノを果皮浸漬させています。かなり長い・・・ですよね。ワイン名も4ヶ月間1人寂しくマセラシオンされることから「孤独」とつけられたそうです・・・「イル・ソーレ(太陽)」のような見た目ということでもあるようですが・・・
とは言え、ポテンシャルがないから果皮由来の旨みで誤魔化そうとしたワインではありません。やはりオッペデントロのワインに共通する、「全体に張り巡らされたミネラル」が、ツヤツヤでグリップの良さとして表面に現れます。見た目にもミネラル含有量の高さは現れており、輝度の高い輝きを放っているのが見た目からも感じ取れるかと思います。オレンジの色味と相まって光があたると黄金・・のようにも見えます。
香りはアンズ、アプリコット、ライチ、オレンジの皮などにミネラリティの混じり気があり、清涼感を伴ってきます。少し蜜っぽくもあり、ハーブのようなスパイスのような香味もあります。
味わいには果実エキスのコク、高い密度感、ドライフルーツのような凝縮した果実の旨みに溢れています。不思議なことに完全にドライなんですが、甘口ワインのような「満たされ感」があるんですよね。最終的に口内に残る「あまやかさのある果実の集まり」がそのまま余韻となって流れていきます。これはやはり長いシュール・リーによる果実の抽出を極限まで行っていることに起因する・・・と思います。
確かに僅かな苦味も感じ得るんですが、「旨みの範疇」に収まるレベルで、これだけ長いシュール・リーでも「エグ味に発展しない」のは素晴らしいと思います。ただしほんの僅かに揮発酸のニュアンスはありますので、ご注意ください。極微量で、追い追い他の要素が上がってくれば隠れるレベルのため、ワインとしては全く問題ないと判断しています。むしろこの「極僅かな揮発酸がないと上がってこない要素もある」、という風に捉えています。
4ヶ月のマセラシオンから産まれる深い果実エキスをツヤツヤミネラルでガラスコーティングした激ピュア・白(オレンジ)ワインです!
その辺のオレンジワインとは一線を画す、ナチュールファンの方にはぜひ一度お試しいただきたいワインです!ご検討くださいませ。
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2022 Core I.G.T.Marche Rosato
コーレ I.G.T.マルケ・ロザート
【赤ワインのエレガンスを持つツヤツヤミネラリティのロゼワインです!赤とロゼの中間地点にしかない良さがあります!】[ Oisy wrote ]
[ Oisy wrote ] ロゼですが・・・「非常に赤い」です! 薄い赤ワインといっても良いくらいかもしれません。そしてなんと香りには・・「赤ワインのエレガンス」があります!
まだ極々僅かに還元的ですが(2〜3ヶ月で落ち着きそうです。)エレガンスを含んだあまやかでエアリーな赤果実香が、立ち上がってきます。 チェリー、赤スグリ、クランベリーなどの小さな赤果実にアセロラ、ピンクグレープフルーツ、バラ的な花の要素も含まれます。まさにロゼと赤ワインの中間のような印象です。赤ワインのエレガンスとロゼのフラワリーなニュアンスが同居し、この中間にしかない良さがあります。
味筋はドライでエキス的です。そこに積層した赤果実のあまやかさがあります。ロゼ・・・というより「タンニンを抜いた赤ワイン」といった方が適切でしょうか。一般的なロゼよりも黒ぶどう由来の果実のコクが豊かで、充実しています。これには、サンジョヴェーゼにブレンドされたモンテプルチアーノとヴェルナッチャ・ネーラの効能もありそうです。両方とも果実のコクがある品種ですからね。しかしやはりこの充実した味わいの秘密はコーレの持つミネラリティにありそうです。
というのも。液体の表面がツヤツヤでオイリー、ガラスコーティングで撥水させたかのようなグリップを持っています。これは白ワインのヴェルデに感じたミネラリティの組成にも近いのですが、オッペデントロのワインからは総じてこの「ツヤツヤでグリップの良い」秀逸なミネラリティを感じます。このオイリーさはミネラルが全体に行き渡っているからこそ、表に出てくるもの・・・でしょう。
マルケは緯度的にはトスカーナと同緯度で、長靴の右側、アドリア海に面しています。オッペデントロが位置するのは海岸からイタリアの中央を縦断するアペニン山脈に向かって30kmほど行ったところにです。畑の場所はわかりませんが、ワイナリーの標高は約400mですので、ワインにも暑苦しい感じはなく、少し冷ややかな酸を持った飲み心地の良さもあります。なかなかマルケのテロワールは・・・面白いですね!
そして冒頭に申し上げたエレガンスの主役はやはりサンジョヴェーゼでしょう!良いロッソ・ディ・モンタルチーノにも通じるような伸びやかな、赤い果実のアロマです。このアロマの雰囲気と味わいの充実感を考えるとマリアージュはやはり「肉」に手が伸びてしまう・・・のが自然ですね。(ロゼなのに!)相性としては鴨や鶏肉などが抜群だと思いますが、豚肉や牛肉までカバーできてしまうと思います。しかし、魚介系には普通のロゼよりも合わせるには工夫が要りそうで、パン粉や軽いクリームソースのような「一枚隔てるなにか」があった方がベターかと思います。
赤ワインのエレガンスを持つ、ツヤツヤミネラリティのロザートです!赤とロゼの中間地点にしかない良さがある!意外と他にないスタイルだと思っています。ぜひご検討くださいませ。
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2022 Grana Delia I.G.T.Marche Rosso
グラナ・デリア I.G.T.マルケ・ロッソ
【熟度の高い、軽やかなエキスという相反する要素を兼ね備えためちゃピュアワインです!サンジョヴェーゼとモンテプルチアーノの両方の特徴がいかんなく発揮されています!】[ Oisy wrote ]
[ Oisy wrote ] 比較的濃度が高いのに、妙に軽やかで・・・非常に柔らかいワインです!
香りは紫の果実、チェリーやぶどうそのものアロマに僅かな皮革のニュアンスを含みます。ちょっとメルローっぽい・・・ですかね。これはサンジョヴェーゼにブレンドされた、モンテプルチアーノの力が発揮されていると感じます。
ドライですが、果実の積み重なりによるあまやかさがあるエキスです。このニュアンスは期待値が・・・上がります!味わいは香りよりも黒みのある果実に満たされており、カシス感、アメリカンチェリー感があります。ややこってりとした奥行きのある果実エキスで、充足感が高く、柔らかく、「果実の旨み」に溢れています。
オッペデントロのワインはSO2フリーでありながら、非常に安定しています。作りの素晴らしさもさることながら、この安定感をもたらしているのはどのキュヴェにも感じる「ツヤツヤミネラル」でしょう。高いミネラル含有量はそれだけでワインに安定感をもたらしていると感じます。イタリアワインは割とよく知っている方だと思っていましたが、恥ずかしながらマルケにこのようなテロワールがあることは全く知りませんでした・・・
またこの「クールな果実味」というのもオッペデントロに共通するニュアンスです。熟度はそれなりに高いのですが、冷ややかな風にさらされて育ったような、「冷たい風」を感じるんですよね。その風がもたらす「密度がありながら重くなりすぎない」オッペデントロのキャラクターがなんとも染み入るんです。
サンジョヴェーゼとモンテプルチアーノのブレンドの塩梅も素晴らしいです。まずサンジョヴェーゼにない果実の深みをモンテプルチアーノが補完・・そしてモンテプルチアーノ単体だと重くなってしまう部分をサンジョヴェーゼの酸で軽快さを補う・・シーソーでちょうど両端が浮いて異いるのような均衡したバランスを保っています。これはサンジョヴェーゼが60%と僅かに多い比率であることが効いていると思います。
サンジョヴェーゼとモンテプルチアーノの両方の特徴がいかんなく発揮された、「熟度
モンテ・ディ・グラツィア
モンテ・ディ・グラツィア
イタリア Monte di Grazia カンパーニャ
● カンパーニャはあの素晴らしい景観で超有名なアマルフィ近郊のカンティーナをご紹介させていただきます。このアマルフィ辺りにしか存在しないティントーレ・ディ・トラモンティ種を使用したロッソのトップ・キュヴェと、これまたそのティントーレ種の畝の間に植えている地品種のポモド-ロ缶です。
もう・・こんなに深い味わいのポモドーロを食べてしまうと・・いつも使っているトマト缶の味わいがなぁ・・となってしまうのは仕方が無いにせよ、・・ま~・・超旨いです。
そしてその濃密なポモドーロの見事な酸の複雑な味わいを・・ですね・・そのまんまワインに転写したんじゃないか?・・などと思ってしまうような濃密な味わいの10年もの(執筆時点で・・)のロッソの味わいなんですね・・。
ですからもちろん、ポモドーロも旨いしワインも・・10年ものでこの価格ですから、ポモドーロとこの2014年ロッソの相性も抜群に良い訳ですね。ぜひお試し戴けましたら幸いです。
世界遺産にも登録された「世界一美しい海岸」と呼ばれる、アマルフィより北に7Km、険しい山道の先にあるトラモンティの町。アマルフィ海岸より直線距離で僅か5㎞でありながら、町の中心部の標高でさえ400mを越えます。ブドウ畑は500m~700mと非常に標高の高いところにあります。当主であるアルフォンソ アルピーノは、ホームドクターとして人々の健康を管理しながら、土地に残る伝統的なブドウ栽培とワイン造りを守るため、ワイナリーを営んできた人物。そんな父の姿を見て育った息子であるフォルトゥナ―ト。幼いころより父の後についてブドウ栽培を手伝ってきたこともあり、トスカーナ州ピサの大学で農業を専攻し、2015年よりアルフォンソより引き継ぎ、ワイン造りを行っています。
厳しい急こう配と、火山性の砕石を含んだ貧しい土壌。決して豊かとはいえないこの土地で暮らす人々が、暮らしの中で生み出してきた農業、そして生きるためのワイン造り。先祖から引き継いだ畑(Monte di Grazia)を中心に現在4haのブドウ畑。地表から1.5~1.7mほどの高さで放射線状に広がる棚仕立て、Raggieraラッジェッラ仕立てと呼ばれる棚仕立ては、樹の中心や合間から日光が地表に当たるため、果実自体の生育が良いのはもちろん、地表でも他の野菜の栽培ができる伝統的な手法です。
一般的に棚仕立てというと、新梢も多く結実も多い、、結果、収穫量が非常に多い印象がありますが、樹齢50年以上、中には100年を越える樹も少なくない彼らの畑では、棚仕立てとは思えないほどの収穫量の少なさ。畑によって多少違いはありますが1haあたり3t~と聞けば、その少なさには驚いていただけると思います。「根より離れた位置で結実するこの仕立て、常識的に考えてもグイヨーのような低い仕立てに比べ、土地のエネルギーが果実に届きにくい。さらに土地に溜まった日照、熱が果実に伝わらずブドウの熟度が上がりにくいって言われてきた。でもこの10年~15年で平均気温も上がり、むしろ長い時間をかけて果実が熟成させることが出来るようになった。」そう話すフォルトゥナート。例年猛暑が続いていても、収穫は10月下旬~11月まで続くことも少なくないといいます、、。
個性的な土壌、伝統に倣った仕立てだけでなく、このトラモンティの独自性には、オリジナルのブドウ品種についても知っていただく必要があります。黒ブドウであるティントーレ、ギリシャ時代より残ると言われているブドウでソレント半島、このトラモンティ近郊に飲み残っていると言われるブドウ。他にも白ブドウであるペペッラなど、3方を海で囲まれ、残り1方もヴェスヴィオ火山由来の強い火山性土壌(軽石、砕石、砂を強く含む)によって、フィロキセラの被害を免れた特殊な土壌環境を持っています。実際に、モンテディグラツィアの持つ高樹齢の畑においては、そのほとんどがピエディフランコ(自根)の状態で残っています。結実が悪く収穫量が基本的に少ない、そして成熟の遅いティントーレやペペッラ。他にはない独自の個性を持ったブドウと、樹齢100年を越える古いブドウ畑を守ってきた父、アルフォンソの意志を受け継ぎ、その個性的なブドウ品種の特徴を表現するための醸造を考え始めたフォルトゥナート。
2010年頃より、醸造において培養酵母の添加や、醗酵中の温度コントロールを段階的に行わなくなったアルフォンソ。しかし、専門的な知識や経験値の無さから、どこか確証がなかったと漏らすアルフォンソ。しかし農学を学んできたフォルトゥナ―トが加わったことで、畑での作業の質、土壌環境の改善だけでなく、醸造においても明確な意思を持つようになった直感しました。フォルトゥナート曰く「ティントーレは非常にマイナーで個性的でありながら、まだその本質を伝えるようなワイン造りが行えていなかった。晩熟であるこの果実が、その本来の姿を見せるためには、圧倒的に【時間】が足りなかった」。
父であるアルフォンソを心から尊敬し、父が守ってきたものをより磨き上げ、形を大幅に変えるのではなく昇華させるかのようなフォルトゥナ―トのワインへのフィロソフィ。ティントーレの可能性と性質を読み解き、ワイン造りには時間が必要と結論付けた彼。今まで以上に時間を費やしたワイン造り。そして、新しい世代ならではの価値観やアイデアによって生まれた新しいキュヴェ。改めてもう一度、この小さなワイナリー「モンテ ディ グラツィア」について知っていただきたい。土地やブドウの個性は言葉で語るものではない、その味わいにこそ、感じるべきもの。その核心がある魅力あふれるワイン、そして造り手です。
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2014 Rosso I.G.T.Campania
ロッソ I.G.T.カンパーニャ
【あの美しい絶壁の入江のすぐ傍で生まれるアマルフィ最高のロッソ!・・アマルフィにしかないティントーレ種を主体に、酸と果実のバランスが取れた大きな味わいです!】
アマルフィ...憧れますよね。結構に日本人は訪れているんじゃないかと思います。お客様の中には、
「アマルフィ?・・あ、行ったこと有ります。ワインより・・レモンかな?」
みたいな・・(^^;;
あのアマルフィの段々畑で造られる大きなレモンでリモンチェッロ..良いですね~・・キンキンに凍らせる位にして飲むと痺れます。ただしエライ酔っ払いますが・・。
それに加えるとしたらアンチョビかコラトゥーラ(魚醤)でしょうか。海と山の恵みで楽しめちゃうわけですね。でも実際に住むとなったら・・まぁ、若いうちは「鍛える!」で済んで頑張れるでしょうが、noisy のように長く生きてしまうと・・
「もう・・無理・・」
と言いだすことになるかもしれません。
このアマルフィの海岸から北に7キロほど行ったところにあるモンテ・ディ・グラツィアですが、その名の通り・・
「モンテ(山)」
ですから・・急こう配で火山性土壌の超痩せた土地柄です。
このロッソ・カンパーニャを飲んでも・・そんなニュアンスが感じられます・・なんか、近くに草津温泉が有りそうな・・(^^;; いや、あの硫黄のニュアンスは全く無いですよ。なんかこう・・黄色の強い色彩をイメージ出来そうな味わいがするんですよね。・・あ、関係有りませんが草津温泉、あんなに硫黄が匂うと山の奥底に金脈でも走ってそうな気がするのは noisy だけでしょうか。
2014年ものです。現行も長く熟成させているようです。非常に味わい深く複雑な印象を受けるワインです。
このアマルフィ辺りにしかない地場品種「ティントーレ」を90%に、ナポリ辺りでは多く生産されるピエディロッソを10%使用しています。
おそらくティントーレは果皮が分厚く、濃厚な色彩になるんじゃないかな・・と思います。ピエディロッソは淡いですから、バランスがとりやすくなるはずです。
収穫から10年も経過しているワインですが、ま~・・まだまだ若さが漲っています。そして非常に複雑性が高いしミネラリティも半端無い・・です。石英的なミネラリティを多分に含み、輝きを感じながらのアロマに、チェリーやラズベリー的な小果実を感じます。
酸の出方がですね・・一般的なイタリアワインと少し異なると思いますよ。イタリアは緯度が低く、自動的にマロラックティックが起こってフレッシュな酸を柔らかく滑らかになっているのが普通(一部を除き)です。しかし、そのマロが行われていない・・と言うよりは、中程度だけしかされていないようなイメージで、少し鋭角さの残った酸味が含まれるんですね。
ですから、滑らかになり切れない部分が、むしろリアルな果実を連想させてくれる感じなんですね。
スパイスの多彩な集合感にほんのりとワイルドさが香り、少し鋭角に入って来る酸とマロや熟成で滑らかになった酸が混然一体となった感覚がこのアマルフィ近郊のロッソの特徴でしょう。そもそもカンパーニャのワインは「乾いた」ニュアンスを結構に感じる場合が多いように思います。
それを踏まえて、その全体のバランスが優れ、ある種の酸の特色こそがこのワインの特徴だと思います。非常に優れていると感じました。
あ、そうそう・・このティントーレの樹の畝に植えたトマトが滅茶苦茶、評価が高いんですが、今回同時にご案内しています。トマトも濃厚で酸の味わいが豊かなんですが、
「まさにあのポモドーロ(トマト)缶の酸のニュアンスもこのロッソに近い!」 と思ってしまいました。
多くのメディアから評価が出ている訳ではありませんが、この2014年ものにはセラー・トラッカーが91ポイント、2015年ものにワイン&スピリッツ・マガジンが90ポイントと中々の評価を出しています。ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!
レ・コステ・ディ・ジャン・マルコ・アントヌッツィ
レ・コステ・ディ・ジャン・マルコ・アントヌッツィ
イタリア le Coste di Jean Marco Antonuzi ラッツィオ
● とんでもないワインです。誰も知らない?品種で、唖然とさせるようなアロマを振りまく美しいワインを造ってしまいました。ブルゴーニュのアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールで修行したジャン・マルコ・アントヌツィがラツィオの荒地で造っています。珠玉の味わいは、ある意味イタリアを感じさせず・・・国境の無意味ささえ感じさせてくれます。
2004年、ジャンマルコ・アントヌツィはラツィオ北部のボルセーナ湖半にてブドウ樹の栽培、ワイン醸造を開始。彼の考え方は非常にシンプル、かつ合理的。自分の造りたいワイン、そこに到達するために何が必要なのか?多くの素晴らしい造り手のもとで働き、知識・経験を、、、。祖父の持っていたグラードリのぶどう畑を起点にLe Costeの畑を、、、。フランコ・ピエーデ(台木を使わずに自根にて)から薬品など一切を排除した栽培を、、、。知識や技術に傾倒しない、感性に任せた醸造(本人は認めませんが)を、、、。知識・経験・畑・栽培・醸造、そしてそこに「どんなものを造りたいか?」という彼の考える「到達点」。そしてそこに辿り着くために必要な手段。結果、いつも挑戦につながる、いわば全く妥協のない彼の信念。だからこそ毎回楽しませてくれる、常に想像の2~3歩先をゆく造り手。
ジャンマルコ・アントヌーツィ、彼ほど合理的、かつ感性的な造り手に出会ったことはあっただろうか。ヴァレンティーニやジュラール・シュレール、愛する造り手のワインを飲むうちに、自らワインを造りの道を選んだジャンマルコ。フランスをはじめとした多くのワイナリーでの経験、そして祖父より受け継いだグラードリでのブドウ栽培、それぞれ全くの無関係のようですべては彼の計画した通り。そう感じさせてくれる説得力を持っている。そして、それだけでは終わらない彼のエネルギーは、畑での挑戦はもちろん 醸造においてもただならぬものがある。
そんな彼はいつも想像の斜め上を進み続ける彼のワイン。そこには造り手だけでない、飲み手へのたくさんのメッセージが散りばめられている。グラードリの土地はラツィオ北部、ヴィテルボ近郊カルデラ型の湖ラーゴ・ディ・ボルセーナのほとりにある。このあたりの土壌は火山礫、凝灰岩、細かい顆 粒状の石が積み重なり形成されている。砂質、火山性の堆積物、特に鉄分が 多く、石灰質と共にブドウに特徴的なミネラルを与えている。標高も高く、350~ 450mという斜面、祖父の畑や周囲の小さな放棄地を寄せ集めた3ha(樹齢が 非常に高い)と、2004 年に彼が手に入れた3ha の土地「Le Coste」。2006 年より収穫・醸造を開始。
2012ヴィンテージより、大きく変貌を遂げた Bianco。これまでは区画の違い を感じることなく、1 種のワインとしてボトル詰めしていたものの、見事な収穫を迎え、醸造過程にて起きた樽ごとの違いをはっきりと感じたジャンマルコ。醗酵がやや早い段階でストップした結果、若干の甘味と酸、なんとも心地よい口当たり の良さを持つ L'abboccatello。果皮の印象が少なく、より本来のビアンコらしい飲み心地を持つ Bianchetto。
そしてこれまでのビアンコとは圧倒的に違う迫力と安定感、明らかな成長を感じる Bianco。3種類のビアンコをリリース。そしてさらには Bianco2011 の中で、最も可能性のある(言い換えればまだボトル詰めしたくない)1つをボトル詰めすることなく計24か月樽内にて熟成し、一年遅れでボトル詰めしたという Bianco R。そしてこれまでは Paino に混ざっていた樹齢60年を越える高樹齢のプロカニコのみを、ごく短いマセレーションを行い木樽にて醗酵・熟成したという Le Vigne piu Vecchie。Le Coste とは比べがたい、全く別の雰囲気、それでいてやはり年月の醸し出す迫力、醸造という部分ではややおとなしい分、現段階での完成度に驚かされる。
赤においても飲み心地を優先、2週間のマセレーションによる醗酵、圧倒的な滑らかさを持った Rosso、ビアンコ同様、1年長い樽熟成をさせた Rosso R。見事ともいえる収穫を迎えた 2012 とは対照的に冷涼な雰囲気を持った2013年の 白は Bianchetto. Bianco の二つ。果皮の剛健さよりも果実的な香りや酸の印象が 強い「バランスと繊細さを持ったヴィンテージ」、ビアンケットはより飲み心地の良さ とスムーズさ、ビアンコについても前年より繊細さを感じるワインとなっている。
そして結果的に Rosato は今回より果皮との接触を行わずに果樹のみでの醗酵に挑 戦。これまでをはるかに超える手ごたえを感じたというジャンマルコ。そして時折リリ ースされる Rosso di Gaetano、以前からジャンマルコが栽培を手伝いブドウを分けてもらっていた近所のガエターノ爺。彼の畑で素 晴らしい収穫を迎えられたこと&ガエターノの生計を助けることにもつながることから、醸造&ボトル詰めされる。それぞれのワインの種類に、生産量がまったく追いついてない。そんなことは百も承知、一切動じることなく突き進む自由奔放、傍若無人、それこそが彼、ジャンマルコ・アントヌーツィである。
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N.V.(2022) Bianchetto V.d.T.
ビアンケット V.d.T.
【激旨です!・・マンゴー、オレンジにほんのりメロンとフレッシュヨーグルト、トッピングはイチジク?・・これ、スイスイ飲めて飲み心地も最高で滅茶軽い酔い!】
これ、滅茶美味しいです!・・なかなかこのレベルに仕上がる「オレンジワイン?」は無いんじゃないかと思います。
色彩はかなりマンゴーに近いかな?・・熟して、でも甘くは無いマンゴー的フルーツに穏やかな酸味のオレンジが同等の割合い、メロンなノーズにフレッシュなヨーグルトが2対3ほど、そこに少々赤みのあるおだやかなフルーツの味わいのトッピング・・そんなイメージです。
酸は充実していて果実感を補強、中域もそこそこに膨らみが有りつつ締まり、ナチュラルなジューシーさを感じさせる余韻がたなびきます。
揮発酸はほぼ無く、とてもピュアです。何度もこのビアンケットはテイスティングしていますが、
「おそらく過去一、美味しい!」
ですし、
「なかなかこのレベルまで仕上げたオレンジワインには出会うのは難しい」
と感じさせてくれました。
以前はラシーヌさんが入れていたんですね・・あるテレビ番組のバックに数本、レ・コステのボトルが映っていて、
「お~・・レ・コステもここまで拡がっているのか・・」
と嬉しく思ったものです。
ですが・・気付くとオファーが来なくなったものの・・それでも他店さまには出ていたようで、入荷がよほど少ないかと思っていたところ・・なんだか干されていたのかなと。
しばらくは様子を見ていたんですが、まったくオファーも無く、リストにも出て来ないので、エヴィーノさんが輸入しているのを思い出して少しずつ・・みたいな感じの取り扱いです。
2022年のレ・コステは相当良さそうです・・今のところこのビアンケットとロッソのガエターノだけですが、
「So2を基本的に使用せず、しかしポテンシャルを侵食する揮発酸の生成は極端に少ない!」
と言う、理想的な仕上がりのビオ系、しっかりナチュールワインです。ぜひ飲んでみてください。超旨い!激推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【マセラシオンしたビオの白!思いっきりナチュラルですが、危険なニュアンスはゼロ!美味しいと思います!】 こう言うのは、ブルゴーニュ・シャルドネ至上主義、それ以外は無理・・の方にはお勧めはしませんが、ここまでナチュラルなのに揮発酸系の危険なニュアンスが無く、思いっきりナチュラルなのは・・
「絶対に有り!」
だと認識しています。
事実、身体はとても楽ですし、何より「マリアージュ」が良い・・。何にでも合わせられるだけじゃなくて、職との相互効果が必ず良い方に向かうんですよ。マセラシオンをしない普通の造りの白でSo2の多いワインだと中々このようには行かないかな・・と思います。
非常にドライで滑らかです。濃密そうな色合いでしょ?・・これで全く甘さを感じません。少し濁って見えるのは、フィルターしていないのと、ハンドキャリーで持ち帰ってすぐ抜栓しているから・・なんですね。
久しぶりになってしまったレ・コステですが、一時は
「・・えっ?・・どうしよう・・?」
と頭を抱えるほど高くなってしまったんです。
ですが少し落ち着いてきました。なので、何とかご理解いただけるように、頑張ったプライスもつけています。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のヴィンテージのレ・コステから引用しています。
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【これは旨い!】 レ・コステの中級~上級クラスの白です。こちらはブロカニコ100%のようです。
これ・・・かなり旨いです!一体感バッチリ!酢酸系の香りは無し!全くのピュアな・・地場品種独特の存在感を持った、すこしオレンジ色をした白です!
左の写真の色をご覧ください。美しく濁った?、とても存在感の有る・・・中心と端に深みを持っている情景です。
おそらく、ビノ・グリのような色合いをしている品種なのかもしれませんが、ピノ・グリージョよりは温かい色合いです。
実に純粋で焦点がど真ん中に有り、優しく、酸もソフトなタッチですがタップリ・・・パレットをまん丸に描いてくれます。余韻ぬ向かう情景も実に美しい減衰で、飲むのが楽しくなってしまうワインです。
このビアンケット、おそらく1週間~10日で、ドロドロになるんじゃないかと思いますが、5日ほど経過していますが現在まだ成っていません。
しかも酢酸の形成も全く見られず、味わいは最初の頃より、少しバランスを欠いています。
やっぱり10日かな・・・So2はほぼ入っていないと思われますが、醸造の段階で少し生成されたかもしれませんね。
これがドロドロになって、独特の旨みを持つかどうか・・・現在試験中です。ま、もっとも・・良い子の皆さんはそんなことをせず、抜栓2日ほどでお飲みいただければ、目茶んこ美味しいピュアな白ワインのという印象のみで・・・終われると思います。
レ・コステの白・・目茶美味しいです!是非是非トライしてみてください!超お奨めです!(・・・もしドロドロな白を飲んでみたい方は、少し残して10日ほど置いてあげてください。すぐに酢にはならないと思います。)
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N.V.(2022) Rosso di Gaetano V.d.T.
ロッソ・ディ・ガエターノ V.d.T.
【どうやらガエターノ爺のこの畑をジャン・マルコが入手したらしいんですが、この秀逸さはそれも理由?・・濃密ですがスルっと入って飲み心地バッチリな、過去一番の出来を思わせます!】
濃密です!・・ドライです・・甘く無い・・でも酸バランスで旨味はしっかりあるので非常に飲みやすく、暑苦しく無いんですね。しっとりとしていて冷ややかさが有り、しなやかで・・とても高質!と感じていただけるでしょう。
この下の以前のレヴューの写真はN.V.2018年ですが、
「濃密さは倍ほど!?」
と思えるような充実さを感じさせます。
エージェントさんに聞いてみますと、このロッソ・ディ・ガエターノはガエターノさんから畑を借りて造っていたようですが、結局、ジャン・マルコが購入したようです。
以前のヴィンテージに感じられたような、ちょっとした遠慮?・・配慮?・・みたいなものが無く、
「ド直球のナチュールなロッソ」
を仕上げていると感じます。
それは・・もちろん、2022年という良いヴィンテージの背景も有ると思いますが、揮発酸の生成はほぼ無く、結果美しい黒葡萄の表情をそのままに生んでいます。
まぁ・・借りている畑ですと、何かとね・・遠慮も出て来てしまいますから・・だって、生産量だけ考えても、多い方がお渡しできる賃借代、もしくは現物の量も増える訳ですし、自前の畑なら様々なトライはしやすいでしょうが、借りた畑ですとね・・そう、住むところが賃貸か自宅か・・とほぼ同じでしょう。
非常にドライでチェリーの濃密でドライな果実にしっとり穏やかなスパイス、中域は厚くふっくら、酸のレベルは低く無いと言う・・ちょっと余り無いタイプです。暖かく濃密な果実味で酸は弱め・・と言うのは結構に有りますが、
「冷涼で伸びやか、酸はちゃんとしっかり」
有るので、非常にバランスが良いんですね。
アルコール分も13.5%と理想的な仕上がりで、勿論、揮発酸のニュアンスは感じられず、結果、欠損は無い訳です。
厚い果皮のジュースを感じつつ、時間での変化を感じつつ・・この暑い夏でもまったくダルさを感じさせない飲み口で、しかも、
「So2 の存在すらもほぼ感じない」
と言う酔い心地をお楽しみいただけます。
おそらく「過去一」です。最高の仕上がりになった、リーズナブルなレ・コステのロッソ・ディ・ガエターノ!・・飲んでみてください。素晴らしい出来です!
以下は以前のレヴューです。
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【以前のガエターノ(ラシーヌさん扱い)とは相当に異なってます。どこまでも自由に、気軽に「飲み心地」を追求した赤です!】 もしかしたら結構、まともに見えるかもしれませんね。でもnoisy の目には「揮発酸」が見えます。まぁ・・エッジの辺りですね。多くは有りませんが、やはり・・
「ピュアなブルゴーニュ・ルージュが基本の方」
には、思いっきり向きませんので決してチョイスしないでくださいね。やはりビオワインファンの方々や、新しい世界を開拓したい方向けです。どうぞよろしくお願いいたします。
隣人のガエターノさんの葡萄で仕込んだ、「飲み心地最優先」のほんのり軽めの赤です。もしかしたら「濃く見える」かもしれませんが味わいはひどく濃くは無く、むしろ軽快です。
ピュアと言うのは憚られますが、とてもナチュラルでしなやかです。揮発酸はある程度あるものの、余韻の最後までサワーな味わいでかき消してしまうようでは有りませんで、むしろ途中で気にならなくなっていると思います。
言ってみれば、酸はちゃんと有りますので「単に軽いだけ」でも有りません。構成的には、結果的にちゃんとなっている感じに取れます。
こちらも「ピッズィカンテ・ビアンコ」に通じるような「飲みやすさ」や「飲み心地の良い」飲み口で、適度な中域の膨らみと、黒い果皮の厚み由来の果皮味を味わえるロッソですね。果実感も普通に有り、ドライですがジューシーだとも思います。
不思議ですよね・・あ、このロッソには余り「豆」は感じないと思います。気楽に開けて楽しむ・・でも翌々感じてみると結構に美味しいことに気付く・・そんな感じかと思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【正にナチュラルな醸造!ナチュラルな味わい!このコラムのアイテムはブルゴーニュファンにもお奨めです!!】 レ・コステのワインは実はとても幅広く、様々な面を持つ複雑な構成なので、ちゃんとご紹介しないと勘違いされるかな~と思ってます。
で、レ・コステが造るロッソに限っては、
「マンモス・ピュア」で、味筋はブルゴーニュワインの延長上にあると言って良いと思います。是非ともブルゴーニュワインファンの方は、この3アイテムから、ものの見事に美しい、ナチュラル&ピュアなレ・コステを飲んでみて下さい。
「ロッソ・ディ・ガエターノ」はサンジョヴェーゼ、グレゲット、モンテプルチアーノ、メルロ、カベルネと言う複数品種をセパージュした、こちらも純粋無垢路線一直線です。
普通のロッソはグレゲットですが、こちらはブレンドで、価格も実にリーズナブル!赤い果実が実にピュアです。
レ・コステの赤の上級、下級の別は、葡萄の出来で決まると言っても過言ではないと思います。出来が良いと凝縮していて健康だから、
「So2を少なく出来る」
訳ですね。
ロッソ・ガエターノは下から2番目ですから、そう言う意味では、そこまでSo2は少なくは無い・・しかし、元々ナチュラル&ピュアなレ・コステ赤ですから、1クラス上の「ロッソ」との違いは・・
「僅かな凝縮感の違い、滑らかさ・・So2の量」
と言えるかもしれません。これも一推し!是非ご検討下さい!
ヴァイングート・ツィアアイゼン
ヴァイングート・ツィアアイゼン
ドイツ Weingut Ziereisen バーデン
[ oisy wrote ] ● ドイツはバーデンに居を構える「ツィアアイゼン」をご紹介させていただきます。oisy(オイジー)から初めて紹介させていただくワイナリーになります。どうぞよろしくお願いいたします。
バーデンといえば弊店でも、「ヴァーゼンハウス」や「ゲブリューダー・マティス」など取り扱いが増えてきている注目の地域です。
oisyも10年ぶりにワインに深く携わるようになって、既に半年以上テイスティングしてきました。弊店の場合はブルゴーニュワインが多いので、テイスティングしていると
「おいしくなってる!」
と驚きの毎日です。
どの造り手も日々研鑽を積んでこられたのだと思います。この10年でSNSも発達し、情報がより行き交いやすくなった部分も影響しているのかもしれません。しかし、最も影響が大きいのは
「温暖化」
による影響なのでは?と思ったりもしています。全体的にワインの表現力が上がっているように感じるからです。ワインが持つパワーが強くなったような気がします。
果実の熟度が上がり、より成熟しやすくなったブドウが多くなったのだとしたら・・・そのような印象を抱く理由にも合点がいくような気がします。一方で、
「冷涼感」
は減少傾向にない・・?と実はうっすら感じています。まだそこまで如実に感じている訳ではありませんが、温暖化が進めば、それはもう防ぎようが無いことなのかもしれません。
なぜそのように思ったのか?ずばり言いますと、
「ツィアアイゼンのワインを飲んだから」
なんです。彼らのワインを飲んだ時、
「oisy が10年前に好きだったブルゴーニュワインのニュアンス」
を感じました。現在、浦島太郎状態の oiosy だからこそ、よりそう感じるかもしれません。特に、彼らのピノノワールを飲んだ時の「これだ!」感はなかなか脳裏から離れてくれません。
実はツィアアイゼンの位置するエフリンゲン・キエヒェン村は、バーデンでも唯一
「ブルゴーニュと同じジュラ紀の石灰質土壌」
らしいです。そして、
「降水量も平均気温もブルゴーニュと同程度」
という立地条件なんです。さらにさらに、
「周囲が石灰岩の石切り場で囲まれている」
というのです。興味が湧いてきていただけたでしょうか?
そんな彼らのワインですが、カテゴリーはすべて「Landwein(ラントヴァイン)」というフランスでいうヴァン・ド・ペイ(現在のI.G.P.)に相当するカテゴリーでリリースされます。というのも元来ドイツでは甘口ワインを主とした格付けとなっているため、辛口の生産者にとっては既存の枠組みの中で良いワインを作ることは難しいという側面があるようです。
このような事情からラントヴァインとしてリリースするドイツの辛口の生産者は増えているようで、ツィアアイゼンはその中でもリーダー的存在として「Landwein Market」というイベントを主催しており、そこにはあのヴァーゼンハウスも参加しています。
oisy はヴァーゼンハウスはまだ比較できるほど飲み込んでいないので言及は避けますが、先日の新着でご紹介のあったゲブリューダー・マティスは上から下まで一通りテイスティングできました。飲まれた方も多いと思われますが、ありえないコスパの素晴らしいワインですよね。特に上級キュヴェ・・・感動しました。
そんなマティスと比較すると、ツィアアイゼンの方がより冷涼感があり、繊細であるように感じます。そしてマティスはどのキュヴェ飲んでも、既においしいですが、ツィアアイゼンの方が若干硬めで、特に上級キュヴェは少し時間がかかる印象です。もちろん造りも違うのでしょうが、バーデンの中でも結構テロワールに違いがあるように感じます。(ヴィンテージ差もあるかもしれません)
oisy が今一番気になる産地、バーデンから注目の生産者のご紹介です。コラムもなんとか書ききりましたので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
■エージェント情報
「目指すワインはブルゴーニュではない。この土地だからできるブドウ、それを表現するワイン。私は自分のスタイルを追い求めたい。」
ツィアアイゼンが位置するのはドイツ最南端のワイン産地バーデンの中でも最も南の小さなエフリンゲン・キエヒェン村。周囲には絶壁の石灰岩の石切り場が広がっている。畑の多くはエフリンゲンのエールベルクにある。南向きの斜面で標高は約500m。日中は陽当りがよく温かいが、夜にはシュヴァルツヴァルト(黒い森)からの冷たい風が吹き気温を下げる。そのためブドウは酸を保ったままゆっくりと成熟する。この地はバーデンでも唯一のブルゴーニュと同じジュラ紀の石灰質土壌であり、さらに年間降水量、年間平均気温もブルゴーニュと同程度である。そのため古くからシュペートブルグンダー(ピノ·ノワール)が栽培されてきた。当主のハンスペーターもプルゴーニュワインを好み、自らのワイン造りの参考にしている。しかし、「ブルゴーニュワインは好きだがそのスタイルを目指しているわけではない。この土地だからできるプドウ、それを表現するワイン。私は私のスタイルを追い求めたい。」と語る。
現在ドイツではバーデンを中心にフランスではヴァン·ド·ペイに相当するLandwein(ラントヴァイン)を付ける生産者が増えている。規定にとらわれなず、あえて低いカテゴリーでワインをリリースする生産者がいる。この流れの大きなきっかけはツィアアイゼンだろう。2004年、ツィアアイゼンが手掛けるワインに対して「品質は問題ないが典型的なバーデンのワインとして認められない」と審査委員会から「バーデン」をラベルに表記することが認められなかった。自然発酵の風味があるもの、ろ過をせず酵母の濁りがあるものなどは典型的でないとして検査で弾かれてしまう。そのためツィアアイゼンでは2006年からはドイツワインの中では低い格付けのラントヴァインとしてリリースしている。
「畑では健全で素晴らしいプドウが収穫できるよう手を尽くす。そして私たちはブドウの個性を活かすため例外なく野生酵母を使用し、セラーではほとんど手を加えない。プドウを表現するんだ。それが私たちのスタイルで、私たちはそれを追及する。審査委員会の求める画一的なワインは造りたくない。」その考えは他の生産者にも大きな影響を及ぼし、積極的にラントヴァインを名乗る生産者が増えている。
ツィアアイゼンの主導でヴァーゼンハウスやフォルグリムラーなどラントヴァインを名乗る生産者に呼びかけ、その品質の高さを見せるべく「Landweinmarkt」を主催しており、大きな潮流となっている。
ハンスペーターとエーデルトラウト夫妻を見ていると職人気質という言葉が気難しいという意味を包含することに疑問を感じる。彼らはとにかく明るく、人を惹きつける。私がワイナリーを訪問している間にも何人もの近所の人が顔を出し、彼らの作る野菜やワインを買っていった。電話も鳴りなまない。またフランス、スイスとの国境に近いため近所の住人だけでなく国外からも多くの人がツィアアイゼンのワインを買いに訪れる。
「今回は彼の赤ワインを買いに来たんだ。いつもすぐに売り切れちゃうからね。本当にラッキーだったよ。」
スイス方言のドイツ語は聞き取りに苦労したが、彼の喜びは十二分に伝わってきた。
この地域には15世紀から行われている「Stubete」というイベントがある。ワインメーカーが友人や近所の人々を招いてみんなでワインを飲みながら語り合うというものだ。私も招待してもらったので喜んで参加した。他にもインボーターやソムリエ、評論家などワインを生業とする人が集まるものと予想していたが、集まっていたのはほとんど近所の住人や古くからの友人だった。バックヴィンテージのワイン15本。1本ずつハンスペーターがみんなに注ぎ、議論をしながら飲む。ワインが繋げる友人関係を実感した。
●
2021 Spatburgunder Rhini Landwein Oberrhein
シュペートブルグンダー・リーニ・ラントヴァイン・オーバーライン
【しみじみ美味しい!積層エキス感のあるピノ・ノワールのご紹介です】
ツィアアイゼンのピノノワールのスタイルを言葉で形容するとしたらどう表現したらいいだろうか・・・そんなことを考えていたら、oisy 的にしっくりくる表現を見つけました。
「しみじみ」系かな・・・と思うんです。
香りを嗅いでいきなり
「おー!こりゃすごい!!」
というよりは、
「ふむふむ・・・おー・・・なるほど・・・おっ・・・いいねぇ・・・!」
みたいに、段階的に良さを実感していく様は「しみじみ」かな・・・と。下のキュヴェのタールラインもそうですが、なんとも奥ゆかしいキャラクターなんですよね。
そしてこのリーニは、タールラインと比較するとだいぶ密度感が高いです。エキスが積層した故の密度感です。そのおかげか、液体に丸みが出てきているように思います。同時に柔らかさももたらしてくれているので、もしかしたらリーニの方が今飲んで美味しい、と感じるかもしれません。
透明感、ツヤ感のある「均一な赤」に、わずかに黒が入り、ルビー的な色合いです。木苺、野苺的な小さい赤い果実の香り。そこにわずかに、野のニュアンスが入ります。エレガンスも、タールラインと比べると表現が豊かになります。
やはり酸の質感が良いです。冷やかで緻密な酸。その小さな酸が織りなすエキスのこまやかさ。グレードが上がるごとに、酸の粒が細かくなる、そんな印象を受けます。もしかしたらこのあたりがエキスの積層感に繋がっている、のかもしれません。そして積層感の高まりから、エレガンスの中に「あまやかさ」が感じられるようになってきます。基本的にドライな味わいなんですが、奥からこっくり、顔を出すようなエキスのあまやかさがあります。
冷涼過ぎると、このニュアンスが出てこない印象を持つことが多い気がしますが、ツィアアイゼンのピノは冷やかながら感じられます。緯度と標高、そして味わいを鑑みるとこのニュアンスが出せる冷涼感のギリギリのラインがツィアアイゼンなのかもしれません。そしてこのニュアンスこそが、ブルゴーニュラヴァーがピノ・ノワールに求めるもののうちの一つではないか、と考えております。
ツヤ感、透明感のある石灰系ミネラルの充足感も高く、そしてこのミネラリティのバランスはやはりコート・ド・ニュイ的ではないかと感じます。2~3年寝かせてあげたらかなりエレガンスが出てくるんじゃないか、と期待を抱かせてくれます。
今飲んでもおいしさは味わえます。ですが、エレガンスの発露を待つのも楽しみなワインです。ぜひご検討ください。
イ・カンジャンティ
イ・カンジャンティ
イタリア I Cangianti
● 素晴らしい感性を持ったイタリア中部のビオ系生産者をご案内させていただきます。今、最も驚かされることが多いヴィヴィットさんの輸入です。
トスカーナとウンブリアに畑を持っていて、トスカーナは何と・・ヴィーノ・ノビレだそうです。そして既存の何にも縛られることなく、自由な発想と感性・・そして重要なキーワードは「家族」でしょうか。
何につけても若者は、時に昔を否定し行き過ぎてしまい、結局何をやっているのか判らない・・と、おそらく「親」またその年代の方にはそのように受け取られてしまうものです。そして親の世代は年寄り扱いされ、また自身の体力や精神力の衰えからやる気を無くしてしまい、自分の子にさえモノを言えない・・・なんてことが有るのかもしれません。
このストッピーニ兄弟は、自分たちが造るワインに家族を描いた肖像を使用しています。日本人なら・・たぶんやらないかな・・(^^;;
でも、年寄りはその経験と知恵を持っています。でも動けない・・。若者は体力は有る・・でも経験が無い・・。
彼らのワインを飲むと、いつまでも心地良い印象を持ったまま・・いられるんですね。しかも飲んだ後が本当に・・「普通でいられる」んです。深酔いするような感覚が全く無いんです。
イタリア中部のワインですが暑苦しく無く、冷ややかでアルコール分は高く無い・・疲れないんですね。
しかも、ワインの出来は見事です。エレガントでシミジミもしているが不足が無く、過ぎた部分を感じないんですね。
まぁ・・海外でも相当ウケているようですが・・日本人好みの味わいでも有る・・と言いますか、最近は何となく、
「海外の方の味覚が日本人に寄って来た?」
ような気がしてなりません。
素晴らしいワインです。ビオ系ですが、ビオビオはしていないです。しかもSo2 は相当少ないのにアヴァンギャルドさは非常に低い・・理想的なイタリア中部のビオワインです。飲んでみてください。超お勧めします!
■ 22 歳と20 歳の若者が立ち上げたワイナリー
どんな業界にも新しい世代が現れてきますが、ナチュラルワインの世界にも遂にミレニアル世代の次となるZ世代(1996 年以降に生まれた世代)の造り手が現れました。2019 年に当時22 歳と20 歳だったマッテオとルカのストッピーニ兄弟が、ウンブリアとトスカーナの境界に立ち上げたイ・カンジャンティです。二人は祖父母が造っていた古き良き自然なワインを現代に蘇らせたいと思い、家族の協力を得て、祖父母から受け継いだ伝統と教えを現代にアジャスト
させて、ナチュラルワイン造りを全くのゼロからスタートさせました。
■ ヴィノ・ノービレにも吹き始めたナチュールの新しい風
畑はヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの中心にあります。しかし、二人はDOCG ワインには全く興味がなく、全てテーブルワインのカテゴリーにしてナチュラルワインを造っています。このため、赤ブドウと白ブドウを混醸したキュヴェや、プリニョーロ・ジェンティーレ(サンジョヴェーゼ・グロッソ)のフリッツアンテなど、これまででは考えられない、とても自由なワイン造りをしています。家族一人一人のポートレートになっている斬新なエチケットも魅力的で、既にアメリカ、イギリス、デンマーク、オーストラリアに輸出されています。
■ ワイナリーについて
イ・カンジャンティは、ウンブリアとトスカーナの境界に誕生したユニークなワイナリーです。ワイナリーを運営するMatteo & Luca Stoppinin マッテオとルカのストッピーニ兄弟は、今年23 歳と22 歳。学校でブドウ栽培やワインについて学んだことはなく、別の分野の勉強をしていました。
しかし学業を修めた後、オフィスで働くよりも自然の中で自然と触れ合って働きたいと思い、家族と共に2019 年にワイナリー設立し、全くのゼロからスタートしました。二人は、イタリアで数多く行われるワインのイベントに参加してワインを味わってみたものの、気分が悪くなることが多く、それで、誰もが味わえるナチュラルワイン造ろうと思い立ったのだそうです。もともと二人は自然が大好きでした。子供の頃に彼らの祖父母が伝統的なアーティザナル(職人的)な方法で自然なワインを造っていて、多くのことを教えてもらったそうです。
(肖像・写真 母シルヴィア)
祖父母はペルージャ出身で、ウンブリアのブドウ畑で農薬を使わずに栽培したブドウをセメントタンクで醸造していました。アルコールは高くなく、飲みやすく、亜硫酸無添加で濾過もしていない、現在で言うヴァン・ド・ソワフでした。二人は、この祖父母が造っていた古き良き自然なワインを現代に蘇らせたいと思い、祖父母から受け継いだ伝統と教えを現代にアジャストさせてナチュラルワイン造りを始めたのです。ブドウ畑はトスカーナのヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノと、ウンブリアのコルチャーノにあります。
栽培面積は4.3ha で、全て借りている畑です。認証を受けていませんが栽培はビオロジックです。春先に畑の表土を耕耘し、ブドウの成⾧期には畝の間にカバークロップを自然に生やしています。
(肖像・写真 父アルフィオ)
■ トスカーナの畑では、プリニョーロ・ジェンティーレ(サンジョヴェーゼ・グロッソ)とカナイオーロ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョンを、ウンブリアの畑では、トレッビアーノとマルヴァジア、グレケットを栽培しています。トスカーナの畑は、ヴィノ・ノービレの中心にありますが、二人はDOCG ワインには全く興味がなく、全てテーブルワインのカテゴリーにしてナチュラルワインを造っています。
このため、赤ブドウと白ブドウを混醸したキュヴェや、プリニョーロ・ジェンティーレのフリッツアンテなど、一昔前であれば考えられないとても自由なワイン造りをしています。
イ・カンジャンティの醸造所は当初は自宅のあるペルージャにありましたが、2021 年にウンブリアの畑に近いコルチャーノに新しい醸造所を設立しました。醸造においては、亜硫酸や醸造添加物、化学製品を一切使用せずに、野生酵母で自発的に発酵を行い、無清澄、ノンフィルター、亜硫酸無添加で瓶詰めしています。
(肖像・写真 兄マッテオ)
Cangianti カンジャンティとは、『虹色』や『変化』を意味します。ナチュラルワインは、醸造や熟成過程、そして抜栓した後も、虹のように刻々と変化していきます。まるで小さな赤ちゃんの世話をするように見守らなければならないことから『カンジャンティ』と命名されました。各キュヴェのエチケットは、家族一人一人にインスピレーションを得て、Davide Fascia ダヴィデ・ファッシャというストリートアーティストが描いたもので、それぞれ家族一人一人のポートレートのイラストになっています。イ・カンジャンティのワインはアメリカ、イギリス、デンマーク、オーストラリアに輸出されています。
(肖像・写真 弟ルカ)
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2022 Confine Macerato Vino Bianco
コンフィーネ・マセラート・ヴィノ・ビアンコ
【アロマティックなフレーヴァーと中量級赤ワイン並みのボディを得た、マセラシオンの白ワインとしては相当にハイレベル!・・理想的な味わいでちょっとビックリ!】
前年の2021年ものも美味しかったので期待して臨んだテイスティングです。量的にマセラシオンをていない方のテイスティングを諦めたのも有りますので慎重にテイスティングさせていただきました。
マルヴァジーア・ディ・カンディアのアロマティックさがフレーヴァーに出ていて、比較的目立つアロマが乏しいトレッビアーノ・トスカーノの補助的に使用している・・そんな設計なのかなと思いますが、いや~・・20歳台と思われる若い二人がこれを造っているとは思えないほど、
「完成度が滅茶高い!」
と感じます。
この手の漬け込み系白ワインは、結構に・・
「・・失敗作?」
と思えるほどに果実の風味が乏しいものが多いです。平たく言ってしまうと・・
「つまんない・・」
と感じるワインが多いんですね。
おしとやかなトロピカルフルーツ、ほんのり柑橘、そして僅かにドライフルーツも感じられます。果実類の色彩も豊かです。もちろん、グリーンティもウーロン茶風なアロマも微細に有りますが、蜜っぽいフレーヴァーも混じり高質さを感じます。
タンニン分もしっとりとして存在し、中域のボディとして感じられます。白ワインとしてのボディの無さ・・まぁ、通常はそれで良い訳ですが、白ワインで有りながら赤ワイン同様の成分を感じさせてくれるワインです。
色彩も昨年の2021年ものにも増して照りのあるゴールドです。ちょっとオレンジワイン風の色彩にも見えますが、
「そっちじゃない」
感じのニュアンスですね。
大御所と言われるもっと北のマセラシオン系白ワインよりもほぼほぼ高質かなと思えるレベルで、このタイプとしては理想的なんじゃないかと思います。素晴らしい出来でした!
価格もそのような大御所様のものに比較しますと・・
「とんでもなく安い!」
でしょう?・・ほぼ1/3ほど・・もっとかな?・・なので、
「リーズナブルで高質!・・赤ワインのボディを持った白ワイン!」
ですから、マリアージュには苦労しません。ぜひ合わせてみてください・・これからの白ワインはこっちの方へ向かうのでしょうか?・・少なくとも自然派系が目指している道であることは間違いなさそうです。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【破砕後に野生酵母のみで5カ月マセラシオンしてタンニンと深みを生んだ白ワイン!繊細なビター感と膨らみ・・品温の変化で味わいも大きく変わります!】 どうでしょう・・マセラシオンしていないノーマルの方と比較すると、僅かに色が濃いでしょうか。黄色味が濃い感じがします。
アロマは、ノーマルの抜栓直後のモタモタが無く、いきなりOKな感覚で飲み始められます。繊細なアロマです。しかも瑞々しいですね。オレンジピール、柑橘、僅かに蜜のフレーヴァー。軽量で伸びの良いミネラリティ。
中域は飲み始めはノーマル同様にややスタイリッシュですが、ビター感が品温の上がりで膨らんでくると・・ちょっと様相が変わってきます。ボディ感が出てくるので中域はやや太めになって来ます。
余韻も当初はややビター感が有り、オレンジピールや柑橘類の果皮を連想させますが、徐々に膨らんで来ますので、ビター感が甘みの方向へ徐々に変わってきます。この辺は品温で結構違うかな・・と思います。
ちょっと脱線しますが・・結構に皆さん、低い温度で飲まれているんですよね。いや、お好きな様に飲んでいただいて結構なんですが、稀に・・
「ビールのように冷蔵庫で冷やして」
飲んでいらっしゃる方が・・。
まぁ・・良いんですけどね・・でも、それでは味も素っ気も香りも無いんじゃないかと心配してしまいます。
出来ることならこのマセラシオンしたタイプは、通常の白ワインより1~2度ほど高め・・もしくは高級シャルドネと同様の品温でお楽しみいただくと、より美味しくいただけるんじゃないかと思います。
まぁ・・ワイン系のサイトによっては、シャルドネは10~13度なんて書いてあったりしますが、10度は・・ちょっと厳し過ぎるかなと・・。リースリング系は6~8度とか・・。noisy にはその辺の感覚がちょっと判りません。安いリースリングならそれでも良いのかもしれませんが・・。
ですので、少なくとも12~13度以上が良いと思いますし、可能ならもっとずっと上・・です。12~13度で飲みたいなら、ノーマルタイプのこの「コンフィーネ」が良いと思います。マセラシオンタイプは・・その2~3度上が可能なら・・そうやって飲んでみてください。もしかしたら目から鱗かも・・。反対に酸っぱいと思ったらもう少し下げてください。
このコンフィーネは2種類有りますから、その違いを確かめるのに非常に良いアイテムです。
「マセラシオンするって・・良く言われるけど・・一体どういうこと?」
この部分の疑問が感覚で判るようになります。ご検討くださいませ。
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2022 Confine Vino Bianco
コンフィーネ・ヴィノ・ビアンコ
【感性豊かな深いアロマと味わいを持つ、非常に・・心地良い白ワイン。飲み心地最高!・・飲み終えた後も最高!・・決してウーロン茶味で終る白ワインでは有りません。】---以前のレヴューを掲載しています。
繊細なアロマと深い味わい・・です。開け立ては特徴的な少し籠った感じのアロマですが、すぐに膨らんで来て飛び、そこからは普通の白ワイン的なアロマに変化しますので大丈夫です。
それに、ビオ系白ワインに良くある「若干色落ちした色彩」ですが、何と言っても重要なのはこの「照り~輝き」ですね。そこが落ちていると・・果実のフレーヴァーはほぼ無く、お茶とかウーロン茶に終始してしまう・・と思います。
オレンジや柑橘、ほんのり蜜のニュアンス。非常に繊細です。ぶわ~っと力強くアピールしてくる感じでは無く、しっとり瑞々しく、軽やかなんだけれども低域からちゃんと押し上げてくる感じです。
中域は適度な膨らみを持ち、ほんの僅かなビター感と酸とのバランスが素晴らしく、食中心に非常に美味しく馴染んでくれます。余韻もハデな感覚では無く、繊細さを持ちながらも結構に長い感じで持続します。
この手の「色落ち系」は、ややもすると全く面白く無い・・落ち過ぎじゃん?・・みたいなものが非常に多くを占めていますが、こちらは若いフレーヴァーも持ちつつハデでは無い・・しっとりした美味しさを見せてくれます。
この辺はやはり感覚なんだと思うんですよね。このヴィンテージは若干なりともSo2 は使用したそうですが、飲んだ感じだと・・
「・・ほぼ使ってないんじゃない?」
と思えるほど、So2 を使用した時の平板さや硬さを見せません。なので、膨らみも自然、流れて行くような見事な味わいでした。
このワインには、マセラシオンした以外はほぼ同様に仕上げた同名のワインが有りますが、そちらは僅かにタンニンを含み、ボディ感もややファットになる以外はほぼ同じ感覚で飲めます。こちらも破砕後、3日間置いていますから、結構似た感じでは有ります。
なので、あえて言うならこちらのノン・マセラシオンタイプは魚介系に、マセラシオンタイプは軽めの肉系、中華系が良いかな・・と思います。非常に良く出来た・・「オレンジ?」・・いや、敢えてここは白ワインと言っておきましょう。
見た目以上にちゃんとしているビオワインです。飲んでみてください。お勧めします。
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2022 Murato Vino Rosso
ムラート・ヴィノ・ロッソ
【・・2021年もののグラス写真と・・まったく同様??・・なのに動揺しています・・(^^;; でも、この見事な軽快さが心地良い!残留So2濃度も滅茶少ないです!】
人間は結構に気分屋さんですから、
「ん~・・今日は赤ワインの気分じゃないんだよなぁ・・」
と言いながらも、
「・・でも今夜は焼肉だし・・」
と・・ちょっと前言撤回の気分になり、
「・・でもなぁ・・重い赤は体力的に厳しそうだし・・」
と、いつまでも悩みが消えないことって・・けっこうにありますよね。
まぁ・・noisy の場合はそんなことは言ってはいられませんから、カミさんから特別に、
「今夜はぎょうざ!」
とか、言われない限りは、今夜のテイスティングアイテムを変更するなんてことは有り得ないんですね・・言われてもそのまんまが普通ですが・・(T.T
なので、noisy は相当鍛えられて、まったく合わないマリアージュを沢山経験しています。
もっとも・・こうも言えます!
「20年前なら・・鼻が曲がるんじゃないかと思えるようなマリアージュだったものが、昨今の自然派ワインは、ドンピシャでマッチングしないまでも結構に行ける!」
んですね。
なので、牡蠣に赤ワインとか・・(^^;; 鯖みそにメルロとか・・お刺身とカベルネとか・・
そう・・要は白ワインは何とかなるんですよ・・でも赤の場合はちょっとね・・と今でも少々根に持って考えざるを得ないマリアージュにはなるかな・・でも自然派なら何とかなるかもしれない・・そんな感覚です。
上記のような場合でも、このライトな赤ワインは行けちゃいますよね。何しろ軽快です。そして、赤ワインの風味もたっぷり有りながら・・重くなり過ぎないニュアンスなんです。
で、昨年ものも旨かったんですが、2022年も相当行けてまして・・
「・・やっぱり、これは有りだよなぁ・・」
と思いつつ、このコラムを書き始めて昨年のグラス写真を見たら、
「・・あれ?・・マジ?」
と、どこかで取り違えたかと思えるようなそっくり写真でした。ある意味、
「まだ若いのに・・こんなこと、可能?」
と思ってしまった結果でした。美味しいです!ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【これは激旨ライト赤ワイン!・・ロゼ臭さの無い高級赤ワインが優しく包んでくれます!何とプルニョーロ・ジェンティーレ100%です!一応・・ロゼじゃなくて赤です!】 旨いです!・・しかも高貴さ、高級さも感じるロゼです!・・いや、赤ワインです(^^;;・・そりゃぁ・・そうです。ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノの主要品種であるプルニョーロ・ジェンティーレを100%使用してるんですから!
「・・はぁ?」
と思われるかもしれませんよね・・そもそもプルニョーロは黒葡萄ですから赤ワインですしね。
つまり、半分は白ワイン的に先に圧搾しジュースを取る・・つまり、ブラン・ド・ノワールです。
で残り半分は赤ワイン的に・・(除梗はします)醸造する・・これを別々にやって後でブレンドするスタイルのようです。
その結果として・・ロゼワイン的な独特の「臭さ」・・いや、臭さと言ってしまうとどうも・・ですが、
「・・あ・・ロゼっぽい香り」
みたいなのに出会ったことは無いでしょうか。ちょっとした違和感です。なんか・・白っぽいと言うか、どこか不均衡な感じと言いますか、争っているような感じ・・に近いかもしれません。それが・・
「そういうのが無い・・非常にニュートラルで自然で軽やかで心地良く、高貴ささえ感じられる」
それがこのロゼなんですね。
飲み口がまず・・非常に良いです。スイスイっと流れるように入って行き、まるで不自然な感覚が無いです。軽妙な感じのアロマは、高質なベリー、ほんのりチェリーです。ヴィノ・ノビレに有りがちな、
「ちょっとムレたような感じ」
「少し酸化したようなニュアンス」
は皆無です。非常にピュアなんですがナチュラル感に高貴さが入り込み、結構に高いところまで伸びて行きます。
中域は締まりも有りつつ適度な膨らみ・・どよんと膨らんでダレてしまう感じでは無く、軽やかなミネラリティが締まりを感じさせます。酸はさほど強いバランスでは無いものの丸いパレットを綺麗に描きますし、そこからのチェリーっぽい果実を感じさせる還ってくるノーズが心地良く、ほんのりプラムな余韻です。
これは美味しい!・・ロゼって結構にムズイと思っているんですが、これはヴィノ・ロッソだとしても・・ロゼとして傑作の部類に入るかな?・・と思っています。是非飲んでみてください。お勧めします!
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2022 Paggio Vino Rosso
パッジオ・ヴィノ・ロッソ
【なんだか・・どう説明したらよいのか難しいですが、ワイン自体は滅茶美味しい!中量級で重く無く、なんと・・エレガントでエキス系!!】
飲み心地最高の軽快な赤ワインです。通常イメージできるイタリア中部のワインのテクスチュアとは・・
「おそらくまったく違って感じられるはず!」
と思います。
プルニョーロ・ジェンティーレと言いますと、
「ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ&ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ」
が想起されると思います。ヴィノ・ノビレの場合はほとんどエキス系で甘く無いですので、滑らかなテクスチュアです。でもお隣のモンタルチーノやキャンティ・クラシコ辺りのサンジョヴェーゼ(サンジョヴェーゼ・グロッソ)になりますと、結構に滑らかとは言い難い・・まぁ、造り手さんやロケーション、テロワール、造り方にもよりますが、起伏が結構に有るテクスチュアかな・・もしくは若干甘みのあるタイプかと思われます。
ですが、このパッジオはさらに、
「グルナッシュも半分使用」
していまして、良く判らないですよね・・。フランスですとローヌで使用され、高級ワインになります。イタリアですと・・南部ではカンノナウと言われたり、スペイン風にガルナッチャと言われたり・・
で、この色彩です。もう・・多分、訳が分からないと思いますので、ここは品種は一応、置いておきましょう。
明るい赤が主体です。決して濃くは無い・・です。イメージは・・ブレンドでは有りますが、むしろブルゴーニュのピノ・ノワールが一番近いかも?・・などと思えるほどエレガントです。
そして酸は柔らかで・・でも、
「暑苦しくない!」
んですね・・どうしてもモンテプルチアーノとか、ローヌとか・・と言うイメージが先に来ますと、
「甘くて濃くてダレ気味の酸」
と言う感覚になるかもしれませんが、まったくと言って良いほど当て嵌まりません。
なので、
「緯度感もブルゴーニュ、フランシュ=コンテ辺りに置いて飲んだ方がイメージにマッチする」
と思います。
いや・・この若いお二人・・なかなか・・どころか、めっちゃ良いじゃないですか!・・こんなに・・
「エレガントで焦点がピッタリ有ったブレンドワインが造れるなんて」
ちょっと信じられません。ぜひ飲んでみてください。デイリーに毛の生えた価格ですが、相当旨いです!・・お薦めします!
ハギャル・マティアス
ハギャル・マティアス
オーストリア Hager Matthias カンプタール
● オーストリアのビオディナミの素晴らしい「ツヴァイゲルト」をご紹介させていただきます。はち切れんばかりの美しい酸を見せる元気ハツラツなツヴァイゲルト(赤)の白と、
「アイスヴァインのルヴァイゲルト・・だから赤!」
です!
しかもワイン・アンスージャストはこのアイスヴァインの赤に「96ポイント」も付けています・・(^^;;
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厳しい審査を勝ち抜いて「オーストリアワイン大使」に認定されたプロフェッショナル達をして、「日本に輸入されるのをずっと待ち望んでいた」と口々に言わしめた「ハギャル・マティアス」の作品が、いよいよお目見えします。
カンプタール北部のモランヅ村にて、記録が残っているだけでも250年程前からぶどう栽培を続けているというハギャル家。1970年代から自社ビン詰めを開始して好評を得てきましたが、2006年にワイナリーを継承した6代目マティアスがビオディナミを導入したことで、さらに遥かなる高みに到達することになりました。
「ハギャル・マティアス」は、国際的なビオディナミ実践団体「demeter」が認証を与えたカンプタール屈指のビオディナミ実践ワイナリーであり、当主マティアスは、カンプタールにとどまらずオーストリアを代表するビオディナミストとして不動の名声を獲得しています。
「モーツァルトやハプスブルグ家の遺産がオーストリア固有の文化であるように、歌舞伎や相撲が日本固有の文化であるように、私のワインは、オーストリアの、なかでもカンプタール固有の文化なのです。世界のいかなる他の産地のワインも、私のワインに似たものはありません。そしてそのようなワイン造りを可能にするのが、ビオディナミなのです」(マティアス・ハギャル)。
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2018 Eiswein Zweigelt Half Bottle
アイスヴァイン・ツヴァイゲルト・ハーフ・ボトル
【非常に珍しい赤のアイスワイン!・・自然な甘み・・甘ったるく無い美しい甘みと、さらっとしているのに深~いと感じさせるポテンシャル!・・素晴らしいです!】
ツヴァイゲルトによる超遅積み・・つまり、
「凍った葡萄を凍っている内に収穫して醸造に持ち込む」
ことで生まれる、自然が生んだ奇跡の甘美さを楽しむことが出来るワイン、それがアイスヴァインです。
1枚目の写真は収穫風景です。
「・・げげっ・・寒そう!」
と・・誰もが思っちゃいますよね。
ドイツやオーストリア、そしてカナダ辺りでは、このアイスワインが出来る・・年が有ります。毎年のように採れる場所も有りますが・・減っているんじゃないかと思いますよ。ただでさえ・・
「地球温暖化」
ですから・・。
このアイスワインは、ある意味・・奇跡のワインでして、こんな話しを聞いたことが有ります。ドイツの話しです。
「通常の葡萄を収穫する時期が過ぎても・・そのままにしておく」
「貴腐が付いた年はトロッケンベーレン・アウスレーゼにするので収穫する」
「貴腐が付かない年はそのままにして凍るのを待ってアイスヴァインにする」
そうです。
で、そこで疑問発生・・・
「凍るのを待っていても凍らならかったらどうするの?」
「・・ぐちゃぐちゃに腐るかカピカピに乾いて・・ジ・エンドさ・・」
葡萄を育てたことの有る方ならお判りになられるかと思います。もう・・葡萄の実の変化は・・
「あっと言う間!」
ですよね・・。
ぷっくりと・・まるまると膨らんだ小さな実・・その中にはもちろん種が有ります。しかし3日もその様子を見ないでいると、
「・・げげっ・・!」
気付けば虫食べられ、その虫はしっかり小さな房にしがみついて、一番熟した美味しいだろう・・上の方の実を食べつくしている・・とか、あれほどにぷっくりとしていたのに、
「・・これ・・実の水分がまったく無いじゃん・・」
と、干し葡萄のようになってしまった?・・まるでミイラのように・・。
さらには、
「・・どこを探しても房そのものが見当たらない!」
と言うことも有ったぐらいです・・まぁ・・それは、余りに暑くて外に出て作業する気にならず、2週間ほど目を放してしまった結果では有りますが・・。
ですから、腐らず、乾かずに残った葡萄がしっかり凍って・・凍ったままの葡萄が収穫できる!・・・と言うのは、奇跡だと思うんですね。
淡い杏のような色彩を持った色調です。甘やかなアロマが優しい感じのミネラリティを含んだ・・ちょっと甘みを感じる香りです。
口に含むとほんのりと甘い・・心地良い甘みです。
「甘~~~~い!!」
と言うような、ベタ付く様な甘みではありませんし、貴腐のような独特の貴腐香も在りません。むしろとても純粋な感じで、時間の経過で僅かに少しずつ酸化して行くのが理解できるような感覚です。
また、アパッシメント(陰干し)のような乾くことによるニュアンスはほぼ無く、優しい甘み、ぷっくらとした果実のニュアンスが心地良く、
「・・これは食中に飲んでも行けるんじゃない?」
と言うような感覚も有りました。
さらには同時にご案内させていただいているリーズナブルな白のツヴァイゲルトが有るんですが、
「このアイスヴァインを1に、白を5~9 位の好みのバランスでブレンドして、冷やして飲んでも旨いはず!」
と感じました!
「・・なんだよ・・それ、試して無いのかよ~・・」
と言われてしまいそうですが、
「ワイン・アンスージャスト96点の意味を探っている内に・・アイスヴァインを飲み切ってしまった!」
んですね~・・だって・・美味しいんだから・・仕方が無いじゃないですか・・。
また、夏の暑い日には、クラッシュした氷に注いで・・とか、勿体無いですが炭酸で割ってとか・・かき氷のシロップ代わりに・・なんて言うのも良いんじゃないでしょうか。
なんてったってハーフで安いし評価も高いので、
「好きなように楽しめる!」
と言うのも有るかと思います。
ぜひ挑戦してみてください。オーストリアの、「しつこくない・・流れるような美しい甘みの、赤のアイスヴァイン」です。お薦めします!
マヌエル・プルチーニ
マヌエル・プルチーニ
イタリア Manuel Pulcini トスカーナ
● ビオですが危険性の無い、非常にピュアなワインです。しかもちゃんと「ナチュラル」。そう来なきゃ・・いけないですよね。
トスカーナはルッカの、2017年に設立されたカンティーナですのでまだ新しいですが、
「飲んだら・・只者じゃないのは誰でも理解できるはず!」
です。こんな若者たちがどんどん増えていますから、とても楽しみですよね!
■ 古代の農村の価値を現代へと繋ぐ架け橋に
マヌエル・プルチーニはトスカーナのルッカ近郊にある耕作放棄されたブドウ畑を借りて2017 年に自身のワイナリーを設立しました。彼が目指したのは、古代の価値の発見、本
物の農業、自然なワイン醸造を通して、現代人が忘れてしまったライフスタイルとブドウ畑を継承していくための新しいワイン造りのプロジェクトでした。このプロジェクトを通してマヌエルは伝統的な農業と現代の世界をつなぐ架け橋になりたいと考えています。
■自然の四大元素『水・風・火・土』を象徴するワイン
モンタルチーノのフォンテレンツァなどのビオディナミを実践する幾つかのワイナリーで働いてきたマヌエルは、設立当初からビオディナミを実践。「水と風と火と土」を地球上に存在
する自然の四大元素と捉え、この四つの要素を象徴するワインを造っています。どれも酸とミネラルと冷涼感があり、特に白ワインは、従来のイタリアにない新時代のフィネスとエレガンスを感じさせるコストパフォーマンスの高いワインです。
Manuel Pulcini マヌエル・プルチーニはローマ生まれの現在35才。両親がローマ郊外に小さなカーヴを所有していたため、小さい頃からワインが身近にありました。自然にワイン造りに関心を持ったマヌエルはピサ大学でワイン醸造学の学位を取得。その後、モンタルチーノのフォンテレンツァなどのビオディナミを実践するトスカーナの幾つかのワイナリーで働き、ビオディナミとナチュラルワイン造りへと惹かれていきました。
トスカーナには愛情を込めて手入れされていたブドウ畑が数えきれないほどあります。しかし、現代産業の流入によって見捨てられてしまいました。これらの畑は過去の農村の遠い思い出になってしまっています。マヌエルはこの衰退する農村の流れに反抗することを決意。友人のサポートで、トスカーナのルッカ近郊に約2.3 ヘクタールの耕作放棄されたブドウ畑を借りて2017 年1 月に自身のワイナリーを設立しました。
マヌエルが目指したのは、ブドウ畑に新しい生命を吹き込み、現代的醸造学のワイン造りから解放された、自然を尊重したワイン造りのプロジェクトでした。マヌエル・プルチーニにインスピレーションを与えているのは以下のような考え方です。
四大元素、「水と風と火と土」は地球上に存在するあらゆる物質の原料となる自然の要素であり、生命を生む原型であり、宇宙の原理です。これは残していかなければならない農村の哲学です。 現在の狂気に満ちたグローバリスムの世界においては、自然への回帰とは、過去の農村の価値を再発見し、土の上で額に汗して働くことです。マヌエルは以下のように語っています。
「私たちがエネルギーと情熱をもって追求するプロジェクトは、古代の価値の発見、本物の農業、自然なワイン醸造を通して、忘れられたライフスタイルとブドウ畑を継承していくための新しいワイン造りのプロジェクトです。私たちはこのプロジェクトを通して伝統的な農業と現代の世界とをつなぐ架け橋になりたいのです。」
四大元素説:万物は水風火土(地)の四つの元素から成り立っているという思想。古代ローマやギリシャ時代から支持され、プラトンやアリストテレスの思想もこの四大元素の考え方を基にしていると言われる。
ワイナリーの畑はルッカの近郊(北西)にあります。総栽培面積は約2.3 ヘク
タールで、実に14 品種ものブドウが栽培されています。しかし、0.1 ヘクタールに満たない品種が殆どで、主要品種はトレッビアーノ、シラー、サンジョヴェになります。区画は大きく4 つに分かれています。栽培はビオディナミで、最初の数年は500 番や501 番調剤を使用していましたが、形式的ではない、より適切なビオディナミを実践するために、数年以内に
動物や牛糞、調剤などを購入できるよう準備中です。施肥に関しては、堆肥や有機肥料は全く用いていません。その代わりに、緑肥として、ハーブや野菜、豆などを畑で栽培しています。土壌の種類に応じて、西洋アブラナや蕪、インゲン、クローバーなどを栽培しています。これらの植物や野菜は地中に有益な窒素を供給してくれるからです。また、畑の植物多様性を維持するためと有害な昆虫を避けるために、畝の間に自然なカバークロップを生やしています。
耕耘は、1 畝毎交互に2 年に1 回行っています(1 年目は偶数の畝、2 年目は奇数の畝)。ブドウ木にストレスを与えないように、夏季に伸びた新梢の先端を切る摘芯は行いません。グリーンハーヴェストや除葉も基本的に行いません。また畑に過剰な負荷を掛けないように、重い農業機械は可能限り使用していません。
醸造においては、人為的介入を最小限にし、化学的な技術や人工添加物は一切使わずに、野生酵母による自然な発酵でワイン造りを行っています。SO2 は、ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加しています。ワイナリーの畑は他の産地と比べてph が高いため、ブドウの酸が低くなり、非常に酸化リスクがあるため、現在までのところ、他のナチュラルワインと比較した場合、SO2 のトータル値はやや高くなっています。
しかし、今後、徐々に減少できるように努力しているところです。マヌエルは、酸とミネラル、フレッシュ感がある飲みやすいワインを目指しています。ワイナリーの畑は標高がそれほど高くはなく(約300m)、ミクロクリマによる要因よりも、的確な収穫日と最高の房の選択によってこの目的を実現しています。そして、「水と風と火と土」を地球上に存在する自然の四大元素と捉え、この四つの要素を象徴するワインを造っています。
●
2022 Maroca Bianco I.G.T. Toscana
マロカ・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【マヌエル・プルチーニのアイテム中、大人気なのが何故かこの「マロカ」です!・・新ヴィンテージですがたったの12本・・すみません。】---以前のレヴューを使用しています。
何でしょうね・・。マヌエル・プルチーニのワインは、赤も白も・・どのキュヴェも素晴らしいんですが、なぜかこの「マロカ」に人気が集中してしまいます。
まぁ・・何ともバランスが良い味わいだし、アロマもぷっくり、むっちりと膨張感を持っていますから、人気になるのは判るんですが、他のキュヴェにはなぜか見向きもしないんですね。
と言うことは、「ジャケ買い?」の疑いが濃厚です・・(^^;; いや・・noisyとしましては中身で勝負して欲しい・・お兄さん、親父さんのジャケも中々じゃないですか!・・と言いたいんですが、やはり女性が良いんでしょうね。
で、マヌエル・プルチーニの新ヴィンテージの案内をいただいていたんですが、何しろテイスティングが忙しい・・発送も予定がミッチリ詰まっている・・そこへ様々な障害・・いや、雑用やら親類筋関係の何やら承継の手続きやら・・1週間が7日しか無いのに3~4日に1度の新着を何が有っても必ず書かなければ、さらに後が恐ろしいことになる・・そんなプレッシャーの中で、新規オファーを受けています。
なので、出荷で悲惨な金曜~土曜が過ぎてようやっと様々な仕事が一段落ついたので、さぁ・・そう言えばマヌエル・プルチーニのご案内をいただいていたから月曜までにオーダーを出そう・・と思って日曜の夜にメールを開くと・・
「・・あれ?・・オーダーの締め切り、日曜の午前中になってる・・」
あのね・・人のことは言えた義理は無いですが、
「・・会社員が日曜に仕事するなって・・」
仕方が無いので翌日に電話するとけんもほろろ・・
「あ、もうダメです。終わりです。ただでさえご注文が多過ぎて調整が大変なんで。」
と、凄い塩対応・・。諦めました。8月の終わりごろのことです。
で、この10月になってインポーターのVさんちのオーダーシートを見てみると、なぜか一番人気のマロカが載っているんですね・・。なので、さっそく電話をしてみると・・なぜか少しだけ有ると。なので、
「バラならいらないけどケース以上ならちょうだい。」
と言っておいた分、それが今回の入荷分なんですね。
なので、たったの12本です。2019年、2020年とテイスティングさせていただいてまして、非常に素晴らしかったので、きっと2021年ものも同様だろう・・とちょっと安易では有りますが期待を込めて、今回は今のところは飲まずにご案内させていただきます。
飲み手には、高級品種ではない(だろう)が非常に高質な葡萄で有ることは簡単に判っていただける見事な味わい(だろう)と思います。味わいの方向性等は以前のレヴューをご参考に、是非ご検討ください。
以下は以前のレヴューです。
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【このやや濃い黄色のナチュラルな色彩が美味しさを連れて来てくれます!】 素晴らしい色合いをしています・・いや・・ビオ的に・・です。畑の地質組成も影響しているんだとは思いますが、アリガチな・・
「どう見てもウーロン茶」
な色合いが多いビオ系の白ワインの暗い色では有りません。
「どう見てもウーロン茶」ながらも、素晴らしく美味しい果実を感じさせてくれるものは無い・・とは言えず、そんなウーロン茶的に見えたとしても、その色合いには「覇気・光、エナジー」が必ず見て取れます。もっともそれほどのウーロン茶色になるのは、漬け込み系(赤ワイン同様の造り)のものが多いですが、こちらはそこまで長いマセラシオンでは無いようです。
また、トスカーナの白ですから・・熱にやられて結構に酸が乏しい感じのワインが多いですが、この「マロカ」、とても酸が美しいんですね~・・。トレッビアーノ、マルヴァジア、ヴェルメンティーノと言う、「安い葡萄」で造られているとはちょっと思えない美しいバランスをしていますので、そこもちょっと驚いてみて下さい・・(^^
そして、要素と要素が滑らかなミネラリティで繋がれているので、テクスチュアが滅茶良いんですね。新しいことをやると・・経験が少ないから・・心配じゃないですか。もう・・タンクの中の発酵途中の葡萄なんて・・心配で仕方がないはずなんですね・・。
だから普通なら何度も見て回り、ついつい弄り回してしまう・・温度経過はこれで大丈夫か・・とか、発酵は続いているか・・とか、心配事は山ほど。でも・・そんな時こそ、落ち着かないといけないんでしょうね。
こんな、ゴールドと言いたい程に黄色がしっかりした美しい色合いをしています。発酵初期に多くを酸化させた色合いではないはずですから、葡萄由来のフレッシュな魅力を持ったままマロラクティックまで行っている・・そんな味わいがちゃんと有るんですね。
実はこのマロカ、2019年ものが2年前に入っていたんですが、余りの忙しさにレヴューを書けずにいたところ、店頭で完売してしまったんですね。それほど美味しかった・・んです。2020年ものも美味しいですが、2019年ものの方がもっと「凛」とした感じが有って、やや硬さを感じたと思います。まぁ、よりピュアな感じです。
2020年ものは2019年ものに比べると、ややナチュラルさが多めに出た感覚で、ふんわりと柔らかさが有って、アロマの立ちがとても良いです。酸っぱ過ぎない柑橘が有って、甘く無く、適度に膨らんでくれます。
沢山ちょうだい!・・と言っても結局は数をくれないので・・何だかなぁ・・ですが人気があるようなので仕方がない・・です。是非飲んでみて下さい!お勧めします。
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2022 Bercio del Sirca Bianco I.G.T. Toscana
ベリチオ・デル・シルカ・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【物凄く硬質で冷ややかなミネラリティ!縦伸び系の構造からのエレガンスを感じさせるアロマ!・・そろそろ良いはず・・です!】-----以前のレヴューを掲載しています。
実はこの2019年のベリチオ・デル・シルカ・ビアンコとマロカ・ビアンコが入荷したのは2020年の11月でして・・2019年の収穫から1年ちょっとでしょう?・・
「仕上がったばかりなのに余りに美味しいマロカとマンモスなミネラリティで硬質、縦伸びのベリチオ・デ・ル・シルカ!」
の扱いに・・困っていた訳ですね。出来うることなら一緒にご紹介したいじゃないですか・・。
「このベリチオ・・ミネラリティが硬さを出しすぎてて・・ちょっと書き辛い・・」
なんて思っていましたら、若くても横への拡がりが適度にあって凄く美味しいマロカばかりを店頭販売してしまい、マロカが完売してしまったので・・
「余計にベリチオを紹介し辛くなってしまった」
と言うことなんですね。ベリチオしかご紹介しないと・・本当に良~くご存じのお客様から、
「・・あの、マロカが欲しいんですが・・入荷してませんか?」
などとメールが入るに決まってますので・・はい。
味わいの方ですが、グラスの写真を見てお判りのように・・結構に透明なミネラリティがビシバシ積み上がった感じで、大げさに言うのであれば・・ディディエ・ダグノー風です。でもまぁ、ダグノーほどじゃあり得ません。でも相当にクリスタルを感じさせてくれます。
まさに六角形をしたクリスタルを、尖がっている方を上にして身体に入れたような感覚で、
「風を切り裂くブドウの樹」
と言うイメージも近いのかもしれませんが、noisy 的 には鍾乳洞・・とか、アチコチ向いたクリスタルの原石・・みたいなイメージで、その大きさ分の縦伸びを感じていたような感覚です。
冷ややかな果実が少しずつは漏れてくるのですが、余りにバランスの良い「マロカ」に比較してしまうと、
「まだ少し硬いのでマロカの方が良いです。」
と言ってしまう訳ですね・・。
でもいい加減・・入ってから1年半が過ぎようとしていますから、流石に良いだろう・・マロカの2020年も入ったし・・ベリチオの2020年は届かなかったし・・ちょうど良いと言うことでご紹介させていただくことになりました。
なので、
「流石にもう良い・・美味しくなっているはず!」
と言うのは・・想像です。チェックはしていません。沢山は入っていないアイテムを2本ずつテイスティングしていると潰れてしまいますから・・すみません。なので、美味しくなっているはずの、マンモスミネラル系の、冷やか柑橘果実系の縦伸び系自然派ワインです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
●
2022 Pis.Mut I.G.T. Toscana
ピス・ムット・ロゼ I.G.T. トスカーナ
【中々見つからないタイプのロゼです。淡い色彩からのピュアなチェリー、ドライで優しく、酸の味わいが美しい・・しなやかでクッキリなエキスの美味しさです。】
鮮やかな色彩です。アルコール分も高くなく、しっとりとした味わいですが、エキスが美しいです。
とてもドライで、酸の味わいが綺麗に伸びて行く感覚。瑞々しいです。
ノーズは薄いフィルムなミネラリティにピュアなドライ・チェリー。ほのぼのと甘さを感じるロゼは多いですが、このようにドライで酸の美しいバランスで飲ませるタイプはあまり見ないんじゃないでしょうか。
マニュエル・プルチーニらしく自然派でも危険性の無い美しいスタイルです。
マニュエル・プルチーニの他のキュヴェのエチケッタは、絵画的でメッセージを強く感じるものですが、こちらはどうでしょう?・・ちょっと機械的?・・にも見えますが、他のキュヴェほどでは無いにせよ、凝っていると言えば・・濃っているのかもしれません。
クリスマスに子供がラッパを吹いているような絵と、対照的にも感じる揃った文字のエチケッタです。
しっとりとしつつも酸の立ちのキュッとした味わいが、スモモとか、余り甘く無かったイチゴとか・・(^^;; でも、非常に自然で心地良いです。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!
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2021 Vizioramingo Rosso I.G.T. Toscana
ヴィジィオラミンゴ・ロッソ I.G.T. トスカーナ
【2017年設立のカンティーナの2019年もののロッソが半端無い出来・・って、・・ちょっと興味、湧きませんか?】---少ないので以前のレヴューを掲載しています。
実は、このマヌエル・プルチーニは、Noisy wine には一昨年に白2アイテムだけが届きました。飲んでみたら・・ありゃりゃ・・やってくれちゃいましたね~!・・素晴らしいワインだったんですね・・葡萄品種は高貴種では有りませんでしたが、
「何よりピュアで、しっとりふっくらナチュラル!・・しかも危険性ゼロのアヴァンギャルド性無し!」
です。
noisy 的には、生成された揮発酸で余韻にまで大きく食い込んで、
「何を飲んでも同じ余韻」
って・・焼酎割りの梅サワー飲んでいるんじゃないんだからさ・・と思ってしまうので、そのようなワインは基本的に販売していません。出来るだけ買いたく無い・・(^^;; すみません、そのようなワインが欲しい方は、他の自然派ワインショップを当たっていただいた方が確率は高いと思います。最もビオワインの管理にそぐわない高い温度で管理されてるショップも多いので、造り手さんの描いた通りの味わいにはなっていない場合が相当な割合だとも思いますのでご注意くださいね。
このマヌエル・プルチーニ...写真を見させていただいても、楽しそうですよね。造り手紹介の1枚目の写真など、
「ちょっと・・オカルト、入って無いすか?」
のように見えてしまうのは noisy だけでしょうか。
これでも noisy、結構にルドルフ・シュタイナーさんの本は多く読ませていただいてます。・・ま~・・非常~に、難解では有りますが、何故か一瞬、
「・・あれ?・・判ったような・・気がする・・」
と思い瞬間も有るんですね・・。シュタイナーさんの画集なんて見てると・・そんな気にもなってしまいますし、でも「農業講座」などを紐解きますと、
「・・なんで・・そんなことがスパッと言えるの?」
とも感じてしまいます。一体このマヌエル・プルチーニ...
「もしかして・・あなたもホメオパシー?」
のように noisy には見えますが、
「美しいワイン」
を造っていることも間違いありません。
まず何よりも・・色合いをご覧くださいませ。何故かいつも飲んでいるワインと同じような・・感じに見えるんじゃないかと思うんですが、違いますか?
そう・・かなりブルゴーニュっぽい見え方ですよね。でも・・トスカーナなんですよ。トスカーナって、熟させればもっと黒いし、赤くさせればもっと淡いんじゃないかと思うんですが・・。
ですので、サンジョヴェーゼを主体に外国種であるシラーを加えての骨格、肉を作り、その他の品種で調整する・・そんな感じかと思いますが、
「それにしても造りがお上手!」
です。しかも、
「相当味わい深い!」
です。
サンジョヴェーゼの・・ちょっと弱い感じ・・「粗」なテクスチュアはシラーで補完され、サンジョヴェーゼの果実の補完に他の品種が使われている・・でも、全体のトーンは、
「サンジョヴェーゼ」
なんですね。
一般的なサンジョヴェーゼに比較してもとても良く香りますし、ミネラリティも多い・・しかも暑苦しく無いし、冷たすぎない・・だから美味しく無い訳が無いじゃないですか。
まぁ、味わいまでピノ・ノワールに似ているなんては言えませんが、質感はいつも飲み慣れている感じに近いと思います。それでも、
「よりピュアだからアチコチが良~く見える」
し、
「ナチュラルだからふっくら柔らかく飲み心地が良い」
んですね。
素晴らしいワインだと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
ヌース
ヌース
イタリア Nous Cooperativa Vino Nuovo シチリア
● デイリーな価格ながらも、ちょっと頭抜けたバランスを持つシチリアの自然派ワインをご紹介させていただきます。
まぁ・・この下の写真を見てくださいよ・・。少し遠くに見える丘のような大地の「白さ」を!
日本には余り無いですよね・・在ったとしても、すでに削られて山の形さえおぼつかない形状になっていたり、国立公園や国定公園・・それに鍾乳洞かなにかで営業されていたりで、ワインの生産などは無理です。
まぁ・・こんなところで無農薬栽培・有機栽培をやったらどうなるのか?・・是非お確かめください。
「非常に還り注文の多いワイン!」
です。
■ヌース(コーペラティーヴァ・ヴィーノ・ヌォーヴォ)について
ワイナリー名のヌースとは、新プラトン主義で、神が初めて降臨した時に発した神聖な理性を指す。アレッサンドロ・フィリッピは、ソアヴェで長い歴史を持つワイナリーの出身。量子物理学からヒントを得たという独自の理論を元に、イタリア各地でコンサルタントとして活躍する。フィリッピがシチリア島西端部、トラパニ郊外で醸造責任者を務める協同組合がNoûs(ヌース)である。組合の構成農家はわずか4名で、アレッサンドロの指導の元、ビオロジック栽培へと転換した。アレッサンドロはかつて、同エリアの古樹を守るために立ち上げた協同組合“カンティーナ・エリチーナ”を率いていたが、400名もの栽培農家の意見が整わず、現在この組合は解散した。しかし栽培農家には100年を越えるネーロ・ダーヴォラやカタラットの古木を持つ農家も多くいた。現在はアレッサンドロの意見に理解を示してくれた4名の栽培家との協同組合だが、今でもその他の栽培家たちの復帰の説得は続けている。
■シチリアについて
東西約300km(トリノ~フィレンツェ間とほぼ同距離)、南北約180kmに渡って広がる地中海最大の島。最南端はチュニジアの首都チュニスより緯度が南となり多くの地域は非常に乾燥する。東部に標高3.329mの活火山エトナ山、中南部に真っ白な石灰岩が海岸に露出するカルタニセッタ、赤い酸化鉄を含んだ土壌が散在するラグーザなど極めて多彩なテロワールを持つ。かつてはヨーロッパ最大のバルクワイン供給地の一つだったが、1990年代後半以降は品質志向のワイナリーが出現、2000年以降はいわゆる国際的スタイルからの脱却も少しづづ進んでいる。またこの島は固有品種の宝庫とも言われ、黒ブドウでは重厚なネロ・ダーヴォラ、繊細でフローラル、かつ高い酸のネレッロ・マスカレーゼ、フラッパートほか。白ブドウではグリッロ、カッリカンテ、カタラットなどに世界から特に注目が集まっている。現在はイタリア内外の有名生産者が、シチリアはエトナの山麗に畑を求めるブームが活火山のように燃えさかっている最中である。
オーナー:Alessandro Filippi アレッサンドロ・フィリッピ
地域:シチリア
醸造責任者:Alessandro Filippi アレッサンドロ・フィリッピ
栽培責任者:Alessandro Filippi アレッサンドロ・フィリッピ
コンサルタント:Alessandro Filippi アレッサンドロ・フィリッピ
ホームページ: https://www.cooperativa-vinonuovo.it/
【ドメーヌについて】
ドメーヌ創業年: 2015 年
ドメーヌ解説
歴史:アレッサンドロ・フィリッピは、量子物理学にヒントを得て「自然な技法」を編みだし、ソアヴェ地域と、次いでシチリアで実践。シチリアで活躍したワイナリー「エリチーナ」の旧メンバーが、“Cooperativa Vino Nuovo”(新生ワイン協同組合)「ヌース」という組織を、あらたに結成した。その目的は、小規模な優良畑に力を貸すことである。こうして、Noûs「ヌース」というブランド名のナチュラルワインが、新生ワイナリーから登場することになった。
“Noûs”とは、新プラトン主義において、神が初めて降臨した時に発した神聖な理性である。この特別な神の息吹から、新たに格別なワインがもたらされるのである。また“Noûs”は、フランス語で「我々」を意味しており、土地所有農家の集いに備わる協同体精神の結束を促すという趣旨でもある。“Cooperativa Vino Nuovo は、新しい農業を目指して団結する農業家集団たらんとするものである。
●
2022 Siciliane D.O.C. Nero d'Avola
シチリア・ネロ・ダヴォラ
【素晴らしいバランスのネロ・ダヴォラです!・・エトナとはまた違った濃密さ・・それが涼やかに、しなやかに味わえます!】
まぁ・・疑い深い性格なので、ネロ・ダヴォラでシチリアの西部だよなぁ・・マルサラとか、近いよなぁ・・クドイんじゃないかなぁ・・
などと思っていて、中々手を出せないでいましたが、
「これは相当旨い!」
と・・自分の思い込みを反省することになりました。やはりワインはテイスティングが基本です。
「飲んでもいないものを決めつけてはいけない。」
んですね・・。でも、
「飲んだものは決めつけなければいけない。」
のも重要なんですね。自身で結論をしっかり出しておかないと、何せ忘れてしまうし、反省が出来ないからテイスティング能力も進歩しない・・訳です。
ネロ・ダヴォラですから・・「ネロ」は黒いですんで、まぁ・・赤は赤なんですが、黒っぽく見えますよね。だからネロ・ダヴォラなんでしょうね。
で、見た目は暑苦しく見えるでしょう?・・でも、ネロ・ダヴォラって、見た目よりも「さっぱり味」ですよね?・・エトナの高地でも、下の方でも・・結構に「すっきり」しているじゃないですか。
こちらはシチリア西部なので、エトナとは反対方向ですね。
造り手のご紹介欄に写真が有りますが、丘と言うか、山が真っ白ですよね?・・石灰でしょうかね・・。すぐ近くのサン・ジュリアーノ山でしょうか・・どちらも違うかもしれませんが、異常に白いです。なので、
「細やかなミネラリティが凄い!」
「そのミネラリティがワインを涼し気にしている。」
「でもワイン自体は濃密だけれどドライで厚みがしっかり。」
「酸も冷ややかでしっかり有るので甘くダレ無い。」
みたいな感覚なんですね。
言ってみれば、
「濃いスル」-->濃い目だけどスルスル飲める
な味わいバランスなんですね。
ボトルの写真の説明欄に、
「アルコール分が高いが・・」
と書いて有りますが、実際のボトル表記では14.5度です。低くはないが、最近のブルゴーニュでもその位のアイテムはザラに有りますよ。で、
「酸も豊富でイノックス(ステンレス)タンク仕上げが功を奏している?」
感じで、非常に冷ややかに感じられます。
ですので、時折、アイテム指定無しでデイリーを12本・・などと言うご注文をいただきますので、これを入れてお送りしますと、
「あのシチリア、安くて美味しいのでリピートさせてください!」
などと言われます。
まぁ、言ってみれば・・品種も土地も異なるとしても、
「マルサラで滅茶苦茶上品に造られた酒精強化では無い赤ワイン!」
に近いイメージなのかもしれません・・ん?・・マルサラが判らない?・・そうか・・すみません。そこはスルーで・・でも滅茶美味しくて安いので是非ご検討ください。
サンジョルジョ
サンジョルジョ
イタリア San Giorgio アブルッツォ
● 困っちゃいますね。・・だって・・安いんですが・・・笑っちゃうくらい美味しいんだもんね・・・。アブルッツォのモンテプルチアーノで、果実味がたっぷり乗ったジューシーな味わいです。
●
2022 Montepulciano d'Abruzzo
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ
【これはかなり良いんじゃない? 安いからと侮る無かれ!】
ヴァレンティーニのモンテプルチアーノをご紹介した時に、モンテプルチアーノには2つ有ると書いていましたが、その安い方のモンテプルチアーノ・ダブルッツォで信じられないようなコスト・パフォーマンス、カリテ・プリなワインを見つけてしまいました・・・。
いや、全く文句が有りません。赤黒果実が凝縮してしっかりと各種ミネラルが香り、妥当なボディを形成して美しい余韻を見せます。このプライスで文句など・・・全く有りませんよ。
プロ仲間のテイスティングでも、2000円とか3000円とかと同等・・という評価でした。(ちょっと笑っちゃいましたが・・・)こういうワインには、普段の掛け率を変えてしっかり儲けるべきなのかもしれませんが・・・新着のご案内だし、良いとしましょう。でも・・そうそう値上げは出来ない・・・、いや、次回の入荷からは少々値上がりはするようです。
でもワイン屋的にはどうなんでしょうか・・・。まあ、営業的にはホントちょっと困ったちゃんなワインでは有ります。飲んでみてください・・・。気軽に開けても・・・嬉しい誤算に気が付くと思います!(写真は2016年ものです。)
サルヴァトーレ・モレッティエーリ
サルヴァトーレ・モレッティエーリ
イタリア Salvatore Molettieri カンパーニャ
● 今やカンパーニャのスーパースターになったモレッティエーリです。何しろイタリアで一番!・・と認められるような評価を得ていますから・・。そしてその看板ワインはやはり素晴らしい「タウラージ・リゼルヴァ」と「タウラージ」であることには間違い無いですが、デイリーではさすがに飲めるような価格では有りませんし、飲むタイミングも中々に難しい・・・。
そんな中で、「イルピーニャ・ロッソ」との愛称?で呼ばれ、タウラージ、タウラージRS.と同じ「チンクエ・クエルチェ葡萄園」は、より若くから親しみやすい柔らかさを持ち、リーズナブルに提供してくれているワインが有ります。
久し振りになりましたが「イルピーニャ・ロッソ」のご紹介です。
ワイナリー名 Salvatore Molettieri
サルヴァトーレ・モレッティエーリ
創業年 1983年
国・地域 イタリア ・ カンパーニャ
地区/村 タウラージ
代表者 Salvatore Molettieri
サルヴァトーレ・モレッティエーリ
畑面積 13 ha
主要品種 アリアニコ(Aglianico)
グレコ・ディ・トゥーフォ(Greco di Tufo)
平均生産量 70000本/年
●
2021 Fiano di Avellino Apianum
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ・アピアヌム
【イタリア中部の白ワインながら、上品さと素晴らしいバランスで魅了してくれます!しかも特売です!】-----以前のヴィンテージのレヴューを掲載しています。
良いですね~・・それなりに暑くなる地域ですが、畑の高度がそれなりにあり、涼しい風が通るようなイメージです。海からはちょっと距離が有ります。
以前は2千円台の後半だったんですが何故か・・お安くなっていまして、
「この価格じゃかなりお得!」
と思いました。
それに加え・・このワインについては余り海外メディアの情報を検索していなかったんですが、2020年ものは見当たらないものの2019年ものは何と、
「WinesCritic.com の ラファエル・ヴェッキローニさんが93ポイント!」
も付けていまして・・
「・・マジか~!」
と・・。
まぁ、noisy的には評価の対象ヴィンテージが異なる2020年ものに90ポイント以上のポテンシャル点を付けさせていただきますが、93ポイントまでは付けないなぁ・・(^^;; あの素晴らしいドミニク・ラフォンの2019年A.C.ブルでさえ、海外メディア勢のトップが91ポイントですから・・。
もちろんですが、イタリアとフランスと言う違いも有りの上での評価ですよ。
で、何とも滑らかなテクスチュアに、ほんのりとだけオイリーさが載っています。少しフラワリーなアロマとまったりとした白や黄色の果実感が漂い、ふっくらとはしていますが締まった中域が、ダレがちな酸・・もしくはバランスがイマイチの酸バランスの多いこの地域の白ワインとは、かなりかけ離れた出来を感じさせてくれます。
まぁ・・この地域のトップ・クオリティの生産者さんですから・・このくらいは普通なのかもしれません。
もちろん、特売期間が過ぎるとこの価格で出せなくなっちゃいますので・・今の内にどうぞ!・・イタリアンなお食事にはピッタリです!赤より合わせやすいと思います。是非飲んでみてください!お勧めです。
以下は以前のレヴューです。
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【アッリャニコのトップが造るワインは白も完成度が非常に高いです!】 モレッティエーリのフィアーノとグレコです。どちらも白ワインですのでお間違いの無きよう。
ふっくらとしつつ起伏が少ない、少し厚みのあるクリーンな味わいのイメージがあるフィアーノと、むしろ起伏のうねりの大きさが特徴のようにも感じられるグレコ・ディ・トゥーフォです。まぁ、人に寄りご意見は異なるかとは思います。写真の上がフィアーノ、下がグレコです。
2016年ものはむしろその逆のような印象でしたので、
「・・あら?・・どうしましょ・・」
みたいな感覚だったんですが、2017年ものは前述の味わいに近く、
「そうそう・・そんな感じ!・・それでいいのよ・・」
と、思わず口に出てしまいました。
言ってみれば、
「優しいフィアーノ」
と、
「逞しいグレコ」
みたいな感じですね。
流石にモレッティエーリの手になると非常に「完成度が高い」です。そもそもフィアーノもグレコも、高価なワインでは有りませんでした・・。まぁ、普段飲みが出来る価格帯の白ワインでは有りました。
しかしながら、やはりそこはタウラージのトップ生産者ですから、良く有るように、
「ペラペラなフィアーノ」
と、
「荒くれ者のグレコ」
には・・しないんですね~。
そこはかとなく気品が有りつつ、でも、鼻に付くような高慢ちきな感じには陥らない、ベストなバランスに仕上げていると思います。
豊かさと切れの良さの両立がこのワインたちの持つ特性でしょう。そもそもは良いワインにしようなどと力が入ると、ちょっと暑苦しくなってしまいがちなところを、品種の特性を理解しつつ仕上げているのかな?・・と思います。その辺が2016年ものと2017年もので、性格的には逆転していたように感じたのかもしれません。
滑らかで僅かなクリーミーさの有る優しい味わいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【タウラージの名手が造る地場品種の白!豊かな味わいに加え質感も高く、今までの自身内評価を書き換えることになるでしょう!】 まぁ、フレンチワインの白に比較するとどうしても野暮ったく、中々思うような「丸いパレット」を描いてくれず、暴れん坊将軍だったり、酸不足ワインだったりと、肩を落とす羽目になることが多いイタリアの白ワイン・・かな・・と思います。
勿論ですが良いワインも有りますよ。でもそれは結構な金額、するのが普通ですし、
「ビオに寄り過ぎていて好みでは無いかな・・」
と感じていらっしゃる方も多いかと思います。
もうタウラージの世界に留まらずイタリアを代表するワインと認められたモレッティエーリのタウラージですが、少量、白ワインも造っているんですね・・。noisy も、グレコ・ディ・トゥーフォを造っていることは知ってましたが、「フィアーノ」も造っているとは・・知りませんでした。
まぁ、ここのところの円安・ユーロ高で、ワインもさらに高価になってしまっていますが、この位のプライスで質の高いイタリアの白ワインをご紹介できるのでしたら喜んでいただけるはず!・・と踏んだ訳です。
フィアーノは・・実に万人に公平な味わいです。もう見ただけで質感が伝わってくるようじゃないですか。何か密度の高さが映り込んでいるかのようです。
グレコの方は幾分、フィアーノに比較すると密度感は薄く、「サラリと流れて行くよう・・」な感じに見えるかもしれません・・・でも、
「・・すみません・・それは違います・・」
と言わないといけません。
フィアーノは、誰が飲んでも美味しい!・・と思っていただけるような、ものの見事に「まん丸なパレット」を描いてくれます。それでいてほんのりスパーシーさが漂い、柑橘系も冷たすぎず暑過ぎず・・のフレーヴァー、酸の豊かさには、中庸なバランスが見て取れます。
中盤から余韻にかけてのパフォーマンスも見事で、
「安いフィアーノの薄っぺらい味わいを想像すると見事に外す!」
と言えると思います。美味いです。
グレコの方は・・色や、写真の見え方から行くと、幾分「シャバく」感じられるかもしれません・・が違うんですね。こちらには、「蜜のニュアンス」がトッピングされ、中庸な・・とは言えないような、やや緯度の高い地域で生まれる果実と、やや緯度の低い・・少し南国に寄った地域に生まれる果実のニュアンスが同居しています。
ど真ん中に居住するフィアーノと、その北と南に分かれて居住しているグレコ・・と言うような感じでしょうか。
グレコは、やや口内を押し広げつつ入ってくるフィアーノとは異なり、より卵型のパレットを形成してくれます。卵の細い方の尖がり部分・・(^^~;; から侵入してくる感じで、徐々に太くなり、最大の口径部分を過ぎるとふわっと・・消えて行く感じです。
濃密さが有り、滑らかで果実感が高いです。これもまたかなり印象に残る味わいでした。
さすがにモレティエーリ、ワインの造りが上手いし・・やはりそこは感性のなせる業だと・・美味しくないフィアーノやグレコを飲んで来たnoisy も感じ入りました。是非飲んでみてください!お勧めします!
●
2019 Irpinia Aglianico Cinque Querce
イルピーニャ・アッリャニコ・チンクエ・クエルチェ
【ドライで濃密!しなやかで上質なタンニン!・・素晴らしいデイリー?です!】---以前のヴィンテージのレヴューを使用しています。
その昔、カンパーニャのアリャニコを飲むと、スパイシーなのだがかなりエグみが有り、そのベクトルもどこか一方向が出っ張り過ぎで、特徴は在れど、質感が今一つ・・と言ったものが多かったです。
しかし、このモレッティエーリの登場で、アリャニコの印象が大きく変わってしまいました・・。何とも高質になったものです。
2015年のイルピーニャ・ロッソは2013年、2014年ものに比較しますと、果皮バランスがかなり濃密になっています。流石に2012年のタウラージの素晴らしさに触れてしまいますと、その差は歴然なんですが、2千円代のリーズナブルクラスとしますと、反対にクラス越えの充実さを感じます。
濃密で、しっかり果実感があり、豊かなミネラリティと酸に支えられたドライで深い果皮味のアリャニコです。ありがちな、歪んだパレットを描くアリャニコでは有りません。とても秀逸!・・この2015年ものはセラートラッカーで92ポイント付けていらっしゃるファンの方がおられました・・が、noisy も全く同感です。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【滅茶旨いデイリー!?? !この絶妙なシルキーさを持つタンニンの美味しさに触れてください..】 デイリーワインとして紹介するよりも、ワイン自体のポテンシャルを訴える方が、このワインには相応しいのですが、その方法がなかなか難しい..ですね。友人同士の楽しい場で安易に飲んでも充分旨いし、「考える人」のようにしかめっ面をしながら、「濃いスミレと言ったら良いのか麝香かそれとも..」などと飲んでも、とても癒される柔らかな味わいをしています。
本来、アリャニコ種はタンニンがしっかりしているため長熟で、しかもタウラージの土地の香りなんでしょうか、独特の濃いスミレ+ハーブの香りが強烈だったので、口も鼻も麻痺するような、そんなワインでした。
しかし、葡萄栽培技術の向上やソフトな抽出が出来るようになって、長熟さはそのままに、エレガントさと複雑さを持つようになったんですね。今やアリャニコ種は、イタリアの希望の星ともなりつつあるようです。
ところで以前にご紹介したイルピーニャ・ロッソですが、下記のような記載をしていました。
タウラージで有名なモレッティエーリですが、このイルピーニャ・ロッソも素晴らしいです。けっして濃くは無いと思うのですが..(人により感じ方はそれぞれですが、滅茶苦茶濃い..と記載している方も)、どこかボルドー風のニュアンスにミネラルの量を倍増、スミレやスパイス、赤紫の小果実・花が香ります。ボディは中程度でお食事を壊すような物凄く強い個性は有りません。奥行きに幅が有り、ほんのりビターとスイートが交互に余韻に現れます。精巧緻密な寄せ木細工を見るような..そんなイメージを抱きました。
とっても美味しいデイリー価格のワインですので、沢山購入して欲しい..です。昔はリアルワインガイドにも出させていただきました。
赤から黒の色調や凝縮感、質感が高いです。そして何よりも・・
「
タンニンが旨い! 」
この、タンニンの質の良さが、通常は渋みを強く感じさせるものを、むしろ「甘み」として感じさせるんです。程好く熟したボルドーワインって甘さがあると思いますが、ちょっと似た感じが有ります。
そして、以前のイルピーニャ・ロッソなら果実味が凄い・・と書いていたと思いますが、このワインはエキス主体の味わいになっていました!柔らかく美しい強くない酸とエキスの味わい・・そして素晴らしいタンニンの質の良さが、この美味しさを創っています。是非飲んでみてください。お勧めします!
注:写真が見当たらないので・・すみません・・写真は2013年ものです。
フラヴィア
フラヴィア
イタリア Flavia シチリア
● シチリアの健康的でフレッシュ、そして新鮮なフルーティさ、生きの良さを感じさせてくれるワインをご紹介させていただきます。
シチリアのマルサラのワインです。そう・・マルサラと言えば・・マルサラ酒ですね。黒味掛かった「まっ茶っ茶の」甘い酒精強化ワインです。ポートやマディラも有名ですが、昨今は飲んで楽しむと言うよりも健康志向の性なのか、料理で良く使用されます。
まぁ・・マルサラと言う土地からはアフリカ大陸チュニジアのチュニスまで距離300キロも無いですし、ほぼ緯度が変わらないですから・・
「暑い!」
のは間違い無い・・だからこその「マルサラ酒」だった訳ですね。300キロ以下ですから、東京から愛知県の豊橋までもたどり着かない距離でアフリカ大陸に到着してしまいます。もっとも移動には船が必要ですが。
ですがこの、灼熱の??大地から、フレッシュ&フルーティな美味しさのワインを造りたいと言う若い兄妹が・・このフレヴィアです。
決して重く無く、暑苦しさなど全く無く、キリっとしているが酸っぱく無い美しい酸が感じられる健康的なワイン、しかも・・今回入荷して来たのは、
「すべて1000mlボトル!が6アイテム」
です。
日本のワインがお好きな方は、もっと酸もフレーヴァーもしっかりしていますが近寄りやすいかな・・と思います。何より、
「マロ..やってるのかな?」
と一瞬思えるほど、リンゴ酸的なフレッシュな酸も感じます。
グイグイも飲めるし、深みも有る・・是非ご検討くださいませ。
◆◆エージェント情報
■ミレニアル世代が手掛けるシチリアの新たなナチュラルワイン!
◇2018 年に始動したプロジェクト
シチリアに新しいナチュラルワインが誕生しました。シチリアの西端、マルサラで2018 年に始動したプロジェクト、FLAVIA フラヴィアです。今年28 歳と30 歳になるラロ兄妹は、これまでの形式や枠にはまらない、フレッシュで、ピュアで、新しい時代の息吹を感じるナチュラルワインを造りたいと考え、このフラヴィアのプロジェクトを始めました。フラヴィアの造るナチュラルワインは全てリッターボトル。フレッシュで活力があり、潮風が与えるフローラルな香りと塩味を伴った味わい深さを備えています。
◇新時代の息吹を感じさせてくれる味わい
フラヴィアのワインには、これまでのイタリア南部のワインにありがちな独特の重たさや酸化的ニュアンスは全くありません。清涼感さえ感じるフレッシュ感とジューシーさが最大の特徴です。とても心地良く、飲みやすい味わいで、間違いなく新時代の風を感じさせてくれるワインです。食のライト&ヘルシー化に伴って、今や世界各国で「フレッシュ&ジューシー」が、新しい世代のナチュラルワインの造り手達のキーワードになってきていますが、シチリアにも、いよいよそんな若手のナチュラルワイナリーが登場しました。ご期待下さい!
◆フラヴィアについて
Flavia フラヴィアは、シチリアのマルサラで、Giacomo ジャコモとFlavia フラヴィアのRallo ラロ兄妹によって2018 年に始動したナチュラルワインのプロジェクトです。二人は1860 年からマルサラでブドウ栽培を行ってきた農家の5 代目で、2022 年現在、フラヴィアが28歳、ジャコモが30 歳です。二人は
2018 年に家業を継承しました。それまでラロ家ではオーガニツクで栽培した畑のブドウから、一般的なオーガニックワインを醸造して販売していました。
しかし、二人は、フレッシュで、ピュアで、新しい時代の息吹を感じるナチュラルワインを造りたいと考え、これまでの形式や枠にはまらない、ナチュラルワイン造りを始めたのです。そのワインとは以下のような点に要約されます。
ブドウが栽培されたテロワールとブドウの特徴を際立たせる真の味わいを備えている。
野生酵母で発酵を行い、シュールリーで熟成。無清澄・無濾過で濁りがある。
圧倒的なブーケがある本物の生きたワインである。
それぞれのキュヴェが独自の個性を備えている。
味わう人の感性に強く訴えかける。
ワイナリーのブドウ畑は、マルサラの町の北側で、マルサラ塩田が目と鼻の先にある、ビルギ地区とパオリーニ地区の間にあります。グリッロ、カタラット、ジビッボ、フラッパート、ペリコーネ、ネロ・ダーヴォラなどのシチリアの地場品種のみを栽培しています。栽培面積は20 ヘクタールで、全てが所有畑です。海抜150~250mの場所に位置しており、土壌は砂質ですが、古代に海だった場所であるため、ミネラルと石灰が非常に豊富で、シチリア独特の風味と香りを持つユニークなワインが生まれる土壌です。
マルサラ地区の気候は、乾燥して暑く、日照に恵まれています。地中海に吹く強い風、ミストラルが一年中吹きつけるため、畑の湿気を吹き飛ばしてくれます。また、冬の間に生育に必要な雨が降り、夏は昼夜の気温差が大きく、ブドウは最適に熟します。これらはブドウの高い官能表現のために決定的な条件であります。
フラヴィアでは、ビオロジックとサステイナブルな農業を行っています。これは、畑においても醸造所においても、可能な限り人為的介入を避けることで、人間と動物、そして地球を健康にし、幸福にすること、そして未来の世代に希望を与えることであると考えています。そもそも、ビオロジックの目的は畑の生産性を上げるのが目的ではありません。生産性を高めることは、植物に過大なストレスを与えてしまいます。何よりもまず、寄生虫や菌などの病原体を殺す農薬や除草剤、肥料の使用を完全になくし、土中の有機物質のレベルを維持し、増加させることが大切なのです。
地中の有機物質が活性化することによって、健全であると同時に、地元の伝統と風味・香りが豊かに詰まったテロワールを最も純粋にかつ最も分かりやすく表現するナチュラルワインが生まれるのです。また、地場品種から地元の個性を表現するナチュラルワインは造ることは、周辺環境の保護と農村の発展に寄与することでもあると、フラヴィアでは考えています。
フラヴィアのワインは、フレッシュで活力があり、潮風が与えるフローラルな香りと塩味を伴った味わい深さ、そして素晴らしい心地良さと飲みやすさを備えています。これまでのイタリアやスペイン南部のワインにありがちな独特の重たさや酸化的ニュアンスは全くなく、清涼感さえ感じるほどのフレッシュ感とジューシーさがあります。ジャコモとフラヴィアは、これまでの枠にはまらないラディカル(先鋭的)なナチュラルワインであることから、自分達のワインを
『REBELLIOUS WINES(反抗的なワイン)』
と形容しています。既に英国、フランス、スペイン、オランダ、デンマーク、ノルウェー、アメリカ、オーストラリアなどに輸出されています。
●
2020 Ciccio Nero d'Avola Sicilia D.O.P.Rosso
シチッチョ・ネロ・ダヴォラ・シチリア D.O.P.ロッソ
【鮮烈な果実のニュアンスに僅かな滑らかさを加えたフレッシュさと中庸な膨らみと柔らかさ!・・中々無いタイプの1L赤です!】
「・・マロ、やってるのかなぁ・・やってるようにも思えるけど・・若干鋭角にも入ってくるよなぁ・・」
「鮮烈さとフレッシュさ、そして滑らかさ・・余り無い感じの赤だし、マルサラでしょう?・・ドライで甘く無くて・・」
みたいな感覚が、初めてこのワインを飲んだ時の印象でした。
そもそもアフリカ大陸はすぐそこ・・300キロ無いような場所ですし、場所によっては人の手を入れずに放置してしまうと・・
「葡萄はいつの間にかレーズンになっている!」
みたいな気候のはずですから・・このフレッシュさ、クリーンな黒葡萄の美味しさがピュアさを感じさせるのには、自身の持つ染み付いたイメージが違和感を抱かせるのでしょう。
まぁ・・この辺りのレーズンはとても美味しくて、オファーが有ると時折仕入れていましたし、試食もしていました。
おそらくですが、葡萄を過熟させず、(他の産地よりも)比較的早い段階で収穫して醸造しているのかな・・と思います。もしくは自然派のアプローチがそれを許しているのかな・・とも思います。
とにかくピュアでフレッシュ、ほんのりナチュラルです。ベリーと言うよりはチェリーなフルーツですが、一番近いのは・・
「マロラクティックを浅めにしたピノ・ノワール?」
みたいなイメージで、
「A.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワール50%にコトー・ブルギニヨン50%を足した感じ?」
が一番近いかもしれません・・(^^;; 素直にピノ・ノワール75%にガメ25%と言ったらよいかとも思いますが、それだとちょっとイメージが違う・・もっと細かく言うとすれば、
「2020年のA.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに2019年のコトー・ブルギニヨンの半々・・」
でしょうか。それも比較的マロラクティックの浅い奴ですとイメージピッタリ!・・な感覚です。
スイスイも飲めるし深みも有ります。これはフレッシュ系の赤がお好きな方にはピッタリでしょう。余り血の濃く無い肉の方が合いますでしょうか。飲んでみてください。お勧めします!
●
2021 Taille I.G.P.Terre Siciliane Rosso
タイエ・ロッソ
【フラッパートとペッリコーネ半々によるフレッシュ系の赤です!】
すみません・・すべてのアイテムの入荷数が各々12本のみなので・・6アイテムの半分・・テイスティングさせていただきまして、この「タイエ」は飲めていないんですね。 ですが、深み、重量感のあるフラッパートに、マルサラ・ルビーノの原料として有名なペリコーネのブレンドですので、やはり「中庸なボディのフレッシュさ」を狙っているのかな・・と思います。(マルサラ・ルビーノと言うのは、比較的明るい色をした飲みやすい系のマルサラ酒です。) 1000ML有りますので、結構、飲み応えあると思います。他のコラムもご参考にされ是非ご検討くださいませ。 ■エージェント情報 味わい:ルビーレッドの色合い。ザクロ、ブラッベリー、プラムやクランベリ-、微かにクローブや甘草などの香り。アタックは柔らかく、果実味豊かな口中には、フルーツケーキやブルーベリー、カシスのノートが感じられる。余韻には心地良い塩味と共にオリーブのニュアンスが残る。
カーサ・カテッリ
カーサ・カテッリ
イタリア Casa Catelli トスカーナ
● リーズナブルながら有機栽培のピュアなキャンティが入荷です。「納得の味わい」と言えるでしょう!決して多く無い7万本と言う生産量・・カーサ・カテッリです。
■私たちのビジョン
私たちは土壌、露出、微気候と持続可能性のための最高のエリアを選択し、そのアペラシオンらしいワインを作ります。品質を達成し、ワイン造りの経験を確実にするために努力しています。 それぞれのワインはフルーティーでエレガントな味を開発させることで、伝統と現代の間のバランスを最適化することを約束しています。私たちの3つのワインがすでに有機認定され、私たちは有機農業を信じています。
また、ブドウ畑からボトルになるまで、各ステップを確実にコントロールしています。 ワイン造りのチームは、スタイルの連続性を保証するために、 先住民品種の個性的で貴重な風味を維持するために、生産者と密接に連携しています。 当社は、当社の生産の80%を輸出します。 主要国はスカンジナビア地域、英国、ドイツ、米国、およびカナダです。
●
2019 Chianti (Organic)
キャンティ(・オーガニック)
【げげっ!・・これ、かなり美味しい・・。絵にかいたようなフルーティーさとまん丸パレットをご堪能ください!】
ようやっと大人気だったカーサ・カテッリのキャンティ・オーガニックの新ヴィンテージが到着しました。D.O.C.G.ワインながらも、キャンティの後にクラシコも何もつきませんが、何せ安い・・。安過ぎるワインは眉唾ものなので、酷いイタリアワインに懲りているnoisy は、いつものように入荷後の再テイスティングを行いました。
以前ご紹介していた2012年ものも美味しかったんですが、いや~・・2015年のキャンティ・オーガニックは、何の不足も感じられない、見事にまん丸でフルーティーなミディアム・ボディの味わいでした。滅茶美味しいんですよ。
元々と言うか、リカーソリさんが始めたと言うべきか、カナイオーロをキャンティに混ぜるようになったんですが、その「良い面」が出ているワインだと思うんですね。
良く白ブドウ(マルヴァジーアやトレッビアーノ)を混醸するキャンティでは有りますが、こちらはおそらくマルヴァジーア・ネッラで黒ブドウです。かなりのフルーティーなニュアンスが加わりながらも薄くならず、サンジョヴェーゼが持つ独特の襞の有る表情を引き出しています。オーガニックならではのピュアさがそこに加わっています。
パレット上はもう・・まん丸です。そして思いのほか、後を引くんですね~。ワイン単体でも美味しいんですが、食の邪魔をしない・・分をわきまえた性格の良さも格別です。
「・・これで充分じゃん・・」
と思っちゃうでしょう!
濃く無く、薄く無く、まろやかでピュア!・・皆さんが「フルーティー」で思い浮かぶような味わいそのものかと思います。売れそうな気配が漂ってます。ぜひ毎日の食卓に!ご検討くださいませ。一推しです!
以下は2012年もののコメントです!
━━━━━
【リーズナブル!ピュア!適度な濃度のキャンティです!】 リーズナブルながら、非常にピュアで凝縮感も有り、誰が飲んでも美味しい!・・と言ってもらえる可能性の高い自然派の「キャンティ」です。キャンティ・クラシコやキャンティ・何とかでは有りませんで、より広域に認められているD.O.C.G.ワインです。
自然派とは言いましても自然酵母で醸造している訳では無く、セレクションした酵母での発酵のようですので、
「モロビオ?」
では有りませんし、そのような気配は全く有りません。
まぁ・・そんなことを言うと喜ばれるのか、残念がられるのか・・判断できませんが、
「危険なニュアンスの無いピュアでちょっとナチュラルな有機栽培キャンティ」
と言うことになるのでしょう。
個人のカンティーナでは無く、「カーサ」(家)なので、おそらく幾つかの農家と契約してワイン造りをしている造り手だと思います。
非常に安いし、でも有機だと言うし・・余り気乗りがしないでテイスティングしたんですが、これが中々なんですよね。エレガントさも有りつつ中域も充分に備わり、安いキャンティに有りがちな甘味を残し、頼った造りでは無いんです。しっかりドライながらも「酸の構成で旨みを創る」ことが出来ているワインです。
適度の締りと解放から、気楽に飲んでも、またちょっと要素を取りに行きつつ飲んでも充分にご納得できると思います。ミネラリティもしっかり有りますので、是非飲んでみてください。お勧めです!
サンテ・ベルトーニ
サンテ・ベルトーニ
イタリア Sante Bertoni エミーリア=ロマーニャ
● ラシーヌ・セレクションの美味しい「バルサミコ」が登場です。実に嬉しい価格で仕上がりました。この季節、美味しい酢酸をたっぷりとって癒されてくださいね。
●
N.V. AgloDolce Condimento Alimentare
アグロドルチェ・コンディメント・アリメンターレ(旧バルサミコ・ビアンコ)
【時を超えるバルサミコ...と言われているようです.. サラダ、揚げ物、焼き物にコクをプラス!ついでに疲れた体にもパワー充填しましょう!】
安価で旨いバルサミコ酢です。「トラディショナレ」と付くバルサミコ酢は12年以上の熟成など、かなり厳しい条件が付けられますし、価格も100mlで ウン万円 というように、びっくりしてしまうほどの高級品です。 こちらは熟成は 「1年」ですが、上級のものに味わいを近づけるような努力がなされているようです。香りは正にピュアなお酢..ですが、少量使用するだけで料理にコクが出てきます。noisy も試してみましたが、「ベリーグー!」でした。例の如く、切った「水菜」を敷いて、パン粉をつけて焼いた白身魚を載せて、バルサミコと醤油で..OKです。水菜にはエクストラ・バージン・オリーブオイルを振っておいても良いかもしれません。工夫してみてください。美味しくてバリバリ食べられちゃいます..。 夏でもワインを離せないワインマニアにとって、このワインヴィネガーやバルサミコは必需品ですよ。何と言ってもワインと相性が良いのがポイントですね。そりゃそうですよ..もともとはワインなんですから..。 「赤ワインはこの料理にはちょっと合わないかな?」 と思ったら、料理の はじっこ にこのバルサミコ酢を垂らして確かめてみてください。そして付けて試食してみましょう..。どうです?塩っけが不足していたら、岩塩でも醤油でも足してみましょう..。ぱさぱさ感が有ったらオリーブオイルを振ってみる..。意外にも醤油との相性が良いのが判ると思います。最もイタリアンさんで、 「醤油くださ~い」 なんて大きい声を出したら嫌われちゃういますので止めてくださいね。あくまで自宅で..やってください。 サラダにこのバルサミコとパルメジャーノ、塩、オリーブオイルで最高 の前菜に成りますし、フライに振っても焼いた赤肉に振ってもポテンシャルアップします。お好みに応じて量を調節してください。夏の疲れた体にとても効く!(と、思います)リーズナブルで美味しいアチェート・バルサミコをお試し下さい。
●
N.V. Aceto Balsamico di Modena I.G.P.
アチェート・バルサミコ・ディ・モデナ(1年熟成)
【時を超えるバルサミコ...と言われているようです.. サラダ、揚げ物、焼き物にコクをプラス!ついでに疲れた体にもパワー充填しましょう!】
安価で旨いバルサミコ酢です。「トラディショナレ」と付くバルサミコ酢は12年以上の熟成など、かなり厳しい条件が付けられますし、価格も100mlで ウン万円 というように、びっくりしてしまうほどの高級品です。 こちらは熟成は 「1年」ですが、上級のものに味わいを近づけるような努力がなされているようです。香りは正にピュアなお酢..ですが、少量使用するだけで料理にコクが出てきます。noisy も試してみましたが、「ベリーグー!」でした。例の如く、切った「水菜」を敷いて、パン粉をつけて焼いた白身魚を載せて、バルサミコと醤油で..OKです。水菜にはエクストラ・バージン・オリーブオイルを振っておいても良いかもしれません。工夫してみてください。美味しくてバリバリ食べられちゃいます..。 夏でもワインを離せないワインマニアにとって、このワインヴィネガーやバルサミコは必需品ですよ。何と言ってもワインと相性が良いのがポイントですね。そりゃそうですよ..もともとはワインなんですから..。 「赤ワインはこの料理にはちょっと合わないかな?」 と思ったら、料理の はじっこ にこのバルサミコ酢を垂らして確かめてみてください。そして付けて試食してみましょう..。どうです?塩っけが不足していたら、岩塩でも醤油でも足してみましょう..。ぱさぱさ感が有ったらオリーブオイルを振ってみる..。意外にも醤油との相性が良いのが判ると思います。最もイタリアンさんで、 「醤油くださ~い」 なんて大きい声を出したら嫌われちゃういますので止めてくださいね。あくまで自宅で..やってください。 サラダにこのバルサミコとパルメジャーノ、塩、オリーブオイルで最高 の前菜に成りますし、フライに振っても焼いた赤肉に振ってもポテンシャルアップします。お好みに応じて量を調節してください。夏の疲れた体にとても効く!(と、思います)リーズナブルで美味しいアチェート・バルサミコをお試し下さい。
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