● ヤン・ドゥリューの新ヴィンテージです。「新」とは言っても結構に時間は経過しています。そしてnoisy はようやく・・
「ジャノ」
を飲むことが出来ました。・・なるほど・・そういうことかと・・少しヤン・ドゥリューを理解できたかと思っています。
彼のワインは、
「頭で飲まず、心と身体で飲む・・」
そうすると伝わってくるものが多いかな・・と思いました。
何せ、超繊細ながら、あのロック親父の継承者・・みたいなものですから・・。
今や大いに騒がれる存在になってしまったプリューレ・ロックですが、
「ロックの魂はこっちにある!」
と言わずにいられようか・・そんな感じがします。
そしてジャノやPVを飲んで、
「ロックも、パカレも、ヤン・ドゥリューも・・同じライン上にいたんだ・・」
との思いを深くさせられました。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
-----
前回のご案内からさほど時間は経過していませんが、インポーターさんのお約束通り、今まででは考えられない数量が入って来た「ヤン・ドゥリュー」です。余りに少ないのはどうにもなりませんが、むしろ右から左に流すだけの商売ならそれも充分有りなのかもしれませんが、
「美味しいかどうかも、良いのかどうかも、どんな味わいなのかも、何も判らないまま・・」
そんな状況に置かれたワインが勝手に独り歩きしてくれればそれでも良いのでしょうが、やはり「理解しようとすること」こそが今のような時代だからこそ、ワインを扱うものに求められているような気がします。お金だけ欲しくてやってる方はこんな業界に長居する必要などない訳ですから、とっとと投資などの世界へ移って稼いでほしいと思ってしまいます。インポーターさんもそう・・ただたまたま仕事だったからやっていらっしゃるのなら、向かないと思うので早めに転職された方が良いと思いますよ。
で、ようやくある程度の数量をいただけました。8アイテムで82本、1アイテム平均10本です。そうは言いましても最低数が2本、最高が24本ですから、余り平均値には意味はないんですが、
「ずっと気になっているヤン・ドゥリューの今を知るべく、全アイテムテイスティング!」
を決行しました。・・まぁ、資金的には相当厳しいんですが、ここぞと言う時はしっかりやらないと・・。そして、少しだけヤン・ドゥリューの今が判ったような気がしています。
基本的にはD.R.C 系の造りです。プリューレ・ロックにも近いですがやはりD.R.C.かな・・。ロックのクロ・ド・ベズのような「真っ赤」な感じは無く、言ってみるならクロ・デ・コルヴェの延長上でしょう。D.R.C.だとするなら仕上がりの味わい傾向はラ・ターシュでは無く、むしろロマネ=コンティ的です・・安い方で言えばエシェゾーでしょうが、パワフルなピノ・ノワールの表現では無く、エレガント系です。
ですが・・もっとずっと自由です。自分の感性を頼りにワイン造りをしているような感じです。So2 はギリまで使いたくないのでしょう。全く使わないか?・・と問われればどうかと思いますが、
「So2?・・他の手段もあるでしょ。」
と言ってるような気もします。
なので、アイテムによっては「揮発酸」も出ています。「検出限界」や「少な過ぎて判らない・・あるかもしれない」キュヴェも有ります。
ですが、その「揮発酸の出たワイン」がまた・・実に魅力的なんですね。滅茶美味しいんですよ。表現も素晴らしい・・。魚介類とのマリアージュも素晴らしいんでビックリですし、合わせていくと、今まで気付かなかった一面さえ見せてくれます。
そして、もしかしたらファーストノーズで一瞬、
「ん?」
と思ったとしても、グラス一杯飲み終えた頃には、全く気にならなくなっているでしょう。「揮発酸」は浮いておらず、完全にワインとシームレスに一体化していて、抜栓してもその量は増えることなく、むしろ徐々に減って行くんです。これにはちょっと驚きました。
まぁ、noisy は基本的には「揮発酸の出たワイン」は好きではありません。しかし、完全シャットアウトでは無い・・その全体像をしっかり見ようとしています。その上で、
「駄目なものはどんなに足掻いてもダメ」
です。
しかし、ちょっと出ているから・・と言って、その本質を見ずに拒否することは有りません。その上で、
「揮発酸の出たワインも表情の一部で有り、止まっていて一体化しているのなら問題無し」
とする場合が有ります。それがこのヤン・ドゥリュー(のワインの一部)なんですね。
言ってみれば、
「完全に自由なD.R.C.」
のような方向性です。足の鎖を外し、手錠を壊して野に出た一人の栽培家、醸造家です。言ってしまえば・・かのジャン・イヴ・ビゾのエシェゾーの方が揮発酸はキツイです(ヴィンテージによりりますが・・)。
そして、とことん、前向きですし、どこからか「ドクターX」のあの女優さん・・
「アタシ、失敗しないので・・」
みたいな声も聞こえて来ます。
その上で、実は滅茶苦茶・・繊細です。誤解を恐れずに言うなら、ロマネ=コンティの極一部分だけを切り取ってワインにしているような気さえします。なので、
「飲んでいて実に楽しい!」
ですし、実は酔い覚めが滅茶苦茶軽いです・・。
そんな彼の白は・・実はビックリするほど健全です。「揮発酸」のニュアンスはほぼ無いんですよ。実に美しく、味わい深いです。「DH(デー・アッシュ)N.V.2015」なんぞ、ボトルを抱えて飲みたい位・・です。「マノン」も実に美味しい!ビックリしますよ。
ですので、「役職」や「血筋」に拘らず、「その人のポテンシャル」を見る人事部長になったと思って・・(^^;; 是非飲んでみて欲しいと思います。個人的には、
「将来のブルゴーニュを背負って立つ一人」
だと思ってます。
ですが、「揮発酸」にアレルギーの有る方、「ビオが嫌い」な方は無理することは有りません。価格はそれなりにしますし・・。ですが、
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールがどこへ行くか?」
もしくは、
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの真の姿とは?」
など、探求してみたい方は、ヤン・ドゥリューが最も適役だと思います。是非ご検討くださいませ。
■エージェント情報
「やっと充実したワイン造りが出来たと感じられたんだ」
と満面の笑みで語ってくれたのは2019年6月、猛暑のブルゴーニュで初めて会ったヤン ドゥリューの言葉です。この日はこれからリリースする予定の2017VTや過去のバックヴィンテージ含め20アイテム近い試飲をしながら、各キュヴェの特徴を本人から聞くという幸せな訪問をしていました。初めて会うヤンは話には聞いていましたが、会った瞬間に全開のオーラを感じる相当に”トンガッた”人。言葉の一つ一つにエモーショナルな波動が込められているかのように我々の心に突き刺さり、とは言え、ワイン以外の話しをする時は身重の妻を優しくフォローする良い夫な側面もある、実に人間らしい人でした。ワイン以外にもレースが趣味なヤン。BMWのM3で爆走するのが癒やしと語る眼は、まるでヤンチャな子供のようでした。(ちなみに訪問1周間前にBMW M3で爆走した為、免停になったそうです。)
基本的には遅めのタイミングで収穫をするヤンは、多いと10ヶ国以上の季節労働者50~60人で行っていますが、例え季節労働者でもレベルの高い仕事をして欲しいと思っているため、仕事に見合った給料を払っているとの事。良い仕事をするために、眼に見えない所にも配慮を欠かさないヤン。そんな一つ一つの涙ぐましい努力の結晶である彼のワインから、今回は2017ヴィンテージのスタンダードアイテムに、バックヴィンテージも複数ご案内です。
【ヤン本人によるヴィンテージ解説】
2015
素晴らしいヴィンテージ!太陽の光をたっぷりと浴び、高い熟度と素晴らしい酸のバランスが取れていて、良い葡萄の収穫量も多く、良いワインが簡単に造れたヴィンテージです。
2016
とても悲しいヴィンテージ。霜、雹、湿度これらの影響によりミルデューが発生し、収穫量は考えられないほど少なかっですが、収穫された葡萄のクオリティが想像以上に高く、ワインが素晴らしいバランスに仕上がった年でもあります。最も豪華でグラマラスな品質を得られたヴィンテージのひとつ。
2017
とてもフレッシュな果実とスルスル飲める質感で飲みやすい良いヴィンテージ。1年を通じて良好な天候にも恵まれ、良い意味で畑に手を掛け過ぎなくて良かった。熟度はそれほど高くはありませんが、果実、酸のバランスが取れたワインで、今飲むのであればこのヴィンテージのバランスはかなりいい驚きを与えてくれると思います。
以下は以前のコラム内容です。
-----
久しぶりのご案内になったヤン・ドゥリューです。実は色々有りまして・・しばらく離れていました。
ワイン業界を取り巻く環境もめまぐるしく変化しています。今まで普通に入っていたものが急に入らなくなったり、理解不能な位に値上げに成ったり、数量が極端に減ってしまったりしています。また現況は新型コロナウイルスの影響も有り、飲食店さんは売上的にはかなりの打撃を受けています。特に「ワインを一生懸命広めて来たお店」は、ランチ以外で頑張るしか無く・・もっとも、少人数で回していたお店は、存続については問題はないのかもしれませんが、モチベーション的には駄々下がりでしょう。
ヤン・ドゥリュー...ご存じの方には、
「・・凄い可能性を感じる・・と言うか、素直に素晴らしい!」
と絶賛する方と、
「・・私にはちょっと・・」
とネガティヴに捉えてしまわれる方と、両方いらっしゃるでしょう。
しかしながらそれでも、先進的なビオ・・それもブルゴーニュで・・下手をすれば「クリュ」「村名」の畑で、造っている生産者ですが、
「ワインなのか、ワインではないのか・・飲んでも良く判らない・・」
と言うような代物では有りません。
ナチュラルワインの限界を攻めていながら、昔からのワインファンをも唸らせる魅力のあるピュアさを持っています。
noisy も、彼のそのスタンスに好意を持ちながらも、余りの価格の高さと、テイスティングさえできないほどの数量しか割り当てが来ないことに嫌気が差し、しばらくの間離れることになってしまった訳です。
今回も3アイテムのみ、4本、3本、3本で計10本と言うような非常に少量な数しか来ていませんが、それでも次回以降は
「テイスティング出来る位の量は保証する」
とのエージェントさんの言葉を信じ、取扱を再開させていただくことになりました。
ですが、それでも3アイテムで10本中、価格の高い方を2本テイスティングしていますので、ほぼボランティアです。商売としますとまるで割に合いません。
それでも・・・
「ブルゴーニュワインの将来を背負っている一人」
で有ることは間違い無いと感じています。
プリューレ・ロックの品質を支えた一人としても有りますが、どんなワイン屋も、偉い資格保持者も、避けて通って来た「ブルゴーニュのビオに対する素直な印象の吐露」を、もし誰も行わないのであれば、非常に不幸なことになってしまうと憂いています。
素晴らしいブルゴーニュワインだと感じました。それでも、全てのブルゴーニュワインファンに向けて、是非とも飲んでくれとは・・言いません。
「ブルゴーニュ新時代を見つめて行きたい!」
そう思われる方でしたら、是非飲んでみていただきたいと思っています。
■エージェント情報
これぞブルゴーニュの真髄!思わずため息が出てしまう...ヤンドゥリューのご案内です。
「やっと充実したワイン造りが出来たと感じられたんだ」
と満面の笑みで語ってくれたのは2019年6月、猛暑のブルゴーニュで初めて会ったヤン ドゥリューの言葉です。この日はこれからリリースする予定の2017VTや過去のバックヴィンテージ含め20アイテム近い試飲をしながら、各キュヴェの特徴を本人から聞くという幸せな訪問をしていました。初めて会うヤンは話には聞いていましたが、オーラ全開の相当に”トンガッた”人。言葉の一つ一つにエモーショナルな波動が込められているかのように我々の心に突き刺さります。とは言え、ワイン以外の話しをする時は身重の妻を優しくフォローする良い夫な側面もある、実に人間らしい人でした。ワイン以外にもレースが趣味なヤン。BMWのM3で爆走するのが癒やしと語る眼は、まるでヤンチャな子供のようでした。(ちなみに訪問1周間前にM3で爆走した為、免停になったそうです。)
基本的には遅めのタイミングで収穫をするヤンは、多いと10ヶ国以上の季節労働者50~60人で行っていますが、例え季節労働者でもレベルの高い仕事をして欲しいと思っているため、仕事に見合った給料を払っているとの事。良い仕事をするために、眼に見えない所にも配慮を欠かさないヤン。そんな一つ一つの涙ぐましい努力の結晶である彼のワインから、今回は3キュヴェのご案内です。
-----
脅威の自然児が造るスーパー・ナチュールワイン!?が入荷です。今回は白ワインが2アイテム・・でも性格が全く異なる2アイテムでした!そしてそのどちらもが素晴らしい!非常に希少です。ブルゴーニュワイン・ファンは「シャルドネ・セレクスィヨン」を、ヴァン・ナチュールがお好きな方、もしくはブルゴーニュがお好きでヴァン・ナチュールもお好きな方は「シャルドネ・カ・ドー」を是非ともご注文ください!
「マジっすか~!」
みたいなヘヴィ・メタぎんぎんなエチケットのやんちゃさ・・そして、飲んでみてビックリのアヴァンギャルドさと、捨ててはいけないものはしっかりと・・そしてそれをさらに磨きぬいていると言う、プロも認めざるを得ない味わいのワインをご紹介します。ヤン・ドゥリュー・・・お見知りおき下さい・・っても、このエチケットを観たら忘れられないですよね!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
ポスト フィリップ パカレ!!
ポスト プリューレ ロック!!!
ブルゴーニュに次世代のスターが登場!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
(その良し悪しは別として)日本のワインシーンではもっとも話題にのぼる産地、ブルゴーニュ。
素晴らしいテロワールの数々、素晴らしい造り手たち、高い評価に高いお値段…
当然ながら新規就農の造り手にはハードルが高く、既存の生産者が切磋琢磨するなかで、なかなか若く有望な造り手が登場するには厳しい環境です。

“2010年ヴィンテージでデビューを果たし、あっという間にパリのカヴィストやソムリエたちの話題をさらったポスト フィリップ パカレ!!ポスト プリューレ ロック!!!間違いなしのブルゴーニュ自然派ワインのニュースターです!”
と興奮気味にヤン ドゥリューのワインをはじめて皆さんにご紹介してから早2年と少し。その間色々ありまして…ずいぶんご無沙汰になってしまいました。
プリューレ ロックで働きながら、プライベートな時間を全て費やして自身の畑仕事もこなし、リスクの取りづらいブルゴーニュという土地で妥協のない「攻めた」ワイン造りに挑戦しているヤンドゥリュー。フランス国内をはじめ世界中でひっぱりだことなった彼ですが、そこに襲いかかったのが超低収量の年の連続。他のブルゴーニュの造り手たちと同様に少なすぎる収穫量に苦しめられます。

特に自分自身のドメーヌをスタートさせてまもない財務基盤が弱いヤンにとっては、この収穫減はかなりの痛手でした。なんとかロックでの必死の仕事で生活の基盤をまかないながら、自身のワイン造りに対してもフル回転。そんな中でワインの品質に関わる以外の在庫管理や販売などの事務仕事の優先順位が下がり…、日本向けに予約していたワインを
「売っちゃった!」
との連絡が!!!!!
ということで丸々1年分のワインが日本未入荷となりました。
その後も相変わらず低収穫量の年が続いている事もあって連絡の取りづらい状況が続いており、今後の入荷がどうなるかという不安は相変わらずなのですが、とりあえず引取りに成功した一部ワインをリリース致します!

ということで、今回のリリースワインは2種類。
まずは、ヤンの友人がビオロジックで栽培を手がける畑のブドウから造られたセレクションシャルドネ 2011!いわゆるネゴシアン ワインですが、キラキラしたミネラル感とストレートな果実味は、ザブルゴーニュ!という風情があり、と同時にヤンらしい深い深い純粋さを併せ持っています。
続いては「カ ドー」という意味深(仏語でギフトを意味するカドーとほぼ同音)な名前のキュヴェ。シャルドネから造られるワインですが、セレクションとは打って代わり犬のプードルのようなもくもくした澱(おり)と濁りがあり、ただならぬ風貌。抜栓直後はわずかに還元的なニュアンスが感じられますが、スワリングによって出てくるナッツやアーモンド、ゴマといった種子系の香ばしいフレーバーとパイナップルや柑橘などの旨味感たっぷりの果実味!ブルゴーニュという枠組みを超越した非常に挑戦的なワインです!!! どちらのワインも日本への入荷自体は随分前なのですが、味わいのスタートラインに立てるようになるまでじーっくりと寝かせました。理想を言えばもう少し時間をかけて、さらなる飛躍を待ちたいところですが、このタイミングでもポテンシャルの片鱗は十分感じて頂けると思います。すぐに試してみたいという場合にはデキャンタージュをオススメ致します!

「ヤン ドゥリュー 生産者紹介」
ヤン ドゥリューは、オート コート ド ニュイのエリアでニュイ サン ジョルジュとアロースコルトンの間に位置するヴィレ=ラ=フェイ村を中心にワイン作りに取り組む才能溢れた若きヴィニュロンです。
2010年がデビューとなるヴィンテージで、3haほどの広さの畑から革命的なワインを生み出しています。また近年は、ビオロジックで栽培されたブドウを友人から買い付けることや、自身で畑を借りるなどもしてワインを造っています。
ジュアリン ギュイヨの下で7年間ワイン造りを学び、その後、DRC社の共同経営者としても知られるアンリフレデリック ロック氏のドメーヌ プリューレ ロックで2008年から栽培を担当しています。
彼は、自身のワインをリリースするようになってからもプリューレ ロックでの仕事を続けていて、ロックでの仕事を終えた後や休日などを利用してブドウを育て、ワイン造りに取り組む情熱ある生産者です。

ヤン ドゥリューは、ブルゴーニュでも比較的注目されていない土地の中から、可能性を秘めたテロワールを発掘し、その土地で素晴らしいワインを生み出すことに情熱を注いでいます。
「ブルゴーニュには、今評価されている区画以外にも誰も挑戦していないが素晴らしい可能性を秘めた土地、テロワールがある。私の人生はそういった土地を発掘し、素晴らしいワインを生み出すことです。」
そんな彼のアンテナにキャッチされたのがオート コート ド ニュイという地域でした。オートコートという格下に見られがちなこの土地で、徹底的にテロワールの可能性を引き出し、従来の常識を凌駕するワインをファーストヴィンテージから生み出すことに成功したのです。
その秘密はやはり栽培にありました。ロックで栽培を担当しているだけあって自然なアプローチでの栽培に習熟しており、さらには古き先達の話をよく聞き、実際の経験とも融合させて独自の栽培哲学を備えています。その実践の場が自身の畑です。
収穫量を徹底的に抑える(最低でも25hl/haを超えないようにする)こと、丁寧にブドウが熟すように収穫を遅くすること、遅い収穫時期であっても過熟にならないように剪定の時期をギリギリまで遅らせブドウの生育サイクルを導くことなど、プリューレロックにおいてでさえリスクを考えて避ける方法であってもヤン ドゥリューは挑戦します。
そして、最高のブドウを得てからの醸造に関してはいたってピュアそのもの。自然酵母での発酵、キュヴェのポテンシャルに応じた熟成期間を十分取り、瓶詰め時の亜硫酸の添加も原則行なわず、厳密な濾過もなし。ブルゴーニュワインという経済的に「守り」に入らざるをえないワインにおいては、かなり冒険的な挑戦です。