● 2019年もので「巨人覚醒」をお伝えしたアンリ・グージュの・・新たに向かう道が見えた2022年ものをご紹介させていただきます。
2024年12月初頭、フィネスさんのワイン試飲会が行われました。そこでは多くのアイテムが出品されました。ジョルジュ・ルーミエ、メオ=カミュゼ、マルキ・ダンジェルヴィーユなどなど・・凄い面々ばかりの試飲会です。
そこでの一番の人気になったのが、何と・・
「2022年アンリ・グージュ」
でした。
実際に Noisy wine からはオイジーが参加させていただき、多くのワインをテイスティングして来ましたが、彼曰く・・
「アンリ・グージュがあんなに美味しいとは想像してなかった」
と・・。
それに加え、Noisy wine の担当のKさんにも確認しましたが、
「アンリ・グージュの評判が一番でした。」
とのことでした。
noisy も・・そりゃぁ頑張ってテイスティングしなくちゃ・・と言うことで、新アイテムのグラン・クリュ、
「2022 エシェゾー(・デュ・ドゥスユ)」
「2022 クロ・ド・ヴージョ(・グラン・モーペルテュイ)」
まで、フィネスさんのご協力をいただきまして敢行しました。
そして2022年のアンリ・グージュのワインの姿が、
「一貫している」
ことに気付き、また・・
「おそらく過去最高であろう」
と結論させていただきました。
決してリキミを感じさせない、見事に美しい液体で、どこまでも瑞々しく、表現もトップレベルでエレガント・・細やかな表情に驚きを感じました。
まぁ・・
「またまた・・そんなこと言って・・」
と思われるかもしれませんが、本心です・・。
激エレガントな2022 エシェゾー・デュ・ドゥスユです。信じられます?・・ジャイエ・ジル、セシル・トランブレイ、デ・ペルドリのそれらからは、
「エレガントだ!」
などとはとても言えない・・そんなイメージしか noisy には有りません。余りに美しくて、
「最高の出来のシャンボールかよ!」
とボトルに突っ込みを入れてしまいました。
クロ・ド・ヴージョ(・グラン・モーペルテュイ)2022もそうです。とんでもなく美しい系のクロ・ド・ヴージョです。しかもグラン=ゼシェゾーの真下の区画です。
「いったい・・どうやって入手したの?」
と考えこまずにはいられませんでした。
その美しさはアンリ・グージュの他のキュヴェと共通です。レ・ヴォークランがとんでもなく美しいんですから・・(^^;;
もし騙されても良いとお考えになられましたら、是非ともご検討よろしくお願いいたします。有り難うございました。
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巨人覚醒をお知らせした2022年1月からちょうど1年が経ちました。2020年のアンリ・グージュを紹介させていただきます。
ビックリするような変貌を遂げたアンリ・グージュですが、2020年もの・・いや・・もう驚いたのなんのって・・半端無い驚きでして、思わずフィネスのK君に電話してしまいましたよ。
なぜって・・
「A.C.ブルがめっちゃくちゃ・・旨い・・」
「・・でも・・なんとそれはフルーツ爆弾!」
「えっ?・・ピノ・ノワールのフルーツ爆弾って・・何?」
って訳です。
ですがどうやらこれは、ヴォーヌ=ロマネ近郊の2020年ものの特徴のようです。グロ・フレールだけはそれなりにエレガントでしたけどね。・・で、これです。

未発売の2020年のエマニュエル・ルジェのパストゥグランです。
「・・えっ?」
と、皆さんの驚かれる顔が目に浮かびます。そうなんですよ・・流石にここまでは濃密では無いにせよ、
「グージュのA.C.ブルも滅茶濃密でピュアで精緻!」
です。
ニュイ=サン=ジョルジュ村名も同様ですが、新樽の使用率が高い分、A.C.ブルのようなフルーツ爆弾的ではないんですね。今飲まれるなら、メゾンもののニュイ村名が滅茶旨いです。
このように・・数が全く無い2020年ものですが、考えられないほどの精緻さと濃密さの両立と遂げたのが2020年のアンリ・グージュです。ですが・・残念にも余りに数が無く、noisy のテイスティングも狭い範囲にとどまらずを得ませんでした。
ですので、このように思っていただけると間違いないと思います。
2020年のアンリ・グージュは、
1.今でも美味しくは飲めてしまうが、基本、3年以上寝かせた方が良い。メオ=カミュゼのジャン=ニコラ・メオさんが、「2020年ものをさっさと飲んでしまうのはお勧めしない。グレートヴィンテージだから。」
2.今飲んで良いのは、赤ではフルーツ爆弾ピノ・ノワールのA.C.ブルと、滅茶美しいメゾンもののニュイ=サン=ジョルジュ村名だけ。白はA.C.ブルのピノ・ブラン(絶品!)。
3.その他は3~5年置かれることをお勧め。
です。
アチコチに面白い写真を貼ってありますし、海外メディア情報も掲載していますので、ぜひご参考にされ、
「希少だが半端無い濃度を得た2020年のアンリ・グージュ」
をご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
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眠れる巨人、ついに覚醒!・・と言って良いでしょう!・・圧巻の2019年ものを造り上げたアンリ・グージュをご紹介させていただきます!
いや~・・ここまで長い年月が掛かりました・・。Noisy wine としましては、2017年ものからドメーヌ・アンリ・グージュのワインをご紹介させていただいています・・が、実は2013年ものから仕入は行っていました。ただし2015年ものにつきましては、フィネスさんが気を使ってくれたのかどうか判りませんが、2014年ものをお蔵入りしてお客様にご紹介しなかったのを見られてか、オファーが無かった・・ような気がします・・いや、もしかしたら2015年ものは2014年ものを抱えたままなので・・とnoisy が伝えた性なのかもしれませんが、余りに昔の話しなので忘れてしまいました。
2014年~2016年ものをご紹介せずにお蔵入りにしてしまったのは理由は多々在りますが、一つには、
「タンニンが前面に出ていて、リリース直後に飲まれる可能性が有る場合は余りふさわしく無いか・・。」
と言う気持ちと、
「どうやってご紹介したら良いか・・その構想を練っている時間が無い・・」
みたいな感じで、気付くともう1年が過ぎ、2年が過ぎ3年目の・・みたいなスパイラルになってしまった訳です。
しかしながら2017年ものをテイスティングしたところ(・・いや、それ以前のものも飲んでいますが)、明らかな変化が認められ、タンニンが前面の表情から撤退し奥に隠れるようになり、その質の良さが素晴らしいもの担ってきたことが判った訳ですね。ですので・・2017年ものはそのままご紹介させていただいたんです。
そして2018年ものはその路線をさらに拡充し、非常に美しいワインになったことをご報告させていただきました。
で・・2019年ものは・・圧巻でした!・・これはもう・・ニュイのトップと言っても過言では無い出来!・・しかもニュイの持つテロワールの違いが、「これでもか!」と言うほどに異なっていること、そしてそれに加えて、
「圧巻な美味しさ!」
をも感じさせてくれる凄いワインになっていたんです。
シェヌ・カルトーの実に愛らしい、可憐でエレガントで超繊細な味わいに惚れ惚れとしてしまいました。カイユの物凄い果皮が集中しつつもバランスの良い圧倒的な味わい、クロ・デ・ポレのエレガンスと真ん丸なパレットを描く超バランスな味わい、ヴォークランのパワフルさ全開ながら、ニュイの持つ構造の深さを感じさせる味わい、そしてピノ・ブランの白のブラッシュアップは、どこか中抜けして感じられてしまうピノ・ブランの個性を、集中感とフレッシュ感、そして滑らかさが見事なバランスを感じさせてくれるようになっていたんですね。
2019年ものは、アンリ・グージュにとって記念のヴィンテージだったようで、トップ・キュヴェの「レ・サンジョルジュ」は特別なエチケットでリリースされ、価格もかなり上昇していますし、しかも入荷量が・・信じられないほど少ないです・・無いと言っても良いかもしれません!でも、他の1級の味わいを見れば、相当に凄いワインになったことはうかがい知れます。
これはnoisy 個人の判断では有りますが、おそらく・・「収穫時期を早めた」んじゃないか?・・と思うんですね。2016年までのアンリ・グージュはタンニンの成熟をしっかり待つことに気持ちを集中するが余り、収穫のタイミングが遅かったんじゃ無いか?・・と。それが集成され、美しい果実味とタンニンをベストな配分で持てるようになった・・のが、一番の理由かと思っています。
これを持って、秘蔵(死蔵?)になっていた2014~2016年のグージュのワインも、再度テイスティングしてご紹介を始めたいとも思っています。
「5年経ったらリリースしよう」
と・・考えていたんですね。美味しくなっているはず・・です。
ですがまず、この2019年のアンリ・グージュを是非ともブルゴーニュファンの方に飲んでいただきたい!・・カイユの物凄い味わいは圧巻です!・・noisy はシェヌ・カルトーに首っ丈・・きっと皆さんはクロ・デ・ポレやシェニョの味わいに驚かれるはずです!
復活なったアンリ・グージュ!・・超お勧めしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

■ エージェント情報
2019年は2~3月に掛けて暖かく、4月は寒くなって霜の危険があったが結局ほとんど被害は無かった。7月から非常に暑くなった影響でウドンコ病が少し発生し、収穫まで暑い日が
続いたので畑はとても乾燥した。収穫は9月14日から開始し、乾燥などの影響で収穫量は20~40%減少したが、凝縮した素晴らしい葡萄が収穫できた。2019年でドメーヌ設立100年になったのでそれを記念して「ニュイサンジョルジュ1級レサンジョルジュ」は2019年物からドメーヌの創始者であるアンリグージュが考案したラベルを使用。これはAOCが制定される以前にアンリグージュが試作で作っていたラベルで、当時は違う村の葡萄やワインを混ぜることが許されており、ニュイサンジョルジュ産のワインということを証明するためにメインラベルの上に原産地保証を示す緑色と白色のラベルが貼られている。現在ドメーヌで使用している緑色を基調としたラベルデザインはこの原産地保証ラベルを参考に考案された。また、2019年ヴィンテージは「MaisonHenriGouges」として樽買いしたワインをドメーヌで熟成させたネゴシアン物も造っている。
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グージュが良い!・・もの凄く良いです。以前のやや硬さの残るタンニンが目立つ姿は2017年ものでかなり解消され、柔らかく目立たず、質感高いものに変化して来たのはお伝えしました。「眠れる巨人、ついに覚醒か?」とまで書いてしまった以上、2018年ものは相当頑張ってテイスティングし、ドメーヌ・アンリ・グージュの現在の真の姿を暴きたい・・(すみません・・)と思っていました。
そして2018年ものが入荷したんですが・・いや~・・良いですね~・・。
「覚醒した!」
のは間違い無いでしょう。
何が嫌いだったか・・正直に言えば、やはりその「タンニンの姿」です。赤ワインにはやはりタンニンは必要不可欠・・と言いますか、どんな赤ワインにもタンニンは備わっており、熟成や味わいに大きな関与をしています。
しかしながら・・ブルゴーニュワインはエレガンスが重要と考えていますから、
「硬く平板な大量のタンニン」
は好ましく無く、
「質はとても良いが目立つタンニン」
は、悪くないが・・ボルドーじゃないんだから・・と言いたくなってしまいます。
しかしながら、
「実はちゃんと備わっているのに全く判らないほどに仕上がったタンニン」
は、これ、最高ですよね?
昨年の2017年ものは、「質はとても良いが(少し)目立ちたがりのタンニン」が感じられたんですね。それでも他の表情は素晴らしく、
「お~・・グージュもついに来たか?」
と感じさせてくれたわけです。それだけに、2018年もののテイスティングは、ハラハラドキドキ・・「これで元に戻っちゃってたらどうしよう・・」みたいな感情が生まれて来まして、それはもう真剣にテイスティングさせていただきましたよ。
で、2018年ものは、
「実はちゃんと備わっているのに全く判らないほどに仕上がったタンニン」
どころか、
「柔らかさと冷ややかさを持った見事なタンニンを、ミネラリティのオブラートに包みこんで美しいディテールを生み出した!」
素晴らしい表情をしていたんですね。
ですので、畑のテロワールも、モノの見事にクッキリと浮かび上がって来ています。クロ・デ・ポレ・・・旨いですね~・・最高です。こんな価格で良いのかな・・とも思ってしまいます。プリウレも、本来はミネラル組成の性でしょうか、バランスが良過ぎて目立たない味わいに陥りがちのワインが多いと思いますが、ふっくらとした美しい表情に微細な起伏を持っているのが良く判ります。パワフルだがやや粗暴にも感じることの有るヴォークランも、そのまんまの姿に美しさを投影出来ているんですね・・。いや、村名のニュイも滅茶美味しいですよ。
ここからは推測に過ぎませんが、エルヴァージュを若干変えて来ていると思います。そもそも長めの熟成を掛けるのが伝統のようですが、たぶん・・そこを変えて来ているはず・・と感じました。
そして、自然派なアプローチもついに身を結んだんだろうと思います。ピノ・グージュ(ピノ・ブラン)の白ワインも滅茶美味しいですよ。これから先にご案内予定のドイツはバーデン、ヴァーゼンハウスのヴァイスブルグンダ―が絶妙に旨いですが、若干体形は異なるとしても、そこに「気品」をプラスするとピノ・グージュに近くなるなぁ・・などと感じています。
今回のテイスティングは、10アイテム中9アイテムで、1級レ・サンジョルジュのみテイスティングできませんでした。(ですが色々確認の意味を込めて合計10本開けています)ですが、
「今までに無いほどのレベルに仕上がった2018年、ドメーヌ・アンリ・グージュ」
で有ることは間違い無いです。
美しさ、雅さを感じさせる素晴らしいワインです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
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第一次世界大戦後、父親より9haの畑を譲り受けたアンリ グージュ氏は1925年にドメーヌを設立し、マルキダンジェルヴィル氏やアルマン ルソー氏らと共にその時代に蔓延していた粗悪なブルゴーニュワインを無くす為にINAOを設立し、区画やクラスを決める際、自分たちの畑があるニュイサン ジョルジュとヴォルネーには自己贔屓をしないようにグラン・クリュを設定しませんでした。
アンリ氏の孫のピエール氏、クリスチャン氏がそれぞれ畑と醸造を担当してドメ ーヌを運営していましたが、ピエール氏が定年を迎えたため、現在はその息子のグレゴリー氏が中心となって、ニュイ サン ジョルジュのみ15haの畑でワイン造りを行っています。
昔からコート ドールの傾斜が急な畑では、雨が降った後に土が流れてしまうという問題がありました。これに対し、ピエール氏は1975年に葡萄の木の列の間に芝生を植え る方法を生み出しました。これは降雨後の土地の侵食を防ぐだけでなく、雑草が生えるのを抑える働きもありました。また、丈の高い雑草が生えない為に畑の通 気が良く、カビの発生を抑制する効果もありました。さらに、芝生があることで葡萄の根は横ではなく下に向かって伸びるため、地中深くの養分を吸収すること ができ、結果としてテロワールを明確に表現することができました。
また、徐々に畑をビオロジック(有機栽培)に変えてきていて、2008年から100%ビオロジックになりました。 畑で厳選して収穫された葡萄は2007年に新設された醸造所で選別され、果皮や種の収斂性のあるタンニンを出さないように葡萄の実は潰さないまま除梗機で100%除梗され、そのまま地上階にある醗酵タンクへ重力によって運ばれます。アルコール醗酵には白はステンレスタンク、赤はコンクリートタンクを使います。コンクリートタンクはアンリ グージュ氏の時代に造られた古いものが使われており、内部には酒石酸がびっしり付着しています。このコンクリートタンクはタンク上部が開いている開放桶ではないのでアルコール醗酵の際に発生するガス(二酸化炭素)がタンク内部に溜まりやすく、醗酵作用がゆっくりと進むので、じっくりと葡萄から色とアロマを引き出します。櫂入れはタンク内に設置されている金網状の機械で行い、ガスによって押し上げられた果皮や種と果汁の接触を増やしてアロマやタンニンを引き出します。その後、新樽率約20%の樫樽に移されマロラクティック醗酵をさせて18ヵ月間熟成されます。とても綺麗な葡萄が取れるのでそのままでも十分透明感がある為、コラージュやフィルターは行わずに瓶詰めされます。