
シャンパーニュの中心地よも言えるアイのピノ・ノワールを使用したプレスティージュ・クラスのグラン・クリュ、ドザージュは僅かのエクストラ・ブリュットです。
まず、色合いを見てください・・・美しいですね~。ピノ・ノワール100%らしく、実に濃い色合いをしています。そしてその上に乗っかっている泡!・・・まるでクリームのような泡立ちに見えるかな?・・実際とても滑らかです。
ミネラルも非常に充実していて、ブラン・ド・ノワールらしく、味わいも濃厚・・・フルです。しかしドザージュが非常に少ないのでベリーベリードライ。味幅が広く、口内を押しひろげながらの入射、クリーミーな泡の弾ける感触にソフトな石灰系のミネラリティが乗り、ノーズに抜けて行きます。
酸度のレベルも充実していて、しかし酸っぱい酸は滑らかなものにほとんど変えられています。
グラン・クリュならではの気品溢れる細やかな要素がまた鼻に抜けつつ・・パレットを暫時縮小させながらの余韻がまた良いです。
甥っ子 oisy が、また何やら「ムニャムニャ・・良く判らん・・むにゃむにゃ」と申していたので、
「じゃ、砂糖を足して飲んでごらん?」
と言うと、
「え~っ、そんな~。やだよ~」
などと駄々っ子のようなことを申すので、
「noisy だって昔は色々やったのだよ~・・。甘くないと本当は本来の姿が良く判る・・しかし、人間は甘いものにしっかり誤魔化されるのよ・・」
と、半分強制的にスプーン一杯分ほどの黍砂糖を入れさせました。はじめは嫌がっていましたが、グラスを回して、砂糖を溶かしつつ飲んでいると・・
「おっ・・な、なるほど~!」
と、何故かニッコニコ・・・
何がなるほどなのかは判りませんでしたが、門出のリキュールや、ブリュット、エクストラ・ブリュット、ドゥーの意味と、甘みが感覚にどのように影響するのか・・・きっと理解の一歩になったかと思います。
・・・いや、皆さんはそんなことしないでくださいね・・。決して電子レンジで「チン」などしないよう・・もしくは湯煎などせぬようお願いします。
ま、つまりは、高級感のある、マウスフルなとてもドライで美味しいブラン・ド・ノワール・・です。脂が多くない肉にも合わせられる様な重厚さも有ります。かなり良いです!是非飲んでみてください!お奨めします!
■新米ソムリエ oisy の熱血テイスティングコメント(一応、調理師免許も持ってます・・)
L'esprit Alain Bernard「タイトな味筋、ミネラリーでドライ、気持ちの良いシャンパーニュ」
今回の新着でご案内しているマリー・ドュメのCuvee 19emeが膨らみのある味わいに対して、アランベルナールのレスプリットは締まった味わいのシャンパーニュだと思います。
(・・レスプリットじゃないし・・by noisy)
ブドウの味わいも強く、メリハリの効いた酸味、コク、凝縮感ともに申し分ない。後に伸びる余韻も長い、細マッチョなスタイルです。
例えば料理の世界では牛の煮込みやソースなどを造る時に旨みが足りない、材料自体がそんなに良い状態じゃなかった場合に少しの砂糖を加えるとグッと味がノるという必殺技があります。これをワインに置き換えると法律上は0から6%の糖分で仕上げなければならないエクストラブリュットは、ブドウ自身のポテンシャルに自信があるからこそできることなのでしょう。
ペラペラなワインにならないために糖分を少し残すと考える時ももしかしたらある。そう考えたらレスプリットは果実の出来で勝負している直球ワインなのですかね。もちろん良い出来です。ダイレクトに葡萄の良さが伝わってきます。