
ニコラ・ジェイのワインは2013年からリリースされ始めたと思いますが、noisy は昨年の2016年に2014年ものから扱わせていただいています。
「noisy さんのところじゃカルフォルニアは売れないんじゃないの?」
等と思われているかもしれませんが、実は2014年ものも早々に完売してるんですよね~。
因みに2014年もののウィラメットヴァレーはワイン・アンスージャストが94Points、スペクテイターが93Pointsと、かなり好意的に評価されているようです。さすがに2015年ものの評価はまだ上がっていないようですが。
で、早速飲んでみたんですね・・。いや、たった一年でこれだけ変わるか!・・と言う位、良くなってますね~・・かなりドメーヌ・エ・メゾンのメオ=カミュゼものが持つ美しいエキスと酸の姿に酷似してきています。
是非2014年ものの色合いと比較してみていただきたいんですが・・、比べると2014年ものは全体が白っぽく見えるかな・・と思うんですがいかがでしょうか?
やや半透明に白っぽいミネラリティ、ナトリウムっぽいようなニュアンスのミネラリティが全体を覆っているように見えるのが2014年、比べて2015年はそのような白っぽさは無く、むしろ透明でややハードなミネラリティ、クリスタルっぽく見えるんじゃないかと思うんですが、その差は非常にハッキリと香りや味わいに現れて来ています。
やや柔らかいテクスチュアでポマールっぽさを感じさせてくれた2014年でしたが、2015年はむしろもう少しハードで、最近のメオ=カミュゼのニュイ=サン=ジョルジュ的な、荘厳華麗なピノの姿に近いと感じました。
まぁ、
「想像しているより甘く無いですよ・・」
と2014年ものに付いて評しましたが、2015年は、
「全く甘く無いですよ・・」
と言えるかと思います。
とてもエキシーでほんのり複雑性の有るスパイスが香り、チェリー系果実が品位を持って表現されていると思われ、ブルゴーニュのピノ・ノワールが大好きな方々にも大いに許容される姿じゃないかと思います。

昨今のメオ=カミュゼのワインは非常に素晴らしいです。ですが、「アンリ・ジャイエの薫陶を受けた・・」と言うことについては、それを引きずってはいないな・・と言う印象で、むしろDRC的なエキスの味わい + 品格 を感じさせてくれるものであって、それがまたニコラ・ジェイにも感じられることはとても嬉しいです。
この左にかなり寄った写真も掲載させていただきましたが、とてもブルゴーニュ的な色合いを感覚として受けますよね。そして、温かく雨が余り降らない地で、葡萄の生育を見ながらベストのタイミングで収穫し、アルコール分や残留糖度を見て丁寧に醸造したことが伺えます。アルコール分は13%に仕上がっていてほぼドライですから、エキス系ブルゴーニュ・ピノ・ノワール的なのも伺えるかと思います。
とても良い出来のウィラメットヴァレーでした、お勧めします!
なお、シングル・ヴィンヤードもののビショップ・クリークは今回が初入荷で、2014年と2015年の両方が入って来ています。ただし非常に少量ですので、今回はテイスティングを見送っています。
話に寄ればシングル・ヴィンヤードものはウィラメットヴァレーよりもポテンシャルが高いとのことで、かなり期待できそうですが、売れ行きを見て飲めるようなら飲みたいと思っています。量的には無いようでして、海外の評価機関でもテイスティング出来ていないようです。是非ご検討くださいませ。
以下は2014年ウィラメットヴァレーのレヴューです。
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【カルフォルニアとも違う緯度感!柔らかく滑らかなポマールに似たニュアンスです!】
「カルフォルニアのピノは甘くて・・」
とおっしゃる方が多いはずの noisy のお客様の気持ちは良~く・・判ります。カレラなら良いけど飲むタイミングが難しいし・・オ・ボン・クリマまでかな?・・などと言うようなものかと思います。
でも安心してください・・いや、Xいてますよ・・とは言いません。おそらく想像されるより甘く無いです。オレゴンの持つ緯度的要素かな?・・と思いますが、バランスの良いソフトな酸、滑らかでやや太めのボディ、やや温かみを感じるタンニン以外は、ブルゴーニュ系のピノ・ノワールのフィネスを持っていると思います。
それに、樽臭さも無く、いつ飲んでもおそらくとても美味しいはず・・まぁ、それもブルゴーニュのピノには無いものかもしれません。
メオさんとジェイさん、そして醸造家の女性、トレーシーさんのジョイントでオレゴン・ピノ・ノワールを始めた訳ですが、トレーシーさんの苗字はケンダルさんだそうで、もしかして?・・そっちの絡みも有るのかな?・・などと邪推しています。もちろん、全然関係無いかもしれません。
単にジューシーなピノでは無く、オ・ボン・クリマのジム・クレンデネンさんのピノ・ノワールのような冷ややかさも持つ、エレガントさも充分な、いつ飲んでも美味しいポマールっぽいワインです。美味しいと思います。是非ご検討くださいませ。