ヤン・ドゥリュー
ヤン・ドゥリュー
フランス Yann Durieux ブルゴーニュ
● 久しぶりのご案内になったヤン・ドゥリューです。実は色々有りまして・・しばらく離れていました。
ワイン業界を取り巻く環境もめまぐるしく変化しています。今まで普通に入っていたものが急に入らなくなったり、理解不能な位に値上げに成ったり、数量が極端に減ってしまったりしています。また現況は新型コロナウイルスの影響も有り、飲食店さんは売上的にはかなりの打撃を受けています。特に「ワインを一生懸命広めて来たお店」は、ランチ以外で頑張るしか無く・・もっとも、少人数で回していたお店は、存続については問題はないのかもしれませんが、モチベーション的には駄々下がりでしょう。
ヤン・ドゥリュー...ご存じの方には、
「・・凄い可能性を感じる・・と言うか、素直に素晴らしい!」
と絶賛する方と、
「・・私にはちょっと・・」
とネガティヴに捉えてしまわれる方と、両方いらっしゃるでしょう。
しかしながらそれでも、先進的なビオ・・それもブルゴーニュで・・下手をすれば「クリュ」「村名」の畑で、造っている生産者ですが、
「ワインなのか、ワインではないのか・・飲んでも良く判らない・・」
と言うような代物では有りません。
ナチュラルワインの限界を攻めていながら、昔からのワインファンをも唸らせる魅力のあるピュアさを持っています。
noisy も、彼のそのスタンスに好意を持ちながらも、余りの価格の高さと、テイスティングさえできないほどの数量しか割り当てが来ないことに嫌気が差し、しばらくの間離れることになってしまった訳です。
今回も3アイテムのみ、4本、3本、3本で計10本と言うような非常に少量な数しか来ていませんが、それでも次回以降は
「テイスティング出来る位の量は保証する」
とのエージェントさんの言葉を信じ、取扱を再開させていただくことになりました。
ですが、それでも3アイテムで10本中、価格の高い方を2本テイスティングしていますので、ほぼボランティアです。商売としますとまるで割に合いません。
それでも・・・
「ブルゴーニュワインの将来を背負っている一人」
で有ることは間違い無いと感じています。
プリューレ・ロックの品質を支えた一人としても有りますが、どんなワイン屋も、偉い資格保持者も、避けて通って来た「ブルゴーニュのビオに対する素直な印象の吐露」を、もし誰も行わないのであれば、非常に不幸なことになってしまうと憂いています。
素晴らしいブルゴーニュワインだと感じました。それでも、全てのブルゴーニュワインファンに向けて、是非とも飲んでくれとは・・言いません。
「ブルゴーニュ新時代を見つめて行きたい!」
そう思われる方でしたら、是非飲んでみていただきたいと思っています。
■エージェント情報
これぞブルゴーニュの真髄!思わずため息が出てしまう...ヤンドゥリューのご案内です。
「やっと充実したワイン造りが出来たと感じられたんだ」
と満面の笑みで語ってくれたのは2019年6月、猛暑のブルゴーニュで初めて会ったヤン ドゥリューの言葉です。この日はこれからリリースする予定の2017VTや過去のバックヴィンテージ含め20アイテム近い試飲をしながら、各キュヴェの特徴を本人から聞くという幸せな訪問をしていました。初めて会うヤンは話には聞いていましたが、オーラ全開の相当に”トンガッた”人。言葉の一つ一つにエモーショナルな波動が込められているかのように我々の心に突き刺さります。とは言え、ワイン以外の話しをする時は身重の妻を優しくフォローする良い夫な側面もある、実に人間らしい人でした。ワイン以外にもレースが趣味なヤン。BMWのM3で爆走するのが癒やしと語る眼は、まるでヤンチャな子供のようでした。(ちなみに訪問1周間前にM3で爆走した為、免停になったそうです。)
基本的には遅めのタイミングで収穫をするヤンは、多いと10ヶ国以上の季節労働者50~60人で行っていますが、例え季節労働者でもレベルの高い仕事をして欲しいと思っているため、仕事に見合った給料を払っているとの事。良い仕事をするために、眼に見えない所にも配慮を欠かさないヤン。そんな一つ一つの涙ぐましい努力の結晶である彼のワインから、今回は3キュヴェのご案内です。
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脅威の自然児が造るスーパー・ナチュールワイン!?が入荷です。今回は白ワインが2アイテム・・でも性格が全く異なる2アイテムでした!そしてそのどちらもが素晴らしい!非常に希少です。ブルゴーニュワイン・ファンは「シャルドネ・セレクスィヨン」を、ヴァン・ナチュールがお好きな方、もしくはブルゴーニュがお好きでヴァン・ナチュールもお好きな方は「シャルドネ・カ・ドー」を是非ともご注文ください!
「マジっすか~!」
みたいなヘヴィ・メタぎんぎんなエチケットのやんちゃさ・・そして、飲んでみてビックリのアヴァンギャルドさと、捨ててはいけないものはしっかりと・・そしてそれをさらに磨きぬいていると言う、プロも認めざるを得ない味わいのワインをご紹介します。ヤン・ドゥリュー・・・お見知りおき下さい・・っても、このエチケットを観たら忘れられないですよね!

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ポスト フィリップ パカレ!!
ポスト プリューレ ロック!!!
ブルゴーニュに次世代のスターが登場!
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(その良し悪しは別として)日本のワインシーンではもっとも話題にのぼる産地、ブルゴーニュ。
素晴らしいテロワールの数々、素晴らしい造り手たち、高い評価に高いお値段…
当然ながら新規就農の造り手にはハードルが高く、既存の生産者が切磋琢磨するなかで、なかなか若く有望な造り手が登場するには厳しい環境です。

“2010年ヴィンテージでデビューを果たし、あっという間にパリのカヴィストやソムリエたちの話題をさらったポスト フィリップ パカレ!!ポスト プリューレ ロック!!!間違いなしのブルゴーニュ自然派ワインのニュースターです!”
と興奮気味にヤン ドゥリューのワインをはじめて皆さんにご紹介してから早2年と少し。その間色々ありまして…ずいぶんご無沙汰になってしまいました。
プリューレ ロックで働きながら、プライベートな時間を全て費やして自身の畑仕事もこなし、リスクの取りづらいブルゴーニュという土地で妥協のない「攻めた」ワイン造りに挑戦しているヤンドゥリュー。フランス国内をはじめ世界中でひっぱりだことなった彼ですが、そこに襲いかかったのが超低収量の年の連続。他のブルゴーニュの造り手たちと同様に少なすぎる収穫量に苦しめられます。

特に自分自身のドメーヌをスタートさせてまもない財務基盤が弱いヤンにとっては、この収穫減はかなりの痛手でした。なんとかロックでの必死の仕事で生活の基盤をまかないながら、自身のワイン造りに対してもフル回転。そんな中でワインの品質に関わる以外の在庫管理や販売などの事務仕事の優先順位が下がり…、日本向けに予約していたワインを
「売っちゃった!」
との連絡が!!!!!
ということで丸々1年分のワインが日本未入荷となりました。
その後も相変わらず低収穫量の年が続いている事もあって連絡の取りづらい状況が続いており、今後の入荷がどうなるかという不安は相変わらずなのですが、とりあえず引取りに成功した一部ワインをリリース致します!

ということで、今回のリリースワインは2種類。
まずは、ヤンの友人がビオロジックで栽培を手がける畑のブドウから造られたセレクションシャルドネ 2011!いわゆるネゴシアン ワインですが、キラキラしたミネラル感とストレートな果実味は、ザブルゴーニュ!という風情があり、と同時にヤンらしい深い深い純粋さを併せ持っています。
続いては「カ ドー」という意味深(仏語でギフトを意味するカドーとほぼ同音)な名前のキュヴェ。シャルドネから造られるワインですが、セレクションとは打って代わり犬のプードルのようなもくもくした澱(おり)と濁りがあり、ただならぬ風貌。抜栓直後はわずかに還元的なニュアンスが感じられますが、スワリングによって出てくるナッツやアーモンド、ゴマといった種子系の香ばしいフレーバーとパイナップルや柑橘などの旨味感たっぷりの果実味!ブルゴーニュという枠組みを超越した非常に挑戦的なワインです!!! どちらのワインも日本への入荷自体は随分前なのですが、味わいのスタートラインに立てるようになるまでじーっくりと寝かせました。理想を言えばもう少し時間をかけて、さらなる飛躍を待ちたいところですが、このタイミングでもポテンシャルの片鱗は十分感じて頂けると思います。すぐに試してみたいという場合にはデキャンタージュをオススメ致します!

「ヤン ドゥリュー 生産者紹介」
ヤン ドゥリューは、オート コート ド ニュイのエリアでニュイ サン ジョルジュとアロースコルトンの間に位置するヴィレ=ラ=フェイ村を中心にワイン作りに取り組む才能溢れた若きヴィニュロンです。
2010年がデビューとなるヴィンテージで、3haほどの広さの畑から革命的なワインを生み出しています。また近年は、ビオロジックで栽培されたブドウを友人から買い付けることや、自身で畑を借りるなどもしてワインを造っています。
ジュアリン ギュイヨの下で7年間ワイン造りを学び、その後、DRC社の共同経営者としても知られるアンリフレデリック ロック氏のドメーヌ プリューレ ロックで2008年から栽培を担当しています。
彼は、自身のワインをリリースするようになってからもプリューレ ロックでの仕事を続けていて、ロックでの仕事を終えた後や休日などを利用してブドウを育て、ワイン造りに取り組む情熱ある生産者です。

ヤン ドゥリューは、ブルゴーニュでも比較的注目されていない土地の中から、可能性を秘めたテロワールを発掘し、その土地で素晴らしいワインを生み出すことに情熱を注いでいます。
「ブルゴーニュには、今評価されている区画以外にも誰も挑戦していないが素晴らしい可能性を秘めた土地、テロワールがある。私の人生はそういった土地を発掘し、素晴らしいワインを生み出すことです。」
そんな彼のアンテナにキャッチされたのがオート コート ド ニュイという地域でした。オートコートという格下に見られがちなこの土地で、徹底的にテロワールの可能性を引き出し、従来の常識を凌駕するワインをファーストヴィンテージから生み出すことに成功したのです。
その秘密はやはり栽培にありました。ロックで栽培を担当しているだけあって自然なアプローチでの栽培に習熟しており、さらには古き先達の話をよく聞き、実際の経験とも融合させて独自の栽培哲学を備えています。その実践の場が自身の畑です。
収穫量を徹底的に抑える(最低でも25hl/haを超えないようにする)こと、丁寧にブドウが熟すように収穫を遅くすること、遅い収穫時期であっても過熟にならないように剪定の時期をギリギリまで遅らせブドウの生育サイクルを導くことなど、プリューレロックにおいてでさえリスクを考えて避ける方法であってもヤン ドゥリューは挑戦します。
そして、最高のブドウを得てからの醸造に関してはいたってピュアそのもの。自然酵母での発酵、キュヴェのポテンシャルに応じた熟成期間を十分取り、瓶詰め時の亜硫酸の添加も原則行なわず、厳密な濾過もなし。ブルゴーニュワインという経済的に「守り」に入らざるをえないワインにおいては、かなり冒険的な挑戦です。
● N.V.(2021) Love & Pif Blanc V.d.F.
ラヴ・アンド・ピフ・ブラン V.d.F.
【2025年2月18日開催の「アリゴター」はそうそうたるメンバーが来日!・・ヤン・ドゥリューはアリゴターのメンバーでは無いんですが、乗じてご紹介・・!すぐに埋まってしまうらしいので・・参加されたい方は即お申し込みください。ロワゾー・ドゥ・フランス(飯田橋)のおつまみ付きらしいです!!】

ガセネタだったらすみません・・ご容赦下さい。参加費も安いので・・
「・・ホンマかいな・・」
と思ってしまいましたが、開催者の言なので大丈夫だろうとは思います。
なんと、
「ロワゾーのおつまみと・・アリゴターの名優?が造るアリゴテとのマリアージュ!・・しかもドメーヌからも来日!」
なんですね~~。
まぁ・・noisy はいつに増して激務の最中なので行けそうもないですが、oisy を派遣しようと思っています。
来日されるのは(参加が本人とは限りませんが・・ご家族でいらっしゃるようですよ)、
シルヴァン・パタイユ、ローラン・パタイユ、ジュヴロ、プティ・ロワ、アニェス・パケ、バンジャマン・ルルー、ド・ヴィレーヌ、ジェローム・ガレラン、ピエール=ルイ&ジャン=フランソワ・ベルサン、ゴワソ、ボワイエ・マルトノ、ジャン=クロード・ボワセ、マニュエル・オリヴィエ、ルネ・ブーヴィエ、シャンジー そして来日は出来ないもののワインを供出してくれるのは、
ニコラ・フォール、マルキ・ダンジェルヴィーユ、ロブレ・モノ、クロード・マレシャル、ファビアン・コシュ その他系20生産者
と言う物凄いメンバーです。
もちろんですが、飯田橋のロワゾーで行われます。詳しくはリアルワインガイドまでお尋ねいただきたいと思いますが、「X」などでもご紹介しているようです。
https://x.com/realwineguide/status/1879052428911460509
RWG主催 『アリゴター初来日!気鋭のブルゴーニュ14生産者が来場する試飲会を開催!!』 ※要予約
昼の部/ワイン関係者向け試飲会(2部入替制)、夜の部/一般向けワインパーティー
開催日:2025年2月18日(火) 場所:ロワゾー ドゥ フランス(東京・飯田橋) 予約開始:1月15日(水)13時~

ド・ヴィレーヌからもいらっしゃるとのことで・・ヴィレーヌさん、ご本人がいらっしゃるのかな?・・
まぁ・・これはアリゴテのワインのご紹介の時には時折書いていますが、その昔・・まだA.C.ブーズロンが「アリゴテ・ド・ブーズロン」だった頃のド・ヴィレーヌのそのワインは・・滅茶安かったですが・・軽くて尖がってて酸っぱかった・・(^^;;
D.R.C.の共同経営者が造るリーズナブルなワイン・・と言うことで、まだ若き日の noisy が意気込んで開けたところ・・
「・・はい、クレーム・ド・カシス、持って来んかい!」
と言ってしまったとか言わなかったとか。まぁ・・そんなレベルでは有りました。悪くは無かったですがね・・
ですがこのところのブルゴーニュ・アリゴテは滅茶美味しいですよね。まだ昔の noisy と同様の認識の方も多いようですが、
「昔とはとんでもなく違ったものになっている。滅茶高質!」
です。
そしてヤン・ドュリューが仕込むもっともリーズナブルな彼のワインがこれ、
「ラヴ・アンド・ピフ」
アリゴテのV.d.F.です。
何度も言うようですが、ヤン・ドゥリューはアリゴターのメンバーでは無いようです。

まだ幾分若さも見受けられますが、すでに美味しく飲めます。半年~2年ほど置くとさらに良いでしょう。
深い・・やや赤みさえ差し込んだ感じのゴールドが、その質感を現しているかのようでもあります。果皮からでしょうか・・それともミネラリティか・・煙のニュアンスに火打石っぽいノーズ。細さを感じさせない瑞々しくも太いパレットを描きます。めちゃドライで・・甘みもへったくれも有りませんが、酸バランスが取れているので薄辛く無く、厚みのあるボディ感が感じられます。ほんのりとパインや蜜のノーズが混じりますか。良い出来です。
まぁ・・ブルゴーニュワインも高くなりましたから、昔は自家用だったり、キール(アリゴテ + クレーム・ド・カシスのリキュール)にするだけが多かったものが、
「しっかりと造ってA.C.ブルゴーニュ(・アリゴテ)格に見合うものに仕上げる」
と言うのがブルゴーニュの造り手に共通した認識になりましたし、やはりシルヴァンとローランの兄弟がアリゴテを高級なものとして世の人々を納得させましたし、アニェス・パケの姉御も頑張ってしますからね・・
「まだ認識を改めていない方こそ、是非昨今のアリゴテを飲んでみて欲しい!」
と思う訳です。
あ。ついでにリアルワインガイド第88号にもアリゴターの記事が出ていますので、そちらも是非ご購入をご検討ください。
リアルワインガイド第88号 ← クリックで飛びます。
どうぞよろしくお願いします。旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【・・ついつい・・先日ご案内させていただいたギルベール・ジレのアリゴテV.V.と比較したい欲求に駆られてしまいました・・】 すみません、結局飲めなかったので・・6本ですから・・はい。ギルベール・ジレの2020年アリゴテV.V.も6本だけだったんですが、ファーストヴィンテージで彼の白ワインはアリゴテV.V.のみですから・・開けることにしました。そして・・
「記憶の中のヤン・ドゥリューのラヴ&ピフと比較していた・・」
んですね・・。勿論、他の生産者さんの優れたアリゴテとも、記憶の中で比較していた訳です。リーズナブルで凄く美味しかったアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールの「ア・リゴテール」、シルヴァン・パタイユの繊細なアリゴテ、区画名付きのアリゴテの緊張感溢れる味わい、ま~・・申し訳ないが言っちゃえば普通なドメーヌ・ルロワとオベール・ド・ヴィレーヌ、アリゴテとは思えないような凄い印象が長く残っているコシュ=デュリ..思い返せば指が足りなくなるくらい・・そうそう、それこそプリューレ・ロックがまだ若い頃にこさえた良く判らないが異常に複雑な味わいのアリゴテとか。
それにしてもギルベール・ジレのアリゴテは半端無い。飲み口がとんでもなく良いからスイスイと入ってくるが、物凄い要素を取り逃がすことを許してくれない・・少なくとも noisy にとっては・・ですが、その確認をし始めると、周りにいる家族は・・
「この人・・一体・・どうしちゃったの?」
と思っているに違いないが、飲んだ後しばらくの間、ほけ~っとせざるを得ない訳ですね。
因みに「どうしちゃったの?」と思っていたに違いないカミさんに、翌日だったか・・残っていたギルベール・ジレのアリゴテV.V.を飲ませたら珍しく・・
「・・これ、昨日の・・だよね?・・凄い美味しいね・・」
ですと。
「(・・昨日は判らなかったんか~い・・♪)」
などとはとてもじゃないが怖くて突っ込めませんが・・。
怖いと言えば・・先日、いつも店頭でワインを引取、買受されるお客様がいらっしゃって・・こんなことを言ってました。
「noisy さんのサイトって、怖くてちょっと・・オーダー入れられないって人が結構いるんですよ・・」
ですと。
「(・・一体・・このサイトのどこが怖いんか~い・・♪)」
まぁ・・お好きなように思っていただいて構わないんだけど。
で、やはりこのラヴ&ピフとギルベール・ジレのアリゴテV.V.・・圧倒的に・・根本的に違うように思えるんですね。全然異なる・・そう思えるんです。
だけども・・もしかしたら・・
「根っこの部分は同じで最終表現だけが違う」
ようにも感じます。
それにギルベール・ジレの後ろにはやはり・・背後霊のように?(・・すみません)・・誰かがいるようにも感じます。ヤン・ドゥリューの後ろにロック親父が見えるように・・。
そう感じると、また毎日のテイスティングに少し張りが出てくるような気がしています。とめどない話しですみません。以下のレヴューをご参考に・・ご検討よろしくお願いいたします。
以下は2014年もののレヴューです
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【 素晴らしい!目茶ナチュラル!これからのブルゴーニュワインはここを目指すはず!必飲!!】
「ナチュラルさとブルゴーニュ的エレガンスの融合」を目指しているんじゃないかと思える、素晴らしい白ワインです。この際、品種がどうの・・と言うのは関係ないかな・・と思います。
コシュ=デュリやドヴネの見事なアリゴテには、必ずや「アリゴテとは思えない」と言うような修飾が付き物ですよね。
また、ポンソの素晴らしい白ワイン、モレ=サン=ドニ1級モン・リュイザンは、当初こそシャルドネやピノ・ブランにアリゴテというセパージュでしたが、シャルドネが入らなくなり、ついにはピノ・ブランも混ざらなくなり、アリゴテ100%の1級ワインが誕生しています。まぁ・・樹齢が100年超と言う、モンスターでは有りますが、それでもブルゴーニュ的エレガンス主体のド太いワインです。
そのポンソさんも本来、ズブズブの自然派志向ですから、このヤン・ドゥリューと似た環境を好むとしても、ヤン・ドゥリューとは全然違う・・と言えるんですね。
ヤン・ドゥリューの「ラヴ・アンド・ピフ」はブルゴーニュのアリゴテでは有りますが、
「あり得ないほどナチュラル!」
「あり得ないほどピュアで危険性無し!」
「物凄い果実感!」
なんですね。
そこにブルゴーニュ的なエレガンスが同居している・・そんなニュアンスなんですよ。なので、1級とか村名とかは二次的要素・・どこまでもナチュラル&ピュアさが第一義・・のように感じます。
ボディは太く、複雑性もたっぷりです。ジューシーだが全然安っぽく無い・・どころか高級感さえ感じさせてくれます。
SO2的なニュアンスは感じさせないのにワインは非常に健全健康です。澱だらけの濁ったワインか?と想像しがちですが、決してそんなことも無い・・。
まぁ、モレ=サン=ドニ村名で2万幾ら・・なワインも平気で造っちゃう彼ですから、どこまで自然児なんだと。そんなワインはnoisy も必ずや飲んでみたいワインのトップグループに入ってるワインです。どうもエージェントさんは持ってるような気配なんですけどね・・。
まぁ、とことんナチュラルで、でも実は捨てちゃいけないものはちゃんと表現しているワインです。飲むべきだと思います。是非ご検討くださいませ。
■エージェント情報
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ブルゴーニュ最強のリスクテイカー!ヤン ドゥリューの愛の結晶ラヴ&ピフ 2014年を12ヶ月じっくり休ませてのリリースです!
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「なぜヤン ドゥリューは、権威主義うずまくブルゴーニュという土地で、その純粋さを希求し、無謀な挑戦を続けているのか。」
彼のワインから感じる強く鋭い信念に触れるたびに抱く疑問でした。
「なぜブルゴーニュでなければいけなかったのか。」
とらえどころのない、それでいて心の底に重く深く沈んでいる疑問を晴らしてくれるのは、いつも、彼らとともに畑に立ち、語り、グラスを傾ける時間です。ヤンの祖父が、オート コート ド ニュイの地で畑を切り拓き、ヤンの家族はブドウ栽培者としての営みを始めます。
子供の頃から大好きな祖父とともにブドウ畑を駆け回って遊んだというヤン ドゥリュー。彼にとっては、その畑こそが人生の喜びに満ちた場所であり、畑で生きていくことは必然だったと言います。自身が少年時代を過ごし、祖父との思い出が溢れる場所。それが偶然ブルゴーニュであり、オート コート ド ニュイだったのです。
彼にとっては、ブルゴーニュの権威主義的なヒエラルキーは意味がありません。目の前の畑、目の前のブドウたちを深く観察し、理解し、愛を投じることで、その秘めた魅力を極限まで引き出すことこそが、ヴィニュロン(=ブドウ栽培・ワイン醸造家)としての使命なのです。
現在、彼のワインはアペラシオンを取得していません。原則としてヴァン ド フランスとしてリリースされています。そして、それぞれのワインが生まれる畑も、多くは、ブルゴーニュやオート コート ド ニュイというアペラシオンに位置づけられる区画です。
しかし彼は、常軌を逸したリスクを引き受け、膨大な労力と時間を畑に投じることによって、ブルゴーニュの権威主義を揺るがすほどのワインを次々と生み出しています。
「ヴァン ド フランスがこの価格!?」
「オート コート ド ニュイがこの価格!?」
当然本人もこのような声が聞こえてくるのは想像していたでしょう。そして、そんな時は悪戯っ子のような笑みを浮かべながらこう答えるのでしょう。
「皆、本当にこの土地の秘めた力を知ってるのかな?」
プリューレ ロックの特級畑でですら躊躇するようなリスクのあるアプローチを全ての畑で実践するヤン ドゥリューだからこそ、ブルゴーニュの土地の可能性と純粋さを表現できるのかも知れません。
実際、ヤン ドゥリューのワインには常に驚きと喜びに満ちています。そしてそれは、彼の祖父への、土地への、自然への愛であり、飲み手であるわたしたちへの愛の証なのだと知るのです。そんなヤン ドゥリューの愛の結晶であるワイン、アリゴテを用いて造られるラヴ&ピフの2014年が到着しております!
アリゴテらしい伸びやかな酸とその酸に負けずに余韻までその姿を残す果実味、どこまでも純粋でどこまでも清々しい味わいのワインです。日本到着からじっくり12ヶ月休ませてからの皆様へのご案内です。現時点でも爽快な美味しさを楽しんで頂けると思いますが、まず間違いなく長期の熟成にも耐えうるアリゴテでもあります。
クラスを超えた、既成概念を超えた、ブルゴーニュの大地が持つ本当の実力を感じられる1本です。ぜひ皆様にお試し頂きたいと思います。
以下はN.V.(2011)のこのワインのご紹介文です。
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【柔らかな酸と旨みの濁り!すばらしいブルゴーニュ白です!】 もう・・単にアリゴテとは呼びたくない・・そんな気持ちさえ生まれてくるような、素晴らしい白ワインでした!これは絶品の旨さです!
お茶の宣伝で、
「濁りは旨み・・」
みたいなコピーが今も流れていますよね。たしかにペットのお茶としては、奇抜なアイデアですし、そこを推すのも良かったのかな?と思います。でも、ペットのお茶の味わいの範疇を超えては・・いないとは感じます・・・・いや、あくまで個人的な感想です。
昔、濁りワイン・・というのが有りました。本当に濁っていて、そこに旨みのほとんどが有りました。甘みが有ったので、そこに要素が集中したような組み立てになっていました。
このアリゴテは、実は甘くない・・んです。酸の組成で甘みに近いものを感じますが・・・これは旨みです。そして結構な澱も有ります。しかし、とても輝いていて、とてもピュア。アリゴテとしては酸が柔らかいのに・・・酸がとても美味しい!・・・これは、アリゴテの酸を旨みの酸に変えたことを意味しているように思います。
そして、青~黄リンゴのようなニュアンスが感じられますが、普通のアリゴテのような鋭角なものではなく、鈍角でとても豊かなんですね。しかも石灰系のミネラルがごちゃまんと感じられる、素晴らしいバランスの持ち主です。
たしかにプリューレ・ロックの、出来が良い年のワインに似たニュアンスは有るかもしれません。でももっとミネラリティがあると思いま
それはきっと、まだ葡萄が造られてからさほど年を経ていないフランスの大地の味わいなのかもしれません。もしくは、地中で葡萄の根っこと他の植物の根っこが絡み合い、相乗効果で水分を汲み上げることに由来しているのかもしれません。でも結局は、有機栽培でなければ、もしくはビオでなければ・・・この味わいは成しえなかったでしょう。素晴らしいワインだと思います。ワイン流通者の猛者どもを虜にしたヤン・ドゥリュー・・・。目を離せない存在になりました。お奨めします!
● N.V.(2021) PTG V.d.F. Rouge
PTG V.d.F.ルージュ
【げげっ!・・この何ともふんわりとした淡く・・しかも心に染み入る味わいは・・あのオーヴェルニュの巨人、ピエール・ボージェが失敗作だと言ってずっと隠しておいて販売しなかった「レトゥルディ」の熟成前だと・・】

ピエール・ボージェと言う生産者さんを新井順子さんが輸入していまして、それを(おそらく)今は某社が順子さんとタッグを組んで販売していると思います。順子さんから某社に販売が移ってからも長く販売させていただいてましたが・・量がだんだん減り、そのうちに入荷しているのに案内も無くなり・・みたいなアイテムが増えて来て、お客様から、
「他で案内があったのでnoisyさんのところでも販売されるのですか?」
のようなお問い合わせが入るようになり、
「多分その内に入るんじゃないかと思いますが未定です」
と返していたところ、いつまでも案内も無い・・のに他のワインを売り込んで来て「何とかしてくれ」と・・。
それはちょっと違うんじゃないかと・・。その造り手さんが人気が出ると他の得意先に回してしまって、それまで頑張って来たところには案内しない・・でいられるインポーターさんだと判ったので、お取引は止めさせていただきました。ピエール・ボージェを楽しみにしていらしたお客様には申し訳なかったんですが、
「入荷したことを知らせないのでショップは判らない」
ことを良いことに、そんなことが平気で出来るとは・・怒り心頭でした。
そもそもピエール・ボージェはフランスの臍のオーヴェルニュの生産者さんで、マンモスミネラルでめちゃピュアなワインを造っていました。扱いの当初は・・結構戸惑いました。余りにピュアで・・So2 添加のニュアンスの無い・・だからコアもしっかり感じさせないのに口内をしっかり満たす味わいでした。
「シャンピニヨン・マジック」
と言うシャルドネのワインが大人気で、数千円で購入出来たものが1万円ちかくになり、そのうち・・シャルドネの樹を引っこ抜いてしまったとかで生産されなくなった・・と記憶していますが、最後の入荷の頃は相当高かったと思います。

で、ピエール・ボージェの最初の頃に、
「本人が造りを失敗したと言うので長く売らなかった赤ワインを、頼み込んで持っていたのでリーズナブルに販売します。訳アリです。」
みたいな感じで順子さんにご案内をいただき・・飲んでみて余りの美味しさに驚いたのが、「レトゥルディ」でした。何年ものだったか判りませんが、相当古かったと思います。
で、その時のページを探し出しましたので・・良かったらご覧ください。この下の2021ラ・グゾットのコラムには、その部分だけを抜き出していますのでそちらでも大丈夫です。
あ、すみません・・古いページですので、リンクを踏まないように・・エラーになりますので・・アチコチ弄らないようにしてくださいね。
furansu044.shtml ← クリックで飛びます。
で、その「レトゥルディ」を若くしたのとかなり似ていると感じたのが、この2021PTG です。
物凄く半端無いほどのエレガントな味わいです。今のところ揮発酸のニュアンスはそれなりに有ります・・が、お好きな方なら問題無いレベルです・・が、嫌いな方には・・この状態は、
「きっと耐えられない」
でしょう。
ですので、揮発酸嫌いの方は決して購入してはいけません。しかしある程度長く熟成に回される方は、その限りではありません。
で、現状の味わいを・・非常にエレガントです。そして甘みはゼロだと・・思ってください。しかし旨味は酸バランスが素晴らしく、しかも揮発酸の生成で若くとがった酸は消えています。飲み進めるうちにネガティヴに感じられる揮発酸はポジティヴに変化していきます(人によると思います)。
中盤以降は非常に瑞々しいニュアンスで、そこに揮発酸的な味わいが差し込みますが、普通に飲んでも美味しいと思えるんじゃないかと言うのがnoisy の感覚です。
そして・・もしこれが数年の瓶熟を経ますと・・まさにピエール・ボージェの、本人が失敗作だと言った「レトゥルディ」とかなりそっくりな味わいになると踏んでいます。なにせ noisy もこのワイン、開けたてを口にして・・
「・・あ、これ・・飲んだことある・・何だっけ・・・?」
と・・カスレている記憶を探りまくって・・
「あ、そうだ・・あれ・・ピエール・ボージェの・・だったっけか・・失敗作の」
と思い出したくらいですから。ワインの名前までは中々出ては来ませんでしたが・・。
なので、瓶熟を終えますと、滅茶美味しい赤ワインに仕上がると踏んでいます。ぜひ・・今飲むか、先まで待つか・・まぁ、ピエール・ボージェのワインだとしますと今やこの価格では購入出来ないと思います。ご検討いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
● N.V.(2021) la Gouzotte Rouge V.d.F.Rouge
ラ・グゾット V.d.F.ルージュ
【うわおっ!・・2020年ものと見比べて「ドキッ」とされたでしょうか。濃さがここまで異なると同じワインとは思えませんが、ヴィンテージの背景をしっかり織り込んだ激エレガント系のピノ・ノワールです・・あのワインに激似??!】

え~・・2020年ものの半分ほどの濃度じゃないかと思えるほどに、淡い色彩に見えて仕方が無いですが、2020年ものはある意味、めちゃ特殊ですし・・
「2021年ものも、とんでもなく特殊!」
で有ることは間違いありません。
もっと言ってしまえば、
「2022年もののラ・グゾットを以てして、ラ・グゾット2020~2022三部作が完成!!」
と言うことになろうか・・と思うんですね。まだ2022年ものはリリースされていないとしても、
「これほどまでにヴィンテージをしっかり描いたピノ・ノワールは無いかも?」
と思わせる色彩です。
そして・・色彩だけでは無く、この見事な味わいも同様です。

アロマにはわずかに揮発酸の影に滲んでいますが、気にならない方は多いと思われるレベルです。めっちゃ気にする方には・・判るかなと。
アロマはチェリー、そして何故か・・白い・・ナトリウムっぽい感じがするミネラリティを、とんでもない量で感じます。なので、ボディはそれなりに厚みが有り、少し太目です。
しかし味わいは激的にエレガントで、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールらしい感覚です。
PTGもそうなんですが・・と言いますか、PTGの方がそのものズバリです・・。
なんの話か判らないと思いますが。。そうその昔、ピエール・ボージェと言うオーヴェルニュの生産者さんの「レトゥルディ」だったか・・本人が気に入らない出来だったので、ずっと仕舞い込んでいたのを新井順子さんが仕入れて持って来た赤ワインが有ったんですね。
「本人が気に入らないのなら・・美味しくなさそうだ・・」
と思ってテイスティングしたんですが、これがまためちゃリーズナブルでめちゃんこ美味しかった訳です・・なので、それなりに販売させていただきました。
で、そのガメによるレトゥルディと・・もう少し瓶熟させると、ほぼ同様の味わいに仕上がるんじゃないかと感じた訳です。
そう思って探してみましたよ・・そうしたら・・・在りました!・・掲載しますのでご笑読下さい。2006年の新着でのご案内でした。
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【 これほどに芯から香るワインが今まであっただろうか!飲んでみてください!】 同じワインを販売している方は多くいても、そのワインをどれだけ見つめる気があるかどうか、で大きな違いが有ると思っています。いや、むしろワインの方から語ってくれるので、その言葉に聴く耳を持っているかどうか..それがワイン屋の行く道..(お~い、かっこつけ~♪)
そんなことは置いて本題にサクッと入りましょう。まさにべらぼうなワインです。だってね..
造った本人 --> 失敗作だから瓶詰めせずに放置
失敗作を輸入した人 -->酸化の進み具合が気になるし翌日まで持たないみたいだから安く紹介
(それでも 良い面が気になって仕方が無いらしい!)
偉そうに書いてる noisy --> こんなにべらぼうなワインにはそうは出会えないと絶賛
三者三様ですよね。何が真実なのか確かめてみる気の有る方には、こんなに面白いワインは無いんじゃないかと思います。まあ、そうじゃなくてもですね、noisy が素晴らしい、と言ってるんだから騙されてみようよという、思わず noisy も涙ぐんでしまいそうなお方にも、きっと喜んでいただけると思います。
で、ようやく 「べらぼう」 の意味に入るわけですが、まずその前に..
1.キャップシールが無い
2.瓶から見える色がロゼじゃ無いか、と思えるほど薄い。しかし、グラスに注ぐとそれほど薄くも無い。
3.腱鞘炎を患っている方、物書きのお仕事をされている方は、飲むのを止めた方が良いかもしれない
ということを申しておきましょう..(^^;;
だってね、目茶苦茶香るんですよ、このワインは!凄いです。3日経ったって全然衰えないですよ。そもそも、ピエール・ボージェは、
「香水のようなワインを造りたい!」
と、常々言っているそうですから..その本人が失敗したと言ってるのがおかしいですよね。時間が経って良い成熟をして、そのように変化しつつあるのかもしれません。
それに順子さんにしても、「説明書を読まれて納得した方だけお求めください」ですよ。決して本人は物凄く美味しいと思って買ったわけではなさそうで(そのように言っています)、酸化の具合が少し気になるけどそれなりに美味しく飲めるし..とのことらしいです。酸化のスピードがワインの年齢に対し速い、というのが気に入らないポイントなのだと思います。醸造家、ビオディナミスト?の立場からの見解と、ワインのみから情報を得るただの酒飲みとはおそらく少し感性が違うんでしょうね。それでも、
「グラスに注ぐともうしょっぱなから香りが立ち込め、香水のよう。これはかなりワインを飲んでいる人、それか全く飲んでいない人は美味しいと思うでしょう」
と、的確な評価をしていますし、個人的には美味しいと思うと言っています。
物の見事にワイン中に香りを閉じ込めた、比較高めのアルコール分は、まさに香水のような存在になっています。葡萄のエキスを見事に抽出したエステルに変化していたのです。DRCのワインのように、エキスの塊と化したワインは、花のような果実のような、有機物と無機物の境にあるものの全ての香りを順番に振りまいているかのようです。味わいも見事、綺麗な輪郭を持ったシームレスなワインで、微細な表情を見せながら美しく収束して行き、いつまでもほのかな香りを漂わせるのです。実際、翌日も3日目も全く問題なく芳香を保っていました。仰天のブケです。
だからね、結局グラスを持ち上げて、鼻で香りを大きく吸い込み、液体と共にさらに膨らませ、余韻を楽しみ、グラスをいつの間にか「くるん、くるん」と延々回し、そして..また鼻で香りを大きく吸い込み、液体と共にさらに膨らませ、余韻を...っていつまでやっとるんじゃ!誰か止めてくれ..という メビウスの帯に迷い込んだ出口の見えない状態?に陥るわけです。
グラスを振るときと言うのは、香りが余り出てこない時と、とても香るワインに出会ったときに次の香りを要求して振ってしまう時が有ると思いますが、このレトゥルディの場合は全くの後者です。
そう、あなたを「腱鞘炎の一歩手前」まで追い込むかもしれない、悪夢のようなワインです。ですからね、物書きの皆さんは万年筆を持てなくなってしまいますから、どうしても飲みたければグラスは左手で持ちましょう。そして、気は確かに持ち、決して我を忘れるような状況では飲まないようご注意ください。
まあ、冗談のように聞こえるのでしょうが、かなり本気です。もっともDRCのように..とは言っても、樽の影響も無く、葡萄も違い、格の違いは存在します。しかし、大地のエキスをしっかりと葡萄に取り込み、葡萄のエキスを充分に取り込んだエステルには、似た雰囲気がプンプンします。そりゃ、格とすれば全く適いませんし、現状でやや暴れる部分も存在します。それでも良い部分が全てを覆い隠しています。そこに気がつく方は少ないはず..で、後は好みの問題オンリーです。
という訳で、あ、そうそう、品種はガメイです。ガメイというよりは熟したピノ・ノワールにかなり近い。飲んだらおそらく ぶっ飛ぶ はずです。それに平気で10年以上は持っちゃうと思います。底知れぬパワーを持った「フランスのへそ」のワイン..騙されてみよう、真実の声を聞こうと思った方だけ..ご購入ください。その結果、騙されちゃったなと思うなら..御免なさいです。腱鞘炎にならぬように回しやすい慣れたグラスでお楽しみください。
「いつもより多めに回しております!」
と、染太郎師匠の声が聞こえてきました..ワインの名前は、「うかつな」という意味。noisy も レトルディな奴だろうか..超お奨めです!
---
まぁ・・ピエール・ボージェのワインはとんでもなく高くなってしまいましたし、いつの間にかインポーターさんにハブられていたので咎めたところ、仲が悪くなってしまったので喧嘩別れしました。あ、順子さんと喧嘩した訳じゃないですよ・・力じゃ勝てないですから・・はい。
と言う訳で、noisy 的にはこの2021年ラ・グゾットの味わい、もしくはPTGの味わい(こっちの方がガメが入っているだけに近いですが)は、数年を経てピエール・ボージェのレトゥルディに近くなると踏んでいます。なので、少し瓶熟させて楽しむか、もしくは2020年もの、この先入荷するだろう2022年ものと比較してみると、
「ワインの成熟とヴィンテージの背景の違い」
等が良く判るんじゃないかと思います。ぜひご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
-----
【もっともリーズナブルなラインのラ・グゾットですが、2020年ものはピュアで超凝縮したエキスの滅茶複雑な表情!・・今飲んでもOKですが3年先も滅茶楽しみなピノ・ノワールです!】

ヤン・ドゥリューを知るには最高のアイテムだと思います。そして、
「ヤン・ドゥリューが造った2020年もののピノ・ノワール」
と言う意味でも、非常に重要な指針となる指標的存在です。海外では2020年ものの中級キュヴェまで紹介はされていますが、日本ではこのラ・グゾットが初のお目見えです。
ご存じの通り2020年ものは・・濃密ですよね・・ルジェさんもルーミエさんも・・濃かった!・・余りに美味しいルジェさんのパスグラも、2020年は・・
「どっひゃ~・・」
と驚くほどでした・・しかし、数年先にはきっと、
「あの濃度がこの美味しさに繋がっているんだ・・」
と理解出来る訳です。
反対に言えば、エレガントな・・淡目の出来の年は、最初から滅茶美味しいんですね・・そのようなワインは。
ラ・グゾットは、2017年のような年は淡く、しかしその分・・揮発酸は高めに出ます。2020年ものは飲んでみた感じ、
「揮発酸はほぼ無い」
です。非常にピュアです。
しかしながら2020年的なコンプレッションされ、まだ拡がりを強く抑制されているようなニュアンスや、赤味よりもやや黒味がやや勝ったニュアンスも混じって感じられます。
果皮の厚さ、果皮バランスの多さがワイングラスの写真からも見えますが、葡萄の質としましたら非常に優れているように見える美しい色彩です。

ブラックチェリー、レッド・ベリー、レッド・カラントの適度に熟したアロマにオリーブ、そしてブラックペッパー、シナモン、ジンジャー..茶色の美しい土のニュアンスにほんのりモカ、複雑ですがバランスに優れています。酸は弱目かと思いきや、しっかり感じます。甘く無く、でもややジューシーで良くグリップし、僅かに濃い目の余韻を見せるピノ・ノワールでした。
やはり2020年ものは揮発酸はほぼ無く、果皮が強い日照を得た結果生まれたスパイシーなニュアンスと、まだ開き切らない・・閉じたまま凝縮した部分がそれなりに存在しますが、
「今飲んでも充分旨い!」
とも言えるかと思います。
その上で、その凝縮した果皮の圧縮された部分が崩れてエキスに溶け出した頃がピークで、おそらく2年ほど(2026年辺り)で到達するんじゃないかと想像しています。
因みにグゾット= Gouzotte は Gousotte とも綴られますが、三日月状のナイフで選定などの使用されるヴィニュロンのツールです。ウィキペディアの海外版に在りましたので、コピー&ペーストで是非ご覧くださいませ。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Gouzotte
同時にご案内の「2019 ジャノ」の・・淡いながらも深淵な色彩とはだいぶ異なりますが、黒くて物凄く濃い訳では有りませんで、1枚目の写真など、ちょっとグッと来るものが有るんじゃないかと思います。
価格もリーズナブルで寿命もかなり長いでしょう・・是非飲んでみてください。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【ヤン・ドゥリューの名刺代わり!・・2017年ものよりも、彼の意識をより判りやすい出来だと思います!】
もう、見るからに・・です。目に見えて「揮発酸」の存在が写っているかのような写真です。その意味では、昨年ご紹介させていただいた2017年ものよりも、
「揮発酸はたっぷり生成されている」
と言えると思います。
なので、
「揮発酸に弱い方は・・」
「ノーマルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールがお好きな方は・・」
「昔からワインを飲まれている方は・・」
「・・お控えいただいた方が良いと思います。」
と・・今までならそのように言ってきました。
ですが2つの理由で、今回はそれを余り強く言わないようにします。
その理由の一つ目は、昨年のヤン・ドゥリューの入荷分のピノ・ノワールの販売で、飲まれた感想をたずねると・・
「滅茶苦茶美味しかったです!」
と、全てのお答えが同じだったから・・です。
勿論ですが、気に入らなかった方に聞いてない・・言ってないと言うのは有るかもしれませんが、結構な人数におたずねしたんですね。この方は古くから飲まれているから、きっと否定的な結果だろうと推測して、余りお渡ししたく無かった方からも、そのように言われましたのでビックリしてしまいました。
2つ目の理由は、
「画像ではしっかり・・揮発酸が写っているように、それなりに揮発酸はあるんですが、そのレベルは・・実は結構低い!」
んです。だから・・揮発酸そのものさえ、感じられない方もそれなりの割合でいらっしゃるんじゃないかと思ったからです。それに、この揮発酸レベルでは、将来的には完全に溶け込んで判らなくなるだろう・・とも踏んだからですね。

エッジにはオレンジさえ・・見えます。2018年ものですよ?・・。普通ならあり得ないですよね。揮発酸を生成した場合、こんな絵になることが結構にあります。そして何となくですが、グラスの色さえ少し曇らせたような成分が見える・・のがお判りでしょうか。
しかし・・グラスを伝う何本かの長い足・・も見えますよね?・・粘性が高いので相当に熟度が高い・・でもアルコール分は13度で普通よりも低い位なんです。なので、これはアルコール度の高さだけによらないグラ・・と言うことになります。エキスが濃い・・と言うことでしょう。
果実がちょっと熟し始めのようなアロマが混じります。ピュアな果実も有ればドライフルーツ化したものも混じります。果実の皮も有り、結構複雑性が高いです。中域は膨らみ、ここでちょっと気付くはずです。
「確かに揮発酸の気配はあるけれど・・全然普通に近い・・」
そうなんですね・・で中盤以降、余韻には、確かに揮発酸生成で欠落した部分の味わいも有るんですが、付加された表情も多分に有って・・
「・・結構・・いいじゃん・・ナチュラルだし・・」
と言うような印象に落ち着くんですよ。
まぁ、ある意味「サン・スフル」でこれほど美しく仕上げるのは・・難しいんだろうなぁ・・と感じます。ロックの親父さんもやはり・・クロ・ド・ベズにさえSo2を入れたくなかったんだろうと思います。ヤン・ドゥリューもおそらくそうなんでしょう。だからこその・・
「名刺代わり」
だと気づきました。
その名刺は・・
「毎年、印刷し直される!」
のでしょう。ご検討くださいませ。
以下は2017年もののレヴューです。
-----
【本人曰く「名刺代わりのキュヴェ」!・・では有りますが、物凄くちゃんと出来過ぎていて名刺代わりになっているのかは疑問・・(^^;; 勿論、とても美味しいですよ!】
黒みを帯びた赤果実、赤みの有る黒っぽい果実・・どちらもしっかり、ピュアに感じられる素晴らしいピノです。そしてナチュール度もしっかり!・・
「そうか・・ヤン・ドゥリューってこんな感じなんだ~!」
と素直に思っていただける方は非常に有難いですが、noisy 的 にはちょっと不満も有ります。
「確かにテート・デ・ポン(一番高いの)やPV (次に高いの)のニュアンスには近いけれど、それ以外のキュヴェには有って、このラ・グゼットには全く無いものが有るってのは・・名刺代わりになるの~?」
と思ってしまった部分も有るんですね。
確かにこのラ・グゼットはとてもちゃんとしています。ですから、とても美味しいし精緻、美しいです。でも、
「・・・これには揮発酸は無いじゃないか!」
とも思ってしまう訳です。ですから、揮発酸の有るキュヴェの名刺はどこ?・・ってな訳ですね。
いやいや、物足りないなどとは言いませんよ。揮発酸は、ワイン本来の表情をその生成量や残存酵素の量により、削ってしまいます。しかしながらヤン・ドゥリューのピノは、
「その削れ方がエグイほど少ない!」
のが特徴なんですね。
そのうえで、
「この揮発酸は必要不可欠な表情でも有る」
とさえ感じていました。

まぁ・・そんなことを言いましても、これよりも上級キュヴェにつきましては、
「こちらは検出限界に近い」
とか、「無い」とか書いていますが、本当に正確に言いますと・・どのキュヴェにも少なからずあることは有ります。言っちゃえばこのラ・グゼットにも有りますが、本当に検出限界なんですよね。
なので、「無い」と感じてしまう訳です。でも実際にはほんの僅かに有り、ヤン・ドゥリューのピノのその割合は非常に少ない訳でして・・しかも完全に一体化しているか、これからの熟で一体化すると感じられる訳です。
まぁ、オート=コートの比較若木で造られたキュヴェのようでして、2017年ものは偶然に生成が少なかったのかもしれません。実にピュアでちゃんとしています。ヤン・ドゥリューの他のキュヴェ同様に柔らかで白くふにゃふにゃしたミネラリティが顔全体に張り付いてくるかのようです。中域にはちゃんと膨らみが有って、余韻も美しい・・・
「言ってしまえばニコラ・フォールのピノに最も接近できるキュヴェ」
でも有ります。
ブルゴーニュの次世代を担うはずの二人が、ニュアンスが近いキュヴェが有るとはいえ、それでも相当に異なる・・距離が有るとも感じています。
「ヤン・ドゥリューは最先端で有り最もクラシックで有り然児で有り反逆者で有り救世主で有る・・かもしれない」
そう思わせてくれるのがヤン・ドゥリューのピノです。これが名刺だと言うなら名刺自体の出来は不完全だと・・ワインは上出来なんですけどね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2020) la Gouzotte Rouge V.d.F.Rouge
ラ・グゾット V.d.F.ルージュ
【もっともリーズナブルなラインのラ・グゾットですが、2020年ものはピュアで超凝縮したエキスの滅茶複雑な表情!・・今飲んでもOKですが3年先も滅茶楽しみなピノ・ノワールです!】

ヤン・ドゥリューを知るには最高のアイテムだと思います。そして、
「ヤン・ドゥリューが造った2020年もののピノ・ノワール」
と言う意味でも、非常に重要な指針となる指標的存在です。海外では2020年ものの中級キュヴェまで紹介はされていますが、日本ではこのラ・グゾットが初のお目見えです。
ご存じの通り2020年ものは・・濃密ですよね・・ルジェさんもルーミエさんも・・濃かった!・・余りに美味しいルジェさんのパスグラも、2020年は・・
「どっひゃ~・・」
と驚くほどでした・・しかし、数年先にはきっと、
「あの濃度がこの美味しさに繋がっているんだ・・」
と理解出来る訳です。
反対に言えば、エレガントな・・淡目の出来の年は、最初から滅茶美味しいんですね・・そのようなワインは。
ラ・グゾットは、2017年のような年は淡く、しかしその分・・揮発酸は高めに出ます。2020年ものは飲んでみた感じ、
「揮発酸はほぼ無い」
です。非常にピュアです。
しかしながら2020年的なコンプレッションされ、まだ拡がりを強く抑制されているようなニュアンスや、赤味よりもやや黒味がやや勝ったニュアンスも混じって感じられます。
果皮の厚さ、果皮バランスの多さがワイングラスの写真からも見えますが、葡萄の質としましたら非常に優れているように見える美しい色彩です。

ブラックチェリー、レッド・ベリー、レッド・カラントの適度に熟したアロマにオリーブ、そしてブラックペッパー、シナモン、ジンジャー..茶色の美しい土のニュアンスにほんのりモカ、複雑ですがバランスに優れています。酸は弱目かと思いきや、しっかり感じます。甘く無く、でもややジューシーで良くグリップし、僅かに濃い目の余韻を見せるピノ・ノワールでした。
やはり2020年ものは揮発酸はほぼ無く、果皮が強い日照を得た結果生まれたスパイシーなニュアンスと、まだ開き切らない・・閉じたまま凝縮した部分がそれなりに存在しますが、
「今飲んでも充分旨い!」
とも言えるかと思います。
その上で、その凝縮した果皮の圧縮された部分が崩れてエキスに溶け出した頃がピークで、おそらく2年ほど(2026年辺り)で到達するんじゃないかと想像しています。
因みにグゾット= Gouzotte は Gousotte とも綴られますが、三日月状のナイフで選定などの使用されるヴィニュロンのツールです。ウィキペディアの海外版に在りましたので、コピー&ペーストで是非ご覧くださいませ。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Gouzotte
同時にご案内の「2019 ジャノ」の・・淡いながらも深淵な色彩とはだいぶ異なりますが、黒くて物凄く濃い訳では有りませんで、1枚目の写真など、ちょっとグッと来るものが有るんじゃないかと思います。
価格もリーズナブルで寿命もかなり長いでしょう・・是非飲んでみてください。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ヤン・ドゥリューの名刺代わり!・・2017年ものよりも、彼の意識をより判りやすい出来だと思います!】
もう、見るからに・・です。目に見えて「揮発酸」の存在が写っているかのような写真です。その意味では、昨年ご紹介させていただいた2017年ものよりも、
「揮発酸はたっぷり生成されている」
と言えると思います。
なので、
「揮発酸に弱い方は・・」
「ノーマルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールがお好きな方は・・」
「昔からワインを飲まれている方は・・」
「・・お控えいただいた方が良いと思います。」
と・・今までならそのように言ってきました。
ですが2つの理由で、今回はそれを余り強く言わないようにします。
その理由の一つ目は、昨年のヤン・ドゥリューの入荷分のピノ・ノワールの販売で、飲まれた感想をたずねると・・
「滅茶苦茶美味しかったです!」
と、全てのお答えが同じだったから・・です。
勿論ですが、気に入らなかった方に聞いてない・・言ってないと言うのは有るかもしれませんが、結構な人数におたずねしたんですね。この方は古くから飲まれているから、きっと否定的な結果だろうと推測して、余りお渡ししたく無かった方からも、そのように言われましたのでビックリしてしまいました。
2つ目の理由は、
「画像ではしっかり・・揮発酸が写っているように、それなりに揮発酸はあるんですが、そのレベルは・・実は結構低い!」
んです。だから・・揮発酸そのものさえ、感じられない方もそれなりの割合でいらっしゃるんじゃないかと思ったからです。それに、この揮発酸レベルでは、将来的には完全に溶け込んで判らなくなるだろう・・とも踏んだからですね。

エッジにはオレンジさえ・・見えます。2018年ものですよ?・・。普通ならあり得ないですよね。揮発酸を生成した場合、こんな絵になることが結構にあります。そして何となくですが、グラスの色さえ少し曇らせたような成分が見える・・のがお判りでしょうか。
しかし・・グラスを伝う何本かの長い足・・も見えますよね?・・粘性が高いので相当に熟度が高い・・でもアルコール分は13度で普通よりも低い位なんです。なので、これはアルコール度の高さだけによらないグラ・・と言うことになります。エキスが濃い・・と言うことでしょう。
果実がちょっと熟し始めのようなアロマが混じります。ピュアな果実も有ればドライフルーツ化したものも混じります。果実の皮も有り、結構複雑性が高いです。中域は膨らみ、ここでちょっと気付くはずです。
「確かに揮発酸の気配はあるけれど・・全然普通に近い・・」
そうなんですね・・で中盤以降、余韻には、確かに揮発酸生成で欠落した部分の味わいも有るんですが、付加された表情も多分に有って・・
「・・結構・・いいじゃん・・ナチュラルだし・・」
と言うような印象に落ち着くんですよ。
まぁ、ある意味「サン・スフル」でこれほど美しく仕上げるのは・・難しいんだろうなぁ・・と感じます。ロックの親父さんもやはり・・クロ・ド・ベズにさえSo2を入れたくなかったんだろうと思います。ヤン・ドゥリューもおそらくそうなんでしょう。だからこその・・
「名刺代わり」
だと気づきました。
その名刺は・・
「毎年、印刷し直される!」
のでしょう。ご検討くださいませ。
以下は2017年もののレヴューです。
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【本人曰く「名刺代わりのキュヴェ」!・・では有りますが、物凄くちゃんと出来過ぎていて名刺代わりになっているのかは疑問・・(^^;; 勿論、とても美味しいですよ!】
黒みを帯びた赤果実、赤みの有る黒っぽい果実・・どちらもしっかり、ピュアに感じられる素晴らしいピノです。そしてナチュール度もしっかり!・・
「そうか・・ヤン・ドゥリューってこんな感じなんだ~!」
と素直に思っていただける方は非常に有難いですが、noisy 的 にはちょっと不満も有ります。
「確かにテート・デ・ポン(一番高いの)やPV (次に高いの)のニュアンスには近いけれど、それ以外のキュヴェには有って、このラ・グゼットには全く無いものが有るってのは・・名刺代わりになるの~?」
と思ってしまった部分も有るんですね。
確かにこのラ・グゼットはとてもちゃんとしています。ですから、とても美味しいし精緻、美しいです。でも、
「・・・これには揮発酸は無いじゃないか!」
とも思ってしまう訳です。ですから、揮発酸の有るキュヴェの名刺はどこ?・・ってな訳ですね。
いやいや、物足りないなどとは言いませんよ。揮発酸は、ワイン本来の表情をその生成量や残存酵素の量により、削ってしまいます。しかしながらヤン・ドゥリューのピノは、
「その削れ方がエグイほど少ない!」
のが特徴なんですね。
そのうえで、
「この揮発酸は必要不可欠な表情でも有る」
とさえ感じていました。

まぁ・・そんなことを言いましても、これよりも上級キュヴェにつきましては、
「こちらは検出限界に近い」
とか、「無い」とか書いていますが、本当に正確に言いますと・・どのキュヴェにも少なからずあることは有ります。言っちゃえばこのラ・グゼットにも有りますが、本当に検出限界なんですよね。
なので、「無い」と感じてしまう訳です。でも実際にはほんの僅かに有り、ヤン・ドゥリューのピノのその割合は非常に少ない訳でして・・しかも完全に一体化しているか、これからの熟で一体化すると感じられる訳です。
まぁ、オート=コートの比較若木で造られたキュヴェのようでして、2017年ものは偶然に生成が少なかったのかもしれません。実にピュアでちゃんとしています。ヤン・ドゥリューの他のキュヴェ同様に柔らかで白くふにゃふにゃしたミネラリティが顔全体に張り付いてくるかのようです。中域にはちゃんと膨らみが有って、余韻も美しい・・・
「言ってしまえばニコラ・フォールのピノに最も接近できるキュヴェ」
でも有ります。
ブルゴーニュの次世代を担うはずの二人が、ニュアンスが近いキュヴェが有るとはいえ、それでも相当に異なる・・距離が有るとも感じています。
「ヤン・ドゥリューは最先端で有り最もクラシックで有り然児で有り反逆者で有り救世主で有る・・かもしれない」
そう思わせてくれるのがヤン・ドゥリューのピノです。これが名刺だと言うなら名刺自体の出来は不完全だと・・ワインは上出来なんですけどね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2014) les 1er Ponts V.d.F.
レ・プルミエ・ポン・ルージュ V.d.F.
【ちょうど4年前にご案内させていただいた2014年のプルミエ・ポンが再入荷!・・4年の歳月が美しく磨き上げた「超自然派のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」の変化を是非ご堪能下さい!】

こういうのは・・良いですよね。昔ご案内させていただいたワインのリバイバル・レヴューとでも言うのでしょうか・・違うかな・・同じワインを時を経て再び再レヴューする・・
まぁ・・あの時はあんな書き方をしたけれど、4年の月日を経たらこうなった・・と書く訳ですから、
「ん~・・しまった!・・間違ってたか・・?」
と言うような気持ちにもなるかもしれないし、
「いや・・良いよね・・やっぱり。言ったことに違いは無い・・かな?」
みたいな、少し自己肯定の満足感を感じることになるかもしれないし・・
しかしながら、お客様も常に同様なシュチュエーションに出会う可能性が有る訳ですから、ワイン屋もリリース時だけ、ちょこっと舐めるだけに終わらず、スキルを高めるべきだろうと・・ちょっと・・・いや、かなりか・・偉そうに思ったりもしているんですね。
で、第一印象ですが・・めちゃ肯定的でした!・・やはりプルミエ・ポンは、ヤン・ドゥリューのラインナップに在っては、
「比較的リーズナブルながら高質で、ヤン・ドゥリューの頭の中が少し透けて見えるような味わい!」
であると・・思うんですね。
「頭の中が判るって・・どういうこと?」
と思われるかもしれませんが、おそらくヤン・ドゥリューがどんな考え方をしているか・・とか、このキュヴェをプルミエ・ポンに選択した理由とか・・をテイスティング結果と合わせてみると、それなりの結果が導き出せそうな感覚が浮かぶ・・そんな感じです。

彼はそもそもSo2を使いませんから、それに頼った結果にはならない訳ですね。
ですから、揮発酸の生成には相当気をつけているはずですが、少々の生成に関しては許容する・・と言うスタンスです。So2が生むコア感・・は必要無く、流れるような味わいの中に瑞々しい味わいと華やかなノーズがテロワールを含んだものであれば良い・・と言うものでしょう。
このワインは2014年収穫ですからすでに11年目を迎えたピノ・ノワールですが、海外メディアが平気で言うような、
「収穫年から6~8年の間が飲み頃(もしくは6~8年以内に飲むべき)」
みたいな言葉は、まったくの間違いであることは明瞭に判ります。
前回のリリース時にはややストレートに上がって来た揮発酸のアロマは、ほぼ溶け込んで目立たなくなり・・と言いますか、他の要素が時に育まれたお陰でその表情はやや飲み込まれた・・とも言えるかもしれません。
非常に丸くなってエレガンスが前面に出始め、コア感も熟成により感じられるようになっています。瑞々しい余韻が有り、そこからのノーズへの再帰には、若々しいチェリーでは無く、滑らかで熟したチェリーが感じられます。
二枚目の写真は、2014年もののご紹介の時とほぼ同画角になるようにしてみましたので、色彩から若々しさが後退し熟成感が出て来ているのが判り易いと思います。
やはり、プルミエ・ポンを飲んでしまいますと同時にテイスティングさせていただいたPTGとかラ・グゾットなどの2021年ものは・・
「美味しいけれど・・まだ若造なんだなぁ・・」
と思ってしまい、プルミエ・ポン2014の素晴らしくバランスの取れた味わいのグラスばかりを持ってしまいそうになります・・いや、他のキュヴェをダメだと言っている訳ではなくて・・
「ワインの味わいは時が磨く!」
と言うワインの性質を再認識せざるを得なくなる訳ですね。
是非飲んでみてください。心地良い酔い、酔い覚めが約束された超自然派のSo2無添加ピノ・ノワールで、是非ヤン・ドゥリュ―の頭の中を覗いてみてください。お薦めします。
以下はこの2014年プルミエ・ポンの、2021年初頭当時のレヴューです。
-----
【ここから始まるブルゴーニュ・ピノ・ノワール新時代!】
判る人にはきっと判るでしょう。サン=ヴィヴァン修道院がどのような存在で有るか・・そして、あのD.R.C.もそこで「白ワイン」を生産し、ビオ系のショップに卸していたことも・・。
そして、このグラスのピノ・ノワールの色合いを一瞥されても、きっと判るはずです。そのエッジには、酢酸生成がなされた証拠が見えることを・・。
非常に伸びやかな、美しいピノ・ノワールです。もしあなたが酢酸、揮発酸にある程度の許容を持っていらっしゃるのでしたら、全く問題の無いレベルの生成がされ、ワイン内に存在しています。ですので、もしあなたが酢酸、揮発酸に拒絶反応を占める方であるなら、そしてそれを修正しようとは思わないようでしたら、全くこのワインは有り得ないので買うのは止めてくださいね。
それでも、これから、ここから始まっているブルゴーニュ・ピノ・ノワール新時代を覗いてみたい・・・付き合っていきたい気持ちがあるようでしたら、是非、時間を掛けて、この1本とお付き合いください。一嗅ぎだけして安易な判断をせず、一口すすって諦めず・・が重要です。
そこまで拒絶反応の無い方でしたら、何も気にすることは有りません。この「レ・プルミエ・ポン」が話しかけてくるのをただ待っていれば良いんです。きっと、饒舌に話してくれると思いますよ。
開けたては少し閉じ気味です。僅かに揮発酸のニュアンスがノーズにも有ります。色彩にもそれは有りますが、余韻の全てまで浸食し、ワインを台無しにしてしまうようなレベルのものでは有りません。それはすでに止まっていて、要素の一部分に関与しているだけです。
15分ほどしますと、相当に「伸びやか」になってきます。やや閉じていた時のネガティヴさ(僅かですが)は消え、さらに膨らみとテクスチュアの滑らかさを増して来ます。それはまた見事に一体化した味わいですが、そこから驚くことにピュアなフレーヴァーが出てくるんですね。
言ってみれば、最近は滅茶苦茶高くてビックリの、「ドメーヌ・ビゾ」にも似ています。プリューレ・ロックに居たのだからロック似では?・・と思いがちですが、彼にとっては
「ロックは通過点だった」
と・・申しているようです。そこからすでにかなりの時が流れていると。
そして、やがて飲み手さえも一体化に取り込んだかのような、不思議な印象を受けます。
「このワイン・・このピノ・ノワールは、どのように評価すれば良いんだろう?」
きっとそう思われるに違いないんです。
このフィルムのように「くにゃくにゃ」に柔らかいテクスチュアとフレーヴァー、鈍角で入って来るのになんの痛みも無く、身体に馴染んで行くニュアンス、本来は余り好きではない・・中盤から余韻に掛けての揮発酸のニュアンスさえ、全て「一緒くた」にした上で、
「ん?・・じゃぁ、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールって・・どんな姿が正解なの?」
と問いかけてくるようでも有ります。
そしていつの間にか、「肯定派」に属している自分に気付くと思うんですね・・いや、そこだけはご自身でお確かめください。すぐ開けても良いが・・決して・・
「短い時間で飲み終えないで・・」
とお願いしたいと思います。何故って・・
「飲めるけれど、まだ完熟していないから・・」
です。
何か、ちょっと禅問答みたい?な感じになってしまいましたがお許しください。気になる方にお勧めしたいと思います。
● N.V.(2019) CR V.d.F. Rouge
CR V.d.F.ルージュ
【CR(セー・エール)は Chorey-les-Beaune 近郊?の自社畑。美しく伸びやかで何とも心地良いアロマ!・・ショレ=レ=ボーヌが静寂の中に閉じ込めた美しさを見事に表現しています!】

これはとんでもなく美しく、涼やかで・・ヤン・ドゥリューのワインだとすぐに確信するのか?・・と思えるほど、ワインとして成長して来ていて、その伸びやかさと果実表現を楽しめる素晴らしいワインです。
昨年の12月頃に2019年のヤン・ドゥリューの第一弾をご紹介させていただきましたが、その時にはまだ・・
「まだ成長し切っていない部分」
を多く抱えていると・・申し上げたと思います。
しかしあの時点での成長具合と、今回到着したアイテムのそれを比較してみますと、アイテムこそ、またエルヴァージュの仕方こそ違えど、
「たった半年の間に物凄く成長している!」
と感じるんですね。
昨年12月到着のトップ・ワインの一つである2019年G.C.(ジェー・セー)は、まだまだ未開発のようなニュアンスを多く含んでいるので、
「開けるには勿体無い」
と感じさせました。
しかし今回到着分の「ポン・シリーズ」のトップ・キュヴェ、レ・グラン・ポン2019年を飲みますと、
「まだ未開発、未成長の部分はあれど・・抜栓直後の美味しさをたっぷり感じられる」
ので、魅力たっぷりのワインで在ることを簡単に認識できる訳ですね。

ショレ=レ=ボーヌと言えば、ガラスチックなミネラリティを多く含み、どちらかと言えば表情が少ない・・そんなイメージが有ると感じます。
しかしながらこの2019年のCR(セー・エール)は、高貴なノーズを漂わせつつ、ドライなチェリーの新鮮!な美味しさと、土壌由来の非常に細やかな起伏の中に、粘土質に植わったピノ・ノワールのエロティックさを抑圧させながらも、しっとりと感じさせてくれるんですね・・。
「・・これ・・めっちゃ美味しいじゃん!」
と・・アンチ・ヤン・ドゥリューなブルゴーニュワインファンさえも驚かれるんじゃないかと・・思いましたよ。
そして、このような・・一筋縄で、もしくは、一派一絡げで表現し切れないコート・ド・ボーヌの美味しさ、面白さが増えてくるとしますと、今まで知らなかった、あえて拡げてこなかったボーヌ系ワインへの興味も、非常に膨らんでくるんじゃないかと感じます。
ちょっと外れますが・・ただ今、あの・・とんでもない新人のテイスティングに入っています。そう、
「ギルベール・ジレ2021年」
です。
コート・ド・ニュイのワインもモレ=サン=ドニを中心に有りますが、大半はコート・ド・ボーヌなんですね。昨年はほぼネゴスものでしたが、今回はドメーヌものも結構に有ります。
で、彼のワインを飲みますともう・・「圧巻」でしかないんですね。
もちろん、
「ん~・・まだ早いよなぁ」
とは思う訳ですが、その精緻さと・・空間を美しくも埋め尽くす要素の質と量、それらを抑圧し圧縮している姿を感じ取ってしまい、ただ呆気に取られてボーっとしてしまう訳です。
そんなギルベール・ジレのアプローチとも
「まったくの真逆だ」
と感じるヤン・ドゥリューなんですが、
「もしかしたら・・最終は同じ姿になるのかもしれない」
とも感じます。
このCR、普通のショレ=レ=ボーヌだとは思わないで下さい。とことん美しく、冷ややかで伸びやかです。必ずや気に入っていただけると思います。もちろん、もっと成長して行きます。お薦めします!滅茶素晴らしいです!
● N.V.(2019) PV V.d.F. Rouge
PV V.d.F.ルージュ
【ペルナン=ヴェルジュレス(近郊)の畑が持つ複雑で精緻なニュアンスに加え、官能的な表情を加えた魅力溢れるワインです!】

ヴォルネイ新時代だとか、今、ペルナン=ヴェルジュレスが滅茶面白い・・とか、人が言わないことを散々膨らませたかのように言って来た noisy ですが、
「ヴォルネイ新時代・・は、まるで新幹線のように ヒューンと・・ noisy を追い越していった」
ので、その後のフォローが出来なくなってしまって・・今に至ります。
「これからはヴォルネイだ!」
と言ったのは良かったのですが、その後すぐに・・とんでもなくヴォルネイは高くなってしまったし、お客様の認知度は非常に高くなったと感じるんですね。
で・・もう価格が上がることはもう織り込み済で、でも・・それでもリーズナブルで物凄いピノ・ノワールを飲みたい・・新しい世界、知らない世界を見たいと思っていらっしゃるお客様が、Noisy wine のご紹介を楽しみにしていただいているんじゃないかと・・まったくの勘違いかもしれませんが、そう思っています。
以前のレヴューにも書かせていただきましたが2017年のドラルシェのペルナン=ヴェルジュレスは、4千円でとんでもなく美味しい・・官能さにグッと来てしまう魅力を感じていただいたと思います。それでもまたユーロは史上最高値の170円をつけると言うような時代になっていますから、日本人の収入が増えない限り・・難しくなってしまうんじゃないかとも思ってもいます。それでも、
「美味しいブルゴーニュをご紹介したい」
と言う気持ちには何の曇りも無い訳で、このヤン・ドゥリューのワインの最終形がどうなるのか・・と言うような興味を持っていただけたらと思っています。
2019年のCR(セー・エール)の「真っ赤」に近いチェリーな味わいに穏やかな官能さをトッピングした味わい・・素晴らしいです。成長具合もこのPVやレ・グラン・ポンよりも進んでいます。この2019 PV(ペー・ヴェー) は、CRほどの成長具合には届かないものの、昨年年末にご紹介させていただいた2019年のヤン・ドゥリューの他のワインの・・その時の成長具合に比較すれば、
「・・お~・・なんと・・こうなるのか~~!」
と、飲まれた方を驚かせてくれるに違いありません。

ポテンシャルはもう・・CR よりも大いに高いです!・・そして、精緻さもしっかりありつつ、元々の要素の幾分かを官能さに振り分け、若いうちからの妖艶さを演出しています。
黒い果実と赤い果実がエキスからたっぷり発散されてきます。フラワリーさ、スパイス感と混じって妖艶さが漂い、とても良く熟したニュアンスも感じられます。
中域もしっとり、やや温かみを持ちつつ、しっかり膨れてくれます。しかしまだ少しタイトに閉じた部分を感じさせながら、長い余韻を感じさせます。少し粘り、口内をさらにフルにし、そして消えます。
いや・・CR をお飲みの方がこれを飲むと、また違う世界に連れて行かれたような感じになるかもしれません。CRはどちらかと言うとシャンボールタイプ、PV の方はどちらかと言うとヴォーヌ=ロマネタイプでしょうか。冷ややかを多く感じさせるCRに、若干の温かみのある酸構成がヴォーヌ=ロマネを感じさせるのかもしれません。
今飲んでも充分な美味しさは有ります。しかし、まだ発散するには至っていない・・殻に入ったままの卵のような部分が多く有りますので、2年ほど寝かせていただくと良いかと思います。
また同時進行と言う訳では無いんですが、CR のコラムでも書かせていただいた通り、只今ギルベール・ジレの2021年のテイスティングもしています。そしてジレのラインナップの中にも、ショレ=レ=ボーヌ、アロース=コルトン、サヴィニー=レ=ボーヌと言ったワインが多く有ります。で、これがまた・・とんでもない、圧巻の出来なんですね。
面白いのは・・ヤン・ドゥリューとは真逆だ・・と感じながらも、どこかで・・同じじゃないの?・・とも思っている自分がいるんですね。飲んだ直後はまったく異なるのに、少し時間が経過すると・・
「あれっ?」
と・・(^^;;
まぁ、それでも表向きは全く違うよと言うことになる訳ですが・・手段は全く異なるけれど、途中の姿も全く違うけれど、目指しているものは同じ・・と言うことなのかもしれません。少し熟成させ気味で飲んでみてください。グレートイヤーの2019年PVです!
以下は以前のレヴューです。
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【・・これは美味しい!・・今、マイブーム的なペルナン=ヴェルジュレスの姿をヤン・ドゥリュー風にアレンジしているのが良く判ります!】
非常に精緻です!・・もちろん、滅茶ナチュラルなんですが・・それより、実に心地良いシャンピニオン香に繊細な味わいが長くたなびく・・そして官能さがそこに美しく載ってくる・・そんなペルナン=ヴェルジュレスです。
やはりパカレにも非常に似ていますか、この甘美で官能的なニュアンスはパカレには無い・・かなと。
そして、2017年のマリウス・ドラルシェのペルナン=ヴェルジュレスを飲まれた方には伝わりやすいと思いますが、
「劇的にエレガントで官能的!」
なのが、熟成したピノ・ノワールが生み出す表情でも有る・・と言うことなんですね。
ただしマリウス・ドラルシェは2017年、このPV は2018年と言うことでヴィンテージの違いで2018年物の方がややしっかりしています。その部分に、コルトン・ルージュっぽさを持ちつつ、非常に繊細な襞を感じさせるペルナン=ヴェルジュレスの、コルトンの丘直下の畑のニュアンスが混じる・・そんな感じです。

で、実はこのコラムの下部には、2017年もののPVのレヴューが有りまして、グラスの写真も有りますよね?
ちょっと画角が違いますが、明らかに2018年ものの方が濃い目です・・とは言っても濃くはないですが・・。
で、PV2017年ものの淡い色彩はやや赤み黒味は強いですが、マリウス・ドラルシェの2017年ものペルナンにも共通するかな・・とも思います。マリウス・ドラルシェはレ・ブティエールと言う畑ですが、ヤン・ドゥリューはもう少し西のレ・ノワレ辺りかなぁ・・などと勝手な想像もしてしまいました。違っていたらすみません。
価格的にはそれなりにしますので、ヤン・ドゥリューの中でも中~高価格帯に入って来ます。でも彼のワインの場合、ほとんど畑を特定できませんから、このように少なくとも、
「コルトン=シャルルマーニュの直下のペルナン=ヴェルジュレス村名の畑」
と言うのが判っていますと、ワインを飲む時の密かな楽しみにもつながると思いました。
まだ・・ペルナン=ヴェルジュレスのワインの認知度が低くて結構苦労しましたが、最近はマリウス・ドラルシェのお陰で徐々に拡大しています。是非飲んでみていただきたいと思います。今飲んでも・・ちょっとだけ早いですが、とても美味しくいただけます。「繊細」「適度な熟」「官能さ」に長けた、ヤン・ドゥリューにしかできないスピリット溢れる味わいです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これも激旨ペルナン=ヴェルジュレスのピノ・ノワール!・・こんなになってしまうなんて・・想像もつきません。しかも揮発酸は非常に少ないです!!】
流石に「テート・デ・ポン」には届かないかもしれませんが、これも激旨い!・・マルサネの「マーズ・アタック」が時間を要するのとは異なり、今からでも美味しく飲めてしまうんですね・・。
ちょうどこの日は「ピンク・ムーン」だったようで、どうなんでしょ・・ビオ的には満月ですから、余り飲むには適さない日と言うことだったかもしれません。なので、
「ボトルの写真は少し超細やかな澱が舞っている」
感じに見えていると思います。
実際、舞ってしまっているのは、ボトルを持ち帰る時に車の中で誤って倒してしまったことが原因では有るんですが、この状態で飲んで・・見事に「ピュア!」でした。
勿論ですが超ナチュラルな伸びの良い、ベクトルの向きも外向きな味わいでして、
「5~10分もすると・・滅茶苦茶美味しい!」
です。
そもそもペルナン=ヴェルジュレスは、北東がラドワ、東がアロース=コルトン、南東がサヴィニーに接触した村ですから、ポテンシャルは元々有るはずなんですね。
ですが、
「ペルナン=ヴェルジュレスのピノで超美味しいの、飲んだことあります?」
まず無いですよ・・ね?
しかしペルナン=ヴェルジュレスは、あの素晴らしいシャルドネ、コルトン=シャルルマーニュも産するほどの村ですから、そのミネラル組成はかなり期待が出来るはず・・。
言ってしまえば、ニュアンス的にはコルトンと言うよりもサヴィニー=レ=ボーヌが近いでしょうか。・・でも、シャソルネイのサヴィニーのように、「濃いスタイル」では有りませんで、エキス系のしなやかなタイプです。その系は大抵の場合は「超硬いタイプ」に仕上がります。が、こちらは滅茶苦茶エレガントでしなやか、構成の大きさがしっかりあるのに、それを簡単には見せない感じです。
飲み進めて行くうちにその大きさ、深さに気付かされ、
「・・丸裸のピノって・・こんな感じなんだ・・」
と思われるかもしれません。
これは「絶対に有り」です。おそらくどんな方でも大丈夫だと思います。揮発酸に耐性の無い方でも大丈夫でしょう。ピュア&ナチュラルが際立った素晴らしい出来!飲んでみて下さい。超お勧めします!
● N.V.(2019) les Grands Ponts Rouge V.d.F.
レ・グラン・ポン・ルージュ V.d.F.
【素晴らしいポテンシャルを囲った化け物じみた味わいです。「ポン」シリーズのトップワイン、そして2019年と言うヴィンテージの良さを強く感じます。】

凄いですね・・もう・・ビックリです・・。ただし今回ご案内のアイテムの中では、
「もっとも成長が遅れているのは否めない」
と感じます。
もう・・まだヒヨッコどころじゃなくて卵だろう?・・と言いたくなる訳ではあるんですが、同時に・・
「・・今、この状態を・・滅茶苦茶美味しい!・・とおっしゃる方も、相当数いらっしゃるはず!」
とも感じる訳です。
noisy としましては、決して noisy的な感覚が全て正しいとは・・思っていないんですね。そりゃぁ・・人の数だけ感覚の違いが有ります。ワイン屋同士で飲んでいる場合は、ある程度まとまることが多いような気もしますが、ワイン会などですともう少しバラケますし、noisy が如何に・・
「(・・こりゃぁ・・凄い!)」
と思ったところで、
「・・もういらない」
とカミさんに言われることも度々・・有る訳ですね。そのような感覚を全て否定するものではありませんし、貴重なご意見としてしっかり受け止めた上で、自身の判断の参考にさせていただいている訳です。

このレ・グラン・ポン2019年ですが、一発目の香りがまぁ・・凄いです。エキセントリックです!・・香水に近い香りも、酢酸系の香りも、様々な発散系のものが交じり合ったアロマがフルーティにも、フレッシュにも、ジャミーにも、ヨードのようにも、落ち葉のようにも・・感じられます。
ボディはやや柔らかみを持ち、テクスチュアは滑らかです。昨年末の2019年ものの第一回目の入荷分の育ち具合を考えますと、
「・・たった半年でここまで育っているんだ!」
と言うことにビックリさせられます。2019G.C.などは、飲めるまで相当掛かると予想したのですが、・・少なくとも飲めるようになるのは少し早まるかと思います。
中盤から終盤・余韻に掛けてのアクションも素晴らしい表情を含みます。「グラン」と本人が言う意味も何となく伝わってくる感覚が有ります。濃くてどうだとか、淡くて・・と言うような話しにはならず、やはり、ポテンシャルと言う部分での話しに終始する感じです。
そして、芯の部分には、やはり未だ開発の手が付けられていないかのような「未開の地?」みたいな部分が有り、その存在こそがポテンシャルの大きさの証明でもあり、例えばギルベール・ジレの2021年ものをテイスティングしている時に感じる、
「同じもの」
が有るような感覚に繋がります。・・でも言っておきたいのは、ジレとは全く違うと感じると思います・・(^^
このレ・グラン・ポン2019年が完熟した姿・・是非とも見てみたいですね・・今はまだ揮発酸由来の表情が、完全に溶け込んでいるとは言い難いですが、昨年ご案内分のアイテムのその時の表情から比べると格段の生育が感じられる訳ですから・・そんなに長い期間、待つ訳では無いとも感じます。飲んでみて欲しいと思います。ブルゴーニュの新たな世界がここに有ります。
以下は以前のレヴューです。
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【テート・ド・ポンであれほどに美味しいのなら、その上のレ・グラン・ポンは如何ほど凄いんだろうと想像してしまうのが人間の性・・。まぁ、テート・ド・ポン2018を飲んだら・・の話しですが・・】
4本だけです。まぁ・・何を何本、もしくはケースで・・と言って発注したところで大きく削られてしまうので悩むだけ無駄・・と言うことで、担当さんに丸投げしているヤン・ドゥリューの発注です。「良きに計らえ・・」と言う訳です。12、12、12・・と書いたり、ここの入荷は少ないだろうから少し減らして・・などと考えても全く無駄なのでそうしています。昔、一時期は..12、12、12・・と出したら2、0、1とか・・それでプッツンしちゃいましたので、自身の健康のためにもその方が良いんですね。そこそこ理解はしてくれている方が担当してくれているので助かっています。
とはいえ、4本とかの入荷数ですと、余程のことが無い限りは開けられません。もう・・ヤン・ドゥリューはトータルで相当開けちゃってますから・・。自分の支払いで一番ヤン・ドゥリューを開けているのは日本では noisy ですと・・変な自信が有ります。
で、やはりテート・ド・ポン2018が有り得ないほど今も美味しいので・・気になって仕方が無いんですが自重出来ました。間違い無いと思います。
ですが、ヤン・ドゥリュー本人が「太陽のヴィンテージ・・・少々待つ忍耐力が必要。」と言ってますから、その辺は是非ご考慮いただき、お楽しみください。テート・ド・ポンを先に飲み、レ・グラン・ポンは熟成に回す・・のが最良かと思います。検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【ヤン・ドゥリューが思う「グラン・クリュ」の姿を投影したに違いないピノ・ノワールです!】 すみません・・「ジャノ」を開けてしまいましたので、ほぼ同様のクラスと思われるこの「レ・グラン・ポン2017」のテイスティングは今のところ行っていません。申し訳ありません。
入荷の数がどうにもならないので・・エージェントさんの話しによりますと、もうずいぶん前にオーダーしたものが今になってから入って来ているので、来年以降はもう少し安定するんじゃないかと・・言ってました。
まぁ・・余りに少ない割り当てにキレて、一度はヤン・ドゥリューを諦めてしまっていた訳ですから・・。もし残る様でしたら、もっと落ち着かせてからテイスティングさせていただこうと思っています。
こちらは、ヤン・ドゥリューのトップ・ワインの一つであると思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2019) Night Cost V.d.F.Rouge
ナイト・コスト V.d.F.ルージュ
【「夜は高くつく」の意味は全然判りませんが、つるっと入って来てしなやかに食材対応してくれる・・物凄い才能のソムリエさんみたいなピノです!】---以下はN.V.(2017)のレヴューです。

こちらは少し揮発酸が検出出来ます。ですので、耐性の無い方にはお勧めしませんが、
「すぐに気にならなくなってしまう程度」
ですので、ご自身の判断でご選択くださいね。
実はこのワイン、到着してから他のワインよりも比較的早い段階でテイスティングしたんですね。一番下のベースキュヴェにはほぼ揮発酸が無く、こちらは簡単に検出できたので、
「ん~・・やっぱりなぁ・・揮発酸の有る無し・・と言うよりも、それを自身がちゃんとカバーしているかどうか、時が一体化してくれるかどうかを判断しているんだろうなぁ・・」
と思えたワインです。
まぁ・・皆さんの感覚では、
「オート=コートで1万円?・・そんなぁ・・」
と言うところかと思います。
ですが、その植え付けられてしまった既成概念、ヒエラルキーこそを、「感覚の新兵が打ち破るぞ」と言うことなのかもしれません・・全然違うかもしれませんが。
で、これ・・書いた通りです。5分もすれば気にならなくなる程度の揮発酸レベルです。そして10分もするともう・・絶好調なんですね・・。
見るからに「軽い感じのミネラリティ」が光ってみえるような感じでしょう?・・1万超えの上級キュヴェのような複雑性やポテンシャルの高さまでは届かないんですが、
「これぞ素っ裸のピノとはこういうものです!」
と言っているような気がします。
むしろ、この状態で日本に入って来ていることこそが奇跡!・・と思えるほどです。素晴らしい時代になったんだなぁ・・noisy がワインを勉強し始めた30年も前の頃には、全く考えられないことだと・・感じました。
そして、この単に「畑はオート=コート・ド・ニュイ」に過ぎず、ワインの格は「ヴァン・ド・フランス」に過ぎないピノ・ノワールが見せる姿の延長上には、やはりあの大物が見えるんですよね・・敢えて言いませんが・・その大物が持つ、一瞬の間に垣間見せる姿の一部分を、この「ナイト・コスト」も見せてくれるんです。
noisy は、これも有りだと思います。
「でも・・高いじゃん・・」
と思われるかもしれませんが、人の感覚を大きく揺らしてくれるアイテムですから、全然高く無いんじゃないかと・・
「コストに見合う以上の味わいが有る!」
と感じました。
まぁ・・これだけ沢山コルクを抜いてしまうと、
「ヤン・ドゥリューのテイスティングコストは破綻!」
しているのは明らかですが・・お後が宜しいようで・・いや、ご検討くださいませ。
● N.V.(2019) les 1er Ponts V.d.F.
レ・プルミエ・ポン・ルージュ V.d.F.
【滅茶旨いです!テート・ド・ポン2019が数が無くて飲めなかった分、判らない点が有りますが、2018年もののテート・ド・ポン並み?・・もしかしたら以上の出来でしょう!】

何しろグラン・クリュ並みの価格の2019 G.C.(ジェー・セー)を開けてしまいましたので、ワイン屋としますと・・
「非常にコスパが悪くなる」
ものでして、テイスティング代金を計算したくない・・どこかに逃げ出してしまいたいような気持ちでも有るんですね。
しかしながら・・飲まなきゃ何も判らないし、どうせ誰も飲まずに出すんでしょ?・・みたいな・・(^^;; 妙な強迫観念みたいなものが有りまして、
「2019年もののG.C.はそれなりの数をゲット出来た!」
と言う結果を旗頭に・・いや、言い訳にして、開けてしまう訳ですよ。
そんなことばかりをしているので Noisy wine はいつも・・X欠・・なので、最近流行りのクラウド何とかでもしようか、それともレヴューをオープンにして会費を・・などと・・冗談で盛り上がって・・誤魔化しています。
ですがこのようなワインに出会うと・・
「だから止められないんだよなぁ・・」
と・・。必要とされているのかもしれないと何となく感じることがモチベーションに繋がっているのかもしれません。
ハッキリ言って、
「G.C.(ジェー・セー)には届かないものの、非常に素晴らしかった2018年もののテート・ド・ポン以上かもしれない!」
と感じたほど、素晴らしい質感を持った美しいピノ・ノワールでした。

けっして黒く無く、深紅と言って良いような美しい色彩です。おそらくそれなりに遅熟させたとは思うんですが、
「美しい酸がエレガンスを増長させている」
と感じますし、その存在感は、ニュイ=サン=ジョルジュ村名以上・・まぁ・・1級と言いたいところですがとりあえず・・(^^;; しなやかで伸びのある、アロマと味わいです。
ヤン・ドゥリューとしますと、やはり土壌由来の部分や、実際に収穫出来た葡萄の出来、そして仕上がって来たキュヴェの出来を見て、このレ・プルミエ・ポンを造り上げるはずですが、
「レ・ポンと比較すると格段の差として感じられる」
ので、その価格差以上に素晴らしいと思います。
やはりテート・ド・ポンの2019年にも手を出したくなる理由が見つかってしまった訳です・・そりゃぁ・・2019 レ・プルミエ・ポンが2018 テート・ド・ポン並み、もしくは以上かも・・と思ってしまえば、確かめたくなるのが人の性ですよね。
でもそれ以上に、
「これ以上の経費増大は厳しい・・」
と思い止まり、2019年のテート・ド・ポンのテイスティングは行いませんでした。まぁ・・飲まなかったから・・と言いますか、少なくて飲めなかったのも有りますので、テート・ド・ポンが売れずに残っても仕方が無いかと諦めるしかない・・でも、
「そのこと以上にレ・プルミエ・ポンの出来が素晴らしかった!」
です。是非!・・このプリューレ・ロックからの流れをも感じさせるレ・プルミエ・ポン2019年、飲んでみて欲しいと思います。お勧めします!
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【ヴェルジー村にあるサン=ヴィヴァン修道院下の畑のようです・・飲めなかったので・・すみません。】 テート・ド・ポン2018が余りに美味しかったので、安めのアイテムならと、思わず手が出てしまいそうになったレ・プルミエ・ポンです。テート・ド・ポンと畑は同じようです。レ・グラン・ポンは隣の丘なのかな?・・しかしオート=コートはワインの畑の地図も全く存在せず、理解が非常に難しいですよね。
なので・・ちょっとまた調べてみました。ヴォーヌ=ロマネから西へ10キロほど向かうとコンクゥールの村を通り越したところにヴェルジーの村が有ります。クルティ=ヴェルジー、ルル=ヴェルジー、レタン=ヴェルジーと3つに分かれているようです。そこの丘の上部にサン=ヴィヴァン修道院(修繕中)が有ります。
ヤン・ドゥリューのポン系の畑はその辺りにあるようで、レ・ポンとプルミエ・ポン、そしてテート・ド・ポンはサン=ヴィヴァン修道院の下方に有り、レ・グラン・ポンは隣の丘のようです。
で、エージェントさんの写真倉庫を漁ってみると、以下の写真が有りました・・。中々の色男ですね・・って、そこじゃなくて、この傾斜がちょっときつそうに見える畑が何ともセクシーです。

この上部の方は葡萄畑では無いようですよね。ですがさらに傾斜がきつそうです。
なのでちょっと・・Google マップで探してみました。
ここの地形、畑がそうかな? -->クリックで新しいページでGoogle マップが開きます。 そっくりですよね~・・
でもどうでしょう・・テート・ド・ポンのコラムでご紹介させていただいた「ヴィレ=ラ=フェイ」の畑とは、またちょっと違って見えます。少しこちらの方が白いかな・・と感じますが、光の加減かもしれません。
以前のこのワインの写真を見るとやや淡く、赤主体の色彩です。テート・ド・ポン2018はもっと黒くて・・まぁヴィンテージがそういう出来と言うのも有りますが、むしろヴィレ=ラ=フェイのような粘土の厳しい感じがしますが、こちらは以前の写真からはイメージ通りで石灰が強く、透明感が有りそうです。
ブラック・ピノは「ヴィレ=ラ=フェイ」の畑でやや黒っぽいですしね・・何とも言えませんが、ヤン・ドゥリューも色々やってそうですから・・はい。
また、レ・グラン・ポンの畑は、「レ・プルミエ・ポンと並行する隣の丘」とのことなので、より西にある・・ほぼ平行する丘の畑も探してみました。
これほどまでに違うんですよね・・ -->クリックでGoogle マップへ そして彼の本拠、メッサンジュはヴェルジーのサン=ヴィヴァン修道院からすぐのところに有ります。
ですから、それほどまでに異なる環境の畑は、やはりできる葡萄も全然違う・・それを調べて、理解して、どう料理するかを考えて・・彼のワインを創り出しているのでしょう。
因みにGoogle マップの画像の畑は、必ずしもヤン・ドゥリューのものとして掲載した訳ではありませんのでご了承ください。
ヤン・ドゥリューならではの世界観で、半端無いワインを造っています。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです
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【ここから始まるブルゴーニュ・ピノ・ノワール新時代!】
判る人にはきっと判るでしょう。サン=ヴィヴァン修道院がどのような存在で有るか・・そして、あのD.R.C.もそこで「白ワイン」を生産し、ビオ系のショップに卸していたことも・・。
そして、このグラスのピノ・ノワールの色合いを一瞥されても、きっと判るはずです。そのエッジには、酢酸生成がなされた証拠が見えることを・・。
非常に伸びやかな、美しいピノ・ノワールです。もしあなたが酢酸、揮発酸にある程度の許容を持っていらっしゃるのでしたら、全く問題の無いレベルの生成がされ、ワイン内に存在しています。ですので、もしあなたが酢酸、揮発酸に拒絶反応を占める方であるなら、そしてそれを修正しようとは思わないようでしたら、全くこのワインは有り得ないので買うのは止めてくださいね。
それでも、これから、ここから始まっているブルゴーニュ・ピノ・ノワール新時代を覗いてみたい・・・付き合っていきたい気持ちがあるようでしたら、是非、時間を掛けて、この1本とお付き合いください。一嗅ぎだけして安易な判断をせず、一口すすって諦めず・・が重要です。
そこまで拒絶反応の無い方でしたら、何も気にすることは有りません。この「レ・プルミエ・ポン」が話しかけてくるのをただ待っていれば良いんです。きっと、饒舌に話してくれると思いますよ。
開けたては少し閉じ気味です。僅かに揮発酸のニュアンスがノーズにも有ります。色彩にもそれは有りますが、余韻の全てまで浸食し、ワインを台無しにしてしまうようなレベルのものでは有りません。それはすでに止まっていて、要素の一部分に関与しているだけです。
15分ほどしますと、相当に「伸びやか」になってきます。やや閉じていた時のネガティヴさ(僅かですが)は消え、さらに膨らみとテクスチュアの滑らかさを増して来ます。それはまた見事に一体化した味わいですが、そこから驚くことにピュアなフレーヴァーが出てくるんですね。
言ってみれば、最近は滅茶苦茶高くてビックリの、「ドメーヌ・ビゾ」にも似ています。プリューレ・ロックに居たのだからロック似では?・・と思いがちですが、彼にとっては
「ロックは通過点だった」
と・・申しているようです。そこからすでにかなりの時が流れていると。
そして、やがて飲み手さえも一体化に取り込んだかのような、不思議な印象を受けます。
「このワイン・・このピノ・ノワールは、どのように評価すれば良いんだろう?」
きっとそう思われるに違いないんです。
このフィルムのように「くにゃくにゃ」に柔らかいテクスチュアとフレーヴァー、鈍角で入って来るのになんの痛みも無く、身体に馴染んで行くニュアンス、本来は余り好きではない・・中盤から余韻に掛けての揮発酸のニュアンスさえ、全て「一緒くた」にした上で、
「ん?・・じゃぁ、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールって・・どんな姿が正解なの?」
と問いかけてくるようでも有ります。
そしていつの間にか、「肯定派」に属している自分に気付くと思うんですね・・いや、そこだけはご自身でお確かめください。すぐ開けても良いが・・決して・・
「短い時間で飲み終えないで・・」
とお願いしたいと思います。何故って・・
「飲めるけれど、まだ完熟していないから・・」
です。
何か、ちょっと禅問答みたい?な感じになってしまいましたがお許しください。気になる方にお勧めしたいと思います。
● N.V.(2019) les Ponts Rouge V.d.F.
レ・ポン・ルージュ V.d.F.
【ル・ポンは少ないテイスティングでは有りますが、過去最高間違い無し!・・ブルゴーニュのピノ・ノワールが持つ美しさと官能さを柔らかに、高らかに歌い上げるようなワインです!】

2019年もののヤン・ドゥリューは..滅茶旨いです!・・と言いますか、2019年もののブルゴーニュワインって・・そもそも滅茶旨かったですよね・・。
とても健康的で濃過ぎず、薄く無く、しかし官能さもほんのりと持ちつつも健全さが全てを包み込んでいるような・・そんなワインだったと思い出します。ヤン・ドゥリューの場合は・・ようやっと2019年もののリリースが始まった感じですから・・。
で、「レ・ポン」です。例の如く、葉と蔓を切らずに帽子のように「くるくる」と丸めて針金にひっかけておく、例の奴です。グリーン・ハーヴェストをしないのはルロワも同様で、全ての芽の先をくるくると丸めているかは知りませんが、きっと同じ感覚からそうやっているのでしょう。
「葡萄がなりたいようにしている」
とはマダム・ルロワの言葉ですが、まぁ・・丸めて帽子のようにするとなると、微妙には違うのかもしれません。
2019年ものの「レ・ポン」シリーズの出来は、素晴らしいです!・・上級キュヴェになればなるほど・・品格が高くなりますが、このレ・ポンでも充分だと感じさせてくれるポテンシャルが感じられます。
まぁ・・G.C.(ジェー・セー)ほどの上質さには届かないんですが・・ジェー・セーはもう、色彩だけでも凄く存在感が有りますよね。このレ・ポンはそのG.C.が持つ美しさはそのままに、スケールダウンしただけだとも・・言えるかと感じます。

これを言ってしまうと良く無いかもしれませんが、G.C.はやはりジュヴレ=シャンベルタンと言う「格」が有り、遠く離れたニュイ=サン=ジョルジュの上の方に存在するレ・ポンの畑とは、
「畑そのものが違うのでG.C.的では無い」
と言う部分が大きいのかもしれません。
しかしながら、ジェー・セーは村名に過ぎない・・訳です。しかしその村には、シャンベルタンも、クロ・サン=ジャックも、レ・カズティエも有り・・みたいなその人間の既知の感覚が、ジェー・セーの味わいをより深いものに感じさせているのかも知れず・・
「ワインとは本当に奥深いもの!」
と言う感覚を覚えます。
ず~んと重く無く、エレガントで良く香り、ジュヴレ的では無いとは思うけれどニュイ=サン=ジョルジュ的では有る・・そして、この2019年ものレ・ポンは美しさと少しの官能感をバランス良く持った、とても良く出来たピノ・ノワールだと感じました。
まぁ・・今までで最高とは・・間違い無く言えるでしょう!・・素晴らしい2019年もののヤン・ドゥリュー!・・ここから始めてはいかがでしょうか。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【飲めていません・・ヤン・ドゥリューのワインとしてはリーズナブルなので人気なのかもしれず、入荷は4本だけです。】 もう少しいただけないとテイスティングすら出来ません。ですが大体・・何となく判って来ましたので・・その辺りを。
So2 を使用しないヤン・ドゥリューですから、ある程度の揮発酸の生成は仕方のないことです。ですが、上級キュヴェになればなるほど、その存在は希薄になっています。下級キュヴェは、リリース直後に開けると・・まぁまぁ・・有ります。
「・・酷・・」
と言うレベルでは有りませんが、そこそこ感じますよ。
ですが・・面白いのは、それなりにワインを休めると、その姿も結構にまとまって来ます。一体化してくるんですね。
そして・・もっとずっと休めると完全に一体化して来ます。分離して要素を取ることが難しいほどになります。
で、面白いのはそこから・・なんですね。
通常、揮発酸は自然酵母で醸造する場合、必ずと言って良いほど生まれます。全く無い・・と言うことは無いんじゃないかと思います・・レベルの差の問題です。
そして、揮発酸・・と言いますか、酢酸菌の動きは、アルコールを食べて酢酸を生成しますから、ワインに結構な表情を残します。ワインの綺麗な姿を結構に欠損させる訳です。
ところが・・例えば今回のヤン・ドゥリューの2015年ブラック・ピノや、昨年ご紹介させていただいた2018年ブラック・ピノをテイスティングしますと、以前感じていた欠損分が戻ったかのようになり、揮発酸の生成すら・・まるで無かったかのような姿になって行くのが判るんですね・・現状、まだ少々有りますけどね。
なので、しっかり休めることで美しい、欠損の無い姿を取り戻して行く・・その姿が見られる訳です。
また、その意味でもヤン・ドゥリューのワインは非常に長熟だと思えます。noisy自身もちょっと不思議に思えるんですが、この10年来、ヤン・ドゥリューのワインと向き合って来て感じたことをまとめてみました。
「・・え~?・・そんなことは無いでしょ・・」
と思われるかもしれませんが・・。酢酸生成が行き過ぎてしまったものはその可能性は低いと思いますが、ヤン・ドゥリュー位の生成ですと大丈夫・・いずれ戻ります・・と言うのが正解かもしれませんし、そもそも揮発酸が全くダメ・・と言うような感覚も持っていませんので・・。
中々にディープな世界です。是非飲んでみてください。少量です。
以下は以前のレヴューです
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【...コシュ=デュリのアリゴテを飲めるのなら、この異端のナチュラリストが造る有り得ない出来のレ・ポン・ブランをも飲むべきでしょう!】
こちらは僅かですが揮発酸のニュアンスが有りますので、耐性の無い方にはお勧めいたしません。ですが、noisy も5分で気にならなくなってしまったレベルですので、「新ブルゴーニュに挑戦」したい方は是非・・トライしてみてください。
あ、全然関係ないんですが・・日本酒の世界には、「醸造年度」と言う、お堅い言い方が有ります。毎年の7月1日から翌年の6月30日まで・・です。なので
「今は2020醸造年度」
でして、これが今年の6月30日までに仕込まれたものが対象です。
で、これ・・Web では面倒なので、仲間内では、「2020BY 表記にしよう(B=ブリュワード、Y=イヤー)」と・・随分昔にやり始めたんですが、いつの間にかアチコチで「BY」使われています。良かった良かった・・
で、こちらはN.V.(ノン・ヴィン)扱いですが単独収穫年度の2017年ものの「レ・ポン・ルージュ」、オート=コート・ド・ニュイとオート=コート・ド・ボーヌの中間に有る畑のようです。なので、
「完全に格外のヴァン・ド・フランスのピノ・ノワール」
と言うことになります。
ヤン・ドゥリューの他のキュヴェと全く同様です。一貫しています。ですが少しだけ揮発酸が生成されています。それでも一体化はかなりなされていて、今飲み始めても全然大丈夫です。5分も経たずに気にならなくなります。
そしてそこからがこのワインの本領発揮です。実に繊細でエレガントな表情が浮かんできます。果実感も10分経過で黒みを含みエレガントなベリー、チェリーがバッチリです!黒と赤、半々な感じで良く熟しています。ミネラリティも充実・・非常に柔らかでふわふわした感じです。
そして・・やはりマリアージュが素晴らしいです!・・noisy の場合は、ピノを魚介に合わせる時は、例え「焼き魚」でもオリーブオイルを掛けちゃうんですね・・大抵。
ですがこの「レ・ポン」はオリーブオイル不要・・。ちょっとビックリです。滅茶ナチュラルなんですね。その上で、時間を経れば滅茶苦茶ピュアになるんです!
どうでしょう・・ニコラ・フォールはこの境地には立たないでしょう・・少なくともこの何年かは・・。悩み深いビゾは嫉妬しているかもしれません。勿論ですが、D.R.C.はスルーしているとしても、このようなワインはリリースしない・・どころか、こんな風にはならないようにしているでしょう。プリューレ・ロックはどうなって行くか判りませんが、
「大昔の(最近は全然違う)プリューレ・ロックは、むしろヤン・ドゥリュー風!」
だったことは間違い無いと思っています。
ロックさんもすでに他界されてしまいましたが、彼こそが「反逆児」でした。もしかしたら「感覚の新兵」が「反逆児の志」を継いだのかもしれませんね。ご検討くださいませ。
● N.V.(2019) Jeannot V.d.F. Rouge
ジャノ V.d.F. ルージュ
【既存既知の積み上げられ確立した概念を全てぶち壊してくれるとんでもないピノ・ノワールです!!・・旨い、素晴らしい、高尚だ・・一体誰の評価が正しいのか・・そんなことは結局どうでも良いと感じさせる、人的関与が排除された完全球体に仕上がる将来を持つピノ・ノワールです!】

3年続けてヤン・ドゥリューの最高峰、「ジャノ」を飲ませていただきました。中々案内をいただけず、4本だけのオファーを遅れていただきましたが、
「・・・4本じゃ・・テイスティング出来ないじゃん・・」
と放置していましたら、今の今にまで遅れてしまいました。まぁ・・こんな高価で希少なテーブルワインを毎年開けるのは Noisy wine 位のものでしょうが、いや・・そりゃぁ大変ですよ。費用対効果を考えたらとてもじゃないが開けられない訳です。
それでも、お客様に知っていただきたい・・とか、勿論、購入していただきたい・・と言うところに繋がる訳ですが、何と言っても・・
「自分が知りたい・・だけ?」
みたいな・・(^^;; まぁ・・それが無いと絶対にやらないでしょう。そうやって自身で開けることで、造り手さんの真の姿や想い、考え方が伝わって来る訳でして、これがインポーターさんの試飲会などで・・いや、こんなレベルの高いものはまず出品されませんが・・飲ませていただいても、ただその瞬間の状態がチェック出来るだけで、本当の姿なぞ判ろうはずが無い訳です。
まぁ・・円安でブルゴーニュワインの価格も上がっていますが、ようやっとターニングポイントを迎えたかな・・とは感じますが、それでも今すぐに円高の効果が出る訳では有りませんから、下がってしまったお客様のブルゴーニュワインに対するモチベーションを高めるのは難しいことでは有りますが、数多あるワイン屋もただ並べるだけ、コピペで済まして売れるのを待つだけでは無く、少なくとも自身の言葉でプレゼンテーションすべきじゃないかと感じます。それに海外メディアは・・どういう訳なのか判りませんが、ほとんど評価が見当たりません。怖くて評価できないのかなと・・(^^;;
ワイン業界人とは反対に、例えば食店さんの中には沢山のヤン・ドゥリュー(それもジャノ!)を買い込み、テイスティングし、自身の判断で自身の料理と絶妙のマリアージュになるまで寝かせている方もいらっしゃるようです。凄いなぁ・・と思います。頑張ってるのを見ればお客様もきっと、熟したヤン・ドゥリューとお店のお料理に出会える先の楽しみを夢見て、また頑張れるんじゃないかと思う訳です。
2019年のジャノです。いや・・またエレガントな2017年とも、重厚な2018年とも異なる2019年ものになりましたが・・本当に驚かされます!・・「なんじゃこりゃ~~・・」です。
すでに開けたてから滅茶旨いんですね・・ほんのりと揮発酸のアロマは滲むものの、劇的にエレガントで瑞々しく滅茶繊細、ドライでとても充実していますが濃くは無く、しかし美しくおしとやかに押し寄せて来る澄み切った繊細なエキスの高尚な味わいに、
「スイ~っとも、じわ~・・とも・・」
飲んでしまう訳です。

スイ~っと飲むと、一旦喉を通り越してから還って来るノーズの細やかな表情を多く感じ、じわ~っと口内で溜め気味に味わいますと、その複雑怪奇ながら精緻な酸の味わいと甘美で妖艶な香りがノーズへと抜けて行きます。幸せの瞬間です・・。
しずかに優しく端正なエキス感なんですが、美しさの中に妖艶さが有り、パワーでは無くしっとりとしなやかに表現されるのに・・癒されます。
で・・普通に飲んでいて美味しい訳ですが、このワイン・・とんでもないんですよ・・。
ちょうどお客様からお土産で、滅茶美味しい「大福」「モカ大福?」などをいただきまして・・まぁ・・
「当然ながら甘いもの」
です。
普通、ドライなピノ・ノワールで甘未ものを合わせますと・・
「まったくマリアージュしない!」
のが常です。
ところがですね・・その大福、モカ大福の組成もあるのかもしれませんが、
「この組み合わせも滅茶美味しい!」
のに気付いた訳です・・。
で、
「ん?・・砂糖系でもワインが旨い!・・と言うことは・・」
と言うことで、醤油を舐めたり、ラー油を舐めたりしつつ、色々な食材(その残りのソースとか)と合わせてみたんですが・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの通常のマリアージュは、ジャノ2019 には通用しない!・・なんでもOKなんじゃないの・・これ!」
と言う結論に達しました。
仮にラ・ターシュの熟したものが有ったとしたら、そりゃぁ・・そのグラスに真剣に向き合い、お料理はどちらかと言うと二の次になってしまうのがワイン好きです。それでも、時折・・何かしらを口にしますが、
「このマリアージュは素晴らしいな」
と・・むしろ繊細なものに対しては感じます。
大福はやったことは無いですが・・どうなんでしょうね・・。でも、熟したラ・ターシュを思い出したくらいですから・・それに近いことも有ったかと・・。しかし、若いピノ・ノワールではほとんどの場合、無理だと思う訳です。
なので、
「ジャノ2019は、とんでもなく・・懐の深いブルゴーニュ・ピノ・ノワール!」
だと言えるかと思います。
そして・・今飲んでも滅茶美味しいんですが、5年ほどは早いでしょう。しかし、短い間でもどんどん成長すると感じます。今年の冬を超えますと、僅かに滲んで感じられる「揮発酸」も完全に溶け込むでしょう。
凄いワインでした!・・余りに旨いのでだいぶ減ってしまいましたが、残りも楽しみです!・・高値に思われるかもしれませんが、実は滅茶安いと!・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のヴィンテージのレヴューです。
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【言わずと知れたヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェ!溢れかえるような豊かなアロマと密度ある深い味わいに満ちた2018年ものです!】
プリューレ・ロックと言えばあのドメーヌ・ルロワの総帥、ラルー・ビーズ・ルロワの甥っ子さんでした。そしてそのマダムがドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同経営者だった時に色々と有りまして・・詳細はここでは書きませんがちょっとした争いになったんですね。で、プリューレ・ロックがD.R.C.の共同経営者に抜擢された訳です。
で・・いや、時系列が確かかどうか判りませんがロック親父がワインに目覚めてしまい、自身でワインを造り始めた訳です。そこでロック親父が目を付けたのが、ジュール・ショヴェに学びラヤスやルロワで修行したマルセル・ラピエールの甥っ子のフィリップ・パカレでして、彼がプリューレ・ロックの醸造長になった訳です。
フィリップ・パカレが彼自身のワインを造ろうとした時、ロック親父やヴィレーヌさんはD.R.C.に来て欲しいと言ったそうですが、それを断って2001年もののワインをリリースしたんですね。
この頃のプリューレ・ロックのワインは非常に精緻でピュア、マセラシオン・カルボニックそのものの仕上がりでしたから、
「・・おい・・ロックのワインはクロ・ド・ベズまでボージョレ風だ!」
と仲間と言いあっていたのを思い出します。それ以前のロックの・・おそらくロック自身で造っていたワインは、結局何が何だか良く判らない味わいでしたが、エナジーを感じる味わいでした。
パカレはプリューレ・ロックも止めてしまいましたので、その後しばらくしてロックの醸造を務めたのが・・このヤン・ドゥリューと言うことになります。彼もまたニュイ=サン=ジョルジュやヴォーヌ=ロマネの西に有る畑を耕していたヴィニュロンの家に生まれ、ついには自身のカーヴを持つまでに至った訳ですが、お爺さんの代まで所有していたオート=コートやおそらくコート・ド・ニュイ・=ヴィラージュの畑はかなりの部分が売却されてしまっていたので、今頑張って買い戻している・・と言うことらしいですよ。

何でそんなことを言うのか・・と言いますと、
「このジャノの2018年ものと、以前ご紹介させていただいた2017年ものは、かなり印象が異なる!」
からです。
以前ご紹介の2017年ものは、どこかフィリップ・パカレ的で非常に精緻でピュア・・でした。エレガントでしたし、エキスの美しい可憐な味わいが魅力のワインでした。
2018年ものは・・ま~・・打って変わって・・非常に豊かで太く、赤黒果実がしっかり載り、線の太いスパイシーなアロマが複雑に交差、ドライですがエキスの豊かな・・甘みにさえ感じられる、超エネルギッシュな仕上がりです。
ですから、2017年ものと2018年ものでは・・
「ん?・・パカレからロックに醸造長が変わったプリューレ・ロックみたいな感じ?」
のように感じられたんですね。そんな訳で、25年以上前の話しを書いてしまった訳です。
ブルゴーニュの天候は毎年異なり、「ヴィンテージ」と言う要素をワインに埋め込みます。天候が良ければ豊かに、天候に恵まれなければ繊細に・・なります。
ですが・・どっちが良いのか?・・と言うのは、中々に微妙でして・・最終的には飲み手の好みと言うことになると思うんですが、例えば2021年ものを数多く飲み始めている noisy にとってもそれは同様です。温暖化の影響でしょうか、1970~1980年代のように、
「不良の年のブルゴーニュワインは余り美味しくない」
と言うような意見はまったく当てはまらないと・・強く感じます。2021年、最初はエージェントさんなどからの情報で散々に脅されましたが・・結局のところ、
「2021年ものはエレガント系な仕上がりのワインが多いが、決して全てがそうでは無いし、むしろ2018~2020年ものよりも総合的に優れているワインさえ存在する!」
と感じています。
ですから、2017年ものと2018年ものの「ジャノ」は、そのヴィンテージをしっかりと表現しています。そしてそこにはブルゴーニュのトップ生産者が通って来た道そのものさえも・・感じるんですね。
2018年もののジャノは濃密でスパイシー、各要素は非常に膨れ上がっているのが簡単に判るほどです。美味しくは飲めてしまいますが・・その真の表情は未だに良くは見えず、昨年の2017年もののジャノが見せた美しくも可憐でピュアな表情とはまるで異なっているように見えます。
ですが・・これは単に、
「まだ仕上がっていない」
と判断すべきで、今飲んで全てを判ったようにポイント付け出来る方は、ほんの一握りでしょう。
noisy 的には、少なくともあと3年は待つべきで、可能ならば5年ほど生育させてあげてから飲むべきでしょう。
もっとも・・今飲んでも濃密で饒舌ですから、飲めない訳ではありません。でも、ヤン・ドゥリューが意図した部分は非常に見え辛いかと思うんですね。
ですので、いつ開けるか?・・とともに、どのように開けるか?・・をお考えいただき、手を尽くして楽しんでいただきたいと思います。ヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェです。2018年ものは12本いただきましたので制限無しでご案内させていただきます。ご検討くださいませ。
以下は2017年のジャノのレヴューです。
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【ヤン・ドゥリューの秘蔵酒、ジャノです!2017年らしい繊細さ・・そして、まさに「官能的なパカレ」「(むしろ)精緻な昔のプリューレ・ロック」です!】

ようやく・・飲めました!・・そしてヤン・ドゥリューが何をどう考えているか・・も、このジャノ2017年を飲んでちょっとだけ理解出来たような気がしています。
彼が求めているのは、
「ピノ・ノワールは繊細で有りながら複雑性に富んだワイン」
だと・・思います。淡い色合いから途轍もないほどの表情を出してくれます。
しかしながらその表情は非常に繊細で、例えばアメリー・ベルトーで言うなら熟したコート・ド・ニュイ=ヴィラージュです。とことんドライで、繊細な表情を持ちながらも官能的です。
何とも言えぬ上立香・・ノーズに柔らかに飛び込んできて、シャンピニオンの高質で繊細な、あの香りがします。因みにこの時点では揮発香は嗅ぎ分けられません。
どこか中性的であり、男じゃないし女性だとも言い切れない・・そんな気もしますが、地球が・・自然が・・生み出した大切なもの・・と言うようなメッセージが込められているようにも思います。
中域は適度に膨れ、精緻さを保ったまま・・何とも静かでとても長い良いニュアンスを残してくれます。後半以降、僅かに揮発な香りを分離できますが、これはちゃんと落ち着かせて飲めばこのようなことは無いでしょう。
素晴らしくエレガンスを感じつつ、妖艶さも押しつけがましく無く漂っています。いや・・良いワインだ・・と。

言ってしまえば、やはりパカレが近いでしょうか。ただし、精緻なだけでどこかつまらなさを感じるような・・(すみません・・)、やる気の無さは全く感じ無いんですね。
そしてやはり「ロック」を感じます・・が、ロック親父ほどのアヴァンギャルドさ、パワフルに振る舞う感じはしないです。
大昔の話しで申し訳ありませんが、noisy もプリューレ・ロックに出会って・・
「・・なんじゃこりゃ・・!・・これもワインか・・?」
と・・(^^;;
まるで丸太で頭を殴られたような気がしました。
「‥このワインがルロワの・・甥っ子?・・そしてD.R.C の共同経営者になるの・・?・・マジすか・・!」
と。
ルロワのワインとは、とんでも無く違うように思いました。ですがエネルギー、エナジーと言う意味では同じ方向を向いているのかもしれない・・とも感じました。とんでも無い奴が出て来たと思った訳です。
そして、ロックが自分のドメーヌを拡張し、日本にもプリューレ・ロックが普通に入って来ました。最初の内はロックだなぁ・・と思ったのもつかの間、それからはずいぶんとブレの多いワインになって来た・・そう思っているうちに、とんでもなく値上がりして行って・・今は中々手を出せずにいます。もう大昔に丸太で殴られた時のような、プリューレ・ロックの魂の籠ったような味わいには出会えません。
やはりこのジャノを飲むと、大昔のロックのイメージとダブります。繊細で内に秘めた静かなエネルギーの大きさに驚くんですね。
因みに、この「ジャノ」を評価しているメディアを見つけました。セラー・トラッカーが2015年ものを94ポイントと・・評価していたんです。初めて見ました・・。まぁ、会員が好きなことを言い合うようなSNSタイプのサイトでは有りますが、それでも外人さんがこのポイントを付けたことに・・少し驚きも感じました。
素晴らしいワインだと思います。もちろん、好みも有ると思いますので、すべての方が良い評価をするワインではないとも・・思います。
ですが少なくとも、高級料飲店さんでは滅茶ウケているようです。ワインオタク・・(すみません。。)よりも、食とワインを楽しむ方が、ヤン・ドゥリューを支持しているというんですね。
それはちょっと判ります。何とも酔いが軽い・・(^^ で、滅茶エレガントなのに官能的で、素材を生かした繊細なお料理にも合うタイプだと感じます。もしご予算が合うようでしたら挑戦してみてください。プリューレ・ロック・スピリットの継承者のトップワインです。
以下は以前のレヴューです。
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【激レアです!・・一般的なアペラシオンの格付けを完全に否定したヤン・ドゥリューのフラッグシップ!】 どうしようかと・・本当に悩んだのですが、潔く諦めました。何せ2本しか無いので・・もう少し多めに入ったワイン屋さんは有るのでしょうが、どっちにしても彼らは自分では絶対に開けないでしょうから、
「ここはひとつ・・開けるか!」
とは思っていたんですが、前回のヤン・ドゥリューの入荷の時に赤はほぼ全部開けてしまいましたので、今回入荷分は白にテイスティングの予算を割り振りました。まぁ・・本当に儲からない商売です。
そもそもヤン・ドゥリューは、自身の中にある畑の格付けで栽培も醸造も・・行っていますから、
「ジュヴレ=シャンベルタン村名よりもオート=コートのレ・グラン・ポンが上!」
なんですね。
まぁ、ジュヴレ=シャンベルタンの「GC」もかなり良い値段では有りますが、
「ホワイト・ピノ ホワイ・ノット? 2017年を飲んでしまえば・・それは必ずや正しいに違い無い。」
と思わずにはいられません。
言ってしまえば、
「彼の持っている彼の畑のヒエラルキーは、葡萄品種さえ大きな関係が無い」
訳です。
しかしながら、その葡萄品種を見つめていない訳では無く、その葡萄そのものと常に対峙し向き合う事で、その畑のポテンシャルを最大限に発揮している・・その結果がホワイ・ノット?で有って、この「ジャノ」なのでしょう。
残念ながらせっかく入手出来た2014年GCも、この2014年ジャノもnoisyは 今のところは飲めてはいませんが、
「この2年間でヤン・ドゥリューのワインを一番沢山身体の中に収めた日本人は、おそらく noisy」
でしょうから、ヤン・ドゥリューの思惑も、ヤン・ドゥリューのワインのささやきも・・一番判っていると思っています。
ですので、お勧めはしませんが、
「物凄い経験になるに違いない!」
のは間違い無いと思います。・・結果的に彼のワインが好きか、嫌いかに関わらず・・。
飲んだ担当さんに印象を聞くと、
「何とも言葉にして説明がし辛い・・しかし、その存在感に圧倒される・・だから筆舌に尽くしがたいと言うしかない・・」
そうです。
「(・・そこを何とか言葉にしなきゃいかんだろ!)」
とは突っ込みませんでしたが・・(^^;; まぁ、彼らはワイン屋では有りませんから、ワイン屋に何とかワインを買ってもらえるようにするのが仕事で、ワインの味わいやポテンシャルの説明は、その仕事の一部分に過ぎない訳で・・あ、これは相当に変ですね。ワイン屋はワインを飲むことが仕事では有りませんで、お客様にワインを買って貰うのが本来の仕事なのでしょうから。
日本はともかく、海外では専門サイトのようなネットショップも見当たるヤン・ドゥリューです。いずれ凄いことになるんじゃないかと思っています。ご検討くださいませ。
● N.V.(2019) GC V.d.F.
GC(ジェー・セー) V.d.F.
【まごうことなきプリューレ・ロックの姿がこのトップ・キュヴェに!?・・そしてさらに進化していると感じさせるジュヴレ=シャンベルタン、です!】

何でしょう・・この品格を凄く感じるのは?・・
まぁ、noisy の場合は素晴らしい仕上がりのヤン・ドゥリュー2019年を下から上まである程度開けさせていただきましたから、この「ジェー・セー」が持つフィネス感を特に強く感じたのかもしれません。
しかしながらこのジェー・セー2019年に限らず下級クラス・・例えばレ・ポンやレ・プルミエ・ポンにも感じた同様の表情が、より磨きを掛けて感じられたので余計にそのように感じたのかもしれません。
他のグラスの写真と比較していただけましたら一目瞭然ですので是非見ていただきたいのですが、このワインの持つ輝きや細やかな抑揚を持った、何とも官能的に見える色彩、奥深さが、すでにそれを感じさせてくれるものと思います。
アロマの上がりはまさにブルゴーニュ・ピノ・ノワールの世界に、一気に飲み手を引きずり込む・・そんな感覚です。非常に質感の良い血のニュアンス、清潔ながら確実な動物臭、官能さを得た凝縮した果実・・。それらが全て、プリューレ・ロックのクロ・ド・ベズが根底にあり、しかし、全くと言って良いほど対局な存在だとさえ感じる、言わば・・実際には絶対に同時には有り得ない感覚を感じさせています。
明るく暗く、悲惨なまでにドライなのに甘やかで感覚に直結してくる存在、綺麗だけれどそれだけでは無いぞと訴えかけてくると言いますか、表情の豊かさゆえに、非常なほど何かに締め付けられているかのようにも感じます。

その美しさに焦点が合っている時と、他の部分に感覚が向いている(向かされている?)時では、おそらく受け取り方が真逆にもなりかねない感覚です。
そもそも先ほどクロ・デ・ベズと言いましたが、プリューレ・ロックのクロ・ド・ベズとは全く似ていない・・と思います。しかし・・その芯の部分、もしくは根底は、全く同様だとさえ感じる訳です。
もし可能でしたら・・同じ2019年もののレ・ポン辺りと比較出来たら・・非常に面白いと思うんですね。レ・ポンですでに充分に美味しい訳です。根底はこのGCも変わらないと・・感じます。しかしながら、GCほどのフィネス感にはレ・ポンは全く届かないんじゃないか?・・そう感じます。
物凄く柔らかく、ピュアなんだけれども物凄く妖艶です。今飲んでも充分に納得できる味わいだと思いますが、数年先・・凄いことになるんじゃないかと感じました。
そして、既存のアペラシオンを否定しているように思われるヤン・ドゥリューが、A.C.ジュヴレ=シャンベルタン2019では無く、G.C. V.d.T. としてリリースしたこの・・ようやっと飲めたジェー・セー・・しかも、本人が2019年は素晴らしい出来だと、だから早くはリリースしたくないと言っていたその訳までは、何となくしか理解できなかったのかもしれませんが、ヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェとしての素晴らしさを堪能できました。
まぁ・・全てをひっくり返すつもりは有りませんが、これほどにジュヴレ=シャンベルタンが素晴らしい表情を得るポテンシャルが有るとも、思ってはいませんでした。是非皆さんには飲んでみていただきたい・・
「ちゃぶだい返しのG.C.」
です。まぁ・・グラン・クリュとひっかけた訳じゃ無いとは思いますが・・。ご予算が許されるようでしたら是非!どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【ヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェのひとつ!・・本人が最高だったと語る2015年ものです!】 悩ましいです・・激レアなようで、たったの1本だけの入荷でした。
ですが、ヤン・ドゥリュー自身は2015年ものをこのように語っています。
「僕にとって最高のヴィンテージ。日照時間が長く、熟成度が高く、酸と果実のバランスが文句の付けようがない程取れている。美しい質感と果実のヴォリュームがあり、ある意味ワインが造りやすかったヴィンテージ。難しい問題は何も起きなかった。」
確かに、2015年もののブルゴーニュ・ピノ・ノワールは2005年ものと同様に非常に健康的で美しく、その中に様々な要素を持ちながらも健全だったヴィンテージ故のスムーズさが、その複雑な要素をマスキングしていたと思います。
ですので、2015年もののヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェと言うことになりますから・・何とか飲めないかと思っていましたが、道は閉ざされてしまったようです。
もっともヤン・ドゥリューはビオで、So2 も使用しませんから・・そこのところを充分に承知の上で飲むことにしないと・・通常のブルゴーニュワインとは「振る舞い自体が異なる」ことを覚えておいていただければと思います。
簡潔に言うならば・・通常の若いワインは抜栓直後はやや硬めで徐々に柔らかさを見せて来ます・・が、ヤン・ドゥリューの場合はリリースのタイミングも遅いことも有りますが、直後はむしろ非常に柔らかいです。そこから少々の時間を得て、キュッと締まりだす感じ・・でしょうか。それ以降の姿がむしろ真の姿と言えるかな?・・と思っています。
また2015年ものだからそろそろ良いだろう・・とは思ってしまいがちですが、何しろ輸入して時間が余り経っていませんので休養も与えたいですし、他の造り手のキュヴェが2020年~2021年のリリースだから、5~6年の熟が入っていて・・もう良いはず・・と言う考え方よりも、
「2015年ものだとしても、2020~2021年リリースのものと一緒」
と言うつもりで扱っていただいた方が、多分・・上手い具合に行くと思います。2020~2021年ものをいつ飲むか?・・みたいな感覚ですね。
この2015年ものを現地でテイスティングした担当さんによりますと、相当凄いそうです・・まぁ、話だけですが・・(^^;; やはり自分で確かめないとね・・ご検討どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです
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【GC ..それはジュヴレ=シャンベルタンの葡萄だからと言う意味でのGevrey-Chambertinの略。・・でも、そこには間違いなく、Grand Cru の意味を持たせていると感じます。】 恐ろしく高いジュヴレ村名・・の葡萄を仕上げたワインです。
GC ですよ?
これはもう、ヤン・ドゥリューの命名では有りますが、間違い無く「グラン・クリュ」の意味を込めているでしょう・・そう思います。
昨年の入荷時には完全赤字のテイスティングを決行してしまいましたし、今回も全部販売して何とかトントンになるくらいでしょうから、今のところはこのGC、飲む予定はないんですが、もし余ったら・・飲みますよ。
完全無欠のSo2無し、しかもヤン・ドゥリューのワインとすると、最高のアペラシオン格です。noisy も2002年のプリューレ・ロックのクロ・ド・ベズを舐める程度ですが飲んでいますから、
「それから干支が一周した2014年の、ロックの意志を継ぐ者のジュヴレ村名を飲んで、記憶の中のクロ・ド・ベズと、記憶の中のロックの古いグランドルディネールと比較する!」
のを楽しみにしています。
ので・・何とか1本は残しておこうと思います。ヤン・ドゥリューの最高のワインの一つです。ご検討くださいませ。
● N.V.(2019) DH Blanc V.d.F.
DH ブラン V.d.F.
【うわお!・・これも化け物級!・・怖いモノを見たい方は是非!・・フリーなポジショニングで質の高いシャルドネを・・こんな料理の仕方をしたのかと驚かれるでしょう。・・そもそもテクニカル、それで本当に合ってるのかとさえ!】-----以前のレヴューを掲載しています。

・・・もの凄い色ですね~・・So2を使わない人が、シャルドネでこの色に仕上げて来るんですから・・いったいどうやっているのか知りたい位です・・もっとも最近は様々な技術が囁かれる・・と言いますか、インターネットの時代ですから情報が物凄く上がって来ます。正しいものもまやかしも・・ですけどね。
素晴らしいシャルドネです。誰でも美味しくいただけると思います。それは間違い無いでしょう。でも・・結構に・・とんでもなく・・自由にやってるなぁ・・と感心してしまいました。
そもそもテクニカルには、
「新樽は使わない」
とは書いてはいませんが、「古樽使用」とされています。
「(・・古樽かぁ?・・まぁ・・いいや・・)」
と思えるほどにプンプンに香るトースティな新樽のアロマ。ミルキーな感覚は無い・・まぁ・・古樽と言っても様々ですから・・ヘヴィに焼いた樽の1年ものは結構にニュアンスが付きますし。でも古樽かぁ?・・
蜜のニュアンスに良く熟れた柑橘。ふっくらと膨らんだ中域・・ほんのりトースティなノーズを残しつつ感じる深く複雑な果実酸。余韻も滅茶長い・・。ただし良く出来た酸のしっかりあるローヌの白っぽい感じも・・。

・・なんて思っていると・・ボディ全体がキュッと締まって来ました。・・いや・・凄いですね~・・さっきまで少し「暖かさ」「暑さ」を感じていたものが、急にブルゴーニュまで飛んで帰ってくる感じです。そもそもこれってオート=コートでしょう?・・涼しくて当たり前のニュアンスなはずなんですが、ようやく戻って来た感じです。
花梨やリンゴ、ナシ・・焼いたリンゴ?・・アップルパイ・・からの・・クラッシュした黄色い小果実・・。いやはや・・これはもう、忙しくて仕方が無い・・し、覚えていられないぞと言う複雑な印象。余韻は相変わらず長いです。
まぁ・・グラスを伝う涙の太さも半端無いですし、このゴールドな色彩が訴えているもののゴージャスさ、そして時間が経過して来てからの繊細さ・・。
まさにヤン・ドゥリューならではの世界が繰り広げられたような気がします。飲み方や飲む時期によってはもう少し違う表情、もしくは順番が逆になるかもしれません。
こんなワインが造れるって・・結構にヤバイ人です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【激旨!・・虚飾を排したブルゴーニュ・シャルドネの真っ裸の姿がここに有ります!】---以下はN.V.(2015)もののDHのレヴューです。

激旨いです。ヤン・ドゥリューの真の姿を知るには、むしろピノ・ノワールよりもシャルドネや白ワインの方が、より判りやすいかもしれません。だって・・これ、美味しくないと言う人はいないと思うんですよね・・。DH(デー・アッシュ)はニュイ=サン=ジョルジュ近郊のダム・ユゲットと言う畑名由来の頭文字のようです。
何よりも自然です。ナチュラルなんだけれど・・そうは言いたくない・・感じで、むしろ、滅茶苦茶美味しい有機野菜を食べている感じと同類なんです。こってりした部分も有りますが、でもさらりと・・しています。さらっとしているとも思いますが、実は物凄く奥深い自然さです。
揮発酸は無く、滋味深~い・・フルーツの自然な味わいなんですね。もう・・ボトルを抱えて飲みたい・・独り占めしたい・・そんな感覚が沸いて来ちゃうかもしれません。
因みにエージェントさんのレヴューがとても良く書けているので、こちらにも転載しますね。
抜栓したては若干還元していますが、直ぐに飛ぶレベル。非常に素晴らしい香りに、黄色く華やかな香りを放つ花や林檎、軽やかなメロンのニュアンス。そして、時間の経過とともにトーストやローストしたナッツ、アップルパイのようにバターと蜂蜜が交じり合ったとろけるような香りに溢れます。鋭く切り込む様なキレの有る酸と石を舐めているようなミネラルは全体のバランスを保ち、甘口ではないのに甘く感じる程の熟度を軽やかにまとめあげています。その為、果実味は軽やかでありながらギュッと詰まった集中力の有る液体になっています。大振りのグラスで、比較的高めの温度で飲むことをオススメします。
そう・・そうなんですよ・・。その通り。「マノン」のところでも書きましたが、D.R.C.醸造のオート=コートと似た部分は多いんですが、マノンは数倍美味しく、「DH」はD.R.C.オート=コートの醸造とはおそらくソックリながらも、むしろD.R.C.直接リリースのあの凄い白とも相当似ちゃってます。
「これ、美味しい!」
絶対言わせてみたいですね~・・でもちょっと高いですよね~~・・なので、お小遣いの少ない方には難しいかもしれませんが、
「これを飲んだら世界が変わるかも!」
とnoisyが確信した位の品です。飲んでみて欲しいです!・・でも滅茶く少なくて・・すみません!
以下は 2016 les Ponts Blanc V.d.F. のレヴューです。
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【...コシュ=デュリのアリゴテを飲めるのなら、この異端のナチュラリストが造る有り得ない出来のレ・ポン・ブランをも飲むべきでしょう!】
例えば世の中に出れば、自分がどんな評価をされているか・・とかは相当に気になるかもしれません。特に会社勤めの方は、少なくとも上司と上手くやらないと将来が不安に包まれてしまうものなんじゃないかと思うんですね。もっとも、自分の息子を見ていると、
「そんなの関係ね~・・はい・おっxっぴ~・・」
みたいな感じに見えて仕方がありませんけどね。
言ってみれば noisy の場合も、エゴサーチなどはやっている暇も無いですし、実はあんまり気にしてないことに気付いたので、
「もしかして・・親譲り・・か・・ざんねん・・」
と言う気にもなります。
それでも自分が良いと思うことを一生懸命にやる・・それでお客様に納得してもらって生活している・・実現できているかは判りませんが、そんな気持ちでは有ります。
このアリゴテによる、
「とんでも無く高価な白ワイン」
ですが、この中には途轍もない・・・途方もないほどの可能性が詰まっています。
開けたてはやや閉じ気味では有りますが、グラスを一振り、二振りしますと・・いきなり目を覚まして来ます。
その、やや暗い色合いには、
「滅茶苦茶に明るい色彩!」
が潜んでいます。そこまではおそらく誰でも気が付くはずです。ただただSo2を使用したくない一心で極端な酸化を許し、大事なフレーヴァーを根こそぎ失ってしまった・・
「良くありがちなビオの白」
では有りません。そんなワインは、ほぼお茶系のフレーヴァーしか残っていない場合も多いです。
そして、そのフレーヴァーの表現こそ・・この素晴らしいアリゴテの一番の醍醐味でしょう。まるで表現方法は違いますが、コシュ=デュリのアリゴテとタメを張れるほどのポテンシャルだと思います・・余りにタイプが異なるので発狂しそうになりますが・・(^^;;
そして、むしろヤン・ドゥリューが造るピノ・ノワールよりも、もう少し判りやすいはずです。ここには揮発酸はほぼ無いから・・です。
いや・・これは滅茶美味しいと・・個人的には思っています。点を付けろと言われましたら・・
「・・付けますが・・でも言いたくない・・!」
ですね・・。それでも、相当高い点であることは申し上げておきます。
この、非常に「色艶」を感じる色合いに、何かを感じられた方、もしくは、ブルゴーニュワインの新時代を見つめて行きたい方に、是非飲んでいただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2018) Jeannot V.d.F. Rouge
ジャノ V.d.F. ルージュ
【言わずと知れたヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェ!溢れかえるような豊かなアロマと密度ある深い味わいに満ちた2018年ものです!】

プリューレ・ロックと言えばあのドメーヌ・ルロワの総帥、ラルー・ビーズ・ルロワの甥っ子さんでした。そしてそのマダムがドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同経営者だった時に色々と有りまして・・詳細はここでは書きませんがちょっとした争いになったんですね。で、プリューレ・ロックがD.R.C.の共同経営者に抜擢された訳です。
で・・いや、時系列が確かかどうか判りませんがロック親父がワインに目覚めてしまい、自身でワインを造り始めた訳です。そこでロック親父が目を付けたのが、ジュール・ショヴェに学びラヤスやルロワで修行したマルセル・ラピエールの甥っ子のフィリップ・パカレでして、彼がプリューレ・ロックの醸造長になった訳です。
フィリップ・パカレが彼自身のワインを造ろうとした時、ロック親父やヴィレーヌさんはD.R.C.に来て欲しいと言ったそうですが、それを断って2001年もののワインをリリースしたんですね。
この頃のプリューレ・ロックのワインは非常に精緻でピュア、マセラシオン・カルボニックそのものの仕上がりでしたから、
「・・おい・・ロックのワインはクロ・ド・ベズまでボージョレ風だ!」
と仲間と言いあっていたのを思い出します。それ以前のロックの・・おそらくロック自身で造っていたワインは、結局何が何だか良く判らない味わいでしたが、エナジーを感じる味わいでした。
パカレはプリューレ・ロックも止めてしまいましたので、その後しばらくしてロックの醸造を務めたのが・・このヤン・ドゥリューと言うことになります。彼もまたニュイ=サン=ジョルジュやヴォーヌ=ロマネの西に有る畑を耕していたヴィニュロンの家に生まれ、ついには自身のカーヴを持つまでに至った訳ですが、お爺さんの代まで所有していたオート=コートやおそらくコート・ド・ニュイ・=ヴィラージュの畑はかなりの部分が売却されてしまっていたので、今頑張って買い戻している・・と言うことらしいですよ。

何でそんなことを言うのか・・と言いますと、
「このジャノの2018年ものと、以前ご紹介させていただいた2017年ものは、かなり印象が異なる!」
からです。
以前ご紹介の2017年ものは、どこかフィリップ・パカレ的で非常に精緻でピュア・・でした。エレガントでしたし、エキスの美しい可憐な味わいが魅力のワインでした。
2018年ものは・・ま~・・打って変わって・・非常に豊かで太く、赤黒果実がしっかり載り、線の太いスパイシーなアロマが複雑に交差、ドライですがエキスの豊かな・・甘みにさえ感じられる、超エネルギッシュな仕上がりです。
ですから、2017年ものと2018年ものでは・・
「ん?・・パカレからロックに醸造長が変わったプリューレ・ロックみたいな感じ?」
のように感じられたんですね。そんな訳で、25年以上前の話しを書いてしまった訳です。
ブルゴーニュの天候は毎年異なり、「ヴィンテージ」と言う要素をワインに埋め込みます。天候が良ければ豊かに、天候に恵まれなければ繊細に・・なります。
ですが・・どっちが良いのか?・・と言うのは、中々に微妙でして・・最終的には飲み手の好みと言うことになると思うんですが、例えば2021年ものを数多く飲み始めている noisy にとってもそれは同様です。温暖化の影響でしょうか、1970~1980年代のように、
「不良の年のブルゴーニュワインは余り美味しくない」
と言うような意見はまったく当てはまらないと・・強く感じます。2021年、最初はエージェントさんなどからの情報で散々に脅されましたが・・結局のところ、
「2021年ものはエレガント系な仕上がりのワインが多いが、決して全てがそうでは無いし、むしろ2018~2020年ものよりも総合的に優れているワインさえ存在する!」
と感じています。
ですから、2017年ものと2018年ものの「ジャノ」は、そのヴィンテージをしっかりと表現しています。そしてそこにはブルゴーニュのトップ生産者が通って来た道そのものさえも・・感じるんですね。
2018年もののジャノは濃密でスパイシー、各要素は非常に膨れ上がっているのが簡単に判るほどです。美味しくは飲めてしまいますが・・その真の表情は未だに良くは見えず、昨年の2017年もののジャノが見せた美しくも可憐でピュアな表情とはまるで異なっているように見えます。
ですが・・これは単に、
「まだ仕上がっていない」
と判断すべきで、今飲んで全てを判ったようにポイント付け出来る方は、ほんの一握りでしょう。
noisy 的には、少なくともあと3年は待つべきで、可能ならば5年ほど生育させてあげてから飲むべきでしょう。
もっとも・・今飲んでも濃密で饒舌ですから、飲めない訳ではありません。でも、ヤン・ドゥリューが意図した部分は非常に見え辛いかと思うんですね。
ですので、いつ開けるか?・・とともに、どのように開けるか?・・をお考えいただき、手を尽くして楽しんでいただきたいと思います。ヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェです。2018年ものは12本いただきましたので制限無しでご案内させていただきます。ご検討くださいませ。
以下は2017年のジャノのレヴューです。
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【ヤン・ドゥリューの秘蔵酒、ジャノです!2017年らしい繊細さ・・そして、まさに「官能的なパカレ」「(むしろ)精緻な昔のプリューレ・ロック」です!】

ようやく・・飲めました!・・そしてヤン・ドゥリューが何をどう考えているか・・も、このジャノ2017年を飲んでちょっとだけ理解出来たような気がしています。
彼が求めているのは、
「ピノ・ノワールは繊細で有りながら複雑性に富んだワイン」
だと・・思います。淡い色合いから途轍もないほどの表情を出してくれます。
しかしながらその表情は非常に繊細で、例えばアメリー・ベルトーで言うなら熟したコート・ド・ニュイ=ヴィラージュです。とことんドライで、繊細な表情を持ちながらも官能的です。
何とも言えぬ上立香・・ノーズに柔らかに飛び込んできて、シャンピニオンの高質で繊細な、あの香りがします。因みにこの時点では揮発香は嗅ぎ分けられません。
どこか中性的であり、男じゃないし女性だとも言い切れない・・そんな気もしますが、地球が・・自然が・・生み出した大切なもの・・と言うようなメッセージが込められているようにも思います。
中域は適度に膨れ、精緻さを保ったまま・・何とも静かでとても長い良いニュアンスを残してくれます。後半以降、僅かに揮発な香りを分離できますが、これはちゃんと落ち着かせて飲めばこのようなことは無いでしょう。
素晴らしくエレガンスを感じつつ、妖艶さも押しつけがましく無く漂っています。いや・・良いワインだ・・と。

言ってしまえば、やはりパカレが近いでしょうか。ただし、精緻なだけでどこかつまらなさを感じるような・・(すみません・・)、やる気の無さは全く感じ無いんですね。
そしてやはり「ロック」を感じます・・が、ロック親父ほどのアヴァンギャルドさ、パワフルに振る舞う感じはしないです。
大昔の話しで申し訳ありませんが、noisy もプリューレ・ロックに出会って・・
「・・なんじゃこりゃ・・!・・これもワインか・・?」
と・・(^^;;
まるで丸太で頭を殴られたような気がしました。
「‥このワインがルロワの・・甥っ子?・・そしてD.R.C の共同経営者になるの・・?・・マジすか・・!」
と。
ルロワのワインとは、とんでも無く違うように思いました。ですがエネルギー、エナジーと言う意味では同じ方向を向いているのかもしれない・・とも感じました。とんでも無い奴が出て来たと思った訳です。
そして、ロックが自分のドメーヌを拡張し、日本にもプリューレ・ロックが普通に入って来ました。最初の内はロックだなぁ・・と思ったのもつかの間、それからはずいぶんとブレの多いワインになって来た・・そう思っているうちに、とんでもなく値上がりして行って・・今は中々手を出せずにいます。もう大昔に丸太で殴られた時のような、プリューレ・ロックの魂の籠ったような味わいには出会えません。
やはりこのジャノを飲むと、大昔のロックのイメージとダブります。繊細で内に秘めた静かなエネルギーの大きさに驚くんですね。
因みに、この「ジャノ」を評価しているメディアを見つけました。セラー・トラッカーが2015年ものを94ポイントと・・評価していたんです。初めて見ました・・。まぁ、会員が好きなことを言い合うようなSNSタイプのサイトでは有りますが、それでも外人さんがこのポイントを付けたことに・・少し驚きも感じました。
素晴らしいワインだと思います。もちろん、好みも有ると思いますので、すべての方が良い評価をするワインではないとも・・思います。
ですが少なくとも、高級料飲店さんでは滅茶ウケているようです。ワインオタク・・(すみません。。)よりも、食とワインを楽しむ方が、ヤン・ドゥリューを支持しているというんですね。
それはちょっと判ります。何とも酔いが軽い・・(^^ で、滅茶エレガントなのに官能的で、素材を生かした繊細なお料理にも合うタイプだと感じます。もしご予算が合うようでしたら挑戦してみてください。プリューレ・ロック・スピリットの継承者のトップワインです。
以下は以前のレヴューです。
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【激レアです!・・一般的なアペラシオンの格付けを完全に否定したヤン・ドゥリューのフラッグシップ!】 どうしようかと・・本当に悩んだのですが、潔く諦めました。何せ2本しか無いので・・もう少し多めに入ったワイン屋さんは有るのでしょうが、どっちにしても彼らは自分では絶対に開けないでしょうから、
「ここはひとつ・・開けるか!」
とは思っていたんですが、前回のヤン・ドゥリューの入荷の時に赤はほぼ全部開けてしまいましたので、今回入荷分は白にテイスティングの予算を割り振りました。まぁ・・本当に儲からない商売です。
そもそもヤン・ドゥリューは、自身の中にある畑の格付けで栽培も醸造も・・行っていますから、
「ジュヴレ=シャンベルタン村名よりもオート=コートのレ・グラン・ポンが上!」
なんですね。
まぁ、ジュヴレ=シャンベルタンの「GC」もかなり良い値段では有りますが、
「ホワイト・ピノ ホワイ・ノット? 2017年を飲んでしまえば・・それは必ずや正しいに違い無い。」
と思わずにはいられません。
言ってしまえば、
「彼の持っている彼の畑のヒエラルキーは、葡萄品種さえ大きな関係が無い」
訳です。
しかしながら、その葡萄品種を見つめていない訳では無く、その葡萄そのものと常に対峙し向き合う事で、その畑のポテンシャルを最大限に発揮している・・その結果がホワイ・ノット?で有って、この「ジャノ」なのでしょう。
残念ながらせっかく入手出来た2014年GCも、この2014年ジャノもnoisyは 今のところは飲めてはいませんが、
「この2年間でヤン・ドゥリューのワインを一番沢山身体の中に収めた日本人は、おそらく noisy」
でしょうから、ヤン・ドゥリューの思惑も、ヤン・ドゥリューのワインのささやきも・・一番判っていると思っています。
ですので、お勧めはしませんが、
「物凄い経験になるに違いない!」
のは間違い無いと思います。・・結果的に彼のワインが好きか、嫌いかに関わらず・・。
飲んだ担当さんに印象を聞くと、
「何とも言葉にして説明がし辛い・・しかし、その存在感に圧倒される・・だから筆舌に尽くしがたいと言うしかない・・」
そうです。
「(・・そこを何とか言葉にしなきゃいかんだろ!)」
とは突っ込みませんでしたが・・(^^;; まぁ、彼らはワイン屋では有りませんから、ワイン屋に何とかワインを買ってもらえるようにするのが仕事で、ワインの味わいやポテンシャルの説明は、その仕事の一部分に過ぎない訳で・・あ、これは相当に変ですね。ワイン屋はワインを飲むことが仕事では有りませんで、お客様にワインを買って貰うのが本来の仕事なのでしょうから。
日本はともかく、海外では専門サイトのようなネットショップも見当たるヤン・ドゥリューです。いずれ凄いことになるんじゃないかと思っています。ご検討くださいませ。
● N.V.(2019) CDN V.d.F.
CDN(セー・デー・エヌ) V.d.F.
【もっともヤン・ドゥリューらしいと感じるCDN!ニュイ=サン=ジョルジュだと思って飲んでも違和感無し!勿論、底辺にはロックな味わいを感じます!】

テート・ド・ポンに代表される「ポン・シリーズ」のレ・プルミエ・ポンと、このCDN、つまりコート・ド・ニュイは、似たような価格ですから・・
「どう違うの?」
と思われるかもしれません。
勿論、飲めば「違う」のは誰にでも判ることですから・・良い訳ですが、誰でも比較して飲める訳ではありませんのでその辺を有り体に・・
もう、凄く単純に言いますと、
「品格はほぼ同じ!」
です・・(^^;;
ですが・・
「味筋は異なる!」
んですね。
2019年レ・ポン・シリーズは単純に言ってしまえば美しい系・・です。2019年C.D.N.はグラマラス系・・と言えば良いかな?・・と思います。
もっと言ってしまえば、その差は畑の差なのでしょう。レ・ポン・シリーズはオート=コート主体の高地ですから・・冷ややかで、日照は有っても葡萄の熟成に時間が掛かっているかと思います。

一方、こちらのC.D.N.は、むしろ村名畑に近い高度の畑で、感覚的にはとても・・
「いつもの奴」
に近いような気がします。
ニュイ=サン=ジョルジュを名乗れる畑の南側には、村名アペラシオンを名乗れないものの将来性が豊かだと想像できる、石灰の強い畑が多く有ります。noisy 的にはそれらの畑を、
「未開のA.O.C.」
として注目しているんですね。
あのフイヤ・ジュイヨの「モンタニー」は飲まれましたでしょうか?・・あちらはシャルドネでは有りますが、5千円のワインじゃぁ・・無いとnoisyは感じています。確かに、昔からある程度は認められていたからこそ、単独のアペラシオンを得ていた訳です。
しかしながら、
「アルコール分がしっかり出たら(11.5%以上)1級を名乗れる」
と言う、非常に理解が難しいアペラシオンでも有った訳です。要するに、
「時折素晴らしいシャルドネになるが、ほぼほぼ熟すヴィンテージが無い」
と理解されていたんですね。なのに、昨今の温暖化が有り、いつの間にか・・素晴らしいシャルドネを産出していたと言うだけなのでしょう。
この、コート・ド・ニュイのニュイ=サン=ジョルジュと、コート・ド・ボーヌのラドワ=セリニーやペルナン=ヴェルジュレスの間の部分には、石切り場が有って、非常に石灰の強いエレガントなワインが生まれる・・可能性が・・有ると感じています。熱量はコート=ドールの村名畑とほぼ同じ高度ですから同じくらい・・なのかと想像しています。
ですので、オート=コートに比較すると少し暖かで、グラマラスな印象になるかと思いますが、ニュイの村名畑と比較しますと同じくらい・・と言うことなのかな・・と、今のところそんな風に理解しています。
ゴージャスで、いつものような揮発酸のニュアンスは非常に少なく、美しくシルキーです。1枚目の写真でも判るように、「太い涙」が中々落ちて来ない感じです。それがたった13パーセントのアルコール分で達成されているんですね。
しっかりと丹精なチェリーがシャンボールのように感じられるかと思います。勿論、飲まれるタイミングによっては異なる姿を見せてくれると思います。今飲んでも充分美味しいですが、3~5年の熟成でより大きなピノ・ノワールになるかと思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【ヤン・ドゥリューの本拠、メサンジュに近いオート=コート・ド・ニュイもしくはコート・ド・ニュイ=ヴィラージュによるワインのようです!筋肉隆々でたくましいが繊細な味筋です!】

実際にはオート=コート・ド・ニュイなのか、オート=コート・ド・ボーヌなのか・・はたまたコート・ド・ニュイ=ヴィラージュなのかは不明ですが、ニュイ=サン=ジョルジュの南側、南西側の地域にある畑のようです。ヴォーヌ=ロマネ西方のメサンジュが彼の本拠ですからそこからは少し距離が有り、ニュイ=サン=ジョルジュの西方のヴィレ=ラ=フェイ村の畑のようです。これですとA.O.C.はオート=コートのどちらかになりますが、ニュイ=サン=ジョルジュの南のコンブランシアンやコルゴロワンだとコート・ド・ニュイ=ヴィラージュに当たります。
赤みを主体としてやや黒味を感じさせる小果実です。非常に小粒なイメージで、非常にドライです。思いの外タイトに締まっていて筋肉質、逞しさを感じますが余分なぜい肉は全く無く、たくましい男性のような雰囲気です。
グラスを振って行くと徐々に膨らんで来ますが、飲むには少し早いでしょうか。テート・ド・ポンのようなちょっとグラマラスな感じは余り無い分、今飲むべきでは無いでしょう。数年寝かせますと相当変わってくると思います。
揮発酸は全く無いとは言いませんが比較的少ないですから・・と言うよりも無いと言った方が近く、瓶熟を進めれば全く意識することなく、
「So2 を使用していないのに揮発酸を感じないニュートラルなブルゴーニュワイン」
として美味しくいただけると思いますので、自然派がイマイチの方にもお勧めできます。

1枚目の写真にグラスを伝う涙が数本、ご覧いただけると思います。結構に太く、本数も多いです。
こちらのキュヴェはテート・ド・ポンとは異なり、新樽を使用していない・・よりピュアな表情を見せてくれます。新樽を使用しない分、やはり熟は遅くなると考えるべきでしょうね。新樽を使用したテート・ド・ポン2018が今飲んで滅茶美味しいのは、やはり新樽のパワーなんでしょう。緩やかな酸化を促し、短期間で酸の合成を助ける効果が有ります。
しかし・・ヤン・ドゥリュー的には新樽は余り好きでは無いようで、「試験的に」と言うような言葉が付いています。なので、ある意味・・新樽で仕上げたテート・ド・ポン2018はレアなのかもしれませんが、CDN (セー・デー・エンヌ」2018 の方が現在の彼の意思を素直に伝える1本なのかもしれません。
もし早い段階で飲まれるようでしたら、数日掛けてお楽しみください。相当変化して行くと思います。それに、So2無添加のキュヴェの変化も、またその不思議な強さも感じられるでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【こちらもすみません・・飲んでいません。】 どうなんでしょう?・・オート=コートの畑では無く、コート・ド・ニュイの葡萄をブレンドしたキュヴェなのかもしれませんね。ならば、一般的な格としてはA.C.ブルゴーニュと同等位なのか?・・と想像しています。でもブラック・ピノより高いですから、やはり飲んでみないと何とも言えません。
今回テイスティング出来た赤は、「グゾット」と「ブラック・ピノ」だけですが、ま~・・それぞれ印象が全然違うんですよ。グゾットは・・前回入荷分とは違って揮発酸はレベルは低いもののそれなりに有り、ブラック・ピノは無い訳では無いが、「有る!」と大声で言うようなレベルでは無いんですね。
で、そのどちらのキュヴェも、noisy は肯定します・・が、それぞれに印象が異なる訳です。なので、
「飲んでいない CDN については、これ以上何も言えない・・」
ので・・本当にすみません。残ったらテイスティングの乾期に飲みたいと思っています。ご検討くださいませ。
● N.V.(2018) les Ponts Rouge V.d.F.
レ・ポン・ルージュ V.d.F.
【飲めていません・・ヤン・ドゥリューのワインとしてはリーズナブルなので人気なのかもしれず、入荷は4本だけです。】
もう少しいただけないとテイスティングすら出来ません。ですが大体・・何となく判って来ましたので・・その辺りを。
So2 を使用しないヤン・ドゥリューですから、ある程度の揮発酸の生成は仕方のないことです。ですが、上級キュヴェになればなるほど、その存在は希薄になっています。下級キュヴェは、リリース直後に開けると・・まぁまぁ・・有ります。
「・・酷・・」
と言うレベルでは有りませんが、そこそこ感じますよ。
ですが・・面白いのは、それなりにワインを休めると、その姿も結構にまとまって来ます。一体化してくるんですね。
そして・・もっとずっと休めると完全に一体化して来ます。分離して要素を取ることが難しいほどになります。
で、面白いのはそこから・・なんですね。
通常、揮発酸は自然酵母で醸造する場合、必ずと言って良いほど生まれます。全く無い・・と言うことは無いんじゃないかと思います・・レベルの差の問題です。
そして、揮発酸・・と言いますか、酢酸菌の動きは、アルコールを食べて酢酸を生成しますから、ワインに結構な表情を残します。ワインの綺麗な姿を結構に欠損させる訳です。
ところが・・例えば今回のヤン・ドゥリューの2015年ブラック・ピノや、昨年ご紹介させていただいた2018年ブラック・ピノをテイスティングしますと、以前感じていた欠損分が戻ったかのようになり、揮発酸の生成すら・・まるで無かったかのような姿になって行くのが判るんですね・・現状、まだ少々有りますけどね。
なので、しっかり休めることで美しい、欠損の無い姿を取り戻して行く・・その姿が見られる訳です。
また、その意味でもヤン・ドゥリューのワインは非常に長熟だと思えます。noisy自身もちょっと不思議に思えるんですが、この10年来、ヤン・ドゥリューのワインと向き合って来て感じたことをまとめてみました。
「・・え~?・・そんなことは無いでしょ・・」
と思われるかもしれませんが・・。酢酸生成が行き過ぎてしまったものはその可能性は低いと思いますが、ヤン・ドゥリュー位の生成ですと大丈夫・・いずれ戻ります・・と言うのが正解かもしれませんし、そもそも揮発酸が全くダメ・・と言うような感覚も持っていませんので・・。
中々にディープな世界です。是非飲んでみてください。少量です。
以下は以前のレヴューです
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【...コシュ=デュリのアリゴテを飲めるのなら、この異端のナチュラリストが造る有り得ない出来のレ・ポン・ブランをも飲むべきでしょう!】
こちらは僅かですが揮発酸のニュアンスが有りますので、耐性の無い方にはお勧めいたしません。ですが、noisy も5分で気にならなくなってしまったレベルですので、「新ブルゴーニュに挑戦」したい方は是非・・トライしてみてください。
あ、全然関係ないんですが・・日本酒の世界には、「醸造年度」と言う、お堅い言い方が有ります。毎年の7月1日から翌年の6月30日まで・・です。なので
「今は2020醸造年度」
でして、これが今年の6月30日までに仕込まれたものが対象です。
で、これ・・Web では面倒なので、仲間内では、「2020BY 表記にしよう(B=ブリュワード、Y=イヤー)」と・・随分昔にやり始めたんですが、いつの間にかアチコチで「BY」使われています。良かった良かった・・
で、こちらはN.V.(ノン・ヴィン)扱いですが単独収穫年度の2017年ものの「レ・ポン・ルージュ」、オート=コート・ド・ニュイとオート=コート・ド・ボーヌの中間に有る畑のようです。なので、
「完全に格外のヴァン・ド・フランスのピノ・ノワール」
と言うことになります。
ヤン・ドゥリューの他のキュヴェと全く同様です。一貫しています。ですが少しだけ揮発酸が生成されています。それでも一体化はかなりなされていて、今飲み始めても全然大丈夫です。5分も経たずに気にならなくなります。
そしてそこからがこのワインの本領発揮です。実に繊細でエレガントな表情が浮かんできます。果実感も10分経過で黒みを含みエレガントなベリー、チェリーがバッチリです!黒と赤、半々な感じで良く熟しています。ミネラリティも充実・・非常に柔らかでふわふわした感じです。
そして・・やはりマリアージュが素晴らしいです!・・noisy の場合は、ピノを魚介に合わせる時は、例え「焼き魚」でもオリーブオイルを掛けちゃうんですね・・大抵。
ですがこの「レ・ポン」はオリーブオイル不要・・。ちょっとビックリです。滅茶ナチュラルなんですね。その上で、時間を経れば滅茶苦茶ピュアになるんです!
どうでしょう・・ニコラ・フォールはこの境地には立たないでしょう・・少なくともこの何年かは・・。悩み深いビゾは嫉妬しているかもしれません。勿論ですが、D.R.C.はスルーしているとしても、このようなワインはリリースしない・・どころか、こんな風にはならないようにしているでしょう。プリューレ・ロックはどうなって行くか判りませんが、
「大昔の(最近は全然違う)プリューレ・ロックは、むしろヤン・ドゥリュー風!」
だったことは間違い無いと思っています。
ロックさんもすでに他界されてしまいましたが、彼こそが「反逆児」でした。もしかしたら「感覚の新兵」が「反逆児の志」を継いだのかもしれませんね。ご検討くださいませ。
● N.V.(2018) les 1er Ponts V.d.F.
レ・プルミエ・ポン・ルージュ V.d.F.
【ヴェルジー村にあるサン=ヴィヴァン修道院下の畑のようです・・飲めなかったので・・すみません。】
テート・ド・ポン2018が余りに美味しかったので、安めのアイテムならと、思わず手が出てしまいそうになったレ・プルミエ・ポンです。テート・ド・ポンと畑は同じようです。レ・グラン・ポンは隣の丘なのかな?・・しかしオート=コートはワインの畑の地図も全く存在せず、理解が非常に難しいですよね。
なので・・ちょっとまた調べてみました。ヴォーヌ=ロマネから西へ10キロほど向かうとコンクゥールの村を通り越したところにヴェルジーの村が有ります。クルティ=ヴェルジー、ルル=ヴェルジー、レタン=ヴェルジーと3つに分かれているようです。そこの丘の上部にサン=ヴィヴァン修道院(修繕中)が有ります。
ヤン・ドゥリューのポン系の畑はその辺りにあるようで、レ・ポンとプルミエ・ポン、そしてテート・ド・ポンはサン=ヴィヴァン修道院の下方に有り、レ・グラン・ポンは隣の丘のようです。
で、エージェントさんの写真倉庫を漁ってみると、以下の写真が有りました・・。中々の色男ですね・・って、そこじゃなくて、この傾斜がちょっときつそうに見える畑が何ともセクシーです。

この上部の方は葡萄畑では無いようですよね。ですがさらに傾斜がきつそうです。
なのでちょっと・・Google マップで探してみました。
ここの地形、畑がそうかな? -->クリックで新しいページでGoogle マップが開きます。 そっくりですよね~・・
でもどうでしょう・・テート・ド・ポンのコラムでご紹介させていただいた「ヴィレ=ラ=フェイ」の畑とは、またちょっと違って見えます。少しこちらの方が白いかな・・と感じますが、光の加減かもしれません。
以前のこのワインの写真を見るとやや淡く、赤主体の色彩です。テート・ド・ポン2018はもっと黒くて・・まぁヴィンテージがそういう出来と言うのも有りますが、むしろヴィレ=ラ=フェイのような粘土の厳しい感じがしますが、こちらは以前の写真からはイメージ通りで石灰が強く、透明感が有りそうです。
ブラック・ピノは「ヴィレ=ラ=フェイ」の畑でやや黒っぽいですしね・・何とも言えませんが、ヤン・ドゥリューも色々やってそうですから・・はい。
また、レ・グラン・ポンの畑は、「レ・プルミエ・ポンと並行する隣の丘」とのことなので、より西にある・・ほぼ平行する丘の畑も探してみました。
これほどまでに違うんですよね・・ -->クリックでGoogle マップへ そして彼の本拠、メッサンジュはヴェルジーのサン=ヴィヴァン修道院からすぐのところに有ります。
ですから、それほどまでに異なる環境の畑は、やはりできる葡萄も全然違う・・それを調べて、理解して、どう料理するかを考えて・・彼のワインを創り出しているのでしょう。
因みにGoogle マップの画像の畑は、必ずしもヤン・ドゥリューのものとして掲載した訳ではありませんのでご了承ください。
ヤン・ドゥリューならではの世界観で、半端無いワインを造っています。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです
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【ここから始まるブルゴーニュ・ピノ・ノワール新時代!】
判る人にはきっと判るでしょう。サン=ヴィヴァン修道院がどのような存在で有るか・・そして、あのD.R.C.もそこで「白ワイン」を生産し、ビオ系のショップに卸していたことも・・。
そして、このグラスのピノ・ノワールの色合いを一瞥されても、きっと判るはずです。そのエッジには、酢酸生成がなされた証拠が見えることを・・。
非常に伸びやかな、美しいピノ・ノワールです。もしあなたが酢酸、揮発酸にある程度の許容を持っていらっしゃるのでしたら、全く問題の無いレベルの生成がされ、ワイン内に存在しています。ですので、もしあなたが酢酸、揮発酸に拒絶反応を占める方であるなら、そしてそれを修正しようとは思わないようでしたら、全くこのワインは有り得ないので買うのは止めてくださいね。
それでも、これから、ここから始まっているブルゴーニュ・ピノ・ノワール新時代を覗いてみたい・・・付き合っていきたい気持ちがあるようでしたら、是非、時間を掛けて、この1本とお付き合いください。一嗅ぎだけして安易な判断をせず、一口すすって諦めず・・が重要です。
そこまで拒絶反応の無い方でしたら、何も気にすることは有りません。この「レ・プルミエ・ポン」が話しかけてくるのをただ待っていれば良いんです。きっと、饒舌に話してくれると思いますよ。
開けたては少し閉じ気味です。僅かに揮発酸のニュアンスがノーズにも有ります。色彩にもそれは有りますが、余韻の全てまで浸食し、ワインを台無しにしてしまうようなレベルのものでは有りません。それはすでに止まっていて、要素の一部分に関与しているだけです。
15分ほどしますと、相当に「伸びやか」になってきます。やや閉じていた時のネガティヴさ(僅かですが)は消え、さらに膨らみとテクスチュアの滑らかさを増して来ます。それはまた見事に一体化した味わいですが、そこから驚くことにピュアなフレーヴァーが出てくるんですね。
言ってみれば、最近は滅茶苦茶高くてビックリの、「ドメーヌ・ビゾ」にも似ています。プリューレ・ロックに居たのだからロック似では?・・と思いがちですが、彼にとっては
「ロックは通過点だった」
と・・申しているようです。そこからすでにかなりの時が流れていると。
そして、やがて飲み手さえも一体化に取り込んだかのような、不思議な印象を受けます。
「このワイン・・このピノ・ノワールは、どのように評価すれば良いんだろう?」
きっとそう思われるに違いないんです。
このフィルムのように「くにゃくにゃ」に柔らかいテクスチュアとフレーヴァー、鈍角で入って来るのになんの痛みも無く、身体に馴染んで行くニュアンス、本来は余り好きではない・・中盤から余韻に掛けての揮発酸のニュアンスさえ、全て「一緒くた」にした上で、
「ん?・・じゃぁ、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールって・・どんな姿が正解なの?」
と問いかけてくるようでも有ります。
そしていつの間にか、「肯定派」に属している自分に気付くと思うんですね・・いや、そこだけはご自身でお確かめください。すぐ開けても良いが・・決して・・
「短い時間で飲み終えないで・・」
とお願いしたいと思います。何故って・・
「飲めるけれど、まだ完熟していないから・・」
です。
何か、ちょっと禅問答みたい?な感じになってしまいましたがお許しください。気になる方にお勧めしたいと思います。
● N.V.(2019) Tete de Ponts V.d.F.
テート・ド・ポン・ルージュ V.d.F.
【非常に少ないので・・今回は飲めませんでしたが、「レ・ポン・シリーズ」の上級キュヴェ!・・2019年ものは相当良さそうです!】
まぁ・・レ・ポン・シリーズにはトップ・キュヴェの「レ・グラン・ポン」が有るはずですが、今回オファーをいただいた2019年ものには案内が無かったので、
「まだ熟していないので出せない」
と言う判断なのかもしれません・・が、単にインポーターさんの都合なのかもしれません。
また、6本しか入らなかった高価なアイテムもテイスティングしてしまいまして、それらを全部は開けてしまうと厳しくなってしまうので・・すみません、テート・ド・ポン2019年は飲めませんでした。
しかし・・しかしですよ・・2019年のレ・プルミエ・ポンで充分に満足できてしまったので、
「テート・ド・ポンは飲まなくても良いかも」
と言うような気持ちにもなったりしましたし、それでも、
「それだけレ・プルミエ・ポンが良いのなら、なおさら・・」
とも感じる訳でして、非常に悩んだ末に留まっています。
因みに海外の平均価格は31000円ほど・・です。ご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
-----
【激旨!・・滅茶旨いです!・・ブルゴーニュワインのヒエラルキーとは、一体何なのだろうと思わせる見事さ!・・美しきデストロイヤーです!】
いや~・・余りに美味しいので・・ちょっと感動してしまいました。このテート・ド・ポン2018年、今飲んでも素晴らしい美味しさを感じさせてくれます。勿論ですが・・このポテンシャルを最大に発揮するには、まだ時間を必要とするのは間違い無いでしょう。
どうやらこのキュヴェは高質な葡萄に新樽を使い、長く熟成させたもののようです。葡萄はオート=コート・・いや~・・一人のブルゴーニュファンとしては、たったそれだけでは認識不足だろう・・そんな気にさせてくれちゃいましたので、少し頑張って色々と調べてみましたよ。
ヤン・ドゥリューはヴォーヌ=ロマネの西方の直線距離で6キロほどのメッサンジュ村にセラーを持っているようです。Google マップで調べますと、たしかに・・
「Rescuue des Sens S.A.R.L.」
と言うセラーがメッサンジュの村中に有りました。ちょうど拡張工事に入った頃に撮られたようで、工事予告の札が出ていました。
そしてブラック・ピノの畑はA.O.C.ニュイ=サン=ジョルジュの一画を成しているプルモーの西、2キロちょっとのところにある「ヴィレ=ラ=フェイ村」が主体のようです。ここはオート=コート・ド・ニュイになるかと思いますが、場所によっては・・いや、南の方だとオート=コート・ド・ボーヌとも言える場所かと思います。まぁ・・テート・ド・ポンやグラン・ポンはもっと北のヴェルジー村のようですが、その辺はまた他のコラムで・・。
で、Google マップ上で少々散策してみたんですね・・すると、noisy的にはちょっと凄いじゃん・・みたいことが判りました。
まず・・以下のリンクをご覧くださいませ。
石切り場? --クリックで Google Map が開きます。 凄いですね~・・石灰石?・・大理石?・・こんな大きな石切り場が、ヴィレ=ラ=フェイには何か所か有ります。石灰含有量には全く問題無いでしょうし、場所によってはヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュに似た土壌・・・ウミユリ石灰岩の真上に存在する畑も有るのかもしれません。しかも高度は高いけれど比較的平坦なオート=コートの畑だけではなく、適度な傾斜がある畑も有るかと調べてみましたら・・またちょっと凄そうな・・気になるようなロケーションの畑も見つけてしまいました。
ゆるい傾斜からどんどん急になる畑! --クリックで Google Map が開きます。 どうでしょう?・・なんか、グッと来ちゃいませんか・・?・・畑は東南東を向いた絶好の向き、下部はやや緩やかだけれど降った雨は溜まりそうもない感じ・・。(下から見て)途中からグッと角度が付いて急傾斜、表土は落ちて来てしまって下草さえ生えない??・・感じにも見えます。
上と下では勿論、違う出来になるでしょうし、この畑だけで・・クロ=ヴージョを表現できてしまいそうな・・勝手な印象を持ってしまいました。
・・あ、言っておきますが、この畑がヤン・ドゥリューのものだなんて言っている訳では無いので・・ご注意くださいね。
このヴィレ=ラ=フェイ村のオート=コートには、こんな畑が結構あるぞ!・・と言う意味で掲載させていただきました。

非常に良く熟した黒い小果実、溶け込んでいる感じのするマンモスな石灰感、良く抽出されてエキスから昇華された豪奢なエステル香。葡萄は良く熟しているのに酸は豊かで丸い感じが漂う。中域はファットなニュアンスをギュッと締め付けたような凝縮感から適度な解放。低域から高域まで見事なパレットを描きつつ、果実の美味しさと細やかなミネラリティを含んだ複雑性、スパイス感、様々な有機物をノーズに還しつつ甘やかな余韻を持続。
ドライなんですが・・甘やかです。まだほんの僅かに揮発酸のニュアンスが有りますが、すぐに溶け込んで検出不能になるくらいです。黒果実の奥に有る赤果実が愛らしく、ブルゴーニュワインとしては若いのか古くこなれているのか・・ブラインドだと相当悩むでしょう。
しかし・・現在でも滅茶苦茶美味しいんですが、全てのポテンシャルを解放するには相当な時間が必要かと思います。ただ、今飲んで滅茶美味しいので、飲んでしまっても罪悪感は起きないんじゃないか?・・それほどまでに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます。
ヤン・ドゥリュー...恐るべし!・・飲めていないレ・グラン・ポンやG.C.がどれほどなのか・・気になって仕方が無い・・(^^;; 飲んでみてください。素晴らしい!圧巻でした。お勧めします!
以下は以前のレヴューです
-----
【 「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き印されたコルクが物語るヤン・ドゥリューの挑戦状!?・・比較対象になるのはクロ・デ・コルヴェでしょう!】---以下はN.V.(2015)のレヴューです。
これは素晴らしいです・・。今回届いた上級ラインの中でももっとも精緻で有り、ポテンシャルも高く、そしてもっとも「判りやすい」です。
パカレのワインはそこそこに美味しいですが、結構に出来がブレているし、何より面白みに欠ける・・いや、そんなキュヴェが多い気がします。滅茶美味しいのも有るんですけどね。色気が無い・・感じが近いでしょうか。同じようにD.R.C.辺りの絡みで有名になった訳では有りますが、パカレはちょっと量を求めすぎで忙し過ぎるのでしょう。人間一人にできることは知れています。
どんなワインかを書く前に、ヤン・ドゥリューについて海外メディアの評価を調べてみました・・が、モノの見事に「見当たらず」でした。そりゃぁ・・そうでしょう。おそらく書く勇気が無い・・見て見ぬ振りをしているかと思います。知らない訳が無いですから・・。
しかし、余り詳しくないにしても、そんな海外メディアの誰かが、この「テート・デ・ポン 2015」 だけを飲んだとしたら・・そしてもしその人がちゃんと理解し、今の立場の全てを投げ捨てて正当な評価を下したとしたら、この先のワイン業界も変化強いて行くに違いない・・などとも思っています。
いや~・・これはどの角度からみても相当なものでした。気になる「揮発酸のレベル」は検出限界に近いです。無いと言って良いレベル。その上で、まるで超上質なニュイ=サン=ジョルジュ1級格ほどのワインと同格なポテンシャルを感じさせてくれます。とことんまで自然で、「村田ごんべえさんのジャガイモ」みたいな感じで産直店で売られている、本当に畑の味わいがする美味しいジャガイモのようなニュアンスです。
優しく美しいディテールはやはりニュイ1級の感じ・・プリューレ・ロックのクロ・デ・コルヴェが比較対象に良いんじゃないか?・・と思えるような味わいで、クロ・デ・コルヴェと比較するなら、より優雅で繊細、ロックのクロ・デ・コルヴェの抽出は強いんじゃないか?・・などとも思えてしまうような丁寧に仕立てられた極上葡萄由来のエレガンスを感じます。

とても良く香り、そのアロマには濁った部分がありません。勿論ですがとてもD.R.C.的で有りますが、D.R.C.のように・・新樽100%なのに「樽による化粧」の影響などは一切感じません。
「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き付けられたコルクは、この「テート・デ・ポン」だけでは有りませんが、ヤン・ドゥリューのさり気ない・・もしくは強烈なアンチテーゼのようなニュアンスに思えて仕方が有りません。
「そんなに厚い化粧してどうすんのよ?・・すっぴんが良いんだよ。」
「薬品?・・そんなもの、使いたくないよ。病気になったらどうするのよ。」
「どう造っているか・・だって?・・そんなの、簡単には言えないよ。なりたいようにさせ、やりたいようにやるんだよ・・。」
そんな感覚を受けますが、それでも彼はきっと、古いものを大事にしている人じゃないかと思うんですね。そして感覚が滅茶鋭く、判断が早い・・そんな気がしています。
ですから、この「テート・デ・ポン」を飲むと、物凄く上質なピノ・ノワールを飲んでいる気になります。超高級なピノを飲まれていらっしゃる方なら、きっと「当てはめたい比較対象」がポンポン・・ポンだけに・・いや・・出てくると思うんですね。きっとその比較対象になったワインこそが、
「このテート・デ・ポンの格」
で有り、「感覚の新兵」の階級なのでしょう。もっともヤン・ドゥリューはその「新兵」と言う単語で、「格」とか「階級」を否定しているに違い在りません。
素晴らしいピノ・ノワールでした。
海外メディアさん!・・ドイツの素晴らしいピュアなシュペートブルグンダーには96ポイントを付けるクセに、フランスの素晴らしい・・ナチュラルなピノ・ノワールは無視ってどうなんでしょうね。PKさんはそれでも、
「ポンX のワインは酸化している」
と、無視などはしなかったですよ。正確な判断かどうかは別にするとしても・・。是非、「新兵からの挑戦」を受けて立って欲しいと願います。ご検討くださいませ。絶対に損はしないと確信しています。
● N.V.(2018) BT Rouge V.d.F.
BT・ルージュ V.d.F.
【このキュヴェは・・2018年のサヴィニー=レ=ボーヌ・オ・ブティエールです・・・って、どこかで聞いたようなクリマですよね?!・・しかし!・・たまげたポテンシャルを持っています!】

ブルゴーニュの畑はA.O.C.だけでは無く、その名自体を名乗る場合、グラン・クリュ以外は頭に「村の名前」が必ず付きます。ですからこのワインの場合は、
「サヴィニー=レ=ボーヌ・オ・ブティエール」
になります。
で・・そのことが結構に邪魔になってしまって、畑の位置関係が判らなくなってしまったりします。
先だってはマリウス・ドラルシェをご紹介させていただきました。また2020年のフランソワ・ジャニアールもご紹介させていただきました・・ジャニアールは安くて美味しいんですが、中々皆さん、手を出してくれないので・・
「ん?・・そうは言ってもどちらもサヴィニー・・造ってないじゃん?」
とおっしゃるかもしれません・・有難うございます。そう言っていただけますと助かります。
そうなんです・・彼らはサヴィニーは(今のところ?)造っておらず、北側のお隣の「ペルナン=ヴェルジュレス」を造っているんですね。
なんでそんなことを言うか・・と言いますと、
「サヴィニ=レ=ボーヌのオ・ブティエールとペルナン=ヴェルジュレスのレ・ブティエールはお隣同士」
だから・・です。
まぁ・・オ・ブティエールとレ・ブティエールです。こういうのは本当に多くて・・例えば多い名前のシャルムで言いますと、赤でジュヴレのマゾワイエール(・オ・シャルム)とモレの1級レ・シャルム、白でムルソーの1級レ・シャルム(・ドスュ)とピュリニーの村名レ・シャルムです。面白いのは・・その村の境界でしっかり、グラン・クリュと1級、1級と村名のように分かれているパターンも有ることですね。なので、穴狙いをする場合は、お隣の格下のものを探してみるとか・・にも利用できるかなと思ったりしています。

で、このサヴィニーのオ・ブティエール2018年ですが・・
「凄いポテンシャル!」
ですね。圧巻なポテンシャルを感じます。非常に細やかで繊細、密度が高くて高質!・・凄い出来だと思います。
ただし・・今飲むのはどうでしょうか・・美味しく飲みたいので有れば、3年は我慢すべきでしょう。もしくは届いたら数日~2週間ほど立てて休ませ、ゆっくり数日掛けて楽しむのが良いと思います。揮発酸も気になるレベルでは有りませんし、何年か熟成させる場合には完全に溶け込んで判らなくなると思います。
因みに2017年のマリウス・ドラルシェのペルナンのレ・ブティエールV.V.は淡く激エレガントで滅茶苦茶美味しかったですよね?・・2018年ものは2017年よりも濃度が高い分、まだ完全には熟しておらず・・どうレヴュー書いたか、ハッキリは思い出せませんでしたので見返してみましたら・・写真が面白かったのでこの下に掲載させていただきますね。
あ、因みにですね・・
「アロース=コルトンにもレ・ブティエールが有り、サヴィニーのオ・ブティエール、ペルナンのレ・ブティエールと接している」
んですね・・。これを覚えておきますと、アロース=コルトンが北、ペルナンがアロースの西と南に接し、サヴィニーがアロースの南とペルナンの南に抱え込むように接している・・ことが何となく判ります。

左が2018年のペルナン=ヴェルジュレス・レ・ブティエールです。結構・・に書感じでは有りますが、ペルナンの方が少し透明系のミネラリティが強く、ヤン・ドゥリューのBTの方が粘土が深いか・・と思います。
サヴィニ=レ=ボーヌとは言っても、皆同じ名前のクリマでつながっていますから、似た部分も多くあり、また異なる部分も有ります。
で、やはりこのBTですが、サヴィニ=レ=ボーヌと言う感じよりもアロース=コルトンに近いニュアンスを多く含む感じです。
ですので、やはり少なくとも3年ほど、可能なら5年ほど寝かせますとベストかな・・と思います。是非ご検討くださいませ。アペラシオン・クラッシャー?・・デストロイヤー?・・凄いポテンシャルです!
● N.V.(2018) Tete de Ponts V.d.F.
テート・ド・ポン・ルージュ V.d.F.
【激旨!・・滅茶旨いです!・・ブルゴーニュワインのヒエラルキーとは、一体何なのだろうと思わせる見事さ!・・美しきデストロイヤーです!】

いや~・・余りに美味しいので・・ちょっと感動してしまいました。このテート・ド・ポン2018年、今飲んでも素晴らしい美味しさを感じさせてくれます。勿論ですが・・このポテンシャルを最大に発揮するには、まだ時間を必要とするのは間違い無いでしょう。
どうやらこのキュヴェは高質な葡萄に新樽を使い、長く熟成させたもののようです。葡萄はオート=コート・・いや~・・一人のブルゴーニュファンとしては、たったそれだけでは認識不足だろう・・そんな気にさせてくれちゃいましたので、少し頑張って色々と調べてみましたよ。
ヤン・ドゥリューはヴォーヌ=ロマネの西方の直線距離で6キロほどのメッサンジュ村にセラーを持っているようです。Google マップで調べますと、たしかに・・
「Rescuue des Sens S.A.R.L.」
と言うセラーがメッサンジュの村中に有りました。ちょうど拡張工事に入った頃に撮られたようで、工事予告の札が出ていました。
そしてブラック・ピノの畑はA.O.C.ニュイ=サン=ジョルジュの一画を成しているプルモーの西、2キロちょっとのところにある「ヴィレ=ラ=フェイ村」が主体のようです。ここはオート=コート・ド・ニュイになるかと思いますが、場所によっては・・いや、南の方だとオート=コート・ド・ボーヌとも言える場所かと思います。まぁ・・テート・ド・ポンやグラン・ポンはもっと北のヴェルジー村のようですが、その辺はまた他のコラムで・・。
で、Google マップ上で少々散策してみたんですね・・すると、noisy的にはちょっと凄いじゃん・・みたいことが判りました。
まず・・以下のリンクをご覧くださいませ。
石切り場? --クリックで Google Map が開きます。 凄いですね~・・石灰石?・・大理石?・・こんな大きな石切り場が、ヴィレ=ラ=フェイには何か所か有ります。石灰含有量には全く問題無いでしょうし、場所によってはヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュに似た土壌・・・ウミユリ石灰岩の真上に存在する畑も有るのかもしれません。しかも高度は高いけれど比較的平坦なオート=コートの畑だけではなく、適度な傾斜がある畑も有るかと調べてみましたら・・またちょっと凄そうな・・気になるようなロケーションの畑も見つけてしまいました。
ゆるい傾斜からどんどん急になる畑! --クリックで Google Map が開きます。 どうでしょう?・・なんか、グッと来ちゃいませんか・・?・・畑は東南東を向いた絶好の向き、下部はやや緩やかだけれど降った雨は溜まりそうもない感じ・・。(下から見て)途中からグッと角度が付いて急傾斜、表土は落ちて来てしまって下草さえ生えない??・・感じにも見えます。
上と下では勿論、違う出来になるでしょうし、この畑だけで・・クロ=ヴージョを表現できてしまいそうな・・勝手な印象を持ってしまいました。
・・あ、言っておきますが、この畑がヤン・ドゥリューのものだなんて言っている訳では無いので・・ご注意くださいね。
このヴィレ=ラ=フェイ村のオート=コートには、こんな畑が結構あるぞ!・・と言う意味で掲載させていただきました。

非常に良く熟した黒い小果実、溶け込んでいる感じのするマンモスな石灰感、良く抽出されてエキスから昇華された豪奢なエステル香。葡萄は良く熟しているのに酸は豊かで丸い感じが漂う。中域はファットなニュアンスをギュッと締め付けたような凝縮感から適度な解放。低域から高域まで見事なパレットを描きつつ、果実の美味しさと細やかなミネラリティを含んだ複雑性、スパイス感、様々な有機物をノーズに還しつつ甘やかな余韻を持続。
ドライなんですが・・甘やかです。まだほんの僅かに揮発酸のニュアンスが有りますが、すぐに溶け込んで検出不能になるくらいです。黒果実の奥に有る赤果実が愛らしく、ブルゴーニュワインとしては若いのか古くこなれているのか・・ブラインドだと相当悩むでしょう。
しかし・・現在でも滅茶苦茶美味しいんですが、全てのポテンシャルを解放するには相当な時間が必要かと思います。ただ、今飲んで滅茶美味しいので、飲んでしまっても罪悪感は起きないんじゃないか?・・それほどまでに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます。
ヤン・ドゥリュー...恐るべし!・・飲めていないレ・グラン・ポンやG.C.がどれほどなのか・・気になって仕方が無い・・(^^;; 飲んでみてください。素晴らしい!圧巻でした。お勧めします!
以下は以前のレヴューです
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【 「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き印されたコルクが物語るヤン・ドゥリューの挑戦状!?・・比較対象になるのはクロ・デ・コルヴェでしょう!】---以下はN.V.(2015)のレヴューです。
これは素晴らしいです・・。今回届いた上級ラインの中でももっとも精緻で有り、ポテンシャルも高く、そしてもっとも「判りやすい」です。
パカレのワインはそこそこに美味しいですが、結構に出来がブレているし、何より面白みに欠ける・・いや、そんなキュヴェが多い気がします。滅茶美味しいのも有るんですけどね。色気が無い・・感じが近いでしょうか。同じようにD.R.C.辺りの絡みで有名になった訳では有りますが、パカレはちょっと量を求めすぎで忙し過ぎるのでしょう。人間一人にできることは知れています。
どんなワインかを書く前に、ヤン・ドゥリューについて海外メディアの評価を調べてみました・・が、モノの見事に「見当たらず」でした。そりゃぁ・・そうでしょう。おそらく書く勇気が無い・・見て見ぬ振りをしているかと思います。知らない訳が無いですから・・。
しかし、余り詳しくないにしても、そんな海外メディアの誰かが、この「テート・デ・ポン 2015」 だけを飲んだとしたら・・そしてもしその人がちゃんと理解し、今の立場の全てを投げ捨てて正当な評価を下したとしたら、この先のワイン業界も変化強いて行くに違いない・・などとも思っています。
いや~・・これはどの角度からみても相当なものでした。気になる「揮発酸のレベル」は検出限界に近いです。無いと言って良いレベル。その上で、まるで超上質なニュイ=サン=ジョルジュ1級格ほどのワインと同格なポテンシャルを感じさせてくれます。とことんまで自然で、「村田ごんべえさんのジャガイモ」みたいな感じで産直店で売られている、本当に畑の味わいがする美味しいジャガイモのようなニュアンスです。
優しく美しいディテールはやはりニュイ1級の感じ・・プリューレ・ロックのクロ・デ・コルヴェが比較対象に良いんじゃないか?・・と思えるような味わいで、クロ・デ・コルヴェと比較するなら、より優雅で繊細、ロックのクロ・デ・コルヴェの抽出は強いんじゃないか?・・などとも思えてしまうような丁寧に仕立てられた極上葡萄由来のエレガンスを感じます。

とても良く香り、そのアロマには濁った部分がありません。勿論ですがとてもD.R.C.的で有りますが、D.R.C.のように・・新樽100%なのに「樽による化粧」の影響などは一切感じません。
「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き付けられたコルクは、この「テート・デ・ポン」だけでは有りませんが、ヤン・ドゥリューのさり気ない・・もしくは強烈なアンチテーゼのようなニュアンスに思えて仕方が有りません。
「そんなに厚い化粧してどうすんのよ?・・すっぴんが良いんだよ。」
「薬品?・・そんなもの、使いたくないよ。病気になったらどうするのよ。」
「どう造っているか・・だって?・・そんなの、簡単には言えないよ。なりたいようにさせ、やりたいようにやるんだよ・・。」
そんな感覚を受けますが、それでも彼はきっと、古いものを大事にしている人じゃないかと思うんですね。そして感覚が滅茶鋭く、判断が早い・・そんな気がしています。
ですから、この「テート・デ・ポン」を飲むと、物凄く上質なピノ・ノワールを飲んでいる気になります。超高級なピノを飲まれていらっしゃる方なら、きっと「当てはめたい比較対象」がポンポン・・ポンだけに・・いや・・出てくると思うんですね。きっとその比較対象になったワインこそが、
「このテート・デ・ポンの格」
で有り、「感覚の新兵」の階級なのでしょう。もっともヤン・ドゥリューはその「新兵」と言う単語で、「格」とか「階級」を否定しているに違い在りません。
素晴らしいピノ・ノワールでした。
海外メディアさん!・・ドイツの素晴らしいピュアなシュペートブルグンダーには96ポイントを付けるクセに、フランスの素晴らしい・・ナチュラルなピノ・ノワールは無視ってどうなんでしょうね。PKさんはそれでも、
「ポンX のワインは酸化している」
と、無視などはしなかったですよ。正確な判断かどうかは別にするとしても・・。是非、「新兵からの挑戦」を受けて立って欲しいと願います。ご検討くださいませ。絶対に損はしないと確信しています。
● N.V.(2018) CDN V.d.F.
CDN V.d.F.
【ヤン・ドゥリューの本拠、メサンジュに近いオート=コート・ド・ニュイもしくはコート・ド・ニュイ=ヴィラージュによるワインのようです!筋肉隆々でたくましいが繊細な味筋です!】

実際にはオート=コート・ド・ニュイなのか、オート=コート・ド・ボーヌなのか・・はたまたコート・ド・ニュイ=ヴィラージュなのかは不明ですが、ニュイ=サン=ジョルジュの南側、南西側の地域にある畑のようです。ヴォーヌ=ロマネ西方のメサンジュが彼の本拠ですからそこからは少し距離が有り、ニュイ=サン=ジョルジュの西方のヴィレ=ラ=フェイ村の畑のようです。これですとA.O.C.はオート=コートのどちらかになりますが、ニュイ=サン=ジョルジュの南のコンブランシアンやコルゴロワンだとコート・ド・ニュイ=ヴィラージュに当たります。
赤みを主体としてやや黒味を感じさせる小果実です。非常に小粒なイメージで、非常にドライです。思いの外タイトに締まっていて筋肉質、逞しさを感じますが余分なぜい肉は全く無く、たくましい男性のような雰囲気です。
グラスを振って行くと徐々に膨らんで来ますが、飲むには少し早いでしょうか。テート・ド・ポンのようなちょっとグラマラスな感じは余り無い分、今飲むべきでは無いでしょう。数年寝かせますと相当変わってくると思います。
揮発酸は全く無いとは言いませんが比較的少ないですから・・と言うよりも無いと言った方が近く、瓶熟を進めれば全く意識することなく、
「So2 を使用していないのに揮発酸を感じないニュートラルなブルゴーニュワイン」
として美味しくいただけると思いますので、自然派がイマイチの方にもお勧めできます。

1枚目の写真にグラスを伝う涙が数本、ご覧いただけると思います。結構に太く、本数も多いです。
こちらのキュヴェはテート・ド・ポンとは異なり、新樽を使用していない・・よりピュアな表情を見せてくれます。新樽を使用しない分、やはり熟は遅くなると考えるべきでしょうね。新樽を使用したテート・ド・ポン2018が今飲んで滅茶美味しいのは、やはり新樽のパワーなんでしょう。緩やかな酸化を促し、短期間で酸の合成を助ける効果が有ります。
しかし・・ヤン・ドゥリュー的には新樽は余り好きでは無いようで、「試験的に」と言うような言葉が付いています。なので、ある意味・・新樽で仕上げたテート・ド・ポン2018はレアなのかもしれませんが、CDN (セー・デー・エンヌ」2018 の方が現在の彼の意思を素直に伝える1本なのかもしれません。
もし早い段階で飲まれるようでしたら、数日掛けてお楽しみください。相当変化して行くと思います。それに、So2無添加のキュヴェの変化も、またその不思議な強さも感じられるでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【こちらもすみません・・飲んでいません。】 どうなんでしょう?・・オート=コートの畑では無く、コート・ド・ニュイの葡萄をブレンドしたキュヴェなのかもしれませんね。ならば、一般的な格としてはA.C.ブルゴーニュと同等位なのか?・・と想像しています。でもブラック・ピノより高いですから、やはり飲んでみないと何とも言えません。
今回テイスティング出来た赤は、「グゾット」と「ブラック・ピノ」だけですが、ま~・・それぞれ印象が全然違うんですよ。グゾットは・・前回入荷分とは違って揮発酸はレベルは低いもののそれなりに有り、ブラック・ピノは無い訳では無いが、「有る!」と大声で言うようなレベルでは無いんですね。
で、そのどちらのキュヴェも、noisy は肯定します・・が、それぞれに印象が異なる訳です。なので、
「飲んでいない CDN については、これ以上何も言えない・・」
ので・・本当にすみません。残ったらテイスティングの乾期に飲みたいと思っています。ご検討くださいませ。
● N.V.(2019) Love & Pif Blanc V.d.F.
ラヴ・アンド・ピフ・ブラン V.d.F.
【・・ついつい・・先日ご案内させていただいたギルベール・ジレのアリゴテV.V.と比較したい欲求に駆られてしまいました・・】
すみません、結局飲めなかったので・・6本ですから・・はい。ギルベール・ジレの2020年アリゴテV.V.も6本だけだったんですが、ファーストヴィンテージで彼の白ワインはアリゴテV.V.のみですから・・開けることにしました。そして・・
「記憶の中のヤン・ドゥリューのラヴ&ピフと比較していた・・」
んですね・・。勿論、他の生産者さんの優れたアリゴテとも、記憶の中で比較していた訳です。リーズナブルで凄く美味しかったアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールの「ア・リゴテール」、シルヴァン・パタイユの繊細なアリゴテ、区画名付きのアリゴテの緊張感溢れる味わい、ま~・・申し訳ないが言っちゃえば普通なドメーヌ・ルロワとオベール・ド・ヴィレーヌ、アリゴテとは思えないような凄い印象が長く残っているコシュ=デュリ..思い返せば指が足りなくなるくらい・・そうそう、それこそプリューレ・ロックがまだ若い頃にこさえた良く判らないが異常に複雑な味わいのアリゴテとか。
それにしてもギルベール・ジレのアリゴテは半端無い。飲み口がとんでもなく良いからスイスイと入ってくるが、物凄い要素を取り逃がすことを許してくれない・・少なくとも noisy にとっては・・ですが、その確認をし始めると、周りにいる家族は・・
「この人・・一体・・どうしちゃったの?」
と思っているに違いないが、飲んだ後しばらくの間、ほけ~っとせざるを得ない訳ですね。
因みに「どうしちゃったの?」と思っていたに違いないカミさんに、翌日だったか・・残っていたギルベール・ジレのアリゴテV.V.を飲ませたら珍しく・・
「・・これ、昨日の・・だよね?・・凄い美味しいね・・」
ですと。
「(・・昨日は判らなかったんか~い・・♪)」
などとはとてもじゃないが怖くて突っ込めませんが・・。
怖いと言えば・・先日、いつも店頭でワインを引取、買受されるお客様がいらっしゃって・・こんなことを言ってました。
「noisy さんのサイトって、怖くてちょっと・・オーダー入れられないって人が結構いるんですよ・・」
ですと。
「(・・一体・・このサイトのどこが怖いんか~い・・♪)」
まぁ・・お好きなように思っていただいて構わないんだけど。
で、やはりこのラヴ&ピフとギルベール・ジレのアリゴテV.V.・・圧倒的に・・根本的に違うように思えるんですね。全然異なる・・そう思えるんです。
だけども・・もしかしたら・・
「根っこの部分は同じで最終表現だけが違う」
ようにも感じます。
それにギルベール・ジレの後ろにはやはり・・背後霊のように?(・・すみません)・・誰かがいるようにも感じます。ヤン・ドゥリューの後ろにロック親父が見えるように・・。
そう感じると、また毎日のテイスティングに少し張りが出てくるような気がしています。とめどない話しですみません。以下のレヴューをご参考に・・ご検討よろしくお願いいたします。
以下は2014年もののレヴューです
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【 素晴らしい!目茶ナチュラル!これからのブルゴーニュワインはここを目指すはず!必飲!!】
「ナチュラルさとブルゴーニュ的エレガンスの融合」を目指しているんじゃないかと思える、素晴らしい白ワインです。この際、品種がどうの・・と言うのは関係ないかな・・と思います。
コシュ=デュリやドヴネの見事なアリゴテには、必ずや「アリゴテとは思えない」と言うような修飾が付き物ですよね。
また、ポンソの素晴らしい白ワイン、モレ=サン=ドニ1級モン・リュイザンは、当初こそシャルドネやピノ・ブランにアリゴテというセパージュでしたが、シャルドネが入らなくなり、ついにはピノ・ブランも混ざらなくなり、アリゴテ100%の1級ワインが誕生しています。まぁ・・樹齢が100年超と言う、モンスターでは有りますが、それでもブルゴーニュ的エレガンス主体のド太いワインです。
そのポンソさんも本来、ズブズブの自然派志向ですから、このヤン・ドゥリューと似た環境を好むとしても、ヤン・ドゥリューとは全然違う・・と言えるんですね。
ヤン・ドゥリューの「ラヴ・アンド・ピフ」はブルゴーニュのアリゴテでは有りますが、
「あり得ないほどナチュラル!」
「あり得ないほどピュアで危険性無し!」
「物凄い果実感!」
なんですね。
そこにブルゴーニュ的なエレガンスが同居している・・そんなニュアンスなんですよ。なので、1級とか村名とかは二次的要素・・どこまでもナチュラル&ピュアさが第一義・・のように感じます。
ボディは太く、複雑性もたっぷりです。ジューシーだが全然安っぽく無い・・どころか高級感さえ感じさせてくれます。
SO2的なニュアンスは感じさせないのにワインは非常に健全健康です。澱だらけの濁ったワインか?と想像しがちですが、決してそんなことも無い・・。
まぁ、モレ=サン=ドニ村名で2万幾ら・・なワインも平気で造っちゃう彼ですから、どこまで自然児なんだと。そんなワインはnoisy も必ずや飲んでみたいワインのトップグループに入ってるワインです。どうもエージェントさんは持ってるような気配なんですけどね・・。
まぁ、とことんナチュラルで、でも実は捨てちゃいけないものはちゃんと表現しているワインです。飲むべきだと思います。是非ご検討くださいませ。
■エージェント情報
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ブルゴーニュ最強のリスクテイカー!ヤン ドゥリューの愛の結晶ラヴ&ピフ 2014年を12ヶ月じっくり休ませてのリリースです!
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「なぜヤン ドゥリューは、権威主義うずまくブルゴーニュという土地で、その純粋さを希求し、無謀な挑戦を続けているのか。」
彼のワインから感じる強く鋭い信念に触れるたびに抱く疑問でした。
「なぜブルゴーニュでなければいけなかったのか。」
とらえどころのない、それでいて心の底に重く深く沈んでいる疑問を晴らしてくれるのは、いつも、彼らとともに畑に立ち、語り、グラスを傾ける時間です。ヤンの祖父が、オート コート ド ニュイの地で畑を切り拓き、ヤンの家族はブドウ栽培者としての営みを始めます。
子供の頃から大好きな祖父とともにブドウ畑を駆け回って遊んだというヤン ドゥリュー。彼にとっては、その畑こそが人生の喜びに満ちた場所であり、畑で生きていくことは必然だったと言います。自身が少年時代を過ごし、祖父との思い出が溢れる場所。それが偶然ブルゴーニュであり、オート コート ド ニュイだったのです。
彼にとっては、ブルゴーニュの権威主義的なヒエラルキーは意味がありません。目の前の畑、目の前のブドウたちを深く観察し、理解し、愛を投じることで、その秘めた魅力を極限まで引き出すことこそが、ヴィニュロン(=ブドウ栽培・ワイン醸造家)としての使命なのです。
現在、彼のワインはアペラシオンを取得していません。原則としてヴァン ド フランスとしてリリースされています。そして、それぞれのワインが生まれる畑も、多くは、ブルゴーニュやオート コート ド ニュイというアペラシオンに位置づけられる区画です。
しかし彼は、常軌を逸したリスクを引き受け、膨大な労力と時間を畑に投じることによって、ブルゴーニュの権威主義を揺るがすほどのワインを次々と生み出しています。
「ヴァン ド フランスがこの価格!?」
「オート コート ド ニュイがこの価格!?」
当然本人もこのような声が聞こえてくるのは想像していたでしょう。そして、そんな時は悪戯っ子のような笑みを浮かべながらこう答えるのでしょう。
「皆、本当にこの土地の秘めた力を知ってるのかな?」
プリューレ ロックの特級畑でですら躊躇するようなリスクのあるアプローチを全ての畑で実践するヤン ドゥリューだからこそ、ブルゴーニュの土地の可能性と純粋さを表現できるのかも知れません。
実際、ヤン ドゥリューのワインには常に驚きと喜びに満ちています。そしてそれは、彼の祖父への、土地への、自然への愛であり、飲み手であるわたしたちへの愛の証なのだと知るのです。そんなヤン ドゥリューの愛の結晶であるワイン、アリゴテを用いて造られるラヴ&ピフの2014年が到着しております!
アリゴテらしい伸びやかな酸とその酸に負けずに余韻までその姿を残す果実味、どこまでも純粋でどこまでも清々しい味わいのワインです。日本到着からじっくり12ヶ月休ませてからの皆様へのご案内です。現時点でも爽快な美味しさを楽しんで頂けると思いますが、まず間違いなく長期の熟成にも耐えうるアリゴテでもあります。
クラスを超えた、既成概念を超えた、ブルゴーニュの大地が持つ本当の実力を感じられる1本です。ぜひ皆様にお試し頂きたいと思います。
以下はN.V.(2011)のこのワインのご紹介文です。
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【柔らかな酸と旨みの濁り!すばらしいブルゴーニュ白です!】 もう・・単にアリゴテとは呼びたくない・・そんな気持ちさえ生まれてくるような、素晴らしい白ワインでした!これは絶品の旨さです!
お茶の宣伝で、
「濁りは旨み・・」
みたいなコピーが今も流れていますよね。たしかにペットのお茶としては、奇抜なアイデアですし、そこを推すのも良かったのかな?と思います。でも、ペットのお茶の味わいの範疇を超えては・・いないとは感じます・・・・いや、あくまで個人的な感想です。
昔、濁りワイン・・というのが有りました。本当に濁っていて、そこに旨みのほとんどが有りました。甘みが有ったので、そこに要素が集中したような組み立てになっていました。
このアリゴテは、実は甘くない・・んです。酸の組成で甘みに近いものを感じますが・・・これは旨みです。そして結構な澱も有ります。しかし、とても輝いていて、とてもピュア。アリゴテとしては酸が柔らかいのに・・・酸がとても美味しい!・・・これは、アリゴテの酸を旨みの酸に変えたことを意味しているように思います。
そして、青~黄リンゴのようなニュアンスが感じられますが、普通のアリゴテのような鋭角なものではなく、鈍角でとても豊かなんですね。しかも石灰系のミネラルがごちゃまんと感じられる、素晴らしいバランスの持ち主です。
たしかにプリューレ・ロックの、出来が良い年のワインに似たニュアンスは有るかもしれません。でももっとミネラリティがあると思いま
それはきっと、まだ葡萄が造られてからさほど年を経ていないフランスの大地の味わいなのかもしれません。もしくは、地中で葡萄の根っこと他の植物の根っこが絡み合い、相乗効果で水分を汲み上げることに由来しているのかもしれません。でも結局は、有機栽培でなければ、もしくはビオでなければ・・・この味わいは成しえなかったでしょう。素晴らしいワインだと思います。ワイン流通者の猛者どもを虜にしたヤン・ドゥリュー・・・。目を離せない存在になりました。お奨めします!
● N.V.(2015) Black Pinot V.d.F.
ブラック・ピノ V.d.F.
【ちょっと良くは判りませんが、プルミエ・ポンと同じ畑とのこと・・確かに面影は有ります。グレートな2015年バック・ヴィンテージ・・仕上がる少し前と言うところでしょう。】

まぁ・・テクニカルを読んでもどうも良くは判らないんですよね。サン=ヴィヴァン修道院と言えば、基本・・ヴェルジー村のはず・・。ヴェルジーの丘の上の平らな部分には、廃墟と化している古代の修道院が有ります。
そしてその南側の陽当たり最高の中部辺りに、確かにヤン・ドゥリューが写っている畑が有り、それはグラン・ポンのコラムに掲載しています。ですが、
「ブラック・ピノはヴィラー(ヴィレ)=ラ=フェイにあるレ・プルミエ・ポンと同じ畑」
とテクニカルに有りますから・・。またテート・ド・ポンはレ・プルミエ・ポンの選抜葡萄のようですから・・これも同じです。
「・・一体、どこの畑が正解?」
と色々調べてみましたが、結局良くは判らず・・まぁ、ヴェルジーのサン=ヴィヴァン修道院の下の畑が正解なのかと思っています。
「・・じゃ、D.R.C.の例のオート=コート・ブランと・・同じ?」
疑惑も出て来てしまいますし・・何とも不思議なことになって来ています。
そして、ドメーヌ・ルロワでは伸びた枝を切らずに、丸く編んで伸ばしっぱなしにしますが・・どうやら・・それをヤン・ドゥリューは、
「ラ・ポン(橋)」
と言っているようです。秋~冬辺りの写真のようですが、枝が丸く編まれていますよね・・。夏場に伸びてくるとこのように丸く編み、張った針金に添わせるようです。これをやる意味は、この時期、葡萄に栄養を与えるのは伸びて行く先の枝だとしているから・・のようです。切るのはダメ・・と言うことですね。

2015年もののブラック・ピノです。上記の記載に間違いが無ければ、
「テート・ド・ポンと同じ畑の葡萄」
と言うことになりますね。
で、飲んでみました・・。実は2018年ものもこの5月に再度飲んでいまして、良い感じに比較することが出来ました。
そうしますと・・面白いですね・・。2018年ものはやや濃い色彩をしています。2018年ものはこのブラック・ピノに限らず、味わい的には花ぶるい系の濃密な感じが取れます。2015年ものはそれは無く、非常に健康的で精緻、魅力的です。
若干まだ揮発酸が感じられますが、飲んで行くうちに気にならなくなるレベルです。仕上がり的には・・いや、ちょっと驚いたんですが、
「精緻さが増しているように感じた」
んですね。
揮発酸が失わせた部分の欠損感が無くなり、元の美しい姿に戻りつつ有る」
と感じるんです。ちょっと驚きです。

2018年ものの重厚さに比較するとエレガント系の味わいかな・・と思います。2018年ものが果実の美味しさそのもので挑んでくる??感じなのに無いし、2015年ものは健康的で精緻さを見せて来ている感じです。
言ってみれば、
「2018年もののブラック・ピノと2015年もののブラック・ピノを合わせて、さらに高質感を加えると2018年のテート・ド・ポンに近くなる!」
感じでしょうか・・まぁ・・同じ畑で部分違いなら・・さもありなん・・になってしまいますが、それにしても2018年のテート・ド・ポンは美味すぎます。
ですので、この2015年のブラック・ピノは、あと3~5年ほど寝かせると相当素晴らしいものに変化すると思います。勿論、今飲んでも充分に美味しさは伝わって来ますが・・少し早いのは間違い在りません。
飲んでみてください。結局のところ、ルロワもヤン・ドゥリューも同じことをやっていて、どうやらそれは、オート=コートに畑を持っていたヤン・ドゥリューの祖父の時代にやっていたことに近いらしい・・と言うことが判って来ました。そして手放してしまったそれらの畑をヤン・ドゥリューは買い戻しつつワインを昔のように造っているようです。ご検討くださいませ。
以下は2018年もの、2010年もののレヴューです。
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【このアロマと味わいは、正にスパイシーなピノのブラックな部分を取り出した美味しさ!・・それは淡い赤を積み重ねた、ヤン・ドゥリュー的ビオ栽培のなせる技でした!】
2010年もの以来の入荷でしょうか?・・一時、余りに少ない割り当てに怒りを感じ、止めてしまっていた時期が有りましたので・・しかし、2010年もののご案内の頃はまだグラスの写真を撮っていませんでしたので、残念ながら今回の2018年ものと比較が出来ません。2010年ものの頃はもう少し「淡い色の仕上がり」だったかと思います。
少し揮発酸を感じるグゾットとは対照的に、ほとんど検出限界に近い・・ブラック・ピノです。ヤン・ドゥリューは結構に色々なアプローチの仕方を栽培にも取り入れています。
その一つがハーヴェスト時期をずらすこと・・。まぁ、かのルロワでは、全くハーヴェストしないことが有名で、とぐろを巻いたような凄い状態の葡萄のツルの畑を見つけると・・それがルロワの所有だ・・と判るようです。
どのようにずらすか?・・は、通常よりも先に延ばすのでしょうが、その上で他の造り手よりも収穫のタイミングが遅くなるようです。なので、このような深い・・一見すると、
「相当に黒く見える」
色彩だと思います。

しかしながら面白いのは、こんな味わいはどこかで飲んだぞ・・?・・と思い当たるのは・・やはりルロワ。スパイシーでそれなりに黒っぽさが見えて、エナジーが物凄く感じられて・・・あ、ルロワのコルトンだ・・それに近い表情があるぞと、テイスティング時に思い出しました。
で・・さらに思い当って・・このグラスの底に溜まった部分を飲んでみたんですね・・それが3枚目の写真です。
どうでしょう・・3枚目の写真。こんなに淡いんですね。本当は澱を撮りたかったんですが、実際は結構あるのに写真には写りませんでした・・残念!
しかしこの澱の部分が滅茶美味しい!・・物凄いエナジー感です!熟したラ・ターシュの澱も大きいのを避けて飲むと滅茶美味しいですけどね・・何か色々と思い出してしまいました。
比較的内向的な部分を持つ名刺代わりのグゾットに比較しますと、ブラック・ピノは相当にエネルギッシュで外向的です。しかもよりピュア・・ナチュラル感も半端無いですが、アヴァンギャルドさは余り感じ無いですね。むしろ精緻さを強く感じます。中盤以降、余韻も酸が美しくて2018年もののブラック・ピノは結構に良い出来だと感じます。

それにしても、ピノって美しいですよね。ワインの飲み手は、これほどに淡い色彩を積み重ねた色をグラスの上から、横から見ながら飲んでいるのが判ります。
そして・・単に淡いだけじゃなく、まるで中央部分が盛り上がっているかのようにも見えてしまいますし、ロックのワインもこんな感じだったとも・・。
やはりヤン・ドゥリュー、只者では無いぞと思わざるを得ません。このエナジー溢れる味わいを是非お確かめください。お勧めします。
以下は2010年もののブラック・ピノのレヴューです。
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【旨い!】
いや、ちょっとびっくりな味わいでした!確かにオート=コートと言えばそれっきりなんですが・・ニュアンスは、勿論良い時のプリューレ・ロック(全然パカレ風ではない)にも少し似てるし、・・いや、そこまで豊かではない・・じゃぁ、ジャッキー・トルショーか・・・?いや、そこまでミネラルは少なくない・・・でも、とてもエレガントで凝縮していて、ミネラリティは物凄い!ヴォーヌ=ロマネにも近いか?・・ジュヴレ風では無いな・・
と言う様に、実に様々なイメージが溢れてくるんですね!そして何よりもコンディションが素晴らしい!ビオ系のワインはやはりビオ系のエージェントさんじゃないと、ここまでのコンディションは保てません。
価格についても、
「高いな~!」
と思われるかもしれませんが、価格は村名ワインと同様くらい・・と思っていただければ、マイナスイメージは無くなるでしょう。こんなワインを飲むと、
「やっぱり自然派は良いな~!」
と思ってしまいます!
グラが有って凝縮していて、とてもスパーシーでなにより透明感のある長い余韻、たっぷりなミネラリティが素晴らしいです。是非このワイン、一度飲んでみてください!。超お奨めです!
● N.V.(2018) DH Blanc V.d.F.
DH ブラン V.d.F.
【うわお!・・これも化け物級!・・怖いモノを見たい方は是非!・・フリーなポジショニングで質の高いシャルドネを・・こんな料理の仕方をしたのかと驚かれるでしょう。・・そもそもテクニカル、それで本当に合ってるのかとさえ!】

・・・もの凄い色ですね~・・So2を使わない人が、シャルドネでこの色に仕上げて来るんですから・・いったいどうやっているのか知りたい位です・・もっとも最近は様々な技術が囁かれる・・と言いますか、インターネットの時代ですから情報が物凄く上がって来ます。正しいものもまやかしも・・ですけどね。
素晴らしいシャルドネです。誰でも美味しくいただけると思います。それは間違い無いでしょう。でも・・結構に・・とんでもなく・・自由にやってるなぁ・・と感心してしまいました。
そもそもテクニカルには、
「新樽は使わない」
とは書いてはいませんが、「古樽使用」とされています。
「(・・古樽かぁ?・・まぁ・・いいや・・)」
と思えるほどにプンプンに香るトースティな新樽のアロマ。ミルキーな感覚は無い・・まぁ・・古樽と言っても様々ですから・・ヘヴィに焼いた樽の1年ものは結構にニュアンスが付きますし。でも古樽かぁ?・・
蜜のニュアンスに良く熟れた柑橘。ふっくらと膨らんだ中域・・ほんのりトースティなノーズを残しつつ感じる深く複雑な果実酸。余韻も滅茶長い・・。ただし良く出来た酸のしっかりあるローヌの白っぽい感じも・・。

・・なんて思っていると・・ボディ全体がキュッと締まって来ました。・・いや・・凄いですね~・・さっきまで少し「暖かさ」「暑さ」を感じていたものが、急にブルゴーニュまで飛んで帰ってくる感じです。そもそもこれってオート=コートでしょう?・・涼しくて当たり前のニュアンスなはずなんですが、ようやく戻って来た感じです。
花梨やリンゴ、ナシ・・焼いたリンゴ?・・アップルパイ・・からの・・クラッシュした黄色い小果実・・。いやはや・・これはもう、忙しくて仕方が無い・・し、覚えていられないぞと言う複雑な印象。余韻は相変わらず長いです。
まぁ・・グラスを伝う涙の太さも半端無いですし、このゴールドな色彩が訴えているもののゴージャスさ、そして時間が経過して来てからの繊細さ・・。
まさにヤン・ドゥリューならではの世界が繰り広げられたような気がします。飲み方や飲む時期によってはもう少し違う表情、もしくは順番が逆になるかもしれません。
こんなワインが造れるって・・結構にヤバイ人です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【激旨!・・虚飾を排したブルゴーニュ・シャルドネの真っ裸の姿がここに有ります!】---以下はN.V.(2015)もののDHのレヴューです。

激旨いです。ヤン・ドゥリューの真の姿を知るには、むしろピノ・ノワールよりもシャルドネや白ワインの方が、より判りやすいかもしれません。だって・・これ、美味しくないと言う人はいないと思うんですよね・・。DH(デー・アッシュ)はニュイ=サン=ジョルジュ近郊のダム・ユゲットと言う畑名由来の頭文字のようです。
何よりも自然です。ナチュラルなんだけれど・・そうは言いたくない・・感じで、むしろ、滅茶苦茶美味しい有機野菜を食べている感じと同類なんです。こってりした部分も有りますが、でもさらりと・・しています。さらっとしているとも思いますが、実は物凄く奥深い自然さです。
揮発酸は無く、滋味深~い・・フルーツの自然な味わいなんですね。もう・・ボトルを抱えて飲みたい・・独り占めしたい・・そんな感覚が沸いて来ちゃうかもしれません。
因みにエージェントさんのレヴューがとても良く書けているので、こちらにも転載しますね。
抜栓したては若干還元していますが、直ぐに飛ぶレベル。非常に素晴らしい香りに、黄色く華やかな香りを放つ花や林檎、軽やかなメロンのニュアンス。そして、時間の経過とともにトーストやローストしたナッツ、アップルパイのようにバターと蜂蜜が交じり合ったとろけるような香りに溢れます。鋭く切り込む様なキレの有る酸と石を舐めているようなミネラルは全体のバランスを保ち、甘口ではないのに甘く感じる程の熟度を軽やかにまとめあげています。その為、果実味は軽やかでありながらギュッと詰まった集中力の有る液体になっています。大振りのグラスで、比較的高めの温度で飲むことをオススメします。
そう・・そうなんですよ・・。その通り。「マノン」のところでも書きましたが、D.R.C.醸造のオート=コートと似た部分は多いんですが、マノンは数倍美味しく、「DH」はD.R.C.オート=コートの醸造とはおそらくソックリながらも、むしろD.R.C.直接リリースのあの凄い白とも相当似ちゃってます。
「これ、美味しい!」
絶対言わせてみたいですね~・・でもちょっと高いですよね~~・・なので、お小遣いの少ない方には難しいかもしれませんが、
「これを飲んだら世界が変わるかも!」
とnoisyが確信した位の品です。飲んでみて欲しいです!・・でも滅茶く少なくて・・すみません!
以下は 2016 les Ponts Blanc V.d.F. のレヴューです。
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【...コシュ=デュリのアリゴテを飲めるのなら、この異端のナチュラリストが造る有り得ない出来のレ・ポン・ブランをも飲むべきでしょう!】
例えば世の中に出れば、自分がどんな評価をされているか・・とかは相当に気になるかもしれません。特に会社勤めの方は、少なくとも上司と上手くやらないと将来が不安に包まれてしまうものなんじゃないかと思うんですね。もっとも、自分の息子を見ていると、
「そんなの関係ね~・・はい・おっxっぴ~・・」
みたいな感じに見えて仕方がありませんけどね。
言ってみれば noisy の場合も、エゴサーチなどはやっている暇も無いですし、実はあんまり気にしてないことに気付いたので、
「もしかして・・親譲り・・か・・ざんねん・・」
と言う気にもなります。
それでも自分が良いと思うことを一生懸命にやる・・それでお客様に納得してもらって生活している・・実現できているかは判りませんが、そんな気持ちでは有ります。
このアリゴテによる、
「とんでも無く高価な白ワイン」
ですが、この中には途轍もない・・・途方もないほどの可能性が詰まっています。
開けたてはやや閉じ気味では有りますが、グラスを一振り、二振りしますと・・いきなり目を覚まして来ます。
その、やや暗い色合いには、
「滅茶苦茶に明るい色彩!」
が潜んでいます。そこまではおそらく誰でも気が付くはずです。ただただSo2を使用したくない一心で極端な酸化を許し、大事なフレーヴァーを根こそぎ失ってしまった・・
「良くありがちなビオの白」
では有りません。そんなワインは、ほぼお茶系のフレーヴァーしか残っていない場合も多いです。
そして、そのフレーヴァーの表現こそ・・この素晴らしいアリゴテの一番の醍醐味でしょう。まるで表現方法は違いますが、コシュ=デュリのアリゴテとタメを張れるほどのポテンシャルだと思います・・余りにタイプが異なるので発狂しそうになりますが・・(^^;;
そして、むしろヤン・ドゥリューが造るピノ・ノワールよりも、もう少し判りやすいはずです。ここには揮発酸はほぼ無いから・・です。
いや・・これは滅茶美味しいと・・個人的には思っています。点を付けろと言われましたら・・
「・・付けますが・・でも言いたくない・・!」
ですね・・。それでも、相当高い点であることは申し上げておきます。
この、非常に「色艶」を感じる色合いに、何かを感じられた方、もしくは、ブルゴーニュワインの新時代を見つめて行きたい方に、是非飲んでいただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2018) les Grands Ponts Rouge V.d.F.
レ・グラン・ポン・ルージュ V.d.F.
【テート・ド・ポンであれほどに美味しいのなら、その上のレ・グラン・ポンは如何ほど凄いんだろうと想像してしまうのが人間の性・・。まぁ、テート・ド・ポン2018を飲んだら・・の話しですが・・】
4本だけです。まぁ・・何を何本、もしくはケースで・・と言って発注したところで大きく削られてしまうので悩むだけ無駄・・と言うことで、担当さんに丸投げしているヤン・ドゥリューの発注です。「良きに計らえ・・」と言う訳です。12、12、12・・と書いたり、ここの入荷は少ないだろうから少し減らして・・などと考えても全く無駄なのでそうしています。昔、一時期は..12、12、12・・と出したら2、0、1とか・・それでプッツンしちゃいましたので、自身の健康のためにもその方が良いんですね。そこそこ理解はしてくれている方が担当してくれているので助かっています。
とはいえ、4本とかの入荷数ですと、余程のことが無い限りは開けられません。もう・・ヤン・ドゥリューはトータルで相当開けちゃってますから・・。自分の支払いで一番ヤン・ドゥリューを開けているのは日本では noisy ですと・・変な自信が有ります。
で、やはりテート・ド・ポン2018が有り得ないほど今も美味しいので・・気になって仕方が無いんですが自重出来ました。間違い無いと思います。
ですが、ヤン・ドゥリュー本人が「太陽のヴィンテージ・・・少々待つ忍耐力が必要。」と言ってますから、その辺は是非ご考慮いただき、お楽しみください。テート・ド・ポンを先に飲み、レ・グラン・ポンは熟成に回す・・のが最良かと思います。検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【ヤン・ドゥリューが思う「グラン・クリュ」の姿を投影したに違いないピノ・ノワールです!】
すみません・・「ジャノ」を開けてしまいましたので、ほぼ同様のクラスと思われるこの「レ・グラン・ポン2017」のテイスティングは今のところ行っていません。申し訳ありません。
入荷の数がどうにもならないので・・エージェントさんの話しによりますと、もうずいぶん前にオーダーしたものが今になってから入って来ているので、来年以降はもう少し安定するんじゃないかと・・言ってました。
まぁ・・余りに少ない割り当てにキレて、一度はヤン・ドゥリューを諦めてしまっていた訳ですから・・。もし残る様でしたら、もっと落ち着かせてからテイスティングさせていただこうと思っています。
こちらは、ヤン・ドゥリューのトップ・ワインの一つであると思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2018) Manon Blanc V.d.F.
マノン・ブラン V.d.F.
【言ってみれば、「自由な羽を手に入れた滅茶苦茶美味しいオート=コート・ド・ニュイ・ブラン」・・素晴らしいです。】-----2016年もののレヴューです。(少なくて飲めませんでした。すみません。)

昨今は全く見かけませんが、D.R.C.が醸造し「カーヴ・オージュ」だったか・・サン=ヴィヴァン修道院のオート=コートの白はどうなっちゃったんでしょうね。以前は最安値で6千円台、高値で1万2千円ほどだったかと思いますが、比較的ナチュラルな風情を持ちつつもまぁまぁなポテンシャルのワインがリリースされ、日本でもブローカー経由で入って来ていました。滅茶苦茶美味しいなどとは思いませんでしたが、やはりD.R.C.が醸造してナチュール系のショップで販売されていた事実が人気を呼んだと思います。
言ってみれば・・ほぼ同じものでしょう。オート=コートですしね。価格も似たようなものです。因みに2010年のマノンは6千円ほどでした・・倍ですね。
しかしながらD.R.C.、カーヴ・オージュのオート=コートは足元にも及ばないほど素晴らしい味わいです。酸はクッキリ、僅かに高目に寄った度数でしょうか。その分、酸の美味しさをたっぷり堪能できます。
しかもビオで白ワインですから・・通常だともっと「色落ち」するのが普通ですよね?・・でもこのワインにはそんな色落ちは感じられず、ゴールドの美しい色合いをしています。
それに加え、「揮発酸」は感じません。全く無いか?・・と聞かれたら、検出は難しいレベル・・と答えるでしょう。気になって仕方が無い人(例えばnoisyとか)だと、無いとは言わないかもしれません。
それよりも、実に冷ややかでちゃんと熟したフルーツをきっちりと感じます。中域が綺麗にぷっくりと膨らんでくれますしほんのりとしたオイリーさ、そこから余韻に掛けてが自然な減衰で美しいカーブを描いてくれます。ついつい飲んじゃうワインですが、ポテンシャルも充分以上・・・カーヴ・オージュのオート=コートの数倍美味しいと思います。
ミネラリティも素晴らしいですよ。キツク成り過ぎず、さりとて実は柔らかなフィルムのように感じられる白いミネラリティがしっかり有ります。
この味わいは・・是非ニコラ・フォールの白と比較してみていただきたいですね。そして、今の自信の評価をしておいて欲しいと思います。この先、もしかしたらその評価が逆転するかもしれないことも想像してしまうかもしれません。ブルゴーニュの将来を担うに違いないヤン・ドゥリュー・・お見知りおきください。お勧めします。
以下は 2010 Manon (Bourgogne Haute-Cotes de Nuits Blanc)のレヴューです。
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【わお!】
ラヴ&ピフ・アリゴテの味わいはいかがだったでしょうか?・・・ものすごくピュアでありながら、ブルゴーニュの色っぽさを持ち合わせ・・・でも重くなくてキラキラ輝いててスイスイ飲めて・・みたいな、とても美味しいアリゴテだったと思います。
こちらのマノンはたったの6本限定入荷・・・なのに飲んじゃった~い!・・ まぁ、初めての扱いの生産者なので赤字覚悟ですんで・・良いんです。
で、こちらのオート=コートの白ですが、赤と同様に素晴らしい仕上がりです・・。
でも、ちょっと横道に逸れますが、
皆さんはどうしてもオート=コートと言うとACブルと余り変わらないようなイメージが有ると思いますが、基本は村名格なんですね。
○コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ
コート・ド・ニュイで有りながら独自の名前を名乗れない4つの村、ブロション、プレモー=プリシー、コンブランシアン、コルゴローワン。
○オート=コート・ド・ニュイ
コート・ド・ニュイの裏手(西側高地)に散在する村、ヴィラール=フォンテーヌ、メサンジュ、クルティ・ヴェルジなど18ケ村。
のように定義されているようですので、シャンボール=ミュジニーやヴォーヌ=ロマネを名乗れない、それらよりも高度の高い位置に有る村のワイン・・ということになりますので、村が基準なんですね。もちろんですが、テロワールがきっちり理解されている可能性はゼロに近いですが・・。
とてもドライでナチュラル。エキスもきっちり出ていて色気のある味わいがブルゴーニュの白を想像させてくれます。ピノ・ブランやアリゴテを連想させるものでは無く、ラヴ&ピフに通じるような、濁りが旨み・・・みたいな、例のCFっぽいニュアンスも有ります。タイミング的には飲むのは少し早く、出来れば2013年の夏が過ぎてからの方が、このワインの本質に気付きやすいかもしれません。でも今は飲めないということでは有りませんよ。
オート=コートのテロワールが判りませんが、純粋で素晴らしいシャルドネだと思います。希少なアイテムです。ご検討ください。
● N.V.(2018) Night Cost V.d.F.Rouge
ナイト・コスト V.d.F.ルージュ
【「夜は高くつく」の意味は全然判りませんが、つるっと入って来てしなやかに食材対応してくれる・・物凄い才能のソムリエさんみたいなピノです!】---以下はN.V.(2017)のレヴューです。

こちらは少し揮発酸が検出出来ます。ですので、耐性の無い方にはお勧めしませんが、
「すぐに気にならなくなってしまう程度」
ですので、ご自身の判断でご選択くださいね。
実はこのワイン、到着してから他のワインよりも比較的早い段階でテイスティングしたんですね。一番下のベースキュヴェにはほぼ揮発酸が無く、こちらは簡単に検出できたので、
「ん~・・やっぱりなぁ・・揮発酸の有る無し・・と言うよりも、それを自身がちゃんとカバーしているかどうか、時が一体化してくれるかどうかを判断しているんだろうなぁ・・」
と思えたワインです。
まぁ・・皆さんの感覚では、
「オート=コートで1万円?・・そんなぁ・・」
と言うところかと思います。
ですが、その植え付けられてしまった既成概念、ヒエラルキーこそを、「感覚の新兵が打ち破るぞ」と言うことなのかもしれません・・全然違うかもしれませんが。
で、これ・・書いた通りです。5分もすれば気にならなくなる程度の揮発酸レベルです。そして10分もするともう・・絶好調なんですね・・。
見るからに「軽い感じのミネラリティ」が光ってみえるような感じでしょう?・・1万超えの上級キュヴェのような複雑性やポテンシャルの高さまでは届かないんですが、
「これぞ素っ裸のピノとはこういうものです!」
と言っているような気がします。
むしろ、この状態で日本に入って来ていることこそが奇跡!・・と思えるほどです。素晴らしい時代になったんだなぁ・・noisy がワインを勉強し始めた30年も前の頃には、全く考えられないことだと・・感じました。
そして、この単に「畑はオート=コート・ド・ニュイ」に過ぎず、ワインの格は「ヴァン・ド・フランス」に過ぎないピノ・ノワールが見せる姿の延長上には、やはりあの大物が見えるんですよね・・敢えて言いませんが・・その大物が持つ、一瞬の間に垣間見せる姿の一部分を、この「ナイト・コスト」も見せてくれるんです。
noisy は、これも有りだと思います。
「でも・・高いじゃん・・」
と思われるかもしれませんが、人の感覚を大きく揺らしてくれるアイテムですから、全然高く無いんじゃないかと・・
「コストに見合う以上の味わいが有る!」
と感じました。
まぁ・・これだけ沢山コルクを抜いてしまうと、
「ヤン・ドゥリューのテイスティングコストは破綻!」
しているのは明らかですが・・お後が宜しいようで・・いや、ご検討くださいませ。
● N.V.(2018) PV V.d.F. Rouge
PV V.d.F.ルージュ
【・・これは美味しい!・・今、マイブーム的なペルナン=ヴェルジュレスの姿をヤン・ドゥリュー風にアレンジしているのが良く判ります!】

非常に精緻です!・・もちろん、滅茶ナチュラルなんですが・・それより、実に心地良いシャンピニオン香に繊細な味わいが長くたなびく・・そして官能さがそこに美しく載ってくる・・そんなペルナン=ヴェルジュレスです。
やはりパカレにも非常に似ていますか、この甘美で官能的なニュアンスはパカレには無い・・かなと。
そして、2017年のマリウス・ドラルシェのペルナン=ヴェルジュレスを飲まれた方には伝わりやすいと思いますが、
「劇的にエレガントで官能的!」
なのが、熟成したピノ・ノワールが生み出す表情でも有る・・と言うことなんですね。
ただしマリウス・ドラルシェは2017年、このPV は2018年と言うことでヴィンテージの違いで2018年物の方がややしっかりしています。その部分に、コルトン・ルージュっぽさを持ちつつ、非常に繊細な襞を感じさせるペルナン=ヴェルジュレスの、コルトンの丘直下の畑のニュアンスが混じる・・そんな感じです。

で、実はこのコラムの下部には、2017年もののPVのレヴューが有りまして、グラスの写真も有りますよね?
ちょっと画角が違いますが、明らかに2018年ものの方が濃い目です・・とは言っても濃くはないですが・・。
で、PV2017年ものの淡い色彩はやや赤み黒味は強いですが、マリウス・ドラルシェの2017年ものペルナンにも共通するかな・・とも思います。マリウス・ドラルシェはレ・ブティエールと言う畑ですが、ヤン・ドゥリューはもう少し西のレ・ノワレ辺りかなぁ・・などと勝手な想像もしてしまいました。違っていたらすみません。
価格的にはそれなりにしますので、ヤン・ドゥリューの中でも中~高価格帯に入って来ます。でも彼のワインの場合、ほとんど畑を特定できませんから、このように少なくとも、
「コルトン=シャルルマーニュの直下のペルナン=ヴェルジュレス村名の畑」
と言うのが判っていますと、ワインを飲む時の密かな楽しみにもつながると思いました。
まだ・・ペルナン=ヴェルジュレスのワインの認知度が低くて結構苦労しましたが、最近はマリウス・ドラルシェのお陰で徐々に拡大しています。是非飲んでみていただきたいと思います。今飲んでも・・ちょっとだけ早いですが、とても美味しくいただけます。「繊細」「適度な熟」「官能さ」に長けた、ヤン・ドゥリューにしかできないスピリット溢れる味わいです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これも激旨ペルナン=ヴェルジュレスのピノ・ノワール!・・こんなになってしまうなんて・・想像もつきません。しかも揮発酸は非常に少ないです!!】
流石に「テート・デ・ポン」には届かないかもしれませんが、これも激旨い!・・マルサネの「マーズ・アタック」が時間を要するのとは異なり、今からでも美味しく飲めてしまうんですね・・。
ちょうどこの日は「ピンク・ムーン」だったようで、どうなんでしょ・・ビオ的には満月ですから、余り飲むには適さない日と言うことだったかもしれません。なので、
「ボトルの写真は少し超細やかな澱が舞っている」
感じに見えていると思います。
実際、舞ってしまっているのは、ボトルを持ち帰る時に車の中で誤って倒してしまったことが原因では有るんですが、この状態で飲んで・・見事に「ピュア!」でした。
勿論ですが超ナチュラルな伸びの良い、ベクトルの向きも外向きな味わいでして、
「5~10分もすると・・滅茶苦茶美味しい!」
です。
そもそもペルナン=ヴェルジュレスは、北東がラドワ、東がアロース=コルトン、南東がサヴィニーに接触した村ですから、ポテンシャルは元々有るはずなんですね。
ですが、
「ペルナン=ヴェルジュレスのピノで超美味しいの、飲んだことあります?」
まず無いですよ・・ね?
しかしペルナン=ヴェルジュレスは、あの素晴らしいシャルドネ、コルトン=シャルルマーニュも産するほどの村ですから、そのミネラル組成はかなり期待が出来るはず・・。
言ってしまえば、ニュアンス的にはコルトンと言うよりもサヴィニー=レ=ボーヌが近いでしょうか。・・でも、シャソルネイのサヴィニーのように、「濃いスタイル」では有りませんで、エキス系のしなやかなタイプです。その系は大抵の場合は「超硬いタイプ」に仕上がります。が、こちらは滅茶苦茶エレガントでしなやか、構成の大きさがしっかりあるのに、それを簡単には見せない感じです。
飲み進めて行くうちにその大きさ、深さに気付かされ、
「・・丸裸のピノって・・こんな感じなんだ・・」
と思われるかもしれません。
これは「絶対に有り」です。おそらくどんな方でも大丈夫だと思います。揮発酸に耐性の無い方でも大丈夫でしょう。ピュア&ナチュラルが際立った素晴らしい出来!飲んでみて下さい。超お勧めします!
● N.V.(2017) Tete de Ponts V.d.F.
テート・ド・ポン・ルージュ V.d.F.
【 「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き印されたコルクが物語るヤン・ドゥリューの挑戦状!?・・比較対象になるのはクロ・デ・コルヴェでしょう!】---以下はN.V.(2015)のレヴューです。

これは素晴らしいです・・。今回届いた上級ラインの中でももっとも精緻で有り、ポテンシャルも高く、そしてもっとも「判りやすい」です。
パカレのワインはそこそこに美味しいですが、結構に出来がブレているし、何より面白みに欠ける・・いや、そんなキュヴェが多い気がします。滅茶美味しいのも有るんですけどね。色気が無い・・感じが近いでしょうか。同じようにD.R.C.辺りの絡みで有名になった訳では有りますが、パカレはちょっと量を求めすぎで忙し過ぎるのでしょう。人間一人にできることは知れています。
どんなワインかを書く前に、ヤン・ドゥリューについて海外メディアの評価を調べてみました・・が、モノの見事に「見当たらず」でした。そりゃぁ・・そうでしょう。おそらく書く勇気が無い・・見て見ぬ振りをしているかと思います。知らない訳が無いですから・・。
しかし、余り詳しくないにしても、そんな海外メディアの誰かが、この「テート・デ・ポン 2015」 だけを飲んだとしたら・・そしてもしその人がちゃんと理解し、今の立場の全てを投げ捨てて正当な評価を下したとしたら、この先のワイン業界も変化強いて行くに違いない・・などとも思っています。
いや~・・これはどの角度からみても相当なものでした。気になる「揮発酸のレベル」は検出限界に近いです。無いと言って良いレベル。その上で、まるで超上質なニュイ=サン=ジョルジュ1級格ほどのワインと同格なポテンシャルを感じさせてくれます。とことんまで自然で、「村田ごんべえさんのジャガイモ」みたいな感じで産直店で売られている、本当に畑の味わいがする美味しいジャガイモのようなニュアンスです。
優しく美しいディテールはやはりニュイ1級の感じ・・プリューレ・ロックのクロ・デ・コルヴェが比較対象に良いんじゃないか?・・と思えるような味わいで、クロ・デ・コルヴェと比較するなら、より優雅で繊細、ロックのクロ・デ・コルヴェの抽出は強いんじゃないか?・・などとも思えてしまうような丁寧に仕立てられた極上葡萄由来のエレガンスを感じます。

とても良く香り、そのアロマには濁った部分がありません。勿論ですがとてもD.R.C.的で有りますが、D.R.C.のように・・新樽100%なのに「樽による化粧」の影響などは一切感じません。
「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き付けられたコルクは、この「テート・デ・ポン」だけでは有りませんが、ヤン・ドゥリューのさり気ない・・もしくは強烈なアンチテーゼのようなニュアンスに思えて仕方が有りません。
「そんなに厚い化粧してどうすんのよ?・・すっぴんが良いんだよ。」
「薬品?・・そんなもの、使いたくないよ。病気になったらどうするのよ。」
「どう造っているか・・だって?・・そんなの、簡単には言えないよ。なりたいようにさせ、やりたいようにやるんだよ・・。」
そんな感覚を受けますが、それでも彼はきっと、古いものを大事にしている人じゃないかと思うんですね。そして感覚が滅茶鋭く、判断が早い・・そんな気がしています。
ですから、この「テート・デ・ポン」を飲むと、物凄く上質なピノ・ノワールを飲んでいる気になります。超高級なピノを飲まれていらっしゃる方なら、きっと「当てはめたい比較対象」がポンポン・・ポンだけに・・いや・・出てくると思うんですね。きっとその比較対象になったワインこそが、
「このテート・デ・ポンの格」
で有り、「感覚の新兵」の階級なのでしょう。もっともヤン・ドゥリューはその「新兵」と言う単語で、「格」とか「階級」を否定しているに違い在りません。
素晴らしいピノ・ノワールでした。
海外メディアさん!・・ドイツの素晴らしいピュアなシュペートブルグンダーには96ポイントを付けるクセに、フランスの素晴らしい・・ナチュラルなピノ・ノワールは無視ってどうなんでしょうね。PKさんはそれでも、
「ポンX のワインは酸化している」
と、無視などはしなかったですよ。正確な判断かどうかは別にするとしても・・。是非、「新兵からの挑戦」を受けて立って欲しいと願います。ご検討くださいませ。絶対に損はしないと確信しています。
● N.V.(2015) GC V.d.F.
GC V.d.F.
【ヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェのひとつ!・・本人が最高だったと語る2015年ものです!】
悩ましいです・・激レアなようで、たったの1本だけの入荷でした。
ですが、ヤン・ドゥリュー自身は2015年ものをこのように語っています。
「僕にとって最高のヴィンテージ。日照時間が長く、熟成度が高く、酸と果実のバランスが文句の付けようがない程取れている。美しい質感と果実のヴォリュームがあり、ある意味ワインが造りやすかったヴィンテージ。難しい問題は何も起きなかった。」
確かに、2015年もののブルゴーニュ・ピノ・ノワールは2005年ものと同様に非常に健康的で美しく、その中に様々な要素を持ちながらも健全だったヴィンテージ故のスムーズさが、その複雑な要素をマスキングしていたと思います。
ですので、2015年もののヤン・ドゥリューのトップ・キュヴェと言うことになりますから・・何とか飲めないかと思っていましたが、道は閉ざされてしまったようです。
もっともヤン・ドゥリューはビオで、So2 も使用しませんから・・そこのところを充分に承知の上で飲むことにしないと・・通常のブルゴーニュワインとは「振る舞い自体が異なる」ことを覚えておいていただければと思います。
簡潔に言うならば・・通常の若いワインは抜栓直後はやや硬めで徐々に柔らかさを見せて来ます・・が、ヤン・ドゥリューの場合はリリースのタイミングも遅いことも有りますが、直後はむしろ非常に柔らかいです。そこから少々の時間を得て、キュッと締まりだす感じ・・でしょうか。それ以降の姿がむしろ真の姿と言えるかな?・・と思っています。
また2015年ものだからそろそろ良いだろう・・とは思ってしまいがちですが、何しろ輸入して時間が余り経っていませんので休養も与えたいですし、他の造り手のキュヴェが2020年~2021年のリリースだから、5~6年の熟が入っていて・・もう良いはず・・と言う考え方よりも、
「2015年ものだとしても、2020~2021年リリースのものと一緒」
と言うつもりで扱っていただいた方が、多分・・上手い具合に行くと思います。2020~2021年ものをいつ飲むか?・・みたいな感覚ですね。
この2015年ものを現地でテイスティングした担当さんによりますと、相当凄いそうです・・まぁ、話だけですが・・(^^;; やはり自分で確かめないとね・・ご検討どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです
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【GC ..それはジュヴレ=シャンベルタンの葡萄だからと言う意味でのGevrey-Chambertinの略。・・でも、そこには間違いなく、Grand Cru の意味を持たせていると感じます。】
恐ろしく高いジュヴレ村名・・の葡萄を仕上げたワインです。
GC ですよ?
これはもう、ヤン・ドゥリューの命名では有りますが、間違い無く「グラン・クリュ」の意味を込めているでしょう・・そう思います。
昨年の入荷時には完全赤字のテイスティングを決行してしまいましたし、今回も全部販売して何とかトントンになるくらいでしょうから、今のところはこのGC、飲む予定はないんですが、もし余ったら・・飲みますよ。
完全無欠のSo2無し、しかもヤン・ドゥリューのワインとすると、最高のアペラシオン格です。noisy も2002年のプリューレ・ロックのクロ・ド・ベズを舐める程度ですが飲んでいますから、
「それから干支が一周した2014年の、ロックの意志を継ぐ者のジュヴレ村名を飲んで、記憶の中のクロ・ド・ベズと、記憶の中のロックの古いグランドルディネールと比較する!」
のを楽しみにしています。
ので・・何とか1本は残しておこうと思います。ヤン・ドゥリューの最高のワインの一つです。ご検討くださいませ。
● N.V.(2017) les Grands Ponts Rouge V.d.F.
レ・グラン・ポン・ルージュ V.d.F.
【ヤン・ドゥリューが思う「グラン・クリュ」の姿を投影したに違いないピノ・ノワールです!】
すみません・・「ジャノ」を開けてしまいましたので、ほぼ同様のクラスと思われるこの「レ・グラン・ポン2017」のテイスティングは今のところ行っていません。申し訳ありません。
入荷の数がどうにもならないので・・エージェントさんの話しによりますと、もうずいぶん前にオーダーしたものが今になってから入って来ているので、来年以降はもう少し安定するんじゃないかと・・言ってました。
まぁ・・余りに少ない割り当てにキレて、一度はヤン・ドゥリューを諦めてしまっていた訳ですから・・。もし残る様でしたら、もっと落ち着かせてからテイスティングさせていただこうと思っています。
こちらは、ヤン・ドゥリューのトップ・ワインの一つであると思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2017) Jeannot V.d.F. Rouge
ジャノ V.d.F. ルージュ
【ヤン・ドゥリューの秘蔵酒、ジャノです!2017年らしい繊細さ・・そして、まさに「官能的なパカレ」「(むしろ)精緻な昔のプリューレ・ロック」です!】

ようやく・・飲めました!・・そしてヤン・ドゥリューが何をどう考えているか・・も、このジャノ2017年を飲んでちょっとだけ理解出来たような気がしています。
彼が求めているのは、
「ピノ・ノワールは繊細で有りながら複雑性に富んだワイン」
だと・・思います。淡い色合いから途轍もないほどの表情を出してくれます。
しかしながらその表情は非常に繊細で、例えばアメリー・ベルトーで言うなら熟したコート・ド・ニュイ=ヴィラージュです。とことんドライで、繊細な表情を持ちながらも官能的です。
何とも言えぬ上立香・・ノーズに柔らかに飛び込んできて、シャンピニオンの高質で繊細な、あの香りがします。因みにこの時点では揮発香は嗅ぎ分けられません。
どこか中性的であり、男じゃないし女性だとも言い切れない・・そんな気もしますが、地球が・・自然が・・生み出した大切なもの・・と言うようなメッセージが込められているようにも思います。
中域は適度に膨れ、精緻さを保ったまま・・何とも静かでとても長い良いニュアンスを残してくれます。後半以降、僅かに揮発な香りを分離できますが、これはちゃんと落ち着かせて飲めばこのようなことは無いでしょう。
素晴らしくエレガンスを感じつつ、妖艶さも押しつけがましく無く漂っています。いや・・良いワインだ・・と。

言ってしまえば、やはりパカレが近いでしょうか。ただし、精緻なだけでどこかつまらなさを感じるような・・(すみません・・)、やる気の無さは全く感じ無いんですね。
そしてやはり「ロック」を感じます・・が、ロック親父ほどのアヴァンギャルドさ、パワフルに振る舞う感じはしないです。
大昔の話しで申し訳ありませんが、noisy もプリューレ・ロックに出会って・・
「・・なんじゃこりゃ・・!・・これもワインか・・?」
と・・(^^;;
まるで丸太で頭を殴られたような気がしました。
「‥このワインがルロワの・・甥っ子?・・そしてD.R.C の共同経営者になるの・・?・・マジすか・・!」
と。
ルロワのワインとは、とんでも無く違うように思いました。ですがエネルギー、エナジーと言う意味では同じ方向を向いているのかもしれない・・とも感じました。とんでも無い奴が出て来たと思った訳です。
そして、ロックが自分のドメーヌを拡張し、日本にもプリューレ・ロックが普通に入って来ました。最初の内はロックだなぁ・・と思ったのもつかの間、それからはずいぶんとブレの多いワインになって来た・・そう思っているうちに、とんでもなく値上がりして行って・・今は中々手を出せずにいます。もう大昔に丸太で殴られた時のような、プリューレ・ロックの魂の籠ったような味わいには出会えません。
やはりこのジャノを飲むと、大昔のロックのイメージとダブります。繊細で内に秘めた静かなエネルギーの大きさに驚くんですね。
因みに、この「ジャノ」を評価しているメディアを見つけました。セラー・トラッカーが2015年ものを94ポイントと・・評価していたんです。初めて見ました・・。まぁ、会員が好きなことを言い合うようなSNSタイプのサイトでは有りますが、それでも外人さんがこのポイントを付けたことに・・少し驚きも感じました。
素晴らしいワインだと思います。もちろん、好みも有ると思いますので、すべての方が良い評価をするワインではないとも・・思います。
ですが少なくとも、高級料飲店さんでは滅茶ウケているようです。ワインオタク・・(すみません。。)よりも、食とワインを楽しむ方が、ヤン・ドゥリューを支持しているというんですね。
それはちょっと判ります。何とも酔いが軽い・・(^^ で、滅茶エレガントなのに官能的で、素材を生かした繊細なお料理にも合うタイプだと感じます。もしご予算が合うようでしたら挑戦してみてください。プリューレ・ロック・スピリットの継承者のトップワインです。
以下は以前のレヴューです。
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【激レアです!・・一般的なアペラシオンの格付けを完全に否定したヤン・ドゥリューのフラッグシップ!】 どうしようかと・・本当に悩んだのですが、潔く諦めました。何せ2本しか無いので・・もう少し多めに入ったワイン屋さんは有るのでしょうが、どっちにしても彼らは自分では絶対に開けないでしょうから、
「ここはひとつ・・開けるか!」
とは思っていたんですが、前回のヤン・ドゥリューの入荷の時に赤はほぼ全部開けてしまいましたので、今回入荷分は白にテイスティングの予算を割り振りました。まぁ・・本当に儲からない商売です。
そもそもヤン・ドゥリューは、自身の中にある畑の格付けで栽培も醸造も・・行っていますから、
「ジュヴレ=シャンベルタン村名よりもオート=コートのレ・グラン・ポンが上!」
なんですね。
まぁ、ジュヴレ=シャンベルタンの「GC」もかなり良い値段では有りますが、
「ホワイト・ピノ ホワイ・ノット? 2017年を飲んでしまえば・・それは必ずや正しいに違い無い。」
と思わずにはいられません。
言ってしまえば、
「彼の持っている彼の畑のヒエラルキーは、葡萄品種さえ大きな関係が無い」
訳です。
しかしながら、その葡萄品種を見つめていない訳では無く、その葡萄そのものと常に対峙し向き合う事で、その畑のポテンシャルを最大限に発揮している・・その結果がホワイ・ノット?で有って、この「ジャノ」なのでしょう。
残念ながらせっかく入手出来た2014年GCも、この2014年ジャノもnoisyは 今のところは飲めてはいませんが、
「この2年間でヤン・ドゥリューのワインを一番沢山身体の中に収めた日本人は、おそらく noisy」
でしょうから、ヤン・ドゥリューの思惑も、ヤン・ドゥリューのワインのささやきも・・一番判っていると思っています。
ですので、お勧めはしませんが、
「物凄い経験になるに違いない!」
のは間違い無いと思います。・・結果的に彼のワインが好きか、嫌いかに関わらず・・。
飲んだ担当さんに印象を聞くと、
「何とも言葉にして説明がし辛い・・しかし、その存在感に圧倒される・・だから筆舌に尽くしがたいと言うしかない・・」
そうです。
「(・・そこを何とか言葉にしなきゃいかんだろ!)」
とは突っ込みませんでしたが・・(^^;; まぁ、彼らはワイン屋では有りませんから、ワイン屋に何とかワインを買ってもらえるようにするのが仕事で、ワインの味わいやポテンシャルの説明は、その仕事の一部分に過ぎない訳で・・あ、これは相当に変ですね。ワイン屋はワインを飲むことが仕事では有りませんで、お客様にワインを買って貰うのが本来の仕事なのでしょうから。
日本はともかく、海外では専門サイトのようなネットショップも見当たるヤン・ドゥリューです。いずれ凄いことになるんじゃないかと思っています。ご検討くださいませ。
● N.V.(2017) DH Blanc V.d.F.
DH ブラン V.d.F.
【激旨!・・虚飾を排したブルゴーニュ・シャルドネの真っ裸の姿がここに有ります!】---以下はN.V.(2015)もののDHのレヴューです。

激旨いです。ヤン・ドゥリューの真の姿を知るには、むしろピノ・ノワールよりもシャルドネや白ワインの方が、より判りやすいかもしれません。だって・・これ、美味しくないと言う人はいないと思うんですよね・・。DH(デー・アッシュ)はニュイ=サン=ジョルジュ近郊のダム・ユゲットと言う畑名由来の頭文字のようです。
何よりも自然です。ナチュラルなんだけれど・・そうは言いたくない・・感じで、むしろ、滅茶苦茶美味しい有機野菜を食べている感じと同類なんです。こってりした部分も有りますが、でもさらりと・・しています。さらっとしているとも思いますが、実は物凄く奥深い自然さです。
揮発酸は無く、滋味深~い・・フルーツの自然な味わいなんですね。もう・・ボトルを抱えて飲みたい・・独り占めしたい・・そんな感覚が沸いて来ちゃうかもしれません。
因みにエージェントさんのレヴューがとても良く書けているので、こちらにも転載しますね。
抜栓したては若干還元していますが、直ぐに飛ぶレベル。非常に素晴らしい香りに、黄色く華やかな香りを放つ花や林檎、軽やかなメロンのニュアンス。そして、時間の経過とともにトーストやローストしたナッツ、アップルパイのようにバターと蜂蜜が交じり合ったとろけるような香りに溢れます。鋭く切り込む様なキレの有る酸と石を舐めているようなミネラルは全体のバランスを保ち、甘口ではないのに甘く感じる程の熟度を軽やかにまとめあげています。その為、果実味は軽やかでありながらギュッと詰まった集中力の有る液体になっています。大振りのグラスで、比較的高めの温度で飲むことをオススメします。
そう・・そうなんですよ・・。その通り。「マノン」のところでも書きましたが、D.R.C.醸造のオート=コートと似た部分は多いんですが、マノンは数倍美味しく、「DH」はD.R.C.オート=コートの醸造とはおそらくソックリながらも、むしろD.R.C.直接リリースのあの凄い白とも相当似ちゃってます。
「これ、美味しい!」
絶対言わせてみたいですね~・・でもちょっと高いですよね~~・・なので、お小遣いの少ない方には難しいかもしれませんが、
「これを飲んだら世界が変わるかも!」
とnoisyが確信した位の品です。飲んでみて欲しいです!・・でも滅茶く少なくて・・すみません!
以下は 2016 les Ponts Blanc V.d.F. のレヴューです。
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【...コシュ=デュリのアリゴテを飲めるのなら、この異端のナチュラリストが造る有り得ない出来のレ・ポン・ブランをも飲むべきでしょう!】
例えば世の中に出れば、自分がどんな評価をされているか・・とかは相当に気になるかもしれません。特に会社勤めの方は、少なくとも上司と上手くやらないと将来が不安に包まれてしまうものなんじゃないかと思うんですね。もっとも、自分の息子を見ていると、
「そんなの関係ね~・・はい・おっxっぴ~・・」
みたいな感じに見えて仕方がありませんけどね。
言ってみれば noisy の場合も、エゴサーチなどはやっている暇も無いですし、実はあんまり気にしてないことに気付いたので、
「もしかして・・親譲り・・か・・ざんねん・・」
と言う気にもなります。
それでも自分が良いと思うことを一生懸命にやる・・それでお客様に納得してもらって生活している・・実現できているかは判りませんが、そんな気持ちでは有ります。
このアリゴテによる、
「とんでも無く高価な白ワイン」
ですが、この中には途轍もない・・・途方もないほどの可能性が詰まっています。
開けたてはやや閉じ気味では有りますが、グラスを一振り、二振りしますと・・いきなり目を覚まして来ます。
その、やや暗い色合いには、
「滅茶苦茶に明るい色彩!」
が潜んでいます。そこまではおそらく誰でも気が付くはずです。ただただSo2を使用したくない一心で極端な酸化を許し、大事なフレーヴァーを根こそぎ失ってしまった・・
「良くありがちなビオの白」
では有りません。そんなワインは、ほぼお茶系のフレーヴァーしか残っていない場合も多いです。
そして、そのフレーヴァーの表現こそ・・この素晴らしいアリゴテの一番の醍醐味でしょう。まるで表現方法は違いますが、コシュ=デュリのアリゴテとタメを張れるほどのポテンシャルだと思います・・余りにタイプが異なるので発狂しそうになりますが・・(^^;;
そして、むしろヤン・ドゥリューが造るピノ・ノワールよりも、もう少し判りやすいはずです。ここには揮発酸はほぼ無いから・・です。
いや・・これは滅茶美味しいと・・個人的には思っています。点を付けろと言われましたら・・
「・・付けますが・・でも言いたくない・・!」
ですね・・。それでも、相当高い点であることは申し上げておきます。
この、非常に「色艶」を感じる色合いに、何かを感じられた方、もしくは、ブルゴーニュワインの新時代を見つめて行きたい方に、是非飲んでいただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2018) les Grands Ponts Blanc V.d.F.
レ・グラン・ポン・ブラン V.d.F.
【マンダリン・ジュースでは有りません。半端無く複雑緻密な味わいのアリゴテ・・ブルゴーニュでしょ?・・もうあり得ない世界です!】---2017年もののレヴューです。

凄い色ですよね・・。これってオレンジワインなんでしょうか。noisy はオレンジワインの定義を知らないので、これがオレンジワインなのかは判断できません。
しかしながら、非常に複雑な味わいです。フルーツ感からお茶まで・・物凄い色彩のグラデュエーションを描いてくれます。
味わいは非常にドライで、甘みはゼロ。揮発酸も有りません。
また、マセラシオンしていますので、タンニン分も有ります・・が、非常にまろやかです。マリアージュも結構に何でも行けます・・。和食にも、中華にも、そして洋食にも合います。
合わないのは・・「甘いもの」です。これが口に入りますと・・ワインの味わいが「ぺったんこ」になります。なので甘くないものが得意です。油ものなどは大得意!・・その食も美味しさを増してくれますし、このレ・グラン・ポン・ブランもさらに深い味わいになって来ます・・不思議なのは・・
「むしろ甘みを増やしてくれる!」
感じがするんですね・・。

マリアージュの方を多く書いてしまいましたが、ワイン単体でも・・これは相当に味わい深いです。このオレンジな色彩からは、想像できないほどに深い・・しかもこれ、
「アリゴテ」
なんですよね。ピノ・グリではない・・んです。
ピノ・グリは灰色をしているのが普通では有りますが、これを漬け込みますとオレンジな色合いになります。
ですが、noisy 的には・・淡いピノ・グリのオレンジ色は、時と共にどんどん淡くなるのを知っています・・と言うか、やってみたのでその結果、そうなったと言うだけですが・・。
しかし・・さらには、その色彩が消えてくると・・味わいはさらに深くなって美味しさ・・旨味が増して来ていました。
とするなら、
「もしこのレ・グラン・ポン・ブランのオレンジ色が淡く成ったら・・どうなる?」
ただでさえ複雑性が高いのに・・一体どうなっちゃうの?・・と、noisy も持論が有りますので、ちょっとこれは末恐ろしいことになってしまいます。
すみません・・結論は出せませんが・・ヤン・ドゥリュー..面倒な人ですね~・・。しかし滅茶苦茶楽しいです。ブルゴーニュワインで、まだ知らない世界がnoisy にも有った訳ですね。是非挑戦してみて下さい!・・ビックリな世界が待っています!
● N.V.(2017) les Grands Ponts Blanc V.d.F.
レ・グラン・ポン・ブラン V.d.F.
【マンダリン・ジュースでは有りません。半端無く複雑緻密な味わいのアリゴテ・・ブルゴーニュでしょ?・・もうあり得ない世界です!】

凄い色ですよね・・。これってオレンジワインなんでしょうか。noisy はオレンジワインの定義を知らないので、これがオレンジワインなのかは判断できません。
しかしながら、非常に複雑な味わいです。フルーツ感からお茶まで・・物凄い色彩のグラデュエーションを描いてくれます。
味わいは非常にドライで、甘みはゼロ。揮発酸も有りません。
また、マセラシオンしていますので、タンニン分も有ります・・が、非常にまろやかです。マリアージュも結構に何でも行けます・・。和食にも、中華にも、そして洋食にも合います。
合わないのは・・「甘いもの」です。これが口に入りますと・・ワインの味わいが「ぺったんこ」になります。なので甘くないものが得意です。油ものなどは大得意!・・その食も美味しさを増してくれますし、このレ・グラン・ポン・ブランもさらに深い味わいになって来ます・・不思議なのは・・
「むしろ甘みを増やしてくれる!」
感じがするんですね・・。

マリアージュの方を多く書いてしまいましたが、ワイン単体でも・・これは相当に味わい深いです。このオレンジな色彩からは、想像できないほどに深い・・しかもこれ、
「アリゴテ」
なんですよね。ピノ・グリではない・・んです。
ピノ・グリは灰色をしているのが普通では有りますが、これを漬け込みますとオレンジな色合いになります。
ですが、noisy 的には・・淡いピノ・グリのオレンジ色は、時と共にどんどん淡くなるのを知っています・・と言うか、やってみたのでその結果、そうなったと言うだけですが・・。
しかし・・さらには、その色彩が消えてくると・・味わいはさらに深くなって美味しさ・・旨味が増して来ていました。
とするなら、
「もしこのレ・グラン・ポン・ブランのオレンジ色が淡く成ったら・・どうなる?」
ただでさえ複雑性が高いのに・・一体どうなっちゃうの?・・と、noisy も持論が有りますので、ちょっとこれは末恐ろしいことになってしまいます。
すみません・・結論は出せませんが・・ヤン・ドゥリュー..面倒な人ですね~・・。しかし滅茶苦茶楽しいです。ブルゴーニュワインで、まだ知らない世界がnoisy にも有った訳ですね。是非挑戦してみて下さい!・・ビックリな世界が待っています!
● N.V.(2018) la Gouzotte Rouge V.d.F.
ラ・グゾット V.d.F.
【ヤン・ドゥリューの名刺代わり!・・2017年ものよりも、彼の意識をより判りやすい出来だと思います!】

もう、見るからに・・です。目に見えて「揮発酸」の存在が写っているかのような写真です。その意味では、昨年ご紹介させていただいた2017年ものよりも、
「揮発酸はたっぷり生成されている」
と言えると思います。
なので、
「揮発酸に弱い方は・・」
「ノーマルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールがお好きな方は・・」
「昔からワインを飲まれている方は・・」
「・・お控えいただいた方が良いと思います。」
と・・今までならそのように言ってきました。
ですが2つの理由で、今回はそれを余り強く言わないようにします。
その理由の一つ目は、昨年のヤン・ドゥリューの入荷分のピノ・ノワールの販売で、飲まれた感想をたずねると・・
「滅茶苦茶美味しかったです!」
と、全てのお答えが同じだったから・・です。
勿論ですが、気に入らなかった方に聞いてない・・言ってないと言うのは有るかもしれませんが、結構な人数におたずねしたんですね。この方は古くから飲まれているから、きっと否定的な結果だろうと推測して、余りお渡ししたく無かった方からも、そのように言われましたのでビックリしてしまいました。
2つ目の理由は、
「画像ではしっかり・・揮発酸が写っているように、それなりに揮発酸はあるんですが、そのレベルは・・実は結構低い!」
んです。だから・・揮発酸そのものさえ、感じられない方もそれなりの割合でいらっしゃるんじゃないかと思ったからです。それに、この揮発酸レベルでは、将来的には完全に溶け込んで判らなくなるだろう・・とも踏んだからですね。

エッジにはオレンジさえ・・見えます。2018年ものですよ?・・。普通ならあり得ないですよね。揮発酸を生成した場合、こんな絵になることが結構にあります。そして何となくですが、グラスの色さえ少し曇らせたような成分が見える・・のがお判りでしょうか。
しかし・・グラスを伝う何本かの長い足・・も見えますよね?・・粘性が高いので相当に熟度が高い・・でもアルコール分は13度で普通よりも低い位なんです。なので、これはアルコール度の高さだけによらないグラ・・と言うことになります。エキスが濃い・・と言うことでしょう。
果実がちょっと熟し始めのようなアロマが混じります。ピュアな果実も有ればドライフルーツ化したものも混じります。果実の皮も有り、結構複雑性が高いです。中域は膨らみ、ここでちょっと気付くはずです。
「確かに揮発酸の気配はあるけれど・・全然普通に近い・・」
そうなんですね・・で中盤以降、余韻には、確かに揮発酸生成で欠落した部分の味わいも有るんですが、付加された表情も多分に有って・・
「・・結構・・いいじゃん・・ナチュラルだし・・」
と言うような印象に落ち着くんですよ。
まぁ、ある意味「サン・スフル」でこれほど美しく仕上げるのは・・難しいんだろうなぁ・・と感じます。ロックの親父さんもやはり・・クロ・ド・ベズにさえSo2を入れたくなかったんだろうと思います。ヤン・ドゥリューもおそらくそうなんでしょう。だからこその・・
「名刺代わり」
だと気づきました。
その名刺は・・
「毎年、印刷し直される!」
のでしょう。ご検討くださいませ。
以下は2017年もののレヴューです。
-----
【本人曰く「名刺代わりのキュヴェ」!・・では有りますが、物凄くちゃんと出来過ぎていて名刺代わりになっているのかは疑問・・(^^;; 勿論、とても美味しいですよ!】
黒みを帯びた赤果実、赤みの有る黒っぽい果実・・どちらもしっかり、ピュアに感じられる素晴らしいピノです。そしてナチュール度もしっかり!・・
「そうか・・ヤン・ドゥリューってこんな感じなんだ~!」
と素直に思っていただける方は非常に有難いですが、noisy 的 にはちょっと不満も有ります。
「確かにテート・デ・ポン(一番高いの)やPV (次に高いの)のニュアンスには近いけれど、それ以外のキュヴェには有って、このラ・グゼットには全く無いものが有るってのは・・名刺代わりになるの~?」
と思ってしまった部分も有るんですね。
確かにこのラ・グゼットはとてもちゃんとしています。ですから、とても美味しいし精緻、美しいです。でも、
「・・・これには揮発酸は無いじゃないか!」
とも思ってしまう訳です。ですから、揮発酸の有るキュヴェの名刺はどこ?・・ってな訳ですね。
いやいや、物足りないなどとは言いませんよ。揮発酸は、ワイン本来の表情をその生成量や残存酵素の量により、削ってしまいます。しかしながらヤン・ドゥリューのピノは、
「その削れ方がエグイほど少ない!」
のが特徴なんですね。
そのうえで、
「この揮発酸は必要不可欠な表情でも有る」
とさえ感じていました。

まぁ・・そんなことを言いましても、これよりも上級キュヴェにつきましては、
「こちらは検出限界に近い」
とか、「無い」とか書いていますが、本当に正確に言いますと・・どのキュヴェにも少なからずあることは有ります。言っちゃえばこのラ・グゼットにも有りますが、本当に検出限界なんですよね。
なので、「無い」と感じてしまう訳です。でも実際にはほんの僅かに有り、ヤン・ドゥリューのピノのその割合は非常に少ない訳でして・・しかも完全に一体化しているか、これからの熟で一体化すると感じられる訳です。
まぁ、オート=コートの比較若木で造られたキュヴェのようでして、2017年ものは偶然に生成が少なかったのかもしれません。実にピュアでちゃんとしています。ヤン・ドゥリューの他のキュヴェ同様に柔らかで白くふにゃふにゃしたミネラリティが顔全体に張り付いてくるかのようです。中域にはちゃんと膨らみが有って、余韻も美しい・・・
「言ってしまえばニコラ・フォールのピノに最も接近できるキュヴェ」
でも有ります。
ブルゴーニュの次世代を担うはずの二人が、ニュアンスが近いキュヴェが有るとはいえ、それでも相当に異なる・・距離が有るとも感じています。
「ヤン・ドゥリューは最先端で有り最もクラシックで有り然児で有り反逆者で有り救世主で有る・・かもしれない」
そう思わせてくれるのがヤン・ドゥリューのピノです。これが名刺だと言うなら名刺自体の出来は不完全だと・・ワインは上出来なんですけどね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2018) Black Pinot V.d.F.
ブラック・ピノ V.d.F.
【このアロマと味わいは、正にスパイシーなピノのブラックな部分を取り出した美味しさ!・・それは淡い赤を積み重ねた、ヤン・ドゥリュー的ビオ栽培のなせる技でした!】

2010年もの以来の入荷でしょうか?・・一時、余りに少ない割り当てに怒りを感じ、止めてしまっていた時期が有りましたので・・しかし、2010年もののご案内の頃はまだグラスの写真を撮っていませんでしたので、残念ながら今回の2018年ものと比較が出来ません。2010年ものの頃はもう少し「淡い色の仕上がり」だったかと思います。
少し揮発酸を感じるグゾットとは対照的に、ほとんど検出限界に近い・・ブラック・ピノです。ヤン・ドゥリューは結構に色々なアプローチの仕方を栽培にも取り入れています。
その一つがハーヴェスト時期をずらすこと・・。まぁ、かのルロワでは、全くハーヴェストしないことが有名で、とぐろを巻いたような凄い状態の葡萄のツルの畑を見つけると・・それがルロワの所有だ・・と判るようです。
どのようにずらすか?・・は、通常よりも先に延ばすのでしょうが、その上で他の造り手よりも収穫のタイミングが遅くなるようです。なので、このような深い・・一見すると、
「相当に黒く見える」
色彩だと思います。

しかしながら面白いのは、こんな味わいはどこかで飲んだぞ・・?・・と思い当たるのは・・やはりルロワ。スパイシーでそれなりに黒っぽさが見えて、エナジーが物凄く感じられて・・・あ、ルロワのコルトンだ・・それに近い表情があるぞと、テイスティング時に思い出しました。
で・・さらに思い当って・・このグラスの底に溜まった部分を飲んでみたんですね・・それが3枚目の写真です。
どうでしょう・・3枚目の写真。こんなに淡いんですね。本当は澱を撮りたかったんですが、実際は結構あるのに写真には写りませんでした・・残念!
しかしこの澱の部分が滅茶美味しい!・・物凄いエナジー感です!熟したラ・ターシュの澱も大きいのを避けて飲むと滅茶美味しいですけどね・・何か色々と思い出してしまいました。
比較的内向的な部分を持つ名刺代わりのグゾットに比較しますと、ブラック・ピノは相当にエネルギッシュで外向的です。しかもよりピュア・・ナチュラル感も半端無いですが、アヴァンギャルドさは余り感じ無いですね。むしろ精緻さを強く感じます。中盤以降、余韻も酸が美しくて2018年もののブラック・ピノは結構に良い出来だと感じます。

それにしても、ピノって美しいですよね。ワインの飲み手は、これほどに淡い色彩を積み重ねた色をグラスの上から、横から見ながら飲んでいるのが判ります。
そして・・単に淡いだけじゃなく、まるで中央部分が盛り上がっているかのようにも見えてしまいますし、ロックのワインもこんな感じだったとも・・。
やはりヤン・ドゥリュー、只者では無いぞと思わざるを得ません。このエナジー溢れる味わいを是非お確かめください。お勧めします。
以下は2010年もののブラック・ピノのレヴューです。
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【旨い!】
いや、ちょっとびっくりな味わいでした!確かにオート=コートと言えばそれっきりなんですが・・ニュアンスは、勿論良い時のプリューレ・ロック(全然パカレ風ではない)にも少し似てるし、・・いや、そこまで豊かではない・・じゃぁ、ジャッキー・トルショーか・・・?いや、そこまでミネラルは少なくない・・・でも、とてもエレガントで凝縮していて、ミネラリティは物凄い!ヴォーヌ=ロマネにも近いか?・・ジュヴレ風では無いな・・
と言う様に、実に様々なイメージが溢れてくるんですね!そして何よりもコンディションが素晴らしい!ビオ系のワインはやはりビオ系のエージェントさんじゃないと、ここまでのコンディションは保てません。
価格についても、
「高いな~!」
と思われるかもしれませんが、価格は村名ワインと同様くらい・・と思っていただければ、マイナスイメージは無くなるでしょう。こんなワインを飲むと、
「やっぱり自然派は良いな~!」
と思ってしまいます!
グラが有って凝縮していて、とてもスパーシーでなにより透明感のある長い余韻、たっぷりなミネラリティが素晴らしいです。是非このワイン、一度飲んでみてください!。超お奨めです!
● N.V.(2016) CDN V.d.F.
CDN V.d.F.
【こちらもすみません・・飲んでいません。】
どうなんでしょう?・・オート=コートの畑では無く、コート・ド・ニュイの葡萄をブレンドしたキュヴェなのかもしれませんね。ならば、一般的な格としてはA.C.ブルゴーニュと同等位なのか?・・と想像しています。でもブラック・ピノより高いですから、やはり飲んでみないと何とも言えません。
今回テイスティング出来た赤は、「グゾット」と「ブラック・ピノ」だけですが、ま~・・それぞれ印象が全然違うんですよ。グゾットは・・前回入荷分とは違って揮発酸はレベルは低いもののそれなりに有り、ブラック・ピノは無い訳では無いが、「有る!」と大声で言うようなレベルでは無いんですね。
で、そのどちらのキュヴェも、noisy は肯定します・・が、それぞれに印象が異なる訳です。なので、
「飲んでいない CDN については、これ以上何も言えない・・」
ので・・本当にすみません。残ったらテイスティングの乾期に飲みたいと思っています。ご検討くださいませ。
● N.V.(2016) Tete de Ponts V.d.F.
テート・ド・ポン・ルージュ V.d.F.
【 「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き印されたコルクが物語るヤン・ドゥリューの挑戦状!?・・比較対象になるのはクロ・デ・コルヴェでしょう!】---以下はN.V.(2015)のレヴューです。

これは素晴らしいです・・。今回届いた上級ラインの中でももっとも精緻で有り、ポテンシャルも高く、そしてもっとも「判りやすい」です。
パカレのワインはそこそこに美味しいですが、結構に出来がブレているし、何より面白みに欠ける・・いや、そんなキュヴェが多い気がします。滅茶美味しいのも有るんですけどね。色気が無い・・感じが近いでしょうか。同じようにD.R.C.辺りの絡みで有名になった訳では有りますが、パカレはちょっと量を求めすぎで忙し過ぎるのでしょう。人間一人にできることは知れています。
どんなワインかを書く前に、ヤン・ドゥリューについて海外メディアの評価を調べてみました・・が、モノの見事に「見当たらず」でした。そりゃぁ・・そうでしょう。おそらく書く勇気が無い・・見て見ぬ振りをしているかと思います。知らない訳が無いですから・・。
しかし、余り詳しくないにしても、そんな海外メディアの誰かが、この「テート・デ・ポン 2015」 だけを飲んだとしたら・・そしてもしその人がちゃんと理解し、今の立場の全てを投げ捨てて正当な評価を下したとしたら、この先のワイン業界も変化強いて行くに違いない・・などとも思っています。
いや~・・これはどの角度からみても相当なものでした。気になる「揮発酸のレベル」は検出限界に近いです。無いと言って良いレベル。その上で、まるで超上質なニュイ=サン=ジョルジュ1級格ほどのワインと同格なポテンシャルを感じさせてくれます。とことんまで自然で、「村田ごんべえさんのジャガイモ」みたいな感じで産直店で売られている、本当に畑の味わいがする美味しいジャガイモのようなニュアンスです。
優しく美しいディテールはやはりニュイ1級の感じ・・プリューレ・ロックのクロ・デ・コルヴェが比較対象に良いんじゃないか?・・と思えるような味わいで、クロ・デ・コルヴェと比較するなら、より優雅で繊細、ロックのクロ・デ・コルヴェの抽出は強いんじゃないか?・・などとも思えてしまうような丁寧に仕立てられた極上葡萄由来のエレガンスを感じます。

とても良く香り、そのアロマには濁った部分がありません。勿論ですがとてもD.R.C.的で有りますが、D.R.C.のように・・新樽100%なのに「樽による化粧」の影響などは一切感じません。
「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き付けられたコルクは、この「テート・デ・ポン」だけでは有りませんが、ヤン・ドゥリューのさり気ない・・もしくは強烈なアンチテーゼのようなニュアンスに思えて仕方が有りません。
「そんなに厚い化粧してどうすんのよ?・・すっぴんが良いんだよ。」
「薬品?・・そんなもの、使いたくないよ。病気になったらどうするのよ。」
「どう造っているか・・だって?・・そんなの、簡単には言えないよ。なりたいようにさせ、やりたいようにやるんだよ・・。」
そんな感覚を受けますが、それでも彼はきっと、古いものを大事にしている人じゃないかと思うんですね。そして感覚が滅茶鋭く、判断が早い・・そんな気がしています。
ですから、この「テート・デ・ポン」を飲むと、物凄く上質なピノ・ノワールを飲んでいる気になります。超高級なピノを飲まれていらっしゃる方なら、きっと「当てはめたい比較対象」がポンポン・・ポンだけに・・いや・・出てくると思うんですね。きっとその比較対象になったワインこそが、
「このテート・デ・ポンの格」
で有り、「感覚の新兵」の階級なのでしょう。もっともヤン・ドゥリューはその「新兵」と言う単語で、「格」とか「階級」を否定しているに違い在りません。
素晴らしいピノ・ノワールでした。
海外メディアさん!・・ドイツの素晴らしいピュアなシュペートブルグンダーには96ポイントを付けるクセに、フランスの素晴らしい・・ナチュラルなピノ・ノワールは無視ってどうなんでしょうね。PKさんはそれでも、
「ポンX のワインは酸化している」
と、無視などはしなかったですよ。正確な判断かどうかは別にするとしても・・。是非、「新兵からの挑戦」を受けて立って欲しいと願います。ご検討くださいませ。絶対に損はしないと確信しています。
● N.V.(2015) White Pinot Why Not V.d.F.
ホワイト・ピノ・ホワイ・ノット
【・・まるで怪物?・・化け物?・・物凄いです!】

すみません・・1枚目が少しピンボケしています。何とこれは、皆さんの嫌いな・・
「ピノ・ブラン」
です。
noisy は好きなので、結構にお勧めしているんですが・・ピノ・ブランと書いたらまず・・売れません・・(^^;;
ですが・・このホワイ・ノット2015...凄いです!
まず、揮発酸のニュアンスですが・・これは拾うことはできないと思います。noisy にも無理です。
色合いは僅かに色落ちしています・・が、サン・スフルで造られた白ワインでは、
「あり得ないほど明るい色合い!」
だと思います。ここには相当な技術を感じます。
そして、開けたては少しスムーズに入って、適度に膨らんで、美しい余韻を見せつつ、ちょろっと複雑なニュアンスを見せるだけ・・です。
ですが10~15分もすると、徐々にその本性を現わして来ます。

まぁ・・滅茶苦茶・・複雑です!・・
「・・ピノ・ブランがここまで凄いのは・・飲んだことが無い!・・凄い!」
と思っていると・・とんでもない!・・まだまだ・・です。どんどん出てくる・・そして徐々にボディも巨大化してくるんですね。
しかも、通常飲んでいる時間ではとてもその変化は収まりません。むしろ抜栓直後から15分後位までが非常にスムーズで、普通に美味しい・・のが信じられないほど、
「エキスと酸の複雑に絡み合った表情と味わい!」
が感じられるんですね。
さらには、飲み初めの頃には全く見えなかった風景が・・脳裏に浮かんできます。
例えば、モンラッシェとか・・物凄く緊張感が有って質感の高い白ワインとは、とんでも無く距離がある・・と思っていても、飲み終えるころには・・それは間違いだったかもしれないと・・感じている自分がいるんです。
「まさか!」
と思ってしまいますが、この恐ろしいほどに複雑精緻な味わいに出会ってしまうと・・そう判断しない訳には行かなくなってしまいました。
今晩は・・まだ残してありますので、それに向かい合おうと思います。ハッキリ言って化け物です。ホワイト・ピノ...ブラック・ピノとは普通のピノ・ノワール。ホワイト・ピノは間違い無くピノ・グージュ...ピノ・ブランです。
ワインは品種で全てが決まる訳では無い・・そして、造り手がどれほど葡萄を導けるかだ・・と言っているようにも思います。ご検討ください。
● N.V.(2017) la Gouzotte Rouge V.d.F.
ラ・グゼット V.d.F.
【本人曰く「名刺代わりのキュヴェ」!・・では有りますが、物凄くちゃんと出来過ぎていて名刺代わりになっているのかは疑問・・(^^;; 勿論、とても美味しいですよ!】

黒みを帯びた赤果実、赤みの有る黒っぽい果実・・どちらもしっかり、ピュアに感じられる素晴らしいピノです。そしてナチュール度もしっかり!・・
「そうか・・ヤン・ドゥリューってこんな感じなんだ~!」
と素直に思っていただける方は非常に有難いですが、noisy 的 にはちょっと不満も有ります。
「確かにテート・デ・ポン(一番高いの)やPV (次に高いの)のニュアンスには近いけれど、それ以外のキュヴェには有って、このラ・グゼットには全く無いものが有るってのは・・名刺代わりになるの~?」
と思ってしまった部分も有るんですね。
確かにこのラ・グゼットはとてもちゃんとしています。ですから、とても美味しいし精緻、美しいです。でも、
「・・・これには揮発酸は無いじゃないか!」
とも思ってしまう訳です。ですから、揮発酸の有るキュヴェの名刺はどこ?・・ってな訳ですね。
いやいや、物足りないなどとは言いませんよ。揮発酸は、ワイン本来の表情をその生成量や残存酵素の量により、削ってしまいます。しかしながらヤン・ドゥリューのピノは、
「その削れ方がエグイほど少ない!」
のが特徴なんですね。
そのうえで、
「この揮発酸は必要不可欠な表情でも有る」
とさえ感じていました。

まぁ・・そんなことを言いましても、これよりも上級キュヴェにつきましては、
「こちらは検出限界に近い」
とか、「無い」とか書いていますが、本当に正確に言いますと・・どのキュヴェにも少なからずあることは有ります。言っちゃえばこのラ・グゼットにも有りますが、本当に検出限界なんですよね。
なので、「無い」と感じてしまう訳です。でも実際にはほんの僅かに有り、ヤン・ドゥリューのピノのその割合は非常に少ない訳でして・・しかも完全に一体化しているか、これからの熟で一体化すると感じられる訳です。
まぁ、オート=コートの比較若木で造られたキュヴェのようでして、2017年ものは偶然に生成が少なかったのかもしれません。実にピュアでちゃんとしています。ヤン・ドゥリューの他のキュヴェ同様に柔らかで白くふにゃふにゃしたミネラリティが顔全体に張り付いてくるかのようです。中域にはちゃんと膨らみが有って、余韻も美しい・・・
「言ってしまえばニコラ・フォールのピノに最も接近できるキュヴェ」
でも有ります。
ブルゴーニュの次世代を担うはずの二人が、ニュアンスが近いキュヴェが有るとはいえ、それでも相当に異なる・・距離が有るとも感じています。
「ヤン・ドゥリューは最先端で有り最もクラシックで有り然児で有り反逆者で有り救世主で有る・・かもしれない」
そう思わせてくれるのがヤン・ドゥリューのピノです。これが名刺だと言うなら名刺自体の出来は不完全だと・・ワインは上出来なんですけどね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2017) les Ponts Rouge V.d.F.
レ・ポン・ルージュ V.d.F.
【...コシュ=デュリのアリゴテを飲めるのなら、この異端のナチュラリストが造る有り得ない出来のレ・ポン・ブランをも飲むべきでしょう!】

こちらは僅かですが揮発酸のニュアンスが有りますので、耐性の無い方にはお勧めいたしません。ですが、noisy も5分で気にならなくなってしまったレベルですので、「新ブルゴーニュに挑戦」したい方は是非・・トライしてみてください。
あ、全然関係ないんですが・・日本酒の世界には、「醸造年度」と言う、お堅い言い方が有ります。毎年の7月1日から翌年の6月30日まで・・です。なので
「今は2020醸造年度」
でして、これが今年の6月30日までに仕込まれたものが対象です。
で、これ・・Web では面倒なので、仲間内では、「2020BY 表記にしよう(B=ブリュワード、Y=イヤー)」と・・随分昔にやり始めたんですが、いつの間にかアチコチで「BY」使われています。良かった良かった・・
で、こちらはN.V.(ノン・ヴィン)扱いですが単独収穫年度の2017年ものの「レ・ポン・ルージュ」、オート=コート・ド・ニュイとオート=コート・ド・ボーヌの中間に有る畑のようです。なので、
「完全に格外のヴァン・ド・フランスのピノ・ノワール」
と言うことになります。
ヤン・ドゥリューの他のキュヴェと全く同様です。一貫しています。ですが少しだけ揮発酸が生成されています。それでも一体化はかなりなされていて、今飲み始めても全然大丈夫です。5分も経たずに気にならなくなります。
そしてそこからがこのワインの本領発揮です。実に繊細でエレガントな表情が浮かんできます。果実感も10分経過で黒みを含みエレガントなベリー、チェリーがバッチリです!黒と赤、半々な感じで良く熟しています。ミネラリティも充実・・非常に柔らかでふわふわした感じです。
そして・・やはりマリアージュが素晴らしいです!・・noisy の場合は、ピノを魚介に合わせる時は、例え「焼き魚」でもオリーブオイルを掛けちゃうんですね・・大抵。
ですがこの「レ・ポン」はオリーブオイル不要・・。ちょっとビックリです。滅茶ナチュラルなんですね。その上で、時間を経れば滅茶苦茶ピュアになるんです!
どうでしょう・・ニコラ・フォールはこの境地には立たないでしょう・・少なくともこの何年かは・・。悩み深いビゾは嫉妬しているかもしれません。勿論ですが、D.R.C.はスルーしているとしても、このようなワインはリリースしない・・どころか、こんな風にはならないようにしているでしょう。プリューレ・ロックはどうなって行くか判りませんが、
「大昔の(最近は全然違う)プリューレ・ロックは、むしろヤン・ドゥリュー風!」
だったことは間違い無いと思っています。
ロックさんもすでに他界されてしまいましたが、彼こそが「反逆児」でした。もしかしたら「感覚の新兵」が「反逆児の志」を継いだのかもしれませんね。ご検討くださいませ。
● N.V.(2017) Night Cost V.d.F.Rouge
ナイト・コスト V.d.F.ルージュ
【「夜は高くつく」の意味は全然判りませんが、つるっと入って来てしなやかに食材対応してくれる・・物凄い才能のソムリエさんみたいなピノです!】

こちらは少し揮発酸が検出出来ます。ですので、耐性の無い方にはお勧めしませんが、
「すぐに気にならなくなってしまう程度」
ですので、ご自身の判断でご選択くださいね。
実はこのワイン、到着してから他のワインよりも比較的早い段階でテイスティングしたんですね。一番下のベースキュヴェにはほぼ揮発酸が無く、こちらは簡単に検出できたので、
「ん~・・やっぱりなぁ・・揮発酸の有る無し・・と言うよりも、それを自身がちゃんとカバーしているかどうか、時が一体化してくれるかどうかを判断しているんだろうなぁ・・」
と思えたワインです。
まぁ・・皆さんの感覚では、
「オート=コートで1万円?・・そんなぁ・・」
と言うところかと思います。
ですが、その植え付けられてしまった既成概念、ヒエラルキーこそを、「感覚の新兵が打ち破るぞ」と言うことなのかもしれません・・全然違うかもしれませんが。
で、これ・・書いた通りです。5分もすれば気にならなくなる程度の揮発酸レベルです。そして10分もするともう・・絶好調なんですね・・。
見るからに「軽い感じのミネラリティ」が光ってみえるような感じでしょう?・・1万超えの上級キュヴェのような複雑性やポテンシャルの高さまでは届かないんですが、
「これぞ素っ裸のピノとはこういうものです!」
と言っているような気がします。
むしろ、この状態で日本に入って来ていることこそが奇跡!・・と思えるほどです。素晴らしい時代になったんだなぁ・・noisy がワインを勉強し始めた30年も前の頃には、全く考えられないことだと・・感じました。
そして、この単に「畑はオート=コート・ド・ニュイ」に過ぎず、ワインの格は「ヴァン・ド・フランス」に過ぎないピノ・ノワールが見せる姿の延長上には、やはりあの大物が見えるんですよね・・敢えて言いませんが・・その大物が持つ、一瞬の間に垣間見せる姿の一部分を、この「ナイト・コスト」も見せてくれるんです。
noisy は、これも有りだと思います。
「でも・・高いじゃん・・」
と思われるかもしれませんが、人の感覚を大きく揺らしてくれるアイテムですから、全然高く無いんじゃないかと・・
「コストに見合う以上の味わいが有る!」
と感じました。
まぁ・・これだけ沢山コルクを抜いてしまうと、
「ヤン・ドゥリューのテイスティングコストは破綻!」
しているのは明らかですが・・お後が宜しいようで・・いや、ご検討くださいませ。
● N.V.(2017) Mars Attack Rouge V.d.F.
マーズ・アタック V.d.F.
【「火星人が攻めて来た!」・・的な名乗りでしょうか?・・飲み進めるにつけ、この深く滋味あふれる味わいが浸みて来ます!】

あらかじめ言っておきますが・・こちらには「揮発酸」は検出できます。ボトルを立ててしっかり休めておくだけで、相当結果は異なると思います。やはり2年ほど置いた方が「揮発酸は沈静化し一体となる」感じを受けますが、耐性のある方は飲み始めていただいても結構です。
抜栓直後は、アロマよりも味わいにそのニュアンスが有ります。しかし5~10分後には気にならなくなっているでしょう。
で・・そこからがヤン・ドゥリューのワインの本性発揮なんですね。普通なら絶対に合わせづらい「魚介類」が、実に美味しいと思えるマリアージュになるんです。すべての魚介を試したわけでは有りませんが、その食材が「落ち始めていない」のであれば、まず大丈夫ですし、若干落ち始めていても行けてしまいます。そして、ヤン・ドゥリューのそのピノ・ノワールがまた・・ちょっと隠し持っていた姿を、ちらり・・ちらりと見せてくれるんですよ。
これはもう、単純な先進ビオのワインには真似できない芸当です。普通は隠し持っていたとしても、案外簡単に化けの皮をはがされてしまいます。しかし、ヤン・ドゥリューのピノはそこからが凄い・・。
この「マーズ・アタック」は、「マルサネ」の葡萄を使用しているそうです。
「言われてみれば・・なるほど・・」
と思える味筋です。
冷ややかでナチュラルなマルサネ・・です。ふんわりとノーズにフィルムのようなしなやかで薄い感じの白いミネラリティが感じられます。やや表現がまだハッキリしませんが、ベリー系の果実が良い感じに感じられます。膨らみも良い・・が、2017年ものなのでまだ少し早い感じが有ります。・・いや、美味しくは飲めるんですよ。ですが、2015年ものとかそれ以前のものを飲んでみると、
「・・あ・・こうなって行くのか・・」
と言うのが見えますから・・、その意味で「早い」と思っているだけです。
マルサネと言えば・・noisy のところだと、シルヴァン・パタイユか、アメリー・ベルトーか・・ですよね。その中で近いのはシルヴァン・パタイユ。パタイユも今まで時折、「揮発酸のニュアンス」は見せたことは有りました。
ですが、パタイユが見せた「揮発酸のニュアンス」はむしろもっと強かったような気がします。もっともそのニュアンスは時間の経過でだいぶ一体化できます・・ちゃんと止まっていれば・・です。
このマーズ・アタック・・・「火星人来襲」でしょうか?・・自分を火星人に例えてのことなのかもしれません。
noisy はこのワインも「有り!」だと思います。ただし、揮発酸に耐性の無い方には強くお勧めはしません。耐性は無いけれどどうしても飲みたい方は、
「3年、セラーで育んでください。」
これで大丈夫・・。きっとパタイユの
「マルサネ・ランセストラルとは全く真逆の素晴らしい美味しさ」
を見せてくれると思います。ランセストラルは濃くてミネラルがビシバシ・・多角形でエッジが角ばっています。こちらは真ん丸・・(^^;; ご検討くださいませ。
● N.V.(2017) PV V.d.F. Rouge
PV V.d.F.ルージュ
【これも激旨ペルナン=ヴェルジュレスのピノ・ノワール!・・こんなになってしまうなんて・・想像もつきません。しかも揮発酸は非常に少ないです!!】

流石に「テート・デ・ポン」には届かないかもしれませんが、これも激旨い!・・マルサネの「マーズ・アタック」が時間を要するのとは異なり、今からでも美味しく飲めてしまうんですね・・。
ちょうどこの日は「ピンク・ムーン」だったようで、どうなんでしょ・・ビオ的には満月ですから、余り飲むには適さない日と言うことだったかもしれません。なので、
「ボトルの写真は少し超細やかな澱が舞っている」
感じに見えていると思います。
実際、舞ってしまっているのは、ボトルを持ち帰る時に車の中で誤って倒してしまったことが原因では有るんですが、この状態で飲んで・・見事に「ピュア!」でした。
勿論ですが超ナチュラルな伸びの良い、ベクトルの向きも外向きな味わいでして、
「5~10分もすると・・滅茶苦茶美味しい!」
です。
そもそもペルナン=ヴェルジュレスは、北東がラドワ、東がアロース=コルトン、南東がサヴィニーに接触した村ですから、ポテンシャルは元々有るはずなんですね。
ですが、
「ペルナン=ヴェルジュレスのピノで超美味しいの、飲んだことあります?」
まず無いですよ・・ね?
しかしペルナン=ヴェルジュレスは、あの素晴らしいシャルドネ、コルトン=シャルルマーニュも産するほどの村ですから、そのミネラル組成はかなり期待が出来るはず・・。
言ってしまえば、ニュアンス的にはコルトンと言うよりもサヴィニー=レ=ボーヌが近いでしょうか。・・でも、シャソルネイのサヴィニーのように、「濃いスタイル」では有りませんで、エキス系のしなやかなタイプです。その系は大抵の場合は「超硬いタイプ」に仕上がります。が、こちらは滅茶苦茶エレガントでしなやか、構成の大きさがしっかりあるのに、それを簡単には見せない感じです。
飲み進めて行くうちにその大きさ、深さに気付かされ、
「・・丸裸のピノって・・こんな感じなんだ・・」
と思われるかもしれません。
これは「絶対に有り」です。おそらくどんな方でも大丈夫だと思います。揮発酸に耐性の無い方でも大丈夫でしょう。ピュア&ナチュラルが際立った素晴らしい出来!飲んでみて下さい。超お勧めします!
● N.V.(2015) Tete de Ponts V.d.F.
テート・ド・ポン・ルージュ V.d.F.
【 「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き印されたコルクが物語るヤン・ドゥリューの挑戦状!?・・比較対象になるのはクロ・デ・コルヴェでしょう!】

これは素晴らしいです・・。今回届いた上級ラインの中でももっとも精緻で有り、ポテンシャルも高く、そしてもっとも「判りやすい」です。
パカレのワインはそこそこに美味しいですが、結構に出来がブレているし、何より面白みに欠ける・・いや、そんなキュヴェが多い気がします。滅茶美味しいのも有るんですけどね。色気が無い・・感じが近いでしょうか。同じようにD.R.C.辺りの絡みで有名になった訳では有りますが、パカレはちょっと量を求めすぎで忙し過ぎるのでしょう。人間一人にできることは知れています。
どんなワインかを書く前に、ヤン・ドゥリューについて海外メディアの評価を調べてみました・・が、モノの見事に「見当たらず」でした。そりゃぁ・・そうでしょう。おそらく書く勇気が無い・・見て見ぬ振りをしているかと思います。知らない訳が無いですから・・。
しかし、余り詳しくないにしても、そんな海外メディアの誰かが、この「テート・デ・ポン 2015」 だけを飲んだとしたら・・そしてもしその人がちゃんと理解し、今の立場の全てを投げ捨てて正当な評価を下したとしたら、この先のワイン業界も変化強いて行くに違いない・・などとも思っています。
いや~・・これはどの角度からみても相当なものでした。気になる「揮発酸のレベル」は検出限界に近いです。無いと言って良いレベル。その上で、まるで超上質なニュイ=サン=ジョルジュ1級格ほどのワインと同格なポテンシャルを感じさせてくれます。とことんまで自然で、「村田ごんべえさんのジャガイモ」みたいな感じで産直店で売られている、本当に畑の味わいがする美味しいジャガイモのようなニュアンスです。
優しく美しいディテールはやはりニュイ1級の感じ・・プリューレ・ロックのクロ・デ・コルヴェが比較対象に良いんじゃないか?・・と思えるような味わいで、クロ・デ・コルヴェと比較するなら、より優雅で繊細、ロックのクロ・デ・コルヴェの抽出は強いんじゃないか?・・などとも思えてしまうような丁寧に仕立てられた極上葡萄由来のエレガンスを感じます。

とても良く香り、そのアロマには濁った部分がありません。勿論ですがとてもD.R.C.的で有りますが、D.R.C.のように・・新樽100%なのに「樽による化粧」の影響などは一切感じません。
「Recrue des Sens (感覚の新兵)」と焼き付けられたコルクは、この「テート・デ・ポン」だけでは有りませんが、ヤン・ドゥリューのさり気ない・・もしくは強烈なアンチテーゼのようなニュアンスに思えて仕方が有りません。
「そんなに厚い化粧してどうすんのよ?・・すっぴんが良いんだよ。」
「薬品?・・そんなもの、使いたくないよ。病気になったらどうするのよ。」
「どう造っているか・・だって?・・そんなの、簡単には言えないよ。なりたいようにさせ、やりたいようにやるんだよ・・。」
そんな感覚を受けますが、それでも彼はきっと、古いものを大事にしている人じゃないかと思うんですね。そして感覚が滅茶鋭く、判断が早い・・そんな気がしています。
ですから、この「テート・デ・ポン」を飲むと、物凄く上質なピノ・ノワールを飲んでいる気になります。超高級なピノを飲まれていらっしゃる方なら、きっと「当てはめたい比較対象」がポンポン・・ポンだけに・・いや・・出てくると思うんですね。きっとその比較対象になったワインこそが、
「このテート・デ・ポンの格」
で有り、「感覚の新兵」の階級なのでしょう。もっともヤン・ドゥリューはその「新兵」と言う単語で、「格」とか「階級」を否定しているに違い在りません。
素晴らしいピノ・ノワールでした。
海外メディアさん!・・ドイツの素晴らしいピュアなシュペートブルグンダーには96ポイントを付けるクセに、フランスの素晴らしい・・ナチュラルなピノ・ノワールは無視ってどうなんでしょうね。PKさんはそれでも、
「ポンX のワインは酸化している」
と、無視などはしなかったですよ。正確な判断かどうかは別にするとしても・・。是非、「新兵からの挑戦」を受けて立って欲しいと願います。ご検討くださいませ。絶対に損はしないと確信しています。
● N.V.(2016) Manon Blanc V.d.F.
マノン・ブラン V.d.F.
【言ってみれば、「自由な羽を手に入れた滅茶苦茶美味しいオート=コート・ド・ニュイ・ブラン」・・素晴らしいです。】

昨今は全く見かけませんが、D.R.C.が醸造し「カーヴ・オージュ」だったか・・サン=ヴィヴァン修道院のオート=コートの白はどうなっちゃったんでしょうね。以前は最安値で6千円台、高値で1万2千円ほどだったかと思いますが、比較的ナチュラルな風情を持ちつつもまぁまぁなポテンシャルのワインがリリースされ、日本でもブローカー経由で入って来ていました。滅茶苦茶美味しいなどとは思いませんでしたが、やはりD.R.C.が醸造してナチュール系のショップで販売されていた事実が人気を呼んだと思います。
言ってみれば・・ほぼ同じものでしょう。オート=コートですしね。価格も似たようなものです。因みに2010年のマノンは6千円ほどでした・・倍ですね。
しかしながらD.R.C.、カーヴ・オージュのオート=コートは足元にも及ばないほど素晴らしい味わいです。酸はクッキリ、僅かに高目に寄った度数でしょうか。その分、酸の美味しさをたっぷり堪能できます。
しかもビオで白ワインですから・・通常だともっと「色落ち」するのが普通ですよね?・・でもこのワインにはそんな色落ちは感じられず、ゴールドの美しい色合いをしています。
それに加え、「揮発酸」は感じません。全く無いか?・・と聞かれたら、検出は難しいレベル・・と答えるでしょう。気になって仕方が無い人(例えばnoisyとか)だと、無いとは言わないかもしれません。
それよりも、実に冷ややかでちゃんと熟したフルーツをきっちりと感じます。中域が綺麗にぷっくりと膨らんでくれますしほんのりとしたオイリーさ、そこから余韻に掛けてが自然な減衰で美しいカーブを描いてくれます。ついつい飲んじゃうワインですが、ポテンシャルも充分以上・・・カーヴ・オージュのオート=コートの数倍美味しいと思います。
ミネラリティも素晴らしいですよ。キツク成り過ぎず、さりとて実は柔らかなフィルムのように感じられる白いミネラリティがしっかり有ります。
この味わいは・・是非ニコラ・フォールの白と比較してみていただきたいですね。そして、今の自信の評価をしておいて欲しいと思います。この先、もしかしたらその評価が逆転するかもしれないことも想像してしまうかもしれません。ブルゴーニュの将来を担うに違いないヤン・ドゥリュー・・お見知りおきください。お勧めします。
以下は 2010 Manon (Bourgogne Haute-Cotes de Nuits Blanc)のレヴューです。
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【わお!】
ラヴ&ピフ・アリゴテの味わいはいかがだったでしょうか?・・・ものすごくピュアでありながら、ブルゴーニュの色っぽさを持ち合わせ・・・でも重くなくてキラキラ輝いててスイスイ飲めて・・みたいな、とても美味しいアリゴテだったと思います。
こちらのマノンはたったの6本限定入荷・・・なのに飲んじゃった~い!・・ まぁ、初めての扱いの生産者なので赤字覚悟ですんで・・良いんです。
で、こちらのオート=コートの白ですが、赤と同様に素晴らしい仕上がりです・・。
でも、ちょっと横道に逸れますが、
皆さんはどうしてもオート=コートと言うとACブルと余り変わらないようなイメージが有ると思いますが、基本は村名格なんですね。
○コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ
コート・ド・ニュイで有りながら独自の名前を名乗れない4つの村、ブロション、プレモー=プリシー、コンブランシアン、コルゴローワン。
○オート=コート・ド・ニュイ
コート・ド・ニュイの裏手(西側高地)に散在する村、ヴィラール=フォンテーヌ、メサンジュ、クルティ・ヴェルジなど18ケ村。
のように定義されているようですので、シャンボール=ミュジニーやヴォーヌ=ロマネを名乗れない、それらよりも高度の高い位置に有る村のワイン・・ということになりますので、村が基準なんですね。もちろんですが、テロワールがきっちり理解されている可能性はゼロに近いですが・・。
とてもドライでナチュラル。エキスもきっちり出ていて色気のある味わいがブルゴーニュの白を想像させてくれます。ピノ・ブランやアリゴテを連想させるものでは無く、ラヴ&ピフに通じるような、濁りが旨み・・・みたいな、例のCFっぽいニュアンスも有ります。タイミング的には飲むのは少し早く、出来れば2013年の夏が過ぎてからの方が、このワインの本質に気付きやすいかもしれません。でも今は飲めないということでは有りませんよ。
オート=コートのテロワールが判りませんが、純粋で素晴らしいシャルドネだと思います。希少なアイテムです。ご検討ください。
● N.V.(2015) DH Blanc V.d.F.
DH ブラン V.d.F.
【激旨!・・虚飾を排したブルゴーニュ・シャルドネの真っ裸の姿がここに有ります!】

激旨いです。ヤン・ドゥリューの真の姿を知るには、むしろピノ・ノワールよりもシャルドネや白ワインの方が、より判りやすいかもしれません。だって・・これ、美味しくないと言う人はいないと思うんですよね・・。DH(デー・アッシュ)はニュイ=サン=ジョルジュ近郊のダム・ユゲットと言う畑名由来の頭文字のようです。
何よりも自然です。ナチュラルなんだけれど・・そうは言いたくない・・感じで、むしろ、滅茶苦茶美味しい有機野菜を食べている感じと同類なんです。こってりした部分も有りますが、でもさらりと・・しています。さらっとしているとも思いますが、実は物凄く奥深い自然さです。
揮発酸は無く、滋味深~い・・フルーツの自然な味わいなんですね。もう・・ボトルを抱えて飲みたい・・独り占めしたい・・そんな感覚が沸いて来ちゃうかもしれません。
因みにエージェントさんのレヴューがとても良く書けているので、こちらにも転載しますね。
抜栓したては若干還元していますが、直ぐに飛ぶレベル。非常に素晴らしい香りに、黄色く華やかな香りを放つ花や林檎、軽やかなメロンのニュアンス。そして、時間の経過とともにトーストやローストしたナッツ、アップルパイのようにバターと蜂蜜が交じり合ったとろけるような香りに溢れます。鋭く切り込む様なキレの有る酸と石を舐めているようなミネラルは全体のバランスを保ち、甘口ではないのに甘く感じる程の熟度を軽やかにまとめあげています。その為、果実味は軽やかでありながらギュッと詰まった集中力の有る液体になっています。大振りのグラスで、比較的高めの温度で飲むことをオススメします。
そう・・そうなんですよ・・。その通り。「マノン」のところでも書きましたが、D.R.C.醸造のオート=コートと似た部分は多いんですが、マノンは数倍美味しく、「DH」はD.R.C.オート=コートの醸造とはおそらくソックリながらも、むしろD.R.C.直接リリースのあの凄い白とも相当似ちゃってます。
「これ、美味しい!」
絶対言わせてみたいですね~・・でもちょっと高いですよね~~・・なので、お小遣いの少ない方には難しいかもしれませんが、
「これを飲んだら世界が変わるかも!」
とnoisyが確信した位の品です。飲んでみて欲しいです!・・でも滅茶く少なくて・・すみません!
以下は 2016 les Ponts Blanc V.d.F. のレヴューです。
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【...コシュ=デュリのアリゴテを飲めるのなら、この異端のナチュラリストが造る有り得ない出来のレ・ポン・ブランをも飲むべきでしょう!】
例えば世の中に出れば、自分がどんな評価をされているか・・とかは相当に気になるかもしれません。特に会社勤めの方は、少なくとも上司と上手くやらないと将来が不安に包まれてしまうものなんじゃないかと思うんですね。もっとも、自分の息子を見ていると、
「そんなの関係ね~・・はい・おっxっぴ~・・」
みたいな感じに見えて仕方がありませんけどね。
言ってみれば noisy の場合も、エゴサーチなどはやっている暇も無いですし、実はあんまり気にしてないことに気付いたので、
「もしかして・・親譲り・・か・・ざんねん・・」
と言う気にもなります。
それでも自分が良いと思うことを一生懸命にやる・・それでお客様に納得してもらって生活している・・実現できているかは判りませんが、そんな気持ちでは有ります。
このアリゴテによる、
「とんでも無く高価な白ワイン」
ですが、この中には途轍もない・・・途方もないほどの可能性が詰まっています。
開けたてはやや閉じ気味では有りますが、グラスを一振り、二振りしますと・・いきなり目を覚まして来ます。
その、やや暗い色合いには、
「滅茶苦茶に明るい色彩!」
が潜んでいます。そこまではおそらく誰でも気が付くはずです。ただただSo2を使用したくない一心で極端な酸化を許し、大事なフレーヴァーを根こそぎ失ってしまった・・
「良くありがちなビオの白」
では有りません。そんなワインは、ほぼお茶系のフレーヴァーしか残っていない場合も多いです。
そして、そのフレーヴァーの表現こそ・・この素晴らしいアリゴテの一番の醍醐味でしょう。まるで表現方法は違いますが、コシュ=デュリのアリゴテとタメを張れるほどのポテンシャルだと思います・・余りにタイプが異なるので発狂しそうになりますが・・(^^;;
そして、むしろヤン・ドゥリューが造るピノ・ノワールよりも、もう少し判りやすいはずです。ここには揮発酸はほぼ無いから・・です。
いや・・これは滅茶美味しいと・・個人的には思っています。点を付けろと言われましたら・・
「・・付けますが・・でも言いたくない・・!」
ですね・・。それでも、相当高い点であることは申し上げておきます。
この、非常に「色艶」を感じる色合いに、何かを感じられた方、もしくは、ブルゴーニュワインの新時代を見つめて行きたい方に、是非飲んでいただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2017) Love & Pif Blanc V.d.F.
ラヴ・アンド・ピフ・ブラン V.d.F.
【 素晴らしい!目茶ナチュラル!これからのブルゴーニュワインはここを目指すはず!必飲!!】---こちらはノン・テイスティングにつき、以前のレヴューを掲載しています。

「ナチュラルさとブルゴーニュ的エレガンスの融合」を目指しているんじゃないかと思える、素晴らしい白ワインです。この際、品種がどうの・・と言うのは関係ないかな・・と思います。
コシュ=デュリやドヴネの見事なアリゴテには、必ずや「アリゴテとは思えない」と言うような修飾が付き物ですよね。
また、ポンソの素晴らしい白ワイン、モレ=サン=ドニ1級モン・リュイザンは、当初こそシャルドネやピノ・ブランにアリゴテというセパージュでしたが、シャルドネが入らなくなり、ついにはピノ・ブランも混ざらなくなり、アリゴテ100%の1級ワインが誕生しています。まぁ・・樹齢が100年超と言う、モンスターでは有りますが、それでもブルゴーニュ的エレガンス主体のド太いワインです。
そのポンソさんも本来、ズブズブの自然派志向ですから、このヤン・ドゥリューと似た環境を好むとしても、ヤン・ドゥリューとは全然違う・・と言えるんですね。
ヤン・ドゥリューの「ラヴ・アンド・ピフ」はブルゴーニュのアリゴテでは有りますが、
「あり得ないほどナチュラル!」
「あり得ないほどピュアで危険性無し!」
「物凄い果実感!」
なんですね。
そこにブルゴーニュ的なエレガンスが同居している・・そんなニュアンスなんですよ。なので、1級とか村名とかは二次的要素・・どこまでもナチュラル&ピュアさが第一義・・のように感じます。
ボディは太く、複雑性もたっぷりです。ジューシーだが全然安っぽく無い・・どころか高級感さえ感じさせてくれます。
SO2的なニュアンスは感じさせないのにワインは非常に健全健康です。澱だらけの濁ったワインか?と想像しがちですが、決してそんなことも無い・・。
まぁ、モレ=サン=ドニ村名で2万幾ら・・なワインも平気で造っちゃう彼ですから、どこまで自然児なんだと。そんなワインはnoisy も必ずや飲んでみたいワインのトップグループに入ってるワインです。どうもエージェントさんは持ってるような気配なんですけどね・・。
まぁ、とことんナチュラルで、でも実は捨てちゃいけないものはちゃんと表現しているワインです。飲むべきだと思います。是非ご検討くださいませ。
■エージェント情報
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ブルゴーニュ最強のリスクテイカー!ヤン ドゥリューの愛の結晶ラヴ&ピフ 2014年を12ヶ月じっくり休ませてのリリースです!
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「なぜヤン ドゥリューは、権威主義うずまくブルゴーニュという土地で、その純粋さを希求し、無謀な挑戦を続けているのか。」
彼のワインから感じる強く鋭い信念に触れるたびに抱く疑問でした。
「なぜブルゴーニュでなければいけなかったのか。」
とらえどころのない、それでいて心の底に重く深く沈んでいる疑問を晴らしてくれるのは、いつも、彼らとともに畑に立ち、語り、グラスを傾ける時間です。ヤンの祖父が、オート コート ド ニュイの地で畑を切り拓き、ヤンの家族はブドウ栽培者としての営みを始めます。
子供の頃から大好きな祖父とともにブドウ畑を駆け回って遊んだというヤン ドゥリュー。彼にとっては、その畑こそが人生の喜びに満ちた場所であり、畑で生きていくことは必然だったと言います。自身が少年時代を過ごし、祖父との思い出が溢れる場所。それが偶然ブルゴーニュであり、オート コート ド ニュイだったのです。
彼にとっては、ブルゴーニュの権威主義的なヒエラルキーは意味がありません。目の前の畑、目の前のブドウたちを深く観察し、理解し、愛を投じることで、その秘めた魅力を極限まで引き出すことこそが、ヴィニュロン(=ブドウ栽培・ワイン醸造家)としての使命なのです。
現在、彼のワインはアペラシオンを取得していません。原則としてヴァン ド フランスとしてリリースされています。そして、それぞれのワインが生まれる畑も、多くは、ブルゴーニュやオート コート ド ニュイというアペラシオンに位置づけられる区画です。
しかし彼は、常軌を逸したリスクを引き受け、膨大な労力と時間を畑に投じることによって、ブルゴーニュの権威主義を揺るがすほどのワインを次々と生み出しています。
「ヴァン ド フランスがこの価格!?」
「オート コート ド ニュイがこの価格!?」
当然本人もこのような声が聞こえてくるのは想像していたでしょう。そして、そんな時は悪戯っ子のような笑みを浮かべながらこう答えるのでしょう。
「皆、本当にこの土地の秘めた力を知ってるのかな?」
プリューレ ロックの特級畑でですら躊躇するようなリスクのあるアプローチを全ての畑で実践するヤン ドゥリューだからこそ、ブルゴーニュの土地の可能性と純粋さを表現できるのかも知れません。
実際、ヤン ドゥリューのワインには常に驚きと喜びに満ちています。そしてそれは、彼の祖父への、土地への、自然への愛であり、飲み手であるわたしたちへの愛の証なのだと知るのです。そんなヤン ドゥリューの愛の結晶であるワイン、アリゴテを用いて造られるラヴ&ピフの2014年が到着しております!
アリゴテらしい伸びやかな酸とその酸に負けずに余韻までその姿を残す果実味、どこまでも純粋でどこまでも清々しい味わいのワインです。日本到着からじっくり12ヶ月休ませてからの皆様へのご案内です。現時点でも爽快な美味しさを楽しんで頂けると思いますが、まず間違いなく長期の熟成にも耐えうるアリゴテでもあります。
クラスを超えた、既成概念を超えた、ブルゴーニュの大地が持つ本当の実力を感じられる1本です。ぜひ皆様にお試し頂きたいと思います。
以下はN.V.(2011)のこのワインのご紹介文です。
━━━━━
【柔らかな酸と旨みの濁り!すばらしいブルゴーニュ白です!】 もう・・単にアリゴテとは呼びたくない・・そんな気持ちさえ生まれてくるような、素晴らしい白ワインでした!これは絶品の旨さです!
お茶の宣伝で、
「濁りは旨み・・」
みたいなコピーが今も流れていますよね。たしかにペットのお茶としては、奇抜なアイデアですし、そこを推すのも良かったのかな?と思います。でも、ペットのお茶の味わいの範疇を超えては・・いないとは感じます・・・・いや、あくまで個人的な感想です。
昔、濁りワイン・・というのが有りました。本当に濁っていて、そこに旨みのほとんどが有りました。甘みが有ったので、そこに要素が集中したような組み立てになっていました。
このアリゴテは、実は甘くない・・んです。酸の組成で甘みに近いものを感じますが・・・これは旨みです。そして結構な澱も有ります。しかし、とても輝いていて、とてもピュア。アリゴテとしては酸が柔らかいのに・・・酸がとても美味しい!・・・これは、アリゴテの酸を旨みの酸に変えたことを意味しているように思います。
そして、青~黄リンゴのようなニュアンスが感じられますが、普通のアリゴテのような鋭角なものではなく、鈍角でとても豊かなんですね。しかも石灰系のミネラルがごちゃまんと感じられる、素晴らしいバランスの持ち主です。
たしかにプリューレ・ロックの、出来が良い年のワインに似たニュアンスは有るかもしれません。でももっとミネラリティがあると思いま
それはきっと、まだ葡萄が造られてからさほど年を経ていないフランスの大地の味わいなのかもしれません。もしくは、地中で葡萄の根っこと他の植物の根っこが絡み合い、相乗効果で水分を汲み上げることに由来しているのかもしれません。でも結局は、有機栽培でなければ、もしくはビオでなければ・・・この味わいは成しえなかったでしょう。素晴らしいワインだと思います。ワイン流通者の猛者どもを虜にしたヤン・ドゥリュー・・・。目を離せない存在になりました。お奨めします!
● N.V.(2016) les 1er Blanc V.d.F.
レ・ポン・ブラン V.d.F.
【...コシュ=デュリのアリゴテを飲めるのなら、この異端のナチュラリストが造る有り得ない出来のレ・ポン・ブランをも飲むべきでしょう!】

例えば世の中に出れば、自分がどんな評価をされているか・・とかは相当に気になるかもしれません。特に会社勤めの方は、少なくとも上司と上手くやらないと将来が不安に包まれてしまうものなんじゃないかと思うんですね。もっとも、自分の息子を見ていると、
「そんなの関係ね~・・はい・おっxっぴ~・・」
みたいな感じに見えて仕方がありませんけどね。
言ってみれば noisy の場合も、エゴサーチなどはやっている暇も無いですし、実はあんまり気にしてないことに気付いたので、
「もしかして・・親譲り・・か・・ざんねん・・」
と言う気にもなります。
それでも自分が良いと思うことを一生懸命にやる・・それでお客様に納得してもらって生活している・・実現できているかは判りませんが、そんな気持ちでは有ります。
このアリゴテによる、
「とんでも無く高価な白ワイン」
ですが、この中には途轍もない・・・途方もないほどの可能性が詰まっています。
開けたてはやや閉じ気味では有りますが、グラスを一振り、二振りしますと・・いきなり目を覚まして来ます。
その、やや暗い色合いには、
「滅茶苦茶に明るい色彩!」
が潜んでいます。そこまではおそらく誰でも気が付くはずです。ただただSo2を使用したくない一心で極端な酸化を許し、大事なフレーヴァーを根こそぎ失ってしまった・・
「良くありがちなビオの白」
では有りません。そんなワインは、ほぼお茶系のフレーヴァーしか残っていない場合も多いです。
そして、そのフレーヴァーの表現こそ・・この素晴らしいアリゴテの一番の醍醐味でしょう。まるで表現方法は違いますが、コシュ=デュリのアリゴテとタメを張れるほどのポテンシャルだと思います・・余りにタイプが異なるので発狂しそうになりますが・・(^^;;
そして、むしろヤン・ドゥリューが造るピノ・ノワールよりも、もう少し判りやすいはずです。ここには揮発酸はほぼ無いから・・です。
いや・・これは滅茶美味しいと・・個人的には思っています。点を付けろと言われましたら・・
「・・付けますが・・でも言いたくない・・!」
ですね・・。それでも、相当高い点であることは申し上げておきます。
この、非常に「色艶」を感じる色合いに、何かを感じられた方、もしくは、ブルゴーニュワインの新時代を見つめて行きたい方に、是非飲んでいただきたいと思います。ご検討くださいませ。
● N.V.(2014) Jeannot V.d.F.
ジャノ V.d.F.
【激レアです!・・一般的なアペラシオンの格付けを完全に否定したヤン・ドゥリューのフラッグシップ!】
どうしようかと・・本当に悩んだのですが、潔く諦めました。何せ2本しか無いので・・もう少し多めに入ったワイン屋さんは有るのでしょうが、どっちにしても彼らは自分では絶対に開けないでしょうから、
「ここはひとつ・・開けるか!」
とは思っていたんですが、前回のヤン・ドゥリューの入荷の時に赤はほぼ全部開けてしまいましたので、今回入荷分は白にテイスティングの予算を割り振りました。まぁ・・本当に儲からない商売です。
そもそもヤン・ドゥリューは、自身の中にある畑の格付けで栽培も醸造も・・行っていますから、
「ジュヴレ=シャンベルタン村名よりもオート=コートのレ・グラン・ポンが上!」
なんですね。
まぁ、ジュヴレ=シャンベルタンの「GC」もかなり良い値段では有りますが、
「ホワイト・ピノ ホワイ・ノット? 2017年を飲んでしまえば・・それは必ずや正しいに違い無い。」
と思わずにはいられません。
言ってしまえば、
「彼の持っている彼の畑のヒエラルキーは、葡萄品種さえ大きな関係が無い」
訳です。
しかしながら、その葡萄品種を見つめていない訳では無く、その葡萄そのものと常に対峙し向き合う事で、その畑のポテンシャルを最大限に発揮している・・その結果がホワイ・ノット?で有って、この「ジャノ」なのでしょう。
残念ながらせっかく入手出来た2014年GCも、この2014年ジャノもnoisyは 今のところは飲めてはいませんが、
「この2年間でヤン・ドゥリューのワインを一番沢山身体の中に収めた日本人は、おそらく noisy」
でしょうから、ヤン・ドゥリューの思惑も、ヤン・ドゥリューのワインのささやきも・・一番判っていると思っています。
ですので、お勧めはしませんが、
「物凄い経験になるに違いない!」
のは間違い無いと思います。・・結果的に彼のワインが好きか、嫌いかに関わらず・・。
飲んだ担当さんに印象を聞くと、
「何とも言葉にして説明がし辛い・・しかし、その存在感に圧倒される・・だから筆舌に尽くしがたいと言うしかない・・」
そうです。
「(・・そこを何とか言葉にしなきゃいかんだろ!)」
とは突っ込みませんでしたが・・(^^;; まぁ、彼らはワイン屋では有りませんから、ワイン屋に何とかワインを買ってもらえるようにするのが仕事で、ワインの味わいやポテンシャルの説明は、その仕事の一部分に過ぎない訳で・・あ、これは相当に変ですね。ワイン屋はワインを飲むことが仕事では有りませんで、お客様にワインを買って貰うのが本来の仕事なのでしょうから。
日本はともかく、海外では専門サイトのようなネットショップも見当たるヤン・ドゥリューです。いずれ凄いことになるんじゃないかと思っています。ご検討くださいませ。
● N.V.(2014) GC V.d.F.
GC V.d.F.
【GC ..それはジュヴレ=シャンベルタンの葡萄だからと言う意味でのGevrey-Chambertinの略。・・でも、そこには間違いなく、Grand Cru の意味を持たせていると感じます。】
恐ろしく高いジュヴレ村名・・の葡萄を仕上げたワインです。
GC ですよ?
これはもう、ヤン・ドゥリューの命名では有りますが、間違い無く「グラン・クリュ」の意味を込めているでしょう・・そう思います。
昨年の入荷時には完全赤字のテイスティングを決行してしまいましたし、今回も全部販売して何とかトントンになるくらいでしょうから、今のところはこのGC、飲む予定はないんですが、もし余ったら・・飲みますよ。
完全無欠のSo2無し、しかもヤン・ドゥリューのワインとすると、最高のアペラシオン格です。noisy も2002年のプリューレ・ロックのクロ・ド・ベズを舐める程度ですが飲んでいますから、
「それから干支が一周した2014年の、ロックの意志を継ぐ者のジュヴレ村名を飲んで、記憶の中のクロ・ド・ベズと、記憶の中のロックの古いグランドルディネールと比較する!」
のを楽しみにしています。
ので・・何とか1本は残しておこうと思います。ヤン・ドゥリューの最高のワインの一つです。ご検討くださいませ。
● N.V.(2014) Love & Pif Blanc V.d.F.
ラヴ・アンド・ピフ・ブラン V.d.F.
【 素晴らしい!目茶ナチュラル!これからのブルゴーニュワインはここを目指すはず!必飲!!】---数年前のこのワインのレヴューを掲載しています。再入荷です!

「ナチュラルさとブルゴーニュ的エレガンスの融合」を目指しているんじゃないかと思える、素晴らしい白ワインです。この際、品種がどうの・・と言うのは関係ないかな・・と思います。
コシュ=デュリやドヴネの見事なアリゴテには、必ずや「アリゴテとは思えない」と言うような修飾が付き物ですよね。
また、ポンソの素晴らしい白ワイン、モレ=サン=ドニ1級モン・リュイザンは、当初こそシャルドネやピノ・ブランにアリゴテというセパージュでしたが、シャルドネが入らなくなり、ついにはピノ・ブランも混ざらなくなり、アリゴテ100%の1級ワインが誕生しています。まぁ・・樹齢が100年超と言う、モンスターでは有りますが、それでもブルゴーニュ的エレガンス主体のド太いワインです。
そのポンソさんも本来、ズブズブの自然派志向ですから、このヤン・ドゥリューと似た環境を好むとしても、ヤン・ドゥリューとは全然違う・・と言えるんですね。
ヤン・ドゥリューの「ラヴ・アンド・ピフ」はブルゴーニュのアリゴテでは有りますが、
「あり得ないほどナチュラル!」
「あり得ないほどピュアで危険性無し!」
「物凄い果実感!」
なんですね。
そこにブルゴーニュ的なエレガンスが同居している・・そんなニュアンスなんですよ。なので、1級とか村名とかは二次的要素・・どこまでもナチュラル&ピュアさが第一義・・のように感じます。
ボディは太く、複雑性もたっぷりです。ジューシーだが全然安っぽく無い・・どころか高級感さえ感じさせてくれます。
SO2的なニュアンスは感じさせないのにワインは非常に健全健康です。澱だらけの濁ったワインか?と想像しがちですが、決してそんなことも無い・・。
まぁ、モレ=サン=ドニ村名で2万幾ら・・なワインも平気で造っちゃう彼ですから、どこまで自然児なんだと。そんなワインはnoisy も必ずや飲んでみたいワインのトップグループに入ってるワインです。どうもエージェントさんは持ってるような気配なんですけどね・・。
まぁ、とことんナチュラルで、でも実は捨てちゃいけないものはちゃんと表現しているワインです。飲むべきだと思います。是非ご検討くださいませ。
■エージェント情報
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ブルゴーニュ最強のリスクテイカー!ヤン ドゥリューの愛の結晶ラヴ&ピフ 2014年を12ヶ月じっくり休ませてのリリースです!
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「なぜヤン ドゥリューは、権威主義うずまくブルゴーニュという土地で、その純粋さを希求し、無謀な挑戦を続けているのか。」
彼のワインから感じる強く鋭い信念に触れるたびに抱く疑問でした。
「なぜブルゴーニュでなければいけなかったのか。」
とらえどころのない、それでいて心の底に重く深く沈んでいる疑問を晴らしてくれるのは、いつも、彼らとともに畑に立ち、語り、グラスを傾ける時間です。ヤンの祖父が、オート コート ド ニュイの地で畑を切り拓き、ヤンの家族はブドウ栽培者としての営みを始めます。
子供の頃から大好きな祖父とともにブドウ畑を駆け回って遊んだというヤン ドゥリュー。彼にとっては、その畑こそが人生の喜びに満ちた場所であり、畑で生きていくことは必然だったと言います。自身が少年時代を過ごし、祖父との思い出が溢れる場所。それが偶然ブルゴーニュであり、オート コート ド ニュイだったのです。
彼にとっては、ブルゴーニュの権威主義的なヒエラルキーは意味がありません。目の前の畑、目の前のブドウたちを深く観察し、理解し、愛を投じることで、その秘めた魅力を極限まで引き出すことこそが、ヴィニュロン(=ブドウ栽培・ワイン醸造家)としての使命なのです。
現在、彼のワインはアペラシオンを取得していません。原則としてヴァン ド フランスとしてリリースされています。そして、それぞれのワインが生まれる畑も、多くは、ブルゴーニュやオート コート ド ニュイというアペラシオンに位置づけられる区画です。
しかし彼は、常軌を逸したリスクを引き受け、膨大な労力と時間を畑に投じることによって、ブルゴーニュの権威主義を揺るがすほどのワインを次々と生み出しています。
「ヴァン ド フランスがこの価格!?」
「オート コート ド ニュイがこの価格!?」
当然本人もこのような声が聞こえてくるのは想像していたでしょう。そして、そんな時は悪戯っ子のような笑みを浮かべながらこう答えるのでしょう。
「皆、本当にこの土地の秘めた力を知ってるのかな?」
プリューレ ロックの特級畑でですら躊躇するようなリスクのあるアプローチを全ての畑で実践するヤン ドゥリューだからこそ、ブルゴーニュの土地の可能性と純粋さを表現できるのかも知れません。
実際、ヤン ドゥリューのワインには常に驚きと喜びに満ちています。そしてそれは、彼の祖父への、土地への、自然への愛であり、飲み手であるわたしたちへの愛の証なのだと知るのです。そんなヤン ドゥリューの愛の結晶であるワイン、アリゴテを用いて造られるラヴ&ピフの2014年が到着しております!
アリゴテらしい伸びやかな酸とその酸に負けずに余韻までその姿を残す果実味、どこまでも純粋でどこまでも清々しい味わいのワインです。日本到着からじっくり12ヶ月休ませてからの皆様へのご案内です。現時点でも爽快な美味しさを楽しんで頂けると思いますが、まず間違いなく長期の熟成にも耐えうるアリゴテでもあります。
クラスを超えた、既成概念を超えた、ブルゴーニュの大地が持つ本当の実力を感じられる1本です。ぜひ皆様にお試し頂きたいと思います。
以下はN.V.(2011)のこのワインのご紹介文です。
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【柔らかな酸と旨みの濁り!すばらしいブルゴーニュ白です!】 もう・・単にアリゴテとは呼びたくない・・そんな気持ちさえ生まれてくるような、素晴らしい白ワインでした!これは絶品の旨さです!
お茶の宣伝で、
「濁りは旨み・・」
みたいなコピーが今も流れていますよね。たしかにペットのお茶としては、奇抜なアイデアですし、そこを推すのも良かったのかな?と思います。でも、ペットのお茶の味わいの範疇を超えては・・いないとは感じます・・・・いや、あくまで個人的な感想です。
昔、濁りワイン・・というのが有りました。本当に濁っていて、そこに旨みのほとんどが有りました。甘みが有ったので、そこに要素が集中したような組み立てになっていました。
このアリゴテは、実は甘くない・・んです。酸の組成で甘みに近いものを感じますが・・・これは旨みです。そして結構な澱も有ります。しかし、とても輝いていて、とてもピュア。アリゴテとしては酸が柔らかいのに・・・酸がとても美味しい!・・・これは、アリゴテの酸を旨みの酸に変えたことを意味しているように思います。
そして、青~黄リンゴのようなニュアンスが感じられますが、普通のアリゴテのような鋭角なものではなく、鈍角でとても豊かなんですね。しかも石灰系のミネラルがごちゃまんと感じられる、素晴らしいバランスの持ち主です。
たしかにプリューレ・ロックの、出来が良い年のワインに似たニュアンスは有るかもしれません。でももっとミネラリティがあると思いま
それはきっと、まだ葡萄が造られてからさほど年を経ていないフランスの大地の味わいなのかもしれません。もしくは、地中で葡萄の根っこと他の植物の根っこが絡み合い、相乗効果で水分を汲み上げることに由来しているのかもしれません。でも結局は、有機栽培でなければ、もしくはビオでなければ・・・この味わいは成しえなかったでしょう。素晴らしいワインだと思います。ワイン流通者の猛者どもを虜にしたヤン・ドゥリュー・・・。目を離せない存在になりました。お奨めします!
● 2011 Chardonnay Selection V.d.F.
セレクスィヨン・シャルドネ V.d.F.
【これはブルゴーニュ・シャルドネの既存の王道を行く味わい!旨いです!】

実はこのワインの出来が非常に良いので、「カ・ドー」を飲む前はこちらを一推しにしよう・・などと考えていたんですが、カ・ドーを飲んでしまったらこのセレクスィヨンは「安全策に過ぎない」ことに気付きまして・・・でも、普通ならこちらは非常にリーズナブルで、「揮発酸のニュアンスなど皆無」で・・お奨めし易い訳です。
何せ昨今は、自然派のエージェントと言えば、揮発酸が多量に生成され、ほとんど「お酢状態」、しかも抜栓後にどんどんメーターが上がってしまって・・なんて状態でも、
「問題ありません」
などと平気でおっしゃる・・。ま、どうにもその香りや全部同じになってしまうアフターにも慣れてしまって、気付かないようになってしまったのかと、非常に残念にも思っている部分もある訳です。それさえ無ければ素晴らしいバイヤーなのにと・・思うんですが・・。
こちらは非常に健全な、樽の無いムルソーに近いような味わいです。色合いも緑が薄~く入って美しいですよね?
でも、こちらはヤンが造ったのではなく、最終的には仕上げたのかもしれませんが、「セレクスィヨネ」と入ってますので、友人が造ったものでしょう。
しかし、タイトに締まりつつもドライでナチュラルさの有る味わいが非常に素晴らしいと感じさせてくる旨いシャルドネです。
カ・ドーのような、有る意味「過激」(でも実は「オーソドックス」「クラシック」)なニュアンスの無い、普通の味わいです。それもかなり上級ワインに通じるようなニュアンスも持っています。
もし可能でしたら、ヤンがリリースしたこの2種を両方飲まれてみると、noisyの言ってる意味が判り易いかと思います。カ・ドーは先進的だが実は原点回帰で有り、セレクスィヨンは現在、現時点でのナチュールの限界を示すものでも有ります。
実は、ヤン・ドゥリューのワインは非常に高価で・・村名のモレ・サン=ドニなども造っているんですが、海外の価格を見ると・・・
「なんと4万円!」
「・・マジっすか!]
まぁ、マジ=シャンベルタン並みのモレですが、それでも高い評価を得ているようですよ・・。飲んでみたい気もしますがちょっと怖い・・(^^;
エージェントさんには、
「サンプル頂戴ね!」
と脅かしてありますんで、何かの間違いで飲めるようになればと・・思っています。
この美しい色合いは伊達じゃ無いです!「カ・ドー」を受け取れないな・・と感じる方は、こちらのセレクショネを・・飲んでみてください。きっとヤンからのメッセージを受け取ることは可能かと思います。お勧めします!
Selection Chardonnay / Yann Durieux
セレクション シャルドネ / ヤン ドゥリュー
フランス ブルゴーニュ地方 シャルドネ 100%
オート コート デュ ニュイというブルゴーニュのヒエラルキーの中では基礎の部分に位置するアペラシオンから、その感性とリスクを厭わない大胆さで世界中のワインラヴァーを魅了するワインを生み出したヤンドゥリュー。ブドウと向き合い、正しい栽培をすれば、ブドウや大地は必ず報いてくれると信じる彼は、近隣の友人で真摯にビオロジック栽培に取り組む生産者仲間も巻き込み、ブルゴーニュの新しい可能性を押し広げています。シンプルに「セレクション」と名づけられたこのワインもそんな取り組みの中から生まれたワインのひとつ。いわゆるネゴシアンワインですが、その味わいにはヤンドゥリューからの強いメッセージがしっかりと込められています。
- テイスティングの印象 2015年6月 (2011) -
トロピカルな果実味に爽快な柑橘のニュアンスがあり、潔さを感じさせてくれるストレートな味わい。硬質なミネラルの雰囲気と絶妙な酸のバランス、余韻の複雑さなど素直に優等生だなと思わせてくれるブルゴーニュ白ワイン。ヤンドゥリューの他のワインに見られるアンニュイな雰囲気はなく、どこまでも真っ直ぐな印象。この飲み心地はさすが。
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