大人気のローズ・ド・ジャンヌです。昨年の暮れにも仕入れるチャンスは有ったのですが、まぁ~・・ビックリするほど高くなっていて、しばらく考え込んでしまいました。
「ヴァル・ヴィレーヌで1万超え、クリュもので2万近く、ボロレで2万超えだとさすがになぁ・・」
と、結局オファーを見送ることになってしまいました。
なので在庫も全く無く、正規に手を出すには勇気がいるし・・などと考えていたら、何と、
「2年前とほとんど同じ価格で販売できる」
オファーをいただいたので、今回は飛びついたんですね。
ワイン屋は因果な商売ですので、仮に販売先を持っていたとしても、在庫が無ければどうにもならないんです。最もそのような「数に限りの有る商品」を扱っているがために、ワイン屋が成り立っているんですけどね。
ラ・ボロレは何とピノ・ブランによる最も高価で希少なキュヴェです。noisyの興味も最高潮にあるんですが、まだ飲めていません。数が無いんですね・・。
因みにアドヴォケイトは、2007年もののみ評価しているようで・・何と、
「96/100Poitns!」です。アドヴォケイトファンなら飛びついちゃうでしょう。この「クラシック」な評価を始めて間もないセドリック・ブシャールに与えちゃってます。是非ご検討くださいませ。非常に少量ですが安いです。
以下は前回ご紹介時のレヴューです。
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LA HAUTE LEMBLE BLANC DE BLANCS N.V.(2011) 今までに何度かご紹介させていただき、そのたびに瞬間蒸発を繰り返していましたが、今回は「コート・ド・ヴァル・ヴィレーヌ」と「コート・ド・ヴァル・ベシャラン」は有る程度まとまって購入出来ましたので、今までのようなことは無いかもしれません。しかし上級キュヴェは極少量です。
2014年以降、以前にシリーズされていたアンフローレッセンスと言う家庭内ネゴスシリーズは、このローズ・ド・ジャンヌに一本化されたようで、もう見ることは有りません。
なので、ローズ・ド・ジャンヌ イコール セドリック・ブシャールと言うことになります。今回の仕入れも例によってブローカーからです。
年に1度くらいしか購入出来ないし、しかも数量は年々減っていましたので、総量としますと結構な本数が届いた今回、浮かれてしまった部分も有って、深夜に自宅に持って帰るボトルを間違え、数の無いブラン・ド・ブランのレ・オート・ランブルを飲むことになってしまいました・・。営業的には厳しいですが、実際の気持ちは嬉しい・・!旨かったし?!
まぁ・・何と言えば良いのか・・彼はシャンパンを造っている気が無いんじゃないかと思うんですよね。白ワインを造っている・・そして、ガスを発生はさせる・・けれど、ガスは有っても無くても良い・・そんなイメージなんじゃないでしょうか。

COTE DE VALVILAINE BLANC DE NOIRS N.V.(2013) 何せ、ガス圧は普通のシャンパーニュよりも確実に低いです。グラスに注ぐ時にはそこそこの泡が積み重なりますが、泡が落ち着いて飲みはじめると、ピチピチとした感じでソフトなニュアンスです。質は若いシャンパーニュですがクリーミーさのあるもので中々では有ります。
しかしながら、一般的なシャンパーニュに感じられる・・
「中域のボリューム感、盛り上がり感」
は、ほぼ皆無。むしろスタイリッシュと言うかスリムと言うか・・しかし、その部分が非常に精妙で、透明感が有り、美しい清流のごときの感覚が有ります。中域が無いのでは無く、贅肉が無い・・と言うのが正しいかもしれません。
酸度はしっかりしているんですが、一般的に「凄いシャンパーニュ」と言われるものと比較すると、かえって「穏やか」に感じます。しかしこれもまったく化粧っ気が無く、ドライな味わいと相まって、真の美しさ、リアリティを表現しているように思います。
終盤?余韻も非常に美しいです。ドライなのに・・甘いんですよね・・。最後の最後もドライで・・帰ってくるものが旨み、甘みなんです。その甘みが実に感性にグッと来るんですよ。葡萄そのものの果実糖のような自然な甘みなんです。
しかし・・甘くない・・です。全くのドライです。
間違えて飲んでしまった LA HAUTE LEMBLE BLANC DE BLANCS は、グラン・クリュのシャルドネじゃないの?と思えるような高貴なアロマを振り撒きます。到着したてで落ち着ききってない状況と若さから、わずかにトースティな樽が感じられますが、その樽のニュアンスがね・・また素晴らしい・・この樽のニュアンスはまるで「ドメーヌ・ルロワ・・と言うよりドヴネか?」と言う感覚。グラン・クリュ並みの高貴さと、リキュールを足さないドライさ、葡萄由来の自然なエキス味で・・めちゃ旨い・・!間違えても良かった!・・と思っちゃいました。幸せな時間でした。
今度は間違えないで持ち帰った、リーズナブルクラスの・・なんと2013年のブラン・ド・ノワール(ピノ・ノワール)のコート・ド・ヴァルヴィレーヌも・・
「ん?・・ピノ・ノワールだね?!」
と素直に感じられるアロマです。若いのに飲めてしまいます・・まぁ、若いのは若いんですけどね。2?3年置くと大きく化けるでしょう。感覚的にはシルヴァン・パタイユのフルール・ド・ピノに近く、さらにもっとソリッドにしたニュアンスです。しかし、葡萄のリアルなニュアンスがそのままに感じられ、
「お?・・仕上がったばかりのシャンパーニュってこんな感じなのか!」
と言う素直な驚きと、
「・・えっ?・・これって・・シャンパーニュなの?」
と言うような、既成概念に一致しない驚きが交錯しました。
セドリック・ブシャールのシャンパーニュは、決して重く無い・・むしろ軽やかでエレガント、そしてフィネスと葡萄そのまんまの姿をリアルに感じることが出来ます。
化粧が厚すぎ、少しケバイな・・と言うような感覚は、今までシャンパーニュでは当たり前のようになっていました。しかし、あのリシャール・シュルランもそうですし、同じように大受けしているユリス・コランも、ブノワ・ライエも近いですが、
「飾り立てたシャンパーニュの味わいを拒否」
しているかのように思えるんです。そして、そのピュアな味わいが実に美しい!・・惚れてまうやろ・・と言う感じです。
シャンパーニュ・コート・ド・ベシャラン・ブリュット(・ブラン・ド・ノワール)は、コート・ド・ヴァルヴィレーヌとは違う区画のピノ・ノワールで、こちらは熟した2008年ものです。・・これは飲めませんが・・ヴァルヴィレーヌが熟した姿に近いと想像するならば、目茶美味しいはずです。お勧めです。
シャンパーニュ・レ・ズルシュル・ブリュット(・ブラン・ド・ノワール)・ローズ・ド・ジャンヌはワイナート誌のシャンパーニュ特集に大きく取り上げられており、セドリック・ブシャール自身が15度で飲んでくれと言っていると・・書かれています。エレガントな彼のシャンパーニュは冷やしすぎると良さが半減してしまうのでしょう。
シャンパーニュ・プレスル・ブリュット(・ブラン・ド・ノワール) は10種類ものピノ・ノワールのクローンを使用したキュヴェ・・飲みたかったんですが、購入出来たのは僅かでした。
シャンパーニュ・ラ・ボロレ・ブラン・ド・ブラン・ピノ・ブラン・ブリュットは、何とピノ・ブランによるブラン・ド・ブラン!・・まぁ、ブラン・ド・ブランはシャルドネだと教わって来た硬い頭には、理解するのに時間が掛かりそうなキュヴェです。トップ・キュヴェの一つのようです。
そんな訳で、フルラインに近い形(ロゼが無いですが)でのご案内が出来ることが何より嬉しいです。至妙ながら、しかしその実は「ありのまま」と言うのが正解かもしれません。是非この機会にお試しください。お奨めします。
以下は以前のコメントです。
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【非常に入手困難です・・。】 もう少し買えるかと思ったんですが5本のみです。ユリス・コランもそうですが、今、一番引く手の多いRMじゃないかと思います。価格もそこまで高くは無い・・でも前回のアンフローレッセンスは安かったですが・・・
今回はローズ・ド・ジャンヌ、セドリック・ブシャールの看板シリーズです。巷にはほとんど出回らないと思います。今回は飲みません・・さすがに・・なので、2010年のアンフローレッセンスのヴァル・ヴィレーヌ2010のコメントをご参考にされてください。
以下はアンフローレッセンス版のヴァル・ヴィレーヌN.V.2010のレヴューです。
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【なるほど・・です】 「そうか?・・・そう来たか・・きっとそうだと思ったよ・・」
2000年からオーブで造りはじめたと言いますから、本当に若い・・・始まったばかりの造り手です。しかもリシャール・シュルランと同じ村の造り手。それなのに、これだけ高い評価を得ているとは・・・。あのセロスの弟子筋の造り手を多く扱わせていただいているnoisyとすると、気になって仕方が無かった造り手なんですね。で、ちょっとだけしか買えなかったんですが、取りあえずヴァル・ヴィレーヌを飲んでしまいました!そして、上記の感想になったんですよ。
ヴァル・ヴィレーヌは2010年もののピノ・ノワール100%です。
「おいおい・・・随分と短いんじゃない?・・熟成期間も・・」
と思われるでしょう。実際、あのヴエット・エ・ソルベでさえ2009年ものですし、ヴエットも昨今、ようやく上がりが綺麗なシャンパーニュになってきたところですから・・。
で、飲んでみると、何しろベースのワインのバランスが素晴らしいです。ピノらしい、果皮のスパイシーなニュアンスと、若いからこそ持っているはちきれんばかりの瑞々しさを閉じ込めています。ガス無しでもかなり旨い・・・しかも、余り余計な化粧をしていないと見える!・・・強い樽なんてまるで無くて、ベースのワインの美しさだけで勝負している。ガスは比較的穏やかで、でもテクスチュアの良い、滑らかさを持っています。クリーミーと言うのでは無く、細やかだけれど、触ると割れてしまうような愛らしさの有るものでした。作り物では無い、美しい、若い果実のニュアンスをそのまんま閉じ込めたシャンパーニュと言えるでしょう。
アドヴォケイト他、評価機関の高い評価は、この造りから感じられるセドリック・ブシャールのセンスに対するものと言って良く、ベースのワインの素晴らしさに感動していると思います。勿論、仕上がりの良さと言うのが基本なんでしょうけど。
ドライで端正な美しいシャンパーニュです。かなり旨いので・・・是非飲んでみてください。
一方の「ラ・パーセル」コート・ド・ベシャラン・ブリュットはビオで栽培されたスペシャルな区画のキュヴェです。ノンヴィンテージですが、中身は2005年ものオンリーのピノ・ノワールです。たった4本しかないので、さすがに飲んではいませんが、低農薬のヴァル・ヴィレーヌの美しさを知れば、自ずとこちらのポテンシャルの高さが想像されます。ビオなので、それが良い方向に向いていれば、かなりのピュアさが前面に出ていると思います。
取りあえず最初なので・・・でもこの先、要注目の造り手かと思います。トライしてみてください!