
このラングドック・ルーションとコルビエールに挟まれたミネルヴォワと言う南仏のワインですが、以前は結構に迷走していました。
まぁ、安いワインがたんまりと出来る地域でしたが、高級ワインを造ろうと・・皆頑張った訳ですね。
ところが中々上手くは行かず、成功したのはほんの一握り・・で一瞬?・・でした。
暑い地域ですから、濃い目のワインに仕上がります。ですが、それまでのやり方を引きずってのワイン造りでは、
「酸が無くて濃いだけで暑苦しくダレ気味」
になってしまいがちでした。
ですがこのところ、自然派のアプローチが成功しはじめまして、「美しい酸と冷ややかで充実した果実味」が表現できるようになって来たんですね。
で、この「オープン・ナウ」を飲んでみました。・・ん、良いですね・・。濃くて酸の無いワインが余り好みでは無いnoisy が言うんですから、そのほぼ逆を行っている味わいです。
色合いは赤に黒・・で濃い目ですが、
「うわ~・・濃くて疲れるわ・・」
と言うような感じでは有りません。ちゃんと美しく伸びやかで連続した酸が存在しているんですね。アロマも上質なカシスにベリー系が加わり、非常に細やかなミネラリティが溶け込んでいます。
中域もきれいに膨らんで、しかしそこからの「押し」が強く無く、「膨大に拡がって行こう」と言うのではなく、「締まった美しさ、適度なタイトさ」を持っているのが好印象です。

まぁ・・長くワインを飲んできた性でしょうか、余りにえげつなくパワフルな味わいのワインには、どちらかと言うと「拒否感」が出てしまいますが、これはまず質の良さが来て、優しさと膨らみが来ますから・・
そして暑苦しさではなく適度な冷涼感ですね。冷たい・・と言うのではなく、草原を渡ってくる乾いた風・・みたいな感じです。
余りご紹介しない「濃密」「フルボディ」タイプの赤ですが、これはこれで・・素晴らしいんじゃないでしょうか。何せ、価格もとてもリーズナブルです。そして、昔の南仏ワインのような「粗野」な印象が全く無いんですよ。
若い時は比較的直線的な印象のシラーに、複雑性が高く、ワイルドな要素を持っているムールヴェードルをほぼ半々でセパージュしているところも、とても良いバランスかと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!