
ん~・・なんだろ・・むしろドメーヌ・デ・ボワ・ルカ時代よりも自由に造ってるんじゃないだろうか・・脱力していると言うか、伸び伸びとしていると言うか・・。
ドメーヌ時代はどこか、何かしらのストレスを抱えていたのがワインに出ていた・・と言うか、プレッシャーが有ったかと言うか・・いや、順子さんにプレッシャーは似合わないか・・などと考えてしまいました。
こちらはボルドーの南・・にある南西地方(スュッド・ウェスト)のワインです。品種はネグレット・・これはコット、マルベックと同類ですね。フロントンのA.O.C.だと必ずネグレットを多めに使用しないとA.O.C.(今はA.O.P.)にはなりません。
まぁ・・造って販売している本人が「フロントン」と余り言わないので、このワインは「ネグレット」で通ってしまっているようですが、本来、ネグレットは略出来たとしても「フロントン」は省略してはいけないんじゃないかと思うんですが・・どうなんでしょうね・・ワイン屋の皆さん?
マルベックやコット(コー)と同様に、若干・・蝋質を感じることの多いネグレットですが、この2020年は・・上手に蝋質を出さないように仕上がっていまして、幾分の飲みにくさが有るはずのネグレットを、滅茶苦茶美しく仕上げています。
色彩は濃厚ですが・・
「いや・・かなりサラリとスッキリ美味しい!」
んですね~・・。ちょっと驚きました。
そして2020年ものなんですが・・
「何とアルコール度 11.5度!」
なんですね。
ですから、濃密に見えてもサラリと飲めてしまう・・その秘訣かもしれません。

でも良く・・A.O.P.、取れましたね・・。
そしてこのワインの最大の魅力は、
「愛らしい・・極少赤果実の集合体をキュッと感じさせる見事な酸!」
でしょうか。
ちょうど中盤辺りに・・キュッと・・一瞬盛り上がるように感じられ、その後美しい減衰量で収束して行くんですね。
この南西地方のワインは、力任せに造ると・・パワーは出てもエグ味が出たり、後口に問題が有ったりしますが、このネグレットは滅茶綺麗です。
マルベックだともう少し黒いのかもしれませんが、見た目は深いですが赤果実だと・・飲んでいて感じられると思います。
このネグレットの葡萄は「シャトー・プレイザンス(プレザンス)」の栽培で、おそらく醸造もそちらでやったのかな・・と思います。標高220メートルの堆積土壌で痩せた粘土質だそうです。そのため自然に収穫量が少なくなり、ワイン造りに都合の良い感じになるんですね。
このアルコール分11.5度で・・この深い色彩の赤ワインが、
「ここまで美味しいか?」
と・・きっと思っていただけると確信しています。So2添加の無い、ストレスを感じないスムーズな美しいワインでした。是非飲んでみてください。超お勧めします!