【見事に集中し熟れたムルソー!本来の厳しさを優しさに転嫁した心に染み入る1本です。ベルトラン・ダルヴィオの集大成!!】--以下は以前の現行ヴィンテージのレヴューです。

ベルトラン・ダルヴィオさんのラスト・ヴィンテージ、看板ワインの「クロ・ド・ラ・ヴェル」です。いや~・・旨いす・・ボトルを抱えて飲んでしまいますよ。
彼のシャルドネはどれも見事に「緑」の色合いが見て取れます。ムルソーらしく柑橘や大理石的石灰、そして実に良い感じの「蜜」、ほんのりオイリーでマッタリ、柔らかで優しい味わいです。余韻も実に良い感じ・・ボーヌ・モンスニエール同様に長さとキレを両立させた球体の味わいです。
これ、不味いとか、大したことは無いなどとおっしゃられる方はいないでしょう。滅茶苦茶完成度が高いですし、今から飲んでも充分な満足感を得られます。
例えば昨年までイチ押しだったイヴ・ボワイエ=マルトノも、滅茶苦茶高価になってしまいました・・何より、マルトノの場合は、とても美味しい素晴らしいワインですが、
「飲み頃をキッチリ見なければならない」
と言う点が有ります。
勿論、1級群を言うのと村名を言うのでは違いが有りますが、
「ここまでリリース時にしっかり美味しさを伝えてくれるムルソーは中々見当たらない」
と言えるでしょう。
さっきフィネスさんの担当さんに電話したところ、やはり非常に売れているそうで・・昨年まではそれでもフリーな数を持てたそうですが、2015年ものは・・もう用意できないそうです。元からの数量も有るのでしょうが、
「飲まれた方からの還り注文が非常に多い」
とのことで、2月の数字が信じられないほど良かったそうです・・あ、言っちゃった・・(^^;; まぁ具体的な数字じゃ無いから良いよね。
そんな事例も納得できてしまう、素晴らしい仕上がりでした。もうピノもシャルドネも造らない・・引退だなんて信じられませんが、ここは・・
「長い間お疲れ様でした!」
と言葉を掛けつつ、限定されたワインを飲ませていただきましょう。
ミネラリティの厳しさを見せるムルソーも美味しいですが、見事なバランスやフィネスを見せるムルソーも、やはり人間ですから・・バランスの取れた美味しさに「クラッ」としてしまいます。今イチ押しのユベール・ラミー、バシュレ=モノとはまた異なる老練・熟練の最高傑作、お楽しみいただけます。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【高質です!滑らかでオイリー!ぷっくらと膨れた柑橘果実!今でも非常に美味しい!ムルソー村ど真ん中ならではのムルソー的味わいです!】
ん~・・これも一推しにしたいほど美味しい・・です。この何日かでかなりソフトになって来ているんだと思います。関東は南側では桜がほぼ満開ですが、春の訪れとともにワインも変化、また飲み人で有るワインファンの方々のバイオリズムも変わって来ている・・と言うことなのかと思います。
実は、前情報をエージェントさんの担当さんから頂いておりまして、「ムルソー系はまだ硬い」とのことだったので、とりあえず二の次・・と言う感覚だったんですね。なので、
「この旨さならボーヌ・クロ・デ・モンスニエール・ブランが一推しで決まり!」
と、ボーヌ・ブランを推すことにしたんですが、昨夜、このムルソーを飲んでみると・・こちらも滅茶苦茶旨いじゃないですか・・。
ボーヌの方はやはりムルソーっぽいとは言え、ボーヌ村系の白いミネラリティのエレガンスを持っています。でもこちらはやはり「ムルソー」ですから、その場所によってかなり・・味わいが異なる訳ですよ。
この「シャトー・ド・ラ・ヴェル」が有る場所は村の建物が集まっている中央から南に外れた位置にあり、丘の上でも無ければずっと下のレジョナルの畑でも無い、ほぼ中央に有ります。つまり、
「ムルソーのど真ん中」
なんですね。
で、ここは「ル・ヴィラージュ」と言われる畑です。・・まぁ、直訳すれば「村」と言う名前です。シャトー・ド・ラ・ヴェルと言うクロを持ったシャトーが有るので、「クロ・ド・ラ・ヴェル」と呼ばれているのでしょう。なだらかな斜面に有る、本当にムルソーの真ん中です。

写真はこのシャトー・ド・ラ・ヴェルです。
何しろ、ピノ・ノワールに適したヴォルネイを名乗るべき粘土質から、細やかな石灰系の白さを見せるミネラリティも有れば、ガラス系・ケイ素質の透明感を多く見せるミネラリティ、そして中央から南側の丘の上の大理石系の偉大感を見せつけるミネラリティまで存在しているムルソーです。そして、その「ど真ん中!」に有る畑なんですね~。
だから、上記のミネラリティをほぼ等分に持ち合わせたような豊満な味わいなんですよ。そして2014年の素性の良さがビシビシ伝わって来て、花や果実、蜜、木の実などの有機成分もガンガン来ますし、飲んでいて本当に楽しいワインに仕上がっているんですね~・・。
あ、ムルソーと言えば・・そしてシャトーと言えば、「シャトー・ド・ムルソー」と言う造り手のワインも有りますが、見栄え良く、しかもかなり安売りしていたとしても・・避けた方が無難です。美味しいと思ったことは一度も有りません。・・最も、大きく変われば別ですが、今のところその気配は無いです。
そんな安いだけ、名前だけのムルソーでは無く、本物の味わいを楽しめる素晴らしい出来でした!ベルトラン・ダルヴィオ・・まだちゃんと仕入れ始めて2~3年のお付き合いですが、良い年は間違い無いな・・と言うところまで確認出来たと思っています。非常に・・思いがけず、今飲んでも美味しい・・本格派でした。超お勧めします!!是非飲んでみてください。