● 2020年もののシリュグ=ノエラをご紹介させていただきます。例年よりも少しだけアイテムが少ないですが、余りに少ない割り当てのキュヴェは仕入れから割愛させていただいちゃいました。まだ新しい造り手さんで、ワイン屋でさえ全く理解も出来ていないのに・・テイスティングさえできない数量では販売はどうにもなりません。
インポーターさんは、自分の倉庫から品物が無くなりすれば「売れている」と判断しがちですが、そんなことを続けていると痛い目に合うのは判り切ったことなんですが、頭では判っていても手足は思い通りには動かないようです。
今回は3アイテムのみに絞らせていただきまして・・まぁ、2アイテムをテイスティングすれば良い訳でして・・と思っていたら、1アイテムだけテイスティングすれば済んだので、無駄な経費を使ってしまって落ち込んでいます。
ですが2020年のシリュグ=ノエラは凄く良かった!・・です。やはりヴォーヌ=ロマネ・レ・バローですよね。何でしょう・・ドメーヌ同様の造りが出来る、家族間取引でのネゴス業ですから、
「ロベール・シリュグもシリュグ=ノエラもスタイルは一緒!」
です。
しかしながらまだ日本のワインファンの間では、旧来のロベール・シリュグの作風のイメージが、
「かちんこちんに固まったまま」
残っていると思います。
(グラン=ゼシェゾー以外のキュヴェは)クラシカルな醸造からの古風で平たい味わい・・だと思われているでしょう?・・数年寝かせるとそれなりに美味しくなって行くけれど・・とは思われているかもしれませんが・・。
全然違いますよ。今だから言えることなのかもしれませんが、このシリュグ=ノエラが始まった頃から変革が始まり、今や・・
「(アヴァンギャルドではない)ナチュール風の柔らかで膨らみのある活き活きとした作風!」
です。
ですのでまた一度、noisy に騙されてみるつもりで・・シリュグ=ノエラ、そしてロベール・シリュグを飲まれてみることをお勧めします。きっとご自身の中の「シリュグ」のイメージを全く更新することになると保障いたします。
そもそも・・シリュグ家は直系では無いもののアンリ・ジャイエの遠戚でも有ります。そして、やはり最近になってブームの兆しさえ感じられるデゾネイ=ビセイとも・・関係があると思いますし、ビセイのびっくりするくらいの成長がシリュグ=ノエラが始まった頃と時を同じようにしているのもその理由のひとつです。さらには・・おっと・・未確認情報になってしまうので止めておきますが、まぁ・・ブルゴーニュのドメーヌって、結構みな・・結局親戚同士だったりするんですよね。
ですがこのように、近年さらにジャンプアップして来た造り手として、シリュグ=ノエラ、ロベール・シリュグを捉えるべきだと思っています。是非トライしてみてください!・・ですが、お勧めするほど数が無いのも事実です。どうぞよろしくお願いいたします。
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2019年のシリュグ=ノエラです。ドメーヌ・ロベール・シリュグ分と一緒に入荷していましたが、テイスティングするか・・飲むとしたら何か・・と迷っていましたら、こんなに遅くなってしまいました。
何より入荷数が少ないので、上のクラスを1本でも開けると・・すべての利益が飛んでしまいます。さりとて飲まないとなるとご紹介も難しいし、当然他店さんも飲まないのは決定的ですから、
「結局誰も飲まない」
に近い状態が長く続いてしまう訳ですね。
しかもほとんどのメディアに取り上げられておらず・・何が何だかわからない・・日本のワイン屋も何も判って無いのに販売だけはちゃんとしている・・これで良いんでしょうかね。本当に困ります。何とかしてください。
2019年のロベール・シリュグは、どのアイテムも本当に美味しくて・・特に気に入ったのはヴォーヌ=ロマネV.V.でしたが、本当に瞬殺でした。飲まれた方も相当驚いたと思います。
「・・・これが花ぶるいの魔術か・・」
と思われたはずです。
noisy も何とか・・1アイテムのみですが、テイスティングさせていただきました。レ・バローですね。以前とは相当イメージが異なりました。結構にタイトさが有ったはずなんですが、別物のように思いました。
シリュグ=ノエラに関しましては、未だに「こうです!」と言えるような知見が無いので申し訳ありません。それでも結構にレアですので・・もしご興味がございましたら飲んでみて下さい。
■生産者によるヴィンテージレポート
2019年はこれまでの様に9で終わる偉大なヴィンテージ゙のひとつとなるのに大いに値します。かなり穏やかだった冬のおかげで生育サイクルは早く始まり早期の発芽となりました。
しかし春になると、近年ブルゴーニュでは寒さが定着しています。4月5日の朝霜は、村や区画、その場所の気温、成長段階により差はあるものの、被害を受けました。 5月中ブドウの樹は順調に成長し、6月の初めまで熱波が続きました。その後、強い突風と強い冷え込みがフランス全土に留まりました。それらは開花を部分的に妨げ、花ぶるいと結実不良も多く見られました。
夏には暑さから水不足でしたが、8月の数回の雨がブドウの樹の発達を助け、ヴェレゾン(ブドウが成熟するにつれ、緑色だった実が黄緑色から紫色へと色付いていく事)を促しました。
8月下旬と9月上旬は良好な状態で順調に成長を続け、理想的な健康状態が収穫まで続きました。収穫は9月24日に始まり、とてもスムーズにはかどりました。そして私たちは予想を上回る結果に心を躍らせました!
発酵はパーセル毎に差はあるものの、それぞれ大変、順調に行われました。ミルランダージュ(粒の大きさの不揃い)があった為、普段より少し時間を要しましたが。デリケートなルビー色で、ワインは優美そのもので、しなやかなタンニンと心地よいフレッシュさ、魅惑的な赤く小さなベリーの香りが食欲をそそり、ブルゴーニュファンの心を揺さぶるに違いありません。
2019年産の欠点をあえてあげるとすれば、収穫量が平均年を下回ったことだけなのです。チャーミングでエレガント、気品のあるこの2019ヴィンテージを日本の皆様が楽しんで頂く事を我々も心待ちにしています。
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初の入荷になりました、「アルノー・エ・ソフィー・シリュグ=ノエラ」をご紹介させていただきます。
初と言いましても・・そもそも・・
「ドメーヌ・ロベール・シリュグと区別する必要性が有るのか?」
と言うところから入らないと、その後の説明が難しいことになってしまいかねません。
何故って・・一応説明させていただきますと、アルノーさんはドメーヌ・ロベール・シリュグの次世代後継者で有り、ソフィーさんはノエラ家からお嫁にいらっしゃった奥さんで有り、2016年からアルノーさんとソフィーさん名で個人のメゾンでリリースし始めましたが、葡萄自体は「ドメーヌ・ロベール・シリュグから購入」と言う形を取ってはいるものの、2018年のヴォーヌ=ロマネ・レ・バローも以前はドメーヌ・ロベール・シリュグでリリースしていたものだから・・ですね。
それにいずれはドメーヌ・ロベール・シリュグを継承するか吸収するか・・になると思われますので、
「一緒で良いんじゃないの?」
とは思うんですが、
「アルノーさんとソフィーさんの個人のメゾン」
と言うことで、彼らの個性を発揮した部分が出ていると思われるため、一応・・別にご案内させていただくことにしました。
ですが、2018年もののドメーヌ・ロベール・シリュグを飲む限りにおいて、相当・・ロベール・シリュグの味わい自体、ナチュラルな方向に行っていると感じられますから、
「すでに挑戦・改革は始まっている!」
と判断するのが良いでしょう。
2018年もののロベール・シリュグを飲まれましたら、
「お~・・随分変わったな・・!」
と必ずや思われるはずで、しかもそれは確実に良い方向を向いていると感じられるはずです。
今回はシリュグ=ノエラは初の入手なんですが、これまた数がどうにもならないので・・取りあえずご紹介だけになってしまいますが、いずれテイスティングさせていただきたいと考えています。

■ロベール・シリュグ後継者と妻(ミシェル・ノエラ家)の造る新生ヴォーヌ・ロマネ
ブドウはアルノー・シリュグの実家であるドメーヌ ロベール・シリュグから買っています。ロベール・シリュグは、Vosne Romanee les Barreauxに2区画を所有しており一つ目の区画は、CROS PARANTOUX と LES PETITS MONTS に囲まれておりジャン・ルイ・シリュグ(アルノーの父)が所有。その区画から採れるブドウをすべて購入し、このワインをを生産しています。
二つ目の LES BARREAUX の区画は、ロベール・シリュグのワインとなるもので、北向きで ANNE GROS の畑と近いです。Arnaud et Sophieのワインはテロワールの特徴を表現したいため、人的介入をできるだけ少なくしているそうです。全房発酵は全体の50%なので、葡萄の実だけでなく、梗の熟したタイミングも見極めることが求めらます。熟成もやや短めにしています。彼らが表現したいのは、フィネス、エレガンス、テロワールと果実味なのです。ソフィーとアルノーはワインに求めるスタイルという点で互いに完全に一致しており、ビジョンとフィロソフィーをワインに表現できるように日々努めています。
ヴォーヌ=ロマネにあるロベール・シリュグはジャン・ルイ・シリュグとカトリーヌの息子で5代目のアルノー・シリュグが、徐々にワイン造りの中心となりつつある。アルノーはノエラ家から嫁いだソフィーと、「ドメーヌ・アルノー・エ・ソフィー・シリュグ=ノエラ」(Domaine Arnaud et Sophie Sirugue-Noellat)も2016年から生産している。ロベール・シリュグの11haの畑から造られるワインはどれも、極めて淡い色調で、2017年の暑さを感じさせない繊細さを秘めている。全房発酵は50%、新樽30%。レ・バローは冷涼なテロワールのため、2017年の収穫はシリュグのヴィラージュより3日遅い。1986年生まれのアルノーは次代を担う才能ある醸造家だ。 Wine Report 山本昭彦氏評