
色々と有った2024年の正月を過ぎ、今になってようやっと届いたオドゥール経由のリースリングです。順子さんがドメーヌ・クリスチャン・ビネールに行った時に・・
「わたしにリースリングで醸造させてもらえないかな・・」
と言ったことから始ったそうです。
・・なんでそんなことから書き始めたかと言いますと、最初にいただいたテクニカルを印刷したものが行方不明なんです・・まぁ、どこかにあるはずと散々探したんですが見当たらず、
「まぁ・・どこかのワインショップがテクニカルを上げているだろうから、それを読めば良いか・・」
などと思ってネットを探してみましたところ、
「・・げげっ・・もしかして、このワインを仕入れたの・・うちだけ?」
と・・(^^;;
いや~・・マジですか?・・もう少し皆さん、頑張って応援しましょうよ・・。能登の地震のチャリティとしても順子さん、自分のワインを提供してるんですよ・・流石ですね・・やることが超早いです・・まぁ、その内容はけっこうムズそうなのでここではお知らせしませんが・・。
「ん?・・待てよ・・?」
と、ふと思い当って・・散々探しまくったのに出てこなかった封書が・・!・・見つけました・・なんと、
「未処理の仕入れ伝票が入っているケースの中」
から・・たった今、救い出しました・・申し訳ありませんでした。誰だ?・・そんなところに入れたのは!・・まぁ、多分・・noisyでしょう。
なので以下、順子さんからのラブレターです。
クリスチャン・ビネールのところにに訪問するたびに、
「綺麗な畑だな~、いつか アルザスの代表品種のリースリングを醸造したいな!」
と思っておりました。
2020年1月17日、いつものようにワインの試飲に出かけ、さらっとその話しをしたら、
「良いよ!」
と直ぐにOkしてくれました。
「ちょうど今年からもち畑でなく近所の Bio の畑を借りる契約をする予定だからそこを使えば?」
って言われました。
「(何てラッキーな!)」
畑は借りますが、もちろん選定からすべてクリスチャンが完全管理します。
9月13日からアルザスに入り、14日(月)の朝から収穫、そしてプレス。ビネール家ではプレスが12時間かかるので、その日のうちには終わらず翌日15日にプレスが終わりました。
それをロワールの私が持参したブランシャールさんの500Lの新樽に入れて発酵。2021年に様子を見たらまだまだ当分が残り発酵中、なのでそのまま様子を見ました。
2022年3月25日に発酵が進まないので、一度スーティラージュして移し替えました。
2022年9月7日、やっと発酵が終わり落ち着いたので瓶詰めしました。もちろん、この二年間、一度もSo2を使用していません。アルコール度13.6度、酸味のエレガントなふくよかなスタイルになりました。新樽使用のため、少しボワゼ気味ですが、私が前に醸造した ロモランタン2019のスタイルに似ております。初めてのリースリングにしては満足した味わいです。

という訳です。
順子さんは「ボワゼ気味」と言っておりますが、現状はまったくそんなことは無いです・・ボワゼと言うのは「樽っぽい」とか、「木の影響が見える」とか・・そんな意味です。
強い黄色をしています。リースリングからの色とプレスに時間が掛かっていること、そしてバレルファルメンテッド(樽発酵)であること、So2を使用していないこと・・などが有ります。
しかし、サン・スフルにしては綺麗ですよね・・。輝きが有り、中央の黄色が美しいです。
そしてアロマが・・すごく熟した葡萄のように感じられます。そして、リースリングの尖がった感じはあまりなく、非常に幅のある太いアロマです・・アロマと言うよりも「ブケ」と言いたくなるような感じです。
長い発酵期間が造り出した、深~~い・・じわっと染みて来る複雑な味わいです。
ですが・・これ、2020年ものですから・・発酵由来の・・それなりのガスがピチピチと・・しているんですよ。
そして、発酵しきれなかった・・ほんの僅かな甘み・・甘いとは言えない甘みですね・・まったくのドライに感じられる方もおられるレベルです。
さして酸味もまたアロマ同様に非常に深く、幅のあるものです。単純にアルザスのリースリングだとは言い切れないような・・ほかに幾つかのセパージュが有るんじゃないか?・・もしかして、他の品種も一緒に植わっているのか?・・などと想像させるような複雑性です。それでいて、
「綺麗にまとまっている・・んです!」
お~・・もしかして彼女は天才か?・・と・・思ってしまいましたよ・・。こんなワインはビオディナミストが嫉妬するんじゃないかと・・。
細かなことを言いますと、完全に死に絶えた酢酸菌の残渣も有ります。ところがこれがまた・・すごく良い・・深みになっている訳です。
まぁ・・単純に「放置主義」が生んだものかもしれませんが、いや~・・おじさん、一本取られちゃったな・・と言うところなんですよ。
非常に美味しいです。そしてナチュラルですが、危険性はゼロ。余計な事を考えずに、ただひたすら美味しく飲めると思います。
なんで仕入れないかな~・・判らんな~・・と。果実は白、黄色、オレンジ、そして赤っぽいもの、そして茶まで有ります。ビックリです!・・ぜひ飲んでみてください。滅茶苦茶美味しいです!!