
昨今は日本のワインも見直され、
「日本の土地、葡萄ならでは味わい!」
が受けているのは非常に喜ばしいことだと思います。
ですが一方で行きすぎ?とも思えるような囲い込みが行われていますし、並んで購入するのが大好きな日本人らしく、リリースされると整理券を貰うが如く、購入されるようです。
そんな味わいはそれで良い・・とは思いますが、ひとつのワイン・・として見比べた場合、
「無いことが特徴」
が優先されるようでは・・ちょっとどうなのかな?・・などとも考えてしまいます。
酸が無い(少ない)から飲み易い。アルコール分が無い(低い)から飲み易い。濃くないから飲み易い。
飲み易いのが素晴らしいワインなのか?・・と問われて・・そうだと返したら、モンラッシェなどは飲みにくいでしょうし、シャトー・シャロンなんぞは問題外と言うことなってしまいます。
まぁ、お客様はそんなことを考えることなど無く、自分の好みに正対しているだけで良い訳ですが、ワイン屋はそうは行きません。なので、言う必要が無い時は言わず、もし聞かれたら柔らかくお答えする・・そんな感じになります。

ビオに対しても同様です。酢酸バリバリなのがビオだと思っていらっしゃる方と、例えサンスフルでもアヴァンギャルドは敵だ!・・と思っている方を同様に対応する訳には行かないですよね。
そんな中で、このセット・リュンヌの立ち位置は素晴らしいと思います。
ピュアです。ナチュラルなんだけれど、それを見せるのは「樽が無い」部分に置き換えられているので見え辛いです。そして「完全エキス」へ昇華されていますから、その品種、畑の組成を見事に内部に留め置き、エキスに溶け込ませています。
ですから飲んでいて・・妙な納得感が有ります。説得力が強いんですよ。そして、僅かな疑問が有ったとしても、僅かな経過時間が応えてくれるんですね。
比較的「ギザギザ」なイメージのヴィオニエと、比較的縦伸び系長方形的イメージのルーサンヌをセパージュしています。noisy にはとても美味しく感じられます。清楚な果実・柑橘、リアルなスパイス、しっとりしていて、滑らかで非常にドライです。化粧ッ気は全く無し!・・ちょっと位化粧しても良いんじゃない?・・みたいな部分はちょっとだけ有ります(^^;;
でも美味しいです。酸も豊かです。アルコール分もちゃんと有ります。その意味で日本のワインと比較すると、とんでも無く違います。飲んでみて下さい。リーズナブルで本格派な白ワインです!