
あのD.R.C.が所有していたクロ・ドーディニャック・・・一度は飲んでみたいでしょ?・・
まあ、これがですね・・ヴォルネイ1級の面白さと言える部分では有るんですが、今まで扱いがほとんど無かったので、ご紹介する機会が無かったんですね。なのでこの際、
「ど~ゆ~ことなの?」
と言うコアな部分をご紹介できればな・・と思っています。
例えばヴォーヌ=ロマネのグラン・クリュなら、皆さんもほぼ頭の中で地図を再現出来ますよね。1級クラスもしっかり覚えていらっしゃるかもしれません。
それにコート・ド・ニュイのグラン・クリュなら・・大方は理解している方も多いと思います。
「シャンベルタンと、クロ・ド・ベズはこんな風に違うと思うぞ!」
とか、猛者になってくると、
「エマニュエル・ルジェのエシェゾーは、ルシアン・ジャイエの持ち分が入る前と後では・・・風に違う」
などと、そのエシェゾーの細かなパーセルの話しになってくるかもしれません。
ヴォルネイの1級だと中々そんな話しにはならないですよね。でも結構に・・面白いと思うんですよね。
例えば、2015年のマルキ・ダンジェルヴィーユの1級クロ・デ・デュック。これ、滅茶凄かったですよね?・・飲まれた方はいらっしゃるでしょうか。荘厳さを隠せず、フィネスたっぷり、しかしヴォルネイらしい立ち振る舞いを忘れず・・いや、脳髄直結の凄いワインでした。
でも、クロ・デ・デュックって・・・ヴォルネイのどこに有るんでしたっけ?・・普通、判らないですよね。知っている方はかなりマニアックです。そう、村の真ん中・・と言うか、村人たちの家の周りに有るんですよ。
それでね・・「デュック」と名の付く畑は・・結構有るんですよ。これはご存知の方は多いかもしれませんが、全部は言えないでしょうし、また、それがどこに有るかはご存じないかと思うんですね。

ピンクで囲んだ部分がクロ・デ・デュック、ダンジェルヴィーユさんの最高のワインです。近年の素晴らしさは仰天ものです。
水色の部分はクロ・デュ・シャトー・デ・デュック、ミシェル・ラファルジュさんのワインですね。早くから自然派的なアプローチをしていました。何度かご紹介させていただきましたが、noisy 的には「?」な部分が有り、余り購入していません。
紫色の部分はクロ・ド・ラ・カーヴ・デ・デュックですね。近年はバンジャマン・ルルーがリリースしています。
このデュックと言うのは「公爵」と言う意味ですんで、「ブルゴーニュ公の畑」と言うことですね。西暦1200年頃にヴォルネイの畑は開墾整備されたようです。
これからどんどん良いワインに仕上がってくると、この「デュック比べ」も面白いと思うんですよね。今はまだ、
「造り手の個性」
がテロワールの個性を上回っているようにも感じますが、高いレベルでの競い合いは飲み手にとって非常な楽しみになると思います。
で、ようやく本題です。オレンジ色で囲われた部分が「クロ・ドーディニャック」です。デュヴォー=ブロシェ家の所有だったと言われています。因みに紫で囲まれた「クロ・ド・ラ・カーヴ・デ・デュック」に接した右下の広い部分が因縁の「ラ・ブスドール」です。
クロ・ドーディニャックの南側はあの「タイユ・ピエ」で、その下(東)が「シャンパン」です。ダンジェルヴィーユの2015年のシャンパンは、クロ・デ・デュックに負けず劣らずの素晴らしいワインで、その美味しさを皆さんに伝えたはずだったんですが、当初は何故か売れ残りまして・・
「ん~・・信用されてないなぁ・・」
と肩を落としたものです。
もしDRCがこの「クロ・ドーディニャック」を処分していなければ・・昨今はボーヌの秀逸な畑をアチコチ物色しているようですんで、「3つのデュック」「クロ・ドーディニャック」「ラ・ブスドール」辺りはもっと洗練され、グラン・クリュ申請をされているような時代になってたかもしれませんね。何せ、
「DRCはコルトン=シャルルマーニュを2019年よりリリース!」
が話題になってるくらいですからね。あの買収されたボノー・デュ・マルトレイから畑を借り受けてリリースするそうです。一体幾らになるのやらと・・そればかりが気になってしまいます。
と言う訳で、noisy が飲みたい「クロ・ドーディニャック」は、ひとまずお預けでご紹介だけ致します。
で、ある程度・・と言っても12本だけですが購入できた2011年のポマール1級、レ・ジャロリエールをご紹介します。
いや~・・美しいですね~・・何とも感動的な色合いです。深遠さと明るさが見て取れる美しい色合いです。
これがまた非常に判りやすい味わいでして、シャンボールと・・・皆さんがポマールだと認識しやすい味わいのポマールを足して割ったような明るい味わいです。
香りは濃密で緻密です。土っぽいのが野暮な感じに出てくるものでは有りません。ドライだけど膨らみの有る赤いチェリーが魅力的です。テクスチュアはシャンボール的な滑らかさを持つ絹ごしのもので、そこから「パワフルさ」が時折顔を見せます。
粘土と石灰の見事なバランス・・と言えるでしょうか。今飲んでも美味いです。勿論これから10年以上の長きにわたって味わいを磨いてゆくと感じられます。
ここは「レ・リュジアン・バ」の南に接する畑で、深く厚いリュジアンの旨さが感じられます。
あ、前回ご紹介させていただいた、フォンテーヌ=ガニャールのレ・リュジアンとは、方向性が全く違います。こちらはしっかりとした「肉」の有る味わいです。フォンテーヌ=ガニャールは激エレガンスです。滅茶苦茶旨いのに余りに売れないのでちょっと呆れてますが・・。すでに有名になった銘柄ばかり追いかけていると美味しいものを見逃します。
で、そもそも・・何でプスドールを今さら・・と思われていらっしゃるかもしれませんが、やはり昔の価格を知っていると中々ね・・手を出せないんですよ。今は、このレ・ジャロリエールもこんなプライスでは無いはずです。
それに、2015年のダンジェルヴィーユの旨さに魅かれたのも有ります。それに加え、
「ニコラ・ポテル放浪後のプス・ドールはどうなっているのか?」
と言う興味も有ったんですね。
ドメーヌ売却後も万全なのが確認できて良かったです。あのルネ・アンジェルは売却後、何だかボルドーワインみたいになってしまいましてガッカリです。そうならなくて良かった!是非飲んでみてください。お勧めします!