【4年の時空を超えて・・の再度のご案内です!2013年もの赤のムルソー・・・粘土由来の淡いが絶妙の旨味と石灰のハスキーな白さ由来の軽やかさの競演です!】

4年ちょっと前にご案内させていただいたのと同じアイテムです。フィネスさんに寝ていたものを分けていただきました。
実に良い熟成をしていました。是非4年前の写真と見比べてみてください・・同じワインだとは思えないほどでは無いでしょうか?
しかしながら良~~く凝視してみると・・淡い色合いの質そのものは同様にも見えますし、現在の写真(上)の全体の黄色さと、以前の写真の青さ・・・ホワイトバランスが悪いのは申し訳ないんですが、そこを差し引いても、
「さらっとして透明度の高い、若くよりフレッシュさの有る紫が、葛粉のような不透明さと温かみ、ふんわり感を持った現在のややレンガ色の姿の対比」
は、結構に面白いんじゃないかと思います。
飲んでみると・・なるほど~!・・な味わいなんですね。このところは2013年ものも時折飲ませていただいておりますが、やはり非常にエレガントです。要素がみっちりある・・とは言えない2013年ものですし、どちらかと言えば、
「スッキリ系、削って行った時に出来るバランス」
ですね。
時には、ややスッキリしすぎと言うか、ワビサビもちょっと過ぎるか?・・と感じるアイテムも無い訳では有りません。
しかしながらこのブーズローのムルソー赤は、ヴォルネイ的雅さなども全く無いんですが・・・
「何とも表現し辛いが、粘土由来の繊細ながらもややふっくらとした絶妙な旨味が戻って来る感じ」
が有り、他の2013年ものピノ・ノワールとは結構に異なる美味しさのバランスが有ると感じます。
そこに、奥の方から白い石灰が、そのやや粘っこい旨味を押し避けつつ、かき分けるようにノーズから抜けて来ますので、ワインとしての美味しさは充分以上に感じられてしまうんですね。
これ、結構に「ハマる」方がいらっしゃるんじゃないかと思います。ぶわ~っと押し寄せるのではなく、静かに穏やかに・・でも確実に戻って来る結構な旨味・・に、繊細な味わいのお料理とのマッチングで、「薄さを感じさせない適度な濃度」であると感じていただけることでしょう。
もっとも、濃い味付けだったり、パワフルなお料理と合わせても、それなりの対処をしてくれるような懐の深さも有ったりすると感じますので、鉄分は少ないけれど粘土が持つ様々なミネラリティを葡萄が吸い上げ、またさらに奥に存在する石灰混じりの土壌からの華やかなミネラリティも吸い上げ、それがワインに生きている性じゃないかな・・と感じました。
ある程度の期間を開けて、同じワインを再度飲めるのは・・中々できない経験かと思います。美味しいので是非!・・飲んでみて下さい。お勧めします。
以下は4年ちょっと前に書いた、リリースして間もない頃のこのワインのレヴューです。
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【エレガントで雅なピノ・ノワールです!リーズナブル!】
シャルドネのおまけのような感じになりがちなムルソーの造り手の赤ワインでは有るんですが、このACブルの畑はヴォルネイにあるようです。レ・ドレソルと言う区画がどこなのかは判らなかったんですが、まず色合いを見ていただくと判りやすいかな?・・と思います。
透明感が有って、淡い赤紫・・です。このような場合ですと、ヴィンテージ的に熟さなかったり、もしくは、石灰質がとても強かったりすると淡くなってきます。勿論ですが、普通にちゃんと熟した場合が比較の対象です。
とても良く熟した・・と言う印象では無く、ほぼピッタリのタイミングで収穫されたことが伺える味わいです。しかも、かなり選別したのかな?・・・大変だっただろうな・・と思ってしまいました。
チャーミングながらも花や果実が有り、非常にドライでピュアな味わいのピノ・ノワールでした。
ヴォルネイっぽいか?と聞かれても、
「ん~・・ヴォルネイっぽくも感じない」
と思いますし、むしろ、ヴォルネイの中でも、本来ならシャルドネを植えた方が結果が良いような、石灰の強さを持っていると思います。
その石灰の強い分、華やかでフラワリーなアロマが有り、伸びやかなのでしょう。
全体のバランスとするとかなりの高得点です。「~に似ている」と言えるような対象が無いのが残念ですが、例えば元ルフレーヴの醸造長でも有ったピエール・モレのブルゴーニュ・ルージュをやや淡く、少し石灰を強くしたようなイメージです。
まぁ、ピエール・モレは知らない・・と言われてしまうとは思いますが、ネゴスものは「モレ・ブラン」ドメーヌものは「ピエール・モレ」でリリースされ、時にはACブルでも素晴らしい味わいのものをリリースしてきます。日本国内に来るのは???ですが、かなり前にピーター・ツーストラップものを分けてもらって販売し、その品質に皆さん、随分驚かれたと・・記憶しています。
そんな訳で・・オマケでは無くて、ぜひ飲んでいただきたい、エレガント系のピノ・ノワールでした。何より安いしお奨めします。
あとの2アイテムは数量の関係で飲めていませんが、ACブルでこれだけ旨いので、まず問題無いと思います。時間と品物の都合が付けば、いずれ飲んでみたいと思っています。
ムルソーのルージュは、今となっては非常な貴重品です。基本的にムルソー村の低地に植わっているのがムルソー・ルージュですが、ほとんどがシャルドネに植え替えられています。レ・ドレソルというリューディはヴォルネイ側に寄ったところに有り、接してはいませんがサントノー・デュ・ミリューの下部ですから、こちらはキッチリ、「ヴォルネイ」の味わいがするでしょう。サントノー風のトッピングが有ればかなり良いワインになります。珍しいアペラシオンですので、これもワイン会には持って来い!なアイテムです。・・当たらせないため・・です。
最後のヴォルネイ・シャンパンはご存知ヴォルネイ1級・・村のほぼ中央に構えています。村の真ん中にあるのに何故か・・ヴォルネイと言うよりもポマール的などっしり重量感さえ有る1級で、あまりヴォルネイっぽくないと言うか、多くのヴォルネイのワインのイメージより少し異質かもしれません。まぁ、例外を覚えた方が身につきやすいのは世の常なのかもしれません。
そんな訳で、全部は飲めていませんが、非常にリーズナブルかと思います。質も良いです。まだ知らない良い造り手がいたのには驚きでした。ブーズロー家は知ってましたが、違う家でしたし・・ぜひ飲んでみてください。