
「酸バランスが素晴らしいからこのシャンパーニュは3~5年で凄く美味しくなるよ・・」
とか、
「ミネラル分がしっかり有ってとてもピュア!・・だけど少し若いから・・」
などと、レコルタン・マニピュランの造るシャンパーニュは、
「総じてポテンシャルの高さは判らないでもないけどさ・・、私は今飲んでとても美味しいシャンパーニュが欲しいの!」
などと思っていらっしゃる方が、実は多かったりするんじゃないかと思うんですね。
それに加え、
「そりゃぁ・・プレミアムなシャンパーニュは美味しいでしょうよ・・そこまで大枚を湯水のごとく使えるのならね・・でも、そんなに予算は取れないの!」
と言うのも良く判りますよ・・。
さらには、
「ピノ・ノワールやピノ・ムニエが熟したら、そりゃ素晴らしいけど・・私はやっぱり滅茶美味しいブラン・ド・ブランが飲みたいの!」
はいはい・・判りました・・じゃ、これっきゃ無いですね~・・。今現在は2020年の年の暮れですが、今飲んで滅茶美味しい・・そう、
「泡ものを飲んでいて、周りの方には失礼だけれど思わず出てしまう・・げっぷ まで美味しいブラン・ド・ブラン!」
を noisy がご紹介しましょう。それがこれ、「ミシェル・チュルジの2012年ミレジメ・グラン・クリュ・ブラン・ド・ブランです。

どうでしょう?・・素晴らしい色合いですよね。シャルドネらしい美しい黄金色にやや暗めの緑色が入っているように見えます。
やはりル・メニル=シュル=オジェやオジェのシャンパーニュは香りが素晴らしいです。気品が・・隠そうとしても隠せない・・。そして、チュルジの感性・・がまた素晴らしいんですよ。2012年のミレジメですから、そこまで熟してはいない・・けれど、
「酸っぱ過ぎず、見事に酸のバランスを持っている」
ことが味わいについては第一番目でしょう。
そして、単純にマロラクティックを回避したピュアさには留まっていませんので、マロによる「滑らかな酸」の美味しさを堪能できます。
アロマも素晴らしいです。高質なコート・デ・ブランの・・と言うか、「ル・メニル」そのものを感じさせる、やや太くも繊細なシャルドネのアロマに、どこまでも細かく、目が見えなくなるまで砕いたかのような、「上品で真っ白な石灰」風ミネラリティ、フロールなアロマがノーズから感じられます。
実際・・飲んでいて、ついついグラスを重ねてしまう、素晴らしいバランスをしており、思わず出てしまう「げっぷ」の還りでさえ心地良い・・です。・・すみません、綺麗じゃない表現で。でも・・本当なんですよ。
若いRMのシャンパーニュでは、こうはいかないでしょう?・・それに、黒葡萄だともっと難しいです。でも、
「2012年のシャルドネ」
として考えたら・・どうでしょう?・・ブルゴーニュだったらそろそろ飲んで良い頃ですよね?
コート・デ・ブランの南にあるル・メニル=シュル=オジェの日当たりの良い畑ならではの葡萄の熟度がもたらしてくれる素晴らしい美味しさです。是非飲んでみて下さい。2020年の年末、2021年の年始はこれで決まり?・・超お勧めします!
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【さすがミレジメ!コート・デ・ブランのブラン・ド・ブランは木目の細やかさが魅力です!】 ミシェル・チュルジのミレジメです。プレスティージュクラスのミレジメ・・・ですね。それでいてこのプライス・・・考えられないですよね?
味わいは、下でご案内のレゼルヴ・セレクスィヨンをさらに高貴に、ややスタイリッシュに仕上げたもの・・と言えるでしょう。キリっとしつつも柔らかさとエレガンスが倍増・・・しています。泡の細やかさと強さもしっとりしていて、品格があり、心を揺り動かされます。旨いです。
ただ、このシャンパーニュを飲まれる時こそは、移動直後には飲まないように・・・お願いします。繊細なシャルドネオンリーの表現ですから、その微細さが崩れてしまっては・・・全てが台無しです。グラスの底からたなびく泡の列、口内で膨らみ、弾けるシャルドネの気品は、静かに置くことで元に戻ります。
「ブラン・ド・ブランって・・今ひとつピンと来ないんだけど・・・」
とおっしゃるお客様の多くは、ボトルを振り回し過ぎて、酒質が暴れた状態で飲まれていることが多いです。静かに抜き、柔らかにグラスに落としてください。それだけでかなり味わいが違います。
きっとお待ちになられていた方も多いはずの、ミシェル・チュルジのミレジメ・・です。是非飲んでみてください。とても旨いです!