ピュアで美味しいワインをnoisyがご紹介します。 自然派、ブルゴーニュ、イタリアワインを好きな方は是非ご来訪ください。
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■ セシル・トランブレイ来日記念!
2025年2月19日テイスティングセミナーレポート・・by oisy

 お忍びで・・と言うことでは無かったのですが、この2025年2月にひっそりと忍び足でセシルが来日してくれていました。
 少数人数でテイスティングセミナーを行うので是非・・という事で noisyをご招待してくれたのですが、時はまさに決算真っ最中・・新着も何とかこなさないといけない・・激務中と言うことで noisy は参加を断念・・残念でしたが・・。
 せっかくご招待してくれたので、「noisyは都合付かないけど oisy でも良いか?」と尋ねたら二つ返事でOKが出たので、oisy を派遣することに。
 まぁ・・日本初輸入の時から延々と扱わせていただいて、「こんなに凄い存在になられるとは!」・・とは思っていましたが・・(^^;;
 ただ行かせるのも癪なので、oisyにレポートを書いていただきました。
 1級畑だとばかり思っていたレ・ボーモン・バがグラン・クリュを名乗れる部分を含んでいて驚いた・・とか、醸造の時はどんな風に意識しながら行っているかとか・・
「梗の使用は料理に塩で味をつけるようなもの」
「料理人で例えるなら、プレスは火入れ」
などなど、感触や感覚の部分の細かい部分まで話してくれたようですよ。oisy渾身で書かせていただきました。セシルファンならずとも、ワインにご興味のある方ならきっと必見のコラムです!
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ボワ・ルカ

ボワ・ルカ

フランス Domaine des Bois Lucas ロワール
● ドメーヌ・デ・ボワ・ルカは閉じてしまいましたが、ワイン造りは止めないようです。いつもパワフルな順子さんが仕込んだロワールとスュッド・ウェストの白と赤をご紹介させていただきます。

 ワイン名をどのようにするか・・悩んだのですが、順子さん・・アチコチで仕込むようですから・・それに、ボワ・ルカの名前は残したい意向のようで、エチケット上部にしっかり印字されていますので、

「ヴィニフィエ・パ・ジュンコ」

は長いし・・入れずに、

「ボワ・ルカ」

のクレジットを入れ、ワイン名のところに栽培者(+醸造所?)のクレジットを入れることにしました。この方が判りやすいですよね?


 インポーターのオドゥールを復活、八ヶ岳にサロンを開設と忙しい順子さんですが、チョコチョコとワインを造りに出かけられています。今は勿論ボージョレでしょう・・

 今回は2019年のロワールの白と2020年スュッド・ウェストの赤をご紹介させていただきますが、・・いや、偉い美味いです。ロモランタンに至っては、彼女の白の最高傑作じゃないか?とさえ・・(^^;; 勿論、赤のフロントン・ネグレットも、今まで彼女が造って来たワインとは、また全然違うタイプに感じられ、それも高度なレベルに仕上がっていると感じます。是非飲んでみてください。追加は・・どうなるか・・ホント判りません。


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 新井順子さんのデ・ボワ・ルカです。残念ながら議員先生にはなれませんでしたが、彼女はきっとまた何かやってくれるでしょう。

 因みに茨城でお酒も造っちゃってますので、こちらもご覧くださいね。
剛烈富永酒造店



Touraine(トゥーレーヌ) eRoug(ルージュ) Caberne(カベルネ)t Franc(フラン) 2009(Last Wine)

 私の最後のカベルネ・フラン。私のワイン醸造の原点は実はボルドーにあります。なので白はソーヴィ二ヨン・ブラン種、赤はこのカベルネ・フラン種に対する思いはひとしおなのです。ですから 2006 年には妹の為にこのカベルネ・フランを躊躇なく選びました。それだけ実はこの品種が好きなのです。ボルドーではカベルネ・ソーヴィ二ヨンやメルローに主役を取られ、補助品種になってしまいます。ロワールの Chinon に来れば主役になりますが、Touraine に来ると厄介な品種で Gamay の方に軍配があがるのです。それでも長期熟成型のシュバル・ブランのようなワインは存在するのです。
 何て大変な品種なのでしょう。それに憧れ何度も 100%カルボニックを試しました。やっとやっと 2007 年に成功させました。なので 2006 年だけにネーミングしたかった同じ Mido を名乗りましたが、2008 年からは CF だけの名前にしました。これの方が消費者の方には解りやすいとの判断です。

 そして最後の仕込みです。最初っからカルボニックには挑みませんでした。やはり昔の先輩方々の行うエグラッペで、上手に層を作って仕込む方が CF らしいと気がついたのです。勿論 2007 年の CF は美味しいです。CF の房の形状から誰もカルボニックには挑戦しません。偶然が重なり 2007 年は成功しましたが、最後のヴィンテージはクラッシックなボルドーの方法にナチュラルワインの方法をブレンドした手法を選んだのです。そして出来あがった CF は優しくエレガントで決して補助品種でなく単一品種で美しいスタイルになったのです。何回も壊しては作り壊しては作り、ここにたどり着きました。天然アルコール度数 12.7%。この辺の栽培家は皆 Gamay を選びます。でもこういうワインが存在しても良いのかもしれません。


2021 Sancerre Blanc Sans Soufre Vinifie par Junko Arai Doamine Sebastien Riffault
サンセール・ブラン・サン・スフル・ヴィニフィエ・パ・ジュンコ・アライ ドメーヌ・セバスチャン・リフォー

18797
自然派
白 辛口
フランス
ロワール
サンセール
ボワ・ルカ

■エージェント情報
Sanserre 2021 Auksinis Vinifie Junko 定価5.000円

 2017年迄醸造していた私のサンセールが 2021年の復活しました。2021年も当然コロナの影響はありましたが、かなり緩和されていたので 2021年9月1日~11月5日迄、2ヶ月以上丸々滞在が出来たからです。2021年と言う年は私のいるTouraine では最悪のビンテージで、春の霜で畑が全滅の生産者が沢山いました。

 そして皆、作る葡萄がないので南仏や他の地域からBIOの葡萄を買って醸造したビンテージです。ところが我家から車で2時間のサンセールは良い年だったのです。同じロワールでもこれだけ違います。葡萄が非常に熱れ、アルコール度数がなんと14.9度です。オキシニスの畑はセバスチャン自身、マセラシオンやタルディブを作る、糖度が上がる畑です。私の畑と同じ粘土石灰質なので、セバスチャンとは違う方法、BOIS LUCAS と同じ500Lの樽で熟成しました。正確には新樽ではありませんが、ブランシャールさんの新しめの樽で、最初から樽で1年半の熟成です。

 セバスチャンは最初大きなタンクで1年発酵させ、それから樽に移します。私は最初から最後迄、樽で発酵・熟成致します。開けたての味わいは BOIS LUCASのようなSB です。そしてSO2を入れていないので、あっという間に色が茶色オレンジに変わり、味わいがセバスチャンのスタイルになります。作った私も不思議ですが、これはビンテージが影響していると思います。寝かせた方が良い味わいですが、勿論最初の BOIS LUCASのスタイルのうちに飲むのも美味しいです。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥4,090 (外税) 
【勘違いされると困るので・・こちらはアルコール分13度のエレガントタイプです。繊細ながらの結構に複雑!!・・そしてSo2無しながら揮発酸も無しと言う素晴らしい出来です!】
 美しいゴールド・・と言いますか・・輝きのある黄土色?・・みたいな、ソーヴィニヨンによるサンセールです。なんと・・So2無しで順子さんが仕上げたんですね。

 2017年ものもエレガントで実に美味しかったですが、この2021年ものはそれにも増して・・ナチュール感が高いですが・・

「アヴァンギャルド度はめちゃ低い!」

そして、アルコール分は13度で、

「激エレガント!」

さらには、ちょっと・・この複雑感はセバスチャン・リフォーにも通じるものが有って、

「ちょっとだけ貴腐感も・・有り?」

みたいな、素晴らしい出来だと感じます。

 そして面白いのは・・飲んでますよね~・・スイ~っとも、シミジミ~・・とも・・さらには、口蓋で押しつぶしながら・・

「結構に心地よい複雑感もあるなぁ・・」

などと思っていると・・

「・・あら!・・このサンセール、こんな色だったっけか~!?」

と、思わず声を上げてしまうように・・

「ものの見事に色落ちして行く!」

んですね・・。見ものですよ・・。

 色が落ち始めますと、それまでマンダリンとか多くの柑橘の・・余り派手ではない心地良い果実では有りましたが、さらにしっとり、シミジミとして来るんですね。

 色彩は黄色が抜け始め、もっと地味な色になって行きます。さらっとしてくる・・そんな感覚でしょうか。

 しかしながら複雑感だけは酸の重なったような太さと共に強くなって行きます。ん・・ちょっとだけ貴腐も付いているかな?・・みたいな感覚です。

 2017年ものの時はここまでは深みは無かったと思いますが、2021年ものはかなり深いですね。でも鈍重には全くならず、ギラギラもせず、しっとりと身体に鈍角で入って来つつ、キラキラと輝きを見せてくれる・・そんな感じです。

 まぁ・・順子さんの2006~2007辺りのトゥーレーヌ・ソーヴィニヨンをお飲みになられていらっしゃるようでしたら、

「・・懐かしい・・」

と感じていただけるはず!・・飲んでみてください。かなり美味しいです!








 以下は2017年もののこのサンセール・ブランのレヴューです。
-----
【柔らかくふんわりとした果肉を感じるテクスチュアからの・・品のある果実、柑橘がノーズに感じられる、飲んでいて心地良さ、リアルなフルーツ感のあるサンセールです!】

 セバスチャンのワインと御縁が合ってから、翌年彼の醸造所に訪問した時に言いました。

「私もこの3つの最高の畑で醸造してみたい」と…。

「えッ ?」

 セバスチャンは意味が解らないようでした。

「実は2011年が最後の私の畑のソーヴィニヨンブランの醸造でその畑は売ってしまうのです。だから2012年からはここで造りたいと・・・」

 私は自分の畑をCotとPinot NoirとChardonnayの自分で植樹した3つの品種に絞った為、残念ながらソーヴィニヨンブランを手放す事にしたのです。1年は365日しかないので、時間配分の関係でした。でも

「最も好きなソーヴィニヨンブランをTouraineより格上の、それも馬で耕しているセバスチャンの葡萄で仕込めたら幸せだろうな…」

って思い、それをポロッと口にしたら

「いいよ…」

と。本当だろうか ??? そこからこのプロジェクトがスタートしました。

 セバスチャンの醸造方法は、基本は全て一緒です。収穫後葡萄を絞り、大きなタンクで1年発酵させ、もう1年古樽で熟成させる…と。しかし私がBOIS LUCASで行ってきた醸造方法は違います。プレス後直ぐに樽で発酵・熟成させるのです。私にとって完全還元化のタンクでゆっくり発酵させるより、木の目の詰まっていない新樽で柔らかい還元化で、自然なスピードで発酵させる方が好きだからです。どっちが良いか、それぞれの考え方があります。その私の方法で、セバスチャンの葡萄で仕込んだサンセール。是非とも2人の醸造の違いをお試し下さい。

(新井順子)

 順子さんからのオファーが有って、2017年もののセバスチャン・リフォーのところで造ったサンセールのサンプルをいただきました。

 早速飲んでみたところ・・美味しいんですよね~・・。

 セバスチャン・リフォーのサンセールも飲んだことがありますが、結構に違う感じがしました。色彩も・・熟成の影響も有るかとは思いますが、So2 を入れないサン・スフルですので、若干、暗めに見えますが、

「味わいには全く・・落ちたと感じる部分が無い」

です。非常にピュアです。

 色彩から想像されるような果実や柑橘が柔らかなミネラリティと共に感じます。マンダリンオレンジ的な感じも有って、

「・・お~・・ソーヴィニヨンで・・こうなるか~・・♪」

と言うような非常に心地良い感じです。

 しかも、

「柔らかな果肉」

を感じさせるテクスチュアで、非常に良いと・・感じました。


 まぁ・・ほとんどのショップさんが、「ただ並べてるだけ」のようで、ネットを徘徊してみても余り売られてもおらず、販売していてもまともなテイスティングコメントも無く残っているようなので、きっと順子さん的には・・

「・・なんで売れないの!??」

とキレ気味なんじゃないかと・・(^^;;

 そして、残糖と言うんじゃなくて、果実的な甘みが有って、非常にふっくらとしていて柔らかなんですね・・。

 ディディエ・ダグノーのようにクリスタルな感じのミネラリティがギッシリ有ってめちゃ硬質!・・と言うのとは、

「ある意味、真逆!」

です。So2無添加と言うことも有るかと思いますが、飲み心地が良いし、酔いは非常に軽いです。果実のリアル感を感じますが、五味がしっかり存在すること、それが良い熟を得た性も有ると思います。

 そうだなぁ・・でも順子さんのソーヴィニヨンを飲んだことが有る方なら想像できると思うんですが、バッキバキな感じじゃぁ・・無いでしょう?

 どちらかと言いますと、果実の肉がホロホロと感じられるようなテクスチュアから、ふんわりとした柔らかさとふくよかさが、じわ~っと出てくるような軟質な味わいですよね。2017年もので熟成しつつあると言うのも有ると思います。


 そう言う意味ではボワ・ルカ時代のソーヴィニヨンとは同質ですが、そこは・・

「サンセール」

ですから・・よりブルゴーニュに近いと言う地理も有ってか、ブルゴーニュらしい味わいです。

 こりゃぁ・・美味しいし、多分、他のネットショップさんでは売り辛いでしょうから・・ここはNoisy wine の出番かな?・・と言うことで・・お勧めいたします。美味しいですよ・・。順子さんらしい味わいです・・いや、馬力が有ると言う意味では無いですよ。彼女らしいセンスが光る味わいです。お勧めします!是非飲んでみてください。


2020 R Barrique V.d.F. Vinifie par Junko (Domaine Christian Binner)
R・バリック V.d.F. ヴィニフィエ・パー・ジュンコ(ドメーヌ・クリスチャン・ビネール)V.d.F.

18371
自然派
白 辛口
フランス
アルザス
ボワ・ルカ

■エージェント情報
 品種はリースリング、そして樽発酵だったと思います。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥4,090 (外税) 
【・・・新井順子は・・天才なのか?・・こりゃ・・おじさん、ちょっと参った・・】
 色々と有った2024年の正月を過ぎ、今になってようやっと届いたオドゥール経由のリースリングです。順子さんがドメーヌ・クリスチャン・ビネールに行った時に・・

「わたしにリースリングで醸造させてもらえないかな・・」

と言ったことから始ったそうです。

 ・・なんでそんなことから書き始めたかと言いますと、最初にいただいたテクニカルを印刷したものが行方不明なんです・・まぁ、どこかにあるはずと散々探したんですが見当たらず、

「まぁ・・どこかのワインショップがテクニカルを上げているだろうから、それを読めば良いか・・」

などと思ってネットを探してみましたところ、

「・・げげっ・・もしかして、このワインを仕入れたの・・うちだけ?」

と・・(^^;;

 いや~・・マジですか?・・もう少し皆さん、頑張って応援しましょうよ・・。能登の地震のチャリティとしても順子さん、自分のワインを提供してるんですよ・・流石ですね・・やることが超早いです・・まぁ、その内容はけっこうムズそうなのでここではお知らせしませんが・・。


 「ん?・・待てよ・・?」

と、ふと思い当って・・散々探しまくったのに出てこなかった封書が・・!・・見つけました・・なんと、

「未処理の仕入れ伝票が入っているケースの中」

から・・たった今、救い出しました・・申し訳ありませんでした。誰だ?・・そんなところに入れたのは!・・まぁ、多分・・noisyでしょう。

 なので以下、順子さんからのラブレターです。



 クリスチャン・ビネールのところにに訪問するたびに、

「綺麗な畑だな~、いつか アルザスの代表品種のリースリングを醸造したいな!」

と思っておりました。


 2020年1月17日、いつものようにワインの試飲に出かけ、さらっとその話しをしたら、

「良いよ!」

と直ぐにOkしてくれました。

「ちょうど今年からもち畑でなく近所の Bio の畑を借りる契約をする予定だからそこを使えば?」

って言われました。

「(何てラッキーな!)」

 畑は借りますが、もちろん選定からすべてクリスチャンが完全管理します。

 9月13日からアルザスに入り、14日(月)の朝から収穫、そしてプレス。ビネール家ではプレスが12時間かかるので、その日のうちには終わらず翌日15日にプレスが終わりました。

 それをロワールの私が持参したブランシャールさんの500Lの新樽に入れて発酵。2021年に様子を見たらまだまだ当分が残り発酵中、なのでそのまま様子を見ました。

 2022年3月25日に発酵が進まないので、一度スーティラージュして移し替えました。

 2022年9月7日、やっと発酵が終わり落ち着いたので瓶詰めしました。もちろん、この二年間、一度もSo2を使用していません。アルコール度13.6度、酸味のエレガントなふくよかなスタイルになりました。新樽使用のため、少しボワゼ気味ですが、私が前に醸造した ロモランタン2019のスタイルに似ております。初めてのリースリングにしては満足した味わいです。



 という訳です。

 順子さんは「ボワゼ気味」と言っておりますが、現状はまったくそんなことは無いです・・ボワゼと言うのは「樽っぽい」とか、「木の影響が見える」とか・・そんな意味です。

 強い黄色をしています。リースリングからの色とプレスに時間が掛かっていること、そしてバレルファルメンテッド(樽発酵)であること、So2を使用していないこと・・などが有ります。

 しかし、サン・スフルにしては綺麗ですよね・・。輝きが有り、中央の黄色が美しいです。

 そしてアロマが・・すごく熟した葡萄のように感じられます。そして、リースリングの尖がった感じはあまりなく、非常に幅のある太いアロマです・・アロマと言うよりも「ブケ」と言いたくなるような感じです。

 長い発酵期間が造り出した、深~~い・・じわっと染みて来る複雑な味わいです。

 ですが・・これ、2020年ものですから・・発酵由来の・・それなりのガスがピチピチと・・しているんですよ。

 そして、発酵しきれなかった・・ほんの僅かな甘み・・甘いとは言えない甘みですね・・まったくのドライに感じられる方もおられるレベルです。

 さして酸味もまたアロマ同様に非常に深く、幅のあるものです。単純にアルザスのリースリングだとは言い切れないような・・ほかに幾つかのセパージュが有るんじゃないか?・・もしかして、他の品種も一緒に植わっているのか?・・などと想像させるような複雑性です。それでいて、

「綺麗にまとまっている・・んです!」

 お~・・もしかして彼女は天才か?・・と・・思ってしまいましたよ・・。こんなワインはビオディナミストが嫉妬するんじゃないかと・・。

 細かなことを言いますと、完全に死に絶えた酢酸菌の残渣も有ります。ところがこれがまた・・すごく良い・・深みになっている訳です。

 まぁ・・単純に「放置主義」が生んだものかもしれませんが、いや~・・おじさん、一本取られちゃったな・・と言うところなんですよ。

 非常に美味しいです。そしてナチュラルですが、危険性はゼロ。余計な事を考えずに、ただひたすら美味しく飲めると思います。

 なんで仕入れないかな~・・判らんな~・・と。果実は白、黄色、オレンジ、そして赤っぽいもの、そして茶まで有ります。ビックリです!・・ぜひ飲んでみてください。滅茶苦茶美味しいです!!


2017 Sancerre Sans Soufre Doamine Sebastien Riffault
サンセール・サン・スフル ドメーヌ・セバスチャン・リフォー

18179
自然派
白 辛口
フランス
ロワール
サンセール
ボワ・ルカ

■エージェント情報
 2017 Sancerre Vinifie par Junko Arai サンセール ヴィニフィエ パー ジュンコ・アライ

呼称 Sancerre サンセール
参考小売 ¥5000
栽培・認証 ビオディナミ/カリテフランス
テロワール
土壌 粘土石灰
標高・向き 250m・南東、南
面積 1ha
品種(収穫/樹齢)ソーヴィニヨン・ブラン100%(手摘み/平均50年)
醸造
酵母 自生酵母
発酵 熟成 直接圧搾後、ステンレスタンクでデブルバージュ。新樽で発酵・熟成。無濾過・無清澄。
So2 無添加 トータル:10mg/L未満
アルコール度 13%
特徴 新井順子がセバスチャン・リフォーのブドウで仕込んだコラボキュヴェです。粘土石灰土壌のソーヴィニヨンブランをプレスしステンレスタンクでデブルバージュ、新樽で発酵・熟成しサンスフルで仕上げました。粘性のある黄金色、金柑のコンポートやりんごジャム、ビワ、カリンの香り、樽の風味も感じられしっかりコク旨で、熟した果実味のボリュームは徐々に拡がり、後半には複雑味が増し骨格の良さが印象的です。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥4,090 (外税) 
【柔らかくふんわりとした果肉を感じるテクスチュアからの・・品のある果実、柑橘がノーズに感じられる、飲んでいて心地良さ、リアルなフルーツ感のあるサンセールです!】
 セバスチャンのワインと御縁が合ってから、翌年彼の醸造所に訪問した時に言いました。

「私もこの3つの最高の畑で醸造してみたい」と…。

「えッ ?」

 セバスチャンは意味が解らないようでした。

「実は2011年が最後の私の畑のソーヴィニヨンブランの醸造でその畑は売ってしまうのです。だから2012年からはここで造りたいと・・・」

 私は自分の畑をCotとPinot NoirとChardonnayの自分で植樹した3つの品種に絞った為、残念ながらソーヴィニヨンブランを手放す事にしたのです。1年は365日しかないので、時間配分の関係でした。でも

「最も好きなソーヴィニヨンブランをTouraineより格上の、それも馬で耕しているセバスチャンの葡萄で仕込めたら幸せだろうな…」

って思い、それをポロッと口にしたら

「いいよ…」

と。本当だろうか ??? そこからこのプロジェクトがスタートしました。

 セバスチャンの醸造方法は、基本は全て一緒です。収穫後葡萄を絞り、大きなタンクで1年発酵させ、もう1年古樽で熟成させる…と。しかし私がBOIS LUCASで行ってきた醸造方法は違います。プレス後直ぐに樽で発酵・熟成させるのです。私にとって完全還元化のタンクでゆっくり発酵させるより、木の目の詰まっていない新樽で柔らかい還元化で、自然なスピードで発酵させる方が好きだからです。どっちが良いか、それぞれの考え方があります。その私の方法で、セバスチャンの葡萄で仕込んだサンセール。是非とも2人の醸造の違いをお試し下さい。

(新井順子)

 順子さんからのオファーが有って、2017年もののセバスチャン・リフォーのところで造ったサンセールのサンプルをいただきました。

 早速飲んでみたところ・・美味しいんですよね~・・。

 セバスチャン・リフォーのサンセールも飲んだことがありますが、結構に違う感じがしました。色彩も・・熟成の影響も有るかとは思いますが、So2 を入れないサン・スフルですので、若干、暗めに見えますが、

「味わいには全く・・落ちたと感じる部分が無い」

です。非常にピュアです。

 色彩から想像されるような果実や柑橘が柔らかなミネラリティと共に感じます。マンダリンオレンジ的な感じも有って、

「・・お~・・ソーヴィニヨンで・・こうなるか~・・♪」

と言うような非常に心地良い感じです。

 しかも、

「柔らかな果肉」

を感じさせるテクスチュアで、非常に良いと・・感じました。


 まぁ・・ほとんどのショップさんが、「ただ並べてるだけ」のようで、ネットを徘徊してみても余り売られてもおらず、販売していてもまともなテイスティングコメントも無く残っているようなので、きっと順子さん的には・・

「・・なんで売れないの!??」

とキレ気味なんじゃないかと・・(^^;;

 そして、残糖と言うんじゃなくて、果実的な甘みが有って、非常にふっくらとしていて柔らかなんですね・・。

 ディディエ・ダグノーのようにクリスタルな感じのミネラリティがギッシリ有ってめちゃ硬質!・・と言うのとは、

「ある意味、真逆!」

です。So2無添加と言うことも有るかと思いますが、飲み心地が良いし、酔いは非常に軽いです。果実のリアル感を感じますが、五味がしっかり存在すること、それが良い熟を得た性も有ると思います。

 そうだなぁ・・でも順子さんのソーヴィニヨンを飲んだことが有る方なら想像できると思うんですが、バッキバキな感じじゃぁ・・無いでしょう?

 どちらかと言いますと、果実の肉がホロホロと感じられるようなテクスチュアから、ふんわりとした柔らかさとふくよかさが、じわ~っと出てくるような軟質な味わいですよね。2017年もので熟成しつつあると言うのも有ると思います。


 そう言う意味ではボワ・ルカ時代のソーヴィニヨンとは同質ですが、そこは・・

「サンセール」

ですから・・よりブルゴーニュに近いと言う地理も有ってか、ブルゴーニュらしい味わいです。

 こりゃぁ・・美味しいし、多分、他のネットショップさんでは売り辛いでしょうから・・ここはNoisy wine の出番かな?・・と言うことで・・お勧めいたします。美味しいですよ・・。順子さんらしい味わいです・・いや、馬力が有ると言う意味では無いですよ。彼女らしいセンスが光る味わいです。お勧めします!是非飲んでみてください。


2019 Romorantin Sans Soufre V.d.F. Domaine de Montcy
ロモランタン・サン・スフル V.d.F.

18116
自然派
白 辛口
フランス
ロワール
トゥーレーヌ
ドメーヌ・デ・ボワ・ルカ

◆◆◆ ついにラスト12本!・・順子さんも今後造れる予定が無い希少種ロモランタンです。出来も素晴らしいですので是非!
■エージェント情報
 2019年9月26日収獲。プレスした後、私がいつも使用しているブランシャールさんの方法を引き継いだVrietの新樽500Lで発酵。何度も何度も試飲を繰り返し2020年10月4日に瓶詰め。 同じロワールでもソーヴィニヨン・ブランと違ってMLFに時間がかかりました。 瓶詰はシンプルに手で行い、もちろんSO2は一切入れておりません。600本しかありません。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥3,880 (外税) 
【ドメーヌ・デ・ボワ・ルカの最高峰2006年のソーヴィニヨン・ブランを思い出させる素晴らしい味わい!タイトに締まりながらも伸びて行こうとする姿の美しさ!・・滅茶秀逸です!】
 グラスの写真を見ただけで・・

「おっ・・お主、ただ者では無いな?」

と・・時代劇なら一目見ただけでその剣士の能力を見破っている所ですが、この黄色を積み重ねたような濃い黄色・・ゴールドじゃなくて黄色・・

 もう、これだけでも・・2005年~2006年のデ・ボワ・ルカのソーヴィニヨン・ブランを思い出してしまいました。

 ですが香りを嗅ぎ、口内で転がして喉に落とし込む・・すると・・

「そう、まさにあの頃の順子さんの白!」

と・・まったく品種は違えど、何となく順子さんのワインの匂いがするんですよね・・いや・・ワインの匂いです。

 ですから・・何と言えば良いのか微妙な表現になりますが、まるで葡萄の果皮のすぐ内側の、一番濃密な部分を口内に入れているような感覚。決して甘く無く、ほんの僅かなタンニンとミネラリティと果実が2~3ミリの厚みの中に一体化したものになり、口内を心地良くえぐって行く・・そんな感じなんですよ。

 まぁ・・言葉にするのは難しいですが、2005~2006年のソーヴィニヨン・ブランは緯度の低い地域のゴージャス系の果実と、緯度の高い地域の酸の効いたエレガントな果実の3対2のニュアンスでしたが、このロモランタンは2対3・・(^^;;

 しかも2019年のロモランタンは縦延び系でして、ほぼ丸い形、もしくは丸みを帯びた長方形なパレットを描いたソーヴィニヨンとは、ま~・・違うっちゃぁ違うんですが、

「ん~・・やっぱり順子さんのワインだな~」

と思ってしまうんですね。

 それにSo2 も入れませんし清澄もしていないはず。滅茶飲み口が良いです!・・しかもここまでの感じだと、ロモランタンはほんのり甘みを残したワインが多いように思うんですが、残糖感が無く、それでいて非常にバランスが素晴らしいんですね。


「・・これって・・かなり凄いんじゃない?」

と感じました。

 まぁ・・ご自身のドメーヌ・デ・ボワ・ルカは閉じてしまわれましたからね。それでも葡萄の元気な姿を見てしまうと、きっとウズウズして来るんでしょう。だから、各ドメーヌを訪問した際には、「・・わたしに造らせてくれない?」と・・お声がけされてるに違い無いと・・noisy は勝手に思っています。

 この葡萄はドメーヌ・ド・モンシーの栽培によるもので、アルコール分も12.5度とちょうど良い感じに仕上がっています。この2~3ミリの中に色々入っている感じが・・実に良いです・・飲まないと判らないかもしれませんが、飲んだら「美味しい!」と言っていただけるはずです。

 今、ジュンコさんはボージョレに行っちゃってますから・・、それに600本だけなので追加は厳しいかもしれません。どうぞよろしくお願いいたします。超お勧めします!


2020 Fronton Negrette Sans Soufre Chateau Plaisance
フロントン・ネグレット・サン・スフル シャトー・プレイザンス

18117
自然派
赤 フルボディ
フランス
スュッド・ウエスト
フロントン
ドメーヌ・デ・ボワ・ルカ

◆◆◆ ようやく再入荷!2023/11/07(火)に入荷予定です。事故など有った場合は申し訳ありません、発送が遅れたり受注できない場合もございます。ご了承くださいませ。
◆◆◆新井順子さんのA.C.フロントン!・・見事な味わいです!
■エージェント情報
 2018年、初めてここで醸造しその2年目のワインです。収穫後、エグラッペしないでそのままタンクで3週間漬け込みプレス。その後500Lのボワ・ルカ古樽で熟成。2020年6月に瓶詰。SO2無添加。

 ネグレットという品種は、南に位置しておりますがきれいな酸が特徴でそのため長期熟成タイプになります。渋みが多いのですが質がエレガントですので似た地方のボルドーワインとはまた 違う味わいです。標高の高いネグレットの古い樹齢だけ使用しました。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥3,480 (外税) 
【凝縮しているが美しい果実酸が見せる冷ややかな黒赤果実の味わい!ロワールとはまた違った魅力を感じさせてくれる高質な赤です!】
 ん~・・なんだろ・・むしろドメーヌ・デ・ボワ・ルカ時代よりも自由に造ってるんじゃないだろうか・・脱力していると言うか、伸び伸びとしていると言うか・・。

 ドメーヌ時代はどこか、何かしらのストレスを抱えていたのがワインに出ていた・・と言うか、プレッシャーが有ったかと言うか・・いや、順子さんにプレッシャーは似合わないか・・などと考えてしまいました。

 こちらはボルドーの南・・にある南西地方(スュッド・ウェスト)のワインです。品種はネグレット・・これはコット、マルベックと同類ですね。フロントンのA.O.C.だと必ずネグレットを多めに使用しないとA.O.C.(今はA.O.P.)にはなりません。

 まぁ・・造って販売している本人が「フロントン」と余り言わないので、このワインは「ネグレット」で通ってしまっているようですが、本来、ネグレットは略出来たとしても「フロントン」は省略してはいけないんじゃないかと思うんですが・・どうなんでしょうね・・ワイン屋の皆さん?


 マルベックやコット(コー)と同様に、若干・・蝋質を感じることの多いネグレットですが、この2020年は・・上手に蝋質を出さないように仕上がっていまして、幾分の飲みにくさが有るはずのネグレットを、滅茶苦茶美しく仕上げています。

 色彩は濃厚ですが・・

「いや・・かなりサラリとスッキリ美味しい!」

んですね~・・。ちょっと驚きました。

 そして2020年ものなんですが・・

「何とアルコール度 11.5度!」

なんですね。

 ですから、濃密に見えてもサラリと飲めてしまう・・その秘訣かもしれません。

 でも良く・・A.O.P.、取れましたね・・。

 そしてこのワインの最大の魅力は、

「愛らしい・・極少赤果実の集合体をキュッと感じさせる見事な酸!」

でしょうか。

 ちょうど中盤辺りに・・キュッと・・一瞬盛り上がるように感じられ、その後美しい減衰量で収束して行くんですね。

 この南西地方のワインは、力任せに造ると・・パワーは出てもエグ味が出たり、後口に問題が有ったりしますが、このネグレットは滅茶綺麗です。

 マルベックだともう少し黒いのかもしれませんが、見た目は深いですが赤果実だと・・飲んでいて感じられると思います。

 このネグレットの葡萄は「シャトー・プレイザンス(プレザンス)」の栽培で、おそらく醸造もそちらでやったのかな・・と思います。標高220メートルの堆積土壌で痩せた粘土質だそうです。そのため自然に収穫量が少なくなり、ワイン造りに都合の良い感じになるんですね。

 このアルコール分11.5度で・・この深い色彩の赤ワインが、

「ここまで美味しいか?」

と・・きっと思っていただけると確信しています。So2添加の無い、ストレスを感じないスムーズな美しいワインでした。是非飲んでみてください。超お勧めします!


2009 Touraine Cabernet Franc (Sans Soufre)
トゥーレーヌ・カベルネ・フラン(・サン・スフル)

12326
自然派
赤 フルボディ
フランス
ロワール
トゥーレーヌ
ドメーヌ・デ・ボワ・ルカ

◆◆◆新井順子さんのラスト・ヴィンテージのカベルネ・フランです!
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥3,600 (外税) 
【ボルドー風を目指した、新井順子さん、最後のトゥーレーヌ・カベルネ・フランです!】
 いつも忙しく動き回っていらっしゃる新井順子さんですが、現在では清酒を仕込んだり、焼酎も造りたい・・などと、そのバイタリティは全く衰える気配が無く、周りの心配も何のその、常に話題を提供してくれています。

 2000年代から自身のドメーヌ、ボワ・ルカを切り盛りしていましたが、あれもこれもしたいけれど、身体は一つしかなくてあれもこれもは出来ない・・遣り切れない部分も有ったのでしょう。2009年を最後にカネルネ・フランの畑は売却してしまったようです。

 なのでカベルネ・フランは、この2009年のトゥーレーヌ・カベルネ・フランが彼女の最後の作品になった訳です。

 しかも、この2009年ものはビオにこだわらず、従来の醸造法で仕込みたいと、有機栽培のみです。美味しくなってきた・・との報告をいただいたので仕入れてみました。


 ビオでは無い・・とのことなんですが、けっこう・・ナチュラルに仕上がっています。柔らかいテクスチュアですが、これは熟成によるものなのでしょう。彼女自身、ボルドー的な味わいを目指したと言っているように、ガタイのしっかりした男っぽいタイプです。

 サンテミリオン的な粘土のニュアンスはさほど強くは無く、やや乾いた感じの優しい粘土の味わいです。So2を使用していないのでほんのりと僅かな揮発酸の影響感じますが完全に止まり溶け込んでいて、多彩な表情のひとつになっています。

 面白いのは、ビオで造っていた頃のカネルネ・フランとは、微妙にニュアンスが違いますね。ふわっと柔らかく、照りの有る味わいだったものが、その辺りをやや抑え目にした上で、やや厳しい側面を持ちつつも、構造の大きさをしっかり見せている・・と言うか、グイグイと迫ってくる迫力が有ります。

 まとまり始めたタンニンはまだ若干多めに感じますが、肉系の食事を合わせるにはちょうど良い感じです。So2をまるっきり使っていないので、身体への侵入角はなだらかで優しいです。2年後くらいには全開になりそうな感じですが、今飲んでも充分美味しいと思っていただけるでしょう。

 2011年にはドメーヌ自体を閉じてしまいましたので、この先は今あるものを販売して終了になります。今回のご紹介もその一端です。是非ご検討くださいませ。



■新井順子さんより (2013年時点での文章です。)
 右も左も判らないまま2002年に始めたワイナリーもお蔭様で今年で11年目を迎えました。時が経つのは早いものです。40 代で始め、いつの間にか 50 代に突入です。

 立ち上げ当時から色んな事が変わりました。2002年~2007年迄はワイン農法はバイオダナミックを実践しました。この方法が正しいかどうか、実際に自分の手で実践してみたかったのです。バイオダイナミックをどこまでマニアックに取り入れるかそれぞれの栽培家の判断によって違います。私は基本は無農薬、それに月の満ち干の大きな力を利用するだけ、ビオディナミも MICHEL AUGE 氏らと行っておりました。

 しかし2008年から実は時間の関係と他の諸事情からビオディナミをやめました。もっと違う自然界の波道(波動?)の方が有効に感じ始めたからと時間的な観点からです。ですから2008年からはただの無農薬農法となります。バイオダイナミックを正式に行っていたのは、2007年のビンテージが最後になります。そして白の新酒をリリースした 2010年からはボルドー液散布を一切やめました。これも時間の関係です。そして畑の耕し方もアルザスの Patrick Meyer 氏と同じ方法に切り替えました。あまり深く掘りすぎす、表面をトリートメントするのです。(表面だけを均していくこと)

 ワイン作りは、やればやる程解らなくなります。そして毎年毎年違います。決して同じビンテージはありません。実際に自分がやってみて実感します。

 だから毎年味わいが変わるのは当然なのかもしれません。そして仮に天候・自然環境が同じだとしても(こんなこと絶対にないのですが)作っている本人も毎年1年づつ経験を重ねるので違います。だからどう考えても同じ状況下のワインは存在しません。

 温暖化も若干関係するかもしれませんね。去年の 2012 年は 2002 年当時とは考えられない位、環境が変わっております。10 年ちょっとで感じるのですから、何十年も醸造をなさっていらっしゃる大先輩はもっと実感なさっている事でしょう。

 さて2009年は今迄私が醸造した中では納得のいく出来栄えとなりました。2008年の時は最高の出来栄えと言いましたが、結果から言うと2008年より個人的に好きな年で、自分で納得したヴィンテージ、自分なりの方法でワインを表現できたヴィンテージとなったのです。

 そして実は2010年に畑の一部分を売ってしまったので2002年から始め、同じ状態での醸造はこの 2009年のワインが最後になるのです。2008年ワインをリリースした時にも言いましたが、2008年からワイン作りが自由になりました。初代醸造を手伝ってくれたパスカルも、2007年迄一緒に働いたノエラも今は独立しております。そして私が全く1人でワイン作りを仕切り始めたのが 2008年~、それ以降今迄のしがらみや常識にとらわれる事がなくなり、ワイン作りがもっともっと楽しくなったのです。

 が、あまりに忙しいので 2010 年に一部の畑を売却せざるを得なくなったのですが…。
 そして2008年と同様、納得する迄フランスの Chai で寝かせ出荷するようにしました。
 日本に運べば倉庫代金等々お金はかかります。が、フランスならただです。従業員もいなくなったので資金繰りも少し余裕が出来たので、それが可能になりました。 なので今、この2013年の5年経た時に 2009 年のリリースです。遅いですよね(笑)

 が、お待たせした分、自信があります。特に初めて作った Gamay No.3 は今迄の常識を無視しての醸造です。このワインはむしろフランス人に飲んで貰いたいです。 が、全て日本に持ってきたので無理ですが…(笑)

 2010年に売ってしまった畑の中にカベルネ・フランがあります。ですから今回のリリースが最後の CF となります。1996 年にボルドー大学で学んだ、ボルドーの品種なだけに寂しい思いもありますが、今後の事を考えての決断でした。人生は1度だけ、そして1日2 時間しかありません。夢を確実に実現する為には多少の整理整頓をしなくてはなりませんでした。が、その分の時間、実は去年から某 AOC でもワイン作りを始めました。それは又、別の機会で発表させて頂きます。

 そういう思いで作った2009年、沢山の方に飲んで頂けましたら、醸造家としてこれ以上の幸せはございません。是非召し上がって下さいますようお願い申し上げます。


2007 Touraine Gamay Otosan
トゥーレーヌ・ガメイ・オトーサン

7158
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ロワール
トゥーレーヌ
ドメーヌ・デ・ボワ・ルカ

◆◆◆1本出てきました。早い者勝ち!
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥3,850 (外税) 
【造り手の気持ちと飲み手の気持ち・・・にワイン屋の目!第二弾】
 2007年のロワールは、不安定な天候に苦労させられたヴィンテージと言えます。しかし、ワインメーカーは、ワインを造ってこそのメーカーです。それでもやっぱり・・・仕込むんですね。

 2007年のクニコ・セカンドを飲み、やはりちょっと弱目かな・・・とは思いました。しかし、葡萄のポテンシャル並みにキッチリ仕上がっていましたし、それはそれで美味しいと感じさせられました。

 2007年のキュヴェ・オトーサンを飲むと・・・またこれが色んな情景が浮かんでくるんですよね。想像に過ぎないので流していただいて構わないんですが、順子さんはガメイの収穫されたものの中で、より熟した部分をオトーサンに使用したんだと思います。・・まあ、より熟した部分・・というのが味噌で、より良い葡萄・・とは限りません。

 ですが、確実にキュヴェ・クニコを凌駕する仕上がりでした。充分に熟し、より凝縮感とスケール感を持っています。まるまるとふっくらしたボディ、赤から黒味の果実味、柔らかな酸味を持ったまま減衰する余韻・・。とても良いと思いました。

 もっとも、2005年の素晴らしいデ・ボワ・ルカのガメイからすれば、やはり見劣りはします。それはもう仕方が無いことで、2007年にどれだけ頑張って、ここまで仕上げた、その頑張りが、見事に味わいに出ています。

 細かな事を言い出せば、色々出てくると思いますが、
「良く出来たキュヴェだね・・」
と言っていただけると思います。是非ともご検討ください。キュヴェ・クニコとオトーサン・・・この比較で見えてくるものが素晴らしいです。



以下はキュヴェ・クニコ2ndのコラムから抜粋です。
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【造り手の気持ちと飲み手の気持ち・・・にワイン屋の目!】

「余り気に入ってないからセカンドとしてリリースします・・・」

 言葉はその通りでは無かったと思いますが、そのような雰囲気で言われたように思います。

「2007年は・・・難しかったのかな?」
と、出来を心配していました。揮発酸がギラギラしていたら困るなぁとか、青臭いガメイじゃぁ・・・などと勝手な想像をしていました。でも、飲んでみてその想像が外れていたことに気が付きました。とてもクリーンで冷ややかな表情をした、思わずにっこりと微笑んでしまうような味わいだったんです。

 聞いてはいないのでおそらくなんですが、しっかりと熟し、遅く収穫しジューシーな葡萄でしっかりと充実した味わいのワインを造りたかったが、適わずに、きれい系のエレガントな仕上がりになっってしまった・・・ことが「セカンド」とした理由なのかな?と・・思っています。

 なるようにしか・・・なれなかったワインだと・・思います。造り手の意思を反映できなかった・・・、造り手としてはそのように考えていらっしゃるかもしれません。でも、とてもクリーンでピュア、脱力した、余計な何物の影響も排除したガメイの姿は、却ってとても美しく、スッと体に馴染んで行きます。すっぴんな美人・・とも言うべきでしょうか。

 このコラムの下方に、クロ・ロッシュ・ブランシュの2007年のガメイが有ります。元々は、ボワ・ルカの畑はクロ・ロッシュ・ブランシュの畑でした。まるで一卵性双生児のように、似ています。でも、やっぱりちょっと・・違います。

 造り手は、多くの希望と共に醸造し、ワインに閉じ込めたいと願うかもしれません。ワイン屋も、飲み手も、そのワインから沢山の情報を得るでしょう。各々の気持ちが一緒なら、とても幸せなことに違いないですが、なかなかそうは・・ならないでしょうね。

 このキュヴェ・クニコ・セカンド、セカンドとは付いていますが、付けなくても良かったかな?と、ワイン屋とすれば、そう思います。

「2007年のはキュヴェ・クニコはこうだ」

で良いと。でもそこには、造り手の意地が存在しています。順子さんの意地・・・是非、飲み手の皆さんに感じていただけたら・・と思います。お奨めです!