● 新井順子さんのデ・ボワ・ルカです。残念ながら議員先生にはなれませんでしたが、彼女はきっとまた何かやってくれるでしょう。
因みに茨城でお酒も造っちゃってますので、こちらもご覧くださいね。
剛烈富永酒造店Touraine(トゥーレーヌ) eRoug(ルージュ) Caberne(カベルネ)t Franc(フラン) 2009(Last Wine)
私の最後のカベルネ・フラン。私のワイン醸造の原点は実はボルドーにあります。なので白はソーヴィ二ヨン・ブラン種、赤はこのカベルネ・フラン種に対する思いはひとしおなのです。ですから 2006 年には妹の為にこのカベルネ・フランを躊躇なく選びました。それだけ実はこの品種が好きなのです。ボルドーではカベルネ・ソーヴィ二ヨンやメルローに主役を取られ、補助品種になってしまいます。ロワールの Chinon に来れば主役になりますが、Touraine に来ると厄介な品種で Gamay の方に軍配があがるのです。それでも長期熟成型のシュバル・ブランのようなワインは存在するのです。
何て大変な品種なのでしょう。それに憧れ何度も 100%カルボニックを試しました。やっとやっと 2007 年に成功させました。なので 2006 年だけにネーミングしたかった同じ Mido を名乗りましたが、2008 年からは CF だけの名前にしました。これの方が消費者の方には解りやすいとの判断です。
そして最後の仕込みです。最初っからカルボニックには挑みませんでした。やはり昔の先輩方々の行うエグラッペで、上手に層を作って仕込む方が CF らしいと気がついたのです。勿論 2007 年の CF は美味しいです。CF の房の形状から誰もカルボニックには挑戦しません。偶然が重なり 2007 年は成功しましたが、最後のヴィンテージはクラッシックなボルドーの方法にナチュラルワインの方法をブレンドした手法を選んだのです。そして出来あがった CF は優しくエレガントで決して補助品種でなく単一品種で美しいスタイルになったのです。何回も壊しては作り壊しては作り、ここにたどり着きました。天然アルコール度数 12.7%。この辺の栽培家は皆 Gamay を選びます。でもこういうワインが存在しても良いのかもしれません。