
そもそもテイスティングの前に、オツムに情報を全く入れないのが基本でして、それが全く裏目に出てしまったミス・・が起きました。
そう、エージェントさんの資料を見さえすれば、
「シリュグとシリュグ=ノエラのロゼは中身は一緒」
と判る訳です。
でも仕入れ値が微妙に違っていまして・・しかも、昨年もちゃんと確認しているにも関わらず、余りに忙しくてテイスティングの順番をちゃんと考えていないのも有ったんですが、やっちまいました。中身が同じワインを開けてしまいました。
そう言えば、昨年もコラムにしっかり書いてましたね。
「インポーターさんはこのクラスのワインを平気でバラで割り当てる」
と。
そんなことなので、ケースの価格とバラの価格があるワインは、同じ扱いをしていたとしても結果的に二重価格になってしまう可能性が有る訳です。
なのですみません、ここからはロベール・シリュグのパスグラ・ロゼ2021の文章になります。よろしくお願いいたします。

20年前はシリュグがこんなワインを造れるようになるとは・・思っていなかったですね。
ちょっと「心憎い」と思ってしまうほど、ツボにどう入ってゆくか・・みたいな部分を考えているんじゃないか・・みたいな、ほぼ完成形の美味しさを見せます。やや冷やし目でも味わいは沈まず、最高のアペリティフになるんじゃないかと思います。
色合いも実に美しいです!2020年ものは少しサーモンピンクっぽい感じでしたが、2021年ものはその中の「赤」が少しピンク掛かっていて、全体として「ピンク」なイメージを見せます。
香りの立ちは早く適度な膨らみを持っていますが、ブルゴーニュ・アリゴテほどの滑らかさ、優しさは無く、反対にやや「フレッシュさ」を多く持っています。もちろんですが、尖った感じは無く、ガジガジっとした雑さも無く、非常に上品です。
クイクイ飲めるんですが・・大抵の安いロゼは、後口がイマイチで薄辛く平板です。なのでその後は中々進まなくなってしまうんですが・・どうしたんでしょ、この2021年もののロゼは心憎いまでの出来栄えを見せて来ます。
このところの円安が進んだことで、対ユーロで15~20%のマイナスですから、少なくともその位の値上げは仕方が無いんですね。そこに、
「2021年ものの収穫減での値上げが相当な割合で入ってくる」
のが普通です。日本はガソリンなどの燃料が、さほどは上がってはいませんが、海外は本当にひどい・・リッター400円以上もするのはザラで、軽油はさらに高いそうです。世の中・・おかしくないですかね。
ですがこのロゼも20%以下の値上げで済んでいる・・と言いますか、Noisy wine も去年よりも利幅を相当に下げています。
入荷がたったの10本、そこからテイスティングで1本無くなったので販売は9本だけ・・さらに利率を下げてしまってますから、
「行って来いで・・全部販売しても利益無し」
です。下手すれば赤字ですが、何とか2021年ものの良さを知っていただこう・・来年につなげて行きたいというような思いが有ります。
これから物価も徐々に上がってくると思います。某国の中央銀行の頭取さんもどうやらお役を退かれるとのことで、ようやく公定歩合も弄られるような雰囲気になってきました。何とか日本の景気も頑張って上がるようにして欲しいものですが、noisy としましてはとにかく、
「2020年~2021年のブルゴーニュ!」
です。
何とか皆さんに喜んでいただけるように頑張りたいです。そこでこのシリュグの2021年..先取りで知るには最高の1本、いや、2021年ものを知るためのアペリティフとして・・いかがでしょうか!・・おあとがよろしいようで。
以下は以前のレヴューです。
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【シリュグのロゼと中身は同じだそうで・・・でもシリュグのロゼ、エレガントで旨いです。】 同じものだと言われると、はい、そうですか・・と素直に言えない noisy では有りますが、このクラスのワインを平気でバラで割り当てる神経が理解できないとしても、シリュグ=ノエラの入荷が全てバラなので、何か1本だけ位しかテイスティングできない・・としますと、飲む訳にはいかないので、ついつい今までご紹介もせずに伸び伸びになってしまっていました。
ですので、以下にシリュグのロゼのテイスティングレヴューを掲載いたします。申し訳ありません。
【実にピュアでふっくらと滑らか!・・パスグラなのに滅茶高質感たっぷりです!】
美味しいですね~・・シリュグの大変革、是非とも感じてください。
この手のロゼも、ごく稀には物凄い品質のものに出会う事も有りますが、大抵はあんまり美味しくないと思ってしまうようなペラペラな味わいのものが多いです。
フラワリーなアロマですが、良く熟した果実の風味も同時に感じられ、フレッシュさと熟度の高さが一体となった感じです。普通はもっとソリッドですよね。2020年ものの特徴なのか、シリュグのテクニック故なのかはまだ判りませんが、この
「熟度が高いのに新鮮さ、エレガントさをしっかり持っている」
のは、今回入荷の2019~2020年ものに共通しています。
おそらく醸造所の内容も相当に変わったと感じさせる素晴らしい出来でした・・あ、こちらは甘くはないですが、どこかサンソニエールの例のロゼにも似ているようなニュアンスでは有りますが、むしろこちらの方がミネラル感はよりしっかりしているんじゃないかと・・。相当美味しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【桜色の少し淡く美しい色合い!でも芯はしっかりしています!2019年ものの走りだと思って下さい。】
ブルゴーニュのロゼは余り出回らないので結構・・人気なんです。そもそも余り見ないでしょう?相当昔ですが、クロ・デ・ランブレイが出した、おそらく上級キュヴェのセニエで造ったに違いないロゼの美味しさにひっくり返りましたが、こちらはそこまでなコンセプトでは無いにせよ、しっかり出来た、
「黒葡萄を白葡萄用の手順(に近い形)で仕込んだワイン」
です。
フラワリーで活き活きとしています。ボリューム感も適度に有ります。このロゼだけはアルコール分が14度で、ボディと芯を演出するために上げ気味にしたのかもしれません。そして余韻がまた・・いや、このロゼに限りませんが、長く持続する余韻が非常に瑞々しく潤いが有ります。もう・・普通に美味しいです・・が・・
「これ、10年位放りっぱなしにしておくと面白い結果が出そう!」
な顔をしていますんで、今飲んで良いですが、数年間寝かせると、奥にある官能的なニュアンスが出て来て楽しいとも思います。リーズナブルな価格で提供させていただきますので是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【数の無いパスグラのロゼです!ブルゴーニュ・ピノのロゼって、大当たりになる可能性有りです!】
少ないので飲まずに出します。ブルゴーニュ・パスグラのロゼは、上級キュヴェの果汁が入る可能性を残しているので・・滅茶美味しい場合が結構に有ります。
気軽にスイスイ飲めるのに・・アフターの気品に酔いしれる・・みたいな「美味しい思い」を経験したことが結構に有ります。ご検討くださいませ。
以下は初リリース時のレヴューです。
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【こちらも・・何故か旨い!・・でもアリゴテに比べるとほんの少しだけ飲み頃が先!】
我々にしてもそのようなことは往々にして有り、どうしても入ってきた価格に何%かを乗せて販売する・・ただそれだけのこと・・になってしまいがちな部分は存在します。
エージェントさんはどうしても・・そうなってしまいます。
しかし、ワイン屋としますとそれだけでは無い・・どうしても「品定め」と「価格決め」、もしくは「扱いの決定」をしなくてはならないんですね。
なので、エージェントさんはバイヤーさんの段階ではそれなりには考えたとしても、中々ね・・品定めは出来ないんですよね。
だから、自社のワインしか飲まない方々・・非常に多いですが、もう価格設定が酷いです。
「この出来でこの価格?・・無いでしょ。」
「こんなに素晴らしいのにこの価格?・・全部頂戴!」
・・これが出来ないとワイン屋商売、中々に辛いものになってしまう訳です。
初登場のパストゥグラン・ロゼです。何しろパストゥグランの畑ものですんで、全然期待してなかったんですが、結構これが旨いんですよ!
名前もパストゥグランですし、そんなに安くは無い・・いや、高くも無いんですが、やはり通常は素通りしたいところです。
でも、さすがシリュグと言うべき、素晴らしい仕上がりでした。30分ほどで大分出てきます。ボディが膨らんできて、桜っぽい、淡い、美しいロゼ色から、硬さが抜けて行きます。非常にしなやかになってきます。
エキスバッチリの味わいで、これは良いです。あと15分早く柔らかくなってくれるとね・・有り難いんですが、まぁ時間の問題でしょう。
桜の花、実、ベリー・・の果実感、透明感のあるミネラリティと非常に綺麗な仕上がりです。飲んでみてください。実は結構・・な推しです。数は全然無いです。ご検討くださいませ。