【バック・イン・HSSR は良いけど、「ザ」はどうしたのよ!・・とツッコミたくなってしまいますよね?・・でも味わいはとても素晴らしいです!】

♪フリュー・イン・フロム・マイアミ・ビーチ・BOAC・・ディドゥン・ゲッ・トゥ・ベッ・ラス・ナイト!♪
みたいなノリの良い出だしで、かのビートルズのバック・イン・ザ・ユー・エス・エス・アールは始まりますが、この曲に何らかのオマージュをお持ちだったのでしょうね・・でも、
「ザ」 が無いですから・・「ざんねん~!」
では有るんですが、いや・・美味しいです。今までもコート・ド・ブールのワインは時折飲んでいますが、確かに以前のリーズナブルクラスのボルドーワインに比較すれば、だいぶ良くなって来たとは言え、
「価格はまあまぁな・リーズナブルとまでは言えないけれど、何とか合格ラインに届くかどうか・・」
もしくは、
「価格は安いんだけど、旧態然的なテクスチュアがガサガサな残念タイプ」
のどちらかで有ることが多かったです・・いや、あくまでnoisy的な感覚ですので・・お間違い無きよう。
ですが、正体は詳細不明なクリスティーヌとブリュノ夫妻のシャトー・ロスピタルは、ブルゴーニュワインファンにも受け入れられるほどの、滑らかな舌触り、エキスのしっかり感、余韻までの繋がりのスムースさが感じられる・・その上で、ビオ的にネガティヴなニュアンスは無い・・と言えるレベルにまで仕上がったワインを造っています。
あ、「ロスピタル」の付くボルドーワインは幾つか有りますが、こちらはコート・ド・ブールですので、おそらく検索に引っ掛かるのはほとんど異なるシャトーになるかと思います。
このHSSR ルージュは、下級キュヴェのBNH よりも集中感が有って、エキス感はしっかりしています。タンニンは非常に質が良くなめらかですので、テクスチュアに問題は全く無いと感じられると思います。
その上で、甘く無く、果実感がかなりしっかり有って、重量感もそこそこ・・でも重くなり過ぎずにビオ系の柔らかで優しいタッチを感じさせてくれます。勿論、アロマのスピードも速く、濃密な果実感を感じさせてくれます。
またミネラル感は、ボルドーワインとしますと論外なほどに石灰感が感じられます。すこし粘っこいので粘土質なんでしょうね・・まぁ、メルロがほとんど、フランもちょっとですから、そんな土壌でしょう。サンテミリオンタイプとも言えますが、良く有る、「甘~い・・」感じにはなっていないので、非常にバランスが良いです。かなり美味しいです!
久しぶりにビートルズのホワイトアルバムが聞きたくなりましたね・・そうそう、たしかバック・イン・ザ・ユー・エス・エス・アールは、レコーディング時にドラムのリンゴ・スターがポールに怒って出て行ってしまったので、ポールがドラムをたたいてるんですよね・・。ちょっとスネアの入るタイミングが・・なんて思いながら、このワインを楽しむのもオツなんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。