● 2015年もの以来になるかと思います。ドメーヌ・ルイ・シュニュの2017~2018年もののご紹介をさせていただきます。
2015年もの以降、正規代理店が変更になりました。まぁ、少し前から判っていたので、一番判りやすく先進的な「Bio」表示のサヴィニー=レ=ボーヌに絞ってご案内させていただいてました。女性らしい細やかな感性が、年を追う毎に少しずつワインの表情に映し出されていました。noisy も将来を期待している造り手さんです。
しかし・・このブルゴーニュワインの世界的人気が災いしたのか価格も結構に上昇していまして、前のエージェントさんは・・結構に苦労していたようです。「もっと高くしたい」と姉妹に言われていたようで、noisy も期待のドメーヌだけに・・
「気持ちは判るけれど・・まだ・・サヴィニーやショレは日本では一段低く見られてしまうし・・」
と、扱いが無くなることに残念な気持ちでいました。
翌年から新しい代理店が出来ましたので、続けて扱いたいと思っていたのですが・・
「・・た、高い・・(T.T 」
そうなんですね・・ちょっと高過ぎて手が出ない・・しかも、このエージェントさんはワインが残るとディスカウントするんですね・・。まぁ、値付け自体も高いし、蔵出しも上がっている訳です。そうなってしまいますと、入荷直後はディスカウント無しですから・・厳しいんですよ。因みに上代は・・と言いますと、今回ご紹介のアイテムはこんな感じです。
2017 ショレイ・レ・ボーヌ・ルージュ・レ・ボーモン 750ML ¥4.000-
2017 サヴィニー・レ・ボーヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ 750ML ¥4.900-
2018 サヴィニー・レ・ボーヌ・ルージュ・プルミエ・クリュ・オー・ジャロン 750ML ¥5.700-
ショレはまぁ・・良いとしても5千円超えてのサヴィニーはちょっと厳しいですよね・・なので、
「ディスカウントになるのをヂッと我慢・・」
していた訳です。

ですので、ようやく2017年ものと2018年ものを少々ご案内できるようになった訳です。
早速飲ませていただきました!・・約4年ぶりのルイ・シュニュのテイスティングかと思います。(新しいエージェントさんは「ルイ・シェヌ」と読ませていますが、どこのワイン屋もルイ・シュニュのまんま・・何だかな・・ですが・・)
いや~・・良いですね~・・繊細でピュア、マロをキツクはせずにフレッシュな果実の美味しさを残しつつ、しかし薄辛くならない程度の絶妙の掛かり具合!・・ちょっと心配していた・・いや、軽過ぎたら・・「軽過ぎ!」と書かなければならなくなってしまうので・・ショレ=レ=ボーヌ2017が、
「軽妙な美しい苺!・・ピュアで滑らか!・・実に良い!」
と、テイスティングしてホッとした訳です。
そして実力のある定番サヴィニーV.V.は、ショレには無い低域からの盛り上がりに美しいバランス・・非常に美味しいですし、1級トップの2018レ・ゾー・ジャロンはちょっとシャンボールチックな白いミネラリティとエレガンス、繊細さがバッチリで、一推しを村名サヴィニーV.V.を争う結果になって、非常に嬉しいです!・・この辺は価格でお決め下されば・・と思います。
そうそう・・価格ですよ・・かなりリーズナブルでしょう?2~3千円台で購入できる繊細でピュア、ナチュール感がほんのりの滑らかピノ・ノワールですので・・超お勧めです。久しぶりのルイ・シュニュです。是非飲んでみて下さい。
■エージェント情報
Louis Chenu(ルイ・シェニュ)フランス France / Bourgogne
◆ 色調は薄くてもいい、フィネスのサヴィニー
サヴィニー・レ・ボーヌで最も軽やかで繊細な造り。樹齢の高まりと自然栽培によって以前よりも深みが出てきて、ア フターも非常に長い。新世代サヴィニー。
◇5代目姉妹
お馴染みの可愛らしいエチケットは「キャロリーヌ」「ジュリエッタ」姉妹がドメーヌを引き継ぎ作ったもので彼女達の友人がデザインした。
『当時は女性がドメーヌを仕切るなんて考えられなかったから多くの人達に反対された。エチケットも反 対された。ワインらしくない、と』
2000年に妹のキャロリーヌがドメーヌに戻り、父親の手伝いをするようになり、遂にボトリングを決意する。それ以前は全て葡萄の段階で売っていた。「ルイ・シェニュ」の始まりは1914 年、初代「ルイ・シェニュ」がサヴィニー・レ・ボーヌの畑を購入したのが 始まり。その後、徐々に畑を買い足し、現在 10ha を所有している。

『典型的な葡萄栽培農家で父の葡萄は質が高く有名だった。父は葡萄栽培が好きだったが、妹はより個性を出せるワインを造りたかった』
「キャロリーヌ」は醸造学校で勉強をした後、色々な造り手の下で働き、自分なりのワイン造りの理想を学んでいく。現在、ドメーヌは姉の「ジュリエッタ」が経営と経理を担当し、「キャロリーヌ」が栽培と醸造を担当。90歳を超える父親「ルイ・シェニュ」も現役で毎日畑に出ている。彼女達で5 代目。
『同じサヴィニーのシモン・ビーズの千砂さんには刺激を受けている。良き友人であり、お互いに高め合うライバルでもある』
◇ 畑の改良から始まった
彼女達は2006年から本格的に畑の改造に取り掛かる。偉大なワインではなく、土地の個性を表現する ワインを造る為の決断だった。
『リュット・レゾネから進化し、一部の畑ではビオディナミも採用。より良い状態を目指しているが、急激な変化は畑を苦しめてしまう』
除草剤、防虫剤は一切使用しない。化学薬品も完 全不使用で硫黄、銅の使用も減らしている。
目指すのは完全な循環型有機栽培だが、時間をかけてゆっくりと畑を改善していて、その年、今の段階のベストを目指している。
『有機栽培への変更で収量は2/3程度まで減ったが、果実の熟度、酸の質、糖度は以前より高まり、 熟しても高い酸度が得られている』
畑の状態も改善し、樹齢も高まっている。理想に近い状態。彼女達も1 年以上の経験をして醸造も安定してきて凄みが出てきた。

『サヴィニーの畑は樹齢 50~80年。ブルゴーニュでも樹齢40年以上なので自然と凝縮度が上がるし、表現力も増している』
◇ サヴィニーらしさを追求
醸造は抽出を抑えたサヴィニーの繊細さを意識したスタイルで、以前の還元的なワインではなく、少しオープンな味わいに変化している。
『できる限り果実を優しく扱い、抽出はできる限り抑えている。これでサヴィニーの土地の個性が現れる。誰にも好まれるワインでなくていい。』
収穫後、100%除梗して足で葡萄を潰し、10度以下に冷やして2 日間コールドマセラシオン。
『発酵前に低温でマセラシオンすることで高温での発酵を避ける事ができる。発酵温度が上がらないのでピュアな香と繊細さが残せる』
完全に葡萄を潰さず、発酵させながら足でゆっくり潰していくことで発酵期間は長くなり、より多くの要素を得ることができると考えている。発酵温度が低く、長い発酵は彼女達の目指すピュアで繊細なサヴィニーの個性を忠実に表現できる。
『ピノ・ノワールの香は揮発的で高温の発酵で失われてしまう。果実そのものの香を残すこと、抽出を強くしないことで若い内から土地の味が出る。』
発酵は野生酵母のみでステンレスタンク、ファイバー樹脂発酵槽を併用。発酵終了後にバリックに移して18 ヶ月以上熟成。
『熟成中も澱をできるだけ動かさない事で透明感のある伸びのあるワインに仕上がる。フィルターも一切使用しない。』
苺やラズベリーの赤系果実の香が彼女達らしさだが、時間と共にブラックカラント、リコリスのような香も出てきて複雑。飲み飽きさせないワイン。
■ Savigny Les Beaune サヴィニーの色々な位置にある5区画の葡萄を使用することでサヴィニーそのものを表現。樹齢は30~60年。ルイ・シェニュらしい軽やかでフレッシュな 美味しさ。
■Savigny Les Beaune 1er Cru “Aux Clous” セルパンティエールとオー・ゲットに挟まれた畑で平 均樹齢は70年。一部90年の樹も残っている。凝縮感、深みは古樹ならでは。完全な南向き斜面で最も 完熟度が高い。