
白地に輝くピンクの「山本」の文字が入った山本さんちらしい感じの化粧箱入りの、精米歩合29%の純米大吟醸です。
秋田杉で造った唯一の木桶仕込み、桶の厚さは50mmと言うものだそうで、酵母は「UT-2]と言う新作?、桶にジャケット(温度調整のために桶の周りに着せるものです)を巻いても木桶の厚さで効かないため、設定温度5度の冷蔵庫の中で仕込んだそうです。
まぁ、山本さんちらしく余りに「余談」が多いので、その一つ一つをご紹介するのも厳しいですが、やはり何と言っても「出来」が問題ですよね。
でも昨今は山本さんの酒は大人気だそうで・・と言うか、まともに入って来ない状況ですからそれも理解できますが、
「・・普通に今まで通りやってくれれば良いのに・・」
と思ってしまいます。
まぁ、noisy のところはワイン屋ですから、地酒屋さんのリズムでは活動出来ない訳で、それも仕方が無いんですが、「何だかな~・・」と言うようなちょっと寂しい気もします。
早速開けてみますと・・なるほど、繊細な味わいですね。香りも非常に繊細です。しっかりフルーツのアロマが感じられますが、しつこいとか、キツイとか言うものでは無く、しっとりとしていて細やかな襞があるようなニュアンスです。
ドライですがどこか温かみを感じる味わいで、この手の高精米の吟醸に有る「鉄仮面的なひややかさ」では有りません。
高精米にしますと香りは出ますが、豊かさが削られ、少しギスギスした・・どこか尖った味わいになりやすいですが、木桶仕込み故でしょうかね。そんな「ほんわか」した感じが伝わって来ます。
また、新しい桶の場合、特に「杉」を使いますと、その杉の香りが出過ぎてしまうことが有り、純米酒や本醸造酒ではそれも良いと思われますが、吟醸系の酒の場合は、フルーツ系の香りとバッティングして好ましくない場合が有りますが、
「桶の材料そのものの香りは無い」
と感じます。
むしろワインで言うところの「タンニン」のようなニュアンスが、この酒のボディの一部分になっているような感触も有り、
「・・これ、面白いなぁ・・」
と感じさせてくれました。
痩せ気味になりやすい高精米の大吟醸に温かさや深みを与えることを予想して秋田杉の木桶仕込みにしたのでしょうか。
もしそうなら・・!・・いや、言うのは止めておきましょう。
細身で尖った高精白の純米大吟醸では有りません。丸く暖かく、しかも繊細さは熟成と共に磨かれ、さらに滑らかになって行くものと思います。
お正月に、ギフトにも良いと思います。12月31日正午までは受注、お正月のお届けも可能です。通信事項に記載していただければ、包装紙でくるむこと、熨斗紙付も可能です。是非ご検討くださいませ。限定品です。