【これぞ新時代・・!激ピュアなぶどう果実からのダイレクトな果実エキスに、しっかりと深みとアロマを感じるピエモンテワインです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] この「マトゥネイ」。イタリア・リグーリアの方言で、「怒りと混じり合ったメランコリーな気分」という意味をもつ言葉のようです。元々は航海や気象学で使われていた用語で、どんよりとした空の天候を指していたらしいです。
しかしなんとなくこのワインの味わいに言葉の印象がピタッとはこない気がするんですよね…マトゥネイという言葉には日本人にはなかなかイメージつかないリグーリアの言葉の響があるのかなと想像します。ラベルには航海中の船が雷の中、灯台の光に向かって進んでいくようなデザインです。どちらかといえば、言葉の持つ意味よりもこのラベルの方がなんとなくワインのイメージに近く感じます。
ネッビオーロとバルベーラ半々のブレンドなんですが、Noisyの過去のコメントにもある通りで、単純に半々にしたイメージではない・・・んですよね。色味は紫の入った赤で、透明感のあるミネラリティです。
香りはぶどう果実そのものがアロマ化したような・・・素晴らしいフルーツのアロマです。そこにスミレやポジティブな枯れ感、僅かな野趣味が加わります。ここに関しては若いネッビオーロやバルベーラに感じる要素であり、セパージュをダイレクトに反映していると思います。
しかしこと味わいになると少し印象が違くて、ピュアなメルローを飲んだときのような、「実に綺麗な果実感」です。ネッビオーロの持つ「陰」の要素をあまり感じず、「明るさのある果実」を感じます。故に探りにいくことなく、反射的に「うまっ」と声に出してしまいます。そして余韻にかけてまたネッビオーロやバルベーラが持つ、スミレ感や赤紫果実っぽさが顔を出して伸びやかに締めていきます。この中域をしめる雑味の無いピュアな果実感がなんというか・・・新時代を感じるピエモンテワインです。
そしてアルコール度数は14.5%と高めなんですが、そうとはとても思えないほど「鈍重さがない」です。これは酸の良さもあるとあると思いますが、液体全体から感じるピュアな果実の影響かと思います。果実の「じゅわ〜っ」としたおいしさがあるんですよね。最初から最後までをとてもピュアな果実が寄り添ってくれます。
しっかりと澱を落とせばタンニンは意識することないほど細かく、シルキーです。ただやはりこのピノ・ノワールやメルローにはない、ピエモンテのぶどう品種が持つタンニンから滲み出る深みが・・・ピュアな果実と混じり合って「めちゃ美味なエキス」を形成しています。
ピュアなだけだとそうでもないんですが、この深みを併せ持っているとやはり「肉」をチョイスしたくなります。赤みの牛肉のステーキをこのワインで流し込んだら・・・最高でしょうね。まさに掛け算のマリアージュだと思います。残念ながら私もNoisyと同じく焼いた魚とのマリアージュになってしまいましたが・・・ただこのピュア果実感があれば、ちょっと工夫すれば魚とのマリアージュもいけそうな気がします。
それと今年もコルクではなく王冠です。あ、このダイレクトなぶどう感は王冠によって酸素の浸透がないことも影響が大きそうです。コルクによる緩やかな酸化がないので生き生きとした果実のピュア感をダイレクトに感じます。かといって還元的なニュアンスもなく、ちゃんと王冠の意図がワインに反映されていて素晴らしいです。
ダイレクトなぶどう果実の旨みとアロマを感じる、新時代・・ピエモンテワインです!ぜひご賞味くださいませ。
[ noisy wrote ] 以下は以前のレヴューです。
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こんな手が有ったのか!・・とちょっとビックリしましたよ。このマカイアは、
「単にネッビオーロとバルベーラの半々ブレンドでは無い!」
と言うことが・・飲めば伝わって来ます。
しかも抜栓する前から・・
「これ、王冠で止まってるのね・・」
と視認することになります。
で、ようやく飲み始めるんですが・・なるほど・・です!・・そう、まるで・・「質の良いメルロ」のようです。でもこれはネッビオーロとバルベーラなんです。そして、
「タンニンが一杯!」
存在しています。そしてそのタンニンの質が・・分厚くて、甘くて、めちゃ質が良いんですよ。

メルロだと粘土由来だと思うんですが、きっと・・このネッビオーロもバルベーラも、結構に粘土質のある土壌に植わっているのかなぁと・・想像させてくれます。
果実も茶・黒・赤と色とりどりに有って複雑性はあるものの、決して「果実果実」しておらず、単に果実だけに振った味わいでは無いんですね。ほんのりリキュールっぽさも有りつつのピュアな風情も有って結構に複雑性も高いんです。
そして・・おそらく、
「ピエモンテ風何とか・・」
のような、獣、ジビエなどの焼いただけ、煮込んだだけみたいなシンプルな料理に、ベタピンでマリアージュすると思うんですよ。・・まぁ、noisy の場合はしっかり焼き魚で強制マリアージュしなければなりませんでしたが・・(^^;;
そこでこの「王冠」。この味わいをそのまんまにしたかった・・変化させたくないと考えたのかな?・・と思うんですね。決して「ガス」「泡」は有りません。ボトル詰めの時に少量だけSo2を入れた様です。
もう・・本当にワイン造りはセンスだと感じさせます。「ヴィノ・デ・テュッティ」も滅茶苦茶美味しいでしょう?・・こちらもリーズナブルで滅茶美味しいです!是非飲んでみて下さい。追加はご用意できません。