
濃密だった2020年ものはとりあえず置いておくにせよ、そこまで濃くない・・2017年、2018年、2019年のルジェさんのワインは・・
「とんでもなくエロティックで・・でも優しく・・多様さが半端無く、しかも質感が高くて・・滅茶美味しかった!」
と・・何人かのお客様に言われました。
そうですよね・・そりゃぁ・・旨い・・noisy も沢山では無いですが、何アイテムかを飲ませていただき、
「ルジェさんの黄金期に入った・・」
と・・いや、もう息子さんの時代に入ってはいますが、あの「官能感を持った柔らかな液体」には、皆・・やられてしまう訳ですよ・・良く判ります。
そこでお薦めしたいのがこのエチェンヌ・ドラルシェの2022年のコルトン・レ・ルナルドです!・・以前はコルトン=ルナルドとハイフン表示だったものが、気付けばレ・ルナルドと変わっていました。
ところで・・noisy の勘違いで、どうせ数本しかいただけないだろう・・と言う思い込みから、少ない数をオーダーしていたようでして、コルトン=シャルルマーニュもこのレ・ルナルドも、
「インポーターさんにはもう在庫が無い」
と思っていたんですね。
ところが、無理して空けたコルトン=シャルルマーニュ2022の絶妙な旨さから、何とかもう少しいただけないかと尋ねてみると、
「・・ありますよ。」
と。
「・・えっ?」
と言うやり取りが有ったのは以前にお伝えしました。
その一方で数が無いので飲まなかったこの「レ・ルナルド2021」ですが、
「飲まないと売れない」
と言う簡単な方程式が Noisy wine に出来てしまっていますので、たったの6本を販売・・ご購入いただくのに2週間以上も掛かってしまったんですね。
なので、恐る恐る・・
「ルナルド2021なんだけど・・無いかな?」
と尋ねてみますと、
「あるよ!」
と、どこかのドラマで聞いたことのあるような声・・。なんだ・・有ったのかと言うことで、
「じゃぁ・・この際、テイスティングして、もし美味しかったらプッシュさせてもらおう!」
と計画したんですね。で、ようやっとテイスティング出来たと言う次第で、久々の・・
「新着同一商品リニューアル」
になった訳です。

飲んでみますと・・いや~・・エロいです・・最初から!・・まあ、一番似ているのは、
「エマニュエル・ルジェ風の官能的なアロマ」
です。
まぁ・・言っちゃえば、「新樽由来のアロマ」ですね。ルジェさんは御大、アンリ・ジャイエ仕込みですから・・。
もっとも、完全には一致しませんよ。むしろ、ドラルシェの方が石灰的なミネラリティが高く、そのミネラルが僅かにボディに「鋭角さ」と・・ルジェさん的な優しさ・柔らかさよりも、滑らかさとコート感に出ています。
ただし、この妖艶なアロマは・・素晴らしいです!・・英語には「foxy(フォクシー)」と言う言葉が有りますが、単純に「キツネ的」と言う意味よりも、「セクシー」「色っぽい」と言う意味で使われるようです。あの偉大なギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの「フォクシー・レディ」も、その、
「セクシーなレディ」
と言う意味で使われていると思います。
また、このグラン・クリュのレ・ルナルドですが、いにしえより・・「キツネの脇腹」の匂い・・と言われていまして、おそらくですが、どこか野生的で少し脂っぽい・・例えると、ベーコンとか・・(^^;; それに近いかなと思えるような、実に「ソソられる」感じのアロマが有るんですね・・。
なので、「キツネの脇腹」「セクシー」なアロマがミネラリティに載って・・繊細さと官能感にそそられる訳です。そして、
「2021年というエレガントなヴィンテージ!」
と、
「コルトンの丘上部」
と言う、石灰的ミネラリティを多く含みつつ、鉱物的、無機的な多様な成分と結び合ったアロマも入って来ます。もちろん、局所的な気候も影響しているでしょう。
そのアロマにやられつつ、この・・絶対に濃くない色彩から、驚かんばかりにコクのあるエキスが口内に入って来ます。そして、現状でもそのエキスの美味しさを堪能できます。適度な膨らみも有り、余韻が・・長くてエロい訳です・・(^^;; 中盤以降は、ちょっとジュヴレ系の味わいに似ていますが、ただ鉄っぽいのではなく、金属がいく種類も混じったような複雑感をも感じます。そして瑞々しい、美しい残像を描きつつ・・最後に、また思い出したようにノーズにそのアロマが復活してくる・・そんなワインです。
この、淡い色彩のピノ・ノワールが、どれほどに高ポテンシャルなのか・・はどなたにもお判りいただけるんじゃないかと思いますし、今でもそれなりに美味しくいただけると思います。
しかし、5年ほど置いていただけましたら・・それこそ、
「・・ん?・・これ、エマニュエル・ルジェだっけ?」
と口にしてしまうほどに、官能的で柔らかで優しい酸バランスに変貌し、素晴らしい総体バランスで、
「グラン・クリュ・コルトン・レ・ルナルドがどれほどに素晴らしいか!」
を語ってくれるでしょう。
今、これほどまでに高ポテンシャルで、これほどまでに安く購入できるブルゴーニュのグラン・クリュは、他に無いでしょう。5年後には、並み居るグラン・クリュと対等に張り合えると感じます。ぜひ飲んでみてください・・お薦めします!
以下はテイスティング前の2021年コルトン・レ・ルナルドのレヴューです。
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【少ないのでテイスティングを回避しました!・・申し訳ありません。】 ん~・・こんなことは言いたく無いんですが、noisy が手を出すととたんに割り当てになっちゃうんですよね・・。まぁ、判ってたんですけどね・・なのでしばらくこのドラルシェにも手を出し切れなかった・・そして、以前に扱っていた時の「Reserve」が付いていないキュヴェと、付いているキュヴェの違いが判らなかったし、比較のしようが無かったことで、
「10年近くドラルシェから離れてしまった」
訳です。
ですので悪い訳が無く、しかも「ノースバークレイ社」がまだドラルシェをやってますから、他のメディアが余り良いことを言わない・・と理解しています。
なので・・もうぶっちゃけちゃいましょう・・
「マリウス・ドラルシェ~エチェンヌ・ドラルシェは、ブルゴーニュに残った軌跡!」
です。
まぁ・・それに、「ル・コルトンG.C.」も良いですが、やはり何と言っても「ルナルドG.C.」でしょう。ご検討くださいませ。実はとことん安過ぎるワインです。
以下は以前のレヴューです。
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【ポテンシャルが高いのにこんなにリーズナブルなグラン・クリュはおそらく最後のご紹介になるでしょう!】
イタズラと言う訳でもないんですが、
「なんで今更、このワインが届いたんだろう?」
と不思議だったんですね。全く記憶に無い・・確かに2021年のコルトン=シャルルマーニュは発注したけれど・・などと思っていましたら、本来は3月に到着する分だったようです。最近は名前が出て来ないし、
「あれ、それ、・・え~なんだっけ・・」
と・・参りますね・・。
で、いきなり思い出して庭に出て、ヤン・ドゥリューの「ポン」に習って・・
「自宅で・・ポン!」
をやってみました。左の写真がそうです。
すなわち、ルロワなどは伸びた枝を切らずに編み込む・・そうですが、ヤン・ドゥリューは伸びた枝を丸く・・
「クルクルさせて行く」
そうなので、「Jitaku de Pont (自宅でポン)」をやってみた訳です。まぁ・・1か月位前に相当、無駄に発芽した芽から伸びた枝をバッサリと切ったので、だいぶスッキリはしています。自宅でポンは、伸びてアチコチに絡んだ蔓を伸ばしてはずし、園芸用の洗濯ハサミ状のものや針金で止めてみました。

ヤン・ドゥリューの方は冬季の写真しか見当たらないんですが、横に張った針金にクルクルの「Ponts」を下げていますね。夏季は頭頂部にクルクルさせるようです。
まぁ・・マリウス・ドラルシェのこの2017年コルトン=ルナルドには関係ないですが、2020年からは息子さんの「エチェンヌ」のエチケットになりますので、また少し変わるかと思っています。
今でもナチュール度は以前より上がっていると感じますが、官能的なドラルシェのワインが2020年以降、どう変化して行くのか見ものでしょう。ただしすでにエチェンヌがすべてを仕切っているようでは有ります。
で、色々と Web をサーフしていましたら、ようやく少々情報が見当たりましたのでご紹介させていただきます。ほぼ自動翻訳そのままです。素晴らしい言葉だと思っています。
■ワイン・アクセス・コム
◇テイスティング・リポート
中程度のルビー色で、縁に向かってガーネット色の反射が見られる。ダークチェリー、イチゴ、白い花のうっとりするような香り。口の中に重なると、乾燥アミガサタケ、新鮮なカット茶葉、そしてほのかなうま味で味付けされた彫りの深い赤い果実が現れます。仕上げは粉砕された岩石と鉱物で持ち上げられます。予算に余裕があり、グラン クリュのボトリングをさらに 5 ~ 20 年間セラーに保管したい人向けの賢いピックアップです。
◇破産しないグラン・クリュ・ブルゴーニュ!
グラン クリュ ブルゴーニュを毎日飲めるなら、そうしたいです。しかし、夢ではなく可能性をもたらすような価格で、ラベルが示す複雑さを実現するグラン クリュのボトリングを私たちにもたらしてくれるスターが揃うことはめったにありません。
しかし、10年に一度やってくる燃えるような流星のように、ピノ・ノワールの聖杯の地の1つから産出される、甘美で深く層状になった2017年ドメーヌ・ドゥラルシュ・コルトン・ルナルド・グラン・クリュが、歌うためにここに来ており、驚かせる準備ができています。 この見事なドメーヌ・ドゥラルシュ・ピノ・ノワールが醸し出すダークチェリー、砕いた岩、乾燥アミガサタケのうっとりするような香りは、有名なコルトンの丘の上に植えられた堂々とした樹齢50年のブドウの木から生まれています。しかし、成層圏のような値札が付いているほとんどのグラン クリュ ブルゴーニュとは異なり、ドゥラルシュの流星の 2017 年はまれな例外を提供します。
アントニオ・ガッローニは、ブルゴーニュでの豊かな2017年シーズンを情熱を込めて総括し、赤ワインを「非常に良く、しばしば素晴らしく、時には非常に素晴らしい」と呼んだ。これは、全体の輝きと、切りたての茶葉と白い花の微妙な層だけでなく、贅沢な価格のワインの中で提供される信じられないほどの価値のために、これを「本当に素晴らしい」のカテゴリーに入れなければなりません。
1960年代後半、フィリップ・ドゥラルシュが今日の深紅のピノ・ノワールの源となるコルトン・ルナルドのグラン・クリュ区画を植えたとき、ペルナン・ヴェルジュレス村の人口は253人でしたが、現在は262人です。この村はほとんど変わっていないと言うだけで十分でしょう。そこではフィリップの息子、エティエンヌがノスタルジックなワインを造り続けています。
2007 年にエティエンヌが父親から家族の財産を引き継いだとき、彼は有機的で持続可能な方法を使用して手で収穫し、手作りした小さな生産の宝石を生産する伝統を継続し、丘からの最高級品に匹敵する純度のワインを生み出しました。このコルトン ルナルドは、約 3 分の 1 が新樽を使用したフレンチ オーク樽で 12 か月以上熟成され、ワインにベーキング スパイスと深みを加えました。その結果、コルトンの丘の石灰岩土壌からのミネラルノートとマッチした、深く素朴な赤い果実のフレーバーを際立たせる、印象的なエレガンス、繊細な輪郭、力強さを備えたピノ ノワールが生まれました。
需要と供給の法則により、ほとんどのグラン クリュ ブルゴーニュを 100 ドル未満で米国に上陸させることはできません。このおいしい異常事態を見逃さないでください。
■シェリー=リーマン・ワイン・アンド・スピリッツ
ブルゴーニュのコルトン地区は二重に恵まれています。多くの人が最高のシャルドネと考えるコルトン シャルルマーニュの本拠地であることに加えて、コルトンのグラン クリュ ピノ畑に隣接しており、そのうちの「ルナルド」は最高の区画の 1 つです。
*ここは神聖な領域です。* マリウス・ドゥラルシュはペルナン・ヴェルジュレスに拠点を置き、無濾過・無清澄のワインを生産しています。この個体はまだ若いですが、赤と黒の果実、カシス、そしてオークのタッチの素敵な香りと風味を示しています。
どうでしょう?・・知っている方はこの「ルナルド」の畑が素晴らしいポテンシャルを持っていることを理解しているはずです。黄色の文字の部分・・何か、グッと来ちゃいますね。
今回は飲んでいませんので前回書いたテイスティング・レヴューを掲載いたします。よろしくお願いいたします。
【決して濃くは無いんですが、味わいは滅茶濃くて複雑!そして何とも質の良い妖艶さが素晴らしい!・・今でも旨いがまだちょっと早い!】
インポーターさんの在庫が気付いたら少なくなっていたので、慌ててオーダーしましたが数本しか買えなかったキュヴェです。2017年なのでまだ早いかなぁ・・と思いながらテイスティングさせていただきましたが、
「実に美味しく飲めました!」
ので、却ってビックリしました。
ですがその美味しさは、noisy が知っているマリウス・ドラルシェのルナルドのものとは違っていたんですね。色合いは濃く無いもののエキスの押味が素晴らしく、また何とも妖艶な獣香が素晴らしいんですが・・まだ育ち切っていない感じで、「ほんのり」と香る程度だったんです。
「ありゃりゃ・・これじゃ、ペルナンの獣香の方が立ってるよなぁ・・」
それでも美味しく飲めてしまうのがこのワインのポテンシャルなのでしょう。
しかしながらもう少し育てて上げられれば、ノックアウトされるような官能的な獣香に出会えるのに・・と思ってしまうと、
「・・ん・・飲むタイミングで評価も変わるよなぁ・・」
と思ってしまいました。

このマリウス・ドラルシェも、今は世代交代になっているようで、相当にSo2の使用量が少なくなっていると感じます。
また減農薬程度のナチュラル度だったと思うんですが、たぶん有機に向かって行っているとも感じます。やはりそれが時代の流れなのかもしれません。
でも海外メディアの評価はほとんど見られなくなってしまっていまして、探すのが本当に大変です。あと5年ほどは必要かな・・と思いますが、その時には、
「こってりとした狐の脇腹」
を感じていただけると思います。
グラン・クリュが高くなって仕方が無い時代になりましたが、2017年ものと言うことも有ってまだまだリーズナブルかと思います。ご検討くださいませ!