ドメーヌ・ド・クロヴァロン
ド・クロヴァロン
フランス Domaine de Clovallon ラングドック・ルーション
● ドメーヌ・クロヴァロン(カトリーヌ・ロック)をご紹介します。とても評判が良いと聞きつけまして飲んでみることにしました。結果・・中々に良いです。

■エージェント情報
ドメーヌ・クロヴァロンは、カトリーヌ・ロックによって南仏に創設された小さなドメーヌです。ドメーヌの畑は標高250~400メートルの高地にあり、ラングドックでも冷涼なミクロクリマに位置しています。クロヴァロンでは全ての畑でビオディナミによるブドウ栽培を行い、全てのワインが厳格なデメテールの認証を受けています。醸造においてもビオディナミの哲学を貫き、全房発酵と野生酵母のみによるナチュラルな醸造を行い、南仏のワインでありながらフィネスと冷涼感、エレガントさを備えたブルゴーニュワインのスタイルで造られています。
■ナチュラルな栽培と醸造、そしてさらなる進化

ドメーヌでは2000年にビオロジックから完全なビオディナミへと移行し、全てのワインが厳格なデメテールの認証を受けています。栽培では、ブドウ木に過剰な負荷を掛けないようグリーン・ハーヴェストも摘芯も除葉も行いません。また、醸造においては、ブドウに付着している野性酵母以外にいかなる添加物も加えずに醸造を行っています。
これまで母と娘の二人三脚で運営されてきましたが、2016年からは、ステファノ・ルビアナ、マリー=テレーズ・シャパーズ、アンジェロ・ガヤなどで修行した娘のアリックスがドメーヌの全権を任され、新たな取り組みを始めています。
■ワインの多様性と可能性を広げる新たなキュヴェのリリース
ドメーヌでは野性酵母で発酵させ、 醸造中は亜硫酸を添加せず、ろ過・清澄なしで瓶詰めし、可能な限り介入を排した醸造を行っています。2016ヴィンテージからは、約200年前に植樹された15種以上の地場品種が栽培されるクロから、フィールド・ブレンドで醸造したキュヴェや、中世のブルゴーニュの慣行を逆転させた手法よるシラーとピノ・ノワールのブレンドキュヴェ、そしてリースリング種主体のオレンジワインなど、既成概念に囚われない、ワインの多様性と可能性を広げる新たなキュヴェのリリースも始めています。また2017 年からはナチュラル・ワインのイベント「Raw Wine Fair」に参加しています。
● 2021 les Aurieges I.G.P. Pay d'Oc Blanc
レ・ゾリエージュ I.G.P. ペイ・ドック・ブラン
【果実が活き活きとした・・いわゆるオレンジワイン!・・ですが、只者じゃぁありません。3年ぶりにリリースになったゾリエージュです!】

美味しいです・・まぁ、このような色を見てしまうと拒否反応を持ってしまわれる方もいらっしゃるんじゃないかと思います・・そのような方には無理強いは致しませんが、おそらくほとんどの方が大丈夫、行けるんじゃないかと感じる程良い出来だと思います。
だって・・まずこの「照り」を見てください。非常に輝いて見えると思うんですね。これが果実が生きている証拠でも有るんじゃ無いかと思います。・・いや、これを言うとちょっとヤバイかもしれませんが、果皮を漬け込んで造った白ワインの多くは、果実味が失せてしまって・・お茶の風味しかしない・・ものが結構に存在します。noisy 的にはそれらは余りお勧めできません。
そして黒み・・ですね。こちらは黒と言うよりも赤いですよね。そして何より明るいです。なので果実の風味がバッチリじゃないか?と予想できる可能性が高くなります。
実際、とても良い感じのバランスです。フィールドブレンドと言うことで、畑が区分けされているか、ごっちゃに植わっているかは判りませんが、相当に多くの品種を使用して地中のアンフォラに入れられてエルヴァージュされます。
なので、しっかりベクトル変換出来ているんじゃないかと思うんですね。内向的では無く、しかもトゲトゲしく無くて柔らかなタッチで外向的です。僅かに感じられるタンニンが赤ワインのようなボディの厚みを感じさせてくれます。甘く無く、ドライ過ぎないで柑橘のニュアンスさえ・・感じさせてくれました。
入荷してからそろそろ3カ月ですから、だいぶ落ち着いて来ていると思います。そんなに荒れてはいませんでしたけどね。
「美味しいオレンジワイン、下さい~!」
そんな方もそれなりにはいらっしゃいます。でも・・
「すみません・・美味しいオレンジワインはすぐ無くなっちゃうんですよ・・」
と言わざるを得ない場合が多いんですね。でもこのワインが在庫で残っていたらラッキーです。是非飲んでみて下さい。美味しいオレンジワイン、いかがでしょうか!
以下は以前のレヴューです。
-----
【・・やられた~・・!参りました!・・こう来たか~!】
カトリーヌ・ロックのピノ・ノワールの、柔らかくて暑苦しく無い、美しい味わいにいつも癒されていましたが、このところはすでに娘さんの「アリックスさん」が造っているとか・・
「・・えっ?・・そうなんだ~・・」
と、テクニカルはたまにしか読まないので、全く知りませんでした。
お母さんも美人さんですが、娘さんも可愛らしいですよね・・「惚れてまうやろ~・・」と・・♪♪。
で、今回はインポーターさんからお話しが有り・・いや、このところは随分とnoisy に対する風当たりが・・いや、対応が・・(^^;; 優しくなられてきて、少しは数をいただけるようになって来たのと、新入荷のお話しをいただけるのが早い・・(これは結構に重要)ので、noisy自身が、
「これは行ける!」
と踏んだワインを何とかモノにできる可能性が増えて来たんですね。
で、担当さんが言うには、
「クロヴァロンでオレンジワイン、造ったんですよ。これがかなり評判で・・数は無いんですけど・・」
と言うことだったんですが、本心は、
「(・・オレンジワイン?・・オレンジ色してりゃ良いだけのオレンジワインの範疇にクロヴァロンを入れたくないなぁ・・)」
と思っており、
「(まぁ、ロックさんは美人だからオレンジワインだと言っても美人に仕上がっているかもなぁ・・)」
と、スケベ根性丸出しで、
「じゃぁ・・3ケース」
と言ってみたところ、結局は少し減らされましたが、常日頃
「テイスティング出来る数量、ちょうだいね!!」
と強く言っているのが効いたのか、思った以上に数は有ったのかは判りませんが、初めてのキュヴェにしてはまぁまぁ戴くことが出来たんですね。
で、到着したのは良いんですが、消費増税絡みのゴタゴタや仕入れたのは良いが、まだテイスティングが出来ないからと仕舞い込んでいるワインの順番を飛び越えては、中々にテイスティングが出来ず、でも、
「いい加減に・・クロヴァロンも出さんといかん・・」
と言うことで、何と、
「新着発行の日(定休で休日です・・)にテイスティングしながらのレヴュー書き」
と言うような暴挙に出ている訳です。なので、
「いつもと背景が違う」
のにお気付きかと思いますが・・申し訳ありません、何とか伝わる写真になったかと思います。
ソムリエナイフでコルクを抜くと・・滅茶早いです!・・アロマの上がりが!
「(・・おわっ!)」
と、その柔らかくも鋭角で入射してくるアロマと、鈍角入射の帯域の広い・・鼻の孔を押し広げつつ入ってくるようなアロマが交錯しつつ、なので非常に複雑です。
しかも、非常にアロマティックでフルーツの種類に富み、何とも心地良い世界に誘われます。
「これ、マジで南仏かい・・アルザスじゃないの?」
と一瞬思いましたが、
「・・いや、待てよ・・この感じじゃアルザスの方が暑苦しいだろ・・」
と思い直しました。
その心地良さを感じつつ口に含むと、ま~・・やられちゃいましたね。凄いポテンシャルです。
「・・そもそも・・オレンジじゃないじゃん!」
何やら高質なリースリングが持つソリッドさ、香りの複雑さが来て、しかしボリューム感はしっかり有って・・でも「えげつなさ」とか、これ見よがしな感覚も無く、
「・・これ、どこまで膨らんで行くのか・・この先かなり見ないと図り切れないぞ・・」
とさえ感じてしまいました。
もう、この段階で・・マンモスポテンシャルワイン、決定です。しかも質感が非常に高いです。ジェラール・シュレールのG.C.リースリングにクリスタルを溶け込ませたらこのニュアンスに近くなるか?・・いやいや、リースリングだけのニュアンスじゃないから、それはダメ・・・だとすると・・。
などと、かなりの頭を使わされます。
で、残糖感はゼロ・・(^^;; 超絶にドライです。後口が似ているのはディディエ・ダグノー・・でしょうか。そこにもっと自然派的ナチュラルさを加えた様な感じです。
いやはや・・これはもう・・参ったとしか言いようが有りません。アレックスさん・・娘さんも結構過ぎる実力だったんですね~・・これ、任されて1年目のキュヴェでしょう?・・凄いな!
とは言え、まだ若いですよ。ここまでポテンシャルが有ると、全開になるのにかなりの時間を必要とするでしょう。オレンジ色をしてるからオレンジワイン・・などと言う範疇でくくるワインでは有りません。相当なポテンシャルを持つ凄い白ワインだと言う認識が必要です。
冷ややかでソリッドだけれど、しっかり膨らむし・・でも膨らみ切らない。果実はてんこ盛りなのに、まだ底など見えない。ミネラリティだけ見ていると・・とてもじゃないが南仏のワインには思えない・・と言うような、今までに経験の無い味わいでした!
こりゃぁ・・経験してみないといけません。まぁ、好きか嫌いか・・は誰にも有るかと思いますが、少なくとも、
「3千円のワインじゃない!」
と思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
● 2021 Pinot Noir les Pomaredes I.G.P. de l'Herault
ピノ・ノワール・レ・ポマレード I.G.P. ド・エロー
【2019年ものは非常に精緻!・・ベースのピノ・ノワールもエレガントで美味しいですが、看板のこのピノ・ノワールのレ・ポマレードの完成度は非常に高いです!】

どうでしょう?・・素晴らしい色合いですね。ナチュラル感も飛び出して来そうで、でもまだ抑えられているような感じにも見えますが、この色合いの素晴らしさもワインの美味しさの一つと言えるでしょう。
クロヴァロンのレ・ポマレードは、もう何も言うことは無いんですが・・(^^;; もう相当に色々書かせていただきましたので、そのまま・・以前のレヴューを受け取っていただいて結構かと思います。
その上で2019年ものは・・と言う部分だけを書かせていただきます。
エージェント情報に相当面白いことが書いて有ります。そしてこれは非常に重要なこと・・特に「ナチュラルな栽培とナチュラルな醸造を目指す造り手」にとっては・・です。
「2019ヴィンテージは、熟成中の試飲で、酸化しそうな兆候があったため、ネガティブな反応が出ることを避けるために、例外的にSO2をマロ発酵後に40mg /Lのみ添加。」
これ・・醸造が少しお判りの方には、物凄い情報だと思うんですね。
「2019ヴィンテージは、熟成中の試飲で、酸化しそうな兆候があったため・・」
の部分。「熟成中の試飲で」・・はいつなのか、どのタイミングなのかは不明ながら、「酸化しそうな兆候があったため」は、揮発酸値の上昇が懸念されたと言うことじゃないかと思うんですね。
で、その後・・
「ネガティブな反応が出ることを避けるために、例外的にSO2をマロ発酵後に40mg /Lのみ添加」
そう・・ネガティブな表情が出ることを避けるために、いつもとは違う事をした・・例外的に、「マロ発酵後に」So2を添加したんですね。
マロ発酵後・・と言うのがポイントです。マロ中はやらなかった・・と言うことは、揮発菌は大挙して出て来ていた訳では無い・・と言うことですね。ただし、酵素が出来て残った可能性があるので・・So2を少量使用した・・と言うことなんですね。
お酢を造るには、アルコールが無ければなりません。アルコールが揮発菌によってお酢に変えられる訳ですから・・。醸造中はそれが無く・・しかし飲んでみたらその「気」が有るように感じられた・・と言うことですね。で、ネガティブにならないように大事を取って、マロラクティック終了後に少量のSo2を入れた・・と言うことです。
なので、noisy がテイスティングした段階・・相当前です・・調べます・・8月29日でした・・2カ月半も前のことでした・・が、いつもよりも僅かに締まって感じられました。おそらくそれは、So2 の影響だったのでしょう。
しかし、ワインの中に添加したSo2 は半年はほとんど無くなる・・ので、5カ月以上経過していることを考えますと、相当に減少しているはずです。
8月の終わりのテイスティング段階では、
「僅かに内向的」
と判断していましたが、ようやく今、エージェントさんのテクニカルを読んで・・noisyも理解できた訳です。
いや・・クロヴァロンのワインがナチュラルでピュアな理由が良く判った感じがします。是非ご安心して楽しまれてください。非常に美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【超エレガント系のピノ・ノワール!全く甘く無く全く濃く無い、フランス南部の暑苦しさはゼロと言う、ちょっと驚きのエレガンスです。】
淡い色が可憐さを現わしているかのようですよね。とても美しいですし、実際にとてもエレガントです。
実はこのワイン、10月後半のテイスティングだったんですが、まだ完全には仕上がり切っていないという判断で12月まで持ち越しました。落ち着かせましたので、超エレガントでドライなピノ・ノワールの美味しさをご堪能いただけると思います。
今までにも増して・・淡いですよね。ラングドック辺りの「厚さ」は微塵も感じませんで、ドライで全く濃く無いです。果実感も花や若い果実が中心で、「熟した果実」「過熟な果実」は有りません。
一体どうやって造っているのかと・・まぁ、畑仕事がそのまま味わいに行かされているんだとは思うんですが、不思議な気がします。だいぶファンの方もついて来たカトリーヌ・ロックさんの超エレガント系の美味しいピノ・ノワール、是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】
巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2022 Pinot Noir I.G.P. Pay d'Oc
ピノ・ノワール I.G.P. ペイ・ドック
【3千円以下のピノ・ノワールで、ここまで純粋で美しく均整が取れ、ポテンシャルを感じるものはブルゴーニュを含めて・・「唯一の存在」でしょう!滅茶旨いです!】

2022年と言うこともあるのでしょうか。いや・・素晴らしいピノ・ノワールです!南部のピノとはとてもじゃないが想像しえないエレガンスと、良く熟してはいるものの鈍重にはならず、冷ややかでピノらしい酸の美味しさと、赤果実の表現・・そして何と言っても・・
「So2の少なさと確かな栽培&醸造技術によるバランスの良さと自然な味わい!」
が、飲む者の心を惹きつけると思うんですね・・。
思えば、クロヴァロンの2021年のピノ・ノワールはリリースされていないように思います。販売した記憶が無い・・(^^;;
つまり厳しかった2021年ものは格下げしたか使わなかったか・・もしくは収穫を諦めたか・・と言うことになります。そもそもこのラングドックの地には・・
「ピノ・ノワールは植えられなかった」
訳ですね。
それを「試験栽培」と言う非常手段でInaoを納得させ、育ててワインを造って・・その出来たピノ・ノワールの素晴らしさでINAOもピノ・ノワールを認定せざるを得ない状況にした訳です。

まぁ・・その辺は母親であるカトリーヌさんの尽力によるものなのでしょうが、
「ラングドックのピノ・ノワールがこれほどまでに美味しいか?!」
と、飲む者にさえ自問自答させられるように・・アレックスさんが頑張ったんですね。
まさに女性の時代でも有りますが、自己中心的、自己満足的なビオワインが多い中、ここまで精緻で・・ピノ・ノワールの名産地であるブルゴーニュワインでさえ凌駕してしまう出来にまでなっていることに、嬉しさを感じます。
勿論、そこには「ポテンシャル/価格」と言うスケールだけでは無く、「テロワール表現」さえ・・有ると思いました。このド・クロヴァロンの畑は、名前の由来の通り、
「山に囲まれた窪地」
です。
まぁ・・そんなところが葡萄の生産地として素晴らしい訳では無く、あくまで・・
「醸造所が有る場所」
として良い訳です。涼しいでしょうし・・。
そしてその山の傾斜こそ、さらにはその土壌にこそ・・素晴らしさが眠っていたんですね。
是非飲んでみてください。めっちゃ美味しい!・・これは飲まなきゃ損です。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【最もリーズナブルなビオのピノ・ノワールで、伸び伸びとした美しいディテールを楽しめるピュア&ナチュラル、クールでドライな見事な出来です!】
もう散々ご紹介させていただいてますからご存じの方も多いクロヴァロン、アリックスさんの「愛らしくも滅茶美しいピノ・ノワール」です。
南仏のピノ・ノワールで有りながらもブルゴーニュ的にタンニンが前に出ず、美しい酸の伸びやかさとバランスを感じさせてくれます。このところの対ユーロ安・・と言いますか、ほぼ主要通貨に対して全面安で20%以上ほども円は値下がりしていますから、若干の値上がりは致し方無いかと・・。まぁ、このご時世ですから、輸出で兵器産業が盛り上がっていたり、エネルギーや資源が豊かな国が有利なのは当然では有りますが、脅しと暴力、兵器で言うことをきかせることで為替が有利になってしまう・・そんな西側の経済システムも・・何だかなぁ・・と思ってはしまいます。
そんな中でド・クロヴァロンのベースのピノ・ノワール2020年は、いつもと同じように「可憐」で愛らしく、伸び伸びとしたアロマに赤果実とミネラリティ、優しい味わいを感じさせてくれました。
色合いは以前よりも赤々しくも酸っぱいバランスでは無く滑らかで、
「タンニン?・・どこに?」
と言いたくなるほど奥に潜んだタンニンのただずまいが、まるでブルゴーニュのピノ・ノワールのようにも感じさせてくれます。

もう、2千円台のまともなピノ・ノワールは希少になってきてしまいまして、今度・・定番で扱っていた「ロッシュ・ド・ベレーヌ」のA.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2017年もご案内させていただきますが、以前のようにほぼ2千円ではご提供は出来ません。上代は3800円だそうで・・「どっひゃ~・・」です。
おそらくですが2700~2800円位にはなると思われますので、明らかにこのド・クロヴァロンの価格が目立つようになるんじゃないかと思うんですね。
お母さんのカトリーヌさんがやっておられる時は、もう少し「より大きい構造のやや太目の味わい」だったように思いますが、娘さんのアリックスさんが指揮を執るようになってからは、より可憐に、伸びやかに、より赤くピュアに・・変化して来ているように感じます。
なので、ボリューム感を求められるのであれば「2019 レ・ポマレード」の方をお薦めしますが、エキス系の愛らしいピノ・ノワールをゆっくり味わいたいのであれば、この2020 ピノ・ノワールをお薦めします。旨いですよ・・冷ややかで美しい!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】
巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2021 les Indigenes Rouge I.G.P. de l'Herault
レ・ザンディジェーヌ・ルージュ I.G.P. ド・エロー
【15種類以上の品種を「混植」で一緒くたに植えてのワイン!・・豊かな複雑性をほんのりと隠しつつ、時間で異なるアロマへと変化・・濃く無くエキス系で涼やか!お勧めです!】---すみません、価格と数量を考慮してテイスティングは控えました。以前のレヴューをご参考にお願いいたします。

昔は・・ですね・・noisy としましては、この南仏のワインが余り好ましくなく・・と言いますが、
「敢えて手をださなくて良い感じ」
にしか思えなかったんですね・・。そう、もう四半世紀以上も前の話しです。ピノ・ノワールなんてこの地域ではまずお目に掛かることは無かったですしね。
なにせ・・濃いけれど暑苦しいわ、酸は無いわ、2年もすると酷いバランスになってしまうわで・・随分と勉強させていただいたものです・・残るので・・はい。毎日のように自身で・・処分させていただきました。
ですがやはり2000年過ぎからがエポックでしたか。「自然派」と呼ばれる生産者さんのワインが日本に入ってくるようになり、南仏の自然派赤ワインが、
「ル・パンを超えた!」
とか・・大騒ぎになった頃ですね。まぁ、濃いのは滅茶濃いんですがちゃんと酸が有り、滑らかで豊か、誰もが飛びつきました。まぁ、そんなに長くは続かなかったんですが・・。
しかしその頃からビオディナミ、ビオロジックの生産者が増え、力を付けて来て今に至っていまして、
「香りの上りのスピードが速く、タイトに締まっていない柔らかなアロマが心地良いワイン」
が出て来ました。このクロヴァロンもその走りであったようです。昔の評価では有りますが、2001年のレ・ポマレードが92ポイント・・・などと言うのがネットで出て来ます。

しかもこの「ザンディジェーヌ」は「フィールド・ブレンド」です。日本語で言えば「混植」。15種以上の葡萄を一つの畑に植えることで普通は早熟や晩熟の品種も、発芽や開花、収穫のタイミングが一緒になると言う・・ただし、これをいきなりやろうと思っても、良く考えればそう簡単には出来ないですよね?・・ましてやブルゴーニュでは全く無理ですし、ロワールでも他地域の葡萄などは持ち込めない・・まぁ、それをやってしまった順子さんは、せっかく植えたピノ・ノワールを引き抜かれ、焼却処分にされてしまっています。他にもペナルティは在ったようですし。
なので、noisy が「暑苦しくて酸が無くて持たないワイン」で人気薄だった南仏だからこそ、きっと思い切った手を打てたわけですよね。
今は「15種類以上の複雑性を隠しつつエレガンスを導くワイン!」みたいに言ってますが、これ・・もし50年後になったら・・どうなるんでしょうね?凄いことになっているかもしれません。
また毎年エチケットのデザインが変わって届くのも楽しいですね。アリックスさんの趣味でしょうか。しかもワインの出来が良い・・。ボルドーみたいに暖かい味では無い、冷涼感さえ漂う冷ややかさにピュアさ、ナチュラルさ、が伸びて来ます。
赤果実中心で僅かに黒が混じり、スパイスもほんのりと僅かに・・でも結構に複雑性が高いです。
これ、ちょっと寝かせても面白いんじゃないかと思いますよ。これだけちゃんとミネラリティと酸が有って、しつこくないクールな果実がちゃんとある訳ですから、ちょっとやそっとじゃ終わりはしないと・・思います。10年後とか、可能なら20年後?・・どんなになっちゃってるか・・楽しみは後に取っておく・・でも取り合えず今の味わいを見て置く・・みたいな楽しみ方も良いと思います。ワインは一期一会ですから、もし気になったら飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【素晴らしいです!・・このバランスの取れた複雑味、果実感たっぷりでも非常にスムース、冷涼感とミネラル感!今飲んで最高に旨いです!】
旨いです!・・訳が判らない位の多品種がごっちゃり一緒に植わっている訳です。
でもそれがそう有るからこそ・・この繊細かつ超複雑なのに、まるでピノ・ノワール単一かのような一体感を持って感じられるんですね~・・。
まぁ、一つの畑に一品種なんて、人間が勝手にそうしているだけ・・管理がしやすい=手を抜きやすい=説明しやすい..etc. な訳でして、そんな勝手さもまた時には良いにせよ、世の摂理や倫理からは遠く離れたところにあるんじゃないかと・・。
少し前・・我々がまだ若かった頃は、子供の頃は男女一緒に扱われ、小学生になってちょっと毛が生えてくる頃になると、何故か男女ば別々にされ、高校にもなるとnoisy は男子校でしたから・・ま~・・むさ苦しいったら無い・・そして汚い・・悪い奴がトイレットペーパーを持ち出して窓から適当に投げたもんだから窓からアチコチに引っ掛かってヒラヒラと・・すぐに先生にバレて大変なことに・・いや、そうやって男女別じゃなくて成績別に強制的に分ける試験をされ・・のように、人間は「仕分け」したがる性質なんですね。
確かに・・そうすれば、より判りやすくはなるのかもしれませんが、
「こんなに美味しいワインは生まれないぞ!」
と言ってやりたいですね。それに・・可愛いし・・いや・・なんでもないです。
まぁ、あくまでフィールドブレンドと言うことなので、ゲミシュターサッツとか混植とかとは異なるのかもしれませんが、もし別々に区分けしていたとしても、それらを一緒に収穫できるような何らかの努力はされているはずなんですね。素晴らしいワインだと思います。
複雑味、果実感たっぷりでも非常にスムース、冷涼感とミネラル感!クロヴァロンの真の姿を感じさせてくれます。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【激旨です!オーストリアで言えば「ゲミシュターサッツ」!何と判っているだけで15種類以上の品種が混植されているそうです!味わいも全方位外交+柔らかで集中したアロマです!】
いや~・・2018年ものは完璧ですね。全くの球体、見事な集中力です。色合いもレ・ポマレードとは全く違って濃い目の美しいガーネットです。
それでいて全然甘く無いんですね・・ドライです。ナチュラル感を漂わせている柔らかでスピードの速いアロマには、もはや「貫禄」みたいなものさえ感じられます。
味わいも見事でして、接ぎ木無しの樹も植わっているそうですから、そんな「一体感」もこのワインに生きているはずですが、「伸びやかさ」にも影響しているかもしれません。
このワインもレ・ポマレード同様、2020年10月後半のテイスティングでしたが、超繊細なレ・ポマレードが、
「・・すみません、ちょっと船酔いしちゃって・・」
と言っているのに対し・・(^^;; レ・ザンディジェーヌの方は、
「・・さぁ、いつでも行けるわよ~」
みたいな・・準備万端整っている、容姿の麗しさが見事でした。
なので、レ・ザンディジェーヌを先に案内させていただくかな・・などとは思っていたんですが、余りの忙しさに文章を書いていられず、結局レ・ポマレードと一緒になってしまいました。
このワインは是非!・・飲んでみて欲しいと思います。めっちゃ美味しいですよ・・。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【超絶な混植由来なのにこの一体感!ピュアで冷ややかなアロマに美しいエキス味、涼し気な余韻は瑞々しさを感じさせます。少し熟させても面白いはず!】
このワインが混植なんだ!・・とテイスティングして判る方はかなりの感性の持ち主でいらっしゃると思います。
「・・ピノかなぁ?・・でもなぁ・・」
noisy の場合は、自分で仕入れたとしても来た時にはほとんど忘れちゃってますから、知らないワインのテイスティング時には、
テクニカルがほとんど判っていないんですね。なので、むしろ第一印象は結構に重要、あとから、
「・・なるほど・・そう言うことか・・」
と再確認するようなことも多く有ります。
まぁ、言ってしまえば、「ゲミシュターサッツ」であり、マルセル・ダイスなら「混植」なんですね。しかも、
「200年前に植樹した地場品種のオンパレードで、その品種の名前すら判らない・・」
と言うことなんですね。
しかも200年前に植樹って・・もしかして、フラン・ド・ピエ(接ぎ木無し)か?・・だからこその「この一体感なのか?」・・と言う部分に行きつく訳です。
まぁ、エージェントさんのテクニカル資料を100%信用はしていないものの確かめようもないので、どうにもクリアにできず悶絶する訳ですが、確かにこの「一体感」「シームレス感」はその辺りを感じさせます。
しかもこの南部の葡萄を使用しつつも、「・・ピノか?」と一瞬感じるほどの冷ややかさをも持ち合わせており、中盤以降にはほんのりと「黒い果実」をノーズに運んできますから、
「・・一体、どんな葡萄なんだ?」
とまた悶絶する訳です。
それでいて完成度は非常に高く、クリアでピュアな味わいには、基本、赤果実が支配しており、非常にドライで完全エキスのワインに仕上がっていることに、驚きを感じます。
「やっぱり・・センスなんだよなぁ・・」
と思ってしまいました。
しかし、実際のポテンシャルを拾いますと、現在の状況で100%の力を発揮している訳では無いことも判ります。それでも美しいバランスで美味しくは飲めてしまうんですけどね。
現状で飲むことを考えますと、赤果実中心の美しい味わいの一体感の高いワインです。しかしながら、2~3年の熟を経ますと、
「多品種による混植」
の特徴が出てくるはずなんですね。・・ね?・・実に楽しいワインでしょう?・・アンディジェーヌとの名付けと言えば、あのフィリップ・パカレの2005年のコルトン=シャルルマーニュになるはずだったワインを思い出されますが、
「(現状に対する)反逆者」
と言うようなロック女史の強い意志と感性を感じます。
しかも価格も嬉しいです。こんなに楽しめて・・こんなんですから・・。是非とも他のアイテムも飲んでみたいと思っていただけると思います。ご検討くださいませ。お勧めです!
● 2020 Pinot Noir I.G.P. Pay d'Oc
ピノ・ノワール I.G.P. ペイ・ドック
【最もリーズナブルなビオのピノ・ノワールで、伸び伸びとした美しいディテールを楽しめるピュア&ナチュラル、クールでドライな見事な出来です!】

もう散々ご紹介させていただいてますからご存じの方も多いクロヴァロン、アリックスさんの「愛らしくも滅茶美しいピノ・ノワール」です。
南仏のピノ・ノワールで有りながらもブルゴーニュ的にタンニンが前に出ず、美しい酸の伸びやかさとバランスを感じさせてくれます。このところの対ユーロ安・・と言いますか、ほぼ主要通貨に対して全面安で20%以上ほども円は値下がりしていますから、若干の値上がりは致し方無いかと・・。まぁ、このご時世ですから、輸出で兵器産業が盛り上がっていたり、エネルギーや資源が豊かな国が有利なのは当然では有りますが、脅しと暴力、兵器で言うことをきかせることで為替が有利になってしまう・・そんな西側の経済システムも・・何だかなぁ・・と思ってはしまいます。
そんな中でド・クロヴァロンのベースのピノ・ノワール2020年は、いつもと同じように「可憐」で愛らしく、伸び伸びとしたアロマに赤果実とミネラリティ、優しい味わいを感じさせてくれました。
色合いは以前よりも赤々しくも酸っぱいバランスでは無く滑らかで、
「タンニン?・・どこに?」
と言いたくなるほど奥に潜んだタンニンのただずまいが、まるでブルゴーニュのピノ・ノワールのようにも感じさせてくれます。

もう、2千円台のまともなピノ・ノワールは希少になってきてしまいまして、今度・・定番で扱っていた「ロッシュ・ド・ベレーヌ」のA.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2017年もご案内させていただきますが、以前のようにほぼ2千円ではご提供は出来ません。上代は3800円だそうで・・「どっひゃ~・・」です。
おそらくですが2700~2800円位にはなると思われますので、明らかにこのド・クロヴァロンの価格が目立つようになるんじゃないかと思うんですね。
お母さんのカトリーヌさんがやっておられる時は、もう少し「より大きい構造のやや太目の味わい」だったように思いますが、娘さんのアリックスさんが指揮を執るようになってからは、より可憐に、伸びやかに、より赤くピュアに・・変化して来ているように感じます。
なので、ボリューム感を求められるのであれば「2019 レ・ポマレード」の方をお薦めしますが、エキス系の愛らしいピノ・ノワールをゆっくり味わいたいのであれば、この2020 ピノ・ノワールをお薦めします。旨いですよ・・冷ややかで美しい!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】
巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2020 les Indigenes Rouge I.G.P. de l'Herault
レ・ザンディジェーヌ・ルージュ I.G.P. ド・エロー
【15種類以上の品種を「混植」で一緒くたに植えてのワイン!・・豊かな複雑性をほんのりと隠しつつ、時間で異なるアロマへと変化・・濃く無くエキス系で涼やか!お勧めです!】

昔は・・ですね・・noisy としましては、この南仏のワインが余り好ましくなく・・と言いますが、
「敢えて手をださなくて良い感じ」
にしか思えなかったんですね・・。そう、もう四半世紀以上も前の話しです。ピノ・ノワールなんてこの地域ではまずお目に掛かることは無かったですしね。
なにせ・・濃いけれど暑苦しいわ、酸は無いわ、2年もすると酷いバランスになってしまうわで・・随分と勉強させていただいたものです・・残るので・・はい。毎日のように自身で・・処分させていただきました。
ですがやはり2000年過ぎからがエポックでしたか。「自然派」と呼ばれる生産者さんのワインが日本に入ってくるようになり、南仏の自然派赤ワインが、
「ル・パンを超えた!」
とか・・大騒ぎになった頃ですね。まぁ、濃いのは滅茶濃いんですがちゃんと酸が有り、滑らかで豊か、誰もが飛びつきました。まぁ、そんなに長くは続かなかったんですが・・。
しかしその頃からビオディナミ、ビオロジックの生産者が増え、力を付けて来て今に至っていまして、
「香りの上りのスピードが速く、タイトに締まっていない柔らかなアロマが心地良いワイン」
が出て来ました。このクロヴァロンもその走りであったようです。昔の評価では有りますが、2001年のレ・ポマレードが92ポイント・・・などと言うのがネットで出て来ます。

しかもこの「ザンディジェーヌ」は「フィールド・ブレンド」です。日本語で言えば「混植」。15種以上の葡萄を一つの畑に植えることで普通は早熟や晩熟の品種も、発芽や開花、収穫のタイミングが一緒になると言う・・ただし、これをいきなりやろうと思っても、良く考えればそう簡単には出来ないですよね?・・ましてやブルゴーニュでは全く無理ですし、ロワールでも他地域の葡萄などは持ち込めない・・まぁ、それをやってしまった順子さんは、せっかく植えたピノ・ノワールを引き抜かれ、焼却処分にされてしまっています。他にもペナルティは在ったようですし。
なので、noisy が「暑苦しくて酸が無くて持たないワイン」で人気薄だった南仏だからこそ、きっと思い切った手を打てたわけですよね。
今は「15種類以上の複雑性を隠しつつエレガンスを導くワイン!」みたいに言ってますが、これ・・もし50年後になったら・・どうなるんでしょうね?凄いことになっているかもしれません。
また毎年エチケットのデザインが変わって届くのも楽しいですね。アリックスさんの趣味でしょうか。しかもワインの出来が良い・・。ボルドーみたいに暖かい味では無い、冷涼感さえ漂う冷ややかさにピュアさ、ナチュラルさ、が伸びて来ます。
赤果実中心で僅かに黒が混じり、スパイスもほんのりと僅かに・・でも結構に複雑性が高いです。
これ、ちょっと寝かせても面白いんじゃないかと思いますよ。これだけちゃんとミネラリティと酸が有って、しつこくないクールな果実がちゃんとある訳ですから、ちょっとやそっとじゃ終わりはしないと・・思います。10年後とか、可能なら20年後?・・どんなになっちゃってるか・・楽しみは後に取っておく・・でも取り合えず今の味わいを見て置く・・みたいな楽しみ方も良いと思います。ワインは一期一会ですから、もし気になったら飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【素晴らしいです!・・このバランスの取れた複雑味、果実感たっぷりでも非常にスムース、冷涼感とミネラル感!今飲んで最高に旨いです!】
旨いです!・・訳が判らない位の多品種がごっちゃり一緒に植わっている訳です。
でもそれがそう有るからこそ・・この繊細かつ超複雑なのに、まるでピノ・ノワール単一かのような一体感を持って感じられるんですね~・・。
まぁ、一つの畑に一品種なんて、人間が勝手にそうしているだけ・・管理がしやすい=手を抜きやすい=説明しやすい..etc. な訳でして、そんな勝手さもまた時には良いにせよ、世の摂理や倫理からは遠く離れたところにあるんじゃないかと・・。
少し前・・我々がまだ若かった頃は、子供の頃は男女一緒に扱われ、小学生になってちょっと毛が生えてくる頃になると、何故か男女ば別々にされ、高校にもなるとnoisy は男子校でしたから・・ま~・・むさ苦しいったら無い・・そして汚い・・悪い奴がトイレットペーパーを持ち出して窓から適当に投げたもんだから窓からアチコチに引っ掛かってヒラヒラと・・すぐに先生にバレて大変なことに・・いや、そうやって男女別じゃなくて成績別に強制的に分ける試験をされ・・のように、人間は「仕分け」したがる性質なんですね。
確かに・・そうすれば、より判りやすくはなるのかもしれませんが、
「こんなに美味しいワインは生まれないぞ!」
と言ってやりたいですね。それに・・可愛いし・・いや・・なんでもないです。
まぁ、あくまでフィールドブレンドと言うことなので、ゲミシュターサッツとか混植とかとは異なるのかもしれませんが、もし別々に区分けしていたとしても、それらを一緒に収穫できるような何らかの努力はされているはずなんですね。素晴らしいワインだと思います。
複雑味、果実感たっぷりでも非常にスムース、冷涼感とミネラル感!クロヴァロンの真の姿を感じさせてくれます。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【激旨です!オーストリアで言えば「ゲミシュターサッツ」!何と判っているだけで15種類以上の品種が混植されているそうです!味わいも全方位外交+柔らかで集中したアロマです!】
いや~・・2018年ものは完璧ですね。全くの球体、見事な集中力です。色合いもレ・ポマレードとは全く違って濃い目の美しいガーネットです。
それでいて全然甘く無いんですね・・ドライです。ナチュラル感を漂わせている柔らかでスピードの速いアロマには、もはや「貫禄」みたいなものさえ感じられます。
味わいも見事でして、接ぎ木無しの樹も植わっているそうですから、そんな「一体感」もこのワインに生きているはずですが、「伸びやかさ」にも影響しているかもしれません。
このワインもレ・ポマレード同様、2020年10月後半のテイスティングでしたが、超繊細なレ・ポマレードが、
「・・すみません、ちょっと船酔いしちゃって・・」
と言っているのに対し・・(^^;; レ・ザンディジェーヌの方は、
「・・さぁ、いつでも行けるわよ~」
みたいな・・準備万端整っている、容姿の麗しさが見事でした。
なので、レ・ザンディジェーヌを先に案内させていただくかな・・などとは思っていたんですが、余りの忙しさに文章を書いていられず、結局レ・ポマレードと一緒になってしまいました。
このワインは是非!・・飲んでみて欲しいと思います。めっちゃ美味しいですよ・・。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【超絶な混植由来なのにこの一体感!ピュアで冷ややかなアロマに美しいエキス味、涼し気な余韻は瑞々しさを感じさせます。少し熟させても面白いはず!】
このワインが混植なんだ!・・とテイスティングして判る方はかなりの感性の持ち主でいらっしゃると思います。
「・・ピノかなぁ?・・でもなぁ・・」
noisy の場合は、自分で仕入れたとしても来た時にはほとんど忘れちゃってますから、知らないワインのテイスティング時には、
テクニカルがほとんど判っていないんですね。なので、むしろ第一印象は結構に重要、あとから、
「・・なるほど・・そう言うことか・・」
と再確認するようなことも多く有ります。
まぁ、言ってしまえば、「ゲミシュターサッツ」であり、マルセル・ダイスなら「混植」なんですね。しかも、
「200年前に植樹した地場品種のオンパレードで、その品種の名前すら判らない・・」
と言うことなんですね。
しかも200年前に植樹って・・もしかして、フラン・ド・ピエ(接ぎ木無し)か?・・だからこその「この一体感なのか?」・・と言う部分に行きつく訳です。
まぁ、エージェントさんのテクニカル資料を100%信用はしていないものの確かめようもないので、どうにもクリアにできず悶絶する訳ですが、確かにこの「一体感」「シームレス感」はその辺りを感じさせます。
しかもこの南部の葡萄を使用しつつも、「・・ピノか?」と一瞬感じるほどの冷ややかさをも持ち合わせており、中盤以降にはほんのりと「黒い果実」をノーズに運んできますから、
「・・一体、どんな葡萄なんだ?」
とまた悶絶する訳です。
それでいて完成度は非常に高く、クリアでピュアな味わいには、基本、赤果実が支配しており、非常にドライで完全エキスのワインに仕上がっていることに、驚きを感じます。
「やっぱり・・センスなんだよなぁ・・」
と思ってしまいました。
しかし、実際のポテンシャルを拾いますと、現在の状況で100%の力を発揮している訳では無いことも判ります。それでも美しいバランスで美味しくは飲めてしまうんですけどね。
現状で飲むことを考えますと、赤果実中心の美しい味わいの一体感の高いワインです。しかしながら、2~3年の熟を経ますと、
「多品種による混植」
の特徴が出てくるはずなんですね。・・ね?・・実に楽しいワインでしょう?・・アンディジェーヌとの名付けと言えば、あのフィリップ・パカレの2005年のコルトン=シャルルマーニュになるはずだったワインを思い出されますが、
「(現状に対する)反逆者」
と言うようなロック女史の強い意志と感性を感じます。
しかも価格も嬉しいです。こんなに楽しめて・・こんなんですから・・。是非とも他のアイテムも飲んでみたいと思っていただけると思います。ご検討くださいませ。お勧めです!
● 2019 les Aurieges I.G.P. Pay d'Oc Blanc
レ・ゾリエージュ I.G.P. ペイ・ドック・ブラン
【果実が活き活きとした・・いわゆるオレンジワイン!・・ですが、只者じゃぁありません。3年ぶりにリリースになったゾリエージュです!】

美味しいです・・まぁ、このような色を見てしまうと拒否反応を持ってしまわれる方もいらっしゃるんじゃないかと思います・・そのような方には無理強いは致しませんが、おそらくほとんどの方が大丈夫、行けるんじゃないかと感じる程良い出来だと思います。
だって・・まずこの「照り」を見てください。非常に輝いて見えると思うんですね。これが果実が生きている証拠でも有るんじゃ無いかと思います。・・いや、これを言うとちょっとヤバイかもしれませんが、果皮を漬け込んで造った白ワインの多くは、果実味が失せてしまって・・お茶の風味しかしない・・ものが結構に存在します。noisy 的にはそれらは余りお勧めできません。
そして黒み・・ですね。こちらは黒と言うよりも赤いですよね。そして何より明るいです。なので果実の風味がバッチリじゃないか?と予想できる可能性が高くなります。
実際、とても良い感じのバランスです。フィールドブレンドと言うことで、畑が区分けされているか、ごっちゃに植わっているかは判りませんが、相当に多くの品種を使用して地中のアンフォラに入れられてエルヴァージュされます。
なので、しっかりベクトル変換出来ているんじゃないかと思うんですね。内向的では無く、しかもトゲトゲしく無くて柔らかなタッチで外向的です。僅かに感じられるタンニンが赤ワインのようなボディの厚みを感じさせてくれます。甘く無く、ドライ過ぎないで柑橘のニュアンスさえ・・感じさせてくれました。
入荷してからそろそろ3カ月ですから、だいぶ落ち着いて来ていると思います。そんなに荒れてはいませんでしたけどね。
「美味しいオレンジワイン、下さい~!」
そんな方もそれなりにはいらっしゃいます。でも・・
「すみません・・美味しいオレンジワインはすぐ無くなっちゃうんですよ・・」
と言わざるを得ない場合が多いんですね。でもこのワインが在庫で残っていたらラッキーです。是非飲んでみて下さい。美味しいオレンジワイン、いかがでしょうか!
以下は以前のレヴューです。
-----
【・・やられた~・・!参りました!・・こう来たか~!】
カトリーヌ・ロックのピノ・ノワールの、柔らかくて暑苦しく無い、美しい味わいにいつも癒されていましたが、このところはすでに娘さんの「アリックスさん」が造っているとか・・
「・・えっ?・・そうなんだ~・・」
と、テクニカルはたまにしか読まないので、全く知りませんでした。
お母さんも美人さんですが、娘さんも可愛らしいですよね・・「惚れてまうやろ~・・」と・・♪♪。
で、今回はインポーターさんからお話しが有り・・いや、このところは随分とnoisy に対する風当たりが・・いや、対応が・・(^^;; 優しくなられてきて、少しは数をいただけるようになって来たのと、新入荷のお話しをいただけるのが早い・・(これは結構に重要)ので、noisy自身が、
「これは行ける!」
と踏んだワインを何とかモノにできる可能性が増えて来たんですね。
で、担当さんが言うには、
「クロヴァロンでオレンジワイン、造ったんですよ。これがかなり評判で・・数は無いんですけど・・」
と言うことだったんですが、本心は、
「(・・オレンジワイン?・・オレンジ色してりゃ良いだけのオレンジワインの範疇にクロヴァロンを入れたくないなぁ・・)」
と思っており、
「(まぁ、ロックさんは美人だからオレンジワインだと言っても美人に仕上がっているかもなぁ・・)」
と、スケベ根性丸出しで、
「じゃぁ・・3ケース」
と言ってみたところ、結局は少し減らされましたが、常日頃
「テイスティング出来る数量、ちょうだいね!!」
と強く言っているのが効いたのか、思った以上に数は有ったのかは判りませんが、初めてのキュヴェにしてはまぁまぁ戴くことが出来たんですね。
で、到着したのは良いんですが、消費増税絡みのゴタゴタや仕入れたのは良いが、まだテイスティングが出来ないからと仕舞い込んでいるワインの順番を飛び越えては、中々にテイスティングが出来ず、でも、
「いい加減に・・クロヴァロンも出さんといかん・・」
と言うことで、何と、
「新着発行の日(定休で休日です・・)にテイスティングしながらのレヴュー書き」
と言うような暴挙に出ている訳です。なので、
「いつもと背景が違う」
のにお気付きかと思いますが・・申し訳ありません、何とか伝わる写真になったかと思います。
ソムリエナイフでコルクを抜くと・・滅茶早いです!・・アロマの上がりが!
「(・・おわっ!)」
と、その柔らかくも鋭角で入射してくるアロマと、鈍角入射の帯域の広い・・鼻の孔を押し広げつつ入ってくるようなアロマが交錯しつつ、なので非常に複雑です。
しかも、非常にアロマティックでフルーツの種類に富み、何とも心地良い世界に誘われます。
「これ、マジで南仏かい・・アルザスじゃないの?」
と一瞬思いましたが、
「・・いや、待てよ・・この感じじゃアルザスの方が暑苦しいだろ・・」
と思い直しました。
その心地良さを感じつつ口に含むと、ま~・・やられちゃいましたね。凄いポテンシャルです。
「・・そもそも・・オレンジじゃないじゃん!」
何やら高質なリースリングが持つソリッドさ、香りの複雑さが来て、しかしボリューム感はしっかり有って・・でも「えげつなさ」とか、これ見よがしな感覚も無く、
「・・これ、どこまで膨らんで行くのか・・この先かなり見ないと図り切れないぞ・・」
とさえ感じてしまいました。
もう、この段階で・・マンモスポテンシャルワイン、決定です。しかも質感が非常に高いです。ジェラール・シュレールのG.C.リースリングにクリスタルを溶け込ませたらこのニュアンスに近くなるか?・・いやいや、リースリングだけのニュアンスじゃないから、それはダメ・・・だとすると・・。
などと、かなりの頭を使わされます。
で、残糖感はゼロ・・(^^;; 超絶にドライです。後口が似ているのはディディエ・ダグノー・・でしょうか。そこにもっと自然派的ナチュラルさを加えた様な感じです。
いやはや・・これはもう・・参ったとしか言いようが有りません。アレックスさん・・娘さんも結構過ぎる実力だったんですね~・・これ、任されて1年目のキュヴェでしょう?・・凄いな!
とは言え、まだ若いですよ。ここまでポテンシャルが有ると、全開になるのにかなりの時間を必要とするでしょう。オレンジ色をしてるからオレンジワイン・・などと言う範疇でくくるワインでは有りません。相当なポテンシャルを持つ凄い白ワインだと言う認識が必要です。
冷ややかでソリッドだけれど、しっかり膨らむし・・でも膨らみ切らない。果実はてんこ盛りなのに、まだ底など見えない。ミネラリティだけ見ていると・・とてもじゃないが南仏のワインには思えない・・と言うような、今までに経験の無い味わいでした!
こりゃぁ・・経験してみないといけません。まぁ、好きか嫌いか・・は誰にも有るかと思いますが、少なくとも、
「3千円のワインじゃない!」
と思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
● 2019 les Indigenes Rouge I.G.P. de l'Herault
レ・ザンディジェーヌ・ルージュ I.G.P. ド・エロー
【素晴らしいです!・・このバランスの取れた複雑味、果実感たっぷりでも非常にスムース、冷涼感とミネラル感!今飲んで最高に旨いです!】

旨いです!・・訳が判らない位の多品種がごっちゃり一緒に植わっている訳です。
でもそれがそう有るからこそ・・この繊細かつ超複雑なのに、まるでピノ・ノワール単一かのような一体感を持って感じられるんですね~・・。
まぁ、一つの畑に一品種なんて、人間が勝手にそうしているだけ・・管理がしやすい=手を抜きやすい=説明しやすい..etc. な訳でして、そんな勝手さもまた時には良いにせよ、世の摂理や倫理からは遠く離れたところにあるんじゃないかと・・。
少し前・・我々がまだ若かった頃は、子供の頃は男女一緒に扱われ、小学生になってちょっと毛が生えてくる頃になると、何故か男女ば別々にされ、高校にもなるとnoisy は男子校でしたから・・ま~・・むさ苦しいったら無い・・そして汚い・・悪い奴がトイレットペーパーを持ち出して窓から適当に投げたもんだから窓からアチコチに引っ掛かってヒラヒラと・・すぐに先生にバレて大変なことに・・いや、そうやって男女別じゃなくて成績別に強制的に分ける試験をされ・・のように、人間は「仕分け」したがる性質なんですね。
確かに・・そうすれば、より判りやすくはなるのかもしれませんが、
「こんなに美味しいワインは生まれないぞ!」
と言ってやりたいですね。それに・・可愛いし・・いや・・なんでもないです。
まぁ、あくまでフィールドブレンドと言うことなので、ゲミシュターサッツとか混植とかとは異なるのかもしれませんが、もし別々に区分けしていたとしても、それらを一緒に収穫できるような何らかの努力はされているはずなんですね。素晴らしいワインだと思います。
複雑味、果実感たっぷりでも非常にスムース、冷涼感とミネラル感!クロヴァロンの真の姿を感じさせてくれます。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【激旨です!オーストリアで言えば「ゲミシュターサッツ」!何と判っているだけで15種類以上の品種が混植されているそうです!味わいも全方位外交+柔らかで集中したアロマです!】
いや~・・2018年ものは完璧ですね。全くの球体、見事な集中力です。色合いもレ・ポマレードとは全く違って濃い目の美しいガーネットです。
それでいて全然甘く無いんですね・・ドライです。ナチュラル感を漂わせている柔らかでスピードの速いアロマには、もはや「貫禄」みたいなものさえ感じられます。
味わいも見事でして、接ぎ木無しの樹も植わっているそうですから、そんな「一体感」もこのワインに生きているはずですが、「伸びやかさ」にも影響しているかもしれません。
このワインもレ・ポマレード同様、2020年10月後半のテイスティングでしたが、超繊細なレ・ポマレードが、
「・・すみません、ちょっと船酔いしちゃって・・」
と言っているのに対し・・(^^;; レ・ザンディジェーヌの方は、
「・・さぁ、いつでも行けるわよ~」
みたいな・・準備万端整っている、容姿の麗しさが見事でした。
なので、レ・ザンディジェーヌを先に案内させていただくかな・・などとは思っていたんですが、余りの忙しさに文章を書いていられず、結局レ・ポマレードと一緒になってしまいました。
このワインは是非!・・飲んでみて欲しいと思います。めっちゃ美味しいですよ・・。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【超絶な混植由来なのにこの一体感!ピュアで冷ややかなアロマに美しいエキス味、涼し気な余韻は瑞々しさを感じさせます。少し熟させても面白いはず!】
このワインが混植なんだ!・・とテイスティングして判る方はかなりの感性の持ち主でいらっしゃると思います。
「・・ピノかなぁ?・・でもなぁ・・」
noisy の場合は、自分で仕入れたとしても来た時にはほとんど忘れちゃってますから、知らないワインのテイスティング時には、
テクニカルがほとんど判っていないんですね。なので、むしろ第一印象は結構に重要、あとから、
「・・なるほど・・そう言うことか・・」
と再確認するようなことも多く有ります。
まぁ、言ってしまえば、「ゲミシュターサッツ」であり、マルセル・ダイスなら「混植」なんですね。しかも、
「200年前に植樹した地場品種のオンパレードで、その品種の名前すら判らない・・」
と言うことなんですね。
しかも200年前に植樹って・・もしかして、フラン・ド・ピエ(接ぎ木無し)か?・・だからこその「この一体感なのか?」・・と言う部分に行きつく訳です。
まぁ、エージェントさんのテクニカル資料を100%信用はしていないものの確かめようもないので、どうにもクリアにできず悶絶する訳ですが、確かにこの「一体感」「シームレス感」はその辺りを感じさせます。
しかもこの南部の葡萄を使用しつつも、「・・ピノか?」と一瞬感じるほどの冷ややかさをも持ち合わせており、中盤以降にはほんのりと「黒い果実」をノーズに運んできますから、
「・・一体、どんな葡萄なんだ?」
とまた悶絶する訳です。
それでいて完成度は非常に高く、クリアでピュアな味わいには、基本、赤果実が支配しており、非常にドライで完全エキスのワインに仕上がっていることに、驚きを感じます。
「やっぱり・・センスなんだよなぁ・・」
と思ってしまいました。
しかし、実際のポテンシャルを拾いますと、現在の状況で100%の力を発揮している訳では無いことも判ります。それでも美しいバランスで美味しくは飲めてしまうんですけどね。
現状で飲むことを考えますと、赤果実中心の美しい味わいの一体感の高いワインです。しかしながら、2~3年の熟を経ますと、
「多品種による混植」
の特徴が出てくるはずなんですね。・・ね?・・実に楽しいワインでしょう?・・アンディジェーヌとの名付けと言えば、あのフィリップ・パカレの2005年のコルトン=シャルルマーニュになるはずだったワインを思い出されますが、
「(現状に対する)反逆者」
と言うようなロック女史の強い意志と感性を感じます。
しかも価格も嬉しいです。こんなに楽しめて・・こんなんですから・・。是非とも他のアイテムも飲んでみたいと思っていただけると思います。ご検討くださいませ。お勧めです!
● 2019 Pinot Noir les Pomaredes I.G.P. de l'Herault
ピノ・ノワール・レ・ポマレード I.G.P. ド・エロー
【2019年ものは非常に精緻!・・ベースのピノ・ノワールもエレガントで美味しいですが、看板のこのピノ・ノワールのレ・ポマレードの完成度は非常に高いです!】

どうでしょう?・・素晴らしい色合いですね。ナチュラル感も飛び出して来そうで、でもまだ抑えられているような感じにも見えますが、この色合いの素晴らしさもワインの美味しさの一つと言えるでしょう。
クロヴァロンのレ・ポマレードは、もう何も言うことは無いんですが・・(^^;; もう相当に色々書かせていただきましたので、そのまま・・以前のレヴューを受け取っていただいて結構かと思います。
その上で2019年ものは・・と言う部分だけを書かせていただきます。
エージェント情報に相当面白いことが書いて有ります。そしてこれは非常に重要なこと・・特に「ナチュラルな栽培とナチュラルな醸造を目指す造り手」にとっては・・です。
「2019ヴィンテージは、熟成中の試飲で、酸化しそうな兆候があったため、ネガティブな反応が出ることを避けるために、例外的にSO2をマロ発酵後に40mg /Lのみ添加。」
これ・・醸造が少しお判りの方には、物凄い情報だと思うんですね。
「2019ヴィンテージは、熟成中の試飲で、酸化しそうな兆候があったため・・」
の部分。「熟成中の試飲で」・・はいつなのか、どのタイミングなのかは不明ながら、「酸化しそうな兆候があったため」は、揮発酸値の上昇が懸念されたと言うことじゃないかと思うんですね。
で、その後・・
「ネガティブな反応が出ることを避けるために、例外的にSO2をマロ発酵後に40mg /Lのみ添加」
そう・・ネガティブな表情が出ることを避けるために、いつもとは違う事をした・・例外的に、「マロ発酵後に」So2を添加したんですね。
マロ発酵後・・と言うのがポイントです。マロ中はやらなかった・・と言うことは、揮発菌は大挙して出て来ていた訳では無い・・と言うことですね。ただし、酵素が出来て残った可能性があるので・・So2を少量使用した・・と言うことなんですね。
お酢を造るには、アルコールが無ければなりません。アルコールが揮発菌によってお酢に変えられる訳ですから・・。醸造中はそれが無く・・しかし飲んでみたらその「気」が有るように感じられた・・と言うことですね。で、ネガティブにならないように大事を取って、マロラクティック終了後に少量のSo2を入れた・・と言うことです。
なので、noisy がテイスティングした段階・・相当前です・・調べます・・8月29日でした・・2カ月半も前のことでした・・が、いつもよりも僅かに締まって感じられました。おそらくそれは、So2 の影響だったのでしょう。
しかし、ワインの中に添加したSo2 は半年はほとんど無くなる・・ので、5カ月以上経過していることを考えますと、相当に減少しているはずです。
8月の終わりのテイスティング段階では、
「僅かに内向的」
と判断していましたが、ようやく今、エージェントさんのテクニカルを読んで・・noisyも理解できた訳です。
いや・・クロヴァロンのワインがナチュラルでピュアな理由が良く判った感じがします。是非ご安心して楽しまれてください。非常に美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【超エレガント系のピノ・ノワール!全く甘く無く全く濃く無い、フランス南部の暑苦しさはゼロと言う、ちょっと驚きのエレガンスです。】
淡い色が可憐さを現わしているかのようですよね。とても美しいですし、実際にとてもエレガントです。
実はこのワイン、10月後半のテイスティングだったんですが、まだ完全には仕上がり切っていないという判断で12月まで持ち越しました。落ち着かせましたので、超エレガントでドライなピノ・ノワールの美味しさをご堪能いただけると思います。
今までにも増して・・淡いですよね。ラングドック辺りの「厚さ」は微塵も感じませんで、ドライで全く濃く無いです。果実感も花や若い果実が中心で、「熟した果実」「過熟な果実」は有りません。
一体どうやって造っているのかと・・まぁ、畑仕事がそのまま味わいに行かされているんだとは思うんですが、不思議な気がします。だいぶファンの方もついて来たカトリーヌ・ロックさんの超エレガント系の美味しいピノ・ノワール、是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】
巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2019 les Aires I.G.P. Pay d'Oc Blanc
レ・ゼール I.G.P. ペイ・ドック・ブラン
【しなやかで気品ある優れたヴィオニエです!・・すでにあのジェローム・ジュレを超えたか!カトリーヌ・ロックさん・・素晴らしいです!】

ラングドックのデイリーワインも
「ついにここまで来たか!」
と思わせるような見事な出来でした。
リアルワインガイドでも、その昔は全然売れなかったジェローム・ジュレが取り上げられ、noisy も散々レヴューを書かせていただきました。
質感も有り、価格もリーズナブル!・・だったのですが、徐々に売れ始めるのと前後して、販売価格は3千円コースになってしまいました。
・・そうなってしまうと、この価格帯はさらに激戦区になり、上級ワインとも選択肢がダブりますから、ちょっと難しくなってしまうんですよね。
ちょうど同じクラスとしては、やはり大人気の「レ・ヴィニョー」が有ります。価格帯はほぼ同様、品種の多彩さではレ・ヴィニョーが勝ります。
しかしながら、ピノ・ノワールと言う・・みんな大好きな品種をエレガントに仕上げているのは、このカトリーヌ・ロック女史の方に有利さが有るかと思います。飲まれたお客様なら、
「カトリーヌ・ロック・・好きかも!」
と思われたことでしょう。柔らかくもエレガンスが有り、高質なピノ・ノワールですよね。
同じような柔らかなテクスチュアで高質さを感じさせてくれる「ヴィオニエ」がこの「レ・ゼール・ブラン」です。2016年はネガティヴイメージが付きまといますが、全くそんなものは・・
「感じられませんでした。」
さらには、「尖がったイメージ」「スパイシー過ぎるアロマ」「ざらつくテクスチュア」「ある種の欠損感」のどれか、もしくは複数が出がちなヴィオニエにおいて、そのどれもがほぼ当たらない・・つまり、それはより高級感を感じさせてくれることに繋がってるんですね。
はんなりと放出されるスパイシーなアロマは拡がりとミネラリティを同時に感じさせてくれます。パレットはかなり円形、もしくは球形で、しなやかなテクスチュアと黄色味の有る果実感をドギツク無く感じさせてくれます。甘みは無く、ドライですがエキスの美味しさがバッチリ乗っています。余韻も実に綺麗に長く、おしとやかに感じさせてくれます。密度感も見事!・・これ以上、単に濃いだけだと疲れるし、薄いとシャバシャバ感が漂ってしまう、その微妙なラインを攻めています。しかもえくたーる当たり20ヘクトリットルと言う、ブルゴーニュの筆頭グラン・クリュ並みの収量ですよ。筆頭格で無いグラン・クリュは量的にもっと沢山造ってます。
しかもカトリーヌ・ロックさん・・美人さんですよね~・・あ、これハラスメントになるのかな?・・いや、あくまで褒めたんです。だからどうしようとかってことでは無いので・・最近はどうにもやり辛い・・
しかし、カトリーヌ・ロックさんの感性は素晴らしいと思うんですね。2種のピノ・ノワールも美味いし、懸念していた2016年の、それも白の「ヴィオニエ」も、
「南部の白ワインらしからぬ冷涼感」
さえ漂わせています。
おそらくカトリーヌ・ロックさんは、自分が好きな味わいに持って行ってるんだと思うんですね。もしくは、
「そうあるべき」
味わいを、身体に染み付けていらっしゃるのでしょう。
日本ではどうなのか判りませんが、世界中で話題になり、引く手あまたの状態のようです。このような優れた自然派ワイン・・しかも、揮発酸による浸食の無い見事なナチュラルさは、日本でももっと認められるべきかと思います。素晴らしいヴィオニエです!是非とも飲んでいただきたい!旨いです!
● 2019 Pinot Noir I.G.P. Pay d'Oc
ピノ・ノワール I.G.P. ペイ・ドック
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】

巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2018 les Indigenes Rouge I.G.P. de l'Herault
レ・ザンディジェーヌ・ルージュ I.G.P. ド・エロー
【激旨です!オーストリアで言えば「ゲミシュターサッツ」!何と判っているだけで15種類以上の品種が混植されているそうです!味わいも全方位外交+柔らかで集中したアロマです!】

いや~・・2018年ものは完璧ですね。全くの球体、見事な集中力です。色合いもレ・ポマレードとは全く違って濃い目の美しいガーネットです。
それでいて全然甘く無いんですね・・ドライです。ナチュラル感を漂わせている柔らかでスピードの速いアロマには、もはや「貫禄」みたいなものさえ感じられます。
味わいも見事でして、接ぎ木無しの樹も植わっているそうですから、そんな「一体感」もこのワインに生きているはずですが、「伸びやかさ」にも影響しているかもしれません。
このワインもレ・ポマレード同様、2020年10月後半のテイスティングでしたが、超繊細なレ・ポマレードが、
「・・すみません、ちょっと船酔いしちゃって・・」
と言っているのに対し・・(^^;; レ・ザンディジェーヌの方は、
「・・さぁ、いつでも行けるわよ~」
みたいな・・準備万端整っている、容姿の麗しさが見事でした。
なので、レ・ザンディジェーヌを先に案内させていただくかな・・などとは思っていたんですが、余りの忙しさに文章を書いていられず、結局レ・ポマレードと一緒になってしまいました。
このワインは是非!・・飲んでみて欲しいと思います。めっちゃ美味しいですよ・・。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【超絶な混植由来なのにこの一体感!ピュアで冷ややかなアロマに美しいエキス味、涼し気な余韻は瑞々しさを感じさせます。少し熟させても面白いはず!】
このワインが混植なんだ!・・とテイスティングして判る方はかなりの感性の持ち主でいらっしゃると思います。
「・・ピノかなぁ?・・でもなぁ・・」
noisy の場合は、自分で仕入れたとしても来た時にはほとんど忘れちゃってますから、知らないワインのテイスティング時には、
テクニカルがほとんど判っていないんですね。なので、むしろ第一印象は結構に重要、あとから、
「・・なるほど・・そう言うことか・・」
と再確認するようなことも多く有ります。
まぁ、言ってしまえば、「ゲミシュターサッツ」であり、マルセル・ダイスなら「混植」なんですね。しかも、
「200年前に植樹した地場品種のオンパレードで、その品種の名前すら判らない・・」
と言うことなんですね。
しかも200年前に植樹って・・もしかして、フラン・ド・ピエ(接ぎ木無し)か?・・だからこその「この一体感なのか?」・・と言う部分に行きつく訳です。
まぁ、エージェントさんのテクニカル資料を100%信用はしていないものの確かめようもないので、どうにもクリアにできず悶絶する訳ですが、確かにこの「一体感」「シームレス感」はその辺りを感じさせます。
しかもこの南部の葡萄を使用しつつも、「・・ピノか?」と一瞬感じるほどの冷ややかさをも持ち合わせており、中盤以降にはほんのりと「黒い果実」をノーズに運んできますから、
「・・一体、どんな葡萄なんだ?」
とまた悶絶する訳です。
それでいて完成度は非常に高く、クリアでピュアな味わいには、基本、赤果実が支配しており、非常にドライで完全エキスのワインに仕上がっていることに、驚きを感じます。
「やっぱり・・センスなんだよなぁ・・」
と思ってしまいました。
しかし、実際のポテンシャルを拾いますと、現在の状況で100%の力を発揮している訳では無いことも判ります。それでも美しいバランスで美味しくは飲めてしまうんですけどね。
現状で飲むことを考えますと、赤果実中心の美しい味わいの一体感の高いワインです。しかしながら、2~3年の熟を経ますと、
「多品種による混植」
の特徴が出てくるはずなんですね。・・ね?・・実に楽しいワインでしょう?・・アンディジェーヌとの名付けと言えば、あのフィリップ・パカレの2005年のコルトン=シャルルマーニュになるはずだったワインを思い出されますが、
「(現状に対する)反逆者」
と言うようなロック女史の強い意志と感性を感じます。
しかも価格も嬉しいです。こんなに楽しめて・・こんなんですから・・。是非とも他のアイテムも飲んでみたいと思っていただけると思います。ご検討くださいませ。お勧めです!
● 2018 Pinot Noir les Pomaredes I.G.P. de l'Herault
ピノ・ノワール・レ・ポマレード I.G.P. ド・エロー
【超エレガント系のピノ・ノワール!全く甘く無く全く濃く無い、フランス南部の暑苦しさはゼロと言う、ちょっと驚きのエレガンスです。】

淡い色が可憐さを現わしているかのようですよね。とても美しいですし、実際にとてもエレガントです。
実はこのワイン、10月後半のテイスティングだったんですが、まだ完全には仕上がり切っていないという判断で12月まで持ち越しました。落ち着かせましたので、超エレガントでドライなピノ・ノワールの美味しさをご堪能いただけると思います。
今までにも増して・・淡いですよね。ラングドック辺りの「厚さ」は微塵も感じませんで、ドライで全く濃く無いです。果実感も花や若い果実が中心で、「熟した果実」「過熟な果実」は有りません。
一体どうやって造っているのかと・・まぁ、畑仕事がそのまま味わいに行かされているんだとは思うんですが、不思議な気がします。だいぶファンの方もついて来たカトリーヌ・ロックさんの超エレガント系の美味しいピノ・ノワール、是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】
巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2018 les Aires I.G.P. Pay d'Oc Blanc
レ・ゼール I.G.P. ペイ・ドック・ブラン
【しなやかで気品ある優れたヴィオニエです!・・すでにあのジェローム・ジュレを超えたか!カトリーヌ・ロックさん・・素晴らしいです!】

ラングドックのデイリーワインも
「ついにここまで来たか!」
と思わせるような見事な出来でした。
リアルワインガイドでも、その昔は全然売れなかったジェローム・ジュレが取り上げられ、noisy も散々レヴューを書かせていただきました。
質感も有り、価格もリーズナブル!・・だったのですが、徐々に売れ始めるのと前後して、販売価格は3千円コースになってしまいました。
・・そうなってしまうと、この価格帯はさらに激戦区になり、上級ワインとも選択肢がダブりますから、ちょっと難しくなってしまうんですよね。
ちょうど同じクラスとしては、やはり大人気の「レ・ヴィニョー」が有ります。価格帯はほぼ同様、品種の多彩さではレ・ヴィニョーが勝ります。
しかしながら、ピノ・ノワールと言う・・みんな大好きな品種をエレガントに仕上げているのは、このカトリーヌ・ロック女史の方に有利さが有るかと思います。飲まれたお客様なら、
「カトリーヌ・ロック・・好きかも!」
と思われたことでしょう。柔らかくもエレガンスが有り、高質なピノ・ノワールですよね。
同じような柔らかなテクスチュアで高質さを感じさせてくれる「ヴィオニエ」がこの「レ・ゼール・ブラン」です。2016年はネガティヴイメージが付きまといますが、全くそんなものは・・
「感じられませんでした。」
さらには、「尖がったイメージ」「スパイシー過ぎるアロマ」「ざらつくテクスチュア」「ある種の欠損感」のどれか、もしくは複数が出がちなヴィオニエにおいて、そのどれもがほぼ当たらない・・つまり、それはより高級感を感じさせてくれることに繋がってるんですね。
はんなりと放出されるスパイシーなアロマは拡がりとミネラリティを同時に感じさせてくれます。パレットはかなり円形、もしくは球形で、しなやかなテクスチュアと黄色味の有る果実感をドギツク無く感じさせてくれます。甘みは無く、ドライですがエキスの美味しさがバッチリ乗っています。余韻も実に綺麗に長く、おしとやかに感じさせてくれます。密度感も見事!・・これ以上、単に濃いだけだと疲れるし、薄いとシャバシャバ感が漂ってしまう、その微妙なラインを攻めています。しかもえくたーる当たり20ヘクトリットルと言う、ブルゴーニュの筆頭グラン・クリュ並みの収量ですよ。筆頭格で無いグラン・クリュは量的にもっと沢山造ってます。
しかもカトリーヌ・ロックさん・・美人さんですよね~・・あ、これハラスメントになるのかな?・・いや、あくまで褒めたんです。だからどうしようとかってことでは無いので・・最近はどうにもやり辛い・・
しかし、カトリーヌ・ロックさんの感性は素晴らしいと思うんですね。2種のピノ・ノワールも美味いし、懸念していた2016年の、それも白の「ヴィオニエ」も、
「南部の白ワインらしからぬ冷涼感」
さえ漂わせています。
おそらくカトリーヌ・ロックさんは、自分が好きな味わいに持って行ってるんだと思うんですね。もしくは、
「そうあるべき」
味わいを、身体に染み付けていらっしゃるのでしょう。
日本ではどうなのか判りませんが、世界中で話題になり、引く手あまたの状態のようです。このような優れた自然派ワイン・・しかも、揮発酸による浸食の無い見事なナチュラルさは、日本でももっと認められるべきかと思います。素晴らしいヴィオニエです!是非とも飲んでいただきたい!旨いです!
● 2016 les Aurieges I.G.P. Pay d'Oc Blanc
レ・ゾリエージュ I.G.P. ペイ・ドック・ブラン
【・・やられた~・・!参りました!・・こう来たか~!】

カトリーヌ・ロックのピノ・ノワールの、柔らかくて暑苦しく無い、美しい味わいにいつも癒されていましたが、このところはすでに娘さんの「アリックスさん」が造っているとか・・
「・・えっ?・・そうなんだ~・・」
と、テクニカルはたまにしか読まないので、全く知りませんでした。
お母さんも美人さんですが、娘さんも可愛らしいですよね・・「惚れてまうやろ~・・」と・・♪♪。
で、今回はインポーターさんからお話しが有り・・いや、このところは随分とnoisy に対する風当たりが・・いや、対応が・・(^^;; 優しくなられてきて、少しは数をいただけるようになって来たのと、新入荷のお話しをいただけるのが早い・・(これは結構に重要)ので、noisy自身が、
「これは行ける!」
と踏んだワインを何とかモノにできる可能性が増えて来たんですね。
で、担当さんが言うには、
「クロヴァロンでオレンジワイン、造ったんですよ。これがかなり評判で・・数は無いんですけど・・」
と言うことだったんですが、本心は、
「(・・オレンジワイン?・・オレンジ色してりゃ良いだけのオレンジワインの範疇にクロヴァロンを入れたくないなぁ・・)」
と思っており、
「(まぁ、ロックさんは美人だからオレンジワインだと言っても美人に仕上がっているかもなぁ・・)」
と、スケベ根性丸出しで、
「じゃぁ・・3ケース」
と言ってみたところ、結局は少し減らされましたが、常日頃
「テイスティング出来る数量、ちょうだいね!!」
と強く言っているのが効いたのか、思った以上に数は有ったのかは判りませんが、初めてのキュヴェにしてはまぁまぁ戴くことが出来たんですね。
で、到着したのは良いんですが、消費増税絡みのゴタゴタや仕入れたのは良いが、まだテイスティングが出来ないからと仕舞い込んでいるワインの順番を飛び越えては、中々にテイスティングが出来ず、でも、
「いい加減に・・クロヴァロンも出さんといかん・・」
と言うことで、何と、
「新着発行の日(定休で休日です・・)にテイスティングしながらのレヴュー書き」
と言うような暴挙に出ている訳です。なので、
「いつもと背景が違う」
のにお気付きかと思いますが・・申し訳ありません、何とか伝わる写真になったかと思います。
ソムリエナイフでコルクを抜くと・・滅茶早いです!・・アロマの上がりが!
「(・・おわっ!)」
と、その柔らかくも鋭角で入射してくるアロマと、鈍角入射の帯域の広い・・鼻の孔を押し広げつつ入ってくるようなアロマが交錯しつつ、なので非常に複雑です。
しかも、非常にアロマティックでフルーツの種類に富み、何とも心地良い世界に誘われます。
「これ、マジで南仏かい・・アルザスじゃないの?」
と一瞬思いましたが、
「・・いや、待てよ・・この感じじゃアルザスの方が暑苦しいだろ・・」
と思い直しました。
その心地良さを感じつつ口に含むと、ま~・・やられちゃいましたね。凄いポテンシャルです。
「・・そもそも・・オレンジじゃないじゃん!」
何やら高質なリースリングが持つソリッドさ、香りの複雑さが来て、しかしボリューム感はしっかり有って・・でも「えげつなさ」とか、これ見よがしな感覚も無く、
「・・これ、どこまで膨らんで行くのか・・この先かなり見ないと図り切れないぞ・・」
とさえ感じてしまいました。
もう、この段階で・・マンモスポテンシャルワイン、決定です。しかも質感が非常に高いです。ジェラール・シュレールのG.C.リースリングにクリスタルを溶け込ませたらこのニュアンスに近くなるか?・・いやいや、リースリングだけのニュアンスじゃないから、それはダメ・・・だとすると・・。
などと、かなりの頭を使わされます。
で、残糖感はゼロ・・(^^;; 超絶にドライです。後口が似ているのはディディエ・ダグノー・・でしょうか。そこにもっと自然派的ナチュラルさを加えた様な感じです。
いやはや・・これはもう・・参ったとしか言いようが有りません。アレックスさん・・娘さんも結構過ぎる実力だったんですね~・・これ、任されて1年目のキュヴェでしょう?・・凄いな!
とは言え、まだ若いですよ。ここまでポテンシャルが有ると、全開になるのにかなりの時間を必要とするでしょう。オレンジ色をしてるからオレンジワイン・・などと言う範疇でくくるワインでは有りません。相当なポテンシャルを持つ凄い白ワインだと言う認識が必要です。
冷ややかでソリッドだけれど、しっかり膨らむし・・でも膨らみ切らない。果実はてんこ盛りなのに、まだ底など見えない。ミネラリティだけ見ていると・・とてもじゃないが南仏のワインには思えない・・と言うような、今までに経験の無い味わいでした!
こりゃぁ・・経験してみないといけません。まぁ、好きか嫌いか・・は誰にも有るかと思いますが、少なくとも、
「3千円のワインじゃない!」
と思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
● 2017 les Indigenes Rouge I.G.P. de l'Herault
レ・ザンディジェーヌ・ルージュ I.G.P. ド・エロー
【超絶な混植由来なのにこの一体感!ピュアで冷ややかなアロマに美しいエキス味、涼し気な余韻は瑞々しさを感じさせます。少し熟させても面白いはず!】

このワインが混植なんだ!・・とテイスティングして判る方はかなりの感性の持ち主でいらっしゃると思います。
「・・ピノかなぁ?・・でもなぁ・・」
noisy の場合は、自分で仕入れたとしても来た時にはほとんど忘れちゃってますから、知らないワインのテイスティング時には、
テクニカルがほとんど判っていないんですね。なので、むしろ第一印象は結構に重要、あとから、
「・・なるほど・・そう言うことか・・」
と再確認するようなことも多く有ります。
まぁ、言ってしまえば、「ゲミシュターサッツ」であり、マルセル・ダイスなら「混植」なんですね。しかも、
「200年前に植樹した地場品種のオンパレードで、その品種の名前すら判らない・・」
と言うことなんですね。
しかも200年前に植樹って・・もしかして、フラン・ド・ピエ(接ぎ木無し)か?・・だからこその「この一体感なのか?」・・と言う部分に行きつく訳です。
まぁ、エージェントさんのテクニカル資料を100%信用はしていないものの確かめようもないので、どうにもクリアにできず悶絶する訳ですが、確かにこの「一体感」「シームレス感」はその辺りを感じさせます。
しかもこの南部の葡萄を使用しつつも、「・・ピノか?」と一瞬感じるほどの冷ややかさをも持ち合わせており、中盤以降にはほんのりと「黒い果実」をノーズに運んできますから、
「・・一体、どんな葡萄なんだ?」
とまた悶絶する訳です。
それでいて完成度は非常に高く、クリアでピュアな味わいには、基本、赤果実が支配しており、非常にドライで完全エキスのワインに仕上がっていることに、驚きを感じます。
「やっぱり・・センスなんだよなぁ・・」
と思ってしまいました。
しかし、実際のポテンシャルを拾いますと、現在の状況で100%の力を発揮している訳では無いことも判ります。それでも美しいバランスで美味しくは飲めてしまうんですけどね。
現状で飲むことを考えますと、赤果実中心の美しい味わいの一体感の高いワインです。しかしながら、2~3年の熟を経ますと、
「多品種による混植」
の特徴が出てくるはずなんですね。・・ね?・・実に楽しいワインでしょう?・・アンディジェーヌとの名付けと言えば、あのフィリップ・パカレの2005年のコルトン=シャルルマーニュになるはずだったワインを思い出されますが、
「(現状に対する)反逆者」
と言うようなロック女史の強い意志と感性を感じます。
しかも価格も嬉しいです。こんなに楽しめて・・こんなんですから・・。是非とも他のアイテムも飲んでみたいと思っていただけると思います。ご検討くださいませ。お勧めです!
● 2017 Pinot Noir les Pomaredes I.G.P. de l'Herault
ピノ・ノワール・レ・ポマレード I.G.P. ド・エロー
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】

巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2017 Palagret Rouge I.G.P. de l'Herault
パラグレ・ルージュ I.G.P. ド・エロー
【これは美味しい!カトリーヌさんのセンスの良さを感じる全方向にまん丸いナチュラルな味わいです!】

こちらもnoisy にとってはある意味、とても驚きのワインです。
「・・へ~・・こんな風に仕上げられるんだ・・」
と、技術的なことを含め、大いに感心してしまいました。
このバランスは凄いですよ。しかもSo2は使っていないそうですから・・。
「So2無しって・・マジすか?」
確かに香りのスピードは有るしテクスチュアは柔らかいし、身体に向かってくる角度の優しいことったら・・無いんですね。グラスからのアロマの妖艶さと、口に含んだ時の精緻さと丸さ、酸バランスは、noisy が通常想像してしまうものとは異なるレベルでした。
「・・想像の範囲内でしたよ♪♪」
みたいなCFをテレビでやってますが、まるで正反対です。
「・・ほんまでっか?」
と言うような反応が正しいです。
赤果実に黒果実が差し込んでくる美しく、ほんのりと太さも有るエレガント系の味わいで、チープな(高級感の無い)シラーに見られる質感の無さ、アロマの雑さは全く有りません・・が妖艶さがほんのり、官能感を漂わせているものの、非常なる精緻さをも感じさせてくれるんですね。
そしてこのワインは非常にナチュラルです。柔らかいし優しい・・ワインだけで食事が完成してしまう世界観が有ります。まぁ、パンとチーズが有れば最高でしょう!
リーズナブルなワインながらこの完成度には驚きです。是非飲んでみて欲しいワインでした!・・またザンディジェーヌもビックリワインです。是非ご検討くださいませ!お勧めします!
● 2016 les Indigenes Rouge I.G.P. de l'Herault
レ・ザンディジェーヌ・ルージュ I.G.P. ド・エロー
【超絶な混植由来なのにこの一体感!ピュアで冷ややかなアロマに美しいエキス味、涼し気な余韻は瑞々しさを感じさせます。少し熟させても面白いはず!】

このワインが混植なんだ!・・とテイスティングして判る方はかなりの感性の持ち主でいらっしゃると思います。
「・・ピノかなぁ?・・でもなぁ・・」
noisy の場合は、自分で仕入れたとしても来た時にはほとんど忘れちゃってますから、知らないワインのテイスティング時には、
テクニカルがほとんど判っていないんですね。なので、むしろ第一印象は結構に重要、あとから、
「・・なるほど・・そう言うことか・・」
と再確認するようなことも多く有ります。
まぁ、言ってしまえば、「ゲミシュターサッツ」であり、マルセル・ダイスなら「混植」なんですね。しかも、
「200年前に植樹した地場品種のオンパレードで、その品種の名前すら判らない・・」
と言うことなんですね。
しかも200年前に植樹って・・もしかして、フラン・ド・ピエ(接ぎ木無し)か?・・だからこその「この一体感なのか?」・・と言う部分に行きつく訳です。
まぁ、エージェントさんのテクニカル資料を100%信用はしていないものの確かめようもないので、どうにもクリアにできず悶絶する訳ですが、確かにこの「一体感」「シームレス感」はその辺りを感じさせます。
しかもこの南部の葡萄を使用しつつも、「・・ピノか?」と一瞬感じるほどの冷ややかさをも持ち合わせており、中盤以降にはほんのりと「黒い果実」をノーズに運んできますから、
「・・一体、どんな葡萄なんだ?」
とまた悶絶する訳です。
それでいて完成度は非常に高く、クリアでピュアな味わいには、基本、赤果実が支配しており、非常にドライで完全エキスのワインに仕上がっていることに、驚きを感じます。
「やっぱり・・センスなんだよなぁ・・」
と思ってしまいました。
しかし、実際のポテンシャルを拾いますと、現在の状況で100%の力を発揮している訳では無いことも判ります。それでも美しいバランスで美味しくは飲めてしまうんですけどね。
現状で飲むことを考えますと、赤果実中心の美しい味わいの一体感の高いワインです。しかしながら、2~3年の熟を経ますと、
「多品種による混植」
の特徴が出てくるはずなんですね。・・ね?・・実に楽しいワインでしょう?・・アンディジェーヌとの名付けと言えば、あのフィリップ・パカレの2005年のコルトン=シャルルマーニュになるはずだったワインを思い出されますが、
「(現状に対する)反逆者」
と言うようなロック女史の強い意志と感性を感じます。
しかも価格も嬉しいです。こんなに楽しめて・・こんなんですから・・。是非とも他のアイテムも飲んでみたいと思っていただけると思います。ご検討くださいませ。お勧めです!
● 2016 Pinot Noir I.G.P. Pay d'Oc
ピノ・ノワール I.G.P. ペイ・ドック
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】

巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2016 les Aires I.G.P. Pay d'Oc Blanc
レ・ゼール I.G.P. ペイ・ドック・ブラン
【しなやかで気品ある優れたヴィオニエです!・・すでにあのジェローム・ジュレを超えたか!カトリーヌ・ロックさん・・素晴らしいです!】

ラングドックのデイリーワインも
「ついにここまで来たか!」
と思わせるような見事な出来でした。
リアルワインガイドでも、その昔は全然売れなかったジェローム・ジュレが取り上げられ、noisy も散々レヴューを書かせていただきました。
質感も有り、価格もリーズナブル!・・だったのですが、徐々に売れ始めるのと前後して、販売価格は3千円コースになってしまいました。
・・そうなってしまうと、この価格帯はさらに激戦区になり、上級ワインとも選択肢がダブりますから、ちょっと難しくなってしまうんですよね。
ちょうど同じクラスとしては、やはり大人気の「レ・ヴィニョー」が有ります。価格帯はほぼ同様、品種の多彩さではレ・ヴィニョーが勝ります。
しかしながら、ピノ・ノワールと言う・・みんな大好きな品種をエレガントに仕上げているのは、このカトリーヌ・ロック女史の方に有利さが有るかと思います。飲まれたお客様なら、
「カトリーヌ・ロック・・好きかも!」
と思われたことでしょう。柔らかくもエレガンスが有り、高質なピノ・ノワールですよね。
同じような柔らかなテクスチュアで高質さを感じさせてくれる「ヴィオニエ」がこの「レ・ゼール・ブラン」です。2016年はネガティヴイメージが付きまといますが、全くそんなものは・・
「感じられませんでした。」
さらには、「尖がったイメージ」「スパイシー過ぎるアロマ」「ざらつくテクスチュア」「ある種の欠損感」のどれか、もしくは複数が出がちなヴィオニエにおいて、そのどれもがほぼ当たらない・・つまり、それはより高級感を感じさせてくれることに繋がってるんですね。
はんなりと放出されるスパイシーなアロマは拡がりとミネラリティを同時に感じさせてくれます。パレットはかなり円形、もしくは球形で、しなやかなテクスチュアと黄色味の有る果実感をドギツク無く感じさせてくれます。甘みは無く、ドライですがエキスの美味しさがバッチリ乗っています。余韻も実に綺麗に長く、おしとやかに感じさせてくれます。密度感も見事!・・これ以上、単に濃いだけだと疲れるし、薄いとシャバシャバ感が漂ってしまう、その微妙なラインを攻めています。しかもえくたーる当たり20ヘクトリットルと言う、ブルゴーニュの筆頭グラン・クリュ並みの収量ですよ。筆頭格で無いグラン・クリュは量的にもっと沢山造ってます。
しかもカトリーヌ・ロックさん・・美人さんですよね~・・あ、これハラスメントになるのかな?・・いや、あくまで褒めたんです。だからどうしようとかってことでは無いので・・最近はどうにもやり辛い・・
しかし、カトリーヌ・ロックさんの感性は素晴らしいと思うんですね。2種のピノ・ノワールも美味いし、懸念していた2016年の、それも白の「ヴィオニエ」も、
「南部の白ワインらしからぬ冷涼感」
さえ漂わせています。
おそらくカトリーヌ・ロックさんは、自分が好きな味わいに持って行ってるんだと思うんですね。もしくは、
「そうあるべき」
味わいを、身体に染み付けていらっしゃるのでしょう。
日本ではどうなのか判りませんが、世界中で話題になり、引く手あまたの状態のようです。このような優れた自然派ワイン・・しかも、揮発酸による浸食の無い見事なナチュラルさは、日本でももっと認められるべきかと思います。素晴らしいヴィオニエです!是非とも飲んでいただきたい!旨いです!
● 2014 Pinot Noir les Pomaredes IGP de l'Herault
ピノ・ノワール・レ・ポマレード I.G.P. ド・エロー
【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】

巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!
Copyright(C) 1998-2023 Noisy Wine [ Noisy's Wine Selects ] Reserved