【So2生成量、添加量も少ない、濃密系・・ほんのりアヴァンギャルド系が入った・・でも許容範囲のピノ・ノワール!・・揮発酸がダメな方はスルーで、でもお若い方はお好きだと思います!】

セバスチャン・リフォーの・・ナチュールなサンセールです。
まぁ、「ナチュールな」と言う定義は中々に面倒臭いんですが、一般的に言うところのナチュール度は高め・・と言うことになります。
ただし時折言ってますが、ワインに携わる方々でも、思いっきり勘違いしておられるか、もしくは判っていても「ナチュールだから」と言いたいのか・・は判りませんが、どうもですね・・
「So2の少なさを言いたい」
「揮発酸の生成、その影響を余り大きな声で言いたくない」
が・・ための「ナチュール」で有る場合が非常に多いです。
まぁ・・ナチュールと酸化防止剤無添加は結びつき易いものではありますが、
「絶対にイコールでは無い」
訳ですね。インポーターさんの中にはその辺りを何とかグレーにしたいと思っているんじゃないか?・・と疑われる方もいらっしゃいます。
そんなことを言ってますが、セバスチャン・リフォーの栽培はビオディナミで葡萄を良く熟させたい、そして基本、So2を使いたくない人です・・ので、揮発酸は有ります。
ですので、ブルゴーニュの一部・・とも思えなくもないロワール上流のロケーションのピノ・ノワールで有りながらも、揮発酸が動いた形跡のある味わいになっています・・から、
「揮発酸が有ったらワインはダメ!」
と思っていらっしゃる多くのブルゴーニュ・ピノ・ノワールファンの方には・・
「まったく向かない!・・のでスルーしましょう!」
と申し上げておきたいと思います。
ただし、おそらくそんなピノ・ノワール・ファンの方々の約半分は、飲まれてもその存在に気付かないかもしれない・・です。

なので、自然派大好きな方、そしてお若い方には、めちゃファンになってしまうような魅力のあるナチュールで有ると・・言えます。
色彩も濃密で果実の味わいが深いです。グラスの写真の色彩もそれなりに濃いと思うんですね。ですがまったく重ったるくはなっていませんで、エキスがしっかり出た、充実したパレットを描きます。
あ、ちょっと脱線しますが・・このグラスの写真を見て・・揮発酸の影響が見えると思える方・・流石です・・そう・・見えるようになるんですね・・長年やってますと・・。抜栓しますともう・・てき面に判ってしまいますが・・。
その揮発酸の影響は少ないですが確実に有ります。しかし、後口を全て「サワー」のようにしてしまうほどには・・当然なっておらず、言ってみれば・・
「ヤン・ドゥリューよりも少ないくらい」
です。
非常に複雑性に富んだエキスの味わいで、非常にドライですが旨味がたっぷりです。
あ・・前にも少し書きましたが、最近は多くの外人さんに、
「ウマミ」
「ダシ」
は・・そのまま通るようになって来ました。何かちょっと嬉しい感じがします。
ドライですがジューシーでも有り、当初は揮発酸の中に隠れていた複雑で細やかなニュアンスが、5~10分ほど経過しますと拡がり始めます。スイスイも飲めますが、徐々にその複雑性が膨らんで来ますので、
「いつの間にか・・その複雑性と対峙するため、飲むスピードがゆっくりになって行く」
そんな感じです。このセバスチャン・リフォーさん・・貴腐の付いた葡萄が好きなようで、特に白では顕著なのでしょうが、この2020年は特段にその影響を受けているとは感じませんが、結構に複雑な印象です。
2020年ものですから、それらが全て混然一体となるまで1~2年と言ったところだと思います。今飲んでも美味しく、この先7~8年は上昇して行くものと思います。飲んでみてください。
あ・・因みに・・新井順子さんセレクツのボワ・ルカ輸入です。2019年ものは有っても2020年ものは余り扱いは無いんじゃないかなと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。