
アペラシオン・マルゴーのガレージワインです。テュヌヴァン、ミシェル・ロランのタッグですから、好きか嫌いかは別にして、現在最強のタッグと言えるのは間違い無いでしょう。
ミシェル・ロランも色々言われますが、やはり彼の特徴は、
「タンニンがベストな状況で収穫をする」
ことから始まるのかな・・と思っています。濃いだ薄いだと言う話しは本質ではないのでしょう。
今まではまず手に入らないのと、購入出来ても数本・・と言う状況でしたので、個人的興味は有っても、飲むことが適いませんでしたfが。今回は2007年と2008年の両方を1ケースずつGETできましたので、何とか2007年を1本・・飲んでみました!・・非常に興味深い経験で面白かったですね~。
まず、マルゴーと言えば第一級のシャトー・マルゴーを思い浮かべると思います。他にも幾つか重要なシャトーがマルゴーには存在しますが、それでも代表格はシャトー・マルゴーであり、パヴィヨン・ルージュで有ると思います。個人的には優しく滑らかなフェリエールがタイプです。
テイスティングした感触を持ったまま、幾つかのブログを拝見させていただき、コメントなどを読ませていただきましたが、
「物凄い!」
「マルゴーとは思えない!」
「中々・・手に入らない!」・・・(^^;;
のような意見が多いですね・・。まぁ、誰でもそう思うかもしれません。
しかしながら、どうしてもイメージとして「シャトー・マルゴー」を目の前に置いてしまうのでしょう。「マルゴーとは思えない・・(ほど濃密、ほど似ていない)」のは、その対象が「シャトー・マルゴー」に向いているからなのでしょう。
そもそも近年のシャトー・マルゴーは・・いや、この2~3年以内にリリースされたものは飲んではいませんが、樽の影響の強い・・しかも少し焦がした新樽を感じることが多いので、まず、その点が「似ていない」と思うことの理由なのかもしれないと思っています。
何しろこのマロジャリア・・果実感が素晴らしいです。若いシャトー・マルゴーなら、まずその樽のニュアンスが支配していることが多いと思いますが、凝縮感がたっぷりのブラックベリーやカシス的ニュアンスがボリューミーに感じられます。非常にドライですが、緻密でタンニンの質が良いので厳しく感じられることは無いでしょう。アロマも強烈ですが繊細さを伴うもので、やや官能的なスパイス、香草からミネラリティまで色付いて感じられるほどです。
かと言って飲み疲れるか・・と言うような、力任せのものでも無いですね。抜栓して20~30分ほど経過すると、押し込められていた要素が膨らみ、開き始めて非常に良い感じになってきます。
イメージ的にはミシェル・ロラン風な黒い感じは無く、単にティヌヴァン的な右岸ワインには似通ったニュアンスが有ると思います。左岸に有りがちな、タイトに締まりつつエッジを舐めているような、中域が疎のような感じは全くしません。
しかしながら、じゃぁシャトー・マルゴーに似ていないか・・と言われると・・いや、より上質な、且つ、焦がされていないバリックを、焦がしたバリックの代わりに使用したと考えれば、結構・・似た感じは有るんじゃないかと思います。シャトー・フェリエールを2倍ほど凝縮感をアップしたような感じ・・が近いかもしれません。むしろ若い時のマルゴーは時に「下品」に感じるほどの、まるで「雲丹」のようなトゲトゲしさを持っていますので、その部分においてはツルツルとまん丸なニュアンスですから、正反対かもしれません。勘違いされないように言っておきますが、決してシャトー・マルゴーが下品だと言っている訳ではありません。
とても滑らかで優しく、テクスチュア良く、凝縮感高く、(ミシェル・ロランのイメージのように)甘く無く、きちんと膨らんでくれるポテンシャルの高いACマルゴーだと感じました。まぁ・・アドヴォケート的な点数の付け方の土俵に上がったとしても89点ということは絶対にないですね。上限の91点以上は確実に感じられると思います。勿論ですが、まだまだ長~~く・・持ちますが、今飲んでも美味しいと思っていただける状況には有ると思います。
よりポイントが高く、ヴィンテージの要素も良かった2008年に付いては、さすがに開けられないのでコメントしませんが、2007年を飲む限り、かなり期待出来ると思います。
きちっと長く良質なコルクを打ち、高級感漂う左岸のガレージワイン・・いかがでしょうか。ご検討くださいませ。