【純!めちゃピュアです!・・果汁の無い・・果皮だけの味わいに近いのに、重過ぎない・・美しいレフォスコでした!】--注:こちらはブローカーもののテイスティングレヴューです。

前回、「しら~っ」と出したんですが全く売れず。
「えっ?・・一応カルヴァリの後継なのに・・売れないの?」
とちょっとビックリ。
まぁ、本当は1本飲みたかったので良いんですけどね。お陰様で素晴らしい経験をさせていただけました。
この、濃密な色!・・凄い密度ですね~。全くグラスを持つ手は見えない・・このところご紹介させていただいているワインとは、全く方向性が異なるかのように思えます・・。
「・・でも!」
いや・・美しいです。心が洗われるような、真っすぐな美しさに満ちていました。そして、
「滅茶苦茶ドライ!」
です。甘さは全く無し。
酸もしっかり有るんですが・・エッジが無くて「つるんつるん」です。
なので、「純粋」x「純粋」=「純粋」2乗
みたいな凄い感覚です。
で、運良く・・この晩のオカズは何と「焼き鳥」でした。串の種類も色々あり、それぞれにこの純なレフォスコはしっかり対応してくれていたんですが・・
「レバー!」
いや~・・これがもう、最高です!凄いマリアージュでした・・レバーだけ買い足して来てもらって呑みたい位・・いや、もう夜中の一時ですけど。
まぁ、カルヴァリならずとも、ミアーニ・メルロにフォワグラとか、レバーとかは絶品では有りましたが、やはり純で密な赤には、高級食材が似合うとしても、
「焼き鳥最高!」
なのも間違い無し・・いや、レバー串が最上では有りますが、さっぱり系の「つくね」や、少し脂のある「カシラ」にも合わせてくれる辺り、ミアーニ・レフォスコの懐の深さを感じさせていただきました。
そもそも・・飲んでご紹介するようなワインでは無くなったはずでは有りますが、時に「役得」も無いと枯れちゃいますから・・ご容赦ください。お勧めします!
以下は先週書いた文章です。
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カルヴァリは・・見ないなぁ・・と思っていたら、どうやら畑を手放してしまったようです。こだわってしまうとどうしても余りに収量が出ないのが原因?・・かと推察します。
2015年もののレフォスコがラシーヌさんからリリースされていたのはずいぶん後になって知ったんですが、結局お声掛けは無かったですね。
なので、今回の品物はブローカー入れです。リストを眺めていたら入ってました。状態は悪くないと思います。
なにせ、あの「カルヴァリ」もレフォスコで、たった1度では有りますが、強烈なインパクトを受けた印象を覚えています。
「・・これって・・もしかして・・果皮だけ?」
もう一度、少し熟したカルヴァリを飲んでみたかった・・と残念に思っています。ワイン屋でもそうですから、お客様なら余計にそうですよね・・その人の興味がどこに有るかにもよるかもしれませんが・・。
と言う訳で、非常にリーズナブルに仕上がったと思います。ご検討くださいませ。

「ん?・・何の写真?」
と思われたかもしれません。実はこれ、WINART誌の第13号、「特集 北イタリアを狙え」の巻頭の写真です。2002年に出版された、少し古い本です。
手の大きさが・・不自然ですよね?・・まぁ、本の写真を斜め上から撮ってますから、写真自体が台形に変形しているのも有り、
「指が・・超短い!」
みたいになっちゃってますが、今回、そこはど~でも宜しい・・。
「手と葡萄の実のバランスを見て欲しい!」
んですね・・。
ど~ですか?・・
「・・・ちっちゃ~・・」
と・・思われるに違いないですが、これがミアーニのメルロです。
まぁ、WINARTの本編にはカルヴァリのレフォスコの写真も有りますが、これなんぞ、必見ですぞ。これ、見たら・・知らなかったことを恥じるに違いないです。
まさに、こんな小さな実と房をエンツォは造っているんですね・・。クローンもあるのかもしれませんが、この小ささこそがこのミアーニのC.O.F.の気候と土壌の表現そのものなんでしょう。
想像してみましょう・・こんなに小さな房では、1本のワインを使用するのにどれだけの房を必要とするのか・・でもエンツォはその貴重な実を選別してどんどん捨ててしまいます。それが2010~2011年とメルロが届かなかった理由の一つでしょう。
果汁は・・ほとんど無いと言って良いような葡萄だそうです。そりゃぁ・・そうですよね・・種も有りますし、メルロの果皮は分厚いですからね・・。厚い果皮、果皮の周りの熟度の高い部分が少し、果汁がほんの少し、あとは種・・・です。それが・・「ミアーニ・メルロ」です。
2012年はそこそこは採れたようです。でも最大で1500本だそうで・・でも、「ブリ」「フィリップ」の両方の畑を一緒にせずとも済んだんですね。
またロッソは、捨てられずに済んだ葡萄で仕込み、キュヴェを仕立てる時に余ったもの、また、上級キュヴェにするには「不足している」とされたもののブレンドのようです。なので、2010、2011年もリリースされました。
まだこれほどまでにミアーニが衆知される前には、結構・・飲めました。その昔ミアーニ・メルロが欲しくて、かなり探しましたが、貰えたのはソーヴィニヨンだけ・・みたいな時代も有りました。そうこうしているうちに、その代理店とミアーニの関係がおかしくなり、またまた振り出しに戻り・・そうこうしているうちに、ラシーヌさんから・・
「ミアーニをやらないかと言われてるけど・・断った」
などと・・言う時期も有ったと記憶しています。
「・・なんでやらないの~?」
と・・。
でも結局扱っていただけることになり、今に至っています。
ミアーニ・メルロとフォワグラのマリアージュは、もう随分前に・・メルロを2本も開けて楽しみました。凄い経験でした・・。片方は平底デキャンタに落とし、もう片方はボトルからそのまま・・です。「ワインとは、マリアージュとはなんぞや?」の答えのひとつになった経験です。
おそらくですが、この2つのメルロ・・そしてロッソでさえ、そう易々と柔らかくなってくれないでしょう。でもマリアージュの世界では、そんなことはどうでも良いことです。食を中心に考えれば、その食を第一にしたマリアージュをすべきですが、ワインを中心に考えればそのワインを第一に考え、どのような構成になっているのか・・とか、どんなポテンシャルなのか、どんな違う表情を見せてくれるのかなどが判る、しかも美味しい食が求められるかと思うんですね。
だから、このワインの今の状態は、この瞬間にこそ存在する訳で、少し時間が経ってしまったら、もう変化しているんです。で、またその瞬間にも同じことが言える訳で・・その連続と言うことになるかな・・と思います。だからこそ、最高の食材とそのワインが、どんなポテンシャルを発揮してくれるのか、またマリアージュとしてはどうか、マリアージュを外してみてどうか、など・・非常に勉強させていただいたので、感慨深いワインなんですね。
まぁ・・物凄いワインです。化け物とも言えます。ロッソは化け物の子です・・(^^;; なので、怖いものが見たい方は、ぜひ何とか機会を作って挑戦してみてほしいと思います。ご検討くださいませ。