
ピュアさと質感、品種由来のアロマが嬉しいボルドー・ブラン、リュヌ・ブランシュです。このワインはとてもリーズナブルで美味しいので、最近は入ってくると扱うようにしています。今時2千円ちょっとでこれほどのポテンシャルを見せてくれる白ワインは中々有りません。でも、ボルドー・ブランと言うことですから、ルートさえ有ればネゴシアンから幾らでも買えますから、もしかしたらディスカウントさんなどの扱いも有るでしょう・・。コンディションが良くて安ければお買い得かもしれませんが、大抵の場合はガッカリすると思います。ご注意くださいませ。
少しだけまだ若いかな?・・位のタイミングで入って来ています。3月も中ですし、4月になれば気温もだいぶ上がってくるでしょうから、徐々に膨らみを増してくるでしょう。今飲んでも充分旨いです。30分ほどでだいぶ膨らんで果実に品種の個性を加えたボルドーブランらしいアロマがポンポン出て来ます。凝縮感もそこそこで、ちょうど良い感じよりも少し凝縮感が強めです。ミネラリティもバッチリ!レモン系の柑橘果実は酸っぱ過ぎず、ドライで良い感じです。徐々にオレンジっぽさも出てくるんじゃないかと思います。
下記に2014年のレヴューも掲載しますので是非読んでみてください。2014年ものよりは僅かに早いタイミングの到着?・・と思っていただいて結構です。超お勧めです!
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【セミヨンの華やかな旨さをソーヴィニヨンが支えています!!リーズナブルで目茶旨いです!!】
以前に2012年ものをご案内させていただいきましたが、皆さん、訝しげでは有ったものの・・
「noisy が美味しいって言うんだから・・買ってみるか・・」
のような当初の反応ながらも、日が経つ毎に加速して、見る見る内に無くなってしまいました。
「いや~・・想像したよりも美味しかったですよ・・」
と何人かのお客様にお声をいただいた、クロ・デ・リュヌのヴィンテージが進みまして2014年をご紹介します。
やはり何といってもポイントは「セミヨン」でしょうね。大体にして、白ワインの品種・・と言ったらまず最初に上がるのが「シャルドネ」ですね。クセの無い・・言っちゃえば特徴の薄い品種ですが、
「地に染まる品種」
とも言え、代表品種であることは間違い無いです。
で、次はと言えば「ソーヴィニヨン・ブラン」でしょうかね・・。ボルドーやロワール、ブルゴーニュと比較的北寄りの産地に多く造られます。「プイィ=フュメ」や「パヴィヨン・ブラン」でしょうか・・。他の品種にはない独特の青っぽさ、黄色っぽさが有って、上手な生産者のワインはとても美味しいですよね。このクロ・デ・リュヌでも使用されています。
他にはピノ・ブランとかアリゴテとか・・ローヌならグルナッシュ・ブランとか、ドイツ語圏内だとリースリングとかは有りますが、実は非常に著名ながら日本人には理解が余り及んでいないのがこの・・
「セミヨン種」
なんですね。
偉大なソーテルヌの主要品種ですから知っていそうな感じでは有りますが、実際はほとんど知られていないんです。
A.O.C.ボルドーの品種別ワインなどは多くのネゴシアンからリリースされていましたんで、noisy もワインのお勉強を始めた頃は随分とお世話になりました。まぁ・・今考えれば無駄な努力だったかもしれません。そんなに美味しいものは無かったです。
でも、軽やかで華やか、酸がキツク成らず、飲み易い品種です。しかし華やかなんだがちと重量感が無い・・んですね。そこのところを、このクロ・デ・リュヌは上手にソーヴィニヨンでバランスを取っている感じなんです。
リュヌ(リューヌ、リュンヌ)と言うのは「月」と言う意味なんですが、口の中に入れると・・ちゃんとまん丸なパレットを描いてくれるんですよ。クリーンで非常にピュアです!ミネラリティも鈍重にならず、しっかり溶け込んでいます。酸のバランスもセミヨン8、ソーヴィニヨン2と言うセパージュが良いのか、非常に優れています。ゴクんと飲んでも美味しいし、口の中で磨り潰すように味わいつつ飲んでもポテンシャルが感じられて美味しいです。
ほんの僅かな甘みと、結構しっかり有るビターがベストなマッチングで仕上がりが良く、造り手・・と言うかブレンダーと言うか・・その辺の方々の高いセンスを感じます。超高級ボルドー・ブランのように「熟成させて飲む・・」と言う様なタイプでは無く、
「いつ飲んでも美味しいように!」
造られているように思います。
なので、比較的冷たくしても味わいが沈み込まないですし、品温が緩んできてもゴク味、複雑性が見えてきて、これも美味しい・・しかも価格もリーズナブルです!
柑橘系のフルーツのニュアンスもバッチリ!フルーツもたっぷりです。是非飲んでみてください!「思ったよりもかなり旨いと思うかもしれないボルドーの白」です!お奨めします!
以下は2012年クロ・デ・リュヌのレヴューです!
【非常にリーズナブルなボルドー左岸はソーテルヌの辛口白です!味わいも申し分無し!!】
ドメーヌ・ド・シュヴァリエと言えば、ご存知「グラーヴ地区」のクリュ・ワインです。アペラシオン的には今は「ペサック=レオニャン」と言いますが、古い人間には・・「グラーヴ」と言われた方がピンと来ます。細かく分けるとペサック=レオニャン・・です。
メドックの南にあるグラーヴは基本、白ワインが傑出した土地ですが、赤も凄いですよね。オー=ブリオン系のモンスターが数軒存在しています。ま、赤も白も良い土地なんですね。
実はその南に有るのが、甘口の白で著名なソーテルヌですから、ある意味ちょうど中間の、赤白両方造れる土地ということなのでしょう。左岸の話しです。
今回ご紹介の「クロ・デ・リュヌ」は、グラーヴでは無くて、ソーテルヌの葡萄で造られているようです。どこかに甘いような貴腐的アロマが漂っているので、
「グラーヴ的じゃ無くてイグレックとかそっち系?」
かとは思っていました。
しかしそれは支配的なものではありえず、トッピング程度のものですし、とてもイグレックのような
「これでもかと言うほどのドライさ」
では有りません。(しかしドライな白ですよ。)
非常にフラワリーで、軽やかな小石系の石灰ミネラリティと薄めの黄色い柑橘系アロマに、わずかな樽由来の要素・・・ナッティーさだったりヴァニリンぽさが感じられ、現在溶け込みつつあるのが判ります。
高質さとリーズナブルさから言うと非常に高く、見た目も良いですよね。適度な中域の膨らみから、ややマッタリとした粘性を感じさせつつ、柑橘のフレーヴァーを残しつつのご退場です・・なかなかのものでした!
ボルドーの辛口ワインと言うと、三角州地帯のソーヴィニヨン系のダルくて変に重く、総体としては軽いバランスの変なものか、樽はしっかり掛かってるのに果実の風味が奥に引っ込んでしまっていて、いつ飲んだら良いのか判らんクリュ・クラッセ作の高級なものまである中で、
「今飲んで充分に美味しいと感じられるボルドーの白ワイン!」
になっているのが嬉しいです。
この季節、白や泡のお世話になると思いますので、是非レパートリーにお加えください・・・と言うか、ご案内できるのはおそらく一発しかないと思います。ご検討ください!お奨めします!
■新米ソムリエ oisy の熱血テイスティングコメント(一応、調理師免許も持ってます・・)
2012クロ・デ・リューヌ・リューヌ・ブランシュ ドメーヌ・ド・シュヴァリエ「味わいに膨らみがありバランス感にすぐれた洗練されたお手頃ボルドーブラン!」
セミヨン主体ですが結構ソーヴィニヨンブランの特徴も感じられます。ブレンドのバランスとして良い塩梅だと思います。膨らみある果実味に味わいの底にミネラル。ハーブの香りに柑橘。
ネガティブに感じる青さは出ていません。凝縮というよりも程よい厚みと奥行き。まろやかで少し粘性を感じる口当たりでドライ。
自然派とはまた違う安定感ある造りで洗練されていて、そこにプライドをかけて造っているようにも思えます。価格も安いですし、価格 対 味わいは良い感じに仕上がっていると思います!