【・・えっ?・・あのウィラメットヴァレーが・・この凄い締まりを持ったブルゴーニュ風ボディを手に入れた?・・と言うより、2019年のニコラ・ジェイのキュヴェ全てがとんでも無く素晴らしい出来でした!】

いつも言っているんですが、余りに凄い、滅茶良くなった・・などと言い続けていると、
「・・ちょっとどこかで一旦、休みたいんだけどなぁ・・」
と言うような気持ちが生まれて来てしまいます。
まぁ、オオカミ少年にならないための経験則・・みたいなものでしょうか・・それとも何とか今まで生きて来れた自身に課した人生訓のようなものかもしれません。
しかしながら2019年もののニコラ・ジェイを軒並みテイスティングさせていただいたのですが、これもまた、言わなければなりません。
「2019年のニコラ・ジェイは物凄い出来です!」
ただし・・おそらくもう皆さんはお気付きでしょう。
「2019年ものニコラ・ジェイはグラスの写真の色合いが今までと全然違う!」
この、とても締まった素晴らしい紫・・赤と、赤を積層させたかのような濃い紫・・ですよね・・黒じゃない・・しかも相当に美しい・・そこがポイントかと思います。

なんと・・ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、「ワインの味の科学」と言う本まで出されているイギリス系のジェイミー・グッドさん・・ワイン・ライターの方ですが、Wine Anorac と言うサイトもやっておられまして、評点も出されています・・
「96ポイント!」
でした!・・あのベースキュヴェのウィラメットヴァレーが・・です。
しかしながら noisy も、少なくとも95点は付けると思いますし、他のキュヴェと一緒にテイスティングしたので正確なところは出せないにせよ、
「2018年ものまでとは大きく異なる」
のは確認しています。
カリフォルニアとか、オレゴンなどのワインで感じる「強い温度感」「甘さ」は微塵もなく、
「これ・・ブルゴーニュだよ・・ね?」
といきなり訊ねられたら、
「・・多分・・」
ときっと言ってしまうに違いないのです。
それほどまでにブルゴーニュ的エレガンスを感じさせてくれる「締まりのあるボディ&残糖感の無い果実感」と「軽妙なバランスの良いミネラリティ」を持っています。
これ、かなりビックリすると思います!・・と言うか、2019年もののニコラ・ジェイはどれもビックリですが!・・
「ベース・キュヴェで・・これか!」
と思っていただけると思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!・・数は無いです!
以下は以前のレヴューです。
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【短い間に超上質なピノ・ノワールに成長しました!ブルゴーニュの村名格並みは充分ある見事な味わいです!】
2018年からは、ウィラメット・ヴァレーが、ウィラメット・ヴァレー・ランサンブルに名称変更になっていますので、今回ご案内させていただいている2016年、2017年は「ウィラメット・ヴァレー」になりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
非常に上質なビショップ・クリーク、ニーサ、モンタジには届きませんが、非常にバランスの良い柔らかで近しい味わいをしています。年々凝縮度は上がっていて、むしろ2018年ものは締まり気味・・とも取れますが、それは樹齢の上昇による要素の凝縮感と言うことなのかもしれません。
ですので、2016~2018と言うご案内になりますと、2018年ものが一番凝縮度が高い・・となりますが、ワインの場合は単にそれだけでは判断できないですから・・少なくとも、瓶熟の長さがワインの味わいに与える影響は、計り知れないものが有ります。テイスターとしますとその辺はきちんと評価に織り込むのが普通ですが、最近はどうも・・直近のことしか受け取らない傾向が有るような気もして来ています。
上級キュヴェのビショップ・クリークは、ニュイ=サン=ジョルジュ風、もしくはヴォーヌ=ロマネ風ですが、こちらのウィラメット・ヴァレー(・ランサンブル)も同系統です。ビショップ・クリークほどのミネラリティの多彩さ、よりメオらしい荘厳さは追いつきませんが、それでも相当に美味しいです。2013年ものの緩さが何か・・懐かしいとさえ思えます。

一枚目の写真は2018年ものです。ランサンブルの名前が付いている方ですね。
キュッとウエストの締まった感じが素晴らしいです。これは2016年ものから出て来た「締まり」ですが、そもそもある程度「出るところが出ていないと締まるウエストも無い」訳ですから、2016年ものあたりから、締めるに値するボディになってきたになってきた・・と言うことだと思います。
一般的なカルフォルニアのピノ・ノワールのように、甘さでダレることが無く、ドライでやや白っぽさのある石灰感がほんのり漂います。飲み心地は正にブルゴーニュのピノ・ノワールと言って良く、チェリーやベリーの締まった果実感と滑らかでピュアな味わいが特徴です。「濃いな~・・」と言う感じはしないですね。
やはりその辺はピノ・ノワールの聖地で育ったジャン=ニコラの感性が優先されているんだと思います。
実は2017年と2018年だけでなく、2016年もテイスティングしているので写真を探しましたが、機種変更時にゴチャゴチャになってしまい、未だに探し出せていません。申し訳ありません。
でも、2016年からは非常に見事な・・緩慢さの無い味わいになったと確認しています。是非とも飲んでみて下さい。リーズナブルだと思います。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【高い評価の2014年よりもドライでエキス系の美しく品位高い仕上がり!とても好印象です!】

ニコラ・ジェイのワインは2013年からリリースされ始めたと思いますが、noisy は昨年の2016年に2014年ものから扱わせていただいています。
「noisy さんのところじゃカルフォルニアは売れないんじゃないの?」
等と思われているかもしれませんが、実は2014年ものも早々に完売してるんですよね~。
因みに2014年もののウィラメットヴァレーはワイン・アンスージャストが94Points、スペクテイターが93Pointsと、かなり好意的に評価されているようです。さすがに2015年ものの評価はまだ上がっていないようですが。
で、早速飲んでみたんですね・・。いや、たった一年でこれだけ変わるか!・・と言う位、良くなってますね~・・かなりドメーヌ・エ・メゾンのメオ=カミュゼものが持つ美しいエキスと酸の姿に酷似してきています。
是非2014年ものの色合いと比較してみていただきたいんですが・・、比べると2014年ものは全体が白っぽく見えるかな・・と思うんですがいかがでしょうか?
やや半透明に白っぽいミネラリティ、ナトリウムっぽいようなニュアンスのミネラリティが全体を覆っているように見えるのが2014年、比べて2015年はそのような白っぽさは無く、むしろ透明でややハードなミネラリティ、クリスタルっぽく見えるんじゃないかと思うんですが、その差は非常にハッキリと香りや味わいに現れて来ています。
やや柔らかいテクスチュアでポマールっぽさを感じさせてくれた2014年でしたが、2015年はむしろもう少しハードで、最近のメオ=カミュゼのニュイ=サン=ジョルジュ的な、荘厳華麗なピノの姿に近いと感じました。
まぁ、
「想像しているより甘く無いですよ・・」
と2014年ものに付いて評しましたが、2015年は、
「全く甘く無いですよ・・」
と言えるかと思います。
とてもエキシーでほんのり複雑性の有るスパイスが香り、チェリー系果実が品位を持って表現されていると思われ、ブルゴーニュのピノ・ノワールが大好きな方々にも大いに許容される姿じゃないかと思います。

昨今のメオ=カミュゼのワインは非常に素晴らしいです。ですが、「アンリ・ジャイエの薫陶を受けた・・」と言うことについては、それを引きずってはいないな・・と言う印象で、むしろDRC的なエキスの味わい + 品格 を感じさせてくれるものであって、それがまたニコラ・ジェイにも感じられることはとても嬉しいです。
この左にかなり寄った写真も掲載させていただきましたが、とてもブルゴーニュ的な色合いを感覚として受けますよね。そして、温かく雨が余り降らない地で、葡萄の生育を見ながらベストのタイミングで収穫し、アルコール分や残留糖度を見て丁寧に醸造したことが伺えます。アルコール分は13%に仕上がっていてほぼドライですから、エキス系ブルゴーニュ・ピノ・ノワール的なのも伺えるかと思います。
とても良い出来のウィラメットヴァレーでした、お勧めします!
なお、シングル・ヴィンヤードもののビショップ・クリークは今回が初入荷で、2014年と2015年の両方が入って来ています。ただし非常に少量ですので、今回はテイスティングを見送っています。
話に寄ればシングル・ヴィンヤードものはウィラメットヴァレーよりもポテンシャルが高いとのことで、かなり期待できそうですが、売れ行きを見て飲めるようなら飲みたいと思っています。量的には無いようでして、海外の評価機関でもテイスティング出来ていないようです。是非ご検討くださいませ。
以下は2014年ウィラメットヴァレーのレヴューです。
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【カルフォルニアとも違う緯度感!柔らかく滑らかなポマールに似たニュアンスです!】

「カルフォルニアのピノは甘くて・・」
とおっしゃる方が多いはずの noisy のお客様の気持ちは良~く・・判ります。カレラなら良いけど飲むタイミングが難しいし・・オ・ボン・クリマまでかな?・・などと言うようなものかと思います。
でも安心してください・・いや、Xいてますよ・・とは言いません。おそらく想像されるより甘く無いです。オレゴンの持つ緯度的要素かな?・・と思いますが、バランスの良いソフトな酸、滑らかでやや太めのボディ、やや温かみを感じるタンニン以外は、ブルゴーニュ系のピノ・ノワールのフィネスを持っていると思います。
それに、樽臭さも無く、いつ飲んでもおそらくとても美味しいはず・・まぁ、それもブルゴーニュのピノには無いものかもしれません。
メオさんとジェイさん、そして醸造家の女性、トレーシーさんのジョイントでオレゴン・ピノ・ノワールを始めた訳ですが、トレーシーさんの苗字はケンダルさんだそうで、もしかして?・・そっちの絡みも有るのかな?・・などと邪推しています。もちろん、全然関係無いかもしれません。
単にジューシーなピノでは無く、オ・ボン・クリマのジム・クレンデネンさんのピノ・ノワールのような冷ややかさも持つ、エレガントさも充分な、いつ飲んでも美味しいポマールっぽいワインです。美味しいと思います。是非ご検討くださいませ。