【30年目のヴィーニャ・バルバカルロです!・・一体今までに何本販売させていただいたか・・もう蔵にも在庫は無いと言われていたものが何と!・・セラーの奥に隠れていたそうです!】
懐かしいでしょう?・・ヴィーニャ・バルバカルロの1993年ものです。最初の扱いは何年前なのかは・・もう判りませんが、少なくとも2000年過ぎ頃だったと思いますから20年前位でしょうか?・・当初はラシーヌさんが輸入されていましたが、すぐ後にヴィナイオータさんも輸入され、結果、移動しています。noisy はそのどちらからも仕入れさせていただきました。
何ともクラシカルな造りでして、昔からの造り方を一切変えていないようにも思います。
秋に収穫して・・サクッと仕込んで・・冬の間少し休ませて・・春にボトル詰め・・みたいな感じです。ロンバルディアはファッションの街・・いや、それだけじゃないですよね。素晴らしく歴史も有ります・・大聖堂とかスカラ座とか・・あ、レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館も有りますね・・で、ミラノの南に25~30km ほど離れたパヴィア県にある造り手さんです。
まぁ・・ちょっと「知ったか」・・をするなら、「オルトレポ」じゃなくて、「オルトレポー」なのかもしれません。「ポー川の向こう側」みたいな意味のようですよ。noisy の住んでる埼玉で言うなら、イントネーションは「川越」みたいな感じでしょうかね。最近は「小江戸」で大売出し中です。
このロンバルディアはエミーリア=ロマーニャに近接していますから、ワイン造りも結構似ているように思います。収穫してからワインがボトリングされて世に出回るのに、あまり時間が掛かりません。熟成なんてそんなに深くは考えていないように思えても、何十年も持ってしまう訳ですよね。ボージョレが持たないとか・・んな訳が無いんでして、日本酒だってちゃんと保存すれば何十年も持つし熟成する訳ですから、同じ醸造酒であるワインが5~6年で終ってしまう訳が無いんです。もっとも、
「最高の飲み時がいつだと思っているか」
だけを考えるのなら少しは許せる訳ですが、それでもその超短い飲み時判断が大きく間違っているのは・・間違いありません・・?
で、前回は「何と26年ものですが・・」と言ってますので、5年ほど前までは販売していたのかな?・・と思います。なので今回は申し訳ない・・たったの12本の割り当てですので、ヴィーニャ・バルバカルロ1993は飲まずにご案内させていただきます。まだまだ若さを感じる味わいでしょう・・アドヴォケイトはじめ、ワインの熟成を理解しているのかどうか判らない海外メディアの方々に飲ませてあげたい・・(^^;; 少なくともピエモンテやロンバルディアの人々は、そんなの・・充分に理解されていらっしゃるでしょう。
是非以下の「以前のレヴュー」を参考にされてください。古酒ですが滅茶安い・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【何と26年ものですが・・それでもピチピチ!・・葡萄をワインに昇華すると言う原型そのものじゃないでしょうか。実に感動的です!】
どうでしょう?・・官能を揺さぶるような色合いをしていますよね・・。美しくも妖艶・・のような感じがします。
まぁ、初めてリーノ・マーガのオルトレポ・パヴェーゼに触れられる方もいらっしゃると思いますので、「知っているだろう」との思いこみはなるべくしなように・・しますので、シツコクなってしまったら申し訳ありません。ご容赦ください。
1993年ものの、北イタリアのクロアティーナ55%、ウーヴァ・ラーラ20%、ウゲッタ20%、バルベーラ5%で仕込んだ赤ワインです。
誤解を恐れずに言ってしまえば、
「収穫して、発酵槽に入れて、発酵が終了したら瓶詰めして、ハイ、出来上がり!」
みたいな・・醸造方法です。言ってみれば、古代より綿々と続いてきた醸造法で「サクッと」仕上げてボトルに詰める・・と言うものですので、
「マロラクティック(二次発酵)って、何?」
みたいなものです。この地域だと寒いので、まず二次発酵は起こりませんが、絶対に起きないとも・・言えないかもしれません。でも気にしないと思います。
それに、
「澱だらけのワイン」
だと思ってくださいね。なので、「澱下げ必須」です。でも、澱が入っても・・余りテクスチュアには影響ないと思いますよ。やってみれば・・判ります。
1993年のワインですが、まだまだピチピチです。・・その「ピチピチ」と言うのは「ピチピチに若い」と言う意味も有りますが、「ピチピチ舌先にガスを感じる」と言う意味も有るんですね。そりゃそうです・・発酵が終わるとボトルに詰めちゃいますから、まだガスが残っている・・酵素も残っている状況で、澱下げだけをしてボトルに詰めちゃうから、詰めた直後は、
「ガスだらけ」
ですし、
「おそらく甘みも残っている(かも)」
状態が予想出来ます。
酸も綺麗です。低めの温度ですとほんのりエッジを感じますが、それもまた何とも良いポジティブなニュアンス。奥にまだ溶け切っていないタンニンも感じたりします。若い果実と熟した果実、生きの良い酸と僅かに感じるガス、それでいて適度な濃度の有る味わいは、何とも表現し辛い心地良さを感じさせてくれます。エレガントでも有り、パワフルでも有ります。
「昔のワインって、みんなこんな感じだったんじゃないかな・・」
と思ってしまいますね。
時折、原点に帰ってみたい・・と思うことが有ります。そんな時、心を癒されつつ、ワインの本質に触れられるリーノ・マーガのヴィーニャ・バルバカルロは超お勧めです。
昨今は随分と価格上昇してしまいました。でも近年ものの味わいは以前より洗練されて来ています。それは美味しいっちゃ美味しいんですが、どこか懐かしい感じのする1980~1990年代のリーノ・マーガのワインに心を惹かれます。是非飲んでみてください。今回の1993年ものに関しましては15年ほど前と余り価格は変わっていません。
P.S.このオルトレポ・パヴェーゼは、そのような造り方ですので個体差がかなり有ると思われます。ご了承くださいませ。
以下は2005年のご紹介時に書いた文章です。
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● 2~3カ月前に初めてオファーした「モンテブオーノ&バルバカルロ」ですがいかがだったでしょうか?
「いや~、変わってるよね~!」
「ワインって奥深いね~」
「とっても美味しい」
「ガスが爽やかさを演出してるね」
「古いのがあるなら飲んでみたいよね!」
という方が多かったと思います。勿論、中には、
「俺には合わないなあ..」
という方もいらしたに違いは有りません。
ですが、ある意味で「ワインの根源に関わる」部分でとても重要なテーマを持っている、素晴らしいワインです。
「瓶熟成の神秘」
「醸造とは結局は何なのか」
「ワインの味わいの変化の不思議」
さらには、
「吹いていたらワインは駄目」=×
「スティルワインが発泡してたら駄目」=×
「個体差の激しさが有って当然」
などなど、常識を打ち破るような出来事を目の前にされたのではないかと思います。
しかし、その不可思議な部分を除いて考えても、それなり以上の美味しさを理解いただけたと思います。それに、若いワインと少し熟成したワインをお試しいただきましたが、今回はかなり古いワインが入荷しました。この3種類を楽しむことで、バルバカルロのワインをかなり理解していただけることと思います。是非とも86年、89年、90年のモンテブオーノと89年、94年のバルバカルロを飲んでみてください。詳細は各コラムにて記載します。以下は前回のコピーです。
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世界中からオファーが来ているにもかかわらず、リーノ・マーガはワインを売らないそうです。イタリアのどんなお偉いさんが来ても、平気ですっぽかしているそうで..当然ながら日本には初の登場です。細かい部分はエージェントさんの資料を右側にご紹介いたしますのでご覧ください。使用品種さえ、バルベーラ位しか判りませんが、目茶旨いバルバレスコを飲んでいるような錯覚に陥ります..が、それだけじゃないんです!
noisy 自身ももこれほどまでにこのワイン達に感動を与えられ、畏敬の念さえ受けてしまうとは思いませんでした。全てのワインがリラックスし自然で、古典的で、前時代的で、実は最先端を行っています。有機栽培だ、ビオディナミだと騒ぐ以前の問題であり、自身の今までのワインに対する考え方を大きく変えるワインであることは間違い有りません。
ほとんどの方が「オルトレポ・パヴェーゼ」と言ってもボキャブラリ・知識には無く、ましてロンバルディアのワインと聞けば、
「フランチャコルタ以外は駄目」
というようなイメージが定着していると思います。
今回は、自身のイメージを狂わせたく無いという方には全く用が無いかもしれませんが、美味しいものや、貪欲にワインを追求する方には絶対に避けては通れないアイテムです。noisyのお客様は、
「そんなこと言わなくたって、強いお奨めが有るときは必ず購入しているじゃない?」
と仰っていただけると思いますが、例えば、レストランに出向いてこのリーノ・マーガのオルトレポ・パヴェーゼとマリアージュさせることは、この上ない幸せと経験になることでしょう。どのヴィンテージ、どちらのアイテムを選択されたとしても、おのおのの個性が素晴らしいので決して期待を裏切るものでは有りません。安価なものは3000円ほどから有りますから、デイリーに毛が生えた程度です。
ですが、このコラムに書いてあることを良くお読みの上、是非とも数アイテムをお試しいただきたいと思います。思った以上に安い買い物であることは、ヴィンテージを見ていただくだけでもお判りいただけるでしょう。そして思いっきりびっくりしてください。絶対言うと思いますよ。
「ウワッ、びっくりした。なんじゃこりゃ!」
ひ ひ ひ ...
1.アイテム
オルトレポ・パヴェーゼ・ロッソには2つのラインが有ります。「バルバカルロ」と「モンテブオーノ」です。「バルバカルロ2003」につきましては出来が良すぎたようで、DOCの規定に外れてしまったために、IGT(テーブルワイン)の名称になっています。
「バルバカルロ」の今回ご紹介のほぼ全てのラインには、「ガス」が存在します。「モンテブオーノ」のラインには、ガスがあるものと無いものが存在します。
2.それぞれのアイテムの味わいの違い
基本ラインは同じですが、「バルバカルロ」は葡萄が良く熟すせいでしょうか、葡萄の素直な甘みが有ります。(これについては後述します。)「モンテブオーノ」は基本的にドライです。
3.ヴィンテージによる味わいの違い
「バルバカルロ」は新しいヴィンテージほど、甘みが有ってガスが中ぐらいの量存在しますが、95~97年位のものが一番ガスが強い傾向にあります。古いヴィンテージのものはガスが弱まってきます。甘くてビターでドライで複雑です。「モンテブオーノ」は基本的にガスが無くドライ&ビターですが、ドライ&ビターな味わいの中にエキス分の何ともいえない旨みが存在し、スティルワイン的な美味しさを堪能できます。
4.ガスの正体
収穫の翌春には瓶詰めしてしまう、ある意味安ワインの典型なのですが、葡萄のパワーが世にもまれなワインに変えてしまっています。よく出来た年は当初残糖とアルコール発酵由来のガスが存在しそのまま瓶詰めされます。残っていた糖分を瓶内の酵素がシャンパーニュ方式的にアルコールと炭酸ガスに変化させてゆきますので、99~00年もの(約5~7年)当たりがガスがとても強く、甘みは無くなりドライになります。それを過ぎるとガスが徐々に弱まって行き、スティルワインの熟成と同様になります。
ガスの存在は、各要素の隙間に入り込み、表情を豊かに拡げてくれるようでもあります。また、アマーロという言葉は「ニガ甘い」というように紹介されていますが、リーノによれば、甘くてガスがあるときにその言葉を使うとのことです。このガスの存在により、さらに複雑さを感じていただけるようになっています。なお、上記のガス分析は noisy 独自のもので、その他の誰の保障も有りませんし、noisy も保障は出来ません..(^^;;
5.旨いか旨くないか
ブルゴーニュのワインのようであり、とても良く出来たバルバレスコでも有り、質感はサンテステフのグランヴァン(しかも良年)のようにも感じます。スミレ、動物香、スパイス、キノコなどのアロマ・ブケで複雑性に富み、フィネスが有りますから美味しくない訳が有りません。(最も人により好みはあると思います)
また、こってりしたワインでは有りませんので、飲む時期を選びません。夏の暑い時期にこそ楽しんでいただきたいワインです。
5.ご購入・選択の仕方
全てのアイテムを飲んでいただくのが当然良いのですが、それは無理..。新しいヴィンテージのもの、95~99年くらいの中盤、それ以前のものと3アイテムをチョイスされるのが良いと思います。この比較がバルバカルロを理解するのにとても役立ちます。
6.ベストな選択
とても特徴的なアイテムが2つ有ります。ひとつは最高の出来だったと本人が言っている、
2003年 プロヴィンチア・ディ・パヴィア・ロッソ バルバカルロ です。少し高価ですが、甘さ、辛さ、旨み、苦味、酸っぱさ、渋み、ボディの厚み、ミネラル、タンニン、ガス、自然さ、複雑さの点で特徴的なワインです。最高に美味しいです。また、2000年のモンテブオーノもややガスが有り、ほぼ甘みは酵母が食いきっていますのでドライ、ココア的ビター、スミレ、動物香と複雑な味わいでお奨めです。出来れば他のヴィンテージのものとの比較を考えていただければと思います。
7.注意
フィルター、清澄をおそらく全くしていないようで、滅茶苦茶 澱が有ります。澱を落とされてからお楽しみ下さい。保存はセラーが最適です。
と、取り留めなくつらつら書いてしまいました。絶対にお奨めのアイテムです。右のラシーヌさんの文章を読んでいただければお判りになると思いますが、実はこんなワインが良くも知られずに残っていたね、ということと、よくもラシーヌさんが引っ張ってこられた..ということが重なってのご案内です。出会いは一期一会、よくも出会えたことに感謝しています。絶対に飲んでみてくださいね。