【2006年初登場で台風の目となったカリーム・ヴィオネ!立派に結果を出しました!】
2006年のカリーム・ヴィオネのヴィラージュ・ヌーボーは、何しろ初登場なので何も判らず、実際に飲んでみるまでは不安も少々在ったわけですが、全くの杞憂に終わりました。ソフトでエキスがしっかり出ていて、とてもドメーヌを始めて間もないなどとは思えませんでした。それは低い次元・・・↓の話ではなく、ヌーボーとしてでもなく、スティルワインとしての評価として、そのように言えると思います。そして2007年!2008年本当に旨かった!
それほどワインに詳しくなく、しかも自然派って言われても良く判らない..お客様もいらっしゃると思いますが、セブン・イ××ンとか エー×ム・ピ××ム とか ..ドン×・ホ×× とか ヤ×× というようなお店で販売されているようなヌーボーとは全く異質のものです。敏感な方は別の飲み物とさえ感じてしまうかもしれません。
とは言っても、顔の真ん中に しわ を寄せて、難しそうな表情で飲むものでも有りません。自然と楽しくなってくるピュアな香りと味わいが身上です。初の入荷で全く状況が判らないと言っても、そこは大きく違いますのでご安心下さい。
まあ、取り合えず飲んでみましょう!どちらにせよ、何本か比較しながらお仲間と飲まれるのが楽しいですよね。エージェントさんからの情報を掲載していますのでご覧いただければと思います。ワンクラス上のヴィラージュものです。
◆2016年の生育状況
6月24日に雹が降った。5月28日に次いで2度目の雹だ。1度目とほぼ同じルートをたどった雹は再度モルゴンの南東とフルーリーに被害を与え、そのまま勢いの衰えぬままムーランナヴァンまで伸びていった。ランシエの畑も雹に当たったが、1度目の雹の被害に比べると帯から少し外れていたため軽傷で済んだ。それでも2度の雹ですでに7割近くのブドウが失われた。残りのブドウは、房の数が少なく風通しの良いことも幸いし、今のところ病気もなく地道に成長を続け、ちょうど8月最初にヴェレゾンが始まった!雹により荒野と化した畑を見た当初は、あまりの無残な姿に畑に入る気すら起こらなかったが、1ヶ月以上が過ぎた今、残った枝から再び新しい葉や枝が再生され、残ったブドウの成長を支え、正常にヴェレゾンが始まっているところを見ると、ブドウの生命力は本当にすごい!
今年の収穫は9月24日前後を考えている。最悪、ランシエのブドウでヌーヴォーが足りなければ、今のところ何も問題がないジュール・ショヴェのブドウを一部ヌーヴォーに使うこととなるだろう。Karim VIONNET(カリーム・ヴィオネ)
カリームを初めて私に紹介してくれたのは、去年の秋からギイ・ブルトンで研修している日本人だった。彼は、ギイ・ブルトンでカリームと一緒に仕事をして以来、カリームの仕事に対する真面目さと、まわりから絶大な信頼を受けている彼の姿に将来性を感じていたようだ。現に、カリームの記念すべきワインがまだ世の中にリリースもされていない時点から、すでにマルセル・ラピエール、ギイ・ブルトンのマックス、ジャン・ポール・テヴネ、さらにジュール・ショヴェのワイン哲学を継承するワインコンサルタント兼アーティストのヤン・ロエル(彼が今回ラベルのデザインを担当する)など、自然派ワイン界のそうそうたるメンバーが太鼓判を押す!
生産地
マコンからリヨンへ南下する途中、右手に大小起伏のある山々の連なる光景が一面に広がる。ボジョレーの街ヴィル・フランシュから西へ7kmほど途中急な坂を登りきる手前、標高250mほどの位置にカンシエ・アン・ボジョレー村がある。その村をさらに上へ登ったところにカリーム・ヴィオネのドメーヌがある。畑の総面積は2haでAOCはボジョレー・ヴィラージュ。畑はボジョレーの中では比較的標高が高く傾斜にも恵まれている。さらに南南東に面している分、たいへん日当たりが良く、カリーム自身は酸とボリュームとのバランスがとれた素晴らしいボジョレーが出来上がることを今から予想している。気候はコンチネンタルで、夏はたいへん暑く冬はたいへん寒い。東西南北に広がる丘陵地帯によって、冷たい風や多量の雨からブドウ畑が守られている。
歴史
現オーナーのカリーム・ヴィオネのドメーヌは、起ち上げたばかりのできたてホヤホヤのワイナリーだ。とは言っても、彼がワインの世界に入ったのはもう長く、1990年、ジャン・ポール・テヴネの兄のドメーヌで働き始めてからすでに16年の歳月が経っている。その間、畑の仕事から醸造まで全てを学んだカリームは、ビオロジックに対する情熱を捨てきれず、方向性の違いから、2000年にジャン・ポール・テヴネの兄のドメーヌを去ることになる。あらためてビオロジックに専念しようと決めたカリームは、ボジョレーの醸造学校に通いつつ、マルセル・ラピエールやジャン・ポール・テヴネ、ギイ・ブルトンという自然派ワイン界きっての大御所たちの助っ人となり右腕となり、体でヴァン・ナチュールをマスターしていく。現在は、人材派遣というかたちで(彼が自ら起ち上げた労働サービス会社)ギイ・ブルトンのドメーヌの畑から醸造まで全て任されている。同時に、2006年、新しく購入した2haの自社畑で彼の新たなる挑戦が始まる。
生産者
現在、カリーム・ヴィオネは2haの自社畑を管理しながら、ギイ・ブルトンの畑、繁忙期にはジャン・ポール・テヴネの畑と休みなく精力的に働いている。彼の所有するブドウの品種は、ガメイのみで、樹齢は平均60年以上のセレクション・マサール。畑は100%ビオロジックで、散布剤は硫黄とボルドー液散布のみの使用。今回、彼のつくるボジョレーヌーボーは、ギイ・ブルトンで仕込む方法と基本的には同じスタイルをとる予定で、違いはテロワールで表現するつもりだ。
ギイ・ブルトンはもちろん、ジャン・ポール・テヴネやマルセル・ラピエールからも絶大な信頼を得ている彼の仕事ぶりを、今秋が初のリリースとなるヌーボーでぜひ試していただきたい。
カリーム・ヴィオネの+α情報
<もっと知りたい畑のこと>
土壌:シスト・サーブル
総面積:2ヘクタール
品種:ガメイ
樹齢:平均60年以上
剪定方法:ゴブレ
生産量:50hl前後を予定(1ヘクタールあたり)
収穫方法:収穫者10人前後で手摘みを予定。畑での厳重な選果。
ビオの認証:なし
<もっと知りたい醸造のこと>
*以下、ギイ・ブルトンでの醸造方法
醸造方法:マセラシオン・カルボニック
ブドウを畑で選果後、冷蔵コンテナの中にブドウを入れ、1日かけてブドウを10~15℃まで冷やす。そして房のままセメントタンクへ。この間に二酸化炭素をキューヴ内に加え充満させておく。タンクを密閉のまま発酵・浸漬期間は10~14日間。ルモンタージュ、ピジャージュは一切なし。醗酵期間中は2日に1回の割合で醗酵酵母の分析をする。醗酵がある程度落ちついた後、垂直プレス機で半日かけてゆっくりプレスする。フリーランジュースとプレスジュースを予め分け、プレスジュースをもう一度14~15℃まで下げて最後の醗酵を終わらせてから瓶詰め。コラージュ、フィルター、シャプタリゼーション一切なし。
酵母:自然酵母
発酵期間:セメントタンクで約20日間
熟成方法:ホーロータンクまたはセメントタンク
SO2添加:現在交渉中
熟成樽:なし
フィルター:なし