
1986年ものを開けました。余り期待はしていなかったんですが、これは良いですね。ちょっとビックリしました。期待以上です。
ちょうどこのコトー・ド・ローバンスと言うのは、ロワール川沿いのサヴニエール(辛口白の名産地、クーレ・ド・セランなど)と、レイヨン川沿いのコトー・デュ・レイヨン(甘口白ワインの名産地)に挟まれた形になって存在しています。
上記にも説明が有りますが、地元の人でもコトー・デュ・レイヨンからなぜ分かれたのか理解できないそうですが、飲んでみると「なるほど・・」です。
「ちょうど中間的な熟度と味わいが感じられる」
んですね。
最も、川と川に挟まれた形になっていますんで、コトー・デュ・レイヨンほどの甘みを生むような気候・土壌にはならず、適度な水分を得られる構造で、また、サヴニエールのようなドライに持って行けるほどの熟度でも無い・・と言うことなのでしょう。・・いや、かなり単純化した話しで、土壌構成はかなり違うと思われます。
色合いも美しいですね・・。粘性も色合いに出ているかと思います。濃い目のゴールドがとても美しいです。オレンジの皮とかのややパッションを感じる柑橘系果実のニュアンスと、少な目の甘みに混じるビターなニュアンスに、結構な量の石灰系ミネラリティを感じます。
ボリューム感も有りますが、抜栓して5分ほどでボディがグググっと膨らんできます。それに連れ、粘性はややサラリとした感じに変化、飲み口もよりスムーズで、コトー・デュ・レイヨンのように、
「美味いけど甘いなぁ・・」
と思う前に、構成の豊かな酸味が来ますので、
「・・バランス、良いなぁ・・」
と感じさせてくれます。余韻もかなり長いですし、還ってくる戻り香の果実的複雑さが感動的です。
これはとても安いな!・・と思わせてくれると思います。良いワインです。
飲んだのは1986年ですが・・何と32年ものですよ。1986年のロワールはマイケル・ブロードベント翁によると4つ星ヴィンテージで、かなり良い年です。今でもしっかり美味いです。
反対に飲めなかったのは1973年ものです。数量的に飲んでしまうと、どうしても価格を上げなくてはならず、自重したワインですが、こちらは2つ星です。1986年ほどのハツラツさやボリューム感は無いと思われますが、僅かな甘みにより多いバランスの酸味が、また1973年ものとは違う美味しさを見せてくれるんじゃないかと期待しています。余り売れないようなら飲んでみますけどね。でもこの価格ですからね・・ちょうど45年で、バースデイイヤーの方も多いはず・・。飲まれてみると良いと思いますよ。1973年ものは多くは無いですから。
1973年ものは色を透かせて見た感じだと、より濃く無い・・ゴールドで照りも良く、輝いています。柑橘感はレモン系でしょうか・・いや、酸っぱい訳では無いでしょう。1986年ものがオレンジ系の色合いで、感じられる果実がオレンジ系・・と言う部分が、より赤く無い、黄色に近い果実になる・・と言うことだと思います。勿論ですが飲んでないので推測です。
でも45年も経過して・・この価格なら・・良いですよね。ご検討くださいませ。お勧めします!