【37年の歳月を超えてなお若々しさを失わず、凛とした姿に色気のあるアロマをほんのりと立ち昇らせます!・・ワインの本質とは何か・・深く考えさせられました!お勧めです!】

こんなに・・ねぇ・・古いワインを、こんなにリーズナブルにご案内できる訳ですから、ありがたい話じゃないですか・・。
すでにもう・・いや流石にもうリーノ・マーガの蔵は2000年以前の古酒は枯渇した・・と思われていた訳ですよ。ある意味、散々販売させていただきました。ただし、新しいワインも結構に値上がりしてしまいましてね・・バルバカルロの新しいヴィンテージのものには、なかなか手を出し辛かった訳です。オータさんにオーダーを出すと、1、2本しか来ないか、もしかしたら全部来るか・・が全く判らないので、ホント・・辛いんですよね。20ケース位発注してもゼロ回答だったことも有りますし、ほとんど来た時も有ります。いきなり来るので・・もうしっちゃかめっちゃか・・になります。まぁ・・オータさんも小分けで伝票を打ち、ピッキングするのでしょうから悲惨な受注・発送作業だとは思いますが・・。
noisy にとりましては非常に懐かしいオルトレポ・パヴェーゼのモンテブオーノです。しかも今回は1986年もの!・・コンディションはとっても良いです。美しく熟成した色合いですが、まだまだ「ピンピンした色彩」をしていますよ。
この1986年のモンテブオーノ、noisy も飲んでいるはずですが・・2005年当時はグラスの写真を毎回は撮っておりませんで、記録が見当たりませんでした。ただ、1986年の「ヴィーニャ・ロンケット」の資料は出てきたんですけどね・・。今回はモンテブオーノでした。蔵の奥に有ったそうで・・つまりこういうことです。
1.出来たワインを積み上げる。
2.年が変わって・・また出来たワインを積み上げる。
3.年が変わって・・もう手前にしか置けないので、「それまで積み上げたものの前に」積み上げる。
4.オーダーが来て、何とか探し出す・・と言うか掘り出す。
....1~4を ランダムに繰り返す。
結果として、奥に何があるのか、無いのか・・判らなくなる。
良くある話です。

どうでしょう?・・イメージと違う色合いをしていませんか?・・オルトレポ・パヴェーゼ・ロッソ、バルバカルロのワインは、若いうちはもっと「紫色」をしています。
この色合いだけを見てしまうと、
「・・あれ?・・・ブルゴーニュ・・かぁ?」
みたいに見えてしまうでしょう?
そもそも・・ですね。とても冷涼な地域ですし、秋に収穫して春にボトル詰めしてしまいますから、
「・・マロラクティック?・・知らない・・いや、関係無いっす。」
と言うことなんだと思うんですね。事実、40年近くを経ても、リンゴ酸を含む美しい酸バランスをしています。マロは僅かに・・自然に起きた分だけ、されている程度でしょうか。流石に、発酵時に有ったはずのガスは感じません。リンゴ酸も有りつつの、非常に滑らかな酸の味わいです。
2枚目の写真には、グラスを伝う「涙」が見て取れます。良い感じでしょう?・・これだけの年数を経ても、この粘性を持っている・・と言うよりも、これだけの年数を経てこの粘性を生み出した・・とも言えますし、そう感じられるかもしれません。
ちょっとシャンピニオンや、ブルゴーニュワイン的に熟したニュアンスがブルゴーニュ好きの心を引き寄せます。鉄っぽさに僅かに美しい血っぽいニュアンス、ベリーの熟したニュアンスが混じり、ほんのりジュヴレっぽい感じにも取れます。
ピチピチとした若々しいニュアンスも残しつつ、適度に熟したニュアンスです。時間が経過してゆくとそれらがしっくりと混じり合い、一体化していました。ジュヴレっぽさは少し交代し、適度に熟し始めたバローロやバルバレスコっぽい感じにも取れますが、酸の繊細さが有り、やはりどこかブルゴーニュっぽくも有ります。気付くとほとんど残っておらず・・飲み心地も良いです。
こんなワインがまだ残っていたなんて!・・ラッキーだと思いましたよ・・。特に最近の方は・・古いワインに対するアレルギーでも有るんじゃないか?・・と疑ってしまうほど、古いワインを飲んでいらっしゃらないんですよね。
まぁ・・古いワインは超高い・・ですから、仕方が無いのかもしれません。
ですが、このオルトレポ・パヴェーゼ・モンテブオーノ1986はこんなプライスですから、決して高過ぎるとは感じられないんじゃないかと・・いかがですか?
なお、
「澱は・・有ります!」
ので、飲まれる前に必ず立てておいて澱下げしてください。そして、
「グラスに注ぐ時はレストランさんのソムリエさんのマネをせず、グラスを持って水平少し手前位に傾け、ゆっくりボトルを横にして注いで」
ください。注ぎ終えたらボトルをそっと起こして、ボトルの中の澱を浮かせないようにしてください。
最後に澱の部分が残ったら・・もし澱の部分も飲みたいという欲求が有るなら止めません。ボトルの残りを全部、ゆっくりと注いでください。そして少しだけ・・グラスの澱の部分を見つめていて、澱と液体がほんのり分離したら、「ちょっと口先に漉くようにして」お楽しみください。そこは一番エネルギッシュな部分です。
ま~・・楽しめると思いますよ。良い経験になると思いますし、noisy たちにしてみても、何とも考えさせられる見事なバランスをしていました。ワインの本質って・・何なんでしょうね・・美味しきゃ・・楽しきゃ・・良いか~?・・そう感じられるのが一番かもしれません。是非ともご検討くださいませ。
以下は2005年に初めて日本に入った時の、noisy の・・リーノ・マーガのご紹介文です。すでに18年ほど経過していますので、現状と異なる場合も有るかもしれません・・が、一通り目を通してみたところ、まぁ・・この時なら・・そんなものかなぁ・・さして間違ったことも書いてはいないし・・と言うことで掲載いたします。
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● 「どっひゃー!こんなん..有り?びっくりしたな~も~!」
ワインを長く愛飲されている上級者・つわものでさえ、そんな言葉が口をついて出てくるんじゃないかと思われる、滅茶苦茶秀逸なワインをご紹介いたします。このワインを見つけてこられた合田さん、塚原さんの言葉を借りれば、びっくりした..とのことです。
世界中からオファーが来ているにもかかわらず、リーノ・マーガはワインを売らないそうです。イタリアのどんなお偉いさんが来ても、平気ですっぽかしているそうで..当然ながら日本には初の登場です。細かい部分はエージェントさんの資料を右側にご紹介いたしますのでご覧ください。使用品種さえ、バルベーラ位しか判りませんが、目茶旨いバルバレスコを飲んでいるような錯覚に陥ります..が、それだけじゃないんです!
noisy 自身ももこれほどまでにこのワイン達に感動を与えられ、畏敬の念さえ受けてしまうとは思いませんでした。全てのワインがリラックスし自然で、古典的で、前時代的で、実は最先端を行っています。有機栽培だ、ビオディナミだと騒ぐ以前の問題であり、自身の今までのワインに対する考え方を大きく変えるワインであることは間違い有りません。
ほとんどの方が「オルトレポ・パヴェーゼ」と言ってもボキャブラリ・知識には無く、ましてロンバルディアのワインと聞けば、
「フランチャコルタ以外は駄目」
というようなイメージが定着していると思います。
今回は、自身のイメージを狂わせたく無いという方には全く用が無いかもしれませんが、美味しいものや、貪欲にワインを追求する方には絶対に避けては通れないアイテムです。noisyのお客様は、
「そんなこと言わなくたって、強いお奨めが有るときは必ず購入しているじゃない?」
と仰っていただけると思いますが、例えば、レストランに出向いてこのリーノ・マーガのオルトレポ・パヴェーゼとマリアージュさせることは、この上ない幸せと経験になることでしょう。どのヴィンテージ、どちらのアイテムを選択されたとしても、おのおのの個性が素晴らしいので決して期待を裏切るものでは有りません。安価なものは3000円ほどから有りますから、デイリーに毛が生えた程度です。
ですが、このコラムに書いてあることを良くお読みの上、是非とも数アイテムをお試しいただきたいと思います。思った以上に安い買い物であることは、ヴィンテージを見ていただくだけでもお判りいただけるでしょう。そして思いっきりびっくりしてください。絶対言うと思いますよ。
「ウワッ、びっくりした。なんじゃこりゃ!」
ひ ひ ひ ...
1.アイテム
オルトレポ・パヴェーゼ・ロッソには2つのラインが有ります。「バルバカルロ」と「モンテブオーノ」です。「バルバカルロ2003」につきましては出来が良すぎたようで、DOCの規定に外れてしまったために、IGT(テーブルワイン)の名称になっています。
「バルバカルロ」の今回ご紹介のほぼ全てのラインには、「ガス」が存在します。「モンテブオーノ」のラインには、ガスがあるものと無いものが存在します。
2.それぞれのアイテムの味わいの違い
基本ラインは同じですが、「バルバカルロ」は葡萄が良く熟すせいでしょうか、葡萄の素直な甘みが有ります。(これについては後述します。)「モンテブオーノ」は基本的にドライです。
3.ヴィンテージによる味わいの違い
「バルバカルロ」は新しいヴィンテージほど、甘みが有ってガスが中ぐらいの量存在しますが、95~97年位のものが一番ガスが強い傾向にあります。古いヴィンテージのものはガスが弱まってきます。甘くてビターでドライで複雑です。「モンテブオーノ」は基本的にガスが無くドライ&ビターですが、ドライ&ビターな味わいの中にエキス分の何ともいえない旨みが存在し、スティルワイン的な美味しさを堪能できます。
4.ガスの正体
収穫の翌春には瓶詰めしてしまう、ある意味安ワインの典型なのですが、葡萄のパワーが世にもまれなワインに変えてしまっています。よく出来た年は当初残糖とアルコール発酵由来のガスが存在しそのまま瓶詰めされます。残っていた糖分を瓶内の酵素がシャンパーニュ方式的にアルコールと炭酸ガスに変化させてゆきますので、99~00年もの(約5~7年)当たりがガスがとても強く、甘みは無くなりドライになります。それを過ぎるとガスが徐々に弱まって行き、スティルワインの熟成と同様になります。
ガスの存在は、各要素の隙間に入り込み、表情を豊かに拡げてくれるようでもあります。また、アマーロという言葉は「ニガ甘い」というように紹介されていますが、リーノによれば、甘くてガスがあるときにその言葉を使うとのことです。このガスの存在により、さらに複雑さを感じていただけるようになっています。なお、上記のガス分析は noisy 独自のもので、その他の誰の保障も有りませんし、noisy も保障は出来ません..(^^;;
5.旨いか旨くないか
ブルゴーニュのワインのようであり、とても良く出来たバルバレスコでも有り、質感はサンテステフのグランヴァン(しかも良年)のようにも感じます。スミレ、動物香、スパイス、キノコなどのアロマ・ブケで複雑性に富み、フィネスが有りますから美味しくない訳が有りません。(最も人により好みはあると思います)
また、こってりしたワインでは有りませんので、飲む時期を選びません。夏の暑い時期にこそ楽しんでいただきたいワインです。
5.ご購入・選択の仕方
全てのアイテムを飲んでいただくのが当然良いのですが、それは無理..。新しいヴィンテージのもの、95~99年くらいの中盤、それ以前のものと3アイテムをチョイスされるのが良いと思います。この比較がバルバカルロを理解するのにとても役立ちます。
6.ベストな選択
とても特徴的なアイテムが2つ有ります。ひとつは最高の出来だったと本人が言っている、
2003年 プロヴィンチア・ディ・パヴィア・ロッソ バルバカルロ です。少し高価ですが、甘さ、辛さ、旨み、苦味、酸っぱさ、渋み、ボディの厚み、ミネラル、タンニン、ガス、自然さ、複雑さの点で特徴的なワインです。最高に美味しいです。また、2000年のモンテブオーノもややガスが有り、ほぼ甘みは酵母が食いきっていますのでドライ、ココア的ビター、スミレ、動物香と複雑な味わいでお奨めです。出来れば他のヴィンテージのものとの比較を考えていただければと思います。
7.注意
フィルター、清澄をおそらく全くしていないようで、滅茶苦茶 澱が有ります。澱を落とされてからお楽しみ下さい。保存はセラーが最適です。
と、取り留めなくつらつら書いてしまいました。絶対にお奨めのアイテムです。ラシーヌさんの文章を読んでいただければお判りになると思いますが、実はこんなワインが良くも知られずに残っていたね、ということと、よくもラシーヌさんが引っ張ってこられた..ということが重なってのご案内です。出会いは一期一会、よくも出会えたことに感謝しています。絶対に飲んでみてくださいね。