【「なるほど~!」・・っと思わせてくれるビオディナミファン待望の見事な味わいです!ロクタヴァンのネゴス部門もドメーヌに引けを取りません!】

ロクタヴァンのネゴスものです。ネゴスと言うからには「買い葡萄」ですが、そのスタイルはロクタヴァンそのもの。全く変わりは有りません。
左の写真は弱発泡性のベティ・ビュルズ。ロゼっぽい感じでガス圧は強くは無いです。エージェント情報では「残糖感」に言及していますが、noisy がテイスティングした段階では「ほぼドライ」でした。甘くは無いですが・・このような造りですから、若干ボトル差は有るかと思いますので、一応「吹き出し注意」でお願いします。
ピュアでベリーな果実がほのかなタンニンを持って感じられます。アルコール分もそれなりに出ているようですので、「ペティアン」と言うよりは、「スティルワイン」に寄った造りだと思ってください。
なので、「ワイン」としての「しっかり感」が有ります。この手のペティアンは、非常にナチュラルで軽く、飲みやすいのが特徴ですが、良くあるのが・・
「ペラペラなボディ。安っぽい果実感・・キャンディーか?」
みたいな・・ね。判りますよね。
でも、結構に存在感が有るんですよ。そして揮発酸は抑えられていますので、泡に載った揮発香がプンプン・・・と言うのは有りません。
そして、アルディッシュのガメイなんですが、これが健康的に育った良い葡萄だな・・と感じさせてくれるような、プリップリさと味わいの深さを持っています。
なので、甘くてボディが無いけど・・でもジューシーでとても自然!・・みたいな、良く有りがちなパターンのペティアンでは無いです。クイクイと飲ませていただきましたが、後半はその味わいの深さを噛み締めて飲める、それなりに重厚な味わいでした。しかも、
「このデザインはクリスマスにも良いね・・いや、終わっちゃったけどハロウィン?」
と思っちゃいますよね。・・で、次のシェ・ジャンマルクは白雪姫に出て来そうな・・感じです。

こちらはもう・・ロクタヴァンのドメーヌもの・・って言っても通ってしまいそうな、ロクタヴァンらしい味わいが見事です。
飲み口のスムースさはピカイチです。柔らかく膨らんで・・でも実は結構にしっかりしています。チャーミングですが複雑性も有りますね。色合いもそれなりに深く、揮発酸は僅かに存在します。しかしそこから増殖していかないし、揮発酸のレベルも複雑な表情のひとつよ言うべきもので、
「その超えてはいけない部分を見事にクリアしている」
「むしろそのプラス面がマイナス面を凌駕し、完成形として仕上がっている」
と言えると思うんですね。
まぁ、この写真を見ると、もう・・慣れた方だと判ると思うんですね。香りを取らなくてもその存在はある程度判るものです。noisy 的には
「揮発酸は無い方が良い」
のがスタンスですが、
「完璧に止まっていて増殖せず、表情の一部としてそのワインを生かしているもので有れば良しとする」
のも補助的なスタンスです。30分後には臭くて飲めないようなものは、如何に造り手さんがこれで良いんだ・・と言い張ったとしても論外だと言うものです。
ロクタヴァンのワインは、その線引きがキッチリしていて、判ってやってるな・・と言う感じが伝わって来ます。何より飲み口が大事、ナチュラルで何も足さないことが大事・・なのでしょう。美味しいガメイですが、AOC基本の教科書に沿ったものとはかけ離れています・・が、美味しいと思ってしまう・・それがポリシーでしょう。
ネゴスのラインナップではあともう一つ、シェ・ファビアンが有りますが、こちらはテイスティングできませんでした。2014年のグルナッシュ(おそらくアルディッシュ)と、2016年のビュジェ(セルドンで有名ですよね)のシャルドネをセパージュしています。ヴィンテージも超えちゃって自由な造りです・・って、飲んではいないので判りませんが、
「黒葡萄(もしくは黒みの強い)のグルナッシュと白葡萄のシャルドネ!」
と言う・・何ともフリースタイル過ぎるヴァン・ナチュールです。気楽に飲み始めて・・いつの間にか複雑性に気付き、さらにはその魅力にやられてしまうのかもしれません。
初めてのご案内ですが、非常に楽しいテイスティングでした。是非一度飲まれてみて、この自由なニュアンスを味わってください。お勧めします。