
評判が良さそうなので、'77 '79 '80 '81 '83 '85 '86 '87 '88 と揃って仕入れてみたボンヌゾーです。
ボンヌゾーと言えばロワール中流域、レイヨン川沿いの産地で、卓越したシュナン・ブランを産する村、アペラシオンです。やや甘口、甘口に仕上げるのが上等ですが、
「甘いだけじゃダメ・・」
なのはお判りの通り。ボンヌゾーと言えば・・ド・ラ・サンソニエールはご存知ですよね。
甘口ワインは、甘さに釣り合うだけのしっかりした「酸バランス」が必要なんですね。
また、実は・・余り言われていないことでは有りますが・・
「グレートイヤーは極上の甘口!(ここまではちゃんと言われていますが・・)しかし、普通の出来のヴィンテージが、甘さが適度に引っ込み、実は物凄く美味しい!」
ものが・・散見されるんですね。勿論、甘いだけの「ダレた味わい」のものも多く存在しますから、美味しいボンヌゾーを選ぶのは至難の業・・とも言えます。
今回ご紹介させていただくドメーヌ・ド・ラ・クロワ・デ・ロージュは、noisy も初めてのテイスティングです。完璧主義者の親父さんが造ったそうで・・なので、何年ものをテイスティングするか、悩んだのですが、1977年ものを飲ませていただきました。
これがもう・・滅茶美味しいんですよ。完全に円を描くパレット・・見事な酸です。熟成によりさらに磨かれ、ぷっくりと膨れ膨張しているように感じられます。
甘さは非常に控えめで、しかし、トップノーズに香る「蜜」のアロマと、つやつやの柑橘の果実が、素晴らしいバランスを見せていました。
余りに美味しいので・・3人でテイスティングしていますので、あっという間に無くなってしまいましたよ。熟していますので、ちょうど良い具合に熟した柑橘や果実のニュアンスが感じられますし、ミネラリティの支えも見事!自然派にありがちな、揮発酸のニュアンスも皆無です。
色合いが実に美しいじゃないですか!張りが有って古酒感の余り感じられ無い見事な色彩をしています。強い黄色・・が、まだまだこれから!・・と言っているようにも見えます。
余りに旨いので、お店にいらしたお客様にお勧めしたら・・テイスティングしたヴィンテージは在庫が無くなってしまいました・・。もっと買っておけば良かった・・ですが、最初ですからね・・冒険し過ぎは禁物なんですね・・。
で、他のヴィンテージも飲みたいところだったんですが、3本ずつしか仕入れて無いもので・・すみません。
因みにヴィンテージの評価を入れておきますね。マイケル・ブロードベント翁の「ワイン・ヴィンテージ案内」柴田書店 からの抜粋です。
77 星無し
79 ★★★
80 ★★
81 ★★
83 ★★
85 ★★★★
86 ★★★★
87 ★
88 ★★★★
おそらくですが、★4つはややゴージャスな味わい、★3つ・・は無くなっちゃいましたね・・、★2つは★3つよりドライ、★ひとつと無しはほぼドライ・・とお考えになってください。
完璧主義者の片りんもしっかり感じましたので、推測するところ他のヴィンテージもさぞや・・の出来でしょう!ド・ラ・サンソニエールのような「フカフカした土」を感じさせる柔らかさは無いですが、
「これぞボンヌゾー!」
と感じさせてくれる完成度の高い味わいでした。旨かったです!是非ご検討くださいませ。