
いや~・・もうこれは鉄板ですね。V.V.2012年は昨年もご紹介させていただきましたので2度目です。実はあのシャソルネイと同じ畑、ゴラルドなんですよね・・印象はだいぶ違いますが・。
でもサヴィニー=レ=ボーヌとして話しをするとなると、どうにも無理が出てしまう・・むしろ、
「非常に良くできた村名ピノ・ノワール」
と言った方が、勘違いされないと思います。
だってね・・例えばあのコサールのサヴィニーとも大きく違いますしね。コサールは基本過熟気味にした葡萄を二次発酵でコサール風に造り、大きさのある見事なサヴィニー・ゴラルドにしますが、ルイ・シュニュのこのBIOはぜんぜん違う。
収穫はあくまで「ドンピシャ」のタイミングで行い、醸造も普通・・そして、果実味・果実酸の美しい、溌剌としつつも深くピュアな味わいのワインになる。
つまり、畑での作業でほとんど決まってしまう・・あとは普通に仕込むだけ・・なんですね。
コサールの畑の作業がどうのこうの・・と言うことでは無く、ルイ・シュニュのサヴィニーV.V.の畑の見事さ、仕立ての良さが伝わってくるんです。
フカフカした柔らかい土・・しかし、土っぽさはまず感じず、赤い見事な果実そのものを感じさせる味わいです。 もう・・これを飲んでしまうと同じルイ・シュニュのBIOでは無い、普通の畑ものの若いのは・・ちょっと厳しいですね。硬くて平板さが鼻に付いてしまいます。それほどまでにこのBIOの良さが半端無い!
まだ飲まれたことの無い方は、是非とも飲んでみてください。お奨めします!
一方の1級オー・クルーですが、ビオでは無いキュヴェもさすがに格の違いを見せ付けます。複雑性とエレガンスがグググっと上がって来ます。今のところまだ飲めていないんですが、ビオに転向することによって生まれた利点をしっかり感じていただけるでしょう。そのうちに飲んで再度ご案内出来ればと思いますが、V.V.ビオを飲まれた方ならおそらく手を出しやすいんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントです。
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【ニュースタイル!ルイ・シュニュの進化が始った?!】 エチケットの可愛さに浮かれて購入してしまいました・・・いや・・・嘘です。ルイ・シュニュの完全ビオによる栽培での新しい歩みと云うことで、個人的興味を抑えられず・・・購入しました。そして、自身で感じていることの正しさも、このワインの素晴らしさも、改めて感じる事ができました。
まず、サヴィニーのピノと云うと、やや薄めの可愛らしい、やや硬いニュアンスの、そして桜の花っぽいニュアンスと言うか、果実よりは蕾か花と言った感じを持たれるかと思います。4~5年で完熟すると、桜餅のような・・・(^^;;味わいに、ベリーや色合いを赤くしたプルーンのようなニュアンスを持ってくる・・・そんなところでしょう。良く言えば可愛らしくエレガントで構造は深くなく、悪く言えば少々薄くて浅い・・と云うものです。
でも一方で、通常の栽培からビオに転向すると、上手くいった場合は劇的に構造が深くなります。これはやはり、葡萄の根っこが地中の奥深くに入るからだと感じています。地表に根を伸ばしてしまうと、水っぽく、薄いものになります。
ですので、ルイ・シュニュが2006年から一部の畑にビオに取り組み始めた事に、かなり興味を持っていました。リュット・レゾネから・・ビオです。この変化がどうかと云う事は、上記を読んでいただければ容易に想像いただけるでしょう。
そして、先日テイスティングさせていただきました・・・。桜の花のように感じていたものは、しっかりと桜餅まで・・・(^^;;成長していました。もしくは少なくともその桜の花弁がとても肉厚になっていました。構造も実に深くなり、抜栓後の変化は、時系列でとても早いです。タイトな印象からどんどんと丸みを持って膨らんでくるんですよ!・・そして花は蕾に変化し、3日後にはなんとサクランボのように・・要は、淡い色合いのチェリーのようになっていました!いや~実に面白いし美味しいです!
皆さんも、もしかしたら以前のオ・クルーをお持ちじゃないかな?と・・・もしそうなら、是非このBIOを一緒にお試しください。ユドロ=バイエのドミニク・グエンにも、是非BIOに挑戦していただいて、ルーミエさんを牛蒡抜き?していただきたい・・・そのようにも思う訳です・・。いや、ルーミエさんには何の因果も無いですが、BIOによる構造の深淵化を、皆さんにも理解していただいきたい次第です。
まあ、こんなように書いてしまうと、
「美味しいんだかどうだか判らんじゃないか!」
とご批判をいただきそうでは有りますが、美味しいです。とてもドライで甘みもへったくれも無いです・・・ところが、その甘みゼロから徐々に甘みを感じ始めるんだから・・・ワインは面白い!是非飲んでみてくださいね。超お奨めです!
エージェント情報
2010年時点で完全ビオロジー栽培5年目を迎えていた、サヴィニー村西側のドシュ・レ・ゴラルドのぶどうのみで造った作品です。0.9ha。樹齢約60年のVV。2~5回使用樽で熟成。ラベルに加えられた絵は、パリで活躍するかなり高名なイラストレーター、フレッド・ベルナールが特別に描いてくれたもの。氏はサヴィニー村の出身で、シュニュ姉妹の幼馴染なのだそうです。
以前のBIO では無いオ・クルーのコメントです!
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【2005年のオー・クルーはもう少し待ちましょう!】 エレガントなルイ・シュニュの新しいヴィンテージです。アラン・ビュルゲほど、男臭くは無いにせよ、どこか通じるものが有るのは、滅茶苦茶ドライで、残糖のへったくれも感じさせない部分でしょうか?それだけに良くできているとドライ過ぎて、厳しく感じられるかもしれません。
しかしながら、今回ご紹介のシュニュのどちらのワインもとても素晴らしいと思います。本来、ブルゴーニュのワインというものはこういうものです。ワイン自体は、人間が余計なコントロールをしようとしなければ、そのテロワール自体が造ってしまいますので、もしドライ過ぎる、と感じるのであれば、それは醸造に寄るものも有りますが、多くは畑が持つポテンシャルだと思います。人為的にやや糖分を残して甘く仕上げることも可能では有りますが、スティルワインの場合、やり方を間違えると悲惨な味わいに成りかねません。酢酸が出なかったとしてもボディを糖分に頼るのみで、一口は美味しいと感じるかもしれませんが、続けてはとっても飲んじゃいられません。
2006年のACブルは、ややドライながらも薄い美しい旨みが有り、フラワリーでチャーミングなピノです。今はまだ「花」や「蕾」の段階であり、「果実」にまで成長はしていませんが、軽量級のエレガントさを感じさせ、美味しく飲めると思います。将来的には赤い小粒のチェリーをしっかり感じさせてくれる美味しいブルゴーニュに成長するでしょう。
2005年のオー・クルーは、素晴らしかった2002年の再来を感じさせるものです。将来的にはチェリーやスミレを感じさせてくれる物質が、今はとことんまで凝縮しており、現在は鉄っぽさだけという表情になっています。はっきり言って、今飲むのはとてもツライ・・・状況です。しかしながら、このワインの将来は楽観できます。半年から1年の時が、かなり柔らかさを持ってきてくれるでしょう。そして、3年後からがベストでしょうか。10年に渡って美味しくいただけると思います。
もしワインの構成や時間軸での変化に興味がありましたら、このページの一番下でご紹介している、2002年のアラン・ビュルゲと比べてみると結構面白いと思います。男っぽいビュルゲと美人姉妹のシュニュ・・・全く違うように見えて、かなりの共通点があり・・・、その上で全く違います。ワインって・・・、本当に楽しいですね!拡がりますよね。比べる、仕舞う、引き出してまた比べる・・・。訳がわからないと思いますが、そんな素晴らしい楽しみ方を、是非知ってほしいと願っています。飲んでみてください。
飲めていないので以前のコラムから転載します。きっと美味しいはず・・・です。エキスの旨みが甘みへ、淡く花っぽいアロマがブルゴーニュ・ピノらしい妖艶なブケへ・・・変貌しているでしょう。
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【こんなピノを求めていた!..そう思わせてくれるでしょう。一押しです。】 「飲んでいて疲れるピノはもう飲みたくない!」
そう、思われているブル・ファンも多いと思われる今日この頃ですが、その筋でいくと本命と思われるドメーヌが登場しました。その名も「ルイ・シュニュ」、エチケットもなにかこう、訴えてくるものがありますよね。
今回のオファーでは、サヴィニーVVのみが2001年、そのほかの1級畑ものが2002年となっています。年的な観点で見れば2002年が良いのですが、現在の状態は1年熟成が長い2001年サヴィニーVVが素晴らしいですね。まさに飲み頃です。
2002年の各1級畑ワインは、2001年VVと比べるとやはり格上のポテンシャルを見せ付けますがやや若く、出来るならもう少し置いてから飲むのがベストでしょう。
味筋は、上記でも書きましたが、自然さ、ナチュラルさが前面に出ていながらもビオ風の香りは無く、アタックはとても優しいです。流行の取って付けたような過剰な果実味は全く無く、優しく抽出した出汁味が効いて、塩加減がベストなお吸い物を飲んでいるような気にさえさせてくれるものです。アペラシオンの特徴でもあるスミレっぽい香り、金属系のミネラル香が時間の経過で幾重にも変化、複雑さを拡がらせて行きます。ジュヴレとヴォーヌ=ロマネを足して割ったようなアロマが拡がって行くんですね。とても美味しいサヴィニーです。是非とも飲んでください。
2002 サヴィニー=レ=ボーヌ プルミエ・クリュ・レ・ラヴィエール サヴィニーでも北側と南側では状況が違ってきます。村の中央部の平地を挟んで丘陵になっていますので、北側は東~南を向いています。このレ・ラヴィエールは北側にあり、オー・ヴェルジュレスに接する絶好のポジションに位置しています。(ちなみに今回もご紹介のシモン・ビスのオー・グラン・リアールはレ・ラヴィエールの下部の平地にあります)
鉄分、泥土、石灰岩の土壌ですので、南側と比較すると、葡萄はより肥えて早く熟すのが特徴です。味わいはさすがトップのワインとしての堂々とした風格とフィネスを持ち、真ん丸とした葡萄エキスをたっぷり味あわせてくれます。薄めの透き通った色調からスミレやベリー、チェリー、プラム、ジビエ、石灰系ミネラルが華やかに香り、透明感を漂わせ、旨みの乗った味わいです。70年という古木の葡萄自体のポテンシャルでとても美味しく飲めてしまいます。勿論この先10年ほどは持つでしょう。最高に旨いです。
2002 サヴィニー=レ=ボーヌ プルミエ・クリュ・オー・クルー 村の中央部北側に位置する1級畑オー・クルーです。とてもレ・ラヴィエールと似た雰囲気を持っていますが、ほんの少し軽くエレガント、スタイリッシュに感じます。その分、チェリーっぽいニュアンスが減り、スミレっぽい花のようなニュアンスが多くなります。どちらが良いかは好みの問題でしょう。これも旨い!
2002 サヴィニー=レ=ボーヌ プルミエ・クリュ・オー・ジャロン 村の南側の傾斜地の一番標高が高い位置にあるオー=ジャロンです。こちらは砂質が強くなり日射も短いですから、葡萄の熟成に時間が掛かります。基本的な味筋は変わりませんが北側1級より軽快で、より繊細な表情を見せますが、これが結構良いですね。かなり詰まった感じがあるので熟成に一番向いているのは、実はこのオー・ジャロンかもしれません。直近で飲むには1時間位で飲みきると良いでしょう。その後は少し硬くなります。ま、もしくは半日掛けて飲んでみると..ん?そんなに気長に飲めるかよって?そりゃそうだ。
2001 サヴィニー=レ=ボーヌ ヴィエイユ・ヴィーニュ これだけが2001年で村名なんですが、もう単純に美味しいですね。今飲むなら一番美味しさがストレートに伝わってきます。もっとも深い構造はありませんが、ルイ・シュニュのワインを特徴的に表しているワインです。苺やチェリーの果実に動物香っぽさやキノコ、土といったブケが混じり結構複雑です。2002年よりも少し冷涼感が漂い、線が細いようにも思いますが、時間で徐々にボディが出てくると余韻もミネラリーに伸びてきます。
「ホント、こんなピノが飲みたかったんだよ」
と言って貰えると思います。(もう店頭では言われましたし..結構数が無くなってます)飲んでみてください。
まあ、これほどチャーミングで愛らしく、飲むほどに惹きつける魅力のあるピノは久しぶりです。酸化のニュアンスの無い、美しい果実味をお楽しみください。いち押しです!